JP2016206360A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】新たな機構を要することなく、連写速度を落とさず、連写時の内部要因の振動によって生じるカメラブレによる画像ブレを軽減することを可能にした撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像装置は、装置本体に対して回動可能に支持され、ファインダ観察時にミラーアップし、撮影時にミラーダウンするミラーを保持するミラーホルダと、前記ミラーホルダを駆動させるミラー駆動装置と、露光を行うシャッタを備える。露光終了からミラーダウンの駆動開始までの時間を可変する時間遅れ手段を有する。前記シャッタの露光時間ごとに、前記時間遅れ可変手段により、露光終了からミラーダウンの駆動開始までの時間を変更することで、前記ミラーホルダーが、ミラーアップ位置に到達した時に発生する振動に対して、前記ミラーホルダが、逆位相の振動を発生させるタイミングでミラーダウン位置に到達するように前記ミラー駆動装置を制御する。
【選択図】図6(c)
【解決手段】撮像装置は、装置本体に対して回動可能に支持され、ファインダ観察時にミラーアップし、撮影時にミラーダウンするミラーを保持するミラーホルダと、前記ミラーホルダを駆動させるミラー駆動装置と、露光を行うシャッタを備える。露光終了からミラーダウンの駆動開始までの時間を可変する時間遅れ手段を有する。前記シャッタの露光時間ごとに、前記時間遅れ可変手段により、露光終了からミラーダウンの駆動開始までの時間を変更することで、前記ミラーホルダーが、ミラーアップ位置に到達した時に発生する振動に対して、前記ミラーホルダが、逆位相の振動を発生させるタイミングでミラーダウン位置に到達するように前記ミラー駆動装置を制御する。
【選択図】図6(c)
Description
本発明は、連写時のカメラブレの回避機能を備える撮像装置に関する。
近年、被写体の光学的な像を電気的な画像信号に変換して撮像するデジタルカメラ、特にレンズ交換可能なデジタルカメラが急速に普及している。
しかし、カメラの保持姿勢や、被写体の動きによっては、その撮影画像にブレが生じ、画質が劣化する場合がある(以下、「画像ブレ」と呼ぶ)。
その画像ブレの原因としては、カメラ本体に加わる振動(主として手ブレ)によって生じる「カメラブレ」や、撮影被写体が動くことによって生じる「被写体ブレ」がある。
近年、デジタルカメラの撮像素子の高画素化にともない、1画素の大きさが小さくなってきている。一般的に、1画素の大きさが小さくなるにつれて、解像度が高くなるため、画像ブレは、小さなブレ量でも目立ってしまう。そのため、カメラブレによる画像ブレは従来のカメラ本体に外部から加わる大きな振動(主として手ブレ)だけでなく、カメラ内部から加わる小さな振動でも発生してしまう。
具体的には、ミラー駆動機構のミラーアップおよびミラーダウン時の衝撃や、シャッタ駆動機構のシャッタ幕走行による衝撃によって発生する振動によって、カメラが共振してしまい、カメラブレによる画像ブレが生じてしまう。
さらに、連写撮影時は、前述の駆動機構による駆動時の衝撃により発生する振動が、前の駒で発生した駆動機構による衝撃の振動と共振することで、単写撮影と比較して、より大きなカメラブレが生じてしまう。
カメラブレが発生してしまう現象について、従来のミラー駆動の制御方法を用いて詳細に説明する。
図1(a)は従来の駆動方法における、連写撮影時のミラーの位置関係とカメラブレ量の関係を示したグラフである。図1(b)は撮影の流れを表したフローチャートである。以下、図1に沿って従来の制御方法について説明する。
ステップ1では、スイッチ(SW2)114bがオンされたか否かを判別する。オンならば撮影を開始し、ステップ2に移行する。オフならば、ステップ1を繰り返す。
ステップ2では、あらかじめMPU1に設定された、スイッチ(SW2)114bオンからミラー駆動開始までの時間T10(以下ミラーアップ開始タイマと呼ぶ)待機した後、ミラーアップ駆動が開始される。ミラーホルダ301がミラーアップ位置に到達すると、アップストッパ309に衝突して大きな衝撃が発生する。この衝撃による振動がカメラ全体に共振して、図1(a)のV1に示すカメラブレが発生する。V1のカメラブレは徐々に収束するが、一定時間振動が続く。
ステップ3では、ミラーホルダ301のミラーアップ位置到達から、露光開始までの時間T20(以下露光開始タイマと呼ぶ)待機した後、メカニカルシャッタ6が駆動して露光をT30の間行う。ここで、T30とは撮影者によって設定された露光時間のことである。先羽根群6a、及び後羽根群6bの走行完了時に衝撃が発生するが、カメラブレには影響の少ない小さな振動である。そのため、単写撮影時はミラーアップ位置到達の振動によるカメラブレが画像ブレの主な要因となる。
ステップ4では、露光終了後、あらかじめMPU1に設定された露光終了からミラーダウン駆動開始までの時間(以下ミラーダウン開始タイマと呼ぶ)T40待機した後、ミラーダウン駆動が開始される。ミラーホルダ301がミラーダウン位置に到達すると、位置決めピン304に衝突して大きな衝撃が発生する。この衝撃による振動がカメラ全体に共振して、図1(a)のV2に示すカメラブレが発生する。この時、図1(a)に示すように、ミラーアップ位置の到達による振動で発生したカメラブレ(V1)に、ミラーダウン位置の到達により発生した振動が共振することで、より大きなカメラブレ(V2)が発生する。
ステップ5では、ミラーダウンバウンド終了後、焦点検出センサ15と測光センサ22によって焦点検出と測光を行う。
ステップ6では、焦点検出・測光終了後もスイッチ(SW2)114bのオンが確認された場合、連写撮影2駒目に移行し、ステップ7に進む。この時、図1(a)のV2に示すように、カメラブレは収束せずに振動している。また、スイッチ(SW2)114bのオンが確認されない場合は、撮影を終了する。
ステップ7では、連写撮影2駒目のミラーアップ駆動がステップ1と同様の駆動で行われる。ミラーホルダ301がミラーアップ位置に到達すると、振動が発生する。ミラーアップ位置の到達による振動が、前の駒で発生して収束せずに残っているカメラブレ(V2)に対して共振するため、ステップ2のミラーアップ位置の到達で発生したカメラブレ(V1)と比較して、より大きなカメラブレ(V3)が発生する。
ステップ8では、メカニカルシャッタ6が駆動して露光を行う。ステップ2の状態よりもより大きなカメラブレ(V3)がカメラに発生している状態で露光されるため、画像ブレが大きい写真が撮影されてしまう。
ステップ9では、ステップ4と同様にミラーダウン駆動を行い、ミラーホルダ301のミラーダウン位置の到達により振動が発生する。そして、図1(a)のV4に示すように、収束せずに残っているカメラブレ(V3)に対してさらに共振してより大きなカメラブレ(V4)が発生する。
ステップ10では、ステップ5と同様に焦点検出・測光を行う。焦点検出・測光終了後、ステップ6に戻る。
ステップ6では、スイッチ(SW2)114bのオンが確認された場合はステップ7からステップ10を繰り返す。スイッチ(SW2)114bのオフが確認された場合は撮影を終了する。
上述のとおり、連写撮影時は前の駒から収束せずに振動しているカメラブレに対して、ミラーアップ位置あるいはミラーダウン位置の到達による振動が共振することでカメラブレが増幅される。そのため、連続撮影枚数が増加すればするほど、画像ブレの大きな画像が撮影されてしまう。
そこで、特許文献1では、カメラボディの姿勢を検知する姿勢検知手段と、シャッタレリーズ時から前記シャッタ先幕の走行開始までのレリーズタイムラグ値を可変する時間遅れ可変手段を備え、カメラの姿勢に応じて最適なレリーズタイムラグ値を選択する構成が開示されている。それにより、カメラ内部の駆動機構による振動の影響による画像ブレを低減させる撮影が実現可能となる。
一方、特許文献2では、カメラ動作機構の振動を検知する振動検出手段と、機構に振動を与える励振駆動手段と振動検出手段により検知される振動に対して逆位相の信号を発生する振動発生手段を有する構成が開示されている。こうすることで、ミラーアップ時に発生する振動やミラーアップ衝突音を低減することが実現可能となる。
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術では、駆動機構によって発生した振動が収まるまで、レリーズタイムラグ値を伸ばす必要があり、連写速度も遅くなってしまい、撮影チャンスを逃してしまうおそれがあった。
また、特許文献2に開示された従来技術では、振動に対して逆位相を発生させる励振駆動手段が新たに必要であり、カメラの大型化や部品点数の増加につながってしまう。
そこで、本発明の目的は、かかる点に鑑みてなされたものであり、新たな機構を要することなく、連写速度を落とさず、連写時の内部要因の振動によって生じるカメラブレによる画像ブレを軽減することを可能にした撮像装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の撮像装置は、装置本体に対して回動可能に支持され、ファインダ観察時にミラーアップし、撮影時にミラーダウンするミラー(4)を保持するミラーホルダ(301)と、前記ミラーホルダ(301)を駆動させるミラー駆動装置(14)と、露光を行うシャッタ(6)を備える。露光終了からミラーダウンの駆動開始までの時間を可変する時間遅れ手段(1)を有する。前記シャッタ(6)の露光時間ごとに、前記時間遅れ可変手段(1)により、露光終了からミラーダウンの駆動開始までの時間を変更することで、前記ミラーホルダー(301)が、ミラーアップ位置に到達した時に発生する振動に対して、前記ミラーホルダ(301)が、逆位相の振動を発生させるタイミングでミラーダウン位置に到達するように前記ミラー駆動装置(14)を制御することを特徴とする。
本発明によれば、新たな機構を要することなく、連写速度を落とさず、連写時の内部要因の振動によって生じるカメラブレによる画像ブレを軽減することを可能にした撮像装置を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図2は本発明の第1の実施形態であるデジタルカメラの機能構成を示すブロック図である。
図2は本発明の第1の実施形態であるデジタルカメラの機能構成を示すブロック図である。
本実施形態のデジタルカメラは、図2に示すように、カメラ動作の各制御を行うマイクロコンピュータ(以下MPUと呼ぶ)1に、AF駆動回路12、絞り駆動回路13、ミラー駆動装置14、及び焦点検出回路16が接続されている。また、MPU1には、シャッタ駆動回路17、映像信号処理回路11、スイッチセンス回路21、測光回路23、及び表示駆動回路24が接続されている。
撮像レンズ200は、カメラ本体100に着脱可能であり、不図示のマウントに装着することで、カメラ本体との通信を行う。
AF駆動回路12は、例えばステッピングモータ等で構成され、MPU1の制御により撮像レンズ200内のフォーカスレンズ(不図示)の位置を変化させることで、撮像素子7に被写体像を合焦させる。絞り駆動回路13は、例えばオートアイリス等で構成され、MPU1の制御により絞り2を変化させて光学的な絞り値を変化させる。
後述するミラー機構300は、メインミラー4と、メインミラー4に対して回動可能に支持されるサブミラー5と、メインミラー4とサブミラー5を駆動するミラー駆動装置14とを有する。メインミラー4及びサブミラー5は、後述のファインダ111観察時に、撮影光路内に進入(ミラーダウン)して被写体光束をファインダに導き、撮影時に、撮影光路から退避(ミラーアップ)して被写体光束を撮像素子7に導く。ミラー駆動装置14は、例えば後述するDCモータ307、ギア列306及びカム部材302、303等で構成され、MPU1によるDCモータ307の制御によりメインミラー4をサブミラー5とともに駆動する。
メインミラー4は、ハーフミラーで構成され、ファインダ111観察時に、撮像レンズ200及び絞り2を通過した被写体光束をペンタダハプリズム3へ導き、サブミラー5は、メインミラー4を透過した被写体光束の一部を反射して焦点検出センサ15へ導く。
ペンタダハプリズム3は、メインミラー4によって導かれた被写体光束を正立正像の被写体像に変換し、変換された被写体像は、測光センサ22に導かれるとともに、ファインダ111を通して観察される。
焦点検出センサ15は、撮像素子7の結像面とほぼ等価な位置に配置され、焦点検出センサ15の検出面には、サブミラー5で反射された被写体光束が結像する。焦点検出センサ15に結像した被写体像は、電気的なイメージ信号に光電変換されて、焦点検出回路16に供給される。
焦点検出回路16は、MPU1の信号に従い、焦点検出センサ15の画素情報の蓄積制御と読み出し制御を行って、画素情報をMPU1へ出力する。MPU1は、焦点検出回路16からの被写体像のイメージ信号に基づいて、位相差検出法による焦点検出演算を行い、デフォーカス量およびデフォーカス方向を算出する。そして、MPU1は、算出したデフォーカス量およびデフォーカス方向に基づいて、AF駆動回路12を介して撮像レンズ200内のフォーカスレンズ(不図示)の位置を変化させ、合焦位置まで駆動する。
メカニカルシャッタ6は、本実施形態では、先羽根群6a、及び後羽根群6b(いずれも不図示)を有するフォーカルプレーンシャッタを採用している。先羽根群6aは、ファインダ111観察時には被写体光束を遮り、撮像時にはレリーズ信号に応じて被写体光束の光路から待避して露光を開始させる。後羽根群6bは、ファインダ111観察時には被写体光束の光路から待避し、撮像時には先羽根群6aの走行開始後所定のタイミングで被写体光束を遮光する。メカニカルシャッタ6は、MPU1の指令を受けたシャッタ駆動回路17によって制御される。
撮像素子7は、CCDセンサやCMOSセンサ等で構成される。撮像素子7には、撮影時に、撮像レンズ200及び絞り2を通過した被写体光束が結像し、結像した被写体像は光電変換されて、アナログ画像信号としてクランプ/CDS回路8に出力される。
クランプ/CDS(相関二重サンプリング)回路8は、撮像素子7からの出力信号に対して基本的なアナログ処理を行うと共にクランプレベルの変更処理も行い、処理後の信号をAGC9に出力する。
AGC(自動利得調整装置)9は、クランプ/CDS回路8からの出力信号に対して基本的なアナログ処理を行うと共にAGC基本レベルの変更処理も行い、処理後の信号をA/D変換器10に出力する。なお、AGC基本レベルは、ISOの設定に対応した値で行う。つまり、ISOの値が変更されると、AGCの基本レベルが変更されることになる。
A/D変換器10は、AGC9から出力されたアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換し、映像信号処理回路11に出力する。
映像信号処理回路11は、デジタル画像データに対して、ガンマー/ニー処理、フィルタ処理、モニタ表示用の情報合成処理等の画像処理を行う。また、映像信号処理回路11は、LCD駆動回路25及びバッファメモリ27に画像データを出力し、また、メモリコントローラ26との間で画像データのやりとりを行う。映像信号処理回路11によるこれらの機能の切り換えは、MPU1とのデータ交換により行われ、映像信号処理回路11は、必要に応じて撮像素子7の出力信号のホワイトバランス情報をMPU1に出力可能である。この場合、MPU1は、映像信号処理回路11から出力されたホワイトバランス情報を基に、ホワイトバランス調整やゲイン調整を行う。
LCD駆動回路25には、映像信号処理回路11からモニタ表示用の画像データが出力され、LCDモニタ120に画像が表示される。また、映像信号処理回路11は、MPU1の指示により、メモリコントローラ26を通じてバッファメモリ27に画像データを保存することも可能であり、JPEGなどの圧縮処理を行う機能も有している。
また、映像信号処理回路11は、連写撮影の場合は、バッファメモリ27に一旦画像データを格納し、処理時間がかかる場合にメモリコントローラ26を通して未処理の画像データをバッファメモリ27から読み出して画像処理や圧縮処理を行う。これにより、連写速度の高速化を実現している。
メモリコントローラ26は、映像信号処理回路11から出力された未処理のデジタル画像データをバッファメモリ27に格納する。また、メモリコントローラ26は、処理済みのデジタル画像データをメモリ28に格納したり、逆にバッファメモリ27やメモリ28からデジタル画像データを映像信号処理回路11に出力したりする。更に、メモリコントローラ26は、外部機器からインターフェース29を介して送られてくる画像データを着脱可能なメモリ28に記憶することや、メモリ28に記憶されている画像データをインターフェース29を介して外部機器へ出力可能である。
スイッチセンス回路21は、各スイッチの操作状態に応じて各部を制御する。スイッチ(SW1)114aは、不図示のレリーズボタンの半押し操作等によりオンして撮影準備動作を開始させるスイッチである。スイッチ(SW2)114bは、レリーズボタンの全押し操作等によりオンして撮影動作を開始させるスイッチである。また、スイッチセンス回路21には、メイン電子ダイヤル115、サブ電子ダイヤル116、撮影モード選択スイッチ117、AFモード選択スイッチ118、及び測光モード選択スイッチ119が接続され、各スイッチの操作情報はMPU1へ送信される。
測光回路23は、測光センサ22からの出力を撮影画面内の各エリアの輝度信号としてMPU1に出力し、MPU1は、輝度信号をA/D変換して露出を算出する。表示駆動回路24は、MPU1の指示により、外部表示装置140やファインダ内表示器30を駆動する。また、表示駆動回路24は、MPU1の指示により、特定のセグメントを点滅表示状態にすることが可能である。電源部31は、MPU1や駆動系に必要な電源を供給する。
次に本発明のミラー機構300の構成について説明する。
図3はミラー機構300を構成するメインミラー4及びミラー駆動装置14の斜視図である。なお、図3では、説明の便宜上、サブミラー5の図示を省略している。ミラー機構300の構成はアイデアNo.2013/208(整理番号0133572−01)の特許において公知であるため、概要を簡略して述べる。
図3に示すように、メインミラー4は、ミラーホルダ301に保持されている。ミラーホルダ301には、ヒンジ軸301a及び駆動軸301bが設けられ、ヒンジ軸301aは、カメラ本体100に回動可能に支持されている。
ミラーホルダ301は、ミラーダウンカム302及びミラーアップカム303によって、撮影光路に進入するミラーダウン位置と撮影光路からの退避するミラーアップ位置との間をヒンジ軸301aを中心に回動動作する。また、ミラーダウンカム302は、回転軸302aを中心に回転し、ミラーアップカム303は、回転軸302aと異なる位置に平行配置された回転軸303aを中心に回転する。
以下の説明では、ミラーホルダ301のミラーダウン位置からミラーアップ位置への回動動作をミラーアップ動作とし、ミラーホルダ301のミラーアップ位置からミラーダウン位置への回動動作をミラーダウン動作とする。
ミラーホルダ301は、駆動軸301bの基端側に係合するダウンバネ305により位置決めピン304に向けて付勢された状態で、位置決めピン304に当接してミラーダウン位置に停止している。
ミラーホルダ301は、駆動軸301bの基端側に係合するダウンバネ305により位置決めピン304に向けて付勢された状態で、位置決めピン304に当接してミラーダウン位置に停止している。
ミラーダウンカム302には、回転軸302aと同軸にギア部302cが一体に設けられ、ミラーアップカム303には、回転軸303aと同軸にギア部303cが一体に設けられている。ギア部302c及びギア部303cは、同じ歯数で直接噛合している。また、ギア部303cには、変速ギア列306が噛合し、変速ギア列306は、DCモータ307の出力軸に取り付けられたピニオン308に噛合している。
したがって、DCモータ307を駆動することで、DCモータ307の回転がピニオン308、変速ギア列306、ギア部303c及びギア部302cに伝達され、ミラーダウンカム302及びミラーアップカム303が回転する。
ミラーダウンカム302及びミラーアップカム303によって回動されるミラーホルダ301は、アップストッパ309に突き当たることで、規制され、位置決めされる。アップストッパ309は衝撃吸収のためにモルト材やゴムに代表される弾性部材によって構成されているために、バウンドが収束した状態ではメインミラー4により力をうけ、その厚みが圧縮するよう変形している。
次に、図4を参照して、ミラー機構300のミラーアップ動作について説明する。
図4はミラー機構300のミラーアップ動作を模式的に示す側面図である。なお、図4では、ミラーダウンカム302及びミラーアップカム303の回転動作を分かりやすくするため、ギア部302c,303c、変速ギア列306及びDCモータ307の図示は省略している。
図4(a)はミラーダウン位置のミラー機構300を示す図である。ミラーホルダ301は、ミラーダウン位置で停止し、ミラーダウンカム302及びミラーアップカム303は停止している。以下、メインミラー4(ミラーホルダ301)がミラーダウン位置で停止する際に、ミラーダウンカム302及びミラーアップカム303が停止している領域をダウン停止領域と呼ぶ。
ミラーホルダ301は、ダウンバネ305によって位置決めピン304に向けて付勢された状態で、位置決めピン304に当接してミラーダウン位置で保持されている。また、駆動軸301bとミラーダウンカム302及びミラーアップカム303との間には、十分なクリアランスが設けられている。図4(a)の状態からDCモータ307を駆動すると、ミラーダウンカム302及びミラーアップカム303がそれぞれ矢印P1及びP2の方向に回転する。これにより、ミラーアップカム303がミラーホルダ301の駆動軸301bにカム係合してミラーホルダ301をミラーアップ位置の方向に回動させる。
図4(b)はミラーアップカム303が駆動軸301bにカム係合した状態を示す図である。
図4(c)はDCモータ307の減速を開始するタイミングの状態を示す図である。
本発明ではPWMによる制御方式を用いており、DCモータ307に印加する駆動電圧の振幅を一定にして、一定周期内で矩形波状に変化するパルスの時間幅を変化させることで、DCモータ307の実効電圧を変化させ、DCモータ307の回転速度を制御している。この1周期あたりのパルス幅をDuty比と呼び、DCモータ307の実効電圧を変更するため、ミラーアップとミラーダウンそれぞれに対して、MPU1にあらかじめミラーアップDuty比(D1)とミラーダウンDuty比(D2)が設定されている。このDuty比の値を変更することで、ミラーアップとミラーダウンの駆動速度の制御が可能である。
本発明ではPWMによる制御方式を用いており、DCモータ307に印加する駆動電圧の振幅を一定にして、一定周期内で矩形波状に変化するパルスの時間幅を変化させることで、DCモータ307の実効電圧を変化させ、DCモータ307の回転速度を制御している。この1周期あたりのパルス幅をDuty比と呼び、DCモータ307の実効電圧を変更するため、ミラーアップとミラーダウンそれぞれに対して、MPU1にあらかじめミラーアップDuty比(D1)とミラーダウンDuty比(D2)が設定されている。このDuty比の値を変更することで、ミラーアップとミラーダウンの駆動速度の制御が可能である。
DCモータ307の減速を開始すると、ミラーダウンカム302及びミラーアップカム303は追従して減速するが、ミラーホルダ301の回動速度は慣性力により遅れて減速する。したがって、ミラーホルダ301は、DCモータ307の減速前までは駆動軸301bがミラーアップカム303に追従して駆動されるのに対し、DCモータ307の減速後は駆動軸301bがミラーアップカム303から離れてしまう。
図4(d)は駆動軸301bがミラーアップカム303から離れてミラーダウンカム302にカム係合した状態を示す図である。
図4(d)に示すように、DCモータ307の減速により、ミラーアップカム303から離れた駆動軸301bは、ミラーダウンカム302に接触する。このとき、ミラーダウンカム302も回転しながら駆動軸301bから離れていくが、駆動軸301bは、ミラーダウンカム302が離れてしまうまでミラーダウンカム302の回転に合わせて減速しながら駆動される。
ミラーホルダ301がミラーアップ位置に到達すると、アップストッパ309に衝突して大きな衝撃が発生し、ミラーホルダ301がバウンドする。この衝撃による振動がカメラ全体に共振して、カメラブレが発生する。
ミラーホルダ301が図4(d)の回転角度を過ぎ、ミラーアップ位置で停止し、ミラーダウンカム302及びミラーアップカム303が停止する領域に入ると、DCモータ307をショートブレーキする。以下、この領域をアップ停止領域と呼ぶ。
図4(e)はDCモータ307をショートブレーキした後、ミラーダウンカム302及びミラーアップカム303がアップ停止領域において停止した状態を示す図である。この状態でのミラーホルダ301の位置は、駆動軸301bに当接するミラーアップカム303のカムトップ面303bにより決められる。
次に、図5を参照して、ミラー機構300のミラーダウン動作について説明する。図5はミラー機構300のミラーダウン動作を模式的に示す側面図である。なお、図5では、ミラーダウンカム302及びミラーアップカム303の回転動作を分かりやすくするため、ギア部302c,303c、変速ギア列306及びDCモータ307の図示は省略している。
図5(a)はミラーアップ位置のミラー機構300を示す図である。図5(a)の状態からDCモータ307を駆動してミラーダウンカム302及びミラーアップカム303をそれぞれP1及びP2の方向に回転させることで、ミラーダウンカム302が駆動軸301bにカム係合してミラーホルダ301を回動させる。
図5(b)はミラーダウンカム302が駆動軸301bにカム係合した状態を示す図である。
ダウンバネ305はミラーダウン位置でミラーホルダ301を保持するのに必要十分に弱いバネ圧に設定されている。このため、ミラーダウン動作時にダウンバネ305の付勢力で駆動軸301bをミラーアップカム303に追従させることができない。したがって、駆動軸301bは、ミラーダウンカム302に追従して駆動される。
このように、ミラーアップカム303とは別のミラーダウンカム302を用いて駆動軸301bを駆動することで、ミラーホルダ301を意図した速度でミラーダウン位置に向けて回動させることが可能となる。
図5(c)はDCモータ307の減速開始タイミングの状態を示す図である。DCモータ307の減速を開始すると、前述したミラーアップ動作とは逆に、ミラーホルダ301は、駆動軸301bがミラーダウンカム302から離れ、ミラーアップカム303にカム係合することで減速する。
図5(d)は駆動軸301bがミラーアップカム303にカム係合してミラーホルダ301が減速回動中の状態を示す図である。
ミラーホルダ301がミラーダウン位置に到達すると、位置決めピン304に衝突して大きな衝撃が発生、ミラーホルダ301がバウンドする。この衝撃による振動がカメラ全体に共振して、カメラブレが発生する。ミラーホルダ301が図5(d)の回転角度を過ぎ、ダウン停止領域に入ると、DCモータ307をショートブレーキする。図5(e)はDCモータ307をショートブレーキした後、ミラーダウンカム302及びミラーアップカム303がダウン停止領域において停止した状態を示す図である。
前記のミラー機構300であれば、DCモータ307の回転速度と連動してミラーホルダ301を回動することが可能であり、駆動途中に減速をすることが可能である。ただし、従来のバネをチャージして、バネの反発力によってミラーホルダ301を回動させる構成でも良い。
次に、本発明における連写時の画像ブレを抑制するミラー駆動の制御方法について説明する。
図6(a)は本発明におけるミラーアップ位置到達による振動とミラーダウン位置到達による振動、カメラブレの振動波形である。図6(b)は本発明において、図6(a)に対して露光時間を変更した場合におけるミラーアップ位置到達による振動とミラーダウン位置到達による振動、カメラブレの振動波形である。図6(c)は本発明のミラー駆動の制御方法における、連写撮影時のミラーの位置関係とカメラブレ量の関係を示した図である。図6(d)は撮影の流れを表したフローチャートである。
以下、図6に沿って本発明におけるミラー駆動の制御方法について説明する。
図6(a)〜(d)におけるT20は露光開始タイマ、T30、T31は露光時間、T40、T41、T42はミラーダウン開始タイマ、T50はミラーダウン開始からミラーダウン到達までの時間(以下ミラーダウン時間と呼ぶ)を示している。
本発明の制御方法では、図6(a)に示すように、ミラーアップ位置の到達によって振動が発生し、カメラブレが発生する。
ミラーアップ到達後、T20の間待機した後、露光をT30の間行い、露光終了からミラーダウン開始まで、後述するミラーダウン開始タイマT41の間待機する。
そして、ミラーダウンDuty比D2でミラーダウン駆動を開始し、ミラーホルダ301がミラーダウン位置に到達することで振動が発生する。この時のミラーダウン時間がT50となる。
しかし、従来の制御方法と異なり、ミラーダウン開始タイマをT40からT41に値を変更したことで、ミラーアップ位置の到達によって発生したカメラブレに対してミラーダウン位置で発生した振動の位相が逆位相の振動となる。
その結果、ミラーアップで発生したカメラブレとミラーダウンで発生した振動が打ち消し合い、振動が収束する。
ここでミラーダウン開始タイマT41は、ミラーダウン位置の到達によって発生する振動がミラーアップの振動で発生したカメラブレに対して逆位相になる値である。
このように、ミラーダウン開始タイマの値を変更することで、ミラーアップ位置到達からミラーダウン位置到達までの時間が変わるため、カメラブレに対して、ミラーダウン位置の到達によって発生する振動のタイミングを変更することが可能となる。
次に、ユーザーが露光時間をT30からT31に変更した場合の本発明の制御方法について図6(b)を用いて説明する。
本発明の制御方法では、ミラーアップ位置の到達によって振動が発生し、カメラブレが発生する。
ミラーアップ到達後、T20の間待機した後、ユーザーによって変更された露光時間T31の間露光を行う。
そして、露光時間がT30からT31に変更されたことに伴い、ミラーダウン開始タイマをT41から後述するT42に変更してその間待機する。
ここでミラーダウン開始タイマT42は、露光時間がT31の場合における、ミラーダウン位置の到達によって発生する振動がミラーアップの振動で発生したカメラブレに対して逆位相になる値である。
そして、ミラーダウンDuty比D2でミラーダウン駆動を開始し、ミラーダウン駆動を開始し、ミラーダウン位置到達までにT50の時間がかかり、ミラーホルダ301がミラーダウン位置に到達することで振動が発生する。
しかし、ミラーダウン開始タイマをT41からT42に値を変更したことで、ミラーアップ位置の到達によって発生したカメラブレに対してミラーダウン位置で発生した振動の位相が逆位相の振動となる。
その結果、ミラーアップで発生したカメラブレとミラーダウンで発生した振動が打ち消し合い、振動が収束する。
このように、露光時間がT31に変更されたのに合わせてミラーダウン開始タイマをT42に変更することで、図6(a)と同様にカメラブレをミラーダウン位置到達による振動によって打ち消すことが可能となる。
そのため、各露光時間に対する、ミラーダウン到達時のミラーアップ位置の到達による振動で発生したカメラブレに対して逆位相になるようなミラーダウン開始タイマの値をあらかじめ実験的に求めておき、MPU1に記憶させておく。そして、ユーザーが選択した露光時間に対して、逆位相になるミラーダウン開始タイマの値に変更を行う。そうすることで、ユーザーによって露光時間が変更された場合でも、カメラブレを抑えることが可能となる。
また、ミラーダウン開始タイマの数値は焦点検出と測光の開始までに、ミラーホルダ301がミラーダウン位置に到達し、衝突によるバウンドが収束するような範囲内で変更される。ここで、MPU1は本発明の請求項に記載の時間遅れ可変手段に相当する。
本発明の撮影の流れについて図6(c)〜(d)を用いて説明する。
図6(d)において、ステップ100では、ユーザーがメイン電子ダイヤル115で選択した露光時間T30が、スイッチセンス回路21から、MPU1に出力される。
ステップ101では、MPU1は、ステップ100でスイッチセンス回路21から得られた現在の露光時間T30に対応するミラーダウン開始タイマの値T41をMPU1にあらかじめ記憶されているテーブルから選択する。
ミラーダウン開始タイマの値T41は、図6(a)に示すようにミラーアップ位置の到達による振動で発生したカメラブレに対して、ミラーホルダ301がミラーダウン位置の到達によって発生する振動が逆位相になるような値である。
ステップ102では、スイッチ(SW2)114bがオンされたか否かを判別する。オンならば、撮影を開始し、ステップ103に移行する。オフならば、ステップ102を繰り返す。
ステップ103では、あらかじめMPU1に設定されたミラーアップ開始タイマT10とミラーアップDuty比D1でミラーアップ駆動が開始される。ミラーホルダ301がミラーアップ位置に到達すると、アップストッパ309に衝突して大きな衝撃が発生する。この衝撃による振動がカメラ全体に共振して、図6(c)のV101に示すカメラブレが発生する。
ステップ104では、T20の間待機した後、メカニカルシャッタ6が駆動してT30の間露光を行う。
ステップ105では、ステップ101でMPU1によって選択されたミラーダウン開始タイマT41のタイミングとミラーダウンDuty比D2でミラーダウンの駆動が開始され、ミラーダウン駆動を行う。ミラーホルダ301がミラーダウン位置に到達すると、位置決めピン304に衝突して大きな振動が発生する。この時、図6(c)に示すように、ミラーアップ位置の到達による振動で発生したカメラブレ(V101)が逆位相の状態であるため、お互いの振動が打ち消し合い、カメラブレ(V102)が発生する。図1(a)のV2のカメラブレと比較してカメラブレの振幅が小さく、1駒目の撮影の終了時には振動が収束する。
ステップ106では、ミラーダウンバウンド終了後、焦点検出センサ15と測光センサ22によって焦点検出と測光を行う。
ステップ107では、焦点検出・測光終了後もスイッチ(SW2)114bのオンが確認された場合、連写撮影2駒目に移行し、ステップ108に進む。スイッチ(SW2)114bのオフが確認された場合は撮影を終了する。
ステップ108では、あらかじめMPU1に設定されたミラーアップ開始タイマT10とミラーアップDuty比D1でミラーアップ駆動が開始される。ミラーホルダ301がミラーアップ位置に到達すると、アップストッパ309に衝突して大きな衝撃が発生する。このとき、本発明の制御により、1駒目で発生したカメラブレが既に収束しているため、ミラーアップ位置の到達による振動は共振することはなく、ステップ103で発生したカメラブレ(V101)と同様の振幅を有したカメラブレ(V103)が発生する。
そのため、上述のとおり、ミラーダウン開始タイマを変更することで、連写時においても単写時と同程度である画像に影響のないカメラブレに抑制することが可能なため、単写時と同様にカメラブレによる画像ブレの少ない画像を得ることが可能となる。
ステップ109では、メカニカルシャッタ6が駆動して露光を行う。
ステップ110では、ステップ101でMPU1によって変更されたミラーダウン開始タイマT41のタイミングとミラーダウンDuty比D2でミラーダウンの駆動が開始され、ミラーダウン駆動を行う。そして、ステップ108で発生したカメラブレ(V103)に対して、逆位相のタイミングでミラーホルダ301がミラーダウン位置に到達し、振動が発生する。その結果、ステップ108で発生したカメラブレ(V103)と発生した振動がお互いに打ち消し合うことで、図6(c)のV104のカメラブレが発生する。V104のカメラブレは振幅が小さく、振動が早く収束するため、カメラブレが次の駒に影響を及ぼすことがない。
ステップ111では、ステップ106と同様に焦点検出と測光を行う。その後、ステップ107に戻り、スイッチ(SW2)114bのオフが確認されるまで、以降のステップを繰り返す。
このように、ミラーアップの振動で発生したカメラブレに対し、ミラーダウンの振動のタイミングを変更することで、新たな機構を要することなく、連写速度を落とさず、連写時の内部要因の振動によって生じるカメラブレによる画像ブレを軽減することができる。
前記にミラーダウン開始タイマの数値を変更することで、ミラーダウンの到達のタイミングを変更する方法を説明した。しかし、前記のミラー駆動装置14ならば、Duty比を変更することで、ミラーホルダ301の駆動速度を変更することが可能である。
そのため、あらかじめMPU1に設定されたミラーダウンDuty比D2を変更することで、ミラーダウン時間の長さを変え、ミラーダウンの到達のタイミングを変更することが可能である。
次に、ミラーダウンDuty比を変更する本発明のミラー駆動の制御方法について説明する。
図7(a)は本発明においてミラーダウンDuty比を変更してミラー駆動する場合の、ミラーアップ位置到達による振動とミラーダウン位置到達による振動、カメラブレの振動波形である。図7(b)は図7(a)に対して露光時間を変更した場合の、ミラーアップ位置到達による振動とミラーダウン位置到達による振動、カメラブレの振動波形である。図7(c)は本発明においてミラーダウンDuty比を変更してミラー駆動する場合の、撮影の流れを表したフローチャートである。図7(d)は発明においてミラーダウンDuty比を変更してミラー駆動する場合の、連写撮影時のミラーの位置関係とカメラブレ量の関係を表したグラフ図である。
図7(a)〜(d)におけるT20は露光開始タイマ、T30、T31は露光時間、T40、T41、T42はミラーダウン開始タイマ、T50、T51、T52はミラーダウン開始からミラーダウン到達までの時間(以下ミラーダウン時間と呼ぶ)を示している。
図7(a)、図7(b)を用いてミラーダウンDuty比を変更する本発明のミラー駆動の制御方法について説明する。
図7(a)に示すように、ミラーアップ位置の到達によって振動が発生し、カメラブレが発生する。
ミラーアップ到達後、T20の間待機した後、露光をT30の間行い、露光終了からミラーダウン開始まで、ミラーダウン開始タイマT40の間待機する。
そして、後述するミラーダウンDuty比D3によってミラーダウン駆動を行い、ミラーホルダ301がミラーダウン位置に到達することで振動が発生する。この時のミラーダウン時間をT51とする。
従来の制御方法と異なり、ミラーダウンDuty比をD2からD3に変更したことで、ミラーアップ位置の到達によって発生したカメラブレに対してミラーダウン位置で発生した振動が逆位相の振動となる。
その結果、ミラーアップで発生したカメラブレとミラーダウンで発生した振動が打ち消し合い、振動が収束する。
ここでミラーダウンDuty比D3は、ミラーダウン位置の到達によって発生する振動がミラーアップの振動で発生したカメラブレに対して逆位相になる値である。
このように、ミラーダウンDuty比を変更することで、ミラーダウン時間が変わり、そして、ミラーアップ位置到達からミラーダウン位置到達までの時間が変わる。
そのため、カメラブレに対して、ミラーダウン位置の到達によって発生する振動のタイミングを変更することが可能となる。
次に、ユーザーが露光時間をT30からT31に変更した場合の本発明のミラー駆動の制御方法について図7(b)を用いて説明する。
本発明の制御方法では、ミラーアップ位置の到達によって振動が発生し、カメラブレが発生する。
ミラーアップ到達後、T20の間待機した後、ユーザーによって変更された露光時間T31の間露光を行い、露光終了からミラーダウン開始まで、ミラーダウン開始タイマT40の間待機する。
露光時間がT30からT31に変更されたことに伴い、ミラーダウンDuty比をD4に変更する。
ミラーダウンDuty比D4によってミラーダウン駆動を行い、ミラーホルダ301がミラーダウン位置に到達することで振動が発生する。この時のミラーダウン時間をT52とする。
従来の制御方法と異なり、露光時間T31にあわせて、ミラーダウンDuty比をD3からD4に変更したことで、ミラーアップ位置の到達によって発生したカメラブレに対してミラーダウン位置で発生した振動が逆位相の振動となる。
その結果、ミラーアップで発生したカメラブレとミラーダウンで発生した振動が打ち消し合い、振動が収束する。
ここでミラーダウンDuty比D4は、露光時間T31の場合における、ミラーダウン位置の到達によって発生する振動がミラーアップの振動で発生したカメラブレに対して逆位相になる値である。
そのため、各露光時間に対する、ミラーダウン到達時のミラーアップ位置の到達による振動で発生したカメラブレに対して逆位相になるようなミラーダウンDuty比をあらかじめ実験的に求めておき、MPU1に記憶させておく。そして、ユーザーが選択した露光時間に対して、逆位相になるミラーダウンDuty比に変更を行う。そうすることで、ユーザーによって露光時間が変更された場合でも、カメラブレを抑えることが可能となる。
また、ミラーダウンDuty比は焦点検出と測光の開始までに、ミラーホルダ301がミラーダウン位置に到達し、衝突によるバウンドが収束するような範囲内で変更される。ここで、MPU1は本発明の請求項に記載のDuty比可変手段に相当する。
ミラーダウンDuty比を変更する場合における撮影の流れについて図7(c)〜(d)を用いて説明する。
図7(c)において、ステップ200では、ユーザーがメイン電子ダイヤル115で選択した露光時間T30が、スイッチセンス回路21から、MPU1に出力される。
ステップ201では、MPU1は、ステップ200でスイッチセンス回路21から得られた現在の露光時間T30に対応するミラーダウンDuty比D3をMPU1にあらかじめ記憶されているテーブルから選択する。
ミラーダウンDuty比D3は、図7(a)に示すようにミラーアップ位置の到達による振動で発生したカメラブレに対して、ミラーホルダ301がミラーダウン位置の到達によって発生する振動が逆位相になるような値である。
ステップ202では、スイッチ(SW2)114bがオンされたか否かを判別する。オンならば、撮影を開始し、ステップ203に移行する。オフならば、ステップ202を繰り返す。
ステップ203では、あらかじめMPU1に設定されたミラーアップ開始タイマT10とミラーアップDuty比D1でミラーアップ駆動が開始される。ミラーホルダ301がミラーアップ位置に到達すると、アップストッパ309に衝突して大きな衝撃が発生する。この衝撃による振動がカメラ全体に共振して、図7(d)のV201に示すカメラブレが発生する。
ステップ204では、T20の間待機した後、メカニカルシャッタ6が駆動してT30の間露光を行う。
ステップ205では、ミラーダウン開始タイマT40とステップ201でMPU1によって選択されたミラーダウンDuty比D3でミラーダウン駆動を行う。ミラーホルダ301がミラーダウン位置に到達すると、位置決めピン304に衝突して大きな振動が発生する。この時、図7(a)に示すように、ミラーアップ位置の到達による振動で発生したカメラブレ(V201)が逆位相の状態であるため、お互いの振動が打ち消し合い、カメラブレ(V202)が発生する。図1(a)のV2のカメラブレと比較してカメラブレの振幅が小さく、1駒目の撮影の終了時には振動が収束する。
ステップ206では、ミラーダウンバウンド終了後、焦点検出センサ15と測光センサ22によって焦点検出と測光を行う。
ステップ207では、焦点検出・測光終了後もスイッチ(SW2)114bのオンが確認された場合、連写撮影2駒目に移行し、ステップ208に進む。スイッチ(SW2)114bのオフが確認された場合は撮影を終了する。
ステップ208では、あらかじめMPU1に設定されたミラーアップ開始タイマT10とミラーアップDuty比D1でミラーアップ駆動が開始される。ミラーホルダ301がミラーアップ位置に到達すると、アップストッパ309に衝突して大きな衝撃が発生する。このとき、本発明の制御により、1駒目で発生したカメラブレが既に収束しているため、ミラーアップ位置の到達による振動は共振することはなく、ステップ203で発生したカメラブレ(V201)と同様の振幅を有したカメラブレ(V203)が発生する。
そのため、上述のとおり、ミラーダウンDuty比を変更することで、連写時においても単写時と同程度である画像に影響のないカメラブレに抑制することが可能なため、単写時と同様にカメラブレによる画像ブレの少ない画像を得ることが可能となる。
ステップ209では、メカニカルシャッタ6が駆動して露光を行う。
ステップ210では、ステップ101でMPU1によって変更されたミラーダウン開始タイマT40のタイミングとミラーダウンDuty比D3でミラーダウンの駆動が開始され、ミラーダウン駆動を行う。そして、ステップ208で発生したカメラブレ(V203)に対して、逆位相のタイミングでミラーホルダ301がミラーダウン位置に到達し、振動が発生する。その結果、ステップ208で発生したカメラブレ(V203)と発生した振動がお互いに打ち消し合うことで、図7(d)のV204のカメラブレが発生する。V204のカメラブレは振幅が小さく、振動が早く収束するため、カメラブレが次の駒に影響を及ぼすことがない。
ステップ211では、ステップ206と同様に焦点検出と測光を行う。その後、ステップ207に戻り、スイッチ(SW2)114bのオフが確認されるまで、以降のステップを繰り返す。
なお、本発明の構成は、上記各実施形態に例示したものに限定されるものではなく、材質、形状、寸法、形態、数、配置箇所等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
1 MPU、4 メインミラー、6 メカニカルシャッタ、14 ミラー駆動装置、
301 ミラーホルダ、307 DCモータ
301 ミラーホルダ、307 DCモータ
Claims (4)
- 撮像装置本体に対して回動可能に支持され、ファインダ観察時にミラーアップ位置にミラーアップし、撮影時にミラーダウン位置にミラーダウンするミラー(4)を保持するミラーホルダ(301)と、前記ミラーホルダ(301)を駆動させるミラー駆動装置(14)と、露光を行うシャッタ(6)を備える撮像装置であって、
露光終了からミラーダウンの駆動開始までの時間を可変する時間遅れ手段(1)を備え、
前記シャッタ(6)の露光時間ごとに、前記時間遅れ可変手段(1)によって、露光終了からミラーダウンの駆動開始までの時間を変更することで、
前記ミラーホルダー(301)が、ミラーアップ位置に到達した時に発生する振動に対して、前記ミラーホルダ(301)が、逆位相の振動を発生させるタイミングでミラーダウン位置に到達するように前記ミラー駆動装置(14)を制御することを特徴とする撮像装置。 - 前記時間遅れ可変手段(1)は、露光終了からミラーダウンの駆動開始までの時間を1秒あたりの連続撮影可能枚数が低下しない範囲で可変することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- DCモータ(307)のPWM制御によるDuty比を変更することで、前記ミラーホルダ(301)の駆動速度を可変可能なミラー駆動装置(14)と、を備える撮像装置であって、
ミラーダウンの駆動速度を変化させるDuty比を可変するDuty比可変手段(1)を備え、
前記シャッタ(6)の露光時間ごとに、前記Duty比可変手段(1)によって、ミラーダウンの駆動速度を変化させるDuty比を変更することで、
前記ミラーホルダー(301)が、ミラーアップ位置に到達した時に発生する振動に対して、前記ミラーホルダ(301)が、逆位相を有する振動を発生させるタイミングでミラーダウン位置に到達するように、前記ミラー駆動装置(14)を制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記Duty比可変手段(1)は、ミラーダウンの駆動速度を変化させるDuty比を、1秒あたりの連続撮影可能枚数が低下しない範囲で可変することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
Priority Applications (1)
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JP2015086333A JP2016206360A (ja) | 2015-04-21 | 2015-04-21 | 撮像装置 |
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JP2015086333A JP2016206360A (ja) | 2015-04-21 | 2015-04-21 | 撮像装置 |
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JP2015086333A Pending JP2016206360A (ja) | 2015-04-21 | 2015-04-21 | 撮像装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112513714A (zh) * | 2018-08-03 | 2021-03-16 | 日本精机株式会社 | 平视显示装置 |
-
2015
- 2015-04-21 JP JP2015086333A patent/JP2016206360A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112513714A (zh) * | 2018-08-03 | 2021-03-16 | 日本精机株式会社 | 平视显示装置 |
CN112513714B (zh) * | 2018-08-03 | 2023-05-30 | 日本精机株式会社 | 平视显示装置 |
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