JP2022187873A - 撮像装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022187873000001
【課題】画像の撮影中に行われる制御を精度良く行い易くすることができる撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像装置(1,100)は、光学系(200)を介して形成される被写体像を撮像して画像データを生成する撮像部(110)と、所定の撮影周期(T1)において撮像部により順次、撮像される画像を示す第1画像データを記録する記録部(170)と、撮像部及び記録部の動作を制御する制御部(140)とを備える。制御部は、撮影周期の半周期よりも短いフレーム周期(T10)において撮像部を動作させて、撮影周期中に第1画像データの撮像に加えて1フレーム以上の第2画像データを生成させる。第2画像データは、第1画像データとは異なる設定で撮像される、自装置の制御に用いる画像を示す。
【選択図】図3

Description

本開示は、動画撮影等の撮影を行う撮像装置に関する。
特許文献1は、動画撮影の際におけるコントラスト方式のオートフォーカス動作の精度を向上できるカメラシステムを開示している。このカメラシステムは、現在位置を中心にフォーカスレンズを光軸方向にウォブリング動作させる際、フォーカスレンズが現在位置のときに露光された画像を動画撮影の際にメモリに記録させる。これにより、ウォブリング動作によってピントが合ったりボケたりする画像が記録されてしまうといった問題点の解消を図っている。
特開2008-276131号公報
本開示は、画像の撮影中に行われる制御を精度良く行い易くすることができる撮像装置を提供する。
本開示において、撮像装置は、光学系を介して形成される被写体像を撮像して画像データを生成する撮像部と、所定の撮影周期において撮像部により順次、撮像される画像を示す第1画像データを記録する記録部と、撮像部及び記録部の動作を制御する制御部とを備える。制御部は、撮影周期の半周期よりも短いフレーム周期において撮像部を動作させて、撮影周期中に第1画像データの撮像に加えて1フレーム以上の第2画像データを生成させる。第2画像データは、第1画像データとは異なる設定で撮像される、自装置の制御に用いる画像を示す。
本開示における撮像装置によると、画像の撮影中に行われる制御を精度良く行い易くすることができる。
本開示の実施形態1に係るデジタルカメラの構成を示すブロック図 デジタルカメラにおけるウォブリング動作を説明した図 実施形態1におけるデジタルカメラのAFブーストモードの動作の概要を説明するための図 実施形態1におけるデジタルカメラの動作を例示するタイミングチャート 実施形態1におけるデジタルカメラの動作を例示するフローチャート 実施形態2におけるデジタルカメラの動作を例示するフローチャート デジタルカメラのAFブーストモードの動作の変形例を説明するための図
以下、本開示における実施の形態を、図面を適宜参照しながら説明する。ただし、詳細な説明において、従来技術および実質的に同一の構成に関する説明のうち不必要な部分は省略されることもある。これは、説明を簡単にするためである。また、以下の説明および添付の図面は、当業者が本開示を充分に理解できるよう開示されるのであって、特許請求の範囲の主題を限定することを意図されていない。
(実施形態1)
以下では、本開示に係る撮像装置の一実施形態であるデジタルカメラの構成および動作について説明する。
1.構成
図1は、実施形態1に係るデジタルカメラ1の構成を示すブロック図である。本実施形態のデジタルカメラ1は、カメラ本体100とそれに着脱可能な交換レンズ200とから構成される。
1-1.カメラ本体
カメラ本体100(撮像装置の一例)は、画像センサ110と、液晶モニタ120と、操作部130と、カメラ制御部140と、ボディマウント150と、電源160と、カードスロット170とを備える。
カメラ制御部140は、操作部130からの指示に応じて、画像センサ110等の構成要素を制御することでデジタルカメラ1全体の動作を制御する。カメラ制御部140は、垂直同期信号(VD)をタイミング発生器112に送信する。これと並行して、カメラ制御部140は、垂直同期信号に同期した同期信号を生成し、この同期信号を、ボディマウント150及びレンズマウント250を介して、レンズ制御部240に送信する。以下、カメラ本体100から交換レンズ200に送信されるこの同期信号を「BL同期信号」という。カメラ制御部140は、制御動作や画像処理動作の際に、RAM141をワークメモリとして使用する。
画像センサ110は、交換レンズ200を介して入射される被写体像を撮像して画像データを生成する素子である。画像センサ110は、例えばCMOSイメージセンサである。生成された画像データは、ADコンバータ111でデジタル化される。デジタル化された画像データは、カメラ制御部140により所定の画像処理が施される。所定の画像処理とは、例えば、ガンマ補正処理、ホワイトバランス補正処理、キズ補正処理、YC変換処理、電子ズーム処理、JPEG圧縮処理である。画像センサ110は、CCDまたはNMOSイメージセンサ等であってもよい。
画像センサ110は、タイミング発生器112により制御されるタイミングで動作する。画像センサ110は、記録用の静止画像もしくは動画像またはスルー画像を生成する。スルー画像は、主に動画像であり、ユーザが静止画像の撮像のための構図を決めるために液晶モニタ120に表示される。
液晶モニタ120はスルー画像等の画像およびメニュー画面等の種々の情報を表示する。液晶モニタに代えて、他の種類の表示デバイス、例えば、有機ELディスプレイデバイスを使用してもよい。
操作部130は、撮影開始を指示するためのレリーズ釦、撮影モードを設定するためのモードダイアル、及び電源スイッチ等の種々の操作部材を含む。
カードスロット170は、メモリカード171を装着可能であり、カメラ制御部140からの制御に基づいてメモリカード171を制御する。デジタルカメラ1は、メモリカード171に対して画像データを格納したり、メモリカード171から画像データを読み出したりすることができる。
電源160は、デジタルカメラ1内の各要素に電力を供給する回路である。
ボディマウント150は、交換レンズ200のレンズマウント250と機械的及び電気的に接続可能である。ボディマウント150は、レンズマウント250を介して、交換レンズ200との間で、データを送受信可能である。ボディマウント150は、カメラ制御部140から受信した露光同期信号を、レンズマウント250を介してレンズ制御部240に送信する。また、カメラ制御部140から受信したその他の制御信号を、レンズマウント250を介してレンズ制御部240に送信する。また、ボディマウント150は、レンズマウント250を介してレンズ制御部240から受信した信号をカメラ制御部140に送信する。また、ボディマウント150は、電源160からの電力を、レンズマウント250を介して交換レンズ200全体に供給する。ボディマウント150は、カメラ本体100において、交換レンズ200から各種情報を取得する取得部の一例である。
また、カメラ本体100は、BIS機能(画像センサ110のシフトにより、手振れを補正する機能)を実現する構成として、カメラ本体100のぶれを検出するジャイロセンサ184(ぶれ検出部)と、ジャイロセンサ184の検出結果に基づきぶれ補正処理を制御するBIS処理部183とをさらに備える。さらに、カメラ本体100は、画像センサ110を移動させるセンサ駆動部181と、画像センサ110の位置を検出する位置センサ182とを備える。
センサ駆動部181は、例えば、マグネットと平板コイルとで実現可能である。位置センサ182は、光学系の光軸に垂直な面内における画像センサ110の位置を検出するセンサである。位置センサ182は、例えば、マグネットとホール素子で実現可能である。
BIS処理部183は、ジャイロセンサ184からの信号及び位置センサ182からの信号に基づき、センサ駆動部181を制御して、カメラ本体100のぶれを相殺するように画像センサ110を光軸に垂直な面内にシフトさせる。センサ駆動部181により画像センサ110を駆動できる範囲には機構的に制限がある。画像センサ110を機構的に駆動できる範囲を「駆動可能範囲」という。
1-2.交換レンズ
交換レンズ200は、光学系と、レンズ制御部240と、レンズマウント250とを備える。光学系は、ズームレンズ210と、OIS(Optical Image Stabilizer)レンズ220と、フォーカスレンズ230と、絞り260とを含む。
ズームレンズ210は、光学系で形成される被写体像の倍率を変化させるためのレンズである。ズームレンズ210は、1枚又は複数枚のレンズで構成される。ズームレンズ210は、ズームレンズ駆動部211により駆動される。ズームレンズ駆動部211は、使用者が操作可能なズームリングを含む。または、ズームレンズ駆動部211は、ズームレバー及びアクチュエータまたはモータを含んでもよい。ズームレンズ駆動部211は、使用者による操作に応じてズームレンズ210を光学系の光軸方向に沿って移動させる。
フォーカスレンズ230は、光学系で画像センサ110上に形成される被写体像のフォーカス状態を変化させるためのレンズである。フォーカスレンズ230は、1枚又は複数枚のレンズで構成される。フォーカスレンズ230は、フォーカスレンズ駆動部233により駆動される。
フォーカスレンズ駆動部233はアクチュエータまたはモータを含み、レンズ制御部240の制御に基づいてフォーカスレンズ230を光学系の光軸に沿って移動させる。フォーカスレンズ駆動部233は、DCモータ、ステッピングモータ、サーボモータ、または超音波モータなどで実現できる。レンズ制御部240及びフォーカスレンズ駆動部233は、それぞれデジタルカメラ1における合焦駆動部の一例である。
OISレンズ220は、OIS機能(OISレンズ220のシフトにより、手振れを補正する機能)において、交換レンズ200の光学系で形成される被写体像のぶれを補正するためのレンズである。OISレンズ220は、デジタルカメラ1のぶれを相殺する方向に移動することにより、画像センサ110上の被写体像のぶれを小さくする。OISレンズ220は1枚又は複数枚のレンズで構成される。OISレンズ220はOIS駆動部221により駆動される。
OIS駆動部221は、OIS処理部223からの制御を受けて、光学系の光軸に垂直な面内でOISレンズ220をシフトする。OIS駆動部221によりOISレンズ220を駆動できる範囲には機構的に制限がある。OIS駆動部221によりOISレンズ220を機構的に駆動できる範囲(駆動可能範囲)という。OIS駆動部221は、例えば、マグネットと平板コイルとで実現可能である。位置センサ222は、光学系の光軸に垂直な面内におけるOISレンズ220の位置を検出するセンサである。位置センサ222は、例えば、マグネットとホール素子で実現可能である。OIS処理部223は、位置センサ222の出力及びジャイロセンサ224(ぶれ検出器)の出力に基づいてOIS駆動部221を制御する。
絞り260は画像センサ110に入射される光の量を調整する。絞り260は、絞り駆動部262により駆動され、その開口の大きさが制御される。絞り駆動部262はモータまたはアクチュエータを含む。
ジャイロセンサ184または224は、デジタルカメラ1の単位時間あたりの角度変化すなわち角速度に基づいて、ヨーイング方向及びピッチング方向のぶれ(振動)を検出する。ジャイロセンサ184または224は、検出したぶれの量(角速度)を示す角速度信号をBIS処理部183またはOIS処理部223に出力する。ジャイロセンサ184または224によって出力された角速度信号は、手ぶれやメカノイズ等に起因した幅広い周波数成分を含み得る。ジャイロセンサに代えて、デジタルカメラ1のぶれを検出できる他のセンサを使用することもできる。
カメラ制御部140及びレンズ制御部240は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、プログラムを用いたマイクロコンピュータなどで構成してもよい。例えば、カメラ制御部140及びレンズ制御部240は、CPU、MPU、GPU、DSP、FPGAまたはASIC等のプロセッサで実現できる。
本実施形態のデジタルカメラ1は、メカニカルシャッタなどのシャッタ機構(不図示)を備える。また、デジタルカメラ1のカメラ制御部140は、電子シャッタまたは電子先幕などにより、画像センサ110の撮像動作を制御してもよい。
2.動作
以上のように構成されるデジタルカメラ1の動作を以下説明する。
2-1.ウォブリング制御
デジタルカメラ1はコントラストAF方式によってオートフォーカス動作(AF動作)を実行する。動画撮影時のAF動作においては、フォーカスレンズ230を微小距離だけ光軸に沿って進退させながら合焦位置方向にフォーカスレンズ230を移動させるウォブリング制御を行う。
図2は、デジタルカメラ1におけるウォブリング動作を説明した図である。図2(A)は、カメラ本体100のカメラ制御部140により生成される垂直同期信号を示す。図2(B)は、画像センサ110による撮像状態を示す。図2(C)は、カメラ本体100から交換レンズ200に送信されるBL同期信号を示す。図2(D)は、ウォブリング動作により変化するフォーカスレンズ230の位置を示す。図2(E)は、カメラ本体100のカメラ制御部140が、交換レンズ200のレンズ制御部240に送信するウォブリング制御のための駆動コマンドを示す。
図2(A),(B)に示すように、カメラ本体100において、画像センサ110は垂直同期信号(VD)に同期して被写体像を撮像する。同時に、交換レンズ200において、図2(C),(D)に示すように、画像センサ110における撮像動作に同期してフォーカスレンズ230がウォブリング制御される。
具体的には、レンズ制御部240は、ウォブリング制御のための駆動コマンドをカメラ制御部140から受信する。レンズ制御部240は、駆動コマンドにしたがいフォーカスレンズ230をウォブリング制御する。このとき、画像センサ110によって所定のAF領域の画像が撮像されるときに、フォーカスレンズ230の変位が最大となるようにフォーカスレンズ230が駆動され、これによりAF領域でコントラスト値を検出(即ち検波)することができる。
レンズ制御部240は、ウォブリング制御をカメラ制御部140から受信したBL同期信号に同期して実行する(図2(E)参照)。なお、図2(E)の例では、駆動コマンドを2フレーム周期毎に受信している。
2-2.AFブースト動作
2-2-1.動作の概要
以上のようなウォブリング制御に依拠したAF動作では、例えば動画の撮影中に被写体が高速に動いた場合に、被写体のフォーカス位置を追従し難くなる事態が考えられる。又、動画を撮影記録する際の露出がAF制御に適していないような場合に、誤検波等によりAF制御の精度が低下してしまう事態も考えられる。
そこで、本実施形態のデジタルカメラ1は、上記のような場合であってもAF制御を精度良く行うための動作モードであるAFブーストモードを有する。以下、AFブーストモードにおけるデジタルカメラ1の動作すなわちAFブースト動作の概要を、図3を用いて説明する。
図3は、本実施形態におけるデジタルカメラ1のAFブースト動作の概要を説明するための図である。本実施形態のデジタルカメラ1は、AFブースト動作時に、例えば動画の撮影記録用に設定されるフレームレートの4倍のフレームレートにおいて、画像センサ110(及びフォーカスレンズ駆動部233等)を動作させる。これにより、撮影記録用のフレームレートに対応する周期すなわち撮影周期T1は、図3に示すように、4フレームF1~F4分の期間を含む。
図3(A)は、本実施形態のAFブースト動作における記録用のフレームの撮像タイミングを示す。図3(B)は、本動作におけるAF制御用のフレームの撮像タイミングを示す。図3(C)は、本動作におけるウォブリング制御の動作タイミングを示す。
デジタルカメラ1において、AFブースト動作時に記録される画像データは、例えば図3(A)に示すように、撮影周期T1毎に1フレームずつ生成される。本実施形態のデジタルカメラ1は、例えば図3(B)に示すように、こうした撮影周期T1の中において、記録用のフレームとは別に、AF制御に用いるため専用のフレームを設ける。図3(A),(B)の例では、撮影周期T1において、前半のフレームF1,F2がAF制御用に用いられ、後半のフレームF3,F4が記録用に用いられる。
本実施形態のAFブースト動作において、フォーカスレンズ230のウォブリング制御は、図3(C)に示すように、撮影周期T1におけるAF制御用の2フレームF1,F2毎に間欠的に行われる。これにより、ウォブリング動作が、特に記録用の画像の画質を低下させずにフォーカスレンズ230の振幅を大幅に設定でき、AF制御の追従性能を良くすることができる。
又、本実施形態のデジタルカメラ1は、AF制御用のフレームの撮像時における露出を、記録用の露出とは別個に設定する。さらに、本実施形態のAFブーストモードでは、記録用の2フレームF3,F4を用いて、記録用の画像データにおけるシャッタ速度の自由度を確保する。以下、本実施形態におけるデジタルカメラ1のAFブーストモードの動作の詳細を説明する。
2-2-2.動作の詳細
図4は、本実施形態におけるデジタルカメラ1の動作を例示するタイミングチャートである。図5は、デジタルカメラ1の動作を例示するフローチャートである。
図4(A)は、本実施形態のAFブースト動作における垂直同期信号の生成タイミングを示す。図4(B)は、本動作における画像センサ110の露光タイミングを示す。図4(C)は、本動作におけるBL同期信号の生成タイミングを示す。図4(D)は、本動作におけるフォーカスレンズ位置を示す。又、図4(D)では、フォーカスレンズ230が被写体に合焦する正解の位置も、破線で図示している。
本実施形態のデジタルカメラ1において、AFブースト動作は、例えば設定メニューのユーザ操作等により、撮影記録用のフレームレート等が予め設定された状態で行われる。デジタルカメラ1のカメラ制御部140は、設定されたフレームレートに基づいて、例えば図4(A)に示すように、撮影周期T1の1/4のフレーム周期T10を有する垂直同期信号を生成して、生成した垂直同期信号を画像センサ110に供給する。
画像センサ110は、カメラ制御部140から供給される垂直同期信号に基づき、撮影記録用のフレームレートの4倍のフレームレートで撮像動作を実行可能に動作する(図4(B)参照)。例えば、ユーザ操作により撮影記録用のフレームレートが24fps、25fps又は30fpsに設定されると、画像センサ110等はそれぞれ96fps、100fps又は120fpsで動作する。
また、カメラ制御部140は、図4(C)に示すようにBL同期信号を、図4(A)の垂直同期信号と同様の周期で生成して、交換レンズ200に供給する。交換レンズ200において、例えばレンズ制御部240は、供給されるBL同期信号に基づき、上記の周期によってフォーカスレンズ230等の光学系を駆動するようにフォーカスレンズ駆動部233等を制御する。
本実施形態のAFブースト動作において、カメラ制御部140は、例えば撮影周期T1毎に、図5に示す処理を実行する。まず、カメラ制御部140は、デジタルカメラ1における露出をAF制御用に設定する(S1)。AF制御用の露出設定は、例えば設定値として予めフラッシュメモリ142に予め格納されており、例えば記録用として想定される露出設定よりも高速のシャッタ速度および高感度のISO感度を含む。
次に、カメラ制御部140は、デジタルカメラ1に設定した露出においてAF制御用の画像を撮像するように画像センサ110等を制御する(S2)。例えば図4(B)に示すように、画像センサ110は、第1及び第2フレームF1,F2の各々で、AF制御用のシャッタ速度に応じた露光期間T21ずつ露光して2フレーム分の撮像動作を行う。この際、AF制御用の高速のシャッタ速度によると、露光期間T21が比較的短く、被写体の動きによる露光ぶれを抑制することができる。
又、ステップS2においてカメラ制御部140は、例えばレンズ制御部240とのデータ通信を介して(図4(C))、図4(D)に示すように、第1及び第2フレームF1,F2の期間においてフォーカスレンズ230のウォブリング制御を行う。この際、撮像される画像がAF制御用であって記録用でないことから、ウォブリング動作におけるフォーカスレンズ230の振幅は、例えば画像中にボケが生じ得る程度まで大幅に設定可能である。
次に、カメラ制御部140は、例えば第1及び第2フレームF1,F2に撮像された画像データに基づいて、デジタルカメラ1におけるAF制御を実行する(S3)。ステップS3のAF制御では、その後の記録用の撮像時に(被写体に合焦するための)フォーカスレンズ230の位置が決定される。
例えばステップS3のAF制御において、カメラ制御部140は、まず、各フレームF1,F2の撮像結果の画像データを画像センサ110から順次、取得して、フレーム毎にコントラスト値などのAF評価値を算出する。カメラ制御部140は、各フレームのAF評価値を互いに比較して、比較結果に基づき、フォーカスレンズ230を現在位置から移動する方向および移動量を決定する。カメラ制御部140は、例えばレンズ制御部240に、決定した移動方向及びフォーカスレンズ230を通知してフォーカスレンズ230を駆動させる(図4(C))。
上記のAF制御結果としてのフォーカスレンズ230の移動は、例えば第3フレームF3の期間中に行われる(図4(D))。図4(D)の例では、フォーカスレンズ230が、第3及び第4フレームF3,F4の期間中に、ウォブリング動作と同様の周期および微少な振幅で進退駆動されている。上記AF制御結果は、こうしたフォーカスレンズ230の微少進退駆動に、決定された移動量を付加することで反映できる。この微少進退駆動の振幅は、例えば撮像される画像の画質に影響を及ぼさない程度の小ささに設定され、例えば第1及び第2フレームF1,F2における振幅よりも小さい。なお、この微少進退駆動は適宜、省略されてもよい。
また、カメラ制御部140は、デジタルカメラ1に設定された露出を、AF制御用の露出設定から、記録用の露出設定に変更する(S4)。記録用の露出設定は、例えばユーザ操作により、或いはAE(自動露出)制御により設定される。AE制御において記録用の適正露出を算出するための測光等は、例えば記録用のフレームの画像データに基づき行われる。
カメラ制御部140は、デジタルカメラ1においてAF制御用から変更した露出において記録用の画像を撮像するように画像センサ110等を制御する(S5)。図4(B)では、記録用のシャッタ速度に対応する露光期間T22が、撮影周期T1の1/4周期以下である場合を例示する。
図4(B)の例では、画像センサ110は、ステップS5の制御により、第3フレームの撮像動作は行わずに第4フレームF4について、記録用のシャッタ速度に応じた露光期間T22だけ露光するように撮像動作を行う。これにより、例えば第3フレームF3にAF制御結果を反映するためのフォーカスレンズ230の移動で記録用の画像が画質低下を招く事態を抑制できる。
カメラ制御部140は、記録用の画像データを生成する(S5)と、生成された画像データを、カードスロット170を介してメモリカード171に記録して、図5に例示するフローの処理を終了する。図5の処理は、撮影周期T1毎に繰り返し実行される。
以上のようなデジタルカメラ1のAFブースト動作によると、撮影周期T1の中で、AF制御用の撮像(S2)と、記録用の撮像(S5)とが、別々のタイミングにて行われる。これにより、AF制御用の撮像において、ユーザが観賞する記録用の画像のように見映えを考慮する必要性をなくして、AF制御に最適な各種設定を適用できる。
AF制御用の露出設定(S1)としては、各フレームにおいて被写体像の情報量を確保し易い各種の設定を適用可能である。例えば、AF制御用のシャッタ速度は、特に動画の連続的な視認性を考慮せず、フレーム毎の露光ぶれの抑制を重視した高速に設定できる。また、AF制御用のISO感度は、画像中のノイズの発生を許容しながら、暗い被写体であっても撮像可能な程度に高感度に設定できる。
以上のようなAF制御用の露出設定(S1)によると、被写体が素早く動いたり高いコントラストを有したりしても、AF制御用の画像データ(S2)が示す画像において、露光ぶれ等による誤検波を抑制して、AF制御(S3)の精度を良くすることができる。こうしたAF制御用の露出設定は、記録用の露出設定に応じて、或いはAE制御等により変更されてもよい。
2-2-3.フレーム合成について
以上の説明では、記録用の露出設定のシャッタ速度が、撮影周期T1の1/4周期以下に対応する場合を説明したが(図4(B)参照)、本実施形態のAFブースト動作は、上記よりも低速のシャッタ速度も利用可能である。例えば、動画撮影においては、撮影周期T1の半周期程度のシャッタ速度を用いて撮影記録を行いたいニーズがある。こうしたニーズに応えられるAFブーストモードの動作例を、図4(E)を用いて説明する。
図4(E)では、記録用のシャッタ速度に対応する露光期間T23が、撮影周期T1の1/4周期よりも大きくて且つ1/2周期以下である場合のAFブースト動作における画像センサ110の露光タイミングを例示する。本例において、カメラ制御部140は、記録用のシャッタ速度の設定(S4)に基づいて、第3及び第4フレームF3,F4の双方において撮像動作を画像センサ110に行わせる(S5)。
図4(E)の例において、画像センサ110は、カメラ制御部140の制御(S4,S5)により、第3及び第4フレームF3,F4における露光期間の合計値が、記録用のシャッタ速度に応じた露光期間T23となるように、2フレーム分の撮像動作を行う。例えば、図4(E)に例示するように、第4フレームF4には最大の露光期間が割り当てられ、第3フレームF3には、残りの露光期間が割り当てられる。
カメラ制御部140は、以上のような第3フレームF3の撮像結果の画像データと、第4フレームF4の撮像結果の画像データとを合成することにより、本例における記録用の画像データを生成する(S5)。記録用の画像データの合成処理としては、平滑化など各種の画像合成処理を適用できる。
以上のように合成される記録用の画像データは、実質的に撮影周期T1の1/4周期以上の露光期間T23を有する。このように、本実施形態のAFブースト動作では、2フレームF3,F4の撮像結果を用いることにより、記録用の画像データにおいて、実質的に撮影周期T1の半周期程度のシャッタ速度を実現することができる。
以上のように、本実施形態のデジタルカメラ1は、フレーム合成を行うことで、フレーム合成を行わない場合と比較して、長時間露光時と同等の画像を得ることが可能となり、ノイズ性能の観点からも効果がある。また、図4(E)に例示した2フレームF3,F4における露光期間の割り当てによると、2フレームF3,F4間で露光されない時間間隔が生じるような事態を回避し易い。これにより、当該時間間隔中に被写体が動くことにより、合成される記録用の画像データにおいて二重像が生じるといった画質の低下を抑制することができる。
3.まとめ
以上のように、本実施形態におけるデジタルカメラ1(及びカメラ本体100)は、それぞれ撮像装置の一例であり、撮像部の一例としての画像センサ110と、記録部の一例としてのカードスロット170と、制御部の一例としてのカメラ制御部140とを備える。画像センサ110は、光学系の一例としての交換レンズ200を介して形成される被写体像を撮像して画像データを生成する。カードスロット170は、所定の撮影周期T1において画像センサ110により順次、撮像される画像を示す第1画像データの一例である記録用の画像データを記録する(図3(A)参照)。カメラ制御部140は、画像センサ110及びカードスロット170の動作を制御する。カメラ制御部140は、撮影周期T1の半周期よりも短いフレーム周期T10において画像センサ110を動作させて、撮影周期T1中に第1画像データの撮像に加えて1フレーム以上の第2画像データの一例であるAF制御用の画像データを生成させる(図3(B)参照)。第2画像データは、第1画像データとは異なる設定で撮像される、自装置の制御に用いる画像を示す。
以上のデジタルカメラ1によると、撮影周期T1中に、撮影周期T1の半周期よりも短いフレーム周期T10において画像センサ110を動作させて、記録用の第1画像データとは別に、制御用の第2画像データが生成される。例えば、カメラ制御部140は生成された第2画像データに基づいて自装置の制御を実行し、第2画像データが撮像される設定は第1画像データよりも自装置の制御に適した設定である。こうした第2画像データにより、デジタルカメラ1において、動画等の画像の撮影中に行われるAF制御等の制御を精度良く行い易くすることができる。
本実施形態において、第1及び第2画像データは、互いに異なる露出設定を有する。第2画像データの露出設定は、第1画像データの露出設定と比較して、より高速のシャッタ速度と、より高いセンサ感度との内の少なくとも1つを含む(図4(B)参照)。こうした露出設定により、被写体が高速に動いたり高コントラストを有したりしても、第2画像データが第1画像データよりも露出ぶれ等を抑制し易く、被写体像の情報を確保しやすい。これにより、デジタルカメラ1において第2画像データを用いた制御を精度良くし易くできる。
本実施形態において、交換レンズ200は、光軸に沿って移動可能なフォーカスレンズ230を含む。カメラ制御部140は、撮影周期T1において第2画像データが撮像されるフレーム周期T10毎にフォーカスレンズ230の位置が光軸に沿って進退するように、フォーカスレンズ230を移動させる(図3(C)参照)。カメラ制御部140は、第2画像データを用いた制御として、第1画像データの撮像時におけるフォーカスレンズ230の位置を設定するフォーカス制御を実行する(S3)。これにより、デジタルカメラ1において第2画像データを用いて、AF制御を精度良くし易くできる。
本実施形態において、フレーム周期T10は、撮影周期T1の1/3周期以下であってもよい。カメラ制御部140は、撮影周期T1において、第1画像データの撮像時(F3,F4)とは異なる複数のフレーム周期T10中にフォーカスレンズ230の位置を進退させて、画像センサ110から複数フレームF1,F2の第2画像データを取得する(図3(B),(C)参照)。カメラ制御部140は、取得した複数フレームF1,F2の第2画像データに基づいて、フォーカス制御を実行する(S3)。このように、記録用のフレームF3,F4とは別にAF制御用のフレームF1,F2を設けることにより、例えば記録用の露出に拘わらず、AF制御にとって適切な露出を使用できる。又、フォーカスレンズ230のウォブリング動作の振幅も大幅に設定できる。これにより、AF制御を精度良くし易くできる。
本実施形態において、第1画像データのシャッタ速度が、フレーム周期T10に対応するシャッタ速度といった所定値よりも低速に設定された場合、カメラ制御部140は、撮影周期T1における複数のフレーム周期T10において撮像される複数の画像を互いに合成して、第1画像データを生成する(図4(E))。これにより、撮影周期T1中に制御用の第2画像データを得ながら、記録用の第1画像データにおいて低速のシャッタ速度を実現できる。よって、画像の撮影中に、第2画像データを用いて各種制御を行っても、記録用のシャッタ速度の自由度を確保でき、ユーザにとってこうした制御を許容し易くすることができる。
本実施形態において、第1画像データの合成元の複数の画像において、撮影周期T1中で最初に撮像される画像の露光期間は、その後に撮像される画像の露光期間以下であってもよい(図4(E))。これにより、画像合成時に二重像が生じるような事態を回避し易くして、第1画像データの画質を向上できる。
(実施形態2)
実施形態1では、AF制御用の画像データを用いるデジタルカメラ1を説明した。実施形態2では、AF制御に限らない各種制御用の画像データを用いるデジタルカメラ1について説明する。
以下、実施形態1に係るデジタルカメラ1と同様の構成、動作の説明は適宜、省略して、本実施形態に係るデジタルカメラ1を説明する。
図6は、実施形態2におけるデジタルカメラ1の動作を例示するフローチャートである。実施形態1では、記録用のフレームとは別にAF制御用のフレームを撮像するAFブースト動作(図5)を説明した。本実施形態において、カメラ制御部140は、実施形態1(図5)と同様に、撮影周期T1毎に図6に例示するステップS1A~S5を実行して、記録用とは別のフレームを、AF制御の代わりの制御に用いる(S1A~S3A)。
本実施形態において、カメラ制御部140は、実施形態1におけるAF制御用の露出設定(図5のS1)の代わりに、デジタルカメラ1における各種制御用の設定を行う(S1A)。ステップS1Aの設定は、AF制御用と同様の露出設定を含んでもよく、例えば高速のシャッタ速度を含んでもよい。
カメラ制御部140は、ステップS1Aの設定に従って、実施形態1と同様に記録用の撮像(S5)とは別に、制御用のフレームの撮像動作を実行させる(S2A)。ステップS2Aにおいて撮像されるフレーム数は、例えば実施形態1と同様に2フレームである。ステップS2Aはこれに限らず、適用する制御(S3A)に応じて各種のフレーム数の撮像が行われてもよい。
図6の動作例において、カメラ制御部140は、撮像された制御用の画像データ(S2A)に基づいて、AF制御の代わりの制御として、被写体に関する各種情報を検出する画像認識を行う(S3A)。画像認識処理(S3A)では、例えば、機械学習に基づき、画像データが示す画像において人体などの特定の種別の被写体が映る領域を検出する。例えば高速のシャッタ速度に設定した撮像(S1A,S2A)により、露光ぶれによる誤検出を抑制でき、画像認識の精度を良くすることができる。
ステップS3Aにおいて、カメラ制御部140は、例えば画像認識処理によって検出された各種情報に基づき、デジタルカメラ1における各種の動作を行う。例えば、カメラ制御部140は、画像データが示す画像において被写体が検出された領域に基づき、AF制御におけるAF領域、或いはAE制御における測光領域を決定できる。又、カメラ制御部140は、被写体が認識された領域を示す情報を、ライブビュー画像上のAF枠などとして液晶モニタ120等に表示させてもよい。
ステップS3Aにおける画像認識処理は、特に上記に限らず、種々の処理を適用可能である。例えば、ステップS3Aにおいて検出の対象とする被写体の種別は、特に人体に限らず、頭部、顔、瞳などの部位であってもよいし、特定の個人であってもよい。又、検出対象は、人物以外の動物、車両などの移動体、撮影中のシーンに関する情報などの種々の情報であってもよい。又、ステップS3Aの処理は、特に機械学習に限らず、適宜ルールベースであってもよい。
本実施形態のデジタルカメラ1において、ステップS1A~S3Aの制御は上記に限らず、種々の制御を適用可能である。例えば、制御用の撮像(S2A)では、絞り値を互いに異ならせた2フレームの画像が撮像されてもよい。カメラ制御部140は、こうして撮像された制御用の画像データに基づいて、2フレーム間のボケ量の差分を利用したDFD(Depth From Defocus)の演算処理を行って、各種被写体までの距離を算出する測距制御を行ってもよい(S3A)。例えば、制御用の絞り値は、フレーム毎に記録用の撮像時の絞り値から増減させて設定される(S1A)。この設定に従って、絞り駆動部262が絞り260を駆動する(S2A)。
また、制御用の撮像(S2A)において、BIS機能又はOIS機能を駆動して、記録用の画像からずらした画角範囲の画像が撮像されてもよい。カメラ制御部140は、こうして撮像された画像データに基づいて、記録用の画像の画角範囲内に入り込む物体、或いは画角範囲から出て行く物体を検出する予測制御を行ってもよい(S3A)。この場合、BIS機能において画像センサ110をセンサ駆動部181で駆動するシフト量、或いはOIS機能においてOISレンズ220をOIS駆動部221で駆動するシフト量が設定される(S1A)。
また、制御用の撮像(S2A)において、ズームレンズ210を駆動して画角を変更した画像が撮像されてもよい。例えば、カメラ制御部140は、制御用の画像として記録用の画像データよりも広角の画像データを取得して、上記と同様の予測制御を行ってもよい(S3A)。この場合、画角に対応してズームレンズ駆動部211により駆動されるズームレンズ210の位置が設定される。
以上のように、本実施形態のデジタルカメラ1において、カメラ制御部140は、第2画像データを用いた制御として、例えば被写体の画像認識を実行する(S3A)。記録用とは別の制御用の画像データを用いることにより、こうした画像認識の制御も精度良く行える。
本実施形態において、制御用の画像データ(第2画像データ)の設定(S1A)は、交換レンズ200等の光学系に含まれるフォーカスレンズ230、絞り260、ズームレンズ210、及びOISレンズ220(手ぶれ補正用レンズ)、並びに画像センサ110の位置を駆動するセンサ駆動部181(手ぶれ補正機構)のうちの少なくとも1つの状態を、記録用の画像データ(第1画像データ)の撮像時の状態から変更する。記録用の撮像(S5)とは別の撮像(S2A)において、制御用の画像データを適用する各種制御に適した設定が採用でき、当該制御の精度を良くし易い。
(他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態1,2を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置換、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記各実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。そこで、以下、他の実施形態を例示する。
上記の実施形態1では、AFブーストモードにおいて間欠的にウォブリング制御を行う動作例を説明したが、ウォブリング制御は間欠的でなくてもよい。デジタルカメラ1におけるAFブーストモードの動作の変形例について、図7を用いて説明する。
図7は、デジタルカメラ1のAFブースト動作の変形例を説明するための図である。図7(A)は、本変形例のAFブースト動作における記録用のフレームの撮像タイミングを示す。図7(B)は、本動作におけるAF制御用のフレームの撮像タイミングを示す。図7(C)は、本動作におけるウォブリング制御の動作タイミングを示す。
本変形例では、図7(C)に示すように、連続的なウォブリング制御において、フォーカスレンズ230の駆動が、フレーム周期T10毎に移動と停止を繰り返すように行われる。具体的に、フォーカスレンズ230は、撮影周期T1において、第1フレームF1の期間中に移動し、第2フレームF2の期間中は停止する。続いて、フォーカスレンズ230は、第3フレームF3の期間中に、第1フレームF1とは逆方向に移動し、第4フレームF4の期間中は停止する。次の撮影周期T1では、フォーカスレンズ230の移動方向が、その前の撮影周期T1から逆方向となる。このことから、本例において、フォーカスレンズ230のウォブリング動作の周期は、撮影周期T1の2倍である。
記録用のフレームは、例えば図7(A)に示すように、実施形態1と同様に、撮影周期T1の後半の第3及び第4フレームF3,F4に設定される。第4フレームF4におけるフォーカスレンズ230の位置は、AF制御の結果として被写体に合焦するための位置に制御される。第3フレームF3は、例えば実施形態1と同様に、シャッタ速度が低速時にフレーム合成を行うために用いられる。
一方、本変形例において、AF制御用のフレームは、例えば図7(B)に示すように、撮影周期T1中で第2フレームF2と第4フレームF4とに設定される。すなわち、本変形例では、第2フレームF2がAF制御専用のフレームである一方、第4フレームF4は、AF制御用と記録用とに兼用される。カメラ制御部140は、例えば第2フレームF2のAF評価値と、その前の第4フレームF4のAF評価値とに基づいて、次の第4フレームF4のフォーカスレンズ230の位置を設定するようにAF制御を行う。
本変形例のAF制御では、第2フレームF2の期間において、フォーカスレンズ230の位置を大幅に動かすことにより、ウォブリング制御の振幅を大きく確保して、AF制御の追従精度を良くすることができる。本変形例の露出設定は、例えば第2及び第4フレームF2,F4間で共通である。
又、撮影記録用のシャッタ速度がフレーム周期T10を超える低速の場合、カメラ制御部140は、実施形態1と同様に、第3フレームF3と第4フレームF4との画像合成処理を行って、記録用の画像データを生成する。第4フレームF4の画像データは、本実施形態における第3画像データの一例である。又、フレーム合成時に撮像される第3フレームF3の画像データは、本実施形態における第4画像データの一例である。
以上のように、本実施形態のデジタルカメラ1において、フレーム周期T10は、撮影周期T1の1/4周期以下である。フォーカスレンズ230は、フレーム周期T10毎に移動と停止を交互に繰り返す(図7(C)参照)。カメラ制御部140は、撮影周期T1においてフォーカスレンズ230が互いに異なる位置で停止する2フレーム周期T10の撮像結果として第2画像データと第3画像データとを取得し、取得した第2及び第3画像データに基づいて、フォーカス制御を実行する(図7(B),(C)参照)。第3画像データは、第1画像データ、又は第1画像データの合成元の画像データを構成する。即ち、第1画像データは、撮像周期T1において第2及び第3画像データとは別のフレーム周期T10に撮像される第4画像データと第3画像データとを合成して、又は合成せずに第3画像データで構成される。こうしたデジタルカメラ1のAFブースト動作によっても、実施形態1と同様に、ウォブリング動作の振幅を大幅に確保でき、所望の記録用の撮像においてAF制御を行い易くできる。
例えば、本実施形態において第1画像データのシャッタ速度が所定値よりも低速に設定された場合、カメラ制御部140は、撮影周期T1において、第2及び第3画像データの撮像時とは別のフレーム周期T10に撮像された画像と、第3画像データが示す画像とを合成して、第1画像データを生成する。これにより、本実施形態のAFブースト動作によっても、低速のシャッタ速度を実現できる。
上記の各実施形態では、記録用の画像データのシャッタ速度が低速である場合に、複数フレームの画像を合成する例を説明した。低速のシャッタ速度は、画像合成処理に限らず、例えば垂直同期信号を伸長する処理で実現されてもよい。例えば、カメラ制御部140は、撮影周期T1毎に、制御用の撮像を行うためのフレーム周期T10毎のパルスに加えて、フレーム周期T10から伸長した周期のパルスを含めるように垂直同期信号を生成する。カメラ制御部140は、このように伸長した周期のフレームを記録用に用いて、記録用のシャッタ速度に応じた露光期間による撮像動作を画像センサ110に実行させる。
例えば、実施形態1の第3及び第4フレームF3,F4の代わりにフレーム周期T10の2倍の周期を含めることで、実施形態1と同様に撮影周期T1の半周期分まで低速のシャッタ速度を実現できる。以上のように、第1画像データのシャッタ速度が、所定値よりも低速に設定された場合、カメラ制御部140は、撮影周期T1において、第2画像データの撮像時のフレーム周期T10とは別のタイミングに、フレーム周期T10から伸長した周期を含めて、伸長した周期において第1画像データの画像を画像センサ110に撮像させてもよい。垂直同期信号の伸長は、特にフレーム周期T10の2倍に限らず、シャッタ速度等に応じて所望の幅に伸長されてもよい。
また、上記の各実施形態では、デジタルカメラ1の記録部としてカードスロット170を例示したが、記録部はこれに限定されない。本実施形態において、記録部による記録先の記録媒体は、メモリカード171に限らず、例えばSSDドライブなどの外部記憶装置であってもよい。本実施形態において、記録部は、デジタルカメラ1から外部記憶装置へのデータ書き込みを行う各種インタフェース回路であってもよく、種々の通信規格に従ってデータ送信を行う各種の通信モジュールであってもよい。
また、上記の各実施形態では、撮像装置の一例としてレンズ交換式のデジタルカメラについて説明したが、本実施形態の撮像装置は、特にレンズ交換式ではないデジタルカメラであってもよい。また、本開示の思想は、デジタルカメラのみならず、ムービーカメラであってもよいし、カメラ付きの携帯電話或いはPCのような種々の撮像機能を有する電子機器にも適用可能である。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置換、付加、省略などを行うことができる。
本開示の思想は、撮像機能を有する電子装置(デジタルカメラやカムコーダ、ボックスカメラ等の撮像装置、携帯電話、スマートフォン等)に適用することができる。
1 デジタルカメラ
100 カメラ本体
140 カメラ制御部
200 交換レンズ
230 フォーカスレンズ
233 フォーカスレンズ駆動部
240 レンズ制御部

Claims (8)

  1. 光学系を介して形成される被写体像を撮像して画像データを生成する撮像部と、
    所定の撮影周期において前記撮像部により順次、撮像される画像を示す第1画像データを記録する記録部と、
    前記撮像部及び前記記録部の動作を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記撮影周期の半周期よりも短いフレーム周期において前記撮像部を動作させて、前記撮影周期中に前記第1画像データの撮像に加えて1フレーム以上の第2画像データを生成させ、
    前記第2画像データは、前記第1画像データとは異なる設定で撮像される、自装置の制御に用いる画像を示す
    撮像装置。
  2. 前記第1及び第2画像データは、互いに異なる露出設定を有し、
    前記第2画像データの露出設定は、前記第1画像データの露出設定と比較して、より高速のシャッタ速度と、より高いセンサ感度との内の少なくとも1つを含む
    請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記光学系は、光軸に沿って移動可能なフォーカスレンズを含み、
    前記制御部は、
    前記撮影周期において前記第2画像データが撮像されるフレーム周期毎に前記フォーカスレンズの位置が前記光軸に沿って進退するように、前記フォーカスレンズを移動させ、
    前記第2画像データを用いた制御として、前記第1画像データの撮像時における前記フォーカスレンズの位置を設定するフォーカス制御を実行する
    請求項1に記載の撮像装置。
  4. 前記フレーム周期は、前記撮影周期の1/3周期以下であり、
    前記制御部は、
    前記撮影周期において、前記第1画像データの撮像時とは異なる複数のフレーム周期中に前記フォーカスレンズの位置を進退させて、前記撮像部から複数フレームの第2画像データを取得し、
    取得した複数フレームの第2画像データに基づいて、前記フォーカス制御を実行する
    請求項3に記載の撮像装置。
  5. 前記フレーム周期は、前記撮影周期の1/4周期以下であり、
    前記フォーカスレンズは、前記フレーム周期毎に移動と停止を交互に繰り返し、
    前記制御部は、
    前記撮影周期において前記フォーカスレンズが互いに異なる位置で停止する2フレーム周期の撮像結果として前記第2画像データと第3画像データとを取得し、
    取得した第2及び第3画像データに基づいて、前記フォーカス制御を実行し、
    前記第1画像データは、前記撮像周期において前記第2及び第3画像データとは別のフレーム周期に撮像される第4画像データと前記第3画像データとを合成して、又は合成せずに前記第3画像データで構成される
    請求項3に記載の撮像装置。
  6. 前記第1画像データのシャッタ速度が、所定値よりも低速に設定された場合、
    前記制御部は、前記撮影周期における複数のフレーム周期において撮像される複数の画像を互いに合成して、前記第1画像データを生成する
    請求項1に記載の撮像装置。
  7. 前記制御部は、前記第2画像データを用いた制御として、被写体の画像認識を実行する
    請求項1に記載の撮像装置。
  8. 前記第2画像データの設定は、前記光学系に含まれるフォーカスレンズ、絞り、ズームレンズ、及び手ぶれ補正用レンズ、並びに前記撮像部の位置を駆動する手ぶれ補正機構のうちの少なくとも1つの状態を、前記第1画像データの撮像時の状態から変更する
    請求項1に記載の撮像装置。
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