JP2017026998A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】新たな機構を要することなく、連写速度を落とさずに連写時の内部要因の振動によって生じるカメラブレによる画像ブレを低減可能な撮像装置を提供すること。
【解決手段】撮影光路内に位置するミラーダウン状態と、撮影光路外に位置するミラーアップ状態との間で回動可能なミラー部材と、ミラー部材の回動によって発生する振動を検出する検出手段と、検出手段が振動を検出した後、振動と逆位相の振動を発生するように、ミラー部材の回動開始のタイミングと回動速度の少なくともいずれか1つを制御する制御手段と、を有する。
【選択図】図7
【解決手段】撮影光路内に位置するミラーダウン状態と、撮影光路外に位置するミラーアップ状態との間で回動可能なミラー部材と、ミラー部材の回動によって発生する振動を検出する検出手段と、検出手段が振動を検出した後、振動と逆位相の振動を発生するように、ミラー部材の回動開始のタイミングと回動速度の少なくともいずれか1つを制御する制御手段と、を有する。
【選択図】図7
Description
本発明は、撮像装置に関する。
近年、被写体の光学的な像を電気的な画像信号に変換して撮像するデジタルカメラ、特にレンズ交換可能なデジタルカメラが急速に普及している。しかしながら、カメラの保持姿勢や、被写体の動きによっては、その撮影画像に画像ブレが生じ、画質が劣化してしまう。画像ブレの原因としては、カメラ本体に加わる振動(主として手ブレ)によって生じる「カメラブレ」や、撮影被写体が動くことによって生じる「被写体ブレ」がある。
また、撮像素子の高画素化に伴い、1画素の大きさが小さくなってきている。一般的に、1画素の大きさが小さくなるにつれて、解像度が高くなるため、画像ブレは、小さなブレ量でも目立ってしまう。そのため、カメラブレによる画像ブレは従来のカメラ本体に外部から加わる大きな振動(主として手ブレ)だけでなく、カメラ内部から加わる小さな振動でも発生してしまう。
具体的には、ミラー駆動機構のミラーアップおよびミラーダウン時の衝撃や、シャッタ駆動機構のシャッタ幕走行による衝撃によって発生する振動によって、カメラが共振してしまい、カメラブレが生じる。さらに、連写撮影時は、ミラー駆動機構による駆動時の衝撃により発生する振動が、前の駒で発生した駆動機構による衝撃の振動と共振することで、単写撮影と比較して、より大きなカメラブレが生じる。
カメラブレは、撮影条件だけでなく、装着するレンズの種類によっても異なる。装着するレンズによってカメラ全体の質量が変化し、固有振動数が変化することで、振動に対してカメラ全体が共振するかどうかが変化するためである。そのため、ユーザーにとっては、撮影画像に画像ブレが生じるか否かを判断することは困難である。場合によっては、意図せず大きな画像ブレの撮影画像を取得してしまい、結果として、撮影チャンスを逃してしまうおそれがある。
図12を参照して、カメラブレの発生について説明する。図12は、従来のミラー駆動制御におけるミラーの位置関係、およびカメラブレの振動波形を示す図である。ミラーホルダがミラーアップ位置に到達すると、アップストッパに衝突して大きな振動が発生する。この振動がカメラ全体に共振して、カメラブレV1が発生する。カメラブレV1は徐々に収束するが、一定時間振動が続く。ミラーホルダがミラーダウン位置に到達すると、位置決めピンに衝突して大きな振動が発生する。この振動でカメラ全体が共振する。このとき、ミラーアップ位置の到達による振動で発生したカメラブレV1に、ミラーダウン位置の到達により発生した振動が共振することで、より大きなカメラブレV2が発生する。連写撮影の2駒目に移行した場合、カメラブレV2は収束せずに振動している。連写撮影の2駒目において、ミラーホルダがミラーアップ位置に到達すると、振動が発生する。ミラーアップ位置の到達による振動が、前の駒で発生して収束せずに残っているカメラブレV2に対して共振するため、前の駒で発生したカメラブレV1と比較して、より大きなカメラブレV3が発生する。この状態で露光を行うと、前の駒より大きなカメラブレV3がカメラに発生している状態で露光されるため、画像ブレが大きい写真が撮影されてしまう。その後、ミラーホルダのミラーダウン位置の到達により振動が発生する。そして、収束せずに残っているカメラブレV3に対してさらに共振してより大きなカメラブレV4が発生する。上述のとおり、連写撮影時は前の駒から収束せずに振動しているカメラブレに対して、ミラーアップ位置あるいはミラーダウン位置の到達による振動が共振することでカメラブレが増幅される。そのため、連続撮影枚数が増加すればするほど、画像ブレの大きな画像が撮影されてしまう。
特許文献1では、カメラの姿勢を検知する姿勢検知手段と、シャッタレリーズ時からシャッタ先幕の走行開始までのレリーズタイムラグ値を可変する時間遅れ可変手段を備え、カメラの姿勢に応じて最適なレリーズタイムラグ値を選択する構成が開示されている。このような構成により、カメラ内部の駆動機構による振動の影響による画像ブレを低減することができる。
特許文献2では、カメラ動作機構の振動を検知する振動検出手段と、機構に振動を与える励振駆動手段と、振動検出手段により検知される振動に対して逆位相の信号を発生する振動発生手段を有する構成が開示されている。このような構成により、ミラーアップ時に発生する振動やミラーアップ衝突音を低減することができる。
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術では、駆動機構によって発生した振動が収まるまで、レリーズタイムラグ値を伸ばす必要がある。結果として、連写速度が遅くなってしまい、撮影チャンスを逃してしまうおそれがある。また、特許文献2に開示された従来技術では、振動に対して逆位相を発生させる励振駆動手段が新たに必要であり、カメラの大型化や部品点数の増加につながる。
このような課題に鑑みて、本発明は、新たな機構を要することなく、連写速度を落とさずに連写時の内部要因の振動によって生じるカメラブレによる画像ブレを低減可能な撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての撮像装置は、撮影光路内に位置するミラーダウン状態と、前記撮影光路外に位置するミラーアップ状態との間で回動可能なミラー部材と、前記ミラー部材の回動によって発生する振動を検出する検出手段と、前記検出手段が前記振動を検出した後、前記振動と逆位相の振動を発生するように、前記ミラー部材の回動開始のタイミングと回動速度の少なくともいずれか1つを制御する制御手段と、を有することを特徴とする撮像装置。
本発明によれば、新たな機構を要することなく、連写速度を落とさずに連写時の内部要因の振動によって生じるカメラブレによる画像ブレを低減可能な撮像装置を提供することができる。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置の一例であるデジタルカメラ(カメラシステム)1000のブロック図である。図2は、デジタルカメラ1000の中央断面模式図である。デジタルカメラ1000では、カメラ本体100に撮像レンズ(光学機器)200が着脱可能に取り付けられている。撮像レンズ200は、カメラ本体100と通信を行う。カメラ本体100の底面の略中央には、三脚を装着するための三脚座310が設けられている。
カメラ動作の各制御を行うマイクロコンピュータ(制御手段。以下、MPUという)1には、AF駆動回路12、絞り駆動回路13、ミラー駆動装置14、および焦点検出回路16が接続されている。また、MPU1には、映像信号処理回路11、シャッタ駆動回路17、加速度センサ検出回路19、スイッチセンス回路21、測光回路23、および表示駆動回路24が接続されている。
AF駆動回路12は、例えば、ステッピングモータ等で構成され、MPU1の制御により撮像レンズ200内のフォーカスレンズ(不図示)の位置を変化させることで、撮像素子7に被写体像を合焦させる。絞り駆動回路13は、例えば、オートアイリス等で構成され、MPU1の制御により絞り2を変化させて光学的な絞り値を変化させる。
メインミラー4は、ハーフミラーで構成され、ファインダ111観察時に、撮影光路内に進入(ミラーダウン)して撮像レンズ200および絞り2を通過した被写体光束をペンタダハプリズム3に導く。このとき、サブミラー5はメインミラー4を透過した被写体光束の一部を反射して焦点検出センサ15に導く。また、メインミラー4とサブミラー5は、撮影時に、撮影光路から退避(ミラーアップ)し、被写体光束は撮像素子7に導かれる。
ペンタダハプリズム3は、メインミラー4によって導かれた被写体光束を正立正像の被写体像に変換する。変換された被写体像は、測光センサ22に導かれるとともに、ファインダ111を通して観察される。測光回路23は、測光センサ22からの出力を撮影画面内の各エリアの輝度信号としてMPU1に出力する。MPU1は、輝度信号をA/D変換して露出量を算出する。
焦点検出センサ15は、撮像素子7の結像面とほぼ等価な位置に配置され、焦点検出センサ15の検出面には、サブミラー5で反射された被写体光束が結像する。焦点検出センサ15に結像した被写体像は、電気的なイメージ信号に光電変換されて、焦点検出回路16に供給される。
焦点検出回路16は、MPU1の信号に従い、焦点検出センサ15の画素情報の蓄積制御と読み出し制御を行って、画素情報をMPU1に出力する。MPU1は、焦点検出回路16からの被写体像のイメージ信号に基づいて、位相差検出法による焦点検出演算を行い、デフォーカス量およびデフォーカス方向を算出する。そして、MPU1は、算出したデフォーカス量およびデフォーカス方向に基づいて、AF駆動回路12を介して撮像レンズ200内のフォーカスレンズ(不図示)を合焦位置まで駆動する。
メカニカルシャッタ6は、本実施形態では、先羽根群と後羽根群を有するフォーカルプレーンシャッタである。先羽根群は、ファインダ111観察時には被写体光束を遮り、撮像時にはレリーズ信号に応じて被写体光束の光路から待避して露光を開始させる。後羽根群は、ファインダ111観察時には被写体光束の光路から待避し、撮像時には先羽根群の走行開始後所定のタイミングで被写体光束を遮光する。メカニカルシャッタ6は、MPU1の指令を受けたシャッタ駆動回路17によって制御される。
撮像素子7は、CCDセンサやCMOSセンサ等で構成される。撮像素子7には撮影時に、撮像レンズ200および絞り2を通過した被写体光束が結像し、結像した被写体像は光電変換されて、アナログ画像信号としてクランプ/CDS回路8に出力される。
クランプ/CDS回路(相関二重サンプリング)8は、撮像素子7からの出力信号に対して基本的なアナログ処理を行うと共にクランプレベルの変更処理も行い、処理後の信号をAGC9に出力する。
AGC(自動利得調整装置)9は、クランプ/CDS回路8からの出力信号に対して基本的なアナログ処理を行うと共にAGC基本レベルの変更処理も行い、処理後の信号をA/D変換器10に出力する。なお、AGC基本レベルは、ISOの設定に対応した値で行う。つまり、ISOの値が変更されると、AGCの基本レベルが変更されることになる。
A/D変換器10は、AGC9から出力されたアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換し、映像信号処理回路11に出力する。
映像信号処理回路11は、デジタル画像データに対して、ガンマー/ニー処理、フィルタ処理、およびモニタ表示用の情報合成処理等の画像処理を行う。また、映像信号処理回路11は、LCD駆動回路25に画像データを出力する。LCD駆動回路25は、映像信号処理回路11からモニタ表示用の画像データを受信し、LCDモニタ120に画像を表示する。また、映像信号処理回路11は、バッファメモリ27に画像データを出力し、さらにメモリコントローラ26との間で画像データのやりとりを行う。映像信号処理回路11によるこれらの機能の切り換えは、MPU1とのデータ交換により行われる。映像信号処理回路11は、必要に応じて撮像素子7の出力信号のホワイトバランス情報をMPU1に出力可能である。この場合、MPU1は、映像信号処理回路11から出力されたホワイトバランス情報を基に、ホワイトバランス調整やゲイン調整を行う。また、映像信号処理回路11は、MPU1の指示により、メモリコントローラ26を通じてバッファメモリ27に画像データを保存することも可能であり、JPEGなどの圧縮処理を行う機能も有している。また、映像信号処理回路11は、連写撮影の場合は、バッファメモリ27に一旦画像データを格納し、処理時間がかかる場合にメモリコントローラ26を通して未処理の画像データをバッファメモリ27から読み出して画像処理や圧縮処理を行う。これにより、連写速度の高速化を実現している。
メモリコントローラ26は、映像信号処理回路11から出力された未処理のデジタル画像データをバッファメモリ27に格納する。また、メモリコントローラ26は、処理済みのデジタル画像データをメモリ28に格納したり、逆にバッファメモリ27やメモリ28からデジタル画像データを映像信号処理回路11に出力したりする。更に、メモリコントローラ26は、外部機器からインターフェース29を介して送られてくる画像データを着脱可能なメモリ28に記憶することや、メモリ28に記憶されている画像データを、インターフェース29を介して外部機器に出力可能である。
スイッチセンス回路21は、各スイッチの操作状態に応じて各部を制御する。スイッチ(SW1)114aは、レリーズボタン(不図示)の半押し操作等によりオンして撮影準備動作を開始させる。スイッチ(SW2)114bは、レリーズボタンの全押し操作等によりオンして撮影動作を開始させる。また、スイッチセンス回路21には、メイン電子ダイヤル115、サブ電子ダイヤル116、撮影モード選択スイッチ117、AFモード選択スイッチ118、および測光モード選択スイッチ119が接続され、各スイッチの操作情報はMPU1に送信される。
表示駆動回路24は、MPU1の指示により、外部表示装置やファインダ内表示器を駆動する。また、表示駆動回路24は、MPU1の指示により、特定のセグメントを点滅表示状態にすることが可能である。電源部31は、MPU1や駆動系に必要な電源を供給する。また、電源部31は、電源の電圧や電源の内部温度を検出し、検出情報をMPU1に出力する計測手段としても機能する。
図2に示されるように、加速度センサ(振動検出手段)18は、メカニカルシャッタ6と撮像素子7の間に配置され、カメラ本体100の内部で発生した振動を検出する。具体的には、加速度センサ18は、カメラ本体100の底面の三脚座310から遠い位置かつ撮像素子7の付近に配置されている。これは、一般にカメラブレを抑制するために、三脚座310に三脚を固定し撮影されることが多く、カメラ本体100は三脚座310を中心に振動する。そのため、三脚座310から遠い位置ほど振動の振幅が大きくなり、振動の検出が容易となるからである。また、カメラブレによる撮像素子7の振動が、直接画像ブレとして画像に影響するため、撮像素子7の振動を検出し、撮像素子7におけるカメラブレを抑制することが望ましいからである。また、加速度センサ18は、後述するミラー機構300のミラーアップ位置またはミラーダウン位置への到達による振動(図2のY方向の振動)によって発生するカメラブレを検出する。加速度センサ18により検出されたカメラブレは、加速度センサ検出回路19に出力される。加速度センサ検出回路19は、カメラ本体100の内部に発生した振動情報をMPU1に出力する。
次に、ミラー機構300の構成について説明する。図3は、ミラー機構300の構成図である。ミラー機構300は、メインミラー4と、メインミラー4に対して回動可能に支持されるサブミラー5と、メインミラー4をサブミラー5とともに駆動するミラー駆動装置14を備える。なお、図3では、説明の便宜上、サブミラー5を省略している。
メインミラー4は、ミラーホルダ(ミラー部材)301に保持されている。ミラーホルダ301には、ヒンジ軸301aおよび駆動軸301bが設けられている。ヒンジ軸301aは、カメラ本体100に回動可能に支持されている。ミラーホルダ301は、ミラーダウンカム302およびミラーアップカム303によって、撮影光路内に進入するミラーダウン状態と撮影光路外に退避するミラーアップ状態との間を、ヒンジ軸301aを中心に回動する。ミラーダウンカム302は回転軸302aを中心に回転し、ミラーアップカム303は回転軸302aと異なる位置に平行配置された回転軸303aを中心に回転する。
以下の説明では、ミラーホルダ301のミラーダウン位置からミラーアップ位置への回動をミラーアップ動作とし、ミラーホルダ301のミラーアップ位置からミラーダウン位置への回動をミラーダウン動作とする。
ミラー駆動装置14は、カム部材302,303、変速ギア列306、DCモータ(駆動部材)307、およびピニオンギア308を備え、MPU1によるDCモータ307の制御によりメインミラー4をサブミラー5とともに駆動する。ミラーダウンカム302には、回転軸302aと同軸にギア部302cが一体に設けられ、ミラーアップカム303には、回転軸303aと同軸にギア部303cが一体に設けられている。ギア部302c,303cは、同じ歯数で直接噛合している。また、ギア部303cには変速ギア列306が噛合し、変速ギア列306はDCモータ307の出力軸に取り付けられたピニオンギア308に噛合している。したがって、DCモータ307を駆動することで、DCモータ307の回転がピニオンギア308、変速ギア列306、ギア部303c、およびギア部302cに伝達され、ミラーダウンカム302およびミラーアップカム303が回転する。
次に、図4を参照して、ミラー機構300のミラーアップ動作について説明する。図4は、ミラー機構300のミラーアップ動作を模式的に示す図である。図4では、ミラーダウンカム302およびミラーアップカム303の回転を分かりやすくするため、ギア部302c,303c、変速ギア列306、およびDCモータ307を省略している。
図4(a)は、ミラーダウン位置のミラー機構300を示す図である。ミラーホルダ301は、ミラーダウン位置で停止し、ミラーダウンカム302およびミラーアップカム303は停止している。以下、メインミラー4(ミラーホルダ301)がミラーダウン位置で停止する際に、ミラーダウンカム302およびミラーアップカム303が停止している領域をダウン停止領域という。ミラーホルダ301は、駆動軸301bの基端側に係合するダウンバネ305によって位置決めピン304に向けて付勢された状態で、位置決めピン304に当接してミラーダウン位置で保持されている。駆動軸301bと、ミラーダウンカム302およびミラーアップカム303との間には、十分なクリアランスが設けられている。図4(a)の状態において、DCモータ307が駆動すると、ミラーダウンカム302およびミラーアップカム303がそれぞれ矢印P1およびP2の方向へ回転する。これにより、ミラーアップカム303が、図4(b)に示されるように、ミラーホルダ301の駆動軸301bにカム係合してミラーホルダ301をミラーアップ位置の方向へ回動させる。
図4(c)は、ミラーアップ動作中にDCモータ307の減速を開始するタイミングの状態を示す図である。本実施形態では、PWM(Pulse Width Modulation)制御を用いて、DCモータ307に印加する駆動電圧の振幅を一定にして、一定周期内で矩形波状に変化するパルスの時間幅を変化させる。そうすることで、DCモータ307の実効電圧を変化させ、DCモータ307の回転速度を制御している。この1周期あたりのパルス幅をDuty比と呼び、DCモータ307の実効電圧を変更するため、ミラーアップ動作とミラーダウン動作それぞれに対して、MPU1にあらかじめミラーアップDuty比とミラーダウンDuty比が設定されている。このDuty比の値を変更することで、ミラーアップ動作とミラーダウン動作の駆動速度を制御可能である。DCモータ307の減速を開始すると、ミラーダウンカム302およびミラーアップカム303は追従して減速するが、ミラーホルダ301は慣性力により遅れて減速する。したがって、DCモータ307の減速前までは駆動軸301bがミラーアップカム303に追従するが、DCモータ307の減速後は駆動軸301bがミラーアップカム303から離れる。
図4(d)は、駆動軸301bがミラーアップカム303から離れてミラーダウンカム302にカム係合した状態を示す図である。図4(d)に示されるように、DCモータ307の減速により、ミラーアップカム303から離れた駆動軸301bは、ミラーダウンカム302に接触する。このとき、ミラーダウンカム302も回転しながら駆動軸301bから離れていくが、駆動軸301bはミラーダウンカム302が離れるまでミラーダウンカム302の回転に合わせて減速しながら駆動される。
ミラーホルダ301がミラーアップ位置に到達すると、アップストッパ309に衝突して大きな振動が発生し、ミラーホルダ301がバウンドする。この振動が装置全体に共振して、カメラブレが発生する。アップストッパ309は、衝撃吸収のためにモルト材やゴムに代表される弾性部材によって構成され、バウンドが収束した状態ではミラーホルダ301により力をうけ、その厚みが圧縮される。
ミラーホルダ301がミラーアップ位置で停止し、ミラーダウンカム302およびミラーアップカム303が停止する領域に入ると、DCモータ307をショートブレーキする。以下、この領域をアップ停止領域という。図4(e)は、DCモータ307をショートブレーキした後、ミラーダウンカム302およびミラーアップカム303がアップ停止領域において停止した状態を示す図である。この状態でのミラーホルダ301の位置は、駆動軸301bに当接するミラーアップカム303のカムトップ面303bにより決められる。
次に、図5を参照して、ミラー機構300のミラーダウン動作について説明する。図5は、ミラー機構300のミラーダウン動作を模式的に示す図である。図5では、ミラーダウンカム302およびミラーアップカム303の回転を分かりやすくするため、ギア部302c,303c、変速ギア列306、およびDCモータ307を省略している。
図5(a)は、ミラーアップ位置のミラー機構300を示す図である。図5(a)の状態において、DCモータ307が駆動すると、ミラーダウンカム302およびミラーアップカム303がそれぞれ矢印P1およびP2の方向へ回転する。これにより、ミラーダウンカム302が、図5(b)に示されるように、駆動軸301bにカム係合してミラーホルダ301をミラーダウン位置の方向へ回動させる。ダウンバネ305は、ミラーダウン位置でミラーホルダ301を保持するのに必要十分に弱いバネ圧に設定されている。そのため、ミラーダウン動作時にダウンバネ305の付勢力で駆動軸301bをミラーアップカム303に追従させることができない。したがって、駆動軸301bは、ミラーダウンカム302に追従して駆動される。このように、ミラーアップカム303とは別のミラーダウンカム302を用いて駆動軸301bを駆動することで、ミラーホルダ301を意図した速度でミラーダウン位置に向けて回動させることが可能となる。
図5(c)は、ミラーダウン動作中にDCモータ307の減速を開始するタイミングの状態を示す図である。DCモータ307の減速を開始すると、ミラーアップ動作とは逆に、駆動軸301bがミラーダウンカム302から離れ、図5(d)に示されるように、ミラーアップカム303にカム係合することで減速する。
ミラーホルダ301がミラーダウン位置に到達すると、位置決めピン304に衝突して大きな振動が発生し、ミラーホルダ301がバウンドする。この振動が装置全体に共振して、カメラブレが発生する。
ミラーホルダ301がダウン停止領域に入ると、DCモータ307をショートブレーキする。図5(e)は、DCモータ307をショートブレーキした後、ミラーダウンカム302およびミラーアップカム303がダウン停止領域において停止した状態を示す図である。
以上説明したように、本実施例のミラー機構300は、DCモータ307の回転速度と連動してミラーホルダ301を回動させることが可能であり、ミラーホルダ301の回動中にミラーホルダ301を減速させることが可能である。ただし、本発明は、上記構成に限られず、例えば、バネをチャージして、バネの反発力によってミラーホルダ301を回動させる構成を用いてもよい。
まず、加速度センサ18が検出するカメラブレについて説明する。図6は、加速度センサ18がミラーホルダ301のミラーアップ位置への到達による振動によって発生するカメラブレを検出したときの振動波形を示す図である。図6(a)は、レンズAを装着し、ミラーアップDuty比が80%でミラーアップ駆動したときのカメラブレの振動波形である。図6(b)は、レンズAと異なるレンズBを装着し、ミラーアップDuty比が50%でミラーアップ駆動したときの振動波形である。加速度センサ18は、スイッチ(SW2)114bがオンされると検出を開始し、ミラーアップ位置の到達による振動によって発生するカメラブレの位相・振幅・周波数の3つの情報を取得する。位相はミラーホルダ301のミラーアップ位置への到達のタイミングであり、振幅はミラーアップ位置への到達時のアップストッパ309への衝突の振動の大きさであり、ミラーアップDuty比や撮影環境の温度等によって変化する。また、周波数は、カメラ本体だけでなく、装着する交換レンズやアクセサリの剛性や質量によって決定される。そのため、図6に示されるように、ミラーアップDuty比の違いにより、振動の開始のタイミングや振動の振幅が異なり、装着するレンズによって発生する振動の周波数が異なる。
次に、図7,8を参照して、連写時の画像ブレを抑制するミラー駆動制御について説明する。図7は、本実施例のミラー駆動制御のフローチャートである。図8(a)は、連写撮影時のミラーホルダ301の位置関係、およびカメラブレの振動波形を示す図である。図8(b)は、カメラブレの発生を模式的に示す図である。本実施例のミラー駆動制御は、MPU1によって行われる。
図7において、ステップS100では、スイッチ(SW2)114bがオンされたか否かを判定する。オンの場合は、撮影を開始し、ステップS101に進む。オフの場合は、ステップS100を繰り返す。ステップS101では、加速度センサ18が振動の検出を開始する。
ステップS102では、あらかじめMPU1に設定されたミラーアップ開始タイマT10とミラーアップDuty比でミラーアップ動作が開始される。ミラーホルダ301がミラーアップ位置に到達すると、アップストッパ309に衝突して、大きな振動が発生する。この振動が装置全体に共振して、図8(a)のカメラブレV101が発生する。ステップS103では、加速度センサ18が、ステップS102で発生したカメラブレV101を検出する。
ステップS104では、メカニカルシャッタ6が駆動して露光を行う。ステップS105では、加速度センサ検出回路19が、ステップS104の露光中に、加速度センサ18からのカメラブレV101の振動情報(カメラブレV101の位相・振幅・周波数)をMPU1に出力する。
ステップS106では、撮影における露光時間が、あらかじめMPU1に設定された所定時間T1に対して短いかどうかを判定する。所定時間T1に対して長い場合はステップS107に進み、短い場合はステップS109に進む。
ステップS107では、MPU1は、カメラブレV101に対してミラーダウン位置の到達によって発生する振動を逆位相にするミラーダウン開始タイマ(回動開始時間)T21を算出する。ミラーダウン開始タイマT21は、加速度センサ検出回路19からのカメラブレV101の振動情報と、図8(a)に示されるMPU1にあらかじめ設定されたミラーダウン動作時間T100に基づいて算出される。ミラーダウン開始タイマT21は、焦点検出と測光の開始までに、ミラーホルダ301がミラーダウン位置に到達し、衝突によるバウンドが収束するような範囲内で算出される。
ステップS108では、MPU1は、あらかじめMPU1に設定されていたミラーダウン開始タイマT20を、ステップS107で算出されたミラーダウン開始タイマT21に変更する。
所定時間T1に対して露光時間が短い場合は、MPU1でミラーダウン開始タイマの算出を行わずにミラーダウン動作を開始する。本実施形態では、MPU1がミラーダウン開始タイマを算出可能であり、かつ画像ブレの影響が大きくなる時間を所定時間T1として設定する。所定時間T1に対して露光時間が短い場合は、カメラブレの振動の短い期間(通常、1周期の一部の期間)だけを画像として撮影するため、カメラブレが画像ブレにほとんど影響しない。
ステップS109では、ステップS107で産出されたミラーダウン開始タイマT21が経過したタイミングで、ミラーダウン動作が開始される。ミラーホルダ301がミラーダウン位置に到達すると、位置決めピン304に衝突して大きな振動が発生する。発生する振動は、図8(b)に示されるように、ミラーアップ位置の到達による振動で発生したカメラブレV101と逆位相であるため、お互いの振動が打ち消し合い、図12のカメラブレV2と比較して振幅が小さいカメラブレV102が発生する。カメラブレV102は、1駒目の撮影の終了時には振動が収束する。
ステップS110では、ミラーダウンバウンド終了後、焦点検出センサ15と測光センサ22によって焦点検出と測光を行う。
ステップS111では、焦点検出・測光終了後、スイッチ(SW2)114bがオンされたか否かを判定する。オンの場合は、連写撮影の2駒目に移行し、ステップS112に進む。オフの場合は、撮影を終了する。ステップS112では、加速度センサ18が振動の検出を開始する。
ステップS113では、ステップS102と同様の方法で、連写撮影の2駒目のミラーアップ動作が開始される。ミラーホルダ301がミラーアップ位置に到達すると、アップストッパ309に衝突して大きな振動が発生する。このとき、1駒目で発生したカメラブレV102が既に収束しているため、ミラーアップ位置の到達によって発生する振動は共振することはなく、ステップS102で発生したカメラブレV101と同一の振幅を有するカメラブレV103が発生する。すなわち、連写時に発生するカメラブレを画像に影響のない程度にまで抑制できており、連写時において単写時と同様にカメラブレによる画像ブレの少ない画像を取得することが可能となる。ステップS114では、加速度センサ18が、ステップS113で発生したカメラブレV103を検出する。
ステップS115では、メカニカルシャッタ6が駆動して露光を行う。ステップS116では、ステップS104と同様に、加速度センサ検出回路19が、加速度センサ18からのカメラブレV103の振動情報をMPU1に出力する。
ステップS117では、撮影における露光時間が、あらかじめMPU1に設定された所定時間T1に対して短いのかどうかを判定する。所定時間T1に対して長い場合はステップS118に進み、短い場合はステップS120に進む。
ステップS118では、MPU1は、カメラブレV103に対してミラーダウン位置の到達によって発生する振動を逆位相にするミラーダウン開始タイマ(回動開始時間)T22を算出する。ミラーダウン開始タイマT22は、加速度センサ検出回路19からのカメラブレV103の振動情報と、図8(a)に示されるMPU1にあらかじめ設定されたミラーダウン動作時間T100に基づいて算出される。
ステップS119では、MPU1は、ステップ108でMPU1に設定されたミラーダウン開始タイマT21を、ステップS118で算出されたミラーダウン開始タイマT22に変更する。
ステップS120では、ステップS118で算出されたミラーダウン開始タイマT22が経過したタイミングで、ミラーダウン動作が開始される。そして、ステップS113で発生したカメラブレV103に対して、逆位相のタイミングでミラーホルダ301がミラーダウン位置に到達し、振動が発生する。発生する振動は、ステップS113で発生したカメラブレV103とお互いに打ち消し合うことで、図8(a)のカメラブレV104が発生する。カメラブレV104は振幅が小さく、振動が早く収束するため、カメラブレV104が次の駒に影響を及ぼすことがない。
ステップS121では、ステップS109と同様に焦点検出と測光を行う。その後、ステップS111に進む。ステップS111では、焦点検出・測光終了後、スイッチ(SW2)114bのオンが確認された場合は、ステップS112に進み、連写撮影を続ける。スイッチ(SW2)114bのオフが確認された場合は、撮影を終了する。
以上説明したように、本実施例では、1秒あたりの連写速度(以下、駒速という)を下げて、ミラーアップ位置およびミラーダウン位置への到達による振動によって発生するカメラブレが収束するまで待機し、次の撮影に移行する必要がない。そのため、決定的な撮影チャンスを逃す可能性が低い。また、振動を打ち消すために、ミラー駆動制御を変更するだけであるため、新たに逆位相の振動を発生させる機構を必要とせず、機構の大型化や複雑化を回避することが可能である。
本実施例では、連射撮影の2駒目以降においても、MPU1がミラーダウン開始タイマを算出する。しかしながら、連写撮影の2駒目以降は、1駒目で発生したカメラブレが収束しており、ミラーアップ動作が1駒目と同様の制御であるため、1駒目と同様の特性のカメラブレが発生する。そのため、連写撮影の2駒目以降は加速度センサ18で振動の検出を行わず、連写撮影の1駒目でMPU1によって算出されたミラーダウン開始タイマT21を用いて、ミラーダウン動作を制御してもよい。そうすることで、加速度センサ18が検出するために消費する電力を抑制することが可能である。その場合は、ステップS112、ステップS114、ステップS116からステップS119を省略する。
本実施例では、ミラーダウン開始タイマを変更することで、ミラーダウン位置への到達のタイミングを変更する方法を説明した。しかしながら、本実施例のミラー駆動装置14ならば、Duty比を変更することで、ミラーホルダ301の回動速度を変更することが可能である。そのため、あらかじめMPU1に設定されたミラーダウンDuty比を変更することで、ミラーホルダ301のミラーダウン位置への到達のタイミングを変更することが可能である。また、ミラーダウン開始タイマとミラーダウンDuty比を両方同時に変更することで、ミラーダウンの到達のタイミングを変更してもよい。
また、ミラーダウンDuty比を変更するとミラーホルダ301の回動速度が変わり、ミラーホルダ301の位置決めピン304への衝突時の振動の強さが変化し、発生する振動の振幅の大きさに影響する。そのため、MPU1は、加速度センサ18から取得したカメラブレの振幅の大きさの情報をもとに、同じ大きさの振幅の振動を発生させるように、ミラーダウンDuty比を算出する。そして、算出したミラーダウンDuty比によってミラーダウン駆動をさせ、ミラーダウン位置の到達によって同程度の大きさの振幅をもつ振動を発生させることで、カメラブレをより精度よく打ち消すことが可能となる。
通常撮影と異なり、電源部31によって検出される電源の電圧の低下時や撮影時の電源の内部温度の変化によっては、ミラーアップ位置およびミラーダウン位置への到達までの時間が、あらかじめMPU1に設定した値と異なる場合がある。電源の電圧が低下すると、電源部31から供給される電圧がMPU1に設定されたDCモータ307に印加すべき電圧を下回ってしまい、また、内部温度が変化すると、ミラー駆動装置14の負荷の増減やDCモータ307の特性が変化してしまうからである。そのため、実施例1のように、ミラーアップ位置到達時の振動を加速度センサ18で検出し、その振動データをもとに、ミラーダウン位置の到達を意図したタイミングで制御するのは困難である。そこで、本実施例では、ミラーアップ動作およびミラーダウン動作によって生じる振動を、次の駒のミラーアップ位置の到達時の振動で打ち消すミラー駆動制御を行う。
図9,10を参照して、本実施例のミラー駆動制御について説明する。図9は、本実施例のミラー駆動制御のフローチャートである。図10は、連写撮影時のミラーの位置関係、およびカメラブレの振動波形を示す図である。本実施例のミラー駆動制御は、MPU1によって行われる。本実施例では実施例1とミラー駆動制御のみが異なるため、実施例1と重複する部分に関しては簡略して説明する。
図9において、ステップS200では、スイッチ(SW2)114bがオンされたか否かを判定する。オンの場合は、撮影を開始し、ステップS201に進む。オフの場合は、ステップS200を繰り返す。ステップS201では、加速度センサ18が振動の検出を開始する。
ステップS202では、あらかじめMPU1に設定されたミラーアップ開始タイマT10とミラーアップDuty比でミラーアップ動作が開始される。ミラーホルダ301がミラーアップ位置に到達すると、アップストッパ309に衝突して大きな振動が発生する。この振動が装置全体に共振して、図10のカメラブレV201が発生する。ステップS203では、加速度センサ18が、ステップS202で発生したカメラブレV201を検出する。
ステップS204では、メカニカルシャッタ6が駆動して露光を行う。ステップS205では、加速度センサ検出回路19が、ステップS204の露光中に、加速度センサ18からの振動情報(加速度センサ18が振動を検出したタイミング)をMPU1に出力する。
ステップS206では、MPU1は、ミラーアップ動作のためにDCモータ307に通電を開始したタイミングと、加速度センサ18が振動を検出したタイミングから、現在の撮影条件におけるミラーアップ動作時間T200を算出する。
ステップS207では、あらかじめMPU1に設定されたミラーダウン開始タイマT20とミラーダウンDuty比でミラーダウン動作が開始される。ミラーホルダ301がミラーダウン位置に到達すると、位置決めピン304に衝突して大きな振動が発生する。この振動がカメラ全体に共振して、図10のカメラブレV202が発生する。ステップS208では、加速度センサ18が、ステップS207で発生したカメラブレV202を検出する。
ステップS209では、ミラーダウンバウンド終了後、焦点検出センサ15と測光センサ22によって焦点検出と測光を行う。
ステップS210では、加速度センサ検出回路19は、加速度センサ18からのカメラブレV202の振動情報(カメラブレV202の位相・振幅・周波数)をMPU1に出力する。
ステップS211では、MPU1は、カメラブレV202に対して次の駒のミラーアップ位置の到達によって発生する振動を逆位相にするミラーアップ開始タイマ(回動開始時間)T11を算出する。ミラーアップ開始タイマT11は、加速度センサ検出回路19からのカメラブレV202の振動情報と、ステップS206で算出したミラーアップ動作時間T200に基づいて算出される。
ステップS212では、MPU1は、あらかじめMPU1に設定されていたミラーアップ開始タイマT10を、ステップ210で算出されたミラーアップ開始タイマT11に変更する。
ステップS213では、焦点検出・測光終了後、スイッチ(SW2)114bがオンされたか否かを判定する。オンの場合は、連写撮影の2駒目に移行し、ステップS214に進む。オフの場合は、撮影を終了する。ステップS214では、加速度センサ18が振動の検出を開始する。
ステップS215では、ステップS211で算出されたミラーアップ開始タイマT11が経過したタイミングで、ミラーアップ動作が開始される。ミラーホルダ301がミラーアップ位置に到達すると、アップストッパ309に衝突して大きな振動が発生する。発生する振動は、前の駒のミラーダウン位置の到達による振動で発生したカメラブレV202と逆位相であるため、お互いの振動が打ち消し合い、図10に示される振幅の小さいカメラブレV203が発生する。ステップS216では、加速度センサ18が、ステップS216で発生したカメラブレV203を検出する。
ステップS217では、メカニカルシャッタ6が駆動して露光を行う。このとき、カメラブレV203が発生しているが、カメラブレV203は振幅が小さいため、画像ブレが少ない画像を得ることができる。ステップS218では、ステップS205と同様に、加速度センサ検出回路19は、加速度センサ18が振動を検出したタイミングをMPU1に出力する。
ステップS219では、MPU1は、ミラーアップ動作のためにDCモータ307に通電を開始したタイミングと、加速度センサ18が振動を検出したタイミングから、現在の撮影条件におけるミラーアップ動作時間T201を算出する。
ステップS220では、あらかじめMPU1に設定されたミラーダウン開始タイマT20とミラーダウンDuty比でミラーダウン動作が開始される。ミラーホルダ301がミラーダウン位置に到達すると、位置決めピン304に衝突して大きな振動が発生する。この振動がカメラ全体に共振して、図10のカメラブレV204が発生する。ステップS221では、加速度センサ18が、ステップS220で発生したカメラブレV204を検出する。
ステップS222では、ミラーダウンバウンド終了後、焦点検出センサ15と測光センサ22によって焦点検出と測光を行う。
ステップS223では、加速度センサ検出回路19は、加速度センサ18からの振動情報(カメラブレV2の位相・振幅・周波数)をMPU1に出力する。
ステップS224では、MPU1は、カメラブレV204に対して次の駒のミラーアップ位置の到達によって発生する振動を逆位相にするミラーアップ開始タイマ(回動開始時間)を算出する。このミラーアップ開始タイマは、加速度センサ検出回路19からのカメラブレV204の振動情報と、ステップS219で算出したミラーアップ動作時間T201に基づいて算出される。
ステップS225では、MPU1は、ステップS212でMPU1に設定されていたミラーアップ開始タイマT11を、ステップ224で算出されたミラーアップ開始タイマに変更する。変更後、ステップS213に戻る。
本実施例では、連射撮影の2駒目以降においても、MPU1がミラーアップ開始タイマを算出する。しかしながら、連写撮影の2駒目以降は、加速度センサ18で振動の検出を行わず、連写撮影の1駒目でMPU1によって算出されたミラーアップ開始タイマT11を用いて、ミラーアップ動作を制御してもよい。その場合は、ステップS214、ステップS216、ステップS218、ステップS219、ステップS221、ステップS223からステップS225を省略する。
図11を参照して、本実施例のミラー駆動制御について説明する。図11は、本実施例のミラー駆動制御のフローチャートである。本実施例では、撮影環境に応じて実施例1または実施例2のミラー駆動制御を選択して、ミラー駆動制御を行う。本実施例のミラー駆動制御は、MPU1によって行われる。
ステップS300では、スイッチ(SW1)114aがオンされると、MPU1は、電源部31から電気残量や内部温度を取得する。
ステップ301では、MPU1は、電源部31の電圧XがあらかじめMPU1に設定されたDCモータ307に印加する所定電圧Wよりも大きいかどうかを判定する。大きい場合はステップS302に進み、小さい場合はステップS305に進む。
ステップS302では、MPU1は、電源部31の内部温度Pの温度状態(低温、常温、および高温)を判定する。本実施例では、低温とは0℃よりも低い場合であり、高温とは40℃よりも高い場合である。また、常温とはそれ以外の温度である。常温の場合はステップS303に進み、常温以外の場合はステップS305に進む。
ステップS303では、スイッチ(SW2)114bのオンが確認されると、ステップS304に進み、実施例1のミラー駆動制御を用いて撮影が行われる。
ステップS305では、スイッチ(SW2)114bのオンが確認されると、ステップS306に進み、実施例2のミラー駆動制御を用いて撮影が行われる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されたものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形、及び変更が可能である。
1 MPU(制御手段)
18 加速度センサ(検出手段)
100 カメラ本体(撮像装置)
301 ミラーホルダ(ミラー部材)
18 加速度センサ(検出手段)
100 カメラ本体(撮像装置)
301 ミラーホルダ(ミラー部材)
Claims (11)
- 撮影光路内に位置するミラーダウン状態と、前記撮影光路外に位置するミラーアップ状態との間で回動可能なミラー部材と、
前記ミラー部材の回動によって発生する振動を検出する検出手段と、
前記検出手段が前記振動を検出した後、前記振動と逆位相の振動を発生するように、前記ミラー部材の回動開始のタイミングと回動速度の少なくともいずれか1つを制御する制御手段と、を有することを特徴とする撮像装置。 - 前記検出手段は、前記ミラー部材の前記ミラーアップ状態への回動によって発生する第1の振動を検出し、
前記制御手段は、前記検出手段が前記第1の振動を検出した後、前記第1の振動と逆位相の振動を発生するように、前記ミラー部材を前記ミラーダウン状態に回動させる回動開始のタイミングと回動速度の少なくともいずれか1つを制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記検出手段は、連写撮影の1駒目において、前記第1の振動を検出し、
前記制御手段は、連写撮影の2駒目以降において、前記第1の振動と逆位相の振動を発生するように、前記ミラー部材を前記ミラーダウン状態に回動させる回動開始のタイミングと回動速度の少なくともいずれか1つを制御することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。 - 前記撮像装置は、前記ミラー部材が前記ミラーアップ状態であるときに露光を行い、
前記制御手段は、露光時間が前記回動開始のタイミングまたは前記回動速度を算出可能な所定時間より長い場合に、前記回動開始のタイミングと前記回動速度の少なくともいずれか1つを制御することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。 - 前記検出手段は、前記ミラー部材の前記ミラーアップ状態および前記ミラーダウン状態への回動によって発生する第2の振動を検出し、
前記制御手段は、前記検出手段が前記第2の振動を検出した後、前記第2の振動と逆位相の振動を発生するように、前記ミラー部材を前記ミラーアップ状態に回動させる回動開始のタイミングと回動速度の少なくともいずれか1つを制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記検出手段は、連写撮影の1駒目において、前記第2の振動を検出し、
前記制御手段は、連写撮影の2駒目以降において、前記第2の振動と逆位相の振動を発生するように、前記ミラー部材を前記ミラーアップ状態に回動させる回動開始のタイミングと回動速度の少なくともいずれか1つを制御することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。 - 前記撮像装置の電源の電圧および前記電源の内部温度を計測する計測手段を更に有し、
前記電圧が所定電圧よりも低い、かつ前記内部温度が第1の温度よりも高く第2の温度よりも低い場合、前記検出手段は、前記ミラー部材の前記ミラーアップ状態への回動によって発生する第1の振動を検出し、前記制御手段は、前記検出手段が前記第1の振動を検出した後、前記第1の振動と逆位相の振動を発生するように、前記ミラー部材を前記ミラーダウン状態に回動させる回動開始のタイミングと回動速度の少なくともいずれか1つを制御し、
前記電圧が所定電圧よりも高い場合、または前記内部温度が前記第1の温度よりも低い、もしくは前記第2の温度よりも高い場合、前記検出手段は、前記ミラー部材の前記ミラーアップ状態および前記ミラーダウン状態への回動によって発生する第2の振動を検出し、前記制御手段は、前記検出手段が前記第2の振動を検出した後、前記第2の振動と逆位相の振動を発生するように、前記ミラー部材を前記ミラーアップ状態に回動させる回動開始のタイミングと回動速度の少なくともいずれか1つを制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記制御手段は、前記撮像装置の連写速度を低下させないように、前記回動開始のタイミングと前記回動速度の少なくともいずれか1つを制御することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 駆動部材を更に有し、
前記制御手段は、前記駆動部材をPWM制御により駆動することで、前記回動速度を制御することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の撮像装置。 - 前記制御手段は、前記検出手段により検出された振動と同一の振幅を有する振動を発生させるように、前記駆動部材を駆動させることを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
- 請求項1から10のいずれか1項に記載の撮像装置と、
前記撮像装置に着脱可能に取り付けられる光学機器と、を有することを特徴とするカメラシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015148761A JP2017026998A (ja) | 2015-07-28 | 2015-07-28 | 撮像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015148761A JP2017026998A (ja) | 2015-07-28 | 2015-07-28 | 撮像装置 |
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JP2017026998A true JP2017026998A (ja) | 2017-02-02 |
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JP2015148761A Pending JP2017026998A (ja) | 2015-07-28 | 2015-07-28 | 撮像装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018150894A1 (ja) | 2017-02-16 | 2018-08-23 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 太陽電池モジュール |
-
2015
- 2015-07-28 JP JP2015148761A patent/JP2017026998A/ja active Pending
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