JP2008028545A - デジタルカメラ - Google Patents

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洋一郎 奥村
Yoji Watanabe
洋二 渡辺
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Abstract

【課題】手振れ補正動作と除塵動作を共通の駆動回路、駆動機構を用いて効率的に行うことのできるデジタルカメラを提供することを目的とする。
【解決手段】撮影レンズを介して被写体像を取得する撮像素子としてのCCD27と、この撮像素子を保持し、撮像素子を撮影レンズの光軸に直交する面に沿って移動させるCCDシフト機構301と、手振れセンサ305と、この手振れセンサ305からの出力に応じて手振れ量を演算する手振れ演算回路303cとを含み、この手振れ演算結果に応じてCCDシフト機構303を移動させ、それによって撮像素子で取得した被写体像のぶれを補正する手振れ補正手段と、撮像素子への付着物を除去するために、手振れ補正手段とは無関係にCCDシフト機構303を振動駆動する除塵駆動手段を具備し、この除塵駆動手段の動作に先立って手振れ補正手段への電源供給を遮断する。
【選択図】 図1

Description

本発明は撮像素子を有するデジタルカメラに係わり、特にその撮像素子の撮像面、またはその全面に配置された光学部材に付着した塵埃を除去可能なデジタルカメラに関する。
デジタルカメラを保持する撮影者の手振れによって記録された被写体像が振れることを防止する手振れ防止にあたって、手振れの動きを打ち消す方向に撮像素子を移動させる手振れ防止装置は知られている。また、デジタルカメラにおける撮像素子の撮像面の近傍に配置された光学素子塵埃が付着すると、その影が写り込んで画質低下を招く。この問題を解決するために、塵埃を除去するための塵埃除去装置も知られている。
手振れ防止と塵埃除去を行うものとして、特許文献1には、手振れ検出センサの出力に応答して撮像素子を撮影光軸に直交する面に沿ってシフトさせることで手振れ補正を行う、いわゆる撮像素子シフト方式の手振れ補正機構を有するカメラにおいて、この撮像素子シフト機構を利用して撮像素子を振動させることで、撮像面に付着した塵埃を除去する技術が開示されている。
特開2005−159711
しかし、上述の特許文献1には、手振れ補正の機構を利用して撮像素子を振動させる除塵することが記載されているが、手振れ補正動作と除塵動作を共通の駆動回路及び駆動機構で実行する際に発生する問題については言及されていない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、手振れ補正動作と除塵動作を共通の駆動回路、駆動機構を用いて効率的に行うことのできるデジタルカメラを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために第1の発明に係わるデジタルカメラは、撮影レンズを介して被写体像を取得する撮像素子と、この撮像素子を保持し、上記撮像素子を上記撮影レンズの光軸に直交する面に沿って移動させるシフト機構と、手振れセンサと、この手振れセンサからの出力に応じて手振れ量を演算する手振れ演算回路とを含み、この手振れ演算結果に応じて上記シフト機構を移動させ、それによって上記撮像素子で取得した被写体像のぶれを補正する手振れ補正手段と、上記撮像素子への付着物を除去するために、上記手振れ補正手段とは無関係に上記シフト機構を振動駆動する除塵駆動手段と、この除塵駆動手段の動作に先立って上記手振れ補正手段への電源供給を遮断する制御手段を具備する。
本発明によれば、除塵駆動手段の動作に先立って上記手振れ補正手段への電源供給を遮断する制御手段を具備するようにしたので、手振れ補正動作と除塵動作を共通の駆動回路、駆動機構を用いて効率的に行うことのできるデジタルカメラを提供することができる。
以下、図面に従って本発明を適用したデジタル一眼レフカメラを用いて好ましい第1実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るデジタル一眼レフカメラの全体構成を示すブロック図であり、交換レンズ100とカメラ本体200とから構成される。交換レンズ100はカメラ本体200の前面のマウント開口部(不図示)に着脱自在となっている。マウント開口部を介して交換レンズ100内のレンズ101、102等からなる撮影レンズによる被写体光束がカメラ本体200内に導かれる。本実施形態では、交換レンズ100とカメラ本体200は別体で構成され、通信接点300を介して電気的に接続されている。
交換レンズ100の内部には、焦点調節および焦点距離調節用のレンズ101、102と、開口量を調節するための絞り103が配置されている。レンズ101およびレンズ102はレンズ駆動機構107によって駆動され、絞り103は絞り駆動機構109によって駆動されるよう接続されている。レンズ駆動機構107、絞り駆動機構109はそれぞれレンズCPU111に接続されており、このレンズCPU111は通信接点300を介してカメラ本体200に接続されている。レンズCPU111は交換レンズ100内の制御を行うものであり、レンズ駆動機構107を制御してピント合わせや、ズーム駆動を行うとともに、絞り駆動機構109を制御して絞り値制御を行う。
カメラ本体200内には、被写体像を観察光学系に反射するためにレンズ光軸に対して45度傾いた位置と、被写体像を撮像素子(後述のCCD27)に導くために跳ね上がった位置との間で、回動可能な可動ミラー201が設けられている。この可動ミラー201の上方には、被写体像を結像するためのフォーカシングスクリーン205が配置され、このフォーカシングスクリーン205の上方には、被写体像を左右反転させるためのペンタプリズム207が配置されている。このペンタプリズム207の出射側(図1で右側)には被写体像観察用の接眼レンズ209が配置され、この脇であって被写体像の観察に邪魔にならない位置に測光センサ211が配置されている。この測光センサ211は被写体像を分割して測光する多分割測光素子で構成されている。
上述の可動ミラー201の中央付近はハーフミラーで構成されており、この可動ミラー201の背面には、ハーフミラー部で透過した被写体光をカメラ本体200の下部に反射するためのサブミラー203が設けられている。このサブミラー203は、可動ミラー201に対して回動可能であり、可動ミラー201が跳ね上がっているときには、ハーフミラー部を覆う位置に回動し、可動ミラー201が被写体像観察位置にあるときには、図示する如く可動ミラー201に対して垂直となる位置にある。この可動ミラー201はミラー駆動機構219によって駆動されている。また、サブミラー203の下方には測距用センサを含む測距回路217が配置されており、この回路は、レンズ101、102によって結像される被写体像の焦点ズレ量を測定するための回路である。
可動ミラー201の後方には、露光時間制御用のフォーカルプレーンタイプのシャッタ213が配置されており、このシャッタ213はシャッタ駆動機構215によって駆動制御される。シャッタ213の後方には撮像素子としてのCCD(Charge Coupled Devices)27が配置されており、レンズ101、102によって結像される被写体像を電気信号に光電変換する。なお、本実施形態では撮像素子としてCCDを用いているが、これに限らずCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を使用できることはいうまでもない。
なお、シャッタ213とCCD27の間には、図示されていないが、被写体光束から赤外光成分をカットするための赤外カットフィルタが配置され、その後方には被写体光束から高周波成分を取り除くための光学的ローバスフィルタが配置されている。そして、光学的ローパスフィルタの後方には、前述のCCD27が配置されている。これらの赤外カットフィルタ、光学的ローパスフィルタおよびCCD27は、密封されたパッケージに一体に収納されており、塵埃がこのパッケージ内に侵入しないように構成されている。
このCCD27の近傍には、CCD27をX方向およびY方向の2次元方向に駆動するためのCCDシフト機構301が設けられている。そして、このCCDシフト機構301にはX方向とY方向にそれぞれ駆動するアクチュエータ(本実施形態においては、ステッピングモータ)が設けられており、これらのアクチュエータはCCDシフト機構駆動回路302に接続されている。CCDシフト機構駆動回路302は入出力回路239と手振れ補正回路303にそれぞれ接続されている。手振れ補正回路303は、手振れセンサ305の出力に接続されている。
この手振れセンサ305の出力に基づいて、手振れ補正回路303は手振れの動きを打ち消すようにCCDシフト機構駆動回路302に信号を出力し、CCDシフト機構301はCCD機構駆動回路302からの駆動信号に基づいて、CCD27の駆動を行う。また、入出力回路239からは、CCD27の光学素子に付着した塵埃の除去時には、制御信号がCCDシフト機構駆動回路302に送られ、CCDシフト機構駆動回路302はCCD301シフト機構に対して塵埃除去のための駆動信号を供給し、CCD27を保持するCCDシフト機構301を振動駆動させ、塵埃除去を行う。なお、CCDシフト機構301及びCCDシフト機構駆動回路302等については、図2および図3を用いて後述する。
CCD27はCCD駆動回路223に接続され、このCCD駆動回路223によってCCD27の出力は増幅され、アナログデジタル変換(AD変換)がなされる。CCD駆動回路223はCCDインターフェース225を介して画像処理回路227に接続されている。この画像処理回路227によってデジタル画像データのデジタル的増幅(デジタルゲイン調整処理)、色補正、ガンマ(γ)補正、コントラスト補正、白黒・カラーモード処理、スルー画像処理といった各種の画像処理がなされる。
画像処理回路227は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit 特定用途向け集積回路)271内のデータバス261に接続されている。このデータバス261には、画像処理回路227の他、後述するシーケンスコントローラ(以下、「ボディCPU」と称す)229、圧縮回路231、フラッシュメモリ制御回路233、SDRAM制御回路236、入出力回路239、通信回路241、記録媒体制御回路243、ビデオ信号出力回路247、スイッチ検出回路253が接続されている。
データバス261に接続されているボディCPU229は、このデジタル一眼レフカメラ(電子カメラ)のフローを制御するものである。またデータバス261に接続されている圧縮回路231はSDRAM237に記憶された画像データ等をJPEGで圧縮するための回路である。また、再生時には、圧縮された画像を伸張して表示のための画像データを生成する。なお、画像圧縮はJPEGに限らず、他の圧縮方法も適用できる。データバス261に接続されているフラッシュメモリ制御回路233は、フラッシュメモリ(Flash
Memory)235に接続され、このフラッシュメモリ235は、一眼レフカメラのフローを制御するためのプログラムが記憶されており、ボディCPU229はこのフラッシュメモリ235に記憶されたプログラムに従って一眼レフカメラの制御を行う。なお、フラッシュメモリ235は、電気的に書換可能な不揮発性メモリである。SDRAM237は、SDRAM制御回路236を介してデータバス261に接続されており、このSDRAM237は、画像処理回路227によって画像処理された画像情報または圧縮回路231によって圧縮された画像情報を一時的に記憶するためのメモリである。
上述の測光センサ211、シャッタ駆動機構215、測距回路217、ミラー駆動機構219およびCCDシフト機構駆動回路302、手振れ補正回路303に接続される入出力回路239は、データバス261を介してボディCPU229等の各回路とデータの入出力を制御する。レンズCPU111と通信接点を介して接続された通信回路241は、データバス261に接続され、ボディCPU229等とのデータのやりとりや制御命令の通信を行う。データバス261に接続された記録媒体制御回路243は、記録媒体245に接続され、この記録媒体245への画像データ等の記録の制御を行う。記録媒体245は、xDピクチャーカード(登録商標)、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDメモリカード(登録商標)またはメモリスティック(登録商標)等の書換え可能な記録媒体で構成され、カメラ本体200に対して着脱自在となっている。
データバス261に接続されたビデオ信号出力回路247は液晶モニタ駆動回路249を介して液晶モニタ251に接続される。ビデオ信号出力回路247は、SDRAM237または記録媒体245に記憶された画像データを、液晶モニタ251に表示するためのビデオ信号に変換するための回路である。液晶モニタ251はカメラ本体200の背面に配置されるが、撮影者が観察できる位置であれば、背面に限らないし、また液晶に限らず他の表示装置でも構わない。シャッタレリーズ釦の第1ストロークや第2ストロークを検出するスイッチや、ズームレンズの駆動を指示するズームスイッチ等の各種スイッチ355は、スイッチ検出回路253を介してデータバス261に接続されている。
次に、図2を用いて、本実施形態におけるCCDシフト機構301の構成について説明する。平板で構成された基板351はカメラ本体200に固定されている。この基板351の上辺部にはL字状の当接部351aが、下辺部には基板351から立ち上がって形成された当接部351bがそれぞれ設けられている。これらの当接部351a、351bは、後述する第1スライダ353の上下方向の駆動範囲制限部として作用する。また、基板351の左部平板上にはL字状に突起した当接部351cが、右辺部には基板351から立ち上がって形成された当接部351dがそれぞれ設けられている。これらの当接部351c、351dは、後述する第2スライダ355の左右方向の駆動範囲制限部として作用する。
基板351には、4つのピン365a、365b、365c、365dが植設されている。第1スライダ353の長孔353a、353bにこれら4つのピン365a、365b、365c、365dが嵌合し、第1スライダ353は上下方向に摺動自在となっている。すなわち、上下方向に配列されたピン365aとピン365bは長孔353aに嵌合しており、同じく上下方向に配列されたピン365cとピン365dは長孔353bに嵌合しており、第1スライダ353は、上下方向に摺動自在であり、左右方向には摺動することはない。
第1スライダ353の左側の上辺部には突起部353dが設けられ、下辺部には突起部353eが設けられている。突起部353dが前述の当接部351aに当接するまで、第1スライダ353は上方向に移動可能であり、突起部353eが前述の当接部351bに当接するまで、第1スライダ353は下方向に移動可能である。
第1スライダ353には、4つのピン367a、367b、367c、367dが植設されている。これら4つのピン367a、367b、367c、367dに、第2スライダ355の長孔355a、355bが嵌合し、左右方向に摺動自在となっている。すなわち、左右方向に配列されたピン367aとピン367bは長孔355aに嵌合しており、同じく左右方向に配列されたピン367cとピン367dは長孔355bに嵌合しており、第2スライダ355は、左右方向に摺動自在であり、上下方向には摺動することはない。
第2スライダ355の左辺部には平板より立ち上がって形成された突起部355cが設けられ、右辺部には突起部355dが設けられている。突起部355cが前述の当接部351cに当接するまで、第2スライダ355は左方向に移動可能であり、突起部355dが前述の当接部351dに当接するまで、第2スライダ353は右方向に移動可能である。
ステッピングモータ(以下モータと略す)357は、カメラ本体200に固定されており、モータ357の駆動軸357aは、基板351の図示しない孔を貫挿し、駆動歯車359と一体に固着されている。この駆動歯車359は第1スライダ353の左辺部の側壁に形成された不図示の平歯車353fに噛合しており、駆動歯車359と平歯車353fによって、いわゆるラックアンドピニオンを構成している。したがって、モータ357が回転すると、駆動歯車359が回転し、これと噛合する第1スライダ353は上下方向に摺動する。なお、図2においては、モータ357の駆動力伝達系に歯車として、駆動歯車359しか描かれていないが、モータ357の回転を減速するために、複数の歯車列を設けても、勿論構わない。
第1スライダ353に設けたL字状突起部353cに、ステッピングモータ(以下モータと略す)361が固定されており、モータ361の駆動軸361aは、駆動歯車363と一体に固着されている。この駆動歯車363は第2スライダ355の下辺部の側壁に形成された不図示の平歯車355eに噛合しており、駆動歯車359と平歯車355eによって、いわゆるラックアンドピニオンを構成している。したがって、モータ361が回転すると、駆動歯車363が回転し、これと噛合する第2スライダ355は左右方向に摺動する。なお、上下方向の駆動の場合と同じく、図2においては、モータ361の駆動力伝達系に歯車としては駆動歯車363しか描かれていないが、モータ361の回転を減速するために、複数の歯車列を設けても、勿論構わない。
このように、CCDシフト機構301は構成されているので、モータ357が回転すると、当接部351aと当接部351bによって決められる駆動制限範囲の中で、第1スライダ353は基板351上を上下方向に摺動可能である。同様に、モータ361が回転すると、当接部351cと当接部351dによって決められる駆動制限範囲の中で、第2スライダ355は第1スライダ353上を左右方向に摺動可能である。
なお、本実施形態においては、当接部351a、351b、351c、351dを基板351上に設けたが、これに限らず、例えば当接部351c、351dを第1スライダ353上に設けるようにしても良い。但し、第1スライダ353のような可動部材に当接部を設けると、駆動機構に悪影響を与える虞があるので、当接部は固定された部材上に設けることが望ましい。
また、本実施形態においては、当接部を4箇所設けたが、駆動範囲はステッピングモータのパルス駆動数でも制御できるので、これより増加、若しくは減少させても良い。但し、下側の当接部351bは、突起部353eが当接部351bに衝突する際の慣性力に加えて重力も利用できるので、少なくとも当接部351bを設けることが望ましい。本実施形態においては、CCD27のシフト機構として、ラックアンドピニオンを利用した構成としたが、これに限らず、例えば、圧電素子を利用したシフト機構等、種々の構成を利用することができる。また、モータとしても、超音波モータやDCモータを採用するようにしても良い。また、第1スライダ353、第2スライダ355は互いに直交する方向としたが、これに限らず、例えば、円弧状を互いに移動するように構成しても良い。
次に、図3を用いて、本実施形態におけるCCDシフト機構駆動回路302、手振れ補正回路303および手振れセンサ305の構成について説明する。手振れセンサ305は、第1の方向としてのカメラ本体200の長手方向(図2におけるX軸)の手振れを検出する手振れセンサX305aと第2の方向としてのカメラ本体200の高さ方向(図におけるY軸)の手振れを検出する手振れセンサY305bとからなる。ここで、手振れセンサは、公知のジャイロ、角速度センサ、加速度センサまたはショックセンサ等で構成される。
手振れ補正回路303は、X信号処理回路303aと、Y信号処理回路303bとこれらの回路の出力と接続された手振れ演算回路303cとから構成されている。X信号処理回路303aの入力は手振れセンサX305aの出力に接続されており、X軸方向の手振れに関する信号を処理し、手振れ演算回路303cに出力する。また、Y信号処理回路303bの入力は手振れセンサY305bの出力に接続されており、Y軸方向の手振れに関する信号を処理し、手振れ演算回路303cに出力する。手振れ演算回路303cは、それぞれX軸方向およびY軸方向の手振れを打ち消すに必要な駆動量を演算し、CCDシフト機構駆動回路302に出力する。
CCDシフト機構駆動回路302は、X方向シフト用アクチュエータ361とY方向シフト用アクチュエータ357からなり、これは前述した、図2のステップモータ361とステップモータ357に相当する。X方向シフトアクチュエータ361とY方向シフトアクチュエータ357は、それぞれ手振れ補正回路303からの出力に従って、CCD27を含むカメラ本体200に加えられた手振れを打ち消すように駆動する。
手振れセンサ305と手振れ補正回路303には、入出力回路239を介してボディCPU229から出力される電源オン/オフ制御信号が印加され、この制御信号に従って給電制御がなされる。また手振れ補正回路303には、入出力回路239を介してボディCPU229から出力される手振れ補正動作開始/停止制御信号が印加され、この制御信号に従って、手振れ補正の開始と停止の制御がなされる。また、塵埃除去動作の際には、入出力回路239を介して直接シフト機構駆動回路302に制御信号が与えられる。つまり、塵埃除去動作の際には手振れ補正回路303の出力とは無関係に2つのアクチュエータ357、361が駆動される。
次に、本実施態様のデジタル一眼レフカメラの動作について、図4乃至図6に示すフローチャート用いて説明する。
まず、カメラ本体200に電源電池を挿入すると、図4に示すパワーオンリセットのルーチンを開始する。開始すると、ステップ#01にて、図示しないカメラの電源スイッチがオンとなっているか否かについて判定する。電源スイッチがオフの場合には、ステップ#03に移行してスリープ状態となる。このスリープ状態は、電源スイッチがオン状態に変化したときのみボディCPU229は割り込み動作を受付、それ以外の操作スイッチを操作したとしてもボディCPU229は割り込み動作を受け付けないようにした状態をいう。ボディCPU229は、電源スイッチの状態変化に対してのみ処理を行うので、電源浪費を抑えることができる。
ステップ#01において、電源スイッチがオンであった場合、若しくはスリープ状態において、電源スイッチがオンとなった場合には、ステップ#05に移行し、初期化動作を行う。この初期化動作は、電気的初期化および機械的初期化を行う。電気的初期化は、各種フラグ類やカウンタ値をリセットするものである。また機械的初期化は、可動ミラー201等やシャッタ213等が、その駆動中に何等かの原因で最後まで駆動せずに途中で止まったままになっていたとしても、これを初期化するものであり、まず各機構の状態を検出し、途中で止まっている場合には、その初期位置に駆動する。
続いて、測光・露光量演算を行う(#07)。これは測光センサ211の出力に基づいて、被写体輝度BVを測定し、この被写体輝度BVを基に、公知のアペックス演算よりシャッタ速度、絞り値等の露出制御値を求めるものである。この測光・露光量演算が終わると、次に撮影情報表示を行う(#08)。ここでは液晶モニタ251に撮影モードやシャッタ速度TV値・絞り値AV・ISO感度SV等の表示を行う。続いて、モードダイヤルのチェックを行う(#09)。ここでは、カメラ本体200に設けられたモードダイヤルの設定状態に基づいて、プログラムモード、シャッタ速度優先モード、絞り優先モード、風景モード、夜景モード、マクロモード等の各種の撮影モードと、記録媒体245に記録されている画像データを液晶モニタ251に表示する再生モード等のモード設定に変更がなされたか否かについてチェックを行う。
次に、ステップ#09のモードダイヤルのチェック結果に基づいて、撮像モードに設定されているかの判定を行い(#11)、設定されているモードが再生モードであった場合には、ステップ#13に進み、フラッシュメモリ235やSDRAM237に記憶されている画像データに基づいて、液晶モニタ251に画像を表示する。一方、#11にて判定されたモードが、プログラム撮影モード、絞り優先撮影モード、シャッタ速度優先撮影モード等の撮像に関するモードである場合には、ステップ#14に進み第1レリーズスイッチがオンか否か、すなわちレリーズ釦が半押しされているか否かの判定を行う。第1レリーズスイッチがオンであった場合には、ステップ#15に進み、設定されている撮像モードの処理を行う。撮像モードについては図5を用いて後述する。
ステップ#13の再生モードにおいて記録画像の再生を行っている最中に、再生釦モードが解除されるか、レリーズ釦が操作されるか、または電源スイッチがオフとされると、再生モードを終了し、次のステップ#17に進む。またステップ#15の撮像モードで撮像動作を終了するか、第1レリーズスイッチがオフとなるか、または電源スイッチがオフとされると、次のステップ#17に進む。さらに、ステップ#14において第1レリーズスイッチがオフであった場合にもステップ#17に進む。ステップ#17においては、カメラ本体の電源スイッチの状態を検出し、電源スイッチがオンであった場合には、ステップ#07に戻り、前述のステップを繰り返す。
一方、ステップ#17において、判定の結果、電源スイッチがオフであった場合には、ステップ#19に進み、液晶モニタ251上の表示を停止する。続いて、手振れセンサ305と手振れ補正回路303に電源オフの制御信号を出力し、給電を停止する(#21)。手振れ補正動作と塵埃除去動作を同じシフト機構で行う場合、いずれか一方の動作中に他方の信号が入力されると、動作が不安定になってしまうという課題がある。そこで、少なくとも塵埃除去動作中に手振れ補正信号が発生しないように手振れセンサ305と手振れ補正回路303の給電を遮断している。また、これらの回路・装置に給電を停止することにより、省エネルギを図っており、また塵埃除去動作の際の負荷軽減も可能となる。次に、ステップ#23に進み、CCDシフト機構301を用いて、塵埃除去動作を行う。この塵埃除去動作については、図6を用いて後述する。なお、本実施形態においては、塵埃除去動作を電源スイッチのオフ時に行っているが、これに限らず、例えば、電源スイッチのオン時や、第1レリーズのオン時や、または撮影レンズの装着時に行う等、適宜実行時を変更することができる。
次に、ステップ#15の撮像モードについて、図5を用いて説明する。撮像モードに入ると、ステップ#07と同様に、測光センサ211の出力に基づいて被写体輝度の測定を行い、ここで得た被写体輝度に基づいてシャッタ速度及び/又は絞り値を演算により求める(#25)。この後、測距回路217の出力に基づいて撮影レンズ101、102のピントズレ量を演算で求め、このズレ量に基づいて、レンズCPU111を介してレンズ駆動回路107を駆動しピント合わせを行う(#27)。
撮影レンズのピント合わせが終了したら、次に、レリーズ釦の全押しによってオンとなる第2レリーズスイッチがオンか否かの判定を行い(#29)、オンではない場合には、レリーズ釦の半押しによってオンとなる第1レリーズスイッチがオンか否かの判定を行う(#31)。ここでオンであった場合には、レリーズ釦は半押し状態ではあるが、全押し状態とはなっていないので、ステップ#29と#31を繰り返し行う待機状態となる。ステップ#31にてレリーズ釦から手が離れ、第1レリーズスイッチがオフとなった場合には、NOで抜けて、図4に示すパワーオンリセットのルーチンに戻る。
一方、レリーズ釦が全押しされると、ステップ#29にて第2レリーズスイッチがオンとなり、#33以下のステップで、実際に撮像を行い画像データの記録を行うための処理を実行する。まず、可動ミラー201のアップ動作を行い(#33)、これによって、撮影レンズ101、102を透過した被写体光束はシャッタ213側に導かれる。続いて、絞り103の絞込み動作を開始すると共に(#35)、手振れ補正動作を開始させる(#36)。この手振れ補正動作は、前述したように、手振れセンサ305の出力に基づいて、撮像動作中にカメラ本体200に加えられる手振れの動きを打ち消す方向にCCDシフト機構302を駆動することにより、CCD27を動かし、手振れの影響をなくすものである。なお、手振れ補正動作の開始は前述したように、入出力回路239を介して手振れ補正回路303に動作開始制御信号を出力することにより行う。
手振れ補正動作を開始させた後に、CCD27による被写体像の撮像を開始すると共に(#37)、シャッタ213の先幕の走行を開始させる(#38)。シャッタ速度に対応した設定秒時が経過するのを待ち(#39)、設定秒時が経過すると、ステップ#40に進み、シャッタ213の後幕の走行を開始させ(#40)、CCD27による撮像動作を停止させ(#41)、手振れ補正動作を停止させる(#42)。なお、手振れ補正動作の停止は前述したように、入出力回路239を介して手振れ補正回路303に動作停止制御信号を出力することにより行う。
ステップ#42の手振れ補正動作停止の指示を出力すると、次に、CCD駆動回路223はCCD27の画像信号の読み出しを行い、画像処理回路227による画像処理を実行する(#43)。この画像処理された画像データはSDRAM237等のバッファメモリに格納される(#44)。続いて、絞り103を開放状態に復帰させ(#45)、可動ミラー201をダウンさせると共にシャッタチャージを行い(#47)、ファインダ光学装置を被写体像観察状態とする。ミラーダウンは、撮像中、上昇位置にあった可動ミラー201を、図1に示すような下降位置にダウンするように、ボディCPU229はミラー駆動機構219に対して指令することにより行われる。また、シャッタチャージは、シャッタ後幕走行終了状態からシャッタチャージ状態になるように、可動ミラー201の下降に連動して機械的に行われる。
次に、撮影モードが連写モードになっているか否かを判定し(#49)、連写モードと判定された場合には、レリーズ釦が全押し状態のままか否かを判定する(#51)。全押しのまま、即ち、第2レリーズスイッチがオンであった場合には、ステップ#33に戻り、撮影を繰り返す。また、レリーズ釦から手が離れ、第2レリーズスイッチがオフとなると連写は終了する(#51でNO)。ステップ#49にて連写モードでなかった場合と、連写モードを終了した場合には、ステップ#53に進み、SDRAM237等のバッファメモリに記憶していた画像データを記録媒体(メモリカード)245に記録する(#53)。続いて、レリーズ釦が半押し状態のままか、即ち、第1レリーズスイッチがオンであるか否かを判定し、オンの場合には、そのまま待機状態でオフとなるのを待ち、オフとなったら、パワーオンリセットルーチンに戻る(#55)。
次に、ステップ#23に示される塵埃除去動作について図6を用いて、説明する。まず、アクチュエータであるモータ357によって第1スライダ353を上終端まで駆動し、すなわち第1スライダ353の突起部353dが当接部351aに当接するまで駆動する(#61)。この駆動はステッピングモータであるモータ357によっておこなわれるので、上終端まで駆動するのに充分なステップ数でもって、かつ突起部353dが当接部351aに衝突する勢いで駆動を行う。この衝突の際のCCD27に加えられる加速度によって、CCD27に付着している塵埃を払い落とす。すなわち、CCD27は急停止するために、CCD27に付着されている塵埃は、その慣性力によって除塵される。
続いて、上終端から下終端に向けて第1スライダ353の駆動を行う(#63)。すなわち第1スライダ353の突起部353eが当接部351bに当接するまで駆動する。今度は、上終端から下終端まで駆動するのに充分なステップ数でもって、かつ突起部353eが当接部351bに衝突する勢いで駆動を行う。この衝突の際の加速度でもって、CCD27に付着している塵埃を払い落とす。
次に、ステップ#61および#63における上下駆動の回数のカウント値が3回となったかを判定する(#65)。上下駆動を3回行っていない場合には、ステップ#61に戻り、前述の動作を繰り返す。なお、上下駆動の回数は3回に限らず、塵埃を除去するに適当な回数であれば良い。上下駆動の回数が3回に達すると、次に、センター位置への駆動を行う(#67)。これは、次に、手振れ補正を行う際に、CCD27は中立位置にあれば、広範囲に亘って手振れ補正を行うことが可能となるためである。センター位置への駆動開始時には、第1スライダ353は下終端にあるので、下終端位置からセンター位置までのモータ357のステップ数分だけ、モータ357の駆動を行う。
第1スライダ353のセンタリング動作が終了すると、次に第2スライダ355の左右駆動による除塵動作を行う。まず、アクチュエータであるモータ361によって第2スライダ355を右端まで駆動、すなわち第2スライダ355の突起部355dが当接部351dに当接するまで駆動する(#69)。この駆動もステッピングモータであるモータ361によっておこなわれるので、右端まで駆動するのに充分なステップ数でもって、かつ突起部355dが当接部351dに衝突する勢いで駆動を行う。この衝突の際の加速度でもって、CCD27に付着している塵埃を払い落とす。
続いて、右端から左端に向けて第2スライダ355の駆動を行う(#71)。すなわち第2スライダ355の突起部355cが当接部351cに当接するまで駆動する。今度は、右端から左端まで駆動するのに充分なステップ数でもって、かつ突起部355cが当接部351cに衝突する勢いで駆動を行う。この衝突の際の加速度でもって、CCD27に付着している塵埃を払い落とす。
次に、ステップ#65と同様に、左右駆動が3回、行われたか否かの判定を行い(#73)、3回行われるまで、ステップ#69と#71の動作を繰り返す。なお、左右駆動の回数は3回に限らず、塵埃を除去するに適当な回数であれば良い。左右駆動の回数が3回に達すると、次に、センター位置への駆動を行う(#75)。センター位置への駆動開始時には、第2スライダ355は左端にあるので、左端位置からセンター位置までのモータ361のステップ数分だけ、モータ361の駆動を行う。センタリング動作が終了すると、パワーオンリセットのルーチンに戻る。
以上説明したように本発明の第1実施形態では、ステップ#61〜#65において第1の駆動方向の上終端および下終端まで駆動させ、その後、ステップ#69〜#73において第2の駆動方向の右終端および左終端まで駆動させ、その際に各終端で当接(衝突)する際に振動駆動を行っているので、単なる手振れ補正のために移動させるのと異なり、効率的に塵埃を除去することができる。
また、本発明の第1実施形態では、第1の駆動方向は、CCDシフト機構301の第1スライダ353のシフト方向と一致させており、また第2の駆動方向は、CCDシフト機構301の第2スライダ355のシフト方向と一致させているので、塵埃除去にあたって効率的にCCD27を振動駆動させることができる。すなわち、手振れ補正はX軸およびY軸方向のシフト量を合成し、両軸方向を一緒に駆動するのが一般的であるが、本実施形態においては、シフト機構の各駆動方向単独に、高速にCCD27を移動させ、効率的に塵埃除去を行っている。特に、下終端方向に第1スライダ353をシフトさせる際には、重力の力も加わり、より効果的に除塵を行うことができる。したがって、第2の方向への振動駆動を省略し、第1の方向にのみ振動駆動するだけでも、ある程度の効果が得られる。その際は、塵埃除去動作の短縮化が期待できる。
さらに、本発明の第1実施形態では、第1の駆動方向および第2の駆動方向で、それぞれ複数回に亘ってシフトさせながら、塵案を除去している。このため、1回では塵埃を除去することができなくても、複数回繰り返すことにより、確実に塵埃除去を行うことができる。
さらに、本発明の第1実施形態では、第1スライダ353および第2スライダ355の突起部353d、353eと当接部351a、353bとが当接(衝突)する際の衝撃を利用して除塵しているので、単に手振れ補正でCCD27を動かすのとは異なり、より効率的に除塵を行うことができる。すなわち、本実施形態においては、撮像素子に加速度を与えるように駆動制御をしている。言い換えると、第1スライダ353および第2スライダ355が当接(衝突)する際に負の加速度が加わり、すなわち、当接(衝突)する際に、塵埃に働く慣性力によって塵埃は払い落とされるので、効果的な除塵を行うことができる。
さらに、本発明の第1実施形態では、除塵動作が終了するとセンタリング動作を行っているので、次に手振れ補正を行う際には、撮像素子であるCCD27は中心位置にあるので、センタリング動作を行う必要がなくなり、迅速に撮影動作に移ることができる。特に、本実施形態では、電源オフ時にセンタリングを行っているので、次に電源オンとなった際に迅速に手振れ補正を行うことができる。また、本実施形態では、除塵のための上下駆動が終了した時点でセンタリング動作を行い(#67)、また除塵のための左右駆動が終了した時点でセンタリング動作を行っている(#75)。それぞれ下終端または左終端にある状態なので、センタリング動作を行い易く、正確なセンタリングを行うことができる。
次に、本発明の第2実施形態について、図7を用いて説明する。第1実施形態の塵埃除去動作は、上終端・下終端・右終端・左終端に、各スライダが当接部材に衝突する際の衝撃を利用して行っていたが、第2実施形態では、各スライダを小刻みに駆動し、停止時の加速度を利用して除塵を行うようにしている。第2実施形態の構成と作用は、図7に示す塵埃除去動作のサブルーチン以外は共通であるので、異なる塵埃除去動作のサブルーチンのみについて説明する。
図7の塵埃除去動作のサブルーチンに入ると、まず、第1スライダ353を上終端まで移動させる(#81)。この駆動は第1実施形態と同様に、当接部351aに突起部353dが勢いよく当接させても良いが、単に上終端に静かに当接するだけでも構わない。続いて、ステッピングモータであるモータ357を下方向に5パルス分駆動し(#83)、ブレーキをかけ停止させる(#85)。この停止の際に、撮像素子であるCCD27に加速度が加わり、すなわちブレーキを掛けた際に、塵埃に働く慣性力によって塵埃は払い落とされる。したがって、急停止であればあるほど、加速度が大きくなり除塵効果は大きい。
次に、第1スライダ353が下終端に達したかを判定し(#87)、下終端に達していない場合には、ステップ#81に戻り、前述の動作を繰り返す。下終端に達しているかどうかは、上終端からの駆動パルス数をカウントすることにより判定することができる。なお、本実施形態においては、下終端まで、小刻みに駆動とブレーキを繰り返しているが、必ずしも下終端まで行う必要はない。また、5パルスごとにブレーキをかけているが、このパルス数も適宜変更することができる。
ステップ#77において、下終端に達したと判定されると、次に、下終端から上方向に向けて第1スライダ353を5パルス分の駆動を行う(#89)。5パルスの駆動が終わると、ブレーキをかけ、加速度を利用して塵埃を払い落とす(#91)。そして、上終端からの累積駆動パルス数をカウントし、このカウント値に基づいて上終端に達したかの判定を行う(#93)。上終端に達していない場合には、ステップ#89に戻り、前述の動作を繰り返す。なお、上終端まで駆動しなくても、途中まででも良く、また5パルス以外のパルス数でも良い。
小刻みに駆動とブレーキを繰り返し、上終端に達すると、次に、センター位置への駆動を行う(#95)。これは、上終端位置からセンター位置まで駆動するに必要なモータ357のパルス数だけ駆動すれば良い。
センタリング動作が終了すると、次に、第2スライダ355を左右駆動することによる除塵動作に移る。まず、モータ361を駆動することによって、第2スライダ355を右終端まで移動させる(#97)。この駆動はステップ#71の場合と同様に、当接部351dに突起部355bが勢いよく当接するようにしても良いが、単に右終端で静かに当接するだけでも構わない。第2スライダ355が右終端に達すると、続いて、左方向に第2スライダ355を、モータ361で5パルス分駆動し(#99)、ブレーキをかける(#101)。このとき、ステップ#85、#91と同様に、CCD27に加速度が加わり、すなわちブレーキを掛けた際に、塵埃に働く慣性力によって塵埃は払い落とされる。
次に、第2スライダ355が左終端に達したかを判定し(#103)、左終端に達していない場合には、ステップ#97に戻り、前述の動作を繰り返す。左終端に達しているかどうかは、右終端からの駆動パルス数をカウントすることにより判定することができる。なお、本実施形態においては、左終端まで、小刻みに駆動とブレーキを繰り返しているが、必ずしも左終端まで行う必要はない。また、5パルスごとにブレーキをかけているが、このパルス数も適宜変更することができる。
ステップ#103において、左終端に達したと判定されると、次に、左終端から右方向に向けて第2スライダ355を5パルス分の駆動を行う(#105)。5パルスの駆動が終わると、ブレーキをかけ塵埃を払い落とす(#107)。そして、左終端からの累積駆動パルス数をカウントし、このカウント値に基づいて右終端に達したかの判定を行う(#109)。右終端に達していない場合には、ステップ#95に戻り、前述の動作を繰り返す。なお、右終端まで駆動しなくても、途中まででも良く、また5パルス以外のパルス数でも良いことは左駆動の場合と同じである。
小刻みに駆動とブレーキを繰り返し、右終端に達すると、次に、センター位置への駆動を行う(#111)。これは、右終端位置からセンター位置まで駆動するに必要なモータ357のパルス数だけ駆動すれば良い。これによって、次回、迅速に手振れ補正を開始することができる。
以上説明したように本発明の第2実施形態も、第1実施形態と同様の効果を奏する。特に、ステップ#81〜#93と、ステップ#97〜#109において振動駆動、より具体的には小刻みに駆動とブレーキを繰り返し行っている。このため単なる手振れ補正のために動かすのと異なり、効率的に塵埃を除去することができる。
以上説明したように本発明の第1及び第2実施形態では、撮影レンズを介して被写体像を取得する撮像素子であるCCD27と、この撮像素子を保持し、撮像素子を撮影レンズの光軸に直交する面に沿って第1および第2の方向の2つの方向に移動可能なCCDシフト機構301と、このシフト機構を第1の方向に駆動した後に、第2の方向に駆動する駆動手段を具備しており、第1の方向および第2の方向に振動駆動する際に、塵埃を除去するようにしている。このため、第1の方向及び第2の方向を合成した手振れ補正のための駆動とは異なり、第1の方向のみに駆動し、その終了後に第2の方向に駆動するようにしたので、効率的に塵埃を除去することができる。振動駆動としては、当接部351a、351b、351c、351dに当接(衝突)させる第1実施形態の方法や、小刻みに駆動と停止動作を繰り返す第2実施形態の方法等、種々のやり方がある。
また、本発明の第1及び第2実施形態では、撮影レンズによって形成される被写体像を受光し、被写体像信号を出力する撮像素子であるCCD27と、この撮像素子を保持し、この撮像素子を重力方向に駆動するための駆動源であるモータ357を有するCCDシフト機構301を具備し、除塵動作にあたって、モータ357を動作させ重力方向に駆動し、塵埃除去動作を行うようにしたので、重力とあいまって効率的に塵埃を除去することができる。
さらに、本発明の第1及び第2実施形態では、撮像素子であるCCD27を保持し、撮像素子を撮影レンズの光軸に直交する面に沿って移動させるCCDシフト機構301と、このCCDシフト機構301を駆動制御する駆動手段を具備しており、撮像素子に加速度を与えるように、CCDシフト機構301の第1スライダ353や第2スライダ355を停止させている。このため、撮像素子の手振れ補正のために振動を加えるのとは異なり、効率的に塵埃を除去することができる。加速度を与えるような停止のさせ方として、当接部351a、351b、351c、351dに当接(衝突)させる第1実施形態の方法や、小刻みに駆動と停止動作を繰り返す第2実施形態の方法等、種々のやり方がある。
さらに、本発明の第1及び第2実施形態では、撮影レンズを介して被写体像を取得する撮像素子としてのCCD27と、この撮像素子を保持し、撮像素子を撮影レンズの光軸に直交する面に沿って移動させるCCDシフト機構301と、撮像素子に加速度を与えるようにCCDシフト機構301を駆動する駆動手段を具備している。超音波を印加する方式とは異なり、当接部351a、351b、351c、351dに当接(衝突)させたり、小刻みに駆動と停止動作を繰り返すことにより、撮像素子に加える加速度を利用しているので、効率的な塵埃の除去を行うことができる。
さらに、本発明の第1及び第2実施形態では、撮影レンズを介して被写体像を取得する撮像素子としてのCCD27と、この撮像素子を保持し、撮像素子を撮影レンズの光軸に直交する面に沿って移動させるCCDシフト機構301と、手振れに応じてCCDシフト機構301を移動させ、それによって撮像素子で取得した被写体像のぶれを補正する手振れ補正回路303と、撮像素子への付着物を除去するために、手振れ補正回路303とは無関係にCCDシフト機構301を振動駆動する駆動手段を具備しており、振動駆動の終了後、CCDシフト機構301を手振れ補正回路303による手振れ補正動作に適した位置へ移動させるようにしている。このため、塵埃除去動作後、手振れ補正を行う際に迅速に行うことができる。
さらに、本発明の第1及び第2実施形態では、手振れセンサ305と、この手振れセンサ305からの出力に応じて手振れ量を演算し、この手振れ演算結果に応じてCCDシフト機構301を駆動し、それによってCCD27で取得した被写体像のぶれを補正する手振れ補正手段と、CCD27やその光学素子への付着物を除去するために、手振れ補正手段とは無関係にCCDシフト機構301を振動駆動する除塵駆動手段を有しており、この除塵駆動手段の動作に先立って手振れ補正手段への電源供給を遮断するようにしているので(図4の#21参照)、手振れ補正動作と除塵動作を共通の駆動回路や駆動機構を用いながら、効率的に行うことができる。即ち、手振れ補正手段と除塵駆動手段のいずれか一方のみを動作させるようにしたので、手振れ補正手段や除塵駆動手段の動作が不安定になるという不都合を解決することができる。
さらに、本発明の第1及び第2実施形態では、撮像素子をシフトすることにより手振れの影響を取り除く手振れ防止装置をそのまま利用して塵埃の除去を行っている。このため手振れ補正のための機構を塵埃除去装置に兼用することができ、安価で小型な塵埃除去装置付きのデジタルカメラを提供することができる。
また、本実施形態は、デジタル一眼レフカメラに本発明を適用した例であったが、デジタル一眼レフカメラに限らず、例えば、レンズ交換式のレンジファインダ式デジタルカメラや通常のコンパクトデジタルカメラ等にも本発明を適用できる。また、携帯等の各種装置内の撮影装置でもよく、さらに顕微鏡、双眼鏡等の各種装置に取り付けられる専用カメラにも適用できることは勿論である。撮影対象に対する手振れ影響を取り除くために、撮像素子をシフトさせる手振れ補正装置を有する撮影装置あれば、本発明を適用することができる。
本発明の第1実施形態に係るデジタル一眼レフカメラの全体構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態におけるCCDシフト機構の構造を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態におけるCCDシフト機構駆動回路、手振れ補正回路、手振れセンサの詳細を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態における「パワーオンリセット」のフローチャート図である。 本発明の第1実施形態におけるサブルーチン「撮像動作」のフローチャート図である。 本発明の第1実施形態におけるサブルーチン「塵埃除去動作」のフローチャート図である。 本発明の第2実施形態におけるサブルーチン「塵埃除去動作」のフローチャート図である。
符号の説明
27 撮像素子(CCD)、
100 交換レンズ、
101 レンズ、
301 CCDシフト機構、
302 CCDシフト機構駆動回路
303 手振れ補正回路
305 手振れセンサ
351 基板
351a〜351d 当接部
353 第1スライダ
353d 353e 突起部
355 第2スライダ
355c 355d 突起部
357 ステッピングモータ(モータ)
361 ステッピングモータ(モータ)

Claims (1)

  1. 撮影レンズを介して被写体像を取得する撮像素子と、
    この撮像素子を保持し、上記撮像素子を上記撮影レンズの光軸に直交する面に沿って移動させるシフト機構と、
    手振れセンサと、この手振れセンサからの出力に応じて手振れ量を演算する手振れ演算回路とを含み、この手振れ演算結果に応じて上記シフト機構を移動させ、それによって上記撮像素子で取得した被写体像のぶれを補正する手振れ補正手段と、
    上記撮像素子への付着物を除去するために、上記手振れ補正手段とは無関係に上記シフト機構を振動駆動する除塵駆動手段と、
    この除塵駆動手段の動作に先立って上記手振れ補正手段への電源供給を遮断する制御手段と、
    を具備したことを特徴とするデジタルカメラ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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