JP2016205607A - 摺動部材及びスラストワッシャー - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦のさらなる低減が図られる摺動部材及びスラストワッシャーを提供する。【解決手段】樹脂コーティング層は、表面の形状を表した形状線について、形状線をX軸と平行な仮想直線で分割し、仮想直線より下方へ突出する凹部領域と仮想直線より上方へ突出する凸部領域を設定する。そして、凹部領域と凸部領域との面積の総和が等しくなる位置にある仮想直線を凹凸平均線と定義する。この凹凸平均線から下側へ突出する領域を凹部、前記凹凸平均線から上側へ突出する領域を凸部と定義する。このとき、凹部の1つあたりの平均面積Saは、4〜120μm2であり、距離を1mmとした二点間における凹部の個数Mは、3〜20個である。【選択図】図1

Description

本発明は、摺動部材及びスラストワッシャーに関する。
回転する軸部材は、その回転方向だけでなく、軸方向においても支持する必要がある。この軸方向において軸部材を支持する軸受部材として、特許文献1に開示されるようなスラストワッシャーが知られている。スラストワッシャーは、回転する軸部材の軸方向の荷重を支持する。特許文献1に開示するスラストワッシャーは、軸部材と接する摺動面側に樹脂コーティング層を有している。特許文献1の場合、樹脂コーティング層は、スラストワッシャーの径方向即ち内周側から外周側への断面において、径方向の両端よりも中央部分が盛り上がっている。このように樹脂コーティング層の巨視的な厚さに変化を持たせることにより、軸部材とスラストワッシャーとの局所的な接触、及びこれらの接触にともなう損傷の低減を図っている。
しかし、軸受部材と軸部材、即ち摺動部材と相手部材とを備える内燃機関など更なる高性能化及び高機能化の要求にともない、軸部材の軽量化にともなう剛性の低下が進んだり、軸部材と軸受部材との接触面圧が増大する傾向にある。特に、近年では、内燃機関は、燃料消費量の低減の観点から運転の停止と始動とが繰り返される。そのため、軸部材と軸受部材とが十分な厚さの油膜を介さずに接触する機会は増加し、摩擦抵抗が大きくなりがちである。その結果、軸部材と軸受部材との間の摩擦のさらなる軽減が求められている。
特開2014−070662号公報
そこで、本発明の目的は、摩擦のさらなる低減が図られる摺動部材及びスラストワッシャーを提供することにある。
上記の課題を解決するために本実施形態の摺動部材は、基材層と、前記基材層の摺動面側に設けられている樹脂コーティング層とを備える。
前記樹脂コーティング層は、
前記基材層と反対側の表面において任意の二点間の位置を示すX軸に対して前記樹脂コーティング層の厚さ方向を示す前記X軸に垂直なY軸からなるX−Y座標系を用いて前記表面の形状を表した形状線について、前記形状線を前記X軸と平行な仮想直線で分割し、前記仮想直線より下方へ突出する凹部領域と前記仮想直線より上方へ突出する凸部領域を設定し、前記凹部領域と前記凸部領域との面積の総和が等しくなる位置にある前記仮想直線を凹凸平均線と定義するとともに、
前記凹凸平均線から下側へ突出する領域を凹部、前記凹凸平均線から上側へ突出する領域を凸部と定義したとき、
前記凹部の1つあたりの平均面積Saは、4〜120μmであり、
距離を1mmとした前記二点間における前記凹部の個数Mは、3〜20個である。
本件の発明者らは、上記のように定義した凹部が相手部材との摩擦及び油膜の形成に影響していることを見出した。即ち、形状線において凹凸平均線で定義された凹部は、平均面積Saが小さくなると潤滑のための潤滑油を十分に保持できない。同様に、このように定義された凹部は、平均面積Saが大きくなりすぎても潤滑油の充填度が不十分となる。潤滑油の保持や充填度が不十分になると、摺動面への潤滑油の速やかな供給が妨げられ、相手部材との間の油膜の形成が阻害される。また、定義された凹部は、任意の二点間における個数Mが小さくなると潤滑油の保持が不十分となり、油膜形成が阻害される。一方、凹部は、任意の二点間における個数Mが大きくなると、樹脂コーティング層と相手部材との間の接触抵抗が増加し、摩擦が大きくなる。したがって、樹脂コーティング層において定義された凹部を制御することにより、相手部材との摩耗を低減することができる。
本実施形態の摺動部材では、前記凹部の1つあたりの平均面積Saは、10〜80μmであることが好ましい。
本実施形態の摺動部材では、前記二点間における前記凹部の個数Mは、3〜10個であることが好ましい。
本実施形態の摺動部材では、前記凹部の1つあたりの平均面積Saと、前記凹部の個数Mとの積A=Sa×Mは、A=90〜450μmであることが好ましい。
本実施形態の摺動部材では、前記積Aは、A=120〜300μmであることが好ましい。
本実施形態では、前記樹脂コーティング層の硬さは、50HV以下である。
このように樹脂コーティング層の硬さを設定することにより、相手部材との間の接触抵抗が低減される。したがって、摩擦の低減を図ることができる。
本実施形態のスラストワッシャーは、上記の構成の摺動部材である。
本実施形態では、前記凹部において、この凹部の底からこの凹部に隣り合う前記凸部の頂までを仮想的な直線Lで結んだとき、前記直線Lの平均傾きRは、R=0.01〜0.04である。直線Lがn本存在する場合、それらn本の傾きの平均の値が、平均傾きRの値である。この平均傾きRの値が0.01以上0.04以下を満たすのが望ましい。
このように、隣接する凹部の間における直線Lの平均傾きRは設定されている。直線Lの平均傾きRを、適切な大きさにすると、凹部に保持された潤滑油による油膜の形成が促進される。ここで、直線Lの平均傾きRが大きくなるほど、凹部に保持された潤滑油は凹部から排出されにくくなり、結果として油膜が形成されにくくなる傾向がある。また、直線Lの平均傾きRが小さくなるほど、凹部における潤滑油の保持が不十分となり、結果として油膜が形成されにくくなる傾向がある。
したがって、上記のように凹部と凸部との関係を制御することにより、油膜の形成を促進し、摩擦の低減を図ることができる。
本実施形態のスラストワッシャーは、上記の構成の摺動部材であり、前記直線Lは、相手部材との相対的な回転方向に沿っている。
これにより、相手部材との相対的な回転によって、凹部に保持された潤滑油による油膜の形成が促進される。したがって、摩擦の低減を図ることができる。
上記の構成を有する樹脂コーティング層は、摺動部分における低摩擦化への貢献に有用である。
また、上記の構成を有する樹脂コーティング層は、添加剤の粒子の凝集状態を制御した塗料を用いて形成するのが好ましい。
そして、前記摺動部材を備えた内燃機関は、摩擦抵抗が低減されるので、運転の停止と始動とが繰り返される仕様にも好適である。
一実施形態による摺動部材の断面を示す模式図 一実施形態による摺動部材をスラストワッシャーとして適用した軸受装置の例を示す模式図 一実施形態による摺動部材を用いた半割のスラストワッシャーを示す模式図 一実施形態による摺動部材において樹脂コーティング層の表面の形状線を示す模式図 図4に示す形状線を説明のために簡略化して示す模式図 図4に示す形状線における凹部の底と凸部の頂とを結ぶ直線を示す模式図 一実施形態による摺動部材の実施例を示す図
以下、摺動部材の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、摺動部材10は、基材層11と、樹脂コーティング層12とを備えている。樹脂コーティング層12は、基材層11の摺動面側、即ち相手部材側に設けられている。樹脂コーティング層12は、基材層11の摺動面側に、巨視的にほぼ均一な厚さで形成されている。本実施形態の場合、この摺動部材10は、図2に示すように軸部材13と摺動する。特に本実施形態の場合、摺動部材10は、軸受部材であって、軸部材13の軸方向に働く力を受け止めるスラストワッシャーとして用いることができる。即ち、図2に示す例の場合、軸部材13は、回転方向だけでなく軸方向へも運動する。そのため、軸部材13は、回転軸受部14で回転可能に支持されるとともに、スラストワッシャーとなる摺動部材10で回転しながら軸方向に支持される。摺動部材10は、スラストワッシャーとして用いられる場合、図3に示すような半割にした半円環状や円環状に形成される。そして、摺動部材10は、軸部材13のスラストカラー18の軸方向の端面に接し、軸部材13を軸方向に支持する。なお、図3に示した摺動部材10を適用したスラストワッシャーは一例である。即ち、摺動部材10は、図3に示す形状のスラストワッシャーだけでなく、プレート状のものや回転軸受部と一体となったものでもよく、溝形状、例えばテーパランド溝部や、周方向端部に向けて厚さを変えた形状、例えばリリーフ形状部を設けるなど、周知の各種の形状のスラストワッシャーに適用することができる。
本実施形態の摺動部材は、軸部材として適用しても良い。即ち、対向する部材の少なくとも一方として用いることができる。
軸受部材として本実施形態の摺動部材を用いる場合、図1に示す摺動部材10の基材層である軸受合金層11は、例えばアルミニウム合金又は銅合金などで形成されている。摺動部材10は、軸受合金層11と一体に構成された裏金層15を備えていてもよい。この場合、摺動部材10は、軸受合金層11と裏金層15との間に図示しない中間層を備えてもよい。さらに、摺動部材10は、軸受合金層11、裏金層15及び中間層だけでなく、さらに層を加えて3層以上の多層構造としてもよい。
上述のように、軸受合金層11を覆う樹脂コーティング層12は、それ自体の巨視的な膜の厚さの変化ではなく、摺動面となる表面16に微視的な微小な凹凸を有している。この表面16とは、図1に示すように樹脂コーティング層12の軸受合金層11と反対側の面である。樹脂コーティング層12の表面の形状は、図4に示すような形状線Cとして取得される。この形状線Cは、樹脂コーティング層12の厚さ方向に平行な面を含む断面における樹脂コーティング層12の表面16の凹凸を示している。形状線Cは、X−Y座標系を用いて表される。具体的には、X軸は任意の二点間の位置を示し、Y軸は樹脂コーティング層12の厚さ方向、つまりY軸方向の位置は表面16の凹凸の深さ及び高さを示している。これにより、形状線Cは、樹脂コーティング層12の表面の形状に応じた凹凸を含んで表される。図4は、X軸を200倍に拡大し、Y軸を1000倍に拡大して示している。
図5は、説明のために図4に示す形状線Cを模式的に簡略化して示している。凹凸を含む形状線Cは、基準となるX軸と平行な仮想直線LxによってY軸方向の上下に分割される。樹脂コーティング層12の表面16が微視的に平坦である場合、この樹脂コーティング層12の表面16、X軸及び仮想直線Lxはいずれも平行となる。形状線Cを仮想直線Lxで分割すると、仮想直線Lxよりも下側に突出する凹部領域と、仮想直線Lxよりも上側に突出する凸部領域とが区画される。図5では、凹部領域を「網掛け」で示し、凸部領域を「ハッチング」で示している。そして、この凹部領域の面積の総和S1と凸部領域の面積の総和S2とが等しくなる位置にある仮想直線Lxは、凹凸平均線Lvと定義する。即ち、樹脂コーティング層12の表面16において、この凹凸平均線Lvよりも下側に突出する凹部領域の面積の総和S1と、凹凸平均線Lvよりも上側に突出する凸部領域の面積の総和S2とは、等しく(S1=S2)なる。そして、この凹凸平均線Lvに対して下側に突出する領域は凹部21と定義し、凹凸平均線Lvに対して上側に突出する領域は凸部22と定義する。
本実施形態では、摺動部材10の性能は、凹部21の1つあたりの平均面積Saを用いて検証している。凹部21の平均面積Saは、任意の二点間において凹凸平均線Lvよりも下側に突出する凹部21の面積の総和S1を、任意の二点間に存在する凹部21の個数で除することにより算出される。
また、本実施形態では、摺動部材10の性能は、任意の1mmの範囲における凹部21の個数Mも用いて検証している。この任意の1mmの範囲は、平均面積Saを算出した任意の二点間から任意に抽出される。例えば二点間の距離を10mmに設定して凹部21の平均面積Saを算出したとき、この10mmの範囲から抽出した任意1mmに含まれる凹部21の個数Mを求める。この場合、二点間の距離を1mmに設定して凹部21の平均面積Saを算出し、この1mmと同一の範囲で凹部21の個数Mを求めてもよい。さらに、10mmの範囲に含まれる凹部21の総数から1mmあたりの凹部21の平均的な個数Mを求めてもよい。このように、凹部21の個数Mは、算出する平均面積Saと重複する領域であれば算出方法を問わない。図5の例の場合、任意の二点として点A及び点Bを設定している。この点Aと点Bとの間の距離は、1mmである。
なお、本実施形態では、X軸は、摺動部材10の表面16の周方向及び径方向の中央位置で周方向接線方向に定義して測定している。任意の二点は、摺動部材10の用途を考慮して、測定の箇所数や位置や方向を任意に調整することができる。
本実施形態では、摺動部材10の性能は、隣り合う凹部21と凸部22との関係も用いて検証している。図6に示すように凹部21は、この凹部21の最も深い位置、つまり軸受合金層11に最も近い位置に底31を有している。そして、この凹部21に隣り合う凸部22は、この凸部22の最も高い位置、つまり軸受合金層11から最も遠い位置に頂32を有している。このように、凹凸平均線Lvを挟んで凹部21と凸部22とが隣り合っているとき、凹部21の底31と凸部22の頂32との間は、仮想的な直線Lで結ぶことができる。この直線Lの傾きは、凹部21の底31と凸部22の頂32とのY軸方向の実測距離を、その底31とその頂32とのX軸方向の実測距離で除することにより算出される値としている。そして得られる直線Lの傾きの平均値は、平均傾きRである。
(実施例)
以下、本実施形態の実施例について説明する。
まず、図7に示す実施例品1〜実施例品18、及び比較例1〜比較例2の製造方法について説明する。
樹脂コーティング層12は、所定の形状に成形した軸受合金層11の摺動面側に形成される。樹脂コーティング層12となる塗料は、バインダ材となる樹脂に固体潤滑剤をはじめとする添加剤が加えられている。樹脂コーティング層12のバインダ材は、例えばポリアミドイミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリイミド、ポリアミドなど公知の樹脂が一種又は二種以上用いられる。ポリマーアロイ化されていても良い。また、固体潤滑剤としては、二硫化モリブデン、グラファイト、窒化ホウ素、ポリテトラフルオロエチレンなど公知のものが一種又は二種以上用いられる。その他の添加剤として、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素など公知のものを添加してもよい。本実施例では、バインダ材としてポリアミドイミド及びポリアミドを用い、固体潤滑剤に二硫化モリブデンを用いている。樹脂コーティング層12は、樹脂のバインダ材に分散する添加剤の粒子の凝集状態を制御することによって表面の微細な凹凸が制御される。
例えば樹脂コーティング層12を形成する塗料は、距離を任意に調整可能な一対の面部材の間に充填される。そして、この一対の面部材のうち少なくとも一方を回転させることにより、面部材の間に充填された塗料には剪断力が加わる。これにより、塗料に含まれる添加剤の粒子は、その凝集状態が変化する。一例として一対の面部材の間の距離は10μm、面部材の相互間の相対的な回転数は2000rpmなどに設定される。このように面部材の間の距離や相対的な回転数を制御することにより、樹脂コーティング層12を形成する塗料に含まれる添加剤の粒子の凝集状態が制御される。凝集状態を制御するための所要時間は、例えば10分間〜60分間程度に設定される。処理時間が短くなるほど、添加剤の粒子の凝集は解消されにくい。そのため、処理時間が短くなるほど、凹部の平均面積、凹部21の個数、及び直線Lの平均傾きRは、いずれも増大する傾向となる。一方、処理時間が長くなるほど、添加剤の粒子の凝集が解消されて細分化される。そのため、処理時間が長くなるほど、樹脂コーティング層12の表面は平坦化されやすくなる。なお、剪断を用いた凝集の制御は、樹脂コーティング層12を形成する塗料の前処理の一例である。添加剤の粒子の凝集を制御する手法は、上記に限らず、任意に設定することができる。
前処理が施された塗料は、軸受合金層11の摺動面側に塗布される。このとき、塗料は、例えばスプレー、ロール、パッド及びスクリーン等の公知の手法で軸受合金層11に塗布される。塗布された塗料が硬化することにより、樹脂コーティング層12は軸受合金層11の摺動面側に形成される。後述する実施例品及び比較例品の樹脂コーティング層は、平均厚さをそれぞれ5μmに形成している。
次に、試験条件について説明する。
本実施形態では、スラスト試験機を用いて摩擦係数を求めている。具体的には、各実施例品又は比較例品の摺動部材10で構成したスラストワッシャーをスラスト試験機に取り付ける。そして、このスラスト試験機に取り付けた摺動部材10は、予め設定した試験荷重が加えられた鋼製の相手部材と摺動する。摩擦係数は、試験荷重及びこの摺動時に測定した摺動部材10と相手部材との間で発生する摩擦力に基づいて算出する。
次に、図7に基づいて試験結果について説明する。
実施例品1〜実施例品4は、いずれも凹部21の平均面積Saが4〜120μmであり、凹部21の個数Mが3〜20個である。これに対し、比較例品1は、凹部21の平均面積Saが4μmであり、凹部21の個数Mが21である。また、比較例品2は、凹部21の平均面積Saが121μmであり、凹部21の個数Mが3である。このように、凹部21の平均面積Saが4〜120μmであり、凹部21の個数Mが3〜20個である実施例品1〜実施例品4は、比較例品1及び比較例品2に比較して摩擦係数が低下していることが明らかである。
また、実施例品5は、凹部21の平均面積Saが10μmであり、凹部21の個数Mが3個である。実施例品6は、凹部21の平均面積Saが80μmであり、凹部21の個数Mが10個である。これら実施例品5及び実施例品6は、実施例品1〜実施例品4に比較して摩擦係数がさらに低下している。このことから、凹部21の平均面積Saは、10〜80μmであることがより好ましいことが明らかである。また、凹部21の個数Mは、3〜10個であることがより好ましいことが明らかである。
このように、実施例品1〜実施例品6は、凹部21の平均面積Sa、及び凹部21の個数Mを制御することにより、摩擦係数が低下することを示している。即ち、凹部21の平均面積Saは4〜120μmに制御し、凹部21の個数Mは3〜20個に制御している。このように凹部21の平均面積Sa及び凹部21の個数Mを制御することにより、油膜の形成が促進され、摩擦係数が低下する。特に、凹部21の平均面積Saを10〜80μm、凹部21の個数Mを3〜10個に設定することにより、油膜の形成がより促進され、摩擦係数が低下することがわかる。
実施例品7〜実施例品11は、実施例品1〜実施例品6の条件を満たしつつ、凹部21の平均面積Saと個数Mの積A=Sa×Mが摩擦係数に与える影響について検証している。積Aが90〜450μmとなる実施例品7〜実施例品11は、油膜の形成が促進され、摩擦係数のさらなる低減が図られている。
実施例品12〜実施例品15は、実施例品7〜実施例品11の条件を満たしつつ、直線Lの平均傾きRが摩擦係数に与える影響について検証している。直線Lの平均傾きRが0.01〜0.04となる実施例品12〜実施例品15は、油膜の形成が促進され、摩擦係数のさらなる低減が図られている。直線Lの平均傾きRは、小さすぎたり大きすぎたりすると、凹部21に保持された潤滑油による油膜の形成が阻害される傾向が出てくる。例えば直線Lの平均傾きRが過大であると、凹部21に保持された潤滑油は凹部21から排出されにくく、結果として油膜が形成されにくくなる傾向がある。また、直線Lの平均傾きRが過小であると、凹部21における潤滑油の保持が不十分となり、結果として油膜が形成されにくくなる傾向がある。したがって、上記のように凹部21と凸部22との関係を直線Lの平均傾きRを用いて制御することにより、油膜の形成を促進し、摩擦を低減することができる。
実施例品16〜実施例品18は、実施例品12〜実施例品15の条件を満たしつつ、樹脂コーティング層12の硬さが摩擦係数に与える影響について検証している。樹脂コーティング層12の硬さが50HV以下となる実施例品16〜実施例品18は、相手部材との接触抵抗が低減される。その結果、実施例品16〜実施例品18は、摩擦係数のさらなる低減が図られている。
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
本実施形態では、摺動部材10をスラストワッシャーに適用する例について説明した。摺動部材10は、スラストワッシャーに適用することにより、摩擦係数の低減が図られ、相手部材との摩擦が低減される。同様に、摺動部材10は、スラストワッシャーに限らず、回転を支持する軸受装置など、他の形態の摺動部材10に適用しても同様の効果を得ることができる。また、本実施形態では、樹脂コーティング層12の厚さを巨視的に均一にする例について説明した。しかし、樹脂コーティング層12は、例えば径方向における両端部に比較して中央部の厚さを増す等、巨視的に均一なものに限らない。また、基材層11は、溝部や孔部等の窪み部を設けてもよい。この場合、相手部材と直接接触することのない表面にも樹脂コーティング層12を設けてもよい。さらに、基材層11に窪み部を設ける場合、樹脂コーティング層12は、窪み部の角部近傍のみに設けたり、窪み部の角部近傍を厚めに設けたりしてもよい。
図面中、10は摺動部材、11は基材層、12は樹脂コーティング層、16は表面、21は凹部、22は凸部、31は底、32は頂を示す。

Claims (13)

  1. 軸受合金層と、前記軸受合金層の摺動面側に設けられている樹脂コーティング層とを備える摺動部材であって、
    前記樹脂コーティング層は、
    前記軸受合金層と反対側の表面において任意の二点間の位置を示すX軸に対して前記樹脂コーティング層の厚さ方向を示す前記X軸に垂直なY軸からなるX−Y座標系を用いて前記表面の形状を表した形状線について、前記形状線を前記X軸と平行な仮想直線で分割し、前記仮想直線より下方へ突出する凹部領域と前記仮想直線より上方へ突出する凸部領域とを設定し、前記凹部領域と前記凸部領域との面積の総和が等しくなる位置にある前記仮想直線を凹凸平均線と定義するとともに、
    前記凹凸平均線から下側へ突出する領域を凹部と、前記凹凸平均線から上側へ突出する領域を凸部と定義したとき、
    前記凹部の1つあたりの平均面積Saは、4〜120μmであり、
    距離を1mmとした前記二点間における前記凹部の個数Mは、3〜20個、
    である摺動部材。
  2. 前記凹部の1つあたりの平均面積Saは、10〜80μmである請求項1記載の摺動部材。
  3. 前記二点間における前記凹部の個数Mは、3〜10個である請求項1または2記載の摺動部材。
  4. 前記凹部の1つあたりの平均面積Saと、前記凹部の個数Mとの積A=Sa×Mは、A=90〜450μmである請求項1から3のいずれか一項記載の摺動部材。
  5. 前記積Aは、A=120〜300μmである請求項4記載の摺動部材。
  6. 前記樹脂コーティング層の硬さは、50HV以下である請求項1から5のいずれか一項
  7. 前記凹部において、この凹部の底からこの凹部に隣り合う前記凸部の頂までを直線Lで結んだとき、前記直線Lの平均傾きRは、R=0.01〜0.04である請求項1から6のいずれか一項記載の摺動部材。
    記載の摺動部材。
  8. 請求項1から7のいずれか一項記載の摺動部材に用いられる樹脂コーティング層。
  9. 請求項8記載の樹脂コーティング層を形成する塗料。
  10. 請求項1から7のいずれか一項記載の摺動部材を備えるスラストワッシャー。
  11. 請求項7記載の摺動部材を備えるスラストワッシャーであって、
    前記直線Lは、相手部材との相対的な回転方向に沿っているスラストワッシャー。
  12. 請求項1から7のいずれか一項記載の摺動部材を備える内燃機関。
  13. 請求項10または11記載のスラストワッシャーを備える内燃機関。
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