JP2016205099A - プレキャスト床版の接続構造、プレキャスト床版システム、及び橋構造 - Google Patents
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Description
プレキャスト床版は、床版設置の事前に、工場、又は施工現場も含む製造ヤード等の場所で予め製作される。このため、プレキャスト床版を天候等に関係無く製造することができ、歩道橋の施工に要する期間を短縮させることができる。
本発明のプレキャスト床版の接続構造は、板状に形成され、厚さ方向に交差する並び方向に並べて配置された第一プレキャスト床版と第二プレキャスト床版とを接続するプレキャスト床版の接続構造であって、前記第一プレキャスト床版の側面から突出するように形成され、前記厚さ方向及び前記並び方向にそれぞれ交差する交差方向の一方側に向かうにしたがって前記厚さ方向の一方側に向かうように傾斜した第一傾斜面を有する第一凸部と、前記第二プレキャスト床版の側面から突出するように形成され、前記第一傾斜面に沿って傾斜するとともに前記第一傾斜面に接触する第二傾斜面を有する第二凸部と、を備え、前記第一凸部と前記第二凸部との前記第一傾斜面に沿う方向の移動が、前記第一傾斜面と前記第二傾斜面との間に作用する静止摩擦力、又は、前記第一傾斜面及び前記第二傾斜面に作用する固着力により規制されることを特徴としている。
この発明によれば、第一傾斜面と第二傾斜面との間に作用する静止摩擦力が、作用する荷重により第一凸部に対して第二凸部を第一傾斜面に沿って移動しようとする分力以上になる。
この発明によれば、第一凸部の交線の少なくとも一部が曲線状であることで第一凸部の角部が少なくなる。
また、本発明のプレキャスト床版システムは、上記に記載のプレキャスト床版の接続構造と、前記第一プレキャスト床版と、前記第二プレキャスト床版と、を備えることを特徴としている。
並び方向に直交し、かつ、第二プレキャスト床版の第二凸部を橋桁が支持する位置での断面において、並び方向において支持面の交差方向の一方側よりも交差方向の一方側の第一凸部に厚さ方向に沿って下方に向かって荷重を作用させる。この荷重は、第一傾斜面及び第二傾斜面を介して、第一凸部の下方に配置されるとともに橋桁で支持された第二凸部で支持される。
この発明によれば、橋桁で支持された第二凸部よりも交差方向の他方側に配置された第一凸部に厚さ方向に沿って下方に向かって荷重を作用させる。この荷重は、第一傾斜面及び第二傾斜面を介して、第一凸部の下方に配置されるとともに橋桁で支持された第二凸部で支持される。
請求項2に記載のプレキャスト床版の接続構造によれば、第一凸部と第二凸部との間に他の部材を設けることなく、第一凸部と第二凸部とを第一傾斜面と第二傾斜面との間に作用する静止摩擦力により接続することができる。
請求項4に記載のプレキャスト床版の接続構造によれば、外力に対して第一凸部が破損しにくくなる。
請求項5に記載のプレキャスト床版システムによれば、両プレキャスト床版をプレキャスト床版の接続構造を用いて容易に接続することができる。
請求項7に記載の橋構造によれば、複数の橋桁のうち交差方向の他方側の端に配置された橋桁が支持する第二凸部よりも交差方向の他方側に配置された第一凸部と第二プレキャスト床版との間に、厚さ方向に段差が形成されるのを抑制することができる。
以下、本発明に係るプレキャスト床版システム(以下、床版システムとも略称する)の第1実施形態を、図1から図10を参照しながら説明する。
図1から3に示すように、本床版システム1は、第一プレキャスト床版10と、第一プレキャスト床版10の側面10aから突出するように形成された複数の第一凸部15と、第二プレキャスト床版20と、第二プレキャスト床版20の側面20aから突出するように形成された複数の第二凸部25とを備えている。
なお、複数の第一凸部15及び複数の第二凸部25で、本実施形態のプレキャスト床版の接続構造(以下、接続構造とも略称する)2を構成する。これら、第一プレキャスト床版10の側面10a及び第二プレキャスト床版20の側面20aは、第一プレキャスト床版10の厚さ方向Zに平行な面である。
図3は、後述する並び方向Xに直交する平面による断面図である。
本実施形態では、第一凸部15は、第一プレキャスト床版10と第二プレキャスト床版20とが並べて配置される並び方向Xに平行に見たときに、平行四辺形状に形成されている(図3参照)。この並び方向Xは、厚さ方向Zに直交(交差)する方向である。
第一凸部15の外面15a、15bは、第一プレキャスト床版10の第一主面(主面)10b、第二主面10cにそれぞれ面一である。これら外面15a、15bは、厚さ方向Zに直交する平坦な面である。第一凸部15の厚さ(厚さ方向Zの長さ)は、第一プレキャスト床版10の厚さに等しい。
図3に示すように、第一プレキャスト床版10の第一主面10bと第一傾斜面15c、15dとのなす角度を、θ(rad:ラジアン)とする。ただし、角度θは鋭角、すなわち0よりも大きくπ/2未満であるとする。この例では、例えば角度θは0.436rad(25°)である。
第一プレキャスト床版10及び複数の第一凸部15は、RC(Reinforced Concrete:鉄筋コンクリート)又はPC(Prestressed Concrete)等で一体に形成されている。
すなわち、第二プレキャスト床版20は、厚さ方向Zに平行に見たときに矩形状となる板状に形成されている。第二凸部25は、並び方向Xに平行に見たときに、平行四辺形状に形成されている。第二プレキャスト床版20の側面20aは、第一プレキャスト床版10の側面10aに対向する面である。
図3に示すように、第二凸部25の外面25a、25bは、第二プレキャスト床版20の第一主面(主面)20b、第二主面20cにそれぞれ面一である。これら外面25a、25bは、厚さ方向Zに直交する平坦な面である。第二凸部25の厚さは、第二プレキャスト床版20の厚さに等しい。第二プレキャスト床版20の厚さは、第一プレキャスト床版10の厚さに等しい。
第二プレキャスト床版20の第一主面20bと第二傾斜面25c、25dとのなす角度は、前述の角度θとなる。
例えば、角度θが0.436radの場合には、tanθの値は0.47になる。第一凸部15及び第二凸部25がそれぞれコンクリートで形成されているこの例では、例えば静止摩擦係数μは0.6である。
同様に、第一傾斜面15dと第二傾斜面25cとの静止摩擦係数は、前述の静止摩擦係数μに等しく、tanθの値以上である。
第二プレキャスト床版20及び複数の第二凸部25は、第一プレキャスト床版10と同一の材料で一体に形成されている。
このように構成された床版システム1は、例えば図4に示すように、第一プレキャスト床版10に対して第二プレキャスト床版20を第一傾斜面15cに沿う方向である方向Tに移動させ、複数の第一凸部15と複数の第二凸部25とを係合させることで、第一プレキャスト床版10と第二プレキャスト床版20とが接続される。複数の第一凸部15及び複数の第二凸部25は、床版システム1の櫛形のせん断キーとなる。
このとき、第一傾斜面15cと第二傾斜面25dとの間等に摩擦力が作用するが、この摩擦力に抗して第一凸部15と第二凸部25とを係合させる。
自動車Cは、アスファルト舗装層上を並び方向Xに沿って走行する。自動車CのタイヤC1が、アスファルト舗装層を介して床版システム1に下方に向かって輪荷重(荷重)Pを作用させるとする。この例では、輪荷重Pが第一凸部15の外面15bに作用する場合について説明する。
輪荷重Pは、第一傾斜面15cに沿う方向である方向Tの分力であるずれ力Phと、方向Tに直交する方向の分力である支圧力Pvとに分解される。なお、ずれ力Ph及び支圧力Pvの大きさは、(1)式及び(2)式のように規定される。
Ph=Psinθ ・・(1)
Pv=Pcosθ ・・(2)
Q=μPv=μPcosθ ・・(3)
ここで、静止摩擦力Qの大きさとずれ力Phの大きさとを比較すると、(4)式のようになる。
Q−Ph=μPcosθ−Psinθ=Pcosθ(μ−tanθ)
≒P×0.91×(0.6−0.47) ・・(4)
このように、輪荷重Pが作用したときに、第一凸部15に対して第二凸部25が方向Tに移動しようとする。しかし、静止摩擦力Qにより第一凸部15と第二凸部25との方向Tの移動が規制されているため、第一プレキャスト床版10と第二プレキャスト床版20とが相対的に移動しないで一体化した状態が保持される。
輪荷重Pが第一凸部15に作用する場合と同様に、輪荷重Pは、方向Tの分力であるずれ力Phと、方向Tに直交する方向の分力である支圧力Pvとに分解される。
ずれ力Ph、支圧力Pv、及び静止摩擦力Qの大きさは、(1)式、(2)式、及び(3)式と同一である。なお、この場合の静止摩擦力Qは、第一傾斜面15dと第二傾斜面25cとの間に作用するものとなる。
この場合においても、静止摩擦力Qの大きさとずれ力Phの大きさとの差が(4)式のようになる。静止摩擦力Qにより第一凸部15と第二凸部25との方向Tの移動が規制され、第一プレキャスト床版10と第二プレキャスト床版20とが一体化する。
このように、輪荷重Pが接続構造2である第一凸部15及び第二凸部25のいずれに作用しても、第一プレキャスト床版10と第二プレキャスト床版20とが一体化した状態が保持される。
こうして、非特許文献1のようにパイプ及びMMA樹脂といった複数の部材を用いることなく、第一凸部15と第二凸部25とを静止摩擦力Qだけで接続することでプレキャスト床版10、20同士を容易に接続することができる。
第一傾斜面15cと第二傾斜面25dとの静止摩擦係数μはtanθの値以上であるため、第一凸部15と第二凸部25との間に他の部材を設けることなく、第一凸部15と第二凸部25とを第一傾斜面15cと第二傾斜面25dとの間に作用する静止摩擦力により接続することができる。
例えば、図6に示すように、第一凸部30の第一傾斜面30c、30dが曲面であってもよい。この変形例では、第一傾斜面30cと第一プレキャスト床版10の第一主面10bを延長した面との交線L2は、直線状である。このように、第一傾斜面30c、30dは、平坦でなく、所定の曲率半径で湾曲していてもよい。
図示はしないが、第二凸部も第一凸部30と同様に形成される。
この場合、第一プレキャスト床版10と第二プレキャスト床版20とを接続するには、第一プレキャスト床版10と第二プレキャスト床版20とを並び方向Xに移動させる。
第一凸部35の第一傾斜面35c、35dは曲面であり、第一傾斜面35cと第一傾斜面35dとは滑らかに連なっている。
第一凸部35の第一傾斜面35c、35dと第一プレキャスト床版10の第一主面10bを延長した面との交線L4、L5は曲線状である。交線L4、L5は、全体として正弦波のようであり、全ての部分が曲線状である。
第二凸部40は、第一凸部35と同様に第一凸部35に係合するように形成されている。
なお、この変形例では、交線L4、L5の全ての部分が曲線状であるとしたが、交線L4、L5の一部が直線状でもよい。具体的には、図2に示す交線L1の長手方向の中央部が直線状で、両端部がそれぞれ角を無くすように曲線状であってもよい。
充填材45の固着力は、凸部15、25に輪荷重Pが作用しても第一凸部15と第二凸部25とが方向Tに移動しないように、充填材45に添加する添加物や充填材45のグレード等を選定して調節される。
このように床版システム1Bを構成しても、本実施形態の床版システム1と同様の効果を奏することができる。
さらに、第一凸部15と第二凸部25とが充填材45により固着されることで、第一凸部15と第二凸部25とが第一傾斜面15cに直交する方向にガタつくのを抑制することができる。
図9は、実施例及び比較例のプレキャスト床版の段差の解析結果を示す。線L21で示したものが充填材45を有する実施例の床版システム1Bでの解析結果である。図の横軸における位置A1、A2に接続構造2が配置され、位置A1と位置A2との間の範囲A3に1枚のプレキャスト床版10が配置されている。1枚のプレキャスト床版10の並び方向Xの長さは、2mとした。プレキャスト床版10を並び方向Xに挟むように、他のプレキャスト床版が配置されている。
なお、輪荷重Pは、図中に示すプレキャスト床版の位置A1側の端部に作用させている。
非連続構造では、並び方向Xに隣り合うプレキャスト床版間に長さD6の大きな段差が生じる。連続構造では段差は生じない。
実施例の床版システム1Bによる段差の長さD7は、0.15mm程度である。
プレキャスト床版間に接続構造を設けて実施例の床版システム1Bとすることで、比較例の床版システムに比べて段差が小さくなり、連続構造の床版システムに近い変形量となることが分かった。
線L24で示したものが実施例の床版システム1Bでの解析結果である。比較例として、非連続構造の床版システムの解析結果を線L25で示し、連続構造の床版システムの解析結果を線L26で示す。
床版システム1Bの目開きの長さD8は、非連続構造の床版システムの目開きの長さD9と同程度で0.25mm程度であることが分かった。なお、連続構造では目開きは生じない。
次に、本発明の第2実施形態について図11及び図12を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図11に示すように、本実施形態の道路橋(橋構造)3は高速道路等用のものであり、前述の床版システム1と、プレキャスト床版10、20に取付けられ、プレキャスト床版10、20を下方から支持する複数の橋桁50とを備えている。
なお、図11は、並び方向Xに直交する平面による断面図である。
複数の橋桁50は、並び方向Xに延びるとともに直交方向Yに間隔を空けて並べて配置されている。この並び方向Xは、道路橋3の橋軸方向Uに平行な方向となる。厚さ方向Zは、例えば鉛直方向Vと平行になる。
橋桁50は、並び方向Xに間隔を開けて配置された橋脚55(図11では1本のみ示す)により下方から支持されている。
直交方向Yにおいて、直交方向Yに隣り合う橋桁50の支持面52aの間である範囲R1には、第一傾斜面15c、15d及び第二傾斜面25c、25dの少なくとも一部がそれぞれ配置されている。
本実施形態では範囲R1内において、上方にある第一傾斜面15cが下方にある第二傾斜面25dに支持される。これにより、第二凸部25に対して第一凸部15が下方に移動することで第一プレキャスト床版10と第二プレキャスト床版20の第二凸部25との間に厚さ方向Zに段差が形成されるのを抑制することができる。
第二傾斜面25dは、第二プレキャスト床版20の第二主面20cから第一主面20b側に厚さ方向Zに(下方に)移動するにしたがって直交方向Yの他方側Y2に向かうように傾斜している。第二傾斜面25dの直交方向Yの一方側Y1の端25eは、橋桁50の支持面52a上に配置されている。すなわち、厚さ方向Zに平行に見たときに、第二傾斜面25dの端25eは橋桁50の支持面52aが占める範囲内に配置されている。
このため、並び方向Xにおいて支持面52aの直交方向Yの他方側Y2よりもさらに直交方向Yの他方側Y2の第一凸部15の位置Q1に厚さ方向Zに沿って下方に向かって輪荷重Pを作用させる。この輪荷重Pは、第二傾斜面15c及び第一傾斜面25dを介して、輪荷重Pを作用させた第一凸部10の下方に配置されるとともに橋桁50で支持された第二凸部25で支持される。
この場合、輪荷重Pは第二凸部25に作用するが、第二凸部25の下方には第二凸部25を支持する第一凸部10や橋桁50がないので、第二凸部25の直交方向Yの他方側Y2の端部は、仮想線L12示すように下方に向かって湾曲してしまう。
第二傾斜面25cは厚さ方向Zに沿って下方に移動するにしたがって直交方向Yの一方側Y1に向かうように傾斜している。第二傾斜面25cの直交方向Yの他方側Y2の端25fは、橋桁50Aの支持面52a上に配置されている。すなわち、厚さ方向Zに平行に見たときに、第二傾斜面25dの端25fは橋桁50Aの支持面52aが占める範囲内に配置されている。
この場合、輪荷重Pは第一凸部15Aに作用するが、第一凸部15Aの下方には第一凸部15Aを支持する第二凸部25や橋桁50がないので、第一凸部15Aは仮想線L13示すように下方に移動してしまう。
また、並び方向Xにおいて支持面52aの直交方向Yの他方側Y2よりもさらに直交方向Yの他方側Y2の第一凸部15の位置Q1に厚さ方向Zに沿って下方に向かって輪荷重Pを作用させる。この輪荷重Pは、第二傾斜面15c及び第二傾斜面25dを介して、第一凸部15の下方に配置されるとともに橋桁50で支持された第二凸部25で支持される。
したがって、交差方向に隣り合う橋桁50の支持面52aの間において、一方のプレキャスト床版と他方のプレキャスト床版の凸部との間に厚さ方向Zに段差が形成されるのを抑制することができる。
このため、第一凸部15Aに厚さ方向Zに沿って下方に向かって輪荷重Pを作用させる。この輪荷重Pは、第一傾斜面15d及び第二傾斜面25を介して、第一凸部15Aの下方に配置されるとともに橋桁50Aで支持された第二凸部25で支持される。
したがって、第一凸部15Aと第二プレキャスト床版20との間に、厚さ方向Zに段差が形成されるのを抑制することができる。
橋構造は道路橋であるとしたが、橋構造は鉄道橋等であるとしてもよい。
2 接続構造(プレキャスト床版の接続構造)
3 道路橋(橋構造)
10 第一プレキャスト床版
10a、20a 側面
10b、20b 第一主面(主面)
15、15A、30、35 第一凸部
15c、15d、30c、30d 第一傾斜面
20 第二プレキャスト床版
20c 第二主面
25、40 第二凸部
25c、25d 第二傾斜面
25e、25f 端
45 充填材
50、50A 橋桁
52a 支持面
L4、L5 交線
X 並び方向
Y 直交方向(交差方向)
Z 厚さ方向
θ 角度
μ 静止摩擦係数
Claims (7)
- 板状に形成され、厚さ方向に交差する並び方向に並べて配置された第一プレキャスト床版と第二プレキャスト床版とを接続するプレキャスト床版の接続構造であって、
前記第一プレキャスト床版の側面から突出するように形成され、前記厚さ方向及び前記並び方向にそれぞれ交差する交差方向の一方側に向かうにしたがって前記厚さ方向の一方側に向かうように傾斜した第一傾斜面を有する第一凸部と、
前記第二プレキャスト床版の側面から突出するように形成され、前記第一傾斜面に沿って傾斜するとともに前記第一傾斜面に接触する第二傾斜面を有する第二凸部と、
を備え、
前記第一凸部と前記第二凸部との前記第一傾斜面に沿う方向の移動が、前記第一傾斜面と前記第二傾斜面との間に作用する静止摩擦力、又は、前記第一傾斜面及び前記第二傾斜面に作用する固着力により規制されることを特徴とするプレキャスト床版の接続構造。 - 前記第一凸部と前記第二凸部との前記第一傾斜面に沿う方向の移動が、前記第一傾斜面と前記第二傾斜面との間に作用する前記静止摩擦力により規制され、
前記並び方向に直交する断面において、前記第一プレキャスト床版の主面と前記第一傾斜面とのなす角度をθ(rad)としたときに、前記第一傾斜面と前記第二傾斜面との静止摩擦係数はtanθの値以上であることを特徴とする請求項1に記載のプレキャスト床版の接続構造。 - 前記第一プレキャスト床版の側面と前記第二プレキャスト床版の側面との間に設けられ、前記第一傾斜面及び前記第二傾斜面にそれぞれ固着する充填材を備え、
前記第一凸部と前記第二凸部との前記第一傾斜面に沿う方向の移動が、前記第一傾斜面と前記充填材との間に作用する前記固着力、及び前記第二傾斜面と前記充填材との間に作用する前記固着力により規制されることを特徴とする請求項1に記載のプレキャスト床版の接続構造。 - 前記第一傾斜面と前記第一プレキャスト床版の主面を延長した面との交線の少なくとも一部は曲線状であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のプレキャスト床版の接続構造。
- 請求項1に記載のプレキャスト床版の接続構造と、
前記第一プレキャスト床版と、
前記第二プレキャスト床版と、
を備えることを特徴とするプレキャスト床版システム。 - 請求項5に記載のプレキャスト床版システムと、
前記第一プレキャスト床版の主面及び前記第二プレキャスト床版の主面に支持面が取付けられ、前記並び方向に延びるとともに前記交差方向に間隔を空けて複数並べて配置され、前記第一プレキャスト床版及び前記第二プレキャスト床版を下方から支持する橋桁と、
を備え、
前記交差方向において、前記交差方向に隣り合う前記橋桁の前記支持面の間には、前記第一傾斜面及び前記第二傾斜面の少なくとも一部がそれぞれ配置され、
前記並び方向に直交し、かつ、前記第二プレキャスト床版の前記第二凸部を前記橋桁が支持する位置での断面において、
前記第二傾斜面は前記第二プレキャスト床版の第二主面から前記主面側に前記厚さ方向に移動するにしたがって前記交差方向の一方側に向かうように傾斜し、かつ、前記第二傾斜面の前記交差方向の他方側の端は前記橋桁の前記支持面上に配置されていることを特徴とする橋構造。 - 前記並び方向に直交し、前記第二プレキャスト床版の前記第二凸部を複数の前記橋桁のうち前記交差方向の他方側の端に配置された前記橋桁が支持するとともに、前記第二凸部よりも前記交差方向の他方側に前記第一凸部が配置された位置での断面において、
前記第二傾斜面は前記第二プレキャスト床版の第二主面から前記主面側に前記厚さ方向に移動するにしたがって前記交差方向の他方側に向かうように傾斜し、かつ、前記第二傾斜面の前記交差方向の一方側の端は前記橋桁の前記支持面上に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の橋構造。
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