JP2016204882A - 防護柵用支柱の立設方法及びその支柱 - Google Patents
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Abstract
Description
防護柵用支柱の地上部には複数のブラケットが所定の間隔を隔てて溶接してあり、各ブラケットに設けた保持手段に防護ネットを構成する複数の横ロープを保持させている。
特許文献2には支柱の運搬性と搬入性を改善するため、支柱本体を上下に分割した組立式の支柱が開示されている。
この組立式の支柱は鋼管製の外管、中管、内管の三重管からなり、地中深く建て込んだ外管の上口に、内管入りの中管の下部を内挿し、外管の上端と中管の途中に夫々設けた環状フランジの重合部をボルト連結している。
この種の支柱を立設するには、1)特許文献3に開示されているようなダンザホールハンマを使用して、地中深くまで削孔を行う削孔工程、2)ダンザホールハンマを撤去する工程、3)孔内に支柱本体を構成する各管を挿入して支柱本体を組み立てる工程、4)支柱本体の内部にセメント系の固結材を充填して三重管を一体化する工程を経て立設している。
<1>ダウンザホールハンマ工は、クレーン等の大型建機を使用して施工するために、1本の孔の削孔コストが支柱単価と同額かそれ以上となって極めて高いものとなる。
そのため、支柱の立設費用が防護柵の施工コストの上昇要因となっている。
<2>支柱が合成構造である場合、強度確保の観点から支柱本体内の全長に亘って固結材を充填している。
そのため、支柱本体の内部空間の全域に充填するだけの大量の固結材が必要となり、固結材コストが支柱コストを上昇させる一因となっている。
<3>上記した工費と資材コストが嵩むことから杭式防護柵の普及が阻害されている。
機能的に優れている杭式防護柵を普及するために、工費と資材コストの大幅な削減が可能な改良技術の提案が切望されている。
<4>小中規模の防護柵において、支柱を小径化することは施工性及び施工コストの面で有益である。
支柱を合成構造とすれば一般の非合成構造のものと比べて支柱を小径化できる。
その一方で、合成構造の支柱を小径化すると、支柱本体を構成する鋼管の外周面の片側に複数のブラケットを溶接して取り付ける際に、支柱の一部に溶接熱が部分的に作用することから支柱が熱変形(歪)を引き起こす。
殊に横ロープの端部近くを把持して固定する端末支柱のブラケットの固定には、横ロープの破断強度以上の溶接が必要となるために、端末支柱が熱変形を引き起こし易い。
そのため、支柱の小径化に限界があった。
<1>支柱を直接地中に貫入すると、支柱内部に大量の土砂が入り込んでしまい、土砂が入り込んだ分だけ固結材の充填空間が失なわれる。
支柱内部に大量の土砂が入り込んだままの構造体では、所望の支柱強度が得られない。
所望の支柱強度を得るためには、支柱内部に入り込んだ土砂を外部へ排出した後に固結材を充填しなければならない。そのためには、支柱の引き抜き作業と、支柱内の土砂を排出する作業等が新たに増えるが、引抜抵抗により孔壁が自立する可能性は極めて低い。
<2>土砂の入り込み防止のために支柱の下端に蓋をして閉鎖すると、貫入抵抗が増して支柱の打込みが困難となる。
又、支柱の下端が転石や玉石等に衝突すると蓋が簡単に破損してしまう。
更に、鋼管製の支柱をメッキ槽に浸漬してメッキ処理をする際に、メッキ液の出口がなくなり、メッキ方法を新たに考えなければならない。
<1>ダウンザホールハンマを用いずに支柱を立設できて、支柱の立設コストの大幅削減が可能であること。
<2>支柱強度の低下を回避しつつ、セメント系固結材の充填量を削減できること。
<3>支柱が組立式である場合、組立式支柱の利点を保持しつつ、衝撃荷重を支柱の全長に亘って分散して伝達できて、大規模な衝撃荷重に対抗できること。
<4>支柱の荷重負担を各部材に分散して支柱の全長を短くできること。
より具体的には、複数本の管の一部を互いに重合させて組み立てる組立式の支柱を地中に打ち込んで建て込んだ後に、該支柱内に固結材を充填して立設する防護柵用支柱の立設方法であって、地表から上方へ向けて所定の地上範囲に亘って突出する露出部と、地中に建て込む建込部とを有する外装管と、地表に突出する露出部と、前記外装管に挿入する挿入部とを有する内挿管とを具備する組立式の支柱と、前記支柱に内挿して打撃可能な圧密治具とを使用し、前記圧密治具を打撃して圧密治具とともに前記外装管の建込部を地中に貫入して建て込み、前記外装管内に取り込んだ土砂を前記圧密治具で打撃して外装管内の下部に圧密土塊を形成し、前記圧密土塊で閉鎖した外装管の内部に内挿管の挿入部を挿入し、前記内挿管を通じて内挿管と外装管の内部全域に固結材を充填し、前記外装管を介して前記圧密土塊と固結材とを一体に拘束したことを特徴とする。
又、本発明の他の形態では、固結材の充填前に、前記外装管の露出部と内挿管の挿入部の間に連結具を貫挿し、該連結具を介して外装管と内挿管を回転不能に連結しておくとよい。
又、本発明は、複数本の管の一部を互いに重合させて組み立てる組立式の支柱を地中に打ち込んで建て込んだ後に、該支柱内に固結材を充填して立設する防護柵用支柱であって、地表から上方へ向けて所定の地上範囲に亘って突出する露出部と、地中に建て込む建込部とを有する外装管と、地表に突出する露出部と、前記外装管に挿入する挿入部とを有する内挿管と、前記外装管に内挿して打撃可能な圧密治具を外装管に内挿するとともに、前記圧密治具を打撃して圧密治具とともに前記外装管の建込部を地中に貫入して建て込みつつ、前記外装管内に取り込んだ土砂を前記圧密治具で打撃して外装管内の下部に形成した圧密土塊と、前記内挿管を通じて内挿管と外装管の内部全域に充填した固結材とを具備し、前記外装管が前記圧密土塊と固結材とを拘束して一体化したことを特徴とする。
又、本発明の他の形態では、前記外装管の露出部と内挿管の挿入部の間に連結具を貫挿し、該連結具を介して外装管と内挿管を回転不能に連結しておくとよい。
又、本発明の他の形態では、前記組立式の支柱が内挿管の挿入位置の規制手段を具備し、前記規制手段が内挿管の露出部と挿入部の境界部に固着した環状を呈するストッパ笠であり、該ストッパ笠を介して内挿管の露出部と挿入部の境界部を封止してもよい。
又、本発明の他の形態では、前記外装管の露出部と内挿管の露出部の全長に亘り多段的に配置した複数の横ロープを保持するための複数の保持手段が設けてある。
又、本発明の他の形態では、前記外装管の露出部及び内挿管の露出部に環状ブラケットが溶接により取り付けてあり、該環状ブラケットの一部に保持手段を設けるようにしてもよい。
又、本発明の他の形態では、前記支柱の応力集中範囲と等しい長さの内部補強材を更に具備し、前記外部補強材を前記内挿管の内部に位置させて補強してもよい。
又、本発明の他の形態では、前記支柱の応力集中範囲と等しい長さの外部補強材を更に具備し、前記外部補強材を前記外装管の外周面に一体に固着して補強してもよい。
又、本発明の他の形態では、前記所定の地上範囲は約0.5〜2mの長さである。
<1>支柱を構成する管体を打ち込んで立設できるので、ダウンザホールハンマを用いて削孔する従来工法と比較して、支柱の立設コストを大幅に削減できる。
<2>支柱を構成する管体内の下部に形成した土砂製の圧密土塊を固結材の代替材として活用できるので、支柱強度の低下を回避しつつ、セメント系固結材の充填量を削減することができる。
<3>工費と資材コストの大幅な削減が可能となるから、機能的に優れた杭式防護柵の普及に貢献することができる。
<4>支柱が組立式である場合、組立式支柱の利点を保持しつつ、衝撃荷重を支柱の全長に亘って分散して伝達できて、支柱径に比して大きな衝撃荷重に対抗することができる。
<5>固結材に土砂の混入を防止しつつ、ストッパ笠の防水作用により雨水の侵入を防止できて、高品質の支柱を得ることができる。
<6>外装管と内挿管との間を連結具で強固に連結すると、横ロープを張設する際や防護柵に衝撃が作用したときに、内挿管の回転を確実に阻止できる。
<7>支柱を構成する管体の露出部に溶接した環状ブラケットを介して横ロープの保持手段を設けた場合、全周溶接を行うだけの簡単な作業で以て環状ブラケットを取り付けできるだけでなく、溶接熱による支柱の変形を効果的に防止することができる。
<8>支柱が組立式である場合、支柱の荷重負担を各部材に分散して支柱の全長を短くできる。
<1>防護柵の概要
図1に例示した防護柵について説明する。防護柵は、間隔を隔てて立設した複数の支柱10(端末支柱10aと中間支柱10b)と、これらの支柱10間に横架した防護ネット20とを具備する。
本例では防護ネット20を構成する複数の横ロープ21間に跨って隔保持材11を縦向きに配置し、その交差部を固定して横ロープ21の間隔を一定に保持し、更に隣り合う支柱10の頭部間に間隔保持用のサポート梁12を横架した形態について示すが、これらの間隔保持材11やサポート梁12は必須ではなく、省略する場合もある。
本例では支柱10が複数の鋼管等を組み合せた組立式の支柱である場合について説明する。
組立式の支柱10は端末支柱10aと中間支柱10bの二種類を含み、両支柱10a,10bは防護ネット20を構成する横ロープ21の保持手段13,14を除いて他は同一構造であるので、以降は横ロープ21の保持手段13,14を除いて二種類の支柱10a,10bを共通の支柱10として説明する。
図2,3を参照して説明すると、組立式の支柱10は管上部を地表Gに突出させ管下部を地中に建て込む外装管30と、管上部を地表Gに露出させ管下部を外装管30に挿入する内挿管40と、内挿管40内に収容した内部補強材50と、現場にてこれらの両管30,40内に充填することで、外装管30の下部を除いた両管30,40及び内部補強材50の三部材を一体化するセメント系の固結材15と、外装管30の下部に圧密状態で収容された圧密土塊G1とを具備した、鋼と固結材と圧密土砂によるハイブリッド合成構造の支柱である。
外装管30及び内挿管40は共に地表Gから上方へ突出させた管上部の所定範囲に亘り、各横ロープ21を保持するための複数の保持手段13,14を有している。
外装管30は内挿管40に対して大径であり、外装管30に内挿管40を挿入したときに両管30,40の周面間に環状の隙間を形成し、この隙間が固結材充填用の空間となる。
外装管30の下部の建込部32の全長は内挿管40の全長より長い寸法関係にあり、例えば内挿管40の下部の挿入部42が外装管30の全長の1/2以上の長さ分を挿入し、両管30,40を地中に建て込んだときに外装管30が最深部に達する。
内部補強材50の全長は内挿管40と同じか、又は、内挿管40の全長よりやや短い寸法関係にあり、内部補強材50は内挿管40の露出部41内だけでなく、内挿管40の挿入部42と外装管30との重合部の適宜の範囲にも跨って配置する。
内部補強材50の下部は例えば外装管30の全長の1/2以上の長さ分を挿入する。
図3(A)を参照して説明すると、外装管30は、地中に建て込むための両端を開口した均一径の中空管であり、地表Gから上方へ突出する露出部31と、地中に打ち込んで建て込む建込部32を有する。
外装管30の露出部31の長さは防護柵の全高や衝突物の種類に応じて適宜選択するが、少なくとも地表Gから0.5m以上の長さを有し、実用的には地表Gから1〜2m程度の長さを有することが望ましい。
外装管30の建込部32は地質や最大衝撃荷重等に応じた適宜の長さを有する。
図3(B)を参照して説明すると、内挿管40は外装管30に内挿して立設するための両端を開口した均一径の中空管であり、外装管30から上方へ突出する露出部41と、外装管30内へ挿入する挿入部42を有する。
内挿管40の露出部41の長さは防護柵の全高等に応じて適宜選択する。
内挿管40の挿入部42の長さは外装管30の全長の1/2以上の長さが望ましい。
内挿管40の挿入部42の外周面には所定の間隔を隔ててセンタリング用の複数の突起スペーサ43が突設してある。
複数の突起スペーサ43は外装管30の内周面に当接可能な突起体であり、内挿管40は複数の突起スペーサ43を介してして外装管30に内挿することが可能である。
支柱10は外装管30に対する内挿管40の挿入位置の規制手段を有する。
図4を参照して外装管30に対する内挿管40の挿入位置の規制手段について説明する。内挿管40の露出部41と挿入部42の境界部の外周面には、径方向に向けて突出した環状のストッパ笠45を有する。
ストッパ笠45はその下面を外装管30の上口端に当接させることで、外装管30に対する内挿管40の挿入位置を特定位置に規制することができる。
ストッパ笠45を環状に形成したのは、外装管30の環状を呈する上口を封鎖して外部からの浸水を防止するためである。
支柱10は外装管30と内挿管40の回転防止手段を具備する。
図4を参照して説明すると、本例では外装管30の露出部31の上部周面及び内挿管40のストッパ笠45の下方の周面に設けた単数又は複数の貫通穴33,46と、これらの両管30,40の貫通穴33,46に貫挿する単数又は複数の通しボルト、ナット等の連結具34との組み合わせからなる。
両管30,40及び内部補強材50の重合部に連結具34を貫通することで両管30,40の相互間の回転を確実に防止できる。
本発明が前提とする防護柵は、外装管30の露出部31に同種の保持手段13(14)を複数設けだけでなく、内挿管40の露出部41にも間隔を隔てて同種の保持手段13(14)を複数設け、両管30,40の露出部31,41の範囲に亘って複数の横ロープ21を保持し得るように構成した。
以降に端末支柱10aに適用した摩擦摺動式の保持手段13と、中間支柱10bに適用した係留式の保持手段14について説明する。
図5には端末支柱10aを構成する外装管30の露出部31と内挿管40の露出部41に設ける摩擦摺動式の保持手段13を示している。
この保持手段13は二枚の挟持板13a,13aと、これらの挟持板13a,13aを締め付け可能な把持ボルト13b、ナット13c等の締結具を具備した緩衝具であり、両管30,40の露出部31,41に亘って等間隔に設けてある。
各挟持板13aの対向面には横ロープ21を収容可能な断面半円形の溝を有していて、両挟持板13a,13aを突き合せたときに横ロープ21の外周面を把持可能な把持溝13dを形成する。
さらに両挟持板13a,13aの板面には複数の貫通孔13eが穿設してあって、貫通孔13eに挿通した把持ボルト13bにナット13cを締め付けることで横ロープ21を所定の把持力で保持することが可能である。
摩擦摺動式の保持手段13は本例に限定されず、公知の緩衝具が適用可能である。
端末支柱10aの溶接熱による熱変形を防止するため、環状ブラケット16を使用して保持手段13を取り付ける。
図5を参照して説明すると、環状ブラケット16は外装管30又は内挿管40に外装して溶接可能なリング部16aと、リング部16aの一部に垂設した取付板16bとからなる。
取付板16bの上下部には把持ボルト13bの軸部を収容可能な溝16cを形成している。
本例では各収容溝16cに収容させた把持ボルト13bとナット13cを活用して、保持手段13を取付板16bへ固定しつつ、保持手段13を構成する二枚の挟持板13a,13aに所定の把持力を付与する場合について示すが、これらを個別のボルト、ナットで行ってもよい。
端末支柱10aは中間支柱10bと比べて横ロープ21を介して大きな荷重が作用するため、保持手段13を強固に取り付ける必要がある。
従来の取付け技術のように端末支柱10aの外周の一部に単片ブラケットを溶接すると、溶接熱が偏って鋼管製の端末支柱10aが熱変形するおそれがある。
そこで、端末支柱10aの全周面に溶接熱を均等に作用させるために環状ブラケット16を採用した。
環状ブラケット16を用いることで、リング部16aと小中径鋼管製の外装管30又は内挿管40の間を簡単な全周溶接によって強固に固定することができる。
図6に例示した係留式の保持手段14について説明する。
係留式の保持手段14は横ロープ21を中間支柱10bに分離不能に係留するための係留部材であり、両管30,40の露出部31,41に亘って等間隔に設けてある。
本例の保持手段14は横ロープ21を挿通可能なリング体14aと、リング体14aを固定する固定部14bとからなり、その固定部14bを両管30,40の露出部31,41の周面に突設したブラケット19に一体に固定してある。
例示した以外の保持手段14としては、U字形のフックの両端、又はリングの一部を中間支柱10bの外周面に直接固着したものでもよい。
内部補強材50は、支柱10の地表Gの上位及び下位の連続区間であって、最も大きな曲げモーメントが働く応力集中範囲を連続的に補強する鋼製の管内補強材である。
本例の内部補強材50は角パイプ製等の中空の補強芯51と、補強芯51の相対向する一対の短辺側の側面に一体に付設した主補強材である帯状の内補強板52と、内補強板52の側面に一体に付設した副補強材である外補強板53とを具備する。
芯材51は両端を開放した角パイプに限定されず、H鋼等の公知の鋼材を含む。
内外補強板52,53の板厚と横幅は図示した形態に限定されず、適宜選択するものとする。又、内外補強板52,53の何れか一方を省略する場合もある。
内部補強材50を構成する各資材の全長は、補強芯51、内補強板52、外補強板53の順に短く形成してある。
最も大きな曲げモーメントが発生する支柱10の地上区間と地中区間は、補強芯51の両側(引張側と圧縮側)に両補強板52,53を積層配置して補強し、次に大きな曲げモーメントが発生する区間は補強芯51の両側(引張側と圧縮側)に内補強板52を付設して補強する。
本例では、防護ネット20を隣り合う支柱10間に水平に向けて多段的に横架した金属製、又は繊維製の複数の横ロープ21と、複数の横ロープ21に付設した金属製、繊維製、又は樹脂製のネット22とにより構成する場合について説明するが、防護ネット20は図示した形態に限定されず、落石、雪崩、崩落土砂等を捕捉可能な公知の防護ネットを含む。
図8A,9を参照して説明すると、圧密治具80は外装管30を地中に建て込む際に外装管30に内挿して使用し、外装管30内に入り込んだ土砂を加圧して圧密するための治具である。
圧密治具80は柱状を呈し、外装管30に内挿可能な杆部81と、杵部81の基端に拡径して形成した外装管30に内挿不能な受撃頭部82を具備する。
杵部81の先端には外装管30に内接可能な押圧部83を形成していて、押圧部83が外装管30の内空を遮断することで、外装管30の下部に取込空間35を画成する。
杵部81の周面には単数又は複数のセンタリング用のスペーサ84が設けてある。
受撃頭部82は外装管30より大径の受撃部材であり、受撃頭部82の下面を外装管30の上口端に当接して頭部82に作用する打込力を外装管30へ伝達する。
図9に例示した圧密治具80について説明すると、同図の(A)は杵部81を一本ものの部材で形成した形態を示す。
同図の(B)は杵部81の全長を調整可能に構成した形態を示す。本例では杵部81をスライド可能な複数の内管81aと外管81bで構成し、内管81a及び外管81bをスライドさせて全長を調整し、両管81a,81bに穿設したピン穴に連結ピン81cを差し込んで固定する形態を示すが、杵部81の長さ調整機構は公知の機構が適用可能である。
図8Aを参照して説明すると、圧密治具80の杵部81の全長L4は外装管30の全長L5より短く、かつ、図2に示した内挿管40の挿入部42の全長L6とほぼ等しい寸法関係にある。
圧密治具80の杵部81の全長をこのような寸法関係にしたのは、外装管30を地中に打ち込んだときに外装管30の下口を通じて管内に所定の軸長(L5−L4)の土砂を取り込むためである。
圧密治具80を使用する際には、圧密治具80と外装管30の上部間に連結ボルト85を貫挿して圧密治具80と外装管30との間を連結する。
連結ボルト85を介して圧密治具80と外装管30を一体に連結するのは、外装管30の打込み時のガタツキを防止するとともに、外装管30の建込み高さを調整するためである。
つぎに図8A〜8Cを参照しながら防護柵の構築方法について説明する。
尚、図8A〜8Cでは施工の理解をし易くするために、便宜的に支柱10(端末支柱10a、中間支柱10b)の保持手段13,14の表記を省略している。
図3に示すように、組立式の支柱10は、外装管30、内挿管40、及び内部補強材50がそれぞれ分離独立しているので、軽量化したこれらの各資材を別々に輸送して現場へ搬入した後、以降に説明する作業工程を経て一体構造の支柱10を現場で組み立てるものである。したがって、狭隘な施工現場であっても、資材の搬入と施工が容易である。
建込み予定の外装管30に圧密治具80を内挿し、連結ボルト85を介して圧密治具80と外装管30を一体に連結する。
圧密治具80と一体の外装管30を吊り上げ、圧密治具80の受撃頭部82に打込み力を加えて外装管30を地中に貫入して所定の深さまで建て込む。
外装管30はその全長を地中に建込むのではなく、外装管30の露出部31が地表Gから所定の長さだけ突出する深さまで建て込む。
外装管30の打込み手段90としては、例えば公知のモンケンや各種の杭打機を使用できる。実用的にはガードレール用支柱の打込機が好適である。
又、外装管30の上端に直接打撃力を加えるのではなく、圧密治具80の受撃頭部82を介して間接的に打撃力を加えるので、外装管30の上端部の潰れや変形を防止できる。
外装管30の下端開口は開放されたままであるため、外装管30の打込みに伴い外装管30の取込空間35内に土砂が徐々に入り込んでいく。
外装管30の打込み作業を継続すると、圧密治具80の押圧部83が取込空間35内に充満した土砂を徐々に圧密して圧密土塊G1を形成する。
取込空間35内に取り込んだ土砂に玉石等が存在しても、圧密治具80の押圧部83が玉石等を押圧するため、外装管30の打込みが阻害されることはない。
取込空間35内には土砂の逃げ場がないため、外装管30の建込み深さに比例して圧密土塊G1の圧密が進行して徐々に硬度を増していき、外装管30の内面に分離不能に付着して一体化する。
外装管30の建込みを完了したら、図8Aに示した連結ボルト85を抜き取り、外装管30内の圧密治具80を撤去する。
圧密治具80を撤去すると、取込空間35内に取り込んだ圧密土塊G1が外装管30の下部を閉鎖し、外装管30内の圧密土塊G1の上方は開放空間のままである。
換言すれば、外装管30は圧密土塊G1を形成した高さ分だけ底上げされる。
回収した圧密治具80は転用可能であり、新たな支柱10の立設作業で繰り返し使用する。
外装管30の上口を通じて外装管30内に内挿管40の挿入部42を挿入する。
内挿管40の周面に突出したストッパ笠45の下面が外装管30の上口端に当接することで、内挿管40のそれ以上の挿入が規制され、内挿管40は宙吊り状態で位置決めされる。内挿管40の重量は、ストッパ笠45を介して外装管30によって支持される。
既述した圧密治具80の杵部81の全長L4が内挿管40の挿入部42の全長L6と等しい場合は、ストッパ笠45の下面が外装管30の上口端に当接するとともに、内挿管40の下端が圧密土塊G1の上面にも当接する。
ストッパ笠45の下面が外装管30の上口端に当接することで、ストッパ笠45が両管30,40の周面間に形成される環状空間の上口を閉鎖する。
外装管30内に内挿管40の挿入部42を挿入することにより、地表Gに近い側に外装管30の露出部31が位置し、この露出部31の延長線上に内挿管40の露出部41が位置する。
上口を通じて内挿管40内に内部補強材50を挿入して垂下した後、内部補強材51の上部と内挿管40の上部間に通しボルト等の固定具17を貫挿する。
又、内挿管40内に予め内部補強材50を収容して固定具17を貫挿して連結し、一体に連結した内挿管40と内部補強材50とを共通の外装管30内に垂下するようにしてもよい。
外装管30の露出部31の上部周面及び内挿管40のストッパ笠45の下方の周面に設けた貫通穴33,46と内部補強材50の貫通穴51aとを位置合わせし、これらの貫通穴33,46,51aに通しボルト等の連結具34を貫挿して両管30,40の回転を拘束する。
内挿管40の上口を通じて、外装管30、内挿管40、及び内部補強材50内にセメント系の固結材15を充填する。
固結材15としては、例えばセメントミルクやモルタル等の公知のものを使用できる。
最後に、内挿管40の上端の開口にキャップ44を取り付けて支柱10の施工を終了する。
硬化した固結材15は、外装管30と内挿管40との間、及び内挿管40と内部補強材50との間を強固に一体化する。
既述した工程で構築した各支柱10間に防護ネット20を横架する。
本例の場合には、各横ロープ21の端部近くを端末支柱10aの摩擦摺動式の保持手段13に把持させた後、隣り合う中間支柱10bの係留式の保持手段14に挿通させて水平に張設する。必要に応じて横ロープ21間に間隔保持材11を取り付ける。
複数の横ロープ21の横架作業を完了したら、ネット22を付設して防護ネット20の取付けを完了する。
本発明に係る防護柵用の支柱10は、大規模な落石、雪崩、崩壊土砂等に対応可能な防護柵を提供することができる。
山側からの雪崩、崩壊土砂等が防護柵の防護ネット20に衝突すると、防護ネット20が谷側へ撓み変形をしつつ、衝撃荷重を支柱10へ伝達し、最終的に支柱10の強度で以て衝撃荷重を支持する。
山側からの落石が防護ネット20に衝突すると、ネット22を介して横ロープ21に張力が作用する。この張力が端末支柱10aの摩擦摺動式の保持手段13の把持摩擦力を超えると、横ロープ21が保持手段13に対して摺動し、このときの摺動抵抗により衝撃荷重が減衰される。
つぎに支柱10の特性について説明する。
一般的に、防護柵の受撃時には支柱10の地表Gに近い所定(地表Gから0.5〜2m程度の高さ)の地上範囲L1に谷側へ向けて最も大きな曲げモーメントを生成し、支柱10の地表Gに近い所定(地表Gから支柱根入深さの2/3程度の深さ)の地中範囲L2には山側へ向けて最も大きな曲げモーメントを生成する。
既述したように支柱10は、鋼(外装管30と内挿管40)と固結材15と圧密土砂(圧密土塊G1)の三部材によるハイブリッド合成構造体であり、最も大きな曲げモーメントが生成される支柱10の地上範囲L1と地中範囲L2を含む応力集中範囲L3に亘って、固結材15を充填した外装管30と内挿管40の二重管構造体とし、更にその中心部に内部補強材50を埋設して曲げ強度を高めている。
したがって、曲げモーメントの大きさに応じて支柱10の応力集中範囲L3を最も強く補強することができる。
更に、支柱10の応力集中範囲L3は内部補強材50の全長とほぼ等しい関係にある。
一般的に地表Gから支柱根入深さの2/3の範囲には大きな曲げモーメントが作用するが、それより下方(支柱根入深さの1/3程度の範囲)には大きな曲げモーメントが作用しない。
本発明ではこの点に着目し、支柱根入深さの1/3程度の範囲に形成した取込空間35内には固結材15を充填せずに、圧密土塊G1を収容させるようにして、圧密土塊G1を固結材15の代替材として用いるものである。
固結材15と圧密土塊G1は異質の素材の組み合せであるが、共通の外装管30で拘束することで固結材15と圧密土塊G1が構造的に一体の構造物となる。
したがって、支柱10全体の強度を落とすことなく、圧密土塊G1の容積分の固結材15を省略できて経済的である。
図10(A)に従来の組立式の支柱60と防護ネット70とを具備した防護柵における受撃時のモデル図を示す。
従来の支柱60は、上下の建込柱体61と地上柱体62の連結位置が地表Gに非常に近い位置にあるため、支柱60の連結部63が強度的に弱点となっており、更に地中に建て込んだ建込柱体61は大きな曲げモーメントが生成される地上範囲L1の強度部材としてまったく機能しなかった。
これにより、支柱10の応力集中範囲L3には強度的弱点がなくなり、更に応力集中範囲L3に位置する外装管30を強度部材として機能させることが可能となる。
組立式の支柱10は、外管30の露出部31の地表Gからの高さが崩壊土砂Fの衝突高さHの範囲内にあるため、崩壊土砂Fに対して支柱10の突出部、特に外装管30の露出部31の強度を最大限に活用して衝撃荷重(衝撃力)に対抗できる。
図10(A)を参照して説明すると、防護ネット70の上辺と下辺に取り付けた横ロープ71,72を、地上柱体62の上部と下部の二箇所で支持する構造の防護柵が知られている。
この従来の防護柵では、防護ネット70に作用した衝撃力が地上柱体62の上部と下部に局所的に伝達して地上柱体62に谷側へ向けて大きな曲げモーメントがはたらく。
本例の防護柵は、地表Gから突出させた外装管30の露出部31と内挿管40の露出部41の範囲に跨って防護ネット20を取り付けた構造である。
具体的には外装管30の露出部31の複数箇所に防護ネット20の下部に横架した複数の横ロープ21を取り付け、外装管30の露出部31の全体に衝撃荷重を分散して伝達できる構造となっている。
したがって、防護ネット20に作用した衝撃力を両管30,40の露出部31,41の全体で衝撃荷重を分散して支持できるので、地上に突出した両管30,40の露出部31,41にはたらく曲げモーメントが小さくなる。
外装管30と内挿管40の周面間に充填した環状の固結材15aは両管30,40の回転を間接的に拘束している。
更に外装管30と内挿管40に貫挿した連結具34がそ両管30,40の回転を直接的に拘束しているため、外装管30に対する内挿管40の回転防止効果が格段に高くなっている。
したがって、横ロープ21の張設時や防護柵に衝撃が作用したときに、内挿管40の回転を確実に阻止することができる。
支柱10は外装管30に対する内挿管40の挿入位置を規制する規制手段である環状のストッパ笠45が止水機能を併有する。
したがって、ストッパ笠45の下面が外装管30の上口端に当接すると、両管30,40の周面間に充填した環状の固結材15aの上面をストッパ笠45が封鎖して雨水等の浸水を防止する。
したがって、浸水に起因した支柱10の腐食や環状固結材15aの凍結破壊や管の腐食を回避することができる。
地表Gから上方に離れた位置から支柱10内へ固結材15を充填できるから、地表Gの位置、又は地表Gに非常に近い位置から充填する場合と比べて固結材15に土砂が混入することがなくなり、高品質の状態のままの固結材15を充填できる。
既述したように、本発明の支柱10は外装管30と内挿管40の両管を固結材15により一体化するものであり、従来の支柱のように柱体の連結端に環状フランジを形成したり、環状フランジ間を連結するために多数のボルト、ナットを締結したりする必要がない。
したがって、支柱10の連結コストを低減できるだけでなく、不自然な突出物が存在しないので見た目もよくなる。
以降に他の実施例について説明するが、その説明に際し、前記した実施例1と同一の部位は同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図11に外装管30の外周面に板状の外部補強材55を一体に付設して補強して形成した他の支柱10を示す。
本例では外装管30の引張側と圧縮側の外周面に一対の外部補強材55,5を外装管30の略全長に亘り連続して固着した形態について説明する。
外部補強材55は帯状の鋼板を外装管30の曲率に合せて湾曲させた補強材であり、溶接等により外装管30の外周面に固着する。
最も大きな曲げモーメントが生成される支柱10の応力集中範囲に亘って、外装管30の外周面に外部補強材55,55が固着してあればよい。
図11(B)に示すように、本実施例にあっては、固結材15を充填した外装管30と内挿管40の二重管構造体に対し、内部補強材50と外部補強材55,55とが協働して補強できるので、支柱10の径を大径にすることなく、支柱10の曲げ強度を高めることができる。
更に、支柱10の径を大径化せずに済むため、支柱10の根入れ深さを深くする必要がなくなるので、経済的に施工できる。
以上の実施例では外装管30と内挿管40の一部を重合させた組立式の支柱10である場合について説明したが、一本ものの連続した単管(鋼管)で構成してもよい。
単管は両端を開口した鋼管であり、単管支柱10の内部に既述した内部補強材50を収容して支柱10を構成する。必要に応じて単管の外周面に外部補強材55,55を付設する。
G1・・・・・圧密土塊
L3・・・・・支柱の応力集中範囲
10・・・・・組立式の支柱
10a・・・・端末支柱
10b・・・・中間支柱
13・・・・・摩擦摺動式の保持手段
14・・・・・係留式の保持手段
15・・・・・固結材
20・・・・・防護ネット
21・・・・・横ロープ
22・・・・・ネット
30・・・・・外装管
31・・・・・外装管の露出部
32・・・・・外装管の建込部
34・・・・・連結具(管の回転防止手段)
40・・・・・内挿管
41・・・・・内挿管の露出部
42・・・・・内挿の挿入部
45・・・・・ストッパ笠
50・・・・・内部補強材
51・・・・・補強芯
52・・・・・内補強板
53・・・・・外補強板
55・・・・・外部補強材
又、本発明の他の形態では、固結材の充填前に、前記外装管の露出部と内挿管の挿入部の間に連結具を貫挿し、該連結具を介して外装管と内挿管を回転不能に連結しておくとよい。
又、本発明は、複数本の管の一部を互いに重合させて組み立てる組立式の支柱を地中に打ち込んで建て込んだ後に、該支柱内に固結材を充填して立設する防護柵用支柱であって、地表から上方へ向けて所定の地上範囲に亘って突出する露出部と、地中に建て込む建込部とを有する外装管と、地表に突出する露出部と、前記外装管に挿入する挿入部とを有する内挿管と、前記内挿管に内挿して打撃可能な圧密治具と、前記外装管内の土砂を前記圧密治具で圧密した圧密土塊と、前記内挿管を通じて内挿管と外装管の内部全域に充填した固結材とを具備し、前記外装管が前記圧密土塊と固結材とを拘束して一体化したことを特徴とする。
又、本発明の他の形態では、前記外装管の露出部と内挿管の挿入部の間に連結具を貫挿し、該連結具を介して外装管と内挿管を回転不能に連結しておくとよい。
又、本発明の他の形態では、前記組立式の支柱が内挿管の挿入位置の規制手段を具備し、前記規制手段が内挿管の露出部と挿入部の境界部に固着した環状を呈するストッパ笠であり、該ストッパ笠を介して内挿管の露出部と挿入部の境界部を封止してもよい。
又、本発明の他の形態では、前記外装管の露出部と内挿管の露出部の全長に亘り多段的に配置した複数の横ロープを保持するための複数の保持手段が設けてある。
又、本発明の他の形態では、前記外装管の露出部及び内挿管の露出部に環状ブラケットが溶接により取り付けてあり、該環状ブラケットの一部に保持手段を設けるようにしてもよい。
又、本発明の他の形態では、前記支柱の応力集中範囲と等しい長さの内部補強材を更に具備し、前記内部補強材を前記内挿管の内部に位置させて補強してもよい。
又、本発明の他の形態では、前記支柱の応力集中範囲と等しい長さの外部補強材を更に具備し、前記外部補強材を前記外装管の外周面に一体に固着して補強してもよい。
又、本発明の他の形態では、前記外装管の露出部の全長は約0.5〜2mの長さである。
Claims (11)
- 上下端を開口した中空構造の支柱を地中に打ち込んで建て込んだ後に、該支柱内に固結材を充填して立設する防護柵用支柱の立設方法であって、
上下端を開口した中空構造の管体からなる支柱と、
前記支柱に内挿して打撃可能な圧密治具とを使用し、
前記圧密治具を打撃して圧密治具とともに前記支柱を地中に貫入して建て込み、
前記支柱内に取り込んだ土砂を前記圧密治具で打撃して支柱内の下部に圧密土塊を形成し、
前記圧密土塊で閉鎖した支柱の内部全域に固結材を充填し、
前記外装管を介して前記圧密土塊と固結材とを一体に拘束したことを特徴とする、
防護柵用支柱の立設方法。 - 複数本の管の一部を互いに重合させて組み立てる組立式の支柱を地中に打ち込んで建て込んだ後に、該支柱内に固結材を充填して立設する防護柵用支柱の立設方法であって、
地表から上方へ向けて所定の地上範囲に亘って突出する露出部と、地中に建て込む建込部とを有する外装管と、
地表に突出する露出部と、前記外装管に挿入する挿入部とを有する内挿管とを具備する組立式の支柱と、
前記支柱に内挿して打撃可能な圧密治具とを使用し、
前記圧密治具を打撃して圧密治具とともに前記外装管の建込部を地中に貫入して建て込み、
前記外装管内に取り込んだ土砂を前記圧密治具で打撃して外装管内の下部に圧密土塊を形成し、
前記圧密土塊で閉鎖した外装管の内部に内挿管の挿入部を挿入し、
前記内挿管を通じて内挿管と外装管の内部全域に固結材を充填し、
前記外装管を介して前記圧密土塊と固結材とを一体に拘束したことを特徴とする、
防護柵用支柱の立設方法。 - 固結材の充填前に、前記外装管の露出部と内挿管の挿入部の間に連結具を貫挿し、該連結具を介して外装管と内挿管を回転不能に連結したことを特徴とする、請求項2に記載の防護柵用支柱の立設方法。
- 複数本の管の一部を互いに重合させて組み立てる組立式の支柱を地中に打ち込んで建て込んだ後に、該支柱内に固結材を充填して立設する防護柵用支柱であって、
地表から上方へ向けて所定の地上範囲に亘って突出する露出部と、地中に建て込む建込部とを有する外装管と、
地表に突出する露出部と、前記外装管に挿入する挿入部とを有する内挿管と、
前記外装管に内挿して打撃可能な圧密治具を外装管に内挿するとともに、前記圧密治具を打撃して圧密治具とともに前記外装管の建込部を地中に貫入して建て込みつつ、前記外装管内に取り込んだ土砂を前記圧密治具で打撃して外装管内の下部に形成した圧密土塊と、
前記内挿管を通じて内挿管と外装管の内部全域に充填した固結材とを具備し、
前記外装管が前記圧密土塊と固結材とを拘束して一体化したことを特徴とする、
防護柵用支柱。 - 前記外装管の露出部と内挿管の挿入部の間に連結具を貫挿し、該連結具を介して外装管と内挿管を回転不能に連結したことを特徴とする、請求項4に記載の防護柵用支柱。
- 前記組立式の支柱が内挿管の挿入位置の規制手段を具備し、前記規制手段が内挿管の露出部と挿入部の境界部に固着した環状を呈するストッパ笠であることを特徴とする、請求項4又は5に記載の防護柵用支柱。
- 前記外装管の露出部と内挿管の露出部の全長に亘り多段的に配置した複数の横ロープを保持するための複数の保持手段が設けてあることを特徴とする、請求項4乃至6の何れか一項に記載の防護柵用支柱。
- 前記外装管の露出部及び内挿管の露出部に環状ブラケットが溶接により取り付けてあり、該環状ブラケットの一部に保持手段が設けてあることを特徴とする、請求項7に記載の防護柵用支柱。
- 前記支柱の応力集中範囲と等しい長さの内部補強材を更に具備し、前記外部補強材を前記内挿管の内部に位置させて補強したことを特徴とする、請求項4乃至6の何れか一項に記載の防護柵用支柱。
- 前記支柱の応力集中範囲と等しい長さの外部補強材を更に具備し、前記外部補強材を前記外装管の外周面に一体に固着して補強したことを特徴とする、請求項4乃至6又は9の何れか一項に記載の防護柵。
- 前記所定の地上範囲が、0.5〜2mであることを特徴とする、請求項4に記載の防護柵。
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