JP2016204643A - 導電性高分子複合体、導電性高分子複合体の製造方法、導電性高分子複合体組成物及び薄膜 - Google Patents

導電性高分子複合体、導電性高分子複合体の製造方法、導電性高分子複合体組成物及び薄膜 Download PDF

Info

Publication number
JP2016204643A
JP2016204643A JP2016080955A JP2016080955A JP2016204643A JP 2016204643 A JP2016204643 A JP 2016204643A JP 2016080955 A JP2016080955 A JP 2016080955A JP 2016080955 A JP2016080955 A JP 2016080955A JP 2016204643 A JP2016204643 A JP 2016204643A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
conductive polymer
polymer composite
general formula
substituted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016080955A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6864879B2 (ja
Inventor
奥崎 秀典
Shusuke Okuzaki
秀典 奥崎
達也 大堀
Tatsuya Ohori
達也 大堀
康功 久留島
Yasuko Kurushima
康功 久留島
長谷川 貴志
Takashi Hasegawa
貴志 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagase Chemtex Corp
University of Yamanashi NUC
Original Assignee
Nagase Chemtex Corp
University of Yamanashi NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nagase Chemtex Corp, University of Yamanashi NUC filed Critical Nagase Chemtex Corp
Publication of JP2016204643A publication Critical patent/JP2016204643A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6864879B2 publication Critical patent/JP6864879B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)

Abstract

【課題】数平均粒子径が小さく、また、導電性及び表面硬度に優れる薄膜を得るために好適に用いられる導電性高分子複合体を提供すること。【解決手段】下記一般式(1)で表されるチオフェン誘導体を、[化1][一般式(1)中、R1及びR2は、互いに独立して水素原子若しくはC1−4のアルキル基を表すか、又は、互いに結合してC1−4のアルキレン基を表す]スルホン酸基を有する繰り返し構造単位(I)と、反応性置換基を有する繰り返し構造単位(II)とを70〜98:30〜2の組成比で含む水溶性共重合体の存在下で酸化重合させることにより得られ、架橋性を有することを特徴とする導電性高分子複合体。【選択図】なし

Description

本発明は、導電性高分子複合体、導電性高分子複合体の製造方法、導電性高分子複合体組成物及び薄膜に関する。
導電性高分子は、例えば、偏光板保護フィルムや透明タッチパネル等の透明電極、電磁波シールド、固体電解コンデンサといった各分野での使用が盛んに検討されている。導電性高分子の中でも、導電性や水分散性、透明性、熱安定性の高さから、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との複合体(PEDOT/PSS)が特に知られている。
一般に、導電性高分子では、透明性と、導電性及び表面硬度とはトレードオフの関係にある。即ち、導電性高分子を用いて各種機能層を形成する場合、高い透明性を発揮するためには薄膜とする必要があるが、導電性及び表面硬度を高い水準で維持することは困難である。近年のより高い水準での透明性の要求に対し、導電性及び表面硬度の向上が課題となっていた。
この課題を解決する方法として、例えば特許文献1には、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)にアクセプタ物質として機能するアルキルスルホン酸を添加することにより、高導電化を達成することが開示されている。しかしながら、特許文献1の方法では、表面硬度を向上させることは困難であった。また、導電性高分子を用いて各種機能膜を形成する際に表面硬度を付与する方法として、各種バインダーや架橋剤を添加することが一般に行われるが、各種機能膜中の導電性高分子の含有量が相対的に減少する結果、導電性が低下することとなり、高い導電性が求められる用途を中心に問題が生じていた。
国際公開第2014/156417号公報
本発明は、数平均粒子径が小さく、また、導電性及び表面硬度に優れる薄膜を得るために好適に用いられる導電性高分子複合体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、チオフェン誘導体を、スルホン酸基を有する繰り返し構造単位(I)と、反応性置換基を有する繰り返し構造単位(II)とを特定の組成比で含む水溶性共重合体の存在下で酸化重合させることにより得られ、架橋性を有する導電性高分子複合体が、数平均粒子径が小さく、また、導電性及び表面硬度に優れる薄膜を得るために好適に用いられることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の導電性高分子複合体は、
下記一般式(1)で表されるチオフェン誘導体を、
Figure 2016204643
[一般式(1)中、R及びRは、互いに独立して水素原子若しくはC1−4のアルキル基を表すか、又は、互いに結合してC1−4のアルキレン基を表す]
スルホン酸基を有する繰り返し構造単位(I)と、反応性置換基を有する繰り返し構造単位(II)とを70〜98:30〜2の組成比で含む水溶性共重合体の存在下で酸化重合させることにより得られ、架橋性を有することを特徴とする。
本発明の導電性高分子複合体は、数平均粒子径が5〜500nmであることが好ましい。
本発明の導電性高分子複合体において、繰り返し構造単位(I)が下記一般式(2)で表されることが好ましい。
Figure 2016204643
[一般式(2)中、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムを表す]。
本発明の導電性高分子複合体において、繰り返し構造単位(II)が下記一般式(3)又は(4)で表されることが好ましい。
Figure 2016204643
[一般式(3)中、pは1〜5の整数を表し、Rは、単結合、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、Rは、反応性置換基を表す]
Figure 2016204643
[一般式(4)中、Rは、単結合、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、Rは、反応性置換基を表し、Rは、水素原子又はメチル基を表す]。
本発明の導電性高分子複合体において、繰り返し構造単位(II)が一般式(3)で表され、一般式(3)中、Rは、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、かつ、Rは、アルケニル基、アルキニル基、エポキシ基又はオキセタン基を表すか、又は、
繰り返し構造単位(II)が一般式(4)で表され、一般式(4)中、Rは、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、かつ、Rは、アルケニル基、アルキニル基、エポキシ基又はオキセタン基を表すことが好ましい。
本発明の導電性高分子複合体において、繰り返し構造単位(II)が一般式(3)で表され、かつ、一般式(3)中、Rは、水酸基、チオール基、アミノ基、アミド基又はカルボキシル基を表すか、又は、
繰り返し構造単位(II)が一般式(4)で表され、かつ、一般式(4)中、Rは、水酸基、チオール基、アミノ基、アミド基又はカルボキシル基を表すことが好ましい。
本発明の導電性高分子複合体の製造方法は、スルホン酸基を有する繰り返し構造単位(I)と、反応性置換基を有する繰り返し構造単位(II)とを70〜98:30〜2の組成比で含む水溶性共重合体の存在下で、チオフェン誘導体を酸化重合する工程を含むことを特徴とする。
本発明の導電性高分子複合体組成物は、本発明の導電性高分子複合体を含むことを特徴とする。
本発明の導電性高分子複合体組成物は、さらに架橋剤を含むことが好ましい。
本発明の薄膜は、本発明の導電性高分子複合体を用いて得られることを特徴とする。
本発明の導電性高分子複合体は、チオフェン誘導体を、スルホン酸基を有する繰り返し構造単位(I)と、反応性置換基を有する繰り返し構造単位(II)とを特定の組成比で含む水溶性共重合体の存在下で酸化重合させることにより得られ、架橋性を有するため、数平均粒子径が小さく、また、導電性及び表面硬度に優れる薄膜を得るために好適に用いられる。
本発明の導電性高分子複合体の製造方法は、スルホン酸基を有する繰り返し構造単位(I)と、反応性置換基を有する繰り返し構造単位(II)とを特定の組成比で含む水溶性共重合体の存在下でチオフェン誘導体を酸化重合する工程を含むため、本発明の導電性高分子複合体を好適に製造することができる。
本発明の導電性高分子複合体組成物は、本発明の導電性高分子複合体を含むため、液安定性に優れ、また、導電性及び表面硬度に優れる薄膜を得るために好適に用いられる。
本発明の薄膜は、本発明の導電性高分子複合体を用いて得られるため、導電性及び表面硬度に優れる。
<<<導電性高分子複合体>>>
本発明の導電性高分子複合体は、
下記一般式(1)で表されるチオフェン誘導体(以下、単にチオフェン誘導体ともいう)を、
Figure 2016204643
[一般式(1)中、R及びRは、互いに独立して水素原子若しくはC1−4のアルキル基を表すか、又は、互いに結合してC1−4のアルキレン基を表す]
スルホン酸基を有する繰り返し構造単位(I)と、反応性置換基を有する繰り返し構造単位(II)とを70〜98:30〜2の組成比で含む水溶性共重合体(以下、単に水溶性共重合体ともいう)の存在下で酸化重合させることにより得られ、架橋性を有することを特徴とする。
<<チオフェン誘導体>>
チオフェン誘導体は、下記一般式(1)で表される。
Figure 2016204643
[一般式(1)中、R及びRは、互いに独立して水素原子若しくはC1−4のアルキル基を表すか、又は、互いに結合してC1−4のアルキレン基を表す]
1−4のアルキル基としては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
1−4のアルキレン基としては、特に限定されないが、例えば、メチレン基、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1−メチル−1,2−エチレン基、1−エチル−1,2−エチレン基、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基等が挙げられる。これらの中では、メチレン基、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基が好ましく、1,2−エチレン基がより好ましい。
1−4のアルキル基、及び、C1−4のアルキレン基は、その水素の一部が置換されていても良い。
本発明の導電性高分子複合体において、チオフェン誘導体としては、3,4−エチレンジオキシチオフェンが特に好ましい。
<<水溶性共重合体>>
水溶性共重合体は、スルホン酸基を有する繰り返し構造単位(I)と、反応性置換基を有する繰り返し構造単位(II)とを70〜98:30〜2の組成比で含む。本発明においては、この水溶性共重合体をドーパントとして用いることにより、水溶性共重合体同士の間や、水溶性共重合体とバインダーとの間に架橋構造が形成され、薄膜の表面硬度が向上する。
<スルホン酸基を有する繰り返し構造単位(I)>
スルホン酸基を有する繰り返し構造単位(I)(以下、単に繰り返し構造単位(I)ともいう)としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(2)で表される構造、ビニルスルホン酸残基、ビニルスルホン酸残基のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩、ビニルナフタレンスルホン酸残基、ビニルナフタレンスルホン酸残基のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩等が挙げられる。これらの中では、導電性高分子複合体とした場合の水分散性及び導電性に優れることから、下記一般式(2)で表される構造が好ましい。繰り返し構造単位(I)は、特定の構造を有するものを単独で用いても良いし、互いに構造の異なる2種以上のものを併用しても良い。
Figure 2016204643
[一般式(2)中、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムを表す]
アルカリ金属としては、特に限定されないが、例えば、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属としては、特に限定されないが、例えば、マグネシウム、カルシウム等が挙げられる。
Mは、後述の、水溶性共重合体を合成した後に行うイオン交換処理等が容易なことから、ナトリウムであることが好ましい。
一般式(2)で表される構造としては、特に限定されないが、例えば、p−スチレンスルホン酸残基、p−スチレンスルホン酸残基のナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩、m−スチレンスルホン酸残基、m−スチレンスルホン酸残基のナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩、o−スチレンスルホン酸残基、o−スチレンスルホン酸残基のナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩等が挙げられる。これらの中では、水溶性共重合体の合成が容易で、かつ、導電性高分子複合体とした場合の水分散性及び導電性に優れることから、p−スチレンスルホン酸残基及びp−スチレンスルホン酸残基のナトリウム塩が好ましい。
<反応性置換基を有する繰り返し構造単位(II)>
反応性置換基を有する繰り返し構造単位(II)(以下、単に繰り返し構造単位(II)ともいう)としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(3)で表される構造、下記一般式(4)で表される構造、1−テトラデセン誘導体残基、ビニルアントラセン誘導体残基等が挙げられる。これらの中では、水溶性共重合体の合成が容易で、かつ、導電性高分子複合体を用いて形成された薄膜の表面硬度に優れることから、下記一般式(3)又は(4)で表される構造が好ましい。これらの繰り返し構造単位(II)は、特定の構造を有するものを単独で用いても良いし、互いに構造の異なる2種以上のものを併用しても良い。
Figure 2016204643
[一般式(3)中、pは1〜5の整数を表し、Rは、単結合、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、Rは、反応性置換基を表す]
Figure 2016204643
[一般式(4)中、Rは、単結合、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、Rは、反応性置換基を表し、Rは、水素原子又はメチル基を表す]
一般式(3)中のR及び一般式(4)中のRについて、反応性置換基としては、特に限定されないが、例えば、アルケニル基、アルキニル基、エポキシ基、オキセタン基、カルボキシル基、水酸基、チオール基、アミノ基、アミド基等が挙げられる。
繰り返し構造単位(II)が一般式(3)で表される構造である場合、導電性高分子複合体を用いて形成された薄膜の表面硬度の観点から、一般式(3)中、Rは、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、かつ、Rは、アルケニル基、アルキニル基、エポキシ基又はオキセタン基を表すことが好ましい。
別の態様において、導電性高分子複合体を用いて水分散体とした際の水分散性、及び、導電性高分子複合体を用いて形成された薄膜の表面硬度の観点から、一般式(3)中、Rは、水酸基、チオール基、アミノ基、アミド基又はカルボキシル基を表すことが好ましい。
繰り返し構造単位(II)が一般式(4)で表される構造である場合、導電性高分子複合体を用いて形成された薄膜の表面硬度の観点から、一般式(4)中、Rは、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、かつ、Rは、アルケニル基、アルキニル基、エポキシ基又はオキセタン基を表すことが好ましい。
別の態様において、導電性高分子複合体を用いて水分散体とした際の水分散性、及び、導電性高分子複合体を用いて形成された薄膜の表面硬度の観点から、一般式(4)中、Rは、水酸基、チオール基、アミノ基、アミド基又はカルボキシル基を表すことが好ましい。
一般式(3)で表される構造としては、特に限定されないが、例えば、ビニルフェノール残基、ビニル安息香酸残基、アミノスチレン残基、4−ビニルベンジルアミン残基、ビニルベンゼンチオール残基、ビニルベンゼングリシジルエーテル残基等の反応性置換基を有するビニルモノマー残基等が挙げられる。これらの中では、導電性高分子複合体を用いて形成された薄膜の表面硬度の観点から、ビニルフェノール残基、ビニル安息香酸残基、及びアミノスチレン残基が好ましい。
一般式(4)で表される構造としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸残基、メタクリル酸残基、アリルアミン残基、アリルアルコール残基、グリセリンモノアリルエーテル残基、アリルグリシジルエーテル残基、ビニルナフトール残基、ビニルナフタレングリシジルエーテル残基等が挙げられる。これらの中では、水溶性共重合体の合成が容易であり、かつ、導電性高分子複合体を用いて形成された薄膜の表面硬度に優れることから、アクリル酸残基、及びメタクリル酸残基が好ましい。
水溶性共重合体において、繰り返し構造単位(I)と繰り返し構造単位(II)との組成比は、70〜98:30〜2である限り特に限定されないが、75〜98:25〜2であることが好ましく、80〜95:20〜5であることがより好ましい。繰り返し構造単位(I)の組成比が70未満であると、水溶性が低下し、沈殿やゲル化を生じることがあり、98を超えると、耐溶剤性や耐水性が低下することがある。また、繰り返し構造単位(II)の組成比が30を超えると、導電性高分子複合体とした際の導電性が低下することがあり、2未満であると、導電性高分子複合体を用いて形成された薄膜の表面硬度が低下することがある。
水溶性共重合体は、繰り返し構造単位(I)及び繰り返し構造単位(II)に加えて、任意に、他の繰り返し構造単位を含んでも良い。他の繰り返し構造単位としては、特に限定されないが、例えば、スチレン残基、フルオロスチレン残基、ブロモスチレン残基、クロロスチレン残基、ビニルスルホン酸残基等が挙げられる。
また、繰り返し構造単位(II)の一部又は全てを、反応性置換基に変換可能な置換基を有する繰り返し構造単位に置き換えても良い。反応性置換基に変換可能な置換基としては、特に限定されないが、例えば、アルケニル基、アルキニル基、エポキシ基、オキセタン基、カルボキシル基、水酸基、チオール基、アミノ基、アミド基等の反応性置換基に変換可能なハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルチオ基、アミド基等が挙げられる。
これらの他の繰り返し構造単位は、特定の構造を有するものを単独で用いても良いし、互いに構造の異なる2種以上のものを併用しても良い。
水溶性共重合体が繰り返し構造単位(I)及び繰り返し構造単位(II)に加えて他の繰り返し構造単位を含む場合、その含有量は、特に限定されないが、繰り返し構造単位(I)及び繰り返し構造単位(II)の合計量を100モル%とした場合に、30モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることがより好ましい。他の繰り返し構造単位の添加量が、30モル%を超えると、導電性高分子複合体を用いて形成された薄膜の導電性や表面硬度が低下することがある。
水溶性共重合体の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、30,000〜2,000,000であることが好ましく、40,000〜200,000であることがより好ましい。重量平均分子量が30,000未満であると、導電性高分子複合体を用いて薄膜を形成する際、高温高湿下において薄膜中から導電性高分子複合体のブリードアウトが起こり、導電性が低下することがあり、2,000,000を超えると、導電性高分子複合体の水分散性が低下し、ゲル化や沈殿が生じやすくなることがある。
水溶性共重合体は、例えば、スルホン酸基及び重合性ビニル基を有するモノマー(A)と、反応性置換基又は反応性置換基に変換可能な置換基及び重合性ビニル基を有するモノマー(B)とを70〜98:30〜2のモル比で重合させることにより得ることができる。
スルホン酸基及び重合性ビニル基を有するモノマー(A)(以下、単にモノマー(A)ともいう)としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(5)で表される化合物、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩、ビニルナフタレンスルホン酸、ビニルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩等が挙げられる。これらの中では、水溶性及び帯電防止性に優れることから、下記一般式(5)で表される化合物が好ましい。これらのモノマー(A)は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
Figure 2016204643
[一般式(5)中、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムを表す]
アルカリ金属としては、特に限定されないが、例えば、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属としては、特に限定されないが、例えば、マグネシウム、カルシウム等が挙げられる。
Mは、後述の、水溶性共重合体を合成した後に行うイオン交換処理等が容易なことから、ナトリウムであることが好ましい。
一般式(5)で表される化合物としては、特に限定されないが、例えば、p−スチレンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、p−スチレンスルホン酸カリウム、p−スチレンスルホン酸アンモニウム、m−スチレンスルホン酸、m−スチレンスルホン酸ナトリウム、m−スチレンスルホン酸カリウム、m−スチレンスルホン酸アンモニウム、o−スチレンスルホン酸、o−スチレンスルホン酸ナトリウム、o−スチレンスルホン酸カリウム、o−スチレンスルホン酸アンモニウム等が挙げられる。これらの中では、水溶性共重合体の合成が容易で、かつ、導電性高分子複合体とした際の水分散性及び導電性に優れることから、p−スチレンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
反応性置換基又は反応性置換基に変換可能な置換基及び重合性ビニル基を有するモノマー(B)(以下、単にモノマー(B)ともいう)としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(6)で表される化合物、下記一般式(7)で表される化合物、1−テトラデセン誘導体、ビニルアントラセン誘導体等が挙げられる。これらの中では、水溶性共重合体の合成が容易で、かつ、導電性高分子複合体を用いて形成された薄膜の表面硬度に優れることから、下記一般式(6)又は(7)で表される化合物が好ましい。これらのモノマー(B)は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
Figure 2016204643
[一般式(6)中、pは1〜5の整数を表し、Rは、単結合、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、Rは、反応性置換基又は反応性置換基に変換可能な置換基を表す]
Figure 2016204643
[一般式(7)中、Rは、単結合、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、Rは、反応性置換基又は反応性置換基に変換可能な置換基を表し、Rは、水素原子又はメチル基を表す]
一般式(6)中のR及び一般式(7)中のRについて、反応性置換基及び反応性置換基に変換可能な置換基としては、上述のとおりである。
モノマー(B)が一般式(6)で表される化合物である場合、導電性高分子複合体を用いて形成された薄膜の表面硬度の観点から、一般式(6)中、Rは、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、かつ、Rは、アルケニル基、アルキニル基、エポキシ基、オキセタン基又はこれらに変換可能な置換基を表すことが好ましい。
別の態様において、導電性高分子複合体の水分散性、及び、導電性高分子複合体を用いて形成された薄膜の表面硬度の観点から、一般式(6)中、Rは、水酸基、チオール基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基又はこれらに変換可能な置換基を表すことが好ましい。
モノマー(B)が一般式(7)で表される化合物である場合、導電性高分子複合体を用いて形成された薄膜の表面硬度の観点から、一般式(7)中、Rは、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、かつ、Rは、アルケニル基、アルキニル基、エポキシ基、オキセタン基又はこれらに変換可能な置換基を表すことが好ましい。
別の態様において、導電性高分子複合体の水分散性、及び、導電性高分子複合体を用いて形成された薄膜の表面硬度の観点から、一般式(7)中、Rは、水酸基、チオール基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基又はこれらに変換可能な置換基を表すことが好ましい。
一般式(6)で表される化合物としては、特に限定されないが、例えば、ビニルフェノール、ビニル安息香酸、アミノスチレン、4−ビニルベンジルアミン、ビニルベンゼンチオール、ビニルベンゼングリシジルエーテル等の反応性置換基を有するビニルモノマー、4−ブトキシスチレン、2−ブトキシスチレン、4−アセトキシスチレン、4−(1−エトキシエトキシ)スチレン等の反応性置換基へ変換可能な置換基を有するビニルモノマー等が挙げられる。これらの中では、導電性高分子複合体を用いて形成された薄膜の表面硬度の観点から、ビニル安息香酸、ビニルフェノール、及びアミノスチレンが好ましい。
一般式(7)で表される化合物としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アリルアミン、アリルアルコール、グリセリンモノアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ビニルナフトール、ビニルナフタレングリシジルエーテル等が挙げられる。これらの中では、水溶性共重合体の合成が容易であり、かつ導電性高分子複合体を用いて形成された薄膜の表面硬度に優れることから、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
水溶性共重合体を重合する際、モノマー(A)とモノマー(B)とのモル比は、70〜98:30〜2である限り特に限定されないが、75〜98:25〜2であることが好ましく、80〜95:20〜5であることがより好ましい。モノマー(A)のモル比が70未満であると、導電性高分子複合体の水分散性が低下し、沈殿やゲル化を生じることがあり、98を超えると、導電性高分子複合体を用いて形成された薄膜の表面硬度が低下することがある。また、モノマー(B)のモル比が30を超えると、導電性高分子複合体とした際の導電性が低下することがあり、2未満であると、導電性高分子複合体を用いて形成された薄膜の表面硬度が低下することがある。
水溶性共重合体を重合する際、モノマー(A)及びモノマー(B)に加えて、任意に、これらとラジカル共重合可能な他のモノマーを加えても良い。他のモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、スチレン、フルオロスチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン、ビニルスルホン酸等が挙げられる。これらの他のモノマーは、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
モノマー(A)及びモノマー(B)に加えて他のモノマーを加える場合、その添加量は、特に限定されないが、モノマー(A)及びモノマー(B)の合計量100モルに対して、30モル以下であることが好ましく、10モル以下であることがより好ましい。他のモノマーの添加量が、30モルを超えると、薄膜とした際の帯電防止性や耐溶剤性、耐水性が低下することがある。
水溶性共重合体の重合方法としては、例えば、反応容器に反応溶媒、モノマー(A)、モノマー(B)、及び必要に応じてこれらとラジカル共重合可能な他のモノマーを仕込み、必要に応じて分子量調節剤を加え、系内を脱酸素した後、所定温度に加熱し、ラジカル重合開始剤を添加しながら重合すれば良い。この際、急激な重合を避けるため、最初に全てのモノマー混合物を反応容器に仕込むのではなく、各々のモノマーを、重合開始剤や分子量調節剤と共に、反応容器に少量ずつ連続添加しても良い。
反応溶媒は特に限定するものではないが、モノマー(A)とモノマー(B)の溶解性、及び、重合した後に行う重合溶液のイオン交換処理等を考慮すると、水及び水溶性溶剤の混合物が好ましい。
水溶性溶剤としては、モノマー混合物が溶解する組成であれば制限はないが、例えば、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、ブタノール、エチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール、グリセリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。好ましくは、アセトン、エタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。これらの水溶性溶剤は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
反応溶媒の使用量は、特に限定されないが、モノマー全量100重量部に対し、通常、150〜2,000重量部である。
分子量調節剤としては、特に限定されないが、例えば、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルチウラムジスルフィド、2,2’−ジチオジプロピオン酸、3,3’−ジチオジプロピオン酸、4,4’−ジチオジブタン酸、2,2’−ジチオビス安息香酸等のジスルフィド類、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、チオグリコール酸、チオ酢酸、チオリンゴ酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオサリチル酸、3−メルカプト安息香酸、4−メルカプト安息香酸、チオマロン酸、ジチオコハク酸、チオマレイン酸、チオマレイン酸無水物、ジチオマレイン酸、チオグルタール酸、システイン、ホモシステイン、5−メルカプトテトラゾール酢酸、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸、3−メルカプトプロパン−1,2−ジオール、メルカプトエタノール、1,2−ジメチルメルカプトエタン、2−メルカプトエチルアミン塩酸塩、6−メルカプト−1−ヘキサノール、2−メルカプト−1−イミダゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、システイン、N−アシルシステイン、グルタチオン、N−ブチルアミノエタンチオール、N,N−ジエチルアミノエタンチオール、チオフェノール、アミノチオフェノール等のメルカプタン類、ヨードホルム等のハロゲン化炭化水素、ジフェニルエチレン、p−クロロジフェニルエチレン、p−シアノジフェニルエチレン、α−メチルスチレンダイマー、ベンジルジチオベンゾエート、2−シアノプロプ−2−イルジチオベンゾエート、有機テルル化合物、イオウ、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等が挙げられる。これらの分子量調節剤は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
分子量調節剤の使用量は、特に限定されないが、モノマー全量100重量部に対し、通常、0.1〜10重量部である。
ラジカル重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジラウリルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクトエート、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等のパーオキサイド類、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1’−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジサルフェートジハイドレート、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イルプロパン]}ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]テトラハイドレート等のアゾ化合物等が挙げられる。また、必要に応じて、アスコルビン酸、エリソルビン酸、アニリン、三級アミン、ロンガリット、ハイドロサルファイト、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤を併用しても良い。これらのラジカル重合開始剤は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
ラジカル重合開始剤の使用量は、特に限定されないが、モノマー全量100重量部に対し、通常、0.1〜10重量部である。
重合条件は特に限定するものではないが、不活性ガス雰囲気下、20〜120℃で、4〜50時間加熱すれば良く、反応溶媒、モノマー組成、及び重合開始剤種によって適宜調整すれば良い。
上記で得られた水溶性共重合体は、必要に応じて、カチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂、キレート樹脂、限外濾過、及び/又は透析等の方法により、金属カチオン、アンモニウムカチオン、硫酸アニオン、ハロゲンアニオン等の不要なカチオン、アニオン不純物を除去し、精製することができる。
本発明の導電性高分子複合体の数平均粒子径は、特に限定されないが、5〜500nmであることが好ましく、10〜250nmであることがより好ましい。数平均粒子径が5nm未満であると、再凝集しやすくなることがあり、500nmを超えると、製膜時のヘイズが高くなり、光学用途には使用出来なくなる、及び、膜中へのコンタミを防止するためのろ過が出来なくなることがある。
<<<導電性高分子複合体の製造方法>>>
本発明の導電性高分子複合体の製造方法は、スルホン酸基を有する繰り返し構造単位(I)と、反応性置換基を有する繰り返し構造単位(II)とを70〜98:30〜2の組成比で含む水溶性共重合体の存在下で、チオフェン誘導体を酸化重合する工程を含むことを特徴とする。
スルホン酸基を有する繰り返し構造単位(I)と、反応性置換基を有する繰り返し構造単位(II)とを70〜98:30〜2の組成比で含む水溶性共重合体の存在下で、チオフェン誘導体を酸化重合する方法としては、特に限定されず、電気化学的に酸化重合させる方法(電解重合法)や、酸化剤を用いて化学的に酸化重合させる方法(化学重合法)等が挙げられる。このうち、化学重合法は、簡便で大量生産が可能なため、電解重合法と比べ工業的製法に適した方法である。
化学重合法で用いる酸化剤としては、特に限定されないが、例えば、スルホン酸化合物をアニオンとし、高価数の遷移金属をカチオンとする酸化剤等が挙げられる。この酸化剤を構成する高価数の遷移金属イオンとしては、Cu2+、Fe3+、Al3+、Ce4+、W6+、Mo6+、Cr6+、Mn7+及びSn4+が挙げられ、具体例としては、例えば、FeCl、Fe(ClO、Fe(SO、KCrO、過マンガン酸カリウム、四フッ化ホウ酸銅等が挙げられる。また、遷移金属をカチオンとする酸化剤以外の酸化剤としては、例えば、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、過酸化水素、過ホウ酸アルカリ塩等が挙げられる。さらに、超原子価ヨウ素反応剤に代表される超原子価化合物等が挙げられる。これらの中では、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム及びペルオキソ二硫酸アンモニウムが好ましい。これらの酸化剤は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
水溶性共重合体の使用量は、特に限定されないが、チオフェン誘導体100重量部に対して、50〜3000重量部であることが好ましく、100〜1000重量部であることがより好ましく、150〜500重量部であることがさらに好ましい。使用量が50重量部未満であると、導電性高分子複合体の水分散性が悪くなることがあり、3000重量部を超えると導電性が低くなることがある。
酸化重合に用いる溶媒としては、特に限定されないが、好ましくは水系溶媒であり、特に好ましくは水である。そして場合により水混和性の有機溶媒、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、イソ−アミルアルコール、オクタノール、グリセリン等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル等を用いても良い。これらの中では、アルコール類が好ましい。これらの溶媒は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
酸化重合反応の温度は、特に限定されないが、0〜100℃が好ましく、0〜50℃がより好ましく、0〜30℃がさらに好ましい。温度が0℃未満であると、酸化重合反応が十分に進行せず、導電性高分子複合体の導電性が不十分となることがあり、100℃を超えると、酸化重合反応が過剰に進み、導電性高分子複合体の水分散性が悪くなることがある。
酸化重合時のpHは、特に限定されないが、5.0以下が好ましく、3.0以下がより好ましく、1.5以下がさらに好ましい。pHが5.0を超えると、酸化重合反応が十分に進行せず、導電性高分子複合体の導電性が不十分となることがある。
酸化重合時の反応混合液の撹拌速度は、特に限定されないが、100rpm以上が好ましく、500rpm以上がより好ましい。撹拌速度が100rpm未満では、均一に反応が進行せず、ゲルや沈殿を生じることがある。
酸化重合時の反応混合液の反応濃度は、特に限定されないが、0.1〜20重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましい。反応濃度が0.1重量%未満であると、酸化重合反応が十分に進行せず、導電性が低下することがあり、20重量%を超えると、粘度が急激に上昇し、ゲルや沈殿を生じることがある。
酸化重合時の反応混合液の酸素濃度は、特に限定されないが、10mg/L以下であることが好ましく、5mg/L以下であることがより好ましく、3mg/L以下であることがさらに好ましい。酸素濃度が10mg/Lを超えると、分子鎖の成長が抑制され、十分な導電性が得られないことがある。
<<<導電性高分子複合体組成物>>>
本発明の導電性高分子複合体組成物は、本発明の導電性高分子複合体を含むことを特徴とする。
本発明の導電性高分子複合体組成物は、本発明の導電性高分子複合体に加えて、任意に他の成分を含んでいても良い。他の成分としては、特に限定されないが、例えば、架橋剤、硬化促進剤、バインダー、導電性向上剤、界面活性剤及び/又はレベリング剤、酸化防止剤、中和剤、増粘剤、スリップ剤、溶媒等が挙げられる。
本発明の導電性高分子複合体組成物に架橋剤を配合することにより、導電性高分子複合体組成物を用いて形成する薄膜の強度をさらに向上させることができる。架橋剤としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ系、メラミン系、イソシアネート系、アルデヒド系、イソシアネート系、シリケート系、カルボン酸系、酸無水物系、アクリレート系、メタクリレート系等が挙げられる。これらの架橋剤は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
本発明の導電性高分子複合体組成物が架橋剤を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、導電性高分子複合体の固形分100重量部に対し、0.1〜17000重量部であることが好ましく、1〜1000重量部であることがより好ましい。含有量が0.1重量部未満であると、導電性高分子複合体組成物を用いて得られる薄膜の強度が不十分となることがあり、17000重量部を超えると、薄膜中の導電性高分子複合体の存在割合が少なくなり、導電性を十分に確保することができないことがある。
本発明の導電性高分子複合体組成物が架橋剤を含有する場合、硬化促進剤として、アミン類、イミダゾール類、ホスフィン、ホスフィンオキサイド類、DBU及びその有機酸塩、アンモニウムあるいはホスホニウム化合物、スルホン酸類、ヒドロキシアセトフェノン類、アルキルフェノン類、チタノセン類、チタネート類、オキシムエステル類、有機酸又は無機酸、酸発生剤、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤、光アニオン重合開始剤等を配合しても良い。これらの硬化促進剤は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
本発明の導電性高分子複合体組成物が硬化促進剤を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、架橋剤100重量部に対し、0.1〜300重量部であることが好ましい。含有量が0.1重量部未満であると、導電性高分子複合体を用いて形成された薄膜の表面硬度が不十分となることがあり、300重量部を超えると、硬化性向上効果を享受することができないことがある。
バインダーとしては、特に限定されないが、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、アルコキシシランオリゴマー及びポリオレフィン樹脂等が挙げられる。これらのバインダーは、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
ポリエステル樹脂としては、2つ以上のカルボキシル基を分子内に有する化合物と2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物とを重縮合して得られた高分子化合物であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
(メタ)アクリル樹脂としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂等が挙げられる。これらのアクリル樹脂としては、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、スルホン酸基、燐酸基等の酸基を有する重合性単量体を構成モノマーとして含む重合体であればよく、例えば、酸基を有する重合性単量体の単独又は共重合体、酸基を有する重合性単量体と共重合性単量体との共重合体等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
これらの(メタ)アクリル系樹脂の中では、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル重合体(アクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体等)、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体(アクリル酸−メタクリル酸メチル−スチレン共重合体等)等が好ましい。
ポリウレタンとしては、イソシアネート基を有する化合物とヒドロキシル基を有する化合物を共重合させて得られた高分子化合物であれば特に限定されず、例えば、エステル・エーテル系ポリウレタン、エーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、カーボネート系ポリウレタン、アクリル系ポリウレタン等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、フェノールノボラック型、ベンゼン環を多数有した多官能型であるテトラキス(ヒドロキシフェニル)エタン型又はトリス(ヒドロキシフェニル)メタン型、ビフェニル型、トリフェノールメタン型、ナフタレン型、オルソノボラック型、ジシクロペンタジエン型、アミノフェノール型、脂環式等のエポキシ樹脂、シリコーンエポキシ樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
アルコキシシランオリゴマーとしては、例えば、下記式(III)により表されるアルコキシシランのモノマー同士が縮合することで形成される高分子量化されたアルコキシシランであり、シロキサン結合(Si−O−Si)を1分子内に1個以上有するオリゴマー等が挙げられる。
SiR (III)
(式中、Rは、水素、水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いフェニル基である。但し、4つのRのうち少なくとも1個は炭素数1〜4のアルコキシ基又は水酸基である)
アルコキシシランオリゴマーの構造は特に限定されず、直鎖状であっても良く、分岐状でも良い。また、アルコキシシランオリゴマーは、式(III)により表される化合物を単独で用いても良いし、2種以上併用しても良い。
アルコキシシランオリゴマーの重量平均分子量は特に限定されないが、152より大きく4000以下であることが好ましく、500〜2500であることがより好ましい。
ここで、重量平均分子量はゲル透過クロマトグラフィー(GPC)にて測定した値である。
ポリオレフィン樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性塩素化ポリプロピレン等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
導電性高分子複合体組成物がバインダーを含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、導電性高分子複合体100重量部に対し、0.1〜1000重量部であることが好ましく、5〜500重量部であることがより好ましい。含有量が0.1重量部未満であると、基材への密着性が弱くなることがあり、1000重量部を超えると、薄膜中の導電性高分子複合体の割合が相対的に少なくなり、薄膜の導電性を十分に確保することができないことがある。
本発明の導電性高分子複合体組成物に導電性向上剤を配合することにより、形成した薄膜の導電性を向上させることができる。導電性向上剤としては、特に限定されないが、例えば、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン等のアミド化合物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、カテコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のヒドロキシル基含有化合物;イソホロン、プロピレンカーボネート、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、酢酸エチル、アセト酢酸エチル、オルト酢酸メチル、オルトギ酸エチル等のカルボニル基含有化合物;ジメチルスルホキシド等のスルホ基を有する化合物等が挙げられる。
これらの中では、塗布液のポットライフや製膜プロセスにおける適切な乾燥速度の観点から、アミド化合物やヒドロキシル基含有化合物が好ましい。
本発明の導電性高分子複合体組成物が導電性向上剤を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、導電性高分子複合体組成物中、0.1〜60重量%であることが好ましい。
溶媒としては、特に限定されないが、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等のエチレングリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルアセテート類;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のプロピレングリコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル等のプロピレングリコールエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールエーテルアセテート類;テトラヒドロフラン;アセトン;アセトニトリル等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
本発明の導電性高分子複合体組成物が溶媒を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、導電性高分子複合体100重量部に対し、20〜1000000重量部であることが好ましく、200〜500000重量部であることがより好ましい。含有量が20重量部未満であると、導電性高分子複合体組成物の粘度が高くなりハンドリングが困難となることがあり、1000000重量部を超えると、導電性高分子複合体組成物の濃度が低くなりすぎて薄膜の厚さの調整が難しくなることがある。
<<薄膜>>
本発明の薄膜は、本発明の導電性高分子複合体を用いて得られることを特徴とする。
本発明の導電性高分子複合体を用いて本発明の薄膜を得る方法としては、特に限定されないが、例えば、導電性高分子複合体組成物を透明基材の少なくとも一つの面上に塗布した後、加熱処理する方法等が挙げられる。
基材としては、透明基材を用いることができる。なお、本発明において、「透明基材」とは、全光線透過率が60%以上の基材をいう。
透明基材の材質としては、透明である限り特に限定されないが、例えば、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリスチレン樹脂、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリサルホン(PSF)樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂等が挙げられる。
透明基材の厚みは、特に限定されないが、10〜10000μmであることが好ましく、25〜5000μmであることがより好ましい。また、透明基材の全光線透過率は、60%以上である限り特に限定されないが、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
導電性高分子複合体組成物を透明基材の少なくとも1面に塗布する方法としては、特に限定されず公知の方法を用いることができ、例えば、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、バーコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法、スリットコート法、凸版(活版)印刷法、孔版(スクリーン)印刷法、平版(オフセット)印刷法、凹版(グラビア)印刷法、スプレー印刷法、インクジェット印刷法、タンポ印刷法等を用いることができる。
導電性高分子複合体組成物を透明基材の少なくとも一つの面上に塗布する前に、必要に応じて、あらかじめ透明基材の表面に表面処理を施しても良い。表面処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、イトロ処理、火炎処理等が挙げられる。
薄膜を形成する際の加熱処理は、特に限定されず公知の方法により行えば良く、例えば、送風オーブン、赤外線オーブン、真空オーブン等を用いて行えば良い。導電性高分子複合体組成物が溶媒を含有する場合、溶媒は、加熱処理により除去される。
加熱処理の条件としては、特に限定されないが、例えば、200℃以下の温度条件下、0.1〜60分間行う条件を採用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。以下、「部」又は「%」は特記ない限り、それぞれ「重量部」又は「重量%」を意味する。
(使用材料)
下記の実施例及び比較例においては、以下の材料を使用した。
・モノマー(A)
スチレンスルホン酸ナトリウム(東ソー有機化学株式会社製、純度88.8%)
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合体(花王株式会社製、デモールN)
・モノマー(B)
4−t−ブトキシスチレン(東ソー有機化学株式会社製、純度97%)
4−ビニル安息香酸(東ソー有機化学株式会社製、純度97%)
メタクリル酸(和光純薬工業株式会社製、純度99%)
スチレン(和光純薬工業株式会社製、純度99%)
4−アミノスチレン(東京化成工業株式会社製、純度95%)
メタクリルアミド(和光純薬工業株式会社製、純度98%)
・ラジカル重合開始剤
2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド(和光純薬工業株式会社製、V−50)
・チオフェン誘導体
3,4−エチレンジオキシチオフェン(東京化成工業社製、純度98%)
・酸化剤
ペルオキソ二硫酸ナトリウム(純正化学株式会社製、純度98%)
ペルオキソ二硫酸カリウム(関東化学株式会社製、純度98%)
・架橋剤
エポキシ系架橋剤(ナガセケムテックス株式会社製、デナコールEX−614B)
メラミン系架橋剤(日本カーバイド工業株式会社製、ニカラックMW−12LS)
・硬化促進剤
エポキシ樹脂硬化促進剤(サンアプロ株式会社製、U−CAT SA−102)
メラミン硬化促進剤(和光純薬工業株式会社製、p−トルエンスルホン酸)
・導電性向上剤
エチレングリコール(和光純薬工業株式会社製)
・溶媒
含水エタノール(林純薬工業株式会社製、エタノール、含水率0.4重量%未満)
(実施例1)
冷却管、窒素導入菅を備えた500ml三口ガラスフラスコに、純水170.00g、イソプロパノール85.00g、モノマー(A)としてスチレンスルホン酸ナトリウム24.00g(103.36mmol)と、モノマー(B)として4−t−ブトキシスチレン1.00g(5.50mmol)を仕込んだ。マグネティックスターラーで攪拌しながら、アスピレーター吸引と窒素導入を5回繰り返して系内を脱気した後、ラジカル重合開始剤V−50を0.35g(1.29mmоl)添加し、70℃で16時間重合した。ロータリーエバポレータを用いてイソプロパノールを留去した後、共重合体溶液を、カチオン交換樹脂〔オルガノ社製アンバーライトRB−120(塩酸で再生したもの)〕を充填したカラムに通してナトリウムを除去した。さらに、得られた共重合体水溶液を60℃で5時間加熱した後、ロータリーエバポレーターで水分を調整し、固形分14.4wt%の水溶性共重合体を得た。なお、本実施例では、4−t−ブトキシスチレンのtert−ブチル基が水素原子で置換され、ビニルフェノールとなっている。
得られた水溶性共重合体の水溶液150.0gと硫酸鉄2.87gを純水に加え、混合液を得た。この混合液に3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)を7.2g滴下し、さらにペルオキソ二硫酸ナトリウム14.11gを加え、これに全量が1200gとなるように純水を加えて混合溶液を調製した。混合溶液を10℃にて24時間撹拌して酸化重合を行った。次いで、反応溶液の固形成分が1.7〜1.8wt%となるように純水で希釈し、この希釈液にカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とをそれぞれ15wt%加えた後、さらに18時間撹拌した。得られた反応混合液をガラスろ過器でろ過し、次いで高圧ホモジナイザーで100MPaにて10回均質化処理を行うことにより導電性高分子複合体を得た。
得られた導電性高分子複合体を希釈にて調整した1wt%水溶液100重量部に、架橋剤としてエポキシ系架橋剤4.8重量部、硬化促進剤としてエポキシ樹脂硬化促進剤4.4重量部、溶媒として含水エタノール109重量部を混合し、導電性高分子複合体組成物を得た。得られた導電性高分子複合体組成物を、基材上にNo4のワイヤーバーにて塗布し、130℃で60分加熱することにより硬化させて薄膜を得た。
(実施例2)
冷却管、窒素導入菅を備えた1000ml三口ガラスフラスコに、純水355.00g、モノマー(A)としてスチレンスルホン酸ナトリウム60.00g(258.39mmol)、モノマー(B)として4−ビニル安息香酸2.10g(13.75mmol)、10wt%水酸化ナトリウム水溶液11.90gを仕込んだ。マグネチックスターラーで撹拌しながら、アスピレーター吸引と窒素導入を5回繰り返して系内を脱気した後、ラジカル重合開始剤V−50を0.93g(3.43mmol)添加し、85℃で6時間重合した。共重合体溶液を、カチオン交換樹脂〔オルガノ社製アンバーライトRB−120(塩酸で再生したもの)〕を充填したカラムに通してナトリウムを除去した。ロータリーエバポレーターで水分を調整し、固形分9.8wt%の水溶性共重合体を得た。
得られた水溶性共重合体の水溶液220.41gと硫酸鉄2.87gを純水に加え、混合液を得た。この混合液に3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)を7.2g滴下し、さらにペルオキソ二硫酸ナトリウム14.11gを加え、これに全量が1200gとなるように純水を加えて混合溶液を調製した。混合溶液を10℃にて24時間撹拌して酸化重合を行った。次いで、反応溶液の固形成分が1.7〜1.8wt%となるように純水で希釈し、この希釈液にカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とをそれぞれ15wt%加えた後、さらに18時間撹拌した。得られた反応混合液をガラスろ過器でろ過し、次いで高圧ホモジナイザーで100MPaにて10回均質化処理を行うことにより導電性高分子複合体を得た。
得られた導電性高分子複合体を希釈にて調整した1wt%水溶液100重量部に、架橋剤としてエポキシ系架橋剤4.8重量部、硬化促進剤としてエポキシ樹脂硬化促進剤4.4重量部、導電性向上剤としてエチレングリコール3重量部、溶媒として含水エタノール109重量部を混合し、導電性高分子複合体組成物を得た。得られた導電性高分子複合体組成物を、基材上にNo4のワイヤーバーにて塗布し、130℃で60分加熱することにより硬化させて薄膜を得た。
(実施例3)
モノマー(B)として、4−ビニル安息香酸に代えてメタクリル酸1.00g(13.88mmol)を用い、ラジカル重合開始剤V−50を1.12g(4.13mmol)用い、10wt%水酸化ナトリウム水溶液を用いなかったこと以外、実施例2と同様にして13.2wt%水溶性共重合体を得た。
得られた水溶性共重合体の水溶液163.64gと硫酸鉄2.87gを純水に加え、混合液を得た。この混合液に3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)を7.2g滴下し、さらにペルオキソ二硫酸ナトリウム14.11gを加え、これに全量が1200gとなるように純水を加えて混合溶液を調製した。混合溶液を10℃にて24時間撹拌して酸化重合を行った。次いで、反応溶液の固形成分が1.7〜1.8wt%となるように純水で希釈し、この希釈液にカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とをそれぞれ15wt%加えた後、さらに18時間撹拌した。得られた反応混合液をガラスろ過器でろ過し、次いで高圧ホモジナイザーで100MPaにて10回均質化処理を行うことにより導電性高分子複合体を得た。
得られた導電性高分子複合体を希釈にて調整した1wt%水溶液1000重量部に、架橋剤としてメラミン系架橋剤2重量部、硬化促進剤としてメラミン硬化促進剤0.1重量部、導電性向上剤としてエチレングリコール30重量部、溶媒として含水エタノール1000重量部を混合し、導電性高分子複合体組成物を得た。得られた導電性高分子複合体組成物を、基材上にNo4のワイヤーバーにて塗布し、100℃で30秒加熱することにより硬化させて薄膜を得た。
(実施例4)
モノマー(B)として、メタクリル酸に代えてメタクリルアミド1.21g(13.88mmol)を用いたこと以外、実施例3と同様にして固形分11.0wt%の水溶性共重合体を得た。
得られた水溶性共重合体の水溶液196.37gと硫酸鉄2.87gを純水に加え、混合液を得た。この混合液に3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)を7.2g滴下し、さらにペルオキソ二硫酸ナトリウム14.11gを加え、これに全量が1200gとなるように純水を加えて混合溶液を調製した。混合溶液を10℃にて24時間撹拌して酸化重合を行った。次いで、反応溶液の固形成分が1.7〜1.8wt%となるように純水で希釈し、この希釈液にカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とをそれぞれ15wt%加えた後、さらに18時間撹拌した。得られた反応混合液をガラスろ過器でろ過し、次いで高圧ホモジナイザーで100MPaにて10回均質化処理を行うことにより導電性高分子複合体を得た。
得られた導電性高分子複合体を希釈にて調整した1wt%水溶液100重量部に、架橋剤としてエポキシ系架橋剤4.8重量部、硬化促進剤としてエポキシ樹脂硬化促進剤4.4重量部、溶媒として含水エタノール109重量部を混合し、導電性高分子複合体組成物を得た。得られた導電性高分子複合体組成物を、基材上にNo4のワイヤーバーにて塗布し、130℃で60分加熱することにより硬化させて薄膜を得た。
(実施例5)
モノマー(B)として、メタクリル酸に代えて4−アミノスチレン1.75g(13.95mmol)を用いたこと以外、実施例3と同様にして固形分5.8wt%の水溶性共重合体を得た。
得られた水溶性共重合体の水溶液372.42gと硫酸鉄2.87gを純水に加え、混合液を得た。この混合液に3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)を7.2g滴下し、さらにペルオキソ二硫酸ナトリウム14.11gを加え、これに全量が1200gとなるように純水を加えて混合溶液を調製した。混合溶液を10℃にて24時間撹拌して酸化重合を行った。次いで、反応溶液の固形成分が1.7〜1.8wt%となるように純水で希釈し、この希釈液にカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とをそれぞれ15wt%加えた後、さらに18時間撹拌した。得られた反応混合液をガラスろ過器でろ過し、次いで高圧ホモジナイザーで100MPaにて10回均質化処理を行うことにより導電性高分子複合体を得た。
得られた導電性高分子複合体を希釈にて調整した1wt%水溶液100重量部に、架橋剤としてエポキシ系架橋剤4.8重量部、硬化促進剤としてエポキシ樹脂硬化促進剤4.4重量部、溶媒として含水エタノール109重量部を混合し、導電性高分子複合体組成物を得た。得られた導電性高分子複合体組成物を、基材上にNo34のワイヤーバーにて塗布し、130℃で10分加熱することにより硬化させて薄膜を得た。
(実施例6)
モノマー(A)としてスチレンスルホン酸ナトリウムを61.89g(266.55mmol)、モノマー(B)として4−ビニル安息香酸を0.84g(5.5mmol)用いたこと以外、実施例2と同様にして固形分13.0wt%の水溶性共重合体を得た。
得られた水溶性共重合体の水溶液10.02gと硫酸鉄0.01gを純水に加え、混合液を得た。この混合液に3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)を0.5g滴下し、さらにペルオキソ二硫酸カリウム1.43gを加え、これに全量が130gとなるように純水を加えて混合溶液を調製した。混合溶液を25℃にて24時間撹拌して酸化重合を行った。次いで、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とをそれぞれ15wt%加えた後、さらに3時間撹拌した。得られた反応混合液をガラスろ過器でろ過し、導電性高分子複合体を得た。
得られた導電性高分子複合体を希釈にて調整した1wt%水溶液1000重量部に、架橋剤としてメラミン系架橋剤2重量部、硬化促進剤としてメラミン硬化促進剤0.1重量部、導電性向上剤としてエチレングリコール30重量部、溶媒として含水エタノール1000重量部を混合し、導電性高分子複合体組成物を得た。得られた導電性高分子複合体組成物を、基材上にNo34のワイヤーバーにて塗布し、120℃で30秒加熱することにより硬化させて薄膜を得た。
(実施例7)
カチオン交換樹脂〔オルガノ社製アンバーライトRB−120(塩酸で再生したもの)〕を充填したカラムに通してナトリウムを除去する工程と、ロータリーエバポレーターで水分を調整する工程の代わりに、希釈による水分調整を行ったこと以外、実施例6と同様にして固形分13.0wt%の水溶性共重合体を得た。
得られた水溶性共重合体の水溶液10.50gと硫酸鉄0.01gを純水に加え、混合液を得た。この混合液に3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)を0.5g滴下し、さらにペルオキソ二硫酸カリウム1.43gを加え、これに全量が130gとなるように純水を加えて混合溶液を調製した。混合溶液を25℃にて24時間撹拌して酸化重合を行った。次いで、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とをそれぞれ15wt%加えた後、さらに3時間撹拌した。得られた反応混合液をガラスろ過器でろ過し、導電性高分子複合体を得た。
得られた導電性高分子複合体を希釈にて調整した1wt%水溶液100重量部に、架橋剤としてエポキシ系架橋剤4.8重量部、硬化促進剤としてエポキシ樹脂硬化促進剤4.4重量部、溶媒として含水エタノール109重量部を混合し、導電性高分子複合体組成物を得た。得られた導電性高分子複合体組成物を、基材上にNo34のワイヤーバーにて塗布し、130℃で30分加熱することにより硬化させて薄膜を得た。
(比較例1)
ラジカル重合開始剤V−50を1.00g(3.69mmol)を用い、モノマー(B)を用いなかったこと以外、全て実施例3と同様の方法で重合させて15.2wt%水溶性共重合体を得た。
得られた水溶性共重合体の水溶液153.54gと硫酸鉄2.87gを純水に加え、混合液を得た。この混合液に3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)を7.2g滴下し、さらにペルオキソ二硫酸ナトリウム14.11gを加え、これに全量が1200gとなるように純水を加えて混合溶液を調製した。混合溶液を10℃にて24時間撹拌して酸化重合を行った。次いで、反応溶液の固形成分が1.7〜1.8wt%となるように純水で希釈し、この希釈液にカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とをそれぞれ15wt%加えた後、さらに18時間撹拌した。得られた反応混合液をガラスろ過器でろ過し、次いで高圧ホモジナイザーで100MPaにて10回均質化処理を行うことにより導電性高分子複合体を得た。
得られた導電性高分子複合体を希釈にて調整した1wt%水溶液100重量部に、架橋剤としてエポキシ系架橋剤4.8重量部、硬化促進剤としてエポキシ樹脂硬化促進剤4.4重量部、導電性向上剤としてエチレングリコール3重量部、溶媒として含水エタノール109重量部を混合し、導電性高分子複合体組成物を得た。得られた導電性高分子複合体組成物を、基材上にNo4のワイヤーバーにて塗布し、130℃で60分加熱することにより硬化させて薄膜を得た。
(比較例2)
市販のナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合体を水溶性共重合体として用い、16.0wt%水溶液145.22gと硫酸鉄2.39gを純水に加え、混合液を得た。この混合液に3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)を6.0g滴下し、さらにペルオキソ二硫酸ナトリウム11.76gを加え、これに全量が1000gとなるように純水を加えて混合溶液を調製した。混合溶液を10℃にて24時間撹拌して酸化重合を行った。次いで、反応溶液の固形成分が1.7〜1.8wt%となるように純水で希釈し、この希釈液にカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とをそれぞれ15wt%加えた後、さらに18時間撹拌した。得られた反応混合液をガラスろ過器でろ過し、次いで高圧ホモジナイザーで100MPaにて10回均質化処理を行うことにより導電性高分子複合体を得た。
得られた導電性高分子複合体を希釈にて調整した1wt%水溶液100重量部に、架橋剤としてエポキシ系架橋剤4.8重量部、硬化促進剤としてエポキシ樹脂硬化促進剤4.4重量部、導電性向上剤としてエチレングリコール3重量部、溶媒として含水エタノール109重量部を混合し、導電性高分子複合体組成物を得た。得られた導電性高分子複合体組成物を、基材上にNo4のワイヤーバーにて塗布し、130℃で60分加熱することにより硬化させて薄膜を得た。
(比較例3)
モノマー(A)としてスチレンスルホン酸ナトリウム42.00g(180.88mmol)と、モノマー(B)としてスチレン8.07g(77.51mmol)とを混合し、実施例3と同様の方法で重合させて水溶性共重合体を得た。
得られた水溶性共重合体の17.1wt%水溶液126.17gと硫酸鉄2.87gを純水に加え、混合液を得た。この混合液に3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)を7.2g滴下し、さらにペルオキソ二硫酸ナトリウム14.11gを加え、これに全量が1200gとなるように純水を加えて混合溶液を調製した。混合溶液を10℃にて24時間撹拌して酸化重合を行った。次いで、反応溶液の固形成分が1.7〜1.8wt%となるように純水で希釈し、この希釈液にカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とをそれぞれ15wt%加えた後、さらに18時間撹拌した。得られた反応混合液をガラスろ過器でろ過し、次いで高圧ホモジナイザーで100MPaにて10回均質化処理を行うことにより導電性高分子複合体を得た。
得られた導電性高分子複合体を希釈にて調整した1wt%水溶液1000重量部に、架橋剤としてメラミン系架橋剤2重量部、硬化促進剤としてメラミン硬化促進剤0.1重量部、導電性向上剤としてエチレングリコール30重量部、溶媒として含水エタノール1000重量部を混合し、導電性高分子複合体組成物を得た。得られた導電性高分子複合体組成物を、基材上にNo4のワイヤーバーにて塗布し、100℃で30秒加熱することにより硬化させて薄膜を得た。
実施例1〜7及び比較例1〜3において、水溶性共重合体の重量平均分子量、導電性高分子複合体の数平均粒子径、並びに、薄膜の表面抵抗率及び表面硬度を以下に記載の方法により評価した。結果を下記表1に示す。
(重量平均分子量)
水溶性共重合体の重量平均分子量は、以下のとおり測定した。
装置:東ソー有機化学株式会社製、LC−8020(デガッサー:SD−8022、ポンプ:DP−8020、カラムオーブン:CO−8020、紫外可視検出器:UV−8020)
カラム:TSK guardcolumn α+TSK gel α−6000+TSK gel α−3000
溶離液:リン酸緩衝液(pH=7)とアセトニトリルの体積比65:35溶液
カラム温度:40℃、流量=0.6ml/min
検出器:UV検出器(波長230nm)、注入量=100μl
検量線:単分散ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(創和科学株式会社製、3K、15K、41K、300K、1000K、2350K、5000K)のピークトップ分子量と溶出時間から作成した。
(数平均粒子径)
導電性高分子複合体の数平均粒子径は、動的光散乱式粒子径分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラック UPA−UT151)により測定した。
(表面抵抗率)
薄膜の表面抵抗率は、抵抗率計(三菱化学株式会社製、ロレスターGP MCP−T600)を用いて測定した。
(表面硬度)
縦10cm×5cmの試験片を作成し、学振型染色摩擦堅牢度試験機(株式会社安田精機製作所製)の試験片台にセットした。試験片台は水平なものを用い、摩擦子の重量は500gとし、縦8cm、横8cmにカットした不織布(白十字株式会社製)を用いた。10回の往復試験後、外観を観察し、以下の基準で評価した。
○:ハガレなし
×:ハガレあり
Figure 2016204643

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で表されるチオフェン誘導体を、
    Figure 2016204643
    [一般式(1)中、R及びRは、互いに独立して水素原子若しくはC1−4のアルキル基を表すか、又は、互いに結合してC1−4のアルキレン基を表す]
    スルホン酸基を有する繰り返し構造単位(I)と、反応性置換基を有する繰り返し構造単位(II)とを70〜98:30〜2の組成比で含む水溶性共重合体の存在下で酸化重合させることにより得られ、架橋性を有することを特徴とする導電性高分子複合体。
  2. 数平均粒子径が5〜500nmである、請求項1に記載の導電性高分子複合体。
  3. 繰り返し構造単位(I)が下記一般式(2)で表される、請求項1又は2に記載の導電性高分子複合体:
    Figure 2016204643
    [一般式(2)中、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムを表す]。
  4. 繰り返し構造単位(II)が下記一般式(3)又は(4)で表される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性高分子複合体:
    Figure 2016204643
    [一般式(3)中、pは1〜5の整数を表し、Rは、単結合、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、Rは、反応性置換基を表す]
    Figure 2016204643
    [一般式(4)中、Rは、単結合、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、Rは、反応性置換基を表し、Rは、水素原子又はメチル基を表す]。
  5. 繰り返し構造単位(II)が一般式(3)で表され、一般式(3)中、Rは、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、かつ、Rは、アルケニル基、アルキニル基、エポキシ基又はオキセタン基を表すか、又は、
    繰り返し構造単位(II)が一般式(4)で表され、一般式(4)中、Rは、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基(ここで、炭素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)、又は、炭素数3〜10の環状炭化水素基(ここで、環は単環、縮環又はスピロ環でもよく、若しくは、縮環とスピロ環との両方を持つものでもよく、炭素原子の一部はヘテロ原子で置換されていてもよく、炭素鎖上の水素の一部又は全てが置換されていても良い)を表し、かつ、Rは、アルケニル基、アルキニル基、エポキシ基又はオキセタン基を表す、
    請求項4に記載の導電性高分子複合体。
  6. 繰り返し構造単位(II)が一般式(3)で表され、かつ、一般式(3)中、Rは、水酸基、チオール基、アミノ基、アミド基又はカルボキシル基を表すか、又は、
    繰り返し構造単位(II)が一般式(4)で表され、かつ、一般式(4)中、Rは、水酸基、チオール基、アミノ基、アミド基又はカルボキシル基を表す、
    請求項4に記載の導電性高分子複合体。
  7. スルホン酸基を有する繰り返し構造単位(I)と、反応性置換基を有する繰り返し構造単位(II)とを70〜98:30〜2の組成比で含む水溶性共重合体の存在下で、チオフェン誘導体を酸化重合する工程を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性高分子複合体の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性高分子複合体を含むことを特徴とする導電性高分子複合体組成物。
  9. さらに架橋剤を含む、請求項8に記載の導電性高分子複合体組成物。
  10. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性高分子複合体を用いて得られることを特徴とする薄膜。
JP2016080955A 2015-04-15 2016-04-14 導電性高分子複合体、導電性高分子複合体の製造方法、導電性高分子複合体組成物及び薄膜 Active JP6864879B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015083561 2015-04-15
JP2015083561 2015-04-15

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016204643A true JP2016204643A (ja) 2016-12-08
JP6864879B2 JP6864879B2 (ja) 2021-04-28

Family

ID=57488966

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016080955A Active JP6864879B2 (ja) 2015-04-15 2016-04-14 導電性高分子複合体、導電性高分子複合体の製造方法、導電性高分子複合体組成物及び薄膜

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6864879B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6470860B1 (ja) * 2018-03-15 2019-02-13 マクセルホールディングス株式会社 コーティング組成物、導電性膜及び液晶表示パネル

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0657104A (ja) * 1992-06-17 1994-03-01 Ciba Geigy Ag 熱可塑性導電性重合体配合物及びその用途
JP2001270999A (ja) * 2000-01-19 2001-10-02 Mitsubishi Rayon Co Ltd 架橋性導電性組成物、耐水性導電体及びその形成方法
JP2007221132A (ja) * 2006-02-13 2007-08-30 Samsung Sdi Co Ltd 有機発光素子
JP2008248096A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Jsr Corp 液状硬化性組成物、硬化膜及び帯電防止用積層体
JP2012216450A (ja) * 2011-04-01 2012-11-08 Konica Minolta Holdings Inc 導電性組成物の製造方法及びその導電性組成物を用いた透明導電膜、有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2012243401A (ja) * 2011-05-16 2012-12-10 Konica Minolta Holdings Inc 透明導電膜及び有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2012248843A (ja) * 2011-05-27 2012-12-13 Pohang Univ Of Science & Technology Academy-Industry Cooperation 大きい仕事関数および高い電気伝導度を有する電極を具備した電子素子
JP2012248842A (ja) * 2011-05-27 2012-12-13 Pohang Univ Of Science & Technology Academy-Industry Cooperation 電極およびそれを含む電子素子
JP2014040543A (ja) * 2012-08-23 2014-03-06 Shin Etsu Polymer Co Ltd 導電性高分子、導電性組成物および塗膜を有するフィルム
JP2014152320A (ja) * 2013-02-14 2014-08-25 Tayca Corp 透明導電性パターン形成用の導電性高分子含有塗料、透明導電性パターン形成物およびその製造方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0657104A (ja) * 1992-06-17 1994-03-01 Ciba Geigy Ag 熱可塑性導電性重合体配合物及びその用途
JP2001270999A (ja) * 2000-01-19 2001-10-02 Mitsubishi Rayon Co Ltd 架橋性導電性組成物、耐水性導電体及びその形成方法
JP2007221132A (ja) * 2006-02-13 2007-08-30 Samsung Sdi Co Ltd 有機発光素子
JP2008248096A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Jsr Corp 液状硬化性組成物、硬化膜及び帯電防止用積層体
JP2012216450A (ja) * 2011-04-01 2012-11-08 Konica Minolta Holdings Inc 導電性組成物の製造方法及びその導電性組成物を用いた透明導電膜、有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2012243401A (ja) * 2011-05-16 2012-12-10 Konica Minolta Holdings Inc 透明導電膜及び有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2012248843A (ja) * 2011-05-27 2012-12-13 Pohang Univ Of Science & Technology Academy-Industry Cooperation 大きい仕事関数および高い電気伝導度を有する電極を具備した電子素子
JP2012248842A (ja) * 2011-05-27 2012-12-13 Pohang Univ Of Science & Technology Academy-Industry Cooperation 電極およびそれを含む電子素子
JP2014040543A (ja) * 2012-08-23 2014-03-06 Shin Etsu Polymer Co Ltd 導電性高分子、導電性組成物および塗膜を有するフィルム
JP2014152320A (ja) * 2013-02-14 2014-08-25 Tayca Corp 透明導電性パターン形成用の導電性高分子含有塗料、透明導電性パターン形成物およびその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6470860B1 (ja) * 2018-03-15 2019-02-13 マクセルホールディングス株式会社 コーティング組成物、導電性膜及び液晶表示パネル
JP2019157026A (ja) * 2018-03-15 2019-09-19 マクセルホールディングス株式会社 コーティング組成物、導電性膜及び液晶表示パネル
WO2019176140A1 (ja) * 2018-03-15 2019-09-19 マクセルホールディングス株式会社 コーティング組成物、導電性膜及び液晶表示パネル

Also Published As

Publication number Publication date
JP6864879B2 (ja) 2021-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102276824B1 (ko) 도전성 폴리머 복합체 및 기판
TWI617616B (zh) 導電性聚合物複合體及基板
KR101807357B1 (ko) 도전성 중합체 복합체 및 기판
US9778570B2 (en) Conductive polymer composition, coated article, patterning process and substrate
JP2015117367A (ja) 導電性樹脂組成物及び透明導電積層体
JP2009001770A (ja) Cmosイメージセンサーのカラーフィルター用熱硬化性樹脂組成物、該組成物を利用して製造された透明膜を含むカラーフィルター、及び該カラーフィルターを使用して製造されたイメージセンサー
KR101807358B1 (ko) 도전성 중합체 복합체 및 기판
KR101784560B1 (ko) 도전성 중합체 재료 및 기판
US9321863B2 (en) Polyvinyl sulfonic acid, production method thereof, and use thereof
KR101908190B1 (ko) 도전성 중합체 복합체 및 기판
KR101791742B1 (ko) 도전성 중합체 재료 및 기판
KR101997952B1 (ko) 도전성 중합체 복합체 및 기판
WO2014185355A1 (ja) 重合体及び重合体の製造方法
JP5984054B2 (ja) 有機導電膜
JP6383337B2 (ja) 導電性高分子組成物、被覆品、パターン形成方法、及び基板
JP2016204643A (ja) 導電性高分子複合体、導電性高分子複合体の製造方法、導電性高分子複合体組成物及び薄膜
Zhang et al. Synthesis and properties of gradient copolymers of butyl methacrylate and fluorinated acrylate via RAFT miniemulsion copolymerizations
JP7310279B2 (ja) ポリチオフェン-ポリスチレンスルホン酸共重合体からなる複合体、及びそれを含有する水分散液
Zhou et al. Synthesis of fluorinated polyacrylate surfactant‐free core–shell latex by RAFT‐mediated polymerization‐induced self‐assembly: Effects of the concentration of hexafluorobutyl acrylate
JP6844952B2 (ja) 水溶性共重合体及びその製造方法
JP2022184946A (ja) 導電性高分子組成物、被覆品、及びパターン形成方法
JP6785390B1 (ja) 導電性ポリマー水性分散液、導電性ポリマー塗膜及びその製造方法
KR101964200B1 (ko) 고체 콘덴서용 수분산 전도성 고분자의 제조방법
KR101759388B1 (ko) 도전성 중합체 복합체 및 기판
JP2017218483A (ja) ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリ(メタ)アクリルアミド誘導体−ポリスチレンスルホン酸−ブロックコポリマーとの複合体

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20160511

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160511

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190314

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20190314

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200303

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200818

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201019

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210309

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210322

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6864879

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250