JP2016204291A - 含塩素オレフィンの製造方法 - Google Patents

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昌彦 谷
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Yoshi Matsunaga
佳 松永
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Abstract

【課題】入手性の良い原料を用いて、1220xaを効率的に製造する方法を提供する。
【解決手段】1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロパン(230da)を、液相において、ルイス酸触媒の存在下、脱塩化水素化する(第3工程)ことによって、前記課題は解決する。該230daは、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa)を、液相中かつルイス酸触媒存在下、脱塩化水素化して1,1,3,3−テトラクロロプロペン(1230za)に変換し(第1工程)、次いで該1230zaをさらに液相かつルイス酸触媒存在下、塩素(Cl)により塩素化して(第2工程)製造できる。本発明者らは、前記第1〜第3工程の反応は、全て同一のルイス酸触媒を利用したワンポットマルチステップ反応で実施できることも見出した。ルイス酸触媒としては、塩化アルミニウム、塩化第二鉄が特に好適に採用できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、含塩素オレフィンの製造方法に関する。
1,1,2,3,3−ペンタクロロプロペン(1220xa)は、それ自身が塩素系溶剤として使用可能なだけでなく、フッ素系溶媒、作動流体、モノマー、医農薬等の製造中間体として有用な化合物である。
1220xaの製造方法として、1,1,2,2,3,3−ヘキサクロロプロパン(230aa)を水酸化ナトリウムによって、脱塩化水素し、塩化ナトリウム(副生物)と共に、当該1220xaを得る方法が知られている(非特許文献1)(次式)。
Figure 2016204291
また、本発明に関連する技術として、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa)を500℃で気相、無触媒下にて脱塩化水素反応に付し、1,1,3,3−テトラクロロプロプロペン(1230za)に変換し、次いで該1230zaを気相中あるいは液相中で、塩素(Cl)と反応させることにより、高純度の1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロパン(230da)を製造する方法が知られている(特許文献1)。
Figure 2016204291
さらに本発明に関連する技術として、特許文献2には、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa)を、液相中かつルイス酸触媒存在下、30〜200℃(典型的には70℃)にて脱塩化水素反応に付し、1,1,3,3−テトラクロロプロペン(1230za)を合成する方法が開示されている(特許文献2)。
Figure 2016204291
日本国特許第4855550号 米国特許公報 7094936号
Chemische Berichte(1953),86,1469−1476
非特許文献1に記載の方法は、230aaを原料として1220xaを製造する上では、優れた方法である。しかし、当該230aaは、置換基である塩素が炭素骨格の特殊な位置に結合している物質であり、必ずしも大量規模で安価に入手できる物質ではない。すなわち、大量規模での入手性に優れた出発原料を用いて、効率的に1220xaを製造する新規方法が求められていた。
本発明者らは上記課題を解決すべく、鋭意検討を行った。その結果、本発明の第1の特徴として、1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロパン(230da)
Figure 2016204291
を原料とし、これを液相において、ルイス酸触媒の存在下、脱塩化水素化反応に付すことによって、高い選択率で1220xaを製造できる、という知見を得、発明を完成させた。
230daは、前掲の特許文献1にも開示されている通り、大量規模での入手性に優れる240faを原料として、2段階の反応によって製造できる化合物であり、その点、前記230aaに比べ、入手性が優れている。すなわち、本発明がなされた結果、1220xaを、従来技術に比べて、格段に有利に製造できることとなった。
前掲の非特許文献1に開示される脱塩化水素反応
Figure 2016204291
においては、原料の230aaが対称構造の化合物である上、2位炭素が2個とも塩素で置換されているため、脱塩化水素の様式は1通りしか考えられず、脱塩化水素によって生成が想定されるクロロアルケンは、1220xa唯1種類であった。
これに対し、230daは非対称の分子構造であり、しかも2位の炭素が1個のみ塩素置換された構造を持つため、この物質が脱塩化水素を起こす場合、次の4通りのクロロアルケン(幾何異性体を含む)の生成が想定される。
Figure 2016204291
このため、このような230daを脱塩化水素化すると、複数のクロロアルケンが生成し、特定のクロロアルケンを高い選択率で得るのは困難と見られていた。
ところが、発明者らは、このような常識に反して、230daをルイス酸触媒の存在下、脱塩化水素化反応に付したところ、これらの異性体の中から1220xaが特異的に高い選択率で生成することを見出した。
なお、前述の通り、特許文献1は、工業的な入手の容易な240faを原料として、これを、「気相脱塩化水素反応(無触媒)」(1段目の反応)と、「気相又は液相中での塩素化反応(無触媒)」(2段目の反応)とを経て、230daへと誘導できることを開示している。しかし、この方法で230daを合成した場合、当該230daは、系内で安定性が高く、この物質はさらなる脱塩化水素化を起こすことがない。
ところが、本発明者らは、当該230daをさらに、「液相中において、ルイス酸触媒と接触させる」という操作を敢えて行ったところ、意外にも、さらなる脱塩化水素化が円滑に進行し、選択性良く1220zaを製造できることを見出したものである。
なお、前掲の非特許文献1に開示される脱塩化水素反応は、強いアルカリ試薬である水酸化ナトリウムによって塩化水素を強制的に引き抜く反応であり、その結果、経済的価値の比較的低い「塩化ナトリウム」が副生している。これに対して、本発明の場合、当該脱塩化水素化反応が、ルイス酸触媒反応であるため、副生物質は「塩化水素」であって、これは経済的価値が高く、所望ならば、アルカリで中和することなく、回収して種々の用途に利用することもできる。これも本発明の優れた点の1つである。
本発明の第2の特徴として、本発明者らは、前記230daを、従来技術に比べて、さらに有利に製造する方法を見出した。
具体的に、本発明者らは、前記1230zaを塩素(Cl)によって塩素化して230daを製造するにあたり、反応を「液相中で、かつルイス酸触媒の存在下に」実施することにより、当該塩素化反応の選択率が有意に向上し、230daが安定して高い収率で得られることを見出した。
前掲の特許文献1において開示されているのは、1230zaを、気相中または液相中で塩素(Cl)と反応させ230daを合成する方法であるが、何れも「無触媒」条件下の反応であった。この方法によっても、比較的高い収率で230daを製造できる。しかしながら、この方法では、不純物が生成しやすく、目的とする230daの収率を低下させることがあった(特許文献1にも、当該塩素化反応を120℃よりも高い温度で行うと、目的物の選択性が低下する旨の示唆がある)。当該「不純物」の詳しい構造は明らかではないが、原料である1230zaの二重結合部位が反応して形成されたテロマーもしくはポリマーと推察される。後述の「参考例」に例示するように、特に液相中の塩素化においては、反応速度を上げるために高い温度で当該塩素化を実施するほど、この「不純物」の生成量が増える傾向にあり、目的とする230daの収率が低下するという問題があった。
このような問題点に鑑み、本発明者らは、1230zaの塩素化を「液相中で、かつルイス酸触媒の存在下」に実施することを試みた。その結果、意外にも「不純物」の生成が有意に抑えられ、有利に230daを製造できることとなった。
本発明の第3の特徴として、本発明者らは、「240faを原料として、当該化合物を脱塩化水素して1230zaを得る工程(第1工程と呼ぶ)」、次いで、「該1230zaを、塩素化して230daを得る工程(第2工程と呼ぶ)」、次いで「該230daを、上記「第1の特徴」に記した方法によって、目的物である1220zaを製造する工程(第3工程と呼ぶ)」とするとき、第1工程、第2工程、第3工程をこの順で行い、240faを出発原料として、目的物1220zaを製造するための統合的なプロセスを完成した。
本発明は「第3工程」を必須の要件とする発明であるため、230daの製法について制限は無く、「第1工程」の反応条件、「第2工程」の反応方法、条件についても、格段の制約があるわけではない。しかしながら、「第1工程」の反応については、特許文献2に記載の「液相中、かつルイス酸存在下」という条件を採用すると、例えば70℃という比較的低い温度であっても、十分な収率で1230zaが得られるので、より好ましい。一方、「第2工程」の反応については、上述した通り、塩素化を「液相中で、かつルイス酸触媒の存在下」に実施することが好ましい。
このように、本発明を「第1工程」〜「第3工程」まで、この順で連続して行う場合、特に好ましい態様は、「第1工程」〜「第3工程」の全てに渡って「液相中で、かつルイス酸触媒の存在下」で実施する、という態様である。
ここで発明者らは、これら3工程における「ルイス酸触媒」を共通化することが可能であるという、特筆すべき知見を得た。すなわち、各工程間で、反応混合物とルイス酸触媒の分離精製、或いはルイス酸触媒の補充追加、といった操作を行う必要は無く、第1工程開始時に投入したルイス酸触媒を、全工程に使いまわしでき、1ポットマルチステップ反応で、これらの工程を連続的に実施できることを見出した。この知見によって、1220xaの大量規模の生産が、一層有利なものとなった。
Figure 2016204291
即ち、本発明は次の各発明を含む。
[発明1]
1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロパン(230da)を、液相において、ルイス酸触媒の存在下、脱塩化水素化する工程を含む、1,1,2,3,3−ペンタクロロプロペン(1220xa)を製造する方法。
[発明2]
前記ルイス酸触媒が、「アルミニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、スズ、アンチモン、タンタルおよびタングステン」からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属のハロゲン化物を含む、発明1に記載の方法。
[発明3]
前記ルイス酸触媒が、塩化アルミニウム(AlCl)、塩化第二鉄(FeCl)の少なくとも1種を含む、発明1に記載の方法。
[発明4]
前記脱塩化水素化の反応温度が50〜200℃の範囲である、発明1乃至発明3の何れかに記載の方法。
[発明5]
前記230daが、1,1,3,3−テトラクロロプロペン(1230za)を、液相中で、ルイス酸触媒の存在下に、塩素(Cl)によって塩素化して得たものである、発明1乃至発明4の何れかに記載の方法。
[発明6]
前記ルイス酸触媒が、「アルミニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、スズ、アンチモン、タンタルおよびタングステン」からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属のハロゲン化物を含む、発明5に記載の方法。
[発明7]
前記ルイス酸触媒が、塩化アルミニウム(AlCl)、塩化第二鉄(FeCl)の少なくとも1種を含む、発明5に記載の方法。
[発明8]
前記1230zaが、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa)を、液相中かつルイス酸触媒存在下、脱塩化水素化して得たものである、発明5乃至発明7の何れかに記載の方法。
[発明9]
240faを脱塩化水素化して1230zaを得る工程を「第1工程」、
1230zaを、塩素(Cl)によって塩素化して230daを得る工程を「第2工程」、
230daを、液相において、ルイス酸触媒の存在下、脱塩化水素化して1220xaを得る工程を「第3工程」とするときに、
第1工程および第2工程ともに、液相中かつルイス酸触媒存在下に反応を行うものであり、
第1工程で用いたルイス酸触媒が、第2工程および第3工程に渡って、再利用されることになる、
ことを特徴とする、発明8に記載の方法。
[発明10]
前記ルイス酸触媒が、塩化アルミニウム(AlCl)、塩化第二鉄(FeCl)の少なくとも1種を含む、発明9に記載の方法。
[発明11]
第1工程の反応が、40〜200℃、第2工程の反応が、−20〜+110℃、第3工程の反応が、50〜200℃である、発明9又は発明10に記載の方法。
[発明12]
第3工程の反応温度が、少なくとも第2工程の反応温度よりも高いことを特徴とする、発明11に記載の方法。
本発明により、入手性に優れる230daを原料として、有用な物質である1220xaを、高い選択率で製造できることとなった。
さらに、大量規模の入手性に優れる240faを原料として前記230daを製造するための、温和で選択率の優れた反応条件も見出した。この結果、240faから1220xaを、従来技術に比べて一段と有利に製造できることとなった。
さらに、前記第1工程、第2工程、および、第3工程をこの順で行う場合、3つの工程におけるルイス酸触媒には、全て同一のものを適用することができる。この場合、第1工程と第2工程の間、および第2工程と第3工程の間に、反応混合物からの触媒の分離操作も、触媒の追加操作も行う必要はなく、その結果として、第1工程、第2工程、および第3工程の反応が、全て同一のルイス酸触媒の存在下で、ワンポットマルチステップ反応で、240faから1220xaを合成することも可能となった。
本明細書において、240faを脱塩化水素化して1230zaを得る工程を「第1工程」、
1230zaを塩素(Cl)によって塩素化して230daを得る工程を「第2工程」、
230daを、液相において、ルイス酸触媒の存在下、脱塩化水素化して1220xaを得る工程を「第3工程」、
と呼ぶことにする。
本発明は1220xaを製造することを目的とするため、「第3工程」の実施は必須である。これに対して、「第2工程」「第1工程」は、その原料である230daを製造する方法を提供するものであり、他の方法を採用することは妨げられない。但し、「第2工程」及び/又は「第1工程」を採用することによって、230daを有利に製造することができる。
また前述したように、「第1工程」及び/又は「第2工程」を、液相中で、かつルイス酸触媒存在下で、行うことは、前駆体化合物(1230za或いは230da)を有利に得る上で、特に好ましい。
なお、1220xaを得ることを目的とせず、前駆体である230daを製造することを目的とする場合には、「第1工程」と「第2工程」のみを行うことによって、目的を果たすことができ、その場合、前述した「液相中で、かつルイス酸触媒存在下」で「第1工程」及び/又は「第2工程」を実施することが、より好ましい。
このように、「第1工程」〜「第3工程」のうちの何れを実施するかは、目的物質その他に応じて、当業者が自由に選ぶことができる。このため、以下の説明では、「第1工程」「第2工程」「第3工程」を別々に行い、かかる後に、「第2工程」と「第3工程」を連続して実施する態様について、及び「第1工程」〜「第3工程」を連続して実施する態様について、説明を行う。
なお、第1〜第3工程の全工程に共通することとして、「水分」について述べる。第1〜第3工程の反応ともに、水が積極的に反応に関与するわけではないから、本発明において、反応系中に水を添加する積極的な理由はない。特にルイス酸触媒存在下でこれらの反応を行う場合には、ルイス酸の活性を高めるために、「水分」は可能な限り低い(一般に無水条件と言われる)条件で、反応を行うことが好ましい。しかし、反応液の全質量に対して1質量%の水が存在する程度であれば、ルイス酸の活性は十分維持される。よって、水の含量は、反応液の全質量に対して1質量%以下に保つことが望ましい。水の含量は反応液の全質量に対して0.1質量%以下であれば、さらに好ましい。
また、第1〜第3工程の何れの反応についても、溶媒は必要でない。これらの反応を液相反応で行う場合、原料/生成物である240fa、1230za、230da、1220xaは何れも、それ自体が安定な液相を形成し、これらを主成分とする液相中で、目的とする反応は進行する。
さらに、第1〜第3工程の全反応に共通することとして、本発明の実施に際して、不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス等)存在下での実施は、必須ではない。しかし、窒素ガスを流通しながら反応を行うと、特に大きな規模で反応を実施するときには、より円滑な反応が行えることがある。このような最適な反応の実施態様は、当業者の知識によって適宜設定することができる。
以下、工程ごとに、説明を行う。
[1]第1工程について
第1工程は、240faを脱塩化水素化して1230zaを得る工程である。第1工程の出発原料である240faは、現在、発泡剤として工業的に製造されている245faの出発原料であり、四塩化炭素と塩化ビニルを触媒存在下で反応させることによって合成可能である(例えば特許文献2を参照)。
第1工程の反応は、前掲の特許文献1(気相中、無触媒下での反応)、特許文献2(液相中、ルイス酸触媒存在下での反応)の何れをも採用することができる。しかし、特許文献1の方法では、500℃程度の高い温度が要求されるため、反応器に対する負荷が概して大きい。これに対し、特許文献2の方法は、70℃程度の温度でも円滑に脱塩化水素化反応が進行するため、一般には特許文献2の方法の方が、より好ましい。そこで、以下の説明では、より好ましい態様である「液相中、ルイス酸触媒存在下」における第1工程の反応について、説明する。
反応装置は特に制限がないが、塩化水素が発生する反応であるので、耐酸性を持つ反応器を使用することが好ましい。具体的には、ガラス製またはステンレススチール製のもの、さらには、ガラスや樹脂でライニングされた反応器が好ましい。反応器は攪拌設備、還流塔を有するものが良い。第1工程と第2工程を同一釜で行う場合は、塩素が導入可能な吹き込み管を有するものが推奨される。また、この「液相中、ルイス酸触媒存在下」の反応の場合、後述の通り、反応温度は200℃ないしそれ以下で十分進行する。これは、240faや1230zaの沸点(それぞれ179℃、149℃)に比べて必ずしも高くないので、還流塔を備えていれば、常圧において反応混合物を液体状態に保てるので、常圧(開放系)の状態で、反応を実施することができる。しかし、加圧反応器を用いて反応を行い、発生する塩化水素を適時パージする、という方法も妨げられない。
ルイス酸触媒としては、金属のハロゲン化物が例示される。金属のハロゲン化物とは金属とハロゲンの結合を有するものを指す。IR、XRD、XPS等によって金属−ハロゲンの結合が確認されれば本発明の触媒として使用可能である。具体的にアルミニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、スズ、アンチモン、タンタル、タングステンのハロゲン化物が好ましい。これらの中でも塩化物が好ましく、アルミニウム、鉄、スズ、アンチモンの塩化物が特に好ましい。塩化アルミニウムと塩化鉄が一層好ましく、塩化鉄の場合は塩化第二鉄が好ましい。触媒は無水のものが、触媒活性が高いから好ましい。市販の無水物をそのまま使用しても良いが、水和物を塩化チオニルで処理して無水物を得ることもできる。
第1工程の液相、ルイス酸触媒存在下での実施に際しては、金属ハロゲン化物を直接ルイス酸触媒として使用することが簡便であるが、当業者の所望により、これらの金属の硝酸塩、炭酸塩等や0価金属粉末を、予め塩化水素処理することによって、活性な金属ハロゲン化物に誘導し、これをルイス酸触媒として用いることも可能である。240faの脱塩化水素反応によって発生する塩化水素により、0価の金属粉末や硝酸塩等を活性の高い塩化物に誘導することも可能である。
ルイス酸触媒の量は、触媒の種類や反応温度等の操業条件によって最適値が変化するが、原料の有機物に対して0.01mol%から10mol%、より好ましくは0.1〜5mol%が推奨される。これよりも少ないと反応速度が遅くなって生産性が低下し、これよりも多いと資源が無駄となるだけなく、予期せぬ副反応が起こりうるので好ましくない。
「液相中、ルイス酸触媒存在下」に第1工程の反応を行う場合の反応温度は通常40℃から200℃であり、より好ましくは45℃から120℃である。最適な温度はルイス酸触媒の種類にも若干依存し、塩化アルミニウムの場合は、40〜100℃(典型的には50℃、80℃)が特に好ましく、塩化第二鉄の場合は、これより若干高い70〜110℃(典型的には70℃、80℃)が特に好ましい。これらの範囲よりも低い場合は、反応速度が遅くなり生産性が低下し、これよりも高い場合は、高沸点の副生物の生成が増えて、1230zaの選択率が低下することがある。
好ましい反応例として、ガラス製もしくはガラスライニング製の反応器に触媒と240faを仕込み、攪拌しながら加熱すると塩化水素が発生するので、水(水道水、工水等)を流通させた還流塔によって、塩化水素だけを排出させる方法が推奨される。
このような液相反応で第1工程を実施する場合には、反応器内部の液相が、時間の経過とともに目的物1230zaに置き換わっていく。ガスクロマトグラフ分析等によって、反応の進捗を測定しつつ、原料240faがほぼ消費されたところで反応を終了することが好ましい。
前述したように、第1工程の反応は、気相中かつ無触媒において実施することも妨げられない。この無触媒反応の場合、反応温度は通常350〜550℃となり、高温のため装置への負荷が概して大きくなるが、流通式の反応であるため、大量規模で1230zaを製造する場合に、有利なことがある。但しこの方法は無触媒の方法であるから、第1工程として当該方法を採用すると、「第1工程〜第3工程」までを液相中で、「共通のルイス酸触媒を用いて、ワンポットマルチステップ反応で実施する」という「1220xaの特に好ましい生産態様」とは相容れないものとなる。
なお、第1工程によって合成された1230zaは、触媒の分離、蒸留精製といった後処理を行うことなく、続く第2工程の原料として供することができる。触媒の分離や、蒸留精製を行うことは妨げられるものではないが、これらの処理を行うことなく、連続して各工程を実施できる点も本発明の大きなメリットの1つであるので、そのような後処理を行わないことは、好ましい一態様である。
[2]第2工程について
第2工程は、1230zaを塩素(Cl)によって塩素化し、230daに変換する工程である。
第2工程の反応としては、前掲の特許文献1には次の2つの方法、
(a)気相中、無触媒下の反応
(b)液相中、無触媒下の反応
が開示されており、本発明の第2工程に際しては、そのどちらをも採用することができる。しかし、本発明者らは、第2工程の方法として、別の方法、すなわち、
(c)液相中、ルイス酸触媒存在下の反応
を見出し、この(c)を採用すると、より低い温度でも第2工程の反応の速度が高まるという事実を見出した。この結果、第2工程における不純物の副生が起こりにくく、230daを効率的に製造できることとなった。そこで、ここでは、当該(c)の方法について詳述を行う。
第2工程の反応を(c)の方法で行う場合、反応は、ルイス酸触媒存在下で、液体状態の1230zaに対して塩素ガス(Cl)を吹き込むことによって進行する。原料1230zaは第一の工程で製造されたものを精製することなく、そのまま使用することが可能であるが、別法で製造された1230zaや高純度に精製された1230zaを用いることも妨げられない。
反応装置は特に制限がないが、酸化性の強い塩素ガスを使用するのでガラス製またはステンレススチール製のものが推奨される。ガラスや樹脂でライニングされた反応器も好ましい。反応器は吹き込み込み管、攪拌設備、還流塔を有するものが良い。第1工程と同一仕様の反応釜も使用可能である。
第2工程の反応を(c)の方法で行う場合、ルイス酸触媒としては、金属のハロゲン化物が例示される。金属のハロゲン化物とは金属とハロゲンの結合を有するものを指す。IR、XRD、XPS等によって金属−ハロゲンの結合が確認されれば本発明の触媒として使用可能である。具体的にアルミニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、スズ、アンチモン、タンタル、タングステンのハロゲン化物が好ましい。これらの中でも塩化物が好ましく、中でもアルミニウム、鉄、スズ、アンチモンの塩化物が好ましい。塩化アルミニウムと塩化鉄が特に好ましく、塩化鉄の場合は塩化第二鉄がより好ましい。触媒は無水のものが、触媒活性が高いから好ましい。市販の無水物をそのまま使用しても良いが、水和物を塩化チオニルで処理して無水物を得ることもできる。
第2工程を液相中、ルイス酸触媒存在下で実施するにあたっては、金属ハロゲン化物を直接ルイス酸触媒として使用することが簡便であるが、当業者の所望により、これらの金属の硝酸塩、炭酸塩等や0価金属粉末を、予め塩化水素処理することによって、活性な金属ハロゲン化物に誘導し、これをルイス酸触媒として用いることも可能である。第1工程と同様に、塩化水素により、0価の金属粉末や硝酸塩等を活性の高い塩化物に誘導することも可能である。
ルイス酸触媒の量は、触媒の種類や反応温度等の操業条件によって最適値が変化するが、原料の有機物に対して0.01mol%から10mol%、より好ましくは0.1〜5mol%が推奨される。これよりも少ないと反応速度が遅くなって生産性が低下し、これよりも多いと資源が無駄となるだけなく、予期せぬ副反応が起こりうるので好ましくない。
既に説明したように、第1工程をルイス酸触媒存在下で実施し、かつ、第2工程を第1工程に引き続いて行う場合には、第1工程で用いたルイス酸触媒を系内から分離回収することなく、第2工程のルイス酸触媒として再度利用することも可能である。その場合、第2工程において新たなルイス酸触媒の追加は必要でない。尤も、反応速度をより高める目的で、第2工程において、ルイス酸触媒を追加することも妨げられない。
第2工程を液相中、ルイス酸触媒存在下で実施する場合の反応温度は、−20℃から110℃が好ましく、より好ましくは0℃から60℃である。この範囲よりも低い場合は、反応速度が遅くなり生産性が低下することがあり、これよりも高い場合は、「不純物」の副生が増えて、230daの選択率が低下することがある。前述のように、第2工程をあまり高い温度で実施したり、あまり長時間実施したりすると、高沸点の「不純物」の副生が有意に見られるようになる(ガスクロマトグラフ上の選択率も低下)。このような「不純物」の生成を極力避けるために、第2工程は、目的とする反応が十分な速度で進行する範囲で、なるべく低い温度で反応を実施することが望ましく、触媒量その他の条件に応じて、そのような温度を当業者の知識で最適化することができる。
第2工程を液相中、ルイス酸触媒存在下で実施する場合、反応温度は、前記第1工程を液相中、ルイス酸触媒存在下で実施する場合よりも低い温度で十分に進行することが多く、第1工程よりも低い温度で第2工程を実施することが好ましい。
さらに第2工程を液相中、ルイス酸触媒存在下で実施する場合、反応温度は、後述の第3工程を液相中、ルイス酸触媒存在下で実施する場合よりも低い温度で十分に進行することが多く、第3工程よりも低い温度で第2工程を実施することが好ましい。特に第3工程の反応は、元来、第2工程の反応と同時並行的に進行し得るものであるが、第2工程の反応を実施する際には、敢えて第3工程の反応が有意に進行しない程度の低い温度で実施する方が、前記「不純物」の生成を抑制でき、工程管理をより行いやすいことが多い。
第2工程を(c)の方法で実施する場合の好ましい反応例として、ガラス製もしくはガラスライニング製の反応器に触媒と1230zaを仕込み、攪拌しながら、吹き込み管を通して塩素ガスを吹き込み、水(水道水、工水等)を流通させた還流塔によって、有機物だけを還流させて、未反応のガスのみを排出させる方法が推奨される。
なお、第2工程を(c)の方法で実施するにあたって、密閉式の反応器にClガスを導入して反応を行うことも妨げられないが、発熱反応であり、比較的大きな速度で反応が進行することから、反応の制御には注意が必要である。
なお、耐圧容器を用いて加圧下で(c)の方法の反応を行うことも妨げられないが、前述の通り、この方法で第2工程を行う場合、反応温度は十分に低いため、通常は常圧条件で反応を行うことが簡便で好ましい。
同業者の所望により、塩素化反応を加速するために、光(紫外線)を照射することも可能である。また、ラジカル開始剤を添加することも可能であるが、特段必要でなく、添加した場合、最終的にラジカル開始剤と生成物の分離が煩雑になることがある。
第2工程においては、反応器内部の液相部の1230zaが、時間の経過とともに目的物230daに置き換わっていく。ガスクロマトグラフ分析等によって、反応の進捗を測定しつつ、原料1230zaがほぼ消費されたところで反応を終了することが好ましい。
前述したように、第2工程としては、(a)気相中かつ無触媒での反応、或いは(b)液相中かつ無触媒下の反応、も妨げられない。
(a)の場合、反応温度は通常1230zaの沸点(約149℃)〜280℃が採用でき、(b)の場合、反応温度は通常50〜120℃が採用できる。
(a)の方法を採用する場合、あまり長い時間、1230zaを高い温度下に晒すと、不純物の生成が増加する傾向にあるので、当業者の最適化により、反応時間(加熱時間)を調節する(望ましくは1〜40秒程度)ことが好ましい。(a)の方法を採る場合、装置への負荷が概して大きくなるが、流通式の反応であるため、大量規模で230daを製造する場合に、有利なことがある。但しこの方法を採用すると、「第1工程〜第3工程」までを「液相中で、同一の触媒を用いて、ワンポットマルチステップ反応で実施する」という、1220xaの特に好ましい生産態様とは相容れないものとなる。
一方(b)の方法を採用する場合、上述の(c)の方法に比べて、一見、好適な温度範囲に違いは無い様に見えるが、(c)の方法に比べると、同一温度では長い反応時間を要する傾向があり、(b)の方法の方が高沸点の「不純物」が生成しやすい。また無触媒反応であるから、やはり「第1工程〜第3工程」までを液相中で、ワンポットマルチステップ反応で実施するという、1220xaの特に好ましい生産態様とは相容れないものとなる。
よって、第2工程としては、上述の通り(c)の方法(液相中かつルイス酸触媒存在下の反応)を採用することが特に好ましい。
なお、第2工程によって合成された230daは、触媒の分離、蒸留精製といった後処理を行うことなく、続く第3工程の原料として供することができる。触媒の分離や、蒸留精製を行うことは妨げられるものではないが、これらの処理を行うことなく、連続して各工程を実施できる点も本発明の大きなメリットの1つであるので、そのような後処理を行わないことは、好ましい一態様である。
[3]第3工程について
第3工程は、230daを、液相において、ルイス酸触媒の存在下、脱塩化水素化して本発明の目的物である1220xaを得る工程である。
第3工程は、230daを液相で、ルイス酸触媒の存在下で、加熱することによって進行する。反応装置には特に制限がないが塩化水素が発生するのでガラス製またはステンレススチール製のものが推奨される。もちろん、ガラスや樹脂でライニングされた反応器も好ましい。反応器は攪拌設備、還流塔を有するものが良い。
前記第2工程と同一の反応器を引き続き用いることもでき、第2工程で好適に採用された、塩素が導入可能な吹き込み管を有する反応器を、第3工程においても引き続き使用することができる。この場合、第2工程において系内に導入された塩素ガスを不活性ガスで置換する必要はなく、塩素ガスが残存する状態でも、第3工程の反応自体は問題なく進行する。これに対して、第2工程とは異なる反応器を用いる場合には、塩素ガスを不活性ガスで置換してから、第3工程を行うことも、有効な方法である。
第3工程に用いるルイス酸触媒としては、金属のハロゲン化物が例示される。金属のハロゲン化物とは金属とハロゲンの結合を有するものを指す。IR、XRD、XPS等によって金属−ハロゲンの結合が確認されれば本発明の触媒として使用可能である。具体的にアルミニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、スズ、アンチモン、タンタル、タングステンのハロゲン化物が好ましい。これらの中でも塩化物が好ましく、中でもアルミニウム、鉄、スズ、アンチモンの塩化物が好ましい。塩化アルミニウムと塩化鉄が特に好ましく、塩化鉄の場合は塩化第二鉄がより好ましい。触媒は無水のものが、触媒活性が高いから好ましい。市販の無水物をそのまま使用しても良いが、水和物を塩化チオニルで処理して無水物を得ることもできる。
第3工程を実施するにあたっては、金属ハロゲン化物を直接ルイス酸触媒として使用することが簡便であるが、当業者の所望により、これらの金属の硝酸塩、炭酸塩等や0価金属粉末を、予め塩化水素処理することによって、活性な金属ハロゲン化物に誘導し、これをルイス酸触媒として用いることも可能である。第1工程、第2工程と同様に、塩化水素により、0価の金属粉末や硝酸塩等を活性の高い塩化物に誘導することも可能である。
第3工程におけるルイス酸触媒の量は、触媒の種類や反応温度等の操業条件によって最適値が変化するが、原料の有機物に対して0.01mol%から10mol%、より好ましくは0.1〜5mol%である。これよりも少ないと反応速度が遅くなって生産性が低下し、これよりも多いと資源が無駄となるだけなく、予期せぬ副反応が起こり得るので好ましくない。
反応温度は通常50℃から200℃が好ましく、より好ましくは70℃から150℃である。この範囲よりも低い場合は、反応速度が遅くなり生産性が低下し、これよりも高い場合は、高沸物の副生が増えて、1220xaの選択率が低下することがある。なお、第3工程の反応は、用いるルイス酸の種類によって最適温度に差があり、塩化アルミニウムの場合には70〜110℃、塩化第二鉄の場合には、これより多少高い100〜150℃である。
好ましい反応例として、ガラスもしくはガラスライニング製の反応器に、ルイス酸触媒と230daの液体を仕込み、常圧で攪拌しながら加熱するという方法が挙げられる。反応開始と共に、塩化水素が発生するので、水道水等を流通させた還流塔によって、塩化水素を排出することができる。尤も、耐圧の反応器を用いて反応を行って、発生する塩化水素ガスを適時に排出(パージ)する方法も妨げられないが、本工程は、原料および生成物の沸点よりも十分に低い温度で、十分に反応が進行するので、通常は、常圧の反応の方が簡便で好ましい。
第3工程においては、反応器内部の液相部の230daが、時間の経過とともに目的物1220xaに置き換わっていく。ガスクロマトグラフ分析等によって、反応の進捗を測定しつつ、原料230daがほぼ消費されたところで反応を終了することが好ましい。
[4]ワンポットマルチステップ反応について
本発明を実施するに当たって特に好ましい態様は、
(第3工程のみならず)、第1工程および第2工程ともに、液相中かつルイス酸触媒存在下に反応を行うものであり、
第1工程および第2工程ともに、上記ルイス酸触媒が、第3工程で用いるルイス酸触媒と同一種類のものであり、かつ、
第1工程と第2工程の間、および第2工程と第3工程の間に、反応混合物からの触媒の分離を行わず、その結果として、
第1工程で用いたルイス酸触媒が、第2工程および第3工程に渡って、再利用されることになる、
という実施態様である。
これによって、第1工程に用いたルイス酸触媒を、そのまま第2工程、および第3工程に再利用することができ、触媒の節約が行えるだけでなく、反応工程が著しく簡略化できる。
当業者の所望によって、「第1工程と第2工程」のみ、或いは「第2工程と第3工程」のみ、同一のルイス酸触媒を用いることも妨げられないが、最も好ましいのは、第1工程〜第3工程まで、通して、液相中かつ同一のルイス酸触媒を再利用していく実施態様である。
このような実施態様を本明細書において、「ワンポットマルチステップ反応」と呼ぶ。
一般に操業性を改善するために、同一反応釜で、生成物を単離することなく、複数の工程を行う「ワンポットマルチステップ反応」が提案されているが、マルチステップの全てが触媒反応であり、その触媒を共通化したワンポットマルチステップ反応は稀である。本発明においては、特異的に3工程とも同一触媒が使用可能である。とくに、安価で入手性が良く、3工程に渡って優れた選択率と反応率を示す塩化アルミニウム(AlCl)や塩化第二鉄(FeCl)が特に優れた共通触媒として推奨される。なお、塩化鉄としては、塩化第一鉄(FeCl)と塩化第二鉄(FeCl)の2種類が知られているが、本発明においては、塩化第二鉄の方が触媒活性が高く、優れている。
中でも塩化第二鉄は、取扱いやすく、反応性も良好であるため、特に好ましい共通触媒である。
第1工程や第3工程の生成物は還元性を有する不飽和化合物なので、触媒のバレンシー(触媒の活性中心元素(例えば鉄)の酸化状態をいう)が低下して、活性が低下することは起こり得ることである。しかし、本発明者が第1工程〜第3工程にかけてのワンポットマルチステップ反応を検討したところ、触媒活性の有意な低下は認められなかった。この原因は明らかではないが、1つの解釈(推測)として、次のように考えることができる。すなわち、第1工程の反応混合物と触媒とを分離することなく、第2工程に供した場合、たとえ第1工程で一部の触媒のバレンシーが低下していても、酸化力の高い塩素(Cl)によって、ルイス酸触媒のバレンシーが回復し、触媒活性の高い状態になるので、第2工程が高い触媒活性のもとで進行するようになる。引き続き第3工程を行えば、第3工程も、高い触媒活性のもとで進行するようになる。以上の解釈が可能であると考えている。
特に好ましい実施態様の例として、攪拌器、還流塔、攪拌器、吹き込み管を有するガラス製反応釜に240faと塩化鉄を仕込み、攪拌しながら70〜110℃(典型的には70℃〜90℃)に加熱し、発生する塩化水素を還流塔経由で排出し、第1工程を実施する。ガスクロマトグラフィーによって反応混合物の組成を測定しつつ、変換率が例えば95%以上になるまで第1工程を継続する。その後、攪拌を継続しながら、反応混合物を冷却する。そして反応混合物の温度が、第2工程を行うのに適した「0〜60℃」に低下したところで、塩素を吹き込み、0〜60℃の所定温度(例えば30℃、50℃)で第2工程を実施する。変換率が例えば95%以上になるまで第2工程を継続する。その後、塩素の供給を止めて反応温度を110〜130℃に上げて第3工程を実施し、変換率が例えば95%以上になるまで第3工程を継続する。
このうち、第2工程の反応と、第3工程の反応は、元来、同時並行的に起こり得る性格のものである。しかし、塩化アルミニウムや塩化第二鉄をルイス酸触媒に用いる場合には、第2工程の反応が進みやすい温度と、第3工程の反応が進みやすい温度には、明確な差が存在することが多い。このため、上記のように第2工程の反応温度を相対的に低くし、第3工程の反応温度を少なくともこれより高く設定することで、第2工程と第3工程を別々に進行させることが可能となる。このように2つの反応を別々に実施する方が、不純物の生成を抑制しやすく、効率的に目的とする1220xaを製造できる。
本発明においては、各工程とも、ルイス酸触媒として、複数のルイス酸触媒を併用(同時に添加し触媒として用いる)することは妨げられない。しかし、一般に、ルイス酸が異なれば、反応の最適温度も異なるのが通常である。つまり、異なるルイス酸触媒を併用すると、各工程の最適温度が広範なものになる。その結果として、第2工程と第3工程の反応の温度選択性を得にくくなり、第2工程と第3工程が同時に進みやすくなる。よって、本発明においては、唯1種類のルイス酸触媒を一貫して用いることが、特に好ましい。
本発明における「ワンポット」とは、反応器の数を限定するものではなく反応生成物と触媒を分離することなく次工程へ進むことも指す。すなわち、当業者の設備によって、一つの釜(反応器)で3工程行うことも可能であるが、複数の釜を有するときは、第1工程が完了した後、生成物と触媒を分離することなく別の釜に移して第2工程を実施し、第2工程が完了した後、生成物と触媒を分離することなく、別の釜に移して第3工程を実施するような方式を採用することも可能である。この時、第一工程から第二工程、或いは第二工程から第三工程の釜へ反応生成物および触媒を移す間に、熱交換器を通じて反応生成物および触媒を効率的に冷却、加熱することも可能である。
第3工程が完了した後、蒸留することによって容易に触媒と有機物を分離することが可能である。もちろん、精密蒸留することによって高純度の1220xaを単離することが可能である。得られた1220xaは水洗、乾燥することも可能である。水洗、乾燥を行う場合には、蒸留よりも前に実施することが好ましい。
以下、実施例を用いて、詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。文中FID%とは、検出器がFIDのガスクロマトグラフで分析した時の面積%を指す。
実施例1(第1工程)
ボールフィルター、温度計、水道水が流せるジムロート及び攪拌子を備えた100mL三つ口フラスコに純度98.31FID%の240fa 50.02g(0.23mol)、塩化第二鉄 0.93g(0.006mol)を仕込み攪拌を開始した。ジムロートの上部に、PFAチューブを用いて500ml PFA容器の空のトラップ、次いで濃度25重量%の水酸化ナトリウム水溶液 250gを入れた500mL PFA容器に接続した。ボールフィルターより流量5mL/分で窒素を導入しながら、フラスコをオイルバスで80℃に加熱した。4時間反応したところでガスクロマトグラフィー分析したところ、240fa2.83FID%、1230za92.82FID%、その他不純物は4.3FID%であった(表1)。
実施例2〜6(第1工程)
第1工程の反応を、実施例1と同様に、その触媒や触媒量、反応温度、反応時間を変更して行った。それらの結果をまとめて表1に示す。
Figure 2016204291
表1から、ルイス酸触媒として塩化第二鉄を用いる場合、80℃付近で反応を行う場合(実施例1,2)、反応速度、選択率の両面を通じて、バランス良い結果が得られていることが分かる。反面、50℃で反応を行うと(実施例5)、選択率は高いものの、反応速度が低下し、24時間経過しても、84%程度の変換率に留まっている。一方、100℃で反応を行うと、反応速度は高く、目的物は高収率で生成しているものの、タール状の不純物の副生が若干認められ、ガスクロ上の選択率もやや低下している。
一方、ルイス酸触媒として塩化アルミニウムを用いる場合、塩化第二鉄よりもやや低い50℃で、反応速度、選択率の両面を通じて、バランス良い結果が得られている。
参考例1[第2工程(液相、無触媒)]
ボールフィルター、温度計、水道水が流せるジムロート及び攪拌子を備えた100mL三つ口フラスコに純度98.22FID%の1230za 39.38g(0.22mol)を仕込み攪拌を開始した。ジムロートの上部に、PFAチューブを用いて500ml PFA容器の空のトラップ、次いで濃度25重量%の水酸化ナトリウム水溶液 250gを入れた500mLPFA容器に接続した。フラスコをオイルバスで50℃に加熱し、ボールフィルターより塩素 15.87g(0.22mol)を127分かけて導入した。塩素導入直後に反応液をガスクロマトグラフィー分析したところ、1230za 21.92FID%、230da75.08FID%であった(表2)。
この参考例1は、第2工程の反応を液相、無触媒条件で行ったものである。反応は円滑に進み、目的物が得られているものの、同一温度において、ルイス酸触媒を用いて行った実験(実施例7)に比べると、反応変換率は低く、反応を完結させるまでには、より長い時間が必要であることが分かる。
実施例7[第2工程(液相、ルイス酸触媒存在下)]
ボールフィルター、温度計、水道水が流せるジムロート及び攪拌子を備えた100mL三つ口フラスコに純度98.22FID%の1230za 41.72g(0.23mol)、塩化第二鉄0.9g(0.006mol)を仕込み攪拌を開始した。ジムロートの上部に、PFAチューブを用いて500ml PFA容器の空のトラップ、次いで濃度25重量%の水酸化ナトリウム水溶液 250gを入れた500mLPFA容器に接続した。未反応で反応器を通過した塩素ガスをここで捕捉した。
フラスコをオイルバスで50℃に加熱し、ボールフィルターより塩素 16.78g(0.24mol)を107分かけて導入した。塩素導入直後に反応液をガスクロマトグラフィー分析したところ、1230za 1.16FID%、230da94.99FID%だった。無触媒の参考例1の変換率は77.7%であったが、ルイス酸触媒を添加することにより、変換率が98.8%まで向上し、選択率も97.9%と高い水準を維持した(表2)。
実施例8〜10[第2工程(液相、ルイス酸触媒存在下)]
実施例7と同じ手順で、反応温度等の条件を変えて反応を行った。結果を表2に示した。
Figure 2016204291
表2から明らかなように、第2工程の反応を「液相中かつルイス酸触媒として塩化第二鉄の存在下」に実施すると、50℃付近或いはそれ以下の温度で、目的とする反応が十分な速度で、終点近くまで進行することが分かる。同じ反応が、50℃、無触媒下では78%の変換率であった(参考例1)のとは対照的である。すなわち本発明により、第2工程の反応が、これまで以上に効率的に実施できるようになった。
実施例11(第3工程)
ボールフィルター、温度計、水道水が流せるジムロート及び攪拌子を備えた100mL三つ口フラスコに純度96.20FID%の230da 58.62g(0.23mol)、塩化第二鉄 0.9g(0.006mol)を仕込み攪拌を開始した。ジムロートの上部に、PFAチューブを用いて500ml PFA容器の空のトラップ、次いで濃度25重量%の水酸化ナトリウム水溶液250gを入れた500mL PFA容器に接続し、副生塩化水素ガスをここで補足した。
ボールフィルターより流量5mL/分で窒素を導入しながら、フラスコをオイルバスで130℃に加熱した。2時間反応したところでガスクロマトグラフィー分析したところ、230da 1.33FID%、1230za 93.08FID%、その他不純物は5.60FID%だった(表3)。
実施例12(第3工程)
実施例11と同じ手順で、触媒、反応温度を変えて、反応を行った結果を、同じく表3に示す。
Figure 2016204291
実施例13a [ワンポット3ステップ反応 (第1工程)]
ボールフィルター、温度計、水道水が流せるジムロート及び攪拌子を備えた200mL三つ口フラスコに純度98.13FID%の240fa 100.01g(0.45mol)、塩化第二鉄 0.91g(0.006mol)を仕込み攪拌を開始した。ジムロートの上部に、PFAチューブを用いて空のトラップ、次いで濃度25重量%の水酸化ナトリウム水溶液 250gに接続した。ボールフィルターより流量5mL/分で窒素を導入しながら、フラスコをオイルバスで80℃に加熱した。4.5時間反応し、ガスクロマトグラフィー分析したところ240fa 2.81FID%、1230za 92.72FID%だった。反応変換率96.9%、選択率95.7%で目的とする1230zaが生成していた。
実施例13b [ワンポット3ステップ反応 (第2工程)]
実施例13aの終了後、三つ口フラスコの内温を30℃まで冷却した後、反応混合物を、オイルバスによって45℃に加温した。(第2工程を始めるにあたって、第1工程の反応混合物に対する精製も、ルイス酸触媒の補充添加も行わなかった)。ボールフィルターより塩素 32.52g(0.46mol)を流量約0.2g/分で170分かけて導入した。導入終了直後に反応液をガスクロマトグラフィー分析したところ、1230za 0.24FID%、230da93.59FID%だった。変換率99.7%、選択率93.8%で、目的とする230daが生成していることが分かった。
実施例13c[ワンポット3ステップ反応 (第3工程)]
実施例13b終了後、特に精製も触媒補充も行うことなく、ボールフィルターより流量5mL/分で窒素を導入し、オイルバスで120℃とした。同温度で2時間反応したところでガスクロマトグラフィー分析したところ、230da 1.82FID%、1220xa 93.73FID%だった。反応変換率98.1%、選択率95.6%で目的とする230daが生成していることが分かった。
フラスコを水冷し、濃塩酸38.9gを添加しフラスコ内の固形物を溶解し2層分離して下層有機層を回収した。有機物を53gの上水で洗浄した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 50gで洗浄し91.18gの有機物を回収した。ガスクロマトグラフィー分析したところ、1220xa純度93.9FID%であり、純度換算収率は88%であった。
このように実施例13a〜13cを通して、同一触媒を用いてワンポットマルチステップ反応を行うことで、良好な収率で1220xaを得られることが判明した。

Claims (12)

  1. 1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロパン(230da)を、液相において、ルイス酸触媒の存在下、脱塩化水素化する工程を含む、1,1,2,3,3−ペンタクロロプロペン(1220xa)を製造する方法。
  2. 前記ルイス酸触媒が、「アルミニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、スズ、アンチモン、タンタルおよびタングステン」からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属のハロゲン化物を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ルイス酸触媒が、塩化アルミニウム(AlCl)、塩化第二鉄(FeCl)の少なくとも1種を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記脱塩化水素化の反応温度が50〜200℃の範囲である、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の方法。
  5. 前記230daが、1,1,3,3−テトラクロロプロペン(1230za)を、液相中で、ルイス酸触媒の存在下に、塩素(Cl)によって塩素化して得たものである、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の方法。
  6. 前記ルイス酸触媒が、「アルミニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、スズ、アンチモン、タンタルおよびタングステン」からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属のハロゲン化物を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記ルイス酸触媒が、塩化アルミニウム(AlCl)、塩化第二鉄(FeCl)の少なくとも1種を含む、請求項5に記載の方法。
  8. 前記1230zaが、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa)を、液相中かつルイス酸触媒存在下、脱塩化水素化して得たものである、請求項5乃至請求項7の何れかに記載の方法。
  9. 240faを脱塩化水素化して1230zaを得る工程を「第1工程」、
    1230zaを、塩素(Cl)によって塩素化して230daを得る工程を「第2工程」、
    230daを、液相において、ルイス酸触媒の存在下、脱塩化水素化して1220xaを得る工程を「第3工程」とするときに、
    第1工程および第2工程ともに、液相中かつルイス酸触媒存在下に反応を行うものであり、
    第1工程で用いたルイス酸触媒が、第2工程および第3工程に渡って、再利用されることになる、
    ことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 前記ルイス酸触媒が、塩化アルミニウム(AlCl)、塩化第二鉄(FeCl)の少なくとも1種を含む、請求項9に記載の方法。
  11. 第1工程の反応が、40〜200℃、第2工程の反応が、−20〜+110℃、第3工程の反応が50〜200℃である、請求項9又は請求項10に記載の方法。
  12. 第3工程の反応温度が、少なくとも第2工程の反応温度よりも高いことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
JP2015086229A 2015-04-20 2015-04-20 含塩素オレフィンの製造方法 Pending JP2016204291A (ja)

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