JPWO2018193884A1 - 1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法 - Google Patents

1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明の1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1223za)の製造方法は、1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペン(1220za)をフッ化水素でフッ素化して1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1223za)を製造する工程、を含むことを特徴とする。該方法により、1220zaを原料として、1223zaを効率的に製造することができる。

Description

本発明は1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(CCl2=CHCF3;以下、1223zaともいう)の製造方法に関する。また、本発明は、1223zaと1,1,3−トリクロロ−3,3−ジフルオロプロペン(CCl2=CHCClF2;以下、1222zaともいう)を併産する方法、及び1222zaを製造する方法に関する。さらに、本発明は、1223zaと1,1−ジクロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロパン(CCl2FCH2CF3;以下、234fbともいう)を併産する方法、及び234fbを製造する方法に関する。
ハイドロフルオロオレフィン(以下、HFO化合物ともいう)は、1,3,−ジクロロ−1,1,2,2,2−ペンタフルオロプロパン(CClF2CF3CH2Cl;225ca)等のハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC化合物)よりも地球温暖化係数(GWP)が小さく、地球環境に優しい化合物なので、商業的に使用可能であれば溶剤等の各種用途での代替が進んでいる。1223zaもHFO化合物の一種である。
1223zaを製造する方法としては、種々の方法が知られている。例えば、特許文献1には各種弗素化プロペンの製造方法が記載されており、その中で、例IIのEx2Gでは、トリクロロエチレン(CCl2=CHCl;HCO−1120)とトリフルオロメタン(CHF3;R−32)を400℃で反応させて1223zaを製造する方法が報告されている。しかし、特許文献1による反応は、気相反応且つ高温条件で行われ、原料の転化率が12%前後であるため、大量生産を行うには適さない。
また、非特許文献1には、1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペン(CCl2=CHCCl3;以下、1220zaともいう)に対して、フッ化アンチモン(SbF3)を液相反応させることにより、1223zaを製造する方法が記載されている。しかしながら、非特許文献1の方法においては、高価なSbF3を化学量論量以上使用しており、工業的規模の大量生産を行うのには適さない。
また、特許文献2には、1,1,1−トリフルオロ−3,3,3−トリクロロプロパン(CF3CH2CCl3;HCFC−233fb)に対して、塩基を反応させることにより、1223zaを製造する方法が記載されている。しかしながら、特許文献2の方法では、高収率高選択性で1223zaが得られるものの、後処理において塩基性排水若しくは有機塩基が大量に排出される。
1223zaを効率よく製造する方法(工業的に採用容易な1223zaの製造方法)の開発が、なお求められている。
特許第5706432号 特開2016−79101号
A. L. Henne et al., J. Am. Chem. Soc., 1941, p.3478-3479
本発明は、上記観点からなされたものであり、効率的な1223zaの製造方法を提供することを課題とする。また、本発明は、効率的な1223zaと1222zaの併産方法、及び効率的な1222zaの製造方法を提供することを課題とする。さらに、本発明は、効率的な1223zaと234fbの併産方法、及び効率的な234fbの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を行った。その結果、フッ素化剤としてフッ化水素を用いて、1220zaを弗素化させることにより、1223zaを製造できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
また、本発明者らは、フッ素化剤としてフッ化水素を用いて、1220zaをフッ素化させることにより、1223zaと1222zaを併産できることや、1222zaを製造できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
さらに、本発明者らは、フッ素化剤としてフッ化水素を用いて、1220zaをフッ素化させることにより、1223zaと234fbを併産できることや、234fbを製造できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の各発明を含む。
[発明1]
1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペンをフッ化水素でフッ素化して1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを製造する工程、を含むことを特徴とする、1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法。
[発明2]
前記フッ化水素の使用量が、1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペン1モルに対して3〜40モルであることを特徴とする、発明1に記載の方法。
[発明3]
前記フッ素化を液相で行うことを特徴とする、発明1または2に記載の方法。
[発明4]
前記フッ素化を0〜200℃で行うことを特徴とする、発明3に記載の方法。
[発明5]
前記フッ素化により、1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンとともに、1,1,3−トリクロロ−3,3−ジフルオロプロペンまたは1,1−ジクロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロパンが生成されることを特徴とする、発明3または4に記載の方法。
[発明6]
前記フッ素化を気相で行うことを特徴とする、発明1または2に記載の方法。
[発明7]
前記フッ素化を100〜500℃で行うことを特徴とする、発明6に記載の方法。
[発明8]
前記フッ素化を0〜10MPaGで行うことを特徴とする、発明1〜7のいずれかに記載の方法。
[発明9]
前記フッ素化を触媒の存在下または非存在下で行うことを特徴とする、発明1〜8のいずれかに記載の方法。
[発明10]
1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを精製する工程を含むことを特徴とする、発明1〜9のいずれかに記載の方法。
[発明11]
1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペンとともに、1,1,3,3−テトラクロロ−3−フルオロプロペンまたは1,1,3−トリクロロ−3,3−ジフルオロプロペンを前記フッ素化に供することを特徴とする、発明1〜10のいずれかの記載の方法。
[発明12]
1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペンをフッ化水素でフッ素化して1,1,3−トリクロロ−3,3−ジフルオロプロペンを製造する工程、を含むことを特徴とする、1,1,3−トリクロロ−3,3−ジフルオロプロペンの製造方法。
[発明13]
前記フッ素化を液相で行うことを特徴とする、発明12に記載の方法。
[発明14]
前記フッ素化を触媒の存在下または非存在下で行うことを特徴とする、発明12または13に記載の方法。
[発明15]
前記フッ素化により、1,1,3−トリクロロ−3,3−ジフルオロプロペンとともに、1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンが生成されることを特徴とする、発明12〜14のいずれかに記載の方法。
[発明16]
1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパンを、液相において、ルイス酸触媒の存在下、脱塩化水素化して1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペンを得る脱塩化水素化工程、をさらに含むことを特徴とする、発明1〜15のいずれかに記載の方法。
[発明17]
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを、液相において、UV照射下またはラジカル開始剤の存在下で、塩素化して1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパンを得る塩素化工程、をさらに含むことを特徴とする、発明16に記載の方法。
本発明の好ましい態様において、1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペン(1220za)とフッ化水素とを反応させ、1220zaをフッ素化する。前記フッ素化により、1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1223za)が製造される。また、前記フッ素化において、フッ化水素の使用量は、1220za 1モルに対して3〜40モルであり、好ましくは4〜35モルであり、特に好ましくは8〜30モルである。また、前記フッ素化は、0.1〜10MPaG(ゲージ圧をいう。以下本明細書において同じ。)で行われ、好ましくは0.15〜6MaGであり、特に好ましくは0.25MPaG超4.5MPaG以下である。また、前記フッ素化は触媒の存在下あるいは非存在下で行われ、好ましくは触媒の非存在下で行われる。また、前記フッ素化は溶媒の存在下あるいは非存在下で行われ、好ましくは溶媒の非存在下で行われる。また、前記フッ素化はバッチ式、半連続流通式あるいは連続流通式で行われてもよく、好ましくは連続流通式で行われる。また、前記フッ素化は液相中または気相中で行われる。また、液相中での前記フッ素化は、0〜200℃で行われ、35〜200℃が好ましく、35〜140℃が特に好ましく、40〜130℃がさらに好ましい。また、気相中での前記フッ素化は、100〜500℃で行われ、150〜400℃が好ましく、200〜350℃が特に好ましい。また、前記フッ素化により、1223zaとともに、1,1,3,3−テトラクロロ−3−フルオロプロペン(以下、1221zaともいう)、1,1,3−トリクロロ−3,3−ジフルオロプロペン(1222za)、1,1−ジクロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロパン(234fb)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(CF3CH2CHF2;以下、235faともいう)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(CF3CH2CF3;以下、236faともいう)等が生成することがある。また、前記フッ素化により得られる1223zaは精製することが好ましい。また、生成した副生物を分離して、1220zaとともに前記フッ素化に供することもできる。
本発明の好ましい態様において、1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペン(1220za)とフッ化水素とを反応させ、1220zaをフッ素化する。前記フッ素化により、1,1,3−トリクロロ−3,3−ジフルオロプロペン(1222za)が製造される。また、前記フッ素化において、フッ化水素の使用量は、1220za 1モルに対して2〜40モルであり、好ましくは3〜35モルであり、特に好ましくは4〜30モルである。また、前記フッ素化は、0.1〜10MPaGで行われ、好ましくは0.1〜3MaGであり、特に好ましくは0.1〜2MPaGである。また、前記フッ素化は触媒の存在下あるいは非存在下で行われ、好ましくは触媒の非存在下で行われる。また、前記フッ素化は溶媒の存在下あるいは非存在下で行われ、好ましくは溶媒の非存在下で行われる。また、前記フッ素化はバッチ式、半連続流通式あるいは連続流通式で行われてもよく、好ましくは連続流通式で行われる。また、前記フッ素化は液相中で行われることが好ましい。また、前記フッ素化は、0〜70℃での実施が好ましく、0〜60℃が特に好ましく、10〜55℃がさらに好ましい。また、前記フッ素化により、1222zaとともに、1,1,3,3−テトラクロロ−3−フルオロプロペン(1221za)、1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1223za)、1,1−ジクロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロパン(234fb)等が生成することがある。また、前記フッ素化により得られる1222zaは精製することが好ましい。また、前記フッ素化により得られる1222zaは、1220zaとともに前記フッ素化に供することもできる。
本発明の好ましい態様において、1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペン(1220za)とフッ化水素とを反応させ、1220zaをフッ素化する。前記フッ素化により、1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1223za)と1,1,3−トリクロロ−3,3−ジフルオロプロペン(1222za)が併産される。また、前記フッ素化において、フッ化水素の使用量は、1220za 1モルに対して3〜40モルであり、好ましくは4〜35モルであり、特に好ましくは8〜30モルである。また、前記フッ素化は、0〜70℃での実施が好ましく、0〜60℃が特に好ましく、10〜55℃がさらに好ましい。また、前記フッ素化は、0.1〜10MPaGで行われ、好ましくは0.1〜3MaGであり、特に好ましくは0.1〜2MPaGである。また、前記フッ素化は触媒の存在下あるいは非存在下で行われ、好ましくは触媒の非存在下で行われる。また、前記フッ素化は溶媒の存在下あるいは非存在下で行われ、好ましくは溶媒の非存在下で行われる。また、前記フッ素化はバッチ式、半連続流通式あるいは連続流通式で行われてもよく、好ましくは連続流通式で行われる。また、前記フッ素化は液相中で行われることが好ましい。また、前記フッ素化により、1223zaと1222zaとともに、1,1−ジクロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロパン(234fb)が生成することがある。また、前記フッ素化により得られる1223zaと1222zaは精製することが好ましい。また、併産された1223zaと1222zaは分離して、それぞれ種々の用途に供することができ、1222zaは1220zaとともにフッ素化に供することもできる。
本発明の好ましい態様において、1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペン(1220za)とフッ化水素とを反応させ、1220zaをフッ素化する。前記フッ素化により、1,1−ジクロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロパン(234fb)が製造される。また、前記フッ素化において、フッ化水素の使用量は、1220za 1モルに対して、好ましくは4〜40モルであり、特に好ましくは8〜40モルである。また、前記フッ素化は、0.1〜10MPaGで行われ、好ましくは1.5〜6MaGであり、特に好ましくは3〜6MPaGである。また、前記フッ素化は触媒の存在下あるいは非存在下で行われ、好ましくは触媒の非存在下で行われる。また、前記フッ素化は溶媒の存在下あるいは非存在下で行われ、好ましくは溶媒の非存在下で行われる。また、前記フッ素化はバッチ式、半連続流通式あるいは連続流通式で行われてもよく、好ましくは連続流通式で行われる。また、前記フッ素化は液相中で行われることが好ましい。また、前記フッ素化は、20〜200℃での実施が好ましく、70〜200℃がより好ましく、100〜200℃が特に好ましく、140〜200℃がさらに好ましい。また、前記フッ素化により、234fbとともに、1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1223za)、1,1,3−トリクロロ−3,3−ジフルオロプロペン(1222za)等が生成することがある。また、前記フッ素化により得られる234fbは精製することが好ましい。また、生成された1222zaまたは1223zaは分離して、それぞれ種々の用途に供することができ、また、1220zaとともにフッ素化に供することもできる。
本発明の好ましい態様において、1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペン(1220za)とフッ化水素とを反応させ、1220zaをフッ素化する。前記フッ素化により、1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1223za)と1,1−ジクロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロパン(234fb)が併産される。また、前記フッ素化において、フッ化水素の使用量は、1220za 1モルに対して3〜40モルであり、好ましくは4〜40モルであり、特に好ましくは8〜40モルである。また、前記フッ素化は、0.1〜10MPaGで行われ、好ましくは1.5〜6MaGであり、特に好ましくは2.0〜4.5MPaGである。また、前記フッ素化は触媒の存在下あるいは非存在下で行われ、好ましくは触媒の非存在下で行われる。また、前記フッ素化は溶媒の存在下あるいは非存在下で行われ、好ましくは溶媒の非存在下で行われる。また、前記フッ素化はバッチ式、半連続流通式あるいは連続流通式で行われてもよく、好ましくは連続流通式で行われる。また、前記フッ素化は液相中で行われることが好ましい。また、前記フッ素化は、20〜200℃での実施が好ましく、70〜200℃がより好ましく、100〜200℃が特に好ましく、140〜200℃がさらに好ましい。また、前記フッ素化により、1223zaと234fbとともに、1,1,3−トリクロロ−3,3−ジフルオロプロペン(1222za)が生成することがある。また、前記フッ素化により得られる1223zaと234fbは精製することが好ましい。また、併産された1223zaと234fbは、それぞれ種々の用途に供することができる。また、生成された1222zaは、1220zaとともにフッ素化に供することもできる。
本発明の好ましい態様において、1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペン(1220za)は、1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン(CCl3CH2CCl3;以下、230faともいう)を脱塩化水素化して製造される。前記脱塩化水素化は、液相中で行われることが好ましい。また、前記脱塩化水素化は、ルイス酸触媒存在下で行われることが好ましく、液相中ルイス酸触媒存在下で行われることが特に好ましい。前記ルイス酸触媒は、金属のハロゲン化物が好ましく、アルミニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、スズ、アンチモン、タンタルおよびタングステンからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属のハロゲン化物がより好ましく、このような金属の塩化物が特に好ましく、アルミニウム、鉄、スズおよびアンチモンからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属の塩化物がさらに好ましい。また、前記ルイス酸触媒は、金属を塩素化処理したものを前記脱塩化水素化に供してもよく、アルミニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、スズ、アンチモン、タンタルおよびタングステンからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を塩素化処理したものが好ましい。また、前記脱塩化水素化は、40〜200℃で行われることが好ましく、45〜120℃がより好ましい。
本発明の好ましい態様において、1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペン(1220za)は、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(CCl3CH2CHCl2;以下、240faともいう)を塩素化して1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン(230fa)を製造し、該230faを脱塩化水素化して製造される。前記塩素化は、240faを塩素化剤と接触させて行われることが好ましく、該塩素化剤が塩素であることがより好ましい。前記接触は、ラジカル開始剤の存在下もしくはUV照射下で行われることが好ましい。また、前記塩素化は0〜150℃で行われることが好ましく、40〜80℃がより好ましい。また、前記塩素化で得られた230faを精製することなく、前記脱塩化水素化に供することが好ましく、前記塩素化と前記脱塩化水素化を連続して行うことがより好ましく、前記塩素化と前記脱塩化水素化を同一の反応器内で行うことが特に好ましい。
本明細書において、「1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1223za)と1,1,3−トリクロロ−3,3−ジフルオロプロペン(1222za)の併産」とは、本発明に係る反応により1223zaと1222zaとが少なくとも製造されることを意味し、好ましくは1223za 1モル当たり、1222zaが0.0001モル以上製造され、特に好ましくは0.001モル以上である。
本明細書において、「1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1223za)と1,1−ジクロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロパン(234fb)の併産」とは、本発明に係る反応により1223zaと234fbとが少なくとも製造されることを意味し、好ましくは1223za 1モル当たり、234fbが0.0001モル以上製造され、特に好ましくは0.001モル以上である。
本発明により、1220zaを原料として、フッ素化剤としてフッ化水素を用いて、効率的な(工業的に採用容易な)1223zaの製造方法を提供することができる。
また、本発明により、効率的な1223zaと1222zaの併産方法や効率的な1222zaの製造方法を提供することができる。
さらに、本発明により、効率的な1223zaと234fbの併産方法や効率的な234fbの製造方法を提供することができる。
以下、本発明について説明する。本発明は以下の実施態様に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施態様に対し適宜変更、改良が加えられたものも本発明に含まれるものとして扱う。
<1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペン(1220za)のフッ素化>
本発明の一態様においては、1220zaをフッ素化させて1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1223za)を製造する。このフッ素化は、フッ素化剤としてフッ化水素を用いる。このフッ素化は、液相中あるいは気相中で行う。
本発明において、原料として用いられる1220zaは公知の化合物である。その製造方法の一例を後述するが、これによって他の製造方法を採用することが妨げられるものではない。ただし、後述の製造方法を採用することによって、1220zaを有利に製造することができるため、採用することが好ましい。
1220zaのフッ素化において、フッ化水素の使用量は、1220za 1モルに対して通常3〜40モルであり、4〜35モルが好ましく、8〜30モルがより好ましい。このフッ化水素の使用量は、反応形式がバッチ式あるいは半連続流通式の場合には、1220zaの仕込量に対して表され、連続流通式の場合には、反応器に存在する1220zaの定常量に対して表される。フッ化水素の量が3モル未満では、1223zaを生成するために必要なフッ化水素の理論量に達しておらず、反応の選択率、目的物の収率共に低下することがある。一方、フッ化水素の量が40モルを超えると、反応に関与しないフッ化水素の量が増加するため、生産性の観点から経済的に好ましくない。ただし、これらのことは、1220za 1モルに対して3モル未満40モル超のフッ化水素を使用することを妨げるものではない。
1220zaのフッ素化を液相で行う場合であって、1222zaを優位に製造することを所望する場合、フッ化水素の使用量は、2〜40モルが好ましく、3〜35モルがより好ましく、4〜30モルが特に好ましい。また、1220zaのフッ素化を液相で行う場合であって、234fbを優位に製造することを所望する場合、フッ化水素の使用量は、4〜40モルが好ましく、8〜40モルがより好ましい。
1220zaのフッ素化において、未反応のフッ化水素は反応生成物から分離し、反応系へリサイクルすることが、工業的な生産の観点から好ましい。フッ化水素と反応生成物の分離は公知の方法で行うことができ、そのような方法としては、例えば、反応生成物を蒸留する方法等が挙げられる。
1220zaのフッ素化において、反応温度は、目的物が生成できれば特に限定されない。
1220zaのフッ素化を液相で行う場合、反応温度は、通常0〜200℃の範囲で設定され、20〜200℃が好ましいが、この限りではない。本発明の一態様において、所望する目的物に応じて反応温度を調整することが好ましい。例えば、1223zaを優位に製造することを所望する場合には、20〜140℃が好ましく、20〜130℃が特に好ましい。また、1223zaと1222zaとを併産する場合には、0〜70℃が好ましく、0〜60℃が特に好ましく、10〜55℃がさらに好ましい。また、1222zaを優位に製造することを所望する場合には、0〜70℃が好ましく、0〜60℃が特に好ましく、10〜55℃がさらに好ましい。また、1223zaと234fbとを併産する場合には、20〜200℃が好ましく、70〜200℃がより好ましく、100〜200℃が特に好ましく、140〜200℃がさらに好ましい。また、234fbを優位に製造することを所望する場合には、20〜200℃が好ましく、70〜200℃がより好ましく、100〜200℃が特に好ましく、140〜200℃がさらに好ましい。
1220zaのフッ素化を気相で行う場合、反応温度は、通常100〜500℃の範囲で設定され、150〜400℃が好ましく、200〜350℃が特に好ましいが、この限りではない。本発明の一態様において、所望する目的物に応じて反応温度を調整することが好ましい。
1220zaのフッ素化において、圧力は限定されず、減圧下、常圧下(大気圧下)、加圧下のいずれであってもよい。本発明の一態様において、反応圧力は通常0.1〜10MPaG(ゲージ圧をいう。以下同じ。)であり、1.5〜6MPaGが好ましく、2.0〜4.5MPaGがより好ましい。0.1MPaG以上であれば、容易に好適な反応温度に上げることができ、また、10MPaG以下であれば、反応器の耐圧設計に伴う経済的コストも比較的低く済む。ただし、これらのことは、0.1MPaG未満や10MPaG超で反応を行うことを妨げるものではない。
1220zaのフッ素化を液相中で行う場合、1220zaのフッ素化は、アミン化合物、アミド化合物、スルホニル化合物、リン化合物などの有機塩基とフッ化水素からなる塩の存在下で行ってもよい。例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリn−ブチルアミン、ピリジン、2,6−ルチジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、DMAC、DMF、DMSO、トリフェニルホスフィン等が挙げられるが、これらに限定されない。
1220zaのフッ素化は、触媒の存在下または非存在下で行ってもよい。
1220zaのフッ素化を液相中、触媒の存在下で行う場合、触媒としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、卑金属、半金属を含む、単体、誘導体、あるいはこれらの2種以上の混合物を用いる。より具体的には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、卑金属、半金属から選ばれる、0価の金属、水酸化物、酸化物、ハロゲン化物、有機または無機の塩、錯体である。さらに具体的には、スズ、チタン、アンチモン、アルミニウム、鉄から選ばれる、塩化物、フッ化物等が挙げられるが、これらに限定されない。
1220zaのフッ素化を気相中、触媒の存在下で行う場合、触媒としては、金属触媒を用いる。前記金属触媒は、具体的には、アルミニウム、バナジウム、クロム、チタン、マグネシウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、スズ、アンチモン、亜鉛、ランタン、タンタルおよびタングステンからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含み、このような金属の化合物が好ましく、このような金属の酸化物、ハロゲン化物、オキシハロゲン化物がより好ましい(ここで、ハロゲンは、具体的には、沃素、臭素、塩素、フッ素である。以下同じ。)。前記金属触媒は、このような金属の部分ハロゲン化物または全ハロゲン化物がさらに好ましく、このような金属の部分フッ化物または全フッ化物が特に好ましい。
前記金属触媒は、担持触媒であってもよいし、非担持触媒であってもよい。担持触媒の場合の担体は、特に限定されないが、炭素や、前述の金属の酸化物、オキシハロゲン化物(好ましくはオキシフッ化物)、ハロゲン化物(好ましくはフッ化物)などを採用することが好ましい。このような担体の中でも、特に好ましくは、活性炭または、アルミニウム、クロム、ジルコニウムおよびチタニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属の酸化物、オキシハロゲン化物(特に好ましくはオキシフッ化物)、ハロゲン化物(特に好ましくは、フッ化物)である。担持触媒の場合の担持物は、前述の金属の化合物であり、例えば、前述の金属のフッ化物、塩化物、フッ化塩化物、オキシフッ化物、オキシ塩化物、オキシフッ化塩化物、硝酸化物等として担体に担持される。このような金属の化合物は単独で担持させてもよいし、2種以上を併せて担持させてもよい。本発明の一態様において、担持触媒の場合の担持物は、硝酸クロム、三塩化クロム、重クロム酸カリウム、三塩化チタン、硝酸マンガン、塩化マンガン、塩化第二鉄、硝酸ニッケル、塩化ニッケル、硝酸コバルト、塩化コバルト、五塩化アンチモン、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩化銅(II)、塩化亜鉛(II)、硝酸ランタン、四塩化スズなどを用いる。
本発明の一態様において、前記金属触媒は、使用に際してフッ素化処理を施して反応に供することが好ましい。このフッ素化処理の方法は特に限定されないが、一般的には、フッ化水素、フッ素化炭化水素、フッ素化塩素化炭化水素などのフッ素化剤と、前記金属触媒とを接触させることにより行う。フッ素化処理温度は特に限定されないが、通常200℃以上で行い、温度の上限は特にないが、実用的には600℃以下で行うのが好ましい。
また、1220zaのフッ素化は、充填材の存在下または非存在下で行ってもよい。このような充填材の材質としては、活性炭などの炭素や、耐熱プラスチック、セラミックス、ステンレス鋼などの金属が挙げられる。中でも、活性炭が特に好ましい。
通常、気相流通方式の反応の場合、反応ゾーンの容積A(mL)を原料供給速度B(mL/秒)で除した値(秒)で、生産性を議論することが多く、これを接触時間と呼ぶ。反応ゾーンに触媒および/または充填材を備える場合には、触媒および/または充填材の見掛け容積(mL)を上記Aとみなす。なお、Bの値は「毎秒あたりに反応器に導入される原料気体の容積」を示すが、この場合、原料気体を理想気体とみなして、原料気体のモル数、圧力および温度からBの値を算出する。反応器中では、原料や目的物以外の他の化合物の副生や、モル数の変化も起こり得るが、「接触時間」の計算に際しては考慮しないものとする。
最適な接触時間の決定に関しては、本発明の方法に用いる反応原料、反応温度、触媒、充填材の種類等にも依存する。そのため、反応原料、反応装置の設定温度、触媒の種類ごとに、反応原料の供給速度を適宜調整し、接触時間を最適化することが望ましい。
1220zaのフッ素化を気相中、触媒の存在下で行う場合、接触時間は、通常0.1〜300秒であり、好ましくは5〜150秒、より好ましくは10〜100秒であるが、この限りではなく、適宜変更されてもよい。
1220zaのフッ素化においては、生産性、経済性の観点から溶媒を使用しないことが好ましい。一方で、反応の均一性、反応後の操作性を考慮して溶媒を使用することもできる。使用する溶媒の種類は、原料の1220zaを溶解できれば特に限定されない。中でも、1223zaよりも高い沸点を有する有機化合物であって、本反応中にフッ化水素によってフッ素化されない有機化合物が好ましい。このような溶媒の例としては、テトラメチレンスルホン(スルホラン)、パーフルオロアルカン類、パーフルオロアルケン類、ヒドロフルオロカーボン類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、使用する溶媒の量は、原料の1220zaを溶解できれば特に限定されない。1220zaに対して80質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。
1220zaのフッ素化は、バッチ式、半連続流通式、連続流通式のいずれの方式で行ってもよい。反応器は、反応に応じて、液相反応器あるいは気相反応器を採用することが好ましい。反応器の材質としては、例えば、ステンレス鋼(例えばSUS304やSUS316等)、ハステロイ(TM)、インコネル(TM)、モネル(TM)等が挙げられるが、この限りではない。このような反応器は、当該技術分野において周知である。
1220zaのフッ素化の手順は、特に限定されない。以下にその一例を示す。バッチ式操作、半連続流通式操作においては、例えば、反応器に所定の原料を所定量導入し、前記フッ素化を液相反応で行う場合には所望により溶媒を所定量導入し、所定の条件で反応を行う手順等が例示される。触媒を用いる場合には、触媒をあらかじめ、あるいは、原料や溶媒とともに反応器内に導入することが好ましい。また、反応器への原料の導入手順は特に限定されない。例えば、反応器に1220zaを導入し、その後、フッ化水素が反応器に導入されてもよい。このとき、所望により溶媒を導入する場合には、フッ化水素を反応器に導入する前に該溶媒の一部または全部を反応器に導入してもよいし、フッ化水素の導入流れとともに別の流れで、あるいはフッ化水素と一緒の流れで該溶媒を反応器に導入してもよい。
連続流通式操作において、例えば、反応器に、1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペン(1220za)と、フッ化水素とを、別々の流れで所定量導入し、所定の条件で1220zaのフッ素化を行う手順等が例示される。前記フッ素化を液相反応で行う場合に所望により用いられる溶媒は、1220zaとフッ化水素とは別々に、あるいは1220za溶液、フッ化水素溶液として、反応器に導入されてもよい。
1220zaのフッ素化により得られた反応生成物から1223zaを精製する方法は、特に限定されず、公知の精製方法を採用することができる。必要に応じて、反応生成物を水洗浄する等の方法により、反応生成物中に含まれ得る塩素成分や酸成分の除去処理を行ってもよい。また、脱水処理等を施して反応生成物中の水分を除去してもよく、塩素成分や酸成分の除去処理と組み合わせてこれを行ってもよい。また、蒸留等の操作を行ってもよい。以下に、1223zaの精製方法の一例を示すが、これに限定されない。例えば、反応生成物を、冷却したコンデンサーに流通させて凝縮させ、水または/およびアルカリ性溶液で洗浄して塩素成分、酸成分等を除去し、ゼオライト、活性炭等の乾燥剤で乾燥後、通常の蒸留操作によって、高純度の1223zaを得ることができる。
1220zaのフッ素化により、1221za、1222za、234fb、235fa、236fa等の副生物が生成することがある。反応生成物中に未反応原料の1220zaが存在する場合や、これらの副生物が存在する場合、通常の蒸留操作によってこれらの化合物を反応生成物中から分離してそれぞれ回収することができる。分離された1220zaやこれらの副生物の種類(例えば、1221zaや1222za等の過小フッ素化物)によっては、本発明に係る反応の原料として再利用することができる。また、これらの化合物は、そのまま種々の用途に供してもよい。
また、1221zaや1222za等の過小フッ素化物は、さらなるフッ素化を行うことで1223zaに変換することもできる。したがって、このような過小フッ素化物は1220zaと同様に反応原料として反応系に供してもよい。これにより、1223zaを効率的に製造することができる。また、このような過小フッ素化物を反応生成物中から取り出して別途フッ素化してもよい。
本発明に係る反応において、得られた1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1223za)は、常温、常圧で液体として存在する。
<1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペン(1220za)の製造方法>
1220zaの製造方法の一例を以下に示す。この方法により1220zaを製造し、この1220zaを本発明に係る反応の原料として用いることで、後述の1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン(230fa)や1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa)を出発原料として効率的に1223zaを製造することができる。
1220zaは、230faを、液相において、ルイス酸触媒の存在下、脱塩化水素化する工程(以下、「脱塩化水素化工程」と呼ぶことがある。)を少なくとも含む方法により、製造することができる。
さらに、230faは、240faを塩素化する工程(以下、「塩素化工程」と呼ぶことがある。)を少なくとも含む方法により、製造することができ、そうすることが好ましい。なお、このことは、他の方法により製造された230faを脱塩化水素化工程に供することを妨げるものではない。
塩素化工程と脱塩化水素化工程の両工程に共通することとして、「水分」について述べる。塩素化工程、脱塩化水素化工程の反応ともに、水が積極的に反応に関与するわけではないから、本発明において、反応系中に水を添加する積極的な理由はない。特にルイス酸触媒存在下で反応を行う場合には、ルイス酸の活性を高めるために、「水分」は可能な限り低い(一般に無水条件と言われる)条件で、反応を行うことが好ましい。しかし、反応液の全質量に対して1質量%の水が存在する程度であれば、ルイス酸の活性は十分維持される。よって、水の含量は、反応液の全質量に対して1質量%以下に保つことが望ましく、さらに好ましくは0.1質量%以下である。
また、塩素化工程、脱塩化水素化工程の何れの反応についても、溶媒は必要でない。これらの反応を液相反応で行う場合、原料/生成物である240fa、1230za、230fa、1220zaは何れも、それ自体が安定な液相を形成し、これらを主成分とする液相中で、目的とする反応は進行する。なお、このことは、塩素化工程、脱塩化水素化工程の何れかの反応を溶媒存在下で行うことを妨げるものではないが、溶媒を用いる場合には、これらの反応に悪影響を与えず、液相反応を行うことができるものを採用することが好ましい。
さらに、塩素化工程と脱塩化水素化工程の両反応に共通することとして、これらの工程の実施に際して、不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス等)存在下での実施は、必須ではない。しかし、窒素ガスを流通しながら反応を行うと、特に大きな規模で反応を実施するときには、より円滑な反応が行えることがある。このような最適な反応の実施態様は、当業者の知識によって適宜設定することができる。
以下、塩素化工程と脱塩化水素化工程について、工程ごとに説明を行う。
1.塩素化工程
塩素化工程は、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa)を塩素化して、1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン(230fa)を得る工程である。
240faは、現在、発泡剤として工業的に製造されている1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)の出発原料であり、四塩化炭素と塩化ビニルを触媒存在下で反応させることによって合成可能である(例えば米国特許公報7094936号を参照)。
本発明の一態様において、240faの塩素化は、240faと、塩素化剤(好ましくは塩素)との接触により行う。この接触はどのような態様であってもよく、例えば、あらかじめ塩素化剤を導入した反応器に240faを導入することによる接触や、塩素化剤と240faとを別々の流れで反応器に導入することによる接触や、あらかじめ240faを導入した反応器に塩素化剤を導入することによる接触等が挙げられるが、これらに限定されない。中でも、液体状態の240faに対して気体状態の塩素化剤(例えば、塩素ガス)を吹き込み導入することによる接触が好適である。本発明の一態様において、この反応は、反応効率の観点から、ラジカル開始剤存在下またはUV照射下で行われることが好ましく、ラジカル開始剤存在下かつUV照射下で行われることが特に好ましい。また、本発明の別の一態様において、塩素化反応の良好な加速を示し、反応後の精製操作が容易であることから、この反応は、ラジカル開始剤を用いることなくUV照射下で行われることが好ましい。
塩素化工程において、使用する塩素化剤は特に限定されない。本発明の一態様において、塩素化剤は、塩素(塩素ラジカル)を発生させるものであれば特に限定されない。例えば、塩素、塩化スルフリル、N−クロロスクシンイミド等が挙げられ、中でも塩素が好ましい。
塩素化工程において、塩素化剤の使用量は、230faが生成されれば特に限定されない。240faに対し、塩素化剤を通常0.3〜1.5当量用い、好ましくは0.5〜1当量である。
塩素化工程において、使用するラジカル開始剤としては、アゾ化合物、有機過酸化物、トリエチルボラン、ジエチル亜鉛等が挙げられる。その他にもゼロ価の金属錯体等を用いてもよい。このようなラジカル開始剤は単独で用いてもよいし、複数を併用してもよい。このアゾ化合物としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(ABCN)等が例示できるが、これらに限定されない。有機過酸化物としては、tert−ブチルヒドロペルオキシド(TBHP)、過酸化ベンゾイル(BPO)等が例示できるが、これらに限定されない。
塩素化工程において、ラジカル開始剤の使用量は、有効量であれば特に制限されない。本発明の一態様において、ラジカル開始剤の使用量は、240faに対し、0.01〜1質量%であり、好ましくは0.1〜0.3質量%である。
塩素化工程における反応温度は特に限定されない。本発明の一態様において、塩素化工程における反応温度は0〜150℃程度が好ましく、反応効率の観点から、40〜80℃が特に好ましい。
塩素化工程における反応時間は特に限定されない。塩素化工程においては、反応器内部の液相部の240faが、時間の経過とともに目的物である230faに置き換わっていく。サンプリングした反応物のガスクロマトグラフ分析等によって、反応の進行を確認しながら、230faへの最も高い選択率が達成されるように調整することが好ましい。本発明の一態様において、原料の240faが3〜8割程度消費されたところで反応を終了することが好ましく、4〜7割程度がより好ましく、5〜6割程度が特に好ましいが、この限りではない。これにより、230faがさらに塩素化された化合物の副生を抑制することができる。なお、このことは、原料の240faが3割未満消費されたところで、あるいは、8割超消費されたところで反応を終了することを妨げるものではない。
塩素化工程において、塩素化反応により1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロパン(以下、230daともいう)が生成することがある。230daは240faの塩素化誘導体の一種であり、230daの脱塩化水素化によっても1220zaを製造することができる。したがって、脱塩化水素化工程においては、供給原料として純粋な230faを用いてもよいし、230faと230daの混合物を用いてもよい。また、脱塩化水素化工程の供給原料として230faの代わりに230daを用いてもよい。
塩素化工程で得られた230faは、一般的な精製操作により精製することができる。例えば、蒸留、好ましくは減圧蒸留等の操作によって、230faから原料の240faを容易に分離することができる。分離した240faは塩素化工程の原料として再利用できる。
なお、塩素化工程によって合成された230faは、触媒の分離、蒸留精製といった後処理を行うことなく、続く脱塩化水素化工程の原料として用いることができる。このことは、後処理を行うことを妨げるものではないが、後処理を行うことなく、塩素化工程と脱塩化水素化工程とを連続して実施できる点も本発明の大きなメリットの1つであるので、そのような後処理を行わないことは、好ましい一態様である。
塩素化工程において、反応器(反応装置)の材質は特に制限はない。酸化性の強い塩素化剤(例えば、塩素ガス)を使用する場合には、ガラス製またはステンレススチール製のものが好ましい。また、ガラスや樹脂でライニングされた反応器も好ましい。また、反応器は、吹き込み管、攪拌設備、還流塔等の各種設備を備えるものが好ましい。
2.脱塩化水素化工程
脱塩化水素化工程は、液相において、ルイス酸触媒の存在下、230faを脱塩化水素化して1220zaを得る工程である。
脱塩化水素化工程において、反応器(反応装置)の材質は特に制限はない。塩化水素が発生する反応であるので、耐酸性を有する材質のものが好ましく、具体的には、ガラス製やステンレススチール製のもの、また、ガラスや樹脂でライニングされたもの等が挙げられる。さらに、反応器は攪拌設備、還流塔等の各種設備を備えるものが好ましい。塩素化工程と脱塩化水素化工程を同一反応器で行う場合は、気体の塩素化剤(例えば、塩素)を用いる場合には、該塩素化剤が導入可能な吹き込み管を備えるものが好ましい。また、この「液相中、ルイス酸触媒存在下」の反応の場合、後述の通り、反応温度は200℃ないしそれ以下で十分進行する。これは、230faや1220zaの沸点に比べて必ずしも高くないので、還流塔を備えていれば、常圧において反応混合物を液体状態に保てるので、常圧(開放系)の状態で、反応を実施することができる。なお、このことは、加圧反応器を用いて反応を行い、発生する塩化水素を適時パージする、という方法を採用することを妨げるものではない。
脱塩化水素化工程に用いるルイス酸触媒としては、金属のハロゲン化物が例示される。金属のハロゲン化物とは、金属原子とハロゲン原子の結合を有するものを指す。赤外分光法(IR法)、X線回折法(XRD法)、X線光電子分光法(XPS法)等によって金属原子−ハロゲン原子の結合が確認されれば本発明の触媒として使用可能である。具体的には、アルミニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、スズ、アンチモン、タンタルおよびタングステンからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属のハロゲン化物が好ましい。このような金属のハロゲン化物は、フッ化物、塩化物、臭化物、沃化物であってもよく、これらの中でも塩化物が好ましい。より具体的には、アルミニウム、鉄、スズおよびアンチモンからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属の塩化物が特に好ましい。中でも、塩化アルミニウムと塩化鉄が一層好ましく、塩化鉄の場合は塩化第二鉄が好ましい。ルイス酸触媒は無水のものが、触媒活性が高く、好ましい。市販の無水物をそのまま使用しても良いし、水和物を塩化チオニル等の脱水剤で処理して無水物を得ることもできる。
ルイス酸触媒として上述の金属の塩化物を使用する場合、金属の硝酸塩、炭酸塩等や0価金属粉末を、予め塩化水素処理することによって、上述の金属の塩化物に誘導することができるので、これをルイス酸触媒として用いることも可能である。また、塩素化工程における240faの塩素化によって副生する塩化水素や、脱塩化水素化工程における230faの脱塩化水素反応によって発生する塩化水素により、上述の金属の0価金属粉末や炭酸塩や硝酸塩等を上述の金属の塩化物に誘導することも可能であるため、塩素化工程や脱塩化水素化工程に供するルイス酸触媒は、0価金属粉末や金属炭酸塩や金属硝酸塩であってもよい。
ルイス酸触媒の量は、触媒としての有効量であれば特に限定されない。触媒の種類や反応温度等の操業条件によってその最適値は変化するが、良好な反応速度で反応が進行し、予期せぬ副反応も起こりにくいことから、ルイス酸触媒の量は、通常、原料の有機物に対して0.01〜10mol%であり、より好ましくは0.1〜5mol%である。
「液相中、ルイス酸触媒存在下」で脱塩化水素化工程の反応を行う場合、反応温度は通常40〜200℃の範囲で設定され、より好ましくは45〜120℃である。最適な温度はルイス酸触媒の種類にも若干依存する。例えば、ルイス酸触媒として塩化アルミニウムを用いる場合は、40〜100℃(典型的には50〜80℃)が特に好ましく、塩化第二鉄を用いる場合は、これより若干高い50〜110℃(典型的には60〜80℃)が特に好ましい。これにより、良好な反応速度で反応が進行し、また、副生物の生成も抑制されるため、良好な選択率で1220zaを得ることができる。
脱塩化水素化工程の好ましい態様として、還流塔を備えた反応器にルイス酸触媒と230faを仕込み、反応器内を攪拌しながら加熱する方法が挙げられる。これにより、水(水道水、工水等)を流通させた還流塔から、反応器外に塩化水素だけを排出させることができる。この反応器は特に限定されないが、反応に耐性のある材料から構成されることが好ましく、例えば、ガラス製の反応器やガラスライニング製の反応器が用いられる。
脱塩化水素化工程における反応時間は特に限定されない。脱塩化水素化工程においては、反応器内部の液相が、時間の経過とともに目的物である1220zaに置き換わっていく。サンプリングした反応物のガスクロマトグラフ分析等によって、反応の進行を確認しつつ、230faがほぼ消費されたところで反応を終了することが好ましい。
なお、脱塩化水素化工程の反応は、気相中かつ無触媒において実施することもできる。この気相無触媒反応の場合、反応温度は通常200〜550℃となり、高温のため装置への負荷が概して大きくなるが、連続流通式の反応形式で行うことで、大量規模での1220zaの製造に有利なことがある。
脱塩化水素化工程によって得られた1220zaは、触媒の分離、蒸留精製といった後処理を行うことなく、続く1220zaのフッ素化反応の原料として供することができる。このことは、触媒の分離や蒸留精製等の後処理を行うことを妨げるものではないが、これらの後処理を行うことなく、連続して各工程を実施できる点も本発明の大きなメリットの1つであるので、そのような後処理を行わないことは、好ましい一態様である。
本発明を以下の実施例により説明するが、本発明は以下の実施例により、限定されるものではない。
本明細書中、FID%とは、検出器がFIDのガスクロマトグラフで分析した時の面積%を指す。また、文中、1223zaの単純純度換算収率、1222zaの単純純度換算収率、および、234fbの単純純度換算収率は、対応する下記式に従ってそれぞれ算出される。
1223zaの単純純度換算収率=100×(回収有機物量×1223zaFID%/1223za分子量)/(1220za仕込み量×1220za純度/1220za分子量)
1222zaの単純純度換算収率=100×(回収有機物量×1222zaFID%/1222za分子量)/(1220za仕込み量×1220za純度/1220za分子量)
234fbの単純純度換算収率=100×(回収有機物量×234fbFID%/234fb分子量)/(1220za仕込み量×1220za純度/1220za分子量)
(A)1220zaのフッ素化
(A−1)1220zaの液相フッ素化
[実施例1−1]
20℃の冷却液を循環させた凝縮器と圧力計とを備えた300mLのステンレス鋼製オートクレーブに、純度94.7%の1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペン(1220za)30g(0.131モル)と、フッ化水素26.0g(1.30モル、1220za/フッ化水素モル比=約1/10)とを導入した後、オートクレーブを120℃に加熱した。圧力が約4MPaGを超えたところで、4.0〜4.5MPaGを維持するように凝縮器出口のニードルバルブから反応生成ガスを抜き出した。抜き出したガスは、氷水浴中で冷却した氷水入りのフッ素樹脂製ガス洗浄瓶に通して酸を吸収し、ドライアイスアセトン浴のガラストラップで反応生成有機物を回収した。昇温開始から3時間後、圧力の上昇が観察されなくなったことを確認した後、反応器をパージし、抜き出したガスは氷水浴中で冷却した氷水入りのフッ素樹脂製ガス洗浄瓶及びドライアイスアセトン浴のガラストラップに回収した。反応器を冷却後、オートクレーブ内の反応液とドライアイスアセトン浴のガラストラップ回収物を氷水入りのフッ素樹脂製ガス洗浄瓶にすべて混合し、併せた混合溶液をフッ素樹脂製分液ロートにて有機物を水相から分離し回収した。この回収した有機物の量は、20.3gであった。
[実施例1−2]
反応温度を80℃とした以外は実施例1−1と同様に反応を実施した。最大圧力は3.5MPaGであったため、ガスの抜出は行わなかった。回収した有機物の量は17.8gであった。
[実施例1−3]
反応温度を50℃とした以外は実施例1−1と同様に反応を実施した。最大圧力は2.5MPaGであったため、ガスの抜出は行わなかった。回収した有機物の量は18.6gであった。
[実施例1−4]
反応温度を30℃、反応圧力を常圧、反応時間を5時間とした以外は実施例1−1と同様に反応を実施した。回収した有機物の量は24.8gであった。
[実施例1−5]
反応温度を160℃、純度94.7%の1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペン(1220za)10g(0.044モル)と、フッ化水素27.0g(1.35モル、1220za/フッ化水素モル比=約1/30)とを導入した以外は実施例1−1と同様に反応を実施した。回収した有機物の量は7.1gであった。
[実施例1−6]
20℃の冷却液を循環させた凝縮器と圧力計とを備えた1000mLのステンレス鋼製オートクレーブの外側を氷水浴で冷却を行い、純度94.7%の1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペン(1220za)500g(2.2モル)と、フッ化水素220.0g(11.0モル、1220za/フッ化水素モル比=約1/5)とを導入した後、オートクレーブを50℃に加熱した。圧力が約0.2MPaGを超えたところで、0.20〜0.25MPaGを維持するように凝縮器出口のニードルバルブから反応生成ガスを抜き出した。抜き出したガスは、氷水浴中で冷却した氷水入りのフッ素樹脂製ガス洗浄瓶に通して酸を吸収し、ドライアイスアセトン浴のガラストラップで反応生成有機物を回収した。昇温開始から5時間後、圧力の上昇が観察されなくなったことを確認した後、反応器をパージし、抜き出したガスは氷水浴中で冷却した氷水入りのフッ素樹脂製ガス洗浄瓶及びドライアイスアセトン浴のガラストラップに回収した。反応器を冷却後、オートクレーブ内の反応液とドライアイスアセトン浴のガラストラップ回収物を氷水入りのフッ素樹脂製ガス洗浄瓶にすべて混合し、併せた混合溶液をフッ素樹脂製分液ロートにて有機物を水相から分離し回収した。この回収した有機物の量は、432gであった。
[実施例1−7]
フッ化水素440.0g(22.0モル、1220za/フッ化水素モル比=約1/10)を導入後、オートクレーブを加熱して、圧力が約0.3MPaGを超えたところで0.30〜0.35MPaGを維持するように凝縮器出口のニードルバルブから反応生成ガスを抜き出した以外は実施例1−6と同様に反応を実施した。回収した有機物の量は350gであった。
[実施例1−8]
1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペン(1220za)500gを仕込み、温度50℃に加熱したオートクレーブにフッ化水素440.0g(22.0モル、1220za/フッ化水素モル比=約1/10)を4時間かけて導入し、圧力が約0.3MPaGを超えたところで0.30〜0.35MPaGを維持するように凝縮器出口のニードルバルブから反応生成ガスを抜き出した以外は実施例1−6と同様に反応を実施した。回収した有機物の量は343gであった。
実施例1−1〜1−8について、反応条件(1220za/フッ化水素モル比、反応温度、反応圧力)をまとめたものを表1に示す。また、実施例1−1〜1−8について、回収した有機物の組成をガスクロマトグラフィーでそれぞれ分析するとともに、1223za、1222za、および234fbの単純純度換算収率をそれぞれ算出した。これらの結果を表2に示す。なお、表2中、「―」は検出されなかったことを示す。
Figure 2018193884
Figure 2018193884
[実施例2]
電磁式還流装置、還流タイマー、2Lの三口フラスコを設置したガラス蒸留塔にヘリパックNO2を20段充填した。次いで、実施例1−6〜1−8で得られた回収有機物を混合し、そのうちの1100gを仕込んで蒸留を行った。塔頂温度55.0〜55.3℃の留分450g(1223za純度99.97FID%)を回収した(表3中の留分2に該当)。その他にも表3に示す各留分を得た。なお、表3中、「―」は検出されなかったことを示す。
Figure 2018193884
[実施例3]
実施例2の蒸留において別途回収した留分4と、釜残液とを混合させ、水洗及びモレキュラーシーブスを用いて乾燥を実施した。乾燥後の有機物500gとフッ化水素440gを用いて、実施例1−7と同様の反応を実施した。回収した有機物の量は380gだった。
回収した有機物の組成をガスクロマトグラフィーで分析した結果を以下に示す:
1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1223za):80.3FID%;
1,1,3−トリクロロ−3,3−ジフルオロプロペン(1222za):0.9FID%;
1,1−ジクロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロパン(234fb):0.1FID%;
ヘキサクロロエタン(C2Cl6):3.5FID%;
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233zd):12.0FID%;
その他の化合物:3.2FID%。
なお、1,1,3,3−テトラクロロ−3−フルオロプロペン(1221za)と1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペン(1220za)は検出されなかった。
(B)1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペン(1220za)の調製とフッ素化
[実施例4−1] 液相、UV照射下における1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa)の塩素化
ボールフィルター、温度計、水道水が流せるジムロート及び攪拌子を備えた3000mL四つ口フラスコに純度98.6FID%の1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa) 2000.0g(9.4mol)を仕込み、攪拌を開始した。ジムロートの上部に、PFAチューブを用いて5L−の水トラップ、次いで濃度25重量%の水酸化カリウム水溶液 250gを入れた500mL−PFA容器に接続した。フラスコ上部外側からガラス越しに水冷ジャケットを備えた高圧UVランプより照射、フラスコ下部を水バスで60℃に加熱し、ボールフィルターより塩素 673g(9.5mol)を360分間かけて導入した。塩素導入後に反応器を冷却し、反応を終了した。フラスコ内の釜残液に対し水洗浄と弱アルカリ水溶液での洗浄を実施し、有機物を2326g回収した。
回収した有機物をガスクロマトグラフィーで分析した結果を以下に示す:
1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン(230fa):49.3FID%;
1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロパン(230da):9.8FID%;
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa):33.4FID%;
2種類のヘプタクロロプロパン異性体(220 isomers):6.1FID%;
その他の化合物:1.4FID%。
電磁式還流装置、還流タイマー、減圧ライン、圧力計、2Lの三口フラスコを設置したガラス蒸留塔にガラス製ラシヒリングを10段充填し、前述の回収有機物2300gを仕込んだ。表4に示す各留出分と、釜残液253gを得た。
Figure 2018193884
[実施例4−2]
ボールフィルター、温度計、水道水が流せるジムロート及び攪拌子を備えた2000mL三つ口フラスコに、実施例4−1で得られた留分3を910g、塩化第二鉄0.93g(0.006mol)を仕込み攪拌を開始した。ジムロートの上部に、PFAチューブを用いて500mL−PFA容器の空のトラップ、次いで濃度25重量%の水酸化ナトリウム水溶液250gを入れた500mL−PFA容器に接続した。ボールフィルターより流量30mL/分で窒素を導入しながら、フラスコをオイルバスで3時間かけて80℃に加熱し、そのまま1時間保持したところで釜残液をサンプリングした。
サンプリングした釜残液をガスクロマトグラフィーで分析した結果を以下に示す:
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa):1.3FID%;
1,1,3,3−テトラクロロプロペン(1230za):3.0FID%;
1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペン(1220za):83.8FID%;
1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン(230fa):0.05FID%;
1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロパン(230da):10.5FID%;
その他の化合物:1.5FID%。
[実施例4−3]
電磁式還流装置、還流タイマー、減圧ライン、圧力計、1Lの三口フラスコを設置したガラス蒸留塔にガラス製ラシヒリングを10段充填し、実施例4−1で得られた回収有機物を仕込み、温度74〜75.6℃、圧力2.0KPaGの留分500gを得た。
この留分のガスクロマトグラフィーで分析した結果を以下に示す:
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa):2.7FID%;
1,1,3,3−テトラクロロプロペン(1230za):0.1FID%;
1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペン(1220za):94.7FID%;
1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン(230fa):0.1FID%;
1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロパン(230da):0.05FID%;
その他の化合物:2.3FID%。
[実施例4−4]
ボールフィルター、温度計、水道水が流せるジムロート及び攪拌子を備えた2000mL三つ口フラスコに、実施例4−1で得られた留分4を250g、塩化第二鉄0.31g(0.002mol)を仕込み攪拌を開始した。フラスコをオイルバスで3時間かけて120℃に加熱したこと以外は実施例4−2と同様の操作を行った。
サンプリングした釜残液をガスクロマトグラフィーで分析した結果を以下に示す:
1,1,3,3−テトラクロロプロペン(1230za):0.1FID%;
1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペン(1220za):62.8FID%;
1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン(230fa):0.01FID%;
1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロパン(230da):1.5FID%;
1,1,2,3,3−ペンタクロロプロペン(1220xa):30.2FID%;
2種類のヘプタクロロプロパン異性体(220 isomers):2.0FID%;
ヘキサクロロ−1,3−ブタジエン(C4Cl6):1.0FID%;
その他の化合物:2.5FID%。
なお、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa)は検出されなかった。
[実施例5−1] 液相、UV照射下における1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa)の塩素化
ボールフィルター、温度計、水道水が流せるジムロート及び攪拌子を備えた3000mL四つ口フラスコに純度98.6FID%の1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa) 1000.0g(4.7mol)、実施例4−1の留分1、2を仕込み攪拌を開始した。ジムロートの上部に、PFAチューブを用いて5L−の水トラップ、次いで濃度25重量%の水酸化カリウム水溶液250gを入れた500mL−PFA容器に接続した。フラスコをオイルバスで60℃に加熱し、ボールフィルターより塩素600g(0.8mol)を300分間かけて導入した。塩素導入後、窒素を100mL/分で100分間吹き込んだ後、反応器を冷却し、反応を終了した。反応終了後のフラスコ内の釜残液(有機物)を2284g回収した。
回収した釜残液のガスクロマトグラフィーで分析した結果を以下に示す;
1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン(230fa):50.9FID%;
1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロパン(230da):9.5FID%;
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa):26.8FID%;
2種類のヘプタクロロプロパン異性体(220 isomers):10.1FID%;
その他の化合物:2.7FID%。
[実施例5−2]
ボールフィルター、温度計、水道水が流せるジムロート及び攪拌子を備えた2000mL三つ口フラスコに実施例5−1で得られた釜残液(有機物)2284g、塩化第二鉄3.0g(0.02mol)を仕込んだこと以外、実施例4−2と同様の操作を行った。4時間反応したところでガスクロマトグラフィー分析した結果を以下に示す:
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa):1.5FID%;
1,1,3,3−テトラクロロプロペン(1230za):25.7FID%;
1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペン(1220za):51.8FID%;
1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン(230fa):0.2FID%;
1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロパン(230da):9.5FID%;
2種類のヘプタクロロプロパン異性体(220 isomers):9.2FID%;
その他の化合物:2.1FID%。
[実施例6] 液相、ラジカル開始剤、UV照射下における1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa)の塩素化
ボールフィルター、温度計、水道水が流せるジムロート及び攪拌子を備えた200mL3つ口フラスコに、純度98.6FID%の1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa) 100.0g(0.47mol)と、AIBN 0.1g(0.6mmol)とを仕込み攪拌を開始した。ジムロートの上部に、PFAチューブを用いて1LPFA水トラップ、次いで濃度25重量%の水酸化カリウム水溶液 250gを入れた500mL−PFA容器に接続した。フラスコをオイルバスで60℃に加熱し、ボールフィルターより塩素34g(0.48mol)を200分間かけて導入した。塩素導入後に反応器を冷却し、反応を終了した。フラスコ内の釜残液に対し水洗浄と弱アルカリ水溶液での洗浄を実施し、有機物を114g回収した。
回収した有機物をガスクロマトグラフィーで分析した結果を以下に示す:
1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン(230fa):51.3FID%;
1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロパン(230da):10.8FID%;
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa):29.2FID%;
2種類のヘプタクロロプロパン異性体(220 isomers):7.1FID%;
その他の化合物:1.6FID%。
実施例5−1〜5−3で示されるように、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa)の塩素化により得られた1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン(230fa)を含む反応生成物に精製操作を施すことなく、そのまま230faの脱塩化水素化に供することによっても、1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペン(1220za)が得られる。
(A−2)1220zaの気相フッ素化
[実施例7−1]
電気炉を備えた1インチ、長さ40cmの円筒形ステンレス鋼製(SUS316)反応管にラシヒリング(SUS316L,5Φ×5mm)50mLを充填し、約30cc/分の流量で窒素ガスを流しながら反応管内を240℃に昇温した。窒素フィードを止め、気化させた1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペン(1220za)原料0.110g/分、フッ化水素0.120g/分の流速で導入した(充填物との接触時間:20秒間)。流速が安定したところで、反応管出口に氷水で冷却した500mL水トラップを設置し、約100分間有機物の回収及び副生した酸分を吸収させた。すり抜けたガス成分はドライアイストラップで回収し、氷水トラップと合わせて重量回収率を算出した。酸除去を行った有機成分をガスクロマトグラフィーで分析を行った。
[実施例7−2]
反応管内を270℃に昇温した以外は、実施例7−1と同様の操作を行った。
[実施例7−3]
反応管内を300℃に昇温した以外は、実施例7−1と同様の操作を行った。
実施例7−1〜7−3の結果を表5に示す。なお、表5中、「―」は検出されなかったことを示す。
Figure 2018193884
[実施例8−1]
ラシヒリングの代わりに活性炭を充填した以外は、実施例7−1と同様の操作を行った。
[実施例8−2]
ラシヒリングの代わりにフッ素化処理を施したアルミナ触媒(以下、触媒1ともいう)を充填した以外は、実施例7−1と同様の操作を行った。なお、触媒1は下記の触媒調製例1に従って調製したものを用いた。
[実施例8−3]
ラシヒリングの代わりにフッ素化処理を施したクロム担持活性炭(以下、触媒2ともいう)を充填し、また、原料、フッ化水素とともに塩素を0.005g/分の流速で導入した以外は、実施例7−1と同様の操作を行った。なお、触媒2は下記の触媒調製例2に従って調製したものを用いた。
実施例8−1〜8−3の結果を表6に示す。なお、表6中、「―」は検出されなかったことを示す。
Figure 2018193884
[実施例9−1]
1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペン(1220za)原料0.200g/分、フッ化水素0.125g/分の流速で導入した(充填物との接触時間:20秒間)こと以外は、実施例1−1と同様の操作を行った。
[実施例9−2]
ラシヒリングの代わりに活性炭を充填した以外は、実施例9−1と同様の操作を行った。
[実施例9−3]
ラシヒリングの代わりに触媒2を充填し、また、原料、フッ化水素とともに塩素を0.005g/分の流速で導入した以外は、実施例7−1と同様の操作を行った。
実施例9−1〜9−3の結果を表7に示す。なお、表7中、「―」は検出されなかったことを示す。
Figure 2018193884
[触媒調製例1]
活性アルミナ(住友化学製KHS−46:粒径4〜6mm、比表面積155m2/g)300gを測り取り、水で表面に付着した粉を洗浄した。洗浄後のアルミナに10重量%フッ化水素水溶液1150gをゆっくり加え、攪拌後、約4時間静定した。水洗後、濾過を行い、常温で終夜乾燥し、次に電気炉において200℃で2時間乾燥を行った。この乾燥後の活性アルミナを、内径1インチ長さ40cmのステンレス鋼製(SUS316)反応管に150mL入れ、窒素150cc/秒を流しながら電気炉で200℃まで昇温し、更にフッ化水素を0.1g/分同伴させた。このようなフッ化水素処理を行うにつれて温度が上昇するが、内温が400℃を超えないように、窒素とフッ化水素の流速を調整した。発熱が収まった時点で、窒素の流速を30cc/秒に落とし、電気炉の設定温度を30分間ごとに50℃ずつ昇温し、最終的に400℃まで上げ、その状態を2時間保持した。このようにして、フッ素化処理したアルミナ触媒(触媒1)を調製した。
[触媒調製例2]
三角フラスコに20質量%塩化クロム水溶液を調製し、活性炭(白鷺G2X)100mLを浸漬させ、3時間保持した。これを濾過して得た濾物を、ロータリーエバポレーターを用いて、減圧下、70℃で乾燥させた。このようにして得たクロム担持活性炭100mLを、電気炉を備えた1インチ長さ40cmの円筒形ステンレス鋼製(SUS316)反応管に充填し、窒素ガスを流しながら200℃まで昇温し、水の流出が見られなくなった時点で、窒素ガス150cc/秒にフッ化水素(HF)0.1g/秒を同伴させ内温が400℃を超えないように、窒素とフッ化水素の流速を調整した。充填したクロム担持活性炭のフッ素化によるホットスポットが反応管出口端に達したところで窒素の流速を30cc/秒に落とし、電気炉の設定温度を30分間ごとに50℃ずつ昇温し、最終的に400℃まで上げ、その状態を2時間保持した、このようにして、フッ素化処理したクロム担持活性炭(触媒2)を調製した。

Claims (17)

  1. 1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペンをフッ化水素でフッ素化して1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを製造する工程、を含むことを特徴とする、1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法。
  2. 前記フッ化水素の使用量が、1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペン1モルに対して3〜40モルであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記フッ素化を液相で行うことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記フッ素化を0〜200℃で行うことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 前記フッ素化により、1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンとともに、1,1,3−トリクロロ−3,3−ジフルオロプロペンまたは1,1−ジクロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロパンが生成されることを特徴とする、請求項3または4に記載の方法。
  6. 前記フッ素化を気相で行うことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  7. 前記フッ素化を100〜500℃で行うことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 前記フッ素化を0〜10MPaGで行うことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記フッ素化を触媒の存在下または非存在下で行うことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを精製する工程を含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペンとともに1,1,3,3−テトラクロロ−3−フルオロプロペンまたは1,1,3−トリクロロ−3,3−ジフルオロプロペンを前記フッ素化に供することを特徴とする、請求項1〜10のいずれかの記載の方法。
  12. 1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペンをフッ化水素でフッ素化して1,1,3−トリクロロ−3,3−ジフルオロプロペンを製造する工程、を含むことを特徴とする、1,1,3−トリクロロ−3,3−ジフルオロプロペンの製造方法。
  13. 前記フッ素化を液相で行うことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
  14. 前記フッ素化を触媒の存在下または非存在下で行うことを特徴とする、請求項12または13に記載の方法。
  15. 前記フッ素化により、1,1,3−トリクロロ−3,3−ジフルオロプロペンとともに、1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンが生成されることを特徴とする、請求項12〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパンを、液相において、ルイス酸触媒の存在下、脱塩化水素化して1,1,3,3,3−ペンタクロロプロペンを得る脱塩化水素化工程、をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを、液相において、UV照射下またはラジカル開始剤の存在下で、塩素化して1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパンを得る塩素化工程、をさらに含むことを特徴とする、請求項16に記載の方法。
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