JP2020203916A - トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
C3HXClYFZ (1)
(式中、Xは2または3であり、X=2のとき、Yは1〜4の整数であり、Zは0〜3の整数であり、Y+Z=4を満たす。X=3のとき、Yは1〜5の整数であり、Zは0〜4の整数であり、Y+Z=5を満たす。ただし、前記一般式(1)は、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンは除く炭素数3のハロゲン化炭化水素化合物を示す。)
該PCT/JP2015/069784における各実施例においては、固体触媒を用いない「無触媒での反応」が開示されている。今般、本発明者らは、当該反応が、固体触媒の存在下でも好ましく進行することを見出し、本出願を行うこととした。
下記一般式(1)で表される炭素数3のハロゲン化炭化水素化合物を、固体触媒および塩素の存在下で、フッ化水素と気相で反応させることを特徴とする、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法。
C3HXClYFZ (1)
(式中、Xは2または3であり、X=2のとき、Yは1〜4の整数であり、Zは0〜3の整数であり、Y+Z=4を満たす。X=3のとき、Yは1〜5の整数であり、Zは0〜4の整数であり、Y+Z=5を満たす。ただし、前記一般式(1)は、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンは除く炭素数3のハロゲン化炭化水素化合物を示す。)
「発明2」
前記固体触媒が、アルミニウム、クロム、チタン、マンガン、鉄、ニッケル、コバルト、銅、マグネシウム、ジルコニウム、モリブデン、亜鉛、スズ、ランタン、ニオブ、タンタルおよびアンチモンからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属フッ素化物である、発明1に記載の製造方法。
下記一般式(2)で表される炭素数3の炭化水素化合物をさらに添加し、塩素の存在下で、フッ化水素と気相で反応させることを特徴とする、発明1〜2の何れかに記載の製造方法。
C3HVFW (2)
(式中、V+W=8を満たすとき、Vは0〜8の整数であり、V+W=6を満たすとき、Vは0〜6の整数であり、V+W=4を満たすとき、Vは0〜4の整数である。)
「発明4」
前記炭素数3のハロゲン化炭化水素化合物が、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa)、1,1,3,3−テトラクロロプロペン(1230za)、1,3,3,3−テトラクロロプロパン(1230zd)、1,1,3,3−テトラクロロ−1−フルオロプロパン(241fa)、1,1,1,3−テトラクロロ−3−フルオロプロパン(241fb)、1,3,3−トリクロロ−3−フルオロプロペン(1231zd)、1,3,3−トリクロロ−1−フルオロプロペン(1231zb)、3,3,3−トリクロロ−1−フルオロプロペン(1231ze)、1,1,3−トリクロロ−3−フルオロプロペン(1231za)、1,3,3−トリクロロ−1,1−ジフルオロプロパン(242fa)、1,1,3−トリクロロ−1,3−ジフルオロプロパン(242fb)、1,1,1−トリクロロ−3,3−ジフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−3,3−ジフルオロプロペン(1232zd)、3,3−ジクロロ−1,3−ジフルオロプロペン(1232ze)、3,3−ジクロロ−1,1−ジフルオロプロペン(1232zc)、1,3−ジクロロ−1,3−ジフルオロプロペン(1232zb)、1,1−ジクロロ−3,3−ジフルオロプロパン(1232za)、シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233zd(Z))、3−クロロ−1,1,3−トリフルオロプロペン(1233zc)、3−クロロ−1,3,3−トリフルオロプロペン(1233ze)、1−クロロ−1,3,3−トリフルオロプロペン(1233zb)、3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン(243fa)、1,3−ジクロロ−1,1,3−トリフルオロプロパン(243fb)、1,1−ジクロロ−1,3,3−トリフルオロプロパン(243fc)、1−クロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロパン(244fb)および3−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン(244fa)からなる群から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする、発明1〜2の何れかに記載の製造方法。
反応温度が100℃以上400℃以下であることを特徴とする、発明1〜2の何れかに記載の製造方法。
1,1,3,3−テトラクロロ−1−フルオロプロパン(241fa)、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa)、1,3,3−トリクロロ−1,1−ジフルオロプロパン(242fa)からなる群から選ばれる少なくとも一つのハロゲン化炭化水素化合物を、固体触媒および塩素の存在下、100℃以上400℃以下でフッ化水素と気相で反応させる、ことを特徴とする、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法。
下記一般式(2)で表される炭素数3の炭化水素化合物をさらに添加し、反応させることを特徴とする、発明6に記載の製造方法。
C3HVFW (2)
(式中、V+W=8を満たすとき、Vは0〜8の整数であり、V+W=6を満たすとき、Vは0〜6の整数であり、V+W=4を満たすとき、Vは0〜4の整数である。)
「発明8」
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa)とフッ化水素を反応させて中間生成物を得る工程(A)と、
前記工程(A)で得た中間生成物を、固体触媒および塩素の存在下で、100℃以上400℃以下でフッ化水素と気相で反応させて、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを得る工程(B)と、
を含むことを特徴とする、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法。
下記一般式(2)で表される炭素数3の炭化水素化合物のさらなる存在下、前記工程(B)の反応を行うことを特徴とする、発明8に記載の製造方法。
C3HVFW (2)
(式中、V+W=8を満たすとき、Vは0〜8の整数であり、V+W=6を満たすとき、Vは0〜6の整数であり、V+W=4を満たすとき、Vは0〜4の整数である。)
「発明10」
前記工程(A)を液相中、無触媒条件下で行い、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む反応生成ガスを回収し、
前記工程(A)の反応液を回収して、該反応液に含まれる前記中間生成物を前記工程(B)に用いることを特徴とする、請求項8に記載の製造方法。
連続的又は断続的に前記1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンと前記フッ化水素とを前記工程(A)に導入し、
前記反応生成ガス及び前記反応液を連続的又は断続的に回収することを特徴とする、発明10に記載の製造方法。
前記中間生成物が、1,1,3,3−テトラクロロ−1−フルオロプロパン(241fa)、1,1,1,3−テトラクロロ−3−フルオロプロパン(241fb)、1,3,3−トリクロロ−3−フルオロプロペン(1231zd)、1,3,3−トリクロロ−1−フルオロプロペン(1231zb)、3,3,3−トリクロロ−1−フルオロプロペン(1231ze)、1,1,3−トリクロロ−3−フルオロプロペン(1231za)、1,3,3−トリクロロ−1,1−ジフルオロプロパン(242fa)、1,1,3−トリクロロ−1,3−ジフルオロプロパン(242fb)、1,3−ジクロロ−3,3−ジフルオロプロペン(1232zd)、3,3−ジクロロ−1,3−ジフルオロプロペン(1232ze)、3,3−ジクロロ−1,1−ジフルオロプロペン(1232zc)、1,3−ジクロロ−1,3−ジフルオロプロペン(1232zb)、シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233zd(Z))、3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン(243fa)、1,3−ジクロロ−1,1,3−トリフルオロプロパン(243fb)、1,1−ジクロロ−1,3,3−トリフルオロプロパン(243fc)、1−クロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロパン(244fb)および3−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン(244fa)からなる群から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする、発明8に記載の製造方法。
前記中間生成物が、1,3,3−トリクロロ−1,1−ジフルオロプロパン(242fa)を少なくとも含むことを特徴とする、発明8に記載の製造方法。
前記工程(B)の反応温度が150℃以上300℃以下であることを特徴とする、発明8に記載の製造方法。
未反応の中間生成物を回収して、前記工程(B)に用いることを特徴とする、発明8に記載の製造方法。
前記工程(B)において、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンとともに、シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを得ることを特徴とする、発明8に記載の製造方法。
得られたシス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを、前記工程(B)に供することを特徴とする、発明16に記載の製造方法。
得られたシス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを100℃以上400℃以下で加熱して、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを得ることを特徴とする、発明16に記載の製造方法。
C3HXClYFZ (1)
ここで、式中、Xは2または3であり、X=2のとき、Yは1〜4の整数であり、Zは0〜3の整数であり、Y+Z=4を満たす。X=3のとき、Yは1〜5の整数であり、Zは0〜4の整数であり、Y+Z=5を満たす。ただし、一般式(1)は、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンは除く炭素数3のハロゲン化炭化水素化合物を示すものとする。
C3HVFW (2)
(式中、V+W=8を満たすとき、Vは0〜8の整数であり、V+W=6を満たすとき、Vは0〜6の整数であり、V+W=4を満たすとき、Vは0〜4の整数である。)
一般式(2)で表される炭素数3の炭化水素化合物は、V+W=8を満たすとき、C3F8、C3H1F7、C3H2F6、C3H3F5、C3H4F4、C3H5F3、C3H6F2、C3H7F1、C3H8であり、V+W=6を満たすとき、C3F6、C3H1F5、C3H2F4、C3H3F3、C3H4F2、C3H5F1、C3H6であり、V+W=4を満たすとき、C3F4、C3H1F3、C3H2F2、C3H3F1、C3H4である。
本出願人が、PCT/JP2015/069784に開示したように、本発明の反応(一般式(1)で表される炭素数3のハロゲン化炭化水素化合物をトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンに変換する反応)は、気相中、塩素の存在下であれば、無触媒でも進行する。しかし、今般本発明者らが見出したところによると、固体触媒を用いることによって、同一温度における1233E収率 は増大する傾向が見られ、この結果、無触媒よりも低い温度であっても、無触媒のより高温の場合と同等の1233E収率が得られやすい。本発明のフッ素化反応は、塩素ガスの共存を必須とするため、反応器への負荷がかかることがある。すなわち、固体触媒の使用により、反応温度を低減できることには、技術的な意義が大きい。以下、本発明で使用する「固体触媒」について詳しく説明する。
(a)複数の金属種から成る金属材料を反応器に充填し、全体として「固体触媒」として使用する形態、
(b)第1の金属を含む金属材料に、第2(さらには第3以降)の金属を含む溶液(水溶液など)を含浸させ、これら第2(さらには第3以降)の金属を、第1の金属を含む金属材料に担持させ、それを反応器に充填する形態、
(c)活性炭のような「金属を含まない固体触媒」を担体とし、これに複数の金属を含む
水溶液を含浸させる、という形態、があり、これらのいずれも適用可能である。
本発明に係る固体触媒としては、金属化合物が担体に担持された担持触媒がとりわけ好ましい(前記(b)および(c)に該当)。以下では、この「担持触媒」について、これまでの説明と重複する箇所はあるが、詳述する。
本反応工程の、反応領域へ供給する炭素数3のハロゲン化炭化水素化合物/フッ化水素のモル比は反応温度により変わりうるが、1/1〜1/20、好ましくは1/1〜1/10である。フッ化水素が炭素数3のハロゲン化炭化水素化合物の20モル倍を超えると同一反応器における有機物処理量の減少ならびに反応系から排出された未反応フッ化水素と生成物との混合物の分離に支障をきたすことがある。一方、フッ化水素が1モル倍よりも少ないと反応率が低下し、選択率が低下するので好ましくない。
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa)を原料有機物として、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを製造する方法について説明する。本発明の一実施形態に係る製造方法は、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa)とフッ化水素を反応させる工程(A)と、工程(A)で得た中間生成物を、固体触媒および塩素の存在下で、フッ化水素と気相で反応させて、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを得る工程(B)とを含む。
100℃の冷却液を循環させた凝縮器を備えた2000mlのステンレス鋼製オートクレーブに1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa)4.1g/minとフッ化水素3.8g/min(モル比:240fa/フッ化水素=1/10)を導入し、オートクレーブを150℃に加熱した。圧力が4MPaを超えたところで4MPaを維持するように凝縮器出口のニードルバルブから1233Eを主成分とする反応生成ガスを抜き出した。抜き出したガスは、氷水浴中で冷却した氷水入りのフッ素樹脂製ガス洗浄瓶に通して酸を吸収し、その後、ドライアイスアセトン浴のガラストラップで反応生成有機物として回収した。
電気炉を備えた直径2.7cm長さ40cmの円筒形ステンレス鋼(SUS316L)製反応管に粒状γ−アルミナ(住化アルケム社製、KHS−46)130mlを充填し、窒素ガスを流しながら200℃まで昇温し、水の流出が見られなくなった時点で、窒素ガスにフッ化水素(HF)を同伴させその濃度を徐々に高めた。充填されたアルミナのフッ素化によるホットスポットが反応管出口端に達したところで反応器温度を段階的に100℃刻みで昇温、各段階温度で1時間ずつ保持し、最終的に400℃に上げ、その状態を1時間保ち触媒のフッ素化処理を行うことにより、フッ素化アルミナ触媒の調製を行った。
三角フラスコに20質量%塩化クロム水溶液を調製し、調製例2で調製したフッ素化アルミナ130mlを浸漬させ、3時間保持した。フッ素化アルミナを濾過し、ロータリーエバポレーターを用いて、減圧下、70℃で乾燥させ、クロム担持フッ素化アルミナ触媒を得た。
電気炉を備えた内径2.7cm、長さ40cmの円筒形ステンレス鋼(SUS316L)製反応管に調製例3で調製したクロム担持フッ素化アルミナ触媒を130ml充填し、窒素を10ml/minの速度で流しながら、昇温した。反応管の温度が150℃に達したところで、反応原料として、気化させた調製例1の留分(炭素数3のハロゲン化炭化水素化合物を含む液体組成物):0.30g/min、フッ化水素:0.10g/min、塩素:1.0ml/minの流量でそれぞれ供給し(モル比:炭素数3のハロゲン化炭化水素化合物/フッ化水素/塩素=1/3.28/0.028、接触時間:51秒間)、流量が安定したところで窒素の供給を停止した。
反応管の温度が200℃に達したところで、反応原料として、気化させた調製例1の留分(炭素数3のハロゲン化炭化水素化合物を含む液体組成物):0.39g/min、フッ化水素:0.09g/min、塩素:1.0ml/minの流量でそれぞれ供給し(モル比:炭素数3のハロゲン化炭化水素化合物/フッ化水素/塩素=1/2.23/0.022、接触時間:52秒間)とした以外は実施例1と同様に反応を実施した。その結果を表3に示す。
反応管の温度が250℃に達したところで、反応原料として、気化させた調製例1の留分(炭素数3のハロゲン化炭化水素化合物):0.25g/min、フッ化水素:0.06g/min、塩素:1.0ml/minの流量でそれぞれ供給し(モル比:炭素数3のハロゲン化炭化水素化合物/フッ化水素/塩素=1/2.26/0.033、接触時間:80秒間)とした以外は実施例1と同様に反応を実施した。その結果を表3に示す。
反応管の温度が300℃に達したところで、反応原料として、気化させた調製例1の留分(炭素数3のハロゲン化炭化水素化合物):0.26g/min、フッ化水素:0.07g/min、塩素:1.0ml/minの流量でそれぞれ供給し(モル比:炭素数3のハロゲン化炭化水素化合物/フッ化水素/塩素=1/2.37/0.032、接触時間:74秒間)とした以外は実施例1と同様に反応を実施した。その結果を表3に示す。
反応原料の供給量を、気化させた調製例1の留分(炭素数3のハロゲン化炭化水素化合物を含む液体組成物):0.41g/min、フッ化水素:0.11g/min、塩素:約1.0ml/minの流量でそれぞれ供給し(モル比:炭素数3のハロゲン化炭化水素化合物/フッ化水素/塩素=1/2.36/0.020、接触時間:47秒間)とした以外は実施例1と同様に1時間反応を実施した。その後、塩素のみ導入を停止して、反応を継続し、8時間および13時間後に分析を実施した。その結果を表4に示した。
電気炉を備えた内径2.7cm、長さ40cmの円筒形ステンレス鋼(SUS316L)製反応管に調製例3で調製したクロム担持フッ素化アルミナを130ml充填し、窒素を10ml/minの速度で流しながら、昇温した。反応管の温度が250℃に達したところで、反応原料として、気化させた調製例1の留分(炭素数3のハロゲン化炭化水素化合物を含む液体組成物):0.51g/min、フッ化水素:0.08g/min、塩素:1.0ml/minの流量でそれぞれ供給し(モル比:炭素数3のハロゲン化炭化水素化合物/フッ化水素/塩素=1/1.54/0.017、接触時間:50秒間)、流量が安定したところで窒素の供給を停止した。反応器から流出する生成ガスを氷水浴中で冷却した氷水入りのフッ素樹脂製ガス洗浄瓶に通し、未反応のフッ化水素および塩化水素を吸収し、反応生成物を捕集した。捕集した反応生成物をガスクロマトグラフで分析した反応経時変化測定結果を図2に示す。なお図2において、1233E収率は反応生成物中の1233E濃度(GC%)を示す。
電気炉を備えた内径2.7cm、長さ40cmの円筒形ステンレス鋼(SUS316L)製反応管に調製例2で調製したフッ素化アルミナを130ml充填し、窒素を10ml/minの速度で流しながら、昇温した。反応管の温度が280℃に達したところで、反応原料として、気化させた調製例1の留分(炭素数3のハロゲン化炭化水素化合物):0.64g/min、フッ化水素:0.12g/min、塩素:1.0ml/minの流量でそれぞれ供給し(モル比:炭素数3のハロゲン化炭化水素化合物/フッ化水素/塩素=1/1.75/0.013、接触時間:37秒間)、流量が安定したところで窒素の供給を停止した。反応器から流出する生成ガスを氷水浴中で冷却した氷水入りのフッ素樹脂製ガス洗浄瓶に通し、未反応のフッ化水素および塩化水素を吸収し、反応生成物を捕集した。捕集した反応生成物をガスクロマトグラフィーで分析した反応経時変化測定結果を図3に示す。
Claims (4)
- 1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa)、1,1,3,3−テトラクロロプロペン(1230za)、1,3,3,3−テトラクロロプロパン(1230zd)、1,1,3,3−テトラクロロ−1−フルオロプロパン(241fa)、1,1,1,3−テトラクロロ−3−フルオロプロパン(241fb)、1,3,3−トリクロロ−3−フルオロプロペン(1231zd)、1,3,3−トリクロロ−1−フルオロプロペン(1231zb)、3,3,3−トリクロロ−1−フルオロプロペン(1231ze)、1,1,3−トリクロロ−3−フルオロプロペン(1231za)、1,3,3−トリクロロ−1,1−ジフルオロプロパン(242fa)、1,1,3−トリクロロ−1,3−ジフルオロプロパン(242fb)、1,1,1−トリクロロ−3,3−ジフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−3,3−ジフルオロプロペン(1232zd)、3,3−ジクロロ−1,3−ジフルオロプロペン(1232ze)、3,3−ジクロロ−1,1−ジフルオロプロペン(1232zc)、1,3−ジクロロ−1,3−ジフルオロプロペン(1232zb)、1,1−ジクロロ−3,3−ジフルオロプロパン(1232za)、シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233zd(Z))、3−クロロ−1,1,3−トリフルオロプロペン(1233zc)、3−クロロ−1,3,3−トリフルオロプロペン(1233ze)、1−クロロ−1,3,3−トリフルオロプロペン(1233zb)、3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン(243fa)、1,3−ジクロロ−1,1,3−トリフルオロプロパン(243fb)、1,1−ジクロロ−1,3,3−トリフルオロプロパン(243fc)、1−クロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロパン(244fb)および3−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン(244fa)からなる群から選ばれる少なくとも一つから選択される炭素数3のハロゲン化炭化水素化合物を、固体触媒および塩素の存在下で、フッ化水素と気相で反応させることを特徴とする、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法。
- 前記炭素数3のハロゲン化炭化水素化合物から選択される2つ以上の炭素数3のハロゲン化炭化水素化合物を、固体触媒および塩素の存在下で、フッ化水素と気相で反応させる、請求項1に記載の製造方法。
- 前記固体触媒が、アルミニウム、クロム、チタン、マンガン、鉄、ニッケル、コバルト、銅、マグネシウム、ジルコニウム、モリブデン、亜鉛、スズ、ランタン、ニオブ、タンタルおよびアンチモンからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属フッ素化物である、請求項1または2に記載の製造方法。
- 反応温度が100℃以上400℃以下であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一に記載の製造方法。
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