JP2018027990A - シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法 - Google Patents

シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】245faの副生を抑えて、1234Eから1234Zを製造する。【解決手段】トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを触媒と接触させることからなるシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法であって、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを、200℃以上、550℃以下の反応温度、かつ、0.01秒以上、500秒以下の接触時間で触媒と接触させる、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、地球環境への影響が軽微な発泡剤、溶媒、溶剤、洗浄剤、作動流体や医農薬中間体、半導体関連材料に有用であるシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法に関し、より詳しくはトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの異性化によるシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造法に関する。
1,3,3,3−テトラフルオロプロペンは、シス体とトランス体の異性体が存在する。以下、シス体を1234Z、トランス体を1234E、シス体とトランス体の混合物、シス体、トランス体を区別していないものを1234または1234EZと呼ぶことがある。
1234Zは、分子内に二重結合を含むので大気寿命が非常に短く、実質的に地球温暖化やオゾン層破壊への影響が無い化合物である。その沸点は9℃なので、洗浄剤、溶剤、冷媒、噴射剤、作動流体等の機能物質および各種機能製品の中間体として有用である。
1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法としては、従来、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−ヨードプロパンをアルコール性水酸化カリウムにより脱ヨウ化水素する方法(非特許文献1)、または1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)をジブチルエーテル中で水酸化カリウムにより脱フッ化水素する方法(非特許文献2)などが知られている。
また、特許文献1では1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンをクロム/活性炭触媒で脱フッ化水素する方法が、特許文献2ではクロムベースの触媒との接触により1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンから1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを得る方法が開示されている。
一方、一般的なフルオロアルカン化合物における、気相中での脱フッ化水素反応の例として、特許文献3に1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンをガス状態にして活性炭又は酸化クロム触媒と接触させることで、対応するプロペンを製造する方法、そして特許文献4ではフルオロエタンを活性炭と接触させて熱分解する方法が開示されている。
また、特許文献5では、気相中、触媒存在下、ジルコニウム化合物を金属酸化物又は活性炭に担持したジルコニウム化合物担持触媒を用いて1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを脱フッ化水素反応させて、1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを得る方法が開示されている。
ところが、これらの方法では、1234が通常、シス体(1234Z)とトランス体(1234E)の混合物として得られ、一方の異性体のみを利用する場合には不都合である。
このような背景のもと、フルオロアルケンの異性化による相互変換が試みられ、特許文献6には、平衡反応を利用して、気相反応で、ルイス酸触媒、クロミア含有触媒、アルミナ触媒などの固体触媒と接触させトランス体であるE−(ヒドロハロ)フルオロアルケンを接触させ、シス体であるZ−(ヒドロハロ)フルオロアルケンに異性化する方法が開示されている。
特許文献7には、酸化クロム触媒を用いて、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンからシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンへの異性化反応が開示されている。
特開平11−140002号公報 特開2000−63300号公報 特開平9−67281号公報 米国特許2480560号明細書 特開2008−019243号公報 特表2010−523635号公報 国際公開2008/030443号公報
R.N.Haszeldineら,J.Chem.Soc.1953,1199−1206; CA 48 5787f I.L.Knunyantsら,Izvest.Akad.Nauk S.S.S.R.,Otdel.Khim.Nauk.1960,1412−18;CA 55,349f
特許文献7の実施例1〜3によると、触媒として、酸化クロム触媒を用いて検討したところ、得られた組成物中には、3.8〜5質量%程度の1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)が含まれることが記載されている。これは、1234Eから1234Zへの異性化反応を行うと、目的化合物の1234Zを得ることは可能であるが、同時にフッ素化がさらに進行して得られる高次のフッ素化生成物、すなわち、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)が副生しやすいためである。
1234Eから1234Zへの異性化反応において、目的化合物となる1234Zと245faは共沸または共沸様組成物を形成するため、蒸留による分離が実質的に不可能となる。つまり、1234Eから1234Zへの異性化反応において245faが副生してしまうと、高純度な1234Zを得ることが難しいのが現状である。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、1234Eから1234Zへの異性化反応において、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの副生を抑えて、効率的に1234Zを製造することを課題とする。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
[発明1]
トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを触媒と接触させることからなるシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法であって、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを、200℃以上、550℃以下の反応温度、かつ、0.01秒以上、500秒以下の接触時間で触媒と接触させる、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
[発明2]
トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを、250℃以上、500℃以下の反応温度、かつ、1秒以上、150秒以下の接触時間で触媒と接触させる、発明1に記載の製造方法。
[発明3]
反応温度と接触時間とは、トレードオフの関係である、発明1又は2に記載の製造方法
[発明4]
気相中において、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを触媒と接触させる、発明1乃至3の何れかに記載の製造方法。
[発明5]
触媒が、アルミニウム、クロム、チタン、マンガン、鉄、ニッケル、コバルト、銅、マグネシウム、ジルコニウム、モリブデン、亜鉛、スズ、ランタン及びアンチモンからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属化合物である、発明1乃至4の何れかに記載の製造方法。
[発明6]
金属化合物が、金属フッ化物である、発明5に記載の製造方法。
[発明7]
発明1から6の何れかに記載の方法で得られたシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを蒸留する工程を含む、高純度シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
[発明8]
トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを触媒と接触させ得られたシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンが、実質的に1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを含まないことを特徴とする、発明1から7の何れかに記載の製造方法。
[発明9]
トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを触媒と接触させることからなるシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法であって、触媒が、炭素に、アルミニウム、クロム、チタン、マンガン、鉄、ニッケル、コバルト、銅、マグネシウム、ジルコニウム、モリブデン、亜鉛、スズ、ランタン及びアンチモンからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属化合物が担持された担持触媒であり、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを、200℃以上、550℃以下の反応温度、かつ、0.01秒以上、500秒以下の接触時間で触媒と接触させる、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
本発明によれば、1234Eから1234Zへの異性化反応において、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの副生を抑えて1234Zを製造することができる。したがって、得られた1234Zは蒸留による分離が困難な1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを実質的に含まないので、蒸留によって容易に精製することができ高純度な1234Zができる。
1234Zと1234Eのボルツマン分布の計算結果を示す図である。
本発明のシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234Z)の製造方法は、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234E)を異性化触媒に接触させて、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234E)をシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234Z)に変換する製造方法である。
本発明は、反応温度、接触時間および触媒のタイプ(材質)などの異性化条件を適当に選択することによって、1234Eから1234Zへの異性化反応において、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)の副生を極めて低いレベルまで低減させる効果が得られることを特徴としている。
本発明で得られた1234Zは実質的に1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)を含まない。なお、ここで言う実質的に含まないとは、例えば、異性化反応によって得られた1234Zを主成分とする組成物中において、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)の含有割合が、1質量%以下であることを意味する。通常の発泡剤や溶剤などの化学製品においても99質量%以上の純度が求められる場合が多く、電子材料や冷媒分野では、99.9〜99.99質量%の製品純度が求められることもある。このように1234Zの高純度化は、重要な課題である。
反応形式は、気相反応、液相反応のいずれも採用することができる。また、処理形式は流通式もしくはバッチ式であってもよく、これらの反応形式および処理形式を組み合わせた形式を適宜採用できる。反応に関与する化学物質の沸点が低いことから、実用的には気相流通形式が最も好ましい。気相流通形式では、触媒の保持方法は固定床、流動床、移動床などいずれの形式でもかまわないが、固定床で行うのが簡便であるので、好ましい。
以下の説明においては、気相反応について述べるが、液相で行う場合については、当業者は適宜技術常識に基づいて変更を加え最適化を図ることができる。
[原料]
本発明の原料として使用するトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234E)は公知の方法で製造できる。例えば、工業的に入手可能な1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)と水酸化ナトリウムなどの塩基との反応によって容易に合成できることが知られている。脱酸、乾燥、蒸留等によって、精製された1234Eが原料として好適である。また、1234E自体もマグネシウム合金製造時に用いる防燃カバーガスとして工業生産されており、入手可能である。
勿論、1234Eと1234Zの混合物も使用可能である。但し、1234Z/1234Eの比率は0から0.2が好ましく、この比が0に近いほど好ましい。なぜならば、反応生成物の1234Z/1234Eの比率は、熱力学的な平衡に支配されているからである。仮に熱力学的な平衡組成の原料を用いた場合、理論的に生成ガスの組成は原料ガスと同一になる。1234Eと1234Zは容易に蒸留分離できるので、もし、1234Zと1234Eの混合物を原料にする場合は、予め蒸留分離を行うことが好ましい。また、本反応の精製ガスを捕集して、目的化合物である1234Zを蒸留等によって単離後、未反応の1234Eを原料として再び本発明に供することは合理的である。また、原料と一緒に窒素等のイナートガスを同伴させてもよいが、過剰に添加すると生産性が低下することがある。
本発明の方法は、フッ化水素に対して実質的に不活性な材質で造られた反応器を用い、温度の調節された触媒の充填された反応領域へ1234Eを導入することで行われる。容器は通常、管状であってステンレス鋼、ハステロイ(TM)、モネル(TM)、白金、炭素、フッ素樹脂またはこれらをライニングした材質で製作されたものが用いられる。
[触媒]
本発明において使用する触媒は、1234Eをその触媒と接触させることで1234Zに変換させ得るものであればよい。そのようなものとして、金属を含む金属化合物が挙げられる。触媒は、非担持触媒であってもよく、担持触媒であってもよい。
非担持触媒としては、金属を含む金属フッ化物が好ましい。触媒に含まれる金属は、アルミニウム、クロム、マンガン、ジルコニウム、チタンおよびマグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属であり、単独で使用されてもよく、二種以上の金属が複合した複合金属として使用されてもよい。これらの金属を含む金属フッ化物は、これらの金属を酸化した金属酸化物にフッ素化処理を行うことによって得られる。本明細書においては、「金属フッ化物」は、金属酸化物の酸素原子の一部又は全てがフッ素で置換されたものを指す。金属フッ化物を得る際に材料として用いる金属酸化物は、結晶系の異なるものがあるが、何れも使用できる。アルミナとしては、γ−アルミナは表面積が大きく好ましい。
複合金属としては、アルミニウム、クロム、マンガン、ジルコニウム、チタンおよびマグネシウムを主成分とし、副成分としてアルミニウム、クロム、チタン、マンガン、鉄、ニッケル、銅、コバルト、マグネシウム、ジルコニウム、モリブデンおよびアンチモンなどを含むものが好ましい。
このような複合金属としては、例えば、アルミナとクロム、アルミナとジルコニア、アルミナとチタニア、アルミナとマグネシアの複合金属が好ましいものとして挙げられる。これらの複合金属の酸化物は、いずれもアルミニウムを50原子%以上含むものが好ましく、80原子%以上含むものがより好ましい。50原子%未満では異性化の転化速度が遅く好ましくない。
金属フッ化物の材料として用いられる金属酸化物は、一種以上の結晶形を取ることがあり、たとえば、アルミナにはγ−アルミナとα−アルミナ、チタニアにはアナタ−ゼとルチルの結晶形のものがある。金属酸化物の結晶形はいずれであってもよいが、アルミナではγ−アルミナは表面積が大きく好ましい。
本発明の異性化反応において、触媒としては、金属フッ化物を使用するが、フッ素化されていない金属酸化物を用いた場合には、フッ化水素および1,3,3,3−テトラフルオロプロペンがフッ素化剤として作用するため、金属酸化物が経時的に金属フッ化物に転化し、反応が安定しない傾向がある。そのため、触媒としては、金属酸化物を予めフッ素化処理した金属フッ化物が好ましい。金属酸化物にフッ素化処理を行うことによって生成された金属フッ化物において、酸素原子がフッ素原子に置換した比率は特に限定されず、広い範囲のものが使用できる。ここでは、金属酸化物の全ての酸素原子がフッ素原子で置換された金属フッ化物だけではなく、金属酸化物の一部の酸素原子がフッ素原子で置換された金属フッ化物が使用されてもよい。
金属フッ化物の調製は、フッ化水素、フッ素化炭化水素、フッ素化塩素化炭化水素などのフッ素化剤と前述した金属の酸化物又は複合金属の酸化物とを接触させることにより行われる。フッ素化処理は、通常、段階的に行うのが好ましい。フッ化水素でフッ素化処理する場合、大きな発熱を伴うので、最初は希釈されたフッ酸水溶液やフッ化水素ガスにより比較的低温度で金属酸化物をフッ素化し、徐々に濃度および/または温度を高くしながら行うのが好ましい。最終段階は、異性化反応の反応温度以上で行うのが好ましいが、この条件に加えて、反応中の経時変化を予防するために、フッ素化温度は200℃以上で行い、400℃以上、さらに好ましくは500℃以上においてフッ化水素でフッ素化処理するのが好ましい。温度の上限は特にないが、900℃を超えると、フッ素化処理装置の耐熱性の点から困難であり、実用的には600℃以下で行うのが好ましい。このように、反応中の触媒の組成変化を防止するために、使用の前に所定の反応温度以上の温度で予めフッ化水素、フッ素化炭化水素、フッ素化塩素化炭化水素などのフッ素化剤で金属酸化物をフッ素化処理した金属フッ化物を触媒として用いることが好ましい。
本発明においては、金属化合物を担持した担持触媒を用いてもよい。本発明で用いる金属を担持した担持触媒の担体としては、炭素または非担持触媒として上述した金属(2種以上の金属を含む複合金属を含む。)を使用してもよい。担体として用いられる金属は、金属酸化物であってもよい。例えば、アルミニウム、クロム、マンガン、ジルコニウム、チタンおよびマグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を含む金属酸化物が、単独で担体として用いられてもよく、二種以上の金属が複合した複合金属酸化物が担体として用いられてもよい。複合金属酸化物としては、例えば、アルミニウム、クロム、マンガン、ジルコニウム、チタンおよびマグネシウム酸化物を主成分とし、副成分としてアルミニウム、クロム、チタン、マンガン、鉄、ニッケル、銅、コバルト、マグネシウム、ジルコニウム、モリブデンおよびアンチモン酸化物などを含むものが好ましい。
担持させる金属化合物に含まれる金属としては、アルミニウム、クロム、チタン、マンガン、鉄、ニッケル、コバルト、銅、マグネシウム、ジルコニウム、モリブデン、亜鉛、スズ、ランタンおよびアンチモンなどが挙げられる。これらのうち、アルミニウム、クロム、チタン、鉄、ニッケル、コバルト、銅、ジルコニウム、亜鉛、スズ、ランタン、アンチモンが好ましい。これらの金属はフッ化物、塩化物、フッ化塩化物、オキシフッ化物、オキシ塩化物、オキシフッ化塩化物等として担持され、2種以上の金属化合物を併せて担持させてもよい。
担持させる金属化合物としては、具体的には、硝酸クロム、三塩化クロム、重クロム酸カリウム、三塩化チタン、硝酸マンガン、塩化マンガン、塩化第二鉄、硝酸ニッケル、塩化ニッケル、硝酸コバルト、塩化コバルト、五塩化アンチモン、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩化銅(II)、塩化亜鉛(II)、硝酸ランタン、四塩化スズなどを用いることができる。
担体に前述の金属化合物を担持して調製した触媒は、異性化反応中の触媒の組成変化を防止するために前述の金属酸化物のフッ素化処理と同様の方法により、使用の前に所定の反応温度以上の温度で予めフッ化水素、フッ素化炭化水素、フッ素化塩素化炭化水素などのフッ素化剤で処理しておくことが好ましい。
ここで、担体が金属酸化物であり、且つ担持物である金属化合物の層が担体を全体的に覆っている場合は、フッ素化処理工程において、担体はフッ素化されずに担持物のみがフッ素化処理され、異性化反応においても触媒として作用するのは担持物のみである。但し、担体が金属酸化物であり、担持物である金属化合物の層が担体を全体的に覆っていない場合は、フッ素化処理工程において、担持物とともに担体もフッ素化処理され、異性化反応において、担持物とともに担体も触媒として作用することもあり得る。このように、担体が担持物とともに触媒として作用する場合は、担持触媒としてではなく、複合金属フッ化物として、非担時触媒と同様に作用することがある。
本発明の異性化反応の触媒としては、フッ素化アルミナ、フッ素化クロミア、クロム担持活性炭を好ましい具体例として挙げられ、フッ素化アルミナ、フッ素化クロミアが特に好ましい。当然、これらの触媒は反応の前に予めフッ素化処理をしておくことが好ましい。
担体及び担持物を含めた触媒の全質量に対する金属の質量の割合は、0.1〜80質量%、好ましくは1〜50質量%である。0.1質量%未満では触媒効果が低く、80質量%を超えると安定に担持させることが困難であるので、それぞれ好ましくない。尚、担持物が固体金属塩である場合、触媒の全質量に対する金属の質量の割合は、0.1〜40質量%、好ましくは1〜30質量%である。
[反応温度]
1234Z/1234E比は、先にボルツマン分布の計算例(図1参照)で示したとおり、温度が高ければ高い程、大きくなり、反応速度も速くなるので好ましいが、本発明の1234Eを1234Zに変換する異性化反応の反応温度が600℃以上の場合は、1234Eや1234Zが触媒上で分解したり、コーキングしたりすることがあるので好ましく無い。また、必要以上に反応温度を高く設定することはエネルギーの無駄であり、装置の負荷も大きくなる。逆に、100℃未満の場合では、反応速度が小さく実用的ではない。よって、異性化反応における反応温度は、150℃以上、600℃以下が好ましく、特に、200℃以上、550℃以下が好適な反応温度である。さらには、250℃以上、500℃以下がより好ましい。反応温度と原料である1234Eを触媒に接触させる接触時間とはトレードオフの関係であり、反応温度が高い場合には接触時間が短いこと、反応温度が低い場合には接触時間が長いことが、1234Zの製造効率の面でより好ましい。
[接触時間]
通常、気相流通方式の場合、反応ゾーンの体積(ml)を原料供給速度(ml/秒)で除した値(秒)で、生産性を議論することが多い。反応ゾーンに触媒を充填した場合は、接触時間と呼ばれている。本発明における最適な接触時間は0.01秒以上、500秒以下であり、好ましくは0.1秒以上、250秒以下、より好ましくは、1秒以上、150秒以下である。一般にこれらよりも接触時間が短いと熱力学的平衡組成から大きく乖離した転化率しか示さないことがある。逆に、これらよりも長い場合は、平衡組成に近い転化率を示しても、生産性が悪くなったり、タール化することがある。
本発明の異性化反応において、反応温度と接触時間との適切な組み合わせが重要な要素であり、反応温度が、200℃以上、550℃以下の場合、接触時間は、0.01秒以上、500秒以下、反応温度が、250℃以上、500℃以下の場合、接触時間は、1秒以上、150秒以下、とすることが好ましい。
異性化反応の生成物は洗浄によって、酸分を除去し、ゼオライト等で乾燥後、通常の蒸留操作によって、1234Eと1234Zとを分離することが出来る。特に、実質的に1234Z以外の不純物を含まない1234Eを原料とすると、容易に高純度1234Zを得ることが出来る。
[その他、圧力など]
反応圧力は特に制限が無いが、常圧近傍での操業が容易である。但し、1MPa以上の加圧反応は高価な耐圧性の装置が必要となるだけでなく、原料もしくは生成物の重合が懸念される。装置の加熱方法は特に制限されないが、電気ヒーターやバーナーで直接加熱する方法か溶融塩、砂を用いて間接的に加熱方法が好ましい。
[1234zc]
本発明の異性化反応において、副生成物として1,1,3,3−テトラフルオロプロペン(1234zc)が生成することがある。1234zcは蒸留によってトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234Z)と分離可能だが、沸点が近いため高い理論段数を有する蒸留塔が必要となる。したがって、異性化反応において1234zcの生成量を低減することが好ましい。
[実施例]
以下に本発明を、例を挙げて具体的に説明するが、これらによって本発明は限定されるものではない。ここで、組成分析値の「%」は、反応混合物をガスクロマトグラフィー(検出器:FID)によって測定して得られた組成の「面積%」を表す。なお、表示桁数以下は四捨五入した。例えば、表中の0.01%は0.015面積%未満であることを示している。
[調製例1]
電気炉を備えた直径2cm長さ40cmの円筒形ステンレス鋼(SUS316L)製反応管に粒状γ−アルミナ(住化アルケム、KHS−46)50mlを充填し、窒素ガスを流しながら200℃まで昇温し、水の流出が見られなくなった時点で、窒素ガスにフッ化水素(HF)を同伴させその濃度を徐々に高めた。充填されたアルミナのフッ素化によるホットスポットが反応管出口端に達したところで反応器温度を段階的に100℃刻みで昇温、各段階温度で1時間ずつ保持し、最終的に500℃に上げ、その状態を1時間保ち触媒のフッ素化処理を行うことにより、触媒の調製を行った。
[調製例2]
反応管に粒状γ−アルミナの代わりに粒状クロミア(日揮触媒化成社製、E01W−1)を充填した以外は調製例1と同様に調製を行った。
[調製例3]
反応管に粒状γ−アルミナの代わりに粒状ジルコニア(サンゴバン社製、SZ31163)を充填した以外は調製例1と同様に調製を行った。
[調製例4]
反応管に粒状γ−アルミナの代わりに粒状チタニア(サンゴバン社製、ST61120)を充填した以外は調製例1と同様に調製を行った。
[調製例5]
反応管に粒状γ−アルミナの代わりに粒状酸化マンガン(IV)(関東化学社製)を充填した以外は調製例1と同様に調製を行った。
[調製例6]
三角フラスコに20質量%塩化クロム水溶液を調製し、白鷺粒状活性炭(武田エンバイロケミカルズ社製、G2X)110mlを浸漬させ、3時間保持した。活性炭を濾過し、ロータリーエバポレーターを用いて、減圧下、70℃で乾燥させた。電気炉を備えた直径2cm長さ40cmの円筒形ステンレス鋼(SUS316L)製反応管に塩化クロム担持活性炭50mlを充填し、窒素ガスを流しながら200℃まで昇温し、水の流出が見られなくなった時点で、窒素ガスにフッ化水素(HF)を同伴させその濃度を徐々に高めた。充填物のフッ素化によるホットスポットが反応管出口端に達したところで反応器温度を段階的に100℃刻みで昇温、1時間保持させ、最終的に500℃で1時間保ち担持触媒のフッ素化処理を行うことにより、触媒の調製を行った。
[調製例7]
20質量%塩化クロム水溶液の代わりに29質量%第2塩化鉄水溶液を用いた以外は調製例6と同様に触媒を調製した。
[調製例8]
20質量%塩化クロム水溶液の代わりに18質量%塩化コバルト(II)水溶液を用いた以外は調製例6と同様に触媒を調製した。
[調製例9]
20質量%塩化クロム水溶液の代わりに17質量%塩化ニッケル(II)水溶液を用いた以外は調製例6と同様に触媒を調製した。
[調製例10]
20質量%塩化クロム水溶液の代わりに26質量%塩化銅(II)水溶液を用いた以外は調製例6と同様に触媒を調製した。
[調製例11]
20質量%塩化クロム水溶液の代わりに21質量%塩化亜鉛(II)水溶液を用いた以外は調製例6同様に触媒を調製した。
[調製例12]
白鷺粒状活性炭(武田エンバイロケミカルズ社製、G2X)を、ロータリーエバポレーターを用いて、減圧下、150℃で乾燥させた。乾燥させた活性炭110ml(約46g)に四塩化スズ(関東化学社製)46gを攪拌しながら、ゆっくり滴下した。電気炉を備えた直径2cm長さ40cmの円筒形ステンレス鋼(SUS316L)製反応管に四塩化スズ担持活性炭50mlを充填し、窒素ガスを流しながら80℃まで昇温し、窒素ガスにフッ化水素(HF)を同伴させその濃度を徐々に高めた。充填物のフッ素化によるホットスポットが反応管出口端に達したあと、1時間保持させ、触媒の調製を行った。
[調製例13]
四塩化スズの代わりに五塩化アンチモン(和光純薬社製)46gを用いた以外[調製例12]と同様に触媒を調製した。
[調製例14]
20質量%塩化クロム水溶液の代わりに12質量%硝酸ランタン(III)水溶液を用いた以外は[調製例6]と同様に触媒を調製した。
[実施例1〜17、134、比較例1〜4]
調製例1で調製した触媒50mlを、電気炉を備えた直径2cm長さ40cmの円筒形ステンレス鋼(SUS316L)製反応管に充填し、約100ml/分の流量で窒素ガスを流しながら反応管の温度を200℃に昇温した。
次に、原料としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(99.9%)
を予め気化させて接触時間に基づいて計算された速度で反応管への供給を開始した。有機物の流量が安定したところで窒素ガスの導入は停止した。
接触時間5〜1000秒間、反応温度147〜500℃の範囲で異性化反応を実施し、その結果を表1に示した(実施例1〜17、134、比較例1〜4)。反応開始2時間後には反応が安定したので、反応器から流出するガスを水中に吹き込んで酸性ガスを除去した後、得られた生成物をガスクロマトグラフィーで分析した。精密蒸留により、得られた生成物から1234Zを精製した。なお、実施例1〜17、134、比較例1〜4における反応温度、接触時間を含む異性化条件については、表1に示した。また、表1中の1234Z蒸留後純度は、1234Zの蒸留精製を行った場合、実質的に245faの分離ができないことから、1234Zと245faとの混合物として算出した純度である。
[実施例18〜25]
調製例2で調製した触媒を用いて、異性化条件を変更したこと以外は[実施例1〜17、134、比較例1〜4]と同様に反応を実施し、その結果および異性化条件を表2に示した。
[実施例26〜32]
調製例3で調製した触媒を用いて、異性化条件を変更したこと以外は[実施例1〜17、134、比較例1〜4]と同様に反応を実施し、その結果および異性化条件を表3に示した。
[実施例33〜42]
調製例4で調製した触媒を用いて、異性化条件を変更したこと以外は[実施例1〜17、134、比較例1〜4]と同様に反応を実施し、その結果および異性化条件を表4に示した。
[実施例43〜46]
調製例5で調製した触媒を用いて、異性化条件を変更したこと以外は[実施例1〜17、134、比較例1〜4]と同様に反応を実施し、その結果および異性化条件を表5に示した。
[実施例47〜57]
調製例6で調製した触媒を用いて、異性化条件を変更したこと以外は[実施例1〜17、134、比較例1〜4]と同様に反応を実施し、その結果および異性化条件を表6に示した。
[実施例58〜68]
調製例7で調製した触媒を用いた以外は[実施例1〜17、134、比較例1〜4]と同様に反応を実施し、その結果および異性化条件を表7に示した。
[実施例69〜80]
調製例8で調製した触媒を用いて、異性化条件を変更したこと以外は[実施例1〜17、134、比較例1〜4]と同様に反応を実施し、その結果および異性化条件を表8に示した。
[実施例81〜92]
調製例9で調製した触媒を用いて、異性化条件を変更したこと以外は[実施例1〜17、134、比較例1〜4]と同様に反応を実施し、その結果および異性化条件を表9に示した。
[実施例93〜98]
調製例10で調製した触媒を用いて、異性化条件を変更したこと以外は[実施例1〜17、134、比較例1〜4]と同様に反応を実施し、その結果および異性化条件を表10に示した。
[実施例99〜111]
調製例11で調製した触媒を用いて、異性化条件を変更したこと以外は[実施例1〜17、134、比較例1〜4]と同様に反応を実施し、その果および異性化条件を表11に示した。
[実施例112〜117]
調製例12で調製した触媒を用いて、異性化条件を変更したこと以外は[実施例1〜17、134、比較例1〜4]と同様に反応を実施し、その結果および異性化条件を表12に示した。
[実施例118〜126]
調製例13で調製した触媒を用いて、異性化条件を変更したこと以外は[実施例1〜17、134、比較例1〜4]と同様に反応を実施し、その結果および異性化条件を表13に示した。
[実施例127〜133]
調製例14で調製した触媒を用いて、異性化条件を変更したこと以外は[実施例1〜17、134、比較例1〜4]と同様に反応を実施し、その結果および異性化条件を表14に示した。
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表1の結果より、本発明の範疇から外れた条件である比較例1乃至比較例3では、同一の反応温度で接触時間が本発明の範疇の条件下で異性化反応を行った実施例1乃至実施例5、実施例6乃至実施例9、実施例10乃至実施例14とそれぞれ比較すると、異性化反応における1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)の副生が多くなり、得られた生成物の蒸留操作を行っても、高純度なシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234Z)を得られないことが分かる。一方、本発明の範疇である実施例1乃至実施例17の条件においては、蒸留により純度99質量%相当の高純度なシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234Z)が得られた。また、比較例4では、反応温度500℃、接触時間200秒で異性化反応を行ったところ、同一の反応温度で接触時間が30秒以下である実施例15乃至実施例17に比べて、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)の副生が多くなり、本発明の異性化反応において、反応温度と接触時間との適切な組み合わせが重要な要素であることが分かる。なお、比較例5において、147℃の低温で反応を行ったところ、異性化の反応は進行しなかった。また、表2乃至表14を参照すると、本発明の範疇の条件下で異性化反応を行った実施例18乃至実施例133のうちのほとんどの実施例において、高純度なシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234Z)が得られた。
本発明の方法は、高純度の1234Zを効率的に製造できるので、硬質ポリウレタンフォームの発泡剤、溶剤、洗浄剤、冷媒、作動流体、噴射剤、医農薬中間体、フッ素樹脂の原料等を工業的生産するのに適する。

Claims (17)

  1. トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンをアルミニウムを含む金属化合物と接触させることからなるシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法であって、
    トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを、200℃以上、500℃以下の反応温度、かつ、5秒以上、455秒以下の接触時間で前記金属化合物と接触させ、
    前記反応温度が300℃以上の場合、前記接触時間は、5秒以上、189秒未満である、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  2. トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンをクロムを含む金属化合物と接触させることからなるシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法であって、
    トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを、200℃以上、500℃以下の反応温度、かつ、30秒以上、225秒以下の接触時間で前記金属化合物と接触させる、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  3. トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンをジルコニウム又はチタンを含む金属化合物と接触させることからなるシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法であって、
    トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを、300℃以上、500℃以下の反応温度で前記金属化合物と接触させ、
    トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを前記ジルコニウムを含む前記金属化合物と接触させる場合、接触時間は30秒以上、463秒以下であり、
    トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを前記チタンを含む前記金属化合物と接触させる場合、接触時間は9秒以上、167秒未満であり、前記反応温度が500℃の場合、接触時間は9秒以上、29秒未満である、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  4. トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンをマンガンを含む金属化合物と接触させることからなるシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法であって、
    トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを、400℃以上、500℃以下の反応温度、かつ、30秒以上、132秒以下の接触時間で前記金属化合物と接触させる、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  5. 気相中において、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを前記金属化合物と接触させる、請求項1乃至4の何れか一項に記載の製造方法。
  6. 前記金属化合物は、金属フッ化物である、請求項1乃至5の何れか一項に記載の製造方法。
  7. 前記トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを前記金属化合物と接触させる前に、前記金属化合物をフッ素化処理することを含む、請求項1乃至5の何れか一項に記載の製造方法。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の方法で得られたシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを蒸留することを含む、高純度シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  9. トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを触媒と接触させることからなるシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法であって、
    前記触媒が、担体に、アンチモンを含む金属化合物が担持された担持触媒であり、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを、100℃以上、250℃以下の反応温度、かつ、16秒以上、112秒以下の接触時間で前記触媒と接触させ、
    前記反応温度が200℃以上の場合、前記接触時間は、16秒以上、60秒未満である、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  10. トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを触媒と接触させることからなるシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法であって、
    前記触媒が、担体に、スズを含む金属化合物が担持された担持触媒であり、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを、150℃以上、200℃以下の反応温度、かつ、16秒以上、119秒以下の接触時間で前記触媒と接触させ、
    前記反応温度が200℃の場合、前記接触時間は、55秒未満である、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  11. トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを触媒と接触させることからなるシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法であって、
    前記触媒が、担体に、銅を含む金属化合物が担持された担持触媒であり、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを、200℃以上、300℃以下の反応温度、かつ、8.7秒以上、55.9秒以下の接触時間で前記触媒と接触させ、
    前記反応温度が200℃以上、300℃未満の場合、前記接触時間は、13.1秒超、55.9秒以下である、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  12. トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを触媒と接触させることからなるシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法であって、
    前記触媒が、担体に、クロム又はニッケルを含む金属化合物が担持された担持触媒であり、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを、200℃以上、400℃以下の反応温度で前記触媒と接触させ、
    前記触媒が前記担体に前記クロムを含む金属化合物が担持された担持触媒である場合、接触時間は5.1秒以上、58.7秒以下であり、前記反応温度が300℃以上の場合、前記接触時間は、5.1秒以上、12.2秒未満であり、
    前記触媒が前記担体に前記ニッケルを含む金属化合物が担持された担持触媒である場合、接触時間は6秒超、117秒以下である、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  13. トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを触媒と接触させることからなるシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法であって、
    前記触媒が、担体に、鉄又は亜鉛を含む金属化合物が担持された担持触媒であり、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを、200℃以上、500℃以下の反応温度で前記触媒と接触させ、
    前記触媒が前記担体に前記鉄を含む金属化合物が担持された担持触媒である場合、接触時間は13.9秒以上、109.6秒以下であり、前記反応温度が400℃以上、500℃未満の場合、前記接触時間は13.9秒以上、33.8秒未満であり、前記反応温度が500℃の場合、前記接触時間は、13.9秒以上、61.1秒未満であり、
    前記触媒が前記担体に前記亜鉛を含む金属化合物が担持された担持触媒である場合、接触時間は9.9秒以上、163.8秒以下であり、前記反応温度が300℃以上、400℃未満の場合、前記接触時間は9.9秒以上、161.5秒未満であり、前記反応温度が400℃以上500℃未満の場合、前記反応温度は9.9秒以上、66.4秒未満であり、前記反応温度が500℃の場合、前記接触時間は、9.9秒以上、157.3秒未満である、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  14. トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを触媒と接触させることからなるシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法であって、
    前記触媒が、担体に、コバルト又はランタンを含む金属化合物が担持された担持触媒であり、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを、300℃以上、500℃以下の反応温度で前記触媒と接触させ、
    前記触媒が前記担体に前記コバルトを含む金属化合物が担持された担持触媒である場合、接触時間は6秒超191秒以下であり、
    前記触媒が前記担体に前記ランタンを含む金属化合物が担持された担持触媒である場合、接触時間は6秒超153秒以下である、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  15. 前記金属化合物は、フッ化物、塩化物、フッ化塩化物、オキシフッ化物、オキシ塩化物およびオキシフッ化塩化物からなる群より選択される1種以上の金属化合物である、請求項9乃至14の何れか一項に記載のシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  16. 前記担体は、炭素又はアルミニウム、クロム、チタン、マンガン、鉄、ニッケル、コバルト、銅、マグネシウム、ジルコニウム、モリブデン、及びアンチモンからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属酸化物である、請求項9乃至14の何れか一項に記載のシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  17. 前記金属酸化物のうち、アルミニウム、クロム、マンガン、ジルコニウム、チタン及びマグネシウムからなる群より選ばれる1種の金属を含む金属酸化物は単独で前記担体として用いられ、
    前記金属酸化物のうち、アルミニウム、クロム、チタン、マンガン、鉄、ニッケル、コバルト、銅、マグネシウム、ジルコニウム、モリブデン、及びアンチモンからなる群より選ばれる二種以上の金属が複合した複合金属酸化物を前記担体として用いる場合、前記複合金属酸化物は、アルミニウム、クロム、マンガン、ジルコニウム、チタン又はマグネシウムの酸化物を主成分として含み、アルミニウム、クロム、チタン、マンガン、鉄、ニッケル、銅、コバルト、マグネシウム、ジルコニウム、モリブデン又はアンチモンの酸化物を副成分として含む、請求項16に記載のシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
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