JP2016201328A - 超電導線材の接続構造および超電導線材の接続方法 - Google Patents

超電導線材の接続構造および超電導線材の接続方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱処理により拡散した酸素を十分に供給することができ、超電導特性を劣化させることなく、超電導線材を接続することができる超電導線材の接続構造を提供する。【解決手段】基板10と、中間層11と、超電導層12とが積層形成されてなる2本の超電導線材1を接続するための超電導線材1の接続構造において、2本の超電導線材1の少なくとも一方に外部に通じる溝21を形成した。【選択図】図1

Description

本発明は、超電導線材の接続構造および超電導線材の接続方法に関する。
従来から、液体窒素の温度で超電導性を有する高温超電導体を利用した高温超電導線材の開発が行われている。
このような高温超電導線材を用いて超電導機器用の超電導ケーブルや超電導コイルなどを作製する場合、長尺の超電導線材が必要とされるため、複数の超電導線材を順次接続することにより長尺化を図るようにしている。また、超電導線材を、例えば、MRIやNMRに用いられるコイルに応用するには、永久電流モードで通電するので超電導線材の端を接続してループにする必要がある。
このような超電導線材を接続する技術として、従来、例えば、超電導薄膜の接合箇所に、超電導薄膜を構成する金属を含む溶液の膜を形成し、形成された溶液の膜を加熱処理することにより、接合箇所に超電導接合を形成して高温超電導薄膜線材を接続する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−235699号公報
しかしながら、前記従来の技術においては、超電導薄膜線材の超電導層同士を向い合せて接続する際に、超電導層面を接合した状態で、仮焼成あるいは本焼成を行うため、高温での焼成により接続処理を行うため、酸素抜けが生じ、超電導特性が低下するおそれがあり、しかも、仮焼成の場合、有機溶媒の除去も適正に行うことができないという問題を有している。
また、焼成後に酸素アニール処理を行うが、超電導層に対して適切な量の酸素供給をすることができず、超電導薄膜線材を接続した後の超電導特性を確保することができないという問題を有している。
本発明は前記した点に鑑みてなされたものであり、熱処理により拡散した酸素を十分に供給することができ、超電導特性を劣化させることなく、超電導線材を接続することができる超電導線材の接続構造および超電導線材の接続方法を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、本発明は、基板と、中間層と、超電導層とが積層形成されてなる2本の超電導線材を接続するための超電導線材の接続構造において、前記2本の超電導線材の少なくとも一方に外部に通じる溝を形成したことを特徴とする。
この構成によれば、超電導線材の少なくとも一方に外部に通じる溝を形成することにより、熱処理により拡散した酸素を十分に供給することができ、超電導特性を劣化させることなく、超電導線材を接続することが可能となる。
また、本発明は、前記構成において、前記2本の超電導線材は、前記超電導層同士を接合して接続されるものであり、前記溝は、少なくとも一方の前記超電導層に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、少なくとも一方の超電導層に溝を形成することにより、熱処理により拡散した酸素を十分に供給することができ、超電導特性を劣化させることなく、超電導線材の超電導層同士を接続することができる。
また、本発明は、前記構成において、前記超電導層の表面に、接続用超電導層を形成し、前記2本の超電導線材は、前記接続用超電導層同士を接合して接続されるものであり、前記溝は、少なくとも一方の前記接続用超電導層および前記超電導層に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、少なくとも一方の接続用超電導層および超電導層に溝を形成することにより、熱処理により拡散した酸素を十分に供給することができ、超電導特性を劣化させることなく、超電導線材の接続用超電導層同士を接続することができる。
また、本発明は、基板と、中間層と、超電導層とが積層形成されてなる2本の超電導線材を接続するための超電導線材の接続構造において、基板と、中間層と、超電導層とが積層形成されてなる接続用線材を設け、前記2本の超電導線材は、前記接続用線材を介して接続されており、前記2本の超電導線材または前記接続用線材の少なくとも一方に外部に通じる溝を形成したことを特徴とする。
この構成によれば、2本の超電導線材を、接続用線材を介して接続するようにしているので、2本の超電導線材または接続用線材の少なくとも一方に形成した溝により、熱処理により拡散した酸素を十分に供給することができ、超電導特性を劣化させることなく、超電導線材を接続することができる。
また、本発明は、前記溝は、前記超電導層に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、超電導層に溝を形成することにより、熱処理により拡散した酸素を十分に供給することができ、超電導特性を劣化させることなく、超電導線材の接続用超電導層同士を接続することができる。
また、本発明は、前記構成において、前記溝は、複数形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、溝を複数形成することにより、熱処理により拡散した酸素をより多く供給することができ、超電導特性を劣化させることなく、超電導線材を接続することができる。
また、本発明は、前記構成において、前記複数の溝の端から端の間隔は、100μm〜1000μmの範囲で形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、溝の端から端の間隔を100μm〜1000μmの範囲で形成しているので、超電導特性を低下させることがない。
また、本発明は、前記構成において、前記溝は、前記超電導線材の長手方向に沿って形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、超電導線材の長手方向に形成した溝により、熱処理により拡散した酸素を十分に供給することができ、超電導特性を劣化させることなく、超電導線材を接続することができる。
また、本発明は、前記構成において、前記溝は、前記超電導線材の幅方向に沿って形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、超電導線材の幅方向に形成した溝により、熱処理により拡散した酸素を十分に供給することができ、超電導特性を劣化させることなく、超電導線材を接続することができる。
また、本発明は、前記構成において、前記溝は、空隙あるいは超電導材料以外の充填物で充填されていることを特徴とする。
この構成によれば、溝に空隙あるいは超電導材料以外の充填物で充填することにより、超電導特性を劣化させることなく、超電導線材を接続することができる。
また、本発明は、前記構成において、前記超電導材料以外の充填物は、Ag、ポリイミド、シアノアクリレート系接着剤、パラフィン、フッ素系樹脂、グリース、シリコーンオイルのうち少なくとも1つであることを特徴とする
この構成によれば、超電導材料以外の充填物により、超電導特性を劣化させることなく、機械強度も強い超電導線材を接続することができる。
また、本発明は、基板と、中間層と、超電導層とが積層形成されてなる2本の超電導線材を接続するための超電導線材の接続方法において、前記2本の超電導線材の少なくとも一方に外部に通じる溝を形成する溝形成処理と、前記2本の超電導線材を接合した状態で焼成する焼成処理と、前記焼成処理後の前記超電導線材を酸素アニールする酸素アニール処理と、を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、超電導線材の少なくとも一方に外部に通じる溝を形成することにより、焼成処理の際に、溝により溶剤を適正に拡散することができ、酸素アニール処理の際に、酸素を十分に供給することができ、超電導特性を劣化させることなく、超電導線材を接続することが可能となる。
本発明によれば、溝により、熱処理の際に溶剤を赤誠に拡散させることができるとともに、この熱処理により拡散した酸素を十分に供給することができ、超電導特性を劣化させることなく、超電導線材を接続することが可能となる。
本発明に係る超電導線材の接続構造の第1実施形態を示す概略斜視図である。 超電導線材の接続方法における接続用超電導層の形成処理を示す断面図である。 超電導線材の接続方法における溝形成処理を示す断面図である。 超電導線材の接続方法における本焼成処理を示す断面図である。 溝間隔を変化させた場合の超電導線材のIc特性を測定した結果を示すグラフである。 第1実施形態の変形例を示す断面図である。 第1実施形態の変形例を示す断面図である。 第1実施形態の変形例を示す断面図である。 本発明の第2実施形態における溝形成処理を示す断面図である。 第2実施形態における本焼成処理を示す断面図である。 本発明の第3実施形態を示す断面図である。 第3の変形例を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る超電導線材の接続構造の第1実施形態を示す概略斜視図である。
図1に示すように、超電導線材1は、基板10と、中間層11と、超電導層12と、保護層13と、安定化層14とから構成されている。
基板10は、テープ状に形成されており、この基板10としては、例えば、低磁性の無配向金属基板や無配向セラミックス基板が用いられる。
金属の基板10の材料としては、例えば、強度および耐熱性に優れた、Co、Cu、Ni、Ti、Mo、Nb、Ta、W、Mn、Fe、Ag、Crなどの金属またはこれらの合金が用いられる。特に好ましいのは、耐食性および耐熱性の点で優れているステンレス、ハステロイ(登録商標)、その他のニッケル系合金である。また、これら各種金属材料上に各種セラミックスを配してもよい。また、セラミックスの基板10の材料としては、例えば、MgO、SrTiO3またはイットリウム安定化ジルコニアなどが用いられる。
中間層11は、超電導層12の下地となる層であり、超電導層12において高い2軸配向性を実現するために基板10上に形成される層である。この中間層11は、例えば、熱膨張率や格子定数などの物理的な特性値が基板10と超電導層12を構成する超電導体との中間的な値を示すものが用いられる。また、中間層11は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。
超電導層12は、中間層11の表面に形成され、超電導体を主体としている。超電導体としては、例えば、REBa2Cu3O7−λで表されるRE系超電導体が用いられる。RE系超電導体中のREは、Y、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、YbやLuなどの単一の希土類元素または複数の希土類元素である。
さらに、保護層13としては、例えば、Agなどが用いられ、安定化層14としては、例えば、Cuなどが用いられる。
そして、本実施形態においては、超電導線材1の接続部は、超電導層12が露出するように構成されており、超電導層12の表面には、接続用超電導層20が形成されている。
また、超電導層12および接続用超電導層20には、超電導線材1の長手方向に延在する複数の溝21,21…が形成されている。この溝21は、少なくとも超電導層12に達する深さに形成されるとともに、超電導層12の一部を残す深さに形成されている。
そして、2本の超電導線材1をそれぞれの接続用超電導層20が互いに接するとともに、各溝21が互いに対向するように接合して、各超電導線材1を接続するように構成されている。
この状態で、溝21は外部に連通するように構成されており、これにより、溝21を介して、超電導層12および接続用超電導層20からの溶剤の拡散および酸素の供給を行う通路を確保することができるように構成されている。
次に、本発明に係る超電導線材1の接続方法について説明する。
(接続用超電導層の形成処理)
図2は、接続用超電導層20の形成処理を示す断面図である。
まず、超電導線材1の接続部について、接続に必要な長さだけ超電導層12を露出させる。
そして、接続する2本の超電導線材1の超電導層12を構成する金属を含む原料溶液を作製する。
次に、2本の超電導線材1の超電導層12の表面に、原料溶液をMOD法により塗布する。塗布は、超電導層12の全面にわたって塗布するものであり、その長さや厚みは、特に限定されず、適宜設定することができる。なお、本実施形態においては、MOD法により原料溶液を塗布するようにしているが、これに限定されるものではない。
次に、超電導層12に原料溶液を塗布した後、仮焼成して、有機溶剤を飛散させることで、図2に示すように、接続用超電導層20を形成する。仮焼成は、例えば、500℃に加熱処理することで行われるものであり、この仮焼成により、原料溶液の金属錯体の分解が行われる。
このように仮焼成を行うことにより、超電導層12の表面に接続用超電導層20が形成される。
(溝の形成処理)
図3は、溝21の形成処理を示す断面図である。
図3に示すように、接続用超電導層20および超電導層12をレーザを用いて所定の幅、所定の深さおよび所定の間隔で複数の溝21を形成する。
この溝21の幅寸法および間隔は、必要に応じて種々設定可能であるが、例えば、幅10μm、間隔500μmで形成する。また、溝21の深さは、少なくとも超電導層12に達する深さに形成する。
また、溝21の形成方向は、超電導線材1の長さ方向、幅方向、斜め方向などいずれの方向に形成するようにしてもよいし、溝21の形状は、直線状でもよいし、曲線状でもよい。
一般に、超電導線材1の通電特性を高めるため、超電導層12の結晶は、通電方向に揃えて形成されている。そのため、超電導層12の通電方向である長さ方向に直交する方向に溝21を形成すると、通電特性が低下してしまうおそれがある。そのため、溝21は、超電導線材1の長さ方向に沿って形成することが好ましい。
ここで、図4は溝21と溝21の間隔を変えて、全面に溝21を形成した超電導線材1および溝を形成しない超電導線材のIc特性をそれぞれ測定した結果を示すグラフである。
図4において、横軸は、溝21の間隔を示し、縦軸は、もとの超電導線材1のIc特性値(I0)と溝21形成後の超電導線材1のIc特性値(I)との比を示している。
すなわち、I/I0の比が1であれば、もとの超電導線材1の特性値と溝21形成後の超電導線材1の特性値は同様であることを示し、比が1より低い場合は、もとの超電導線材1の特性値に対して溝21形成後の超電導線材1の特性値が低くなっていることを示している。
この実験結果によれば、溝21の間隔が1000μmより広くなると、超電導層12内を拡散する酸素が十分に行き渡らず、特性が回復しない。一方、溝21の間隔100μmより小さいと、電流通路が十分でないため、特性が低下する。したがって、溝21の間隔は、100μm〜1000μmの範囲であることが好ましいことがわかる。
(本焼成処理)
図5は、本焼成処理を示す断面図である。
図5に示すように、超電導線材1の超電導層12上に形成された接続用超電導層20を、互いに重ね合わせ、所定の圧力で押し付ける。その後、押し付けた状態のまま、低酸素濃度雰囲気中、例えば、酸素濃度100ppmのAr雰囲気中に置き、800℃程度の温度で本焼成処理を行う。
この本焼成処理により、接続用超電導層20を結晶化させて接続用超電導層20を互いに接合する。
(酸素アニール処理)
次に、酸素濃度が100%の雰囲気で、降温することで、本焼成処理された接続用超電導層20中に酸素を導入させる。この酸素導入により、接続用超電導層20に超電導特性が与えられる。
この場合において、本実施形態においては、溝21を形成するようにしているので、この溝21を介して接続用超電導層20および超電導層12に効率よく酸素を導入することが可能となる。
以上の工程により、超電導層12の表面に接続用超電導層20を形成するとともに、各超電導線材1を互いに接続することができる。
その後、必要に応じて、接合された超電導線材1の周囲に、Ag層などの保護層13やCu層などの安定化層14が形成されて、超電導線材1の接続が完了する。
この場合に、保護層13を形成する際に、Ag層が溝21に充填されるが、超電導特性に影響はない。
なお、溝21に充填される充填物としては、Agの他、例えば、ポリイミド、シアノアクリレート系接着剤、パラフィン、フッ素系樹脂、グリース、シリコーンオイルの少なくとも1つが用いられる。また、溝21には何も充填せず、空隙となっていてもよい。
以上述べたように、本実施形態においては、溝21を形成することにより、熱処理により拡散した酸素を十分に供給することができ、超電導線材1を超電導特性を劣化させることなく、接続することが可能となる。
なお、前記実施形態においては、接続する超電導線材1の超電導層12および接続用超電導層20にそれぞれ溝21を形成するようにしたが、図6に示すように、一方の超電導線材1のみに溝21を形成するようにしてもよい。このように構成した場合でも、酸素アニール処理を行う際に、超電導層12および接続用超電導層20に酸素を供給することが可能である。
また、前記実施形態においては、2本の超電導線材1を互いに溝21が対向するように接合するようにしたが、図7に示すように、溝21をずらして接合するようにしてもよい。
また、前記実施形態においては、2本の超電導線材1の超電導層12にそれぞれ接続用超電導層20を形成するようにしたが、例えば、一方の超電導線材1の超電導層12のみに接続用超電導層20を形成し、他方の超電導線材1の超電導層12には、接続用超電導層20を形成しないようにしてもよい。
この場合は、一方の超電導線材1の超電導層12に、原料溶液を塗布した後、仮焼成して接続用超電導層20を形成し、この接続用超電導層20に溝21を形成する。他方の超電導線材1は超電導層12に直接溝21を形成し、この状態で、2本の超電導線材1を溝21が互いに対向するように接合し、本焼成および酸素アニール処理を行うようにすればよい。
さらに、接続用超電導層20の原料溶液を塗布した後、仮焼成を行う前に、溝21を形成し、超電導線材1同士を接合した状態で、仮焼成および本焼成を行うようにしてもよい。
また、溝21の長さは、図8に示すように、各超電導線材1の接合部分の長さに対して長く形成するようにしてもよい。これにより、溝21を介して酸素の通り抜けがしやすくなり、超電導層12および接続用超電導層20により効果的に酸素を供給することができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態においては、接続用超電導層20を形成しないで、2本の超電導線材1を接続する場合の形態を示している。なお、前記第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図9は第2実施形態における溝21の形成処理を示す断面図である。
図9に示すように、本実施形態において超電導線材1を接続する場合は、2本の超電導線材1の超電導層12に直接レーザにより複数の溝21を形成する。溝21の幅、深さおよび間隔は、前記第1実施形態の場合と同様である。
また、図10は第2実施形態における本焼成処理を示す断面図である。
図10に示すように、2本の超電導線材1を互いに溝21が対向するように接合し、所定の圧力で押し付ける。この状態のまま、高温減圧酸素中で焼成し、超電導層12同士を融着させる。
次に、酸素濃度が100%の雰囲気で、降温することで、焼成処理により抜けた酸素を超電導層12中に導入させる。
この場合において、本実施形態においては、溝21を形成するようにしているので、この溝21を介して接続用超電導層20および超電導層12に効率よく酸素を導入することが可能となる。
以上述べたように、本実施形態においても前記第1実施形態と同様に、溝21を形成することにより、熱処理により拡散した酸素を十分に供給することができ、超電導線材1を超電導特性を劣化させることなく、接続することが可能となる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態においては、2本の超電導線材1を接続用線材30を用いて接続するようにした形態を示している。なお、前記各実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図11は本発明の第3実施形態を示す断面図である。
図11に示すように、本実施形態においては、接続用線材30は、超電導線材1と同様に、基板10と、中間層11と、超電導層12とを備えている。
本実施形態において超電導線材1を接続する場合は、各超電導線材1に溝21を形成するとともに、接続用線材30にも溝21を形成する。この溝21は、各超電導線材1および接続用線材30に形成された接続用超電導層20に形成するようにしてもよいし、接続用超電導層20を設けず、超電導層12に直接形成するようにしてもよい。すなわち、各溝21は、前記各実施形態で示すいずれの形態で形成するようにしてもよい。
また、接続用線材30の溝21は、両端部に至るように形成されている。なお、接続用超電導層20または超電導層12に酸素を供給するための通路が確保できれば、これに限定されない。
その後、各超電導線材1を超電導層12を同じ方向にして並べて配置する。これら各超電導線材1に跨るように接続用線材30を配置し、各超電導線材1の溝21と接続用線材30の溝21とが互いに対向するようにして接合する。
この状態で、高温減圧酸素中で焼成し、接続用超電導層20または超電導層12同士を融着させ、続いて、酸素濃度が100%の雰囲気で、降温することで、焼成処理により抜けた酸素を超電導層12中に導入させる。
以上述べたように、本実施形態においても前記各実施形態と同様に、溝21を形成することにより、熱処理により拡散した酸素を十分に供給することができ、超電導線材1を超電導特性を劣化させることなく、接続することが可能となる。
なお、図12に示すように、各超電導線材1を接続用線材30を介して接続する際に、各超電導線材1の端部に間隙31をもって接続するようにしてもよい。この場合に、中間層11および超電導層12の角部を斜めに切欠いた切欠き部32を形成するようにしてもよい。また、各超電導線材1の端部に間隙31を設けず、各超電導線材11の端部を接触させた状態で接続するようにしてもよい。この場合にも、切欠き部32を形成するようにしてもよい。
このように形成することにより、基板10から超電導層12への不純物の拡散を確実に防止することができ、不純物の拡散による超電導性能の低下を確実に防止することができる。
また、本発明は前記各実施形態のものに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変更が可能である。
1 超電導線材
10 基板
11 中間層
12 超電導層
13 保護層
14 安定化層
20 接続用超電導層
21 溝
30 接続用線材

Claims (12)

  1. 基板と、中間層と、超電導層とが積層形成されてなる2本の超電導線材を接続するための超電導線材の接続構造において、
    前記2本の超電導線材の少なくとも一方に外部に通じる溝を形成したことを特徴とする超電導線材の接続構造。
  2. 前記2本の超電導線材は、前記超電導層同士を接合して接続されるものであり、前記溝は、少なくとも一方の前記超電導層に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の超電導線材の接続構造。
  3. 前記2本の超電導線材は、接続用超電導層を介して接続されるものであり、前記溝は、少なくとも一方の前記超電導層に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の超電導線材の接続構造。
  4. 基板と、中間層と、超電導層とが積層形成されてなる2本の超電導線材を接続するための超電導線材の接続構造において、
    基板と、中間層と、超電導層とが積層形成されてなる接続用線材を設け、前記2本の超電導線材は、前記接続用線材を介して接続されており、前記2本の超電導線材または前記接続用線材の少なくとも一方に外部に通じる溝を形成したことを特徴とする超電導線材の接続構造。
  5. 前記溝は、前記超電導層に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の超電導線材の接続構造。
  6. 前記溝は、複数形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の超電導線材の接続構造。
  7. 前記複数の溝の端から端の間隔は、100μm〜1000μmの範囲で形成されていることを特徴とする請求項6に記載の超電導線材の接続構造。
  8. 前記溝は、前記超電導線材の長手方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の超電導線材の接続構造。
  9. 前記溝は、前記超電導線材の幅方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の超電導線材の接続構造。
  10. 前記溝は、空隙あるいは超電導材料以外の充填物で充填されていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の超電導線材の接続構造。
  11. 前記超電導材料以外の充填物は、Ag、ポリイミド、シアノアクリレート系接着剤、パラフィン、フッ素系樹脂、グリース、シリコーンオイルのうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項10に記載の超電導線材の接続構造。
  12. 基板と、中間層と、超電導層とが積層形成されてなる2本の超電導線材を接続するための超電導線材の接続方法において、
    前記2本の超電導線材の少なくとも一方に外部に通じる溝を形成する溝形成処理と、
    前記2本の超電導線材を接合した状態で焼成する焼成処理と、
    前記焼成処理後の前記超電導線材を酸素アニールする酸素アニール処理と、
    を備えていることを特徴とする超電導線材の接続方法。
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