JPH05135628A - 線状体及び線状体の製造方法 - Google Patents

線状体及び線状体の製造方法

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JPH05135628A
JPH05135628A JP3297139A JP29713991A JPH05135628A JP H05135628 A JPH05135628 A JP H05135628A JP 3297139 A JP3297139 A JP 3297139A JP 29713991 A JP29713991 A JP 29713991A JP H05135628 A JPH05135628 A JP H05135628A
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fine particle
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particle layer
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Kanjiro Kinoshita
歓治郎 木下
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  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】微粒子から線状体を製造する上で、微粒子層を
緻密化しても微粒子層全体に外部雰囲気を供給できるよ
うにする。 【構成】2個の線状形成部材(8),(8)に微粒子層
(16)を形成し、微粒子芯体に溝条を形成する。溝条
は、一体化工程(13)により外部雰囲気導通孔(9)
となる。この外部雰囲気導通孔は、緻密化して外部雰囲
気と接触しにくくなった微粒子層に、内部から外部雰囲
気を導入する。これにより、微粒子層が外部雰囲気と接
触しにくくなるために生じる弊害が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、線状体及び線状体の製
造方法に係り、とくに微粒子部分を緻密化する場合にお
ける、微粒子の特性保持対策に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、超伝導、強磁性等の特性を有する
材料は、線状化することによって利用価値が高まるが、
超伝導材料等の微粒子は脆いためにそのまま線状化した
だけでは電線等として使用できない。
【0003】例えば、超伝導材料では、臨界温度Tc が
高い酸化物セラミックス系の高温超伝導材料を用いて超
伝導電線の製造が試みられているが、酸化物セラミック
ス系の超伝導材料は、脆く破損しやすいために、原料粉
だけを線状化しても実用可能な電線にすることができな
い。そこで、銀シース法により銀の細管(銀シース)の
中に原料粉を入れて焼き伸ばして超伝導材料の細管を作
成し、この超伝導材料の細管を多数束ねて超伝導電線を
製造することが行われている。
【0004】また、超伝導材料の細管をそのまま電線と
して使用する場合の製造方法として、特開平1−276
510号公報に開示されているように、管状の金属シー
ス内に粉粒状の超伝導セラミックス材料を充填しながら
押し棒により押し付け、高密度に充填する方法が提案さ
れている。
【0005】超伝導電線では、高密度に充填するほど微
粒子層が緻密になり、電荷密度を増大することができ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に、微粒子から電
線等の線状体を製造する上で、緻密化するほど高機能で
高品質の線状体を得ることができるが、製造段階では緻
密化すると外部雰囲気との接触が絶たれることによる弊
害が生じることがある。
【0007】例えば、上述した従来の超伝導電線の製造
方法では、金属シースに高密度で充填すれば微粒子層は
緻密な構造になるが、逆に高密度に充填されると微粒子
層は外部の酸素雰囲気との接触が減少するために、焼結
工程において酸化物セラミックスの酸素欠損を生じ、そ
の後の冷却工程においても酸素欠損の状態は回復せず、
超伝導特性が減殺されるという問題がある。
【0008】この問題の対策として、微粒子芯体中に酸
素発生源となる物質を混入したり、金属シースをポーラ
スあるいは穴あきシェルとして外部から酸素を供給して
いる。しかしながら、いずれの対策も酸素が内部にまで
十分に浸透せず、酸素供給の効果は十分でなかった。
【0009】この発明は、かかる点に鑑みてなされたも
のであって、微粒子から線状体を製造する上で、微粒子
層を緻密化しても微粒子層全体に外部雰囲気を供給でき
るようにすることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明が講じた手段は、微粒子芯体に
外部雰囲気導通孔を形成することにより、緻密化によっ
て外部雰囲気と接触しにくくなる微粒子芯体に、内部か
ら外部雰囲気を供給するものである。
【0011】そして、具体的には、図3に示すように、
管状の外殻容器(2)の内部に、該外殻容器(2)の両
端間にわたる被覆管(3)と微粒子芯体(4)とが中心
に向かって順に積層形成され、少なくとも一端は微粒子
芯体(4)が外部雰囲気に露出する一方、上記微粒子芯
体(4)には、上記露出端から他端に向かって外部雰囲
気導通孔(9)が形成された構成としている。
【0012】請求項2に係る発明が講じた手段は、溝条
形成工程により、複数の線状構成片の微粒子芯体に溝条
を形成し、これら複数の線状構成片を一体にして各微粒
子芯体の重ね合わせ面に溝条による外部雰囲気挿通孔を
形成するものである。
【0013】そして、具体的には、図1〜図3に示すよ
うに、管状の外殻容器(2)内に嵌挿された被覆管
(3)内に微粒子芯体(4)が形成され、少なくとも一
端は微粒子芯体(4)が外部雰囲気に露出する一方、上
記微粒子芯体(4)には、上記露出端から他端に向かっ
て外部雰囲気導通孔(9)が形成されている線状体の製
造方法を前提とする。
【0014】さらに、上記被覆管(3)を長さ方向に分
割して複数の線状形成部材(8),(8)を形成し、該
各線状形成部材(8),(8)に、上記微粒子芯体
(4)を構成する所定形状の微粒子層(16)を形成し
て、上記複数の線状構成片(7),(7)を製造する線
状構成片製造工程(11)を設けた構成としている。
【0015】その上、少なくとも1個の線状構成片
(7),(7)の微粒子層(16)に、上記露出端とな
る少なくとも一端から他端に向かって溝条(10)を形
成する溝条形成工程(12)を設けた構成としている。
【0016】該溝条形成工程(12)の終了後、複数の
線状構成片(7),(7)を、上記各微粒子層(16)
同士を重ね合わせて線状に一体に保持し、該重ね合わせ
面に上記溝条(10)による外部雰囲気導通孔(9)を
形成し、該保持状態で上記外殻容器(2)に嵌挿して線
状成形体(1)を形成する一体化工程(13)を設けた
構成としている。
【0017】さらにその上、該一体化工程(13)の終
了後、上記線状成形体(1)を加熱して上記微粒子層
(16)を焼結する焼結工程を設けた構成としている。
【0018】請求項3に係る発明が講じた手段は、請求
項2に係る発明において、線状片製造工程が、定在衝撃
波により流れ方向に変化する気流に分級された微粒子を
線状形成部材に衝突させ、線状構成片に、非常に粒径が
揃った微粒子芯体を形成するものである。
【0019】そして、具体的には、図5に示すように、
請求項2に係る発明の微粒子の線状体の製造方法におい
て、線状構成片製造工程(11)は、流入口(53)か
ら気体に微粒子が混入した固気混合流(a)を超音速状
態で微粒子層形成室(52)に流入させ、線状形成部材
(8),(8)を上記流入口(53)に対峙して配置
し、該線状形成部材(8),(8)に上記固気混合流
(a)を衝突させて定在衝撃波(51)を発生させ、該
定在衝撃波(51)により流れの方向が変化する気流に
よって分級された微粒子を上記線状形成部材(8),
(8)に衝突させて、上記線状形成部材(8),(8)
に微粒子層(16)を形成する構成としている。
【0020】
【作用】上記の構成により、請求項1および2に係る発
明によれば、溝条形成工程(12)により形成された溝
条(10)は、一体化工程(13)において、複数の線
状構成片(7),(7)の上記各微粒子層(16)同士
を重ね合わせると、線状に一体に保持され、該重ね合わ
せ面に上記溝条(10)による外部雰囲気導通孔(9)
が形成される。この外部雰囲気導通孔(9)は、緻密化
して外部雰囲気と接触しにくくなった微粒子層(16)
に、内部から外部雰囲気を導入することになる。したが
って、外部雰囲気は微粒子層(16)の表面からだけで
なく、重ね合わせ面、さらには内部の外部雰囲気導通孔
(9)から供給される。このため、微粒子層(16)が
外部雰囲気と接触しにくくなるために生じる弊害が防止
されることになる。
【0021】さらに、一体化工程(13)において、線
状構成片(7),(7)が外殻容器(2)に嵌挿され、
一体状態に固定されて線状成形体(1)が形成され、さ
らに、焼結工程およびガス供給工程を経て線状体(A)
が製造されることになる。
【0022】また、請求項3に係る発明によれば、線状
形成部材(8),(8)により定在衝撃波(51)が生
じ、この定在衝撃波(51)によって固気混合流(a)
の流れの方向が変化して微粒子が分級される。分級後の
微粒子は、線状形成部材(8),(8)に衝突して堆積
し、微粒子層(16)が形成される。
【0023】超音速気流の場において定在衝撃波(5
1)により分級が行われることにより、分級精度が高
い。したがって、例えば、細粒子および極細粒子を含む
固気混合流(a)を用いる場合には、粒径がそろった細
粒子が線状形成部材(8),(8)に堆積する。このた
め、線状構成片(7),(7)に非常に緻密な微粒子層
(16)が形成されることになる。
【0024】
【発明の効果】以上のように、請求項1および2に係る
発明によれば、溝条(10)よりなる外部雰囲気導通孔
(9)により、微粒子層(16)の内部に外部雰囲気を
導入することができる。このため、従来、緻密化すると
最も外部雰囲気と接触しにくかった微粒子層(16)の
内部に外部雰囲気を供給することができ、微粒子層(1
6)全体に外部雰囲気を行き渡らせることができる。こ
の結果、緻密化による外部雰囲気との接触不足という不
都合を解消することができ、上記酸化物セラミックス系
の超伝導電線の例では、電荷密度を飛躍的に増大するこ
とができる。
【0025】請求項3に係る発明によれば、線状成形体
構成片製造工程において、定在衝撃波(51)によって
分級した微粒子を線状形成部材(8),(8)に衝突さ
せて微粒子層(16)を形成しているので、非常に緻密
な微粒子層(16)を形成することができ、上記酸化物
セラミックス系の超伝導電線の例では、より電荷密度を
増大することができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。以下の実施例では、本発明の線状体の製造方法を、
酸化物セラミックス系の超伝導材料を用いた超伝導電線
の製造方法に適用した例を示す。
【0027】図1〜図3に請求項1および2に係る発明
の第1実施例を示す。この実施例は、微粒子芯体に外部
雰囲気を供給する導通孔を設け、外部から微粒子芯体に
外部雰囲気を供給するものである。
【0028】超伝導電線としての線状体(A)は、図3
に示すように、内部構造が、両端間にわたり、円形の外
殻容器(2)内に中心に向かって、被覆管(3)と、微
粒子芯体(4)とが順に形成されたものとなっている。
【0029】線状体(A)の構成は、図2に示すよう
に、外殻容器(2)内に半割り状の2個の線状構成片
(7),(7)が包み込まれた形態となっている。2個
の線状構成片(7),(7)は、それぞれ断面半円形の
線状形成部材(8)内に微粒子層(16)が形成されて
おり、各微粒子層(16)の表面は線状形成部材(8)
の上端と面一に形成されて、各微粒子層(16)同士を
重ね合わせると2個の線状構成片(7),(7)は円筒
状の微粒子芯体(4)になり、2個の線状形成部材
(8),(8)が微粒子芯体(4)を覆う被覆管(3)
になるように構成されている。
【0030】さらに、微粒子芯体(4)には、1本の外
部雰囲気導通孔(9)が形成され、この外部雰囲気導通
孔(9)は、2個の線状構成片(7),(7)の合わせ
面に形成された各溝条(10)を合致させて形成される
一方、微粒子の線状成形体(1)の両端間にわたって形
成され、両端では外部雰囲気に開口する露出端となって
いる。
【0031】また、微粒子芯体(4)を形成する微粒子
としては、数μm以下の微粒子を用いる。超伝導材料と
しては、高温超伝導材料である酸化物セラミックスを用
いる。具体的には、酸化物セラミックスとしては、例え
ば、Y−Ba −Cu −O系、Bi −Ca −Sr −Cu −
O系、Tl −Ba −Ca −Cu −O系等が挙げられる。
【0032】また、線状形成部材(8)の材料として
は、金属材料、望ましくは銀のような比抵抗が小さい材
料を用いる。さらには超伝導材料が金属材料と反応して
超伝導特性を劣化させるため、反応しにくい金属等の材
料を用いる。
【0033】また、外殻容器(2)は、一体になった2
個の線状構成片(7),(7)の外径と同程度の内径に
設定された円管であり、両線状構成片(7),(7)を
一体に保持するようになっている。外殻容器(2)の材
料としては、展延性に富む素材を用いる。
【0034】次に、この発明の特徴である、線状体
(A)の製造方法は、図示しない微粒子製造装置に連結
されて微粒子の供給を受けて線状体(A)を製造するも
のであって、この実施例では、分級工程はなく、分級処
理をしていない微粒子またはあらかじめ分級処理をした
微粒子を用いて線状体(A)を製造している。微粒子の
製造方法としては、噴霧熱分解法のような気相法、粉
砕、超臨界圧法、液相等の既知の各種微粒子製造方法を
用いる。
【0035】線状体(A)の製造方法は、この発明の特
徴として、複数の線状構成片(7),(7)を製造する
線状構成片製造工程(11)と、微粒子層(16)に溝
条(10)を形成する溝条形成工程(12)と、これら
の線状構成片(7),(7)を一体にして外殻容器
(2)に嵌挿する一体化工程(13)と、一体化工程
(13)の終了後に行う圧延工程と、圧延工程の終了後
に微粒子層(16)を焼結する焼結工程と、焼結工程中
以降に行われるガス供給工程とから構成されており、こ
れらの工程により線状体(A)が製造されている。
【0036】線状構成片製造工程(11)では、吹き付
けノズル(15)から長尺の線状形成部材(8)の両端
間の内面に向かって、数10m/s の速度で微粒子が混入
する固気混合流(a)を吹き付ける。搬送気体として
は、窒素や、He ,Ar 等の不活性ガスを用いる。
【0037】固気混合流(a)中の微粒子は線状形成部
材(8)の内面に堆積し、微粒子層(16)が形成され
る。微粒子層(16)は、図1に示すように、線状形成
部材(8)の両端にわたりやや盛り上がる程度にまで形
成する。使用する微粒子は超微粒子であるので、微粒子
の流速が数10m/s 程度であっても、微粒子層(16)
は蒸着膜と同程度の付着強さと緻密性を有し、線状形成
部材(8)の内面に緻密でしっかりと付着した、高品質
の微粒子層(16)が形成される。
【0038】このように、線状形成部材(8)の長さ方
向に開口する内面に向かって、微粒子を吹き付けて微粒
子層(16)を形成すると、非常に長く細い線状形成部
材(8)にも緻密な微粒子層(16)が容易に形成され
ることになる。この後、微粒子層(16)の表面を切削
して、この表面を線状形成部材(8)の上端面と面一に
なるように形成する。
【0039】溝条形成工程(12)では、線状構成片製
造工程(11)により製造された線状構成片(7),
(7)の微粒子層(16)に、上記露出端となる両端間
にわたり溝条(10)を形成する。具体的には、まず、
線状構成片製造工程(11)により製造された線状構成
片(7),(7)の微粒子層(16)の表面を切削し
て、溝条(10)を形成する。
【0040】次に、一体化工程(13)では、上記2個
の線状構成片(7),(7)を各微粒子層(16)同士
を重ね合わせて一体に保持する。これにより、2個の線
状構成片(7),(7)は、外側に被覆管(3)となる
2個の線状形成部材(8),(8)が環状に形成される
一方、内側に微粒子芯体(4)となる2個の微粒子層
(16),(16)が円筒状に形成されることになる。
また、重ね合わせ面には、各微粒子層(16)の溝条
(10)が上下に合致して1本の外部雰囲気導通孔
(9)が形成される。外部雰囲気導通孔(9)は、両端
の露出端において外部雰囲気と連通する。さらに、この
一体化した線状成形体(1)を外殻容器(2)に嵌挿し
て、線状成形体(1)が形成される。
【0041】ここで、直線以外の形状の線状体(A)を
製造する場合には、一体化工程(13)終了後、線状成
形体(1)を変形加工する。例えば、コイルに使用する
場合には渦巻状や螺旋状に加工する。この後、圧延工程
では、線状成形体(1)をダイスやローラ等によって圧
延して、2個の線状構成片(7),(7)を外殻容器
(2)に密着させる。次に、焼結工程において、線状成
形体(1)を加熱室内に配置して所定時間加熱して微粒
子層(16)を焼結し、線状体(A)が製造される。ガ
ス供給工程では、該焼結工程中以降の線状成形体(1)
を純粋酸素のあるいは酸素を含む外部雰囲気下に置き、
上記溝条(10)を介して上記微粒子層(16)に酸素
を供給する。
【0042】ガス供給工程を焼結工程と並行して行う場
合には上記外部雰囲気に設定された加熱室内で焼結を行
い、焼結工程の終了後に行う場合には外部雰囲気に設定
されたガス室に所定時間静置しておく。これにより、微
粒子層(16)は内部から十分な酸素雰囲気下に置か
れ、焼結中の酸素欠損が防止され、あるいは酸素欠損が
生じても酸化物の状態に回復する。このため、緻密化し
て外部雰囲気と接触しにくくなった微粒子層(16)で
あっても酸化状態が保持されて超伝導状態の消失が防止
される。
【0043】上記工程により製造された線状体(A)
は、単体で超伝導電線として使用してもよく、多数を一
体に束ねて使用してもよい。
【0044】以上より、溝条形成工程(12)により形
成された溝条(10)は、一体化工程(13)により外
部雰囲気導通孔(9)となる。この外部雰囲気導通孔
(9)は、緻密化して外部雰囲気と接触しにくくなった
微粒子層(16)に外部雰囲気を導入することになる。
したがって、外部雰囲気は微粒子層(16)の表面から
だけでなく、重ね合わせ面、さらには内部の外部雰囲気
導通孔(9)から供給される。とくに、外部雰囲気導通
孔(9)を設けることにより、緻密化して外部雰囲気と
接触しにくくなった微粒子層(16)に、内部から外部
雰囲気を導入することになり、酸素供給作用が最も大き
い。このため、微粒子層(16)が外部雰囲気と接触し
にくくなるために生じる弊害が防止されることになる。
【0045】さらに、一体化工程(13)において、線
状構成片(7),(7)が外殻容器(2)に嵌挿され、
一体状態に固定されて線状成形体(1)が形成され、さ
らに、圧延工程、焼結工程およびガス供給工程を経て線
状体(A)が製造されることになる。
【0046】この実施例によれば、溝条(10)よりな
る外部雰囲気導通孔(9)により、微粒子層(16)の
内部に外部雰囲気を導入することができる。したがっ
て、従来、緻密化すると最も外部雰囲気と接触しにくか
った微粒子層(16)の内部に外部雰囲気を供給するこ
とができて、微粒子層(16)全体に外部雰囲気を行き
渡らせることができる。この結果、酸化物セラミックス
の微粒子層(16)が緻密に形成されても酸化状態を保
持した焼結体を製造でき、電荷密度を飛躍的に増大する
ことができる。
【0047】また、線状体(A)を多数束ねて超伝導電
線として使用する場合には、線状体(A)の被覆管
(3)により、衝撃等によって超伝導電線中の一部の線
状体(A)の微粒子芯体(4)が断線しても被覆管
(3)を介して通電を確保でき、温度上昇による電線全
体の超伝導状態の消失を防止することができる。さら
に、被覆管(3)によって微粒子芯体(4)と外殻容器
(2)との接触を遮断することでき、超伝導材料と外殻
容器(2)との反応を防止することができる。
【0048】次に、図4は請求項2に係る発明の第2実
施例を示す。この実施例は、前述の第1実施例におい
て、吹き付けノズル(15)に供給する微粒子として、
超音速気流の場により生じた定在衝撃波を利用して分級
した微粒子を用いるものである。
【0049】分級装置としては、微粒子製造装置に連結
され微粒子が混入する固気混合流(a)を超音速にまで
加速するラバール管(31)と、このラバール管(3
1)に連続する分級手段(32)とからなり、この分級
手段(32)は、ラバール管(31)に連続して形成さ
れた分級室(34)と、この分級室(34)内に配設さ
れた粗粒子回収部材(35)とから構成されている。
【0050】ラバール管(31)は、図4に示すよう
に、固気混合流(a)が供給される入口部(38)と、
内面が絞り形成されたスロート部(39)と、流路面積
が出口に向かって拡大する拡大部(40)とが順に形成
されている。出口は後述する分級室(34)の流入口
(41)となっている。
【0051】入口部(38)は大気圧に、分級室(3
4)の流入口(41)における圧力は大気圧より低圧、
すなわち、真空に設定され、ラバール管(31)内を流
通する固気混合流(a)は、入口部(38)で亜音速
に、スロート部(39)で音速に、流入口(41)で超
音速になる。
【0052】上記分級室(34)内には、流入口(4
1)に対峙して粗粒子回収部材(35)が配設されてい
る。この粗粒子回収部材(35)は、一対の区画壁(4
6),(46)が所定の間隔を隔てて並設されている一
方、この区画壁(46),(46)の上端は流入口(4
1)と一定の間隔を隔てて設けられている。
【0053】さらに、この区画壁(46),(46)
は、分級室(34)内を左右に仕切り、中央部に微粒子
のうち粗粒子が流通する粗粒子回収通路(47)を、左
右の周辺部に微粒子のうち細粒子が流通する細粒子回収
通路(48),(48)を形成している。そして、粗粒
子回収部材(35)の端面(35a)には、粗粒子回収
通路(47)の流路開口(49)が形成されることにな
る。
【0054】このような流路開口(49)および粗粒子
回収通路(47)における気体の流速は流入孔(41)
における気体の流速より小さく設定されており、区画壁
(46),(46)の上端と流路開口(49)とからな
る粗粒子回収部材(35)の端面(35a)の全面が固
気混合流(a)に対して障害壁のように挙動し、流入口
(41)と粗粒子回収部材(35)の(35a)との間
に定在衝撃波(51)が形成されるようになっている。
【0055】固気混合流(a)は、定在衝撃波(51)
を境にして大きく減速すると共に、気流の方向が鋭くか
つ大きく曲げられるため、微粒子は非常に大きな慣性力
を持つ一方、気流は急減速および急旋回する。このた
め、微粒子を粗粒子と細粒子とに分級することが可能に
なると共に、高い分級精度が得られることにより、両粒
子群の間における微粒子の混入が激減する。
【0056】上記粗粒子回収通路(47)と細粒子回収
通路(48)とはそれぞれ、図示しない粗粒子配管と細
粒子配管とを介して吹き付けノズル(15)に切替可能
に接続されている。そして、吹き付けノズル(15)は
必要に応じて両配管との接続を切り替え、粗粒子または
細粒子を噴出して微粒子層(16)を形成し、線状構成
片(7),(7)を製造する。
【0057】この実施例によれば、線状構成片製造工程
(11)において、定在衝撃波(51)によって分級し
た微粒子を線状形成部材(8),(8)に吹き付けて微
粒子層(16)を形成しているので、非常に緻密な微粒
子層(16)を形成することができ、超伝導電線の電荷
密度を増大することができる。
【0058】次に、図5および図6は請求項3に係る発
明の第3実施例を示す。この実施例では、線状構成片製
造工程(11)が、2個の線状形成部材(8),(8)
への微粒子の吹き付けと分級とを同時に行い、両線状形
成部材(8),(8)に分級された微粒子層(16)を
形成するものである。微粒子としては、第1実施例と同
様に超微粒子を用い、この微粒子を細粒子と極細粒子と
に分級して、線状形成部材(8)に細粒子の微粒子層
(16)を形成する。
【0059】このような線状構成片製造工程(11)に
使用する線状構成片製造装置(30)は、吹き付けノズ
ルとしてラバール管(31)を用いるものであって、図
6に示すように、ラバール管(31)と、このラバール
管(31)に連続する微粒子層形成室(52)と、線状
形成部材(8)とを備え、微粒子層形成室(52)内に
外部から長尺の線状形成部材(8)を貫通状に通過させ
ていき、連続して微粒子層(16)を形成していくよう
に構成されている。なお、ラバール管(31)は、第2
実施例のそれと同様の構成である。
【0060】線状形成部材(8)は、図5に示すよう
に、ラバール管(31)の出口である微粒子層形成室
(52)の流入口(53)に対峙して配設されており、
線状形成部材(8)の前方に定在衝撃波(51)が生じ
るように構成されている。定在衝撃波(51)によって
固気混合流(a)中の微粒子は細粒子と極細粒子とに分
級され、極細粒子は気流にのって微粒子層形成室(5
2)の周辺部に運ばれる一方、細粒子は中央部の線状形
成部材(8)に堆積して、細粒子の微粒子層(16)が
形成され、線状構成片(7),(7)が製造される。
【0061】上記線状構成片製造装置(30)を用いた
線状構成片製造工程(11)は、流入口(53)に対峙
して配設された線状形成部材(8)を移動させ、所定時
間停止して微粒子層(16)を形成する。線状形成部材
(8)のうち微粒子層形成室(52)内に位置する部分
について微粒子層(16)の形成が終了すると、線状形
成部材(8)を移動して順次長さ方向へ微粒子層(1
6)を形成していき、連続して線状構成片(7),
(7)を製造する。
【0062】この後の一体化工程(13)以降の製造工
程は、第1実施例と同様の構成である。
【0063】この実施例によれば、第2実施例のような
分級装置を設けることなく第1実施例の吹き付けノズル
(15)よりも高速で微粒子を線状形成部材(8)に吹
き付けることができ、より緻密な微粒子層(16)を形
成することができる。
【0064】なお、この発明の線状体(A)の製造方法
は、超伝導セラミックス以外の線状成形体(1)を製造
するものであってもよく、例えば、強誘電セラミック
ス、強磁性セラミックス等の線状体を製造してもよく、
さらにはセラミックス以外の微粒子から線状体を製造し
てもよい。
【0065】また、第1実施例について、一体化工程
(13)の終了後に行う、ダイス等による線状成形体
(1)の圧延工程では、2個の線状構成片(7),
(7)を外殻容器(2)に密着させる以上に線状成形体
(1)を引き伸し、微粒子層(16)を圧密して一層緻
密化するようにしてもよい。
【0066】また、第1実施例における微粒子層(1
6)の緻密化は、比較的柔らかい充填状態であれば押し
型によって行ってもよく、さらに第1実施例の溝条(1
0)は押し型の押圧面に形成された突条によって緻密化
と同時に形成されるものであってもよい。
【0067】また、第1実施例において、溝条(10)
によって形成された外部雰囲気導通孔(9)は複数本で
あってもよく、また、一方の線状構成片(7)に形成し
た溝条(10)によって外部雰囲気導通孔(9)を構成
してもよい。
【0068】また、第3実施例では、線状構成片製造装
置(30)を2段に接続して分級精度を高め、より粒径
のそろった微粒子の微粒子層(16)を形成するように
してもよい。例えば、原料粉のうち細粒子を用いて微粒
子層(16)を形成する場合には、2段目の線状構成片
製造装置(30)に線状形成部材(8)を配置してお
き、1段目で分級した細粒子を2段目でさらに分級し、
線状形成部材(8)に吹き付けるようにする。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例の線状構成片製造工程に
おける微粒子芯体の形成状態を示す断面図である。
【図2】この発明の第1実施例の線状構成片製造工程の
終了後の線状構成片を示す斜視図である。
【図3】この発明の第1実施例の一体化工程を示す断面
図である。
【図4】この発明の第2実施例の分級装置を示す断面図
である。
【図5】この発明の第3実施例の線状体の製造方法に用
いる製造装置を示す断面図である。
【図6】図5のA−A線断面図である。
【符号の説明】
1 線状成形体 2 外殻容器 3 被覆管 4 微粒子芯体 7 線状構成片 8 線状形成部材 9 外部雰囲気導通孔 10 溝条 11 線状構成片製造工程 12 溝条形成工程 13 一体化工程 16 微粒子層 51 定在衝撃波 52 微粒子層形成室 53 微粒子層形成室の流入口 A 線状体 a 固気混合流

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管状の外殻容器(2)の内部に、該外殻
    容器(2)の両端間にわたる被覆管(3)と微粒子芯体
    (4)とが中心に向かって順に積層形成され、 少なくとも一端は微粒子芯体(4)が外部雰囲気に露出
    する一方、 上記微粒子芯体(4)には、上記露出端から他端に向か
    って外部雰囲気導通孔(9)が形成されていることを特
    徴とする線状体。
  2. 【請求項2】 管状の外殻容器(2)内に嵌挿された被
    覆管(3)内に微粒子芯体(4)が形成され、少なくと
    も一端は微粒子芯体(4)が外部雰囲気に露出する一
    方、 上記微粒子芯体(4)には、上記露出端から他端に向か
    って外部雰囲気導通孔(9)が形成されている線状体の
    製造方法であって、 上記被覆管(3)を長さ方向に分割して複数の線状形成
    部材(8),(8)を形成し、該各線状形成部材
    (8),(8)に、上記微粒子芯体(4)を構成する所
    定形状の微粒子層(16)を形成して、上記複数の線状
    構成片(7),(7)を製造する線状構成片製造工程
    (11)と、 少なくとも1個の線状構成片(7),(7)の微粒子層
    (16)に、上記露出端となる少なくとも一端から他端
    に向かって溝条(10)を形成する溝条形成工程(1
    2)と、 該溝条形成工程(12)の終了後、複数の線状構成片
    (7),(7)を、上記各微粒子層(16)同士を重ね
    合わせて線状に一体に保持し、該重ね合わせ面に上記溝
    条(10)による外部雰囲気導通孔(9)を形成し、該
    保持状態で上記外殻容器(2)に嵌挿して線状成形体
    (1)を形成する一体化工程(13)と、 該一体化工程(13)の終了後、上記線状成形体(1)
    を加熱して上記微粒子層(16)を焼結する焼結工程と
    を備えたことを特徴とする線状体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の線状体の製造方法におい
    て、線状構成片製造工程(11)は、 流入口(53)から気体に微粒子が混入した固気混合流
    (a)を超音速状態で微粒子層形成室(52)に流入さ
    せ、 線状形成部材(8),(8)を上記流入口(53)に対
    峙して配置し、該線状形成部材(8),(8)に上記固
    気混合流(a)を衝突させて定在衝撃波(51)を発生
    させ、該定在衝撃波(51)により流れの方向が変化す
    る気流によって分級された微粒子を上記線状形成部材
    (8),(8)に衝突させて、上記線状形成部材
    (8),(8)に微粒子層(16)を形成することを特
    徴とする線状体の製造方法。
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