JP6258775B2 - 超電導線材の接続構造及び接続方法 - Google Patents

超電導線材の接続構造及び接続方法 Download PDF

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Description

本発明は、超電導線材の接続構造及び接続方法に関する。
近年、臨界温度(Tc)が液体窒素温度(約77K)よりも高い酸化物超電導体として、例えば、YBCO系(イットリウム系)、Bi系(ビスマス系)などの酸化物超電導体が注目されている。
この高温酸化物超電導線材は、長尺でフレキシブルな金属などの基板上に酸化物超電導膜を成膜して超電導導体層が形成されたものが知られている。また、基板と超電導導体層との間には、必要に応じて中間層が設けられることもある。
上記超電導線材の接続方法として、特許文献1には、接続する二本の超電導線材のシースに含まれる酸化物超電導体を露出させ、MOD法(Metal Organic Deposition法/有機金属堆積法)に基づくMOD液を露出面に塗布し、互いの露出面を貼り合わせて焼成を行うことにより、MOD液から形成される超電導膜を介して二本の超電導線材を接続する方法が挙げられている。
特許文献2には、基板の上面に緩衝層を介して超電導導体層が形成された二本の超電導線材の超電導導体層を露出させると共に、超電導導体層同士を互いに密着させた状態で、超電導導体層の溶融点まで加熱し、超電導導体層を溶融拡散して二本の超電導線材を接続する方法が挙げられている。
特開2009−016253号公報 特許5214744号公報
特許文献1と特許文献2の接続方法は、いずれも、超電導導体層の接合時に加熱を行うので、超電導導体層がYBaCu7−x等の酸化物超電導導体層である場合には、接合した後の超電導導体層からは酸素が抜け出して超電導性が大きく劣化する場合がある。
このため、超電導線材の接続部分をおよそ500℃の酸素雰囲気中で酸化させる酸素アニールを行う必要があった。
しかしながら、上記超電導線材の接続構造では、超電導導体層が基材に挟まれた状態にあり、基材は酸素透過性が殆ど無い金属等から形成されている場合が多い。
このため、基材がバリア層となって当該基材に挟まれた内側部分には酸素が届きにくく、十分な酸素アニールを行うことができないか、或いは、酸素アニールに非常に長時間を要するという問題が生じていた。
本発明の目的は、酸素アニールを効果的に行うことが可能な接続構造及び接続方法を提供することである。
請求項1記載の発明は、
基材の片面側に酸化物超電導導体層が形成された超電導線材同士の互いの接続端部を重合させて接続されている超電導線材の接続構造であって、
二本の前記超電導線材の前記酸化物超電導導体層が向かい合わせで接合され、
一方又は両方の前記超電導線材の接合範囲内の前記基材における前記酸化物超電導導体層とは逆側の面に前記酸化物超電導導体層を貫通しない深さで開口部が設けられていることを特徴とする。
さらに、請求項1記載の発明は、
前記開口部を挟んでその両側で一端部と他端部とが前記二本の超電導線材に個別に連結された補強部材を備えることを特徴とする。
さらに、請求項1記載の発明は、
前記補強部材は、その一端部と他端部とが、それぞれ前記二本の超電導線材の前記基材における前記酸化物超電導導体層とは反対側に接合され、前記基材における前記酸化物超電導導体層側には接合されていないことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、
基材の片面側に酸化物超電導導体層が形成され、互いの接続端部が向かい合う二本の超電導線材が、基材の片面側に酸化物超電導導体層が形成された接続用の超電導線材によってブリッジ接続されている超電導線材の接続構造であって、
前記二本の超電導線材の前記酸化物超電導導体層と前記接続用の超電導線材の前記酸化物超電導導体層とが向かい合わせで接合され、
前記二本の超電導線材と前記接続用の超電導線材のいずれか一方又は両方の前記超電導線材の接合範囲内の前記基材における前記酸化物超電導導体層とは逆側の面に前記酸化物超電導導体層を貫通しない深さで開口部が設けられており、
一端部と他端部とが前記二本の超電導線材に個別に連結された補強用線材を備え、
前記補強用部材は、その一端部と他端部とが、それぞれ前記二本の超電導線材の前記基材における前記酸化物超電導導体層とは反対側に接合され、前記基材における前記酸化物超電導導体層側には接合されていないことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の超電導線材の接続構造において、
前記超電導線材は、前記基材と前記酸化物超電導導体層との間に中間層を備え、
前記開口部は中間層まで形成されていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の超電導線材の接続構造において、
前記開口部は溝状に形成されていることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の超電導線材の接続構造において、
前記開口部は複数個並んで形成されていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、
基材の片面側に酸化物超電導導体層が形成された超電導線材同士の互いの接続端部を重合させて接続する超電導線材の接続方法であって、
二本の前記超電導線材の前記酸化物超電導導体層を露出させる露出工程と、
前記二本の超電導線材の前記酸化物超電導導体層を向かい合わせで接合する接合工程と、
一方又は両方の前記超電導線材の接合範囲内の前記基材における前記酸化物超電導導体層とは逆側の面に、エッチングにより前記酸化物超電導導体層を貫通しない深さで開口部を形成する開口工程と、
前記酸化物超電導導体層に対する酸素アニール工程と
前記開口部を挟んでその両側で補強部材の一端部と他端部とを前記二本の超電導線材に個別に連結する工程とを備え、
前記補強部材の一端部と他端部とを、それぞれ前記二本の超電導線材の前記基材における前記酸化物超電導導体層とは反対側に接合し、前記基材における前記酸化物超電導導体層側には接合しないことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の超電導線材の接続方法において、
前記接合工程は、前記二本の超電導線材の前記酸化物超電導導体層の一方に又は両方に酸化物超電導導体の前駆体を配置する工程と、前記酸化物超電導導体の前駆体を焼成する工程とを含むことを特徴とする。
請求項8記載の発明は、
基材の片面側に酸化物超電導導体層が形成された二本の超電導線材同士の互いの接続端部を突き合わせた状態で、基材の片面側に酸化物超電導導体層が形成された接続用の超電導線材によってブリッジ接続する超電導線材の接続方法であって、
前記二本の超電導線材の前記酸化物超電導導体層を露出させる露出工程と、
前記二本の超電導線材の前記酸化物超電導導体層と前記接続用の超電導線材の前記酸化物超電導導体層とを向かい合わせで接合する接合工程と、
前記二本の超電導線材と前記接続用の超電導線材のいずれか一方又は両方の前記超電導線材の接合範囲内の前記基材における前記酸化物超電導導体層とは逆側の面に、エッチングにより前記酸化物超電導導体層を貫通しない深さで開口部を形成する開口工程と、
前記酸化物超電導導体層に対する酸素アニール工程と
補強用線材の一端部と他端部とを前記二本の超電導線材に個別に連結する工程とを備え、
前記補強用線材の一端部と他端部とを、それぞれ前記二本の超電導線材の前記基材における前記酸化物超電導導体層とは反対側に接合し、前記基材における前記酸化物超電導導体層側には接合しないことを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の超電導線材の接続方法において、
前記接合工程は、前記二本の超電導線材の前記酸化物超電導導体層と前記接続用の超電導線材の前記酸化物超電導導体層のいずれかの一方に又は両方に酸化物超電導導体の前駆体を配置する工程と、前記酸化物超電導導体の前駆体を焼成する工程とを含むことを特徴とする。
上記発明では、上記の構成により、酸素アニールを効果的に行うことが可能となる。
超電導線材の斜視図である。 図2(A)は図2(B)のV−V線に沿った第一の実施形態である超電導線材の接続構造の断面図、図2(B)は平面図である。 図3(A)〜図3(E)は超電導線材の接続方法を工程順に示した断面図である。 レーザー加工により形成した開口部の例を示す断面図である。 図5(A)は超電導線材の接続構造に補強部材を加えた例を示す側面図、図5(B)は補強部材の他端部を第二の超電導線材側から見た図である。 第一と第二の超電導線材の両方に開口部を形成した例を示す断面図である。 第一と第二の超電導線材を第三の超電導線材によりブリッジ接続した例を示す断面図である。 図8(A)〜図8(E)は超電導線材の接続方法を工程順に示した断面図である。
[第一の実施形態]
以下に、本発明を実施するための好ましい第一の実施の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。また、各図面において、同一または対応する要素には適宜同一の符号を付し、重複した説明を適宜省略する。さらに、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係などは、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
[超電導線材]
本実施形態では超電導線材の接続構造について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る超電導線材の斜視図である。
図1に示すように、超電導線材10は、超電導成膜用基材1(以下、「基材1」とする)の厚み方向の一方の主面(以下、成膜面11という)に、中間層2、酸化物超電導導体層3及び安定化層4がこの順に積層され、また、基材1の成膜面11とは反対側の面(以下、「背面12」とする)にも安定化層4が形成されている。即ち、超電導線材10は、安定化層4、基材1、中間層2、酸化物超電導導体層3(以下、「超電導導体層3」とする)、安定化層4による積層構造を有している。
基材1は、低磁性の金属基板やセラミックス基板が用いられる。金属基板の材料としては、例えば、強度及び耐熱性に優れた、Co、Cu、Cr、Ni、Ti、Mo、Nb、Ta、W、Mn、Fe、Ag等の金属又はこれらの合金が用いられる。特に、耐食性及び耐熱性が優れているという観点からハステロイ(登録商標)、インコネル(登録商標)等のNi基合金、またはステンレス鋼等のFe基合金を用いることが好ましい。
また、これら各種金属材料上に各種セラミックスを配してもよい。また、セラミックス基板の材料としては、例えば、MgO、SrTiO、又はイットリウム安定化ジルコニア等が用いられる。その他にも、サファイアを基材として用いてもよい。
成膜面11は、略平滑な面とされており、例えば成膜面11の表面粗さが10nm以下とされていることが好ましい。
なお、表面粗さとは、JISB-0601-2001において規定する表面粗さパラメータの「高さ方向の振幅平均パラメータ」における算術平均粗さRaである。
中間層2は、超電導導体層3において例えば高い2軸配向性を実現するための層である。このような中間層2は、例えば、熱膨張率や格子定数等の物理的な特性値が基材1と超電導導体層3を構成する超電導体との中間的な値を示す。
また、中間層2は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。多層構造の場合、その層数や種類は限定されないが、非晶質のGdZr7−δ(δは酸素不定比量)やAl或いはY等を含むベッド層と、結晶質のMgO等を含みIBAD(Ion Beam Assisted Deposition)法により成形された強制配向層と、LaMnO3+δ(δは酸素不定比量)を含むLMO層と、を順に積層した構成となっていてもよい。また、LMO層の上にCeO2等を含むキャップ層をさらに設けてもよい。
上記各層の厚さは、LMO層を30nm、強制配向層のMgO層を40nm、ベッド層のY層を7nm、Al層を80nmとする。なお、これらの数値はいずれも一例である。
また、中間層2は、単層構造と多層構造のいずれの場合であってもAl(アルミナ)層を有することが望ましい。
この中間層2の表面には、超電導導体層3が積層している。超電導導体層3は、酸化物超電導体、特に銅酸化物超電導体を含んでいることが好ましい。銅酸化物超電導体としては、高温超電導体としてのREBaCu7−δ(以下、RE系超電導体と称す)が好ましい。なお、RE系超電導体中のREは、Y,Nd,Sm,Eu,Gd,Dy,Ho,Er,Tm,YbやLuなどの単一の希土類元素又は複数の希土類元素であり、これらの中でもBaサイトと置換が起き難い等の理由でYであることが好ましい。また、δは、酸素不定比量であって、例えば0以上1以下であり、超電導転移温度が高いという観点から0に近いほど好ましい。なお、酸素不定比量は、オートクレーブ等の装置を用いて高圧酸素アニール等を行えば、δは0未満、すなわち、負の値をとることもある。
安定化層4,4は、超電導導体層3の表面と基材1の背面12とを覆っているが、基材1と中間層2と超電導導体層3の周囲全体を覆っていることがより好ましい。
この安定化層4,4は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。多層構造の場合、その層数や種類は限定されないが、銀からなる銀安定化層と、銅からなる銅安定化層を順に積層した構成となっていてもよい。
また、本実施形態では、安定化層4,4は超電導導体層3の表面と基材1の背面12とを覆っているが、これに限られず、少なくとも超電導導体層3の表面を覆っていればよい。
[超電導線材の接続構造]
本実施形態である超電導線材の接続構造100は、図2(A)に示すように、第一と第二の超電導線材10A,10Bの互いの接続端部を重合させて接続する接続方法(後述)によって接続することにより形成される。第一と第二の超電導線材10A,10Bは上記超電導線材10と同一構造であり、各層1〜4については超電導線材10と同じ符号を使用する。
この接続構造100は、第一と第二の超電導線材10A,10Bの超電導導体層3,3の露出された平面が向かい合わせで接合され、第二の超電導線材10Bの基材1の背面12に超電導導体層3,3を貫通しない深さで開口部13が設けられている。
上記開口部13は、図2(B)に示すように、平面視で略矩形であり、複数個の開口部13が基材1の長手方向に沿って二列に並んで形成されている。
また、各開口部13は、基材1の背面12から中間層2までに達する深さで形成されている。
[超電導線材の接続方法]
上記の接続構造100について、図3(A)〜図3(E)に基づいて、その接続方法を工程順に説明する。
まず、図3(A)に示すように、第一と第二の超電導線材10A,10Bを用意する。なお、図3(A)及び図3(B)では、第二の超電導線材10Bの図示を省略している。
そして、図3(B)に示すように、第一と第二の超電導線材10A,10Bの接続端部側において、超電導導体層3側及び基材1の背面12側の安定化層4,4の除去を行い、超電導導体層3,3を露出させる(露出工程)。安定化層4の除去は、機械的研磨、化学的研磨又はこれらの組み合わせにより行う。
また、安定化層4の剥離によって露出した超電導導体層3は、超電導導体層同士の接合を良好に行うために、その表面粗さをより小さくすることが望ましい(例えば、10nm程度)。
次に、図3(C)に示すように、第一と第二の超電導線材10A,10Bの超電導導体層3,3の露出された平面を向かい合わせに配置して超電導導体層3,3同士を接合する(接合工程)。
ここでは、第一及び第二の超電導線材10A,10Bの超電導導体層3,3の間に、MOD法(Metal Organic Deposition法/有機金属堆積法)によって図示しない超電導導体を形成することにより接合する。
このため、上記接合工程は、第一の超電導導体層10Aの超電導導体層3の表面と第二の超電導導体層10Bの超電導導体層3の表面のいずれか一方又は両方に、MOD法に基づいて超電導導体の前駆体となるMOD液を塗布する工程を含んでいる。
上記MOD液は、例えば、RE(Y(イットリウム)、Gd(ガドリニウム)、Sm(サマリウム)及びHo(ホルミウム)等の希土類元素)とBaとCuとが約1:2:3の割合で含まれているアセチルアセトナート系MOD溶液が使用される。
また、上記接合工程は、第一の超電導線材10Aと第二の超電導線材10Bのいずれか一方又は両方に塗布されたMOD液に含まれる有機成分を除去するための仮焼成工程と、第一及び第二の超電導線材10A,10Bの超電導導体層3,3の界面にエピタキシャル成長させて超電導導体層3,3を接合するための本焼成工程を含んでいる。
上記仮焼成工程については、第一と第二の超電導線材10A,10Bの接合部分を10〜100MPaの範囲で加圧しながら、400℃以上500℃以下の温度範囲で熱処理が行なわれる。
また、本焼成工程では、第一と第二の超電導線材10A,10Bの接合部分を10〜100MPaの範囲で加圧しながら、780℃以上830℃以下の温度範囲で熱処理が行なわれる。
なお、これらの圧力条件と温度条件はいずれも一例であってこれらの数値範囲限定されるものではない。
次に、第二の超電導線材10Bの基材1の背面12に、エッチングにより中間層2まで達する深さで開口部13を形成する(開口工程)。
上記エッチングは、基材1の開口部13以外の部分を残すためのマスク形成工程と、マスクに従って基材1の部分的な除去を行う除去工程とを含んでいる。
マスク工程では、図3(D)に示すように、第一と第二の超電導線材10A,10Bの接続部分全体をエッチングレジスト51で被覆し、複数の開口部13の形成パターンに応じてエッチングレジスト51を所定の短波長のエネルギー線で露光する。そして、エッチングレジスト51の現像液により露光部分のレジストを除去し、マスクを形成する。なお、エッチングレジストがポジ型である場合を例示しているが、ネガ型のエッチングレジスト51を使用しても良い。その場合には、複数の開口部13の形成パターン以外の部分が露光される
除去工程では、エッチングレジスト51によるマスク部分以外の部分をエッチング液に浸漬し、基材1の背面12側から複数の開口部13を形成する。エッチング液は、基材1を溶解し、中間層2を溶解しないものを使用する。これにより、エッチング液による溶解の進行を中間層2で止めることができる。
例えば、基材1をNiCr合金であるハステロイ(登録商標)から形成している場合には、硝酸を20〜30%、硫酸を1〜5%、過酸化水素水を0.5〜2%の比率で含有するエッチング液を使用すると、好適な開口形成を行うことが可能である。なお、上記数値範囲は一例であって適宜異なる値を選択可能である。
前述したように、中間層2がAl層を含む場合、上記エッチング液には溶解しないので、少なくとも開口部13はこのAl層よりも超電導導体層3側に進行しない。
次に、図3(E)に示すように、エッチングレジスト51を除去し、第一及び第二の超電導線材10A,10Bの超電導導体層3,3に対して酸素をドープする酸素アニール工程が行われる。この酸素アニール工程は、第一及び第二の超電導線材10A,10Bの超電導導体層3,3が、350℃以上500℃以下の温度範囲の酸素雰囲気内に所定時間収容されることにより実施される。
そして、これらの工程により超電導線材の接続構造100が形成される。
[第一の実施形態の技術的効果]
上記超電導線材の接続構造100は、超電導導体層3,3が向かい合わせで接合される第一と第二の超電導線材10A,10Bの内の第二の超電導線材10Bの基材1の背面12に中間層2まで到達する複数の開口部13が設けられている。
このため、第一と第二の超電導線材10A,10Bの超電導導体層3,3が接合されて酸素アニールを行う際に、基材1に遮られることなく各開口部13により酸素が超電導導体層3,3に供給され、効果的に酸化を促すことが可能となる。従って、第一と第二の超電導線材10A,10Bの超電導導体層3,3の超電導性を高く維持することが可能となる。また、酸素アニールに要する時間を短縮化することが可能となる。
また、開口部13は第二の超電導線材10Bの長手方向に沿って複数個並んで形成されているので、その間隔を適宜調節することにより基材1の強度を適正な範囲に調節することが可能である。
また、各開口部13をエッチングによって形成しているので超電導導体層3を貫通しない開口部13を形成することが可能である。
例えば、レーザー加工により開口部を形成することも可能であるが、その場合の開口部13aは図4に示すように、中間層2及び超電導導体層3も貫通して形成されることになる。このように超電導導体層3が貫通する開口部13aの場合には、酸素アニールの際に、当該開口部13a内に酸素が供給されても、超電導導体層3は開口部13aの内側の微小な端面3aが酸素に曝されるに過ぎないので、十分に酸化を促すことができず、接続構造の超電導導体層3,3の超電導性を高く維持することができない。
一方、エッチングで形成された開口部13は内底面が広く確保されるので、レーザーによる加工に比べて超電導導体層3の酸化を十分に促すことができ、接続構造100の超電導導体層3,3の超電導性をより高く維持することが可能である。
また、中間層2のベッド層がAlを含む構成とした場合、エッチングをこのAl層の手前まで行うことができ、さらに、Alは他の金属等に比べて酸素透過性に優れているので、超電導導体層3の酸化を十分に促すことができ、接続構造の超電導導体層3,3の超電導性をより高く維持することが可能である。
また、超電導導体層3,3の接合工程は、第一と第二の超電導線材10A,10Bの超電導導体層3,3の一方に又は両方に酸化物超電導導体の前駆体としてのMOD溶液を塗布する工程と、超電導導体の前駆体を焼成する工程とを含んでいる。
これにより、接合工程において、第一と第二の超電導線材10A,10Bの超電導導体層3,3の間に超電導導体を形成することができ、超電導導体層3,3の相互間の超電導臨界電流密度を十分に大きくして接続することが可能となる。
上記実施形態では、第一と第二の超電導線材10A,10Bの接続端部側において、超電導導体層3側及び基材1の背面12側の安定化層4,4が除去された構造としているが、これに限られない。例えば、第二の超電導線材10Bの基材1のみをエッチングにより除去する場合は、第一の超電導線材10Aの基材1の背面12側の安定化層を除去せずに残してもよい。
[補強部材]
上記超電導線材の接続構造100は、第一と第二の超電導線材10A,10Bの超電導導体層3,3同士が接合されることにより線材の接続が図られているが、超電導導体層3,3は剥離しやすいので、図5に示すように、超電導線材の接続構造100に補強部材60を加えて、接続強度の強化を図ってもよい。
この補強部材60は、第二の超電導線材10Bに形成された各開口部13を避けて、一端部61と他端部62とが第一と第二の超電導線材10A,10Bに個別に連結されている。
この補強部材60の一端部61は長尺の板状であって、その平板面は第一の超電導線材10Aの基材1の背面12に形成された安定化層4の外側面に半田付けにより接合されている。図5の符号Hは半田を示している。
また、補強部材60の他端部62は、第二の超電導線材10Bの基材1の背面12に形成された安定化層4の外側面に回り込む一対の腕部63,63を備え、当該腕部63,63の内側面が安定化層4の外側面に半田付けによって接合されている。
補強部材60の他端部62は、第二の超電導線材10Bの超電導導体層3側の安定化層4には接合されておらず、また、隙間を設けて非接触状態を維持している。超電導導体層3側の安定化層4に補強部材60の他端部62を接合すると、第一と第二の超電導線材10A,10Bが張力を受けた場合に、安定化層4を介して超電導導体層3の剥離や破損の発生を生じる可能性がある。従って、補強部材60の他端部62は、張力の影響を受けにくい基材1の背面12側の安定化層4に接合されている。
また、補強部材60の他端部62は、第二の超電導線材10Bの接続端部から複数の開口部13の形成位置よりも離れた位置に接合されている。これにより、補強部材60の他端部62の接合部分が開口部13を塞ぐことを回避している。
なお、後述する例のように、第一の超電導線材10Aの基材1にも開口部13を形成する場合には(図6参照)、補強部材60の一端部61は、第二の超電導線材10Bの接続端部から複数の開口部13の形成位置よりも離れた位置に接合することが望ましい。
[両面に開口部を設けた例]
また、前述した開口部13は、第二の超電導線材10Bにのみ設ける場合を例示したが、開口部13は、図6に示すように、第一の超電導線材10Aにも形成しても良い。この場合も、第一の超電導線材10Aの基材1の背面12から中間層2にかけて複数の開口部13を形成する。
これにより、酸素アニールの際に、第一の超電導線材10A側の開口部13からも酸素が超電導導体層3,3に供給され、より効果的に酸化を促して、超電導導体層3,3の超電導性をさらに高く維持することが可能となる。また、酸素アニールに要する時間をさらに短縮することが可能となる。
なお、第一と第二の超電導線材10A,10Bの両方に開口部13を形成した場合には、それぞれの基材1,1の強度が低下するので、前述した補強部材60が各超電導導体層3,3を保護するためにもより有効である。
[第二の実施形態]
前述した超電導線材の接続構造100では、第一と第二の超電導線材10A,10Bの接続端部を重合配置して、超電導導体層3,3を向かい合わせに接続しているが、この接続方式に限定されない。
この第二の実施形態では、接続用の超電導線材である第三の超電導線材10Cを用いて第一と第二の超電導線材10A,10Bをブリッジ接続する場合の超電導線材の接続構造100Cを例示する。
超電導線材の接続構造100Cは、図7に示すように、その両端部において、それぞれ第一と第二の超電導線材10A,10Bと個別に接続端部を重合させて接続された第三の超電導線材10Cを備え、当該第三の超電導線材10Cに開口部13Cが設けられていることを特徴とする。
なお、開口部13Cは、第一と第二の超電導線材10A,10B側に設けても良い。
また、この超電導線材の接続構造100Cでは、第一と第二の超電導線材10A,10Bの基材1,1の背面12,12側の安定化層4,4を跨いで、安定化層4Dと基材1Dとを有する補強用線材10Dを取り付けて補強することが望ましい。
[超電導線材の接続方法]
図8は上記超電導線材の接続構造100Cに基づく超電導線材の接続方法を示している。かかる接続方法を工程順に説明する。
まず、図8(A)に示すように、第一と第二の超電導線材10A,10Bを用意する。
そして、図8(B)に示すように、第一と第二の超電導線材10A,10Bの接続端部側において、超電導導体層3側の安定化層4の除去を行い、超電導導体層3,3を露出させる(露出工程)。安定化層4の除去は、機械的研磨、化学的研磨又はこれらの組み合わせにより行う。
なお、基材1の背面12側の安定化層4は、図7に示す補強用の基材1Cを取り付けるために除去しないで残される。
なお、露出した超電導導体層3の表面粗さをより小さくすべきことは超電導線材の接続構造100の場合と同様である。
次に、図8(C)に示すように、第三の超電導線材10Cの超電導導体層3Cと、第一と第二の超電導線材10A,10Bの露出した超電導導体層3,3とが対向するように第三の超電導線材10Cを配置する。なお、第三の超電導線材10Cは、基材1Cと中間層2Cと超電導導体層3Cとを備えており、これらは、第一と第二の超電導線材10A,10Bの基材1、中間層2、超電導導体層3と同一材料からなるものである。
そして、第一と第二の超電導線材10A,10Bの超電導導体層3,3と第三の超電導線材10Cの超電導導体層3Cとを接合する(接合工程)。
第一及び第二の超電導線材10A,10Bの超電導導体層3,3と第三の超電導線材10Cの超電導導体層3Cとの接合は、超電導線材の接続構造100と同じ方法であるMOD法を利用する。
次に、第三の超電導線材10Cの基材1Cの背面12Cに、エッチングにより中間層2Cまで達する深さで開口部13Cを形成する(開口工程)。
各開口部13Cの形成は、前述した超電導線材の接続構造100の開口部13の形成と同じ工程で行われる。
即ち、上記エッチングは、マスク形成工程と除去工程とを含んでいる。
マスク工程では、図8(D)に示すように、第一〜第三の超電導線材10A〜10Cの接続部分全体をエッチングレジスト51で被覆し、複数の開口部13Cの形成パターンに応じて露光し、露光部分のレジストを除去してマスクを形成する。
除去工程では、エッチングレジスト51によるマスクに従ってエッチング液に浸漬し、基材1Cの背面側から複数の開口部13Cを形成する。この場合も開口部13Cは中間層2Cまで形成される。
次に、図8(E)に示すように、エッチングレジスト51を除去し、第一〜第三の超電導線材10A〜10Cの超電導導体層3,3,3Cに対して酸素をドープする酸素アニール工程が行われる。酸素アニールの条件は、超電導線材の接続構造100の場合と同じである。
その後、接続部分の表面に、銀を蒸着する、または、銀ペーストを塗布した後に焼成することで銀安定化層を形成し、その上に電解めっき法などで銅安定化層を形成する安定化層形成工程が行われる。この時、安定化層は開口部13Cを埋めるように形成されてよい。
次いで、安定化層4Dと基材1Dとを有する補強用線材10Dが、第一と第二の超電導線材10A,10Bの基材1の背面12側の安定化層4の外側面に取り付けられる(図7参照)。
補強用線材10Dの安定化層4Dと基材1Dは、第一と第二の超電導線材10A,10Bの安定化層4及び基材1と同一材料からなる
補強用線材10Dはその安定化層4Dを第一と第二の超電導線材10A,10Bの安定化層4に対向させて配置され、安定化層4,4Dを接合する。例えば、安定化層4,4Dが銀安定化層の場合には、Ag−Ag拡散接合により接合される。
そして、これらの工程により超電導線材の接続構造100が形成される。
[第二の実施形態の技術的効果]
上記超電導線材の接続構造100Cは、超電導線材の接続構造100と同様に、各開口部13,13Cにより酸素が超電導導体層3,3,3Cに供給され、効果的に酸化を促すことが可能となる。従って、第一〜第三の超電導線材10A〜10Cの超電導導体層3,3,3Cの超電導性を高く維持することができ、また、酸素アニールに要する時間を短縮化することが可能となる。
また、開口部13Cが各超電導線材10A〜10Cの長手方向に並んで形成されていること、開口部13Cをエッチングによって形成すること、中間層2がAlを含むベッド層を備えること、超電導導体層3,3,3Cの接合にMOD法を利用すること等による効果は超電導線材の接続構造100の場合と同じである。
[その他]
上記各実施形態の開口部13,13Cの形状は矩形に限らない。開口部13,13Cは円形等、その他の形状で形成しても良い。例えば、六角形の開口部を有するハニカム構造とすれば、強度低下を抑制しつつ開口部の面積を大きくすることができるので好ましい。さらに、開口部は溝状に形成しても良い。その場合、開口部を広く形成することができ、各超電導導体層3又は3Cに効果的に酸素を供給することが可能となる。
また、上記各実施形態では、中間層2を有する第一と第二の超電導線材10A,10Bを例示したが、中間層2を備えていない超電導線材の場合にも開口部13は形成可能である。即ち、開口部13は超電導導体層3を貫通しないように形成すれば良く、エッチング液の調整、エッチングの時間の調整などにより基材1を貫通しない深さまで開口部13を形成すれば良い。
また、上記各実施形態では、超電導導体層3又は3Cの接合をMOD法で行う場合を例示したが、これに限定されない。例えば、化学気相蒸着法(CVD法)、レーザー蒸着法(PLD法)、有機金属気相成長法(MOCVD法)により接合を行っても良い。
1,1C,1D 基材
2,2C 中間層
3,3,3C 超電導導体層(酸化物超電導導体層)
4,4D 安定化層
10 超電導線材
10A 第一の超電導線材(超電導線材)
10B 第二の超電導線材(超電導線材)
10C 第三の超電導線材(接続用の超電導線材)
10D 補強用線材
11 成膜面(主面)
12,12C 背面
13,13C 開口部
51 エッチングレジスト
60 補強部材
61 一端部
62 他端部
100,100C 超電導線材の接続構造

Claims (9)

  1. 基材の片面側に酸化物超電導導体層が形成された超電導線材同士の互いの接続端部を重合させて接続されている超電導線材の接続構造であって、
    二本の前記超電導線材の前記酸化物超電導導体層が向かい合わせで接合され、
    一方又は両方の前記超電導線材の接合範囲内の前記基材における前記酸化物超電導導体層とは逆側の面に前記酸化物超電導導体層を貫通しない深さで開口部が設けられており、
    前記開口部を挟んでその両側で一端部と他端部とが前記二本の超電導線材に個別に連結された補強部材を備え、
    前記補強部材は、その一端部と他端部とが、それぞれ前記二本の超電導線材の前記基材における前記酸化物超電導導体層とは反対側に接合され、前記基材における前記酸化物超電導導体層側には接合されていないことを特徴とする超電導線材の接続構造。
  2. 基材の片面側に酸化物超電導導体層が形成され、互いの接続端部が向かい合う二本の超電導線材が、基材の片面側に酸化物超電導導体層が形成された接続用の超電導線材によってブリッジ接続されている超電導線材の接続構造であって、
    前記二本の超電導線材の前記酸化物超電導導体層と前記接続用の超電導線材の前記酸化物超電導導体層とが向かい合わせで接合され、
    前記二本の超電導線材と前記接続用の超電導線材のいずれか一方又は両方の前記超電導線材の接合範囲内の前記基材における前記酸化物超電導導体層とは逆側の面に前記酸化物超電導導体層を貫通しない深さで開口部が設けられており、
    一端部と他端部とが前記二本の超電導線材に個別に連結された補強用線材を備え、
    前記補強用部材は、その一端部と他端部とが、それぞれ前記二本の超電導線材の前記基材における前記酸化物超電導導体層とは反対側に接合され、前記基材における前記酸化物超電導導体層側には接合されていないことを特徴とする超電導線材の接続構造。
  3. 前記超電導線材は、前記基材と前記酸化物超電導導体層との間に中間層を備え、
    前記開口部は中間層まで形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の超電導線材の接続構造。
  4. 前記開口部は溝状に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の超電導線材の接続構造。
  5. 前記開口部は複数個並んで形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の超電導線材の接続構造。
  6. 基材の片面側に酸化物超電導導体層が形成された超電導線材同士の互いの接続端部を重合させて接続する超電導線材の接続方法であって、
    二本の前記超電導線材の前記酸化物超電導導体層を露出させる露出工程と、
    前記二本の超電導線材の前記酸化物超電導導体層を向かい合わせで接合する接合工程と、
    一方又は両方の前記超電導線材の接合範囲内の前記基材における前記酸化物超電導導体層とは逆側の面に、エッチングにより前記酸化物超電導導体層を貫通しない深さで開口部を形成する開口工程と、
    前記酸化物超電導導体層に対する酸素アニール工程と
    前記開口部を挟んでその両側で補強部材の一端部と他端部とを前記二本の超電導線材に個別に連結する工程とを備え、
    前記補強部材の一端部と他端部とを、それぞれ前記二本の超電導線材の前記基材における前記酸化物超電導導体層とは反対側に接合し、前記基材における前記酸化物超電導導体層側には接合しないことを特徴とする超電導線材の接続方法。
  7. 前記接合工程は、前記二本の超電導線材の前記酸化物超電導導体層の一方に又は両方に酸化物超電導導体の前駆体を配置する工程と、前記酸化物超電導導体の前駆体を焼成する工程とを含むことを特徴とする請求項6記載の超電導線材の接続方法。
  8. 基材の片面側に酸化物超電導導体層が形成された二本の超電導線材同士の互いの接続端部を突き合わせた状態で、基材の片面側に酸化物超電導導体層が形成された接続用の超電導線材によってブリッジ接続する超電導線材の接続方法であって、
    前記二本の超電導線材の前記酸化物超電導導体層を露出させる露出工程と、
    前記二本の超電導線材の前記酸化物超電導導体層と前記接続用の超電導線材の前記酸化物超電導導体層とを向かい合わせで接合する接合工程と、
    前記二本の超電導線材と前記接続用の超電導線材のいずれか一方又は両方の前記超電導線材の接合範囲内の前記基材における前記酸化物超電導導体層とは逆側の面に、エッチングにより前記酸化物超電導導体層を貫通しない深さで開口部を形成する開口工程と、
    前記酸化物超電導導体層に対する酸素アニール工程と
    補強用線材の一端部と他端部とを前記二本の超電導線材に個別に連結する工程とを備え、
    前記補強用線材の一端部と他端部とを、それぞれ前記二本の超電導線材の前記基材における前記酸化物超電導導体層とは反対側に接合し、前記基材における前記酸化物超電導導体層側には接合しないことを特徴とする超電導線材の接続方法。
  9. 前記接合工程は、前記二本の超電導線材の前記酸化物超電導導体層と前記接続用の超電導線材の前記酸化物超電導導体層のいずれかの一方に又は両方に酸化物超電導導体の前駆体を配置する工程と、前記酸化物超電導導体の前駆体を焼成する工程とを含むことを特徴とする請求項8記載の超電導線材の接続方法。
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