JP2016201266A - 照明器具 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1の技術では、異なる配光パターンで光を照射する複数の発光部を組み合わせて使用することで、設置場所ごとに特殊な形状のレンズを個々に設計することなく、各種の配光パターンに対応可能な照明器具が提案されている。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、道路から外れる光を減らしつつ、道路を効率良く照明できる照明器具を提供することを目的とする。
図2に示すように、トンネル照明器具1は、道路11が延びるトンネル10の壁面70又は天井面71(本実施形態では天井面71)に、道路11の縦断方向(交通方向)に沿って所定間隔で設置される。道路11は、平行に延びる2本の車道外側線12A、12Bで路面12が区画されている。本実施形態では、トンネル照明器具1は、直近側(手前側)の車道外側線12Aから幅L1だけ路面12に進入した位置に、灯具直下軸Kが遠方側(手前側と反対側)の車道外側線12Bから幅L2だけ手前側に位置する姿勢でトンネル10の天井面71に設置されている。
なお、本明細書では、道路11が延びる方向(車両が走行する交通方向)を縦断方向Jと定義し、この縦断方向Jに直交する方向(すなわち道路幅の方向)を横断方向Mと定義する。
トンネル照明器具1は、図1に示すように、正面が開口した金属製の器具ケース20を備える。器具ケース20は、左右方向に長い正面視矩形の箱型に形成されており、正面開口20Aには、平板状の前面ガラス21が嵌め込まれている。前面ガラス21は、器具ケース20の上側面1Aに一対の蝶番22で開閉自在に結合され、器具ケース20の下側面1Bに一対のラッチ23で留められている。器具ケース20の正面開口20Aには、前面ガラス21との間をシールするシール部材としてのパッキン24が開口縁に沿って設けられている。
また器具ケース20の背面には、トンネル10内に設置するための金具25が取り付けられている。
このトンネル照明器具1は、前面ガラス21を道路11の路面12に対面させ、左側面1C、及び右側面1Dを結ぶ方向である左右方向を道路11の縦断方向Jに合わせた姿勢で、トンネル10に設置される。
光源部30は、発光素子の一例たるLED41(図5参照)を光源とするものであり、その詳細は後述する。電源端子台31は、器具ケース20の外から引き込まれた配線と、電源ボックス32の配線とを結線する。電源ボックス32は、光源部30を駆動する直流電力を生成するものであり、AC−DC変換器を内蔵し、外部から供給される商用の交流電力を直流電力に変換し光源部30に供給する。なお、電源ボックス32は、外部からの調光指示に基づいて直流電力(例えば直流電流)を可変し、光源部30の光量を可変してもよい。また器具ケース20には、停電時等に使用する非常用の電力としてバッテリーを内蔵してもよい。
光源部30は、図3に示すように、少なくとも1つ(本実施形態では、6つ)のレンズ付LED基板(光源ユニット)40と、このレンズ付LED基板40を取り付ける取付板金50とを備えている。取付板金50は、熱伝導性に優れたアルミニウム等の材料で正面視略矩形の板状に形成され、器具ケース20の背面部に立設された支持脚26に固定されて、前面ガラス21の近傍(正面開口20Aの近傍)に配置されている。レンズ付LED基板40を前面ガラス21の近傍に配置することで、レンズ付LED基板40の光が器具ケース20の内壁面で遮蔽されることを抑えて、効率良く光が取り出される。
基板42は略矩形の回路実装基板であり、取付板金50の表面50Aに少なくとも1つ(本実施形態では、2つ)の固定具43(例えば、ねじ等)で固定されている。この基板42の表面には、LED41が複数個(本実施形態では、16個)実装されている。本実施形態では、LED41は、左右方向に2列、各列には8つずつ配置されている。なお、LED41の数や配置構成はこれに限定されるものではない。LED41は、基板42の面に略垂直な方向に光軸Fを有し、この光軸Fが正面方向(正面開口20A)を指向する姿勢で器具ケース20(図1)に収められている。これらのLED41によってトンネル照明器具1の光源が構成されている。
レンズ板60は、図7に示すように、透明樹脂製の平板部62を有し、その平板部62の表面62Aにレンズ61が一体に成形されている。レンズ板60は、略矩形状を成し、その外周部には、取付板金50に設けた係合穴51(図5)にスライドして係合するフック(係合部)63がレンズ板60の四隅に一体に形成されている。
主レンズ61Aは、目標の照度分布を得るように配光制御する。副レンズ61Bは、主レンズ61Aによって得られる照度分布との合成によって目標の照度分布が得られるように配光制御する。
このように、壁面70の照明がレンズ61の全部によって画一的に行われるのではなく、その一部の副レンズ61Bの配光制御によって行われることで、道路11の基本的な照明を主レンズ61Aで実現しつつ、副レンズ61Bでは壁面70の照明を、当該道路11の主レンズ61Aによる基本的な照明に合わせて簡単、かつ正確に実現できる。
主レンズ61Aは、入射面77、及び出射面75による光の屈折制御によって、LED41の放射光を道路11の縦断方向Jに拡げ、かつ、道路11の横断方向Mには、道路幅に合わせて集光するように制御する。
詳述すると、このLED41に用いられているタイプのLEDは、青色光を放射する多数のLEDを、黄色の蛍光を放射する蛍光体によって覆って面状の出射面が構成され、青色光、及び黄色蛍光を混色した白色光を出射面から放射している。このタイプのLEDでは、光軸Fと成す角度θが大きくなるほど黄色蛍光成分が増え、光出射面の周縁部から放射する光では、この黄色蛍光成分が過剰になって上記イエローリングが発生する。そして、係る出射面の光が拡げられると、照射野における周縁部の黄色味を帯びた範囲も拡張されて目立ち易くなる。
そこで、この主レンズ61Aでは、角度θa以下の光成分Sbを縦断方向Jの遠方に大きく拡げ、角度θa以上の光成分Saが照射する箇所にも届かせることで、当該箇所における黄色味を抑えることとしている。
入射面77の凸部77Aは、LED41の側に大きく突出することで曲率が大きく(曲がり具合がきつく)成されており、凸部77Aに入射した光成分Sbは、光軸Fから離れる方向に大きく屈折して、外側に大きく拡げられ、光成分Saが照射する箇所にも届くようになっている。
これにより、サイド部77Bに入射する光成分Saが光軸Fの方向に出射され、凸部77Aによって拡げられた光成分Sbと重なることで、当該光成分Sbと混合されて黄色蛍光が目立たなくなり、また、当該光成分Saが道路11の照明に有効に利用されることとなる。
主レンズ61Aは、図10に示すように、横断方向断面において、入射面77がLED41の側に凸な凸面形状(すなわち凸レンズ)に形成されている。すなわち、入射面77に入射した光は光軸Fに近づくように屈折されて出射面75に入射し、これら入射面77、及び出射面75での屈折によって、道路の幅に合わせた照射野が得られるように集光される。
そこで、この主レンズ61Aは、図10に示すように、横断方向断面において、周面78に入射した光成分Sc、Sdを光軸Fに近付く方向に跳ね上げ(折り曲げ)、これら光成分Sc、Sdが道路11を照らすように制御する2つの跳上面79A、79Bを備えている。
跳上面79Aは、主レンズ61Aが設置されたときに正面の側の壁面70を指向する光成分Scを、光軸Fに近付くように反射によって跳ね上げ、道路11の道路幅内を照射する光成分Seを得る反射面(第一反射面)である。
跳上面79Bは、背面の側の壁面70を指向する光成分Sdを、光軸Fに近づくように屈折によって跳ね上げ、道路11の道路幅内を照射する光成分Sfを得る面である。
具体的には、主レンズ61Aの横断方向断面において、略平坦面80は、正面側周面78A、及び背面側周面78Bから直接入射してくる光成分Sgを、LED41を実装した基板42の側に全反射する全反射面に成されている。
これにより、略平坦面80で全反射された光成分Sgは、基板42の実装面84で拡散反射され、或いは、隣接する主レンズ61Aに入射し、道路11を照明する光として利用され、LED41の光が効率良く利用されることとなる。
これらの図に示すように、レンズ板60の平板部62には、主レンズ61Aのそれぞれの間に表裏に貫通した貫通孔87が形成されている。この貫通孔87は、横断方向断面において、隣り合う主レンズ61Aの略平坦面80同士の間に形成されている。これら貫通孔87を通じて、略平坦面80の全反射によって基板42の実装面84で拡散反射された光が効率良く道路11に向けて照射されることとなる。
また、図12に示すように、貫通孔87は、主レンズ61Aの凹部76と跳上面79Aの下端部88の側で連通する。これにより、LED41の発熱が凹部76に籠もることなく貫通孔87を通じて外部に放熱される。
これにより、道路11の横断方向Mにおいて、道路11を大きく外れた箇所の照射が抑えられ、当該外れた箇所を指向する光が隣接する主レンズ61Aへの入射、及び基板42の実装面84での反射を通じて道路11の照明に有効に利用される。
これにより、実装面84で反射した光が道路11の全体に拡散されるので、照度ムラの発生が防止される。
これにより、基板42の各LED41のそれぞれに対し、各レンズ61を一度に位置決め固定できる。
これにより、主レンズ61Aの配光を副レンズ61Bで補い、照明対象や環境に柔軟に対応した照明を実現できる。またトンネル照明器具1に適用することで、壁面70を適切な明るさで照明できる。
これにより、凸部77Aに入射した光成分Sbと、凸部77Aの外側に入射した光成分Saとを混合して照射することができ、LED41に起因する照射野の色ムラを抑えることができる。
例えば、本発明は、トンネル照明器具1に限らず、道路を照明する照明器具であれば、道路灯等の任意の形態の照明器具に適用できる。
10 トンネル
11 道路
12 路面
40 レンズ付LED基板
41 LED(発光素子)
42 基板
60 レンズ板
61 レンズ
61A 主レンズ
61B 副レンズ
62 平板部
70 壁面
75 出射面
76 凹部
77 入射面
77A 凸部
77B サイド部
78 周面
78A 正面側周面
78B 背面側周面
79A、79B 跳上面
80 略平坦面(反射面)
84 実装面
87 貫通孔
F 光軸
J 道路の縦断方向(進行方向)
M 道路の横断方向(幅方向)
Claims (7)
- 道路を照明する照明器具において、
複数の発光素子を実装した基板を有し、
前記基板の実装面は反射面であり、
複数の前記発光素子には、それぞれに対応するレンズが設けられ、
前記レンズは、
前記発光素子の光を光軸方向に跳ね上げる跳上面と、前記道路に向かう側と反対の側に反射させる反射面とを、前記光軸を挟んで前記道路の幅方向のそれぞれに備え、
前記反射面で反射した光の少なくとも一部は、隣接するレンズに入射し、又は前記基板の実装面で反射されることを特徴とする照明器具。 - 前記基板の実装面は拡散反射面である、ことを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
- 複数の前記レンズを、前記基板を覆う板材に一体成型したことを特徴とする請求項1または2に記載の照明器具。
- 複数の前記発光素子の一部の発光素子には、複数の前記レンズと配光が異なる光学素子を設けた、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の照明器具。
- 前記レンズは、前記道路の進行方向に対して左右対称な形状である、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の照明器具。
- 前記レンズは、前記道路の進行方向を含む断面内に、前記発光素子の光の入射面には、発光素子の側に突出する凸部が設けられ、当該凸部により大きく外側に光を拡げ、前記入射面の当該凸部より外側は、当該凸部より大きく光を拡げない形状に形成されている、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の照明器具。
- トンネルに設置され、当該トンネルの道路を照明することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の照明器具。
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