《第1実施形態》
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係る共用車両管理装置について説明する。本実施形態では、共用車両管理装置を、複数のユーザが複数のステーションに配置された複数の共用車両を共用するカーシェアリングシステムを管理運営する共用車両管理システムに適用した例を用いて説明する。本実施形態のカーシェアリングシステムは、一のステーションから借り出した共用車両を、他のステーションへ返却することが許される、いわゆる乗り捨て型のワンウェイ・カーシェアリングシステムである。なお、各ステーションは、共用車両を駐車させることができ、共用車両の貸出及び返却を行ったり、利用されていない共用車両を待機させたりできる場所であり、カーシェアリングシステムのために予め用意した駐車場などが挙げられる。
ここで、図1は、本実施形態の共用車両管理装置100を備えた共用車両管理システム1000において、ユーザが共用車両を利用する方法の一例を示す概要図である。本実施形態の共用車両管理システム1000では、ユーザが、ユーザ端末装置400Xを操作することで、共用車両管理装置100が管理する複数のステーションの中から、共用車両の貸出しを所望するステーション(出発ステーション)を選択し、選択した出発ステーションで待機している共用車両の利用予約を行う。たとえば、図1に示す場面において、ユーザU2が、出発ステーションとしてステーションST1を選択し、ステーションST1に停車している共用車両V1の予約を要求した場合には、ステーションST1には、現在利用可能な共用車両V1が待機しているので、共用車両管理装置100は、ユーザU2による共用車両V1の利用予約を受付ける。これにより、ユーザU2は、共用車両V1の予約を完了し、ステーションST1にて、共用車両V1に乗車することで、共用車両V1の利用を開始することができる。この際には、併せて、任意のステーションを、共用車両を利用後に返却するためのステーション(帰着ステーション)として設定してもよい。あるいは、ユーザは、共用車両の利用予約をした後、所望のタイミングで、この帰着ステーションを設定してもよい。これにより、ユーザは、予約した共用車両に乗車して共用車両を利用できるようになり、その後、利用した共用車両を、設定した帰着ステーションに返却することで、乗り捨て型のワンウェイ・カーシェアリングシステムを利用できるようになっている。
また、図1に示す場面において、ユーザU2が、ユーザ端末装置400Xを用いて、出発ステーションとしてステーションST2を選択し、ステーションST2の共用車両を利用予約する場面について説明する。この場合、ステーションST2には、現在は共用車両が待機しておらず、共用車両の貸出を行うことができない状態である。ただし、図1に示す場面において、ユーザU1が共用車両V2を利用しており、ユーザU1が共用車両V2を返却する帰着ステーションとしてステーションST2を設定しているため、ユーザU1が共用車両V2をステーションST2に返却した後に、ステーションST2から共用車両V2を貸出すことが可能となる。 この場合、ユーザU2は、ユーザ端末装置400Xを用いて、出発ステーションとしてステーションST2を選択することで、ステーションST2から共用車両の利用を求める利用要求が共用車両管理装置100に送信される。そして、共用車両管理装置100は、ユーザU2から送信された利用要求に応じて、ステーションST2には現在利用可能な共用車両が存在せず、ステーションST2からは共用車両の貸出を行うことができない旨の情報を、ユーザU2のユーザ端末装置400Xに送信する。この際、共用車両管理装置100は、併せて、他のユーザ(ユーザU1)によりステーションST2に共用車両V2が返却され、ステーションST2にて共用車両の貸出が可能となる予想時刻の情報を送信してもよい。そして、本実施形態では、共用車両管理装置100は、ユーザU1によりステーションST2に共用車両V2が返却された際には、ユーザU2に対して、ステーションST2に共用車両V2が返却され、ステーションST2から共用車両V2が貸出可能になった旨の情報を、ユーザU2のユーザ端末装置400Xに送信することができる。
ここで、ユーザが所望する出発ステーションに共用車両が存在しない場合や、ユーザが返却を所望する帰着ステーションに共用車両の返却スペースが存在しない場合、ユーザは所望するステーションを利用することができない。そこで、本実施形態では、ユーザが所望するステーションを利用することができない場合に、ユーザの利用履歴に基づいて、ユーザが徒歩で移動することを許容する移動距離を許容移動距離として推定し、ユーザが所望するステーションから許容移動距離の範囲内に存在し、かつ、ユーザが利用可能なステーションの情報をユーザに提示する。これにより、ユーザが当初所望したステーションとは別の、ユーザが利用を許容できるステーションの情報を、ユーザに提示することができる。なお、出発ステーションおよび帰着ステーションの設定方法の詳細については後述する。
次に、本実施形態に係る共用車両管理システム1000について説明する。図2は、第1実施形態に係る共用車両管理システム1000を示す構成図である。図2に示すように、共用車両管理システム1000は、共用車両管理装置100と、複数のユーザに利用される複数の共用車両V1〜Vn(以下、共用車両Vnと総称することもある)がそれぞれ備える車載装置200V1〜200Vn(以下、車載装置200Vnと総称することもある)と、複数のユーザがそれぞれ所持するユーザ端末装置400X〜400Z(以下、ユーザ端末装置400Xと総称することもある)と、を有する。本実施形態の共用車両管理システム1000を構成する、車載装置200V1〜200Vn、ユーザ端末装置400X〜400Zの台数は限定されない。
共用車両管理装置100、車載装置200V1〜200Vn及びユーザ端末装置400X〜400Zは、それぞれ通信装置(20、220、420)を備え、インターネット300などの電気通信回線網を介して相互に情報の授受が可能である。通信経路は有線であっても無線であってもよい。
本実施形態のユーザ端末装置400Xは、共用車両の予約プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行することで、各機能を実行させる動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)と、を備えるコンピュータである。本実施形態のユーザ端末装置400Xは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、又はPDA(Personal Digital Assistant)その他の可搬型の端末装置であってもよい。
本実施形態のユーザ端末装置400Xは、ユーザによる共用車両Vnの利用要求などの入力情報を受け付ける入力装置410と、共用車両管理装置100などの外部装置と通信を行う通信装置420と、ユーザに情報を通知するための表示装置430と、ユーザによる共用車両Vnの利用の制御処理を実行する制御装置440とを備える。
ユーザ端末装置400Xの入力装置410としては、たとえば、ユーザの手操作による入力が可能なディスプレイ画面上に配置されるタッチパネル又はジョイスティックや、ユーザの音声による入力が可能なマイクなどの装置を用いることができる。表示装置430としては、ディスプレイなどが挙げられ、タッチパネル・ディスプレイを用いる場合には、入力装置410と兼用することができる。ユーザは入力装置410を介して、ユーザの目的地、共用車両の貸出しを所望するステーション(出発ステーション)、および共用車両を利用後に返却するためのステーション(帰着ステーション)などを設定することができる。
なお、制御装置440は、ユーザの現在位置に最も近いステーションを出発ステーションとして自動で設定する構成とすることもでき、また、ユーザが目的地を設定した場合には、ユーザが設定した目的地から最も近いステーションを帰着ステーションとして自動で設定することもできる。これにより、出発ステーションまたは帰着ステーションを設定するユーザの手間を省くことができる。
本実施形態の制御装置440は、ユーザ端末装置400Xに備えられた図示しないGPS(Global Positioning System)受信機などの位置取得装置を用いて、ユーザ端末装置400Xを操作するユーザの現在位置の情報を取得し、取得した現在位置の情報を、通信装置420を介して、共用車両管理装置100に送信する。
また、制御装置440は、各ユーザが共用車両Vnを利用するための機能を有する。具体的には、制御装置440は、ユーザが共用車両Vnの利用を求める利用要求などの入力情報を受け付け、通信装置420を介して、共用車両管理装置100に送信する。このような利用要求には、ユーザのID情報、ユーザの位置情報、ユーザが設定した出発ステーションおよび帰着ステーションを示す情報(たとえば、出発ステーションおよび帰着ステーションのID情報など)などが含まれる。
たとえば、ユーザは、ユーザ端末装置400Xの入力装置410を介して、ユーザ端末装置400Xが有する共用車両Vnの予約プログラムを起動し、ユーザが利用を所望する出発ステーションと帰着ステーションとを選択することができる。たとえば、共用車両VnをステーションST1で借りて、ステーションST2で共用車両Vnを返却するための予約を行う場合、ユーザは、入力装置410を介して、出発ステーションとしてステーションST1を選択し、帰着ステーションとしてステーションST2を選択する。これにより、ユーザ端末装置400Xの制御装置440は、ステーションST1を出発ステーションとし、出発ステーションST1のID情報を利用要求に含めて、共用車両管理装置100に送信するとともに、ステーションST2を帰着ステーションとし、帰着ステーションST2のID情報を利用要求に含めて、共用車両管理装置100に送信する。これにより、共用車両管理装置100において、出発ステーションとしてステーションST1を、帰着ステーションとしてステーションST2を利用するための予約処理が開始される。なお、共用車両Vnの予約処理については後述する。
また、本実施形態の車載装置200Vnは、各共用車両Vnの現在位置を検出するGPS受信機210と、共用車両管理装置100などの外部装置と通信を行う通信装置220と、ユーザによる共用車両Vnの利用の制御処理を実行する制御装置230とを備える。
本実施形態において、制御装置230は、GPS受信機210を用いて取得した現在位置の情報を、通信装置220を介して、共用車両管理装置100に送信する。さらに、制御装置230は、図示しないディスプレイやスピーカなどを用いて、共用車両管理装置100から送信された情報を、ユーザに通知することができる。
本実施形態の共用車両管理装置100は、共用車両管理システム1000のサーバとして機能し、カーシェアリングシステムを管理運営するための制御処理を実行する制御装置10と、車載装置200Vnおよびユーザ端末装置400Xとそれぞれ相互に通信可能な通信装置20と、通信装置20により受信した情報、各共用車両Vnの情報、および各ステーションの情報などを記憶するデータベース30とを備える。
データベース30は、共用車両情報31と、ステーション情報32と、ユーザから受け付けた利用要求33と、地図情報34と、利用履歴情報35とを記憶する。
共用車両情報31は、各共用車両Vnに関する情報であり、共用車両Vnの電力残容量や故障情報などが含まれる。
ステーション情報32は、各ステーションに関する詳細情報であり、各ステーションの位置情報、各ステーション周辺の施設情報、各ステーション周辺の交通状況、および各ステーションの利用状況などを含むことができる。
利用要求33は、各ユーザが共用車両Vnを利用するためにユーザ端末装置400Xから受信した情報であり、ユーザのID情報、ユーザの現在位置の情報、ユーザが設定した出発ステーションおよび帰着ステーションを示す情報が含まれる。
地図情報34には、通常の地図情報に加えて、道路や施設などの情報が含まれる。また、本実施形態において、地図情報34は、電車やバスなどの交通機関の路線情報やダイヤ情報も含む。
利用履歴情報35は、ユーザが過去にステーションを利用した際の履歴情報であり、ユーザが各ステーションを利用した日時や回数が、ステーションごとに含まれている。また、本実施形態では、ユーザが出発ステーションの利用予約を過去に行った際のユーザの位置から、予約した出発ステーションまでの距離の情報も利用履歴情報35として含まれる。
すなわち、本実施形態では、ユーザが、ユーザ端末装置400Xを介して、所望する出発ステーションおよび帰着ステーションを設定すると、ユーザが設定した出発ステーションおよび帰着ステーションを示す情報が、ユーザの位置情報とともに、ユーザ端末装置400Xから共用車両管理装置100に送信される。そして、共用車両管理装置100は、ユーザが設定した出発ステーションおよび帰着ステーションをユーザが利用可能であるか否かを判断し、出発ステーションおよび帰着ステーションが利用可能である場合に、ユーザが設定した出発ステーションおよび帰着ステーションの利用予約処理を実行する。そして、共用車両管理装置100は、ユーザが設定した出発ステーションの利用予約処理を完了すると、その際のユーザの現在位置から出発ステーションまでの距離を算出し、算出した距離を、利用履歴情報35に含めてデータベース30に記憶する。このように、ユーザが出発ステーションの利用予約を行うごとに、利用予約を行った際のユーザの位置から出発ステーションまでの距離の情報を含む利用履歴情報35が、データベース30に記憶される。
また、本実施形態において、データベース30は、出発ステーションまでの移動距離の情報に加えて、ユーザが出発ステーションまで移動した際の移動速度の情報を、利用履歴情報35に含めて記憶する。たとえば、共用車両管理装置100は、ユーザの位置情報を時系列に沿って取得することで、出発ステーションを予約した際のユーザの位置から出発ステーションまでの移動に要した移動時間を求めることができる。そして、共用車両管理装置100は、出発ステーションまでの移動距離および移動時間に基づいて、出発ステーションまでのユーザの移動速度を算出し、算出したユーザの移動速度を利用履歴情報35に含めてデータベース30に記憶することができる。
本実施形態の共用車両管理装置100の制御装置10は、図2に示すように、カーシェアリングシステムを管理運営する処理を実行するためのプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)12と、このROM12に格納されたプログラムを実行することで、共用車両管理装置100として機能する動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)11と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)13とを備える。
共用車両管理装置100の制御装置10は、ROM12に格納されたプログラムを実行することで、利用要求取得機能と、利用可否判断機能と、許容移動距離推定機能と、ステーション特定機能と、稼働率算出機能と、情報送信機能と、予約機能と、を実現する。以下において、共用車両管理装置100の制御装置10が実現する各機能についてそれぞれ説明する。なお、本実施形態に係る共用車両管理装置100の制御装置10は、上記機能を実現するためのソフトウェアと、上述したハードウェアの協働により各機能を実現するコンピュータである。
制御装置10の利用要求取得機能は、通信装置20を介して、共用車両Vnの利用要求をユーザ端末装置400Xから取得する。上述したように、共用車両Vnの利用要求には、ユーザのID情報、ユーザの現在位置、ユーザが設定した出発ステーションおよび帰着ステーションを示す情報などが含まれる。
制御装置10の利用可否判断機能は、ユーザが設定した出発ステーションおよび帰着ステーションが利用可能であるか否かを判断する。たとえば、利用可否判断機能は、データベース30のステーション情報32に基づいて、ユーザが設定した出発ステーションにユーザが利用可能な共用車両Vnが存在するか否かを判断し、ユーザが設定した出発ステーションにユーザが利用可能な共用車両Vnが存在する場合に、当該出発ステーションは利用可能であると判断することができる。また、利用可否判断機能は、データベース30のステーション情報32に基づいて、ユーザが設定した帰着ステーションにユーザが利用可能な返却スペースが存在するか否かを判断し、ユーザが設定した帰着ステーションにユーザが利用可能な返却スペースが存在する場合に、当該帰着ステーションは利用可能であると判断することができる。
制御装置10の許容移動距離推定機能は、ユーザの利用履歴情報35に基づいて、ユーザが過去に出発ステーションの利用予約を行った位置から、出発ステーションまでの距離の平均値を、ユーザが移動を許容する距離である、許容移動距離として推定する。
また、本実施形態において、許容移動距離推定機能は、ユーザが徒歩で移動する場合の許容移動距離を推定するために、ユーザが徒歩で移動した場合の利用履歴情報35のみに基づいて、許容移動距離を算出する。本実施形態では、利用履歴情報35に、ユーザが過去に出発ステーションを利用した際のユーザの移動速度の情報が含まれている。そのため、許容移動距離推定機能は、利用履歴情報35のうち、ユーザの移動速度が所定速度(たとえば、時速4km)以下である場合の、ユーザの移動距離の情報のみに基づいて、ユーザが徒歩で移動する場合の許容移動距離を算出することができる。なお、許容移動距離推定機能は、ユーザの利用履歴情報35に共用車両Vnの利用実績がない場合には、所定の距離(たとえば250メートル)を、許容移動距離として推定することができる。
制御装置10のステーション特定機能は、ユーザが設定した出発ステーションまたは帰着ステーションが利用できない場合に、許容移動距離推定機能により推定された許容移動距離に基づいて、ユーザが利用できる別の出発ステーションまたは帰着ステーションの候補を特定する。具体的には、ステーション特定機能は、ユーザが設定した出発ステーションまたは帰着ステーションが利用できない場合に、ユーザが設定した出発ステーションまたは帰着ステーションから許容移動距離の範囲に存在するステーションを探索する。さらに、ステーション特定機能は、利用可否判断機能に、探索したステーションが利用可能であるか否かを判断させ、ユーザが利用可能なステーションを、出発ステーション候補または帰着ステーション候補として特定する。
ここで、図3は、第1実施形態に係る共用車両Vnの管理方法を説明するための図であり、ユーザがステーションST1を出発ステーションとして設定したが、ステーションST1が利用できない場面を示している。この場合、制御装置10のステーション特定機能は、たとえばユーザの許容移動距離がLメートルであると推定された場合に、ユーザが設定した出発ステーションST1からLメートルの範囲内(図3に示す破線の範囲内)に存在するステーションST2,ST3,ST5を検出し、ステーションST2,ST3,ST5が利用可能であるか否かの情報を取得する。図3に示す例では、ステーションST3は利用できず、ステーションST2,ST5が利用可能であるため、ステーションST2,ST5を出発ステーション候補として特定する。
また、図3に示す例では、ユーザがステーションST6を帰着ステーションとして設定したが、ステーションST6が利用できない場面を示している。この場合、ステーション特定機能は、ユーザが設定した帰着ステーションST6からLメートルの範囲内(図3に示す一点鎖線の範囲)に存在するステーションST7,ST8を検出し、ステーションST7,ST8が利用可能であるか否かの情報を取得する。図3に示す例では、ステーションST8が利用できず、ステーションST7が利用可能であるため、ステーションST7を帰着ステーション候補として特定する。
制御装置10の稼働率算出機能は、ステーション特定機能により特定された、各出発ステーション候補の稼働率を算出する。具体的には、稼働率算出機能は、下記式(1)に示すように、利用履歴情報35やステーション情報32に基づいて、出発ステーション候補の直近X日間における営業時間中、利用可能な共用車両Vnが1台も存在しない時間の割合を、出発ステーション候補の稼働率R1として算出することができる。
また、制御装置10の稼働率算出機能は、ステーション特定機能により特定された、各帰着ステーション候補の稼働率を算出する。具体的には、稼働率算出機能は、下記式(2)に示すように、利用履歴情報35やステーション情報32に基づいて、帰着ステーションの直近X日間における営業時間中、利用可能な返却スペースが1つもない時間の割合を、帰着ステーションの稼働率R2として算出することができる。
制御装置10の情報送信機能は、ステーション特定機能により特定された出発ステーション候補および帰着ステーション候補の情報を、ユーザ端末装置400Xに送信する。ここで、図4は、図3に示す場面例において、ユーザ端末装置400Xのディスプレイに表示された、出発ステーション候補および帰着ステーション候補の情報の一例を示す図である。
図3に示す例では、ユーザが設定した出発ステーションST1および帰着ステーションST6が利用できないと判断され、ユーザが設定した出発ステーションST1から許容移動距離(Lメートル)の範囲内にあるステーションST2,ST5が出発ステーション候補として特定され、ユーザが設定した帰着ステーションST6から許容移動距離(Lメートル)の範囲内にあるステーションST7が帰着ステーション候補として特定されている。この場合、情報送信機能は、出発ステーション候補としてステーションST2,ST5の情報を、帰着ステーション候補としてステーションST7の情報を、ユーザ端末装置400Xに送信する。これにより、ユーザ端末装置400Xの制御装置440は、たとえば図4に示すように、出発ステーションST1および帰着ステーションST6が利用できない旨の情報、並びに、出発ステーション候補ST2,ST5および帰着ステーション候補ST7が利用できる旨の情報を提示する。また、ユーザ端末装置400Xは、たとえば、図4に示すように、出発ステーション候補ST2から帰着ステーション候補ST7までの共用車両Vnでの所要時間(たとえば16分)、出発ステーション候補ST5から帰着ステーション候補ST7までの共用車両Vnでの所要時間(たとえば14分)を、表示装置430のディスプレイに表示することもできる。さらに、ユーザ端末装置400Xの制御装置440は、たとえば図4に示すように、ユーザが設定した出発ステーションST1から出発ステーション候補ST2,ST5までの距離、ユーザが設定した帰着ステーションST6から帰着ステーション候補ST7までの距離などを、表示装置430のディスプレイに表示することができる。なお、図4に示す例は、ディスプレイに表示される出発ステーション候補および帰着ステーション候補の情報の一例であり、これに限定されるものではない。
制御装置10の予約機能は、出発エリアに含まれる出発ステーション候補の情報、および、帰着エリアに含まれる帰着ステーション候補の情報がユーザに提示された後、ユーザが、出発エリアに含まれる出発ステーション候補、および、帰着エリアに含まれる帰着ステーション候補の中から、ユーザが利用したい出発ステーション候補および帰着ステーション候補を、出発ステーションおよび帰着ステーションとして新たに決定した場合に、新たに決定した出発ステーションおよび帰着ステーションの予約を行う。たとえば、予約機能は、ユーザが新たに決定した出発ステーションにおいて、共用車両Vnが他のユーザにより利用されないように、共用車両Vnの確保を行う。また、予約機能は、ユーザが新たに決定した帰着ステーションにおいて共用車両Vnを返却できるように、共用車両Vnの返却スペースの確保も行う。
次いで、図5および図6を参照して、第1実施形態に係る共用車両管理処理を説明する。図5および図6は、第1実施形態に係る共用車両管理処理を示すフローチャートである。なお、図5および図6に示す共用車両管理処理は、たとえば、ユーザが、ユーザ端末装置400Xを用いて、ユーザ端末装置400Xの制御装置440が有する出発ステーションおよび帰着ステーションの予約プログラムを起動することで、開始することができる(第2実施形態および第3実施形態においても同様。)。
まず、ステップS101では、ユーザが設定した出発ステーションおよび帰着ステーションを示す情報を含む、利用要求の取得が行われる。たとえば、ユーザは、ユーザ端末装置400Xの入力装置410を介して、出発ステーションおよび帰着ステーションを設定することができる。そして、ユーザ端末装置400Xの制御装置440は、ユーザが設定した出発ステーションおよび帰着ステーションを示す情報を含む利用要求を、共用車両管理装置100に送信する。これにより、共用車両管理装置100の制御装置10は、ユーザが設定した出発ステーションおよび帰着ステーションを示す情報を含む利用要求を取得することができる。
ステップS102では、共用車両管理装置100の制御装置10により、ユーザが設定した出発ステーションまたは帰着ステーションが利用可能であるか否かの判断が行われる。たとえば、制御装置10の利用可否判断機能は、データベース30に格納されたステーション情報32を参照して、ユーザが設定した出発ステーションに利用可能な共用車両Vnが存在するか否かを判断する。そして、利用可否判断機能は、出発ステーションに利用可能な共用車両Vnが存在する場合には、出発ステーションは利用可能であると判断し、出発ステーションに利用可能な共用車両Vnが存在しない場合には、出発ステーションは利用できないと判断する。また、利用可否判断機能は、帰着ステーションに利用可能な共用車両Vnの返却スペースが存在する場合には、帰着ステーションは利用可能であると判断し、帰着ステーションに利用可能な共用車両Vnの返却スペースが存在しない場合には、帰着ステーションは利用できないと判断する。そして、出発ステーションまたは帰着ステーションが利用できない場合には、ステップS103に進み、出発ステーションおよび帰着ステーションが利用できる場合には、ステップS104に進む。
ステップS103では、出発ステーションまたは帰着ステーションが利用できないと判断されているため、共用車両管理装置100の制御装置10により、ユーザが徒歩で移動することを許容する移動距離である、許容移動距離の算出が行われる。具体的には、制御装置10の許容移動距離推定機能は、ユーザの利用履歴情報35に基づいて、ユーザが今までに共用車両Vnの利用予約を行った際の、ユーザが利用予約を行った位置から出発ステーションまでの距離の平均値を、ユーザの許容移動距離として算出することができる。
ステップS104では、共用車両管理装置100の制御装置10により、ステップS102の判断結果に基づいて、ユーザが設定した出発ステーションが利用できないか否かの判断が行われる。ユーザが設定した出発ステーションが利用できない場合には、ステップS105に進み、ユーザが設定した出発ステーションが利用できる場合には、ステップS108に進む。
ステップS105では、ユーザが設定した出発ステーションが利用できないと判断されているため、共用車両管理装置100の制御装置10により、ユーザが設定した出発ステーションから許容移動距離の範囲内に、ユーザが利用可能な出発ステーション候補の探索が行われる。具体的には、制御装置10のステーション特定機能は、データベース30に格納されたステーション情報32、地図情報34、およびステップS103で算出した許容移動距離に基づいて、ユーザが設定した出発ステーションから許容移動距離の範囲内にあり、ユーザが利用可能な共用車両Vnが存在するステーションを探索し、探索したステーションを出発ステーション候補として特定する。
ステップS106では、共用車両管理装置100の制御装置10により、ステップS105で特定された出発ステーション候補の稼働率の算出が行われる。具体的には、制御装置10の稼働率算出機能は、上記式(1)に示すように、データベース30に格納されているステーション情報32に基づいて、出発ステーションの直近X日間における営業時間中、利用可能な共用車両Vnが1台もいない時間の割合を、各出発ステーション候補の稼働率R1として算出する。
ステップS107では、出発ステーション候補の情報の、ユーザへの提示が行われる。また、本実施形態では、稼働率の低い出発ステーション候補の情報ほど優先して、ユーザに提示される。
たとえば、共用車両管理装置100の制御装置10は、情報送信機能により、稼働率の低い出発ステーション候補の情報ほど優先して、ユーザ端末装置400Xに送信する。そして、ユーザ端末装置400Xの制御装置440に、各出発ステーション候補の情報を受信した順に表示装置430のディスプレイに表示させることで、稼働率の低い出発ステーション候補の情報を優先してユーザに提示することができる。
また、共用車両管理装置100の制御装置10は、情報送信機能より、たとえば、出発ステーション候補の稼働率の情報を、出発ステーション候補の情報に含めて、ユーザ端末装置400Xに送信する。そして、ユーザ端末装置400Xの制御装置440に、出発ステーション候補の稼働率の情報に基づいて、稼働率の低い出発ステーション候補の情報ほど優先して、表示装置430のディスプレイに表示させることで、稼働率の低い出発ステーション候補の情報を優先してユーザに提示することができる。
また、図6に示すように、ステップS108では、共用車両管理装置100の制御装置10により、ユーザが設定した帰着ステーションが利用できないか否かの判断が行われる。ユーザが設定したステーションが利用できない場合には、ステップS109に進み、ユーザが設定した帰着ステーションが利用できる場合には、ステップS112に進む。
ステップS109では、ユーザが設定した帰着ステーションが利用できないと判断されているため、共用車両管理装置100の制御装置10により、ユーザが設定した帰着ステーションから許容移動距離の範囲内において、ユーザが利用可能な帰着ステーション候補の探索が行われる。具体的には、制御装置10のステーション特定機能は、データベース30に格納されたステーション情報32、地図情報34、およびステップS103で算出した許容移動距離に基づいて、ユーザが設定した帰着ステーションから許容移動距離の範囲内にあり、かつ、共用車両Vnの返却スペースのあるステーションを探索し、探索したステーションを帰着ステーション候補として特定する。
ステップS110では、共用車両管理装置100の制御装置10により、ステップS109で特定された帰着ステーション候補の稼働率の算出が行われる。具体的には、制御装置10の稼働率算出機能は、上記式(2)に示すように、データベース30に格納されているステーション情報32に基づいて、帰着ステーションの直近X日間における営業時間中、利用可能な返却スペースが1つもない時間の割合を、帰着ステーション候補の稼働率R2として算出する。
ステップS111では、帰着ステーション候補の情報のユーザへの提示が行われる。また、本実施形態では、稼働率の低い帰着ステーション候補の情報ほど優先して、ユーザに提示される。なお、制御装置10の情報送信機能は、出発ステーション候補の情報を送信する場合と同様の方法で、帰着ステーション候補の情報を送信することで、稼働率の低い帰着ステーション候補の情報ほど優先してユーザに提示することができる。
そして、ステップS112では、ユーザにより新たな出発ステーションおよび帰着ステーションの決定が行われる。具体的には、ユーザは、ステップS111でユーザに提示された出発ステーション候補および帰着ステーション候補の情報を確認し、提示された出発ステーション候補および帰着ステーション候補の中から、出発ステーションおよび帰着ステーションを新たに選択する。これにより、ユーザ端末装置400Xの制御装置440は、ユーザが新たに設定した出発ステーションおよび帰着ステーションを示す情報を、共用車両管理装置100に送信する。
ステップS113では、共用車両管理装置100の制御装置10により、ステップS112で決定された出発ステーションおよび帰着ステーションの利用予約処理が行われる。たとえば、制御装置10の予約機能は、ユーザが決定した出発ステーションにおいて共用車両Vnが他のユーザにより利用されないように、共用車両Vnの確保を行い、また、ユーザが決定した帰着ステーションにおいて共用車両Vnを返却できるように、共用車両Vnの返却スペースの確保を行う。
以上のように、第1実施形態に係る共用車両管理システム1000は構成され動作するので、以下の効果を奏する。
すなわち、第1実施形態では、ユーザが過去に出発ステーションの利用予約を行った際の、ユーザの位置から出発ステーションまでの移動距離の情報を利用履歴情報35に含めて記憶しておき、利用履歴情報35に基づいて、ユーザが出発ステーションまたは帰着ステーションを利用する際に、ユーザが許容できる移動距離を許容移動距離として推定する。そして、ユーザが予め設定した出発ステーションまたは帰着ステーションが利用できない場合に、出発ステーションまたは帰着ステーションから許容移動距離の範囲内に存在し、かつ、ユーザが利用可能なステーションを出発ステーション候補または帰着ステーション候補として探索する。そして、出発ステーション候補または帰着ステーション候補の情報を、ユーザ端末装置400Xに送信することで、出発ステーション候補または帰着ステーション候補の情報を、ユーザに提示する。これにより、第1実施形態では、ユーザが設定した出発ステーションおよび帰着ステーションが利用できない場合でも、ユーザが移動可能な範囲に存在し、かつ、ユーザが利用可能なステーションの情報を、ユーザに適切に提供することができる。
また、第1実施形態では、出発ステーション候補および帰着ステーション候補の稼働率を算出し、稼働率の低い出発ステーション候補および帰着ステーション候補の情報ほど優先してユーザに提示されるように、出発ステーション候補または帰着ステーション候補の情報を、ユーザ端末装置400Xに送信する。これにより、第1実施形態では、稼働率の低いステーションの利用を促進することができ、ステーション間での共用車両Vnの偏在を低減することができる。たとえば、2つのステーションが、駅から同じ程度の距離だけ離れている場合でも、幹線道路沿いなどの設置場所が分かり易い一方のステーションは比較的多くのユーザに利用される傾向があり、一方、住宅地などの設置場所が分かり難い他方のステーションは比較的少ないユーザに利用される傾向となる場合がある。このように、ステーションが設置される場所に応じて、比較的多くのユーザに利用されるステーションと、比較的少ないユーザに利用されるステーションとが存在し、このようなステーション間での共用車両が偏在してしまう場合があり、このようなステーション間での共用車両の偏在により、ステーション全体の稼働率が低下してしまう場合がある。これに対して、第1実施形態では、ユーザに稼働率の低いステーションの情報を優先して提示することで、稼働率の低いステーションの利用を促進することができ、ステーション間での共用車両Vnの偏在を低減することができる。
さらに、第1実施形態では、上記式(1)に示すように、一定時間において、出発ステーション候補にユーザが利用可能な共用車両Vnが存在しない時間の割合を、出発ステーション候補の稼働率R1として算出することで、出発ステーション候補の稼働率を適切に算出することができる。また、上記式(2)に示すように、一定時間において、帰着ステーション候補にユーザが利用可能な共用車両Vnの返却スペースが存在しない時間の割合を、帰着ステーション候補の稼働率R2として算出することで、帰着ステーション候補の稼働率R2を適切に算出することができる。
加えて、第1実施形態では、ユーザの利用履歴情報35のうち、ユーザが所定速度(たとえば時速4km)以下で移動した場合の利用履歴情報35のみに基づいて、許容移動距離を推定する。これにより、ユーザが徒歩で移動した場合の利用履歴情報35に基づいて許容移動距離を推定することができるため、ユーザが徒歩での移動を許容できる距離を許容移動距離として適切に推定することができる。
《第2実施形態》
続いて、第2実施形態に係る共用車両管理システムを説明する。第2実施形態における共用車両管理システム1000は、図2に示す共用車両管理システム1000と同様の構成を備え、以下に説明するように動作すること以外は、第1実施形態に係る共用車両管理システム1000と同様である。
第2実施形態に係る制御装置10のステーション特定機能は、第1実施形態の機能に加えて、ユーザが設定した出発ステーションまたは帰着ステーションを利用できない場合に、ユーザが交通機関を利用することで利用可能となるステーションも、出発ステーション候補または帰着ステーション候補として特定する。以下に、図7を参照して、第2実施形態に係る共用車両管理方法について説明する。なお、図7は、第2実施形態における出発ステーション候補の特定方法を説明するための図である。
図7に示す例では、ユーザが設定した出発ステーションST11が利用できない場面を例示している。この場合、制御装置10のステーション特定機能は、第1実施形態と同様に、出発ステーションST11から許容移動距離の範囲内に存在するステーションST12,ST14を出発ステーション候補として特定する。また、第2実施形態において、ステーション特定機能は、データベース30の地図情報34に含まれる交通機関の路線情報に基づいて、ユーザが設定した出発ステーションST11から許容移動距離の範囲内に、ユーザが利用可能な交通機関の乗降地点があるか否かを判断する。
たとえば図7に示す例では、ユーザが設定した出発ステーションST11から許容移動距離の範囲内に、ユーザが利用可能なA駅がある。この場合、ステーション特定機能は、さらに、ユーザがA駅を利用して別の駅(当該交通機関の別の乗降地点)まで移動した場合に、別の駅から許容移動距離の範囲内にユーザが利用可能なステーションがあるか否かを判断する。たとえば、図7に示す例では、B駅から許容移動距離の範囲内にユーザが利用可能なステーションST15があるため、ステーション特定機能は、ステーションST12,ST14に加えて、ステーションST15も出発ステーション候補として特定する。
また、図7に示す例では、ユーザが設定した帰着ステーションST16は利用できないため、ステーション特定機能は、ユーザが設定した帰着ステーションST16からユーザの許容移動距離の範囲内に、共用車両Vnを返却できるステーションがあるか否かを判断する。図7に示す例では、ユーザが設定した帰着ステーションST16から許容移動距離の範囲内に、ユーザが利用できるステーションST17が存在するため、ステーション特定機能は、ステーションST17を帰着ステーション候補として決定する。
第2実施形態に係る制御装置10の情報送信機能は、ステーション特定機能により特定された出発ステーション候補および帰着ステーション候補の情報を、ユーザ端末装置400Xに送信する。また、情報送信機能は、ユーザが交通機関を利用することでユーザが利用可能な出発ステーション候補または帰着ステーション候補が特定された場合には、当該出発ステーション候補および帰着ステーション候補の情報に、交通機関の情報を加えて、ユーザ端末装置400Xに送信する。
ここで、図8は、図7に示す場面において、ユーザ端末装置400Xのディスプレイに表示される出発ステーション候補および帰着ステーション候補の情報の一例を示す図である。図7に示す例では、ユーザが設定した出発ステーションから許容移動距離の範囲内に存在するステーションST12,ST14が出発ステーション候補として特定され、また、ユーザが設定した帰着ステーションから許容移動距離の範囲内に存在するステーションST17が帰着ステーション候補として特定されている。そのため、情報送信機能は、出発ステーション候補としてステーションST12,ST14の情報を、帰着ステーション候補としてステーションS17の情報をユーザ端末装置400Xに送信する。これにより、図8に示すように、出発ステーション候補ST12から帰着ステーション候補ST17までの所要時間、出発ステーション候補ST14から帰着ステーション候補ST17までの所要時間などを含む情報が、表示装置430のディスプレイに表示され、ユーザに提示される。
また、図7に示す例では、ユーザが設定した出発ステーションST11から許容移動距離の範囲内にユーザが利用可能な交通機関の乗降地点であるA駅が存在し、A駅まで移動可能な当該交通機関の別の乗降地点であるB駅から許容移動距離の範囲内に、ユーザが利用可能なステーションST15が存在し、このステーションST15が出発ステーション候補として特定されている。そのため、情報送信機能は、図8に示すように、A駅からB駅まで電車で移動し、B駅の周辺に存在する出発ステーション候補ST15を利用して、帰着ステーション候補ST17まで移動できる旨の情報を、出発ステーション候補ST15および帰着ステーション候補ST17の情報として、ユーザ端末装置400Xに送信することができる。また、情報送信機能は、A駅からB駅までの乗車時間の情報や、A駅からのステーションST17までの所要時間の情報も、出発ステーション候補ST15および帰着ステーション候補ST17の情報として、ユーザ端末装置400Xに送信することができる。これにより、図8に示すように、A駅から帰着ステーション候補ST17までの移動に関する情報を、ユーザに提示することができる。
さらに、上述した例では、ユーザが設定した出発ステーションが利用できない場合に、ユーザが利用可能な交通機関の乗降地点から許容移動距離の範囲内に存在するステーションを、出発ステーション候補として特定する構成を例示したが、この構成に加えて、または、この構成に代えて、以下のような構成とすることもできる。
すなわち、ステーション特定機能は、ユーザが設定した帰着ステーションが利用できない場合に、ユーザが設定した帰着ステーションから許容移動距離の範囲内に存在し、かつ、ユーザが利用可能な交通機関の乗降地点を探索する。そして、ステーション特定機能は、探索した交通機関の乗降地点まで移動可能な、当該交通機関の別の乗降地点から許容移動距離の範囲内にあり、かつ、返却スペースが利用可能なステーションを、帰着ステーション候補として特定することができる。
ここで、図9は、第2実施形態における帰着ステーション候補の特定方法を説明するための図である。たとえば、図9に示す場面例では、ユーザが出発地P22を出発し、目的地P21に向かう場面において、ユーザがステーションST26を出発ステーションとして設定し、ステーションST21を帰着ステーションとして設定した場面を例示している。また、図9に示す場面例では、ユーザが設定した出発ステーションST26および帰着ステーションST21をユーザが利用できない場面を例示している。この場合、ステーション特定機能は、出発ステーションST26を利用できないため、出発ステーションST26からユーザの許容移動距離の範囲内であり、かつ、ユーザが共用車両Vnを利用できるステーションがあるか否かを判断する。図9に示す例では、ユーザが設定した出発ステーションST26からユーザの許容移動距離の範囲内に、ユーザが利用できるステーションST27が存在するため、ステーション特定機能は、ステーションST27を出発ステーション候補として決定する。
さらに、図9に示す例において、ステーション特定機能は、ユーザが設定した帰着ステーションST21を利用できないため、帰着ステーションST21から許容移動距離の範囲内にユーザが利用可能なステーションを探索する。図9に示す例では、ユーザが設定した帰着ステーションST21から許容移動距離の範囲内に存在するステーションST22,ST24が利用できるため、ステーション特定機能は、ステーションST22,ST24を帰着ステーション候補として特定する。
さらに、ステーション特定機能は、ユーザが設定した帰着ステーションST21からユーザの許容移動距離の範囲内に、ユーザが利用可能な交通機関の乗降地点があるか否かを判断する。図9に示す例において、ステーション特定機能は、ユーザが設定した帰着ステーションST21から許容移動距離の範囲内に、ユーザが利用可能なA駅が存在すると判断することができる。そこで、ステーション特定機能は、A駅まで移動可能な当該交通機関の別の乗降地点を特定し、この乗降地点から許容移動距離の範囲内で利用可能なステーションを探索する。たとえば、図9に示す例では、A駅まで移動可能なB駅から許容移動距離の範囲内に共用車両Vnを返却可能なステーションST25が存在するため、ステーション特定機能は、このステーションST25も帰着ステーション候補として設定する。これにより、共用車両管理装置100は、出発ステーションST27から帰着ステーションST25まで共用車両Vnで移動し、帰着ステーションST25からB駅まで歩き、B駅から電車に乗ってA駅まで行き、A駅から目的地P21へと移動するルートに関する情報を、ユーザに提示することもできる。
なお、制御装置10の情報送信機能は、交通機関を利用して移動した先の駅(たとえば、図7,9に示す例ではB駅)から許容移動距離の範囲内にユーザが利用可能な出発ステーション候補または帰着ステーション候補が複数ある場合には、稼働率が低い出発ステーション候補および帰着ステーション候補の情報ほど優先してユーザに提示されるように、出発ステーション候補または帰着ステーション候補の情報を、ユーザ端末装置400Xに送信することができる。また、情報送信機能は、図8に示すように、交通機関を利用しない場合の出発ステーション候補および帰着ステーション候補の情報が、交通機関を利用した場合の出発ステーション候補および帰着ステーション候補の情報よりも優先してユーザに提示されるように、出発ステーション候補および帰着ステーション候補の情報をユーザ端末装置400Xに送信することもできる。
次いで、図10および図11を参照して、第2実施形態に係る共用車両管理処理を説明する。図10および図11は、第2実施形態に係る共用車両管理処理を示すフローチャートである。
ステップS101〜S105では、第1実施形態と同様に、利用要求の取得が行われ(ステップS101)、ユーザが設定した出発ステーションまたは帰着ステーションが利用可能であるか否かの判断が行われる(ステップS102)。出発ステーションまたは帰着ステーションが利用できない場合には(ステップS102=Yes)、許容移動距離の算出が行われ(ステップS103)、ユーザが設定した出発ステーションが利用できない場合には(ステップS104=Yes)、ユーザが設定した出発ステーションから許容移動距離の範囲内に存在する出発ステーション候補の探索が行われる(ステップS105)。
ステップS201では、共用車両管理装置100の制御装置10により、ユーザが設定した出発ステーションから許容移動距離の範囲内において、ユーザが利用可能な交通機関の乗降地点の探索が行われる。たとえば、図7に示す場面例のように、ユーザが設定した出発ステーションがステーションST11であり、出発ステーションST11から許容移動距離の範囲内に、ユーザが利用可能な交通機関の乗降地点であるA駅が存在する場合、制御装置10のステーション特定機能は、A駅を、ユーザが設定した出発ステーションから許容移動距離の範囲内にある交通機関の乗降地点として検出する。
ステップS202では、共用車両管理装置100の制御装置10により、ステップS201で探索された交通機関の乗降地点とは別の乗降地点から許容移動距離の範囲内に存在し、かつ、ユーザが利用可能な共用車両Vnがあるステーションが出発ステーション候補として探索される。たとえば、図7に示す例においては、B駅から許容移動距離の範囲内にユーザが利用可能なステーションST15が存在するため、このステーションST15が出発ステーション候補として検出される。
ステップS106では、ステップS105およびステップS202で探索された各出発ステーション候補の稼働率R1の算出が行われる。そして、ステップS107では、ステップS106で算出した出発ステーション候補の稼働率R1に基づいて、稼働率R1の低い出発ステーション候補の情報ほど優先してユーザに提示される。
また、図11に示すように、ステップS108,S109では、第1実施形態と同様に、ユーザが設定した帰着ステーションが利用できない場合に(ステップS108=Yes)、ユーザが設定した帰着ステーションから許容移動距離の範囲内において、帰着ステーション候補の探索が行われる(ステップS109)。
ステップS203では、共用車両管理装置100の制御装置10により、ユーザが設定した帰着ステーションから許容移動距離の範囲内に存在し、かつ、ユーザが利用可能な交通機関の乗降地点の検出が行われる。たとえば、図9に示す場面例では、ユーザが設定した帰着ステーションST21から許容移動距離の範囲内に、ユーザが利用可能な交通機関の乗降地点であるA駅が存在するため、制御装置10のステーション特定機能は、このA駅を、ユーザが設定した帰着ステーションST11から許容移動距離の範囲内にある、交通機関の乗降地点として検出する。
ステップS204では、共用車両管理装置100の制御装置10により、ステップS203で検出された交通機関の乗降地点まで移動可能な、当該交通機関の別の乗降地点から許容移動距離の範囲内に存在し、かつ、ユーザが共用車両Vnを返却可能なステーションが帰着ステーション候補として探索される。たとえば、図9に示す例においては、B駅から許容移動距離の範囲内にユーザが利用可能なステーションST25が存在するため、このステーションST25が帰着ステーション候補として検出される。
ステップS110では、ステップS109およびステップS204で検出された帰着ステーション候補の稼働率の算出が行われる。そして、ステップS111では、ステップS110で算出した帰着ステーション候補の稼働率に基づいて、稼働率の低い帰着ステーションの情報ほど優先してユーザに提示される。
そして、ステップS112では、ステップS111で提示された出発ステーション候補および帰着ステーション候補の中から、ユーザにより新たな出発ステーションおよび帰着ステーションの決定が行われ、続くステップS113では、ステップS112で決定された出発ステーションおよび帰着ステーションの利用予約処理が行われる。
以上のように、第2実施形態に係る共用車両管理システム1000は構成され動作するので、以下の効果を奏する。
すなわち、第2実施形態では、ユーザが設定した出発ステーションまたは帰着ステーションを利用できない場合に、ユーザが設定した出発ステーションまたは帰着ステーションから許容移動距離の範囲内に交通機関の乗降地点を探索し、この乗降地点まで移動可能な当該交通機関の別の乗降地点を特定する。そして、当該別の乗降地点から許容移動距離の範囲内に存在し、かつ、ユーザが利用可能なステーションを、出発ステーション候補または帰着ステーション候補として探索する。これにより、第2実施形態では、ユーザが設定した出発ステーションまたは帰着ステーションを利用できない場合でも、ユーザが交通機関と共用車両Vnとを併用することで、ユーザが出発地から目的地まで移動できる、出発ステーション候補および帰着ステーション候補の情報をユーザに適切に提示することができる。
《第3実施形態》
続いて、第3実施形態に係る共用車両管理システムを説明する。第3実施形態における共用車両管理システム1000は、図2に示す共用車両管理システム1000と同様の構成を備え、以下に説明するように動作すること以外は、第2実施形態に係る共用車両管理システム1000と同様である。
第3実施形態に係る共用車両管理装置100の制御装置10は、第2実施形態に係る制御装置10の機能に加えて、ユーザが現在利用している交通機関を推測する交通機関推測機能をさらに備える。たとえば、制御装置10の交通機関推測機能は、ユーザ端末装置400Xから、ユーザ端末装置400Xの位置情報(ユーザの位置情報)を時系列に沿って取得する。そして、交通機関推測機能は、取得したユーザ端末装置400Xの位置情報の時系列データや、データベース30の地図情報34に含まれる交通機関の路線情報およびダイヤ情報などに基づいて、ユーザの移動方向、移動速度、移動軌跡などを求めることで、ユーザが現在利用している交通機関を推測することができる。さらに、交通機関推測機能は、ユーザ端末装置400Xが備える加速センサの検出結果も取得することで、より高い精度でユーザが利用している交通機関を推測することもできる。
また、第3実施形態において、制御装置10のステーション特定機能は、第2実施形態のステーション特定機能の機能に加えて、ユーザが交通機関を利用していると推測された場合に、ユーザが現在利用している交通機関から降車できる乗降地点を特定し、特定した乗降地点から許容移動距離の範囲内に、ユーザが利用可能なステーションが存在するか否かを判断する。そして、ステーション特定機能は、ユーザが現在利用している交通機関から降車できる乗降地点から許容移動距離の範囲内に、ユーザが利用可能なステーションが存在する場合に、これらステーションも出発ステーション候補として特定する。ここで、図12は、第3実施形態に係る共用車両管理方法を説明するための図である。
たとえば、図12に示す例では、ユーザがC駅からE駅へと向かう電車に乗っている際に、ユーザが携帯するユーザ端末装置400Xを用いて出発ステーションおよび帰着ステーションの利用予約を行っている場面を例示している。たとえば、ユーザが、ユーザ端末装置400Xを用いて共用車両Vnの予約プログラムを起動すると、出発ステーションおよび帰着ステーションの利用要求とともに、ユーザの位置情報が、ユーザ端末装置400Xから共用車両管理装置100に送信される。そして、制御装置10の交通機関推測機能は、受信したユーザの位置情報の時系列データに基づいて、ユーザが交通機関を利用しているか否かを推測する。図12に示す場面例では、ユーザが電車に乗っているため、交通機関推測機能により、ユーザが交通機関を利用していること、および、ユーザが利用している交通機関が推測される。さらに、交通機関推測機能は、ユーザが現在利用している交通機関から降車できる乗降地点を特定する。たとえば、図12に示す例では、ユーザはC駅からD駅へと向かっているため、交通機関推測機能は、ユーザの位置情報の時系列データなどに基づいて、ユーザがC駅とD駅との間に位置し、C駅からD駅に向かって移動していると判断し、ユーザが現在利用している交通機関から降車できる乗降地点として、D駅およびE駅を特定する。
さらに、図12に示す場面例において、ステーション特定機能は、交通機関推測機能により特定されたD駅およびE駅からそれぞれ許容移動距離の範囲内に、ユーザが共用車両Vnを利用可能なステーションが存在するか否かを判断する。たとえば、図12に示す場面例では、E駅から許容移動距離の範囲内にステーションST32が存在するが、ステーションST32にはユーザが利用可能な共用車両Vnが存在しないため、ステーションST32は出発ステーション候補として特定されない。一方、D駅から許容移動距離の範囲内に存在するステーションST31には、ユーザが利用可能な共用車両Vnが存在するため、ステーション特定機能は、ステーションST31を出発ステーション候補として特定する。
なお、第3実施形態において、情報送信機能は、出発ステーション候補が複数特定された場合には、帰着ステーション(または帰着ステーション候補)により早く到着することができる出発ステーション候補の情報が優先してユーザに提示されるように、出発ステーション候補の情報をユーザ端末装置400Xに送信することができる。たとえば、図12に示す例においては、E駅で降車してステーションST32で共用車両Vnを借りた方が、D駅で降車してステーションST31で共用車両Vnを借りるよりも、帰着ステーションST33に到着するまでの時間は短くなる。そのため、仮にステーションST32が出発ステーション候補として特定できる場合には、情報送信機能は、出発ステーション候補ST31の情報よりも、出発ステーション候補ST32の情報が優先してユーザに提示されるように、出発ステーション候補ST31および出発ステーション候補ST32の情報を、ユーザ端末装置400Xに送信することができる。
次に、図13を参照して、第3実施形態に係る共用車両管理処理を説明する。図13は、第3実施形態に係る共用車両管理処理を示すフローチャートである。
ステップS101〜S105では、第1実施形態と同様に、利用要求の取得が行われ(ステップS101)、ユーザが設定した出発ステーションまたは帰着ステーションが利用可能であるか否かの判断が行われる(ステップS102)。そして、出発ステーションまたは帰着ステーションが利用できない場合に(ステップS102=Yes)、許容移動距離の算出が行われる(ステップS103)。また、ユーザが設定した出発ステーションが利用できない場合に(ステップS104=Yes)、ユーザが設定した出発ステーションから許容移動距離の範囲内に存在する出発ステーション候補の探索が行われる(ステップS105)。
続くステップS301では、共用車両管理装置100の制御装置10により、ユーザが交通機関を利用しているか否かの判断が行われる。具体的には、制御装置10の交通機関推測機能は、ユーザ端末装置400Xから送信されたユーザの位置情報の時系列データと、交通機関の路線情報およびダイヤ情報などに基づいて、ユーザが交通機関を利用しているか否かを判断する。そして、ユーザが交通機関を利用していると判断された場合には、ステップS302に進む。一方、ユーザが交通機関を利用していないと判断された場合には、ステップS201に進み、第2実施形態と同様に、ユーザが設定した出発ステーションから許容移動距離の範囲内に存在する交通機関の乗降地点が探索され、続くステップS202において、探索された交通機関の乗降地点とは別の乗降地点から許容移動距離の範囲内に存在し、かつ、ユーザが利用可能なステーションが、出発ステーション候補として探索される。
一方、ステップS302では、ユーザが交通機関を利用していると判断されているため、共用車両管理装置100の制御装置10により、ユーザが現在利用している交通機関から降車できる乗降地点の特定が行われる。そして、ステップS303では、共用車両管理装置100の制御装置10により、ステップS302で特定された乗降地点から許容移動距離の範囲内に存在し、かつ、ユーザが利用可能なステーションが、出発ステーション候補として探索される。
なお、第3実施形態におけるステップS106以降の処理については、第2実施形態に係る共用車両管理処理と同様に実行されるため、説明は省略する。以上のように、第3実施形態に係る共用車両管理システム1000は構成され動作するので、以下の効果を奏する。
すなわち、第3実施形態では、ユーザの位置情報に基づいてユーザが利用している交通機関を推測する。そして、ユーザが交通機関を利用していると判断された場合に、ユーザが現在利用している交通機関から降車できる乗降地点を特定し、特定した乗降地点から許容移動距離の範囲内に存在し、かつ、ユーザが利用可能なステーションを、出発ステーション候補として探索する。これにより、第3実施形態では、ユーザが交通機関に乗車しながらユーザ端末装置400Xを用いて出発ステーションを設定する場合に、ユーザが現在利用している交通機関でそのまま移動することができ、かつ、ユーザが共用車両Vnを利用可能なステーションの情報を、ユーザに適切に提示することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
たとえば、上述した実施形態では、外部サーバが共用車両管理装置100を備える構成を例示したが、この構成に限定されず、ユーザ端末装置400Xまたは車載装置200Vnが共用車両管理装置100を備える構成としてもよい。この場合、ユーザ端末装置400Xまたは車載装置200Vnにおいて、ユーザが利用した各ステーションの利用履歴情報35を記憶するとともに、外部サーバから各ステーションのステーション情報を取得する。そして、ユーザが設定した出発ステーションまたは帰着ステーションを利用できない場合に、ユーザ端末装置400Xまたは車載装置200Vnにおいて、ユーザの利用履歴情報35に基づいて、ユーザの許容移動距離を算出し、出発ステーションまたは帰着ステーションから許容移動距離の範囲内に存在し、かつ、ユーザが利用可能なステーションを、出発ステーション候補または帰着ステーション候補として推定することができる。
また、上述した実施形態では、共用車両管理装置100の制御装置10が、各ステーションの稼働率を算出する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、共用車両管理装置100の制御装置10は、各ステーションの稼働率を含むステーション情報を、各ステーションから取得する構成とすることができる。
さらに、上述した実施形態では、共用車両Vnの利用を完了した位置から出発ステーションまでの移動距離の平均値を、許容移動距離として算出する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、帰着ステーションから目的地までの移動距離の平均値を、許容移動距離として算出する構成としてもよい。たとえば、ユーザがユーザ端末装置400Xを用いて共用車両Vnの利用予約を行い、帰着ステーションの予約処理が完了した場合に、帰着ステーションを示す情報とともにユーザが入力した目的地を示す情報を、ユーザ端末装置400Xから共用車両管理装置100に送信する。これにより、共用車両管理装置100は、帰着ステーションから目的地までの距離を算出し、算出した距離を、利用履歴情報35に含めて、データベース30に記憶することができる。そして、共用車両管理装置100の制御装置10は、ユーザが過去に帰着ステーションの予約処理を行った際の、帰着ステーションから目的地までの移動距離の平均値を、許容移動距離として推定することができる。
また、上述した第1実施形態では、ユーザが設定した出発ステーションから許容移動距離の範囲内に存在するステーションを出発ステーション候補として特定する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、ユーザの現在位置から許容移動距離の範囲内に存在するステーションを出発ステーション候補として特定する構成としてもよい。また、上述した第1実施形態では、ユーザが設定した帰着ステーションから許容移動距離の範囲内に存在するステーションを帰着ステーション候補として特定する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、ユーザの目的地から許容移動距離の範囲内に存在するステーションを帰着ステーション候補として特定する構成としてもよい。
さらに、上述した第2実施形態では、ユーザが設定した出発ステーションまたは帰着ステーションから許容移動距離の範囲内に存在するステーションに加えて、ユーザが交通機関を利用することで利用可能となるステーションを、出発ステーション候補または帰着ステーション候補として特定する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、ユーザが設定した出発ステーションまたは帰着ステーションから許容移動距離の範囲にユーザが利用可能なステーションが存在しない場合に、ユーザが交通機関を利用することで利用可能となるステーションを、出発ステーション候補または帰着ステーション候補として特定する構成としてもよい。
また、上述した第2実施形態および第3実施形態では、ユーザが利用している交通機関の乗降地点から許容移動距離の範囲内に存在するステーションを、出発ステーション候補または帰着ステーション候補として特定する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、ユーザが利用している交通機関から乗り継ぎ可能な、他の交通機関の乗降地点から許容移動距離の範囲内に存在するステーションを、出発ステーション候補または帰着ステーション候補として特定することもできる。
なお、上述した実施形態において、共用車両管理装置100の制御装置10は本発明の取得手段に、制御装置10の許容移動距離推定機能は本発明の推定手段に、制御装置10の利用可能判断機能は本発明の判断手段に、制御装置10のステーション特定機能は本発明の探索手段に、制御装置10の情報送信機能は本発明の出力手段に、制御装置10の稼働率算出機能は本発明の算出手段に、制御装置10の交通機関推測機能は本発明の推測手段に、それぞれ相当する。