JP2016200694A - 用紙加湿装置及び用紙加湿方法 - Google Patents

用紙加湿装置及び用紙加湿方法 Download PDF

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Abstract

【課題】用紙を挟持しつつ加湿する一対の高低差を有する加湿ローラを使用する際に、用紙表裏の加湿量の差を軽減する。
【解決手段】用紙を挟持しつつ加湿する一対の加湿ローラと、前記加湿ローラに水分を供給する給水部と、前記加湿ローラによる前記用紙への加湿と前記給水部による前記加湿ローラへの水分供給とを制御する制御部と、を備え、一対の前記加湿ローラのうちで上下方向で高い位置に配置されたものを第1加湿ローラ、一対の前記加湿ローラのうちで上下方向で低い位置に配置されたものを第2加湿ローラとした場合に、前記制御部は、一対の前記加湿ローラ同士の接触時間を参照し、前記給水部から前記第2加湿ローラへの第2水分供給量を前記給水部から前記第1加湿ローラへの第1水分供給量よりも減らすように制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成された用紙を加湿する用紙加湿装置とその方法とに関する。
電子写真方式の画像形成装置、すなわち、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、又は、これらの機能を有する複合機において、用紙上のトナー像を安定させるため、熱を使用した定着工程を有している。そして、この定着工程において、用紙から水分が奪われる。
この結果、用紙がカールしたり波打ち状に変形することが問題となる。また、この定着工程により、用紙がカールするだけでなく、静電気を帯びたり、熱を持ったりすることもある。そして、ジャムが発生しやすくなったり、後処理工程に悪影響を与えたりすることも問題になる。
このような問題を解決する手段として、定着処理後の用紙を加湿することが提案されている。すなわち、用紙のカール除去、除電、冷却のために、水分を含有させた加湿ローラにて用紙を挟持搬送することで、用紙を加湿している。また、このような加湿ローラの代わりに、用紙に水蒸気を噴霧する手法も存在している。
なお、この種の画像形成装置については、以下の特許文献に各種の工夫や提案がなされている。
特開2014−091605号公報 特開2012−024953号公報
以上の特許文献1では、用紙を水平方向に搬送する画像形成システム内において、用紙を水平搬送中に加湿する機構が提案されている。
ここで、上下の加湿ローラにおいて、給水部から加湿ローラまでの距離を等しく設定することで、上下の加湿ローラの水分量が等しくなるように配慮している。
しかし、本件出願の発明者らが研究したところ、上下の加湿ローラが互いに接触するタイミングにおいて、上側の加湿ローラから下側の加湿ローラに向けて、移動する水分が存在することが明らかになった。そして、上下の加湿ローラの水分量の差により、用紙上面と用紙下面との加湿量に違いが生じ、用紙のカールが発生することが確認された。
また、以上の特許文献2では、用紙を垂直に搬送する際に、左右(水平位置)に配置された加湿ローラにおいて、加湿量を調整する機構が提案されている。しかし、加湿ローラが水平方向の同じ高さに配置された場合には機能するものの、上述した水平に用紙を搬送する際の上下配置された加湿ローラに対しては適用することができない。
なお、以上の説明で、用紙を水平に搬送する際に上下に配置された一対の加湿ローラ間で移動する水分について言及しているが、一対の加湿ローラの配置について、上下方向の高さの違いが存在する場合、例えば、用紙を斜め上方または斜め下方に搬送する場合であっても、加湿ローラ間において移動する水分量が問題になってくる。なお、ローラ形状以外の加湿部材であっても、用紙を挟持しつつ加湿する一対の加湿部材において、同様に発生する問題である。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、用紙を挟持しつつ加湿する一対の高低差を有する加湿部材を使用する際に、用紙表裏の加湿量の差を軽減することが可能な用紙加湿装置と用紙加湿方法とを実現することを目的とする。
上述した課題を解決する本発明の一態様は以下の通りである。
(1)本発明の一側面が反映された用紙加湿装置は、用紙を挟持しつつ加湿する一対の加湿部材と、前記加湿部材に水分を供給する給水部と、前記加湿部材による前記用紙への加湿と前記給水部による前記加湿部材への水分供給とを制御する制御部と、を備え、一対の前記加湿部材のうちで上下方向で高い位置に配置されたものを第1加湿部材、一対の前記加湿部材のうちで上下方向で低い位置に配置されたものを第2加湿部材とした場合に、前記制御部は、一対の前記加湿部材同士の接触時間を参照し、前記給水部から前記第2加湿部材への第2水分供給量を前記給水部から前記第1加湿部材への第1水分供給量よりも減らすように制御する。
また、本発明の一側面が反映された用紙加湿方法は、用紙を挟持しつつ加湿する一対の加湿部材と、前記加湿部材に水分を供給する給水部と、前記加湿部材による前記用紙への加湿と前記給水部による前記加湿部材への水分供給とを制御する制御部と、を備えた用紙加湿装置における用紙加湿方法であって、一対の前記加湿部材のうちで上下方向で高い位置に配置されたものを第1加湿部材、一対の前記加湿部材のうちで上下方向で低い位置に配置されたものを第2加湿部材とした場合に、一対の前記加湿部材同士の接触時間を参照し、前記給水部から前記第2加湿部材への第2水分供給量を前記給水部から前記第1加湿部材への第1水分供給量よりも減らすように、前記制御部が前記給水部を制御する。
(2)上記(1)において、前記制御部は、前記第1加湿部材と前記第2加湿部材とが接触状態にあるときに前記第1加湿部材から前記第2加湿部材へ移動する水分量としての移動水分量を算出し、補正前の前記第1水分供給量に前記移動水分量を加算して補正後の前記第1水分供給量を算出し、補正前の前記第2水分供給量から前記移動水分量を減算して補正後の前記第2水分供給量を算出する。
(3)上記(2)において、前記制御部は、前記第1加湿部材と前記第2加湿部材とが接触状態にあるときに前記第1加湿部材と前記第2加湿部材とが互いに接触する圧力を参照して前記移動水分量を算出する。
(4)上記(2)〜(3)において、前記制御部は、前記第1加湿部材と前記第2加湿部材とが接触状態にあるときに前記第1加湿部材と前記第2加湿部材との接触位置での移動速度を参照して前記移動水分量を算出する。
(5)上記(2)〜(4)において、前記制御部は、前記接触時間として、前記第1加湿部材と前記第2加湿部材とが接触状態にあるときに前記用紙が前記第1加湿部材と前記第2加湿部材とに到達するまでの時間を参照して、前記移動水分量を算出する。
(6)上記(2)〜(5)において、前記制御部は、前記接触時間として、前記第1加湿部材と前記第2加湿部材とが接触状態にあるときに前記用紙と次の前記用紙との間の非通紙時間を参照して、前記移動水分量を算出する。
(7)上記(1)〜(6)において、前記第1加湿部材に対して前記給水部が給水する水を蓄積する第1貯水部と、前記第2加湿部材に対して前記給水部が給水する水を蓄積する第2貯水部と、を備えて構成され、前記給水部は、前記第1貯水部に一部が浸されると共に回転する表面を介して前記第1加湿部材に給水する第1給水ローラと、前記第2貯水部に一部が浸されると共に回転する表面を介して前記第2加湿部材に給水する第2給水ローラと、を備えて構成され、前記制御部は、前記第1給水ローラが前記第1貯水部の水面下に浸されている深さを制御することにより、前記第1水分供給量を制御し、前記第2給水ローラが前記第2貯水部の水面下に浸されている深さを制御することにより、前記第2水分供給量を制御する。
(8)上記(1)〜(7)において、前記給水部は、前記第1加湿部材に給水する第1給水ローラと、前記第2加湿部材に給水する第2給水ローラと、を備えて構成され、前記第1給水ローラと接触して前記第1給水ローラが保持する水分の一部を除去することにより、前記第1給水ローラが前記第1加湿部材に給水する水分量を調節する第1水切り部と、前記第2給水ローラと接触して前記第2給水ローラが保持する水分の一部を除去することにより、前記第2給水ローラが前記第2加湿部材に給水する水分量を調節する第2水切り部と、を備えて構成され、前記制御部は、前記第1水切り部が前記第1給水ローラに接触する際の距離または圧力を制御することにより前記第1水分供給量を制御し、前記第2水切り部が前記第2給水ローラに接触する際の距離または圧力を制御することにより前記第2水分供給量を制御する。
(9)上記(1)〜(7)において、前記制御部は、前記第1加湿部材と前記第2加湿部材とが前記用紙と接触状態にあるときに、前記用紙に対する加湿により前記第1加湿部材と前記第2加湿部材からそれぞれ減少する水分減少量を算出し、前記水分減少量を参照して前記第1水分供給量と前記第2水分供給量とを算出する。
本発明の一側面が反映された用紙加湿装置と用紙加湿方法では、以下のような効果が得られる。
(1)用紙を挟持しつつ加湿する一対の加湿部材のうちで高い位置の第1加湿部材、低い位置の第2加湿部材について、第1加湿部材と第2加湿部材との接触時間を参照し、給水部から第2加湿部材への第2水分供給量を給水部から第1加湿部材への第1水分供給量よりも減らすように制御している。
これにより、用紙を挟持しつつ加湿する一対の高低差を有する加湿部材を使用する際に、用紙表裏の加湿量の差を軽減することが可能になる。この結果、用紙上面と用紙下面との加湿量の違いに起因するカールを有効に防止することが可能になる。
(2)上記(1)において、互いの接触時において第1加湿部材から第2加湿部材へ移動する移動水分量を算出し、補正前の第1水分供給量に移動水分量を加算して補正後の第1水分供給量を算出し、補正前の第2水分供給量から移動水分量を減算して補正後の第2水分供給量を算出している。
これにより、用紙を挟持しつつ加湿する一対の高低差を有する加湿部材を使用する際に、加湿部材間における移動水分量に基づく用紙表裏の加湿量の差を、確実に軽減することが可能になる。この結果、用紙上面と用紙下面との加湿量の違いに起因するカールを有効に防止することが可能になる。
(3)上記(2)において、第1加湿部材と第2加湿部材とが接触状態にあるときに第1加湿部材と第2加湿部材とが互いに接触する圧力を参照して移動水分量を算出する。
これにより、用紙を挟持しつつ加湿する一対の高低差を有する加湿部材を使用する際に、加湿部材間における圧力に応じた移動水分量を的確に算出し、この移動水分量に基づく用紙表裏の加湿量の差を、確実に軽減することが可能になる。この結果、用紙上面と用紙下面との加湿量の違いに起因するカールを有効に防止することが可能になる。
(4)上記(2)〜(3)において、第1加湿部材と第2加湿部材とが接触状態にあるときに第1加湿部材と第2加湿部材との接触位置での移動速度を参照して移動水分量を算出する。
これにより、用紙を挟持しつつ加湿する一対の高低差を有する加湿部材を使用する際に、加湿部材の回転による表面の速度に応じた移動水分量を的確に算出し、この移動水分量に基づく用紙表裏の加湿量の差を、確実に軽減することが可能になる。この結果、用紙上面と用紙下面との加湿量の違いに起因するカールを有効に防止することが可能になる。
(5)上記(2)〜(4)において、接触時間として、第1加湿部材と第2加湿部材とが接触状態にあるときに用紙が第1加湿部材と第2加湿部材とに到達するまでの時間を参照して、移動水分量を算出する。
これにより、用紙を挟持しつつ加湿する一対の高低差を有する加湿部材を使用する際に、加湿部材間における用紙到達までの移動水分量を的確に算出し、この移動水分量に基づく用紙表裏の加湿量の差を、確実に軽減することが可能になる。この結果、用紙上面と用紙下面との加湿量の違いに起因するカールを有効に防止することが可能になる。
(6)上記(2)〜(5)において、接触時間として、第1加湿部材と第2加湿部材とが接触状態にあるときに用紙と次の用紙との間の非通紙時間を参照して、移動水分量を算出する。
これにより、用紙を挟持しつつ加湿する一対の高低差を有する加湿部材を使用する際に、加湿部材間における非通紙時間における移動水分量を的確に算出し、この移動水分量に基づく用紙表裏の加湿量の差を、確実に軽減することが可能になる。この結果、用紙上面と用紙下面との加湿量の違いに起因するカールを有効に防止することが可能になる。
(7)上記(1)〜(6)において、第1給水ローラが第1貯水部の水面下に浸されている深さを制御することにより、第1水分供給量を制御し、第2給水ローラが第2貯水部の水面下に浸されている深さを制御することにより、第2水分供給量を制御している。
これにより、用紙を挟持しつつ加湿する一対の高低差を有する加湿部材を使用する際に、第1水分供給量と第2水分供給量のそれぞれを適切に制御して、用紙表裏の加湿量の差を軽減することが可能になる。この結果、用紙上面と用紙下面との加湿量の違いに起因するカールを有効に防止することが可能になる。
(8)上記(1)〜(7)において、第1水切り部により給水時の水分を一部除去しつつ第1水分供給量を制御し、第2水切り部により給水時の水分を一部除去しつつ第2水分供給量を制御している。
これにより、用紙を挟持しつつ加湿する一対の高低差を有する加湿部材を使用する際に、給水時の水分を一部除去しつつ第1水分供給量と第2水分供給量のそれぞれを適切に制御して、用紙表裏の加湿量の差を軽減することが可能になる。この結果、用紙上面と用紙下面との加湿量の違いに起因するカールを有効に防止することが可能になる。
(9)上記(1)〜(7)において、第1加湿部材と第2加湿部材とが用紙と接触状態にあるときに、用紙に対する加湿により第1加湿部材と第2加湿部材からそれぞれ減少する水分減少量を算出し、水分減少量を参照して第1水分供給量と第2水分供給量とを算出する。
これにより、用紙を挟持しつつ加湿する一対の高低差を有する加湿部材を使用する際に、加湿部材が用紙を加湿することにより加湿部材から奪われる水分量を考慮し、第1水分供給量と第2水分供給量のそれぞれを適切に制御して、用紙表裏の加湿量の差を軽減することが可能になる。この結果、用紙上面と用紙下面との加湿量の違いに起因するカールを有効に防止することが可能になる。
本発明の実施形態の用紙加湿装置の構成を示す構成図である。 本発明の実施形態の用紙加湿装置の構成を示す構成図である。 本発明の実施形態の用紙加湿装置の構成を示す構成図である。 本発明の実施形態の用紙加湿装置の構成を示す構成図である。 本発明の実施形態の画像形成の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の画像形成の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の用紙加湿装置の動作決定を示す説明図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態(以下、実施形態)を詳細に説明する。ここでは、用紙加湿装置200を含む画像形成システム1を参照して実施形態を詳細に説明する。
〔画像形成システム及び用紙加湿装置の構成〕
図1〜図4を参照して、本実施の形態に係る用紙加湿装置200を含む画像形成システム1の構成について説明する。
図1〜図2に示すように、この画像形成システム1は、給紙装置50と、画像形成装置100と、用紙加湿装置200と、後処理装置300と、を有して構成されている。
給紙装置50は、制御部51と、通信部52と、給紙部55と、を有して構成されている。ここで、制御部51は、給紙に関する制御を行う。通信部52は、他の装置と通信する。給紙部55は、制御部51の制御に従って、用紙を画像形成装置100に向けて給紙する。
画像形成装置100は、制御部101と、通信部102と、操作表示部103と、記憶部104と、給紙部105と、搬送部110と、原稿読込部120と、画像データ記憶部130と、画像処理部140と、画像形成部150と、定着部160と、を備えて構成されている。なお、画像形成装置100で画像形成された用紙は、後段の装置に向けて搬出される。
ここで、制御部101は、画像形成装置100内の各部を制御すると共に、画像形成システム全体を制御する。通信部102は、接続されている他の装置と通信する。操作表示部103は、操作者による操作入力に応じた操作入力信号を制御部101に通知すると共に、画像形成装置100の状態表示や報知や警告を行う。記憶部104は、制御プログラム及び各種設定データを記憶すると共に、制御プログラムのワークエリアとして使用される。給紙部105は、収容されている用紙を画像形成部150に向けて給紙する。搬送部110は、給紙され画像形成される用紙を所定速度で搬送する。原稿読込部120は、原稿をスキャンして画像データを生成する。画像データ記憶部130は、画像形成する際の画像データや各種データを記憶する。画像処理部140は、画像形成に必要な各種画像処理を実行する。画像形成部150は、画像形成命令と画像処理後の画像データとに基づいて、作像・転写・定着により印刷(以下、「画像形成」と言う)を実行する。定着部160は、用紙上に転写された画像を熱と圧力とにより安定させる。
用紙加湿装置200は、画像形成装置100の後の位置に設けられており、制御部201と、通信部202と、搬送部210と、加湿部220と、を備えて構成される。なお、用紙加湿装置200内を搬送された用紙は、後段の後処理装置300に向けて搬出される。なお、ここで、用紙加湿装置200は画像形成装置100の下流側に独立した装置として配置されているが、画像形成装置100の内部に配置されても良いし、後述する後処理装置300の内部に配置されても良い。
ここで、制御部201は、用紙加湿装置200の各部を制御する。通信部202は、接続されている他の装置と通信する。搬送部210は、画像形成装置100からの画像形成された用紙を所定速度で水平方向に搬送する。加湿部220は、制御部201の制御に従って、水平方向に搬送される用紙に対して、加湿を行う。
後処理装置300は、画像形成装置100や用紙加湿装置200の後の位置に設けられており、制御部301と、通信部302と、後処理部320と、排出部390と、を備えて構成される。ここで、制御部301は、後処理装置300の各部を制御する。通信部302は、接続されている他の装置と通信する。後処理部320は、用紙に各種の後処理を施す。排出部390は、用紙を所定の排出口に排出する。
なお、以上の給紙装置50、画像形成装置100、用紙加湿装置200、後処理装置300内の各機能、各構成要素や接続配置(図1〜図2参照)は一例であって、これらに限定されるものではない。
ここで、用紙加湿装置200の主要部である加湿部220は、一例として、図3のように構成されている。ここでは、用紙は水平方向に搬送され、その用紙の上下に一対の加湿ローラが配置されている。なお、用紙の上側には第1加湿ローラ225aが配置され、用紙の下側には第2加湿ローラ225bが配置されている。
なお、この実施形態では、第1加湿ローラ225aと第2加湿ローラ225bとを加湿部材の具体例にして説明する。但し、ローラ形状以外の加湿部材であっても、用紙を挟持しつつ加湿する一対の加湿部材を使用することが可能である。
ここで、第1貯水部222aは、用紙上側から加湿する際に使用される水Wを蓄積する水槽である。第1給水ローラ223a1は第1貯水部222aに一部が浸された状態で水をくみ上げる。第1給水ローラ223a2は、第1給水ローラ223a1と接することで、第1給水ローラ223a1で第1貯水部222aからくみ上げられた水を中継して第1加湿ローラ225aに供給する。第1加湿ローラ225aは、第1給水ローラ223a1と第1給水ローラ223a2とを介して第1貯水部222aから供給された水を用いて、用紙上面から加湿を行う。
また、第2貯水部222bは、用紙下側から加湿する際に使用される水Wを蓄積する水槽である。第2給水ローラ223b1は第2貯水部222bに一部が浸された状態で水をくみ上げる。第2給水ローラ223b2は、第2給水ローラ223b1と接することで、第2給水ローラ223b1で第2貯水部222bからくみ上げられた水を中継して第2加湿ローラ225bに供給する。第2加湿ローラ225bは、第2給水ローラ223b1と第2給水ローラ223b2とを介して第2貯水部222bから供給された水を用いて、用紙下面から加湿を行う。
また、第1給水ローラ223a1が第1貯水部222aに浸されている水面からの深さ、第2給水ローラ223b1が第2貯水部222bに浸されている水面からの深さ、についてはそれぞれ独立して調整が可能である。ここで、第1給水ローラ223a1が第1貯水部222aに浸されている水面からの深さの調整により、第1水分供給量が制御される。同様に、第2給水ローラ223b1が第2貯水部222bに浸されている水面からの深さの調整により、第2水分供給量が制御される。
また、第1水切り部としての第1水切りローラ224aは、第1給水ローラ223a2と接触して、第1給水ローラ223a2が表面に保持する水分の一部を除去する。このように水分の一部を除去することによる水分除去量により、第1加湿ローラ225aに給水する水分量を調節する。また、第2水切り部としての第2水切りローラ224bは、第2給水ローラ223b2と接触して、第2給水ローラ223b2が表面に保持する水分の一部を除去する。このように水分の一部を除去することによる水分除去量により、第2加湿ローラ225bに給水する水分量を調節する。なお、ここで第1水切り部と第2水切り部としてローラ形式のものを示したが、水分を除去するブレード、水分を吹き飛ばす空気噴出部など、どのような形式であっても良い。
また、第1水切りローラ224a1が第1給水ローラ223a2に接触する際の圧力または距離、第2水切りローラ224b1が第2給水ローラ223b2に接触する際の圧力または距離、についてはそれぞれ独立して調整が可能である。ここで、第1水切りローラ224a1が第1給水ローラ223a2に接触する際の圧力または距離の調整により、第1水分供給量が制御される。同様に、第2水切りローラ224b1が第2給水ローラ223b2に接触する際の圧力または距離の調整により、第2水分供給量が制御される。
なお、図2と図3では用紙を水平に搬送する場合に第1加湿ローラと第2加湿ローラとが、上下(垂直)方向に高低差を有する状態で配置されている状態(図4(a)参照)を示しているが、これに限定されるものではない。例えば、図4(b)のように、用紙を斜め上方や斜め下方に配置するために、第1加湿ローラと第2加湿ローラとが垂直方向と水平方向の両方にずれて高低差を有する状態であっても構わない。いずれの場合にも、上側の第1加湿ローラ225aから下側の第2加湿ローラ225bに対して水分移動が発生することになる。なお、高低差を有するとは、1対のローラの中心軸の位置が水平面に揃っていない状態を意味している。
〔全体動作〕
以下、図5のフローチャートを用いて用紙加湿装置及び用紙加湿方法についての動作説明を行う。
画像形成装置100において画像形成の指示がなされると、制御部101は画像形成条件と用紙情報とを制御部201に通知する。すなわち、制御部201は、制御部101から画像形成条件と用紙情報とを取得する(図5中のステップS101)。この場合、用紙厚、用紙サイズ、用紙搬送速度、通紙時間と非通紙時間、定着温度などが制御部101から制御部201に通知される。
制御部201は、用紙加湿装置200内の加湿部220の各部の状態を取得する(図5中のステップS102)。ここでは、第1給水ローラ223a1が第1貯水部222aに浸されている水面からの深さ、第2給水ローラ223b1が第1貯水部222bに浸されている水面からの深さ、第1加湿ローラ225aと第2加湿ローラ225bの接触圧力、第1加湿ローラ225aと第2加湿ローラ225bとが接触状態にあるときの接触位置での移動速度(回転表面速度)、第1水切りローラ224a1が第1給水ローラ223a2に接触する際の圧力または距離、第2水切りローラ224b1が第2給水ローラ223b2に接触する際の圧力または距離、などの初期値や調整範囲のデータを取得する。なお、これらのデータは、各部から直接取得しても良いし、図示されない記憶部に格納されているデータを用いても良い。
そして、制御部201は、画像形成が開始された時点から、第1加湿ローラ225aと第2加湿ローラ225bとが通紙されていない状態での接触状態にある時間(接触時間)を算出する(図5中のステップS103)。この接触時間は、画像形成開始から最初の用紙が到達するまでの時間、及び、通紙と通紙の間の非通紙時間が該当する。
ここで、制御部201は、第1加湿ローラ225aと第2加湿ローラ225bとが接触状態であるときに、第1加湿ローラ225aから第2加湿ローラ225bへ重力に従って移動する水分量としての移動水分量を算出する(図5中のステップS104)。
ここで、移動水分量について、図7を参照して説明する。この移動水分量については、図7に示す通り、第1加湿ローラ225aと第2加湿ローラ225bとの接触時間に比例し、第1加湿ローラ225aと第2加湿ローラ225bとの接触圧力に比例し、第1加湿ローラ225aと第2加湿ローラ225bとの接触時の回転表面速度に比例する。
また、この移動水分量については、第1給水ローラ223a1や第2給水ローラ223b1の浸水状況(浸されている水面からの深さ)に比例する。なお、第1給水ローラ223a1や第2給水ローラ223b1の浸水状況(浸されている水面からの深さ)は、移動水分量だけでなく、それぞれ第1水分供給量や第2水分供給量にも比例する。
また、この移動水分量については、第1水切りローラ224a1と第1加湿ローラ225aの接触圧力や第2水切りローラ224b1と第2加湿ローラ225bの接触圧力に反比例又は逆比例する。すなわち、水切りローラの接触圧力は水分除去量に比例しているため、移動水分量と水分供給量とは反比例又は逆比例することになる。
なお、通紙時における第1第1加湿ローラ225aと第2加湿ローラ225bによる用紙への加湿量は、第1加湿ローラ225aと第2加湿ローラ225b間に用紙が存在するため移動水分量に影響を与えない。
但し、通紙時における第1第1加湿ローラ225aと第2加湿ローラ225bによる用紙への加湿量は、第1加湿ローラ225aと第2加湿ローラ225bから水分を除去することから、水分除去量(水分減少量)とは反比例又は逆比例することになる。
ここで、以上のように算出した移動水分量をWV_move とする。また、以上の移動水分量をWV_move の影響を考慮しない状態の、第1給水ローラ223a2から第1加湿ローラ225aへの補正前の第1水分供給量をWV_supply_1_org、第2給水ローラ223b2から第2加湿ローラ225bへの補正前の第2水分供給量をWV_supply_2_org、とする。
また、移動水分量をWV_move の影響を考慮して補正した状態での、第1給水ローラ223a2から第1加湿ローラ225aへの補正後の第1水分供給量をWV_supply_1_mod、第2給水ローラ223b2から第2加湿ローラ225bへの補正後の第2水分供給量をWV_supply_2_mod、とする。
ここで、水分供給量の補正に関しては、以下のようにする。
第1給水ローラ223a2から第1加湿ローラ225aへの補正前の第1水分供給量をWV_supply_1_orgと設定しているが、移動水分量WV_move が第2加湿ローラ225bへ流出してしまっている。すなわち、移動水分量WV_move を考慮した場合の、第1給水ローラ223a2から第1加湿ローラ225aへの補正前の第1水分供給量WV_supply_1_orgによる実質的な第1水分供給量WV_supply_1_actは、
WV_supply_1_act = WV_supply_1_org - WV_move で表すことができる。そこで、移動水分量をWV_move の影響を考慮して補正した後の第1水分供給量をWV_supply_1_modとして、補正前の第1水分供給量をWV_supply_1_orgに移動水分量WV_move を加えたものにする。すなわち、補正後の第1水分供給量を、WV_supply_1_mod = WV_supply_1_org + WV_move とする(図5中のステップS105)。
一方、第2給水ローラ223b2から第2加湿ローラ225bへの補正前の第1水分供給量をWV_supply_2_orgと設定しているが、移動水分量WV_move が第2加湿ローラ225bに加わっている。すなわち、移動水分量WV_move を考慮した場合の、第2給水ローラ223b2から第2加湿ローラ225bへの補正前の第2水分供給量WV_supply_2_orgによる実質的な第2水分供給量WV_supply_2_actは、
WV_supply_2_act = WV_supply_2_org + WV_move で表すことができる。そこで、移動水分量をWV_move の影響を考慮して補正した後の第2水分供給量をWV_supply_2_modとして、補正前の第2水分供給量をWV_supply_2_orgに移動水分量WV_move を加えたものにする。すなわち、補正後の第2水分供給量を、WV_supply_2_mod = WV_supply_2_org - WV_move とする(図5中のステップS105)。
ここで、制御部201は、以上のようにして算出した補正後の第1水分供給量WV_supply_1_modと第2水分供給量WV_supply_2_modを満足するように、非通紙時の第1加湿ローラ225aと第2加湿ローラ225bとの接触圧力、非通紙時の第1加湿ローラ225aと第2加湿ローラ225bとの回転表面速度、第1給水ローラ223a1や第2給水ローラ223b1の浸水状況、第1水切りローラ224a1と第1加湿ローラ225aの接触圧力や第2水切りローラ224b1と第2加湿ローラ225bの接触圧力、などのパラメータを算出する(図5中のステップS106)。なお、非通紙時であれば、第1加湿ローラ225aと第2加湿ローラ225bとの接触圧力、第1加湿ローラ225aと第2加湿ローラ225bとの回転表面速度、などを通紙時とは別に自由に調整することも可能である。また、このパラメータの算出の際に、第1加湿ローラ225aと第2加湿ローラ225bから用紙への加湿量も、第1加湿ローラ225aと第2加湿ローラ225bから水分が減少することに影響を与えるため、この水分減少量をパラメータとして考慮に入れることが望ましい。
そして、以上のように各部のパラメータを算出した場合、制御部201は、それらのパラメータを適用して加湿部220を動作させた場合に、移動水分量WV_move の影響が解消されて、WV_supply_1_mod = WV_supply_2_modになっているか否かを確認する(図5中のステップS107)。
なお、移動水分量WV_move の影響が残っていて、WV_supply_1_modとWV_supply_2_modとの差が解消されていないと判断される場合(図5中のステップS107でNO)、制御部201は、以上の第1水分供給量WV_supply_1_modと第2水分供給量WV_supply_2_modの算出(図5中のステップS105)と、加湿部220の各種パラメータ算出する(図5中のステップS106)とを繰り返す。
なお、このような第1水分供給量WV_supply_1_modと第2水分供給量WV_supply_2_modを実現するために、各種ローラの接触圧力や回転表面速度などを通紙時と非通紙時で変更することも可能である。
そして、以上のように算出した加湿部220のパラメータを適用して加湿部220を動作させた場合に、移動水分量WV_move の影響が解消されて、WV_supply_1_mod = WV_supply_2_modになっていると確認できた場合(図5中のステップS107でYES)、制御部201は、そのパラメータを加湿部220の各部にセットする(図5中のステップS108)。
この状態で、画像形成装置100における画像形成の実行(図5中のステップS109)、画像形成装置100から用紙加湿装置200に搬送されてきた用紙に対する加湿部220による加湿実行(図5中のステップS110)を、実行すべきジョブの全ての用紙について繰り返し実行する(図5中のステップS111)。
〔処理の変形例〕
また、以上の移動水分量WV_move を考慮した処理(図5中のステップS104〜S107)として、以下のような処理の変形例も可能である。
制御部201は、まず、第1加湿ローラ225aと第2加湿ローラ225bとが接触状態であるときに、第1加湿ローラ225aから第2加湿ローラ225bへ重力に従って移動する水分量としての移動水分量WV_move を算出する。
そして、制御部201は、以上の移動水分量WV_move ができるだけ小さくなるように、非通紙時の第1加湿ローラ225aと第2加湿ローラ225bとの接触圧力、非通紙時の第1加湿ローラ225aと第2加湿ローラ225bとの回転表面速度、非通紙時の第1給水ローラ223a1や第2給水ローラ223b1の浸水状況、非通紙時の第1水切りローラ224a1と第1加湿ローラ225aの接触圧力や第2水切りローラ224b1と第2加湿ローラ225bの接触圧力、などのパラメータを調整し、補正後の移動水分量WV_move_mod を算出する。
そして、このようにして、できだけ小さくなるように調整した補正後の移動水分量WV_move_modを用いて、補正後の第1水分供給量を、WV_supply_1_mod = WV_supply_1_org + WV_move_mod とすると共に、補正後の第2水分供給量を、WV_supply_2_mod = WV_supply_2_org - WV_move_mod とする。
そして、このようにして、できだけ小さくなるように調整した補正後の移動水分量WV_move_modを用いて、補正後の第1水分供給量を、WV_supply_1_mod = WV_supply_1_org + WV_move_mod とすると共に、補正後の第2水分供給量を、WV_supply_2_mod = WV_supply_2_org - WV_move_mod とする。
そして、制御部201は、以上のようにして算出した補正後の第1水分供給量WV_supply_1_modと第2水分供給量WV_supply_2_modを満足するように各種パラメータを算出する。
〔詳細動作〕
以下、図6のフローチャートを用いて用紙加湿装置200における及び用紙加湿方法(図5中のステップS110)についての詳細な動作説明を行う。
まず、制御部201は、加湿条件として用紙加湿について算出されてセットされた各種のパラメータ(図5中のステップS106〜108)を参照する(図6中のステップS201)。
このパラメータは、既に説明したように、移動水分量WV_move の影響による上下の第1加湿ローラ225aと第2加湿ローラ225bとの水分量の差が出ないように配慮された第1水分供給量WV_supply_1_modと第2水分供給量WV_supply_2_modを実現するための、加湿部220の各部のパラメータである。
なお、制御部201は、以上のような第1水分供給量WV_supply_1_modと第2水分供給量WV_supply_2_modを実現するために、各種パラメータとして、各種ローラの接触圧力や回転表面速度などを通紙時と非通紙時で変更しているか否かを確認する(図6中のステップS202)。
通紙時と非通紙時で同じパラメータがセットされている場合(図6中のステップS202でNO)に制御部201は、通紙時と非通紙時で同じパラメータに基づいて加湿部220を制御する(図6中のステップS203)。
一方、通紙時と非通紙時で異なるパラメータがセットされている場合(図6中のステップS202でYES)に制御部201は、第1加湿ローラ225aと第2加湿ローラ225bとの間に用紙が存在するか否かを判定する。
この用紙の存在の確認には、第1加湿ローラ225aと第2加湿ローラ225の挟持位置にセンサを設けても良いが、挟持位置よりも上流側のいずれかの位置に配置された用紙検知センサと、用紙検知センサから第1加湿ローラ225aと第2加湿ローラ225bまでの距離と、その際の搬送速度とから計算により判定を行うことが可能である。
ここで、通紙時と非通紙時で異なるパラメータがセットされている場合(図6中のステップS202でYES)であって、第1加湿ローラ225aと第2加湿ローラ225bとの間に用紙が存在しない場合(図6中のステップS204でYES)に制御部201は、非通紙時のために設定されたパラメータに基づいて給水を行うように加湿部220の各部を制御する(図6中のステップS205)。
なお、この非通紙時とは、画像形成が開始されてから1枚目の用紙が到達する前、及び、画像形成中の用紙間、が該当する。
一方、通紙時と非通紙時で異なるパラメータがセットされている場合(図6中のステップS202でYES)であって、第1加湿ローラ225aと第2加湿ローラ225bとの間に用紙が存在する場合(図6中のステップS206でYES)に制御部201は、通紙時のために設定されたパラメータに基づいて給水と用紙加湿とを行うように加湿部220の各部を制御する(図6中のステップS207)。
このようにして、画像形成装置100から用紙加湿装置200に搬送されてきた用紙に対する加湿部220による加湿実行を、実行すべきジョブの全ての用紙について繰り返し実行する(図6中のステップS208)。
〔その他の実施形態〕
以上の実施形態において、用紙加湿装置200は画像形成装置の下流に接続されているが、このような構成に限定されず、画像形成装置100内、後処理装置300内に配置されていても良い。また、図示されない他の中間反転装置などに内蔵されていても良い。
また、以上の実施形態において、各種ローラ間の圧力として説明していた部分について、ローラの材質によっては、圧力の代わりにローラ間距離として調整することも可能である。
以上の実施形態では、加湿部材としての一対の加湿ローラによって用紙面への加湿及び搬送を行っているが、加湿ローラが加湿及び搬送の両機能をもつものに限られない。例えば、用紙の搬送用のローラと、これとは別に、用紙面への加湿を行うための一対の加湿ローラ(加湿部材)とを備える構成であってもよい。この場合であっても、以上の実施形態の効果を享受できる。
同様に、以上の場合に、用紙の搬送用のローラと、これとは別に、用紙面への加湿を行うためのローラ形状以外の一対の加湿部材とを備える構成であってもよい。この場合であっても、以上の実施形態の効果を享受できる。
〔実施形態により得られる効果〕
以上の実施形態が反映された用紙加湿装置と用紙加湿方法では、以下のような効果が得られる。
(1)用紙を挟持しつつ加湿する一対の加湿ローラのうちで高い位置の第1加湿ローラ、低い位置の第2加湿ローラについて、第1加湿ローラと第2加湿ローラとの接触時間を参照し、給水部から第2加湿ローラへの第2水分供給量を給水部から第1加湿ローラへの第1水分供給量よりも減らすように制御することで、用紙を挟持しつつ加湿する一対の高低差を有する加湿ローラを使用する際に、用紙表裏の加湿量の差を軽減することが可能になる。この結果、用紙上面と用紙下面との加湿量の違いに起因するカールを有効に防止することが可能になる。
(2)上記(1)において、互いの接触時において第1加湿ローラから第2加湿ローラへ移動する移動水分量を算出し、補正前の第1加湿ローラへの第1水分供給量に移動水分量を加算して補正後の第1水分供給量を算出し、補正前の第2加湿ローラへの第1水分供給量から移動水分量を減算して補正後の第2水分供給量を算出することにより、用紙を挟持しつつ加湿する一対の高低差を有する加湿ローラを使用する際に、加湿ローラ間における移動水分量に基づく用紙表裏の加湿量の差を、確実に軽減することが可能になる。この結果、用紙上面と用紙下面との加湿量の違いに起因するカールを有効に防止することが可能になる。
(3)上記(2)において、第1加湿ローラと第2加湿ローラとが接触状態にあるときに第1加湿ローラと第2加湿ローラとが互いに接触する圧力を参照して移動水分量を算出することにより、用紙を挟持しつつ加湿する一対の高低差を有する加湿ローラを使用する際に、加湿ローラ間における圧力に応じた移動水分量を的確に算出し、この移動水分量に基づく用紙表裏の加湿量の差を、確実に軽減することが可能になる。この結果、用紙上面と用紙下面との加湿量の違いに起因するカールを有効に防止することが可能になる。
(4)上記(2)〜(3)において、第1加湿ローラと第2加湿ローラとが接触状態にあるときに第1加湿ローラと第2加湿ローラとの接触位置での移動速度を参照して移動水分量を算出することにより、用紙を挟持しつつ加湿する一対の高低差を有する加湿ローラを使用する際に、加湿ローラの回転による表面の速度に応じた移動水分量を的確に算出し、この移動水分量に基づく用紙表裏の加湿量の差を、確実に軽減することが可能になる。この結果、用紙上面と用紙下面との加湿量の違いに起因するカールを有効に防止することが可能になる。
(5)上記(2)〜(4)において、接触時間として、第1加湿ローラと第2加湿ローラとが接触状態にあるときに用紙が第1加湿ローラと第2加湿ローラとに到達するまでの時間を参照して、移動水分量を算出することにより、用紙を挟持しつつ加湿する一対の高低差を有する加湿ローラを使用する際に、加湿ローラ間における用紙到達までの移動水分量を的確に算出し、この移動水分量に基づく用紙表裏の加湿量の差を、確実に軽減することが可能になる。この結果、用紙上面と用紙下面との加湿量の違いに起因するカールを有効に防止することが可能になる。
(6)上記(2)〜(5)において、接触時間として、第1加湿ローラと第2加湿ローラとが接触状態にあるときに用紙と次の用紙との間の非通紙時間を参照して、移動水分量を算出することにより、用紙を挟持しつつ加湿する一対の高低差を有する加湿ローラを使用する際に、加湿ローラ間における非通紙時間における移動水分量を的確に算出し、この移動水分量に基づく用紙表裏の加湿量の差を、確実に軽減することが可能になる。この結果、用紙上面と用紙下面との加湿量の違いに起因するカールを有効に防止することが可能になる。
(7)上記(1)〜(6)において、第1給水ローラが第1貯水部の水面下に浸されている深さを制御することにより、第1水分供給量を制御し、第2給水ローラが第2貯水部の水面下に浸されている深さを制御することにより、第2水分供給量を制御していることにより、用紙を挟持しつつ加湿する一対の高低差を有する加湿ローラを使用する際に、第1水分供給量と第2水分供給量のそれぞれを適切に制御して、用紙表裏の加湿量の差を軽減することが可能になる。この結果、用紙上面と用紙下面との加湿量の違いに起因するカールを有効に防止することが可能になる。
(8)上記(1)〜(7)において、第1水切り部により給水時の水分を一部除去しつつ第1水分供給量を制御し、第2水切り部により給水時の水分を一部除去しつつ第2水分供給量を制御していることにより、用紙を挟持しつつ加湿する一対の高低差を有する加湿ローラを使用する際に、給水時の水分を一部除去しつつ第1水分供給量と第2水分供給量のそれぞれを適切に制御して、用紙表裏の加湿量の差を軽減することが可能になる。この結果、用紙上面と用紙下面との加湿量の違いに起因するカールを有効に防止することが可能になる。
(9)上記(1)〜(7)において、第1加湿ローラと第2加湿ローラとが用紙と接触状態にあるときに、用紙に対する加湿により第1加湿ローラと第2加湿ローラからそれぞれ減少する水分減少量を算出し、水分減少量を参照して第1水分供給量と第2水分供給量とを算出することにより、用紙を挟持しつつ加湿する一対の高低差を有する加湿ローラを使用する際に、加湿ローラが用紙を加湿することにより加湿ローラから奪われる水分量を考慮し、第1水分供給量と第2水分供給量のそれぞれを適切に制御して、用紙表裏の加湿量の差を軽減することが可能になる。この結果、用紙上面と用紙下面との加湿量の違いに起因するカールを有効に防止することが可能になる。
100 画像形成装置
200 用紙加湿装置
220 加湿部
300 後処理装置

Claims (11)

  1. 用紙を挟持しつつ加湿する一対の加湿部材と、
    前記加湿部材に水分を供給する給水部と、
    前記加湿部材による前記用紙への加湿と前記給水部による前記加湿部材への水分供給とを制御する制御部と、を備え、
    一対の前記加湿部材のうちで上下方向で高い位置に配置されたものを第1加湿部材、一対の前記加湿部材のうちで上下方向で低い位置に配置されたものを第2加湿部材とした場合に、
    前記制御部は、一対の前記加湿部材同士の接触時間を参照し、前記給水部から前記第2加湿部材への第2水分供給量を前記給水部から前記第1加湿部材への第1水分供給量よりも減らすように制御する、
    ことを特徴とする用紙加湿装置。
  2. 前記制御部は、
    前記第1加湿部材と前記第2加湿部材とが接触状態にあるときに前記第1加湿部材から前記第2加湿部材へ移動する水分量としての移動水分量を算出し、
    補正前の前記第1水分供給量に前記移動水分量を加算して補正後の前記第1水分供給量を算出し、
    補正前の前記第2水分供給量から前記移動水分量を減算して補正後の前記第2水分供給量を算出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の用紙加湿装置。
  3. 前記制御部は、前記第1加湿部材と前記第2加湿部材とが接触状態にあるときに前記第1加湿部材と前記第2加湿部材とが互いに接触する圧力を参照して前記移動水分量を算出する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の用紙加湿装置。
  4. 前記制御部は、前記第1加湿部材と前記第2加湿部材とが接触状態にあるときに前記第1加湿部材と前記第2加湿部材との接触位置での移動速度を参照して前記移動水分量を算出する、
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項3のいずれか一項に記載の用紙加湿装置。
  5. 前記制御部は、前記接触時間として、前記第1加湿部材と前記第2加湿部材とが接触状態にあるときに前記用紙が前記第1加湿部材と前記第2加湿部材とに到達するまでの時間を参照して、前記移動水分量を算出する、
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の用紙加湿装置。
  6. 前記制御部は、前記接触時間として、前記第1加湿部材と前記第2加湿部材とが接触状態にあるときに前記用紙と次の前記用紙との間の非通紙時間を参照して、前記移動水分量を算出する、
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか一項に記載の用紙加湿装置。
  7. 前記第1加湿部材に対して前記給水部が給水する水を蓄積する第1貯水部と、
    前記第2加湿部材に対して前記給水部が給水する水を蓄積する第2貯水部と、
    を備えて構成され、
    前記給水部は、
    前記第1貯水部に一部が浸されると共に回転する表面を介して前記第1加湿部材に給水する第1給水ローラと、
    前記第2貯水部に一部が浸されると共に回転する表面を介して前記第2加湿部材に給水する第2給水ローラと、
    を備えて構成され、
    前記制御部は、
    前記第1給水ローラが前記第1貯水部の水面下に浸されている深さを制御することにより、前記第1水分供給量を制御し、
    前記第2給水ローラが前記第2貯水部の水面下に浸されている深さを制御することにより、前記第2水分供給量を制御する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の用紙加湿装置。
  8. 前記給水部は、前記第1加湿部材に給水する第1給水ローラと、前記第2加湿部材に給水する第2給水ローラと、を備えて構成され、
    前記第1給水ローラと接触して前記第1給水ローラが保持する水分の一部を除去することにより、前記第1給水ローラが前記第1加湿部材に給水する水分量を調節する第1水切り部と、
    前記第2給水ローラと接触して前記第2給水ローラが保持する水分の一部を除去することにより、前記第2給水ローラが前記第2加湿部材に給水する水分量を調節する第2水切り部と、
    を備えて構成され、
    前記制御部は、
    前記第1水切り部が前記第1給水ローラに接触する際の距離または圧力を制御することにより前記第1水分供給量を制御し、
    前記第2水切り部が前記第2給水ローラに接触する際の距離または圧力を制御することにより前記第2水分供給量を制御する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の用紙加湿装置。
  9. 前記制御部は、
    前記第1加湿部材と前記第2加湿部材とが前記用紙と接触状態にあるときに、前記用紙に対する加湿により前記第1加湿部材と前記第2加湿部材からそれぞれ減少する水分減少量を算出し、
    前記水分減少量を参照して前記第1水分供給量と前記第2水分供給量とを算出する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の用紙加湿装置。
  10. 用紙を挟持しつつ加湿する一対の加湿部材と、前記加湿部材に水分を供給する給水部と、前記加湿部材による前記用紙への加湿と前記給水部による前記加湿部材への水分供給とを制御する制御部と、を備えた用紙加湿装置における用紙加湿方法であって、
    一対の前記加湿部材のうちで上下方向で高い位置に配置されたものを第1加湿部材、一対の前記加湿部材のうちで上下方向で低い位置に配置されたものを第2加湿部材とした場合に、
    一対の前記加湿部材同士の接触時間を参照し、前記給水部から前記第2加湿部材への第2水分供給量を前記給水部から前記第1加湿部材への第1水分供給量よりも減らすように、前記制御部が前記給水部を制御する、
    ことを特徴とする用紙加湿方法。
  11. 前記第1加湿部材と前記第2加湿部材とが接触状態にあるときに前記第1加湿部材から前記第2加湿部材へ移動する水分量としての移動水分量を算出し、
    補正前の前記第1水分供給量に前記移動水分量を加算して補正後の前記第1水分供給量を算出し、
    補正前の前記第2水分供給量から前記移動水分量を減算して補正後の前記第2水分供給量を算出する、
    ことを特徴とする請求項10に記載の用紙加湿方法。
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