JP2016199883A - 建具 - Google Patents

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祐輔 眞岩
Yusuke Maiwa
祐輔 眞岩
健司 平山
Kenji Hirayama
健司 平山
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Abstract

【課題】火災時に戸体上部まわりの隙間を塞ぐことができるとともに、戸体が倒れることを防止できる建具を提供すること。【解決手段】引戸1では、上枠11に上レール31が設けられ、戸体20に樹脂製ローラー33が設けられる。上レール31には、垂下片部352を有した外れ止め金具35が取り付けられる。戸体20の上縁部には、垂下片部352よりも屋内側であって上端が垂下片部352の下端よりも上方に位置する立上り片部412を有した倒れ防止金具41が取り付けられる。垂下片部352の下端および立上り片部412の上端間の間隔は、戸体20および下枠12間の間隔よりも大きく設定される。立上り片部412の屋内面には、加熱発泡材42Aが設けられる。【選択図】図2

Description

本発明は、枠体および戸体間で遮炎する建具に関する。
従来、建具として、戸枠ユニットと、戸枠ユニットにスライド自在に取り付けられた戸体(戸本体)とを備える引戸装置に対し、戸体の上縁部に対向する戸枠ユニットの位置に加熱発泡材を設けた防火構造を備える引戸装置が提案されている(特許文献1参照)。戸体は、不燃性の表面パネルを備えた防火戸として構成されている。
戸枠ユニットの上部には固定レールが内装されており、この固定レールに対してボール等の転動部材を介して可動レールがスライド可能に係合されており、この可動レールにドアハンガーが設けられている。戸体の上端面には吊持部材が突設されており、この吊持部材はドアハンガーに係止されている。従って、戸体は、吊持部材およびドアハンガーを介して可動レールに吊持(上吊り)され、この可動レールの移動によってスライド移動される。
特開平11−36740号公報
ところで、特許文献1に記載の引戸装置では、固定レールに転動部材を介して可動レールがスライド可能に係合された構造が構成されているが、この構造に代えて、例えば、摺動性に優れたポリアセタール等(POM)の樹脂製ローラーを固定レールにスライド可能に係合された構造などが考えられる。この構造は、固定レールおよび可動レール間に転動部材を介在させる構造と比べて構成の簡略化やコスト削減などの利点がある。
しかし、この構造を採用して戸体を上吊りした場合には、火災時に樹脂製ローラーが溶融して戸体が落下するおそれがある。戸体が落下した状態では、戸体の上縁部が当該上縁部に対向する位置に設けられた加熱発泡材に対して下方に位置ズレしてしまい、戸枠ユニットと戸体の上縁部との隙間を塞ぐことが困難となる。
また、屋外側での火災時に、戸枠ユニットのうちの戸体の上縁部に対向する屋外側部分が火炎にさらされて焼失等した場合には、戸体が倒れてしまうおそれがある。戸体が倒れてしまうと、防火戸である戸体の遮炎性能を十分に発揮することができない。
本発明の目的は、火災時に戸体上部まわりの隙間を塞ぐことができるとともに、戸体が倒れることを防止できる建具を提供することにある。
本発明の建具は、上枠と、前記上枠に設けられる上レールと、前記上レールにスライド可能に支持される戸体とを備え、前記戸体には前記上レールに沿って走行可能な樹脂製ローラーが設けられ、前記上レールには、当該上レールから垂下して配置される垂下部を有した外れ止め金具が取り付けられ、前記戸体の上縁部には、前記垂下部よりも屋内側であって上端が前記垂下部の下端よりも上方に位置する立上り部を有した倒れ防止金具が取り付けられ、前記垂下部の下端および前記立上り部の上端間の上下方向における間隔は、前記戸体および前記下枠間の上下方向における間隔よりも大きく設定され、前記立上り部の屋内面には、加熱発泡材が設けられることを特徴とする。
本発明の建具によれば、屋外側での火災時に樹脂製ローラーが溶融して戸体が落下し、当該戸体が前記上枠に対して下方に位置ズレした場合であっても、戸体の上縁部から立ち上げられた立上り部を、引戸の見込み方向において上枠見付け片部に対して対向配置できる。このため、前述した位置ズレ状態でも、立上り部に設けられた加熱発泡材が膨張することで、立上り部および上枠見付け片部間の隙間を塞ぐことができ、屋内外間を遮炎できる。例えば、前述した倒れ防止金具を有さずに戸体の上縁部に加熱発泡材が設けられる建具では、火災時に戸体が落下して上枠に対して下方に位置ズレすると、戸体の上縁部に設けられた加熱発泡材が上枠見付け片部よりも下方に位置し、当該上枠見付け片部と対向しない位置関係となって戸体の上縁部と上枠見付け片部との隙間を塞ぐことが困難となる。これに対し、本発明の建具では、火災時に戸体が落下しても立上り部を上枠見付け片部に対向した位置関係にでき、加熱発泡材が膨張することで立上り部および上枠見付け片部間の隙間を塞ぐことができる。
また、戸体が落下し、かつ、上枠の屋外垂下片部などの屋外部分が火炎にさらされて焼失等した場合には、戸体が屋外側に倒れるおそれがあるが、垂下部の下端および立上り部の上端間の上下方向における間隔が戸体および下枠間の上下方向における間隔よりも大きく設定されるので、戸体が屋外側に倒れようとしても、立上り部が垂下部に当たって戸体を支えることができる。これにより、戸体が屋外側に倒れることを防止できる。
本発明の建具では、前記上枠には、前記上レールを建物躯体に連結する補強材が設けられ、前記補強材の溶融温度は、前記上枠の溶融温度よりも高いことが好ましい。
このような構成によれば、火災時に上枠が歪み変形等しても、補強材によって上レールの位置を維持することで、外れ止め金具の位置ズレを抑えることができる。
本発明の建具では、前記倒れ防止金具は、前記戸体の上面に取り付けられる取付部を有し、前記取付部は、前記立上り部よりも屋外側に位置し、前記立上り部の屋外面および前記取付部の上面のうちの少なくとも一方には、加熱発泡材が設けられることが好ましい。
このような構成によれば、立上り部と上枠見付け片部との隙間を当該立上り部の屋内面に設けられた加熱発泡材の膨張によって塞ぐことができるとともに、立上り部よりも屋外側で上レールと戸体の上縁部との隙間を別の加熱発泡材によって塞ぐことができ、戸体の上縁部と上枠との隙間を塞ぐことができ、屋内外間の遮炎性を向上できる。
本発明の建具では、前記立上り部は、前記戸体の上縁部に沿ってスライド方向に延びて形成され、前記加熱発泡材は、前記立上り部の屋内面に連続して設けられることが好ましい。
このような構成によれば、戸体によって閉鎖する建具の出入り口の上方に位置する立上り部および上枠見付け片部間の隙間全体を加熱発泡材の膨張によって塞ぐことができ、屋内外間を遮炎できる。
本発明によれば、火災時に戸体上部まわりの隙間を塞ぐことができるとともに、戸体が倒れることを防止できる建具を提供できる。
本発明の実施形態に係る引戸を示す外観姿図。 前記実施形態に係る引戸を示す縦断面図。 前記実施形態に係る引戸の上部を拡大して示す縦断面図。 前記実施形態に係る引戸の下部を拡大して示す縦断面図。 前記実施形態に係る引戸の火災時を示す縦断面図。 前記実施形態に係る引戸の上部の火災時を拡大して示す縦断面図。 前記実施形態に係る引戸の下部の火災時を拡大して示す縦断面図。
[本実施形態の構成]
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1,2において、本実施形態に係る建具である引戸1は、戸建住宅等の玄関引戸などとして用いられるものであり、上枠11、下枠12および左右の縦枠13を枠組みして構成される枠体10(開口枠)と、上骨21、下骨22、左右の縦骨23および面材24を框組みして構成される防火戸である戸体20とを備えている。図1において枠体10内の右側部分は開口して出入り口2として構成され、左側部分は戸袋3として構成されている。なお、面材24にはハンドル4、シリンダ錠5が設けられている。
上枠11、下枠12および左右の縦枠13はアルミ押出形材によって形成されている。
上枠11は、図3に示すように、屋外見付け片111と、見込み片部112と、屋内見付け片部113と、取付片部114と、連結片部115と対向部材116とを有して構成されている。
屋外見付け片111は、見込み片部112の屋外端に着脱可能に取り付けられており、その下端にモヘアが装着されている。見込み片部112は、その屋内端に屋内見付け片部113が連続しており、屋内見付け片部113よりも屋外側寄りの部分に取付片部114が連続している。屋内見付け片部113および取付片部114の下端は連結片部115によって連結されている。連結片部115には、対向部材116が取り付けられている。対向部材116は、戸体20の上骨21の屋内面21Aに隙間7を隔てて対向する上枠見付け片部116Aを有している。上枠見付け片部116Aには、上骨21の屋内面21Aに摺動可能に当接する気密材117が装着されている。
下枠12は、図2に示すように、見込み片121と、対向部材123とを有している。見込み片121の上面122は、戸体20の下面25(図4参照)と平行に配置されている。上面122には、ポリアセタール等(POM)の樹脂製ガイド部材125が設けられている。樹脂製ガイド部材125は、下枠12の略中間位置(スライド方向における略中間位置)に配置されている。対向部材123は、見込み片121の屋内部分に形成されており、下枠12の見込み方向において戸体20の下骨22の屋内面22A(図4参照)に対向して配置されている。
戸体20の上骨21、下骨22および左右の縦骨23は鉄製である。
上骨21は、図3に示すように、戸体20の上縁部を構成しており、断面略コ字状に形成されている。
下骨22は、図4に示すように、断面コ字状の下骨本体221と、下骨本体221の内部に設けられた溝形成部材222(エッジ材)とを有し、戸体20の下縁部(下部)を構成している。
溝形成部材222は、下骨本体221に沿ってスライド方向に延びて形成されている。溝形成部材222は、屋外垂下片部223と、傾斜片部224と、連結片部225と、溝底片部226と、屋内垂下片部227とを有している。
屋外垂下片部223の上縁は傾斜片部224の屋外縁部に連続しており、傾斜片部224の屋内縁部は上下方向に延びた連結片部225の下縁に連続しており、連結片部225の上縁は溝底片部226の屋外縁部に連続しており、溝底片部226の屋内縁部は屋内垂下片部227の上縁に連続している。また、屋外垂下片部223および屋内垂下片部227の下縁には、下片部228,229がそれぞれ形成されている。戸体20の下面25は、下片部228,229の下面に沿った面である。
屋内垂下片部227に連続している下片部229の下面には気密材230が装着されている。
傾斜片部224は、溝底片部226よりも低い位置に配置されている。傾斜片部224は、下枠12の上面122に対して、屋外縁部が屋内縁部よりも下方に位置する向きに傾斜して形成されている。傾斜片部224と連結片部225とによって溝形成部材222に段部が形成されている。
この溝形成部材222は、樹脂製ガイド部材125が配置されているガイド溝222Aを形成している。ガイド溝222Aの溝開口面は戸体20の下面25に沿って位置している。
戸体20は、図3に示す上吊り構造30によって上枠11に上吊り支持されている。上吊り構造30は、上枠11の取付片部114にビス止めされた上レール31と、上骨21に取付金具32を介して取り付けられた複数の樹脂製ローラー33とを備えている。上レール31は、上枠11に沿ってスライド方向に延びて形成されており、樹脂製ローラー33が走行可能に係合する凸部を有している。樹脂製ローラー33は、ローラー本体、ベアリング等を有して構成され、ローラー本体がポリアセタール(POM)等によって形成されている。樹脂製ローラー33は、上レール31の凸部に係合する凹部を外周部に有している。これにより、戸体20は図1において左右方向にスライド可能に上吊り支持されている。なお、上レール31に凹部が形成され、樹脂製ローラー33の外周部に凸部が形成されて、上レール31の凹部に樹脂製ローラー33の凸部が係合する構成とされてもよい。
戸体20が上吊り支持された状態では、図4に示すように、下骨22の下面25と下枠12の上面122との上下方向における間隔は寸法L2とされている。
上レール31は、アルミ押出形材によって形成されており、屋内見付け片部113および取付片部114間に配置されたZ形鋼からなる補強材34にビス止めされている。補強材34は、建物躯体6にネジ止めされており、これにより、上レール31は補強材34によって建物躯体6に連結されている。補強材34は、アルミ押出形材よりも溶融温度の高いステンレス等の金属材料によって形成されている。
上レール31の下面には、断面略L字状の外れ止め金具35が上レール31に沿って複数取り付けられている。各外れ止め金具35は、戸袋3側には設けられておらず、出入り口2側に設けられている。
外れ止め金具35は、上レール31にビス止めされている取付片部351と、取付片部351から下方に垂下した垂下片部352(垂下部)とを有して構成されている。
垂下片部352の下端は、上骨21の上面に対向して配置されている。これにより、引戸1の閉鎖状態では、戸体20が持ち上げられると垂下片部352に当接するため、外れ止め金具35によって戸体20の持上り量を規制し、樹脂製ローラー33の上レール31からの脱落を防止する。
[引戸上部の防火構造]
引戸上部の防火構造40は次の通りに構成されている。
図3に示すように、上骨21には、倒れ防止金具41が取り付けられている。倒れ防止金具41は、断面略L字状であって上骨21に沿ってスライド方向に延びて形成されている。
倒れ防止金具41は、上骨21に沿って延びた通し材として形成されている。倒れ防止金具41は、上骨21の上面に取り付けられた取付片部411(取付部)と、取付片部411から立ち上げられた立上り片部412(立上り部)とを有して構成されている。
取付片部411は立上り片部412よりも屋外側に配置されている。
立上り片部412は、垂下片部352よりも屋内側であって上骨21の屋内面21Aよりも垂下片部352側に配置されている。立上り片部412の上端は、垂下片部352の下端よりも上方に位置している。立上り片部412の上端および垂下片部352の下端間の上下方向における間隔の寸法L1は、下骨22の下面および下枠12の上面122間の間隔の寸法L2よりも大きく設定されている。また、立上り片部412の上端および垂下片部352の下端間の間隔の寸法L1は、火災時に樹脂製ローラー33が溶融して戸体20が落下して傾いても0以下とならない範囲で設定されている。
立上り片部412は、上骨21の全長にわたって延びて形成されており、この立上り片部412の屋内面および屋外面には後述する加熱発泡材42A,42Bが貼りつけられている。加熱発泡材42Aは立上り片部412の全長にわたって貼り付けられている。
立上り片部412の屋内面には、シート状の加熱発泡材42Aが貼り付けられており、立上り片部412の屋外面には、シート状の加熱発泡材42Bが貼り付けられている。また、取付片部411の上面には、シート状の加熱発泡材42Cが貼り付けられている。
加熱発泡材42Aは、上枠見付け片部116Aに向かって膨張可能な向きに設けられている。加熱発泡材42Aの上枠見付け片部116Aに対向する対向面は、上骨21の屋内面21Aと面一に配置されている。
加熱発泡材42Bは、立上り片部412の屋外面から屋外側に向かって膨張可能な向き(加熱発泡材42Aの膨張可能な向きとは反対向き)に設けられている。
加熱発泡材42Cは、取付片部411の上面から上レール31の下面に向かって上方に膨張可能な向きに設けられている。
[引戸下部の防火構造]
引戸下部の防火構造50は次の通りに構成されている。
図4に示すように、溝形成部材222の傾斜片部224には、シート状の加熱発泡材42Dが貼り付けられている。傾斜片部224の戸体20の下面25に対する傾斜角度は、加熱発泡材42Dの膨張先が屋内垂下片部227よりも室外側に位置する範囲で設定され、例えば、膨張時に屋内垂下片部227に当接しない範囲で大きく設定可能である。また、加熱発泡材42Dは、傾斜片部224に設けられた位置と戸体20の下面25との上下方向における間隔の寸法L3分を膨張可能に構成されている。
連結片部225には、落止め金具51がリベット止めされている。落止め金具51は、溝形成部材222に沿って複数設けられている。落止め金具51は、板状であってその下部が屋外側に折曲されており、この折曲部分で加熱発泡材42Dの下面に対向している。
また、下枠12の対向部材123には、加熱発泡材42E,42Fが下骨22に向かって膨張可能な向きに貼り付けられている。
[本実施形態の作用]
以下、本実施形態に係る引戸1の作用について説明する。例えば、屋外側において火災が発生した場合は次の通りである。
屋外側での火災時、引戸1は火炎にさらされて温度上昇し、樹脂製ローラー33および樹脂製ガイド部材125が溶融し、図5に示すように戸体20が寸法L2分の間隔(図4参照)を落下する。このとき、戸体20が屋外側に傾動しても、図6に示すように、倒れ防止金具41の立上り片部412が外れ止め金具35の垂下片部352に当接し、戸体20の屋外側への傾動を規制する。また、仮に戸体20が屋内側に傾動しても、上骨21が上枠見付け片部116Aに当接するので、戸体20の屋内側への傾動は規制される。戸体20が落下した状態であっても、立上り片部412の屋内面は上枠見付け片部116Aに対して対向した位置にある。
なお、図5,図6において、上枠11の屋外見付け片111は火炎にさらされて焼失しているので図示されない。
倒れ防止金具41に設けられた加熱発泡材42A,42B,42Cは、温度上昇によってそれぞれ発泡する。加熱発泡材42Aは、立上り片部412から上枠見付け片部116Aに向かって屋内側に膨張し、立上り片部412と上枠見付け片部116Aとの隙間7を塞ぐ。加熱発泡材42Cは、取付片部411から上レール31に向かって上方に膨張し、上骨21の上面と上レール31の下面との隙間を塞ぐ。また、加熱発泡材42Bは、立上り片部412から屋外側に膨張して、上骨21の上面と上レール31の下面との隙間を塞ぐ膨張材量を増加する。
このようにして、防火構造40によって戸体20が倒れることを防止しつつ引戸上部を遮炎する。
また、下骨22の傾斜片部224に設けられた加熱発泡材42Dと、下枠12の対向部材123に設けられた加熱発泡材42E,42Fは、温度上昇によってそれぞれ発泡する。
加熱発泡材42Dは、図7に示すように、傾斜片部224に対して直交する方向に膨張し、膨張端が下枠12の上面122に当接することで、戸体20の下面25と下枠12の上面122との間において屋内外間を遮炎し、下骨22や下枠12が熱によって歪み変形等しても遮炎状態を維持する。ここで、加熱発泡材42Dの上面122に対する当接面積は、加熱発泡材42Dの傾斜片部224への設置面積よりも広い面積となっている。この当接面積は、戸体20が屋外側に多少傾くことで増加する。
加熱発泡材42E,42Fは、対向部材123から下骨22の屋内面22Aに向かって屋外側に膨張し、当該下骨22の屋内面22Aに当接することで、下骨22と対向部材123との隙間を塞ぐ。
前述した加熱発泡材42D,42E,42Fが膨張することで、下骨22の下片部229に装着された気密材230は屋外側および屋内側から遮炎される。
このようにして、防火構造50によって引戸下部を遮炎する。
[本実施形態の効果]
(1)引戸上部の防火構造による効果
(1−1)屋外側での火災時に樹脂製ローラー33が溶融して戸体20が落下し、戸体20が上枠11に対して下方に位置ズレした場合であっても、上骨21から立ち上げられた立上り片部412を、引戸1の見込み方向において上枠見付け片部116Aに対して対向配置できる。このため、前述した位置ズレ状態でも、立上り片部412に設けられた加熱発泡材42Aが膨張することで、立上り片部412および上枠見付け片部116A間の隙間7を塞ぐことができる。
また、戸体20が落下し、かつ、上枠11の屋外見付け片111などの屋外部分が火炎にさらされて焼失等した場合には、戸体20が屋外側に倒れるおそれがあるが、垂下片部352の下端および立上り片部412の上端間の上下方向における間隔の寸法L1が戸体20および下枠12間の上下方向における間隔の寸法L2よりも大きく設定されるので、戸体20が屋外側に倒れようとしても、立上り片部412が垂下片部352に当たって戸体20を支えることができる。これにより、戸体20が屋外側に倒れることを防止できる。
(1−2)上枠11には、上レール31を建物躯体6に連結する補強材34が設けられ、補強材34の溶融温度は、上枠11の溶融温度よりも高いため、火災時に上枠11が歪み変形等しても、補強材34によって上レール31の位置を維持することで、外れ止め金具35の位置ズレを抑えることができる。
(1−3)倒れ防止金具41は、上骨21の上面に取り付けられる取付片部411を有し、立上り片部412の屋外面および取付片部411の上面には、加熱発泡材42B,42Cが設けられている。このため、立上り片部412と上枠見付け片部116Aとの隙間7を立上り片部412の屋内面に設けられた加熱発泡材42Aの膨張によって塞ぐことができるとともに、立上り片部412よりも屋外側で上レール31と上骨21の上面との隙間を加熱発泡材42B,42Cによって塞ぐことができ、上骨21と上枠11との隙間をより塞ぐことができて引戸上部の遮炎性を向上できる。
(1−4)立上り片部412は、上骨21に沿ってスライド方向に延びて形成され、加熱発泡材42Aが立上り片部412の屋内面に連続して設けられるため、戸体20によって閉鎖する出入り口2の上方に位置する立上り片部412および上枠見付け片部116A間の隙間7全体を加熱発泡材42Aの膨張によって塞ぐことができ、屋内外間を遮炎できる。
(2)引戸下部の防火構造による効果
(2−1)下骨22の傾斜片部224に設けられた加熱発泡材42Dは、火災時に傾斜片部224に対して直交する方向(斜め方向)において下枠12の上面122に向かって膨張する。このため、加熱発泡材42Dの膨張端が下枠12の上面122に当接する当接面積を加熱発泡材42Dの傾斜片部224に対する設置面積よりも増やすことができ、加熱発泡材42Dによって戸体20の下面25と下枠12の上面122との間を遮炎できる。
また、火災時には樹脂製ローラー33および樹脂製ガイド部材125が溶融して戸体20が落下するため、この落下する寸法L2分の間隔に対応した膨張寸法は加熱発泡材42Dに必要とされない。従って、加熱発泡材42Dは、傾斜片部224から戸体20の下面25まで膨張可能な量まで減らすことができる。
(2−2)溝形成部材222は、傾斜片部224の屋外縁部が連続する屋外垂下片部223と、傾斜片部224の屋内縁部に連続する上下方向に延びた連結片部225と、連結片部225に連続する溝底片部226と、溝底片部226に連続する屋内垂下片部227とを有して構成され、連結片部225には、傾斜片部224に設けられた加熱発泡材42Dの下面に対向する落止め金具51が取り付けられる。このため、傾斜片部224および溝底片部226間にある連結片部225に落止め金具51を簡単に取り付けることができ、また、落止め金具51によって加熱発泡材42Dが傾斜片部224から脱落することを防止できる。
(2−3)傾斜片部224の屋外縁部は、当該傾斜片部224の屋内縁部よりも下方に位置し、傾斜片部224の戸体20の下面25に対する傾斜角度は、当該傾斜片部224に設けられた加熱発泡材42Dの膨張先が、屋内垂下片部227よりも室外側に位置する範囲で設定される。このため、火災時に膨張する加熱発泡材42Dの膨張端が屋内垂下片部227に当接する部分をなくし得、下枠12の上面122に対する加熱発泡材42Dの当接面積を大幅に増やすことができる。これにより、少ない加熱発泡材42Dによって戸体20の下面25と下枠12の上面122との間を塞ぐことができる。
(2−4)戸体20の下面25のうち傾斜片部224よりも屋内側に位置する部分には気密材230が設けられ、下枠12には、戸体20の屋内面に対向して配置される対向部材123が形成され、対向部材123には、加熱発泡材42E,42Fが設けられる。このため、火災時に、傾斜片部224に設けられた加熱発泡材42Dの膨張によって気密材230の屋外側部分を覆うことができ、かつ、対向部材123に設けられた加熱発泡材42E,42Fによって気密材230の屋内側部分を覆うことができる。これにより、火災時に気密材230を屋外側および屋内側から囲んで遮炎でき、気密材230の発火などを抑制できる。
[変形例]
本発明は、以上の実施形態で説明した構成のものに限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形例は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、上レール31は、補強材34によって建物躯体6に連結されているが、この補強材34の構成を省略し、上レール31が上枠11の取付片部114だけに取り付けられていてもよい。
前記実施形態では、倒れ防止金具41の立上り片部412の屋内面および取付片部411に加熱発泡材42B,42Cが設けられているが、加熱発泡材42B,42Cのうちのいずれか一方または双方を省略してもよい。
前記実施形態では、立上り片部412の屋内面に設けられた加熱発泡材42Aの上枠見付け片部116Aに対向する対向面が上骨21の屋内面21Aと面一に配置されているが、これに限定されず、立上り片部412の屋内面が上骨21の屋内面21Aと面一に配置されてもよく、また、立上り片部412の屋内面が上骨21の屋内面21Aよりも屋外側寄りに配置されてもよい。
ここで、立上り片部412が上骨21の屋内面21Aよりも屋外側寄りに配置される場合には、立上り片部412および垂下片部352間のクリアランスを小さくできる反面、立上り片部412および上枠見付け片部116A間の隙間7が大きくなる。逆に、立上り片部412が上骨21の屋内面21Aよりも屋内側寄りに配置される場合には、立上り片部412および垂下片部352間のクリアランスが大きくなる反面、立上り片部412および上枠見付け片部116A間の隙間7を小さくできる。立上り片部412の見込み位置は前記諸点を考慮して設定される。
前記実施形態では、下骨22の傾斜片部224に設けられた加熱発泡材42Dに対向する落止め金具51が設けられているが、この落止め金具51の構成を省略してもよい。
前記実施形態では、傾斜片部224の戸体20の下面25に対する傾斜角度は、加熱発泡材42Dの膨張先が屋内垂下片部227よりも室外側に位置する範囲で設定されるが、これに限定されず、例えば膨張時に加熱発泡材42Dの一部が屋内垂下片部227に当接する範囲で大きく設定されてもよい。
前記実施形態では、下骨22の傾斜片部224は、溝底片部226よりも屋外側に設けられているが、これに限定されず、溝底片部226よりも屋内側に設けられていてもよい。具体的には、傾斜片部224の屋内縁部が屋内垂下片部227に連続し、傾斜片部224の屋外縁部が連結片部225に連続し、連結片部225が溝底片部226の屋内縁部に連続していてもよい。この場合、傾斜片部224の屋内縁部は、当該傾斜片部224の屋外縁部よりも下方に位置する。
前記実施形態では、加熱発泡材42A〜42Fが倒れ防止金具41、溝形成部材222、対向部材123にそれぞれ貼り付けられているが、これに限定されず、ビス止め等によって取り付けられていてもよい。
前記実施形態では、下枠12の対向部材123に加熱発泡材42E,42Fが設けられているが、これらに加えてまたは代えて、対向部材123に対向する下骨22の屋内面22Aに加熱発泡材を設けてもよい。
なお、樹脂製ローラー33は、ローラー本体、ベアリング等を有して構成されるが、ローラー本体が樹脂製であればよく、ベアリング等が樹脂製でなく金属製であってもよく、また、ローラー本体の上レールに当接する外周部だけが樹脂製であってもよい。
また、溝形成部材222は、前述した構成のほか、障子框によって形成されていてもよく、また、鋼板を折曲して形成されていてもよい。
1…引戸(建具)、2…出入り口、3…戸袋、4…ハンドル、5…シリンダ錠、6…建物躯体、7…隙間、10…枠体(開口枠)、11…上枠、111…屋外見付け片、112…見込み片部、113…屋内見付け片部、114,351,411…取付片部、115,225…連結片部、116,123…対向部材、116A…上枠見付け片部、117,230…気密材、12…下枠、121…見込み片、122…上面、125…樹脂製ガイド部材、13…縦枠、20…戸体、21…上骨、21A,22A…屋内面、22…下骨、221…下骨本体、222…溝形成部材、222A…ガイド溝、223…屋外垂下片部、224…傾斜片部、226…溝底片部、227…屋内垂下片部、228,229…下片部、23…縦骨、24…面材、25…下面、30…上吊り構造、31…上レール、32…取付金具、33…樹脂製ローラー、34…補強材、35…外れ止め金具、352…垂下片部、36…アングル材、37…ローラ、40,50…防火構造、41…倒れ防止金具、412…立上り片部、42A〜42F…加熱発泡材、51…落止め金具。

Claims (4)

  1. 上枠と、前記上枠に設けられる上レールと、前記上レールにスライド可能に支持される戸体とを備え、
    前記戸体には前記上レールに沿って走行可能な樹脂製ローラーが設けられ、
    前記上レールには、当該上レールから垂下して配置される垂下部を有した外れ止め金具が取り付けられ、
    前記戸体の上縁部には、前記垂下部よりも屋内側であって上端が前記垂下部の下端よりも上方に位置する立上り部を有した倒れ防止金具が取り付けられ、
    前記垂下部の下端および前記立上り部の上端間の上下方向における間隔は、前記戸体および前記下枠間の上下方向における間隔よりも大きく設定され、
    前記立上り部の屋内面には、加熱発泡材が設けられる
    ことを特徴とする建具。
  2. 請求項1に記載の建具において、
    前記上枠には、前記上レールを建物躯体に連結する補強材が設けられ、
    前記補強材の溶融温度は、前記上枠の溶融温度よりも高い
    ことを特徴とする建具。
  3. 請求項1または請求項2に記載の建具において、
    前記倒れ防止金具は、前記戸体の上面に取り付けられる取付部を有し、
    前記取付部は、前記立上り部よりも屋外側に位置し、
    前記立上り部の屋外面および前記取付部の上面のうちの少なくとも一方には、加熱発泡材が設けられる
    ことを特徴とする建具。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の建具において、
    前記立上り部は、前記戸体の上縁部に沿ってスライド方向に延びて形成され、
    前記加熱発泡材は、前記立上り部の屋内面に連続して設けられる
    ことを特徴とする建具。
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