以下に添付図面を参照して、本発明に係る建具の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1〜図3は、それぞれ本発明の実施の形態である建具を示すものであり、図1は室内側から見た場合を示す正面図、図2は横断面図、図3は縦断面図である。ここで例示する建具は、例えば引違い窓であり、開口枠10と左右2枚の障子20,30とを備えている。
開口枠10は、上枠11、下枠本体部12a及び左右一対の縦枠13,14を四周枠組みすることによって構成されており、矩形開口15を形成するものである。上枠11は、例えばアルミニウム等の金属製の押出形材である室外側上枠部111と、例えばアルミニウム等の金属製の押出形材である室内側上枠部112とが断熱部材を介して連結され、更に樹脂製の押出形材である樹脂上枠部113が室内側上枠部112に係合して構成されている。このような上枠11には、下方に向けて突出する複数(図示の例では2つ)の上レール115,116が該上枠11の長手方向の全長に亘って形成されており、室外側から外障子用上レール115及び内障子用上レール116が形成されている。
下枠本体部12aは、例えばアルミニウム等の金属製の押出形材である室外側下枠本体部121と、例えばアルミニウム等の金属製の押出形材である室内側下枠本体部122とが断熱部材を介して連結されて構成されている。このような下枠本体部12aには、上方に向けて突出する複数(図示の例では2つ)の下レール125,126が該下枠本体部12aの長手方向の全長に亘って形成されており、室外側から外障子用下レール125及び内障子用下レール126が形成されている。
左右一対の縦枠13,14は、例えばアルミニウム等の金属製の押出形材である室外側縦枠部131,141と、例えば樹脂製の押出形材である室内側縦枠部132,142とが互いに係合して構成されている。
このような開口枠10は、上枠11、下枠本体部12a及び左右一対の縦枠13,14のそれぞれを建物の壁等の躯体に形成された躯体開口に対してその開口縁部に沿うよう取り付けられている。
室外側の障子(以下、外障子(第1障子)ともいう)20は、上框21、下框22及び左右一対の縦框23,24を四周框組みすることによって構成された框体の内部に面材であるガラス板25が保持されたものであり、開口枠10の内部に装着可能な大きさに構成されている。
上框21は、例えばアルミニウム等の金属製の押出形材である室外側上框部211と、樹脂製の押出形材である室内側上框部212とが互いに係合して構成されている。下框22は、例えばアルミニウム等の金属製の押出形材である室外側下框部221と、樹脂製の押出形材である室内側下框部222とが互いに係合して構成されている。
左右一対の縦框23,24のうち左方の縦框(以下、左縦框ともいう)23は、例えばアルミニウム等の金属製の押出形材である室外側左縦框部231と、樹脂製の押出形材である室内側左縦框部232とが互いに係合して構成されている。一方、右方の縦框(以下、右縦框ともいう)24は、例えばアルミニウム等の金属製の押出形材により構成されている。
このような外障子20においては、下框22の内部に、該下框22の見込み方向に沿って延在する図示せぬ軸部の中心軸回りに回転可能な樹脂製の戸車26が設けられている。また、左縦框23には、その室内側見付け面にハンドル27が設けられている。
室内側の障子(以下、内障子(第2障子)ともいう)30は、上框31、下框32及び左右一対の縦框33,34を四周框組みすることによって構成された框体の内部に面材であるガラス板35が保持されたものであり、開口枠10の内部に装着可能な大きさに構成されている。
上框31は、例えばアルミニウム等の金属製の押出形材である室外側上框部311と、樹脂製の押出形材である室内側上框部312とが互いに係合して構成されている。下框32は、例えばアルミニウム等の金属製の押出形材である室外側下框部321と、樹脂製の押出形材である室内側下框部322とが互いに係合して構成されている。
左右一対の縦框33,34のうち右方の縦框(以下、右縦框ともいう)33は、例えばアルミニウム等の金属製の押出形材である室外側右縦框部331と、樹脂製の押出形材である室内側右縦框部332とが互いに係合して構成されている。また、左方の縦框(以下、左縦框ともいう)34は、例えばアルミニウム等の金属製の押出形材である室外側左縦框部341と、樹脂製の押出形材である室内側左縦框部342とが互いに係合して構成されている。
このような内障子30においては、下框32の内部に、該下框32の見込み方向に沿って延在する図示せぬ軸部の中心軸回りに回転可能な樹脂製の戸車36が設けられている。また、右縦框33には、その室内側見付け面にハンドル37が設けられている。
上記開口枠10を構成する下枠本体部12aには、図4に示すように、アタッチメント1が着脱可能に装着されており、該アタッチメント1が装着されることで開口枠10の一部となる下枠12が構成されている。
アタッチメント1は、例えばアルミニウム等の不燃性の金属材料や難燃性の樹脂材料等から構成されるものであり、本実施の形態においてはアルミニウムから構成されるものを用いている。このようなアタッチメント1は、下枠本体部12aに装着されることで構成される下枠12の上面を略平坦にするためのものであり、レールアタッチメント40,50、レール間アタッチメント60、室外側アタッチメント70、室内側アタッチメント80を備えている。
レールアタッチメント40,50は、複数(図示の例では2つ)設けられており、室外側レールアタッチメント40及び室内側レールアタッチメント50を備えている。
室外側レールアタッチメント40は、左右方向が長手方向となる長尺状部材であり、長手方向に沿って延在する収納溝部41に外障子用下レール125の全長を収納させることで該外障子用下レール125を覆うよう装着されている。かかる室外側レールアタッチメント40は、収納溝部41から外障子用下レール125が離脱するよう上方に向けて移動させることで下枠本体部12aから取り外すことができ、着脱可能なものである。
この室外側レールアタッチメント40は、上記収納溝部41の他に、案内部42、第1保持部43及び第2保持部44を備えている。
案内部42は、収納溝部41の上部に形成されている。この案内部42の上面は、下枠本体部12aにおける室内側端部の上面と略同一の高さレベルとなっている。また、この案内部42は、室外側レールアタッチメント40の全長に亘って上方に突出して形成され、かつ上端面に戸車26を転動可能に載置させている。これにより、外障子20は、上框21に形成された上溝部28に外障子用上レール115が相対的に進入するとともに、戸車26が案内部42の上端面を転動することで左右方向に沿って開閉移動可能である。
そして、外障子20が開閉移動することで、室外側レールアタッチメント40の室外側を臨む部分が外障子20の下框22(室外側下框部221)の室外側垂下片221aの室内側面に対向しており、室外側レールアタッチメント40の室内側を臨む部分が外障子20の下框22(室外側下框部221)の室内側垂下片221bの室外側面に対向している。室外側垂下片221a及び室内側垂下片221bは、開口枠10の見込み方向においてアタッチメント1と重なる位置まで下方に向けて延在する部位である。
第1保持部43は、室外側レールアタッチメント40の室外側部分に形成されている。この第1保持部43は、室外側レールアタッチメント40の全長に亘って形成されており、上下一対の第1保持片431,432を有している。このような第1保持部43は、いわゆるタイト材と称される気密材45を保持するものである。つまり、室外側レールアタッチメント40は、室外側に設けられた気密材45を備えている。気密材45は、左右方向が長手方向となる長尺状部材であり、第1保持部43の全長に亘って該第1保持部43に保持されている。この気密材45の先端部分の一部が、外障子20の下框22における室外側垂下片221aの室内側面に摺接している。
第2保持部44は、室外側レールアタッチメント40の室内側部分に形成されている。この第2保持部44は、室外側レールアタッチメント40の全長に亘って形成されており、上下一対の第2保持片441,442を有している。このような第2保持部44は、第2保持片441,442間において例えば発泡黒鉛等の熱膨張性部材5を保持するものである。熱膨張性部材5は、左右方向が長手方向となる長尺状板状体であり、第2保持部44の全長に亘って該第2保持部44に設けられている。より詳細には、熱膨張性部材5は、第2保持片441,442間において室外側レールアタッチメント40に貼り付けられた状態で第2保持部44に設けられている。
このような室外側レールアタッチメント40においては、上述したように室外側レールアタッチメント40の室内側を臨む部分が室内側垂下片221bに対向しているから、該室内側垂下片221bと対向する部位に熱膨張性部材5が設けられていることになる。
室内側レールアタッチメント50は、左右方向が長手方向となる長尺状部材であり、長手方向に沿って延在する収納溝部51に内障子用下レール126の全長を収納させることで該内障子用下レール126を覆うよう装着されている。かかる室内側レールアタッチメント50は、収納溝部51から内障子用下レール126が離脱するよう上方に向けて移動させることで下枠本体部12aから取り外すことができ、着脱可能なものである。
この室内側レールアタッチメント50は、上記収納溝部51の他に、案内部52、第1保持部53及び第2保持部54を備えている。
案内部52は、収納溝部51の上部に形成されている。この案内部52の上面は、上記案内部42の上面と略同一の高さレベルとなっている。つまり、案内部52の上面は、下枠本体部12aにおける室内側端部の上面と略同一の高さレベルとなっている。
また、この案内部52は、室内側レールアタッチメント50の全長に亘って上方に突出して形成され、かつ上端面に戸車36を転動可能に載置させている。これにより、内障子30は、上框31に形成された上溝部38に内障子用上レール116が相対的に進入するとともに、戸車36が案内部52の上端面を転動することで左右方向に沿って開閉移動可能である。
そして、このように左右方向に沿って開閉移動可能な内障子30と上記外障子20とにおいては、外障子20の左縦框23が左側の縦枠(以下、左縦枠ともいう)13に当接し、内障子30の右縦框33が右側の縦枠(以下、右縦枠ともいう)14に当接した場合に、外障子20の右外縦框24に形成された係止片243と内障子30の左内縦框34に形成された係止片343とが互いに係合して矩形開口15を閉塞している。このような外障子20及び内障子30では、左縦框23と右縦框33とが戸先框となり、右外縦框24と左内縦框34とが召合せ框となる。
また内障子30が開閉移動することで、室内側レールアタッチメント50の室外側を臨む部分が内障子30の下框32(室外側下框部321)の室外側垂下片321aの室内側面に対向しており、室内側レールアタッチメント50の室内側を臨む部分が内障子30の下框32(室外側下框部321)の室内側垂下片321bに対向している。室外側垂下片321a及び室内側垂下片321bは、開口枠10の見込み方向においてアタッチメント1と重なる位置まで下方に向けて延在する部位である。
第1保持部53は、室内側レールアタッチメント50の室外側部分に形成されている。この第1保持部53は、室内側レールアタッチメント50の全長に亘って形成されており、上下一対の第1保持片531,532を有している。このような第1保持部53は、いわゆるタイト材と称される気密材55を保持するものである。気密材55は、左右方向が長手方向となる長尺状部材であり、第1保持部53の全長に亘って該第1保持部53に保持されている。この気密材55の先端部分の一部が、内障子30の下框32における室外側垂下片321aの室内側面に摺接している。
第2保持部54は、室内側レールアタッチメント50の室内側部分に形成されている。この第2保持部54は、室内側レールアタッチメント50の全長に亘って形成されており、上下一対の第2保持片541,542を有している。このような第2保持部54は、第2保持片541,542間において例えば発泡黒鉛等の熱膨張性部材5を保持するものである。熱膨張性部材5は、左右方向が長手方向となる長尺状板状体であり、第2保持部54の全長に亘って該第2保持部54に設けられている。より詳細には、熱膨張性部材5は、第2保持片541,542間において室内側レールアタッチメント50に貼り付けられた状態で第2保持部54に設けられている。
このような室内側レールアタッチメント50においては、上述したように室内側レールアタッチメント50の室内側を臨む部分が室内側垂下片321bに対向しているから、該室内側垂下片321bと対向する部位に熱膨張性部材5が設けられていることになる。
レール間アタッチメント60は、左右方向が長手方向となる長尺状部材であり、長手方向に沿って延在する補強基部61の下部の室内側端部611が下枠本体部12aに載置されるとともに、補強基部61の下部の室外側端部612が下枠本体部12aに係合することにより、外障子用下レール125と内障子用下レール126との相互間に下枠本体部12aの全長に亘って装着されている。かかるレール間アタッチメント60は、室外側端部612と下枠本体部12aとの係合状態を解除することにより下枠本体部12aから取り外すことができ、着脱可能なものである。
このレール間アタッチメント60は、上記補強基部61の他に、第1対向壁部62及び第2対向壁部63を備えている。
第1対向壁部62は、補強基部61の上面の室外側部分より上方に向けて延在する部位であり、レール間アタッチメント60の全長に亘って形成されている。この第1対向壁部62は、室外側を臨む部分の上部が外障子20の下框22における室内側垂下片221bの室内側面に対向している。この第1対向壁部62の室外側を臨む部分には、その上端部分において室外側に向けて突出する第1対向壁保持片641が補強基部61の上面と対向することで第1対向壁保持部64が形成されている。
第1対向壁保持部64は、例えば発泡黒鉛等の熱膨張性部材5を保持するものである。熱膨張性部材5は、左右方向が長手方向となる長尺状板状体であり、第1対向壁保持部64の全長に亘って該第1対向壁保持部64に設けられている。より詳細には、熱膨張性部材5は、第1対向壁保持片641と補強基部61の上面との間において第1対向壁部62の室外側を臨む部分に貼り付けられた状態で第1対向壁保持部64に設けられている。
第2対向壁部63は、補強基部61の上面の室内側部分より上方に向けて延在する部位であり、レール間アタッチメント60の全長に亘って形成されている。この第2対向壁部63の上方への延在長さは、第1対向壁部62よりも僅かに大きいものであり、これにより第2対向壁部63の上端部と、第1対向壁部62の上端部とを連結する上板部66は、室内側に向かうに連れて漸次上方に僅かに傾斜している。この上板部66は、上記案内部42の上面、並びに上記案内部52の上面と略同一の高さレベルとなっている。
このような第2対向壁部63は、室内側を臨む部分の上部が内障子30の下框32における室外側垂下片321aの室外側面に対向している。この第2対向壁部63の室内側を臨む部分には、その上端部分において室内側に向けて突出する第2対向壁保持片651が補強基部61の上面と対向することで第2対向壁保持部65が形成されている。
第2対向壁保持部65は、例えば発泡黒鉛等の熱膨張性部材5を保持するものである。熱膨張性部材5は、左右方向が長手方向となる長尺状板状体であり、第2対向壁保持部65の全長に亘って該第2対向壁保持部65に設けられている。より詳細には、熱膨張性部材5は、第2対向壁保持片651と補強基部61の上面との間において第2対向壁部63の室内側を臨む部分に貼り付けられた状態で第2対向壁保持部65に設けられている。
このようなレール間アタッチメント60においては、上述したように第1対向壁部62の室外側を臨む部分の一部が外障子20の室内側垂下片221bの室内側面に対向し、かつ第2対向壁部63の室内側を臨む部分の一部が内障子30の室外側垂下片321aの室外側面に対向しているから、外障子20及び内障子30の各垂下片221b,321aと対向する部位に熱膨張性部材5が設けられていることになる。
室外側アタッチメント70は、左右方向が長手方向となる長尺状部材である。この室外側アタッチメント70は、一部が屈曲されて構成されており、この屈曲部分の下部71が下枠本体部12aに載置されるとともに、下端部の室内側突出端部72及び室外側突出端部73が下枠本体部12aに係合することにより、外障子用下レール125の室外側において下枠本体部12aの全長に亘って装着されている。
かかる室外側アタッチメント70は、室内側突出端部72及び室外側突出端部73と、下枠本体部12aとの係合状態を解除することにより下枠本体部12aから取り外すことができ、着脱可能なものである。
この室外側アタッチメント70の上面は、上記案内部42の上面及び上記案内部52の上面と略同一の高さレベルとなっている。
この室外側アタッチメント70の室内側を臨む部分の上部が外障子20の下框22における室外側垂下片221aの室外側面に対向している。この室外側アタッチメント70の室内側を臨む部分には、その上端部分において室内側に向けて突出する室外側保持片741が上記室内側突出端部72と対向することで室外側保持部74が形成されている。
室外側保持部74は、例えば発泡黒鉛等の熱膨張性部材5を保持するものである。熱膨張性部材5は、左右方向が長手方向となる長尺状板状体であり、室外側保持部74の全長に亘って該室外側保持部74に設けられている。より詳細には、熱膨張性部材5は、室外側保持片741と室内側突出端部72との間において室内側を臨む部分に貼り付けられた状態で室外側保持部74に設けられている。
このような室外側アタッチメント70においては、上述したように室内側を臨む部分の一部が外障子20の室外側垂下片221aの室外側面に対向しているから、該室外側垂下片221aと対向する部位に熱膨張性部材5が設けられていることになる。
室内側アタッチメント80は、左右方向が長手方向となる長尺状部材である。この室内側アタッチメント80は、一部が屈曲されて構成されており、この屈曲部分の下部81が下枠本体部12aに載置されるとともに、室内側の上端部82及び室外側の上端部83が下枠本体部12aに係合することにより、内障子用下レール126の室内側において下枠本体部12aの全長に亘って装着されている。かかる室内側アタッチメント80は、室内側の上端部82及び室外側の上端部83と、下枠本体部12aとの係合状態を解除することにより下枠本体部12aから取り外すことができ、着脱可能なものである。
この室内側アタッチメント80の室内側上端部82における室外側を臨む部分が内障子30の下框32における室内側垂下片321bの室内側面に対向している。この室内側アタッチメント80の室外側を臨む部分には、室外側に向けて突出する上下一対の室内側保持片841,842が形成されることで室内側保持部84が形成されている。
室内側保持部84は、例えば発泡黒鉛等の熱膨張性部材5を保持するものである。熱膨張性部材5は、左右方向が長手方向となる長尺状板状体であり、室内側保持部84の全長に亘って該室内側保持部84に設けられている。より詳細には、熱膨張性部材5は、室内側保持片841,842の間において室外側を臨む部分に貼り付けられた状態で室内側保持部84に設けられている。
このような室内側アタッチメント80においては、上述したように室外側を臨む部分の一部が内障子30の室内側垂下片321bの室内側面に対向しているから、該室内側垂下片321bの室内側面に対向する部位に熱膨張性部材5が設けられていることになる。
以上のような構成を有する建具においては、外障子20及び内障子30が矩形開口15を閉塞する場合において、例えば火災等のように極めて高い温度で加熱されると、開口枠10や障子20,30を構成する部材のうち、樹脂製の部材が溶融してしまうとともに、各アタッチメント1に貼付された熱膨張性部材5が膨張することとなる。
ここで、室外側レールアタッチメント40では、外障子20の室内側垂下片221bの室外側面と対向する部位に熱膨張性部材5が設けられているので、熱膨張性部材5が膨張すると、該室外側レールアタッチメント40と室内側垂下片221bとの隙間を塞ぐことになる。また室内側レールアタッチメント50では、内障子30の室内側垂下片321bの室外側面と対向する部位に熱膨張性部材5が設けられているので、熱膨張性部材5が膨張すると、該室内側レールアタッチメント50と室内側垂下片321bとの隙間を塞ぐことになる。
レール間アタッチメント60では、外障子20の室内側垂下片221bの室内側面及び内障子30の室外側垂下片321aの室外側面と対向する部位に熱膨張性部材5が設けられているので、熱膨張性部材5が膨張すると、該レール間アタッチメント60と室内側垂下片221bとの隙間、並びに該レール間アタッチメント60と室外側垂下片321aとの隙間を塞ぐことになる。
室外側アタッチメント70では、外障子20の室外側垂下片221aの室外側面と対向する部位に熱膨張性部材5が設けられているので、熱膨張性部材5が膨張すると、該室外側アタッチメント70と室外側垂下片221aとの隙間を塞ぐことになる。
室内側アタッチメント80では、内障子30の室内側垂下片321bの室内側面と対向する部位に熱膨張性部材5が設けられているので、熱膨張性部材5が膨張すると、該室内側レールアタッチメント50と室内側垂下片321bとの隙間を塞ぐことになる。
この結果、下枠12と各障子20,30との隙間を塞ぐことで、室内側下框部222等の樹脂製部材が溶融して消失しても室内と室外との気密性を十分に確保し、火炎等が室内及び室外の一方から他方へと伝わることをある程度抑制して防火性能を確保することができる。
しかも、上記建具においては、下枠本体部12aに着脱可能に装着されるアタッチメント1に熱膨張性部材5を設けているので、従来のように下枠本体部に熱膨張性部材を貼付する場合に比して、熱膨張性部材5が下枠12の排水経路に貼付される虞れがなく、結果的に、排水性能の低下を招来しない。
以上説明したように、本実施の形態である建具によれば、排水性能の低下を招来しないで防火性能を確保できるので、排水性を十分に確保しつつ防火性を良好なものとすることができる。
上記建具によれば、下枠本体部12aに着脱可能に装着されるアタッチメント1に熱膨張性部材5が設けられているので、熱膨張性部材5が経年劣化した場合には、図5に示すようにアタッチメント1(レール間アタッチメント60、室内側アタッチメント80等)を下枠本体部12aから取り外して該アタッチメント1に貼付されている熱膨張性部材5を交換すればよく、熱膨張性部材5の交換が容易で、メンテナンス作業を簡易なものとすることができる。
上記建具によれば、アタッチメント1に熱膨張性部材5が設けられているので、下枠本体部12aに取り付ける熱膨張性部材を削減することができる。
上記建具によれば、室外側レールアタッチメント40及び室内側レールアタッチメント50のそれぞれの室外側に設けられた気密材45,55が室外側垂下片221a,321aの室内側面に摺接しており、レール間アタッチメント60に設けられた熱膨張性部材5が室外側垂下片321aの室外側面に対向し、かつ室外側アタッチメント70に設けられた熱膨張性部材5が室外側垂下片221aの室外側面に対向しているので、例えば火災等のように極めて高い温度で加熱されると、熱膨張性部材5が膨張してレール間アタッチメント60と室外側垂下片321aとの隙間を塞ぐとともに、室外側アタッチメント70と室外側垂下片221aとの隙間を塞ぐ。これにより、気密材45,55を保護することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
図6は、本発明の実施の形態である建具の変形例の要部を拡大して示す縦断面図である。尚、この図6において上述した実施の形態である建具と同一の構成、並びに形状は若干異なるが同一の機能を有するものには同一の符号を付している。
この図6に示すように、本発明においては、アタッチメント1を構成するレール間アタッチメント60′の上板部66の上面、並びにアタッチメント1を構成する室内側アタッチメント80′の上面に熱膨張性部材5を設けてもよい。
このようにレール間アタッチメント60′の上板部66の上面、並びに室内側アタッチメント80′の上面に熱膨張性部材5を設けることで、建具が火災等の極めて高い温度で加熱されると、上板部66の上面、並びに室内側アタッチメント80′の上面に設けられて熱膨張性部材5が上方に向けて膨張することとなり、これにより下枠12と各障子20,30との隙間を塞ぐことができる。
上述した実施の形態では、室外側レールアタッチメント40において、第2保持部44の全長に亘って熱膨張性部材5が設けられていたが、本発明では、外障子20が内障子30とともに矩形開口15を閉塞する場合において、外障子20の下框22における室内側垂下片221bの室外側面に対向する部分にのみ熱膨張性部材5が設けられていてもよい。このような構成によっても、上述した実施の形態と同様に、排水性を十分に確保しつつ防火性を良好なものとすることができるという効果を奏し、更に熱膨張性部材5の使用量を低減できるので、製造コストの低減化を図ることができる。
上述した実施の形態では、室内側レールアタッチメント50において、第2保持部54の全長に亘って熱膨張性部材5が設けられていたが、本発明では、内障子30が外障子20とともに矩形開口15を閉塞する場合において、内障子30の下框32における室内側垂下片321bの室外側面に対向する部分にのみ熱膨張性部材5が設けられてもよい。このような構成によっても、上述した実施の形態と同様に、排水性を十分に確保しつつ防火性を良好なものとすることができるという効果を奏し、更に熱膨張性部材5の使用量を低減できるので、製造コストの低減化を図ることができる。
上述した実施の形態では、レール間アタッチメント60において、第1対向壁保持部64及び第2対向壁保持部65の全長に亘って熱膨張性部材5が設けられていたが、本発明では次のように熱膨張性部材5が設けられてレール間アタッチメント60”が構成されてもよい。すなわち、外障子20及び内障子30により矩形開口15が閉塞される場合において、図7に示すように、レール間アタッチメント60”の第1対向壁保持部64における該外障子20の下框22における室内側垂下片221bの室内側面に対向する部分、並びに図8に示すようにレール間アタッチメント60”の第2対向壁保持部65における該内障子30の下框32における室外側垂下片321aの室外側面に対向する部分にのみ熱膨張性部材5が設けられてもよい。このような構成によっても、上述した実施の形態と同様に、排水性を十分に確保しつつ防火性を良好なものとすることができるという効果を奏し、更に熱膨張性部材5の使用量を低減できるので、製造コストの低減化を図ることができる。
上述した実施の形態では、室外側アタッチメント70において、室外側保持部74の全長に亘って熱膨張性部材5が設けられていたが、本発明では、外障子20が内障子30とともに矩形開口15を閉塞する場合において、外障子20の下框22における室外側垂下片221aの室外側面に対向する部分にのみ熱膨張性部材5が設けられてもよい。このような構成によっても、上述した実施の形態と同様に、排水性を十分に確保しつつ防火性を良好なものとすることができるという効果を奏し、更に熱膨張性部材5の使用量を低減できるので、製造コストの低減化を図ることができる。
上述した実施の形態では、室内側アタッチメント80において、室内側保持部84の全長に亘って熱膨張性部材5が設けられていたが、本発明では、内障子30が外障子20とともに矩形開口15を閉塞する場合において、内障子30の下框32における室内側垂下片321bの室内側面に対向する部分にのみ熱膨張性部材5が設けられてもよい。このような構成によっても、上述した実施の形態と同様に、排水性を十分に確保しつつ防火性を良好なものとすることができるという効果を奏し、更に熱膨張性部材5の使用量を低減できるので、製造コストの低減化を図ることができる。
上述した実施の形態では、室外側レールアタッチメント40及び室内側レールアタッチメント50における案内部42,52の上面は、上方に凸となる形状を有していたが、本発明においては、各レールアタッチメントにおける案内部の上面は、各障子の戸車の外周面の形状に応じて適宜決められるもので、例えば全長に亘ってV字状の凹部が形成されていてもよい。
図9は、本発明の実施の形態である建具の他の変形例の要部を拡大して示す縦断面図である。尚、この図9において上述した実施の形態である建具と同一の構成、並びに形状は若干異なるが同一の機能を有するものには同一の符号を付して重複した説明を省略する。この図9に示す建具においては、下枠本体部12a′及びアタッチメント100を備えている。
下枠本体部12a′は、外障子用下レール125′及び内障子用下レール126′の室外側を臨む部分にこれらレール125′,126′の全長に亘って気密材45,55が保持されている。気密材45は、外障子20の室外側垂下片221aの室内側面に摺接している。気密材55は、内障子30の室外側垂下片321aの室内側面に摺接している。
アタッチメント100は、レール間アタッチメント160、室外側アタッチメント70及び室内側アタッチメント180を備えて構成されている。
レール間アタッチメント160は、左右方向が長手方向となる長尺状部材であり、上記レール間アタッチメント60と同様に、外障子用下レール125′と内障子用下レール126′との相互間に下枠本体部12a′の全長に亘って着脱可能に装着されている。このレール間アタッチメント160は、案内部161、対向壁部162及び上板部163を備えて構成されている。
案内部161は、外障子用下レール125′に当接する部位において該外障子用下レール125′の上方側となる部分に形成されている。この案内部161の上面は、下枠本体部12a′における室内側端部の上面と略同一の高さレベルとなっている。また、この案内部161は、レール間アタッチメント160の全長に亘って上方に突出して形成され、かつ上端面に戸車26を転動可能に載置させている。これにより、外障子20は、戸車26が案内部161の上端面を転動することで左右方向に沿って開閉移動可能である。
対向壁部162は、レール間アタッチメント160における室内側部分の上部を構成するもので、該レール間アタッチメント160の全長に亘って形成されている。この対向壁部162は、室内側を臨む部分が内障子30の室外側垂下片321aの室外側面に対向している。この対向壁部162の室内側を臨む部分には、熱膨張性部材5が貼付されて設けられている。
上板部163は、レール間アタッチメント160における上部を構成するもので、該レール間アタッチメント160の全長に亘って形成されている。この上板部163の上面は、外障子20の下框22における室内側下端面に対向している。かかる上板部163の上面には、熱膨張性部材5が貼付されて設けられている。
室内側アタッチメント180は、左右方向が長手方向となる長尺状部材であり、内障子用下レール126′の室内側に下枠本体部12a′の全長に亘って着脱可能に装着されている。この室内側アタッチメント180は、案内部181及び上板部182を備えて構成されている。
案内部181は、内障子用下レール126′に当接する部位において該内障子用下レール126′の上方側となる部分に形成されている。この案内部181の上面は、下枠本体部12a′における室内側端部の上面と略同一の高さレベルとなっている。また、この案内部181は、室内側アタッチメント180の全長に亘って上方に突出して形成され、かつ上端面に戸車36を転動可能に載置させている。これにより、内障子30は、戸車36が案内部181の上端面を転動することで左右方向に沿って開閉移動可能である。
上板部182は、室内側アタッチメント180における上部を構成するもので、該室内側アタッチメント180の全長に亘って形成されている。この上板部182の上面は、内障子30の下框32における室内側下端面に対向している。かかる上板部182の上面には、熱膨張性部材5が貼付されて設けられている。
このようなアタッチメント100においては、上記アタッチメント1と比して、レール間アタッチメント160が室外側レールアタッチメント40及びレール間アタッチメント60の機能を兼用しており、室内側アタッチメント180が室内側レールアタッチメント50及び室内側アタッチメント80の機能を兼用している。
このような構成を有する建具においても、例えば火災等の極めて高い温度で加熱された場合に、レール間アタッチメント160、室外側アタッチメント70及び室内側アタッチメント180に設けられた熱膨張性部材5が膨張することで、各障子20,30とアタッチメント100との隙間を塞ぐことができる。
上述した実施の形態では、開口枠10に2枚の障子20,30を備えた引違い窓を建具の一例として説明したが、本発明においては、引違い窓だけに限られず、片引き窓にも適用することができる。