JP5719742B2 - アルミ樹脂複合障子のサッシ - Google Patents

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本発明は、アルミ樹脂複合障子のサッシに関する。
特許文献1には、枠に受け金具を設け、框に係合金具を設けて、障子を閉じたときに係合金具が室外側から受け金具に係合することにより、火災時に樹脂製枠や樹脂製框が溶融し又は焼失しても、障子を枠に吊り下げて保持できるようにしたことが開示されている。
特開2006−307572号公報
しかし、特許文献1のサッシでは火災時に枠に障子を保持できたとしても、火災の熱により障子が室外側に反り、枠と障子との間に室内外を連通する空間が生じて、この空間から室内の炎を外に噴出したり外気が室内に入り込んで火災を拡大するそれがあった。
そこで、本発明は、火災時に障子の室外側への反りを防止して、障子と枠との間に室内外を連通する空間ができるのを防止するアルミ樹脂複合障子のサッシの提供を目的とする。
請求項1に記載の発明は、障子と枠とを備え、障子はアルミニウム製框の室内側を中空部を有する樹脂製カバーで覆ってあり、框の室内側面には反り防止金具が取付けてあり且つ反り防止金具は樹脂製カバーの中空部内に収納してあり、枠は反り防止金具を受ける金具受けを備え、反り防止金具は係止部材とばねとを備え、係止部材はばねにより障子の外周側に向けて付勢されて樹脂製カバーに当接してあり、火災時に樹脂製カバーが焼失したときに、係止部材がばねの付勢力により障子の外周側に突出して金具受けの室内側で金具受けに対向することを特徴とするアルミ樹脂複合障子のサッシである。
請求項1記載の発明によれば、火災時に、アルミ樹脂複合障子の樹脂製カバーが溶融し又は消失すると、バネにより付勢されている係止部材が障子の外周側に突出して金具受けの室内側に対向して位置し、障子の室外側への移動を規制するので、障子の反りを防止して障子と枠との間に室内外を連通する空間ができるのを防止する。
また、係止部材が枠に設けた金具受けの室内側に対向して位置することにより、障子の室外側への移動が規制されるので、障子の脱落や振れを防止できる。
係止部材はばねによる付勢力で樹脂製カバーに当接していることにより、樹脂材は経年劣化し難いから、例えば温度ヒューズによる係止部材の突出を抑える場合に比較して、経年劣化による誤作動が生じ難い。
反り防止金具は樹脂製カバーの中空部内に収められているから、反り防止金具を框の室内側面に取付けて、樹脂製カバーを框に被せることで、容易に組み立てができる。
反り防止金具は、樹脂製カバー内に納められており、外部から見えないので、外観が良い。
本発明の実施の形態にかかるアルミ樹脂複合障子のサッシの縦断面図である。 本発明の実施の形態にかかるアルミ樹脂複合障子のサッシの横断面図である。 反り防止金具を収納した上框樹脂製カバーを切断して示す正面図である。 反り受け金具の図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。 コーナ金具の図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図であり、(c)は平面図である。
以下に、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1及び図2に示すように、本実施の形態に係るアルミ樹脂複合障子のサッシ1は、すべり出しサッシであり、障子3はアルミニウム製形材の上框5、下框7及び左右の竪框9、9をガラス4の四周に框組してあり、各框の室内側には樹脂製形材(樹脂製カバー)6が取付けてある。枠11はアルミニウム製の上枠13、下枠15及び左右の竪枠17、17を枠組してあり、室内側には樹脂製形材(樹脂製カバー)18が取付けてある。
図2に示すように、左竪框9と左竪枠17との間及び右竪框9と左竪枠17との間には各々障子3を室外側に吊り出すステー(支持具)19が設けてある。
図1に示すように、障子3の下框7の上部には、ガラス4の下端部を保持するガラス保持溝21が設けてあり、ガラス保持溝21の下方には中空部23が形成されている。ガラス保持溝21にはガラス4の下端部を覆うスチール製のガラス保持溝補強材25が配置されており、中空部23には、スチール製の下框補強材27が設けてあり、ガラス保持溝補強材25は、下框補強材27にねじ28で固定してある。ガラス保持溝補強材25の上面には、ガラス下端面に対向する第1熱膨張耐火材32aがガラス保持溝補強材25の長手方向に全体に亘って設けてある。ガラス保持溝補強材25は下框7の左右端部を除いてガラス保持溝21内に載置されており、下框7のガラス保持溝21の溝底において、ガラス保持溝補強材25がない左右端部には各々排水穴が形成されている。下框補強材27の左右端部において、下框7の排水穴が対向する位置に第2熱膨張耐火材32bが配置されている。
下框7の下面には、スチール製の下補助板29がねじ30で固定してある。下補助板29は下框7に取付けてある樹脂製形材6の長手方向に亘って樹脂製形材6の下面を覆っている。
上框5の下部にもガラス保持溝21が設けてあり、ガラス保持溝21の上部には中空部23が形成されている。上框5のガラス保持溝21にはガラス4の上端部を覆うスチール製のガラス保持溝補強材25が配置されており、ガラス保持溝補強材25は上框5にねじ26で固定してある。ガラス保持溝補強材25の下面にはガラス上端面に対向する第1熱膨張耐火材32aがガラス保持溝補強材25の長手方向に全体に亘って設けてある。
上框5の上面には、スチール製の上補助板31がねじ34により上框5に固定してある。上補助板31は、上框5に取付けてある樹脂製形材6の長手方向に亘って樹脂製形材6の上面を覆っているが、下記する反り防止金具33が設けてある位置は除いてある。
上框5に取付けてある樹脂製形材6には、中空部6aが形成してあり、この中空部6a内には、スチール製の反り防止金具33が設けてある。
反り防止金具33は、図3に示すように、台座34と、係止部材35と、ばね37とを備えており、係止部材35の基端部35aを台座34に回動自在に軸支してありばね37により、係止部材35の先端部35bが上方に向けて回動するように付勢しており、係止部材35の先端部35bは樹脂形材6の中空部6a内で上壁に当接して、中空部6a内に保持されている。
図2に示すように、左右の竪框9、9には、各々ガラス保持溝21に上述したスチール製のガラス保持溝補強材25が設けてあり、中空部9aにはスチール製の竪框補強材39が設けてあり、ガラス保持溝補強材25と竪框補強材39とはねじ40により固定されている。ガラス保持溝補強材25には、左右のガラス端面に対向する第1熱膨張耐火材32aがガラス保持溝補強材25の長手方向に全体に亘って設けてある。
また、各竪框9のガラス保持溝21の室内側壁には、その室外側面にガラス保持溝補強材25に対向する第12熱膨張耐火材32mが設けてある。
図1及び図4に示すように、上枠13には反り防止金具33を受ける反り防止金具受け41固定してあり、反り防止金具受け41の受け金41aが下方に向けて突設してある。また、図1に示すように、上枠13には、第3熱膨張耐火材32cを保持する熱膨張耐火材保持具43が上枠13の見込方向略中央でねじ固定されている。熱膨張耐火材保持具43には室内側に延出する保持部43aが形成してあり、保持部43aは上框5の室内側見付面と見込面とのコーナ部5cに近接するように傾斜している。熱膨張耐火材保持具43の保持部43aに第3熱膨張耐火材32cが設けてあり、第3熱膨張耐火材32cは上補助板31の上面に対向していると共に、上框5の室内側見付面と見込面とのコーナ部5cに室内側で対向している。
下枠15には、第4熱膨張耐火材32dを保持する熱膨張耐火材保持具43が下枠15の見込方向略中央でねじ固定されている。熱膨張耐火材保持具43は室内側で枠内周側に延出する保持部43aが形成してあり、保持部43aは下框7の室内側見付面と見込面とのコーナ部7c且つ近接するように傾斜している。下枠15の第4熱膨張耐火材32dは下補助板29の下面に対向して設けてあると共に、下框7の室内側見付面と見込面とのコーナ部7cに室内側で対向している。
下枠15には、室外側壁の長手方向一端部側に排水穴42が設けてあり、この排水穴42に対応する位置に断面略L字形状を成す熱膨張耐火材保持具44が設けてあり、排水穴42に対向する位置に第5熱膨張耐火材32eが設けてある。
図2に示すように、左右の竪枠17、17には、各々は、下端部の見込面に熱膨張耐火材保持具45がねじで固定してあり、竪框9の見込面に対向する位置に第6熱膨張耐火材32fが設けてある。第6熱膨張耐火材32fは、ステー19がある位置ではステー19に対向している。
障子3において、ガラス4の各コーナ部には、図5に示すコーナ金具47が設けてある。コーナ金具47のガラス4側面には、図1及び図2に示すように、第13熱膨張耐火材32nが設けてある。
尚、上述した第1熱膨張耐火材32a及び下述する第12熱膨張耐火材32m、第13熱膨張耐火材32nには熱が伝わり難い箇所に設けてあるので低温熱発泡体(約160℃で発泡を開始する)が用いられており、その他の熱膨張耐火材、即ち第2熱膨張耐火材32b〜第11熱膨張耐火材32kには一般的は熱発泡体(約200℃で発泡を開始する)が用いられている。
次に、本実施の形態にかかるアルミ樹脂複合障子のスイング系サッシ1の作用効果について、説明する。
図1に示すように、火災時に、アルミ樹脂複合障子3の樹脂形材6が焼け落ちた場合でも、火災の熱により下枠15に設けた第4熱膨張耐火材32dが膨張して下框7の下補助板29に当接して、下框7と下枠15との間の空間を塞ぐ。これにより、火災時にアルミ樹脂複合障子3の下框7と下枠15との間から外気が室内に入り込んだり、室内の炎を外に噴出するのを防止できる。
障子の上框5と上枠13との間では、第3熱膨張耐火材32cが膨張して上補助板31に当接して、上框5と上枠13との間の空間を塞ぐ。したがって、上框5と上枠13との間においても、火災時にこれらの間から外気が室内に入り込んだり、室内の炎を外に噴出するのを防止できる。
上枠13に設けた第3熱膨張耐火材32c及び下枠15に設けた第4熱膨張耐火材32dは、室内側において各々障子3の見込面と室内側見付面とのコーナ部5c、7cに対向して設けてあると共に火災の熱により膨張して室内側からコーナ部5c、7cに当接する。これらの熱膨張耐火材32c、32dは、火災の熱により膨張して室内側からコーナ部5c、7cに当接する位置にあるから、障子との距離が最も近い位置に配置でき、火災時に膨張したときに上枠13及び下枠15と、障子3との間を確実に且つ容易に塞ぐことができる。
上下左右の框5、7、9、9には、ガラス保持溝21内にスチール製のガラス保持溝補強材25が設けてあり、ガラス保持溝補強材25によりガラスの四周を保持しているので、火災時にアルミニウム製の框5、7、9、9が溶けた場合でもガラス4を保持して、ガラス4の脱落を防止できる。
更に、各ガラス保持溝補強材25にはガラス端面に対向して第1熱膨張耐火材32aが設けてあり、火災時に第1熱膨張耐火材32aが熱膨張してガラス4の端面との間を塞ぐから、ガラス保持溝補強材25とガラス端面との間から、外気が室内に入り込んだり室内の炎を外に噴出するのを防止できる。
また、コーナ金具47に設けた第13熱膨張耐火材32nがガラスコーナ部との間を塞ぎ、竪框9ではガラス保持溝21の室内側面に設けた第12熱膨張耐火材32mが竪框9の室内側壁とガラス保持溝補強材25との間を塞ぐ。
図1に示すように、本発明のサッシ1は、上框5の樹脂製形材6の中空部6a内には、反り防止金具33が設けてあり、樹脂製形材6が焼け落ちると、図3に二点鎖線で示すように、係止部材35がばね37に付勢されて上框5の上方に突出し、図1に示すように、上枠13の金具受け41の室内側に対向して位置する。これにより、火災時に障子が熱により反ろうとすると係止部材35が金具受け41に当接して障子の反りを防止し、枠11と障子3との間に大きな隙間できるのを防止できるため、框5、7、9と枠11との間の空間を塞ぐ熱膨張耐火材32c、32d、32fのはたらきと相俟って、効果的に延焼を防止できる。
また、係止部材35が上枠13の金具受け41の室内側に対向して位置することにより障子3の室外側への移動が規制されるので、障子3の脱落や振れを防止できる。
反り防止金具33は、樹脂製形材6内に収納されて、係止部材35はばね37による付勢力で樹脂壁に当接しており、樹脂材は経年劣化し難いから、例えば温度ヒューズによる係止部材35の突出を抑える場合に比較して、経年劣化による誤作動が生じ難い。
反り防止金具33は樹脂製形材6の中空部6a内に収められているから、反り防止金具33を上框5の室内側面に取付けて、樹脂製形材9を上框5に被せることで、容易に組み立てができる。
反り防止金具33は、樹脂製形材6内に納められており、外部から見えないので、外観が良い。
下枠15では第5熱膨張耐火材32eが膨張して排水穴42を塞ぐので、かかる排水穴42から外気が室内に入り込んだり、室内の炎を外に噴出するのを防止できる。また、下框7のガラス保持溝21の溝底に設けた排水穴は、第2熱膨張耐火材32bで塞ぐことができる。
図2に示すように、竪框9と竪枠17との間では、ステー19のないところでは、第6熱膨張耐火材32fが膨張して竪框9と竪枠17との間を塞ぎ、ステー19があるところでは、第7熱膨張耐火材32gが熱膨張耐火材保持具45とステー19との間を塞ぐので、竪框9と竪枠17との間を熱膨張耐火材32f及び32gにより塞ぎ、外気が室内に入り込んだり、室内の炎を外に噴出するのを防止できる。
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、反り防止金具33は、上框5のみに設けることに限らず、下框7にも設けても良いし、また左右の竪框9、9にのみ設けても良いし、障子の四周の框5、7、9、9に設けても良い。
反り防止金具33において、係止部材35はばね37に付勢されて回動することに限らず、例えば、縮めたコイルスプリング等により棒状の係止部材35を外周側に向けて付勢するものであっても良い。
アルミ樹脂複合障子のサッシ1は、すべり出しサッシに限らず、外倒しサッシ、突き出しサッシ、開きサッシ、回転サッシや引き違いサッシ等であっても良く、障子の開き形式に制限されない。
下框7の補助板29はスチール材に限らず、アルミニウム等の他の金属材やカーボン材であっても良く、樹脂製形材6よりも融点が高いものであれば良い。
上框5には上補助板31を設けずに、下框7にのみ下補助板29を設けるものであっても良い。
1 アルミ樹脂複合障子のサッシ
3 障子
5 上框
6 樹脂製形材(樹脂カバー)
13 上枠
33 反り防止金具
35 係止部材
37 ばね
41 金具受け

Claims (1)

  1. 障子と枠とを備え、障子はアルミニウム製框の室内側を中空部を有する樹脂製カバーで覆ってあり、框の室内側面には反り防止金具が取付けてあり且つ反り防止金具は樹脂製カバーの中空部内に収納してあり、枠は反り防止金具を受ける金具受けを備え、反り防止金具は係止部材とばねとを備え、係止部材はばねにより障子の外周側に向けて付勢されて樹脂製カバーに当接してあり、火災時に樹脂製カバーが焼失したときに、係止部材がばねの付勢力により障子の外周側に突出して金具受けの室内側で金具受けに対向することを特徴とするアルミ樹脂複合障子のサッシ。
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