JP2016199747A - インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】保存後のインクの吐出安定性に優れるとともに、光学濃度が高く、かつ、耐オゾン性に優れた画像を記録可能なインクを提供する。【解決手段】色材及び添加剤を含有するインクジェット用のインクである。色材が、下記一般式(I)で表される化合物を含む。【選択図】なし
Description
本発明は、インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、インク小滴を記録媒体に付与して画像を形成する記録方法であり、その低価格化、記録速度の向上により、急速に普及が進んでいる。一般に、インクジェット記録方法で得られた記録物は、銀塩写真と比較してその画像の堅牢性が低い。特に、記録物が、光、湿度、熱、空気中に存在するオゾンガスなどの環境ガスに長時間さらされた際に、記録物の色材が劣化し、画像の色調変化や褪色が発生しやすいなどの問題がある。
ブラック色材を含有するインク(ブラックインク)を用いて記録した画像の褪色は、色材の劣化による色調の変化を伴うことが多い。また、ブラックインクはモノクロ画像及びフルカラー画像の両方に使用され、近年では光沢紙のみならず普通紙を用いた場合にも高い光学濃度を有する画像を記録可能であることが求められている。さらに、近年はインクの使用可能期間を長くするために、インクを長期間保存した後も問題なく使用できることが求められるようになっており、インクの保存安定性への要求が高まっている。
ブラック色材については、分子構造のポリアゾ化が広く検討されている。例えば、電子吸引性基を有するテトラキスアゾ化合物、及び3つのナフタレン環を有するテトラキスアゾ化合物に関する提案がある(特許文献1及び2参照)。
本発明者らは、画像の耐オゾン性と発色性を高めるために、特許文献1に開示された色材について検討した。その結果、本発明者らは、特許文献1に開示された色材の一部は、記録された画像の耐オゾン性と発色性は所望のレベルを満足しうるものの、保存後にインクの吐出安定性が低下するという別の課題が発生することを見出した。
したがって、本発明の目的は、保存後のインクの吐出安定性に優れるとともに、光学濃度が高く、かつ、耐オゾン性に優れた画像を記録可能なインクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、色材及び添加剤を含有するインクジェット用のインクであって、前記色材が、下記一般式(I)で表される化合物を含み、前記添加剤が、下記一般式(II)で表される化合物及び下記一般式(III)で表される化合物の少なくとも一方を含むことを特徴とするインクが提供される。
(前記一般式(I)中、R1及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルファモイル基、N−アルキルアミノスルホニル基、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基(ヒドロキシ基で置換されていてもよい)、ニトロ基、アシル基、ウレイド基、炭素数1乃至4のアルキル基(ヒドロキシ基又は炭素数1乃至4のアルコキシ基で置換されていてもよい)、炭素数1乃至4のアルコキシ基(アルキル部分は、ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボン酸基で置換されていてもよい)、アシルアミノ基、又はアルキルスルホニルアミノ基を表し、R2は、水素原子、又はスルホン酸基を表し、nは、0又は1を表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
(前記一般式(II)中、R4は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルファモイル基、N−アルキルアミノスルホニル基、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基(ヒドロキシ基で置換されていてもよい)、ニトロ基、アシル基、ウレイド基、炭素数1乃至4のアルキル基(ヒドロキシ基又は炭素数1乃至4のアルコキシ基で置換されていてもよい)、炭素数1乃至4のアルコキシ基(アルキル部分は、ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボン酸基で置換されていてもよい)、アシルアミノ基、又はアルキルスルホニルアミノ基を表し、R5は、水素原子、ヒドロキシ基、又はアミノ基を表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
(前記一般式(III)中、R6は、水素原子、ヒドロキシ基、又はアミノ基を表し、R7は、水素原子、又はスルホン酸基を表し、R8は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルファモイル基、N−アルキルアミノスルホニル基、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基(ヒドロキシ基で置換されていてもよい)、ニトロ基、アシル基、ウレイド基、炭素数1乃至4のアルキル基(ヒドロキシ基又は炭素数1乃至4のアルコキシ基で置換されていてもよい)、炭素数1乃至4のアルコキシ基(アルキル部分は、ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボン酸基で置換されていてもよい)、アシルアミノ基、又はアルキルスルホニルアミノ基を表し、nは、0又は1を表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
本発明によれば、保存後のインクの吐出安定性に優れるとともに、光学濃度が高く、かつ、耐オゾン性に優れた画像を記録可能なインクを提供することができる。また、本発明によれば、このインクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用のインクのことを、単に「インク」と記載することがある。
ブラック色材の分子構造と画像の光学濃度とは、以下のような関係を有すると考えられる。一般的に、可視光領域(概ね380nm以上830nm以下)における光の反射率が低い画像は光学濃度が高く認識されやすい。また、CIE(国際照明委員会)により規定された「標準明所分光視感効率曲線」にあるように、人間が最も明るく感じる、すなわち光学濃度が低く感じる波長は、555nm付近である。すなわち、画像の光学濃度を高めるためには、可視光領域のなかでも、特に555nm付近の光の反射率が低い、すなわち、555nm付近の吸収特性の高いブラック色材を用いることが重要である。特許文献1で提案された電子吸引性基を有するテトラキスアゾ化合物の最大吸収波長は、570nm付近である。一方、特許文献2で提案された3つのナフタレン環を有するテトラキスアゾ化合物の最大吸収波長は、640nm付近までシフトしている。このため、一般式(I)で表される化合物(電子吸引性基を有するテトラキスアゾ化合物)を用いると、他のテトラキスアゾ化合物を用いた場合と比べて、より光学濃度の高い画像を記録することができると考えられる。
普通紙などの記録媒体では色材(染料)が記録媒体の表面近傍に留まりにくいため、画像の光学濃度が低く見えやすい。このため、普通紙などの記録媒体に記録した画像の光学濃度の向上には、色材そのものの発色性の向上が重要である。また、光沢紙などの記録媒体では、記録した画像が長期間保存されることが多いため、画像の耐オゾン性の向上が重要である。ブラック色材である一般式(I)で表される化合物を含有するインクを用いれば、耐オゾン性及び光学濃度に優れた画像を記録することができる。しかし、本発明者らが、一般式(I)で表される化合物を含有するインクを用いて記録した画像、及びインクの信頼性について検討したところ、先に述べたように、保存後のインクの吐出安定性に関する課題が発生することが判明した。すなわち、保存後のインクを用いると、吐出安定性の低下が発生することが判明した。
一般式(I)で表される化合物は、分子の平面性が高いために、分子同士が凝集し易いと考えられる。また、硫黄原子を有する化合物は一般にπ電子に富んだ芳香環と強い相互作用を示す。一般式(I)で表される化合物は少なくとも3つのスルホン酸基を有するため、硫黄原子に起因して分子間の相互作用が強く生じるために、立体的にも、軌道エネルギー的にも、分子同士が凝集し易いと考えらえる。このような理由から、一般式(I)で表される化合物を含有するインクを長期間保存すると、分子が凝集してクラスター状の凝集物が数多く形成される。そのため、長期間にわたってインク状態で保存された後には、記録ヘッドのインク流路やフィルターなどに一般式(I)で表される化合物の凝集物が溜まる。この凝集物の影響により、インクの吐出安定性の低下が発生すると本発明者らは考えている。
このような状況の下、本発明者らは、長期間保存した後であっても、一般式(I)で表される化合物を含有するインクの吐出安定性を向上させるための検討を行った。まず、一般式(II)で表される化合物及び一般式(III)で表される化合物の少なくともいずれかの添加剤を含む複数のインクを調製して各インクを温度80℃の恒温槽内で336時間保存した。この保存条件は、一般的なインクジェット用のインクの保存期間を十分に超える期間を想定した加速試験である。そして、保存後のインクを使用して、画像の記録を行ったところ、吐出安定性の低下が抑制されることがわかった。この理由を本発明者らは次のように推測している。
本発明のインクに添加剤として用いうる、一般式(II)で表される化合物及び一般式(III)で表される化合物は、一般式(I)で表される化合物(色材)と類似した構造を有するとともに、色材よりも低分子量で、かつ、硫黄原子を有する化合物である。そのため、一般式(II)で表される化合物及び一般式(III)で表される化合物は、色材として使用される一般式(I)で表される化合物との親和性に優れ、その色材の分子同士の凝集を抑制しているものと推測される。
<インク>
本発明のインクジェット用のインクは、色材及び添加剤を含有する。以下、本発明のインクを構成する成分やインクの物性について詳細に説明する。
本発明のインクジェット用のインクは、色材及び添加剤を含有する。以下、本発明のインクを構成する成分やインクの物性について詳細に説明する。
(色材)
本発明のインクは、下記一般式(I)で表される化合物を含む色材(染料)を含有する。
本発明のインクは、下記一般式(I)で表される化合物を含む色材(染料)を含有する。
一般式(I)中、R1及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルファモイル基、N−アルキルアミノスルホニル基、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基(ヒドロキシ基で置換されていてもよい)、ニトロ基、アシル基、ウレイド基、炭素数1乃至4のアルキル基(ヒドロキシ基又は炭素数1乃至4のアルコキシ基で置換されていてもよい)、炭素数1乃至4のアルコキシ基(アルキル部分は、ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボン酸基で置換されていてもよい)、アシルアミノ基、又はアルキルスルホニルアミノ基を表す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などを挙げることができる。
N−アルキルアミノスルホニル基中のアルキル部分の炭素数は、1乃至4であることが好ましい。N−アルキルアミノスルホニル基としては、N−メチルアミノスルホニル基、N−エチルアミノスルホニル基、N−(n−ブチル)アミノスルホニル基、N,N−ジメチルアミノスルホニル基、N,N−ジ(n−プロピル)アミノスルホニル基などを挙げることができる。
ヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基には、置換又は無置換の炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基が含まれる。アルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニルなどの無置換アルキルスルホニル基;ヒドロキシエチルスルホニル、2−ヒドロキシプロピルスルホニルなどの置換アルキルスルホニル基などを挙げることができる。
アシル基には、脂肪族アシル基が含まれる。アシル基中のアルキル部分の炭素数は、1乃至4であることが好ましい。アシル基としては、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリルなどを挙げることができる。
ヒドロキシ基又は炭素数1乃至4のアルコキシ基で置換されていてもよい、炭素数1乃至4のアルキル基には、置換又は無置換のアルキル基、及び直鎖又は分岐鎖のアルキル基が含まれる。ここで、炭素数1乃至4のアルキル基における炭素数は、無置換の場合の炭素数をいう。したがって、炭素数1乃至4のアルコキシ基で置換された炭素数1乃至4のアルキル基としては、その基全体で炭素数が4を超えていてもよい。アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの無置換アルキル基;2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、メトキシエチル、2−エトキシエチル、n−プロポキシエチル、イソプロポキシエチル、n−ブトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシプロピル、n−プロポキシプロピル、イソプロポキシブチル、n−プロポキシブチルなどの置換アルキル基などを挙げることができる。
炭素数1乃至4のアルコキシ基には、置換又は無置換のアルコキシ基が含まれ、アルコキシ基中のアルキル部分は、ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボン酸基で置換されていてもよい。ここで、炭素数1乃至4のアルコキシ基における炭素数は、無置換の場合の炭素数をいう。したがって、アルコキシ基中のアルキル基が置換された炭素数1乃至4のアルコキシ基としては、その基全体で炭素数が4を超えていてもよい。アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシなどの無置換アルコキシ基;2−ヒドロキシエトキシ、2−ヒドロキシプロポキシ、3−ヒドロキシプロポキシ、メトキシエトキシ、エトキシエトキシ、n−プロポキシエトキシ、イソプロポキシエトキシ、n−ブトキシエトキシ、メトキシプロポキシ、エトキシプロポキシ、n−プロポキシプロポキシ、イソプロポキシブトキシ、n−プロポキシブトキシ、2−ヒドロキシエトキシエトキシ、カルボキシメトキシ、2−カルボキシエトキシ、3−カルボキシプロポキシ、3−スルホプロポキシ、4−スルホブトキシなどの置換アルコキシ基などを挙げることができる。
アシルアミノ基には、脂肪族アシルアミノ基が含まれる。アシルアミノ基中のアルキル部分の炭素数は、1乃至4であることが好ましい。アシルアミノ基としては、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、イソブチリルアミノなどを挙げることができる。
アルキルスルホニルアミノ基の炭素数は1乃至4であることが好ましい。アルキルスルホニルアミノ基としては、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、プロピルスルホニルアミノなどを挙げることができる。
一般式(I)中、R2は、水素原子、又はスルホン酸基を表す。
一般式(I)中、nは、0又は1を表す。nが0である場合、一般式(I)中の該当する位置にスルホン酸基が結合しておらず、代わりに水素原子が結合していることを意味する。
一般式(I)中、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどを挙げることができる。有機アンモニウムとしては、メチルアミン、エチルアミンなどの炭素数1以上3以下のアルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの炭素数1以上4以下のモノ、ジ又はトリアルカノールアミン類などを挙げることができる。本発明においては、一般式(I)中のMが、いずれもナトリウムであることが好ましい。
上記のカルボン酸基、スルホン酸基、及びホスホン酸基は、遊離酸型(H型)であってもよく、塩型であってもよい。カルボン酸基などが塩型である場合(塩を形成する場合)のカウンターイオンとしては、アルカリ金属、アンモニウム、有機アンモニウムのカチオンを挙げることができる。
一般式(I)で表される化合物は、下記一般式(IV)で表される化合物であることが好ましい。一般式(I)で表される化合物のなかでも、一般式(IV)で表される化合物は溶解性が高い。このため、一般式(IV)で表される化合物は、一般式(I)で表される化合物のなかでも凝集性が低く、保存後の吐出安定性の低下を特に効果的に抑制できる。
一般式(IV)中、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。一般式(IV)中のMの具体例は、前述の一般式(I)中のMの具体例と同様である。
一般式(I)で表される化合物の好適例を遊離酸型で表すと、以下に示す例示化合物1乃至7を挙げることができる。勿論、本発明においては、一般式(I)の構造及びその定義に包含されるものであれば、一般式(I)で表される化合物は以下に示す例示化合物に限定されない。本発明においては、以下に示す例示化合物のなかでも例示化合物1及び3がより好ましく、例示化合物1がさらに好ましい。
インク中の一般式(I)で表される化合物の含有量X(質量%)は、インク全質量を基準として、0.10質量%以上10.00質量%以下であることが好ましい。この含有量Xは、より好ましくは0.50質量%以上8.00質量%以下であり、さらに好ましくは1.00質量%以上6.00質量%以下である。
本発明のインクには、本発明の目的を損なわない限りにおいて、色材として、一般式(I)で表される化合物のほかに、一般式(I)で表される化合物以外の別種の染料や顔料が含まれていてもよい。
(添加剤)
本発明のインクは、下記一般式(II)で表される化合物及び下記一般式(III)で表される化合物の少なくとも一方を含む添加剤を含有する。本発明のインクは、この特定の添加剤と、前記一般式(I)で表される化合物(色材)とを含有することを特徴とする。そのため、そのインクを長期間保存した後においてもインクの吐出安定性に優れ、さらにそのインクにより、光学濃度が高く、かつ、耐オゾン性に優れた画像を記録することができる。
本発明のインクは、下記一般式(II)で表される化合物及び下記一般式(III)で表される化合物の少なくとも一方を含む添加剤を含有する。本発明のインクは、この特定の添加剤と、前記一般式(I)で表される化合物(色材)とを含有することを特徴とする。そのため、そのインクを長期間保存した後においてもインクの吐出安定性に優れ、さらにそのインクにより、光学濃度が高く、かつ、耐オゾン性に優れた画像を記録することができる。
一般式(II)中、R4は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルファモイル基、N−アルキルアミノスルホニル基、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基(ヒドロキシ基で置換されていてもよい)、ニトロ基、アシル基、ウレイド基、炭素数1乃至4のアルキル基(ヒドロキシ基又は炭素数1乃至4のアルコキシ基で置換されていてもよい)、炭素数1乃至4のアルコキシ基(アルキル部分は、ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボン酸基で置換されていてもよい)、アシルアミノ基、又はアルキルスルホニルアミノ基を表す。R5は、水素原子、ヒドロキシ基、又はアミノ基を表す。Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。
一般式(III)中、R6は、水素原子、ヒドロキシ基、又はアミノ基を表し、R7は、水素原子、又はスルホン酸基を表す。R8は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルファモイル基、N−アルキルアミノスルホニル基、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基(ヒドロキシ基で置換されていてもよい)、ニトロ基、アシル基、ウレイド基、炭素数1乃至4のアルキル基(ヒドロキシ基又は炭素数1乃至4のアルコキシ基で置換されていてもよい)、炭素数1乃至4のアルコキシ基(アルキル部分は、ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボン酸基で置換されていてもよい)、アシルアミノ基、又はアルキルスルホニルアミノ基を表す。nは、0又は1を表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。
一般式(II)中のR4、及び一般式(III)中のR8は、一般式(I)におけるR1及びR3として挙げた基と同様のものを挙げることができる。一般式(II)中のR5、及び一般式(III)中のR6は、水素原子、ヒドロキシ基、又はアミノ基を表す。一般式(III)中のR7は、一般式(I)におけるR2として挙げた基と同様のものを挙げることができる。一般式(II)及び(III)中のMの具体例は、前述の一般式(I)中のMの具体例と同様である。
一般式(II)で表される化合物は、下記一般式(V)で表される化合物であることが好ましい。また、一般式(III)で表される化合物は、下記一般式(VI)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(V)中、R5は、水素原子、ヒドロキシ基、又はアミノ基を表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。一般式(V)中のMの具体例は、前述の一般式(II)中のMの具体例と同様である。R5は、水素原子、アミノ基であることが好ましい。
一般式(VI)中、R6は、水素原子、ヒドロキシ基、又はアミノ基を表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。一般式(VI)中のMの具体例は、前述の一般式(III)中のMの具体例と同様である。R6は、水素原子、アミノ基であることが好ましい。
インクは、添加剤として、一般式(II)で表される化合物、及び一般式(III)で表される化合物の両方を含有することが好ましく、一般式(V)で表される化合物、及び一般式(VI)で表される化合物の両方を含有することがより好ましい。この場合、特に、一般式(V)で表される化合物におけるR5、及び一般式(VI)で表される化合物におけるR6が、以下に示す組み合わせであることが特に好ましい。
(i)一般式(V)で表される化合物におけるR5が水素原子であるとともに、一般式(VI)で表される化合物におけるR6がアミノ基である。
(ii)一般式(V)で表される化合物におけるR5がアミノ基であるとともに、一般式(VI)で表される化合物におけるR6が水素原子である。
(i)一般式(V)で表される化合物におけるR5が水素原子であるとともに、一般式(VI)で表される化合物におけるR6がアミノ基である。
(ii)一般式(V)で表される化合物におけるR5がアミノ基であるとともに、一般式(VI)で表される化合物におけるR6が水素原子である。
インク中の添加剤の含有量Y(質量%)は、インク全質量を基準として、0.001質量%以上2.00質量%以下であることが好ましい。この含有量Yは、より好ましくは0.004質量%以上1.00質量%以下、さらに好ましくは0.005質量%以上0.80質量%以下、特に好ましくは0.02質量%以上0.50質量%以下である。なお、添加剤として、一般式(II)で表される化合物及び一般式(III)で表される化合物の両方を使用する場合には、これらの合計を含有量Yとする。
添加剤(一般式(II)・(III)で表される各化合物の合計)の含有量Y(質量%)は、色材(一般式(I)で表される化合物)の含有量X(質量%)に対する質量比率(Y/X)で、0.0010倍以上0.1000倍以下であることが好ましい。この質量比率(Y/X)で0.0010倍以上であることにより、一般式(I)で表される化合物の凝集を抑制する効果が得られやすく、吐出安定性を特に高めることが可能となる。一方、この質量比率(Y/X)で0.1000倍以下であることにより、十分な耐オゾン性を得ることが可能となる。なお、質量比率(Y/X)で、0.0008倍以上0.2000倍以下であることも好ましいが、より好ましくは前述の0.0010倍以上0.1000倍以下の範囲である。質量比率(Y/X)で0.0010倍未満であると一般式(I)で表される化合物の凝集を抑制する効果が小さくなり、吐出安定性が低下する場合がある。一方、質量比率(Y/X)で0.1000倍を超えると、耐オゾン性が低下する傾向となる。添加剤の含有量Yの増加に伴い、添加剤のオゾンによる変色又は着色や、色材の過度の凝集抑制効果により、耐オゾン性が低下するものと推測される。
一般式(II)や一般式(V)で表される化合物は、公知の方法に基づいて合成することができる。合成スキームの一例を以下に示す。化合物(a)の活性水素を塩化トシル(トシル基を「Ts」と表記)で保護し、化合物(b)を得る。また、化合物(c)を塩酸の存在下で亜硝酸ナトリウムと反応させることで、ジアゾニウム塩(d)を得る。そして、化合物(b)及びジアゾニウム塩(d)を反応させることで、化合物(e)を得る。得られた化合物(e)からトシル基を脱離させ、目的とする化合物(f)を得る。合成スキーム中の化合物(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)におけるR4、R5及びMは、一般式(II)や一般式(V)におけるR4、R5及びMと同義である。
一般式(III)や一般式(VI)で表される化合物は、公知の方法に基づいて合成することができる。合成スキームの一例を以下に示す。化合物(g)の活性水素を塩化トシル(トシル基を「Ts」と表記)で保護し、化合物(h)を得る。また、化合物(i)を塩酸の存在下で亜硝酸ナトリウムと反応させることで、ジアゾニウム塩(j)を得る。そして、化合物(h)及びジアゾニウム塩(j)を反応させることで、化合物(k)を得る。得られた化合物(k)からトシル基を脱離させ、目的とする化合物(l)を得る。合成スキーム中の化合物(g)、(h)、(i)、(j)、(k)及び(l)におけるR6、R7、n及びMは、一般式(III)や一般式(VI)におけるR6、R7、n及びMと同義である。
一般式(II)や一般式(V)で表される化合物の好適例を遊離酸型で表すと、下記の例示化合物8乃至10を挙げることができる。勿論、本発明においては、一般式(II)や一般式(V)の構造及びその定義に包含されるものであれば、一般式(II)や一般式(V)で表される化合物は以下に示す例示化合物に限定されない。本発明においては、以下に示す例示化合物のなかでも例示化合物8及び9がさらに好ましい。
一般式(III)や一般式(VI)で表される化合物の好適例を遊離酸型で表すと、下記の例示化合物11乃至13を挙げることができる。勿論、本発明においては、一般式(III)や一般式(VI)の構造及びその定義に包含されるものであれば、一般式(III)や一般式(VI)で表される化合物は以下に示す例示化合物に限定されない。本発明においては、以下に示す例示化合物のなかでも例示化合物11及び12がさらに好ましい。
(添加剤の検証方法)
一般式(II)で表される化合物及び一般式(III)で表される化合物がインク中に含まれているか否かの検証は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた下記の(1)及び(2)の検証方法を適用することができる。
(1)ピークの保持時間
(2)(1)のピークについてのマススペクトルのM/Z(posi)
一般式(II)で表される化合物及び一般式(III)で表される化合物がインク中に含まれているか否かの検証は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた下記の(1)及び(2)の検証方法を適用することができる。
(1)ピークの保持時間
(2)(1)のピークについてのマススペクトルのM/Z(posi)
高速液体クロマトグラフィーの分析条件は、以下に示す通りである。純水で約1000倍に希釈した液体(インク)を測定サンプルとする。下記の条件で高速液体クロマトグラフィーでの分析を行い、ピークの保持時間(retention time)を測定する。
・カラム:Fire C18(日本ウォーターズ製)2.1mmx150mm
・カラム温度:40℃
・流速:0.2mL/min
・PDA:200nm〜700nm
・移動相及びグラジェント条件:表1に記す。
・カラム:Fire C18(日本ウォーターズ製)2.1mmx150mm
・カラム温度:40℃
・流速:0.2mL/min
・PDA:200nm〜700nm
・移動相及びグラジェント条件:表1に記す。
また、上記の高速液体クロマトグラフィーで得られたピークについて、下記の条件でマススペクトルを測定し、最も強く検出されたM/Zをposiに対して測定する。
・イオン化法:ESI
・キャピラリー電圧:3.5kV
・脱溶媒ガス:300℃
・イオン源温度:120℃
・検出器:posi;40V 200〜1500amu/0.9sec
・イオン化法:ESI
・キャピラリー電圧:3.5kV
・脱溶媒ガス:300℃
・イオン源温度:120℃
・検出器:posi;40V 200〜1500amu/0.9sec
上記した方法及び条件下で、例示化合物8及び例示化合物12について測定を行った。その結果、得られた保持時間、及びM/Z(posi)の値を表2に示す。未知のインクについて、上記と同様の方法及び条件下で測定を行って、得られた測定値が表2に示す値に該当する場合、本発明のインクに用いる化合物を含有すると判断することができる。
(水性媒体)
本発明のインクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。本発明においては、水性媒体として少なくとも水を含有する、水性のインクとすることが好ましい。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。
本発明のインクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。本発明においては、水性媒体として少なくとも水を含有する、水性のインクとすることが好ましい。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒などを用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、5.0質量%以上90.0質量%以下、さらには10.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤の含有量が上記した範囲を外れると、高いレベルのインクの吐出安定性が十分に得られない場合がある。
(その他の添加剤)
述の各成分以外にも必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性樹脂など、種々の添加剤を含有してもよい。
述の各成分以外にも必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性樹脂など、種々の添加剤を含有してもよい。
(インクの物性)
本発明においては、インクの25℃における粘度は、1.0mPa・s以上5.0mPa・s以下であることが好ましく、1.0mPa・s以上3.5mPa・s以下であることがより好ましい。また、インクの25℃における静的表面張力が、28mN/m以上45mN/m以下であることが好ましい。さらに、インクの25℃におけるpHは、5以上9以下であることが好ましい。
本発明においては、インクの25℃における粘度は、1.0mPa・s以上5.0mPa・s以下であることが好ましく、1.0mPa・s以上3.5mPa・s以下であることがより好ましい。また、インクの25℃における静的表面張力が、28mN/m以上45mN/m以下であることが好ましい。さらに、インクの25℃におけるpHは、5以上9以下であることが好ましい。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、このインク収容部に収容されているインクが、上記で説明した本発明のインクである。図1は、本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示すように、インクカートリッジの底面には、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口12が設けられている。インクカートリッジの内部はインクを収容するためのインク収容部となっている。インク収容部は、インク収容室14と、吸収体収容室16とで構成されており、これらは連通口18を介して連通している。また、吸収体収容室16はインク供給口12に連通している。インク収容室14には液体のインク20が収容されており、吸収体収容室16には、インクを含浸状態で保持する吸収体22及び24が収容されている。インク収容部は、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容されるインク全量を吸収体により保持する形態であってもよい。また、インク収容部は、吸収体を持たず、インクの全量を液体の状態で収容する形態であってもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、このインク収容部に収容されているインクが、上記で説明した本発明のインクである。図1は、本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示すように、インクカートリッジの底面には、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口12が設けられている。インクカートリッジの内部はインクを収容するためのインク収容部となっている。インク収容部は、インク収容室14と、吸収体収容室16とで構成されており、これらは連通口18を介して連通している。また、吸収体収容室16はインク供給口12に連通している。インク収容室14には液体のインク20が収容されており、吸収体収容室16には、インクを含浸状態で保持する吸収体22及び24が収容されている。インク収容部は、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容されるインク全量を吸収体により保持する形態であってもよい。また、インク収容部は、吸収体を持たず、インクの全量を液体の状態で収容する形態であってもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
図2は、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。インクジェット記録装置には、記録媒体32を搬送する搬送手段(不図示)、及びキャリッジシャフト34が設けられている。キャリッジシャフト34にはヘッドカートリッジ36が搭載可能となっている。ヘッドカートリッジ36は記録ヘッド38及び40を具備しており、インクカートリッジ42がセットされるように構成されている。ヘッドカートリッジ36がキャリッジシャフト34に沿って主走査方向に搬送される間に、記録ヘッド38及び40から記録媒体32に向かってインク(不図示)が吐出される。そして、記録媒体32が搬送手段(不図示)により副走査方向に搬送されることによって、記録媒体32に画像が記録される。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<色材の合成>
(化合物A)
特許文献1の記載を参考にして、遊離酸型として下記の構造式(1)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物(この化合物を「化合物A」と記載する)を得た。
(化合物A)
特許文献1の記載を参考にして、遊離酸型として下記の構造式(1)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物(この化合物を「化合物A」と記載する)を得た。
(化合物B)
特許文献1の記載を参考にして、遊離酸型として下記の構造式(2)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物(この化合物を「化合物B」と記載する)を得た。
特許文献1の記載を参考にして、遊離酸型として下記の構造式(2)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物(この化合物を「化合物B」と記載する)を得た。
(化合物C)
特許文献1の記載を参考にして、遊離酸型として下記の構造式(3)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物(この化合物を「化合物C」と記載する)を得た。
特許文献1の記載を参考にして、遊離酸型として下記の構造式(3)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物(この化合物を「化合物C」と記載する)を得た。
(化合物D)
特許文献2の記載を参考にして、遊離酸型として下記の構造式(4)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物(この化合物を「化合物D」と記載する)を得た。
特許文献2の記載を参考にして、遊離酸型として下記の構造式(4)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物(この化合物を「化合物D」と記載する)を得た。
<添加剤の合成>
(化合物E)
下記の化合物(a1)6.4g、及びp−トルエンスルホニルクロライド5.6gを、pH8〜9、温度80℃で3時間反応させた。その後、酸性条件にて塩化ナトリウムを加えて塩析し、析出物をろ過により分取し、下記の化合物(b1)8.0gを得た。「Ts」はトシル基を表す。
(化合物E)
下記の化合物(a1)6.4g、及びp−トルエンスルホニルクロライド5.6gを、pH8〜9、温度80℃で3時間反応させた。その後、酸性条件にて塩化ナトリウムを加えて塩析し、析出物をろ過により分取し、下記の化合物(b1)8.0gを得た。「Ts」はトシル基を表す。
次に下記の化合物(c1)10gに、水100mLを加え、さらに12mol/Lの塩酸10mLを加え、温度0℃まで冷却した。そこに、25%の亜硝酸ナトリウム水溶液3.0gを滴下し、ジアゾニウム塩を生じさせた。このジアゾニウム塩を含む懸濁液に、化合物(b1)8.0gを水72mLに溶解した水溶液を加え、温度0〜20℃の範囲内に調整しながら12時間反応させた。この際、炭酸ナトリウムにてpH7〜9に調整した。その後、塩化ナトリウムにて塩析し、析出物をろ過により分取し、モノアゾ化合物8.0gを得た。
得られたモノアゾ化合物を水50mLに溶解し、水酸化ナトリウムにてpH10以上に調整し、温度70℃で1時間反応させた。35%塩酸にてpH7〜8とし、水酸化ナトリウムにて塩析し、析出した固体をろ過により分取した。得られた固体を乾燥させ、化合物Eを得た。化合物Eは、遊離酸型として下記の構造で示される。
(化合物F)
化合物(a1)を下記の化合物(a2)に変更したこと以外は化合物Eの合成と同様にして、化合物Fを得た。化合物Fは、遊離酸型として下記の構造で示される。
化合物(a1)を下記の化合物(a2)に変更したこと以外は化合物Eの合成と同様にして、化合物Fを得た。化合物Fは、遊離酸型として下記の構造で示される。
(化合物G)
化合物(a1)を下記の化合物(a3)に変更したこと以外は化合物Eの合成と同様にして、化合物Gを得た。化合物Gは、遊離酸型として下記の構造で示される。
化合物(a1)を下記の化合物(a3)に変更したこと以外は化合物Eの合成と同様にして、化合物Gを得た。化合物Gは、遊離酸型として下記の構造で示される。
(化合物H)
下記の化合物(g1)6.4g、及びp−トルエンスルホニルクロライド5.6gを、pH8〜9、温度80℃で3時間反応させた。その後、酸性条件にて塩化ナトリウムを加えて塩析し、析出物をろ過により分取し、下記の化合物(h1)8.0gを得た。「Ts」はトシル基を表す。
下記の化合物(g1)6.4g、及びp−トルエンスルホニルクロライド5.6gを、pH8〜9、温度80℃で3時間反応させた。その後、酸性条件にて塩化ナトリウムを加えて塩析し、析出物をろ過により分取し、下記の化合物(h1)8.0gを得た。「Ts」はトシル基を表す。
アニリン−4−スルホン酸10gに水100mLを加え、さらに12mol/Lの塩酸10mLを加え、温度0℃まで冷却した。そこに、25%の亜硝酸ナトリウム水溶液3.0gを滴下し、ジアゾニウム塩を得た。得られたジアゾニウム塩を含む懸濁液に、アニリン−2−スルホン酸8.0gを水72mLに溶解した水溶液を加え、0℃〜20℃の範囲内に調整しながら12時間反応させた。この際、炭酸ナトリウムにてpH7〜9に調整した。その後、塩化ナトリウムにて塩析し、析出物をろ過により分取し、下記の化合物(i1)8.0gを得た。
得られた化合物(i1)を水50mLに溶解し、12mol/Lの塩酸10mLを加え、温度0℃まで冷却した。そこに、25%の亜硝酸ナトリウム水溶液3.0gを滴下し、ジアゾニウム塩を生じさせた。このジアゾニウム塩を含む懸濁液に、化合物(h1)5.0gを水50mLに溶解した水溶液を加え、温度0℃〜20℃の範囲内に調整しながら12時間反応させた。この際、炭酸ナトリウムにてpH7〜9に調整した。さらに塩化ナトリウムにて塩析し、析出物をろ過により分取し、ジスアゾ化合物を得た。
得られたジスアゾ化合物を水50mLに溶解し、水酸化ナトリウムにてpH10以上に調整し、温度70℃で1時間反応させた。35%塩酸にてpH7〜8とし、水酸化ナトリウムにて塩析し、析出物をろ過により分取した。得られた固体を乾燥させ、化合物Hを得た。化合物Hは、遊離酸型として下記の構造で示される。
(化合物I)
化合物(g1)を下記の化合物(g2)に変更したこと以外は化合物Hの合成と同様にして、化合物Iを得た。化合物Iは、遊離酸型として下記の構造で示される。
化合物(g1)を下記の化合物(g2)に変更したこと以外は化合物Hの合成と同様にして、化合物Iを得た。化合物Iは、遊離酸型として下記の構造で示される。
(化合物J)
化合物(g1)を下記の化合物(g3)に変更したこと以外は化合物Hの合成と同様にして、化合物Jを得た。化合物Jは、遊離酸型として下記の構造で示される。
化合物(g1)を下記の化合物(g3)に変更したこと以外は化合物Hの合成と同様にして、化合物Jを得た。化合物Jは、遊離酸型として下記の構造で示される。
<インクの調製>
表3の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ0.20μmのフィルターで加圧ろ過して各インクを調製した。なお、表3中の「アセチレノールE100」(川研ファインケミカル製)は、ノニオン性界面活性剤の商品名である。また、表3中のイオン交換水の欄の「残量」は、インクの各成分量の合計が100.00%となる残量を意味する。表3の下段には、インク中の色材(一般式(I)で表される化合物)の含有量X(%)、添加剤(一般式(II)、(III)で表される化合物)の含有量Y(%)、Y/Xの値を示した。
表3の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ0.20μmのフィルターで加圧ろ過して各インクを調製した。なお、表3中の「アセチレノールE100」(川研ファインケミカル製)は、ノニオン性界面活性剤の商品名である。また、表3中のイオン交換水の欄の「残量」は、インクの各成分量の合計が100.00%となる残量を意味する。表3の下段には、インク中の色材(一般式(I)で表される化合物)の含有量X(%)、添加剤(一般式(II)、(III)で表される化合物)の含有量Y(%)、Y/Xの値を示した。
<評価>
上記で得られた各インクをそれぞれインクカートリッジに充填し、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名「PIXUS iP8600」、キヤノン製)に搭載した。本実施例においては、1/2400インチ・1/1200インチの単位領域に2.5pLのインクを付与して記録したベタ画像を「記録デューティが100%である」と定義する。光学濃度及び耐オゾン性の評価の際には、分光光度計(商品名「Spectrolino」、Gretag Macbeth製)を用いて、光源:D50、視野:2・の条件で光学濃度を測定した。本発明においては、下記の各項目の評価基準で、「C」を許容できないレベル、(「AA」、)「A」及び「B」を許容できるレベルとした。評価結果を表4に示す。
上記で得られた各インクをそれぞれインクカートリッジに充填し、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名「PIXUS iP8600」、キヤノン製)に搭載した。本実施例においては、1/2400インチ・1/1200インチの単位領域に2.5pLのインクを付与して記録したベタ画像を「記録デューティが100%である」と定義する。光学濃度及び耐オゾン性の評価の際には、分光光度計(商品名「Spectrolino」、Gretag Macbeth製)を用いて、光源:D50、視野:2・の条件で光学濃度を測定した。本発明においては、下記の各項目の評価基準で、「C」を許容できないレベル、(「AA」、)「A」及び「B」を許容できるレベルとした。評価結果を表4に示す。
(光学濃度)
上記のインクジェット記録装置を用いて、温度23℃、相対湿度55%の環境で、記録媒体(普通紙、商品名「PB PAPER」、キヤノン製)に、記録デューティが100%であるベタ画像を記録した。得られた記録物におけるベタ画像の光学濃度を測定した。得られた光学濃度の値から、以下に示す評価基準にしたがって光学濃度を評価した。
A:光学濃度が1.30以上であった。
B:光学濃度が1.15以上1.30未満であった。
C:光学濃度が1.15未満であった。
上記のインクジェット記録装置を用いて、温度23℃、相対湿度55%の環境で、記録媒体(普通紙、商品名「PB PAPER」、キヤノン製)に、記録デューティが100%であるベタ画像を記録した。得られた記録物におけるベタ画像の光学濃度を測定した。得られた光学濃度の値から、以下に示す評価基準にしたがって光学濃度を評価した。
A:光学濃度が1.30以上であった。
B:光学濃度が1.15以上1.30未満であった。
C:光学濃度が1.15未満であった。
(耐オゾン性)
上記のインクジェット記録装置を用いて、温度23℃、相対湿度55%の環境で、記録媒体(光沢紙、商品名「キヤノン写真用紙・光沢 ゴールド」、キヤノン製)に、記録デューティが50%であるベタ画像を記録した。得られた記録物におけるベタ画像の光学濃度を測定した(耐オゾン性試験前の光学濃度)。この記録物をオゾン試験装置(商品名「OMS−H」、スガ試験機製)中に載置し、槽内温度23℃、相対湿度50%、オゾンガス濃度10ppmで24時間、オゾン曝露を行った。その後、記録物におけるベタ画像の光学濃度を測定した(耐オゾン性試験後の光学濃度)。得られた耐オゾン性試験前の光学濃度及び耐オゾン性試験後の光学濃度の値から、光学濃度の残存率=耐オゾン性試験後の光学濃度/耐オゾン性試験前の光学濃度・100%を算出し、以下に示す評価基準にしたがって耐オゾン性を評価した。なお、光学濃度の残存率は、上記分光光度計を用いて測定される、ブラック成分について算出した値を評価に用いた。
A:光学濃度の残存率が60%以上であった。
B:光学濃度の残存率が60%未満であった。
上記のインクジェット記録装置を用いて、温度23℃、相対湿度55%の環境で、記録媒体(光沢紙、商品名「キヤノン写真用紙・光沢 ゴールド」、キヤノン製)に、記録デューティが50%であるベタ画像を記録した。得られた記録物におけるベタ画像の光学濃度を測定した(耐オゾン性試験前の光学濃度)。この記録物をオゾン試験装置(商品名「OMS−H」、スガ試験機製)中に載置し、槽内温度23℃、相対湿度50%、オゾンガス濃度10ppmで24時間、オゾン曝露を行った。その後、記録物におけるベタ画像の光学濃度を測定した(耐オゾン性試験後の光学濃度)。得られた耐オゾン性試験前の光学濃度及び耐オゾン性試験後の光学濃度の値から、光学濃度の残存率=耐オゾン性試験後の光学濃度/耐オゾン性試験前の光学濃度・100%を算出し、以下に示す評価基準にしたがって耐オゾン性を評価した。なお、光学濃度の残存率は、上記分光光度計を用いて測定される、ブラック成分について算出した値を評価に用いた。
A:光学濃度の残存率が60%以上であった。
B:光学濃度の残存率が60%未満であった。
(吐出安定性)
各インクを温度80℃の恒温槽内で336時間保存した。その後、インクをインクカートリッジに充填し、上記のインクジェット記録装置のヘッドカートリッジに搭載した。温度23℃、相対湿度55%の環境で、記録媒体(普通紙、商品名「PB PAPER」、キヤノン製)に、記録デューティが150%、100%及び50%であるA4サイズのベタ画像を任意の枚数連続で記録した。得られた画像を以下に示す評価基準にしたがって目視で評価した。ベタ画像の記録デューティが高いほどインクの吐出量が多くなるので、凝集物が生じていた場合には記録ヘッドのインク流路やフィルターなどに凝集物が溜まりやすくなり、吐出安定性が低下しやすくなる。したがって、この評価では、記録デューティが高いベタ画像を記録しても不吐出が生じなければ、凝集物の発生が抑制されて吐出安定性に優れることが示される。
AA:150%デューティで記録しても不吐出がなかった。
A:100%デューティで記録しても不吐出がなかった。
B:100%デューティで記録した際に僅かな不吐出が確認されたが、50%デューティで記録した際には不吐出がなかった。
C:50%デューティで記録した際に不吐出が確認された。
各インクを温度80℃の恒温槽内で336時間保存した。その後、インクをインクカートリッジに充填し、上記のインクジェット記録装置のヘッドカートリッジに搭載した。温度23℃、相対湿度55%の環境で、記録媒体(普通紙、商品名「PB PAPER」、キヤノン製)に、記録デューティが150%、100%及び50%であるA4サイズのベタ画像を任意の枚数連続で記録した。得られた画像を以下に示す評価基準にしたがって目視で評価した。ベタ画像の記録デューティが高いほどインクの吐出量が多くなるので、凝集物が生じていた場合には記録ヘッドのインク流路やフィルターなどに凝集物が溜まりやすくなり、吐出安定性が低下しやすくなる。したがって、この評価では、記録デューティが高いベタ画像を記録しても不吐出が生じなければ、凝集物の発生が抑制されて吐出安定性に優れることが示される。
AA:150%デューティで記録しても不吐出がなかった。
A:100%デューティで記録しても不吐出がなかった。
B:100%デューティで記録した際に僅かな不吐出が確認されたが、50%デューティで記録した際には不吐出がなかった。
C:50%デューティで記録した際に不吐出が確認された。
実施例1、17、及び18の吐出安定性はいずれもAランクであったが、実施例17及び18は実施例1よりも相対的に良好であった。
Claims (8)
- 色材及び添加剤を含有するインクジェット用のインクであって、
前記色材が、下記一般式(I)で表される化合物を含み、
前記添加剤が、下記一般式(II)で表される化合物及び下記一般式(III)で表される化合物の少なくとも一方を含むことを特徴とするインク。
(前記一般式(I)中、R1及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルファモイル基、N−アルキルアミノスルホニル基、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基(ヒドロキシ基で置換されていてもよい)、ニトロ基、アシル基、ウレイド基、炭素数1乃至4のアルキル基(ヒドロキシ基又は炭素数1乃至4のアルコキシ基で置換されていてもよい)、炭素数1乃至4のアルコキシ基(アルキル部分は、ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボン酸基で置換されていてもよい)、アシルアミノ基、又はアルキルスルホニルアミノ基を表し、R2は、水素原子、又はスルホン酸基を表し、nは、0又は1を表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
(前記一般式(II)中、R4は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルファモイル基、N−アルキルアミノスルホニル基、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基(ヒドロキシ基で置換されていてもよい)、ニトロ基、アシル基、ウレイド基、炭素数1乃至4のアルキル基(ヒドロキシ基又は炭素数1乃至4のアルコキシ基で置換されていてもよい)、炭素数1乃至4のアルコキシ基(アルキル部分は、ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボン酸基で置換されていてもよい)、アシルアミノ基、又はアルキルスルホニルアミノ基を表し、R5は、水素原子、ヒドロキシ基、又はアミノ基を表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
(前記一般式(III)中、R6は、水素原子、ヒドロキシ基、又はアミノ基を表し、R7は、水素原子、又はスルホン酸基を表し、R8は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルファモイル基、N−アルキルアミノスルホニル基、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基(ヒドロキシ基で置換されていてもよい)、ニトロ基、アシル基、ウレイド基、炭素数1乃至4のアルキル基(ヒドロキシ基又は炭素数1乃至4のアルコキシ基で置換されていてもよい)、炭素数1乃至4のアルコキシ基(アルキル部分は、ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボン酸基で置換されていてもよい)、アシルアミノ基、又はアルキルスルホニルアミノ基を表し、nは、0又は1を表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す) - 前記添加剤が、前記一般式(II)で表される化合物及び前記一般式(III)で表される化合物を含む請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインク。
- 前記一般式(V)で表される化合物におけるR5が水素原子であるとともに、前記一般式(VI)で表される化合物におけるR6がアミノ基である、又は、前記一般式(V)で表される化合物におけるR5がアミノ基であるとともに、前記一般式(VI)で表される化合物におけるR6が水素原子である請求項3又は4に記載のインク。
- 前記添加剤の含有量Y(質量%)が、前記色材の含有量X(質量%)に対する質量比率(Y/X)で、0.0010倍以上0.1000倍以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインク。
- インクと、前記インクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジであって、
前記インクが、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクカートリッジ。 - インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
前記インクが、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
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