JP2016199735A - 固体酸、オレフィン重合用触媒及びオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

固体酸、オレフィン重合用触媒及びオレフィン重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高活性な性能を与える固体酸、オレフィン重合用触媒およびそれを用いたオレフィン重合体の製造方法の提供。【解決手段】500℃以上でピリジンが吸着するルイス酸点の量が固体酸1g当たり45μmol以上有する固体酸、該固体酸を含むオレフィン重合用触媒を用いる方法による。また、固体酸がイオン交換性層状ケイ酸塩である固体酸、イオン交換性層状ケイ酸塩が、窒素吸着法による吸着等温線を用いてBJH解析法により算出した細孔分布曲線において算出される直径2〜10nmの細孔の細孔容量の総和が、全メソ細孔容量の60〜100%である固体酸、該固体酸を含むオレフィン重合用触媒を用いる方法による。【選択図】なし

Description

本発明は、固体酸、固体酸を用いたオレフィン重合用触媒、及びオレフィン重合体の製造方法に関する。さらに詳しくは、特定の強度のルイス酸点の量を制御した固体酸、及びその固体酸を用いたオレフィン重合用触媒、及びオレフィン重合体の製造方法に関する。
固体酸は触媒として石油精製や有機合成に広く応用され、異性化、核アルキル化、不均化、重合、解重合、縮合、水和、脱水、エステル化、アセタール化、アミノ化、クラッキングなどの各種反応の触媒として、従来の液体の酸より活性と選択性のみならず反応の操作、機構の点で実際に優れていることが知られている。中でも粘土鉱物やイオン交換性層状ケイ酸塩などの固体酸は、オレフィン重合用の触媒成分として利用されており(例えば、特許文献1参照)、触媒活性の向上を課題とし、固体酸による種々の解決手段が提案されている(例えば、特許文献2〜4参照)。例えば、酸処理、塩類処理または酸と塩類との共存下に化学処理を行った粘土鉱物を触媒成分として含むオレフィン重合用触媒も知られている。
また、pKaが−8.2以下の酸点を特定量有するイオン交換性層状ケイ酸塩をオレフィン重合用触媒成分として用い、高い触媒活性を得る方法も、知られている(例えば、特許文献5参照)。しかしながら、上記のようなこれまでの技術では、オレフィン重合用触媒成分の活性は、未だ十分でなく、さらなる技術向上が望まれている。
特開平5−301917号公報 特開平7−309907号公報 特開平8−127613号公報 特開平10−168109号公報 特開2002−053609号公報
本発明の目的は、上記従来技術の状況や問題点に鑑み、高活性な性能を与える固体酸、オレフィン重合用触媒およびそれを用いたオレフィン重合体の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、固体酸の酸性質に着目し、鋭意検討した結果、本発明に到達したものである。オレフィンの重合には周期表第3〜12族の遷移金属が必要であるが、これを活性化させるための手段として固体酸が利用されている。本発明は、特定の酸強度以上のルイス酸点を所定量以上有する固体酸を提供し、更にこの固体酸を触媒成分として用いることにより、高活性の触媒を提供するものである。
すなわち、本発明は、発明の主要な特徴として、500℃以上でピリジンが吸着するルイス酸点の量が固体酸1g当たり45μmol以上有する固体酸が提供される。
上記した本発明の基本発明に付随する実施の態様発明(従属請求項の各発明)としては、第二の発明として、第一の発明の固体酸がイオン交換性層状ケイ酸塩である固体酸が提供され、第三の発明として、イオン交換性層状ケイ酸塩が、窒素吸着法による吸着等温線を用いてBJH解析法により算出した細孔分布曲線において算出される直径2〜10nmの細孔の細孔容量の総和が、全メソ細孔容量の60〜100%である固体酸が提供される。
また、第四の発明として、無機酸処理または有機酸処理によるイオン交換性層状ケイ酸塩を構成する八面体シートの主な金属陽イオンの脱離比率が10〜65モル%である固体酸が提供され、第五の発明として、八面体シートの主な金属陽イオンがアルミニウムである固体酸が提供される。
加えて、第六〜第九の発明として、イオン交換性層状ケイ酸塩がそれぞれ、2:1層の構造を有する固体酸、スメクタイト族ケイ酸塩である固体酸、2八面体型スメクタイト族ケイ酸塩である固体酸及びモンモリロナイトである固体酸が提供され、第十、十一の発明として、化学処理されて得られる固体酸の製造方法、及び有機アルミニウム化合物により処理されて得られる固体酸の製造方法が提供される。
第十二の発明として、固体酸及び周期表第3〜12族の遷移金属化合物を含むオレフィン重合用触媒、第十三の発明として、固体酸及び周期表第3〜12族の遷移金属化合物をオレフィンと接触させてなるオレフィン重合用触媒の製造方法、及び第十四の発明として、それらオレフィン重合用触媒を用いて、オレフィンを単独重合又は共重合するオレフィン重合体の製造方法が提供される。
本発明の固体酸は特定の酸強度のルイス酸点を所定量以上有する固体酸であり、この固体酸をオレフィン重合用触媒成分に用いることで、遷移金属化合物を効率よく活性化し、高活性にオレフィン重合体を製造することができる。
化学処理モンモリロナイトのピリジン−TPD−IR/MS測定結果。 有機アルミニウム処理モンモリロナイトのピリジン−TPD−IR/MS測定結果。
以下、本発明を項目毎に、詳細に説明する。
1.固体酸[A]
本発明の固体酸は、500℃以上でピリジンが吸着するルイス酸点の量が固体酸1g当たり45μmol以上有するものである。ここで「500℃以上でピリジンが吸着するルイス酸点」とは、500℃の温度でピリジンが脱離せずに吸着するルイス酸点であり、500℃以上の温度で、はじめてピリジンが脱離するルイス酸点である。
1−1.ルイス酸点の強度と量
ルイス酸点の測定には、ピリジンを用いた昇温脱離−質量分析法(TPD―MS)と赤外分光法(IR)の組み合わせにより、酸強度および酸点の量(酸量)を算出することができる。
1−1−1.昇温脱離−質量分析法(TPD−MS)
本発明で用いる昇温脱離−質量分析法(TPD−MS)とは、固体酸の酸点にピリジンを吸着させ、試料層の温度を連続的に昇温させることによって生じる脱離するピリジンのガスを測定する方法である。脱離してくるピリジンのガスの量を測定することにより酸量を求めることができる。また弱い酸点に吸着しているピリジンは低温で脱離し、強い酸点に吸着しているピリジンは高温で脱離することから、酸強度分布を求めることができる。測定前に固体酸中の余分な水分などを除去するために、乾燥処理を実施してもよい。乾燥条件として真空度が1.0torr abs以下が好ましく、特に0.5torr abs以下が好ましい。また乾燥温度としては0〜1000℃が好ましく、特に0〜600℃が好ましい。乾燥時間は30〜360分が好ましく、特に30〜240分が好ましい。
ピリジンの固体酸の酸点への吸着は、ピリジンをガスにて接触させる方法をとることができる。またピリジンのガスには、酸点に吸着しない不活性なガスを含んでもよく、ピリジンガスの濃度は5モル%以上が好ましく、特に50モル%以上が好ましい。また液体のピリジンを固体酸の酸点への吸着する際には、液溜めを含む測定装置を用いる。液溜めにピリジンを入れ、系内を減圧にすることにより、ピリジン蒸気を発生させ、固体酸の酸点に接触することができる。
吸着時間は、すべての酸点にピリジンを吸着させるため、長ければ長いほどよい。具体的には10分以上が好ましく、特に30分以上が好ましい。また吸着温度は−100〜500℃が好ましく、特に0〜300℃が好ましい。
固体酸の酸点ではない位置に物理吸着したピリジンを除去するためには、真空処理で除去を行うことが好ましい。真空処理の真空度が1.0torr abs以下が好ましく、特に0.5torr abs以下が好ましい。また除去温度としては0〜300℃が好ましく、特に0〜200℃が好ましい。除去時間は30〜360分が好ましく、特に30〜240分が好ましい。
仮に真空処理によりすべての物理吸着を除去しきれなかったとしても、本発明に使用されるピリジンは、酸解離定数(pKa)が小さく、物理吸着力が酸点への吸着力よりも非常に弱いため、TPD−MSのそれぞれのピークがまったく別の位置に観測され、ピーク分離することが容易である。
測定温度としては−100〜1000℃が好ましく、特に0〜1000℃が好ましい。昇温速度は1〜30℃/分が好ましく、特に5〜20℃/分が好ましい。測定雰囲気はヘリウム、アルゴン、窒素などの不活性ガスが好ましく、特にヘリウムが好ましい。
1−1−2.赤外分光法(IR)
固体酸中には性質の異なる二種類の酸点が存在する。一つは、プロトンを相手分子に与えるブレンステッド酸点(B酸点)であり、もう一つは、相手分子から電子対を受容するルイス酸点(L酸点)である。本発明で用いる赤外分光法(IR)とは、L酸点とB酸点のそれぞれにピリジンを吸着させ、これらの酸点を伸縮振動による吸収バンドの位置の違いにより区別する方法である。ピリジンがB酸点に吸着するとピリジニウムイオンとなり、IRによるC−N伸縮振動の吸収バンドは1500cm−1と1540cm−1付近に観測される。またピリジンがL酸点に吸着すると配位結合したピリジンとなり、IRによるC−N伸縮振動の吸収バンドは1450cm−1と1500cm−1付近に観測される。それぞれの吸収バンドのモル吸光係数(ε)は、文献(A.Satsuma et al.,Applied CatalysisA:General,2012年、135巻、p.433−434.)より1.73(1450cm−1)、1.46(1490cm−1)、1.23(1545cm−1)と知られており、吸収バンドの強度比からB酸点とL酸点の比率を求めることができる。また測定温度を変化させることで、B酸点とL酸点の比率の温度依存性を求めることができる。
IRの測定としては、測定前に固体酸中の余分な水分などを除去するために、乾燥処理を実施してもよい。乾燥条件として真空度が1.0torr abs以下が好ましく、特に0.5torr abs以下が好ましい。また乾燥温度としては10〜1000℃が好ましく、特に10〜600℃が好ましい。乾燥時間は30〜360分が好ましく、特に30〜240分が好ましい。
ピリジンの固体酸の酸点への吸着は、ピリジンをガスにて接触させる方法をとることができる。またピリジンのガスには、酸点に吸着しない不活性なガスを含んでもよく、ピリジンガスの濃度は5モル%以上が好ましく、特に50モル%以上が好ましい。また液体のピリジンを固体酸の酸点への吸着する際には、ピリジンを流通ガスにてバブリングを行い、流通ガスとともにピリジンを接触させる方法をとることができる。流通ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、窒素などの不活性ガスが好ましく、特にはヘリウムが好ましい。流通ガスの速度としては、10〜200mL/分が好ましく、特に20〜150mL/分が好ましい。
接触時間は、すべての酸点にピリジンを吸着させるため、長ければ長いほどよい。具体的には1分以上が好ましく、特に5分以上が好ましい。また接触温度は10〜500℃が好ましく、特に10〜300℃が好ましい。
固体酸の酸点ではない位置に物理吸着したピリジンを除去するためには、真空処理で除去を行うことが好ましい。真空処理の真空度が1.0torr abs以下が好ましく、特に0.5torr abs以下が好ましい。また除去温度としては10〜300℃が好ましく、特に10〜200℃が好ましい。除去時間は30〜360分が好ましく、特に30〜240分が好ましい。
測定温度としては10〜1000℃が好ましく、特に10〜800℃が好ましい。昇温速度は1〜30℃/分が好ましく、特に5〜20℃/分が好ましい。昇温後の保持時間としては、1〜30分が好ましく、特には5〜20分が好ましい。
1−1−3.昇温脱離−質量分析法(TPD−MS)と赤外分光法(IR)の組み合わせ
本発明で算出する固体酸中のルイス酸点の、酸強度および量は昇温脱離−質量分析法(TPD−MS)と赤外分光法(IR)を組み合わせることにより達成することができる。上記のとおり昇温脱離−質量分析法(TPD−MS)では酸量と酸強度分布を求めることができ、赤外分光法(IR)ではブレンステッド酸点とルイス酸点の比率を求めることができる。温度ごとにTPD−MSの酸量をIRのブレンステッド酸点とルイス酸点の比率に分けることにより、各温度でのブレンステッド酸点及びルイス酸点の、量及び酸強度分布を算出することができる。
また測定機器間で測定温度差がある場合には、ピリジンの脱離率が同一の時を同一温度とみなし、温度を補正することも可能である。
TPD−MSとIRの測定は、同一の装置で連続的に行ってもよく、別々に行ってもよい。
上記の方法で測定した500℃以上でピリジンが吸着するルイス酸点の量は、固体酸1グラム当たり、45μmol以上となる量、好ましくは50μmol以上、より好ましくは60μmol以上、さらに好ましくは70μmol以上となる量である。500℃以上でピリジンが吸着するルイス酸点の量は多ければ多いほどよく、その上限については限定的ではないが、現実的には2000μmol以下、好ましくは1000μmol以下である。
固体酸の触媒反応には、固体酸中の酸点が関与しており、特に強いルイス酸点が反応に寄与することが多い。そのため、その量が多ければ多いほど触媒としての能力が高くなる。特にポリオレフィン重合用触媒では、強いルイス酸点がメタロセン錯体の活性化に寄与していると考えられており、その量が多いほど、メタロセン触媒の活性化が進行し、高い重合活性を与えると考えられる。
また従来技術では、pKaが−8.2以下の酸点を特定量有する固体酸であるイオン交換性層状ケイ酸塩をオレフィン重合用触媒成分(特開2002−053609号公報)に用いた方法が知られていが、酸の種類については区別できていない。本発明の「500℃以上でピリジンが吸着するルイス酸点」は、従来技術のpKaが−8.2の酸点よりも非常に強い酸点であり、さらにルイス酸点である。
1−2.固体酸の調製
上記の特性を有する固体酸は、以下の方法によって、調製することができる。
固体酸とは、固体でありながらブレステッド酸及び/又はルイス酸の特性を示すものであり、具体的な固体酸としては、ゼオライト、金属酸化物、複数の金属元素を有する金属酸化物などの無機酸化物(複合酸化物)、金属硫酸塩、金属リン酸塩、固体リン酸、陽イオン交換樹脂、ヘテロポリ酸、粘土鉱物などが挙げられる。
固体酸としてより具体的には、Al、Cr、TiO、SiO−TiO、SiO−MgO、SiO−Al、SiO−ZrO、SiO−BeO、SiO−Y、SiO−La、SiO−WO、SiO−V、SiO−Ga、SiO−MoO、Al−ZrO、Al−Bi、Al−MoO、Al−V、Al−WO、Cr−Al、TiO−Al、TiO−SiO、TiO−ZrO、ZnO−Al、H−Y、La−Y、Ca−Y、ヘテロポリ酸、イオン交換性層状ケイ酸塩、ゼオライト、NiSO・HO、Al(SO・nHO、Fe(SO・nHO、BPO、FePO、TiO−B、TiO−SnO、ZnOSiO、ZnO−ZrO、WO−TiO、固形化ホウ酸、固形化硫酸、固形化リン酸などが挙げられる。
これらの中でも、イオン交換性層状ケイ酸塩、ゼオライト、SiO−Al、SiOと他の金属を組み合わせた複合酸化物、Al及びAlと他の金属を組み合わせた複合酸化物、ZnOと他の金属を組み合わせた複合酸化物が好ましい。その中でも、特にイオン交換性層状ケイ酸塩が好ましい。
1−2−1.固体酸の化学処理
これらの固体酸は、化学処理を行うことにより、強いルイス酸点を形成させてもよい。
化学処理には、酸類で処理する酸処理、アルカリ類で処理するアルカリ処理、無機塩類で処理する塩類処理など様々な処理がある。
化学処理は、単独でも行ってよいし、組み合わせても、また、同時に行ってもよい。好ましくは、酸類による酸処理を行った後に、その他の化学処理を行うことがよい。本発明の固体酸においては、酸類による化学処理をされていることが好ましく、酸類の中でも、無機酸類によって処理されていることがより好ましい。
これらの固体酸に対する化学処理は、固体酸自身の構造や骨格を変化させることができ、ルイス酸点の強度を強くし、高活性な触媒成分となることができる。よって、上記化学処理を実施することで、本発明の特定の酸強度以上のルイス酸点を所定量以上有する固体酸が調製できる。
1−2−2.有機アルミニウム処理
本発明で用いる固体酸としては、ある固体に有機アルミニウム化合物を処理して強いルイス酸点を形成させてもよい。
有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルプロピルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウム、トリノルマルデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムジメチルアミド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムクロライド等が挙げられる。
これらのうち、好ましくは、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウムである。
有機アルミニウム処理の条件として、温度は、0〜100℃がよく、好ましくは10〜80℃である。さらに好ましくは、15〜60℃である。有機アルミニウムの使用量としては、固体1gあたり、500〜5000μmolが好ましく、特に好ましくは1000〜3000μmolが好ましい。溶媒としては脂肪族飽和炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪族不飽和炭化水素やこれらのハロゲン化物が例示される。また有機アルミニウム処理は、複数回に分けて行うことも可能である。
上記有機アルミニウム処理を実施した後に、反応溶液中の反応物もしくは未反応物が残存することで、活性低下を招く可能性があるため、洗浄することが好ましい。洗浄率としては、1/5〜1/1000、1/10〜1/100が好ましい。洗浄後は、そのままスラリーとして使用してもよいし、乾燥を行ってもよい。乾燥は、イオン交換性層状ケイ酸塩の構造破壊を起こさないように行うことが好ましく、一般的には、乾燥温度は100〜400℃、好ましくは100〜200℃である。乾燥時間は、通常1分〜24時間、好ましくは5分〜4時間であり、雰囲気は、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、又は減圧下であることが好ましい。乾燥方法に関しては、特に限定されず、各種方法で実施可能である。
このように固体(固体酸も含む)に有機アルミニウム処理を実施すると、固体上の官能基などと反応して、強いルイス酸性を示す構造を形成したり、有機アルミニウム自身が固体に担持され強いルイス酸性を示し、高活性な触媒成分となることができる。よって、上記有機アルミニウム処理を実施することで、本発明の特定の酸強度以上のルイス酸点を所定量以上有する固体酸が調製できる。
1−2−3. イオン交換性層状ケイ酸塩
本発明に使用される固体酸としては、特にイオン交換性層状ケイ酸塩が好ましい。イオン交換性層状ケイ酸塩の原料は、天然物に限らず、人工合成物であってもよい。イオン交換性層状ケイ酸塩の具体例としては、例えば、「粘土ハンドブック」(日本粘土学会、技報堂出版、2009年発行、第3版)に記載されている次の表1のようなものが挙げられる。
Figure 2016199735
これらは、混合層を形成していてもよい。また、多くのイオン交換性層状ケイ酸塩は、天然には、粘土鉱物の主成分として産出されるため、夾雑物(石英やクリストバライト等が挙げられる。)が含まれることが多いが、それらを含んでいてもよい。
本発明のイオン交換性層状ケイ酸塩は、2:1型層構造を有する層状ケイ酸塩が好ましい。より好ましくは、スメクタイト族ケイ酸塩であり、さらに好ましくは、2八面体型スメクタイト族ケイ酸塩であり、特に好ましくは、モンモリロナイトである。
本発明の特性を示すイオン交換性層状ケイ酸塩は、イオン交換性層状ケイ酸塩に化学処理を行うことによっても調製できる。
イオン交換性層状ケイ酸塩の化学処理において、酸類で処理する酸処理について、詳しく説明すると、次のようなことが起こる。
イオン交換性層状ケイ酸塩を酸で処理すると、表面の不純物が酸洗浄されることのほかに、層間イオンが溶出し、水素陽イオンと交換が起こり、次いで、八面体シートを構成する陽イオンが溶出していくようになる。この溶出の過程において、酸点、細孔構造等の特性が変化する。
そのため、本発明のイオン交換性層状ケイ酸塩は、酸類による処理を行うことにより達成できる。溶出の程度は、酸の濃度、処理時間、酸の種類によって異なるが、マグネシウムを多く含むイオン交換性層状ケイ酸塩が一般に大きく、次いで鉄の多いもの、アルミニウムの多いものの順になる。また、結晶度が高く粒子の大きいものほど溶出性が低い。これは、酸が結晶層間や結晶構造内に侵入することと関係している。
酸処理の条件として、温度は、40〜102℃がよく、好ましくは50〜100℃である。さらに好ましくは、60〜95℃である。あまり温度を低下させると、極端に陽イオンの溶出速度が低下し、製造効率が低下する。一方、温度を上げ過ぎると、操作上の安全性が低下する。
また、酸処理時の酸濃度(反応系全体重量に対する酸の重量百分率)は、3〜30重量%がよく、好ましくは5〜25重量%、より好ましくは7〜20重量%である。濃度が低くなると、陽イオンの溶出速度が低下し、製造効率が低下する。
また、イオン交換性層状ケイ酸塩の溶媒中の濃度は、3〜50重量%で調製できる。好ましくは5〜30重量%、さらに好ましくは5〜20重量%である。濃度が低くなると、工業的に生産する場合は大きな設備が必要となってしまう。一方、濃度が高い場合には、スラリーの粘度が上昇してしまい、均一な攪拌混合が困難になり、やはり製造効率が低下する。
酸処理は、複数回に分けて行うことも、可能である。
使用する酸化合物は、塩酸、硫酸、硝酸、シュウ酸、安息香酸、ステアリン酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸などの無機酸および有機酸が例示される。その中でも、無機酸が好ましく、塩酸、硝酸、硫酸が好ましい。さらに好ましくは塩酸、硫酸であり、特に好ましくは硫酸である。
化学処理、特に酸処理によって、八面体シートを構成する金属陽イオンを、化学処理前の含有量に対して、10〜65%溶出させることが好ましく、より好ましくは15〜60%、さらに好ましくは17〜55%、特に好ましくは20〜50%溶出させる。溶出割合が小さいと、十分な細孔量が確保できず、表面積も小さくなり、本発明のイオン交換性層状ケイ酸塩は、得られない。
ここで、溶出する金属陽イオンの割合(モル%)は、例えば、金属陽イオンがアルミニウムの場合では、以下の式で、表される。
[化学処理前のアルミニウム/珪素(モル比)−化学処理後のアルミニウム/珪素(モル比)]÷化学処理前のアルミニウム/珪素(モル比)×100
上記化学処理を実施した後に、反応溶液中の反応物もしくは未反応物が残存することで、活性低下を招く可能性があるため、洗浄することが好ましい。この際、一般的には、水や有機溶媒などの液体を使用する。
洗浄率としては、1/5〜1/1000、1/10〜1/100が好ましい。洗浄および脱水後は、乾燥を行う。乾燥は、イオン交換性層状ケイ酸塩の構造破壊を起こさないように行うことが好ましく、一般的には、乾燥温度は100〜800℃、好ましくは150〜600℃で実施可能であり、特に好ましくは150〜300℃であり、乾燥温度が800℃以下で、イオン交換性層状ケイ酸塩の構造破壊が起こらないように、実施することが好ましい。
これらのイオン交換性層状ケイ酸塩は、構造破壊されなくとも乾燥温度により特性が変化するために、用途に応じて乾燥温度を変えることが好ましい。乾燥時間は、通常1分〜24時間、好ましくは5分〜4時間であり、雰囲気は、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、又は減圧下であることが好ましい。乾燥方法に関しては、特に限定されず、各種方法で実施可能である。
さらに、一般に、イオン交換性層状ケイ酸塩には、吸着水および層間水が含まれる。本発明においては、これらの吸着水および層間水を除去して、使用するのが好ましい。
水の除去には、通常、加熱処理が用いられる。その方法は、特に制限されないが、付着水、層間水が残存しない、また、構造破壊を生じないような条件を選ぶことが好ましい。
加熱時間は、0.1時間以上、好ましくは0.2時間以上である。その際、除去した後の水分含有率が、温度200℃、圧力1mmHgの条件下で2時間脱水した場合の水分含有率を0重量%とした時、3重量%以下、好ましくは1重量%以下であることが好ましい。
本発明のイオン交換性層状ケイ酸塩は、窒素吸着法による吸着等温線を用いてBJH解析法により算出した細孔分布曲線において算出される直径2〜10nmの細孔の細孔容量の総和が、全メソ細孔容量の60〜100%であることが好ましい。ここでBJH解析法とは、Barrett,JoynerおよびHalendaのモデルに従った計算方法であり、Journal of American Chemical Society,1951年、73巻,p.373.に開示の方法である。
ここで窒素吸着法による細孔径および細孔容量の測定方法について、以下に示す。
固体への気体の吸着量は、温度一定の場合、固体と気体が決まれば、吸着相互作用のポテンシャルは、ほぼ一定であると考えることができるので、吸着量は、圧力のみの関数となり、これを一般的に吸着等温線と呼ぶ。
本発明においては、細孔分布を評価する際に最も一般的に使用されている窒素を吸着ガスとして使用し、液体窒素温度下(温度77K)で、相対圧P/P0(P0は、大気圧を示す)が0.025〜0.995で吸着等温線を測定した。
本発明で規定する範囲の細孔容量の算出は、相対圧を増加させた場合に得られる吸着等温線を用いる。細孔分布の計算方法としては、BJH解析法が最も一般的であり、本発明ではこの方法を採用している。
本発明においては、メソ細孔とは、IUPACの定義にしたがい、細孔の直径が2〜50nmの細孔をいう。細孔分布曲線を使って、直径が2〜10nmの細孔および直径が2〜50nmの細孔について、細孔容量の総和を求めた。
本発明のイオン交換性層状ケイ酸塩は、窒素吸着法による吸着等温線を用いてBJH解析法により算出した細孔分布曲線における直径が2〜10nmの細孔の細孔容量の総和(cc/g)が、直径が2〜50nmの細孔、すなわちメソ細孔の細孔容量の総和(全メソ細孔容量)(cc/g)に対して、60〜100%にあることが好ましく、更に好ましくは61〜95%、より好ましくは62〜90%、特に好ましくは63〜87%、最も好ましくは63〜85%である。
直径が2〜10nmの細孔の細孔容量の総和が全メソ細孔容量の60%未満になると、活性は、低下すると考えられる。一方、粒子中に微小細孔のみになってしまった場合は、大きな細孔がある程度存在している場合よりも、イオン交換性層状ケイ酸塩同士の接触点が多くなるために、高い粒子強度になる。例えばポリオレフィン重合用触媒に用いられるイオン交換性層状ケイ酸塩は、オレフィンの重合において、ポリマーの生成とともに崩壊することで、高活性に重合が進行し、ポリマー中に均一に分散することが望ましいが、高粒子強度では、崩壊が起こり難いために、活性は低下し、ポリマー中に不均一に存在することから、ポリマーの粉体性状の悪化や加工・成形工程での不具合を招くことになる。
そのため、直径が2〜10nmの細孔の細孔容量の総和が全メソ細孔容量の85%以下とすることが最も好ましい。
強いルイス酸点は、細孔径が2〜10nmの細孔に存在しており、またその細孔はイオン交換性層状ケイ酸塩中の端面に存在していると考えられている。細孔径2〜10nmの細孔容量の割合が、全メソ細孔容量に対して多いということは、化学処理により端面部がより均一に処理されていることを示唆する。そのため、このような構造を有するイオン交換性層状ケイ酸塩は、強いルイス酸点が多く、高活性な触媒成分となりうる。
このような強いルイス酸点をもつイオン交換性層状ケイ酸塩は、イオン交換性層状ケイ酸塩の金属原子の溶出をともなう化学処理により形成される。またこの金属原子の溶出がイオン交換性層状ケイ酸塩を構成する各層から均一に進行する原料を用いることによっても達成できる。よって、上記2〜10nmの細孔の細孔容量の総和が全メソ細孔容量に対して特定比率を有することで、本発明の特定の酸強度以上のルイス酸点を所定量以上有する固体酸が調製できる。
以上、本発明の特性を示す固体酸[A]の製造方法を述べてきたが、本発明の特性が得られる製造方法は、上記に限らず、製造することが可能である。
2.オレフィン重合用触媒
本発明で用いるオレフィン重合用触媒は、上記の固体酸[A]及び成分[B]からなるものである。以下に各構成成分を詳述する。
2−1.遷移金属化合物[B]
本発明で使用する成分[B]は、周期表第3〜12族の遷移金属化合物である。具体的には、第3〜10族の遷移金属ハロゲン化物、第3〜6族遷移金属のメタロセン化合物、第4族遷移金属のビスアミド又はビスアルコキシド化合物、第8〜10族遷移金属のビスイミド化合物、第3〜11族遷移金属のフェノキシイミン化合物が挙げられる。
これらの中でも第4族遷移金属のメタロセン化合物が好ましく、具体的には、下記一般式(I)〜(VI)で表される化合物が使用される。
(C5−a )(C5−b )MXY ・・・(I)
Q(C4−c )(C4−d )MXY ・・・(II)
Q’(C4−e )ZMXY ・・・(III)
(C5−f )ZMXY ・・・(IV)
(C5−f )MXYW ・・・(V)
Q”(C5−g )(C5−h )MXY ・・・(VI)
ここで、Qは二つの共役五員環配位子を架橋する結合性基を、Q’は共役五員環配位子とZ基を架橋する結合性基を、Q”はRとRを架橋する結合性基を、Mは周期表第3〜12族遷移金属を、X、Y及びWはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基、炭素数1〜20のリン含有炭化水素基又は炭素数1〜20の珪素含有炭化水素基を、Zは酸素、イオウを含む配位子、炭素数1〜40の珪素含有炭化水素基、炭素数1〜40の窒素含有炭化水素基又は炭素数1〜40のリン含有炭化水素基を示す。
〜Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、珪素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基又はホウ素含有炭化水素基を示す。また、隣接する2個のR、2個のR、2個のR、2個のR、又は2個のRが、それぞれ結合して炭素数4〜10個の環を形成していてもよい。a、b、c、d、e、f,g,及びhは、それぞれ0≦a≦5、0≦b≦5、0≦c≦4、0≦d≦4、0≦e≦4、0≦f≦5、0≦g≦5、0≦h≦5、を満足する整数である。
2個の共役五員環配位子の間を架橋する結合性基Q、共役五員環配位子とZ基とを架橋する結合性基Q’、及び、RとRを架橋するQ”は、具体的には下記のようなものが挙げられる。メチレン基、エチレン基のようなアルキレン基、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、フェニルメチリデン基、ジフェニルメチリデン基のようなアルキリデン基、ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジプロピルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルエチルシリレン基、メチルフェニルシリレン基、メチル−t−ブチルシリレン基、ジシリレン基、テトラメチルジシリレン基のような珪素含有架橋基、ゲルマニウム含有架橋基、アルキルフォスフィン、アミン等である。これらのうち、アルキレン基、アルキリデン基、珪素含有架橋基、及びゲルマニウム含有架橋基が特に好ましく用いられる。
上述の一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)及び(VI)で表される具体的なZr錯体を下記に例示するが、ZrをHf又はTiに置き換えた化合物も同様に使用可能である。また、一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)及び(VI)で示される成分[B]は、同一の一般式で示される化合物、又は異なる一般式で示される化合物の二種以上の混合物として用いることができる。
一般式(I)
ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4,5ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビスフルオレニルジルコニウムジクロリド、ビス(4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド。
一般式(II)
ジメチルシリレンビス(1,1’−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1′−(2−メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1′−(2−メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、エチレンビス{1,1′−(2−メチル−4,5ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1′−(2−メチル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1′−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1,1′−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1′−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、エチレンビス{1,1′−(2−メチル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド。
一般式(III)
(第3級ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル−ジルコニウムジクロライド、(メチルアミド)−(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル−ジルコニウムジクロライド、(エチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−メチレンジルコニウムジクロライド、(第3級ブチルアミド)ジメチル−(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、(第3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジル、(ベンジルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、(フエニルホスフイド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジル。
一般式(IV)
(シクロペンタジエニル)(フェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)(フェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(フェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2,6−ジ−i−プロピルフェノキシ)ジルコニウムジクロリド。
一般式(V)
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリド、(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリド、(シクロペンタジエニル)ジルコニウムトリイソプロポキシド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリイソプロポキシド。
一般式(VI)
エチレンビス(7,7’−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{7,7’−(1−メチル−3−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[7,7’−{1−メチル−4−(1−ナフチル)インデニル}]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{7,7’−(1−エチル−3−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{7,7’−(1−イソプロピル−3−(4−クロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド。
さらにメタロセン化合物の特殊な例として、 特開平7−188335号公報やJournal of American Chemical Society,1996年、118巻,p.2291.に開示されている5員環あるいは6員環に炭素以外の元素を一つ以上含む配位子を有する遷移金属化合物も使用可能である。
周期表第4族のビスアミド化合物の好適な例としては、Macromolecules,1996年、29巻,p.5241.やJournal of American Chemical Society,1997年、119巻,p.3830、Journal of American Chemical Society,1999年、121巻,p.5798.に開示されている窒素原子に嵩高い置換基を有した架橋型遷移金属化合物を挙げることができる。
また、周期表第4族のビスアルコキシド化合物の好適な例としては、国際公開第87/02370号で開示されている周期表第4族の遷移金属化合物で、好ましくは二つのアリーロキシ配位子が架橋基により結合し、さらに好ましくは、その架橋基が遷移金属に配位し得る架橋型遷移金属化合物を挙げることができる。
さらに周期表第8〜10族遷移金属のビスイミド化合物は、Journal of American Chemical Society,1995年、117巻,p.6414、国際公開第96/23010号やJournal of American Chemical Society,1998年、120巻,p.4049、国際公開第98/27124号で開示されている窒素原子に嵩高い置換基を有した架橋型遷移金属ビスイミド化合物を好適な例として挙げることができる。
その他、周期表第3〜10族遷移金属のフェノキシイミン化合物の好適な例としては、特開平11−315109号公報で開示されている化合物を挙げることができる。
さらに、これらの成分[B]は、二種以上の混合物として用いることができる。さらに、先述した周期表第3〜12族メタロセン化合物と組合せて複数種を併用することもできる。
2−2.オレフィン[C]
本発明で用いるオレフィン重合用触媒は、上記の固体酸[A]及び成分[B]を含むものであるが、必要に応じてオレフィン[C]を任意の方法で接触させてもよい。
オレフィンとは炭素間二重結合を少なくとも1個含む炭化水素をいい、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチルブテン−1、スチレン、ジビニルベンゼン等が例示されるが、特に種類に制限はなく、これらと他のオレフィンとの混合物を用いてもよい。好ましくは炭素数3以上のオレフィンがよい。
2−3.有機アルミニウム化合物[D]
本発明で用いるオレフィン重合用触媒は、上記の成分[A]及び成分[B]からなるものであるが、本発明の効果を損なわない範囲で、有機アルミニウム化合物[D]を任意成分として任意の方法で接触させてもよい。
成分[D]としては、一般式(AlR3−nで表される有機アルミニウム化合物が使用される。式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表し、Xはハロゲン、水素、アルコキシ基又はアミノ基を表し、nは1〜3の、mは1〜2の整数を各々表す。有機アルミニウム化合物は、単独であるいは複数種を組み合わせて使用することができる。
有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルプロピルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウム、トリノルマルデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムジメチルアミド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムクロライド等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、m=1、n=3のトリアルキルアルミニウム及びアルキルアルミニウムヒドリドである。さらに好ましくは、Rが炭素数1〜8であるトリアルキルアルミニウムである。
2−4.オレフィン重合用触媒の調製法
本発明に係るオレフィン重合用触媒は、上記の固体酸[A]、遷移金属化合物[B]および必要に応じて有機アルミニウム化合物[D]を含み、これらは重合槽内で、あるいは重合槽外で接触させオレフィン[C]の存在下で予備重合を行ってもよい。
固体酸[A]、成分[B]、及び成分[D]の使用量は任意であるが、成分[B]中の遷移金属と成分[D]中のアルミニウムとの比が、成分[A]1gあたり、0.1〜1000(μmol):0〜100000(μmol)となるように接触させることが好ましい。
固体酸[A]、成分[B]、及び成分[D]を接触させる順番は任意であり、これらのうち2つの成分を接触させた後に残りの1成分を接触させてもよいし、3つの成分を同時に接触させてもよい。これらの接触において接触を充分に行うため溶媒を用いてもよい。溶媒としては脂肪族飽和炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪族不飽和炭化水素やこれらのハロゲン化物、また予備重合モノマーなどが例示される。
予備重合後に触媒を乾燥してもよい。乾燥方法には特に制限は無いが、減圧乾燥や加熱乾燥、乾燥ガスを流通させることによる乾燥などが例示され、これらの方法を単独で用いても良いし2つ以上の方法を組み合わせて用いてもよい。乾燥工程において触媒を攪拌、振動、流動させてもよいし静置させてもよい。
3.オレフィン重合
前記固体酸[A]、成分[B]、及び必要に応じて用いられる成分[C]からなるオレフィン重合用触媒を用いておこなう重合は、オレフィン単独あるいは該オレフィンと他のコモノマーとを混合接触させることにより行われる。共重合の場合、反応系中の各モノマーの量比は経時的に一定である必要はなく、各モノマーを一定の混合比で供給することも便利であるし、供給するモノマーの混合比を経時的に変化させることも可能である。また、共重合反応比を考慮してモノマーのいずれかを分割添加することもできる。
重合し得るオレフィンとしては、炭素数2〜20程度のものが好ましく、具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、スチレン、ジビニルベンゼン、7−メチル−1,7−オクタジエン、シクロペンテン、ノルボルネン、エチリデンノルボルネン等が挙げられる。好ましくは炭素数2〜8のα−オレフィンである。共重合の場合、用いられるコモノマーの種類は、前記オレフィンとして挙げられるものの中から、主成分となるもの以外のオレフィンを選択して用いることができる。
重合様式は、触媒成分と各モノマーが効率よく接触するならば、あらゆる様式を採用しうる。具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー法、不活性溶媒を実質的に用いずプロピレンを溶媒として用いる方法、溶液重合法あるいは実質的に液体溶媒を用いず各モノマーをガス状に保つ気相法などが採用できる。また、連続重合、回分式重合、又は予備重合を行う方法も適用される。
スラリー重合の場合は、重合溶媒として、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂肪族又は芳香族炭化水素の単独又は混合物が用いられる。重合温度は0〜150℃であり、また分子量調節剤として補助的に水素を用いることができる。重合圧力は0〜2000kg/cmG、好ましくは0〜60kg/cmGが適当である。
次に実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限りこれらの実施例によって制約を受けるものではない。
なお、物性測定に使用した分析機器および測定方法は、以下の通りである。
(1)酸量の測定(ピリジン−TPD−IR/MS):
<昇温脱離−質量分析法(TPD―MS)>
固体酸を高純度窒素グローブボックス内で100mg秤量し、セルに充填した。次いでセルを高純度窒素グローブボックスから取出し、TPD−MS測定装置に設置した。セル内を5×10−2torr absまで減圧にした後、200℃まで昇温し、そのまま1時間保持し、吸着水を除去した。減圧のまま150℃まで降温し、ピリジン蒸気を導入し1時間保持し、固体酸に吸着させた。150℃で更に5×10−2torr absまで減圧にし、1時間真空処理を行い、物理吸着したピリジンを除去した。その後、昇温を行い、ピリジンの脱離挙動を測定し、酸量および酸強度分布を求めた。
測定条件は下記の通りである。
装置:日本ベル社製 全自動昇温脱離スペクトル装置 TPD−1−ATw
測定モード:
昇温速度 10℃/min
測定温度 150〜810℃
雰囲気:ヘリウム流(50ml/min)
取り込みMASS No.:79
吸着種:ピリジン
<赤外分光法(IR)>
固体酸を高純度窒素グローブボックス内で拡散反射IR用のサンプルカップに充填し、表面をすり切った。窓材(CaF)の付いた蓋で試料室を密封した。次いでサンプルカップを高純度窒素グローブボックスから取出し、IR測定装置に設置した。試料室を5×10−2torr absまで減圧にした後、200℃まで昇温し、そのまま2時間保持し、吸着水を除去した。減圧のまま150℃まで降温し、ヘリウム流通下(50ml/min)でピリジン蒸気を10分間流通させて、固体酸に吸着させた。150℃で更に5×10−2torr absまで減圧にし、1時間真空処理を行い、物理吸着したピリジンを除去した。その後、昇温を行い、ピリジンを脱離させて行き、各温度でのB酸点とL酸点の比率を求めた。
測定条件は下記の通りである。
装置:日本分光株式会社製 FT/IR−6200FV
検出器:MCT−M
測光方法:拡散反射法
波長範囲:1000〜4000cm−1
分解能:4回
測定回数:512回
窓材:CaF
雰囲気:真空
バックグランド:各温度で測定したダイヤモンド粉末
吸着種:ピリジン
温度:50℃毎、ピークが検出されなくなるまで
モル吸光係数(ε):1.73(1450cm−1)、
1.46(1490cm−1)、
1.23(1545cm−1
<TPD−MSとIRの組み合わせ>
TPD−MSとIRの測定温度のズレを考慮して、それぞれのピリジンの脱離率が同一の時に同一温度とみなして解析を行った。解析温度はTPD−MSの温度に統一した。TPD−MSの全酸量をIRで求めた比率より、L酸量とB酸量に割り振った。この方法によりピリジンが500℃以上の吸着する強いルイス酸量を算出した。
(2)酸量の測定(ハメット指示薬を使った滴定(ハメット滴定)):
pKaが−8.2以下の酸量の滴定試薬としては2,6−ジメチルピリジンを用い指示薬としてはアントラキノンを使用した。測定は10℃で行った。窒素置換した三角フラスコ中で、試料0.40gにトルエン20mLを加えてスラリーとし、指示薬であるアントラキノンの0.1wt%トルエン溶液2.0mLを加え黄色に変色させた。このフラスコに2,6−ジメチルピリジン(トルエン溶液、0.01M)を1gあたり1分間に0.5〜5マイクロモルの速度で滴下していき、指示薬の酸性色である黄色が消失するまでに加えた2,6−ジメチルピリジンの量をpKaが−8.2以下の酸点の量とした。
(3)細孔分布測定:
窒素吸着法による細孔分布を測定した。液体窒素温度下で吸着等温線を測定した。得られた吸着等温線を用いて、BJH法解析により、直径が2〜10nmの細孔の細孔容量の総和とメソ細孔分布を求めた。
装置:カンタークローム社製オートソーブ3B
測定手法:窒素ガス吸着法
前処理条件:試料を200℃、真空下(1.3MPa以下)で2時間減圧加熱
試料量:約0.2g
ガス液化温度:77K
(4)固体酸の組成分析:
JIS法による化学分析により検量線を作成し、蛍光X線測定にて定量した。
装置は、理学電機工業(株)ZSX−100eを使用した。試料は、700℃で1時間焼成後、0.5gを分け取り、融剤(Li)4.5g、剥離剤(KBr)0.03gと混合し、ガラスビードを作成することで調製した。それぞれの原子についての検量線範囲は、以下のとおり。
Si:19.8〜44.22%、Al:2.01〜19.4%。
(5)MFR(メルトマスフローレート):
タカラ社製メルトインデクサーを用い、JIS K7210の「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレート(MFR)及びメルトボリュームフローレート(MVR)の試験方法」の試験条件:230℃、2.16kg荷重に準拠して、測定した。
[実施例1]
1.造粒モンモリロナイト
イオン交換性層状ケイ酸塩として、モンモリロナイトの造粒品である水澤化学工業社製「ベンクレイKK」(主成分は、2:1型層構造のスメクタイト族モンモリロナイト)を使用した。この造粒モンモリロナイトは、平均粒径12.9μm、化学組成(wt%):Al=9.57、Si=32.26であり、モル比は、Al/Si=0.31であった。また、八面体シートを構成する主な金属陽イオンは、アルミニウムであった。
2.化学処理
撹拌翼と還流装置を取り付けた0.3Lフラスコに、蒸留水170gを投入し、硫酸50gを滴下した。内温が90℃になるまでオイルバスで加熱し、目標温度に到達したところで、さらに、上記で得られた造粒モンモリロナイトを30g添加後撹拌した。
その後90℃を保ちながら150分反応させた。この反応溶液を0.3Lの蒸留水に注ぐことで反応を停止し、さらに、このスラリーをヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて濾過し、その後0.7Lの蒸留水で3回洗浄し、ケーキ状固体を70g得た。この得られた固体を窒素気流下100℃で一昼夜予備乾燥後、53μm以上の粗大粒子を除去し、更に200℃、2時間、減圧乾燥することにより、化学処理モンモリロナイト19.5gを得た。
化学処理後のモンモリロナイトの組成(wt%)は、Al=8.14、Si=36.38であり、モル比では、Al/Si=0.23であった。硫酸処理前のAlに対して、硫酸処理後のAlは、25%減少(溶出)した。直径2〜10nmの細孔の細孔容量PV2〜10nmは、0.209cc/g、メソ細孔容量PVは、0.339cc/gで、直径2〜10nmの細孔の細孔容量PV2〜10nmは、全メソ細孔容量PVの62%であった。
得られた化学処理モンモリロナイトのハメット滴定によるpKaが−8.2以下の酸量は1グラムあたり120μmolであり、ピリジンが500℃以上で吸着する強いルイス酸量は1グラムあたり8.6μmolであった。
ルイス酸点の強度と量を求めるためのピリジン−TPD−IR/MSの測定結果を図1に示す。
3.有機アルミニウム処理
1Lフラスコを窒素で十分に置換した後、上記で得られた化学処理モンモリロナイト10gを入れ、ヘプタン(66mL)を加えてスラリーとした。これにトリイソブチルアルミニウム(25mmol:濃度143mg/mLのヘプタン溶液を34.0mL)を加えて1時間攪拌後、ヘプタンで残液率が1/100になるまで洗浄した。更に200℃、2時間、減圧乾燥することにより有機アルミ処理モンモリロナイトを得た。
得られた有機アルミニウム処理モンモリロナイトのピリジンが500℃以上で吸着する強いルイス酸量は1グラムあたり63μmolであった。ルイス酸点の強度と量を求めるためのピリジン−TPD−IR/MSの測定結果を図2に示す。
4.触媒調製
50mLフラスコを窒素で十分に置換した後、上記で得られた有機アルミニウム処理モンモリロナイト600mgを入れ、ヘプタン(10mL)を加えてスラリーとした。ここに、トリイソブチルアルミニウム(0.25mmol:濃度143mg/mLのヘプタン溶液を0.34mL)を加え、さらに別の50mlフラスコ中で調製した(r)−[1、1´−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウムジクロライド(合成は、特開平10−226712号公報の実施例に従って実施した。)25mg(35μmol)のトルエン溶液(11.6mL)を加えて、室温で30分間撹拌し調製した。
5.プロピレン重合
内容積3Lの攪拌式オートクレーブ内をプロピレンで十分置換した後に、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液2.8ml(2.02mmol)を加え、液体プロピレン750gを導入し、70℃に昇温し、その温度を維持した。上記で調製した触媒のヘプタンスラリーで150mgを圧入し重合を開始した。内温を70℃に維持したまま、1時間重合を継続した。その後、エタノール5mlを加え重合反応を停止させた。残ガスをパージしてポリマーを得た。得られたポリマーを90℃で1時間乾燥した。
その結果、400gのポリマーが得られた。触媒活性は、2,700g−PP/g−触媒/hrであった。MFRは2.5g/10分であった。結果を表2に示す。
[実施例2]
実施例1において、化学処理時間を300分にした以外は同様の方法で行った。
化学処理後の化学処理モンモリロナイトの組成(wt%)は、Al=5.85、Si=38.9であり、モル比では、Al/Si=0.16であった。硫酸処理前のAlに対して、硫酸処理後のAlは、51%減少(溶出)した。直径2〜10nmの細孔の細孔容量PV2〜10nmは、0.32cc/g、メソ細孔容量PVは、0.49cc/gで、直径2〜10nmの細孔の細孔容量PV2〜10nmは、全メソ細孔容量PVの65%であった。得られた化学処理モンモリロナイトのハメット測定によるpKaが−8.2以下の酸量は1グラムあたり210μmolであり、ピリジンが500℃以上で吸着する強いルイス酸量は1グラムあたり7.3μmolであった。
有機アルミニウム処理により得られた有機アルミニウム処理モンモリロナイトのピリジンが500℃以上で吸着する強いルイス酸量は1グラムあたり47μmolであった。
その結果、310gのポリマーが得られた。触媒活性は、2070g−PP/g−触媒/hrであった。MFRは2.5g/10分であった。結果を表2に示す。
[比較例1]
実施例1において、「3.有機アルミニウム処理」を行わなかった以外は、同様の方法で行った。
その結果、28gのポリマーが得られた。触媒活性は、200g−PP/g−触媒/hrであった。MFRは2.3/10分であった。結果を表3に示す。
[比較例2]
特開2002−053609号公報の「実施例5の(5−1)イオン交換性層状ケイ酸塩の化学処理」と同様の処理を行った化学処理モンモリロナイトを用いて実施例1の「3.有機アルミニウム処理」「5.プロピレン重合」を行った。ただし水澤化学工業社製「ベンクレイSL」(主成分は、2:1型層構造のスメクタイト族モンモリロナイト)は次の組成のものを用いた。平均粒径17.7μm、化学組成(wt%):Al=8.87、Si=33.66であり、モル比では、Al/Si=0.27であった。また、八面体シートを構成する主な金属陽イオンは、アルミニウムであった。
化学処理後の化学処理モンモリロナイトの組成(wt%)は、Al=6.64、Si=36.78であり、モル比では、Al/Si=0.19であった。硫酸処理前のAlに対して、硫酸処理後のAlは、37%減少(溶出)した。直径2〜10nmの細孔の細孔容量PV2〜10nmは、0.18cc/g、メソ細孔容量PVは、0.38cc/gで、直径2〜10nmの細孔の細孔容量PV2〜10nmは、全メソ細孔容量PVの48%であった。得られた化学処理モンモリロナイトのハメット滴定によるpKaが−8.2以下の酸量は1グラムあたり110μmolであり、ピリジンが500℃以上で吸着する強いルイス酸量は1グラムあたり3.2μmolであった。
有機アルミニウム処理により得られた有機アルミニウム処理モンモリロナイトのピリジンが500℃以上で吸着する強いルイス酸量は1グラムあたり38μmolであった。
その結果、217gのポリマーが得られた。触媒活性は、1,400g−PP/g−触媒/hrであった。MFRは2.5g/10分であった。結果を表3に示す。
[比較例3]
比較例2において、「3.有機アルミニウム処理」を行わなかった以外は、同様の方法で行った。
その結果、15gのポリマーが得られた。触媒活性は、100g−PP/g−触媒/hrであった。MFRは2.4g/10分であった。結果を表3に示す。
[比較例4]
実施例2おいて、造粒モンモリロナイトとしてクニミネ工業社製「クニピアF」を用いた以外は、同様の方法で行った。クニミネ工業社製「クニピアF」は(主成分は、2:1型層構造のスメクタイト族モンモリロナイト)は次の組成のものを用いた。平均粒径70.5μm、化学組成(wt%):Al=12.2、Si=30.9であり、モル比では、Al/Si=0.41であった。また、八面体シートを構成する主な金属陽イオンは、アルミニウムであった。
化学処理後の化学処理モンモリロナイトの組成(wt%)は、Al=10.4、Si=34.8であり、モル比では、Al/Si=0.31であった。硫酸処理前のAlに対して、硫酸処理後のAlは、24%減少(溶出)した。直径2〜10nmの細孔の細孔容量PV2〜10nmは、0.16cc/g、メソ細孔容量PVは、0.29cc/gで、直径2〜10nmの細孔の細孔容量PV2〜10nmは、全メソ細孔容量PVの55%であった。得られた化学処理モンモリロナイトのハメット測定によるpKaが−8.2以下の酸量は1グラムあたり160μmolであり、ピリジンが500℃以上で吸着する強いルイス酸量は1グラムあたり6.5μmolであった。
有機アルミニウム処理により得られた有機アルミニウム処理モンモリロナイトのピリジンが500℃以上で吸着する強いルイス酸量は1グラムあたり17μmolであった。
その結果、147gのポリマーが得られた。触媒活性は、980g−PP/g−触媒/hrであった。MFRは2.3g/10分であった。結果を表3に示す。
[比較例5]
比較例4において、「3.有機アルミニウム処理」を行わなかった以外は、同様の方法で行った。その結果、ポリマーを得ることができなかった。
Figure 2016199735
Figure 2016199735
表2,3から明らかなように、実施例1,2及び比較例1〜5を、対比検討すると、本発明の固体酸は、触媒活性が高く、優れた固体酸であることがわかる。
具体的には、実施例1,2と比較例1、3、5を比較することにより、有機アルミニウム処理により、ピリジンが500℃以上で吸着する強いルイス酸量が多く、重合活性が向上していることがわかる。すなわち実施例1では、ピリジンが500℃以上で吸着する強いルイス酸量は63μmol/gであり、実施例2では47μmol/gであることに対して、比較例1では8.6μmol/g、比較例3では3.2μmol/gであり、比較例5では6.5mol/gであり、ルイス酸量と重合活性に相関がみられた。
また、実施例1と比較例2,4を比較することにより、化学処理モンモリロナイトのpKaが−8.2以下の酸量は同等または同等以上であるが、有機アルミニウム処理を行なった後のピリジンが500℃以上で吸着する強いルイス酸量は、実施例1の方が高く、その量見合いで触媒活性が向上していることがわかる。
従って、本実施例のように固体酸中のピリジンが500℃以上で吸着する強いルイス酸量が多いほど、極めて高い触媒活性を有し、比較例に比して、優れた結果が得られているといえる。
本発明の特定の固体酸からなるオレフィン重合用触媒成分、およびそれを用いたオレフィン重合用触媒を使用することで、重合は、高活性に進行するため、効率よくポリオレフィンを製造することが可能となり、産業上、利用可能性が高い。

Claims (14)

  1. 500℃以上でピリジンが吸着するルイス酸点の量が固体酸1g当たり45μmol以上有することを特徴とする固体酸[A]。
  2. 前記固体酸がイオン交換性層状ケイ酸塩であることを特徴とする請求項1に記載の固体酸[A]。
  3. 前記イオン交換性層状ケイ酸塩が、窒素吸着法による吸着等温線を用いてBJH解析法により算出した細孔分布曲線において算出される直径2〜10nmの細孔の細孔容量の総和が、全メソ細孔容量の60〜100%であることを特徴とする請求項2に記載の固体酸[A]。
  4. 無機酸処理または有機酸処理による前記イオン交換性層状ケイ酸塩を構成する八面体シートの主な金属陽イオンの脱離比率が10〜65モル%であることを特徴とする請求項2又は3に記載の固体酸[A]。
  5. 前記八面体シートの主な金属陽イオンがアルミニウムであることを特徴とする請求項4に記載の固体酸[A]。
  6. 前記イオン交換性層状ケイ酸塩が2:1層の構造を有することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の固体酸[A]。
  7. 前記2:1層の構造を有するイオン交換性層状ケイ酸塩がスメクタイト族ケイ酸塩であることを特徴とする請求項6に記載の固体酸[A]。
  8. 前記スメクタイト族ケイ酸塩が2八面体型スメクタイト族ケイ酸塩であることを特徴とする請求項7に記載の固体酸[A]。
  9. 前記2八面体型スメクタイト族ケイ酸塩がモンモリロナイトであることを特徴とする請求項8に記載の固体酸[A]。
  10. 化学処理されて得られることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の固体酸[A]の製造方法。
  11. 有機アルミニウム化合物により処理されて得られることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の固体酸[A]の製造方法。
  12. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の固体酸[A]及び成分[B]を含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒。
    成分[B]:周期表第3〜12族の遷移金属化合物
  13. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の固体酸[A]及び成分[B]をオレフィン[C]と接触させてなることを特徴とするオレフィン重合用触媒の製造方法。
  14. 請求項12に記載のオレフィン重合用触媒または請求項13に記載の製造方法によって得られるオレフィン重合用触媒を用いて、オレフィンを単独重合又は共重合することを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
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