JP2016199177A - パワーステアリング装置 - Google Patents

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進 木本
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Abstract

【課題】ウォームシャフトの正回転時および逆回転時の双方の場合において、ウォームギヤのバックラッシュを低減させる。
【解決手段】パワーステアリング装置は、ウォームシャフト11と、ウォームホイールと、からなるウォームギヤを有する。ウォームシャフト11の一端を支持する軸受ユニット20は、軸受ユニット収容部内に収容されたホルダ部材24と、軸受14と、コイルばね25,26と、からなる。コイルばね25は、ウォームシャフト11の正回転時に生じる反力Frの方向に対抗するように配置され、コイルばね26は、逆回転時に生じる反力Flの方向に対抗するように配置されている。コイルばね25,26は、反力Fr,Flにそれぞれ対抗して軸受14を付勢し、これにより、双方の回転時においてウォームギヤ10の噛合状態が維持され、バックラッシュが低減される。
【選択図】図5

Description

本発明は、パワーステアリング装置に関する。
例えば、自動車等に用いられるパワーステアリング装置として、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1のパワーステアリング装置は、両端が軸受に枢支され、電動モータにより駆動されるウォームシャフトと、ウォームシャフトと噛み合うウォームホイールと、からなる減速機構を備えている。さらに、パワーステアリング装置には、ウォームギヤとウォームホイールとの噛合い部分に予圧を加えるように、コイルばねを有する予圧手段が一方の軸受の径方向外側に配設されている。この予圧手段により、軸受を介してウォームシャフトをウォームホイール側に付勢し、ウォームシャフトの歯部とウォームホイールの歯部との噛合い部分に予圧を加えることで、両歯部間のバックラッシュを低減するようになっている。
特開2013−208933号公報
上記のパワーステアリング装置では、ウォームシャフトの正回転時に生じる反力の方向と、逆回転時に生じる反力の方向との中間的な位置に1つの予圧手段を配設し、この予圧手段による一方向に向けた付勢力で双方の回転時に生じる反力を調整している。正回転時に生じる反力と逆回転時に生じる反力とは異なる方向に作用するものであるが、この予圧手段による付勢力は双方の回転時にそれぞれ生じる反力の方向に対して個々に対抗していないため、正回転時および逆回転時の双方の場合において、ウォームシャフトとウォームホイールとの噛合い部分に適切な付勢力を付与することができず、なお改善の余地があった。
本発明に係るパワーステアリング装置は、ステアリングホイールの操舵操作を転舵輪に伝達する操舵機構と、前記操舵機構に操舵力を付与する電動モータと、前記操舵機構と前記電動モータの間に設けられ前記電動モータの回転力を前記操舵機構に伝達する減速機であって、前記電動モータ側に設けられたウォームシャフトおよび前記ウォームシャフトと噛合うように前記操舵機構側に設けられたウォームホイールから構成されたウォームギヤを有する減速機と、前記ウォームホイールを収容するホイール収容部と、前記ウォームシャフトを収容するシャフト収容部と、を有するギヤハウジングと、前記シャフト収容部の長手方向両端部のうち前記電動モータが設けられている側と反対側に設けられた空間であるホルダ収容部と、前記ホルダ収容部内に設けられ、内側に軸受収容部を有するホルダ部材と、前記ホルダ部材の前記軸受収容部内に設けられ、前記ウォームシャフトの両端部のうち前記電動モータが設けられている側と反対側において前記ウォームシャフトを回転自在に保持する軸受と、前記ホルダ部材に設けられ、前記ウォームシャフトが回転方向一方側に回転したときに前記ウォームシャフトが前記ウォームホイールから受ける反力の方向と対抗するように前記軸受に対し付勢力を付与する第1付勢力付与部と、前記ホルダ部材に設けられ、前記ウォームシャフトが回転方向他方側に回転したときに前記ウォームシャフトが前記ウォームホイールから受ける反力の方向と対抗するように前記軸受に対し付勢力を付与する第2付勢力付与部と、を有する。
本発明によれば、ウォームシャフトの正回転時に生じる反力の方向および逆回転時に生じる反力の方向にそれぞれ対抗するように付勢力を付与することができるため、正回転時および逆回転時のいずれの場合にも、ウォームシャフトとウォームホイールとの噛合い部分に適切な付勢力を付与することができる。
本発明に係るパワーステアリング装置の斜視図。 本発明に係る減速機構をシャフト収容部側から示す透視図。 本発明に係るバックラッシュ調整機構を示す、図2のA−A線に沿った断面図。 バックラッシュ調整機構を示す、図3のB−B線に沿った断面図。 第1実施例に係るバックラッシュ調整機構の正面図。 第1実施例に係るホルダ部材の斜視図。 第2実施例に係るバックラッシュ調整機構の正面図。 第2実施例に係る突出部の変形例を示す図。 図8の突出部の拡大図。 第2実施例に係る板ばねの保持方法の変形例を示す図。 第3実施例に係るバックラッシュ調整機構の正面図。 第4実施例に係るバックラッシュ調整機構の正面図。 第5実施例に係るバックラッシュ調整機構の正面図。 第6実施例に係るバックラッシュ調整機構の斜視図。 第6実施例に係るホルダ部材の斜視図。 第6実施例に係るコイルばねの斜視図。 第6実施例に係るバックラッシュ調整機構およびウォームホイールを示す図。 第6実施例に係るバックラッシュ調整機構の部分断面図。 ホルダ部材およびコイルばねの変形例を示すバックラッシュ調整機構の部分断面図。 第7実施例に係るバックラッシュ調整機構の部分断面図。 第7実施例に係るバックラッシュ調整機構の一部の拡大図。 第1付勢力付与部および第2付勢力付与部の作用点を示す図。
以下、図1〜4に基づいて本発明に係るパワーステアリング装置の一実施例について説明する。
図1に示すように、本実施例のパワーステアリング装置は、いわゆるデュアルピニオン型の電動パワーステアリング装置であって、ステアリングホイールSWに接続され、運転者の操舵力を図外の転舵輪へ伝達する操舵機構である操舵系ラック・ピニオン構成部1と、電動モータMに接続され、この電動モータMにより発生させた操舵アシスト力を転舵輪へ伝達する操舵アシスト機構であるアシスト系ラック・ピニオン構成部2と、を備え、これらのラック・ピニオン構成部1,2が1つのラックバー3を共有するように構成されている。
操舵系ラック・ピニオン構成部1は、入力軸および第1出力軸からなる操舵軸4と、操舵軸4(第1出力軸)の回転運動をラックバー3の直線運動へと変換することで転舵に供する第1ラック・ピニオン機構RP1と、を備える。また、操舵系ラック・ピニオン構成部1には、トルクセンサTSが配設されており、検出した操舵トルクはECU5に出力される。ECU5は、電動モータMに隣接して設けられ、トルクセンサTSによる検出結果等に基づいて電動モータMを駆動制御する。
アシスト系ラック・ピニオン構成部2は、減速機構7を介して電動モータMの駆動軸に連結される図外の第2出力軸と、この第2出力軸の回転運動をラックバー3の直線運動に変換することで転舵に供する第2ラック・ピニオン機構RP2と、を備える。電動モータMから出力された操舵アシスト力は、減速機構7および第2ラック・ピニオン機構RP2を介して、転舵輪へと伝達される。
減速機構7は、図1〜図3に示すように、第2ラック・ピニオン機構RP2の上方に設けられたギヤハウジング9と、このギヤハウジング9内に収容されたウォームギヤ10と、から構成されている。ウォームギヤ10は、ウォームシャフト11と、ウォームホイール12と、から構成されており、ウォームシャフト11は、図外の継手を介して電動モータMの駆動軸に連結されており、回転軸Oを中心として回転するように両端部11b,11cが軸受13,14によってそれぞれ支持されている。一方、ウォームホイール12は、図外の第2出力軸に回転可能に固定されており、外周に形成された歯部12aがウォームシャフト11の歯部11aと噛み合うようになっている。
ウォームシャフト11の基端部11bを軸支する軸受13は、いわゆるスイベル付きのボールベアリングにより構成されており、このため、軸受13の中心を支点としてウォームシャフト11の先端部11c側が揺動するようになっている。一方、先端部11cを軸支する軸受14は、周知のボールベアリングによって構成されており、図4,5に示すように、先端部11cの外周面に嵌着されるインナレース14aと、インナレース14aの外周側に配置されたアウタレース14bと、インナレース14aとアウタレース14bとの間に介装される複数のボール14cと、から構成されている。
ギヤハウジング9は、図2,3に示すように、電動モータMの駆動軸の軸線上に形成され、ウォームシャフト11を収容する円筒状のシャフト収容部15と、シャフト収容部15に対してほぼ直交するように形成され、ウォームホイール12を収容する大径円筒状のホイール収容部16と、を備える。シャフト収容部15とホイール収容部16とは、ウォームシャフト11とウォームホイール12とが噛合するように、連通部17(図4)を介して連通している。
シャフト収容部15は、電動モータM側に位置する基端部に軸受収容部15aが形成されており、この軸受収容部15a内に軸受13が収容されている。一方、図4に示すように、先端部には、軸受ユニット収容部18(本発明におけるホルダ収容部)が開口形成されており、この軸受ユニット収容部18内に軸受ユニット20が収容されている。この先端部側の開口端は、例えば、図示しない円盤状のプレートによって封止されている。
次に、図3〜6を参照して、バックラッシュ調整機構の一実施例について説明する。
軸受ユニット20は、軸受ユニット収容部18に圧入固定されたカップ22と、このカップ22内に収容されたホルダ部材24と、ホルダ部材24内に摺動自在に収容された軸受14と、軸受14とホルダ部材24との間にそれぞれ配設された第1コイルばね25および第2コイルばね26(本発明における第1付勢力付与部および第2付勢力付与部)と、からなる。この軸受ユニット20は、コイルばね25,26により、軸受14を介してウォームシャフト11をウォームホイール12に向けて付勢して、ウォームシャフト11の歯部11aとウォームホイール12の歯部12aとの噛合状態を維持して、両歯部11a,12a間のバックラッシュを調整するバックラッシュ調整機構を構成する。
カップ22は、図4に示すように、金属材料を用いて有底円筒状に形成されており、筒状部27と、円板状の底壁28と、を有する。この筒状部27と底壁28とにより、ホルダ部材24が嵌合する収容室29が形成されている。底壁28の中央には、ウォームシャフト11の先端部11cを挿通させる挿通孔28aが形成されている。この挿通孔28aの径は、ウォームシャフト11が揺動したときに先端部11cと接触することがないように、先端部11cの外径よりも大きく形成されている。
図5,6に示すように、ホルダ部材24は、合成樹脂材によって有底円筒状に一体成形されており、円板状の底壁31と、この底壁31の周縁から立ち上がった円筒状の周壁32と、を有し、底壁31と周壁32とにより軸受収容部24aが形成されている。底壁31の中央には、先端部11cを挿通させる挿通孔31aが貫通形成されており、この挿通孔31aは、カップ22の挿通孔28aとほぼ等しい大きさを有している(図4)。軸受収容部24aは、軸受14の軸方向の幅とほぼ同一の深さを有し、軸受14が完全に収容されるようになっている。また、軸受収容部24aの内径は、後述するように、軸受14を径方向に移動可能とするために、軸受14の外径よりも僅かに大きくなっている。
周壁32の外周面32aは単純な円筒面からなり、この外周面32aが収容室29の内周面に密に嵌合するようになっている。一方、周壁32の内周面32bには、第1コイルばね25を収容する第1ばね収容室33と、第2コイルばね26を収容する第2ばね収容室34と、が凹設されている。第1ばね収容室33および第2ばね収容室34は、内周面32bから外周面32aに向けてそれぞれ凹んでおり、周壁32の端面32cにおける軸方向の端部は開口している。
図5に示すように、第1ばね収容室33は、ホルダ部材24の接線方向に延びた略平坦なコイルばね支持面33aと、コイルばね支持面33aとほぼ直交し互いに平行をなす一対の側面33b,33cと、底壁31の内側面31bと平行をなす底面33dと、を有する。同様に、第2ばね収容室34は、ホルダ部材24の接線方向に延びた略平坦なコイルばね支持面34aと、コイルばね支持面34aとほぼ直交し互いに平行をなす一対の側面34b,34cと、内側面31bと平行をなす底面34dと、を有する。
第1ばね収容室33と第2ばね収容室34とは、互いに周方向に離間しており、第1ばね収容室33と第2ばね収容室34との間には規制部35が残存している。つまり、この規制部35は、2つのばね収容室33,34の間に残った内周面32bである。規制部35は、第1ばね収容室33の一方の側面33bにより画定される端部35aと、第2ばね収容室34の一方の側面34bにより画定される端部35bと、を有する。規制部35は、ウォームシャフト11とウォームホイール12とが離間する方向(図5の右方)に向けて、軸受14が所定以上に移動しないように規制する。
さらに、ホルダ部材24は、一対の平面状の軸受ガイド面36,37を内周面32bに有している。軸受ガイド面36,37は、軸受14の可動方向(本発明における噛合い量が変化する方向)X(以下、軸受可動方向Xという)と平行でかつ、互いに対向するように形成されている。つまり、ホルダ部材24は、180°離れた2箇所に内周側へ張り出した軸受ガイド面36,37を有する。軸受ガイド面36,37は、相互間の間隔がアウタレース14bの直径とほぼ同一に設定されおり、軸受可動方向Xに沿った軸受14の移動を許容する一方で、軸受可動方向Xと直交する線Yに沿った方向への軸受14の移動を規制する。
図6に示すように、底面33d,34dは、底壁31の内側面31bよりも上方に設けられており、底面33d,34dと内側面31bとの間には、内周面32bが残存している。この残存部分により、軸受ガイド面36,37と規制部35とが周方向に連続している。
軸受ユニット20の組立状態では、図5に示すように、軸受14は、軸受ガイド面36,37に案内されて軸受可動方向Xに沿って摺動するように、軸受収容部24a内に収容されている。第1コイルばね25は、一端が支持面33aに当接するように第1ばね収容室33内に圧縮状態で配置され、第2コイルばね26は、一端が支持面34aに当接するように第2ばね収容室34内に圧縮状態で配置されており、コイルばね25,26は、軸受可動方向Xに対し所定の角度で傾斜した方向から軸受14をそれぞれ付勢している。
コイルばね25,26の位置は、ウォームシャフト11がウォームホイール12から受ける反力Fr,Flの方向との関係により定められている。具体的には、第1コイルばね25は、ウォームシャフト11が正回転側(例えば、右方向へ転舵させる回転方向)に回転したときに受ける反力Frの方向と対抗するように軸受14に対し付勢力を付与し得る位置に配設されている。同様に、第2コイルばね26は、ウォームシャフト11が逆回転側(例えば、左方向へ転舵させる回転方向)に回転したときに受ける反力Flの方向と対抗するように軸受14に対し付勢力を付与し得る位置に配設されている。また、コイルばね25,26の寸法やばね定数等は、ウォームシャフト11が受ける反力Fr,Flに応じた付勢力を付与し得るようにそれぞれ選択されている。
次に、図5を参照して、バックラッシュ調整機構の作用について説明する。パワーステアリングの作動時に、電動モータMの回転によりウォームシャフト11が回転軸Oを中心に正回転側に回転すると、ウォームシャフト11の歯部11aとウォームホイール12の歯部12aとの噛合により、ウォームホイール12が回転する。このとき、ウォームシャフト11はウォームホイール12から反力Frを受けるため、ウォームシャフト11が傾動し、これを支持する軸受14は、軸受可動方向Xに沿ってウォームホイール12から離間する方向(図5の右方)へと移動しようとする。第1コイルばね25は、反力Frに対抗するように軸受14およびウォームシャフト11を付勢しているため、この付勢力により、軸受14およびウォームシャフト11は、軸受ガイド面36,37に沿ってウォームホイール12との噛合方向(図5の左方)へと押し戻され、これにより、歯部11aと歯部12aとの噛合状態が維持される。一方、ウォームシャフト11は、逆回転側に回転すると、ウォームホイール12から反力Flを受けるため、ウォームシャフト11が傾動し、これを支持する軸受14は、離間方向(図5の右方)へと移動しようとする。第2コイルばね26は、反力Flに対抗するように軸受14およびウォームシャフト11を付勢しているため、この付勢力により、軸受14およびウォームシャフト11は、軸受ガイド面36,37に沿って噛合方向へと押し戻され、これにより、歯部11aと歯部12aとの噛合状態が維持される。また、仮に過大な反力Fr,Flが作用した場合には、軸受14が規制部35に当接するため、ウォームシャフト11とウォームホイール12とが所定以上に離間することはない。
本実施例によれば、ウォームシャフトの回転時に生じる反力Fr,Flの方向に対抗するように第1コイルばね25および第2コイルばね26をそれぞれ配置することで、反力Fr,Flにそれぞれ対抗する方向から適切な付勢力を付与することができるため、ウォームシャフト11の正回転時および逆回転時の双方の場合において、ウォームシャフト11とウォームホイール10との噛合状態を確保することができ、ウォームギヤ10のバックラッシュを低減させることができる。そして、左右の転舵のいずれの方向についても、同様の剛性感を得ることができる。
さらに、本実施例によれば、第1ばね収容室33と第2ばね収容室34との間に規制部35を設けることにより、ウォームシャフト11とウォームホイール12とが所定以上離間することを抑制することができるとともに、第1コイルばね25および第2コイルばね26の劣化を抑制することができる。
また、本実施例によれば、一対の軸受ガイド面36,37をホルダ部材24の内周面32bに設けることにより、軸受14の移動を適切に規制することができる。特に、本実施例によれば、軸受ガイド面36,37と規制部35とを周方向に連続させることにより、ばね収容室33,34の形成による応力集中を抑制し、ホルダ部材24の強度を向上させることができる。
また、本実施例によれば、ホルダ部材24を保持するカップ22を用いることにより、ホルダ部材24をギヤハウジング9(軸受ユニット収容部18)に確実に固定することができる。
なお、コイルばね25,26による付勢方向と、反力Fr,Flの方向とは、厳密に一致している必要はなく、僅かに異なっていてもよい。
以下に、バックラッシュ調整機構の他の実施例について説明する。各実施例では、既述した実施例と異なる部分について主に説明し、重複する説明を適宜省略する。
〔第2実施例〕
次に、図7を参照して、バックラッシュ調整機構の第2実施例について説明する。本実施例では、第1コイルばね25および第2コイルばね26に代えて、1つの板ばね100を用いている。
バックラッシュ調整機構を構成する軸受ユニット120は、図示しないカップ22と、ホルダ部材24と、軸受14と、1つの板ばね100と、からなる。ホルダ部材24は、周壁32の内周面32bに、第1板ばね部収容室133および第2板ばね部収容室134を有している。
板ばね100は、ウォームシャフト11の回転軸Oを中心に周方向に延びるように配設されており、一方の先端部100a側に位置する第1板ばね部125(本発明における第1付勢力付与部)と、他方の先端部100b側に位置する第2板ばね部126(本発明における第2付勢力付与部)と、第1板ばね部125と第2板ばね部126とを連結する連結部127と、からなる。第1板ばね部125および第2板ばね部126は、それぞれ内周側へ付勢力を付与するようになっている。
第1板ばね部125は、第1板ばね部収容室133内に配置されており、先端部100aから規制部35の一端部35aまで延びている。第2板ばね部126は、第2板ばね部収容室134内に位置されており、先端部100bから規制部35の他端部35bまで延びている。また、連結部127は、規制部35内に位置し、一端部35aから他端部35bまで延びている。板ばね部125,126の周方向の長さは異なっており、本実施例では、反力Fr,Flの大きさに対応して、第2板ばね部126が第1板ばね部125よりも周方向に長く延びている。
第1板ばね部125の先端部125a側には、軸受14と当接するように軸受収容部24a内に突出する第1突出部128が形成されており、第2板ばね部126の先端部126a側には、軸受収容部24a内に突出する第2突出部129が形成されている。図7に示すように、第1突出部128および第2突出部129は、板ばね部125,126の先端部125a,126a側をそれぞれ折り曲げることによって形成されている。第1突出部128および第2突出部129は、ウォームシャフト11の回転時にウォームシャフト11が受ける反力Fr,Flの方向と対抗するように配設されている。これにより、前述した実施例と同様に、ウォームシャフト11の正回転時に生じる反力Frに対抗して、第1板ばね部125は、第1突出部128が軸受14に当接して軸受14およびウォームシャフト11に付勢力を与える。一方、ウォームシャフト11の逆回転に生じる反力Flに対抗して、第2板ばね部126は、第2突出部129が軸受14に当接して軸受14およびウォームシャフト11に付勢力を与える。したがって、正回転時および逆回転時の双方の場合において、適切な付勢力が与えられる。
図7に示すように、本実施例では、板ばね100は、ホルダ部材24の型成形時におけるインサート成形によってホルダ部材24に一体的に固定されている。板ばね100は、連結部127のみがホルダ部材24つまり規制部35内に埋め込まれている。
次に、図8,9を参照して、第1突出部128および第2突出部129の変更例について説明する。この例では、第1突出部128および第2突出部129は、プレス加工によって形成されている。
図8に示すように、第1板ばね部125は、先端部125aが斜めに折り曲げられており、この先端部125a側の内側面125bに第1突出部128が形成されている。同様に、第2板ばね部126は、先端部126aが斜めに折り曲げられており、この先端部126a側の内側面126bに第2突出部129が形成されている。
第1突出部128および第2突出部129は、図9に示すように、内側面125b,126bが半円球状に突出し、外側面125c,126cが半円球状に凹むようにプレス加工によってそれぞれ形成されている。このように形成された第1突出部128および第2突出部129は、内周面32bよりも径方向内側に突出して軸受14に当接している。
第2実施例によれば、1つの板ばね100を用いることにより、第1板ばね部125および第2板ばね部126の径方向寸法の小型化を図ることができる。特に、第1板ばね部125の板ばねと第2板ばね部126の板ばねとを同一部材とすることにより、部品点数を削減することができる。
さらに、第2実施例によれば、第1板ばね部125および第2板ばね部126に第1突出部128および第2突出部129をそれぞれ設けることにより、軸受14に対する付勢力の作用点を集中させ、付勢力の作用方向の精度を向上させることができる。
また、第2実施例によれば、第1板ばね部125の周方向長さと第2板ばね部126の周方向長さとを異ならせることにより、ウォームシャフト11が受ける反力Fr,Flに応じて板ばね部125,126の付勢力をそれぞれ異ならせることができる。
さらに、第2実施例によれば、ホルダ部材24の型成形時に板ばね100をインサート成形によってホルダ部材24に一体的に固定することにより、板ばね100を固定する部材を別途設ける必要が無い。
次に、図10を参照して、板ばね100の保持方法の変更例について説明する。この例では、板ばね100は、規制部35に設けられた溝135に嵌合させることによって保持されている。
規制部35は、規制部35の一端部35aから他端部35bまで周方向に連続して延びる溝135を有している。この溝135の内周面には溝135内に向けて突出する2つの凸部135aが設けられており、外周面には溝135内に向けて突出する1つの凸部135aが設けられている。このように構成された溝135内に連結部127が挿入される。対向する凸部135aが両側から挟持することにより、板ばね100は、周方向の移動が規制された状態でホルダ部材24内に確実に固定される。
〔第3実施例〕
次に、図11を参照して、バックラッシュ調整機構の第3実施例について説明する。
バックラッシュ調整機構を構成する軸受ユニット220は、別部材からなる2つの板ばね201,202(本発明における第1付勢力付与部および第2付勢力付与部)を有する。
第1板ばね201は、先端部201aと、断面L字状に折り曲げられた基端部201bと、を有し、先端部201a側に第1突出部128が形成されている。同様に、第2板ばね202は、先端部202aと、断面L字状に折り曲げられた基端部202bと、を有し、先端部202a側に第2突出部129が形成されている。第1板ばね201および第2板ばね202は、長さが異なっており、本実施例では、第2板ばね202は第1板ばね201より長くなっている。
第1板ばね201および第2板ばね202は、ホルダ部材24の型成形時にインサート成形によりホルダ部材24に固定されている。第1板ばね201は、基端部201bが規制部35内に埋め込まれ、基端部201bより先の部分が第1板ばね部収容室133内に位置するように固定されている。同様に、第2板ばね202は、基端部202bが規制部35内に埋め込まれ、基端部201bより先の部分が第2板ばね部収容室134内に位置するように固定されている。このようにして、板ばね201,202は規制部35によって片持ち式に支持されている。
本実施例によれば、別部材からなる板ばね201,202を用いることにより、ウォームシャフト11の正回転時および逆回転時に生じる反力Fr,Flに応じて板ばね201,202の材料や板厚等をそれぞれ適宜変更することができる。
〔第4実施例〕
次に、図12を参照して、バックラッシュ調整機構の第4実施例について説明する。
バックラッシュ調整機構を構成する軸受ユニット320は、ホルダ部材324および1つの板ばね300を有する。
ホルダ部材324は、図示しない底壁と、周壁332と、を有し、周壁332の内周面332bには、第1板ばね部325を収容する第1板ばね部収容室333と、第2板ばね部326を収容する第2板ばね部収容室334と、が設けられている。第1板ばね部収容室333と第2板ばね部収容室334とは、所定の間隔を隔てて互いに周方向に離間しており、その間に規制部335が残存している。さらに、内周面332bには、一対の軸受ガイド面336,337が形成されている。
第1板ばね部収容室333は、外周面332aに沿って周方向に延びる径方向端面333aと、径方向端面333aとほぼ直交する一対の側面333b,333cと、底面333dと、を有する。側面333cは、第1軸受ガイド面336の一方の端部から半径方向外側に延びている。第2板ばね部収容室334は、第2軸受ガイド面337を有する薄壁部340を残した状態で周方向に長く延びており、外周面332aに沿って周方向に延びる径方向端面334aと、一対の側面334b,334cと、底面334dと、を有する。
薄壁部340は、第2板ばね部収容室334を部分的に閉塞するように、側面334cから側面334bに向けて延びており、その端部340aは側面334bととともに開口部341を画定している。この開口部341を介して、第2板ばね部収容室334は軸受収容部324aに対して開口している。
板ばね300は、規制部335と対向する側から規制部335に向けて周方向に延びるように配設されており、板ばね300の一端部300a側に位置する第1板ばね部325(本発明における第1付勢力付与部)と、他端部300b側に位置する第2板ばね部326(本発明における第2付勢力付与部)と、第1板ばね部325と第2板ばね部326とを連結する連結部327と、からなる。
第1板ばね部325は、板ばね300の一方の先端部300aから側面333cまで延びており、その先端部325aが規制部335の一端部335aつまり側面333bに対向するように第1板ばね部収容室333内に配置されている。一方、第2板ばね部326は、板ばね300の他方の先端部300bから側面334cまで延びており、その先端部326aが規制部335の他端部335bつまり側面334bに対向するように第2板ばね部収容室334内に配置されている。また、連結部327は、側面333cから側面334cまで周方向に延びており、周壁332内に配置されている。
第1板ばね部325は、先端部325a側において、軸受14と当接するように軸受収容部324a内に突出する第1突出部328を有している。また、第2板ばね部326は、先端部326a側に第2突出部329を有しており、この第2突出部329は、開口部341を介して軸受収容部324aに向けて突出している。第1突出部328および第2突出部329は、板ばね部325,326の先端部325a,326a側の部分を径方向内側に折り曲げることによってそれぞれ形成されている。
本実施例では、板ばね300は、ホルダ部材324の型成形時にインサート成形によりホルダ部材324に固定される。板ばね300は、連結部327が周壁332内に埋め込まれており、これによって支持されている。
なお、本実施例では、第1板ばね部325および第2板ばね部326は1つの板ばね300に形成されているが、第1板ばね部325および第2板ばね部326をそれぞれ別々の板ばねから構成してもよい。
本実施例によれば、規制部335と対向する側から規制部335に向けて板ばね300を延ばすことにより、規制部335側から周方向外側に延ばす場合と比べて、板ばね300の長さを延長させることができ、このため、板ばね300のばね定数や付勢力の調整の自由度が高くなる。
〔第5実施例〕
次に、図13を参照して、バックラッシュ調整機構の第5実施例について説明する。
バックラッシュ調整機構を構成する軸受ユニット420は、ホルダ部材424およびホルダ部材424と一体に成形された一対のばね要素400,401を有する。
ホルダ部材424は、合成樹脂材によって一体成形されており、図示しない底壁と、周壁432と、を有する。周壁432には、周方向に細長く延びる第1開口部433および第2開口部434がスリット状に貫通して形成されている。第1開口部433と第2開口部434とは、所定の間隔を隔てて互いに周方向に離間しており、その間に規制部435が残存している。
第1開口部433は、周壁432の外周面432aに沿って周方向に延びる外側面433aと、一対の側面433b,433cと、周壁432の内周面432bに沿って延びる内側面433dと、を有している。同様に、第2開口部434は、外周面432aに沿って周方向に延びる外側面434aと、一対の側面434b,434cと、内周面432bに沿って延びる内側面434dと、を有している。
第1開口部433の内側面433dと内周面432bとの間には、薄板状の第1ばね要素400(本発明における第1付勢力付与部)が画定されており、第2開口部434の内側面434dと内周面432bとの間には、薄板状の第2ばね要素401(本発明における第2付勢力付与部)が画定されている。換言すると、第1ばね要素400を残すように第1開口部433が形成されており、第2ばね要素401を残すように第2開口部434が形成されている。ばね要素400,401の周方向の長さは、異なっており、ウォームシャフト11が受ける反力Fr,Flの位置や大きさに応じてそれぞれ設定される。
第1ばね要素400の略中間部分には、軸受14と当接するように軸受収容部424a内に突出する第1突出部428が形成されており、これに隣接する側面433c寄りの位置には略L字形の第1屈曲部438が形成されている。同様に、第2ばね要素401は、中間部分より側面434c寄りの位置に、軸受14と当接するように軸受収容部424a内に突出する第2突出部429が形成されており、これに隣接する側面434c寄りの位置には略L字形の第2屈曲部439が形成されている。これにより、ばね要素400,401が一種の弾性部材として機能し、反力Fr,Flに対抗して付勢力を付与するようになっている。
さらに、ホルダ部材424は、一対の平面状の軸受ガイド面436,437を内周面432bに有している。第1軸受ガイド面436は、第1ばね要素400の内側面つまり内周面432bと連続しており、第2軸受ガイド面437は、第2ばね要素401の内側面つまり内周面432bと連続している。
本実施例によれば、ホルダ部材424と一体的にばね要素400,401を形成することにより、別体の板ばねをホルダ部材424に取り付ける必要がない。
〔第6実施例〕
次に、図14〜図19を参照して、バックラッシュ調整機構の第6実施例について説明する。
バックラッシュ調整機構を構成する軸受ユニット520は、ホルダ部材524と、軸受14の外周に沿って配置されたリング状の1つのコイルばね500と、を有する。
ホルダ部材524は、図15に示すように、円板状の底壁531と、円筒状の周壁532と、を有し、底壁531の中央には挿通孔531aが貫通形成されている。周壁532には、周壁532の上端面から中間部分まで軸方向に延びる一対の切欠きが形成されており、これらの切欠きによって第1周壁部543および第2周壁部544が形成されている。周壁部543,544間に、底壁531と平行をなし、コイルばね500を支持する中間面546が設けられている。
第1周壁部543および第2周壁部544は、互いに対向するように位置し、それぞれ周方向に延びている。第1周壁部543は、周壁532の内周面532bよりも径方向外側に位置しており、内周面532bと第1周壁部543の内周面543aとの間に中間面546が延びている。第2周壁部544の外周には、コイルばね500を挿通させる凹溝547が周方向に連続するように形成されている。凹溝547の底面は中間面546の一部を構成しており、このため、中間面546は、凹溝547を介して周方向に連続している。
さらに、中間面546には、第1周壁部543の一方の側面543bと、第2周壁部544の一方の側面544bとの間において、コイルばね500の一端部548が係止される係止部549が形成されている。係止部549は、軸受可動方向Xと直交する線Y(図17)上に位置しており、中間面546から底壁531に向けて延びるとともに、外周面532aから内周面532bに向けて延びている。図17,18に示すように、係止部549は、コイルばね500の一端部548と係合し、コイルばね500が軸受14に対して周方向に移動しないように規制する。
図14,16に示すように、コイルばね500は、第1付勢力付与部および第2付勢力付与部として、局所的に平坦状をなす一対の直線部552,553を有している。一対の直線部552,553、つまり第1直線部552(本発明における第1の屈曲部)および第2直線部553(本発明における第2の屈曲部)は、周方向に互いに離間しており、線P,Q(図17)上にそれぞれ配設されている。つまり、第1直線部552および第2直線部553は、それぞれコイルばね500の内周側に付勢力を発生させるようになっており、ウォームシャフト11が回転軸Oを中心に回転したときに受ける反力Fr,Flに対抗するように軸受14に対し付勢力を付与し得る位置に配設されている。さらに、コイルばね500は、係止部549に係合するように一方の端部548が屈曲している。なお、図示例では、直線部552,553を配置した線P,Qの方向と、反力Fr,Flの方向とが僅かに異なっている。
図14に示すように、軸受ユニット520の組立状態では、軸受14は、外周面14dの一部が中間面546よりも上方に突出するように軸受収容部524a内に配置されている。図18に示すように、コイルばね500は、中間面546上に配置され、凹溝547を通って延びるとともに、これに対向する側において外周面14dに沿って延びており、一端部548が係止部549に係止されている。コイルばね500は、直線部552,553の2点で外周面14dに接し、半径方向内側に付勢力を付与して、軸受14およびウォームシャフト11をウォームホイール12に向けて付勢している。このように構成された軸受ユニット520は、図17に示すように、第2周壁部544がウォームホイール12側に位置するように、ウォームホイール12に対して配置される。
上記のように構成された本実施例のバックラッシュ調整機構は、図17に示すように、ウォームシャフト11の正回転時に生じる反力Frに対抗して、コイルばね500は、第1直線部552が軸受14に当接して半径方向内側に向けて軸受14およびウォームシャフト11に付勢力を与える。一方、ウォームシャフト11の逆回転に生じる反力Flに対抗して、コイルばね500は、第2直線部553が軸受14に当接して半径方向内側に向けて軸受14およびウォームシャフト11に付勢力を与える。したがって、正回転時および逆回転時の双方の場合において、適切な付勢力が与えられる。
次に、図19を参照して、ホルダ部材524およびコイルばね500の変形例について説明する。
コイルばね500は、一対の直線部に代えて、一対の屈曲部562,563を有している。コイルばね500に形成された一対の屈曲部562,563は、周方向に互いに離間しており、線P,Q上にそれぞれ設けられている。屈曲部562,563は、内側に向けて凸となった弓形に形成されている。
軸受ユニット520の組立状態では、中間面546上に配置されたコイルばね500は、屈曲部562,563の2点で外周面14dに接し、軸受14およびウォームシャフト11をウォームホイール12に向けて付勢している。
第6実施例によれば、軸受14を包囲するように設けられたコイルばね500により付勢力を発生させる構造とすることにより、第1実施例等に比較して、ホルダ部材524の径方向寸法の小型化を図ることができる。
さらに、第6実施例によれば、1つのコイルばね500によって2箇所で付勢力を発生させることができるため、部品点数の削減を図ることができる。
また、図19に示す変形例によれば、コイルばね500に第1屈曲部562および第2屈曲部563を設けることにより、軸受14に対する付勢力の作用点を集中させ、付勢力の作用方向の精度を向上させることができる。
さらに、第6実施例によれば、コイルばね500の一端部548が係止される係止部549をホルダ部材524に設け、軸受14に対するコイルばね500の相対回転を規制することにより、軸受14に対する付勢力の作用点のずれを抑制することができる。
〔第7実施例〕
次に、図20,21を参照して、バックラッシュ調整機構の第7実施例について説明する。なお、本実施例では、第6実施例と異なる部分について主に説明する。
バックラッシュ調整機構を構成する軸受ユニット620は、軸受14の外周に沿って配置された1つのコイルばね600と、軸受14とコイルばね600との間に設けられた半円筒状のスペーサ部材665と、を有する。
ホルダ部材524は、内周面532bから外周面532dに向けて窪んでいる一対の凹部667,668を内周面532bに有している。これらの凹部667,668は、周方向に互いに離間しており、線P,Q上にそれぞれ設けられている。
スペーサ部材665は、合成樹脂製の薄板からなり、突出部665a,665bを端部にそれぞれ備えている。スペーサ部材665の幅は、軸受14に対して配設されたときに、上端部が中間面546から突出するように設定されている。
コイルばね600は、単純な円環状をなし、係止部549に係合するように屈曲した端部548を有する。
軸受ユニット620の組立状態では、スペーサ部材665は、ホルダ部材524との間に軸受14の移動を許容する隙間670が生じるように、第1周壁部543側において軸受14とホルダ部材524との間に配置され、軸受14に沿って周方向に延びている。第1突出部665aおよび第2突出部665bは、線P,Q上にそれぞれ配設されており、ホルダ部材524に向けて突出して第1凹部667および第2凹部668内にそれぞれ受容されている。また、スペーサ部材665は、突出部665a,665bとともに、上端部が中間面546から突出するように軸方向に延びている。中間面546上に配置されたコイルばね600は、凹溝547を通って延びるとともに、これに対向する側においてスペーサ部材665に沿って延び、内周面が第1突出部665aおよび第2突出部665bの2箇所でスペーサ部材665に当接して、スペーサ部材665を介して軸受14およびウォームシャフト11をウォームホイール12に向けて付勢している。
なお、図示は省略するが、ホルダ部材524側でなく、軸受14側に突出するように第1突出部665aおよび第2突出部665bを形成してもよい。
本実施例によれば、第1突出部665aおよび第2突出部665bを有するスペーサ部材665を軸受14とコイルばね600との間に配置し、コイルばね600による付勢力の作用点を突出部665a,665bに集中させることにより、付勢力の作用方向の精度を向上させることができる。
次に、図22を参照して、上記各実施例における軸受14に対する作用点について説明する。
図22(A)に示すように、第1付勢力付与部および第2付勢力付与部(例えば、コイルばね25,26、板ばね部125,126等)は、ウォームシャフト11の軸方向における同一位置において軸受14に対し付勢力を付与するように配置されている。これらの付勢力付与部が作用する軸受14における作用点P1,P2は、図示するように、軸受14における同一の軸方向位置に位置している。つまり、軸受14の端面14dから作用点P1までの距離は、端面14dから作用点P2までの距離と等しい。
例えば、図7に示す第2実施例では、第1板ばね部125および第2板ばね部126は、同一の軸方向位置において軸受14を付勢するように配置されており、第1板ばね部125は、軸受14における作用点P1に作用し、第2板ばね部126は、作用点P2に作用する。
軸方向における作用点P1,P2の位置が異なる場合、第1付勢力付与部および第2付勢力付与部によってそれぞれ付与される付勢力のバランスの調整が複雑となるが、上記のように作用点P1,P2の軸方向位置を同一とすることにより、付勢力のバランス調整を容易とすることができる。
〔請求項以外の技術的思想〕
以下、前記実施例から把握される、特許請求の範囲に記載した以外の発明の技術的思想について説明する。
[請求項a]
請求項2に記載のパワーステアリング装置において、
ホルダ部材は樹脂材料で型成形によって形成され、
第1付勢力付与部の板ばねおよび第2付勢力付与部の板ばねは、ホルダ部材の型成形時においてインサート成形により一体成形されることを特徴とするパワーステアリング装置。
[請求項b]
請求項2に記載のパワーステアリング装置において、第1付勢力付与部の板ばねと第2付勢力付与部の板ばねとは同一部材であることを特徴とするパワーステアリング装置。
[請求項c]
請求項bに記載のパワーステアリング装置において、第1付勢力付与部の板ばねおよび第2付勢力付与部の板ばねは、ウォームシャフトの回転軸に対する周方向に延びるように設けられ、かつ前記周方向における長さが異なるように形成されることを特徴とするパワーステアリング装置。
[請求項d]
請求項2に記載のパワーステアリング装置において、第1付勢力付与部の板ばねと第2付勢力付与部の板ばねとは別部材であることを特徴とするパワーステアリング装置。
[請求項e]
請求項10に記載のパワーステアリング装置において、ホルダ部材は、ガイド面と規制部が連続的に形成されることを特徴とするパワーステアリング装置。
[請求項f]
請求項9に記載のパワーステアリング装置において、第1付勢力付与部の板ばねと第2付勢力付与部の板ばねとは別部材で形成され、
第1付勢力付与部の板ばねは、ウォームシャフトの回転軸に対する周方向において、規制部の反対側から規制部側に向かって延びるように設けられることを特徴とするパワーステアリング装置。
[請求項g]
請求項1に記載のパワーステアリング装置は、金属材料で形成され、筒状部と、筒状部の開口端の一方側を閉塞するように設けられた底壁と、を有する金属カップを有し、
ホルダ部材は、金属カップ内に収容され、
金属カップは、ホルダ収容部に圧入固定されることを特徴とするパワーステアリング装置。
[請求項h]
請求項1に記載のパワーステアリング装置において、第1付勢力付与部と第2付勢力付与部は、ウォームシャフトの回転軸の方向における同一位置において軸受に対し付勢力を付与することを特徴とするパワーステアリング装置。
7 減速機構
10 ウォームギヤ
11 ウォームシャフト
12 ウォームホイール
14 軸受
20,120,220,320,420,520,620 軸受ユニット
24,324,424,524 ホルダ部材
25,26,500,600 コイルばね
100,201,202,300 板ばね
128,328,428 第1突出部
129,329,429 第2突出部
400,401 ばね要素

Claims (10)

  1. ステアリングホイールの操舵操作を転舵輪に伝達する操舵機構と、
    前記操舵機構に操舵力を付与する電動モータと、
    前記操舵機構と前記電動モータの間に設けられ前記電動モータの回転力を前記操舵機構に伝達する減速機であって、前記電動モータ側に設けられたウォームシャフトおよび前記ウォームシャフトと噛合うように前記操舵機構側に設けられたウォームホイールから構成されたウォームギヤを有する減速機と、
    前記ウォームホイールを収容するホイール収容部と、前記ウォームシャフトを収容するシャフト収容部と、を有するギヤハウジングと、
    前記シャフト収容部の長手方向両端部のうち前記電動モータが設けられている側と反対側に設けられた空間であるホルダ収容部と、
    前記ホルダ収容部内に設けられ、内側に軸受収容部を有するホルダ部材と、
    前記ホルダ部材の前記軸受収容部内に設けられ、前記ウォームシャフトの両端部のうち前記電動モータが設けられている側と反対側において前記ウォームシャフトを回転自在に保持する軸受と、
    前記ホルダ部材に設けられ、前記ウォームシャフトが回転方向一方側に回転したときに前記ウォームシャフトが前記ウォームホイールから受ける反力の方向と対抗するように前記軸受に対し付勢力を付与する第1付勢力付与部と、
    前記ホルダ部材に設けられ、前記ウォームシャフトが回転方向他方側に回転したときに前記ウォームシャフトが前記ウォームホイールから受ける反力の方向と対抗するように前記軸受に対し付勢力を付与する第2付勢力付与部と、
    を有することを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載のパワーステアリング装置において、前記第1付勢力付与部および前記第2付勢力付与部は、板ばねにより付勢力を発生させることを特徴とするパワーステアリング装置。
  3. 請求項2に記載のパワーステアリング装置において、前記第1付勢力付与部の板ばねは、前記軸受と当接するように前記軸受側に向かって突出する第1突出部を備え、
    前記第2付勢力付与部の板ばねは、前記軸受と当接するように前記軸受側に向かって突出する第2突出部を備えることを特徴とするパワーステアリング装置。
  4. 請求項1に記載のパワーステアリング装置において、前記第1付勢力付与部および前記第2付勢力付与部は、軸受を包囲するように設けられたコイルばねにより付勢力を発生させることを特徴とするパワーステアリング装置。
  5. 請求項4に記載のパワーステアリング装置において、前記第1付勢力付与部のコイルばねと前記第2付勢力付与部のコイルばねとは、同一部材であることを特徴とするパワーステアリング装置。
  6. 請求項5に記載のパワーステアリング装置において、前記第1付勢力付与部および前記第2付勢力付与部は、前記コイルばねに設けられ、前記ウォームシャフトの回転軸周りの方向において互いに離間する位置にそれぞれ配置され、前記ウォームシャフトの回転軸の径方向内側に突出するように形成された第1の屈曲部および第2の屈曲部であることを特徴とするパワーステアリング装置。
  7. 請求項5に記載のパワーステアリング装置は、前記ウォームシャフトの回転軸の径方向において前記軸受と前記コイルばねの間に設けられたスペーサ部材を備え、
    前記スペーサ部材は、前記ウォームシャフトの回転軸周りの方向において互いに離間する位置にそれぞれ配置され、前記ウォームシャフトの回転軸の径方向において前記コイルばね側または前記軸受側に突出するように設けられた第1の突出部および第2の突出部を備えることを特徴とするパワーステアリング装置。
  8. 請求項4に記載のパワーステアリング装置において、前記ホルダ部材は、前記コイルばねの一端側が係止され、前記ウォームシャフトの回転軸周りの方向における前記軸受に対する前記コイルばねの相対回転を規制する係止部を有することを特徴とするパワーステアリング装置。
  9. 請求項1に記載のパワーステアリング装置において、前記ホルダ部材は、前記ウォームシャフトの回転軸に対する径方向における前記軸受の所定以上の移動を規制する規制部を有することを特徴とするパワーステアリング装置。
  10. 請求項9に記載のパワーステアリング装置において、前記ホルダ部材は、前記ウォームホイールと前記ウォームシャフトの噛合い量が変化する方向への前記軸受の移動を許容し、前記噛合い量が変化する方向と直交する方向への移動を規制するように設けられた1対のガイド面を備え、
    前記規制部は、前記軸受が前記ガイド面に沿って移動したとき、前記軸受と当接するように設けられることを特徴とするパワーステアリング装置。
JP2015081352A 2015-04-13 2015-04-13 パワーステアリング装置 Pending JP2016199177A (ja)

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