JP2016198292A - 樹脂製食器および樹脂製食器の製造方法 - Google Patents

樹脂製食器および樹脂製食器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造コストを大幅に増加させずに高級感のある美観に優れた樹脂製食器を提供する。
【解決手段】射出成形された樹脂からなる食器1aであって、当該食器の底2から口縁5に至る領域を外面4とし、当該食器の見込みから前記口縁5に至る領域を内面3として、見込みを含む領域を構成する上方成形品10と、底を含む領域を構成する下方成形品20とが一体的に固着された状態で積層されてなり、上方成形品は光透過性樹脂で構成され、上方成形品と下方成形品の境界面6に装飾図案が施された加飾層30が形成され、上方成形品は口縁から外面にまで回り込んで形成されて、当該回り込んだ領域11にて前記下方成形品の外周縁部の端面21を覆っている。
【選択図】図1

Description

この発明は、樹脂製食器およびその製造方法に関し、具体的には加飾が施された樹脂製食器とその製造方法に関する。
樹脂製の食器は陶器製やガラス製の食器と比べて軽く、落下などによる破損もし難い。また木製の食器のように表面処理を施さなくても長期間に亘る耐水性を確保することができる。このように樹脂製の食器は実用的な機能という観点からは他の素材からなる食器より優れている。その一方で装飾品や調度品という観点から見れば「高級感」に欠けることは否めない。そこで樹脂製食器に高級感を付与するために食器の表面に加飾を施すことが考えられる。そして食器に限らず樹脂の成形品に対する加飾技術としては周知のインモールド成形技術が知られている。なお本発明に関連し、以下の特許文献1には透明樹脂を用いた二重成形品の内側に加飾を施すための技術について記載されており、以下の特許文献2にはインモールド成形に用いられる転写フィルムについて記載されている。また以下の非特許文献1には陶磁器製の食器の各部位の名称が記載されている。そして樹脂製の食器においても当該非特許文献1に記載されている各部位の名称が使われている。
特開2009−263006号公報 特開2012−57067号公報
"赤津焼を楽しむ"、[online]、[平成26年10月24日検索]、インターネット<URL:http://xn--xyw40g125a.net/info/name.html>
本発明者は機能性に優れる樹脂製食器に調度品のような高級感を備えさせることができれば一般家庭の食卓に少しばかりの「華やかさ」が演出できると考えた。もちろん飲食店にとっては料理の見栄えが食器のデザインによって左右されることもあるため、樹脂製の絵皿などがあれば、破損し易い従来の陶器製食器を使わなくても済む。
ところで食器の高級感について考察すると、例えば陶器製であれば食器の内面側である「見込み」に模様や図案などの加飾が施してあるものが高級であるとされている。したがって樹脂製食器に高級感を付加するためには見込みに加飾を施すことが望ましい。しかしながら見込みに加飾を施したとしても樹脂の成形品であることが容易にわかるような構造であれば却って粗末に見える。使用者が結果的に樹脂製の食器であることを認識しながらも感心するような見栄えとなるような構造を有していることが望ましい。もちろん樹脂製食器は調度品ではなく日常的に使われる実用品でもある。したがって樹脂製食器に高級感を付加するために樹脂製食器本来の機能性が損なわれたり、製造工程が複雑化したりして製造コストが大幅に嵩んだりしては実用に供することが難しくなる。
そこで本発明は製造コストを大幅に増加させずに高級感のある美観に優れた樹脂製食器とその製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するための本発明は、射出成形された樹脂からなる食器であって、
当該食器の底から口縁に至る領域を外面とし、当該食器の見込みから前記口縁に至る領域を内面として、
前記見込みを含む領域を構成する上方成形品と、前記底を含む領域を構成する下方成形品とが一体的に固着された状態で積層されてなり、
前記上方成形品は光透過性樹脂で構成され、
前記上方成形品と前記下方成形品の境界面に装飾図案が施された加飾層が形成され、
前記上方成形品は前記口縁から外面にまで回り込んで形成されて、当該回り込んだ領域にて前記下方成形品の外周縁部の端面を覆っている、
ことを特徴とする樹脂製食器としている。
前記加飾層には前記上方成形品と前記下方成形品との継ぎ目の輪郭に沿うように前記下方成形品の前記外周縁端に沿って周回する形状の装飾図案が形成されていてもよい。前記下方成形品の前記外周縁端がテーパー状に形成されて、前記上方成形品は当該テーパー状の部位を下方から支持するようにアンダーカット形状に形成されている樹脂製食器。さらには前記上方成形品と前記下方成形品の境界面で前記加飾層が形成されていない領域の一部に耐熱樹脂からなる層が形成されている樹脂製食器とすることもできる。
前記下方成形品の上面、あるいは前記上方成形品の下面に凹部が形成され、当該凹部の内面に前記加飾層が形成されているとともに、前記凹部の内側に光透過性樹脂が充填されている樹脂製食器とすればより美観に優れたものとなる。
本発明は樹脂製食器の製造方法にも及んでおり、当該製造方法は、食器の見込みを含む領域を構成して光透過性樹脂からなる上方成形品と、食器の底を含む領域を構成する下方成形品とが一体的に固着された状態で積層されてなるとともに、前記上方成形品と前記下方成形品との境界面に装飾図案が施された加飾層が形成された樹脂製食器の製造方法であって、
前記上方成形品あるいは前記下方成形品のいずれかを一次成形品として形成する一次成形ステップと、前記一次成形品をインサート部材としたインサート二重成形により二次成形品である前記樹脂製食器を成形する二次成形ステップとを含み、
前記一次成形ステップではインモールド成形によって前記一次成形品における前記境界面側に前記加飾層を形成し、
前記一次成形ステップあるいは二次成形ステップのいずれかによって前記上方成形品を形成する際、前記下方成形品の外周縁部の端面を覆う形状のキャビティを有する金型を用いる、
ことを特徴とする樹脂製食器の製造方法としている。
前記一次成形ステップでは、当該一次成形ステップあるいは前記二次成形ステップのいずれかによって成形される前記下方成形品の外周縁端に沿って周回する形状の装飾図案が施された前記加飾層を形成する樹脂製食器の製造方法とすることもできる。
前記一次成形ステップあるいは前記二次成形ステップのいずれかによって前記下方成形品を成形する際に、当該下方成形品の外周縁端がテーパー状となるように成形し、
前記二次成形ステップあるいは前記一次成形ステップのいずれかによって前記上方成形品を成形する際に、当該上方成形品が前記下方成形品の前記テーパー状の部位を下方から支持するアンダーカット形状となるように成形する、
ことを特徴とする樹脂製食器の製造方法としてもよい。
前記一次成形ステップでは金属薄膜によって装飾図案が施された加飾フィルムを備えた転写フィルムを用い、前記二次成形ステップでは、前記金属薄膜による加飾層に対向する位置にゲートが開口する金型を用いることを特徴とする樹脂製食器の製造方法としたり、前記一次成形品の前記境界面側で前記加飾層が形成されていない領域に耐熱樹脂層を設けるステップを含み、前記二次成形ステップでは、前記耐熱樹脂層に対向する位置にゲートが開口する金型を用いることを特徴とする樹脂製食器の製造方法としたりすることができる。前記一次成形ステップではマイクロ波を透過させる不連続構造有する金属の薄膜によって装飾図案が施された加飾フィルムを備えた転写フィルムを用いてもよい。
前記一次成形ステップでは、前記二次成形ステップに際して溶融しない耐熱樹脂からなる凹部形成層に当該凹部形成層よりも薄い装飾図案層が積層されてなる加飾フィルムを備えた転写フィルムを用いて前記一次成型品を成形することで、前記装飾図案として当該一次成型品における前記境界面側に前記装飾図案層が内面に配置されつつ内方に前記耐熱樹脂が充填された凹部を形成する、
ことを特徴とする樹脂製食器の製造方法とすることもできる。
本発明によれば、機能性と優れた美観を備えた樹脂製食器を安価に提供することができる。
本発明の実施例に共通する構造備えた第1の実施例に係る樹脂製食器の構造を示す図である。 第1の実施例に係る樹脂製食器を製造する際に使用される転写フィルムの構造を示す図である。 上記第1の実施例に係る樹脂製食器の製造方法を示す図である。 上記第1の実施例に係る樹脂製食器の製造方法の変形例を示す図である。 上記第1の実施例の変形例に係る樹脂製食器を示す図である。 第2の実施例に係る樹脂製食器の構造を示す図である。 上記第2の実施例に係る樹脂製食器を製造する際に使用される転写フィルムの構造を示す図である。 上記第2の実施例に係る樹脂製食器の製造方法を示す図である。 第3の実施例に係る樹脂製食器の製造方法の概略を示す図である。 第3の実施例に係る製造方法の応用例を示す図である。 その他の実施例に係る樹脂製食器の構造を示す図である。 その他の実施例に係る樹脂製食器の構造を示す図である。
本発明の実施例について、以下に添付図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明に用いた図面において、同一または類似の部分に同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。図面によっては説明に際して不要な符号を省略することもある。
===第1の実施例===
<構造>
本発明の実施例に共通する構造を備えた樹脂製食器を第1の実施例として挙げる。図1は第1の実施例に係る樹脂製食器(以下、食器1aとも言う)の構造を示す図である。ここに示した食器1aは丸皿であり、ここでは食器1aの底2を下方として上下方向を規定している。そして図1(A)は上下方向を含む鉛直面で当該食器1aを切断したときの縦断面図であり、図1(B)は(A)における円100内を拡大した図である。図1(C)は食器1aを上方および下方から見たときの平面図を左右に分割して示している。ここでは中心線110に対して紙面の右方に上方からみたときの平面図を示し、左方に下方から見たときの底面図を示した。
この図1に示したように、食器1aは、主に見込みから口縁5に至る領域である内面3側を形成する成形品(以下、上方成形品10とも言う)と上方成形品の下方に積層されて食器1aの底2を含む外面4側を形成する成形品(以下、下方成形品20とも言う)とを一体化させてなる二重成形品である。上方成形品10と下方成形品20の境界面6には加飾層30が形成されており、少なくとも上方成形品は透明あるいは半透明の光透過性樹脂で形成されている。それによって食器1aを上方からみたときに加飾層30が上方成形品10を介して認識できるようになっている。ここでは上方成形品10が着色剤を含まない樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート:PETなど)で形成されており透明になっている。一方下方成形品20は着色剤を含む樹脂で形成されて不透明状態となるように着色されている。もちろん下方成形品20も光透過性樹脂で成形されていてもよい。
なお図1(A)では食器1aの構造が理解しやすいように加飾層30における装飾図案の部分の厚さを誇張して示している。実際の加飾層30は境界面6を覆う薄膜状であり、その薄膜の平面領域の一部あるいは全部に目視可能な装飾図案が施されている。ここでは加飾層30の一部に装飾図案が施されている。具体的には加飾層30は境界面6の全面を覆う保護層の一部の領域あるいは全部の領域に印刷や金属蒸着などによる装飾図案が施された構造を有しており、実際の加飾層30の上面は平坦面である。そして微視的に見れば飾図案となる部分は下方成形品を構成する樹脂に埋もれた状態となるが、加飾層30自体が上方成形品10や下方成形品20の厚さに対して極めて薄く、上方と下方の各成形品(10,20)の厚さが数mm程度あるのに対し、加飾層は5〜15μm程度である。なお加飾層30を構成する保護層の構造などについては後で詳しく説明する。
さらに食器1aは、上方から見たときに上方成形品10と下方成形品20の継ぎ目7が直接見えないようになっている。図1(B)に拡大して示したように、下方成形品20の外周縁端は食器1aの口縁5にまで達していない。一方上方成形品10の外周縁端の領域(以下、外周縁部11とも言う)は下方成形品20の周縁のさらに外方まで延長し、下方成形品20の外周縁端面21を覆っている。すなわち上方成形品10と下方成形品20の継ぎ目7が食器1aの下面4側に形成されている。
このように第1の実施例に係る食器1aでは上述した構造により、陶器製の高級絵皿を模して、見込みに装飾図案が施されている。そして上方から見たときに上方成形品10と下方成形品20との継ぎ目7が見えにくくなっている。それによって高級感を演出する見込みから口縁に至る領域に一体感が創出され、また上方成形品を介して加飾面を見ることにより深み感が醸し出され 従来の樹脂製食器にありがちな平面的な形状からくる粗末さをうまく隠蔽している。また加飾層30が光透過性樹脂からなる上方成形品10の下方に形成されているため、食器1aの使用に伴う摩擦などによって加飾層30が剥離したり摩耗したりすることがない。さらに以下に詳しく説明する製造方法によって上方成形品10と下方成形品20が相溶状体で固着しており上方と下方の成形品(10,20)の境界面6に水分が侵入することもない。もちろん樹脂製の食器1aは外部からの衝撃にも強く破損し難い。すなわち第1の実施例に係る食器1aは優れた美観と機能性を兼ね備えている。
<製造方法>
食器1aはインモールド成形技術とインサート二重成形技術を応用することで製造されている。インモールド成形技術は、基材となるフィルム(以下、基材フィルム)に加飾となる図案や文字、あるいは他の材質を模した模様など(以下、装飾図案)が形成された薄膜の層(以下、転写層)を積層した転写フィルムを射出成形金型内に挟み込んだ状態で溶融樹脂を射出し、その溶融樹脂の熱により加飾層を樹脂に転写するものである。図2に、一般的な転写フィルム40の構造を示した。転写フィルム40は、基材フィルム41に転写層42を積層した構造を基本とし、基材フィルム41は、PETフィルムなどのフィルム素材からなるペースフィルム(以下、基材本体43とも言う)、転写層42のみが正しく基材フィルム41から剥離されるようにするための離型層44とを積層した構造となっている。
一方転写層42は、基材フィルム41側から保護層45、装飾図案層46、接着層47がこの順に配置されてなり、装飾図案層46は保護層45の膜面に印刷や蒸着などによって形成されている。そしてその装飾図案層46を接着層47が覆っている。接着層47は射出成形時の溶融樹脂に対して相溶性を有し、インモールド成形に際しては離型層44と保護層45との境界で剥離するようになっている。したがって基材フィルム41から剥離した転写層42が食器1aにおける加飾層30となる。
なお基材フィルム41側を下方としたとき、装飾図案層46上にも保護層(以下、加飾保護層とも言う)を設けた転写フィルムもある。とくに装飾図案層46が金属蒸着膜で構成されている場合には加飾保護層を設ける場合が多い。またその加飾保護層と接着層47との間にアンカーと呼ばれるバインダーの層(以下、アンカー層とも言う)が形成されて加飾保護層と接着層47との接着性を向上させた転写フィルムもある。いずれにしてもインモールド成形に際して加飾フィルム42が基材フィルム41から剥離する構成であればよい。
図3は食器1aの製造方法の概略を示す図であり、図3(A)〜(F)に当該製造方法の手順を示した。この図3においても加飾層30の厚さを誇張して示している。また図1と同様に上下方向を相対的に規定している。まずインサート二重成形の一次成形品として下方成形品20を射出成形する。このときインモールド成形技術を用いて下方成形品20の上面に加飾層30を形成する。まず図3(A)に示したように、下方成形品20を成形するための金型(以下、一次金型(51,52)とも言う)において、これから成形する下方成形品20の上面側に転写フィルム40を架け渡しておく。このとき転写フィルム40における転写層42側が下方成形品20の上面側と対面するようにしておく。この例では転写フィルム40における基材フィルム41側を上方の一次金型51の内面53側に向ける。つぎに図3(B)に示したように一次金型(51,52)を閉じ、ゲート54からキャビティ55内に溶融樹脂60を射出する。それによって転写フィルム40の転写層42側が溶融樹脂60と接触し、この溶融樹脂60と転写層42における接着層47とが相溶状態となる。溶融樹脂60が冷却すると、転写層42が基材フィルム41から剥離する。そして図3(C)に示したように、上面側に加飾層30となる転写層42が接着されて装飾図案が転写された状態の下方成形品20が成形される。
以上の手順によって下方成形品20が成形されたならば、図3(D)に示したように、インサート二重成形を行うための金型(以下、二次金型(71、72)とも言う)に下方成形品20をインサート部材として設置する。そして図3(E)に示したように二次金型(71、72)を閉じてゲート73からキャビティ74内に溶融状態にある光透過性樹脂80を射出する。それによって一次成形品である加飾層30が形成された下方成形品20を溶融樹脂80がキャビティ74の形状で覆う。溶融樹脂80が冷却したならば、二次金型(71、72)から成形品を取り出し図3(F)に示したように二次成形品である食器1aが完成する。
ところでインモールド成形に際しては、転写フィルム40における転写層42を構成する保護層45は下方成形品20の上面全面を覆うことになる。保護層45は二次成形品の成形に際し溶融樹脂80と相溶状態にはならないため、上方成形品10と下方成形品20の境界面6での固着強度は相溶状態で固着する場合より低いことになる。しかし下方成形品20の外周縁端面21には加飾フィルム42、すなわち保護層45が存在せず、かつ上方成形品10の外周縁部11が下方成形品20の外周縁端面21を覆っている。そのため第1の実施例に係る食器1aでは、下方成形品20が外周縁端面21で上方成形品10と相溶状態で強固に固着しており、上方成形品10と下方成形品20とが剥離しないようになっている。
<製造方法の変形例>
図3に示した食器の製造方法では下方成形品20を一次成形品としていたが、当該製造方法の変形例として、光透過性樹脂からなる上方成形品10を一次成形品とした製造手順も考えられる。図4は上方成形品10を一次成形品とした食器1bの製造方法についての概略図であり、図4(A)〜(F)に当該製造方法の手順を示した。この図4においても加飾層30の厚さを誇張して示している。また図4では、当該変形例において使用される一次金型(51,52)、二次金型(71,72)、転写フィルム40、ゲート(54,73)、溶融樹脂(60,80)などの部材や部位については図3と同じ符号を付している。
変形例に係る製造方法では、まずインサート二重成形の一次成形品として上方成形品10を射出成形する。そしてこの上方成形品20の下面に上述したインモールド成形技術を用いて加飾層30を形成する。すなわち図4(A)に示したように、上方成形品10を成形するための一次金型(51,52)において、これから成形する上方成形品10の下面側に転写フィルム40を架け渡しておく。このとき転写フィルム40における転写層42側が上方成形品10の上面側を向くようにしておく。そして図4(B)に示したように金型(51,52)を閉じ、ゲート54からキャビティ55内に光透過性樹脂からなる溶融樹脂80を射出する。その溶融樹脂80が冷却すると、図4(C)に示したように下面側に転写層42が接着され加飾層30が形成された状態の上方成形品10が成形される。
つぎに図3(D)に示したように、インサート二重成形を行うための二次金型(71,72)に上方成形品10をインサート部材として設置する。そして図4(E)に示したように二次金型(71,72)を閉じてゲート73からキャビティ74内に溶融樹脂80を射出する。それによって上方成形品10と溶融樹脂80とが相溶状態で固着する。溶融樹脂80の冷却後、二次金型(71,72)から成形品を取り出せば図4(F)に示したような二次成形品である食器1bが完成する。
<食器の種類について>
なお本発明の実施例に係る樹脂製食器の種類としては、丸皿に限らず角皿であってもよし、椀であってもよい。なお椀では「胴」や「腰」が外方に面しており、手に持って使われるものも多いことから、口縁の近傍、あるいは胴や腰の領域に継ぎ目を設けると却って継ぎ目が目立つ場合がある。一方上述した皿であれば、その平たい形状から見込みから口縁に至る部位のみが目に触れ、基本的には食卓に置いて使用されるものであるため、上記の継ぎ目をうまく隠しやすいといえる。もちろん椀であっても、図5に示したように食器1cの底2に対応する領域のみを下方成形品20とすれば継ぎ目7は目立たなくなる。いずれにしても下方成形品20の外周縁端面21が、上方成形品10において口縁5から外面4側に回り込む外周縁部11にて覆われていればよい。
===第2の実施例===
図1に示した上記第1の実施例に係る食器1aでは加飾層30が一次成形品の表面に定着された薄膜であり二次元の図案であった。その一方で上方成形品10と下方成形品20の境界面6に立体的な凹凸によって図案が形成されていれば、見る角度によって図案の立体形状が食器内部に浮き上がり、より美観に優れた食器とすることができる。しかしながらその立体構造を金型の内面形状によって得ようとすれば、図案の種類に応じて個別に金型を用意する必要があり、図案の変更に対して柔軟に対応することができない。もちろん図案ごとに金型を用意すれば製造コストも嵩む。そこで加飾層自体に立体的な構造を付与することができれば、転写フィルムにおける装飾図案を変更するだけでよく、安価に種々の図案に柔軟に対応することができる。そこで第2の実施例として立体的な加飾層を備えた食器を挙げる。
<構造>
図6は第2の実施例に係る食器1dの概略構造を示す図である。図6(A)は当該食器1dの縦断面図であり、図6(B)は(A)における円内を拡大した図である。この例では下方成形品20が一次成形品である。また加飾層30は蒸着による金属薄膜であるそして図6に示したように、下方成形品20の上面22の一部に凹部23が形成されている。加飾層30は下方成形品20の上面22に加え、その凹部23の内面24にも形成されている。また凹部23の内方には光透過性の樹脂31が充填されている。それによって上方から加飾層30を見ると、上方成形品10を構成する樹脂と凹部23に充填されている樹脂31がともに光透過性を有しているため、凹部23に対応する部位では加飾層30が立体的に見える。とくにこの例では凹部23の内面24に金属薄膜からなる加飾層30が形成されており、凹部23の角に光が当たると金属光沢が増強されて立体構造がより強調される。もちろん加飾層30は金属薄膜でなくてもよい。また加飾層30は境界面6の全面に形成されていてもよいし、一部に形成されていてもよい。
いずれにしても第2の実施例に係る食器1dは、立体的な加飾を食器1dの表層(3,4)ではなく内部に施すことができる。またその加飾の図案をコストを掛けずに柔軟に変更することができる。さらに他の素材(陶磁器など)からなる食器では立体的な構造をその素材の表層に形成することになるため、その立体構造の隙間に汚れが付き易く、かつその汚れが落ち難いという問題があるが、第2の実施例に係る食器1dではそのような問題が原理的に発生しない。以下に当該第2の実施例に係る食器1dの製造方法について説明する。
<製造方法>
図7は第2の実施例に係る食器1dを製造する際に用いられる転写フィルム140の構造を示している。図7に示したように転写フィルム140は、第1の実施例の食器1aを製造する際に用いた図2に示した転写フィルム40と同様に、基材本体43と離型層44とからなる基材フィルム41に転写層141を積層した構造を基本としている。転写層141についても保護層45と接着層47の間に装飾図案層46が形成されている点では第1実施例と同様である。しかし第2の実施例に係る食器1dを製造する際に用いる転写フィルム140では、保護層45上に上記の凹部23に充填される樹脂層(以下、凹部形成層142とも言う)が形成されている領域145がある。またここに示した転写フィルム140では装飾図案層46として蒸着による金属薄膜が形成されているとともに、この装飾図案層46上に金属薄膜を保護する加飾保護層143が形成されている。また加飾保護層143と接着層47はアンカー層144を介してより強固に接着されている。そして上記の凹部形成層142の形成領域145では、転写層141は基材フィルム41側から順に保護層45、凹部形成層142、装飾図案層46、加飾保護層143、アンカー層144、および接着層47が形成されている。なお装飾図案層46はそれ自体で意匠的な装飾図案を形成するように転写フィルム140の平面領域内に部分的に形成されていてもよいし、凹部形成層142の形成領域145にのみ装飾図案層46が形成されていてもよい。もちろん転写フィルム140の全面にわたって形成されていてもよい。いずれにしても凹部形成層142の表面を覆うように形成されていればよい。
凹部形成層142は例えばエポキシ樹脂などによって形成されて、一次成形品を射出成形する際の溶融樹脂の熱によって溶解しないようになっている。また光透過性を有する。そして凹部形成層142は一次成形品の表面に上記の凹部23を形成するための型として機能するとともに、図6に示した凹部23の内方に充填される光透過性樹脂31になる。なおここに示した例では凹部形成層142の厚さt1が装飾図案層46の厚さt2よりも厚くなっており、一次成形品に凹部23が形成された際には、その凹部23の深さが目視によって十分に認識でき、加飾層の立体感がより際立つようにしている。
図8に第2の実施例に係る食器1dの製造方法を示した。以下この図8および先の図7を参照しつつ第2の実施例に係る食器1dの製造手順について説明する。なお図8(A)〜(F)は当該製造法の手順を示しており、図8(G)は当該手順の過程で形成される上記凹部23の拡大図を示している。まずインサート二重成形の一次成形品として下方成形品を射出成形する。このときインモールド成形技術を用いて下方成形品の上面に加飾層を形成する。まず図8(A)に示したように、下方成形品を成形するための一次金型(51,52)において、これから成形する下方成形品の上面側に転写フィルム140を架け渡しておく。このとき転写フィルム140における転写層141側がこれから成形される下方成形品20の上面側と対面するようにしておく。
つぎに図8(B)に示したように一次金型(51,52)を閉じ、ゲート54からキャビティ55内に溶融樹脂60を射出する。このとき転写フィルム140における凹部形成層142は溶解しないため、この凹部形成層142が凸版となって溶融樹脂と接触する領域に凹部23を形成する。また転写フィルム140において凹部形成層142の形成領域に積層されている接着層47については溶融樹脂60と相溶する。そして溶融樹脂60が冷却して転写層141が基材フィルム41から剥離すると図8(C)に示した下方成形品20が一次成形品として形成される。そしてこの下方成形品20は図8(G)に拡大して示したように、凹部23の内面24に加飾層30が形成され、その凹部23内に凹部形成層48を構成する樹脂31が充填された状態となる。
以上の手順によって下方成形品20が成形されたならば、図8(D)に示したように、二次金型(71,72)内に下方成形品20をインサート部材として設置し、図8(E)に示したようにこの二次金型(71,72)を閉じてゲート73からキャビティ74内に溶融状態にある光透過性樹脂80を射出する。それによって一次成形品である下方成形品20がこの溶融樹脂と相溶状態で固着する。溶融樹脂80が冷却して二次金型(71,72)から成形品を取り出すと、図8(F)に示したように二次成形品である食器1dが完成する。なおこの第2の実施例においても上方成形品10を一次成型品として、上方成形品10側に上記の凹部23を形成するようにしてもよい。
===第3の実施例===
上述したように本発明の実施例に係る食器はインサート二重成形によって製造される。そのため一次成形品をインサート部材として二次成形品を成形する際、ゲートから射出された高温の溶融樹脂が最初に一次成形品に触れる部位を再溶解させる場合がある。所謂「ゲート跡」が残る可能性がある。そしてこのゲート跡は光透過性樹脂からなる上方成形品を介して外方から認識されてしまうため美観を損ねる要因となる。そこで第3の実施例としてゲート跡が残りにくい食器の製造方法を挙げる。
図9は第3の実施例に係る食器の製造方法の概略である。図9(A)は二次金型(71,72)内における一次成形品(ここでは下方成形品20)の配置状態を示す図であり、図9(B)は(A)における円200内を拡大した図である。当該第3の実施例に係る製造方法で製造される食器は実質的に第1の実施例に係る食器1aと同じ構造を有している。しかし製造方法に特徴を有してゲート跡がない食器となっている。具体的には加飾層30が金属薄膜で形成されており、ゲート73の開口75に対向する領域には必ず加飾層30が形成されている。そしてゲート開口75から溶融樹脂が射出された際には、最初に熱伝導率が高く耐熱性に優れた金属薄膜からなる加飾層30に接触し、熱が局所に貯まることなく速やかに放散する。それによってゲート跡が残ることがない。
なお第3の実施例の応用例として、一次成形品におけるゲート開口75の対向位置に耐熱性の樹脂層を設ける製造方法も考えられる。図10に当該応用例の概略を示した。図10(A)は二次金型(71,72)内における一次成形品(ここでは下方成形品20)の配置状態を示しており、図10(B)は(A)における円210内を拡大した図である。図10に示したように下方成形品20においてゲート開口75に対向する位置に耐熱樹脂(例えば、エポキシ樹脂など)の層32が形成されており、ゲート開口75からの溶融樹脂が最初にこの耐熱樹脂層に接触する。それによってゲート跡が残ることを防止している。なおこの変形例に係る製造方法で製造された食器には上方成形品と下方成形品の境界面に必ず耐熱樹脂層が設けられていることになる。
なお耐熱樹脂層は一次成型品におけるゲート開口に対向する位置に耐熱樹脂材料を塗布して設けてもよいし、二次成形品の射出温度よりも高い温度で溶融する樹脂を用いて成形することで設けてもよい。あるいはフィルム状やプレート状の耐熱樹脂部材をゲート開口75に対向する位置に配置してもよい。そして耐熱樹脂部材をインサート部材として二次成形品を成形するのである。
またプレート状の樹脂成形品であれば、その樹脂材料自体に耐熱性がなくても実質的に耐熱樹脂層として機能させることができる。具体的には、一度成形された「冷えた」プレート状の成形品(以下、プレート部材とも言う)は二次成形に際して再度溶解するまでに時間を要するため、プレート部材が全て溶解して一次成型品の表面が露出する前に二次成形品を成形すれば、実質的にプレート状の成形品が耐熱樹脂層として機能するのである。なおプレート部材を耐熱樹脂層として機能させるためには、二次成形品を成形する際の溶融樹脂の温度や成形時間、プレート部材の熱容量を規定する厚さや面積などを調整して最適な条件を見いだせばよい。プレート部材と二次成形品の樹脂材料に相溶性のあるものを採用すれば強い密着強度も得られる。さらに二次成形品の樹脂材料とプレート部材を同じ樹脂材料とすれば、より強い密着強度が得られるとともに、残留したプレート部材が光透過性樹脂からなる上方成形品を介して外方から視認することが極めて難しくなり、さらに美観を高めることができる。
===その他の実施例===
本発明の実施例に係る食器やその製造方法としては上述した各実施例に限らない。例えば加飾層30の図案を工夫することで上方成形品10と下方成形品20の継ぎ目7をより目立たなくすることができる。図11に継ぎ目7を目立たなくした加飾層30を有する食器1eの概略構造を示した。図11(A)は当該食器1eの縦断面図であり、図11(B)は(A)における円220内を拡大した図である。図11(C)は食器1eを上面から見たときの平面図である。継ぎ目7は一次成形品の外周を周回していることから、図11に示した食器1eのように、加飾層30における装飾図案を継ぎ目7の輪郭に沿って食器の見込み領域を周回するように形成してもよい。それによって継ぎ目7が装飾図案の輪郭として認識され、継ぎ目7がより目立たなくなる。
上述した各実施例における食器(1a〜1e)では、上方成形品10と下方成形品20との境界面6が継ぎ目7という形態で外部に露出している。上方成形品10と下方成形品20は下方成形品20の外周端面21にて強固に接着された状態で固着しているが、双方(10,20)を離間させる方向に極めて強大な力が加われば継ぎ目7を起点として上方成形品10と下方成形品20が剥離する可能性がある。そこで継ぎ目7の近傍の形状を工夫することで、上方成形品10と下方成形品20との接着強度を向上させることも考えられる。
図12は当該接着強度を向上させるための構造を示しており、ここでは丸皿型の食器の口縁近傍の領域を拡大して示している。図12に示したように下方成形品20の外周縁端の領域をテーパー状にして外周縁端面21が外方に向かって上方に向かう斜面となるように成形されている。さらに上方成形品10の外周縁部11の外面4側にアンダーカット形状となる部位(以下、アンダーカット部12とも言う)が形成されている。そしてこのような構造とすることで、アンダーカット部12が下方成形品20の外周縁端面21を下方から支持し継ぎ目7の近傍での上方成形品10と下方成形品20との接合強度が増大する。それによって継ぎ目7を起点として上方成形品10と下方成形品20が剥離することを確実に防止することができる。
上方成形品10と下方成形品20を周知の電子レンジ対応樹脂(例えば、ポリプロピレン(PP)、結晶化ポリエチレンテレフタレート(C−PET)など)で成形するとともに、マイクロ波を透過させる不連続構造を有する金属(例えば,スズなど)の薄膜で加飾層30を構成すれば、光沢を有する装飾図案を備えつつ、電子レンジでの加熱調理にも対応できる樹脂製食器とすることができる。
1a〜1e,樹脂製食器、2 食器の底、3 食器の内面、4 食器の外面、
5 口縁、6 境界面、7 継ぎ目、10 上方成形品、11 上方成形品の外周縁部、
12 アンダーカット部、20 下方成形品、21 下方成形品の外周縁端面、
30 加飾層、40,140 転写フィルム、51,52 一次金型、
60,80 溶融樹脂、71,72 二次金型

Claims (14)

  1. 射出成形された樹脂からなる食器であって、
    当該食器の底から口縁に至る領域を外面とし、当該食器の見込みから前記口縁に至る領域を内面として、
    前記見込みを含む領域を構成する上方成形品と、前記底を含む領域を構成する下方成形品とが一体的に固着された状態で積層されてなり、
    前記上方成形品は光透過性樹脂で構成され、
    前記上方成形品と前記下方成形品の境界面に装飾図案が施された加飾層が形成され、
    前記上方成形品は前記口縁から外面にまで回り込んで形成されて、当該回り込んだ領域にて前記下方成形品の外周縁部の端面を覆っている、
    ことを特徴とする樹脂製食器。
  2. 請求項1において、前記加飾層には、前記上方成形品と前記下方成形品との継ぎ目の輪郭に沿うように前記下方成形品の前記外周縁端に沿って周回する形状の装飾図案が形成されていることを特徴とする樹脂製食器。
  3. 請求項1または2において、前記下方成形品の前記外周縁端はテーパー状に形成されて、前記上方成形品は当該テーパー状の部位を下方から支持するようにアンダーカット形状に形成されていることを特徴とする樹脂製食器。
  4. 請求項1〜3において、前記上方成形品と前記下方成形品の境界面で前記加飾層が形成されていない領域の一部に耐熱樹脂からなる層が形成されていることを特徴とする樹脂製食器。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記加飾層は金属薄膜からなることを特徴とする樹脂製食器。
  6. 請求項5において、前記金属薄膜はマイクロ波を透過させる不連続構造を有する金属によって形成されていることを特徴とする樹脂製食器。
  7. 請求項1〜6のいずれかにおいて、前記下方成形品の上面、あるいは前記上方成形品の下面に凹部が形成され、当該凹部の内面に前記加飾層が形成されているとともに、前記凹部の内側に光透過性樹脂が充填されていることを特徴とする樹脂製食器。
  8. 食器の見込みを含む領域を構成して光透過性樹脂からなる上方成形品と、食器の底を含む領域を構成する下方成形品とが一体的に固着された状態で積層されてなるとともに、前記上方成形品と前記下方成形品との境界面に装飾図案が施された加飾層が形成された樹脂製食器の製造方法であって、
    前記上方成形品あるいは前記下方成形品のいずれかを一次成形品として形成する一次成形ステップと、前記一次成形品をインサート部材としたインサート二重成形により二次成形品である前記樹脂製食器を成形する二次成形ステップとを含み、
    前記一次成形ステップではインモールド成形によって前記一次成形品における前記境界面側に前記加飾層を形成し、
    前記一次成形ステップあるいは二次成形ステップのいずれかによって前記上方成形品を形成する際、前記下方成形品の外周縁部の端面を覆う形状のキャビティを有する金型を用いる、
    ことを特徴とする樹脂製食器の製造方法。
  9. 請求項8において、前記一次成形ステップでは、当該一次成形ステップあるいは前記二次成形ステップのいずれかによって成形される前記下方成形品の外周縁端に沿って周回する形状の装飾図案が施された前記加飾層を形成することを特徴とする樹脂製食器の製造方法。
  10. 請求項8または9において、
    前記一次成形ステップあるいは前記二次成形ステップのいずれかによって前記下方成形品を成形する際に、当該下方成形品の外周縁端がテーパー状となるように成形し、
    前記二次成形ステップあるいは前記一次成形ステップのいずれかによって前記上方成形品を成形する際に、当該上方成形品が前記下方成形品の前記テーパー状の部位を下方から支持するアンダーカット形状となるように成形する、
    ことを特徴とする樹脂製食器の製造方法。
  11. 請求項8〜10のいずれかにおいて、前記一次成形ステップでは金属薄膜によって装飾図案が施された加飾フィルムを備えた転写フィルムを用い、前記二次成形ステップでは、前記金属薄膜による加飾層に対向する位置にゲートが開口する金型を用いることを特徴とする樹脂製食器の製造方法。
  12. 請求項8〜10のいずれかにおいて、前記一次成形品の前記境界面側で前記加飾層が形成されていない領域に耐熱樹脂層を設けるステップを含み、前記二次成形ステップでは、前記耐熱樹脂層に対向する位置にゲートが開口する金型を用いることを特徴とする樹脂製食器の製造方法。
  13. 請求項8〜12のいずれかにおいて、前記一次成形ステップではマイクロ波を透過させる不連続構造有する金属の薄膜によって装飾図案が施された加飾フィルムを備えた転写フィルムを用いることを特徴とする樹脂製食器の製造方法。
  14. 請求項8〜13のいずれかにおいて、
    前記一次成形ステップでは、前記二次成形ステップに際して溶融しない耐熱樹脂からなる凹部形成層に当該凹部形成層よりも薄い装飾図案層が積層されてなる加飾フィルムを備えた転写フィルムを用いて前記一次成型品を成形することで、前記装飾図案として当該一次成型品における前記境界面側に前記装飾図案層が内面に配置されつつ内方に前記耐熱樹脂が充填された凹部を形成する、
    ことを特徴とする樹脂製食器の製造方法。
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