JP2016196709A - 吸放湿性能に優れた芯鞘複合断面繊維 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)鞘部がポリアミド、芯部が熱可塑性ポリマーの芯鞘複合断面繊維であって、30min初期吸湿率(A)が3.5%以上、30min初期含水率(B)が1.5%以下、30min初期ΔMR((A)−(B))が2.0%以上、且つ、洗濯20回後の30min初期ΔMR((A)−(B))の保持率が90%以上であることを特徴とする、芯鞘複合断面繊維。
(2)洗濯堅牢度が3級以上であることを特徴とする、前記(1)に記載の芯鞘複合断面繊維。
(3)鞘部のポリアミドのα型結晶配向パラメーターが1.9〜2.7であり、芯部の熱可塑性ポリマーがポリエーテルエステルアミド共重合体であることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載の芯鞘複合断面繊維。
(4)鞘部のポリアミドのアミノ末端基量が3.5×10−5〜8.0×10−5mol/gであることを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の芯鞘複合断面繊維。
(5)1つ以上の凹部を有する異形単糸を少なくとも一部に含み、且つ、異形単糸内にある各凹部の凹度(ローバル度(LB(%))がそれぞれ5〜50%の範囲であり、且つ、ローバル度(LB(%)の総平均値が10〜40%であることを特徴とする、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の芯鞘複合断面繊維。
(6)1つ以上の凹部を有する異形単糸について、3〜8つの凹部と同数の凸部がそれぞれ等角度間隔の放射状に突起していることを特徴とする、前記(5)に記載の芯鞘複合断面繊維。
(7)凹部を有しない単糸を少なくとも一部に含むことを特徴とする、前記(5)または(6)に記載の芯鞘複合断面繊維。
(8)凹部を有しない単糸が円形断面であることを特徴とする、前記(7)に記載の芯鞘複合断面繊維。
(9)1つ以上の凹部を有する異形単糸と凹部を有しない単糸の単糸繊度比率が40:60〜60:40であり、且つ、2つ以上の凹部を有する異形単糸と凹部を有しない単糸の単糸本数比率が40:60〜60:40であることを特徴とする、前記(7)または(8)に記載の芯鞘複合断面繊維。
(10)前記(1)〜(9)のいずれかに記載の芯鞘複合断面繊維を少なくとも一部に有する布帛。
(11)前記(1)〜(9)のいずれかに記載の芯鞘複合断面繊維を少なくとも一部に有する繊維製品。
である。
MR65(%)=[(W65−W0)/W0]×100
MR90(%)=[(W90−W0)/W0]×100
ΔMR(%)=MR90−MR65 。
ペレット0.25gを濃度98wt%の硫酸100mlに対して1gになるように溶解し、オストワルド型粘度計を用いて25℃での流下時間(T1)を測定した。引き続き、濃度98wt%の硫酸のみの流下時間(T2)を測定した。T2に対するT1の比、すなわちT1/T2を硫酸相対粘度とした。
試料1gを、50mLのフェノール/エタノール混合溶液(フェノール/エタノール=80/20)に30℃で振とう溶解させて溶液とした。この溶液を、0.02N−塩酸で中和滴定し、中和滴定に要した0.02N−塩酸量を求めた。また、上記フェノール/エタノール混合溶媒(上記と同量)のみを0.02N−塩酸で中和滴定し、中和滴定に要した0.02N−塩酸の量を求めた。そして、その差から試料1gあたりのアミノ末端基量を求めた。
A.鞘部のポリアミドの複合比
パラフィン、ステアリン酸、エチルセルロースからなる包理剤を溶解し、繊維を導入後室温放置により固化させ、包理剤中の原糸を横断面方向に切断したものを東京電子(株)製のCCDカメラ(CS5270)にて繊維横断面を撮影し、その単糸中で任意に選定した10本(単糸数が10以下の場合は全て)について、三菱電機製のカラービデオプロセッサー(SCT−CP710)にて1500倍でプリントアウトした断面写真を用いた。鞘部及び芯部を断面写真からきれいに切り取った後、それぞれの重量を秤量天秤で量り、以下の式にしたがい計算した。
鞘部のポリアミドの複合比=鞘部の重量/(鞘部の重量+芯部の重量) 。
芯鞘複合断面繊維のアミノ末端基量を上記(2)項に記載の方法で求めた後、上記(3)A項に記載の鞘部のポリアミドの複合比で除して算出した。
鞘部のポリアミドのアミノ末端基量(mol/g)
=芯鞘複合断面繊維のアミノ末端基量(mol/g)/鞘部のポリアミノの複合比 。
1.125m/周の検尺器に繊維試料をセットし、200回転させて、ループ状かせを作成し、熱風乾燥機にて乾燥後(105±2℃×60分)、秤量天秤にてかせ重量を量り、公定水分率を乗じた値から正量繊度を算出した。尚、芯鞘複合断面繊維の公定水分率は、一律4.5%とした。
繊維試料を、オリエンテック(株)製“TENSILON”(登録商標)、UCT−100でJIS L1013(化学繊維フィラメント糸試験方法、2010年)に示される定速伸長条件で測定した。伸度は、引張強さ−伸び曲線における最大強力を示した点の伸びから求めた。また、強度は、最大強力を正量繊度で除した値を強度とした。測定は10回行い、平均値を強度及び伸度とした。
繊維試料を、レーザーラマン分光法にて測定し、1120cm−1付近に認められるナイロンのα晶に由来するラマンバンドの平行偏光での強度比(I1120)平行)と、垂直偏光での強度比(I1120)垂直)の比をとることで、配向度評価のパラメーターとした。また、配向に対する異方性が小さいCH変角バンド(1440cm−1付近)のラマンバンド強度を基準とし、各偏光条件(平行/垂直)の散乱強度を規格化した。
α型結晶配向パラメーター=(I1120/I1440)平行/(I1120/I1440)垂直
なお、配向測定用の繊維試料は、樹脂包埋後(ビスフェノール系エポキシ樹脂、24時間硬化)、ミクロトームにより切片化した。切片厚みは2.0μmとした。切片試料は切断面が楕円形になるように繊維軸から僅かに傾けて切断し、楕円形の短軸の厚みが一定厚になる箇所を選択して測定した。測定は顕微モードで行い、試料位置におけるレーザーのスポット径は1μmである。 芯、鞘層中心部の配向性解析を行い、配向の測定は偏光条件下で行った。偏光方向が繊維軸と一致する場合を平行条件、直行する場合を垂直条件として、それぞれ得られるラマンバンド強度の比から配向の程度を評価した。なお、各測定点について3回測定を行い、その平均値を用いた。詳細条件を以下に示す。
レーザーラマン分光法
装置:T−64000(Jobin Yvon/愛宕物産)
条件:測定モード;顕微ラマン
対物レンズ:×100
ビーム径:1μm
光源:Ar+レーザー/514.5nm
レーザーパワー:50mW
回折格子:Single 600gr/mm
スリット:100μm
検出器:CCD/Jobin Yvon 1024×256 。
パラフィン、ステアリン酸、エチルセルロースからなる包理剤を溶解し、繊維を導入後室温放置により固化させ、包理剤中の原糸を横断面方向に切断したものを東京電子(株)製のCCDカメラ(CS5270)にて繊維横断面を撮影し、その単糸中で任意に選定した10本(単糸数が10以下の場合は全て)の1つ以上の凹部を有する異形単糸について、三菱電機製のカラービデオプロセッサー(SCT−CP710)にて1000倍でプリントアウトした断面写真を用いて測定した。ローバル度(LB(%))や、その総平均値の算出は前記に記載の通り行った。
パラフィン、ステアリン酸、エチルセルロースからなる包理剤を溶解し、繊維を導入後室温放置により固化させ、包理剤中の原糸を横断面方向に切断したものを東京電子(株)製のCCDカメラ(CS5270)にて繊維横断面を撮影し、三菱電機製のカラービデオプロセッサー(SCT−CP710)にて1000倍でプリントアウトした断面写真を用いた。1つ以上の凹部を有する異形単糸全ての横断面写真、凹部を有しない単糸全ての横断面写真をきれいに切り取った後、それぞれの重量を秤量天秤で量り、その重量比率を単糸繊度の比率とした。
A.筒編地の作製
筒編機にて度目が50となるように調整して作製した。繊維の正量繊度が低い場合は、筒編機に給糸する繊維の総繊度が50〜100dtexとなるように適宜合糸し、総繊度が100dtexを超える場合は、筒編機への給糸を1本で行い、前記同様度目が50となるように調整して作製した。
上記A項で得られた筒編地をノニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ノイゲンSS)2g/l水溶液を編地1gに対し100ml用意し、60℃にて30分洗浄した後、流水にて20分水洗し、脱水機にて脱水、風乾した。
上記B項で得られた筒編地を、以下の染料及び染色助剤を用いて染色した。
酸性染料:Erionyl Blue A−R 2.0重量%
染色助剤:酢酸1.5重量%
酸性染料、染色助剤を含む染色浴に常圧98℃で45分間染色した後、流水にて20分水洗し、脱水機にて脱水、風乾した。
筒編地(上記(9)A項)を、秤量瓶に1〜2g程度はかり取り、20℃、相対湿度65%で24時間調湿した後の重量(W0)を測定し、次に筒編地を32℃、相対湿度90%に30分間保持した後の重量(W90)を測定した。そして、これを32℃、相対湿度40%に30分間保持した後の重量(W40)を測定した。そして、以下の式にしたがい計算した。
30min初期吸湿率(A)(%)=[(W90−W0)/W0]×100
30min初期含水率(B)(%)=[(W40−W0)/W0]×100
30min初期ΔMR(%)=(A)−(B) 。
筒編地(上記(9)A項)を、JIS L0217(2010)付表1記載の番号103記載の方法にて、繰り返し20回洗濯を実施した後、上記記載の30min初期ΔMRを測定し算出した。20回洗濯前後の30min初期ΔMRを指標として下記式にて算出した。
(20回洗濯後の30min初期ΔMR/洗濯前の30min初期ΔMR)×100 。
32Gのシングル丸編機を用いて、密度としてはコース数40本/2.54cm、ウェール数60本/2.54cmの丸(天竺)編地を得た。得られた丸編地を裁断、縫製して丸首Tシャツを製造後、JIS L0217(2010)付表1記載の番号103記載の方法にて、繰り返し20回洗濯を実施した。
◎:ムレやべたつき感を全く感じず、非常に快適である。
○:ムレやべたつき感をあまり感じない。
△:若干のムレやべたつき感を感じるが、不快感まではない。
×:非常にムレやべたつき感を感じ、肌に丸首シャツがまとわりつき不快である。
染色筒編地(上記(9)C項)について、任意に選抜した検査者によって、以下の4段階で相対評価した。
◎:均一に全体が染色されており、且つ、濃色に染色されている。
○:均一に全体が染色されているが、中色(淡〜濃色)に染色されている。
△:染色ムラが若干認められる。もしくは、均一に全体が染色されているが、淡色に染色されている。
×:著しい染色ムラが認められる。
染色筒編地(上記(9)C項)を、JIS L0844(2009)7.1項A法に従い、表7中のA−2条件にて測定した。判定はJIS L0801(2009)10項(a)の視感法に従って、変退色及び色落ちについて級判定を実施した。変退色及び色落ち判定の両者が3級以上の場合は洗濯堅牢度合格、それ以外を不合格とした。
チップ水分率が0.03重量%以下になるまで乾燥したポリエーテルエステルアミド共重合体(アルケマ社製、MH1657)を芯部とし、チップ水分率が0.03重量%以下になるまで乾燥した、硫酸相対粘度が2.73、アミノ末端基量が6.0×10−5mol/gであるポリカプロアミドを鞘部とし、ポリエーテルエステルアミド共重合体(アルケマ社製、MH1657(ΔMR:18.9))を240℃、ポリカプロアミドを260℃でそれぞれ溶融し、同心円状の芯鞘複合形成が可能で、且つ、丸断面と六葉形状の2種類の吐出孔を設けた口金を用いて、芯鞘複合比率、ローバル度(LB(%))、丸断面/六葉の単糸繊度比率、丸断面/六葉の単糸本数比率が表1の値となるように吐出させ、丸断面と図1に示すような実質60°の等角度間隔の放射線状に突起している6葉断面の芯鞘複合繊維を得た。
硫酸相対粘度が2.40、アミノ末端基量が6.0×10−5mol/gであるポリカプロアミドを鞘部とし、ポリカプロアミドを250℃で溶融する以外は、実施例1と同様に溶融紡糸し、56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合断面繊維を得た。なお、ポリカプロアミドのアミノ末端基量については、重合段階で酢酸を添加して調整した。
硫酸相対粘度が3.30、アミノ末端基量が6.0×10−5mol/gであるポリカプロアミドを鞘部とし、ポリカプロアミドを280℃で溶融する以外は、実施例1と同様に溶融紡糸し、56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合断面繊維を得た。なお、ポリカプロアミドのアミノ末端基量については、重合段階でヘキサメチレンジアミンを添加して調整した。また、この実施例については、溶融紡糸中に糸切れが発生して、得られた繊維パッケージの外観観察において毛羽が確認された。
硫酸相対粘度が2.73、アミノ末端基量が4.0×10−5mol/gであるポリカプロアミドを鞘部とする以外は、実施例1と同様に溶融紡糸し、56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合断面繊維を得た。なお、ポリカプロアミドのアミノ末端基量については、重合段階で酢酸を添加して調整した。
硫酸相対粘度が2.73、アミノ末端基量が7.5×10−5mol/gであるポリカプロアミドを鞘部とする以外は、実施例1と同様に溶融紡糸し、56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合断面繊維を得た。なお、ポリカプロアミドのアミノ末端基量については、重合段階でヘキサメチレンジアミンを添加して調整した。
第1ロールである引取ローラーの周速度を2381m/min、第2ロールである延伸ローラーの周速度を3571m/minで延伸、延伸ローラー150℃により熱セットを行い、巻取速度を3400m/minで巻き取る以外は、実施例1と同様に溶融紡糸し、56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合断面繊維を得た。
第1ロールである引取ローラーの周速度を3728m/min、第2ロールである延伸ローラーの周速度を4474m/minで延伸、延伸ローラー150℃により熱セットを行い、巻取速度を4400m/minで巻き取る以外は、実施例1と同様に溶融紡糸し、56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合断面繊維を得た。なお、この実施例については、溶融紡糸中に糸切れが発生して、得られた繊維パッケージの外観観察において毛羽が確認された。
丸断面と八葉形状の2種類の吐出孔を設けた口金を用いる以外は、実施例1と同様に溶融紡糸し、56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合断面繊維を得た。
全ての単糸を六葉形状とする以外は、実施例1と同様に溶融紡糸し、56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合断面繊維を得た。
全ての単糸を三葉形状とする以外は、実施例1と同様に溶融紡糸し、56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合断面繊維を得た。
チップ水分率が0.03重量%以下になるまで乾燥したポリエーテルエステルアミド共重合体(アルケマ社製、MH1657)を芯部とし、チップ水分率が0.03重量%以下になるまで乾燥した、硫酸相対粘度が2.73、アミノ末端基量が6.0×10−5mol/gであるポリカプロアミドを鞘部とし、ポリエーテルエステルアミド共重合体(アルケマ社製、MH1657)を240℃、ポリカプロアミドを260℃でそれぞれ溶融し、同心円状の芯鞘複合形成が可能で、且つ、丸断面形状の吐出孔を設けた口金を用いて、芯鞘複合比率が表2の値となるように吐出させた。なお、芯鞘複合比率については、芯鞘の溶融ポリマーそれぞれを計量するギヤポンプの回転数によって調整した。
硫酸相対粘度が2.40、アミノ末端基量が6.0×10−5mol/gであるポリカプロアミドを鞘部とし、ポリカプロアミドを250℃で溶融する以外は、実施例19と同様に溶融紡糸し、56デシテックス24フィラメントの丸断面形状の芯鞘複合断面繊維を得た。なお、ポリカプロアミドのアミノ末端基量については、重合段階で酢酸を添加して調整した。
硫酸相対粘度が3.30、アミノ末端基量が6.0×10−5mol/gであるポリカプロアミドを鞘部とし、ポリカプロアミドを280℃で溶融する以外は、実施例19と同様に溶融紡糸し、56デシテックス24フィラメントの丸断面形状の芯鞘複合断面繊維を得た。なお、ポリカプロアミドのアミノ末端基量については、重合段階でヘキサメチレンジアミンを添加して調整した。また、この実施例については、溶融紡糸中に糸切れが発生して、得られた繊維パッケージの外観観察において毛羽が確認された。
硫酸相対粘度が2.73、アミノ末端基量が4.0×10−5mol/gであるポリカプロアミドを鞘部とする以外は、実施例19と同様に溶融紡糸し、56デシテックス24フィラメントの丸断面形状の芯鞘複合断面繊維を得た。なお、ポリカプロアミドのアミノ末端基量については、重合段階で酢酸を添加して調整した。
硫酸相対粘度が3.30、アミノ末端基量が7.5×10−5mol/gであるポリカプロアミドを鞘部とする以外は、実施例19と同様に溶融紡糸し、56デシテックス24フィラメントの丸断面形状の芯鞘複合断面繊維を得た。なお、ポリカプロアミドのアミノ末端基量については、重合段階でヘキサメチレンジアミンを添加して調整した。
第1ロールである引取ローラーの周速度を2381m/min、第2ロールである延伸ローラーの周速度を3571m/minで延伸、延伸ローラー150℃により熱セットを行い、巻取速度を3400m/minで巻き取る以外は、実施例19と同様に溶融紡糸し、56デシテックス24フィラメントの丸断面形状の芯鞘複合断面繊維を得た。
第1ロールである引取ローラーの周速度を4474m/min、第2ロールである延伸ローラーの周速度を4474m/minで延伸、延伸ローラー150℃により熱セットを行い、巻取速度を4400m/minで巻き取る以外は、実施例19と同様に溶融紡糸し、56デシテックス24フィラメントの丸断面形状の芯鞘複合断面繊維を得た。なお、この実施例については、溶融紡糸中に糸切れが発生して、得られた繊維パッケージの外観観察において毛羽が確認された。
チップ水分率が0.03重量%以下になるまで乾燥した、硫酸相対粘度が2.73、アミノ末端基量が6.0×10−5mol/gであるポリカプロアミドを260℃で溶融し、丸断面と六葉の2種類の吐出孔を設けた口金を用いて、ローバル度(LB(%))、丸断面/六葉の単糸繊度比率、丸断面/六葉の単糸本数比率が表3の値となるように吐出させた。
チップ水分率が0.03重量%以下になるまで乾燥した、硫酸相対粘度が2.73、アミノ末端基量が6.0×10−5mol/gであるポリカプロアミドに、ポリビニルピロリドン(BASF社製、PVP−K30spグレード)を5.0重量%の配合率となるようにドライブレンドする以外は、比較例1と同様に溶融紡糸し、56デシテックス24フィラメントの繊維を得た。
全単糸について芯部を一部露出させる以外は、実施例1と同様に溶融紡糸し、56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合断面繊維を得た。なお、芯部の露出については、芯部を極端に偏心させた芯鞘複合形成が可能な口金を用いており、全単糸の芯部の露出状態は横断面周長の割合で7.0〜10.8%の範囲であった。
硫酸相対粘度が2.15であるポリカプロアミドを鞘部とし、ポリカプロアミドを240℃で溶融する以外は、実施例1と同様に溶融紡糸し、56デシテックス24フィラメントの芯鞘複合断面繊維を得た。なお、ポリカプロアミドのアミノ末端基量については、重合段階で酢酸を添加して6.0×10−5mol/gに調整した。
硫酸相対粘度が3.50であるポリカプロアミドを鞘部とし、ポリカプロアミドを290℃で溶融する以外は、実施例1と同様に溶融紡糸し、芯鞘複合断面繊維の採取を試みたが、口金吐出直後から糸条が五月雨状となり繊維の採取は不可能であった。なお、ポリカプロアミドのアミノ末端基量については、重合段階でヘキサメチレンジアミンを添加して6.0×10−5mol/gに調整した。
図2に示す、六葉吐出孔のスリット長(b)を長くして、紡糸ドラフトが1250となるような口金を用いる以外は、実施例1と同様に溶融紡糸し、芯鞘複合断面繊維の採取を試みたが、口金吐出直後から六葉吐出孔部は糸条が五月雨状となり繊維の採取は不可能であった。
Claims (11)
- 鞘部がポリアミド、芯部が熱可塑性ポリマーの芯鞘複合断面繊維であって、30min初期吸湿率(A)が3.5%以上、30min初期含水率(B)が1.5%以下、30min初期ΔMR((A)−(B))が2.0%以上、且つ、洗濯20回後の30min初期ΔMR((A)−(B))の保持率が90%以上であることを特徴とする、芯鞘複合断面繊維。
- 洗濯堅牢度が3級以上であることを特徴とする、請求項1に記載の芯鞘複合断面繊維。
- 鞘部のポリアミドのα型結晶配向パラメーターが1.9〜2.7であり、芯部の熱可塑性ポリマーがポリエーテルエステルアミド共重合体であることを特徴とする、請求項1または2に記載の芯鞘複合断面繊維。
- 鞘部のポリアミドのアミノ末端基量が3.5×10−5〜8.0×10−5mol/gであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の芯鞘複合断面繊維。
- 1つ以上の凹部を有する異形単糸を少なくとも一部に含み、且つ、異形単糸内にある各凹部の凹度(ローバル度(LB(%)))がそれぞれ5〜50%の範囲であり、且つ、ローバル度(LB(%))の総平均値が10〜40%であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の芯鞘複合断面繊維。
- 2つ以上の凹部を有する異形単糸について、3〜8つの凹部と同数の凸部がそれぞれ等角度間隔の放射状に突起していることを特徴とする、請求項5に記載の芯鞘複合断面繊維。
- 凹部を有しない単糸を少なくとも一部に含むことを特徴とする、請求項5または6に記載の芯鞘複合断面繊維。
- 凹部を有しない単糸が円形断面であることを特徴とする、請求項7記載の芯鞘複合断面繊維。
- 2つ以上の凹部を有する異形単糸と凹部を有しない単糸の単糸繊度比率が40:60〜60:40であり、且つ、2つ以上の凹部を有する異形単糸と凹部を有しない単糸の単糸本数比率が40:60〜60:40であることを特徴とする、請求項7または8に記載の芯鞘複合断面繊維。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の芯鞘複合断面繊維を少なくとも一部に有する布帛。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の芯鞘複合断面繊維を少なくとも一部に有する繊維製品。
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