JP2016196048A - 抜取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハウジング103からローター102を容易に抜き取れるローター抜取装置1を提供することを目的とする。【解決手段】略筒状のハウジング103の内部に配置したローター102を、ハウジング103の上下方向に沿った上方へ抜き取るローター抜取装置1であって、ローター102を把持可能な位置である把持位置において、ローター102を把持する開閉自在な一対の把持部材42を有する把持機構部40と、一端に作業者の持ち手となるハンドル31aを有し、他端に把持機構部40が連結されるとともに、ハンドル31aに入力された入力荷重を増力して、上方への引張り荷重に変換する増力機構部30とで構成したことを特徴とする。【選択図】図1

Description

この発明は、例えば、略筒状のハウジングの内部に配置された抜取対象物を、把持するとともに、ハウジングの軸方向に沿って抜き取るような抜取装置に関する。
昨今、エアコンなどの家電製品だけでなく、鉄道車両、ハイブリッド自動車、あるいは電気自動車など、様々な製品において電気モーターが使用されている。
例えば、車両用の電気モーターとしては、特許文献1のように、略円環状のステーター(固定子)と、ステーターの内部に配置するとともに、強力な磁力を発する永久磁石を有するローター(回転子)とを、ハウジングに収容したものが知られている。
このような電気モーターのローターは、軸受けによって回転自在に支持されているが、経年劣化によって摩耗や損傷が軸受けに生じるため、適宜のタイミングで軸受けを交換する必要があった。
そこで、ローターの軸受けを容易に交換できる様々技術が提案されている。
例えば、特許文献1では、軸受けを有する軸受組立体を支持するベアリングブラケットに対して、カゴ型形状の第1交換治具を装着する。その後、第1交換治具のシャフト支持孔に継ぎシャフトを挿通するとともに、継ぎシャフトの先端を回転子(ローター)の軸部に固定して、回転子を支持する。
そして、継ぎシャフトで支持した回転子の軸部から、軸方向に軸受組立体をスライド移動させたのち、1対の略半円環状の部材で構成した第2交換治具を、ベアリングブラケットに装着して、回転子の軸部を支持する。この状態において、第1交換治具、及び継ぎシャフトを取外すことで、回転子を抜き取ることなく、軸受組立体を取り出すことができるとされている。
ところで、近年、増加しているハイブリッド自動車の電気モーターには、永久磁石として、例えば、ネオジム磁石がなどの希土類磁石が使用されている。この希土類磁石は、希土類元素、所謂、レアアースを含有しているため、昨今では、ローターから永久磁石を回収してリサイクルすることが推進されている。
しかしながら、ステーターからローターを抜取対象物として抜き取る際、重量物でもあるローターが、永久磁石の強力な磁力によってステーターなどに吸着するなどして、容易に抜き取ることができないという問題があった。
特開2013−223390号公報
本発明は、上述の問題に鑑み、ハウジングから抜取対象物を容易に抜き取れる抜取装置を提供することを目的とする。
この発明は、略筒状のハウジングの内部に配置した抜取対象物を、該ハウジングの軸方向に沿った引抜方向へ抜き取る抜取装置であって、前記抜取対象物を把持可能な位置である把持位置において、前記抜取対象物を把持する開閉自在な一組の把持部材を有する把持機構部と、一端に作業者の持ち手となるハンドルを有し、他端に前記把持機構部が連結されるとともに、前記ハンドルに入力された入力荷重を増力して、前記引抜方向への引張り荷重に変換する増力機構部とで構成したことを特徴とする。
上記抜取対象物は、磁力によって周辺部品に吸着する磁性体、例えば、電気モーターにおけるローターなどとすることができる。あるいは、抜き取りが容易ではない重量物、例えば、歯車や軸受けを装着した回転軸などとすることができる。
上記把持機構部は、増力機構部に連動して抜取対象物を把持する機構部、あるいは作業者によって抜取対象物を把持する機構部などとすることができる。
上記増力機構部は、例えば、梃子、リンク、歯車、及びこれらの組合せによって増力するとともに、入力荷重を引抜方向への荷重に変換する機構部などとすることができる。
この発明により、ハウジングから抜取対象物を容易に抜き取ることができる。
具体的には、ハンドルに入力された入力荷重を増幅して、引抜方向への引張り荷重に変換するため、増力機構部は、小さい入力荷重で、連結された把持機構部を引抜方向へ移動させることができる。
これにより、抜取装置は、作業者への負担を抑えて、抜取対象物を引抜方向へ移動させることができる。このため、例えば、強力な磁力を発する抜取対象物であっても、抜取装置は、周辺の金属部材などに吸着することを抑制して、抜取対象物を容易に抜き取ることができる。
さらに、ハンドルを操作する作業者が入力した入力荷重によって抜取対象物の抜き取りを行うことができるため、抜取装置は、把持機構部を移動させる駆動装置や電源装置を不要にでき、装置の小型化、及び軽量化を図ることができる。このため、抜取装置は、任意の作業場所への運搬を容易にするとともに、任意の作業場所での抜取対象物の抜き取りを実施可能にすることができる。
従って、抜取装置は、ハンドルに入力された入力荷重を増力して、引抜方向への引張り荷重に変換する増力機構部によって、ハウジングから抜取対象物を容易に抜き取ることができる。
この発明の態様として、前記把持機構部を、前記引張り荷重によって、前記一組の把持部材が前記抜取対象物を把持する構成として、前記ハウジングの開口端に対して、一方の面が当接する底部構造体を備え、該底部構造体に、前記軸方向への前記把持機構部、及び前記抜取対象物の挿通を許容する対象物挿通孔と、前記一組の把持部材が挿通可能な間隔を隔てて、他方の面に装着した開閉自在な一組の開閉蓋とを備えることができる。
この発明により、抜取装置は、抜取対象物の抜き取りをより安全に、かつより容易にすることができる。
具体的には、ハウジングに底部構造体を当接できるため、抜取装置は、例えば、正面視略門型形状の支持架台の内部空間にハウジングを配置する場合に比べて、軸方向に直交する直交方向における大きさを抑えることができる。
これにより、小型化及び軽量化をより図ることができるため、抜取装置は、任意の作業場所への運搬をより容易にすることができる。
さらに、一組の把持部材が挿通可能に開閉蓋を配置しているため、抜取装置は、ハウジングに対して底部構造体を当接する際、抜取対象物と把持機構部との位置合わせを容易にすることができる。
加えて、例えば、上下方向における上方を引抜方向とした場合、抜取対象物が対象物挿通孔を通過する際に開き、抜取対象物が離間すると閉じるため、開閉蓋は、抜き取った抜取対象物を載置する載置台として機能することができる。
さらにまた、万一、把持機構部から抜取対象物が脱落した際、開閉蓋は、落下した抜取対象物からハウジングなどを保護する保護部材として機能することができる。
従って、抜取装置は、開閉自在な開閉蓋を有する底部構造体を備えたことにより、抜取対象物の抜き取りをより安全に、かつより容易にすることができる。
またこの発明の態様として、前記底部構造体に、前記引抜方向とは逆方向へ前記一組の開閉蓋を付勢する付勢手段を備えることができる。
この発明により、抜取装置は、抜取対象物によって開いた開閉蓋を確実に閉じることができる。
さらに、抜取装置は、作業者が開閉蓋を閉じる手間を省くことができるため、抜取対象物をより効率よく抜き取ることができる。加えて、例えば、上下方向における上方を引抜方向とした場合、抜取装置は、抜取対象物を載置する載置台として開閉蓋を確実に機能させることができる。
またこの発明の態様として、前記一組の開閉蓋を、透過性材料で形成することができる。
上記透過性材料は、例えば、透過性を有する合成樹脂、あるいは透過性を有するガラス材料などとすることができる。
この発明により、抜取装置は、作業効率の向上を図って、抜取対象物の抜き取りを容易にすることができる。
具体的には、透過性材料で一組の開閉蓋を形成したことにより、抜取装置は、一組の開閉蓋を介したハウジング内部の視認を容易にすることができる。このため、抜取装置は、抜取対象物と底部構造体との位置合わせ、及び抜取対象物の把持状態の視認をより容易にすることができる。
さらに、例えば、透過性を有する合成樹脂で開閉蓋を形成した場合、抜取装置は、強力な磁力を発する抜取対象物であっても、一組の開閉蓋に抜取対象物が吸着することを防止でき、抜取対象物の回収をより容易にすることができる。
従って、抜取装置は、透過性材料で一組の開閉蓋を形成したことにより、作業効率の向上を図って、抜取対象物の抜き取りを容易にすることができる。
またこの発明の態様として、前記把持機構部を、前記軸方向に対して略直交する直交方向に所定間隔を隔てて配置した前記一組の把持部材と、前記直交方向における前記一組の把持部材の間において、前記軸方向に延びるとともに、前記増力機構部に一端が連結される主軸部材と、前記一組の把持部材における一端を回転自在に軸支するとともに、前記主軸部材を前記軸方向にスライド可能に支持する支持部材と、前記主軸部材の他端、及び前記把持部材に対して回転自在に連結した一組の開閉リンク部材とで構成し、前記主軸部材と前記一組の開閉リンク部材との連結箇所を、主軸側連結部として、前記一組の把持部材における他端同士が近接した全閉状態において、前記把持部材と前記開閉リンク部材とを、前記主軸側連結部に対して、前記引抜方向とは逆方向側の位置で連結する構成とすることができる。
この発明により、抜取装置は、一組の把持部材の開閉を容易にするとともに、抜取対象物を確実に把持することができる。
具体的には、例えば、作業者の操作を受付けた増力機構部によって、引抜方向とは逆方向へ移動した把持機構部が抜取対象物に当接すると、一組の把持部材、及び支持部材は、引抜方向とは逆方向への移動が規制される。
この際、支持部材に対してスライド可能に支持されているため、主軸部材は、増力機構部によって引抜方向とは逆方向へ引き続き移動することができる。このため、引抜方向とは逆方向への荷重が主軸側連結部に加わることで、一組の開閉リンク部材は、把持部材と開閉リンク部材との連結箇所を回転中心として、引抜方向とは逆方向へ回動することができる。これにより、把持機構部は、主軸部材に対して離間するように一組の把持部材を開くことができる。
一方、作業者の操作を受付けた増力機構部が引抜方向へ把持機構部を移動させる場合、引抜方向への荷重が主軸側連結部に加わることで、一組の開閉リンク部材は、把持部材と開閉リンク部材との連結箇所を回転中心として、引抜方向へ回動することができる。
このため、把持機構部は、主軸部材に近接するように一組の把持部材を閉じることができる。この際、増力機構部による引抜方向への荷重によって、把持機構部は、一組の把持部材の閉じた状態を維持することができる。
さらに、上下方向における上方を引抜方向とした場合、引抜方向への引張り荷重と、抜取対象物の自重とによって、把持機構部は、一組の把持部材の閉じた状態をより確実に維持することができる。
これにより、抜取装置は、抜取対象物の把持と、把持状態の解放とを、作業者がハンドルから手を放すことなく行うことができるとともに、作業者による抜取対象物の把持固定作業を不要にすることができる。
加えて、例えば、プレス機を用いて軸方向に沿った荷重を抜取対象物に加えて抜き取った場合、あるいは建設機械(所謂、重機)で抜取対象物を把持して抜き取った場合に比べて、抜取装置は、引抜方向への引張り荷重によって抜取対象物を把持できるため、抜取対象物に過剰な荷重が加わることを防止できる。
このため、抜取装置は、抜取対象物の変形を防止でき、例えば、抜取対象物に内蔵された回収物を回収する際、抜取対象物の変形によって回収物の回収が阻害されることを防止できる。
従って、抜取装置は、増力機構部と把持機構部との協働によって、一組の把持部材の開閉を容易にするとともに、抜取対象物を確実に把持することができる。
またこの発明の態様として、前記把持部材に、前記抜取対象物に掛止される掛止爪を備えることができる。
この発明により、抜取装置は、抜取対象物をより確実に把持することができる。
これにより、抜取装置は、引抜方向へ移動する抜取対象物が一組の把持部材から脱落することを防止でき、抜取対象物の抜き取る際の安全性を向上することができる。
またこの発明の態様として、前記把持機構部に、前記全閉状態に対して、前記一組の把持部材における他端が所定の間隔だけ離間した状態において、前記一組の開閉リンク部材の回動を規制する回動規制手段を備えることができる。
上記所定の間隔だけ離間した状態とは、抜取対象物の大きさよりも大きな間隔を隔てて離間した状態、あるいは抜取対象物の大きさと略同等の間隔を隔てて離間した状態などとすることができる。
この発明により、抜取装置は、増力機構部に連動して、例えば一組の把持部材の全開状態を容易に維持することができるとともに、抜き取った抜取対象物の回収をより容易にすることができる。
具体的には、回動規制手段によって一組の開閉リンク部材の回動が規制されるため、把持機構部は、一組の把持部材の開閉を規制することができる。これにより、把持機構部は、例えば、一組の把持部材が最も大きく離間した全開状態を容易に維持することができる。
このため、例えば、ハウジングから抜き取り後、所定の載置台に載置した抜取対象物を回収する際、抜取装置は、把持を解放した一組の把持部材が抜取対象物に接触することで、抜取対象物の回収が阻害されることを防止できる。
さらに、抜取装置は、抜取対象物の回収を阻害しない位置まで把持機構部を移動させることを不要にできる。すなわち、抜取装置は、軸方向における大きさを抑えることができ、より小型化を図ることができる。
従って、抜取装置は、開閉リンク部材の回動を規制する回動規制手段により、増力機構部に連動して、例えば一組の把持部材の全開状態を容易に維持することができるとともに、抜き取った抜取対象物の回収をより容易にすることができる。
またこの発明の態様として、前記支持部材に、前記引抜方向で、所定部位に当接する当接部材を備えることができる。
上記所定部位は、例えば、増力機構部や、増力機構部を支持する支持架台などとすることができる。
この発明により、抜取装置は、作業者がハンドルから手を放すことなく、全開状態の一組の把持部材を容易に閉じることができ、例えば、抜取対象物の連続した抜き取りを容易にすることできる。
具体的には、例えば、開閉リンク部材と主軸部材との摩擦抵抗などによって、大きく離間した状態の一組の把持部材が閉じないおそれがある。この場合、作業者によって一組の把持部材を閉じる必要があるため、抜取対象物の抜き取りを効率よく行うことができない。
そこで、支持部材に当接部材を備えたことにより、抜取装置は、引抜方向へ移動する支持部材を所定部位に当接させて、全開状態の一組の把持部材を容易に閉じることができる。
より詳しくは、所定部位に当接部材が当接すると、引抜方向への支持部材の移動が規制されるため、主軸部材は、支持部材に対して引抜方向へ相対移動を開始することができる。
このため、一組の開閉リンク部材は、把持部材と開閉リンク部材との連結箇所を回転中心として、引抜方向へ回動することができる。これにより、把持機構部は、主軸部材に近接するように一組の把持部材を閉じることができる。
さらに、例えば、一組の把持部材における他端が所定の間隔だけ離間した状態において、一組の開閉リンク部材の回動を規制する回動規制手段を備えた場合であっても、把持機構部は、増力機構部との協働によって、全開状態を容易に解放することができる。
従って、抜取装置は、当接部材を備えたことにより、作業者がハンドルから手を放すことなく、全開状態の一組の把持部材を容易に閉じることができ、例えば、抜取対象物の連続した抜き取りを容易にすることできる。
またこの発明の態様として、前記一組の把持部材に、前記抜取対象物に対して当接可能に配置するとともに、前記一組の把持部材の開閉を案内する案内手段を備えることができる。
上記案内手段は、把持部材に対して回転自在に支持されたガイドローラー、把持部材に装着された低摩擦部材などとすることができる。
この発明により、抜取装置は、抜取対象物と当接した状態における一組の把持部材の開閉をスムーズに行うことができる。このため、抜取装置は、抜取対象物の抜き取りをより効率よく行うことができる。
またこの発明の態様として、前記増力機構部を、一端に前記ハンドルを有するとともに、他端側において略X字状に交差連結した一対の入力リンク部材と、該一対の入力リンク部材の他端、及び前記把持機構部を連結する複数の連結リンク部材とで構成するとともに、前記入力リンク部材の他端から前記連結リンク部材を交差連結して、前記軸方向に沿って伸縮可能なパンタグラフ状に構成することができる。
この発明により、抜取装置は、より小型化を図ることができるとともに、抜取対象物の移動軌跡をより安定させて抜き取ることができる。
具体的には、パンタグラフ状に構成したことにより、増力機構部は、ハンドルへの入力荷重を梃子によって増力するとともに、引抜方向への引張り荷重に容易に変換することができる。
さらに、一対のハンドルを備えているため、増力機構部は、1つのハンドルを有する梃子で構成した増力機構部に対して、支点から力点までの直線距離を短くすることができる。このため、抜取装置は、直交方向における増力機構部の大きさを抑えることができ、より小型化を図ることができる。
加えて、複数の連結リンク部材で構成したパンタグラフ構造のため、増力機構部は、軸方向に対して直交する直交方向へのブレを抑制しながら、把持機構部を引抜方向へ移動させることができる。
これにより、例えば、強力な磁力を発する抜取対象物であっても、抜取装置は、周辺の金属部品に抜取対象物が吸着する吸着力に抗しながら、より安定した移動軌跡で抜取対象物を引抜方向へ移動させることができる。
従って、抜取装置は、増力機構部をパンタグラフ状に構成したことにより、より小型化を図ることができるとともに、抜取対象物の移動軌跡をより安定させて抜き取ることができる。
またこの発明の態様として、前記増力機構部を、前記引抜方向とは逆方向側の頂部に前記把持機構部が連結され、前記引抜方向側の頂部が軸支される正面視略菱形状の第1パンタグラフ構造体と、前記一対の入力リンク部材を有するとともに、前記第1パンタグラフ構造体の前記引抜方向側の頂部から連続する正面視略菱形状の第2パンタグラフ構造体とで構成し、該第2パンタグラフ構造体を、前記把持機構部が前記把持位置に位置する状態において、前記軸方向に長い正面視略菱形状になるよう構成することができる。
この発明により、抜取装置は、ハンドルに対する入力荷重を効率よく増力するとともに、抜取対象物をより容易に、かつ安全に抜き取ることができる。
具体的には、第1パンタグラフ構造体における引抜方向側の頂部が増力機構部の軸支箇所となるため、抜取対象物を引抜方向に沿って抜き取る際、第2パンタグラフ構造体は、軸支箇所を起点にして引抜方向とは逆方向に縮退することができる。
この際、一対のハンドルは、増力機構部の軸支箇所からハンドルまでの直線距離を回転半径とし、軸支箇所を回転中心として、回転するように引抜方向とは逆方向に移動することができる。
さらに、第2パンタグラフ構造体が軸方向に長い正面視略菱形状の状態、すなわち、第2パンタグラフ構造体が伸長した状態における軸支箇所からハンドルまでの直線距離が、第2パンタグラフ構造体が縮退した状態における軸支箇所からハンドルまでの直線距離よりも長くなる。
つまり、増力機構部は、軸支箇所を回転中心としてハンドルが回動する梃子であって、第2パンタグラフ構造体の縮退に伴って、ハンドルの回転半径が連続的に短くなるように変化することができる。
これにより、増力機構部は、把持機構部が把持位置に位置する状態において、ハンドルに入力された入力荷重を最も大きな引張り荷重に増力することができる。
このため、第2パンタグラフ構造体が伸長して、一対のハンドルが近接したことで、ハンドルに対する入力荷重を作業者が加え難い場合であっても、増力機構部は、入力荷重を効率よく増力して、抜取対象物の移動を容易に開始することができる。
さらに、例えば、金属部材が内部に配置されたハウジングから、強力な磁気を発する抜取対象物を抜き取る際、増力機構部は、金属部品に抜取対象物が吸着する吸着力に抗して、抜取対象物の移動を容易に開始することができる。
加えて、第2パンタグラフ構造体の縮退に伴って、ハンドルの回転半径が連続的に短くなるため、ハンドルに対する入力荷重が一定の場合、増力機構部は、把持機構部が把持位置から引抜方向へ移動するのに伴い、引張り荷重を連続的に小さくすることができる。
このため、例えば、上述した強力な磁気を発する抜取対象物のように、把持位置から引抜方向への移動に伴い、増力機構部に加わる負荷が小さくなる抜取対象物であっても、抜取装置は、作業者による入力荷重の調整を不要にすることができる。
これにより、抜取装置は、引抜方向への移動速度の急激な変化を抑制するとともに、移動速度の変化によって把持した抜取対象物がバランスを崩して落下することを防止できる。
従って、抜取対象物は、軸支箇所を回転中心として、軸支箇所からハンドルまでの直線距離が連続的に変化する増力機構部によって、ハンドルに対する入力荷重を効率よく増力するとともに、抜取対象物をより容易に、かつ安全に抜き取ることができる。
またこの発明の態様として、前記軸方向に沿ってスライド可能に、前記把持機構部を支持するスライド支持機構部を備えることができる。
この発明により、抜取装置は、軸方向に対して直交する直交方向への把持機構部のブレをより確実に抑制できるため、より安定した移動軌跡で把持機構部を移動させることができる。
またこの発明の態様として、前記抜取対象物を、電気モーターにおける磁性を有するローターとすることができる。
上記電気モーターは、例えば、ハイブリッド自動車に用いられる電気モーター、あるいは鉄道車両に用いられる電気モーターなどとすることができる。
この発明により、抜取装置は、強力な磁力によってステーターに吸着する吸着力に抗して、ローターを引抜方向へ容易に抜き取ることができる。
本発明により、ハウジングから抜取対象物を容易に抜き取れる抜取装置を提供することができる。
ローター抜取装置における外観を示す正面図。 図1中におけるA−A矢視断面図。 図1中におけるB−B矢視断面図。 増力機構部が伸長した状態におけるローター抜取装置を示す正面図。 把持機構部の外観を示す外観斜視図。 把持機構部を示す正面図。 図1中のB−B矢視における把持機構部の断面を示す断面図。 モーターユニットの構成を説明する説明図。 抜取装置載置工程、第1往路工程、及び把持部材離間工程を説明する説明図。 把持部材離間工程における把持機構部の動作を説明する説明図。 把持工程、及び第1復路工程を説明する説明図。 把持工程における把持機構部の動作を説明する説明図。 第2往路工程、把持部材離間工程、及び第2復路工程を説明する説明図。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
なお、図1はローター抜取装置1における外観の正面図を示し、図2は図1中におけるA−A矢視断面図を示し、図3は図1中におけるB−B矢視断面図を示し、図4は増力機構部30が伸長した状態におけるローター抜取装置1の正面図を示し、図5は把持機構部40の外観斜視図を示し、図6は把持機構部40の正面図を示し、図7は図1中のB−B矢視における把持機構部40の断面図を示している。
また、図中において、矢印Xは前後方向を示し(以下「前後方向X」とする)、矢印Yは幅方向を示している(以下、「幅方向Y」とする)。さらに、図1中の上側を上方とし、図1中の下側を下方とする。
さらに、図4中において、図示を明確にするため、スライド支持機構部50の図示を省略している。
本実施形態におけるローター抜取装置1は、後述するモーターユニット100(図8参照)からローター102(図8参照)を抜取対象物として抜き取る装置である。なお、モーターユニット100としては、例えば、ハイブリッド自動車において、エンジンとトランスミッションとの間に介在して、補助動力源として機能する、あるいはエンジンに変わって一時的に動力源として機能する電気モーターとする。
より詳しくは、ローター抜取装置1は、図1から図3に示すように、ローター抜取装置1の底部となるベースプレート10と、ベースプレート10の上面に固定された正面視略門型形状の支持架台20と、支持架台20に軸支された増力機構部30と、増力機構部30の下端に連結した把持機構部40と、増力機構部30、及び把持機構部40をスライド可能に連結支持するスライド支持機構部50とで構成している。
ベースプレート10は、図1及び図2に示すように、後述するモーターユニット100のハウジング103(図8参照)に載置可能な大きさの外径と、モーターユニット100のローター102が挿通可能な内径とを有する平面視略円環状の板材であって、例えばアルミニウム合金のような非磁性体金属で形成している。
なお、ローター102が挿通可能な内径で構成された開口を、ローター挿通孔11とする。
このベースプレート10の上面には、前後方向Xに所定間隔を隔てて配置するとともに、ローター挿通孔11の一部を覆う開閉自在な一対の開閉蓋12を備えている。
開閉蓋12は、幅方向Yに長い平面視略矩形の平板であって、例えば透明ポリ塩化ビニルのような透過性を有する合成樹脂で形成している。
さらに、前方側に位置する開閉蓋12の後端、及び後方側に位置する開閉蓋12の前端には、平面視において、ローター挿通孔11よりも小径で、幅方向Yの略中央部分を平面視略円弧状に切り欠いた円弧状切欠き部12aを設けている。
このような形状の一対の開閉蓋12は、平面視において、円弧状切欠き部12aが前後方向Xで対向するとともに、後述する把持機構部40の把持部材42が挿通可能な前後方向Xの間隔を隔てて、ベースプレート10の上面に配置している。
そして、前方側の開閉蓋12における前端、及び後方側の開閉蓋12における後端が、それぞれ2つの蝶番13を介して、ベースプレート10の上面に装着されている。
蝶番13は、幅方向Yを回転軸として回動可能な構成であって、例えばアルミニウム合金のような非磁性体金属で形成している。この蝶番13には、ベースプレート10の上面に開閉蓋12の下面を当接させる方向、すなわち下方へ向けて開閉蓋12を付勢するスプリング(図示省略)を内蔵している。
また、支持架台20は、図1に示すように、ベースプレート10における幅方向Yの両端に、下端を装着固定した正面視略門型形状に構成している。この支持架台20は、例えば、アルミニウム合金のような非磁性体金属部材で構成している。
より詳しくは、支持架台20は、ベースプレート10から上方へ向けて延びる左右一対の支柱部21と、支柱部21の上端を幅方向Yで連結する橋架部22とで正面視略門型形状に構成している。
支柱部21は、図2に示すように、前後方向Xに沿った断面が、幅方向Yに開口を有する断面略コ字状であって、上下方向に所定の長さだけ延設した柱状体に形成している。
橋架部22は、図1及び図3に示すように、幅方向Yに長い正面視略矩形の平板部材を、支柱部21の上端における前面、及び後面に締結固定して構成している。
さらに、支持架台20には、幅方向Yの外側へ向けて延びる運搬用取っ手23を、支柱部21の上端近傍に装着している。この運搬用取っ手23は、ローター抜取装置1を移動させる際、作業者の持ち手として機能する。
また、増力機構部30は、図1、図3、及び図4に示すように、前後方向Xに所定の厚みを有する正面視略帯状の複数のリンク部材を組付けて、上下方向に伸縮可能なパンタグラフ状に構成している。この増力機構部30は、例えばアルミニウム合金のような非磁性体金属部材で構成している。
より詳しくは、増力機構部30は、パンタグラフ形状が幅方向Yに長い正面視略菱形の状態(図1参照)と、上下方向に長い正面視略菱形の状態(図4参照)とに変形可能に構成している。
この増力機構部30は、図1に示すように、作業者の持ち手となる一対のハンドル31aを一端に有する一対の入力リンク部材31と、入力リンク部材31の下端に連結した一対の第1連結リンク部材32と、第1連結リンク部材32の下端に連結した一対の第2連結リンク部材33と、第2連結リンク部材33の下端に連結した一対の末端リンク部材34とで構成している。
一対の入力リンク部材31は、図1に示すように、一端に設けた一対のハンドル31aが幅方向Yの上端外側に位置するように交差するとともに、交差部分を回転自在に連結して正面視略X字状に構成している。この一対の入力リンク部材31における交差部分の連結箇所を、以下、第1交差連結部31bとする。
さらに、入力リンク部材31の他端には、それぞれ第1連結リンク部材32の上端部分を回転自在に連結している。この入力リンク部材31と第1連結リンク部材32との連結箇所を、以下、第1連結部35とする。
そして、入力リンク部材31は、第1交差連結部31bから第1連結部35までの直線距離に対する、第1交差連結部31bからハンドル31aまでの直線距離の比率が、1:3となるように形成している。
一対の第1連結リンク部材32は、第1交差連結部31bの下方において交差するとともに、交差部分を回転自在に連結して正面視略X字状に構成している。この一対の第1連結リンク部材32における交差部分の連結箇所を、以下、第2交差連結部32aとする。
さらに、第1連結リンク部材32の他端には、それぞれ第2連結リンク部材33の上端部分を回転自在に連結している。この第1連結リンク部材32と第2連結リンク部材33との連結箇所を、以下、第2連結部36とする。
そして、第1連結リンク部材32は、第2交差連結部32aから第1連結部35までの直線距離、及び第2交差連結部32aから第2連結部36までの直線距離が、第1交差連結部31bから第1連結部35までの直線距離と略同等となるように形成している。
一対の第2連結リンク部材33は、末端リンク部材34が他端に連結される点を除いて、第1連結リンク部材32と略同等の構成のため、その詳細な説明を省略する。なお、一対の第2連結リンク部材33における交差部分の連結箇所を、以下、第3交差連結部33aとし、第2連結リンク部材33と末端リンク部材34との連結箇所を、以下、第3連結部37とする。
一対の末端リンク部材34は、第3交差連結部33aの下方において、把持機構部40(後述する把持機構部40の主軸部材41)を挟んで、他端同士を回転自在に連結して正面視略V字状に構成している。この一対の末端リンク部材34における他端同士、及び把持機構部40の連結箇所を、以下、第4交差連結部34aとする。
そして、末端リンク部材34は、第4交差連結部34aから第2連結部36までの直線距離が、第2交差連結部32aから第2連結部36までの直線距離と略同等になるように形成している。
上述した一対の入力リンク部材31、一対の第1連結リンク部材32、一対の第2連結リンク部材33、及び一対の末端リンク部材34を上方からこの順番で連結することで、増力機構部30は、正面視略菱形状のパンタグラフが上下方向に3つ連設したパンタグラフ構造を構成している。
このような構成の増力機構部30は、図1及び図3に示すように、支持架台20の橋架部22における幅方向Yの略中央に対して、第3交差連結部33aを回転自在に連結支持している。このため、増力機構部30は、図1及び図4に示すように、第3交差連結部33aを起点にして上下方向に伸縮する。
換言すると、増力機構部30は、図4に示すように、下端に把持機構部40が連結されるとともに、第3交差連結部33aを起点として上下方向に伸縮する下部パンタグラフ構造体30aと、上端に一対のハンドル31aを有するとともに、第3交差連結部33aを起点として上下方向に伸縮する上部パンタグラフ構造体30bとで一体構成しているといえる。
そして、増力機構部30は、上部パンタグラフ構造体30b、及び下部パンタグラフ構造体30aによって、一対のハンドル31aに対する入力荷重を増力するとともに、下部パンタグラフ構造体30aによって増力した荷重を上下方向への荷重に変換して、把持機構部40に伝達可能に構成している。
より詳しくは、上下方向へ縮退した状態において、増力機構部30は、支持架台20の橋架部22に近接する位置に、把持機構部40を移動可能にしている(図1参照)。一方、上下方向へ伸長した状態において、増力機構部30は、ベースプレート10の下方に把持部材42の下端が露出する位置に、把持機構部40を移動可能にしている(図4参照)。
この際、一対のハンドル31aは、増力機構部30が上下方向に伸長した状態において最も近接し、第3交差連結部33aを回転中心として、上方、あるいは下方へ向けて回動するように移動するとともに、増力機構部30が上下方向に縮んだ状態において最も離間するように移動する。
すなわち、増力機構部30は、第3交差連結部33aを支点として、一対のハンドル31aが回動する梃子となるように構成している。
さらに、図4に示すように、増力機構部30が上下方向に伸長した状態における第3交差連結部33aからハンドル31aまでの直線距離R1に対して、増力機構部30が上下方向に縮退した状態における第3交差連結部33aからハンドル31aまでの直線距離R2が短くなる。
つまり、増力機構部30が上下方向に伸長した状態における直線距離R1を回転半径R1とし、増力機構部30が上下方向に縮退した状態における直線距離R2を回転半径R2とすると、増力機構部30は、上部パンタグラフ構造体30bの伸縮に伴って、回転半径R1から回転半径R2、または回転半径R2から回転半径R1に、回転半径が連続的に変化するように構成している。
ゆえに、増力機構部30は、第3交差連結部33aを支点として回動するハンドル31aの回転半径が連続的に変化する梃子であるといえる。
なお、本実施例では、回転半径R2に対する回転半径R1の比率を、1:2としている。
また、把持機構部40は、図1に示すように、増力機構部30における第4交差連結部34aに連結され、例えばアルミニウム合金のような非磁性体金属部材で構成している。
より詳しくは、把持機構部40は、図5から図7に示すように、増力機構部30の第4交差連結部34aが連結される主軸部材41と、ローター102を把持する一対の把持部材42と、主軸部材41及び把持部材42を連結する一対の開閉リンク部材43と、主軸部材41、及び一対の把持部材42を支持する支持部材44とで構成している。
主軸部材41は、図5及び図6に示すように、上端が増力機構部30に連結される主軸本体部41aと、主軸本体部41aの下部に配置したストッパ部41bとで正面視略逆T字状に一体形成している。
主軸本体部41aは、上下方向に延びる略四角柱状体であって、上端を一対の末端リンク部材34が連結可能に形成するとともに、下端を一対の開閉リンク部材43を回転自在に連結している。この主軸部材41と開閉リンク部材43との連結箇所を、以下、主軸側連結部40aとする。
ストッパ部41bは、主軸本体部41aの下部から幅方向Yの外側へ向けて延設するとともに、図6中における実線で示した一対の把持部材42の下端同士が最も近接する全閉状態において、後述する支持部材44のガイドボルト443に下方から当接可能に形成している。
さらに、ストッパ部41bには、図6中の二点鎖線で示したように、一対の把持部材42における下端が幅方向Yに離間した全開状態を、一対の開閉リンク部材43とによって維持するボールプランジャー45を2つ備えている。
ボールプランジャー45は、前後方向Xに球体が出没可能に構成され、ストッパ部41bに予め形成したネジ孔(図示省略)に螺合して装着している。
このボールプランジャー45は、主軸側連結部40aから幅方向Yへ所定間隔を隔てた位置において、幅方向Yの一方におけるストッパ部41bの前面と、幅方向Yの他方におけるストッパ部41bの後面にそれぞれ1つ備えている。
把持部材42は、図5及び図6に示すように、上下方向に長い略四角柱状の把持本体部42aと、把持本体部42aの下端に設けた掛止爪42bとで一体形成している。
把持本体部42aは、前後方向Xを回転軸として、その上端を支持部材44に回転自在に軸支している。
この把持本体部42aにおける上下方向のなかほどには、前後方向Xを回転軸として開閉リンク部材43の一端を回転自在に連結している。より詳しくは、把持本体部42aは、下端同士が近接した全閉状態において、主軸側連結部40aに対して下方側の位置で開閉リンク部材43と連結するように形成している。
この把持部材42と開閉リンク部材43との連結箇所を、以下、把持側連結部40bとする。
掛止爪42bは、他方の把持部材42と対面する面から斜め上方へ向けて突出するように形成している。
さらに、把持部材42の下端には、前後方向Xを回転軸として回転自在に軸支した2つのガイドローラー46を備えている。このガイドローラー46は、把持本体部42aの下端よりも下方に、その下端が位置するように軸支されている。
開閉リンク部材43は、図5から図7に示すように、前後方向Xに所定の厚みを有する正面視略帯部材であって、主軸部材41と一方の把持部材42とを連結する一組の第1開閉リンク部材431と、主軸部材41と他方の把持部材42とを連結する一組の第2開閉リンク部材432とで構成している。
より詳しくは、一組の第1開閉リンク部材431は、図6及び図7に示すように、把持部材42を挟んで前後方向Xに対向配置するとともに、前方側に配置される一方が主軸部材41に当接する2つのリンク部材(図示省略)で構成している。なお、第1開閉リンク部材431における後方側に配置される他方のリンク部材は、第2開閉リンク部材432を挟んで主軸部材41に連結している。
この第1開閉リンク部材431における前方側に配置される一方のリンク部材には、主軸側連結部40aからの直線距離が、主軸側連結部40aからボールプランジャー45までの直線距離と略同等となる位置において、ボールプランジャー45が係合可能な係止孔431aを、前後方向Xに沿って開口形成している。
一方、一組の第2開閉リンク部材432は、図6及び図7に示すように、把持部材42を挟んで前後方向Xに対向配置するとともに、後方側に配置される一方が主軸部材41に当接する2つのリンク部材(図示省略)で構成している。なお、第2開閉リンク部材432における前方側に配置される他方のリンク部材は、第1開閉リンク部材431を挟んで主軸部材41に連結している。
この第2開閉リンク部材432における後方側に配置される一方のリンク部材には、主軸側連結部40aからの直線距離が、主軸側連結部40aからボールプランジャー45までの直線距離と略同等となる位置において、ボールプランジャー45が係合可能な係止孔432aを、前後方向Xに沿って開口形成している。
支持部材44は、図5から図7に示すように、幅方向Yに長い正面視略矩形の2つの板状部材441を前後方向Xに所定間隔隔てて対向配置するとともに、略四角柱状体のブロック442を挟んで締結固定して構成している。
さらに、支持部材44における幅方向Yの略中央近傍には、2つの板状部材441を締結するとともに、主軸部材41をスライド可能に支持する4つガイドボルト443を備えている。
このガイドボルト443は、正面視において上下方向に2つ並置するとともに、主軸本体部41aにおける幅方向Yの長さと略同等の間隔を隔てて幅方向Yに並置することで、主軸部材41をスライド可能に支持している。
なお、下方に位置する2つのガイドボルト443は、主軸部材41のストッパ部41bと当接して、主軸部材41の上方への移動を規制する規制手段としても機能する。
この支持部材44における幅方向Yの両端近傍には、一対の把持部材42の上端を回転自在に軸支している。
さらに、把持部材42の軸支箇所よりも幅方向Yの外側における支持部材44には、幅方向Yの両端から上方へ向けて延びる当接部材47を備えている。
当接部材47は、上下方向に長い正面視略矩形の2つの平板部材で構成され、その下端を支持部材44の前面、及び後面に締結固定するとともに、上端同士をストッパボルト471で連結している。
ストッパボルト471は、支持架台20の橋架部22に近接する位置によりも上方に把持機構部40が移動した際、末端リンク部材34に下方から当接するように構成している。
また、スライド支持機構部50は、図1及び図3に示すように、幅方向Yの略中央において、支持架台20に対して所定間隔隔てた後方の位置に配置している。
より詳しくは、スライド支持機構部50は、図3に示すように、上下方向に長い略円柱状のガイドシャフト51と、ガイドシャフト51及び支持架台20を連結支持するシャフト保持部52と、シャフト保持部52の上方に配置した上部スライド部53と、シャフト保持部52の下方に配置した下部スライド部54とで構成している。
ガイドシャフト51は、上下方向に長いアルミニウム合金製の丸棒材で構成している。
シャフト保持部52は、ガイドシャフト51に対して摺動不可に構成されている。
より詳しくは、シャフト保持部52は、上下方向におけるガイドシャフト51の所定箇所を保持する保持部本体521と、保持部本体521が装着固定された保持部基台522とで構成している。
このシャフト保持部52は、ロングナット523を介して、支持架台20の橋架部22に締結固定している。換言すると、ガイドシャフト51は、シャフト保持部52を介して、支持架台20に固定されている。
上部スライド部53は、ガイドシャフト51に対して上下方向に摺動可能に構成している。なお、上部スライド部53には、上下方向への摺動を規制するロック機構(図示省略)を内蔵している。
より詳しくは、上部スライド部53は、ガイドシャフト51の外径と略同等の内径を有する略円筒状の合成樹脂製のカラー(図示省略)、及びカラーを保持する略円筒状の金属製円筒体(図示省略)などで構成している。この上部スライド部53は、ロングボルト531を介して、増力機構部30の第2交差連結部32aに連結している。
下部スライド部54は、ガイドシャフト51に対して上下方向に摺動可能に構成している。
より詳しくは、下部スライド部54は、ガイドシャフト51の外径と略同等の内径を有するリニアブッシュ541と、上下方向に長い正面視略矩形の板材で、リニアブッシュ541が装着固定されるブッシュ基台542とで構成している。
この下部スライド部54は、上方ロングボルト543を介してブッシュ基台542の上部を第4交差連結部34aに連結し、下方ロングボルト544を介してブッシュ基台542の下部を把持機構部40の主軸側連結部40aに連結している。
次に、上述した構成のローター抜取装置1を用いて、モーターユニット100から上方へ向けてローター102を抜き取る抜取方法について、図8から図13を用いて説明する。
なお、図8はモーターユニット100の構成を説明する説明図を示し、図9は抜取装置載置工程、第1往路工程、及び把持部材離間工程を説明する説明図を示し、図10は把持部材離間工程における把持機構部40の動作を説明する説明図を示している。
さらに、図11は把持工程、及び第1復路工程を説明する説明図を示し、図12は把持工程における把持機構部40の動作を説明する説明図を示し、図13は第2往路工程、把持部材離間工程、及び第2復路工程を説明する説明図を示している。
また、図9から図13中において、図示を明確にするためスライド支持機構部50の図示を省略している。
ここで、モーターユニット100について、図8を用いて簡単に説明する。
モーターユニット100は、ハイブリッド自動車の電気モーターであって、図8に示すように、平面視略円環状のステーター101と、ステーター101の内部に配置した希土類磁石を有するローター102と、ローター102の軸方向に開口を有して、ステーター101及びローター102を収容保持するハウジング103とで構成している。
このローター102は、上下方向を回転軸とするかご型であって、軸方向の一端に外方へ向けて突出したフランジ部102aを備えている。
まず、抜取装置載置工程として、作業者は、図8に示すように、ハウジング103の開口を上方にして、モーターユニット100を床面に載置する。その後、作業者は、図9(a)に示すように、モーターユニット100におけるハウジング103の上面に対して、ベースプレート10の下面を当接させるようにして、ローター抜取装置1を載置する。
この際、作業者は、ローター102がローター挿通孔11を通過できるように、ハウジング103に対するベースプレート10の位置を合わせる。
なお、ローター抜取装置1は、図9(a)に示すように、増力機構部30が上下方向に縮退して、支持架台20の橋架部22に把持機構部40が近接した状態とする。さらに、この状態における把持機構部40の位置を、把持機構部40の初期位置とする。
モーターユニット100にローター抜取装置1を載置した作業者が、一対のハンドル31aを把持するとともに、一対のハンドル31aを上方へ向けて回転開始すると、ローター抜取装置1は、図9(a)に示すように、把持機構部40を下方へ移動する第1往路工程を開始する。
具体的には、第3交差連結部33aを回転中心として、一対のハンドル31aが上方へ向けて回動開始すると、上部パンタグラフ構造体30bが、第3交差連結部33aを起点として上方へ向けて伸長開始するとともに、下部パンタグラフ構造体30aが、上部パンタグラフ構造体30bの伸長に連動して下方へ向けて伸長開始する。
このため、増力機構部30は、幅方向Yに長い正面視略菱形のパンタグラフ構造から、上下方向に長い正面視略菱形のパンタグラフ構造に変形する。そして、下部パンタグラフ構造体30aの下方への伸長によって、把持機構部40が下方へ向けて移動開始する。
この際、第2交差連結部32a、第3交差連結部33a、及び主軸側連結部40aがスライド支持機構部50によって支持されているため、把持機構部40は、前後方向X、及び幅方向Yへの移動を規制されながら、ガイドシャフト51に沿うようにして下方へ向けて移動する。
そして、ベースプレート10における開閉蓋12の隙間を介して、一対の把持部材42がモーターユニット100の内部に到達すると、図9(b)に示すように、ガイドローラー46がローター102に当接する。このガイドローラー46がローター102に当接した状態における把持機構部40の位置を、把持機構部40の把持位置とする。
把持機構部40が把持位置に到達したのち、作業者が把持した一対のハンドル31aをさらに上方へ回動すると、ローター抜取装置1は、図9(b)に示すように、一対の把持部材42を開くように離間させる把持部材離間工程を開始する。
具体的には、図10に示すように、ガイドローラー46がローター102に当接すると、一対の把持部材42、及び支持部材44の下方への移動が規制されるため、増力機構部30が、主軸部材41だけをさらに下方へ移動させる。
この際、主軸側連結部40aを介して主軸部材41が一対の開閉リンク部材43を下方へ押圧するため、一対の開閉リンク部材43は、把持側連結部40bを回転中心として下方へ向けて回転開始する。
一対の開閉リンク部材43が回転開始すると、一対の把持部材42は、支持部材44との連結箇所を回転中心として、幅方向Yの外方へ向けて回転開始して、その下端同士が離間する。この際、ローター102に当接したガイドローラー46が回動することで、ガイドローラー46は、一対の把持部材42の下端が離間する方向への回動を案内する。
その後、ローター102におけるフランジ部102aよりも大きく一対の把持部材42が離間したことを確認した作業者が、把持した一対のハンドル31aを下方へ向けて回転開始すると、ローター抜取装置1は、図11(a)に示すように、一対の把持部材42を近接させる把持工程を開始する。
具体的には、第3交差連結部33aを回転中心として、一対のハンドル31aが上方へ向けて回動開始すると、上部パンタグラフ構造体30bが、第3交差連結部33aを起点として下方へ向けて縮退開始するとともに、下部パンタグラフ構造体30aが、上部パンタグラフ構造体30bの縮退に連動して上方へ向けて縮退開始する。
この際、図12に示すように、支持部材44に対して主軸部材41が相対移動可能な状態のため、主軸部材41は、支持部材44に対して上方へ向けて相対移動を開始する。主軸部材41が移動開始すると、主軸側連結部40aを介して、上方へ引っ張る荷重が作用するため、一対の開閉リンク部材43は、把持側連結部40bを回転中心として上方へ向けて回転開始する。
一対の開閉リンク部材43が回動開始すると、図12に示すように、支持部材44との連結箇所を回転中心として、一対の把持部材42は、幅方向Yの内方へ向けて回転開始して、その下端同士が近接する。
この際、ローター102に当接したガイドローラー46が回動することで、ガイドローラー46は、一対の把持部材42の下端が近接する方向への回動を案内する。
その後、主軸部材41の上方への移動に伴い、一対の開閉リンク部材43の掛止爪42bが、ローター102におけるフランジ部102aに掛止される。
引き続き、把持した一対のハンドル31aを作業者がさらに下方へ回動すると、ローター抜取装置1は、図11(b)に示すように、把持機構部40を上方へ移動する第1復路工程を開始する。
具体的には、第3交差連結部33aを支点として回動するハンドル31aの回転半径が連続的に変化する梃子によって、増力機構部30は、作業者によってハンドル31aに入力された入力荷重を増力するとともに、増力した入力荷重を下部パンタグラフ構造体30aで上方への引張り荷重に変換して把持機構部40を上方へ向けて移動させる。
この際、主軸部材41に作用する引張り荷重とローター102の自重とが、一対の開閉リンク部材43を上方へ回動させる荷重として作用し続けるため、把持機構部40は、ローター102と掛止爪42bとの掛止状態を維持したまま、ガイドシャフト51に沿うように上方へ移動する。
そして、ローター挿通孔11をローター102が通過する際、ローター102が一対の開閉蓋12に当接するとともに、上方へ向けて開閉蓋12を回動させる。その後、開閉蓋12からローター102が離間すると、蝶番13の付勢力によって、一対の開閉蓋12は、下方へ回動して、ローター挿通孔11を覆うようにベースプレート10に当接する。
上方へ向けて移動する把持機構部40が初期位置まで移動したことを確認した作業者が、把持した一対のハンドル31aを上方へ向けて回転開始すると、ローター抜取装置1は、図13(a)に示すように、把持機構部40が下方へ移動して、ベースプレート10の開閉蓋12にローター102を載置する第2往路工程を開始する。
具体的には、第3交差連結部33aを回転中心として、一対のハンドル31aが上方へ向けて回動開始すると、ローター抜取装置1は、上述した第1往路工程と同様に、増力機構部30が把持機構部40を下方へ向けて移動させて、開閉蓋12にローター102を当接させる。
そして、上述した把持部材離間工程と同様に、ローター抜取装置1は、増力機構部30が、支持部材44に対して主軸部材41を下方へ相対移動させることで、一対の把持部材42の下端を幅方向Yに離間させて、ローター102の把持状態を開放する。
この際、一対の開閉リンク部材43の回動に伴って、開閉リンク部材43の係止孔431a、及び係止孔432aが、主軸部材41のボールプランジャー45に係合すると、把持機構部40は、一対の開閉リンク部材43の回動を規制して、一対の把持部材42の全開状態を維持する。
ローター102の把持が開放されたことを確認した作業者が、把持した一対のハンドル31aを下方へ向けて回転開始すると、ローター抜取装置1は、図13(b)に示すように、把持機構部40を初期位置へ向けて上方に移動させる第2復路工程を開始する。
具体的には、第3交差連結部33aを回転中心として、一対のハンドル31aが上方へ向けて回動開始すると、ローター抜取装置1は、上述した第1復路工程と同様に、増力機構部30が把持機構部40を上方へ向けて移動させる。
この際、一対の開閉リンク部材43の係止孔431aにボールプランジャー45が係合しているため、一対の把持部材42、及び支持部材44は、主軸部材41ととともに上方へ向けて移動する。
そして、把持機構部40が初期位置まで移動したことを確認した作業者が、把持した一対のハンドル31aをさらに下方へ回動すると、ローター抜取装置1は、末端リンク部材34に対して下方から当接部材47を当接させることで、一対の把持部材42の全開状態を解除する。
具体的には、末端リンク部材34に当接部材47が当接すると、一対の把持部材42、及び支持部材44の上方への移動が規制されるため、増力機構部30が、支持部材44に対して主軸部材41だけをさらに上方へ移動させる。
この際、主軸側連結部40aを介して上方への引張り荷重が、一対の開閉リンク部材43を上方へ向けて回転させる荷重として一対の開閉リンク部材43に作用するため、ボールプランジャー45から係止孔431a、及び係止孔432aが離脱する。
このようにして、一対の把持部材42の全開状態を解除するとともに、一対の開閉リンク部材43が上方へ向けて回動開始することで、一対の把持部材42が全閉状態に移行する。
以上のような動作を実現するローター抜取装置1は、ハウジング103からローター102を容易に抜き取ることができる。
具体的には、ハンドル31aに入力された入力荷重を増幅して、上方への引張り荷重に変換するため、増力機構部30は、小さい入力荷重で、連結された把持機構部40を上方へ移動させることができる。
これにより、ローター抜取装置1は、作業者への負担を抑えて、ローター102を上方へ移動させることができる。このため、強力な磁力を発するローター102であっても、ローター抜取装置1は、ステーター101に吸着することを抑制して、ローター102を容易に抜き取ることができる。
さらに、ハンドル31aを操作する作業者が入力した入力荷重によってローター102の抜き取りを行うことができるため、ローター抜取装置1は、把持機構部40を移動させる駆動装置や電源装置を不要にでき、装置の小型化、及び軽量化を図ることができる。このため、ローター抜取装置1は、任意の作業場所への運搬を容易にするとともに、任意の作業場所でのローター102の抜き取りを実施可能にすることができる。
従って、ローター抜取装置1は、ハンドル31aに入力された入力荷重を増力して、上方への引張り荷重に変換する増力機構部30によって、ハウジング103からローター102を容易に抜き取ることができる。
また、上下方向への把持機構部40、及びローター102の挿通を許容するローター挿通孔11と、一対の把持部材42が挿通可能な間隔を隔てて、他方の面に装着した開閉自在な一対の開閉蓋12とを有するベースプレート10を備えたことにより、ローター抜取装置1は、ローター102の抜き取りをより安全に、かつより容易にすることができる。
具体的には、ハウジング103にベースプレート10を当接できるため、ローター抜取装置1は、例えば、支持架台20の支柱部21の間にハウジング103を載置する場合に比べて、幅方向Yにおける大きさを抑えることができる。
これにより、小型化及び軽量化をより図ることができるため、ローター抜取装置1は、任意の作業場所への運搬をより容易にすることができる。
さらに、一対の把持部材42が挿通可能に開閉蓋12を配置しているため、ローター抜取装置1は、ハウジング103に対してベースプレート10を当接する際、ローター102と把持機構部40との位置合わせを容易にすることができる。
加えて、ローター102がローター挿通孔11を通過する際に開き、ローター102が離間すると閉じるため、開閉蓋12は、抜き取ったローター102を載置する載置台として機能することができる。
さらにまた、万一、把持機構部40からローター102が脱落した際、開閉蓋12は、落下したローター102からハウジング103などを保護する保護部材として機能することができる。
従って、ローター抜取装置1は、開閉自在な開閉蓋12を有するベースプレート10を備えたことにより、ローター102の抜き取りをより安全に、かつより容易にすることができる。
また、一対の開閉蓋12を付勢するスプリングを内蔵した蝶番13を、ベースプレート10に備えたことにより、ローター抜取装置1は、ローター102によって開いた開閉蓋12を確実に閉じることができる。
さらに、ローター抜取装置1は、作業者が開閉蓋12を閉じる手間を省くことができるため、ローター102をより効率よく抜き取ることができる。加えて、ローター抜取装置1は、ローター102を載置する載置台として開閉蓋12を確実に機能させることができる。
また、透過性を有する合成樹脂で一対の開閉蓋12を形成したことにより、ローター抜取装置1は、作業効率の向上を図って、ローター102の抜き取りを容易にすることができる。
具体的には、透過性を有する合成樹脂で一対の開閉蓋12を形成したことにより、ローター抜取装置1は、一対の開閉蓋12を介したハウジング103内部の視認を容易にすることができる。
このため、ローター抜取装置1は、ローター102とベースプレート10との位置合わせ、及びローター102の把持状態の視認をより容易にすることができる。
さらに、透過性の合成樹脂で開閉蓋12を形成したことで、ローター抜取装置1は、一対の開閉蓋12にローター102が吸着することを防止でき、ローター102の回収をより容易にすることができる。
従って、ローター抜取装置1は、透過性を有する合成樹脂で一対の開閉蓋12を形成したことにより、作業効率の向上を図って、ローター102の抜き取りを容易にすることができる。
また、把持機構部40の一対の把持部材42が全閉状態において、主軸側連結部40aよりも下方の位置で、把持部材42と開閉リンク部材43とを連結したことにより、ローター抜取装置1は、一対の把持部材42の開閉を容易にするとともに、ローター102を確実に把持することができる。
具体的には、作業者の操作を受付けた増力機構部30によって、下方へ移動した把持機構部40がローター102に当接すると、一対の把持部材42、及び支持部材44は、下方への移動が規制される。
この際、支持部材44に対してスライド可能に支持されているため、主軸部材41は、増力機構部30によって下方へ引き続き移動することができる。このため、下方への荷重が主軸側連結部40aに加わることで、一対の開閉リンク部材43は、把持側連結部40bを回転中心として、下方へ回動することができる。これにより、把持機構部40は、主軸部材41に対して離間するように一対の把持部材42を開くことができる。
一方、作業者の操作を受付けた増力機構部30が上方へ把持機構部40を移動させる場合、上方への引張り荷重が主軸側連結部40aに加わることで、一対の開閉リンク部材43は、把持側連結部40bを回転中心として、上方へ回動することができる。
このため、把持機構部40は、主軸部材41に近接するように一対の把持部材42を閉じることができる。この際、増力機構部30による上方への引張り荷重によって、把持機構部40は、一対の把持部材42の閉じた状態を維持することができる。さらに、上方への引張り荷重と、ローター102の自重とによって、把持機構部40は、一対の把持部材42の閉じた状態をより確実に維持することができる。
これにより、ローター抜取装置1は、ローター102の把持と、把持状態の解放とを、作業者がハンドル31aから手を放すことなく行うことができるとともに、作業者によるローター102の把持固定作業を不要にすることができる。
加えて、例えば、プレス機を用いてローター102に加えて抜き取った場合、あるいは建設機械(所謂、重機)でローター102を把持して抜き取った場合に比べて、ローター抜取装置1は、上方への引張り荷重によってローター102を把持できるため、ローター102に過剰な荷重が加わることを防止できる。
このため、ローター抜取装置1は、ローター102の変形を防止でき、ローター102に内蔵された希土類磁石を回収する際、ローター102の変形によって希土類磁石の回収が阻害されることを防止できる。
従って、ローター抜取装置1は、増力機構部30と把持機構部40との協働によって、一対の把持部材42の開閉を容易にするとともに、ローター102を確実に把持することができる。
また、ローター102に掛止される掛止爪42bを把持部材42に備えたことにより、ローター抜取装置1は、ローター102をより確実に把持することができる。
これにより、ローター抜取装置1は、上方へ移動するローター102が一対の把持部材42から脱落することを防止でき、ローター102の抜き取る際の安全性を向上することができる。
また、一対の開閉リンク部材43の回動を規制するボールプランジャー45、及び開閉リンク部材43の係止孔431a,432aを把持機構部40に備えたことにより、ローター抜取装置1は、増力機構部30に連動して一対の把持部材42の全開状態を維持することができるとともに、抜き取ったローター102の回収をより容易にすることができる。
具体的には、ボールプランジャー45、及び係止孔431a,432aによって、一対の開閉リンク部材43の回動が規制されるため、把持機構部40は、一対の把持部材42の開閉を規制することができる。これにより、把持機構部40は、一対の把持部材42の全開状態を容易に維持することができる。
このため、開閉蓋12に載置したローター102を回収する際、ローター抜取装置1は、把持を解放した一対の把持部材42がローター102に接触することで、ローター102の回収が阻害されることを防止できる。
さらに、ローター抜取装置1は、ローター102の回収を阻害しない位置まで把持機構部40を移動させることを不要にできる。すなわち、ローター抜取装置1は、上下方向における大きさを抑えることができ、より小型化を図ることができる。
従って、ローター抜取装置1は、ボールプランジャー45、及び開閉リンク部材43の係止孔431a,432aを備えたことにより、増力機構部30に連動して一対の把持部材42の全開状態を維持することができるとともに、抜き取ったローター102の回収をより容易にすることができる。
また、末端リンク部材34に当接する当接部材47を支持部材44に備えたことにより、ローター抜取装置1は、作業者がハンドルから手を放すことなく、全開状態の一対の把持部材42を容易に閉じることができ、例えば、ローター102の連続した抜き取りを容易にすることできる。
具体的には、一対の開閉リンク部材43同士の摩擦抵抗などによって、下端同士が大きく離間した状態の一対の把持部材42が閉じないおそれがある。この場合、作業者によって一対の把持部材42を閉じる必要があるため、ローター102の抜き取りを効率よく行うことができない。
そこで、支持部材44に当接部材47を備えたことにより、ローター抜取装置1は、上方へ移動する支持部材44を末端リンク部材34に当接させて、全開状態の一対の把持部材42を容易に閉じることができる。
より詳しくは、末端リンク部材34に当接部材47が当接すると、上方への支持部材44の移動が規制されるため、主軸部材41は、支持部材44に対して上方へ相対移動を開始することができる。
このため、一対の開閉リンク部材43は、把持側連結部40bを回転中心として、上方へ回動することができる。これにより、把持機構部40は、主軸部材41に近接するように一対の把持部材42を閉じることができる。
さらに、ボールプランジャー45と開閉リンク部材43の係止孔431a,432aとの係合によって、一対の把持部材42の全開状態が維持された場合であっても、把持機構部40は、増力機構部30との協働によって、全開状態を容易に解放することができる。
従って、ローター抜取装置1は、当接部材47を備えたことにより、作業者がハンドルから手を放すことなく、全開状態の一対の把持部材42を容易に閉じることができ、例えば、ローター102の連続した抜き取りを容易にすることできる。
また、一対の把持部材42の開閉を案内するガイドローラー46を一対の把持部材42に備えたことにより、ローター抜取装置1は、ローター102と当接した状態における一対の把持部材42の開閉をスムーズに行うことができる。このため、ローター抜取装置1は、ローター102の抜き取りをより効率よく行うことができる。
また、一端にハンドル31aを有する一対の入力リンク部材31と、複数の連結リンク部材とで構成するとともに、上下方向に沿って伸縮可能なパンタグラフ状に増力機構部30を構成したことにより、ローター抜取装置1は、より小型化を図ることができるとともに、ローター102の移動軌跡をより安定させて抜き取ることができる。
具体的には、パンタグラフ状に構成したことにより、増力機構部30は、ハンドル31aへの入力荷重を梃子によって増力するとともに、上方への引張り荷重に容易に変換することができる。
さらに、一対のハンドル31aを備えているため、増力機構部30は、1つのハンドル31aを有する梃子で構成した増力機構部に対して、支点から力点までの直線距離を短くすることができる。このため、ローター抜取装置1は、幅方向Yにおける増力機構部30の大きさを抑えることができ、より小型化を図ることができる。
加えて、複数の連結リンク部材で構成したパンタグラフ構造のため、増力機構部30は、前後方向X、及び幅方向Yへのブレを抑制しながら、把持機構部40を上方へ移動させることができる。
これにより、ローター抜取装置1は、ステーター101にローター102が吸着する吸着力に抗しながら、より安定した移動軌跡でローター102を上方へ移動させることができる。
従って、ローター抜取装置1は、増力機構部30をパンタグラフ状に構成したことにより、より小型化を図ることができるとともに、ローター102の移動軌跡をより安定させて抜き取ることができる。
また、上方側の頂部が軸支される正面視略菱形状の下部パンタグラフ構造体30aと、一対の入力リンク部材31を有する正面視略菱形状の上部パンタグラフ構造体30bとで増力機構部30を構成するとともに、把持機構部40が把持位置に位置する状態において、上下方向に長い正面視略菱形状になるよう上部パンタグラフ構造体30bを構成したことにより、ローター抜取装置1は、ハンドル31aに対する入力荷重を効率よく増力するとともに、ローター102をより容易に、かつ安全に抜き取ることができる。
具体的には、第3交差連結部33aが増力機構部30の軸支箇所となるため、ローター102を上方へ抜き取る際、上部パンタグラフ構造体30bは、第3交差連結部33aを起点にして下方へ縮退することができる。
この際、一対のハンドル31aは、第3交差連結部33aからハンドル31aまでの直線距離を回転半径とし、第3交差連結部33aを回転中心として、回転するように下方へ向かって移動することができる。
さらに、上部パンタグラフ構造体30bが上下方向に長い正面視略菱形状の状態、すなわち、上部パンタグラフ構造体30bが伸長した状態における第3交差連結部33aからハンドル31aまでの直線距離が、上部パンタグラフ構造体30bが縮退した状態における第3交差連結部33aからハンドル31aまでの直線距離よりも長くなる。
つまり、増力機構部30は、第3交差連結部33aを回転中心としてハンドル31aが回動する梃子であって、上部パンタグラフ構造体30bの縮退に伴って、ハンドル31aの回転半径が連続的に短くなるように変化することができる。
これにより、増力機構部30は、把持機構部40が把持位置に位置する状態において、ハンドル31aに入力された入力荷重を最も大きな引張り荷重に増力することができる。
このため、上部パンタグラフ構造体30bが伸長して、一対のハンドル31aが近接したことで、ハンドル31aに対する入力荷重を作業者が加え難い場合であっても、増力機構部30は、入力荷重を効率よく増力して、ローター102の移動を容易に開始することができる。
さらに、ステーター101が内部に配置されたハウジング103から、強力な磁気を発するローター102を抜き取る際、増力機構部30は、ステーター101にローター102が吸着する吸着力に抗して、ローター102の移動を容易に開始することができる。
加えて、上部パンタグラフ構造体30bの縮退に伴って、ハンドル31aの回転半径が連続的に短くなるため、ハンドル31aに対する入力荷重が一定の場合、増力機構部30は、把持機構部40が把持位置から上方へ移動するのに伴い、引張り荷重を連続的に小さくすることができる。
このため、強力な磁気を発するローター102のように、把持位置から上方への移動に伴い、増力機構部30に加わる負荷が小さくなる場合であっても、ローター抜取装置1は、作業者による入力荷重の調整を不要にすることができる。
これにより、ローター抜取装置1は、上方への移動速度の急激な変化を抑制するとともに、移動速度の変化によって把持したローター102がバランスを崩して落下することを防止できる。
従って、ローター102は、第3交差連結部33aを回転中心として、第3交差連結部33aからハンドル31aまでの直線距離が連続的に変化する増力機構部30によって、ハンドル31aに対する入力荷重を効率よく増力するとともに、ローター102をより容易に、かつ安全に抜き取ることができる。
また、上下方向に沿ってスライド可能に、把持機構部40を支持するスライド支持機構部50を備えたことにより、ローター抜取装置1は、前後方向X、及び幅方向Yへの把持機構部40のブレをより確実に抑制できるため、より安定した移動規制で把持機構部40を移動させることができる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の抜取対象物は、実施形態のローター102に対応し、
以下同様に、
軸方向は、上下方向に対応し、
引抜方向は、上下方向における上方に対応し、
抜取装置は、ローター抜取装置1に対応し、
一組の把持部材は、一対の把持部材42に対応し、
底部構造体は、ベースプレート10に対応し、
対象物挿通孔は、ローター挿通孔11に対応し、
一組の開閉蓋は、一対の開閉蓋12に対応し、
付勢手段は、蝶番13のスプリングに対応し、
一組の開閉リンク部材は、一対の開閉リンク部材43に対応し、
回動規制手段は、ボールプランジャー45、及び係止孔431a,432aに対応し、
所定部位は、末端リンク部材34に対応し、
案内手段は、ガイドローラー46に対応し、
複数の連結リンク部材は、第1連結リンク部材32、第2連結リンク部材33、及び末端リンク部材34に対応し、
引抜方向側の頂部は、第3交差連結部33aに対応し、
第1パンタグラフ構造体は、下部パンタグラフ構造体30aに対応し、
第2パンタグラフ構造体は、上部パンタグラフ構造体30bに対応し、
電気モーターは、モーターユニット100に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、上述の実施形態において、モーターユニット100のローター102を抜取対象物としたが、これに限定せず、ハウジングの内部に収容されるとともに、釣り上げるようにして抜き取る抜取対象物であれば、適宜の構成としてもよい。より詳しくは、抜き取りが容易ではない重量物、歯車や軸受けを装着した回転軸などを抜取対象物としてもよい。
また、ハイブリッド自動車用のモーターユニット100を用いて説明したが、これに限定せず、鉄道車両などの車両において動力源として用いられる電気モーター、あるいは充電用に用いられる電気モーターなど適宜の電気モーターであってもよい。
また、下部パンタグラフ構造体30a、及び上部パンタグラフ構造体30bで構成した増力機構部30としたが、これに限定せず、ハンドルに対する入力荷重を増力するとともに、上方への引張荷重に変換できる構成であれば、増力機構部40とは異なる梃子によって構成された増力機構部としてもよい。あるいは、梃子と歯車とを組合せて構成した増力機構部としてもよい。
例えば、パンタグラフ状の増力機構部30に代えて、ウイング式(てこレバー式)ワインオープナーのような増力機構部としてもよい。
また、増力機構部30に連結した主軸部材41と、一対の開閉リンク部材43とで、一対の把持部材42を開閉する構成としたが、これに限定せず、増力機構部30に連動してローター102を把持する把持機構部であれば、適宜の構成としてもよい。あるいは、作業者が一対の把持部材42に触れてローター102を把持固定する、及び把持を解放する把持機構部としてもよい。
また、透過性を有する合成樹脂で開閉蓋12を形成したが、これに限定せず、透過性を有する開閉蓋12であれば、適宜の透過性材料で形成してもよい。例えば、透過性を有するガラス材料で開閉蓋を形成してもよい。あるいは、例えば、線材を格子状に編み込んで形成した網状部材で開閉蓋を形成してもよい。
さらに、アルミニウム合金で形成したベースプレート10したが、これに限定せず、透過性材料で形成したベースプレートとしてもよい。例えば、線材を格子状に編み込んで形成した網状部材でベースプレートを構成してもよい。
また、平面視略円形状のベースプレート10としたが、これに限定せず、例えば、円筒状部材を平面視略円形に湾曲して形成した略円環状体を、ローター抜取装置1の底部としてもよい。
また、モーターユニット100を床面に載置して、上下方向における上方をローター102の抜取方向としたが、これに限定せず、幅方向Yにおける一方をローター102の抜取方向としてもよい。
この際、抜き取ったローター102を載置する台車、あるいはベースプレート10とは別体の載置台やクッションを設けることで、ローター102の抜取方法は、上述の実施形態と同様に、作業者がハンドルから手を放すことなく、一連の動作を連続して行うことができる。
また、把持機構部40の当接部材47を末端リンク部材34に当接させる構成としたが、これに限定せず、支持架台20の橋架部22に当接する構成としてもよい。あるいは、支持架台20や末端リンク部材34とは別部材で構成するとともに、支持架台20もしくは末端リンク部材34に装着固定した突起部材に当接する構成としてもよい。
また、当接部材47のストッパボルト471を末端リンク部材34に当接する構成としたが、これに限定せず、例えばストッパボルト471に合成樹脂性のカラーを装着して、カラーが末端リンク部材34に当接する構成としてよい。
また、主軸部材41に設けたボールプランジャー45と、開閉リンク部材43の係止孔431aとで、一対の把持部材42の全開状態を維持したが、これに限定せず、所望する位置に一対の把持部材42が位置する状態を維持できる構成であれば、適宜の構成としてもよい。
例えば、開閉リンク部材43に設けた突起部と、主軸部材41に設けるとともに、突起部が凹凸嵌合する嵌合孔とで、一対の把持部材42の状態を維持する構成としてもよい。
さらに、一対の把持部材42の全開状態を維持する構成ではなく、例えば、全閉状態と全開状態との間において、ローター102のフランジ部102aよりも大きい間隔を隔てて一対の把持部材42が離間した状態を維持する構成としてもよい。
また、把持部材42に対して回転自在に支持されたガイドローラー46を備えたが、これに限定せず、一対の把持部材42の開閉を案内可能であれば、例えば、把持部材42の下端に、低摩擦部材を装着した構成であってもよい。
また、ローター102を一対の把持部材42で把持する構成としたが、これに限定せず、ローター102を複数の把持部材42で把持する構成としてよい。この際、主軸部材41と把持部材42とを複数の開閉リンク部材43で連結する構成とする。さらには、開閉蓋12を、把持部材42に応じて複数で構成してもよい。
例えば、3つの把持部材42を一組の把持部材42として、ローター102を一組の把持部材42で把持する構成としてもよい。この場合、主軸部材41と把持部材42とを、3つ一組の開閉リンク部材43で連結する。さらに、開閉蓋12を3つ一組として、一組の把持部材42が挿通可能な間隔を隔てて、ベースプレート10に配置する構成としてもよい。
本発明の抜取装置は、例えば、強力な磁力を発する抜取対象物、重量が重い抜取対象物、あるいは接触による損傷を防止した部材が周囲にある抜取対象物の抜き取りに適用することができる。
1…ローター抜取装置
10…ベースプレート
11…ローター挿通孔
12…開閉蓋
13…蝶番
30…増力機構部
30a…下部パンタグラフ構造体
30b…上部パンタグラフ構造体
31…入力リンク部材
31a…ハンドル
32…第1連結リンク部材
33…第2連結リンク部材
33a…第3交差連結部
34…末端リンク部材
40…把持機構部
40a…主軸側連結部
41…主軸部材
42…把持部材
42b…掛止爪
43…開閉リンク部材
44…支持部材
45…ボールプランジャー
46…ガイドローラー
47…当接部材
50…スライド支持機構部
100…モーターユニット
102…ローター
103…ハウジング
431a…係止孔
432a…係止孔

Claims (13)

  1. 略筒状のハウジングの内部に配置した抜取対象物を、該ハウジングの軸方向に沿った引抜方向へ抜き取る抜取装置であって、
    前記抜取対象物を把持可能な位置である把持位置において、前記抜取対象物を把持する開閉自在な一組の把持部材を有する把持機構部と、
    一端に作業者の持ち手となるハンドルを有し、他端に前記把持機構部が連結されるとともに、前記ハンドルに入力された入力荷重を増力して、前記引抜方向への引張り荷重に変換する増力機構部とで構成した
    抜取装置。
  2. 前記把持機構部を、
    前記引張り荷重によって、前記一組の把持部材が前記抜取対象物を把持する構成として、
    前記ハウジングの開口端に対して、一方の面が当接する底部構造体を備え、
    該底部構造体に、
    前記軸方向への前記把持機構部、及び前記抜取対象物の挿通を許容する対象物挿通孔と、
    前記一組の把持部材が挿通可能な間隔を隔てて、他方の面に装着した開閉自在な一組の開閉蓋とを備えた
    請求項1に記載の抜取装置。
  3. 前記底部構造体に、
    前記引抜方向とは逆方向へ前記一組の開閉蓋を付勢する付勢手段を備えた
    請求項2に記載の抜取装置。
  4. 前記一組の開閉蓋を、透過性材料で形成した
    請求項2または請求項3に記載の抜取装置。
  5. 前記把持機構部を、
    前記軸方向に対して略直交する直交方向に所定間隔を隔てて配置した前記一組の把持部材と、
    前記直交方向における前記一組の把持部材の間において、前記軸方向に延びるとともに、前記増力機構部に一端が連結される主軸部材と、
    前記一組の把持部材における一端を回転自在に軸支するとともに、前記主軸部材を前記軸方向にスライド可能に支持する支持部材と、
    前記主軸部材の他端、及び前記把持部材に対して回転自在に連結した一組の開閉リンク部材とで構成し、
    前記主軸部材と前記一組の開閉リンク部材との連結箇所を、主軸側連結部として、
    前記一組の把持部材における他端同士が近接した全閉状態において、
    前記把持部材と前記開閉リンク部材とを、
    前記主軸側連結部に対して、前記引抜方向とは逆方向側の位置で連結する構成とした
    請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の抜取装置。
  6. 前記把持部材に、
    前記抜取対象物に掛止される掛止爪を備えた
    請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の抜取装置。
  7. 前記把持機構部に、
    前記全閉状態に対して、前記一組の把持部材における他端が所定の間隔だけ離間した状態において、前記一組の開閉リンク部材の回動を規制する回動規制手段を備えた
    請求項5また請求項6に記載の抜取装置。
  8. 前記支持部材に、
    前記引抜方向で、所定部位に当接する当接部材を備えた
    請求項5から請求項7のいずれか1つに記載の抜取装置。
  9. 前記一組の把持部材に、
    前記抜取対象物に対して当接可能に配置するとともに、前記一組の把持部材の開閉を案内する案内手段を備えた
    請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の抜取装置。
  10. 前記増力機構部を、
    一端に前記ハンドルを有するとともに、他端側において略X字状に交差連結した一対の入力リンク部材と、
    該一対の入力リンク部材の他端、及び前記把持機構部を連結する複数の連結リンク部材とで構成するとともに、
    前記入力リンク部材の他端から前記連結リンク部材を交差連結して、前記軸方向に沿って伸縮可能なパンタグラフ状に構成した
    請求項1から請求項9のいずれか1つに記載の抜取装置。
  11. 前記増力機構部を、
    前記引抜方向とは逆方向側の頂部に前記把持機構部が連結され、前記引抜方向側の頂部が軸支される正面視略菱形状の第1パンタグラフ構造体と、
    前記一対の入力リンク部材を有するとともに、前記第1パンタグラフ構造体の前記引抜方向側の頂部から連続する正面視略菱形状の第2パンタグラフ構造体とで構成し、
    該第2パンタグラフ構造体を、
    前記把持機構部が前記把持位置に位置する状態において、前記軸方向に長い正面視略菱形状になるよう構成した
    請求項10に記載の抜取装置。
  12. 前記軸方向に沿ってスライド可能に、前記把持機構部を支持するスライド支持機構部を備えた
    請求項1から請求項11のいずれか1つに記載の抜取装置。
  13. 前記抜取対象物を、
    電気モーターにおける磁性を有するローターとした
    請求項1から請求項12のいずれか1つに記載の抜取装置。
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