JP2016195190A - 太陽電池モジュール用封止材シート及びそれを用いてなる封止材一体型裏面保護シート - Google Patents

太陽電池モジュール用封止材シート及びそれを用いてなる封止材一体型裏面保護シート Download PDF

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Abstract

【課題】ポリエチレン系樹脂を用いた封止材シートであって、太陽電池モジュール用の封止材シートに適する良好な柔軟性と、耐熱性と、を兼ね備えるものでありながら、太陽電池モジュールの更なる薄型化を可能とする太陽電池モジュール用の封止材シートを提供する。【解決手段】コア層11とスキン層12を有する多層シートである太陽電池モジュール用の封止材シート1であって、コア層11は、全樹脂成分中の含有量比において、融点125℃以上170℃以下の高密度ポリエチレンである耐熱性樹脂を20質量%以上95質量%以下含有し、融点70℃以上100℃以下の低密度ポリエチレンの含有量が65質量%以下であり、スキン層12は、全樹脂成分中の含有量比において、密着性樹脂を30質量%以上100質量%以下含有し、耐熱性樹脂の含有量が40質量%以下である封止材シート1とする。【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池モジュール用の封止材シート及びそれを用いてなる封止材一体型裏面保護シートに関する。
従来、太陽電池モジュールの層構成として、受光面側から、透明前面基板、受光面側封止材シート、太陽電池素子、非受光面側封止材シート及び裏面保護シートが順に積層された構成が一般的である。
太陽電池モジュールに使用される封止材シートとしては、その加工性、施工性、製造コスト、その他等の観点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)かなる樹脂シートが最も一般的なものとして使用されている。しかしながら、EVA樹脂は、長期間の使用に伴って徐々に分解する傾向があり、太陽電池モジュールの内部で劣化して強度が低下したり、太陽電池素子に影響を与える酢酸ガスを発生させたりする可能性がある。このため、EVA樹脂の代わりに、ポリエチレン等のポリオレフィン系の樹脂を使用した太陽電池モジュール用の封止材シートが提案されている(特許文献1及び2)。
ここで、一般にポリエチレン系樹脂主体の封止材シートにおいては、その密度を低密度にすることによって透明性や柔軟性を向上することができる。しかし、低密度化は、一方で、加熱加工時の過剰な流動や、高温環境下での長期使用時における製品劣化のリスクにつながる基材樹脂の耐熱性不足という問題を生じさせる。
一方で、近年においては、太陽電池モジュールに対して、サイズ及びコストの低減のため、或いは、加熱を伴う処理工程におけるカール変形抑制の観点から、特に封止材シート部分に対する薄型化の要請が高まっている。しかし、上記の通り封止材シートの薄型化は、上記の通り耐熱性の不足に起因する封止材材料樹脂成分の過剰な流動に繋がりやすくこれに伴う封止材シートの機能低下のリスクが高まる。このことが封止材シート、延いては、太陽電池モジュールの薄型化を促進する上での障害となっていた。
特許文献1及び特許文献2の封止材においては、架橋剤によって耐熱性や難燃性を付与している。例えば特許文献1では1%程度の架橋剤が添加されており、特許文献2においてもゲル分率が30%以上となる量の架橋剤が添加されている。この場合、確かに耐熱性は向上するが、柔軟性の維持が困難となる。そして、成形中に架橋が進行すると製膜性が低下するため、特許文献1のように成形を低温で行なって架橋反応を成形後に再度行なう等の配慮が必要であり、生産性の面での更なる改善が強く求められていた。
特開2000−91611号公報 特開2009−10277号公報
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、ポリエチレン系樹脂を用いた封止材シートであって、太陽電池モジュール用の封止材シートに適する良好な柔軟性と、耐熱性と、を兼ね備えるものでありながら、太陽電池モジュールの更なる薄型化を可能とする太陽電池モジュール用の封止材シートを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、太陽電池モジュール用の封止材シートをコア層とスキン層を含んでなる多層構造とし、相対的に密度の高い耐熱性樹脂と相対的に密度の低い密着性樹脂を、各層に最適配分することによって、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1) コア層とスキン層を有する多層シートである太陽電池モジュール用の封止材シートであって、前記コア層は、全樹脂成分中の含有量比において、融点125℃以上170℃以下の高密度ポリエチレンである耐熱性樹脂を20質量%以上95質量%以下含有し、融点70℃以上100℃以下の低密度ポリエチレンである密着性樹脂の含有量が70質量%以下であり、前記スキン層は、全樹脂成分中の含有量比において、前記密着性樹脂を30質量%以上100質量%以下含有し、前記耐熱性樹脂の含有量が40質量%以下である封止材シート。
(2) 厚さが100μm以上400μm以下である(1)に記載の封止材シート。
(3) 厚さが100μm以上250μm以下である(1)に記載の封止材シート。
(4) スキン/コア/スキンの3層構造を有する多層シートであって、一のスキン層及び/又はコア層には有色顔料が含有されていて、他のスキン層には、有色顔料が含有されていない(1)から(3)のいずれかに記載の封止材シート。
(5) (1)から(4)のいずれかに記載の封止材シートと、裏面保護シートとが、前記スキン層が最外層側に露出する態様で積層されてなる太陽電池モジュール用の封止材一体型裏面保護シート。
(6) (4)に記載の封止材シートと、裏面保護シートとが積層されてなる太陽電池モジュール用の封止材一体型裏面保護シートであって、有色顔料を含有する一の前記スキン層が、前記裏面保護シートに対面する態様で前記封止材シートが前記裏面保護シートに積層されている封止材一体型裏面保護シート。
(7) 前記裏面保護シートが、ポリエチレンテレフタレート層及び/又は耐加水分解ポリエチレンテレフタレート層を含んで構成されている(5)又は(6)に記載の封止材一体型裏面保護シート。
(8) 厚さが180μm以上480μm以下である(5)から(7)のいずれかに記載の封止材一体型裏面保護シート。
(9) (5)から(8)のいずれかに記載の封止材一体型裏面保護シートが、太陽電池素子の非受光面側に、前記スキン層が対面する態様で、積層されている太陽電池モジュール。
本発明によれば、太陽電池モジュール用の封止材シートに適する良好な柔軟性と、耐熱性と、を兼ね備えるものでありながら、太陽電池モジュールの更なる薄型化を可能とする太陽電池モジュール用の封止材シートを提供することができる。
本発明の封止材シートの層構成を示す断面の模式図である。 本発明の封止材シートを用いてなる封止材一体型裏面保護シートの層構成を示す断面の模式図である。 本発明の封止材一体型裏面保護シートを用いてなる太陽電池モジュールの層構成の一例を示す断面の模式図である。 従来の一般的な太陽電池モジュールの層構成の一例を示す断面の模式図である。
以下、本発明の封止材シート、それを用いた封止材一体型裏面保護シート、及び、それらを用いた太陽電池モジュールの詳細について説明する。本発明は以下に記載される実施形態に限定されるものではない。
<太陽電池モジュールの基本構成>
先ず、本発明の封止材シートを含んで構成される封止材一体型裏面保護シートを用いた太陽電池モジュール100の基本構成について、図3を用いて説明する。太陽電池モジュール100は、非受光面側から、本発明の封止材一体型裏面保護シート10、太陽電池素子3、受光面側封止材シート4、受光面側の最外層に配置される透明前面基板5が順に積層された構成である。
ここで、図4は、従来の一般的な太陽電池モジュール(太陽電池モジュール100A)の層構成を示すものである。従来型の太陽電池モジュール100Aは、非受光面側から、裏面保護シート7、非受光面側封止材シート6、太陽電池素子3、受光面側封止材シート4、受光面側の最外層に配置される透明前面基板5が順に積層された構成を有する。
本発明の封止材一体型裏面保護シート10は、耐熱性等を保持したまま薄型化が可能な本発明の封止材シート1と、バリア性を有する裏面保護シート2と、が一体積層されてなる多層シートである(図2参照)。よって、これを用いた太陽電池モジュール100においては、太陽電池素子3の両面に従来品の封止材シートを積層した従来一般的な太陽電池モジュール100Aよりも、太陽電池モジュールのより一層の薄型化を実現することができる。
太陽電池モジュール100に用いる太陽電池素子3としては、例えば、アモルファスシリコン型、結晶シリコン型、CdTe型、CIS型、GaAs型、その他、特に限定なく従来公知の様々な太陽電池素子を用いることができる。
受光面側封止材シート4は、太陽電池モジュール100内において、主には太陽電池素子3を外部衝撃から保護するために太陽電池素子3の表面を覆って配置される樹脂シートである。受光面側封止材シート4を形成する樹脂基材としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、アイオノマー、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂を適宜用いることができる。
透明前面基板5は、一般にガラス製の基板である。透明前面基板5は、又、太陽電池モジュール100の耐候性、耐衝撃性、耐久性を維持しつつ、且つ、太陽光線を高い透過率で透過させるものであればその他の部材であってもよい。
例えば、従来型の太陽電池モジュール100A(図4)における一般的な態様として、裏面保護シート7の厚さは80μm〜100μm程度であり、非受光面側封止材シート6の厚さは400〜600μm程度であるので太陽電池素子3の非受光面側に積層される封止材シートと裏面保護シートとを含んでなる樹脂基材層の総厚さは概ね500μmから700μm程度となる。これに対して本発明の太陽電池モジュール100(図3)においては、太陽電池素子3の非受光面側に積層される封止材一体型裏面保護シートの総厚さを、380〜500μm程度とすることができる。又、有色顔料を含まない態様の封止材シート1を、受光面側封止材シートとして配置することによって、太陽電池モジュールの総厚さをよりいっそうの薄くすることも可能である。
<封止材シート>
本発明の封止材シート1は、コア層とスキン層を有する多層シートである。封止材シート1は、コア層11における一方の面にのみスキン層12が積層される層構成であってもよいが、図1に示す通り、コア層11の両面にスキン層12が積層される層構成であることが好ましい。上記いずれの構成においても、封止材シート1は、各層毎に以下に説明する耐熱成分と密着成分とを、それぞれ最適な組成で配合することにより、太陽電池モジュール用の封止材シートに求められる耐熱性、熱加工適性や、柔軟性、基材密着性等の各種要求物性を保持したまま、太陽電池モジュールの薄型化の要請にも十分に対応することができる。
封止材シート1の厚さは、特に限定されないが、100μm以上400μm以下の範囲であることが好ましく、250μm以下とした場合においても、十分に上記の耐熱性他、諸々の要求物性を保持することができる。尚、スキン層12がコア層11の両面に積層されて三層構造の封止材シート1を構成する場合においては、それらの厚さ比は、スキン:コア:スキンの厚さ比において、1:3:1〜1:30:1の範囲であることが好ましい。
[コア層]
コア層11は、封止材シート1に、主として、耐熱性や適度な剛性を付与する機能を有する。コア層11は、ポリエチレン系樹脂をベース樹脂とするコア層組成物からなる。
コア層11の厚さは、一例として、40μm以上240μm以下が挙げられ、特に限定されない。コア層11の厚さが40μm以上であることにより、封止材シート1に、良好な寸法安定性を付与することがでる。又、コア層11の厚さが240μm以下であることにより、封止材シート1に、ラミネート加工時のシート搬送適性を付与することができる。
(コア層組成物)
コア層11を形成するコア層組成物は、複数の融点の異なるポリエチレン系樹脂をブレンドしたものをベース樹脂とする。そしてコア層組成物は、全樹脂成分中の含有量比において、相対的に密度の高い、融点125℃以上170℃以下の高密度ポリエチレン樹脂を、20質量%以上95質量%以下、好ましくは70質量%以上90質量%以下含有する。又、コア層組成物は、相対的に密度の低い融点70℃以上100℃以下の低密度ポリエチレン樹脂を含有させることができるが、その場合、同成分の含有量は、上記含有量比において、70質量%以下であり、好ましくは、65質量%以下である。以下、上記の融点125℃以上170℃以下の高密度ポリエチレン樹脂のことを「耐熱成分」とも言い、上記の融点70℃以上100℃以下の低密度ポリエチレン樹脂のことを「密着成分」とも言う。即ち、コア層11は、この耐熱成分を上記の通り所定割合以上で含有してなるコア層組成物からなる耐熱性強化を主たる機能とする層である。
耐熱成分としては、融点125℃以上170℃以下で、密度が0.930g/cm以上0.990g/cm以下、好ましくは、0.935g/cm以上0.970g/cm3以下の高密度ポリエチレン(HDPE)を用いることができる。耐熱成分として、上記融点、及び密度範囲にあるHDPEを、上述した通りの配合比でコア層組成物に含有させることにより、封止材シートを400μm以下の薄型のシートとした場合においても良好な耐熱性を封止材シート1に備えさせることができる。
耐熱成分として用いる高密度ポリエチレンのメルトマスフローレート(MFR)は、190℃、荷重2.16kg、において0.1g/10分以上40g/10分以下であることが好ましく、3.0g/10分以上15g/10分以下であることが更に好ましい。耐熱成分のMFRが上記範囲であることにより、製膜時の加工適性に優れるとともに、コア層11を有する封止材シート1に、優れた耐熱性及びそれに基づく優れた耐久性を付与することができる。又、封止材シート1に十分な耐熱性を付与することによって、特に態様電池モジュールの製造における真空ラミネート加工時に問題となり易い封止材シートのカール変形の発生も抑制することができる。
尚、本明細書中におけるMFRとは、特に断りのない限り、全て以下の方法により得られた値である。
MFR(g/10min):JIS K7210に準拠して測定。具体的には、ヒーターで加熱された円筒容器内で合成樹脂を、190℃で加熱・加圧し、容器底部に設けられた開口部(ノズル)から10分間あたりに押出された樹脂量を測定した。試験機械は押出し形プラストメータを用い、押出し荷重については2.16kgとした。
コア層組成物に密着成分を含有させる場合、融点70℃以上100℃以下で、密度が0.920g/cm以下、好ましくは0.880g/cm以上0.910g/cm以下の低密度ポリエチレン(LDPE)を、同成分として用いることができる。密着成分は、より好ましくは、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であり、その融点と密度が上記範囲にある直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いることができる。密着成分の種類、融点と密度範囲及び含有量比を上述した組成範囲とすることにより、コア層11の耐熱性を保持しつつ、封止材シート1に、必要な柔軟性を付与することができる。
密着成分として用いるポリエチレン系樹脂としては、メタロセン系直鎖低密度ポリエチレン(M−LLDPE)が更に好ましい。M−LLDPEは、シングルサイト触媒であるメタロセン触媒を用いて合成されるものである。このようなポリエチレンは側鎖の分岐が少なく、コモノマーの分布が均一である。このため、分子量分布が狭く、上記のような超低密度にすることが比較的容易に可能である。又、結晶性分布が狭く、結晶サイズが揃っているので、結晶サイズの大きいものが存在しないばかりでなく、低密度であるために結晶性自体が低い。このため、シート状に加工した際の加工適性や柔軟性にも優れる。
LLDPEのα−オレフィンとしては、好ましくは分枝を有しないα−オレフィンが好ましく使用され、これらの中でも、炭素数が6〜8のα−オレフィンである1−ヘキセン、1−ヘプテン又は1−オクテンが特に好ましく使用される。α−オレフィンの炭素数が6以上8以下であることにより、コア層11に必要な柔軟性を付与することができるとともに良好な強度を付与することができる。
密着成分として用いる低密度ポリエチレンのメルトマスフローレート(MFR)は、190℃、荷重2.16kg、において0.5g/10分以上30g/10分以下であることが好ましく、1g/10分以上20g/10分以下であることが更に好ましい。MFRが上記の範囲であることにより、製膜時の加工適性に優れた樹脂組成物とすることができる。
コア層11には、更に、シラン変性ポリエチレンを所定の割合で含有させてもよい。ここで、シラン変性ポリエチレンとは、低密度ポリエチレンにエチレン性不飽和シラン化合物がグラフト重合してなる樹脂である。その詳細は後述する。
コア層11には、更に、無機フィラーを含有させることができる。これにより、コア層11の剛性が高まり、封止材シート1の好ましくないカール変形の発生を抑制することができる。そのような無機フィラーとしては、タルク(含水珪酸マグネシウム)、又は、酸化チタン、その他として、炭酸カルシウム、カーボンブラック、チタンブラック、Cu−Mn系複合酸化物、Cu−Cr−Mn系複合酸化物、或いは、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ケイ素、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、チタンイエロー、クロムグリーン、群青、アルミニウム粉、雲母、炭酸バリウム等を用いることができる。コア層11を形成するコア層組成物中の無機フィラーの含有は必須ではなく、その含有量は、コア層組成物の樹脂成分中、0質量%以上30質量%以下の範囲であればよい。
尚、裏面保護シートが有色の外観を有するものであることが求められる場合には、上記の無機フィラーの中でも、耐候性に優れ、塗料化が容易であること及び価格を含め入手が安易であることから、白色顔料としては、酸化チタン等を、黒色顔料としては、カーボンブラック等を更に含むものとしてもよい。これらの有色顔料が含まれることにより、太陽光線の再反射による発電効率の向上や、或いは意匠面での要請に応えることができる点において好ましい。
[スキン層]
スキン層12は、封止材シート1の一方の最外層又は両方の最外層に配置される層である。スキン層12は、太陽電池モジュール100において、太陽電池素子3の非受光面側の表面及び受光面側封止材シート4との密着面、又は、封止材一体型裏面保護シート10を形成する際の裏面保護シート2との密着面となる。特に前者の場合において、封止材シート1の密着性や、太陽電池モジュールとしての一体化のためのラミネート加工時における他部材の凹凸への追従性(以下「モールディング特性」と言う)の向上に寄与する。
スキン層12の厚さは、封止材シート1に要求される厚さ(薄さ)を考慮して適宜決定すればよい。一例として、スキン層12が、コア層11の一方の面に積層される層構成の場合、スキン層12の好ましい厚さとしては、3μm以上150μm以下が挙げられる。スキン層12の厚さが3μm以上であることにより、封止材シート1に十分な密着性とモールディング特性を付与することができる。
スキン層12がコア層11の両面に形成される場合、それら2層のうち、いずれか一方のスキン層12に有色顔料を含有させることができる。この場合、他方のスキン層12には有色顔料が含有されていないことが好ましい。このような層構成を有する封止材シート1は、有色顔料を含有する一方のスキン層12が裏面保護シート2に対面するように太陽電池モジュール100内に配置することが好ましい。これにより、太陽電池モジュール100において、封止材シート1に太陽電池素子3の非受光面側での光反射機能を発揮させて、太陽電池モジュール100の発電率向上に寄与することができる。このとき、他方のスキン層12には、有色顔料を含有させないこととすれば、顔料の過剰添加による同層の密着性やモールディング特性の低化を防ぐことができる。よって、他方のスキン層12には、有色顔料を含有させないことが好ましい。
(スキン層組成物)
スキン層12を形成するスキン層組成物は、複数の融点の異なるポリエチレン系樹脂をブレンドしたものをベース樹脂とする。そして、スキン層組成物は、全樹脂成分中の含有量比において、相対的に密度の低い融点70℃以上100℃以下の低密度ポリエチレン樹脂を30質量%以上100質量%以下、好ましくは70質量%以上100質量%以下含有する。又、スキン層組成物は、相対的に密度の高い、融点125℃以上170℃以下の高密度ポリエチレン樹脂を含有させることができるが、その場合、同成分の含有量は、上記含有量比において、40質量%以下であり、好ましくは、20質量%以下である。即ち、スキン層12は、密着成分を上記の通り所定割合以上で含有してなるスキン層組成物からなるモールディング特性と密着性の強化を主たる機能とする層である。
スキン層組成物には上記の密着成分として、融点70℃以上100℃以下で、密度が0.920g/cm以下、好ましくは0.880g/cm以上0.910g/cm以下の低密度ポリエチレン(LDPE)、より好ましくは、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であり、その融点と密度が上記範囲にある直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いることができる。密着成分の種類、融点と密度範囲及び含有量比を上述した組成範囲とすることにより、スキン層12を有する封止材シート1に、好ましい柔軟性を付与することができる。
スキン層組成物には併せて上記の耐熱成分、即ち、融点125℃以上170℃以下で、密度が0.930g/cm以上0.990g/cm以下、好ましくは、0.935g/cm以上0.970g/cm以下の高密度ポリエチレン(HDPE)を用いることができる。耐熱成分として、上記融点、及び密度範囲にあるHDPEを、上述した通りの範囲内でスキン層組成物に含有させることにより、上記の密着成分の含有に由来するスキン層12の柔軟性を保持したまま、好ましい耐熱性をスキン層12に備えさせることができる。尚、密着成分と耐熱成分とをいずれもポリエチレン系樹脂とすることにより、両樹脂間の高い相溶性により、良好な成形性・分散性を得ることができる。
又、スキン層組成物には、シラン変性ポリエチレンが、所定の割合で含有されていることが好ましい。シラン変性ポリエチレン系樹脂は、主鎖となる直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)等に、エチレン性不飽和シラン化合物を側鎖としてグラフト重合してなるものである。このようなグラフト共重合体は、接着力に寄与するシラノール基の自由度が高くなるため、封止材シート1の密着性を更に向上させることができる。
エチレン性不飽和シラン化合物の含量であるグラフト量は、スキン層を形成するポリエチレン系樹脂100質量部に対する前記エチレン性不飽和シラン化合物のグラフト量が、例えば、0.001質量部以上15質量部以下、好ましくは、0.05質量部2質量部以下、より好ましくは、0.1質量部以上1.0質量部以下となるように適宜調整すればよい。エチレン性不飽和シラン化合物の含量が多い場合には、機械的強度及び耐熱性等に優れるが、含量が過度になると、引っ張り伸び及び熱融着性等に劣る傾向にある。
シラン変性ポリエチレン系樹脂は、例えば、特開2003−46105号公報に記載されている方法で製造でき、当該樹脂を太陽電池モジュール用の封止材組成物の成分として使用することにより、強度、耐久性等に優れ、且つ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐風圧性、耐降雹性、その他の諸特性に優れ、更に、太陽電池モジュールを製造する加熱圧着等の製造条件に影響を受けることなく極めて優れた熱融着性を有し、安定的に、低コストで、種々の用途に適する太陽電池モジュールを製造しうる。
直鎖低密度ポリエチレンとグラフト重合させるエチレン性不飽和シラン化合物として、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリペンチロキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリベンジルオキシシラン、ビニルトリメチレンジオキシシラン、ビニルトリエチレンジオキシシラン、ビニルプロピオニルオキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリカルボキシシランより選択される1種以上を使用することができる。
(その他の成分)
スキン層組成物及びコア層組成物には、更にその他の成分を含有させることができる。例えば、封止材シート1に、耐候性を付与するための各種の耐候性マスターバッチ、各種フィラー、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等の成分が例示される。これらの含有量は、その粒子形状、密度等により異なるものではあるが、それぞれ封止材組成物中に0.001質量%以上5質量%以下の範囲内であることが好ましい。これらの添加剤を含むことにより、封止材シート1に、長期に亘る安定した機械強度の向上や、黄変やひび割れ等の防止効果等を付与することができる。
<封止材一体型裏面保護シート>
図2に示す通り、封止材一体型裏面保護シート10は、封止材シート1と裏面保護シート2とを一体形成してなる多層の樹脂シートである。封止材一体型裏面保護シート10の厚さは、特に限定されないが、325μm以上500μm以下程度の範囲の厚さを一般的な例として、180μm以上480μm以下の範囲の厚さである例をより好ましい実施形態の具体的な例として挙げることができる。そして、封止材一体型裏面保護シート10は、封止材シート1が太陽電池素子3の非受光面側と対面する態様で太陽電池モジュール100内に配置されて用いられる。
封止材シート1と積層されて封止材一体型裏面保護シート10を構成する裏面保護シート2としては、従来、太陽電池モジュール用の裏面保護シートとして用いられてきた各種の樹脂シートを用いることができる。裏面保護シート2を形成する樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等、各種の樹脂シートを用いることができる。これらの中でも、絶縁性能、機械強度、コスト、透明性等の物性及び経済性の観点からポリエチレンテレフタレート(PET)を好ましく用いることができる。又、機械強度や水蒸気バリア性向上の更なる向上の観点から、上記PETの他に更に耐加水分解性PETを最外層に積層した多層シートを、裏面保護シート2として、特に好ましく用いることができる。
裏面保護シート2の厚さは、特に限定されないが、裏面保護シート2に要求される水蒸気のバリア性等の物性を維持することできる範囲で、封止材一体型裏面保護シート10に要求される厚さを考慮して適宜決定すればよい。裏面保護シート2の厚さは、25μm以上300μm以下であることが好ましく、25μm以上250μm以下であることがより好ましい。裏面保護シート2の厚さが25μm以上であることにより、封止材一体型裏面保護シート10に好ましい耐久性、耐候性を付与することができる。
尚、裏面保護シート2は、太陽電池モジュールとの一体化時に最外層側となることが想定される一方の面に、耐候層(図示せず)を更に積層したものも好ましく用いることができる。耐候層は、耐候性、耐熱性、耐光性等に優れたものを使用する。耐候層を形成する基材としては、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニル・エステル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(四フッ化エチレン・エチレン共重合体)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等のフッ素系樹脂等の樹脂シート、或いは、アルミニウムシート等が好ましく例示される。又、耐候層は、フッ素コート、EBコート、シリカ蒸着等による表面加工によって基材層表面に耐候性コーティング層を形成したものであってもよい。更に、上記の耐候性を有する樹脂シート等を所定の厚さや加工によって必要な強度をもたせるようにしたものを、裏面保護シート2として用いることもできる。
封止材一体型裏面保護シート10における、封止材シート1と、裏面保護シート2との一体化は、接着剤層(図示せず)を介して行われるドライラミネート法によることが好ましい。但し、所望の密着性や耐久性を保持できる手段であれば、従来公知の他の手段による一体化であってもよい。例えば、裏面保護シート2の表面上に押し出し機で封止材シートとなる樹脂組成物を直接押し出して封止材シート1を形成する押出しコートラミネート法や、その応用形態であるサンドイッチラミネート法によっても封止材シート1と、裏面保護シート2とを一体化して封止材一体型裏面保護シート10とすることができる。
<封止材一体型裏面保護シートの製造方法>
本発明の封止材一体型裏面保護シートの製造方法について説明する。封止材一体型裏面保護シート10は、裏面保護シート2を形成する「裏面保護シート形成工程」と、封止材シート1を形成する「封止材シート形成工程」と、裏面保護シート2に封止材シート1を積層して一体化する「一体化工程」と、を経ることによって製造することができる。
(裏面保護シート形成工程)
裏面保護シート2は、上記において説明したPET等の樹脂材料を、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法、その他の成膜化法等により成膜することにより形成することができる。尚、裏面保護シート2は、本発明の効果を害さない範囲で、上記樹脂材料の他に顔料等のその他の添加物を含むものであってもよい。
(封止材シート形成工程)
封止材シート1は、上述のスキン層組成物とコア層組成物とを、公知の共押出し法により一体成形して多層シート化することにより得ることができる。
(一体化工程)
封止材シート1と、裏面保護シート2と、及び必要に応じて同様の方法によって形成したその他の層を形成するシートとを適宜積層して、更に一体化することにより、本発明の封止材一体型裏面保護シート10を得ることができる。各シートの一体化は従来公知のドライラミネート法によることができる。ラミネート接着剤は従来公知のものが利用でき特に限定されず、ウレタン系、エポキシ系等の主剤と硬化剤とからなる2液硬化型のドライラミネート接着剤等が適宜使用可能である。尚、この一体化工程は、押出しコートラミネート法や、その応用形態であるサンドイッチラミネート法によることもできる。
<太陽電池モジュールの製造方法>
太陽電池モジュール100は、例えば、上記の透明前面基板5、受光面側封止材シート4、太陽電池素子3、及び封止材一体型裏面保護シート10からなる部材を順次積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の部材を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる。例えば真空熱ラミネート加工による場合、ラミネート温度は、130℃〜180℃の範囲内とすることが好ましい。又、ラミネート時間は、5〜20分の範囲内が好ましく、特に8〜15分の範囲内が好ましい。このようにして、上記各層を一体成形体として加熱圧着成形して、太陽電池モジュール100を製造することができる。
以下、実施例、比較例を示して、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<封止材シートの製造>
下記の材料を用いて、上記記載の「封止材シートの製造方法」により、実施例、比較例の封止材シートを作成した。
下記の材料をそれぞれ表1及び表2の組成で混合したものを、それぞれ実施例、比較例の封止材シートのコア層用及びスキン層のブレンドとして、それぞれ使い分けた。そして、これらの各ブレンドを、φ30mm押出し機、200mm幅のTダイスを有するシート成形機を用いて、押出し温度210℃、引き取り速度1.1m/minでシート成型し、それらを2層又は3層の封止材シートとした。各封止材シートの総厚さと各層の厚さは表1及び表2に記載の通りとした。
封止材シートの材料として以下の原材料を使用した。
高密度ポリエチレン(HDPE、表中「HD」と表記):密度0.963g/cm、融点135℃。MFRが7.0g/10分。
低密度ポリエチレン(LDPE、表中「LD」と表記):密度0.918g/cm、融点106℃。MFRが2.3g/10分。
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、表中「LLD」と表記):密度0.905g/cm、融点97℃。MFR3.5g/10分。
シラン変性ポリエチレン系樹脂(表中「Si」と表記):密度0.900g/cm、MFR1.2g/10分のメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)98質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.1質量部と、を混合し、200℃で溶融、混練し、密度0.903g/cm、MFR1.0g/10分であるシラン変性透明樹脂を得た。
白色顔料マスターバッチ(表中で「白MB」と表記):平均粒径0.3μmの酸化チタンを、上記の高密度ポリエチレン(HDPE)40質量部に対し、60質量部を混合し、200℃で溶融、混練し、ペレット状に成形したものを用いた。
耐候性マスターバッチ(表中で「耐候MB」と表記):上記の高密度ポリエチレン(HDPE)を粉砕したパウダー100質量部に対して、ベンゾフェノール系紫外線吸収剤3.8質量部とヒンダードアミン系光安定化剤5質量部と、リン系熱安定化剤0.5質量部とを混合して溶融、加工し、ペレット状に成形したものを用いた。
又、上記実施例、比較例の各封止材シートのコア層とスキン層にそれぞれ含まれるポリエチレン系樹脂について、全樹脂成分中の、融点70℃以上100℃以下の低密度ポリエチレンの含有量(質量%)と、融点125℃以上170℃以下の高密度ポリエチレンの含有量(質量%)と、を算出した。各値はそれぞれ、融点70℃以上融点100℃未満の低密度ポリエチレンについては、「密着成分」として、又、融点125℃以上170℃以下の高密度ポリエチレンについては、「耐熱成分」として、表1〜表4に示した。
Figure 2016195190
Figure 2016195190
<封止材一体型裏面保護シートの製造>
又、上記各実施例、比較例の封止材シートと、表面にコロナ処理を施したPETフィルム(帝人デュポン社製、「Melinex S」、厚さ100μm)と、を、従来公知のドライラミネート法で積層して各実施例、比較例の封止材一体型裏面保護シートを得た。
上記実施例、比較例の各封止材シート及び封止材一体型裏面保護シートについて、下記記載の試験方法及び評価基準に基づいて、ラミネート加工適性、耐熱性、及び密着性について測定して評価した。結果を表3及び表4に示す。
<ラミネート加工適性評価>
白板半強化ガラス、タブ線接着済みの太陽電池素子、受光面側用の封止材シート、及び実施例、比較例の各「封止材一体型裏面保護シート」を、それぞれ白板半強化ガラス/受光面側用の封止材シート/タブ線接着済みの太陽電池素子/封止材/封止材一体型裏面保護シートの順で積層し、下記のラミネート条件で、真空加熱ラミネート処理を行い、それぞれの実施例、比較例について太陽電池モジュール評価用サンプルを得た。これらの太陽電池モジュール評価用サンプルについて、外観目視、光学顕微鏡観察により封止材が配線部分周辺に埋まり込み、封止できているかを観察し、下記の評価基準により、ラミネート加工適性を評価した。評価結果を表3及び表4に「ラミネート加工適性」として示す。
(ラミネート条件) 真空引き:5.0分
加圧(0kPa〜100kPa):1.0分
圧力保持(100kPa):10.0分
温度150℃
(ラミネート加工適性評価基準)
A:埋まりこみ不足なし
B:埋まりこみ不足あり
C:気泡あり
<密着性評価>
シボ加工を施した50mm×75mm×3.2mmガラスに、受光面側封止材シートとして汎用的に用いられているEVA封止材(EVA架橋タイプ、厚さ500μm)を積層し、当該EVA封止材の表面に、15mm幅にカットした実施例、比較例の各「封止材シート」を、それぞれ、各封止材シートのスキン層(スキン1)を向けて積層し、上記ラミネート加工適性評価時と同一のラミネート条件で、真空加熱ラミネート処理を行い、それぞれの実施例、比較例について密着性評価用積層体サンプルを得た。これらの評価用積層体サンプルについて、下記の「密着強度試験方法」により、密着強度を測定して密着性を評価した。
[密着強度試験]
上記密着性評価用積層体サンプルにおいて、ガラス上に密着している封止材シートを、剥離試験機(テンシロン万能試験機 RTF−1150−H)にて垂直剥離(50mm/min)試験を行い、封止材シートの密着強度を測定した。それぞれの実施例及び比較例について測定結果を、以下の評価基準により評価した。評価結果を表3及び表4に「密着性」として示す。
(密着性評価基準)
A:40N/15mm以上
B:25N/15mm以上40N/15mm未満
C:25N/15mm未満
<耐熱性評価>
7.5×5.0cmにカットした実施例、比較例の各封止材シートを、ガラス基板(白板フロート半強化ガラス JPT3.2 150mm×150mm×3.2mm)上に2枚重ね置き、その上からガラス基板(白板フロート半強化ガラス JPT3.2 75mm×50mm×3.2mm)を重ね置き、上記ラミネート条件で真空加熱ラミネート処理を行い、それぞれの実施例、比較例について耐熱性評価用積層体サンプルを得た。これらの耐熱性評価用積層体サンプルについて、下記の「密着強度試験方法」により、耐熱クリープを測定し、耐熱性を評価した。
[耐熱クリープ試験]
上記の耐熱性評価用積層体サンプルを垂直に置き、130℃で12時間放置し、放置後のガラス基板(白板フロート半強化ガラス JPT3.2 75mm×50mm×3.2mm)の移動距離を計測評価した。実施例、比較例の各封止材シートについての測定結果を、以下の評価基準により評価した。評価結果を表3及び表4に「耐熱性」として示す。
(耐熱性評価基準)
A:1.0mm未満
B:3.0mm以上6.0mm未満
C:6.0mm以上
Figure 2016195190
Figure 2016195190
表1〜表4より、本発明の封止材シート及びそれを用いた封止材一体型裏面保護シートは、封止材シートの厚さを従来品よりも薄い300μm程度とした場合においても、太陽電池モジュール用の封止材シートに適する良好な柔軟性と、耐熱性と、を兼ね備えるものであり、ラミネート加工適性、密着性に優れるものであることが分る。
1 封止材シート
11 コア層
12 スキン層
2、7 裏面保護シート
3 太陽電池素子
4 受光面側封止材シート
5 透明前面基板
6 非受光面側封止材シート
10 封止材一体型裏面保護シート
100 太陽電池モジュール

Claims (9)

  1. コア層とスキン層を有する多層シートである太陽電池モジュール用の封止材シートであって、
    前記コア層は、全樹脂成分中の含有量比において、融点125℃以上170℃以下の高密度ポリエチレンである耐熱性樹脂を20質量%以上95質量%以下含有し、融点70℃以上100℃以下の低密度ポリエチレンである密着性樹脂の含有量が70質量%以下であり、
    前記スキン層は、全樹脂成分中の含有量比において、前記密着性樹脂を30質量%以上100質量%以下含有し、前記耐熱性樹脂の含有量が40質量%以下である封止材シート。
  2. 厚さが100μm以上400μm以下である請求項1に記載の封止材シート。
  3. 厚さが100μm以上250μm以下である請求項1に記載の封止材シート。
  4. スキン/コア/スキンの3層構造を有する多層シートであって、
    一のスキン層及び/又はコア層には有色顔料が含有されていて、
    他のスキン層には、有色顔料が含有されていない請求項1から3のいずれかに記載の封止材シート。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の封止材シートと、裏面保護シートとが、前記スキン層が最外層側に露出する態様で積層されてなる太陽電池モジュール用の封止材一体型裏面保護シート。
  6. 請求項4に記載の封止材シートと、裏面保護シートとが積層されてなる太陽電池モジュール用の封止材一体型裏面保護シートであって、有色顔料を含有する一の前記スキン層が、前記裏面保護シートに対面する態様で前記封止材シートが前記裏面保護シートに積層されている封止材一体型裏面保護シート。
  7. 前記裏面保護シートが、ポリエチレンテレフタレート層及び/又は耐加水分解ポリエチレンテレフタレート層を含んで構成されている請求項5又は6に記載の封止材一体型裏面保護シート。
  8. 厚さが180μm以上480μm以下である請求項5から7のいずれかに記載の封止材一体型裏面保護シート。
  9. 請求項5から8のいずれかに記載の封止材一体型裏面保護シートが、太陽電池素子の非受光面側に、前記スキン層が対面する態様で、積層されている太陽電池モジュール。
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