JP2016195062A - ポリプロピレン樹脂製の照明カバー - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量で、剛性、耐衝撃性、及び耐傷つき性が良く、並びに全光線透過率と光拡散性のバランスに優れた照明カバーを提供すること。
【解決手段】プロピレン単独重合体部分とプロピレン・α−オレフィン共重合体部分とからなり、ヘーズが、90.0〜99.9%のプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)を含み、比重が0.95未満であることを特徴とする照明カバー。
さらに、照明カバーには、エチレン含量が0.1〜7重量%、MFRが1〜100g/10分、全光線透過率が80〜90%、ヘーズが30〜95%のプロピレン−エチレンランダム共重合体や、全光線透過率が85%以上、ヘーズが2%以下、屈折率が1.45以下または1.53以上、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体と非相容の熱可塑性樹脂等を含めることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリプロピレン樹脂製の照明カバーに関し、詳しくは、軽量で、剛性、耐衝撃性、及び耐傷つき性が良く、並びに全光線透過率と光拡散性のバランスに優れたポリプロピレン樹脂製の照明カバーに関する。
室内などの照明および内照式電飾パネルにおける照明等においては、光源の光量を有効に活用しながら光を広範囲にわたって照らすために、光を効率よく拡散することが求められる。このために、樹脂製の照明カバーにも光の透過性と拡散性が求められる。
また近年、経済性、リサイクル性、軽量化等の理由により、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂に代わりポリプロピレン樹脂を用いた照明カバーの需要が高まっている。そして、ポリプロピレン樹脂を用いた光拡散シートや照明カバーが種々検討されている。
例えば、特許文献1では、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂とからなる低比重を目指した照明カバーが提案されているが、依然、比重が0.97以上もあり、軽量化が不十分であるし、耐薬品性も十分とはいえない。
また、特許文献2では、ポリプロピレン樹脂を主成分とし、光拡散剤として無機フィラーが添加された、機械的強度と光拡散性を有する照明カバーが提案されているが、無機フィラーの割合は2〜11重量%あり、軽量化は十分とはいえない。
特開2000−322916号公報 特開2007−145909号公報
本発明が解決しようとする課題は、従来の技術の現状に鑑み、従来の技術では困難であった、軽量で、剛性、耐衝撃性、及び耐傷つき性が良く、並びに全光線透過率と光拡散性のバランスに優れた照明カバーを提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定のプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体を用いる照明カバーが、上記の課題を解決できることを見出し、これらの知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の条件(A−1)〜(A−2)を満足するプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)を含み、比重が0.95未満であることを特徴とする照明カバーである。
(A−1):プロピレン単独重合体部分とプロピレン・α−オレフィン共重合体部分とからなる。
(A−2):ヘーズが、試験片厚み2mmにおいて、90.0〜99.9%である。
また、本発明は、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)100重量部に対して、下記の条件(B−1)〜(B−4)を満足するプロピレン−エチレンランダム共重合体(B)5〜1000重量部を含むことを特徴とする前記の照明カバーであることが好ましい。
(B−1):エチレン含量が、0.1〜7重量%である。
(B−2):メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が、1〜100g/10分である。
(B−3):全光線透過率が、試験片厚み2mmにおいて、80〜90%である。
(B−4):ヘーズが、試験片厚み2mmにおいて、30〜95%である。
また、本発明は、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)100重量部に対して、下記の条件(C−1)〜(C−4)を満足する熱可塑性樹脂(C)0.4〜50重量部を含むことを特徴とする前記の照明カバーであることが好ましい。
(C−1):プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)と非相容である。
(C−2):全光線透過率が、試験片厚み2mmにおいて、85%以上である。
(C−3):ヘーズが、試験片厚み2mmにおいて、2%以下である。
(C−4):屈折率が、1.45以下、または1.53以上である。
本発明の照明カバーは、軽量で、剛性、耐衝撃性、及び耐傷つき性が良く、並びに全光線透過率と光拡散性のバランスに優れる。そのため、照明カバーとして触った感じの質感に優れるほか、光源の眩しさを抑えながら、周囲を広範囲にわたって照らすことが可能になって目に優しいという効果が得られる。さらに照明設備の軽量化にも効果がある。
また、本発明の照明カバーは、従来のアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等からなる照明カバーに比べて、環境負荷の懸念がより小さいものといえる。
本発明は、特定のプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体を含み、比重が0.95未満であることを特徴とする照明カバーに関する。
以下、詳細に説明する。
1.プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)
本発明の照明カバーは、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)を含む。
本発明に用いられるプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)は、下記の条件(A−1)〜(A−2)を満足するプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)であることが好ましい。
(A−1):プロピレン単独重合体部分とプロピレン・α−オレフィン共重合体部分とからなる。
(A−2):ヘーズが、試験片厚み2mmにおいて、90.0〜99.9%である。
プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体とは、一般にポリプロピレン成分とプロピレン・α−オレフィン共重合体成分とを、この順に又はこれとは逆の順に、逐次重合して得られるものを指し、通常はポリプロピレン成分とプロピレン・α−オレフィン共重合体成分との混合物である。しかし、ポリプロピレンとプロピレン・α−オレフィン共重合体とが化学結合したブロック共重合体の成分を含んでいてもよい。本発明に用いられるプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体は、ポリプロピレン成分がプロピレン単独重合体であること、すなわちプロピレン単独重合体部分とプロピレン・α−オレフィン共重合体部分とからなるものであることが好ましい。ポリプロピレン成分がプロピレン・α−オレフィン共重合体であること、すなわちプロピレン・α−オレフィン共重合体部分とプロピレン・α−オレフィン共重合体部分とからなるプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体は、剛性や耐傷つき性が劣るおそれがある。
本発明に用いられるプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体は、プロピレン単独重合体部分を、好ましくは40〜99重量%、より好ましくは60〜98重量%、さらに好ましくは80〜97量%、プロピレン・α−オレフィン共重合体部分を、好ましくは1〜60重量%、より好ましくは2〜40重量%、さらに好ましくは3〜20重量%含む。ここで、プロピレン単独重合体部分とプロピレン・α−オレフィン共重合体部分との合計量は100重量%である。上記範囲内でプロピレン・α−オレフィン共重合体部分の割合が多くなると、耐衝撃性、光拡散性が向上する傾向がある。一方、プロピレン・α−オレフィン共重合体部分の割合が少なくなると、剛性が向上する傾向がある。
本発明に用いられるプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体のプロピレン単独重合体部分のメルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)は、通常0.1〜50g/10分程度である。
本発明に用いられるプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体のα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、2−メチル−1−プロペン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、トリメチル−1−ブテン、1−オクテン等を挙げることができる。これらは、1種を用いてプロピレンと共重合してもよく、2種以上を組み合わせてプロピレンと共重合してもよい。照明カバーの耐衝撃性の向上という観点からは、好ましくはエチレン又は1−ブテンであり、より好ましくはエチレンである。
α−オレフィンがエチレンの場合、プロピレン−エチレンブロック共重合体は、プロピレン単位を好ましくは75〜99.5重量%、より好ましくは85〜99重量%、エチレン単位を好ましくは0.5〜25重量%、より好ましくは1〜15重量%含む。エチレン単位が0.5重量%未満であると、照明カバーの耐衝撃性の向上と、光拡散性として十分なヘーズが得られないおそれがある。一方、25重量%を超えると、剛性などが低下するおそれがある。
本発明に用いられるプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体は、ヘーズが、試験片厚み2mmにおいて、90.0〜99.9%であり、好ましくは92.0〜99.8%、より好ましくは94.0〜99.7%である。プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体のヘーズを本発明の規定の範囲とすることにより、光拡散性を良好なものにすることができる。すなわち、ヘーズが90%未満であると光拡散性が劣るおそれがあり、99.9%を超えると光線透過率が低下するおそれがある。ヘーズは、エチレン含量を調整するなどして制御することができる。
なお、ヘーズは、試験片厚み2mmのシート片を用い、JIS K7105に準拠し、測定する値である。
プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体の製造方法について説明する。
本発明で用いられるプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体は、重合触媒を用いた、プロピレン単独重合体部分の重合(前段)と、この後に続く、プロピレン・α−オレフィン共重合体部分の重合(後段)の製造工程により得ることができる。前段の重合と後段の重合の先後はこの順であることが好ましいが、先後を入れ替えた製造工程であってもよい。
重合触媒としては、立体規則性重合触媒であることが好ましく、例えば、チーグラー・ナッタ触媒、メタロセン触媒等が使用できる。
重合様式としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン等の不活性炭化水素を溶媒として用いるスラリー重合法、プロピレン自体を溶媒とするバルク重合法、プロピレンを気相状態下で重合する気相重合法などが可能である。また、これらの重合様式を組み合わせることも可能である。例えば、プロピレン単独重合体部分の重合をバルク重合法、プロピレン・α−オレフィン共重合体部分の重合を気相重合法で行う方法や、プロピレン単独重合体部分の重合をバルク重合法、続いて気相重合法で行い、プロピレン・α−オレフィン共重合体部分の重合を気相重合法で行う方法などを挙げることができる。
また、重合形式として、回分式、連続式、半回分式のいずれによってもよく、所望により、二段及び三段等の複数段の連続式の重合法を用いてもよい。
重合反応器としては、特に形状、構造を問わないが、スラリー重合、バルク重合で一般に用いられる攪拌機付き反応器、チューブ型反応器、気相重合で一般に用いられる流動床反応器、攪拌羽根を有する横型反応器などを挙げることができる。
プロピレン単独重合体部分の重合を気相重合で行う場合には、プロピレン単独重合体部分の重合工程は、プロピレン、必要に応じて水素等の連鎖移動剤を供給して、触媒の存在下に、温度0〜100℃、好ましくは30〜90℃、より好ましくは40〜80℃、プロピレンの分圧0.6〜4.2MPa、好ましくは1.0〜3.5MPa、より好ましくは1.5〜3.0MPa、滞留時間0.5〜10時間で行うことが好ましい。
プロピレン単独重合体部分のメルトフローレートの調整は、触媒の種類にもよるが、連鎖移動剤としての水素を、水素/プロピレンのモル比で1×10−3〜0.2の範囲で行うことにより、所望のメルトフローレートに調節することが可能である。
プロピレン・α−オレフィン共重合体部分の重合工程は、通常、前段重合工程のプロピレン単独重合体部分の重合終了後、引き続いて、前段重合工程で製造されたプロピレン単独重合体部分の存在下、プロピレン、α−オレフィン、必要に応じて水素等の連鎖移動剤を供給して、プロピレン単独重合体部分とともに存在する触媒(プロピレン単独重合体部分の重合に使用した未だ失活していない当該触媒)の存在下に、温度0〜100℃、好ましくは30〜90℃、より好ましくは40〜80℃、プロピレン及びα−オレフィンの分圧各0.1〜2.0MPa、好ましくは0.1〜1.5MPa、滞留時間0.5〜10時間で行うことが好ましい。
そして、最終的な生成物として、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体を得ることができる。
プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体のα−オレフィン含量は、プロピレン・α−オレフィン共重合体部分の重合工程において、プロピレンの供給量とα−オレフィンの供給量を調整する、及びプロピレン単独重合体部分とプロピレン・α−オレフィン共重合体部分との割合を調整することにより、調整することができる。
さらに、ゲル発生やベタツキを抑えるために、プロピレン・α−オレフィン共重合体部分の重合の際に、エタノールなどのアルコール類を存在させることが好ましい。また、このアルコール類の添加量で、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体のプロピレン・α−オレフィン共重合体部分の割合も、コントロールすることができる。
このようなプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体は、種々の市販品が上市されているので、これら市販品の物性を測定して、所望のものを用いることもできる。
2.プロピレン−エチレンランダム共重合体(B)
本発明の照明カバーは、好ましくはプロピレン−エチレンランダム共重合体(B)を含む。
本発明に用いられるプロピレン−エチレンランダム共重合体(B)は、下記の条件(B−1)〜(B−4)を満足するプロピレン−エチレンランダム共重合体(B)であることが好ましい。
(B−1):エチレン含量が、0.1〜7重量%である。
(B−2):メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が、1〜100g/10分である。
(B−3):全光線透過率が、試験片厚み2mmにおいて、80〜90%である。
(B−4):ヘーズが、試験片厚み2mmにおいて、30〜95%である。
本発明に用いられるプロピレン−エチレンランダム共重合体は、エチレン含量が、0.1〜7重量%であり、好ましくは0.5〜4重量%、より好ましくは0.7〜3.5重量%、さらに好ましくは0.8〜3.4重量%である。エチレン含量をこのような範囲とすることにより、良好な光線透過性と実用に耐えうる剛性を得ることができる。すなわち、プロピレン−エチレンランダム共重合体のエチレン含量が、0.1重量%未満であると光線透過率が低下するおそれがあり、7重量%以上であると成形品の剛性が著しく低下し、実用に適さない場合がある。エチレン含量の測定方法については後述する。
本発明に用いられるプロピレン−エチレンランダム共重合体は、メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が、1〜100g/10分であり、好ましくは3〜80g/10分、より好ましくは4〜50g/10分である。メルトフローレートをこのような範囲とすることにより、良好な成形性を保つことが可能となる。すなわち、メルトフローレートが1g/10分未満であると、本発明の樹脂組成物及びその成形品において、成形性が低下する場合がある。一方、100g/10分を超えると、バリおよびデフォームが発生するおそれがある。メルトフローレートは、後述する重合条件(重合温度、水素添加量等)を調整したり、分子量降下剤を用いたりして制御することができる。
なお、メルトフローレートは、JIS K7210:1999のA法、条件Mに準拠し、試験温度230℃、荷重2.16kgで測定した値である。
本発明に用いられるプロピレン−エチレンランダム共重合体は、全光線透過率が、試験片厚み2mmにおいて、80〜90%であり、好ましくは82〜89%、より好ましくは83〜88%である。全光線透過率をこのような範囲とすることにより、良好な光線透過率と高い光拡散性を両立することができる。すなわち、全光線透過率が80%未満であると、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物における光線透過率が低下するため十分な効果が得られず、90%を超えると光拡散性が低下するおそれがある。
全光線透過率は、エチレン含量を調整するなどして制御することができる。
なお、全光線透過率は、試験片厚み2mmのシート片を用い、JIS K7105に準拠し測定した値である。
本発明に用いられるプロピレン−エチレンランダム共重合体は、ヘーズが、試験片厚み2mmにおいて、30〜95%であり、好ましくは50〜90%、より好ましくは60〜89%である。ヘーズをこのような範囲とすることにより、良好な光線透過率と高い光拡散性を両立することができる。すなわち、ヘーズが30%未満であると、本発明の樹脂組成物における光拡散性が低下するため十分な効果が得られず、95%を超えると光線透過率が低下するおそれがある。
ヘーズは、エチレン含量を調整するなどして制御することができる。
なお、ヘーズは、試験片厚み2mmのシート片を用い、JIS K7105に準拠し測定した値である。
プロピレン−エチレンランダム共重合体の製造方法について説明する。
本発明で用いられるプロピレン−エチレンランダム共重合体は、重合触媒を用いた、プロピレンとエチレンとの共重合の製造工程により得ることができる。
重合触媒としては、立体規則性重合触媒であることが好ましく、例えば、チーグラー・ナッタ触媒、メタロセン触媒等が使用できる。
重合様式としては、スラリー重合法、バルク重合法、気相重合法などが可能である。また、これらの重合様式を組み合わせることも可能である。
どの重合様式を用いても問題はないが、エチレン含量が比較的高いプロピレン−エチレンランダム共重合体を製造する場合には、反応器への生成物の付着などの問題を避けるために気相重合法を用いることが好ましい。
重合温度は、通常用いられている温度範囲であれば、特に問題なく用いることができる。具体的には、0℃〜200℃、より好ましくは40℃〜100℃の範囲を用いることができる。
重合圧力は、選択するプロセスによって最適な圧力には差異が生じるが、通常用いられている圧力範囲であれば、特に問題なく用いることができる。具体的には、大気圧に対する相対圧力で0MPaより大きく200MPaまで、より好ましくは0.1MPa〜50MPaの範囲を用いることができる。この際窒素などの不活性ガスを共存させてもよい。 また、分子量調整剤として水素を用いる場合は、プロピレンに対するモル比で1.0×10−6以上、1.0×10−2以下の範囲で用いることができる。好ましくは、1.0×10−5以上、0.9×10−2以下である。
このようなプロピレン−エチレンランダム共重合体(B)は、種々の市販品が上市されているので、これら市販品の物性を測定して、所望のものを用いることもできる。例えば、日本ポリプロ社製ウィンテックなどを挙げることができる。
3.熱可塑性樹脂(C)
本発明の照明カバーは、好ましくは熱可塑性樹脂(C)を含む。熱可塑性樹脂(C)として、全光線透過率が高く、かつヘーズが非常に低いものをプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)と組み合わせることにより、非常に優れた光線透過率と光拡散性とのバランスを実現することができる。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂(C)は、下記の条件(C−1)〜(C−4)を満たすものであることが好ましい。
(C−1):プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)と非相容である。
(C−2):全光線透過率が、試験片厚み2mmにおいて、85%以上である。
(C−3):ヘーズが、試験片厚み2mmにおいて、2%以下である。
(C−4):屈折率が、1.45以下、または、1.53以上である。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂(C)は、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)と非相容であることが好ましい。非相容でない場合には、光拡散性が大きく低下するおそれがある。熱可塑性樹脂(C)とプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)とが非相容であるとは、熱可塑性樹脂(C)とプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)との溶融混練物が、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)の海相と、熱可塑性樹脂(C)の島相とからなる海−島構造の相分離構造を呈することをいう。
この構造は、例えば以下のようにして観察することができる。プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)100重量部と熱可塑性樹脂(C)10重量部とを二軸押出機(例えば、テクノベル社製KZW−15−MG型)を用いて、樹脂温度200℃、スクリュー回転数400rpm、吐出量3kg/Hrで樹脂ペレットとし、その樹脂ペレットを、射出成形機(例えば、東芝社製EC20)を用いて、樹脂温度200℃、金型温度40℃で成形して試験片とし、その試験片を、クライオシステム及びダイヤモンドナイフを装着したウルトラミクロトーム(例えば、ライカUC6)を用いて、−120℃に冷却及び切削し、その切削鏡面をイオンエッチング処理して試料とし、その試料を、走査型電子顕微鏡(例えば、日立社製S800)で観察することにより、非相容か否かの評価をすることができる。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂(C)は、全光線透過率が、試験片厚み2mmにおいて、85%以上であり、好ましくは87%以上、より好ましくは89%以上である。全光線透過率をこのような範囲とすることにより、良好な光線透過率と高い光拡散性を有する。すなわち、全光線透過率が85%未満であると、光線透過率が低下するおそれがある。
なお、全光線透過率は、試験片厚み2mmのシート片を用い、JIS K7105に準拠し測定した値である。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂(C)は、ヘーズが、試験片厚み2mmにおいて、2%以下であり、好ましくは1.5%以下、より好ましくは1%以下である。ヘーズをこのような範囲とすることにより、良好な光線透過率と高い光拡散性を有する。すなわち、ヘーズが2%を超えると光線透過性が低下するおそれがある。
なお、ヘーズは、試験片厚み2mmのシート片を用い、JIS K7105に準拠し測定した値である。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂(C)は、屈折率が、1.45以下、または1.53以上である。屈折率が1.45を超え1.53未満であると光拡散性が大きく低下するおそれがある。屈折率は、既知の値を用いることができる。例えば、「成形加工におけるプラスチック材料」(シグマ出版,2005年,初版第2刷)276ページに記載された値を用いることができる。具体的には、「シグマ出版、成形加工におけるプラスチック材料」より、ポリプロピレンの結晶部の屈折率は1.52、非晶部は1.47〜1.48であることから算術平均してプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)の屈折率は1.50、ポリスチレンは1.59、ポリメタクリレートは1.49、ポリカーボネートの結晶部は1.65、非晶部が1.585であることから算術平均してポリカーボネートは1.62とした。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂(C)としては、有機ガラスと呼ばれる透明樹脂などを挙げることができる。具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂などを挙げることができる。特に、ポリスチレン樹脂およびビスフェノールAと炭酸から作られる芳香族ポリカーボネート樹脂が、機械物性の観点から好ましい。
熱可塑性樹脂(C)としては、種々の市販品から所望の物性を有するものを選択して使用することができる。例えば、ピーエスジャパン(株)社製ポリスチレン樹脂HF−77、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製ポリカーボネート樹脂ユーピロンS―3000Rなどを挙げることができる。
4.任意成分(D)
本発明の照明カバーは、必要に応じて、他の任意成分を含んでいてもよい。
本発明の照明カバーが含んでいてもよい成分としては、具体的には、顔料、染料などの着色剤、ヒンダードアミン系光安定剤などの光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤などの紫外線吸収剤、ソルビトール系造核剤などの造核剤、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などの酸化防止剤、非イオン系帯電防止剤などの帯電防止剤、無機化合物などの中和剤、チアゾール系抗菌・防黴剤などの抗菌・防黴剤、ハロゲン化合物などの難燃剤、可塑剤、有機金属塩系分散剤などの分散剤、脂肪酸アミド系滑剤などの滑剤、窒素化合物などの金属不活性剤、非イオン系界面活性剤などの界面活性剤、前記プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体(A)、前記プロピレン−エチレンランダム共重合体(B)及び前記熱可塑性樹脂(C)以外のポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマーなどの熱可塑性エラストマーなどを挙げることができる。ただし、これらに限られるものではない。
これらの他の成分は、1種でも2種以上を併用してもよい。
着色剤として、例えば、無機系顔料、有機系顔料などは、着色外観、見映え、風合い、商品価値などの付与、向上などに有効であり、光安定剤の添加や製造時の熱履歴による照明カバーの黄変を目立ちにくくするため、ブルーイング剤を添加することが好ましい。
具体例として、無機系顔料としては、酸化チタン、酸化鉄(ベンガラ等)、クロム酸(黄鉛など)、モリブデン酸などの金属酸化物顔料、燐酸コバルト化合物などの燐酸塩化合物顔料、硼酸コバルト化合物などの硼酸塩化合物顔料;硫化セレン化合物;フェロシアン化合物などを挙げることができる。有機系顔料としては、難溶性アゾレーキ;可溶性アゾレーキ;不溶性アゾキレート;縮合性アゾキレート;その他のアゾキレートなどのアゾ系顔料;フタロシアニンブルー;フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系顔料;アントラキノン;ペリノン;ペリレン;チオインジゴなどのスレン系顔料;染料レーキ;キナクリドン系顔料;ジオキサジン系顔料;イソインドリノン系顔料などを挙げることができる。ただし、これらに限られるものではない。
光安定剤や紫外線吸収剤として、例えば、ヒンダードアミン化合物、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系やサリシレート系などは、本発明の照明カバーの耐候性や耐久性などの付与、向上に有効であり、耐候変色性の一層の向上に有効である。
具体例としては、ヒンダードアミン化合物として、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合物;ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕;テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート;テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート;ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート;ビス−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルセバケートなどが挙げられ、ベンゾトリアゾール系としては、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられ、ベンゾフェノン系としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなどが挙げられ、サリシレート系としては、4−t−ブチルフェニルサリシレート;2,4−ジ−t−ブチルフェニル3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエートなどを挙げることができる。
ここで、前記光安定剤と紫外線吸収剤とを併用する方法は、本発明の照明カバーの耐候性、耐久性、耐候変色性などの向上効果が大きく好ましい。
酸化防止剤として、例えば、フェノール系、リン系やイオウ系の酸化防止剤などは、本発明の照明カバーの、耐熱安定性、加工安定性、耐熱老化性などの付与、向上などに有効である。
また、帯電防止剤として、例えば、非イオン系やカチオン系などの帯電防止剤は、本発明の照明カバーの帯電防止性の付与、向上に有効である。
オレフィン系エラストマーとしては、例えば、エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(EPR)、エチレン・ブテン共重合体エラストマー(EBR)、エチレン・ヘキセン共重合体エラストマー(EHR)、エチレン・オクテン共重合体エラストマー(EOR)などのエチレン・α−オレフィン共重合体エラストマー;エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン・プロピレン・ブタジエン共重合体、エチレン・プロピレン・イソプレン共重合体などのエチレン・α−オレフィン・ジエン三元共重合体エラストマー、エチレン−エチレン・ブチレン−エチレン共重合体エラストマー(CEBC)などを挙げることができる。
スチレン系エラストマーとしては、例えば、スチレン・イソプレン・スチレントリブロック共重合体エラストマー(SIS)、スチレン・ブタジエン・スチレントリブロック共重合体エラストマー(SBS)、スチレン−エチレン・ブチレン共重合体エラストマー(SEB)、スチレン−エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(SEP)、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体エラストマー(SEBS)、スチレン−エチレン・ブチレン−エチレン共重合体エラストマー(SEBC)、水添スチレン・ブタジエンエラストマー(HSBR)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体エラストマー(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体エラストマー(SEEPS)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレン共重合体エラストマー(SBBS)、部分水添スチレン−イソプレン−スチレン共重合体エラストマー、部分水添スチレン−イソプレン・ブタジエン−スチレン共重合体エラストマーなどを挙げることができる。
中でも、エチレン・ブテン共重合体エラストマー(EBR)及び/又はエチレン・オクテン共重合体エラストマー(EOR)を使用すると、本発明の照明カバーにおいて、適度の柔軟性などが付与し易く、耐衝撃性が優れる傾向にあるなどの点から好ましい。
5.照明カバー
本発明の照明カバーは、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)を含むことを特徴とする。 本発明の照明カバーは、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)からなっていても、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)とプロピレン−エチレンランダム共重合体(B)、熱可塑性樹脂(C)及び任意成分(D)から選ばれる少なくとも一種の成分とからなるプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体組成物からなっていてもよい。
本発明に用いられるプロピレン−エチレンランダム共重合体(B)の割合は、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)100重量部に対して、好ましくは5〜1000重量部を含み、より好ましくは10〜100重量部である。プロピレン−エチレンランダム共重合体(B)の割合が5重量部未満であると、プロピレン−エチレンランダム共重合体(B)を含める耐衝撃性の向上効果が十分期待できないおそれと、全光線透過率が低下し十分な明るさが得られないおそれがある。一方、1000重量部を超えると、剛性、耐傷つき性などが低下するおそれがある。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂(C)の割合は、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)100重量部に対して、好ましくは0.4〜50重量部、より好ましくは1〜10重量部、さらに好ましくは2〜7重量部である。熱可塑性樹脂(C)の割合をこのような範囲内とすることにより、全光線透過率と光拡散性のバランスがより優れるものになる。すなわち、熱可塑性樹脂(C)の割合が0.4重量部未満であると光拡散性が低下するおそれがあり、50重量部を超えると全光線透過率が低下するおそれがある。
本発明に用いられる任意成分(D)の割合は、任意成分(D)が着色剤、光安定剤、紫外線吸収剤、造核剤、酸化防止剤、帯電防止剤、中和剤、抗菌・防黴剤、難燃剤、可塑剤、分散剤、滑剤、金属不活性剤、界面活性剤などの場合には、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)100重量部に対して、好ましくは0.005〜10重量部、より好ましくは0.01〜7重量部、さらに好ましくは0.02〜5重量部、任意成分(D)が熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーなどの場合には、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)100重量部に対して、好ましくは0.1〜100重量部、より好ましくは0.5〜70重量部、さらに好ましくは1〜50重量部である。
プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)とプロピレン−エチレンランダム共重合体(B)、熱可塑性樹脂(C)及び任意成分(D)から選ばれる少なくとも一種の成分とからなるプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体組成物は、通常、タンブラー、Vブレンダー、リボンブレンダーなどの混合機器を用いて混合し、また、通常、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサー、ブラベンダープラストグラフ、ニーダーなどの混練機器を用いて溶融混練し、造粒することにより製造することができる。しかし、溶融混練は必須ではない。
本発明の照明カバーは、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)又はプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体組成物を成形することにより、製造することができる。成形方法としては、従来公知の方法で成形することができ、例えば、射出成形、押出成形、プレス成形などを挙げることができる。押出成形に関しては、押出成形した成形品を、さらに真空成形、圧空成形、真空圧空成形などの熱成形をすることができる。
本発明の照明カバーは、比重が0.95未満であり、好ましくは0.91以下、より好ましくは0.90以下である。比重が0.95以上であると、照明カバーの重量が大きくなり、十分な軽量化効果が得られないおそれがある。
本発明の照明カバーは、試験片厚み2mmにおいて、ヘーズが、好ましくは90.0〜99.9%、より好ましくは93.0〜99.8%、さらに好ましくは95.0〜99.6%である。ヘーズが90.0%未満であると十分な光拡散性が得られず、光を広範囲にわたって照らすことが困難であったり、光源の眩しさで目が疲れるなどの不具合が出るおそれがある。一方、99.9%より高いと十分な光線透過率が得られず、照明の明るさが落ちるおそれがある。
本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。しかし、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例で用いた評価方法、分析方法および材料は、以下の通りである。
1.評価方法、分析方法
(1) エチレン含量(単位:重量%)
13C−NMRにより組成を検定したエチレン−プロピレンランダムコポリマーを基準物質として733cm−1の特性吸収帯を用いる赤外分光法により、エチレン含量を測定した。プレス成形した厚さ約500ミクロンのフィルムを用いた。
(2) 比重
鏡面加工した金型を用いて射出成形した厚さ2.0mm、幅60mm、長さ80mmの試験片を用い、JIS−K7112に準拠し、測定雰囲気温度23℃で、浸せき液にエタノールを使用して測定した密度(単位:g/cm)の値を比重とした。
東芝社製射出成形機EC20を用い、樹脂温度200℃、金型温度40℃で射出成形した試験片を用いた。
(3) 曲げ弾性率(単位:MPa)、曲げ応力(単位:MPa)
厚さ4.0mm、幅10mm、長さ80mmの試験片を用い、JIS K7171に準拠し、測定雰囲気温度23℃にて測定した。
東芝社製射出成形機IS80Gを用い、樹脂温度200℃、金型温度40℃で射出成形した試験片を用いた。
(4) 全光線透過率(単位:%)、ヘーズ(単位:%)
鏡面加工した金型を用いて射出成形した厚さ2.0mm、幅60mm、長さ80mmの試験片を用い、JIS K7105に準拠し、測定雰囲気温度23℃にて測定した。ヘーズは光拡散性と相関があり、ヘーズの値が大きいほど光拡散性が良好といえる。
東芝社製射出成形機EC20を用い、樹脂温度200℃、金型温度40℃で射出成形した試験片を用いた。
(5) 耐衝撃性:
鏡面加工した金型を用いて射出成形した厚さ2.0mm、幅60mm、長さ80mmの試験片を用い、JIS K5600−5−3に記載のデュポン衝撃試験機(撃芯受け台内径3/2インチ、撃芯先端R1/4インチ)の撃芯受け台上に置き、1.5kgの錘を高さ40cmの場所から落とし、下記基準に従い目視にて評価した。試験温度は23℃とした。
〇:靱性破壊した。
×:脆性破壊した。
東芝社製射出成形機EC20を用い、樹脂温度200℃、金型温度40℃で射出成形した試験片を用いた。
(6) 耐傷つき性:
鏡面加工した金型を用いて射出成形した厚さ2.0mm、幅30mm、長さ220mmの試験片を用い、JIS L0849記載の摩擦試験機II型(学振形)を用いて、以下の条件にて実施し、試験後の試験片表面を目視で観察して、どの角度から目視しても傷が目立たないものを○、目視する角度によっては傷が目立たないものを△、どの角度から目視しても傷が目立つものを×と判定した。
JIS L0849記載の摩擦試験機II型試験条件:JIS L0849白綿布(JIS−L0803規定の3号綿)
荷重:500g
往復回数:100回
摩擦速度:30回/分
試験温度:常温
2.材料
(1)成分(A)
以下の市販の樹脂(A1〜A4)を用意した。樹脂の性状を表1にまとめた。
A1:ノバテックEC9(日本ポリプロ(株)社製、ポリプロピレン成分がプロピレン単独重合体のプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体)
A2:ノバテックBC03B(日本ポリプロ(株)社製、ポリプロピレン成分がプロピレン単独重合体のプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体)
A3:ノバテックEA9(日本ポリプロ(株)社製、プロピレン単独重合体)
A4:ノバテックBC1(日本ポリプロ(株)社製、ポリプロピレン成分がプロピレンエチレン共重合体のプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体)
Figure 2016195062
(2)成分(B)
以下の市販のプロピレン−エチレンランダム共重合体(B1〜B3)を用意した。樹脂の性状を表2にまとめた。
B1:ウィンテックWFW5T(日本ポリプロ(株)社製)
B2:ウィンテックWMG03(日本ポリプロ(株)社製)
B3:ノバテックMG03B(日本ポリプロ(株)社製)
Figure 2016195062
(3)熱可塑性樹脂(C)
以下の市販の樹脂(C1)を用意した。
C1:ポリスチレンHF−77(ピーエスジャパン(株)社製)
全光線透過率:91%
ヘーズ:0.63%
屈折率:1.59
3.実施例及び比較例
[実施例1〜10及び比較例1〜5]
(1)混合および溶融混練
プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)、プロピレン−エチレンランダム共重合体(B)および熱可塑性樹脂(C)を、下記の添加剤とともに表3に示す割合で混合を行い、下記の条件で溶融混練し、樹脂ペレットを製造した。
添加剤 :プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)100重量部として、
BASF社製IRGANOX1010を0.1重量部
BASF社製IRGAFOS168を0.05重量部
混練装置:テクノベル社製KZW−15−MG型二軸押出機。
混練条件:温度200℃、スクリュー回転数400rpm、吐出量3kg/Hr

ただし、実施例1、7及び比較例1〜5については、混合および溶融混練は行わず、市販の樹脂ペレットをそのまま使用した。
Figure 2016195062
(2)成形
得られた樹脂ペレットを用いて、前記条件で射出成形し、各種試験片とした。その際、全光線透過率とヘーズ、耐衝撃性、耐傷つき性については、照明カバーを模した、鏡面処理された金型で射出成形して得た試験片厚み2mmのシート片とした。
(3)評価
前記成形した試験片について性能評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 2016195062
表4に示す結果から本発明の照明カバーの発明特定事項を満たしている実施例1〜10においては、軽量で剛性と耐衝撃性、耐傷つき性が良く、かつ、全光線透過率と光拡散性のバランスに優れている。
一方、本発明の発明特定事項を満たさない比較例1〜5は、これらの性能バランスが不良で見劣りしている。例えば、比較例1においては、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)中にプロピレン・α−オレフィン共重合体部分(a2)が含まれないため、耐衝撃性だけでなく、ヘーズが低く光拡散性も見劣りしている。また、比較例2においては、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)中のプロピレン単独重合体部分(a1)にエチレン成分を含むため、曲げ弾性率および耐傷つき性が見劣りしている。さらに、比較例3〜5においては、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)を含まないため、ヘーズが低く光拡散性が見劣りしている。

Claims (3)

  1. 下記の条件(A−1)〜(A−2)を満足するプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)を含み、比重が0.95未満であることを特徴とする照明カバー。
    (A−1):プロピレン単独重合体部分とプロピレン・α−オレフィン共重合体部分とからなる。
    (A−2):ヘーズが、試験片厚み2mmにおいて、90.0〜99.9%である。
  2. プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)100重量部に対して、下記の条件(B−1)〜(B−4)を満足するプロピレン−エチレンランダム共重合体(B)5〜1000重量部を含むことを特徴とする請求項1に記載の照明カバー。
    (B−1):エチレン含量が、0.1〜7重量%である。
    (B−2):メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が、1〜100g/10分である。
    (B−3):全光線透過率が、試験片厚み2mmにおいて、80〜90%である。
    (B−4):ヘーズが、試験片厚み2mmにおいて、30〜95%である。
  3. プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)100重量部に対して、下記の条件(C−1)〜(C−4)を満足する熱可塑性樹脂(C)0.4〜50重量部を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の照明カバー。
    (C−1):プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(A)と非相容である。
    (C−2):全光線透過率が、試験片厚み2mmにおいて、85%以上である。
    (C−3):ヘーズが、試験片厚み2mmにおいて、2%以下である。
    (C−4):屈折率が、1.45以下、または1.53以上である。
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