JP2016194186A - 多孔性シート - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維分布が均一であり、且つ、強度、特に引裂強度、に優れており、電気化学素子用のセパレータとしての性能に優れた微多孔膜を提供すること。【解決手段】20〜500nmの平均繊維径を有するセルロース繊維及び1.5〜20μmの平均繊維径を有するカットファイバーを含み、前記カットファイバーの配合量が繊維の全重量を基準として1重量%以上80重量%以下である微多孔膜。【選択図】なし

Description

本発明は、多孔性シートに関し、特に、電気化学素子用のセパレータに好適な多孔性シートに関する。
本明細書において、電気化学素子とは、正極及び負極とセパレータとを備えた電気化学素子であり、例えば、リチウムイオン二次電池、ポリマーリチウム電池等の各種二次電池、アルミニウム電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等の各種キャパシタ等が挙げられる。
近年、化石資源の枯渇、及び、CO削減等に関する環境問題に対応するためのエネルギー源としての電気の利用が高まりつつある。そこで、例えば、自動車業界では二次電池を利用した電気自動車の開発が盛んに行われている。また、太陽光、風力等の自然エネルギーの有効利用の観点からも二次電池は注目を浴びている。
電気自動車の駆動用の二次電池としては、一般に、出力とエネルギー密度の関係から現時点ではリチウムイオン二次電池が採用されている。一方で、より高いエネルギー密度、出力、安全性等の観点から次世代電池の開発に各社力を注いでおり、大きな市場が期待される分野である。
一方、リチウムイオン二次電池に限らず、他の二次電池、一次電池、キャパシタ(コンデンサ)等には、紙、不織布、微多孔フィルム等からなるセパレータが使用されている。一般的にセパレータに要求される性能は、正負極間の短絡防止、電解液に対する化学的安定性、低い内部抵抗等である。これらの要求性能はデバイス間によって求められる程度に差があるが、種類によらずセパレータに共通して求められる特性でもある。
ほとんどのリチウムイオン二次電池のセパレータには、ポリプロピレン、ポリエチレン等の高分子有機化合物で作られた微多孔膜が採用されている。これらの微多孔膜は、リチウムイオン二次電池に適した幾つかの特徴を有する。例えば、
1)電解液に対して化学的に安定であり、セパレータにより致命的な欠陥を起こさない。
2)セパレータの厚みを自由に設計することができるため、様々な要求に対応したセパレータの提供が可能である。
3)細孔径のサイズを小さく設計することができるため、リチウム遮断特性が優れ、リチウムデンドライトによる短絡が発生し難い。
4)リチウムイオン二次電池が熱暴走を起こした際に、ポリプロピレンやポリエチレンが溶融することで細孔が狭くなり初期の熱暴走を抑制することが可能である。
といった点である。
しかしながら、これまでのリチウムイオン二次電池の研究では、熱暴走を起こす根本的な原因は解明されておらず、二次電池に用いられる各種素材は熱暴走のリスクを回避するための手段を経験的な手法で各社検討し提案しているのが現状である。熱暴走の原理の解明から統一した評価法も含めて今後明らかになることによって、より安全性の高い自動車用途に適した材料開発が進むと考えられ、安全性に関する課題も解決されることが期待される。
一方、自動車用途における二次電池への2つめの課題はコストである。コストの中でもセパレータは、電池コストの2割を占める材料であり今以上のコストダウンが求められているのが現状である。
ところで、例えば、電気自動車等の充電式の輸送機器の分野、及び、携帯電話等の携帯電子端末の分野では、小さな体積でも長時間稼動するように単位体積当たりの貯蔵電気エネルギーが大きい電気エネルギー貯蔵デバイスが求められているが、かかる電気エネルギー貯蔵デバイスとしては、例えば、電解液に溶解している電解質が電極に吸着され、電解質と電極との間に形成される界面(電気二重層)に電気エネルギーを貯蔵する電気二重層キャパシタがある。
電気二重層キャパシタにおけるセパレータの主な役割は、電極の短絡防止(セパレート性)、電解液中のイオンの移動を妨げないこと(低い内部抵抗)等である。しかし、上記のような微多孔膜は密度が高いため、内部抵抗が高くなる傾向にある。一方、不織布をキャパシタのセパレータに用いることも知られているが、セパレート性を保持するために繊維径を小さくしたり、繊維密度を高めると内部抵抗が高くなるという問題があった。そのため、内部抵抗の低いセパレータの開発が望まれている。また、電気二重層キャパシタの高容量化のためには電極層を厚くする必要があり、その分だけセパレータを薄くすることが要求されている。
ポリプロピレン、ポリエチレン等の高分子微多孔膜の製造方法は大きく分けて、湿式法と乾式法に分けられる。それぞれの製造法には特徴があり、湿式法はポリエチレン等の高分子に可塑剤を添加しフィルム成形した後、二軸延伸し、溶剤で可塑剤を洗うことによって微多孔を設ける方法を取っている。この方法では細孔のサイズや膜厚の調整に優れており、電池のタイプ毎の様々な要求に対応できることがメリットだが製造プロセスが複雑なためコストが高いことが課題である。一方、乾式法はポリオレフィン等の高分子を溶解し、フィルム上に押出し、アニーリングしたものを低温で延伸して初期段階の空孔を形成した後、高温で延伸し多孔質化している。この方法では融点の異なる高分子を積層することができることと、プロセスが簡易であるためコストが安いことがメリットであるが、細孔の調整や膜厚の調整の精度に欠ける点が課題である。
高分子微多孔フィルム以外に合成繊維、無機繊維等からなる不織布を用いたセパレータも提案されている。従来不織布は、乾式不織布と湿式不織布がありどちらもセパレータとして利用されてきたが、リチウムイオン二次電池用途においては繊維分布の均一性が得られない乾式不織布は電極隔離効果が低いため使用することができないといわれている。一方、湿式不織布は乾式不織布と比べると繊維分布が均一であることが特徴で、製法上の特徴から微多孔フィルムより空孔率を高く調整することができるため、インピーダンスの低いシートを作ることが可能である。しかしながら、現在広くリチウムイオン二次電池に採用されているグラファイト負極を用いた電池には使用することは実質困難である。これはリチウムイオン二次電池が負極側にリチウムデンドライトを生成するという特徴があるためで、このリチウムデンドライトはセパレータ内のリチウムイオンが多く通る負極表面に生成しやすい特性がある。このため数十μmオーダーの範囲でシートそのものに粗密ができる不織布では、リチウムデンドライトが発生しやすい箇所は粗であるため、リチウムデンドライトが生成した際にショートを抑制する遮断特性はフィルムタイプと比較して低いとされている。また、前述のようにセパレータの厚さを薄くすることが要求されるが、特に不織布を用いたセパレータは薄くなるにつれて強度低下が生じ、その結果、短絡など安全性に問題が生じたり、電池二重層キャパシタを製造する際のセパレータの加工性に難が生じるおそれがある。
これらの課題を解決するために特許文献1(特開平11−040130号公報)に代表されるように、細孔サイズをある一定の範囲内に規定することが行われている。しかしながら、孔のサイズは繊維径に左右されるため、細孔サイズを小さくコントロールするには繊維径を細くすることが必要となるが、細い繊維を使用する場合には一般に強度が低下する。
特開平11−040130号公報
本発明は上述の状況に鑑みて為されたものであり、繊維分布が均一であり、且つ、強度(特に、引裂強度)に優れており、電気化学素子用のセパレータとしての性能に優れた多孔性シートを提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のセルロース繊維と特定のカットファイバーの特定の組合せを含む多孔性シートが、優れた繊維分布の均一性及び優れた強度(特に、引裂強度)の両者を兼ね備えており、また、電気化学素子用のセパレータとしての性能に優れることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
20〜500nmの平均繊維径を有するセルロース繊維、及び、
1.5〜20μmの平均繊維径を有するカットファイバー
を含み、
前記カットファイバーの配合量が繊維の全重量を基準として1重量%以上80重量%以下である多孔性シートである。なお、ここでの「平均繊維径」とは、多孔性シートの表面の複数箇所を電子顕微鏡によって拡大観察し、各電子顕微鏡画像中から所定数の繊維を無作為に選別し、選別された当該繊維の径を測定し平均して得られた平均繊維径を意味する。選別される繊維の数は100以上であり、150以上が好ましく、200以上がより好ましく、300以上が更により好ましい。
前記多孔性シートの比引裂強度が15.0mN・m/g以上であることが好ましい。
前記セルロース繊維に400nm以下の太さの繊維がセルロース繊維の全重量を基準として50重量%以上含まれていることが好ましい。
前記セルロース繊維に1μm以上の太さの繊維がセルロース繊維の全重量を基準として5〜40重量%含まれていることが好ましい。
前記カットファイバーの平均繊維長は10mm以下が好ましい。
前記カットファイバーは、ポリエステル繊維、アラミド繊維、PPS樹脂繊維、再生セルロース繊維、ビニロン繊維、及び、これらの組合せからなる群から選択されることが好ましい。
前記多孔性シートの空孔率は30〜70%が好ましい。
前記多孔性シートは3〜50μmの厚みを有することが好ましい。
本発明は、前記多孔性シート及び(前記多孔性シートとは異なる)多孔性基材からなる積層体にも関する。
前記多孔性基材は織布又は不織布からなることが好ましい。また、前記多孔性基材はセルロース繊維からなることが好ましい。
1mol/LiPF/プロピレンカーボネート溶液を含浸させた状態において20kHzの交流を使用して決定した前記多孔性シート又は前記積層体の体積抵抗率は1500Ω・cm以下であることが好ましい。
本発明は、前記多孔性シート又は前記積層体を備える電気化学素子用セパレータにも関する。更に、本発明は、前記電気化学素子用セパレータを備える、電池、キャパシタ等の電気化学素子にも関する。
本発明の多孔性シートは繊維分布が均一であり、且つ、強度、特に引裂強度、に優れており、電気化学素子用のセパレータとしての性能に優れている。特に、本発明の多孔性シートは、優れた繊維分布の均一性及び優れた強度(特に、引裂強度)の両者を兼ね備えることができる。
本発明の多孔性シートは微細な高分子繊維で主に構成されており、また、当該高分子繊維の繊維分布が均一であるので、リチウムデンドライトの遮断特性に優れる。また、本発明の多孔性シートは特定のカットファイバーを含んでいるので、厚さが薄くても優れた強度、特に、優れた引裂強度を有することができる。
また、本発明の多孔性シートと多孔性基材の積層体は、例えば、多孔性基材が比較的大径の繊維から主に構成され、それ自体ではリチウムデンドライトの遮断特性に乏しい場合であっても、多孔性基材上に、微細な高分子繊維から主に構成され、リチウムデンドライトの遮断特性に優れる多孔性シートを積層しているので、全体として、高い短絡防止性を備えており、電気化学素子用のセパレータとしての性能に優れている。
したがって、本発明の多孔性シート又は本発明の多孔性シートと多孔性基材の積層体を用いて、従来の不織布、紙等では困難であった高いリチウム遮断特性を有する電気化学素子用セパレータを容易に又は低コストで製造することが可能である。
また、前記多孔性シートが比較的大径の繊維を一部含む場合は、本発明の多孔性シート及び多孔性シートと多孔性基材の積層体は電気化学素子用のセパレータとして更に優れた強度特性を有することができる。なお、本発明の積層体では、例えば、多孔性基材及び多孔性シートが単独では高温環境下で物性が劣化する傾向があっても、多孔性シートと多孔性基材とが積層されているので、積層体全体として、熱劣化を低減または回避することもできる。
実施例における引裂強度の評価方法を示す図である。
[多孔性シート]
本発明の多孔性シートは、
20〜500nmの平均繊維径を有するセルロース繊維、及び、
1.5〜20μmの平均繊維径を有するカットファイバー
を含み、
前記カットファイバーの配合量が繊維の全重量を基準として1重量%以上80重量%以下である。
前記多孔性シートの厚みは、特に限定されるものではないが、3〜50μmが好ましく、5〜40μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
本発明の多孔性シートは上記構成による優れた強度特性を備えることができる。本発明の多孔性シートは、その引張強度を0.45kN/m以上、及び/又は、その比引裂強度を10.0mN・m/g以上とすることができる。引張強度は、例えば、JIS C2151に従って測定することができる。一方、比引裂強度は、例えば、JIS K7128−1に従うトラウザー引裂法によって測定した引裂強度を坪量で除することで得ることができる。引張強度は0.47kN/m以上が好ましく、0.49kN/m以上がより好ましく、0.50kN/m以上が更により好ましい。比引裂強度は15.0mN・m/g以上が好ましく、20.0mN・m/g以上がより好ましく、25.0mN・m/g以上が更により好ましい。
特に、本発明の多孔性シートは優れた引裂強度を備えることができる。なお、異なる多孔性シート間の引裂強度の相対的優劣は、例えば、各多孔性シートを反対方向に引張り、その際の多孔性シートの破断の有無を観測する簡便な方法によって定性的に決定することができる。この際、引張操作前の多孔性シートの一部に引張方向とは異なる方向、好ましくは鉛直方向、に切れ目を入れておくことが好ましい。切れ目を入れることによって、多孔性シートが破断しなくとも、切れ目の成長の程度を観察することによって、各多孔性シートの引裂強度の相対的な優劣を定性的に決定することができる。
本発明の多孔性シートの空孔率は30〜70%が好ましい。空孔率を30%〜70%の範囲に維持することで、本発明の多孔性シートは電気化学素子に良好に対応可能である。空孔率30%未満でも本発明の多孔性シートは電気化学素子として作動することは可能ではあるが、抵抗値が高いため出力が下がり電気化学素子としての性能が十分ではないおそれがある。空孔率が70%を超える場合には、細孔分布のモード径が大きくなり多孔性シートに起因する抵抗が下がるので電気化学素子の出力性能及びサイクル特性は向上するが、リチウムイオン二次電池用途ではリチウム遮断特性が低下し、リチウムデンドライトによる短絡が発生するリスクが高くなるため、安全上好ましくない。
本発明における空孔率は、繊維を膨潤させない溶媒を前記多孔性シートに含浸させて、その吸液した溶媒の重量から計算することが可能である。具体的には、50mm×50mmのサイズにカットしたサンプルを23℃50%相対湿度の雰囲気下で1日調湿した後、サンプルの厚みを測定し、更にサンプルの重量を4桁若しくは5桁秤を用いて秤量する。秤量後、溶媒に1分間含浸させた後、表面について余分な溶媒を吸い取り紙で吸収した後、再度秤量を行う。含浸後の重量から含浸前の重量を引いた値を含浸した溶媒の密度で割ることにより溶媒の体積を求める。この体積を厚みから計算した全体の体積の百分率を空孔率とする。したがって、この場合の空孔率は以下の式により求めることができる。

空孔率(%)=100×(吸液後のシート重量−吸液前のシート重量)/吸液させた溶媒の密度×5×5×厚み(cm)
本発明において空孔率を測定することが可能な溶媒は、繊維を膨潤させない溶媒なので、セルロース繊維等の極性を有する繊維の場合は極性の低い有機溶媒を用いるのが好ましい。また吸液させた溶媒が短い測定時間の間で揮発してしまわないものを選定する必要がある。特に好ましいものとしては、通常電解液で使用されるプロピレングリコールやケロシン等石油系の高沸点溶媒等が挙げられる。
本発明の多孔性シートは、1mol/Lの濃度のLiPFのプロプレンカーボネート溶液を含浸させた状態において20kHzの交流電流を用いて測定される体積抵抗率が1500Ω・cm以下であることが好ましい。体積抵抗率は、後述する透気抵抗度及び前述の空孔率と相関があり、基本的には、透気抵抗度が低く、空孔率が高くなると体積抵抗率が下がる傾向にあるが、体積抵抗率には空孔のサイズ及び膜中の空孔の分布状態も影響するため、透気抵抗度が低く、空孔率が高いものが必ずしも低い体積抵抗率を示すとは限らない。ここで、周波数が20kHzの交流を利用するのは、電極界面の反応等の電気化学的な要素を体積抵抗率の測定値から除くことが目的である。これにより、測定装置の抵抗と多孔性シートのイオン電導性の合計のみが測定値に寄与するため、当該測定値が多孔性シートの細孔分布及び細孔径を反映することができる。前記多孔性シートは、この体積抵抗率が1500Ω・cm以下であることが好ましく、1000Ω・cm以下がより好ましい。1500Ω・cmを超えるとサイクル特性が悪くなるおそれがある。1500Ω・cm以下では良好なサイクル特性を発現し、本発明の多孔性シートは電気化学素子用セパレータとして好適に使用可能である。
本発明における20kHzの交流を用いた体積抵抗率の測定は、以下の手順で行うことができる。まず、直径20mmのサイズに打ち抜いた本発明の多孔性シートを150℃の条件で24時間以上乾燥させる。次に、乾燥した本発明の多孔性シートを、例えば、SH2−Z型固体用サンプルホルダ(東陽テクニカ製)に5枚重ねて入れ、1mol/Lの濃度のLiPF/プロピレンカーボネートの電解液に十分に浸す。そして、好ましくは、0.8MPaまで減圧して多孔性シート間に残る空気を脱気した後、対向する2枚の金電極の間に挟み、ポテンショ/ガルバノスタッドを組み合わせた周波数応答アナライザVSP(Bio−Logic製)を用いて掃引周波数100m〜1MHz、振幅10mVの条件で交流インピーダンス値(Ω)を測定する。この値と本発明の多孔性シートの厚みから単位体積当たりの抵抗率(体積抵抗率)に換算する。なお、測定装置が持つ抵抗成分のみを測定しておくか、測定結果に反映されないようキャンセルしておくことが望ましい。
本発明の多孔性シートは、膜厚10μm当たりの透気抵抗度が10〜600秒(/100cc)であることが好ましく、20〜450秒がより好ましく、30〜250秒が更により好ましい。前記透気抵抗度はJIS P8117に基づいて測定することができる。前記透気抵抗度が10秒未満の場合、リチウムイオン二次電池用途ではリチウム遮断特性が低下し、リチウムデンドライトによる短絡が発生するリスクが高くなるため、安全上好ましくない。600秒超の場合は、特に体積抵抗率が大きくなり電気化学素子の出力特性を落とすことになるため好ましくない。
本発明の多孔性シートに関して、バブルポイント法で測定される細孔径の平均値は20〜100nmであることが好ましい。リチウムイオン電池等の電気化学素子で使用される電極活物質の粒子径は様々な大きさがあるため、必ずしも細孔径が小さくなければならない訳ではない。およその基準としては、使用される活物質の粒子径の1/4の細孔径であれば短絡は起きないとされている。
(セルロース繊維)
本発明の多孔性シートは、20〜500nmの平均繊維径(太さ)のセルロース繊維を含むものであり、20nm未満の平均繊維径のセルロース繊維を一部含んでもよいが、セルロース繊維の全重量を基準として、その配合量は20重量%未満が好ましく、10重量%未満がより好ましく、5重量%未満が更により好ましい。なお、前記多孔性シートは500nm超の平均繊維径のセルロース繊維を一部含んでもよいが、セルロース繊維の全重量を基準として、その配合量は30重量%未満が好ましく、20重量%未満がより好ましく、10重量%未満が更により好ましい。セルロース繊維の平均繊維径としては、50〜450nmが好ましく、100〜400nmがより好ましく、150〜380nmが更により好ましく、200〜360nmが更により好ましい。
前記セルロース繊維はセルロースから構成されることが好ましい。すなわち、前記セルロース繊維は繊維を構成する高分子材料がセルロースのみからなることが好ましい。
セルロース繊維はセルロース分子の持つ水酸基により、水に均一に分散することが可能であるが、そのスラリーの粘度は、セルロース繊維の繊維長と表面積に依存する。セルロース繊維が細くなることは、それだけセルロースの表面積が増えるため、スラリーの粘度も必然的に上昇することになる。またその繊維長が長くなるほど繊維間の相互作用が増えることによってこれも粘度上昇に繋がる要因として考えられる。これらの相互作用による粘度上昇は、高濃度におけるシート化を阻害する要因となっており、ナノセルロースを取り扱うには濃度を下げる手段が一般的にとられている。
更に、セルロース繊維はその水酸基により、脱水工程において繊維同士が水素結合を行う性質を持っており、再生セルロース以外の合成繊維で作った不織布にはない特徴が見られる。この水素結合形成の工程において強度が発現する一方で、繊維間が相互作用により乾燥工程における収縮が合成繊維を使った不織布よりも大きいことも特徴として挙げられる。特に繊維径が細くなるに従い繊維の剛度が下がるため、この収縮が顕著に見られる。また極度にフィブリル化が進んだ繊維を用いて作成したシートは繊維間が完全に密着するために透明化することが知られている。つまり、繊維径を細くすることのみでは孔径をコントロールするどころか、多孔質化シートを作ることは困難である。このため、多孔質化されたシートを製造するには乾燥時の収縮を抑えることと繊維間の水素結合を阻害させることが必要となる。これまでに提案されている具体的な手法は、抄紙法やキャスト法でシート化した原料をアセトンのような親水性の溶媒に置換した後、更にトルエンとアセトンの混合溶媒といったより疎水性の高い溶媒に置換して乾燥させる等の方法が提案されている。しかしながらこの手法は2つの問題点がある。まず一つは分散溶媒の水からアセトンに溶媒置換する作業である。セルロース繊維は、繊維径が細くなるに従い保水性が高くなるため、水から溶媒への置換は非常に時間のかかる作業となっており実生産の面で生産性を下げる要因となっている。更に、細孔径は繊維の太さに依存されるため、細孔径はあくまで繊維の太さによってコントロールされることになり、均一化された繊維を利用しなくては目的の細孔径をえることが出来ず、セルロース繊維の処理工程にも時間とコストが必要となっている。
本発明において(多孔性シートだけでなく多孔性基材についても)使用可能なセルロース繊維の、特にセルロースI型、セルロースII型等のセルロースの型は限定されないが、コットン、コットンリンター、木材パルプに代表されるようなセルロース繊維供給源からの、セルロースI型の天然繊維が好ましい。再生セルロースに代表されるセルロースII型の繊維はセルロースI型の繊維に比べ結晶化度が低くフィブリル化処理を行う際に、短繊維化しやすい傾向があるので好ましくない。
多孔性シートに使用されるセルロース繊維はミクロフィブリル化されていてもよい。セルロース繊維をミクロフィブリル化処理する装置は特に限定されるものではないが、例えば、高圧ホモジナイザー処理(マントン・ゴーリン型分散機による高圧分散処理)、ラニエタイプ圧力式ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー処理(アルテマイザーTM(スギノマシーン株式会社製)、ビーズミルや流星ミル等の分散装置、マスコロイダー(粒度16〜120番の砥粒を備える砥粒板を複数枚擦合せ配置した砥粒板擦合装置、増幸産業株式会社製)等のホモジナイザー等が挙げられる。また、ミクロフィブリル化処理する前にダブルディスクリファイナー、ビーター等製紙用で使用している叩解機を前処理に使用することも可能である。また、添加量は限られてくるが、TEMPO酸化触媒によってナノファイバー化されたセルロースナノファイバーを用いることも可能である。特に、本発明においては、多孔性シートに使用されるセルロース繊維が、粒度16〜120番の砥粒を備える砥粒板を複数枚擦合せ配置した砥粒板擦合装置の擦合せ部に予め叩解処理したパルプスラリーを通過させる微細化処理、又は予め叩解処理したパルプスラリーを高圧ホモジナイザー処理する微細化処理を受けていることが好ましい。
前記セルロース繊維には400nm以下、好ましくは350nm以下、より好ましくは300nm以下の太さ(径)の繊維がセルロース繊維の全重量を基準として50重量%以上含まれていることが好ましく、60重量%以上がより好ましく、70重量%以上が更により好ましく、80重量%以上が更により好ましく、90重量%以上が特に好ましい。したがって、前記セルロース繊維は400nm以下の太さを有する比較的細いセルロース繊維から主に構成されることが好ましい。
前記セルロース繊維は、好ましくは20〜400nm、より好ましくは60〜350nm、更により好ましくは100〜300nmの平均繊維径を有するセルロース繊維、並びに、好ましくは400nm超〜500nm、より好ましくは420〜490nm、更により好ましくは440〜480nmの平均繊維径を有するセルロース繊維を、好ましくは99:1〜60:40、より好ましくは95:5〜70:30、更により好ましくは90:10〜80:20の質量比で混合したものであることが好ましい。
前記セルロース繊維には1μm以上の太さ(径)の太繊維がセルロース繊維の全重量を基準として5重量%以上含まれていることが好ましく、10重量%以上がより好ましく、15重量%以上が更により好ましく、20重量%以上が更により好ましく、25重量%以上が特に好ましい。前記太繊維の径は1μm超であってよく、例えば、1.5μm以上でもよく、また、2.0μm以上でもよい。特に、後述する多孔性シートの製造方法ではキャスト塗工を行うため、スラリーの粘度が極端に高くなるような繊維径が1μm未満の細い繊維のみを用いてスラリーを調製して使用することが困難である。また、これを塗工可能とするためにはスラリーの低濃度化が必要となり、そのために使用する溶媒等の乾燥コストが増えるため経済的ではない。また一般的手法で繊維にせん断力を与えて繊維径の細い高分子微細繊維を製造すると繊維長もあわせて短くなる傾向があり、作成したシートの引裂強度が低下する傾向がある。そのため、1μm以上の太さを有する繊維が5重量%以上存在することで得られるシートの引裂強度を向上させることができる。
一方、1μm以上の太さの太セルロース繊維の配合量は、セルロース繊維の全重量を基準として、40重量%以下が好ましく、35重量%以下がより好ましく、30重量%以下が更により好ましい。1μm以上の太さを有する太セルロース繊維が40重量%超存在すると、セルロース繊維同士が水素結合によって接触する接点の数が減少するため、引張強度が低下するおそれがあり好ましくない。1μm以上の径を有する繊維の含有率を5重量%以上40重量%以下とすることで、引張強度と引裂強度をより両立させることができる。
多孔性シートを構成する全繊維中に占めるセルロース繊維の割合は、後述するカットファイバーを含めた全繊維の重量を基準として、50〜99重量%が好ましく、60〜98重量%がより好ましく、70〜97重量%が更により好ましく、80〜96重量%が更により好ましく、85〜95重量%が特に好ましい。
(カットファイバー)
本発明の多孔性シートは、1.5〜20μmの平均繊維径(太さ)のカットファイバーを含むものであり、1μm未満の平均繊維径のカットファイバーを一部含んでもよいが、カットファイバーの全重量を基準として、その配合量は20重量%未満が好ましく、10重量%未満がより好ましく、5重量%未満が更により好ましい。なお、本発明の多孔性シートは20μm超の平均繊維径のカットファイバーを一部含んでもよいが、カットファイバーの全重量を基準として、その配合量は30重量%未満が好ましく、20重量%未満がより好ましく、10重量%未満が更により好ましい。カットファイバーの平均繊維径としては、1.5〜18μmが好ましく、2〜16μmがより好ましく、2.5〜14μmが更により好ましく、3.0〜12μmが更により好ましく、3.5〜10μmが特に好ましい。
前記カットファイバーには、ポリビニルアルコール、脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリスルホン、セルロースアセテート、セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキシド、ポリメチルペンテン、ポリアクリロニトリルポリフェニレンスルフィド、ポリアセチル、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン、PPS樹脂、再生セルロース、及び、これらの組み合わせから選択される高分子を利用することができる。
前記カットファイバーは上記高分子から構成されることが好ましい。すなわち、前記カットファイバーは上記高分子のみからなることが好ましい。
前記カットファイバーを構成する高分子としては、ポリエステル、アラミド、ビニロン、PPS樹脂、再生セルロース、又は、これらの組合せが好ましい。
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、又は、これらの組合せが挙げられる。ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及び、これらの組合せが好ましい。
アラミドは芳香族ポリアミドを意味する。本発明において「アラミド」とは、化学構造的には、アミド結合の60モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、更により好ましくは90モル%以上が芳香環に直接結合した線状高分子化合物を意味する。
アラミドはベンゼン環へのアミド基の置換位置によって、パラアラミド、メタアラミド及びこれらの共重合体に分類される。パラアラミドとしては、ポリパラフェニレンテレフタルアミド及びその共重合体、ポリ(パラフェニレン)−コポリ(3,4’−ジフェニルエーテル)テレフタルアミド(ポリ(パラフェニレン)−コポリ(3,4’−ジフェニルエーテル)テレフタルアミド)等が例示される。メタアラミドとしては、ポリメタフェニレンイソフタルアミド及びその共重合体等が例示される。これらのアラミドは、例えば従来既知の界面重合法、溶液重合法等により工業的に製造されており、市販品として入手することが可能であるが、これに限定されるものではない。
ビニロンはポリビニルアルコールを意味する。ポリビニルアルコールとしては熱溶融可能なPVA系樹脂が好ましく、ビニルエステルの重合体をけん化することにより得られる。ビニルエステルとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどが挙げられるが、工業的には酢酸ビニルが多く用いられる。PVAはα−オレフィン単位を含有していてもよい。それらは炭素数4以下のもので、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等が挙げられるが、強度物性、形態安定性を考慮すると、エチレンがより好ましい。α−オレフィン単位の含有量は、1〜20モル%であり、含有量が20モル%より大では、変性PVAの水への溶解性が低下する。
PPS樹脂はベンゼン環と硫黄が交互につながって伸長した構造を持ち、高い耐熱性、強度、耐薬品性をもつ。PPS樹脂の代表例としては、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルフィドケトン、これらのランダム共重合体、ブロック共重合体およびそれらの混合物などが挙げられる。PPS繊維としては、「トルコン」(東レ製)、「プロコン」(東洋紡製)など、複数のものが市販されている。
再生セルロース繊維はセルロースまたはその誘導体を一度溶解して溶液とし、繊維状に紡糸することで製造される繊維である。工業的に利用されている製品としては、たとえばレーヨン(アルカリと二硫化炭素に溶かしてビスコースとし、酸の中で紡糸する)や、リヨセル(N-メチルモルホリン N-オキシドに溶解して製造する)、アセテート(酢酸セルロースから製造する)などが挙げられる。
前記カットファイバーを構成する高分子としては、ポリエステルが好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、又は、これらの組合せがより好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及び、これらの組合せが更により好ましい。
前記カットファイバーの繊維長は、1〜10mmが好ましく、2〜8mmが好ましく、3〜5mmがより好ましい。繊維長が1mmを下回ると、カットファイバーによる強度向上の効果が著しく低下する。また、繊維長が10mmを超えると、カットファーバー同士が絡まることによりシートの地合が著しく低下し、均一な多孔性シートを得ることが困難となる。
多孔性シートを構成する(前述のセルロース繊維を含む)全繊維中に占めるカットファイバーの割合は、全繊維の重量を基準として80重量%以下であり、50重量%以下が好ましく、30重量%以下がより好ましい。また、多孔性シートを構成する全繊維中に占めるカットファイバーの割合は、全繊維の重量を基準として、1重量%以上であり、3重量%以上が好ましく、5重量%以上がより好ましい。多孔性シートを構成する全繊維中に占めるカットファイバーの割合は、例えば、1〜50重量%とすることができ、3〜40重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましい。カットファイバーの添加量が80重量%を超えると、カットファイバー同士が分散液中で絡まる頻度が増えることにより、得られたシートがフロック状となり、地合が著しく低下して均一な多孔性シートを得ることが困難となり、さらには、多孔性シート中のセルロースの含有量が少なすぎることから得られたシートの孔のサイズが著しく大きくなり、セパレータとして使用したときに短絡が発生するおそれがある。また、カットファイバーの添加量が1重量%未満では、強度(特に引裂強度)の向上が不十分となる。
多孔性シートを構成する(上記セルロース繊維を含む)全繊維中に占めるカットファイバーの割合が全繊維の重量を基準として50重量%未満の場合は、本発明の多孔性シートは、例えば、上記セルロース繊維を主体とした微多孔膜の形態であることができる。
[積層体]
本発明の多孔性シートと多孔性基材の積層体は、多孔性基材、及び、上記多孔性シートを備える。
本発明の積層体は、前記多孔性基材及び前記の2つの層を少なくとも備える。本発明の積層体は前記多孔性基材及び前記以外の層を備えてもよいが、前記多孔性基材及び前記が直接接触して積層されていることが好ましい。また、前記多孔性基材及び前記は単に接触して積層されていてもよいが、一体化されている方が好ましい。
本発明の積層体の空孔率は30〜70%が好ましい。空孔率は上記のとおり測定することができる。本発明の積層体の空孔率を30%〜70%の範囲に維持することで、電気化学素子に良好に対応可能である。
本発明の積層体は、1mol/Lの濃度のLiPFのプロプレンカーボネート溶液を含浸させた状態において20kHzの交流電流を用いて測定される体積抵抗率が1500Ω・cm以下であることが好ましい。体積抵抗率は、上記のとおり測定することができる。前記積層体の体積抵抗率は1000Ω・cm以下がより好ましい。
本発明の積層体は、膜厚10μm当たりの透気抵抗度が10〜600秒(/100cc)であることが好ましく、20〜450秒がより好ましく、30〜250秒が更により好ましい。前記透気抵抗度はJIS P8117に基づいて測定することができる。
本発明の積層体に関して、バブルポイント法で測定される細孔径の平均値は、前記多孔性基材が2〜10μm、前記多孔性シートが20〜100nmであることが好ましい。
本発明の積層体の表面粗さは、表裏ともにRa値1.5以下が好ましい。
(多孔性基材)
前記多孔性基材の形状は特に限定されるものではないがシート状が好ましい。したがって、前記多孔性基材としては上記の多孔性シートとは異なる多孔性シートでもよく、上記の多孔性シートと同一の多孔性シートでもよい。上記の多孔性シートとは異なる多孔性シートであることが好ましい。
前記多孔性基材は、2〜20μmの平均繊維径(太さ)の高分子繊維を含むものが好ましい。前記多孔性基材は、2μm未満の平均繊維径の高分子繊維を一部含んでもよいが、多孔性基材の全重量を基準として、その配合量は20重量%未満が好ましく、10重量%未満がより好ましく、5重量%未満が更により好ましい。したがって、前記多孔性基材は上記セルロース繊維に比べて比較的太い繊維から主に構成されることが好ましい。なお、前記多孔性基材は20μm超の平均繊維径の高分子繊維を一部含んでもよいが、多孔性基材の全重量を基準として、その配合量は30重量%未満が好ましく、20重量%未満がより好ましく、10重量%未満が更により好ましい。
前記多孔性基材は織布又は不織布から構成されていてもよく、製法の簡便さ等の点で不織布から構成されることが好ましい。
前記多孔性基材を構成する繊維の素材は特には限定されるものではなく、例えば、セルロース、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロース等)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル[ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等]、ポリアクリロニトリル、(PAN)、ポリアラミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリビニルアルコール(PVA)等の有機材料;ガラス、アルミナ、シリカ等の無機材料(無機酸化物);等が挙げられる。多孔性基材の構成繊維は、これらの素材の1種を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。また、多孔性基材の構成繊維は、その構成成分として、上記の素材の他に、必要に応じて、公知の各種添加剤( 例えば、前記素材が樹脂の場合には酸化防止剤等)を含有していてもよい。
前記多孔性記載は、セルロース繊維からなることが好ましい。
前記多孔性記載の構成繊維の平均繊維径は、3〜18μmであることが好ましく、4〜15μmがより好ましく、5〜10μmが更により好ましい。平均繊維径が大きすぎると、積層体の厚みが増大して取り扱いが困難となるおそれがある。また、径が小さすぎると、積層体の空隙が小さくなりすぎて、イオン透過性が低下する傾向にあり、セパレータとして使用したときに、電池の負荷特性を低下させてしまうおそれがある。
前記多孔性基材がシート状である場合の多孔性基材の厚みは、特に限定されるものではないが、1〜60μmが好ましく、2〜50μmが好ましく、3〜40μmがより好ましく、5〜30μmが更により好ましい。
[製造方法]
本発明の多孔性シートは、例えば、20〜500nmの平均繊維径を有するセルロース繊維、及び、1.5〜20μmの平均繊維径を有するカットファイバーを含み、前記カットファイバーの配合量がセルロース繊維及びカットファイバーの全重量を基準として1〜80重量%であるスラリーを基材上に塗布し、乾燥することで製造することができる。スラリー中の繊維の濃度は限定されるものではないが、例えば、1〜40重量%とすることができ、5〜30重量%が好ましく、10〜20重量%が更により好ましい。
具体的には、本発明の多孔性シートは、上記スラリーを基材上に塗布する工程、前記スラリーを乾燥させて前記基材上にシートを形成する工程、及び、前記シートを前記基材から剥離して多孔性シートを得る工程を少なくとも含む製造方法により得ることができる。
前記スラリーは親水性開孔剤を含むことが好ましい。繊維からなるシートの多孔質化の手段として親水性開孔剤を含むスラリーを基材上に塗布し乾燥することで、生産効率を大幅に改善することができる。更に、本発明では、親水性開孔剤の水への溶解度を調整することによってシートの孔のサイズを制御することができる。また、本発明では、親水性開孔剤の添加量の調整により空孔率を自由に制御することができる。例えば、本発明では、セルロース繊維及びカットファイバーの合計量100重量(質量)部に対して親水性開孔剤を好ましくは50〜600重量部、より好ましくは80〜400重量部、更により好ましくは100〜300重量部の割合で使用することができる。
本発明で使用される親水性開孔剤は、繊維からなるシートに微細な孔を形成可能な親水性物質であれば特に限定されるものではないが、親水性開孔剤の沸点は、180℃以上であることが好ましい。前記繊維がセルロース繊維のように水素結合可能な場合、繊維間の水素結合は、乾燥時のシート水分が10〜20重量%の間で形成されることが知られている。この水素結合が形成される際に開孔剤がシート中に存在し、かつ繊維間の水素結合を阻害することにより多孔質化が可能となる。沸点が180℃未満の開孔剤を用いた場合は、添加量を多くしても乾燥工程において開孔剤が揮発してしまい、十分に多孔化することができないおそれがある。そのため沸点が180℃以上の開孔剤が好ましいが、より好ましくは200℃以上である。例えばヘキサノールよりも少ない分子量の一級アルコール等は、水溶性と疎水性をあわせ持つ材料であるが、乾燥工程において水よりも揮発しやすいため十分に水素結合を阻害することができないため本発明においては用いることはできない。但し開孔剤の蒸気で満たした空気を用いて乾燥したり、水よりも蒸気圧の低い溶媒を用いて多段乾燥を用いる等の通常の乾燥条件とは異なる乾燥方法を用いた場合は必ずしも沸点が180℃以上である必要はない。
本発明で使用される親水性開孔剤は、水への溶解度が10重量%以上のものが好ましく、20重量%以上のものがより好ましく、30重量%以上のものが更により好ましい。水への溶解度が10重量%未満の開孔剤を用いた場合には、開孔剤の添加量が限られるため、目的とする空孔率を開孔剤の添加量のみでコントロールすることが困難となりうる。また乾燥が進むに従い溶媒量が減少することで溶解できない開孔剤が分離するため、シートの面方向、厚み方向に均一に多孔化することが困難となりうる。なお、このような疎水性の開孔剤は乳化剤等によりエマルジョン化することで、ある程度均一に多孔化することが可能であるが、孔径の制御は困難である。一方、水への溶解度が10重量%以上の開孔剤を用いた場合には、スラリーに均一に分散可能であり、また、水への溶解性が高いので乾燥工程で分離しないため、乾燥工程において均一に水素結合を阻害することで細孔を均一に作ることができる。
本発明で使用される親水性開孔剤は、25℃における蒸気圧が0.1kPa未満のものが好ましく、0.09kPa未満のものがより好ましく、0.08kPa未満のものが更により好ましい。蒸気圧が0.1kPa以上の親水性開孔剤は揮発性が高いので膜の多孔化の寄与する前に揮発する傾向が高く、結果として、微多孔質の膜を得ることが困難となるおそれがある。
本発明で使用される親水性開孔剤は、水/オクタノールの分配係数(Log Pow)が−1.2〜0.8の範囲のものが好ましく、−1.1〜0.8の範囲のものがより好ましく、−0.7〜0.4の範囲のものが更により好ましい。前記オクタノールとしてはn−オクタノールが好ましい。前記分配係数が−1.2未満の親水性開孔剤を使用すると、得られる多孔性シートのインピーダンス値が高まるおそれがある。
本発明で用いることのできる親水性開孔剤としては具体的には次のようなものがある。例えば1、5−ペンタンジオール、1-メチルアミノ-2,3-プロパンジオール等の高級アルコール類、イプロシンカプロラクトン、α−アセチル−γ−ブチルラクトン等のラクトン類、ジエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類、更にその他にグリセリン、炭酸プロピレン、N-メチルピロリドン等が挙げられるがその限りではない。これらの中でもグリコールエーテル類は蒸気圧が低く、本発明で使用可能な製造方法において最も適している。
本発明において使用されるスラリーは、セルロース繊維及びカットファイバーからなる繊維と親水性開孔剤以外に繊維間を繋ぐための接着剤として親水性高分子バインダーを該繊維100重量部に対して3〜80重量部、好ましくは5〜50重量部含むことが好ましい。親水性高分子バインダーは、接着剤としての機能以外に、繊維の分散性を向上させる機能を発揮することができる。均一な細孔分布を得るためには、スラリー中に繊維が均一に分散する必要があるが、親水性高分子バインダーは繊維の表面に定着することで保護コロイドに似た役割を果たすため分散性が向上する。バインダーの添加量が3重量部未満となると、出来上がったシートの強度が低下するおそれがあり、また、繊維の分散性が悪化するため、均一な細孔を得ることが困難となる。一方、80重量部よりも多い場合には、バインダーが細孔を埋めてしまう形となり、多孔性シートの体積抵抗率が高くなるため好ましくない。
前記親水性高分子バインダーとしては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース等のセルロース誘導体、リン酸エステル化デンプン、カチオン化デンプン、コーンスターチ等の多糖類の誘導体、電極用のバインダーとして知られているスチレンブタジエン共重合体エマルジョン、ポリフッ化ビニリデン等のバインダーを使用することが可能である。
本発明で使用される基材は、特に限定されるものではないが、高分子フィルム、ガラス板、金属板、剥離紙等が使用可能である。基材の素材は、ワイヤー、濾布、濾紙等のスラリー中の親水性開孔剤が裏に抜けないものが好ましい。親水性開孔剤を用いて多孔化する場合、乾燥前に親水性開孔剤が基材の裏から抜けてしまうと十分にシートを多孔化することができない。更に、乾燥したシートは、基材の表面性を転写する特性があるため、基材の表面はできるだけ平滑な方が好ましい。これらのことを考慮すると、二軸延伸したポリエチレンテレフタレートフィルムはフレキシブル性があり、溶融温度も比較的高いため、乾燥時の伸びや収縮の影響が少ないので基材として好ましい。また、ポリプロピレンフィルムと比較して極性も高いため、水系のスラリー処方においても塗工しやすく、好適に使用することが可能である。
本発明で使用可能な製造方法において、セルロース繊維及びカットファイバーからなる繊維及び好ましくは親水性開孔剤を含むスラリーを基材上に塗布する手法は、塗布層の膜厚が一定の範囲内となるように均一塗布できる塗工方法であればいかなる手段でも使うことができる。例えば、スロットダイコーター、カーテンコーター等の前計量タイプのコーターや、MBコーター、MBリバースコーター、コンマコーター等の後計量タイプでも塗工が可能である。
本発明において、必要な場合には、添加剤として界面活性剤をスラリーに添加することができる。消泡剤やレベリング剤としてアセチレングリコール等に代表されるノニオン性の界面活性剤を電気化学素子性能に影響を与えない程度であれば使用可能である。イオン性の界面活性剤は、電気化学素子性能に影響を与える可能性があるので使わない方が好ましい。
この他に、前記スラリーには、前記親水性高分子バインダー、前記界面活性剤以外にも填料を含むことが可能である。例えば、シリカ粒子、アルミナ粒子といった無機填料、シリコーンパウダー等の有機填料等を使用することが可能である。これらの粒子は、多孔性シートの細孔に影響を与えない程度に添加可能であるが、できるだけ平均粒子径が2μm未満のものを使用する方が好ましい。平均粒子径が2μm以上になると、粒子間の隙間により細孔径の大きな孔が開いてしまうため好ましくない。なお、これらの填料は塗工スラリーの粘度を下げる効果があるために塗料濃度を上げることが可能となり生産効率を上げるのに好適である。一方、添加量が多すぎると強度が低下するため、セルロース繊維100重量部に対して100重量部よりも多い添加量は好ましくない。
本発明で用いるスラリーの溶媒は基本的に水を使用する必要があるが、乾燥効率を向上させることを目的としてメタノールやエタノール、t−ブチルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル等のエーテル類等の水よりも蒸気圧の高い溶媒を溶媒全体量の50重量%まで添加することが可能である。これらの溶媒を50重量%以上添加するとセルロース繊維の分散性が悪くなり細孔分布の均一性が悪くなるため好ましくない。
本発明の多孔性シートの製造方法では、基材上に塗布された前記スラリーを乾燥してシートを得ることができる。乾燥方法は特に限定されるものではないが、具体的には、熱風乾燥及び遠赤外線乾燥の単独又は組み合わせ等の一般的に使用されている乾燥手法を使用して実施することが可能であり、例えば熱風温度は、30〜150℃、好ましくは60〜120℃とすることができるが、できるだけシートの厚み方向の構造が均一に乾燥されるように熱風温度、熱風量、遠赤外線の照射条件等を調整する必要がある。また乾燥効率の向上のために、マイクロ波加熱を使用することもできる。
本発明の多孔性シートの製造方法では、このようにして基材上に形成されたシートを剥離して当該多孔性シートを得ることができる。基材から多孔性シートを剥離する方法は特に限定されるものではない。
本発明の多孔性シートの製造方法は、前記シートを有機溶媒で洗浄する工程を更に有することができる。この洗浄工程は、界面活性剤等を必要に応じて使用した場合等において電気化学素子性能を阻害するような成分を取り除き、また、基材から前記シートを剥がす工程をスムーズに行うためのものである。洗浄工程に用いることのできる有機溶媒であれば、特に限定されるものではないが、残留水分が有機溶媒中に移行することによるシートの収縮の影響を避けるためには、水の溶解度が低い疎水性の溶媒が好ましい。
前記有機溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、n‐ヘキサン、トルエン、プロパノール等の比較的揮発速度の速い有機溶剤を1種類又は2種類以上を単独又は混合で1回から数回に分けて使用することができるが、これらに限定されるものではない。残留した開孔剤を洗浄する目的では、エタノール、メタノール等の水と親和性の高い溶媒が好ましいが、シート中の水分が溶媒に移行したり、空気中の水分を吸湿したりして、多孔性シートの物性やシート形状に影響与えるため、水分量が管理された状態で使用することが必要である。n−ヘキサン、トルエン等の疎水性の高い溶媒は、親水性開孔剤の洗浄効果は劣るが吸湿しにくいため好適に使用できる。以上の理由から例えば、アセトン、トルエン、n−ヘキサンのように、次第に疎水性が高くなるような順序で洗浄を繰り返しながら溶媒置換していく手法が好ましい。
一方、本発明の積層体は、例えば、以下に示す2つの方法で製造することができる。
1.基材上でのキャスト塗工による多孔性シートの調製及び多孔性基材上への積層
(1)既述のとおり多孔性シートを調製する。
(2)前記多孔性シートを多孔性基材上に積層する。
前記多孔性基材としては既述したものを使用することができる。前記多孔性シートを前記多孔性基材に積層する場合に、単に載置することも可能であるが、接着剤等の接合手段によって両者を接合することが好ましい。前記接着剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、上記の親水性高分子バインダー等を使用することができる。
2.多孔性基材上でのキャスト塗工
(1)20〜500nmの平均繊維径を有するセルロース繊維、及び、1.5〜20μmの平均繊維径を有するカットファイバーを含み、前記カットファイバーの配合量が繊維の全重量を基準として1〜80重量%であるスラリーを多孔性基材上に塗布する。スラリー中の繊維の濃度は限定されるものではないが、例えば、1〜40重量%とすることができ、5〜30重量%が好ましく、10〜20重量%が更により好ましい。
(2)前記スラリーを乾燥させて前記多孔性基材上に多孔性シートを形成する。
多孔性基材上でのキャスト塗工により多孔性シートを調製する後者の製造方法は、基材上でのキャスト塗工により多孔性シートを別途調製し、得られた多孔性シートを多孔性基材上に積層する前者の製造方法の「基材」を多孔性基材に置換し、多孔性シートを「基材」から剥離する工程を省くことで実施することができる。
多孔性基材上でのキャスト塗工により多孔性シートを調製する後者の製造方法は、多孔性シートが多孔性基材上に直接調製されるので、多孔性シートと多孔性基材が直接接合され、両者を良好に一体化することができる。一方、基材上でのキャスト塗工により多孔性シートを別途調製し、得られた多孔性シートを多孔性基材上に積層する前者の製造方法は、多孔性シートの厚みを均一とし、また、その表面粗さを抑制することが容易である。
[セパレータ・電気化学素子]
本発明の多孔性シート又は積層体は、電気化学素子用セパレータの一構成要素として又はそのまま電気化学素子用セパレータとして使用することができる。
本発明の電気化学素子用セパレータは、例えば、リチウムイオン二次電池、ポリマーリチウム電池等の電池、並びに、アルミニウム電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等のキャパシタに用いることができる。
上記電気化学素子の構成は、本発明の多孔性シート又は積層体を電気化学素子用セパレータとして用いていること以外は、従来の電気化学素子と全く同様の構成とすることができる。なお、電気化学素子のセル構造は特に限定するものではなく、積層型、円筒型、角型、コイン型等が挙げられる。
例えば、本発明のセパレータを備える電気化学素子としてのリチウムイオン二次電池は、正極と負極とを有し、これらの間に本発明の電気化学素子用セパレータが配置され、この電気化学素子用セパレータに電解液が含浸されたものである。
上記正極及び負極は電極活物質を含む。正極活物質としては従来公知のものを用いることができ、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMn等のリチウム遷移金属酸化物や、LiFePO等のリチウム金属リン酸塩等が挙げられる。負極活物質としては従来公知のものを用いることができ、例えば、グラファイト等の炭素材料やリチウム合金等が挙げられる。また、電極には必要に応じて、従来公知の導電助材や結着剤が添加される。
リチウムイオン二次電池を製造するにはまず、正極活物質、負極活物質とそれぞれ、必要に応じて、従来公知の導電助材や結着剤とを含有してなる正極合剤、負極合剤を従来公知の集電体に塗布する。集電体としては例えば、正極にはアルミニウム等、負極には銅、ニッケル等が用いられる。正極合剤、負極合剤を集電体に塗布した後、乾燥させ、加圧成形することにより、集電体に活物質層が形成された正極及び負極がそれぞれ得られる。
次いで、得られた正極及び負極と、本発明の電気化学素子用セパレータとを、正極、電気化学素子用セパレータ、負極の順に積層し或いは巻回して素子を構成する。次いで、その素子を外装材に収納し、集電体を外部電極に接続して、従来公知の電解液を含浸した後、外装材を封止してリチウムイオン二次電池が得られる。
また、例えば、本発明のセパレータを備える電気化学素子としての電気二重層キャパシタは、正極と負極とを有し、これらの間に本発明の電気化学素子用セパレータが配置され、この電気化学素子用セパレータに電解液が含浸されたものである。
上記正極及び負極の電極は例えば、活性炭粉末と従来公知の導電助材や結着剤とを含有してなる電極合剤を従来公知の集電体に塗布し、乾燥させ、加圧成形することにより得られる。集電体としては例えば、アルミニウム等が用いられる。
電気二重層キャパシタは、正極及び負極と、本発明の電気化学素子用セパレータとを、正極、電気化学素子用セパレータ、負極の順に積層し或いは巻回して素子を構成する。次いで、その素子を外装材に収納し、集電体を外部電極に接続して、従来公知の電解液を含浸した後、外装材を封止することにより得られる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明するが、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。
(1) 平均繊維径の測定
電子顕微鏡(日立製作所製)で倍率5000倍の画像を5箇所撮影し、それぞれの視野から任意で20本の繊維を選択して繊維径を測定することで、(数)平均繊維径を測定した。
(2)比引裂強さの測定
多孔性シートを50mm×25mmの短冊にカットした。図1に示すように、短冊の長辺の中央より、片方の辺は上下5mmの位置に、もう片方の辺は上下10mmの位置に印をつけ、上と下それぞれの点を線で結び、短冊に2つの斜線を入れた。図1に示すように、短冊の5mmの線をつけた側の長辺の中央に長さ1mmの切込みを入れ、試験片とした。これを、チャック間距離10mmに設定したテンシロン万能引張り試験機(RTG−1210、エー・アンド・デイ製)に、上述の斜線がテンシロンの2つのチャックの下辺に沿うように、上下10mmの位置に印をつけた側の長辺がたるむようにセットした。チャックの移動速度は5mm/分として、チャックの移動距離が11mmとなるまで逆方向に移動させ、試験片の引っ張りを行い、引裂強度の数値を測定した。さらに、その値を坪量で除することで比引裂強さを算出した。比引裂強さは15mN・m/g以上を合格とした。
(3)地合の評価
地合計(フォーメーションテスターFMT−MIII、野村商事株式会社製)で地合指数の測定を行い、以下の基準で判断した。
◎:地合指数 80未満
〇:地合指数 80以上90未満
△:地合指数 90以上100未満
×:地合指数 100以上
[実施例1]
NBKPをイオン交換水中に3重量%濃度になるように分散させ、ダブルディスクリファイナーを用いて数平均繊維長1.0mm以下となるような条件までサイクリングにて叩解した。数平均繊維長が1.0mm以下となったセルロース繊維分散液を高圧ホモジナイザー(LAB−1000)で800barの条件で10回処理することにより微細化セルロース繊維原料を得た。この原料を脱水装置を使って処理することにより約10重量%まで濃縮した。セルロース繊維の原料を等量のトリエチレングリコールブチルメチルエーテルと混合し、120℃のオーブンで乾燥して溶媒を除去したうえで電子顕微鏡を用いて平均繊維径を測定したところ、280nmであった。
セルロース繊維の原料を100重量部とし、これに対してグリコールエーテル系開孔剤(商品名:ハイソルブDB 東邦化学製)を350重量部、親水性高分子バインダーとして1重量%濃度でイオン交換水に溶解したカルボキシメチルセルロース(商品名:サンローズMAC−500LC 日本製紙ケミカル製)を10重量部添加し、最終的に固形分濃度が2重量%となるように水を加えた塗料をホモミキサー(株式会社アズワン製)で均一に混ざるまで分散を行い、スラリー1とした。
また、カットファイバーとして平均繊維径3.5μm、繊維長3mmのポリエチレンテレフタレート繊維(TA04PN、帝人ファイバー製)を100重量部、これに対して親水性高分子バインダーとして1重量%濃度でイオン交換水に溶解したカルボキシメチルセルロース(商品名:サンローズMAC−500LC 日本製紙ケミカル製)を10重量部添加し、最終的に固形分濃度が2重量%となるように水を加え、ホモミキサーで均一に混ざるまで分散を行い、スラリー2とした。
カットファイバーの配合率がセルロース繊維及びカットファイバーの合計量の50重量%となるように、スラリー1とスラリー2を50:50の重量比率(繊維ベース)で混合し、スターラーにて300rpmで均一になるまで撹拌することで塗料を調合した。
調合した塗料を厚さ100μmのPETフィルム上にWET膜厚が0.30mmとなるようアプリケーターを用いて塗布し、120℃の熱風及び赤外線ヒーターを用いて12分間乾燥した。得られた塗工膜をトルエン中でPETフィルムから剥離してトルエンを揮発させることにより坪量5.6g/m、膜厚19μmの多孔性シートを得た。
[実施例2]
カットファイバーの配合率がセルロース繊維及びカットファイバーの合計量の30重量%となるように、スラリー1とスラリー2の混合比を70:30の重量比率(繊維ベース)とした以外は実施例1と同様の方法で、塗料を調製し、PETフィルム上にWET膜厚が0.30mmとなるようアプリケーターを用いて塗布し、120℃の熱風及び赤外線ヒーターを用いて12分間乾燥した。得られた塗工膜をトルエン中でPETフィルムから剥離してトルエンを揮発させることにより坪量5.4g/m、膜厚17μmのセルロース系微多孔膜の形態の多孔性シートを得た。
[実施例3]
カットファイバーの配合率がセルロース繊維及びカットファイバーの合計量の70重量%となるように、スラリー1とスラリー2の混合比を30:70の重量比率(繊維ベース)とした以外は実施例1と同様の方法で、塗料を調製し、PETフィルム上にWET膜厚が0.30mmとなるようアプリケーターを用いて塗布し、120℃の熱風及び赤外線ヒーターを用いて12分間乾燥した。得られた塗工膜をトルエン中でPETフィルムから剥離してトルエンを揮発させることにより坪量5.0g/m、膜厚18μmの多孔性シートを得た。
[実施例4]
カットファイバーの配合率がセルロース繊維及びカットファイバーの合計量の5重量%となるように、スラリー1とスラリー2の混合比を95:5の重量比率(繊維ベース)とした以外は実施例1と同様の方法で、塗料を調製し、PETフィルム上にWET膜厚が0.30mmとなるようアプリケーターを用いて塗布し、120℃の熱風及び赤外線ヒーターを用いて12分間乾燥した。得られた塗工膜をトルエン中でPETフィルムから剥離してトルエンを揮発させることにより坪量5.0g/m、膜厚17μmのセルロース系微多孔膜の形態の多孔性シートを得た。
[実施例5]
カットファイバーとして平均繊維径8.0μm、繊維長3mmのポリエチレンテレフタレート繊維(TP04N、帝人ファイバー製)を使用して、実施例1と同様の方法にてポリエステル繊維の分散液を調製し、スラリー3とした。
カットファイバーの配合率がセルロース繊維及びカットファイバーの合計量の30重量%となるように、スラリー1とスラリー3の混合比を70:30の重量比率(繊維ベース)とし、PETフィルム上にWET膜厚が0.40mmとなるようアプリケーターを用いて塗布し、120℃の熱風及び赤外線ヒーターを用いて12分間乾燥した。得られた塗工膜をトルエン中でPETフィルムから剥離してトルエンを揮発させることにより坪量5.8g/m、膜厚20μmのセルロース系微多孔膜の形態の多孔性シートを得た。
[実施例6]
カットファイバーとして平均繊維径7.0μm、繊維長3mmのビニロン繊維(VPB041、株式会社クラレ製)を使用して、実施例1と同様の方法にてポリエステル繊維の分散液を調製し、スラリー4とした。
カットファイバーの配合率がセルロース繊維及びカットファイバーの合計量の10重量%となるように、スラリー1とスラリー4の混合比を90:10の重量比率(繊維ベース)とし、PETフィルム上にWET膜厚が0.40mmとなるようアプリケーターを用いて塗布し、120℃の熱風及び赤外線ヒーターを用いて12分間乾燥した。得られた塗工膜をトルエン中でPETフィルムから剥離してトルエンを揮発させることにより坪量6.0g/m、膜厚23μmのセルロース系微多孔膜の形態の多孔性シートを得た。
[比較例1]
カットファイバーの配合率がセルロース繊維及びカットファイバーの合計量の0重量%となるように、スラリー1とスラリー2の混合比を100:0とした以外は、実施例1と同様にしてセルロース微多孔膜の形態の多孔性シートを得た。
[比較例2]
カットファイバーの配合率がセルロース繊維及びカットファイバーの合計量の90重量%となるように、スラリー1とスラリー2の混合比を10:90の重量比率(繊維ベース)とした以外は、実施例1と同様にして不織布の形態の多孔性シートを得た。
実施例1〜6及び比較例1〜2の多孔性シートの比引裂強さ及び地合を評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 2016194186
比較例1の多孔性シートは、地合は良好であるものの、比引裂強さが基準値を下回った。また、カットファイバーの添加量の多い比較例2の多孔性シートは、シートの地合いが悪く、均一な微多孔膜を得ることができなかった。
以上の実験により、特定のセルロース繊維と共に特定のカットファイバーを特定量の範囲で用いることで強度特性及び地合により代表される繊維分布の均一性を向上できることが確認された。

Claims (16)

  1. 20〜500nmの平均繊維径を有するセルロース繊維、及び、
    1.5〜20μmの平均繊維径を有するカットファイバー
    を含み、
    前記カットファイバーの含有量が前記セルロース繊維及び前記カットファイバーの合計重量を基準として1重量%以上80重量%以下である、
    多孔性シート。
  2. 比引裂強度が15.0mN・m/g以上である、請求項1記載の多孔性シート。
  3. 前記セルロース繊維に400nm以下の太さの繊維がセルロース繊維の全重量を基準として50重量%以上含まれている、請求項1又は2記載の多孔性シート。
  4. 前記セルロース繊維に1μm以上の太さの繊維がセルロース繊維の全重量を基準として5〜40重量%含まれている、請求項1〜3のいずれかに記載の多孔性シート。
  5. 前記カットファイバーの平均繊維長が10mm以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の多孔性シート。
  6. 前記カットファイバーが、ポリエステル繊維、アラミド繊維、PPS樹脂繊維、再生セルロース繊維、ビニロン繊維、及び、これらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれかに記載の多孔性シート。
  7. 前記ポリエステル繊維が、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及び、これらの組合せからなる群から選択されるポリエステルからなる、請求項6記載の多孔性シート。
  8. 空孔率が30〜70%である、請求項1〜7のいずれかに記載の多孔性シート。
  9. 3〜50μmの厚みを有する、請求項1〜8のいずれかに記載の多孔性シート。
  10. 多孔性基材、並びに、
    請求項1〜9のいずれかに記載の多孔性シート
    を備えた積層体。
  11. 前記多孔性基材が織布又は不織布からなる、請求項10記載の積層体。
  12. 前記多孔性基材がセルロース繊維からなる、請求項10又は11記載の積層体。
  13. 1mol/LiPF/プロピレンカーボネート溶液を含浸させた状態において20kHzの交流を使用して決定した体積抵抗率が1500Ω・cm以下である、請求項1〜9のいずれかに記載の多孔性シート又は請求項10〜12のいずれかに記載の積層体。
  14. 請求項1〜9のいずれかに記載の多孔性シート又は請求項10〜13のいずれかに記載の積層体を備える電気化学素子用セパレータ。
  15. 請求項14記載の電気化学素子用セパレータを備える電気化学素子。
  16. 電池又はキャパシタである請求項15記載の電気化学素子。
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