以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<パチンコ機の外観構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るパチンコ機1の斜視図である。
パチンコ機1は、本体2と、本体2に開閉可能に支持された前扉3とを備えている。
前扉3は、その閉状態において、本体2の前面を覆っている。前扉3の上部には、開口4が形成されている。開口4には、ガラス板などの透明板5が嵌められており、この透明板5を介して、開口4の奥側を目視できるようになっている。開口4の周囲には、装飾ランプ6が配設されている。開口4の下側には、遊技に使用する遊技球(パチンコ玉)を貯留しておくための上皿7と、上皿7に貯留しきれない遊技球を受けるための下皿8とが上下に並べて設けられている。下皿8の右側には、遊技者によって回動操作される発射ハンドル9が設けられている。
<遊技盤の構成>
図2は、パチンコ機1の遊技盤11の正面図である。
開口4(図1参照)の奥側には、遊技盤11が配置されている。
遊技盤11には、略円弧状に湾曲した外レール12および内レール13によって、略円形の遊技領域14が区画されている。
上皿7に遊技球が貯留されている状態で、発射ハンドル9が回動操作されると、上皿7から機内に流入する遊技球が遊技盤11に向けて発射される(打ち出される)。発射された遊技球は、外レール12と内レール13との間を飛翔し、遊技領域14の上部に導かれる。遊技球の勢いは、発射ハンドル9の回動量によって調整することができる。遊技領域14の上部に飛入した遊技球は、遊技領域14を下方へと落下していく。遊技領域14の最下部まで落下した遊技球は、その最下部に形成されたアウト口15から機内に回収される。
遊技領域14には、センタユニット21、2個の第1始動口31,32、第2始動口41、ゲート51、第1大入賞口61、第2大入賞口71および3個の一般入賞口81,82,83が配設されている。
センタユニット21は、遊技領域14の中央部に配置されている。センタユニット21は、演出表示装置22と、演出表示装置22の周囲を取り囲む装飾枠23とを備えている。
演出表示装置22は、たとえば、カラー液晶表示装置で構成される。
装飾枠23の下部には、ステージ24が形成されている。ステージ24は、演出表示装置22の下方で左右に延びている。ステージ24の上面は、中央部が両側部よりも下方に位置するように湾曲(下方に凹湾曲)した略円弧面をなしている。ステージ24上に落下した遊技球は、ステージ24上で左右に往復動を繰り返した後、ステージ24の左右方向の中央部から落下する。
第1始動口31,32は、ステージ24の左右方向の中央部の下側において、上下に並べて配置されている。上側の第1始動口31の入口は、その大きさが常に一定(不変)である。下側の第1始動口32は、普通電動役物33を入口に備えている。普通電動役物33は、左右一対の可動羽根33a,33bからなる。普通電動役物33の非作動時には、可動羽根33a,33bの先端が互いに接近し、第1始動口32の入口が小さくなる。一方、普通電動役物33の作動時には、可動羽根33a,33bの先端が互いに離間し、第1始動口32の入口が大きく開放される。図2には、普通電動役物33の作動時の状態が示されている。
第2始動口41は、第1始動口31,32の右側に配置されている。第2始動口41は、入口の大きさが常に一定(不変)である。
ゲート51は、センタユニット21の左側に配置されている。
第1大入賞口61は、センタユニット21の右側に配置されている。第1大入賞口61の入口は、遊技盤11の盤面に、左右に長い矩形状の開口として形成されている。第1大入賞口61の入口には、特別電動役物である開閉板62が設けられている。開閉板62は、遊技盤11の盤面に沿った閉姿勢と手前側に傾倒した開姿勢とに揺動可能に構成され、閉姿勢で第1大入賞口61の入口を閉塞し、開姿勢で第1大入賞口61を開放する。図2には、開閉板62の閉姿勢の状態が示されている。
第2大入賞口71は、第2始動口41の上側かつ第1大入賞口61の下側の位置に配置されている。具体的には、第1大入賞口61の下側には、左下がりに傾斜する右スロープ72が配置されている。また、右スロープ72の左端に対して左側に間隔を空けて、僅かに左下がりに傾斜する左スロープ73が配置されている。左スロープ73の左端は、第2始動口41の上方に位置している。第2大入賞口71は、右スロープ72と左スロープ73との間に配置されている。第2大入賞口71の入口には、特別電動役物である左下がりに傾斜するスライドアタッカ74が設けられている。スライドアタッカ74は、第2大入賞口71上に進出した進出位置と、その進出位置から奥側に退避した退避位置とに移動可能に構成されている。スライドアタッカ74は、進出位置で第2大入賞口71の入口を閉塞し、退避位置で第2大入賞口71の入口を開放する。スライドアタッカ74が進入位置にあるとき、その表面は右スロープ72と左スロープ73とを繋ぐ遊技球通路を形成し、後述する「右打ち」を行った場合には、遊技球の殆どが、この遊技球通路上を通過するようになっている。
第2大入賞口71内には、第2大入賞口71内に入った遊技球の流路上に、特定領域(Vゾーン)75および非特定領域76が遊技球の通過方向にこの順に形成されている。特定領域75の入口には、シャッタ77が設けられている。シャッタ77は、特定領域75上に進出した進出位置と、その進出位置から奥側に退避した退避位置とに移動可能に構成されている。シャッタ77は、進出位置で特定領域75の入口を閉塞し、退避位置で特定領域75の入口を開放する。特定領域75が開放されている状態では、遊技球が特定領域75を高い確率で通過し、特定領域75が閉鎖されている状態では、遊技球が非特定領域76を通過する。
一般入賞口81,82,83は、ゲート51の下側かつ第1始動口31,32の左側の位置に配置されている。
また、遊技盤11には、たとえば、右下部の遊技領域14外の位置に、第1特図表示装置91、第2特図表示装置92、第1特図保留数表示装置93、第2特図保留数表示装置94、普図表示装置95および普図保留数表示装置96が配設されている。第1特図表示装置91、第2特図表示装置92および普図表示装置95は、それぞれ7セグメント表示器で構成される。第1特図保留数表示装置93、第2特図保留数表示装置94および普図保留数表示装置96は、それぞれ4個のLEDランプで構成される。
遊技盤11は、遊技球が遊技領域14におけるセンタユニット21の左側の左盤面を落下するように発射ハンドル9の回動操作量を調整する、いわゆる左打ちにより、遊技球がゲート51を通過する可能性ならびに遊技球が第1始動口31,32および一般入賞口81,82,83に入る可能性があり、遊技球が遊技領域14におけるセンタユニット21の右側の右盤面を落下するように発射ハンドル9の回動操作量を調整する、いわゆる右打ちにより、遊技球が第2始動口41、第1大入賞口61および第2大入賞口71に入る可能性があるゲージ構成を採用している。
<パチンコ機の電気的構成>
図3は、パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。
パチンコ機1は、ゲームの中枢的な制御を実行する主制御部101と、ゲームに付随する演出のための制御を実行する副制御部102と、賞球の払い出しのための制御を実行する払出制御部103とを備えている。主制御部101と副制御部102とは、主制御部101から副制御部102への一方向通信が可能に接続されている。また、主制御部101と払出制御部103とは、それらの間での双方向通信が可能に接続されている。
主制御部101は、CPU111、ROM112、RAM113、入力ポート114および出力ポート115を備えている。
入力ポート114には、第1始動口31,32に遊技球が入ったことをそれぞれ検出する第1始動口センサ121,122と、第2始動口41に遊技球が入ったことを検出する第2始動口センサ123と、ゲート51を遊技球が通過したことを検出するゲートセンサ124と、第1大入賞口61に遊技球が入ったことを検出する第1大入賞口センサ125と、第2大入賞口71に遊技球が入ったことを検出する第2大入賞口センサ126と、第2大入賞口71内の特定領域75を遊技球が通過したことを検出する特定領域センサ127と、一般入賞口81,82,83に遊技球が入ったことをそれぞれ検出する一般入賞口センサ128,129,130とが電気的に接続されており、各センサ121〜130の検出信号が入力される。
出力ポート115には、制御対象として、第1特図表示装置91、第2特図表示装置92、第1特図保留数表示装置93、第2特図保留数表示装置94、普図表示装置95および普図保留数表示装置96が電気的に接続されている。また、出力ポート115には、制御対象として、第1大入賞口61の開閉板62を開閉駆動する開閉板駆動部141と、第2大入賞口71のスライドアタッカ74を駆動するスライドアタッカ駆動部142と、第2大入賞口71内のシャッタ77を駆動するシャッタ駆動部143と、第1始動口32の普通電動役物33を駆動する普電駆動部144とが電気的に接続されている。
CPU111は、ROM112に格納されているプログラムを実行し、入力ポート114に接続された各センサ121〜130の検出信号に基づいて、出力ポート115に接続された各制御対象91〜96,141〜144を制御し、また、副制御部102および払出制御部103にコマンドや信号を送信する。RAM113は、CPU111によるプログラムの実行時に、ワークエリアとして使用される。
副制御部102は、CPU151、ROM152、RAM153、入力ポート154および出力ポート155を備えている。
出力ポート155には、制御対象として、装飾ランプ6、演出表示装置22および効果音や音声を出力するスピーカ161が電気的に接続されている。
CPU151は、ROM152に格納されたプログラムを実行し、主制御部101から入力されるコマンドおよび信号などに基づいて、装飾ランプ6の点灯、演出表示装置22の表示およびスピーカ161の出力を制御する。RAM153は、CPU151によるプログラムの実行時に、ワークエリアとして使用される。
払出制御部103は、CPU171、ROM172、RAM173、入力ポート174および出力ポート175を備えている。
パチンコ機1には、遊技盤11に向けて遊技球を発射する球発射装置181と、遊技球を機内から上皿7(または下皿8)に払い出す球払出装置182とが備えられている。入力ポート174には、球払出装置182から払い出された遊技球を検出するための払出球センサ183が電気的に接続されており、払出球センサ183の検出信号が入力される。
出力ポート175には、制御対象として、球発射装置181および球払出装置182が電気的に接続されている。
CPU171は、ROM172に格納されたプログラムを実行し、主制御部101から入力されるコマンドに基づいて、球払出装置182による遊技球の払い出しを制御する。RAM173は、CPU171によるプログラムの実行時に、ワークエリアとして使用される。
なお、図3には、パチンコ機1の電気的構成の要部のみが示されており、たとえば、電源基板、貸球に関する構成(たとえば、貸球ボタン、カード排出ボタン)などの図示が省略されている。
<第1始動入賞処理>
図4は、第1始動入賞処理の流れを示すフローチャートである。
パチンコ機1の電源が投入されている間、主制御部101のCPU111により、第1始動入賞処理が繰り返し実行される。
第1始動入賞処理では、第1始動口センサ121,122の検出信号が監視されており、まず、第1始動口31,32に遊技球が入ったことが検出されたか否かが判断される(ステップS11)。この判断は、遊技球が第1始動口31,32の一方に入るまで繰り返される(ステップS11のNO)。
第1始動口31,32の一方に遊技球が入り、第1始動入賞が発生すると(ステップS11のYES)、第1特図保留数が4であるか否かが判定される(ステップS12)。第1特図保留数は、主制御部101のRAM113の第1特図保留記憶領域に記憶されている特図抽選乱数の数であり、「4」がその上限である。
第1特図保留数が4でない場合、つまり第1特図保留数が3以下である場合には(ステップS12のNO)、特図抽選乱数が取得されて、その取得された特図抽選乱数がRAM113の第1特図保留記憶領域に記憶される(ステップS13)。特図抽選乱数は、主制御部101のCPU111が内蔵する乱数発生器によって極短周期(たとえば、33μsec周期)で更新されるハード乱数である。乱数発生器は、0〜65535の65536個の乱数を発生する。
また、特図抽選乱数が第1特図保留記憶領域に記憶されることにより、第1特図保留数が「+1」となり、第1特図保留数表示装置93の1個のLEDランプの追加点灯により、第1特図保留数表示装置93に表示される第1特図保留数が更新される(ステップS14)。
その後、賞球払出処理が実行されて(ステップS15)、第1始動入賞処理が終了される。賞球払出処理では、主制御部101から払出制御部103に賞球払出コマンドが送信される。この賞球払出コマンドに基づいて、払出制御部103により球払出装置182が駆動制御され、第1始動入賞に対して、予め定める個数(たとえば、3個)の賞球が払い出される。
第1始動入賞が発生した時点で、第1特図保留数が4である場合には(ステップS12のYES)、特図抽選乱数の取得および第1特図保留数の更新がスキップされて、賞球払出処理が実行された後(ステップS15)、第1始動入賞処理が終了される。
<第2始動入賞処理>
図5は、第2始動入賞処理の流れを示すフローチャートである。
パチンコ機1の電源が投入されている間、主制御部101のCPU111により、第2始動入賞処理が繰り返し実行される。
第2始動入賞処理では、第2始動口センサ123の検出信号が監視されており、まず、第2始動口41に遊技球が入ったことが検出されたか否かが判断される(ステップS21)。この判断は、遊技球が第2始動口41に入るまで繰り返される(ステップS21のNO)。
第2始動口41に遊技球が入り、第2始動入賞が発生すると(ステップS21のYES)、第2特図保留数が4であるか否かが判定される(ステップS22)。第2特図保留数は、主制御部101のRAM113の第2特図保留記憶領域に記憶されている特図抽選乱数の数であり、たとえば、「4」がその上限である。第2特図保留数の上限は、4に限らず、3以下であってもよいし、5以上であってもよい。
第2特図保留数が4でない場合、つまり第2特図保留数が3以下である場合には(ステップS22のNO)、特図抽選乱数が取得されて、その取得された特図抽選乱数がRAM113の第2特図保留記憶領域に記憶される(ステップS23)。
また、特図抽選乱数が第2特図保留記憶領域に記憶されることにより、第2特図保留数が「+1」となり、第2特図保留数表示装置94の1個のLEDランプの追加点灯により、第2特図保留数表示装置94に表示される第2特図保留数が更新される(ステップS24)。
その後、賞球払出処理が実行されて(ステップS25)、第2始動入賞処理が終了される。賞球払出処理では、主制御部101から払出制御部103に賞球払出コマンドが送信される。この賞球払出コマンドに基づいて、払出制御部103により球払出装置182が駆動制御され、第2始動入賞に対して、予め定める個数(たとえば、3個)の賞球が払い出される。
第2始動入賞が発生した時点で、第2特図保留数が4である場合には(ステップS22のYES)、特図抽選乱数の取得および第2特図保留数の更新がスキップされて、賞球払出処理が実行された後(ステップS25)、第2始動入賞処理が終了される。
<ゲート処理>
図6は、ゲート処理の流れを示すフローチャートである。
パチンコ機1の電源が投入されている間、主制御部101のCPU111により、ゲート処理が繰り返し実行される。
ゲート処理では、ゲートセンサ124の検出信号が監視されており、ゲート51を遊技球が通過したことが検出されたか否かが判断される(ステップS31)。この判断は、遊技球がゲート51を通過するまで繰り返される(ステップS31のNO)。
遊技球がゲート51を通過し、その通過がゲートセンサ124に検出されると(ステップS31のYES)、普図保留数が4であるか否かが判定される(ステップS32)。普図保留数は、主制御部101のRAM113の普図保留記憶領域に記憶されている普図抽選乱数の数であり、「4」がその上限である。
普図保留数が4でない場合、つまり普図保留数が3以下である場合には(ステップS32のNO)、普図抽選乱数が取得されて、その取得された普図抽選乱数がRAM113の普図保留記憶領域に記憶される(ステップS33)。普図抽選乱数は、主制御部101において実行されるプログラム内で更新されるカウンタ型のソフト乱数であり、その数値範囲は、0〜65535である。
また、普図抽選乱数が普図保留記憶領域に記憶されることにより、普図保留数が「+1」となり、普図保留数表示装置96の1個のLEDランプの追加点灯により、普図保留数表示装置96に表示される第2特図保留数が更新されて(ステップS34)、ゲート処理が終了される。
遊技球がゲート51を通過した時点で、普図保留数が4である場合には(ステップS32のYES)、普図抽選乱数の取得および普図保留数の更新がスキップされて、ゲート処理が終了される。
<第1特図処理>
図7は、第1特図処理の流れを示すフローチャートである。
パチンコ機1の電源が投入されている間、主制御部101のCPU111により、第1特図処理が繰り返し実行される。パチンコ機1では、第1特図表示装置91における図柄の変動表示(以下、「第1特図変動」という。)と、第2特図表示装置92における図柄の変動表示(以下、「第2特図変動」という。)とが同時並行可能とされている。そのため、後述する第2特図処理が実行中であるか否かにかかわらず、第1特図処理が実行される。
第1特図処理では、大当り遊技中または小当り遊技中であるか否かが判断される(ステップS41)。大当り遊技および小当り遊技では、第1大入賞口61または第2大入賞口71が開閉され、遊技者は、第1大入賞口61または第2大入賞口71に遊技球が入ること(入賞)による賞球を獲得することができる。大当り遊技および小当り遊技については、後に詳述する。
大当り遊技または小当り遊技が行われている場合(ステップS41のYES)、その大当り遊技または小当り遊技が終了するまで、大当り遊技中または小当り遊技の実行中であるか否かの判断が繰り返される。
大当り遊技および小当り遊技のいずれも行われていない場合(ステップS41のNO)、第1特図表示装置91における第1特図変動中であるか否かが判断される(ステップS42)。
第1特図変動が続く間(ステップS42のYES)、第1特図変動中であるか否かの判断が繰り返される。
第1特図変動中でない場合(ステップS42のNO)、つまり第1特図表示装置91に図柄が停止表示されている場合、第1特図保留数が0であるか否かが判断される(ステップS43)。
主制御部101のRAM113の第1特図保留記憶領域に特図抽選乱数が記憶されておらず、第1特図保留数が0である場合には(ステップS43のYES)、ステップS41に戻り、大当り遊技中または小当り遊技の実行中であるか否かが判断される。
第1特図保留数が0でない場合には(ステップS43のNO)、第1特図保留記憶領域に記憶されている特図抽選乱数のうち、最先に記憶された特図抽選乱数を作業用の記憶領域に退避させる退避処理と、その退避により生じた空き領域を詰めるように、第1特図保留記憶領域に記憶されている残りの特図抽選乱数をシフトさせる前詰処理とが連続して実行される(ステップS44)。
退避処理の結果、第1特図保留数が「−1」となり、第1特図保留数表示装置93の1個のLEDランプが消灯されることにより、第1特図保留数表示装置93に表示される第1特図保留数が更新される(ステップS45)。
そして、作業用の記憶領域に退避された特図抽選乱数に基づく第1特図抽選が実行される(ステップS46)。
パチンコ機1には、低確状態(非確変状態)かつ非時短状態である低確・非時短状態と、低確状態かつ時短状態である低確・時短状態と、高確状態(確変状態)かつ非時短状態である高確・非時短状態と、高確状態かつ時短状態である高確・時短状態との4つの遊技状態が存在する。低確状態、高確状態、非時短状態および時短状態については、後述する。
第1特図抽選で使用される第1特図抽選テーブルには、低確状態および高確状態に対応して、低確状態用および高確状態用の2種類が用意されている。
低確状態用の第1特図抽選テーブルでは、199個の大当り判定値が定められている。遊技状態が低確状態である場合には、低確状態用の第1特図抽選テーブルが参照されて、作業用の記憶領域に退避された特図抽選乱数と各大当り判定値とが一致するか否かが判定される。そして、特図抽選乱数が199個の大当り判定値のいずれかと一致した場合には、第1特図抽選の結果が大当りと判定され、特図抽選乱数が199個の大当り判定値のいずれとも一致しない場合には、第1特図抽選の結果が外れと判定される。したがって、低確状態において、第1特図抽選で大当りが引き当てられる確率(大当り確率)は、約1/329.327である。
高確状態用の第1特図抽選テーブルでは、819個の大当り判定値が定められている。遊技状態が高確状態である場合には、高確状態用の第1特図抽選テーブルが参照されて、作業用の記憶領域に退避された特図抽選乱数と各大当り判定値とが一致するか否かが判定される。そして、特図抽選乱数が819個の大当り判定値のいずれかと一致した場合には、第1特図抽選の結果が大当りと判定され、特図抽選乱数が819個の大当り判定値のいずれとも一致しない場合には、第1特図抽選の結果が外れと判定される。したがって、高確状態において、第1特図抽選での大当り確率は、約1/80.0195である。
第1特図抽選の実行後には、第1特図表示装置91における第1特図変動時間(以下、第1変動時間という)を抽選する。第1変動時間の抽選方法については後述する。
第1特図抽選および第1変動時間の抽選の実行後、第1特図変動が開始される(ステップS47)。
また、第1特図変動の開始と同時に、CPU111の内部タイマによる変動時間の計測が開始される(ステップS48)。
つづいて、第2特図表示装置92における第2特図変動中であるか否かが判断される(ステップS49)。
第2特図変動中である場合(ステップS49のYES)、第1特図変動と第2特図変動とが並行している。この場合、変動重複処理が実行される(ステップS50)。変動重複処理については、後述する。第2特図変動中でない場合には(ステップS49のNO)、変動重複処理がスキップされる。
その後、内部タイマによる計測時間が所定の第1変動時間に達したか否かが判断される(ステップS51)。
計測時間が第1変動時間に達するまでは(ステップS51のNO)、第1特図変動が続けられて、第2特図変動中であるか否かが繰り返し判断される(ステップS49)。
そして、計測時間が第1変動時間に達すると(ステップS51のYES)、第1特図変動が終了されて、第1特図抽選の結果が大当りであることを表す大当り図柄または第1特図抽選の結果が外れであることを表す外れ図柄が第1特図表示装置91に停止表示されて(ステップS52)、第1特図処理が終了される。
なお、第1特図表示装置91に大当り図柄が停止表示された場合、その後、大当り遊技が行われる。
<第2特図処理>
図8は、第2特図処理の流れを示すフローチャートである。
パチンコ機1の電源が投入されている間、主制御部101のCPU111により、第2特図処理が繰り返し実行される。
第2特図処理では、大当り遊技中または小当り遊技中であるか否かが判断される(ステップS61)。
大当り遊技または小当り遊技が行われている場合(ステップS61のYES)、その大当り遊技または小当り遊技が終了するまで、大当り遊技中または小当り遊技の実行中であるか否かの判断が繰り返される。
大当り遊技および小当り遊技のいずれも行われていない場合(ステップS61のNO)、第2特図変動中であるか否かが判断される(ステップS62)。
第2特図変動が続く間(ステップS62のYES)、第2特図変動中であるか否かの判断が繰り返される。
第2特図変動中でない場合(ステップS62のNO)、つまり第2特図表示装置92に図柄が停止表示されている場合、第2特図保留数が0であるか否かが判断される(ステップS63)。
主制御部101のRAM113の第2特図保留記憶領域に特図抽選乱数が記憶されておらず、第2特図保留数が0である場合には(ステップS63のYES)、ステップS61に戻り、大当り遊技中または小当り遊技の実行中であるか否かが判断される。
第2特図保留数が0でない場合には(ステップS63のNO)、第2特図保留記憶領域に記憶されている特図抽選乱数のうち、最先に記憶された特図抽選乱数を作業用の記憶領域に退避させる退避処理と、その退避により生じた空き領域を詰めるように、第2特図保留記憶領域に記憶されている残りの特図抽選乱数をシフトさせる前詰処理とが連続して実行される(ステップS64)。
退避処理の結果、第2特図保留数が「−1」となり、第2特図保留数表示装置94の1個のLEDランプが消灯されることにより、第2特図保留数表示装置94に表示される第2特図保留数が更新される(ステップS65)。
そして、作業用の記憶領域に退避された特図抽選乱数に基づく第2特図抽選が実行される(ステップS66)。
第2特図抽選で使用される第2特図抽選テーブルには、低確状態および高確状態に対応して、低確状態用および高確状態用の2種類が用意されている。
低確状態用の第2特図抽選テーブルでは、199個の大当り判定値および64715個の小当り判定値が定められている。遊技状態が低確状態である場合には、低確状態用の第2特図抽選テーブルが参照されて、作業用の記憶領域に退避された特図抽選乱数と各大当り判定値および各小当り判定値とが一致するか否かが判定される。そして、特図抽選乱数が199個の大当り判定値のいずれかと一致した場合には、第2特図抽選の結果が大当りと判定される。また、特図抽選乱数が64715個の小当り判定値のいずれかと一致した場合には、第2特図抽選の結果が小当りと判定される。特図抽選乱数が199個の大当り判定値および64715個の小当り判定値のいずれとも一致しない場合には、第2特図抽選の結果が外れと判定される。したがって、低確状態において、第2特図抽選で大当りが引き当てられる確率(大当り確率)は、約1/329.327である。
高確状態用の第2特図抽選テーブルでは、819個の大当り判定値および64715個の小当り判定値が定められている。第2特図抽選では、第2特図抽選テーブルが参照されて、作業用の記憶領域に退避された特図抽選乱数と各大当り判定値および各小当り判定値とが一致するか否かが判定される。そして、特図抽選乱数が819個の大当り判定値のいずれかと一致した場合には、第2特図抽選の結果が大当りと判定される。また、特図抽選乱数が64715個の小当り判定値のいずれかと一致した場合には、第2特図抽選の結果が小当りと判定される。特図抽選乱数が819個の大当り判定値および64715個の小当り判定値のいずれとも一致しない場合、すなわち、特図抽選乱数が0または65535の場合には、第2特図抽選の結果が外れと判定される。
第2特図抽選の実行後、第2特図変動が開始される(ステップS67)。
また、第2特図変動の開始と同時に、CPU111の内部タイマによる変動時間の計測が開始される(ステップS68)。
つづいて、第1特図変動中であるか否かが判断される(ステップS69)。
第1特図変動中である場合(ステップS69のYES)、第1特図変動と第2特図変動とが並行している。この場合、後述する変動重複処理が実行される(ステップS70)。変動重複処理については、後述する。第1特図変動中でない場合には(ステップS69のNO)、変動重複処理がスキップされる。
その後、内部タイマによる計測時間が所定の第2変動時間に達したか否かが判断される(ステップS71)。
計測時間が第2変動時間に達するまでは(ステップS71のNO)、第2特図変動が続けられて、第1特図変動中であるか否かが繰り返し判断される(ステップS69)。
そして、計測時間が第2変動時間に達すると(ステップS71のYES)、第2特図変動が終了されて、第2特図抽選の結果が大当りであることを表す大当り図柄、第2特図抽選の結果が小当りであることを表す小当り図柄または第2特図抽選の結果が外れであることを表す外れ図柄が第2特図表示装置92に停止表示されて(ステップS72)、第2特図処理が終了される。
なお、第2特図表示装置92に大当り図柄が停止表示された場合、その後、大当り遊技が行われる、また、第2特図表示装置92に小当り図柄が停止表示された場合、その後、小当り遊技が行われる。
<大当り重複禁止処理>
図9および図10は、大当り重複禁止処理について説明するための図である。
第1特図変動に係る第1特図抽選の結果が大当りである場合(第1特図変動の終了とともに大当り図柄が停止表示される場合)であって、その第1特図変動中に、第2特図処理が実行される場合、第2特図抽選では、大当り判定値が含まれない専用の第2特図抽選テーブルが参照される。これにより、第2特図抽選の結果が大当りになることはなく、結果として、図9に示されるように、第1特図表示装置91における図柄の変動表示の開始から大当り図柄の停止表示に至る一連の表示動作(以下、この表示動作を「大当り変動」という。)中は、第2特図表示装置92における大当り変動が禁止される。
また、第2特図表示装置92における大当り変動中に、第1特図処理が実行される場合、第1特図抽選では、大当り判定値が含まれない専用の第1特図抽選テーブルが参照される。これにより、第1特図抽選の結果が大当りになることはなく、結果として、図10に示されるように、第2特図表示装置92における大当り変動中は、第1特図表示装置91における大当り変動が禁止される。
なお、第1特図表示装置91における大当り変動中に、第2特図表示装置92における大当り変動を禁止する手法としては、大当り判定値が含まれない専用の第2特図抽選テーブルが用いられる手法に限らず、第2特図抽選において、特図抽選乱数が大当り判定値のいずれかと一致するか否かを判定する処理をスキップする(第2特図抽選の結果を強制的に外れとする)手法が採用されてもよい。この場合、特図抽選乱数が小当り判定値のいずれかと一致するか否かを判定する処理は実行される。同様に、第2特図表示装置92における大当り変動中に、第1特図表示装置91における大当り変動を禁止するため、第1特図抽選において、特図抽選乱数が大当り判定値のいずれかと一致するか否かを判定する処理をスキップする(第1特図抽選の結果を強制的に外れとする)手法が採用されてもよい。
<変動重複処理>
図11、図12、図13、図14および図15は、変動重複処理について説明するための図である。
図11および図12に示されるように、第1特図表示装置91における大当り変動と、第2特図表示装置92における図柄の変動表示の開始から小当り図柄の停止表示に至る一連の表示動作(以下、この表示動作を「小当り変動」という。)とが並行する場合が想定される。
かかる場合であって、第1特図表示装置91における大当り変動が終了する前に、第2特図表示装置92における小当り変動が終了する場合、具体的には、第1特図表示装置91における大当り変動と第2特図表示装置92における小当り変動とが並行し始めた時点において、大当り変動における残り変動時間(大当り図柄の停止表示までに計測されるべき変動時間)が小当り変動における残り変動時間(小当り図柄の停止表示までに計測されるべき変動時間)以上である場合、変動重複処理では、図11に示されるように、第2特図表示装置92における小当り変動が終了してから小当り遊技が終了するまでの間、第1特図表示装置91での大当り変動における変動時間の計測が中断されて、第1特図表示装置91での第1特図変動が継続される。そして、この変動重複処理が実行された場合には、小当り遊技が終了すると、第1特図表示装置91での大当り変動における変動時間の計測が再開され、再開前の計測時間と再開後の計測時間との合計時間が所定の第1変動時間に達すると、第1特図変動が終了されて、第1特図表示装置91に大当り図柄が停止表示される。
一方、第2特図表示装置92における小当り変動が終了する前に、第1特図表示装置91における大当り変動が終了する場合、具体的には、第1特図表示装置91における大当り変動と第2特図表示装置92における小当り変動とが並行し始めた時点において、小当り変動における残り変動時間が大当り変動における残り変動時間以上である場合、変動重複処理では、図12に示されるように、第1特図表示装置91における大当り変動が終了してから大当り遊技が終了するまでの間、第2特図表示装置92での小当り変動における変動時間の計測が中断されて、第2特図表示装置92での第2特図変動が継続される。そして、この変動重複処理が実行された場合には、大当り遊技が終了すると、第2特図表示装置92での小当り変動における変動時間の計測が再開され、再開前の計測時間と再開後の計測時間との合計時間が所定の第2変動時間に達すると、第2特図変動が終了されて、第2特図表示装置92に小当り図柄が停止表示される。
図13に示されるように、第1特図表示装置91における大当り変動と、第2特図表示装置92における図柄の変動表示の開始から外れ図柄の停止表示に至る一連の表示動作(以下、この表示動作を「外れ変動」という。)とが並行する場合が想定される。
かかる場合であって、第2特図表示装置92における外れ変動が終了する前に、第1特図表示装置91における大当り変動が終了する場合、具体的には、第1特図表示装置91における大当り変動と第2特図表示装置92における外れ変動とが並行し始めた時点において、外れ変動における残り変動時間(外れ図柄の停止表示までに計測されるべき変動時間)が大当り変動における残り変動時間以上である場合、変動重複処理では、図13に示されるように、第1特図表示装置91における大当り変動が終了してから大当り遊技が終了するまでの間、第2特図表示装置92での外れ変動における変動時間の計測が中断されて、第2特図表示装置92での第2特図変動が継続される。そして、この変動重複処理が実行された場合には、大当り遊技が終了すると、第2特図表示装置92での外れ変動における変動時間の計測が再開され、再開前の計測時間と再開後の計測時間との合計時間が所定の第2変動時間に達すると、第2特図変動が終了されて、第2特図表示装置92に外れ図柄が停止表示される。
一方、第1特図表示装置91における大当り変動が終了する前に、第2特図表示装置92における外れ変動が終了する場合、具体的には、第1特図表示装置91における大当り変動と第2特図表示装置92における外れ変動とが並行し始めた時点において、大当り変動における残り変動時間が外れ変動における残り変動時間以上である場合には、第2特図表示装置92における外れ変動の終了が第1特図表示装置91における大当り変動に影響を与えないので、第1特図表示装置91における大当り変動と第2特図表示装置92における外れ変動との並行が許容される。
図14に示されるように、第1特図表示装置91における外れ変動と、第2特図表示装置92における大当り変動とが並行する場合が想定される。
かかる場合であって、第1特図表示装置91における外れ変動が終了する前に、第2特図表示装置92における大当り変動が終了する場合、具体的には、第1特図表示装置91における外れ変動と第2特図表示装置92における大当り変動とが並行し始めた時点において、外れ変動における残り変動時間が大当り変動における残り変動時間以上である場合、変動重複処理では、図14に示されるように、第2特図表示装置92における大当り変動が終了してから大当り遊技が終了するまでの間、第1特図表示装置91での外れ変動における変動時間の計測が中断されて、第1特図表示装置91での第1特図変動が継続される。そして、この変動重複処理が実行された場合には、大当り遊技が終了すると、第1特図表示装置91での外れ変動における変動時間の計測が再開され、再開前の計測時間と再開後の計測時間との合計時間が所定の第1変動時間に達すると、第1特図変動が終了されて、第1特図表示装置91に外れ図柄が停止表示される。
一方、第2特図表示装置92における大当り変動が終了する前に、第1特図表示装置91における外れ変動が終了する場合、具体的には、第1特図表示装置91における外れ変動と第2特図表示装置92における大当り変動とが並行し始めた時点において、大当り変動における残り変動時間が外れ変動における残り変動時間以上である場合、変動重複処理では、第1特図表示装置91における外れ変動の終了が第2特図表示装置92における大当り変動に影響を与えないので、第1特図表示装置91における外れ変動と第2特図表示装置92における大当り変動との並行が許容される。
図15に示されるように、第1特図表示装置91における外れ変動と、第2特図表示装置92における小当り変動とが並行する場合が想定される。
かかる場合であって、第1特図表示装置91における外れ変動が終了する前に、第2特図表示装置92における小当り変動が終了する場合、具体的には、第1特図表示装置91における外れ変動と第2特図表示装置92における小当り変動とが並行し始めた時点において、外れ変動における残り変動時間が小当り変動における残り変動時間以上である場合、変動重複処理では、図15に示されるように、第2特図表示装置92における小当り変動が終了してから小当り遊技が終了するまでの間、第1特図表示装置91での外れ変動における変動時間の計測が中断されて、第1特図表示装置91での第1特図変動が継続される。そして、この変動重複処理が実行された場合には、小当り遊技が終了すると、第1特図表示装置91での外れ変動における変動時間の計測が再開され、再開前の計測時間と再開後の計測時間との合計時間が所定の第1変動時間に達すると、第1特図変動が終了されて、第1特図表示装置91に外れ図柄が停止表示される。
一方、第2特図表示装置92における小当り変動が終了する前に、第1特図表示装置91における外れ変動が終了する場合、具体的には、第1特図表示装置91における外れ変動と第2特図表示装置92における小当り変動とが並行し始めた時点において、小当り変動における残り変動時間が外れ変動における残り変動時間以上である場合、変動重複処理では、第1特図表示装置91における外れ変動の終了が第2特図表示装置92における小当り変動に影響を与えないので、第1特図表示装置91における外れ変動と第2特図表示装置92における小当り変動との並行が許容される。
<普図処理>
図16は、普図処理の流れを示すフローチャートである。
パチンコ機1の電源が投入されている間、主制御部101のCPU111により、普図処理が繰り返し実行される。
普図処理では、普図表示装置95における図柄の変動表示(以下、「普図変動」という。)中であるか否かが判断される(ステップS81)。
普図変動が続く間(ステップS81のYES)、普図変動中であるか否かの判断が繰り返される。
普図変動中でない場合(ステップS81のNO)、つまり普図表示装置95に図柄が停止表示されている場合、普図保留数が0であるか否かが判断される(ステップS82)。
主制御部101のRAM113の普図保留記憶領域に普図抽選乱数が記憶されておらず、普図保留数が0である場合には(ステップS82のYES)、普図変動中であるか否かが繰り返し判断される。
普図保留数が0でない場合、つまり普図保留数が1以上である場合には(ステップS62のNO)、普図保留記憶領域に記憶されている普図抽選乱数のうち、最先に記憶された普図抽選乱数を作業用の記憶領域に退避させる退避処理と、その退避により生じた空き領域を詰めるように、普図保留記憶領域に記憶されている残りの普図抽選乱数をシフトさせる前詰処理とが連続して実行される(ステップS83)。
退避処理の結果、普図保留数が「−1」となり、普図保留数表示装置96の1個のLEDランプが消灯されることにより、普図保留数表示装置96に表示される普図保留数が更新される(ステップS84)。
そして、作業用の記憶領域に退避された普図抽選乱数に基づく普図抽選が実行される(ステップS85)。
普図抽選で使用される普図抽選テーブルには、非時短状態および時短状態に対応して、非時短状態用および時短状態用の2種類が用意されている。
非時短状態用の普図抽選テーブルでは、1個の当り判定値が定められている。遊技状態が非時短状態である場合には、非時短状態用の普図抽選テーブルが参照されて、作業用の記憶領域に退避された普図抽選乱数と1個の当り判定値とが一致するか否かが判定される。そして、普図抽選乱数が1個の当り判定値と一致した場合には、普図抽選の結果が当りと判定され、普図抽選乱数が当り判定値と一致しない場合には、普図抽選の結果が外れと判定される。したがって、非時短状態において、普図抽選で当りが引き当てられる確率(当選確率)は、1/65536である。
時短状態用の普図抽選テーブルでは、作業用の記憶領域に退避された普図抽選乱数が0または65535の場合は外れ、それ以外の場合は当りと判定される。したがって、時短状態において、普図抽選での当選確率は、65534/65536である。
普図抽選の実行後、普図変動が開始される(ステップS86)。
また、普図変動の開始と同時に、CPU111の内部タイマによる変動時間の計測が開始される(ステップS87)。
その後、内部タイマによる計測時間が所定の普図変動時間に達したか否かが判断される(ステップS88)。
計測時間が普図変動時間に達するまでは(ステップS88のNO)、普図変動が続けられる。
そして、計測時間が普図変動時間に達すると(ステップS88のYES)、普図変動が終了されて、普図抽選の結果が当りであった場合には、「7」が普図表示装置95に停止表示され、普図抽選の結果が外れであった場合には、「−(バー)」が普図表示装置95に停止表示されて、普図処理が終了される。
普図表示装置95に「7」が表示された場合、普通遊技処理が実行される。普通遊技処理では、CPU111により普電駆動部144が制御されて、普通電動役物33が所定時間(たとえば、3秒間)だけ作動され、可動羽根33a,33bが左右に開かれて、第1始動口32の入口が開放される。
<第1変動時間および第2変動時間に関して>
第1変動時間の抽選には、第1特図抽選の結果と、当該第1特図抽選の実行時の遊技状態と、当該第1特図抽選の実行時の第1特図保留数とに応じた抽選ロジックを用いている。
大当り時の第1変動時間については、第1特図抽選の効率に大きな影響を与えることはないため、詳細な説明は省略するが、たとえば、30秒〜300秒位の範囲で任意に設定するのが好適である。
低確・非時短中の外れ時には、第1変動時間の期待値(平均値)が、第1特図保留数の少ない場合には約15秒、多い場合には約6秒になるような抽選ロジックを採用している。
低確・時短中および高確・時短中には、第1変動時間の期待値(平均値)が第1特図保留数の少ない場合には約12秒、多い場合には約3秒になるような抽選ロジックを採用している。
また、高確・非時短中には、第1特図保留数に関わらず、第1変動時間の期待値(平均値)が約120秒になるような抽選ロジックを採用している。
また、第2変動時間の抽選には、第2特図抽選の結果と、当該第2特図抽選の実行時の遊技状態とに応じた抽選ロジックを用いている。
大当り時の第2変動時間については、第2特図抽選の効率に大きな影響を与えることはないため、詳細な説明は省略するが、たとえば、30秒〜300秒位の範囲で任意に設定するのが好適である。
高確・非時短状態以外の状態、つまり低確・非時短状態、低確・時短状態および高確・時短状態の小当り時および外れ時には、第2変動時間の期待値(平均値)が、約540秒になるような抽選ロジックを採用している。以下、この時間を「ロング変動時間」という。
ここで、小当り時の第2変動時間は、最大設定時間(たとえば、10分間)未満で相対的に長い時間)、たとえば、60〜599秒間の範囲内で可変に設定する必要がある。この理由は、第2特図抽選では確率的に殆どが小当りとなり、高確・非時短状態以外の状態において小当り時の第2変動時間を略一定時間に設定した場合、この一定時間間隔のタイミングでのみ、小当り時に開放される第2大入賞口71に向けて遊技球を発射し、このタイミング以外は遊技球を発射しない遊技方法によって、持ち球が増加するおそれがあるためである。
一方、高確・非時短状態の小当り時および外れ時には、第2変動時間の期待値(平均値)が、約10秒になるような抽選ロジックを採用している。以下、この時間を「ショート変動時間」という。
換言すると、高確・非時短状態においては、第2特図抽選の方が第1特図抽選よりも効率が高くなるように、第1変動時間および第2変動時間を設定している。
一方、高確・非時短状態以外の状態、つまり低確・非時短状態、低確・時短状態および高確・時短状態においては、第1特図抽選の方が第2特図抽選よりも効率が高くなるように、第1変動時間および第2変動時間を設定している。
したがって、遊技者は、高確・非時短状態においては第2始動口41への入賞を狙う右打ち、高確・非時短状態以外の状態においては、第1始動口31、32への入賞を狙う左打ちで遊技を行うことになる。
<第2始動口41と第2大入賞口71の位置関係について>
小当り時に開放される第2大入賞口71に出来るだけ多くの球を拾わせるには、第2大入賞口71よりも上流側に入賞口がない方が望ましい。理由は、上流側の入賞口に入賞した遊技球の数だけ、第2大入賞口71に到達する遊技球の数が減るからである。
このため、第2始動口41は、第2大入賞口71よりも下流側に配置している。
<パチンコ機の大当り遊技仕様>
図17は、パチンコ機1の特別図柄毎の大当り遊技仕様について説明するための図である。図18は、パチンコ機1における遊技の流れの一例を示す図である。
パチンコ機1では、電源が投入されると、遊技状態が低確・非時短状態に設定される。
低確・非時短状態における遊技では、左打ちが好ましい。右打ちが行われると、遊技球は、遊技盤11(図2参照)の右盤面を落下し、遊技盤11の左盤面にはほぼ流れない。そのため、遊技球が第2始動口41に入る可能性があっても、遊技球が第1始動口31に入る可能性は低い。また、遊技球がゲートを通過する可能性も低いので、普図抽選で当りが引き当てられる確率は極めて低く、遊技球が第1始動口32に入る可能性は極めて低い。したがって、低確・非時短状態における遊技では、右打ちが行われると、単位時間あたりの第1特図抽選の実行回数が極めて少なくなる。また、高確・非時短状態以外の状態では、第2特図表示装置92における第2特図変動の継続時間、つまり第2変動時間がロング変動時間に設定されるので、遊技球が第2始動口41に頻繁に入ったとしても、単位時間あたりの第2特図抽選の実行回数は極めて少ない。これらの理由から、低確・非時短状態における遊技では、左打ちが好ましい。
低確・非時短状態において、遊技球が第1始動口31,32に入ると、その第1始動入賞に対して、第1始動入賞処理(図4)が実行される。第1始動入賞処理では、最大4個の特図抽選乱数が主制御部101のRAM113の第1特図保留記憶領域に記憶される。そして、第1特図保留記憶領域に1個以上の特図抽選乱数が記憶されている場合、第1特図処理(図7)が実行される。
なお、左打ちにより、遊技球が一般入賞口81,82,83に入ると、入賞となり、主制御部101から払出制御部103に、たとえば10個の遊技球の払い出しを命令する賞球払出コマンドが送信される。この賞球払出コマンドに基づいて、払出制御部103により球払出装置182が駆動制御され、10個の遊技球が賞球として払い出される。
第1特図処理で実行される第1特図抽選の大当りには、図17に示されるように、4種類の大当りが用意されている。具体的には、第1特図抽選の大当りの種別として、第1特図表示装置91に表示される大当り図柄が「図柄1」である大当り(以下、「図柄1の大当り」という。)と、第1特図表示装置91に表示される大当り図柄が「図柄2」である大当り(以下、「図柄2の大当り」という。)と、第1特図表示装置91に表示される大当り図柄が「図柄3」である大当り(以下、「図柄3の大当り」という。)と、第1特図表示装置91に表示される大当り図柄が「図柄4」である大当り(以下、「図柄4の大当り」という。)とが用意されている。
第1特図抽選では、大当りであるか外れであるかの判定と併せて、その結果が大当りである場合に、その大当たりの種別が決定される。すなわち、第1特図抽選テーブルで定められている大当り判定値は、図柄1の大当りに係る大当り判定値と、図柄2の大当りに係る大当り判定値と、図柄3の大当りに係る大当り判定値と、図柄4の大当りに係る大当り判定値とに分けられる。そして、第1特図抽選において、第1特図抽選に用いられる特図抽選乱数(第1特図保留記憶領域から作業用の記憶領域に退避された特図抽選乱数)が図柄1の大当りに係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄1の大当りに決定される。また、特図抽選乱数が「図柄2」に係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄2の大当りに決定され、特図抽選乱数が「図柄3」に係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄3の大当りに決定され、特図抽選乱数が「図柄4」に係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄4の大当りに決定される。図柄1の大当りに係る大当り判定値は、第1特図抽選テーブルで定められている大当り判定値の総個数の40%を占め、図柄2の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の10%を占め、図柄3の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の40%を占め、図柄4の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の10%を占めている。これにより、図柄1の大当り、図柄2の大当り、図柄3の大当りおよび図柄4の大当りの振分け確率は、それぞれ40%、10%、40%および10%である。
大当り遊技では、主制御部101のCPU111により、開閉板駆動部141、スライドアタッカ駆動部142およびシャッタ駆動部143が制御されて、開閉板62による第1大入賞口61の開閉、スライドアタッカ74による第2大入賞口71の開閉およびシャッタ77による特定領域75の開閉が行われる。そのため、大当り遊技では、右打ちが好ましい。第1特図抽選または第2特図抽選の大当りが決定されると、副制御部102により演出表示装置22が制御されて、遊技者に右打ちを促すため、たとえば、「右打ちしてください」というメッセージが演出表示装置22に表示される。
右打ちにより、遊技球が遊技盤11の右盤面を落下する。遊技球が第1大入賞口61または第2大入賞口71に入ると、入賞となり、主制御部101から払出制御部103に、15個の遊技球の払い出しを命令する賞球払出コマンドが送信される。この賞球払出コマンドに基づいて、払出制御部103により球払出装置182が駆動制御され、15個の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技は、第1大入賞口61が開放されてから最大開放時間が経過するまでの期間または第1大入賞口61に入った遊技球のカウント数(入賞数)が10に達するまでの期間を1ラウンドとして、また、第2大入賞口71が開放されてから最大開放時間が経過するまでの期間または第2大入賞口71に入った遊技球のカウント数が10に達するまでの期間を1ラウンドとして、大当り種別に応じて設定されるラウンド数に達するまで継続する。
大当り種別が図柄1の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄1」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が4ラウンドに設定される。そして、第1〜第3ラウンドでは、第1大入賞口61が開放され、第4ラウンドでは、第2大入賞口71が開放される。第1大入賞口61の最大開放時間は、10個の入賞が見込まれる長時間(たとえば、28秒間)に設定され、第1〜第3ラウンドでは、通常、第1大入賞口61に入った遊技球のカウント数が10に達する。一方、第2大入賞口71の最大開放時間は、入賞がほぼ期待できない短時間(たとえば、0.1秒間)に設定され、第4ラウンドでは、通常、遊技球が第2大入賞口71に1個も入らない。そのため、大当り遊技での獲得球数は、450個(=15個×10カウント×3ラウンド+15個×0カウント×1ラウンド)となる。
以下、最大開放時間が長時間に設定される第1大入賞口61および第2大入賞口71の開放を「ロング開放」といい、最大開放時間が短時間に設定される第2大入賞口71の開放を「ショート開放」という。
第4ラウンドでは、第2大入賞口71の開閉と同期して、特定領域75が開閉される。すなわち、第2大入賞口71が開放されている短時間、特定領域75が開放される。しかしながら、遊技球が第2大入賞口71にほぼ入らないので、遊技球の特定領域75の通過はほぼ期待できない。
大当り遊技の終了後、遊技状態が低確状態および高確状態のいずれになるかは、大当り遊技中に、遊技球が特定領域75を通過したか否かにより決定される。すなわち、遊技球が特定領域75を通過した場合、大当り遊技終了後の遊技状態が高確状態となり、遊技球が特定領域75を通過しなかった場合、大当り遊技終了後の遊技状態が低確状態となる。したがって、図柄1の大当りに対する大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で低確状態となる。また、大当り種別が図柄1の大当りに決定された場合、その決定時の遊技状態にかかわらず、時短回数が100回に設定される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態が時短状態となり、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が100回に達するまで、その時短状態が継続する。すなわち、図柄1の大当りに対する大当り遊技の終了後、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が100回に達するまでの期間は、遊技状態が低確・時短状態となり、その期間を超えると、遊技状態が低確・非時短状態となる。大当り遊技の終了後の遊技状態が時短状態となるので、大当り遊技の終了後は、右打ちから左打ちに戻されることが好ましい。
大当り種別が図柄2の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄2」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が8ラウンドに設定される。そして、第1〜第3ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第4ラウンドでは、第2大入賞口71がショート開放され、第5〜第8ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、1050個(=15個×10カウント×7ラウンド+15個×0カウント×1ラウンド)となる。
第4ラウンドでは、第2大入賞口71の開閉と同期して、特定領域75が開閉される。そのため、遊技球が特定領域75を通過せず、大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で低確状態となる。また、大当り種別が図柄2の大当りに決定された場合、その決定時の遊技状態にかかわらず、時短回数が100回に設定される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態が時短状態となり、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が100回に達するまで、その時短状態が継続する。すなわち、図柄2の大当りに対する大当り遊技の終了後、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が100回に達するまでの期間は、遊技状態が低確・時短状態となり、その期間を超えると、遊技状態が低確・非時短状態となる。大当り遊技の終了後の遊技状態が時短状態となるので、大当り遊技の終了後は、右打ちから左打ちに戻されることが好ましい。
大当り種別が図柄3の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄3」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が8ラウンドに設定される。そして、第1〜第3ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第4ラウンドでは、第2大入賞口71がロング開放され、第5〜第8ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、1200個(=15個×10カウント×8ラウンド)となる。
第4ラウンドでは、第2大入賞口71の開放と同時に、特定領域75が開放され、その開放から第2大入賞口71のショート開放時の最大開放時間が経過すると、特定領域75が一旦閉塞される。その後、所定時間が経過すると、特定領域75が再び開放され、第2大入賞口71が閉塞されるまで、特定領域75の開放状態が維持される。そのため、図柄3の大当りに対する大当り遊技の第4ラウンドでは、通常、少なくとも1個の遊技球が特定領域75を通過する。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で高確状態となる。高確状態は、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が最大1000回に達するまで継続する。つまり、確変回数が1000回に設定される。また、大当り種別が図柄3の大当りに決定された時点での遊技状態が低確・非時短状態、低確・時短状態または高確・時短状態であった場合には、時短回数が高確状態の終了まで時短状態を継続させる不定数に設定される。そのため、この場合、大当り遊技の終了後は、遊技状態が高確・時短状態となり、高確状態の終了まで、その高確・時短状態が継続する。大当り遊技の終了後の遊技状態が時短状態となるので、大当り遊技の終了後は、右打ちから左打ちに戻されることが好ましい。一方、大当り種別が図柄3の大当りに決定された時点での遊技状態が高確・非時短状態であった場合には、時短回数が0回に設定される。そのため、この場合、大当り遊技の終了後の遊技状態は、大当り遊技の開始前と同じ高確・非時短状態に維持される。高確・非時短状態では、第2特図表示装置92における第2特図変動の継続時間(第2変動時間)がショート変動時間に設定されるので、大当り遊技の終了後も、第2始動口41に遊技球が入ること(第2始動入賞)を狙って、右打ちが継続されることが好ましい。
なお、以下では、図柄3の大当りに対する大当り遊技の第4ラウンドでの特定領域75の開閉態様を「確変開閉パターン」という。
大当り種別が図柄4の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄4」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が8ラウンドに設定される。そして、第1〜第3ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第4ラウンドでは、第2大入賞口71がロング開放され、第5〜第8ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、1200個(=15個×10カウント×8ラウンド)となる。
第4ラウンドでは、特定領域75が確変開閉パターンで開閉される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で高確状態となる。高確状態は、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が最大1000回に達するまで継続する。また、大当り種別が図柄4の大当りに決定された時点での遊技状態が低確・非時短状態であった場合には、時短回数が次回の大当り遊技まで時短状態を継続させる不定数に設定される。そのため、この場合、大当り遊技の終了後は、遊技状態が高確・時短状態となり、高確状態の終了まで、その高確・時短状態が継続する。大当り遊技の終了後の遊技状態が時短状態となるので、大当り遊技の終了後は、右打ちから左打ちに戻されることが好ましい。一方、大当り種別が図柄4の大当りに決定された時点での遊技状態が、低確・時短状態、高確・非時短状態または高確・時短状態であった場合には、時短回数が0回に設定される。そのため、この場合、大当り遊技の終了後の遊技状態は、高確・非時短状態となる。
このように、第1特図抽選で図柄3の大当りまたは図柄4の大当りが引き当てられると、図柄3の大当りまたは図柄4の大当りに対する大当り遊技の終了後は、遊技状態が少なくとも高確状態となる。図柄3の大当りおよび図柄4の大当りの振分け確率がそれぞれ40%および10%であるから、第1特図抽選の確変割合は、50%である。
たとえば、図18に示されるように、低確・非時短状態で図柄3の大当りが引き当てられると、その図柄3の大当りに対する大当り遊技の終了後は、遊技状態が高確・時短状態となる。なお、図柄3の大当りが引き当てられた場合、第1特図表示装置91に「図柄3」が表示されるとともに、遊技者に大当り種別が判りやすいように、たとえば、図柄「111」または図柄「555」が演出表示装置22に表示される。
高確・時短状態に突入すると、第1特図抽選で図柄1の大当りまたは図柄2の大当りが引き当てられるまで、大当り遊技の終了後の遊技状態が高確・時短状態となる。図柄1の大当りまたは図柄2の大当りに対する大当り遊技の終了後は、遊技状態が低確・時短状態となり、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が100回に達するまでの期間、低確・時短状態が継続する。
低確・時短状態の継続中に、図柄4の大当りが引き当てられると、図柄4の大当りに対する大当り遊技の終了後、遊技状態が高確・非時短状態となる。なお、図柄4の大当りが引き当てられた場合、第1特図表示装置91に「図柄4」が表示されるとともに、遊技者に大当り種別が判りやすいように、たとえば、図柄「777」が演出表示装置22に表示される。高確・非時短状態では、右打ちが好ましいので、遊技状態が高確・非時短状態になると、副制御部102により演出表示装置22が制御されて、遊技者に右打ちを促すメッセージが演出表示装置22に表示される。
高確・非時短状態は、第2特図抽選での小当りが頻出する小当りラッシュ(RUSH)状態である。
すなわち、高確・非時短状態では、第2特図表示装置92における第2変動時間がショート変動時間に設定されるので、右打ちが行われて、第2始動口41に遊技球が高い頻度で入れば、第2特図抽選が高い頻度で実行される。高確状態における第2特図抽選では、高確状態用の第2特図抽選テーブルが使用され、その高確状態用の第2特図抽選テーブルでは、64715個の小当り判定値が定められているので、第2特図抽選では、その抽選結果が64715/65536の高確率で小当りとなる。
第2特図抽選で小当りが引き当てられると、小当り遊技が開始となる。小当り遊技では、主制御部101のCPU111により、スライドアタッカ駆動部142が制御されて、スライドアタッカ74の動作により、第2大入賞口71が開閉される。遊技盤11の右盤面を落下する遊技球が第2大入賞口71に入ると、入賞となり、主制御部101から払出制御部103に、15個の遊技球の払い出しを命令する賞球払出コマンドが送信される。この賞球払出コマンドに基づいて、払出制御部103により球払出装置182が駆動制御され、15個の遊技球が賞球として払い出される。小当り遊技では、最大カウント数が10に設定されるが、第2大入賞口71に平均して2個の遊技球が入るように第2大入賞口71が開閉される。したがって、1回の小当り遊技での平均獲得球数は、30個(=15個×2カウント)となる。
また、高確状態用の第2特図抽選テーブルでは、819個の大当り判定値が定められている。そのため、高確状態における第2特図抽選での大当り確率は、約1/80.0195である。したがって、高確・非時短状態では、計算上、1〜79回目の第2特図抽選で小当りが引き当てられ、80回目の第2特図抽選で大当りが引き当てられるとした場合、次回の大当り遊技の開始までの獲得球数の平均は、2370個(=30個×79回)となる。
第2特図抽選の大当りには、図17に示されるように、4種類の大当りが用意されている。具体的には、第2特図抽選の大当りの種別として、第2特図表示装置92に表示される大当り図柄が「図柄5」である大当り(以下、「図柄5の大当り」という。)と、第2特図表示装置92に表示される大当り図柄が「図柄6」である大当り(以下、「図柄6の大当り」という。)と、第2特図表示装置92に表示される大当り図柄が「図柄7」である大当り(以下、「図柄7の大当り」という。)と、第2特図表示装置92に表示される大当り図柄が「図柄8」である大当り(以下、「図柄8の大当り」という。)とが用意されている。
第2特図抽選では、大当りであるか外れであるかの判定と併せて、その結果が大当りである場合に、その大当たりの種別が決定される。すなわち、第2特図抽選テーブルで定められている大当り判定値は、図柄5の大当りに係る大当り判定値と、図柄6の大当りに係る大当り判定値と、図柄7の大当りに係る大当り判定値と、図柄8の大当りに係る大当り判定値とに分けられる。そして、第2特図抽選において、第2特図抽選に用いられる特図抽選乱数(第2特図保留記憶領域から作業用の記憶領域に退避された特図抽選乱数)が図柄5の大当りに係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄5の大当りに決定される。また、特図抽選乱数が図柄6の大当りに係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄6の大当りに決定され、特図抽選乱数が図柄7の大当りに係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄7の大当りに決定され、特図抽選乱数が図柄8の大当りに係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄8の大当りに決定される。図柄5の大当りに係る大当り判定値は、第2特図抽選テーブルで定められている大当り判定値の総個数の60%を占め、図柄6の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の13%を占め、図柄7の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の17%を占め、図柄8の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の10%を占めている。これにより、図柄5の大当り、図柄6の大当り、図柄7の大当りおよび図柄8の大当りの振分け確率は、それぞれ60%、13%、17%および10%である。
大当り種別が図柄5の大当りに決定され、第2特図表示装置92に「図柄5」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が4ラウンドに設定される。そして、第1〜第3ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第4ラウンドでは、第2大入賞口71がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、600個(=15個×10カウント×4ラウンド)となる。
第4ラウンドでは、特定領域75が確変開閉パターンで開閉される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で高確状態となる。高確状態は、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が最大1000回に達するまで継続する。また、大当り種別が図柄5の大当りに決定された時点での遊技状態が低確・非時短状態、低確・時短状態または高確・時短状態であった場合には、時短回数が次回の大当り遊技まで時短状態を継続させる不定数に設定される。そのため、この場合、大当り遊技の終了後は、遊技状態が高確・時短状態となり、高確状態の終了まで、その高確・時短状態が継続する。一方、大当り種別が図柄5の大当りに決定された時点での遊技状態が高確・非時短状態であった場合には、時短回数が0回に設定される。そのため、この場合、大当り遊技の終了後の遊技状態は、大当り遊技の開始前と同じ高確・非時短状態に維持される。
大当り種別が図柄6の大当りに決定され、第2特図表示装置92に「図柄6」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が8ラウンドに設定される。そして、第1〜第3ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第4ラウンドでは、第2大入賞口71がロング開放され、第5〜第8ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、1200個(=15個×10カウント×8ラウンド)となる。
第4ラウンドでは、特定領域75が確変開閉パターンで開閉される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で高確状態となる。高確状態は、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が最大1000回に達するまで継続する。また、大当り種別が図柄6の大当りに決定された時点での遊技状態が低確・非時短状態、低確・時短状態または高確・時短状態であった場合には、時短回数が次回の大当り遊技まで時短状態を継続させる不定数に設定される。そのため、この場合、大当り遊技の終了後は、遊技状態が高確・時短状態となり、高確状態の終了まで、その高確・時短状態が継続する。一方、大当り種別が図柄6の大当りに決定された時点での遊技状態が高確・非時短状態であった場合には、時短回数が0回に設定される。そのため、この場合、大当り遊技の終了後の遊技状態は、大当り遊技の開始前と同じ高確・非時短状態に維持される。
大当り種別が図柄7の大当りに決定され、第2特図表示装置92に「図柄7」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が8ラウンドに設定される。そして、第1〜第3ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第4ラウンドでは、第2大入賞口71がショート開放され、第5〜第8ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、1050個(=15個×10カウント×7ラウンド+15個×0カウント×1ラウンド)となる。
第4ラウンドでは、第2大入賞口71の開閉と同期して、特定領域75が開閉される。そのため、遊技球が特定領域75を通過せず、大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で低確状態となる。また、大当り種別が図柄7の大当りに決定された場合、その決定時の遊技状態にかかわらず、時短回数が100回に設定される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態が時短状態となり、第2特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が100回に達するまで、その時短状態が継続する。すなわち、図柄7の大当りに対する大当り遊技の終了後、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が100回に達するまでの期間は、遊技状態が低確・時短状態となり、その期間を超えると、遊技状態が低確・非時短状態となる。大当り遊技の終了後の遊技状態が時短状態となるので、大当り遊技の終了後は、右打ちから左打ちに戻されることが好ましい。
大当り種別が図柄8の大当りに決定され、第2特図表示装置92に「図柄8」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が16ラウンドに設定される。そして、第1〜第3ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第4ラウンドでは、第2大入賞口71がロング開放され、第5〜第16ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、2400個(=15個×10カウント×16ラウンド)となる。
第4ラウンドでは、特定領域75が確変開閉パターンで開閉される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で高確状態となる。高確状態は、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が最大1000回に達するまで継続する。また、大当り種別が図柄8の大当りに決定された時点での遊技状態が低確・非時短状態、低確・時短状態または高確・時短状態であった場合には、時短回数が次回の大当り遊技まで時短状態を継続させる不定数に設定される。そのため、この場合、大当り遊技の終了後は、遊技状態が高確・時短状態となり、高確状態の終了まで、その高確・時短状態が継続する。一方、大当り種別が図柄8の大当りに決定された時点での遊技状態が高確・非時短状態であった場合には、時短回数が0回に設定される。そのため、この場合、大当り遊技の終了後の遊技状態は、大当り遊技の開始前と同じ高確・非時短状態に維持される。
このように、第2特図抽選で図柄5の大当り、図柄6の大当りまたは図柄8の大当りが引き当てられると、図柄5の大当り、図柄6の大当りまたは図柄8の大当りに対する大当り遊技の終了後は、遊技状態が少なくとも高確状態となる。図柄5の大当り、図柄6の大当りおよび図柄8の大当りの振分け確率がそれぞれ60%、13%および10%であるから、第2特図抽選の確変割合は、83%である。
たとえば、図18に示されるように、高確・非時短状態で図柄5の大当り、図柄6の大当りまたは図柄8の大当りが引き当てられると、大当り遊技の終了後は、遊技状態が高確・非時短状態となり、小当りラッシュ状態が継続する。
小当りラッシュ状態(高確・非時短状態)は、第2特図抽選で図柄7の大当りが引き当てられ、その図柄7の大当りに対する大当り遊技の終了後に、遊技状態が低確・時短状態になることにより終了する。低確・時短状態において、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が100回に達すると、遊技状態が低確・時短状態から低確・非時短状態に移行する。一方、低確・時短状態において、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が100回に達するまでに、第1特図抽選で図柄4の大当りが引き当てられると、その図柄4の大当りに対する大当りの終了後に、遊技状態が高確・非時短状態に戻り、小当りラッシュ状態が引き戻される。また、高確・非時短状態において、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が1000回に達するまでに、第1特図抽選および第2特図抽選で大当りが引き当てられなかった場合、小当りラッシュ状態が終了し、低確・非時短状態になる。
<変動重複処理の他の処理例>
図19、図20、図21および図22は、変動重複処理の他の処理例について説明するための図である。
第1特図表示装置91における大当り変動と第2特図表示装置92における小当り変動とが並行する場合であって、第2特図表示装置92における小当り変動が終了する前に、第1特図表示装置91における大当り変動が終了する場合には、変動重複処理として、図12に示される処理に代えて、図19に示されるように、第1特図表示装置91における大当り変動が終了する際に、第2特図表示装置92における外れ図柄の停止表示により小当り変動を強制的に終了させる処理が行われてもよい。
しかしながら、第1特図表示装置91における大当り変動と第2特図表示装置92における小当り変動とが並行する場合であって、第1特図表示装置91における大当り変動が終了する前に、第2特図表示装置92における小当り変動が終了する場合、パチンコ機1では、変動重複処理として、図11に示される処理に代えて、第1特図表示装置91における外れ図柄の停止表示により大当り変動を強制的に終了させる処理が行われることはない。かかる処理が行われた場合、遊技者にとって相対的に価値の高い大当り変動が外れ図柄の停止表示で打ち消されることになり、遊技者に喪失感を与える結果を招くおそれがあるからである。
第1特図表示装置91における大当り変動と第2特図表示装置92における外れ変動とが並行する場合であって、第2特図表示装置92における外れ変動が終了する前に、第1特図表示装置91における大当り変動が終了する場合、変動重複処理として、図13に示される処理に代えて、図20に示されるように、第1特図表示装置91における大当り変動が終了する際に、第2特図表示装置92における外れ図柄の停止表示により外れ変動を強制的に終了させる処理が行われてもよい。
第1特図表示装置91における外れ変動と第2特図表示装置92における大当り変動とが並行する場合であって、第1特図表示装置91における外れ変動が終了する前に、第2特図表示装置92における大当り変動が終了する場合、変動重複処理として、図14に示される処理に代えて、図21に示されるように、第2特図表示装置92における大当り変動が終了する際に、第1特図表示装置91における外れ図柄の停止表示により外れ変動を強制的に終了させる処理が行われてもよい。
第1特図表示装置91における外れ変動と第2特図表示装置92における小当り変動とが並行する場合であって、第1特図表示装置91における外れ変動が終了する前に、第2特図表示装置92における小当り変動が終了する場合、変動重複処理として、図15に示される処理に代えて、図22に示されるように、第2特図表示装置92における小当り変動が終了する際に、第1特図表示装置91における外れ図柄の停止表示により外れ変動を強制的に終了させる処理が行われてもよい。
<作用効果>
以上のように、高確状態における第2特図抽選では、小当り図柄の当選確率が小当り図柄以外の各図柄の当選確率および外れ確率よりも高く設定されている。しかし、低確状態および高確・時短状態では、第2変動時間がロング変動時間に設定される。そのため、低確状態および高確・時短状態において、第2始動口41の入賞を狙った遊技は、遊技者にとって損であり、遊技者は、第1始動口31,32の入賞を狙う。
高確・非時短状態では、第2変動時間がショート変動時間に設定される。そのため、高確・非時短状態では、第2始動口41の入賞を狙うことにより、第2特図抽選が頻繁に実行され、小当り図柄の当選確率が高く設定されていることにより、第2特図抽選における小当りが頻出する(小当りラッシュ)。高確・非時短状態が維持される間、小当りの頻出により、遊技者は、小当り遊技を頻繁に行うことができ、その小当り遊技の集中による多数の賞球を獲得することができる。その結果、大当り遊技以外の遊技による多数の賞球を遊技者が獲得可能な新規なゲーム性を発揮することができ、パチンコ機1における遊技の興趣の増大を図ることができる。
高確・非時短状態を潜伏確変状態としてもよく、その場合の潜伏確変状態は、内部的な大当り確率の向上だけでなく、小当りの頻出による持ち球の増加(多数の賞球の獲得)というメリットを遊技者が即座に実感することができる。そのため、潜伏確変状態を遊技者にとって非常に魅力的な遊技状態とすることができ、従来の潜伏確変状態のマイナスイメージを払拭することができる。
また、第1特図表示装置91または第2特図表示装置92の一方での大当り変動中は、その他方における大当り変動の開始が禁止される。そのため、第1特図表示装置91および第2特図表示装置92の両方に大当り図柄が停止表示される状態が発生することがない。その結果、大当り遊技を実行可能な条件が重複して同時に成立することを防止でき、射幸性を一定の範囲に抑制することができる。
第1特図表示装置91または第2特図表示装置92の一方における大当り変動とその他方における小当り変動とが並行する場合であって、大当り変動が終了する前に小当り変動が終了する場合が想定される。この場合において、一連の小当り変動が終了する際に、大当り変動による大当り図柄の停止表示に代えて外れ図柄が停止表示されて、大当り変動が終了されると、遊技者にとって相対的に価値の高い大当り変動が小当り図柄の停止表示で打ち消されることになり、遊技者に喪失感を与える結果を招くおそれがある。そこで、大当り変動が終了する前に小当り変動が終了する場合には、小当り変動が終了してから小当り遊技が終了するまでの間、大当り変動における変動時間の計測が中断されたうえで、大当り変動における変動表示が継続される。これにより、大当り変動が小当り図柄の停止表示で打ち消されることを回避でき、遊技者に喪失感を与えることを抑制できる。
また、第1特図表示装置91または第2特図表示装置92の一方における大当り変動とその他方における小当り変動とが並行する場合であって、小当り変動が終了する前に大当り変動が終了する場合が想定される。この場合、大当り変動が終了してから大当り遊技が終了するまでの間、小当り変動における変動時間の計測を中断させたうえで、小当り変動における変動表示を継続させる処理が実行される。これにより、小当り変動が大当り図柄の停止表示で打ち消されることを回避でき、遊技者に喪失感を与えることを抑制できる。
第1特図表示装置91または第2特図表示装置92の一方における大当り変動とその他方における外れ変動とが並行する場合であって、大当り変動が終了する前に外れ変動が終了する場合には、大当り変動および外れ変動の継続が許可される。大当り変動と外れ変動との同時並行が許容されるので、1つの始動口を備えた機種と比較して、単位時間あたりの特図抽選の実行回数(抽選効率)を向上させることができる。
また、第1特図表示装置91または第2特図表示装置92の一方における大当り変動とその他方における外れ変動とが並行する場合であって、外れ変動が終了する前に大当り変動が終了する場合が想定される。この場合、大当り変動が終了してから大当り遊技が終了するまでの間、外れ変動における変動時間の計測を中断させたうえで、外れ変動における変動表示を継続させる処理が実行されてもよいし、大当り変動が終了する際に、外れ図柄を停止表示させて、外れ変動を終了させる処理が実行されてもよい。いずれの処理であっても、大当り遊技が実行されるので、遊技者に喪失感を与えるおそれはない。
第1特図表示装置91または第2特図表示装置92の一方における小当り変動とその他方における外れ変動とが並行する場合であって、小当り変動が終了する前に外れ変動が終了する場合には、小当り変動および外れ変動の継続が許可される。小当り変動と外れ変動との同時並行が許容されるので、1つの始動口を備えた機種と比較して、単位時間あたりの特図抽選の実行回数(抽選効率)を向上させることができる。
また、第1特図表示装置91または第2特図表示装置92の一方における小当り変動とその他方における外れ変動とが並行する場合であって、外れ変動が終了する前に小当り変動が終了する場合が想定される。この場合、小当り変動が終了してから小当り遊技が終了するまでの間、外れ変動における変動時間の計測を中断させたうえで、外れ変動における変動表示を継続させる処理が実行されてもよいし、小当り変動が終了する際に、外れ図柄を停止表示させて、外れ変動を終了させる処理が実行されてもよい。いずれの処理であっても、小当り遊技が実行されるので、遊技者に喪失感を与えるおそれはない。
<第1特図抽選の小当りの搭載>
前述の実施形態では、第1特図抽選の小当りが搭載されていない構成を取り上げた。しかしながら、パチンコ機1には、第1特図抽選の小当りが搭載されてもよい。すなわち、第1特図抽選で使用される第1特図抽選テーブルには、大当り判定値および外れ判定値以外に、小当り判定値が含まれていてもよい。
この場合、第1特図表示装置91における小当り変動と第2特図表示装置92における大当り変動とが並行する場合が想定され、また、第1特図表示装置91における小当り変動と第2特図表示装置92における小当り変動とが並行する場合が想定される。
第1特図表示装置91における小当り変動と第2特図表示装置92における大当り変動とが並行する場合であって、第1特図表示装置91における小当り変動が終了する前に、第2特図表示装置92における大当り変動が終了する場合、具体的には、第1特図表示装置91における小当り変動と第2特図表示装置92における大当り変動とが並行し始めた時点において、小当り変動における残り変動時間が大当り変動における残り変動時間以上である場合、図23または図24に示される変動重複処理が実行されるとよい。
図23に示される変動重複処理では、第2特図表示装置92における大当り変動が終了してから大当り遊技が終了するまでの間、第1特図表示装置91での小当り変動における変動時間の計測が中断されて、第1特図表示装置91での第1特図変動が継続される。そして、この変動重複処理が実行された場合には、大当り遊技が終了すると、第1特図表示装置91での小当り変動における変動時間の計測が再開され、再開前の計測時間と再開後の計測時間との合計時間が所定の第1変動時間に達すると、第1特図変動が終了されて、第1特図表示装置91に小当り図柄が停止表示される。
図24に示される変動重複処理では、第2特図表示装置92における大当り変動が終了する際に、第1特図表示装置91における外れ図柄の停止表示により小当り変動が強制的に終了される。
第1特図表示装置91における小当り変動と第2特図表示装置92における小当り変動とが並行する場合であって、第1特図表示装置91における小当り変動が終了する前に、第2特図表示装置92における小当り変動が終了する場合、具体的には、第1特図表示装置91における小当り変動と第2特図表示装置92における小当り変動とが並行し始めた時点において、第1特図表示装置91における小当り変動における残り変動時間が第2特図表示装置92における小当り変動における残り変動時間以上である場合、図25または図26に示される変動重複処理が実行されるとよい。
図25に示される変動重複処理では、第2特図表示装置92における小当り変動が終了してから小当り遊技が終了するまでの間、第1特図表示装置91での小当り変動における変動時間の計測が中断されて、第1特図表示装置91での第1特図変動が継続される。そして、この変動重複処理が実行された場合には、小当り遊技が終了すると、第1特図表示装置91での小当り変動における変動時間の計測が再開され、再開前の計測時間と再開後の計測時間との合計時間が所定の第1変動時間に達すると、第1特図変動が終了されて、第1特図表示装置91に小当り図柄が停止表示される。
図26に示される変動重複処理では、第2特図表示装置92における小当り変動が終了する際に、第1特図表示装置91における外れ図柄の停止表示により小当り変動が強制的に終了される。
第1特図表示装置91における小当り変動と第2特図表示装置92における小当り変動とが並行する場合であって、第2特図表示装置92における小当り変動が終了する前に、第1特図表示装置91における小当り変動が終了する場合、具体的には、第1特図表示装置91における小当り変動と第2特図表示装置92における小当り変動とが並行し始めた時点において、第2特図表示装置92における小当り変動における残り変動時間が第1特図表示装置91における小当り変動における残り変動時間以上である場合、図27または図28に示される変動重複処理が実行されるとよい。
図27に示される変動重複処理では、第1特図表示装置91における小当り変動が終了してから小当り遊技が終了するまでの間、第2特図表示装置92での小当り変動における変動時間の計測が中断されて、第2特図表示装置92での第2特図変動が継続される。そして、この変動重複処理が実行された場合には、小当り遊技が終了すると、第2特図表示装置92での小当り変動における変動時間の計測が再開され、再開前の計測時間と再開後の計測時間との合計時間が所定の第2変動時間に達すると、第2特図変動が終了されて、第2特図表示装置92に小当り図柄が停止表示される。
図28に示される変動重複処理では、第1特図表示装置91における小当り変動が終了する際に、第2特図表示装置92における外れ図柄の停止表示により小当り変動が強制的に終了される。
このように、第1特図表示装置91または第2特図表示装置92の一方における小当り変動とその他方における小当り変動とが並行する場合には、一方の小当り変動が終了してから小当り遊技が終了するまでの間、他方の小当り変動における変動時間の計測を中断させたうえで、他方の小当り変動における変動表示を継続させる変動重複処理が実行されてもよいし、一方の小当り変動が終了する際に、他方の小当り変動による小当り図柄の停止表示に代えて外れ図柄を停止表示させて、小当り変動を終了させる変動重複処理が実行されてもよい。前者の変動重複処理では、他方の小当り変動が小当り図柄の停止表示で打ち消されることを回避でき、遊技者に喪失感を与えることを抑制できる。一方、後者の変動重複処理では、他方の小当り変動が外れ図柄の停止表示で打ち消されることになるが、小当り遊技の価値はそれほど大きなものではないので、遊技者に大きな喪失感を与えるおそれはない。
<遊技盤の他の構成>
図29は、他の構成に係る遊技盤201の正面図である。図29において、図2に示される各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号が付された部分の構成についての説明を省略する。
前述の構成を有するパチンコ機1では、図2に示される遊技盤11に代えて、図29に示される遊技盤201が採用されてもよい。
遊技盤201の遊技領域14には、センタユニット21、2個の第1始動口31,32、第2始動口41、ゲート51、第1大入賞口61、第2大入賞口71および3個の一般入賞口81,82,83が配設されている。
センタユニット21は、遊技領域14の中央部に配置されている。
第1始動口31は、ステージ24の左右方向の中央部の下側に配置されている。
第1始動口32は、センタユニット21の右側に配置されている。
第2始動口41は、第1始動口31の右側に配置されている。
ゲート51は、センタユニット21の右側かつ第1始動口32よりも上側の位置に配置されている。
第1大入賞口61は、センタユニット21の右側かつ第1始動口32よりも下側の位置に配置されている。
第2大入賞口71は、第2始動口41の上側かつ第1大入賞口61の下側の位置に配置されている。
一般入賞口81,82,83は、第1始動口31の左側に配置されている。
遊技盤201では、左打ちにより、遊技球が第1始動口31および一般入賞口81,82,83に入る可能性があり、右打ちにより、遊技球がゲート51を通過する可能性ならびに遊技球が第1始動口32、第2始動口41、第1大入賞口61および第2大入賞口71に入る可能性があるゲージ構成を採用している。
遊技盤201が採用されたパチンコ機1における遊技では、遊技状態が低確・非時短状態であるときには、左打ちが好ましく、遊技状態が低確・時短状態、高確・非時短状態および高確・時短状態であるときには、右打ちが好ましい。
<パチンコ機の他の大当り遊技仕様>
図30は、パチンコ機1の他の大当り遊技仕様について説明するための図である。図31は、図30に示される大当り遊技仕様が採用されたパチンコ機1における遊技の流れの一例を示す図である。
パチンコ機1では、図17に示される大当り遊技仕様に代えて、図30に示される大当り遊技仕様を採用することもできる。この場合、図2に示される遊技盤11が採用されてもよいし、図29に示される遊技盤201が採用されてもよい。
図30に示される大当り遊技仕様では、第1特図処理で実行される第1特図抽選の大当りとして、3種類の大当りが用意されている。具体的には、第1特図抽選の大当りの種別として、第1特図表示装置91に表示される大当り図柄が「図柄1」である大当り(図柄1の大当り)と、第1特図表示装置91に表示される大当り図柄が「図柄2」である大当り(図柄2の大当り)と、第1特図表示装置91に表示される大当り図柄が「図柄3」である大当り(図柄3の大当り)とが用意されている。
第1特図抽選では、大当りであるか外れであるかの判定と併せて、その結果が大当りである場合に、その大当たりの種別が決定される。すなわち、第1特図抽選テーブルで定められている大当り判定値は、図柄1の大当りに係る大当り判定値と、図柄2の大当りに係る大当り判定値と、図柄3の大当りに係る大当り判定値とに分けられる。そして、第1特図抽選において、第1特図抽選に用いられる特図抽選乱数(第1特図保留記憶領域から作業用の記憶領域に退避された特図抽選乱数)が図柄1の大当りに係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄1の大当りに決定される。また、特図抽選乱数が図柄2に係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄2の大当りに決定され、特図抽選乱数が図柄3に係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄3の大当りに決定される。図柄1の大当りに係る大当り判定値は、第1特図抽選テーブルで定められている大当り判定値の総個数の40%を占め、図柄2の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の40%を占め、図柄3の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の20%を占めている。これにより、図柄1の大当り、図柄2の大当りおよび図柄3の大当りの振分け確率は、それぞれ40%、40%および20%である。
大当り種別が図柄1の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄1」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が4ラウンドに設定される。そして、第1〜第3ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第4ラウンドでは、第2大入賞口71がショート開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、450個(=15個×10カウント×3ラウンド+15個×0カウント×1ラウンド)となる。
第4ラウンドでは、第2大入賞口71の開閉と同期して、特定領域75が開閉される。そのため、遊技球が特定領域75を通過せず、図柄1の大当りに対する大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で低確状態となる。また、大当り種別が図柄1の大当りに決定された場合、その決定時の遊技状態にかかわらず、時短回数が100回に設定される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態が時短状態となり、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が100回に達するまで、その時短状態が継続する。すなわち、図柄1の大当りに対する大当り遊技の終了後、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が100回に達するまでの期間は、遊技状態が低確・時短状態となり、その期間を超えると、遊技状態が低確・非時短状態となる。
大当り種別が図柄2の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄2」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が8ラウンドに設定される。そして、第1〜第3ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第4ラウンドでは、第2大入賞口71がロング開放され、第5〜第8ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、1200個(=15個×10カウント×8ラウンド)となる。
第4ラウンドでは、特定領域75が確変開閉パターンで開閉される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で高確状態となる。高確状態は、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が最大1000回に達するまで継続する。また、大当り種別が図柄2の大当りに決定された時点での遊技状態が低確・非時短状態、低確・時短状態または高確・時短状態であった場合には、時短回数が次回の大当り遊技まで時短状態を継続させる不定数に設定される。そのため、この場合、大当り遊技の終了後は、遊技状態が高確・時短状態となり、確変状態の終了まで、その高確・時短状態が継続する。一方、大当り種別が図柄2の大当りに決定された時点での遊技状態が高確・非時短状態であった場合には、時短回数が0回に設定される。そのため、この場合、大当り遊技の終了後の遊技状態は、大当り遊技の開始前と同じ高確・非時短状態に維持される。
大当り種別が図柄3の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄3」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が8ラウンドに設定される。そして、第1〜第3ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第4ラウンドでは、第2大入賞口71がロング開放され、第5〜第8ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、1200個(=15個×10カウント×8ラウンド)となる。
第4ラウンドでは、特定領域75が確変開閉パターンで開閉される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で高確状態となる。高確状態は、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が最大1000回に達するまで継続する。また、大当り種別が図柄3の大当りに決定された時点での遊技状態が低確・非時短状態または高確・時短状態であった場合には、時短回数が次回の大当り遊技まで時短状態を継続させる不定数に設定される。そのため、この場合、大当り遊技の終了後は、遊技状態が高確・時短状態となり、高確状態の終了まで、その高確・時短状態が継続する。一方、大当り種別が図柄3の大当りに決定された時点での遊技状態が、低確・時短状態または高確・非時短状態であった場合には、時短回数が0回に設定される。そのため、この場合、大当り遊技の終了後の遊技状態は、高確・非時短状態となる。
このように、第1特図抽選で図柄2の大当りまたは図柄3の大当りが引き当てられると、図柄2の大当りまたは図柄3の大当りに対する大当り遊技の終了後は、遊技状態が少なくとも高確状態となる。図柄2の大当りおよび図柄3の大当りの振分け確率がそれぞれ40%および20%であるから、第1特図抽選の確変割合は、60%である。
たとえば、図31に示されるように、低確・非時短状態で図柄2の大当りが引き当てられると、その図柄2の大当りに対する大当り遊技の終了後は、遊技状態が高確・時短状態となる。なお、図柄2の大当りが引き当てられた場合、第1特図表示装置91に「図柄2」が表示されるとともに、遊技者に大当り種別が判りやすいように、たとえば、図柄「111」が演出表示装置22に表示される。
高確・時短状態に突入すると、第1特図抽選で図柄1の大当りが引き当てられるまで、大当り遊技の終了後の遊技状態が高確・時短状態となる。図柄1の大当りに対する大当り遊技の終了後は、遊技状態が低確・時短状態となり、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が100回に達するまでの期間、低確・時短状態が継続する。なお、図柄1の大当りが引き当てられた場合、第1特図表示装置91に「図柄1」が表示されるとともに、遊技者に大当り種別が判りやすいように、たとえば、図柄「444」が演出表示装置22に表示される。
低確・時短状態の継続中に、図柄3の大当りが引き当てられると、図柄3の大当りに対する大当り遊技の終了後、遊技状態が高確・非時短状態となる。なお、図柄3の大当りが引き当てられた場合、第1特図表示装置91に「図柄3」が表示されるとともに、遊技者に大当り種別が判りやすいように、たとえば、図柄「777」が演出表示装置22に表示される。高確・非時短状態では、右打ちが好ましいので、遊技状態が高確・非時短状態になると、副制御部102により演出表示装置22が制御されて、遊技者に右打ちを促すメッセージが演出表示装置22に表示される。
高確・非時短状態は、第2特図抽選での小当りが頻出する小当りラッシュ(RUSH)状態である。
すなわち、高確・非時短状態では、第2特図表示装置92における第2変動時間がショート変動時間に設定されるので、右打ちが行われて、第2始動口41に遊技球が高い頻度で入れば、第2特図抽選が高い頻度で実行される。高確状態における第2特図抽選では、高確状態用の第2特図抽選テーブルが使用され、その高確状態用の第2特図抽選テーブルでは、64715個の小当り判定値が定められているので、第2特図抽選では、その抽選結果が64715/65536の高確率で小当りとなる。
また、高確状態用の第2特図抽選テーブルでは、819個の大当り判定値が定められているので、高確状態における第2特図抽選での大当り確率は、約1/80.0195である。したがって、高確・非時短状態では、計算上、1〜79回目の第2特図抽選で小当りが引き当てられ、80回目の第2特図抽選で大当りが引き当てられるとした場合、次回の大当り遊技の開始までの獲得球数の平均は、2370個(=30個×79回)となる。
第2特図抽選の大当りには、図30に示されるように、3種類の大当りが用意されている。具体的には、第2特図抽選の大当りの種別として、第2特図表示装置92に表示される大当り図柄が「図柄4」である大当り(図柄4の大当り)と、第2特図表示装置92に表示される大当り図柄が「図柄5」である大当り(図柄5の大当り)と、第2特図表示装置92に表示される大当り図柄が「図柄6」である大当り(図柄6の大当り)とが用意されている。
第2特図抽選では、大当りであるか外れであるかの判定と併せて、その結果が大当りである場合に、その大当たりの種別が決定される。すなわち、第2特図抽選テーブルで定められている大当り判定値は、図柄4の大当りに係る大当り判定値と、図柄5の大当りに係る大当り判定値と、図柄6の大当りに係る大当り判定値とに分けられる。そして、第2特図抽選において、第2特図抽選に用いられる特図抽選乱数(第2特図保留記憶領域から作業用の記憶領域に退避された特図抽選乱数)が図柄4の大当りに係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄4の大当りに決定される。また、特図抽選乱数が図柄5の大当りに係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄5の大当りに決定され、特図抽選乱数が図柄6の大当りに係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄6の大当りに決定される。図柄4の大当りに係る大当り判定値は、第2特図抽選テーブルで定められている大当り判定値の総個数の60%を占め、図柄5の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の30%を占め、図柄6の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の10%を占めている。これにより、図柄4の大当り、図柄5の大当りおよび図柄6の大当りの振分け確率は、それぞれ60%、30%および10%である。
大当り種別が図柄4の大当りに決定され、第2特図表示装置92に「図柄4」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が4ラウンドに設定される。そして、第1〜第3ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第4ラウンドでは、第2大入賞口71がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、600個(=15個×10カウント×4ラウンド)となる。
第4ラウンドでは、特定領域75が確変開閉パターンで開閉される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で高確状態となる。高確状態は、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が最大1000回に達するまで継続する。また、大当り種別が図柄4の大当りに決定された時点での遊技状態が低確・非時短状態、低確・時短状態または高確・時短状態であった場合には、時短回数が次回の大当り遊技まで時短状態を継続させる不定数に設定される。そのため、この場合、大当り遊技の終了後は、遊技状態が高確・時短状態となり、高確状態の終了まで、その高確・時短状態が継続する。一方、大当り種別が図柄4の大当りに決定された時点での遊技状態が高確・非時短状態であった場合には、時短回数が0回に設定される。そのため、この場合、大当り遊技の終了後の遊技状態は、大当り遊技の開始前と同じ高確・非時短状態に維持される。
大当り種別が図柄5の大当りに決定され、第2特図表示装置92に「図柄5」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が8ラウンドに設定される。そして、第1〜第3ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第4ラウンドでは、第2大入賞口71がロング開放され、第5〜第8ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、1200個(=15個×10カウント×8ラウンド)となる。
第4ラウンドでは、特定領域75が確変開閉パターンで開閉される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で高確状態となる。高確状態は、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が最大1000回に達するまで継続する。また、大当り種別が図柄5の大当りに決定された時点での遊技状態が低確・非時短状態、低確・時短状態または高確・時短状態であった場合には、時短回数が次回の大当り遊技まで時短状態を継続させる不定数に設定される。そのため、この場合、大当り遊技の終了後は、遊技状態が高確・時短状態となり、高確状態の終了まで、その高確・時短状態が継続する。一方、大当り種別が図柄5の大当りに決定された時点での遊技状態が高確・非時短状態であった場合には、時短回数が0回に設定される。そのため、この場合、大当り遊技の終了後の遊技状態は、大当り遊技の開始前と同じ高確・非時短状態に維持される。
大当り種別が図柄6の大当りに決定され、第2特図表示装置92に「図柄6」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が16ラウンドに設定される。そして、第1〜第3ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第4ラウンドでは、第2大入賞口71がロング開放され、第5〜第16ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、2400個(=15個×10カウント×16ラウンド)となる。
第4ラウンドでは、特定領域75が確変開閉パターンで開閉される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で高確状態となる。高確状態は、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が最大1000回に達するまで継続する。また、大当り種別が図柄6の大当りに決定された時点での遊技状態が低確・非時短状態、低確・時短状態または高確・時短状態であった場合には、時短回数が次回の大当り遊技まで時短状態を継続させる不定数に設定される。そのため、この場合、大当り遊技の終了後は、遊技状態が高確・時短状態となり、高確状態の終了まで、その高確・時短状態が継続する。一方、大当り種別が図柄6の大当りに決定された時点での遊技状態が高確・非時短状態であった場合には、時短回数が0回に設定される。そのため、この場合、大当り遊技の終了後の遊技状態は、大当り遊技の開始前と同じ高確・非時短状態に維持される。
このように、第2特図抽選では、図柄4の大当り、図柄5の大当りまたは図柄6の大当りのいずれが引き当てられても、大当り遊技の終了後は、遊技状態が少なくとも高確状態となる。すなわち、第2特図抽選の確変割合は、100%である。そして、高確・非時短状態において、第2特図抽選の大当りが引き当てられた場合、時短回数が0回に設定される。したがって、小当りラッシュ状態(高確・非時短状態)に突入すると、第2特図抽選での大当りが続く間、大当り遊技の終了後の遊技状態が高確・非時短状態となり、小当りラッシュ状態が維持される。
そこで、図30に示される大当り遊技仕様では、高確状態での大当り回数が10回(10連チャン)に制限されている。図31に示されるように、小当りラッシュ状態で10回の大当りが引き当てられると、10回目の大当り遊技の終了後は、遊技状態が低確・時短状態となる。そして、低確・時短状態において、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が100回に達すると、遊技状態が低確・時短状態から低確・非時短状態に移行する。一方、低確・時短状態において、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が100回に達するまでに、第1特図抽選で図柄3の大当りが引き当てられると、その図柄3の大当りに対する大当りの終了後に、遊技状態が高確・非時短状態に戻り、小当りラッシュ状態が引き戻される。
図30に示される大当り遊技仕様によっても、図17に示される大当り遊技仕様と同様に、高確・非時短状態において遊技者が多数の賞球を獲得可能な遊技性を発揮することができる。
<第2実施形態>
図32は、第2実施形態に係るパチンコ機1Aの遊技盤211の正面図である。図32において、図2に示される各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号が付された部分の構成についての説明を省略する。
遊技盤211の遊技領域14には、センタユニット21、第1始動口31、第2始動口41、ゲート51、第1大入賞口61、第2大入賞口71および3個の一般入賞口81,82,83が配設されている。
センタユニット21は、遊技領域14の中央部に配置されている。
第1始動口31は、ステージ24の左右方向の中央部の下側に配置されている。
第2始動口41は、第1始動口31の下側に配置されている。すなわち、第1始動口31および第2始動口41は、ステージ24の左右方向の中央部の下側に、上下に並べて配置されている。第2始動口41は、普通電動役物33を入口に備えている。普通電動役物33は、左右一対の可動羽根33a,33bからなる。普通電動役物33の非作動時には、可動羽根33a,33bの先端が互いに接近し、第2始動口41の入口が小さくなる。一方、普通電動役物33の作動時には、可動羽根33a,33bの先端が互いに離間し、第2始動口41の入口が大きく開放される。図32には、普通電動役物33の作動時の状態が示されている。
ゲート51は、センタユニット21の右側に配置されている。
第1大入賞口61は、センタユニット21の右側かつゲート51よりも下側の位置に配置されている。
第2大入賞口71は、第2始動口41の上側かつ第1大入賞口61の下側の位置に配置されている。
一般入賞口81,82,83は、第1始動口31の左側に配置されている。
遊技盤211では、左打ちにより、遊技球が第1始動口31および一般入賞口81,82,83に入る可能性があり、右打ちにより、遊技球がゲート51を通過する可能性ならびに遊技球が第2始動口41、第1大入賞口61および第2大入賞口71に入る可能性があるゲージ構成を採用している。
パチンコ機1Aにおける遊技では、遊技状態が低確・非時短状態であるときには、左打ちが好ましく、遊技状態が低確・時短状態、高確・非時短状態および高確・時短状態であるときには、右打ちが好ましい。また、大当り遊技では、右打ちが好ましい。
なお、遊技盤211では、第2大入賞口71内に、図2に示される特定領域75、非特定領域76およびシャッタ77が設けられていない。そのため、パチンコ機1Aは、図3に示される電気的構成に対して、特定領域センサ127およびシャッタ駆動部143が省略された電気的構成を有する。
<第2実施形態に係るパチンコ機の大当り遊技仕様>
図33は、パチンコ機1Aの大当り遊技仕様について説明するための図である。図34は、パチンコ機1Aにおける遊技の流れの一例を示す図である。
パチンコ機1Aでは、第1実施形態に係るパチンコ機1と同様な各処理が実行される。以下では、パチンコ機1Aの大当り遊技仕様およびパチンコ機1Aで実行される処理について、パチンコ機1と内容の異なる部分を取り上げて説明する。
パチンコ機1Aでは、図33に示されるように、第1特図処理で実行される第1特図抽選の大当りとして、3種類の大当りが用意されている。具体的には、第1特図抽選の大当りの種別として、第1特図表示装置91に表示される大当り図柄が「図柄1」である大当り(図柄1の大当り)と、第1特図表示装置91に表示される大当り図柄が「図柄2」である大当り(図柄2の大当り)と、第1特図表示装置91に表示される大当り図柄が「図柄3」である大当り(図柄3の大当り)とが用意されている。
第1特図抽選では、大当りであるか外れであるかの判定と併せて、その結果が大当りである場合に、その大当たりの種別が決定される。すなわち、第1特図抽選テーブルで定められている大当り判定値は、図柄1の大当りに係る大当り判定値と、図柄2の大当りに係る大当り判定値と、図柄3の大当りに係る大当り判定値とに分けられる。そして、第1特図抽選において、第1特図抽選に用いられる特図抽選乱数(第1特図保留記憶領域から作業用の記憶領域に退避された特図抽選乱数)が図柄1の大当りに係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄1の大当りに決定される。また、特図抽選乱数が図柄2に係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄2の大当りに決定され、特図抽選乱数が図柄3に係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄3の大当りに決定される。図柄1の大当りに係る大当り判定値は、第1特図抽選テーブルで定められている大当り判定値の総個数の30%を占め、図柄2の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の30%を占め、図柄3の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の40%を占めている。これにより、図柄1の大当り、図柄2の大当りおよび図柄3の大当りの振分け確率は、それぞれ30%、30%および40%である。
大当り種別が図柄1の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄1」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が8ラウンドに設定される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、1200個(=15個×10カウント×8ラウンド)となる。また、大当り種別が図柄1の大当りに決定された場合、その決定時の遊技状態にかかわらず、時短回数が1回に設定される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態が時短状態となり、1回の第1特図抽選または第2特図抽選が実行されると、遊技状態が時短状態から非時短状態に移行する。
大当り種別が図柄2の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄2」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が8ラウンドに設定される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、1200個(=15個×10カウント×8ラウンド)となる。また、大当り種別が図柄2の大当りに決定された場合、その決定時の遊技状態にかかわらず、時短回数が2回に設定される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態が時短状態となり、合計2回の第1特図抽選または第2特図抽選が実行されると、遊技状態が時短状態から非時短状態に移行する。
大当り種別が図柄3の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄3」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が8ラウンドに設定される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、1200個(=15個×10カウント×8ラウンド)となる。また、大当り種別が図柄3の大当りに決定された場合、その決定時の遊技状態にかかわらず、時短回数が3回に設定される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態が時短状態となり、合計3回の第1特図抽選または第2特図抽選が実行されると、遊技状態が時短状態から非時短状態に移行する。
また、パチンコ機1Aにおける第1始動入賞処理では、第1特図保留数が4でない場合、つまり第1特図保留数が3以下である場合に、特図抽選乱数の取得とともに、確変抽選乱数が取得されて、その取得された確変抽選乱数が特図抽選乱数と対応づけてRAM113の第1特図保留記憶領域に記憶される。確変抽選乱数は、主制御部101において実行されるプログラム内で更新されるカウンタ型のソフト乱数である。そして、第1特図処理では、特図抽選乱数が第1特図保留記憶領域から作業用の記憶領域に移動(退避)されるときに、その特図抽選乱数と対応づけられている確変抽選乱数が第1特図保留記憶領域から作業用の記憶領域に移動(退避)される。そして、確変抽選乱数に基づく確変抽選が実行される。確変抽選には、確変判定値が定められた確変抽選テーブルが用いられる。そして、確変抽選乱数が確変判定値のいずれかと一致した場合には、確変抽選に当選と判定され、確変抽選乱数が確変判定値のいずれとも一致しない場合には、確変抽選の結果が外れと判定される。確変抽選テーブルは、確変抽選の当選確率(確変割合)が50%になるように作成されている。
第1特図抽選の結果が大当りであり、かつ、その第1特図抽選に用いられた特図抽選乱数と対応づけられた確変抽選乱数に基づく確変抽選の結果が当選であった場合、大当り遊技の終了後には、遊技状態が高確状態となる。一方、第1特図抽選の結果が大当りであり、かつ、その第1特図抽選に用いられた特図抽選乱数と対応づけられた確変抽選乱数に基づく確変抽選の結果が外れであった場合、大当り遊技の終了後には、遊技状態が低確状態となる。
たとえば、図34に示されるように、低確・非時短状態において、第1特図抽選で図柄3の大当りが引き当てられ、かつ、その第1特図抽選に用いられた特図抽選乱数と対応づけられた確変抽選乱数に基づく確変抽選の結果が当選であった場合、図柄3の大当りに対する大当り遊技の終了後は、遊技状態が高確・時短状態となる。この高確・時短状態は、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数(時短回数)の合計が3回に達するまで継続する。そして、高確・時短状態における第1特図抽選および第2特図抽選で大当りが引き当てられなかった場合、3回目の第1特図抽選または第2特図抽選の実行後、遊技状態が高確・時短状態から高確・非時短状態に移行する。高確・非時短状態は、第2特図抽選での小当りが頻出する小当りラッシュ(RUSH)状態である。
なお、大当り図柄から確変抽選に当選したか外れたかを判別することができない上、前記確変抽選の結果が遊技者に報知されないので、遊技者は、大当り遊技後の遊技状態が低確・時短状態であるか高確・時短状態であるかを判別することができない。したがって、第1特図表示装置91に表示された図柄に応じた時短回数の第1特図抽選および第2特図抽選が実行されるまで、遊技者は、小当りラッシュ状態に移行するか否かを判別することができない。小当りラッシュ状態に突入した場合、その突入を遊技者に報知するための演出画像が演出表示装置22に表示される。よって、大当り遊技の終了から小当りラッシュ状態に突入したことが報知されるまでの期間は、小当りラッシュ状態突入への潜伏期間であり、この潜伏期間が設けられることにより、小当りラッシュ状態突入に対する期待によるドキドキ感を遊技者に与えることができる。
第2特図抽選の大当りには、図33に示されるように、3種類の大当りが用意されている。具体的には、第2特図抽選の大当りの種別として、第2特図表示装置92に表示される大当り図柄が「図柄4」である大当り(図柄4の大当り)と、第2特図表示装置92に表示される大当り図柄が「図柄5」である大当り(図柄5の大当り)と、第2特図表示装置92に表示される大当り図柄が「図柄6」である大当り(図柄6の大当り)とが用意されている。
第2特図抽選では、大当りであるか外れであるかの判定と併せて、その結果が大当りである場合に、その大当たりの種別が決定される。すなわち、第2特図抽選テーブルで定められている大当り判定値は、図柄4の大当りに係る大当り判定値と、図柄5の大当りに係る大当り判定値と、図柄6の大当りに係る大当り判定値とに分けられる。そして、第2特図抽選において、第2特図抽選に用いられる特図抽選乱数(第2特図保留記憶領域から作業用の記憶領域に退避された特図抽選乱数)が図柄4の大当りに係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄4の大当りに決定される。また、特図抽選乱数が図柄5の大当りに係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄5の大当りに決定され、特図抽選乱数が図柄6の大当りに係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄6の大当りに決定される。図柄4の大当りに係る大当り判定値は、第2特図抽選テーブルで定められている大当り判定値の総個数の60%を占め、図柄5の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の30%を占め、図柄6の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の10%を占めている。これにより、図柄4の大当り、図柄5の大当りおよび図柄6の大当りの振分け確率は、それぞれ60%、30%および10%である。
また、パチンコ機1Aにおける第2始動入賞処理では、第2特図保留数が4でない場合、つまり第2特図保留数が3以下である場合に、特図抽選乱数の取得とともに、確変抽選乱数が取得されて、その取得された確変抽選乱数が特図抽選乱数と対応づけてRAM113の第2特図保留記憶領域に記憶される。そして、第1特図処理の場合と同様に、確変抽選乱数に基づく確変抽選が実行される。確変抽選には、第1特図処理の場合と同じ確変抽選テーブルが用いられる。
第2特図抽選で大当り種別が図柄4の大当りに決定され、第2特図表示装置92に「図柄4」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が4ラウンドに設定される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、600個(=15個×10カウント×4ラウンド)となる。また、大当り種別が図柄4の大当りに決定された場合、その決定時の遊技状態にかかわらず、時短回数が0回に設定される。そして、その第2特図抽選に用いられた特図抽選乱数と対応づけられた確変抽選乱数に基づく確変抽選の結果が当選であった場合、図柄4の大当りに対する大当り遊技の終了後には、遊技状態が高確・非時短状態に維持される。一方、確変抽選の結果が当選であった場合、図柄4の大当りに対する大当り遊技の終了後には、遊技状態が低確・非時短状態になる。
第2特図抽選で大当り種別が図柄5の大当りに決定され、第2特図表示装置92に「図柄5」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が8ラウンドに設定される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、1200個(=15個×10カウント×8ラウンド)となる。また、大当り種別が図柄5の大当りに決定された場合、その決定時の遊技状態にかかわらず、時短回数が0回に設定される。そして、その第2特図抽選に用いられた特図抽選乱数と対応づけられた確変抽選乱数に基づく確変抽選の結果が当選であった場合、図柄5の大当りに対する大当り遊技の終了後には、遊技状態が高確・非時短状態に維持される。一方、確変抽選の結果が当選であった場合、図柄5の大当りに対する大当り遊技の終了後には、遊技状態が低確・非時短状態になる。
第2特図抽選で大当り種別が図柄6の大当りに決定され、第2特図表示装置92に「図柄6」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が16ラウンドに設定される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、2400個(=15個×10カウント×16ラウンド)となる。また、大当り種別が図柄6の大当りに決定された場合、その決定時の遊技状態にかかわらず、時短回数が0回に設定される。そして、その第2特図抽選に用いられた特図抽選乱数と対応づけられた確変抽選乱数に基づく確変抽選の結果が当選であった場合、図柄6の大当りに対する大当り遊技の終了後には、遊技状態が高確・非時短状態に維持される。一方、確変抽選の結果が当選であった場合、図柄6の大当りに対する大当り遊技の終了後には、遊技状態が低確・非時短状態になる。
以上のように、パチンコ機1Aにおいても、パチンコ機1と同様に、高確・非時短状態において遊技者が多数の賞球を獲得可能な遊技性を発揮することができる。
<第3実施形態>
図35は、第3実施形態に係るパチンコ機1Bの遊技盤221の正面図である。図35において、図2に示される各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号が付された部分の構成についての説明を省略する。
遊技盤221の遊技領域14には、センタユニット21、第1始動口31、第2始動口41、ゲート51、第1大入賞口61、第2大入賞口71および3個の一般入賞口81,82,83が配設されている。
センタユニット21は、遊技領域14の中央部に配置されている。
第1始動口31は、ステージ24の左右方向の中央部の下側に配置されている。
第2始動口41は、第1始動口31の下側に配置されている。すなわち、第1始動口31および第2始動口41は、ステージ24の左右方向の中央部の下側に、上下に並べて配置されている。第2始動口41は、普通電動役物33を入口に備えている。普通電動役物33は、左右一対の可動羽根33a,33bからなる。普通電動役物33の非作動時には、可動羽根33a,33bの先端が互いに接近し、第2始動口41の入口が小さくなる。一方、普通電動役物33の作動時には、可動羽根33a,33bの先端が互いに離間し、第2始動口41の入口が大きく開放される。図35には、普通電動役物33の作動時の状態が示されている。
ゲート51は、センタユニット21の右側に配置されている。
第1大入賞口61は、センタユニット21の右側かつゲート51よりも下側の位置に配置されている。
第2大入賞口71は、第2始動口41の上側かつ第1大入賞口61の下側の位置に配置されている。
一般入賞口81,82,83は、第1始動口31の左側に配置されている。
遊技盤221では、左打ちにより、遊技球が第1始動口31および一般入賞口81,82,83に入る可能性があり、右打ちにより、遊技球がゲート51を通過する可能性ならびに遊技球が第2始動口41、第1大入賞口61および第2大入賞口71に入る可能性があるゲージ構成を採用している。
パチンコ機1Bにおける遊技では、遊技状態が低確・非時短状態であるときには、左打ちが好ましく、遊技状態が低確・時短状態、高確・非時短状態および高確・時短状態であるときには、右打ちが好ましい。また、大当り遊技では、右打ちが好ましい。
なお、パチンコ機1Bは、図3に示される電気的構成を有する。
<第3実施形態に係るパチンコ機の大当り遊技仕様>
図36は、パチンコ機1Bの大当り遊技仕様について説明するための図である。図37は、パチンコ機1Bにおける遊技の流れの一例を示す図である。
パチンコ機1Bでは、第1実施形態に係るパチンコ機1と同様な各処理が実行される。以下では、パチンコ機1Bの大当り遊技仕様およびパチンコ機1Bで実行される処理について、パチンコ機1と内容の異なる部分を取り上げて説明する。
パチンコ機1Bでは、遊技状態に高確・時短状態が存在しない。
パチンコ機1Bで使用される低確状態用の第1特図抽選テーブルでは、654個の大当り判定値が定められている。したがって、低確状態において、第1特図抽選で大当りが引き当てられる確率(大当り確率)は、約1/100.208である。高確状態用の第1特図抽選テーブルでは、655個の大当り判定値が定められている。したがって、高確状態において、第1特図抽選で大当りが引き当てられる確率(大当り確率)は、約1/100.055である。
また、低確状態用の第2特図抽選テーブルでは、654個の大当り判定値が定められている。したがって、低確状態において、第2特図抽選で大当りが引き当てられる確率(大当り確率)は、約1/100.208である。高確状態用の第2特図抽選テーブルでは、655個の大当り判定値および64879個の小当り判定値が定められている。したがって、高確状態において、第2特図抽選で大当りが引き当てられる確率(大当り確率)は、約1/100.055である。
パチンコ機1Bでは、低確・時短状態において、1分間に30個の遊技球が第2始動口41に入り、高確・非時短状態において、1分間に25個の遊技球が第2始動口41に入るように、普通電動役物33の動作態様が調整されている。また、低確・時短状態において、1分間に9回の特図抽選(特図変動)が行われ、高確・非時短状態において、1分間に25回の特図抽選(特図変動)が行われるように、普図変動時間が調整されている。
パチンコ機1Bでは、第2始動入賞に対する賞球が1個に設定され、第1大入賞口61および第2大入賞口71に遊技球が入ったこと(入賞)に対する賞球が7個に設定されている。
パチンコ機1Bにおける小当り遊技では、第2大入賞口71に1個の遊技球が入るように第2大入賞口71が開閉される。
以上の大当り遊技仕様により、パチンコ機1Bでは、低確・時短状態における1分間に、第2始動口41への遊技球の入賞により30個の賞球を獲得でき、小当りによる第2大入賞口71への遊技球の入賞により63個(7個×9回)の賞球を獲得できるので、合計で93個の賞球を獲得可能である(BA=93)。一方、高確・非時短状態における1分間では、第2始動口41への遊技球の入賞により25個の賞球を獲得でき、小当りによる第2大入賞口71への遊技球の入賞により175個(7個×25回)の賞球を獲得できるので、合計で200個の賞球を獲得可能である(BA=200)。
パチンコ機1Bでは、第1特図処理で実行される第1特図抽選の大当りとして、3種類の大当りが用意されている。具体的には、第1特図抽選の大当りの種別として、第1特図表示装置91に表示される大当り図柄が「図柄1」である大当り(図柄1の大当り)と、第1特図表示装置91に表示される大当り図柄が「図柄2」である大当り(図柄2の大当り)と、第1特図表示装置91に表示される大当り図柄が「図柄3」である大当り(図柄3の大当り)とが用意されている。
第1特図抽選では、大当りであるか外れであるかの判定と併せて、その結果が大当りである場合に、その大当たりの種別が決定される。すなわち、第1特図抽選テーブルで定められている大当り判定値は、図柄1の大当りに係る大当り判定値と、図柄2の大当りに係る大当り判定値と、図柄3の大当りに係る大当り判定値とに分けられる。そして、第1特図抽選において、第1特図抽選に用いられる特図抽選乱数(第1特図保留記憶領域から作業用の記憶領域に退避された特図抽選乱数)が図柄1の大当りに係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄1の大当りに決定される。また、特図抽選乱数が図柄2に係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄2の大当りに決定され、特図抽選乱数が図柄3に係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄3の大当りに決定される。図柄1の大当りに係る大当り判定値は、第1特図抽選テーブルで定められている大当り判定値の総個数の50%を占め、図柄2の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の25%を占め、図柄3の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の25%を占めている。これにより、図柄1の大当り、図柄2の大当りおよび図柄3の大当りの振分け確率は、それぞれ50%、25%および25%である。
大当り種別が図柄1の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄1」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が4ラウンドに設定される。そして、第1〜第3ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第4ラウンドでは、第2大入賞口71がショート開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、210個(=7個×10カウント×3ラウンド+15個×0カウント×1ラウンド)となる。
第4ラウンドでは、第2大入賞口71の開閉と同期して、特定領域75が開閉される。そのため、図柄1の大当りに対する大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で低確状態となる。また、大当り種別が図柄1の大当りに決定された場合、その決定時の遊技状態にかかわらず、時短回数が10回に設定される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態が時短状態となり、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が10回に達するまで、その時短状態が継続する。すなわち、図柄1の大当りに対する大当り遊技の終了後、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が10回に達するまでの期間は、遊技状態が低確・時短状態となり、その期間を超えると、遊技状態が低確・非時短状態となる。
大当り種別が図柄2の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄2」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が8ラウンドに設定される。そして、第1〜第3ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第4ラウンドでは、第2大入賞口71がショート開放され、第5〜第8ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、490個(=7個×10カウント×7ラウンド+15個×0カウント×1ラウンド)となる。
第4ラウンドでは、第2大入賞口71の開閉と同期して、特定領域75が開閉される。したがって、図柄1の大当りに対する大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で低確状態となる。また、大当り種別が図柄2の大当りに決定された場合、その決定時の遊技状態にかかわらず、時短回数が20回に設定される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態が時短状態となり、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が20回に達するまで、その時短状態が継続する。すなわち、図柄2の大当りに対する大当り遊技の終了後、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が20回に達するまでの期間は、遊技状態が低確・時短状態となり、その期間を超えると、遊技状態が低確・非時短状態となる。
大当り種別が図柄3の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄3」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が16ラウンドに設定される。そして、第1〜第3ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第4ラウンドでは、第2大入賞口71がロング開放され、第5〜第16ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、1120個(=7個×10カウント×16ラウンド)となる。
第4ラウンドでは、特定領域75が確変開閉パターンで開閉される。また、大当り種別が図柄3の大当りに決定された場合、その決定時の遊技状態にかかわらず、時短回数が0回に設定される。そのため、大当り遊技の終了後には、ほぼ100%の確率で、遊技状態が高確・非時短状態となる。確変回数は、1000回に設定される。
このように、第1特図抽選で図柄3の大当りが引き当てられると、図柄3の大当りに対する大当り遊技の終了後は、遊技状態が高確・非時短状態となる。図柄3の大当りの振分け確率が25%であるから、第1特図抽選の確変割合は、25%である。
たとえば、図37に示されるように、低確・非時短状態で図柄3の大当りが引き当てられると、その図柄3の大当りに対する大当り遊技の終了後は、遊技状態が高確・非時短状態となる。なお、図柄3の大当りが引き当てられた場合、第1特図表示装置91に「図柄3」が表示されるとともに、遊技者に大当り種別が判りやすいように、たとえば、図柄「777」が演出表示装置22に表示される。
高確・非時短状態は、第2特図抽選での小当りが頻出する小当りラッシュ(RUSH)状態である。
すなわち、高確・非時短状態では、第2特図表示装置92における第2変動時間がショート変動時間に設定されるので、右打ちが行われて、第2始動口41に遊技球が高い頻度で入れば、第2特図抽選が高い頻度で実行される。高確状態における第2特図抽選では、高確状態用の第2特図抽選テーブルが使用され、その高確状態用の第2特図抽選テーブルでは、64879個の小当り判定値が定められているので、第2特図抽選では、その抽選結果が64879/65536の高確率で小当りとなる。
また、高確状態用の第2特図抽選での大当り確率は、約1/100.055である。したがって、高確・非時短状態では、計算上、1〜99回目の第2特図抽選で小当りが引き当てられ、100回目の第2特図抽選で大当りが引き当てられるとした場合、次回の大当り遊技の開始までの獲得球数の平均は、693個(=7個×99回)となる。
第2特図抽選の大当りには、図36に示されるように、2種類の大当りが用意されている。具体的には、第2特図抽選の大当りの種別として、第2特図表示装置92に表示される大当り図柄が「図柄4」である大当り(図柄4の大当り)と、第2特図表示装置92に表示される大当り図柄が「図柄5」である大当り(図柄5の大当り)とが用意されている。
第2特図抽選では、大当りであるか外れであるかの判定と併せて、その結果が大当りである場合に、その大当たりの種別が決定される。すなわち、第2特図抽選テーブルで定められている大当り判定値は、図柄4の大当りに係る大当り判定値と、図柄5の大当りに係る大当り判定値とに分けられる。そして、第2特図抽選において、第2特図抽選に用いられる特図抽選乱数(第2特図保留記憶領域から作業用の記憶領域に退避された特図抽選乱数)が図柄4の大当りに係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄4の大当りに決定される。また、特図抽選乱数が図柄5の大当りに係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄5の大当りに決定される。図柄4の大当りに係る大当り判定値は、第2特図抽選テーブルで定められている大当り判定値の総個数の50%を占め、図柄5の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の50%を占めている。これにより、図柄4の大当りおよび図柄5の大当りの振分け確率は、それぞれ50%である。
大当り種別が図柄4の大当りに決定され、第2特図表示装置92に「図柄4」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が16ラウンドに設定される。そして、第1〜第3ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第4ラウンドでは、第2大入賞口71がショート開放され、第5〜第16ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、1050個(=7個×10カウント×15ラウンド+7個×0カウント×1ラウンド)となる。
第4ラウンドでは、第2大入賞口71の開閉と同期して、特定領域75が開閉される。したがって、図柄4の大当りに対する大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で低確状態となる。また、大当り種別が図柄4の大当りに決定された時点での遊技状態が低確・非時短状態であった場合には、時短回数が0回に設定される。そのため、この場合、大当り遊技の終了後の遊技状態は、大当り遊技の開始前と同じ低確・非時短状態に維持される。一方、大当り種別が図柄4の大当りに決定された時点での遊技状態が低確・時短状態または高確・非時短状態であった場合には、時短回数が10回に設定される。そのため、この場合、大当り遊技の終了後には、遊技状態が時短状態となり、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が10回に達するまで、その時短状態が継続する。すなわち、図柄1の大当りに対する大当り遊技の終了後、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が10回に達するまでの期間は、遊技状態が低確・時短状態となり、その期間を超えると、遊技状態が低確・非時短状態となる。
大当り種別が図柄5の大当りに決定され、第2特図表示装置92に「図柄5」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が16ラウンドに設定される。そして、第1〜第3ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第4ラウンドでは、第2大入賞口71がロング開放され、第5〜第16ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、1120個(=7個×10カウント×16ラウンド)となる。
第4ラウンドでは、特定領域75が確変開閉パターンで開閉される。また、大当り種別が図柄5の大当りに決定された場合、その決定時の遊技状態にかかわらず、時短回数が0回に設定される。そのため、大当り遊技の終了後には、ほぼ100%の確率で、遊技状態が高確・非時短状態となる。
このように、第2特図抽選で図柄5の大当りが引き当てられると、大当り遊技の終了後は、遊技状態が高確状態となる。図柄4の大当りおよび図柄5の大当りの振分け確率がそれぞれ50%であるから、第2特図抽選の確変割合は、50%である。
図37に示されるように、高確・非時短状態で図柄5の大当りが引き当てられると、その図柄5の大当りに対する大当り遊技の終了後は、遊技状態が高確・非時短状態となり、小当りラッシュ状態が継続する。
小当りラッシュ状態(高確・非時短状態)は、第2特図抽選で図柄4の大当りが引き当てられ、その図柄4の大当りに対する大当り遊技の終了後に、遊技状態が低確・時短状態になることにより終了する。また、高確・非時短状態において、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が1000回に達するまでに、第1特図抽選および第2特図抽選で大当りが引き当てられなかった場合、小当りラッシュ状態が終了し、低確・非時短状態になる。
以上のように、パチンコ機1Bにおいても、パチンコ機1,1Aと同様に、高確・非時短状態において遊技者が多数の賞球を獲得可能な遊技性を発揮することができる。
<第4実施形態>
図38は、第4実施形態に係るパチンコ機1Cの遊技盤231の正面図である。図38において、図2に示される各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号が付された部分の構成についての説明を省略する。
遊技盤231の遊技領域14には、センタユニット21、2個の第1始動口31,32、球振分装置301、第2始動口41、第1大入賞口61、第2大入賞口71および3個の一般入賞口81,82,83が配設されている。
センタユニット21は、遊技領域14の中央部に配置されている。
第1始動口31は、ステージ24の左右方向の中央部の下側に配置されている。
第1始動口32は、センタユニット21の右側に配置されている。
球振分装置301は、第1始動口32の上側に配置されている。
第2始動口41は、第1始動口31の右側に配置されている。
第1大入賞口61は、センタユニット21の右側かつゲート51よりも下側の位置に配置されている。
第2大入賞口71は、第2始動口41の上側かつ第1大入賞口61の下側の位置に配置されている。
一般入賞口81,82,83は、第1始動口31の左側に配置されている。
遊技盤231では、左打ちにより、遊技球が第1始動口31および一般入賞口81,82,83に入る可能性があり、右打ちにより、遊技球が第1始動口32、第2始動口41、第1大入賞口61および第2大入賞口71に入る可能性があるゲージ構成を採用している。
パチンコ機1Cにおける遊技では、遊技状態が低確状態であるときには、左打ちが好ましく、遊技状態が高確状態であるときには、右打ちが好ましい。
なお、パチンコ機1Cでは、第1始動口32に普通電動役物33が設けられていない。そのため、第1始動口32の入口は、その大きさが常に一定(不変)である。また、パチンコ機1Cは、図3に示される電気的構成に対して、普電駆動部144が省略された電気的構成を有する。
<球振分装置>
図39は、球振分装置301の構成を示す正面図である。
球振分装置301は、同一構成の振分機構302を上下5段に備えている。各振分機構302は、上方に凸湾曲した断面略半円弧状の上壁303と、断面台形状の仕切部304とを有している。上壁303の頂部には、遊技球を受け入れるための入口305が形成されている。仕切部304は、振分機構302の下端であって、入口305と上下に対向する位置に、上壁303の左端部および右端部との間に遊技球が通過可能な間隔を空けて配置されている。これにより、各振分機構302は、仕切部304と上壁303の左端部との間および仕切部304と上壁303の右端部との間に、それぞれ遊技球を排出する左出口306および右出口307を有している。5個の振分機構302は、上段の振分機構302の左出口306と下段の振分機構302の入口305とが上下に隣接するように、左右方向の位置を互いにずらして、上下に積み重なった状態に配置されている。そして、右打ちされた遊技球のほぼ全球が最上段の振分機構302の入口305に入り、最下段の振分機構302の左出口306から排出される遊技球が第1始動口32に確実に入るように、球振分装置301が配置されるとともに、ゲージ構成が設計されている。
また、各振分機構302には、仕切部304と入口305との間に、羽根車308が設けられている。羽根車308は、盤面と略直交する方向に延びる軸309を支点に揺動可能に設けられており、軸309に対して放射状に延びる第1羽根310、第2羽根311および第3羽根312を備えている。軸309は、仕切部304および入口305の左右方向の各中央を結ぶ直線上に配置されている。第1羽根310は、軸309から入口305に向かって延びている。第1羽根310の先端には、軸309と平行に延びる中心軸線を有する円柱状の錘313が設けられている。入口305の下方には、軸309と中心が一致する円弧状のガイド溝314が形成されており、錘313は、そのガイド溝314内に移動可能に配置されている。これにより、羽根車308は、錘313がガイド溝314の左端部に配置される左姿勢と、錘313がガイド溝314の右端部に配置される右姿勢とに揺動可能に設けられている。第2羽根311および第3羽根312は、それぞれ第1羽根310に対して等角度をなし、それぞれ左出口306および右出口307に向けて延びている。羽根車308の左姿勢では、第2羽根311が仕切部304の左端に近接して、第2羽根311と上壁303の左端部との間で、左出口306が遊技球を通過可能に開放される。また、羽根車308の右姿勢では、第3羽根312が仕切部304の右端に近接して、第3羽根312と上壁303の右端部との間で、右出口307が遊技球を通過可能に開放される。
各振分機構302において、羽根車308が左姿勢をなす状態で、遊技球が入口305から受け入れられると、その遊技球が自重および運動エネルギにより第3羽根312を押し、羽根車308が左姿勢から右姿勢に切り替わる。羽根車308が右姿勢をなすことにより、右出口307が開放され、遊技球が右出口307から排出される。羽根車308が右姿勢をなす状態で、遊技球が入口305から受け入れられると、その遊技球が自重および運動エネルギにより第2羽根311を押し、羽根車308が右姿勢から左姿勢に切り替わる。羽根車308が左姿勢をなすことにより、左出口306が開放され、遊技球が左出口306から排出される。これにより、振分機構302に遊技球が入る度に、羽根車308が左姿勢と右姿勢とに交互に切り替わり、遊技球の出口が左出口306と右出口307とに交互に切り替わる。
球振分装置301が設けられていることにより、右打ちされた遊技球は、その3.125%(=(1/25)×100)が第1始動口32に入る。すなわち、1分間に100個の遊技球が発射される場合、そのうちの3個の遊技球が第1始動口32に入る。
<第4実施形態に係るパチンコ機の大当り遊技仕様>
図40は、パチンコ機1Cの大当り遊技仕様について説明するための図である。図41は、パチンコ機1Cにおける遊技の流れの一例を示す図である。
パチンコ機1Cでは、第1実施形態に係るパチンコ機1と同様な各処理が実行される。以下では、パチンコ機1Cの大当り遊技仕様およびパチンコ機1Cで実行される処理について、パチンコ機1と内容の異なる部分を取り上げて説明する。
パチンコ機1Cでは、遊技状態に時短状態が存在しない。
パチンコ機1Cで使用される低確状態用の第1特図抽選テーブルでは、655個の大当り判定値が定められている。したがって、低確状態において、第1特図抽選で大当りが引き当てられる確率(大当り確率)は、約1/100.055である。高確状態用の第1特図抽選テーブルでは、3276個の大当り判定値が定められている。したがって、高確状態において、第1特図抽選で大当りが引き当てられる確率(大当り確率)は、約1/20.0049である。
また、低確状態用の第2特図抽選テーブルでは、655個の大当り判定値が定められている。したがって、低確状態において、第2特図抽選で大当りが引き当てられる確率(大当り確率)は、約1/100.055である。高確状態用の第2特図抽選テーブルでは、3276個の大当り判定値および62258個の小当り判定値が定められている。したがって、高確状態において、第2特図抽選で大当りが引き当てられる確率(大当り確率)は、約1/20.0049である。
パチンコ機1Cにおける大当り遊技は、第1大入賞口61が開放されてから最大開放時間が経過するまでの期間または第1大入賞口61に入った遊技球のカウント数(入賞数)が4に達するまでの期間を1ラウンドとして、また、第2大入賞口71が開放されてから最大開放時間が経過するまでの期間または第2大入賞口71に入った遊技球のカウント数が4に達するまでの期間を1ラウンドとして、大当り種別に応じて設定されるラウンド数に達するまで継続する。
パチンコ機1Cにおける高確状態では、第2特図表示装置92における第2特図変動の継続時間(第2変動時間)がショート変動時間に設定される。一方、低確状態では、第2特図表示装置92における変動時間がロング変動時間に設定される。これにより、低確状態において、遊技球が第2始動口41に頻繁に入ったとしても、単位時間あたりの第2特図抽選の実行回数は極めて少ない。
パチンコ機1Cでは、第1特図処理で実行される第1特図抽選の大当りとして、4種類の大当りが用意されている。具体的には、第1特図抽選の大当りの種別として、第1特図表示装置91に表示される大当り図柄が「図柄1」である大当り(図柄1の大当り)と、第1特図表示装置91に表示される大当り図柄が「図柄2」である大当り(図柄2の大当り)と、第1特図表示装置91に表示される大当り図柄が「図柄3」である大当り(図柄3の大当り)と、第1特図表示装置91に表示される大当り図柄が「図柄4」である大当り(図柄4の大当り)とが用意されている。
第1特図抽選では、大当りであるか外れであるかの判定と併せて、その結果が大当りである場合に、その大当たりの種別が決定される。すなわち、第1特図抽選テーブルで定められている大当り判定値は、図柄1の大当りに係る大当り判定値と、図柄2の大当りに係る大当り判定値と、図柄3の大当りに係る大当り判定値と、図柄4の大当りに係る大当り判定値とに分けられる。そして、第1特図抽選において、第1特図抽選に用いられる特図抽選乱数(第1特図保留記憶領域から作業用の記憶領域に退避された特図抽選乱数)が図柄1の大当りに係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄1の大当りに決定される。また、特図抽選乱数が図柄2に係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄2の大当りに決定され、特図抽選乱数が図柄3に係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄3の大当りに決定され、特図抽選乱数が図柄4に係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄4の大当りに決定される。図柄1の大当りに係る大当り判定値は、第1特図抽選テーブルで定められている大当り判定値の総個数の20%を占め、図柄2の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の65%を占め、図柄3の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の15%を占め、図柄4の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の5%を占めている。これにより、図柄1の大当り、図柄2の大当り、図柄3の大当りおよび図柄4の大当りの振分け確率は、それぞれ20%、60%、15%および5%である。
大当り種別が図柄1の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄1」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が2ラウンドに設定される。そして、第1ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第2ラウンドでは、第2大入賞口71がショート開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、60個(=15個×4カウント×1ラウンド+15個×0カウント×1ラウンド)となる。
第2ラウンドでは、第2大入賞口71の開閉と同期して、特定領域75が開閉される。したがって、図柄1の大当りに対する大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で低確状態となる。
大当り種別が図柄2の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄2」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が4ラウンドに設定される。そして、第1ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第2ラウンドでは、第2大入賞口71がショート開放され、第3および第4ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、180個(=15個×4カウント×3ラウンド+15個×0カウント×1ラウンド)となる。
第2ラウンドでは、第2大入賞口71の開閉と同期して、特定領域75が開閉される。したがって、図柄1の大当りに対する大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で低確状態となる。
大当り種別が図柄3の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄3」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が4ラウンドに設定される。そして、第1ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第2ラウンドでは、第2大入賞口71がロング開放され、第3および第4ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、240個(=15個×4カウント×4ラウンド)となる。
第2ラウンドでは、特定領域75が確変開閉パターンで開閉される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で高確状態となる。確変回数は、1000回に設定される。
大当り種別が図柄4の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄4」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が12ラウンドに設定される。そして、第1ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第2ラウンドでは、第2大入賞口71がロング開放され、第3〜第12ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、720個(=15個×4カウント×12ラウンド)となる。
第2ラウンドでは、特定領域75が確変開閉パターンで開閉される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で高確状態となる。
たとえば、図41に示されるように、低確状態で図柄3の大当りが引き当てられると、その図柄3の大当りに対する大当り遊技の終了後は、遊技状態が高確状態となる。なお、図柄3の大当りが引き当てられた場合、第1特図表示装置91に「図柄3」が表示されるとともに、遊技者に大当り種別が判りやすいように、たとえば、図柄「777」が演出表示装置22に表示される。
高確状態は、第2特図抽選での小当りが頻出する小当りラッシュ(RUSH)状態である。
すなわち、高確状態では、第2特図表示装置92における第2変動時間がショート変動時間に設定されるので、右打ちが行われて、第2始動口41に遊技球が高い頻度で入れば、第2特図抽選が高い頻度で実行される。そして、高確状態における第2特図抽選では、高確状態用の第2特図抽選テーブルが使用され、その高確状態用の第2特図抽選テーブルでは、62258個の小当り判定値が定められているので、第2特図抽選では、その抽選結果が62258/65536の高確率で小当りとなる。
また、高確状態における第2特図抽選での大当り確率は、約1/20.0049である。したがって、高確状態では、計算上、1〜19回目の第2特図抽選で小当りが引き当てられ、20回目の第2特図抽選で大当りが引き当てられるとした場合、次回の大当り遊技の開始までの獲得球数の平均は、570個(=30個×19回)となる。
第2特図抽選の大当りには、図40に示されるように、4種類の大当りが用意されている。具体的には、第2特図抽選の大当りの種別として、第2特図表示装置92に表示される大当り図柄が「図柄5」である大当り(図柄5の大当り)と、第2特図表示装置92に表示される大当り図柄が「図柄6」である大当り(図柄6の大当り)と、第2特図表示装置92に表示される大当り図柄が「図柄7」である大当り(図柄7の大当り)と、第2特図表示装置92に表示される大当り図柄が「図柄7」である大当り(図柄7の大当り)とが用意されている。
第2特図抽選では、大当りであるか外れであるかの判定と併せて、その結果が大当りである場合に、その大当たりの種別が決定される。すなわち、第2特図抽選テーブルで定められている大当り判定値は、図柄5の大当りに係る大当り判定値と、図柄6の大当りに係る大当り判定値と、図柄7の大当りに係る大当り判定値と、図柄8の大当りに係る大当り判定値とに分けられる。そして、第2特図抽選において、第2特図抽選に用いられる特図抽選乱数(第2特図保留記憶領域から作業用の記憶領域に退避された特図抽選乱数)が図柄5の大当りに係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄5の大当りに決定される。また、特図抽選乱数が図柄6の大当りに係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄6の大当りに決定され、特図抽選乱数が図柄7の大当りに係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄7の大当りに決定され特図抽選乱数が図柄8の大当りに係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄8の大当りに決定される。図柄5の大当りに係る大当り判定値は、第2特図抽選テーブルで定められている大当り判定値の総個数の20%を占め、図柄6の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の60%を占め、図柄7の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の15%を占め、図柄8の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の5%を占めている。これにより、図柄5の大当り、図柄6の大当り、図柄7の大当りおよび図柄8の大当りの振分け確率は、それぞれ20%、60%、15%および5%である。
大当り種別が図柄5の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄5」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が2ラウンドに設定される。そして、第1ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第2ラウンドでは、第2大入賞口71がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、120個(=15個×4カウント×2ラウンド)となる。
第2ラウンドでは、特定領域75が確変開閉パターンで開閉される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で高確状態となる。
大当り種別が図柄6の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄6」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が4ラウンドに設定される。そして、第1ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第2ラウンドでは、第2大入賞口71がロング開放され、第3および第4ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、240個(=15個×4カウント×4ラウンド)となる。
第2ラウンドでは、特定領域75が確変開閉パターンで開閉される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で高確状態となる。
大当り種別が図柄7の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄7」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が4ラウンドに設定される。そして、第1ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第2ラウンドでは、第2大入賞口71がロング開放され、第3および第4ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、240個(=15個×4カウント×4ラウンド)となる。
第2ラウンドでは、特定領域75が確変開閉パターンで開閉される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で高確状態となる。
大当り種別が図柄8の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄8」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が12ラウンドに設定される。そして、第1ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第2ラウンドでは、第2大入賞口71がロング開放され、第3〜第12ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、720個(=15個×4カウント×12ラウンド)となる。
第2ラウンドでは、特定領域75が確変開閉パターンで開閉される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で高確状態となる。
このように、第2特図抽選では、大当り種別にかかわらず、大当り遊技の終了後は、遊技状態が高確状態となる。したがって、第2特図抽選の確変割合は、100%であり、第2特図抽選の大当りが引き当て続けられている間は、小当りラッシュ状態(高確状態)が継続する。
また、右打ちされた遊技球の一部が第2始動口41に入る一方、球振分装置301が設けられているので、右打ちされた遊技球の3.125%が第1始動口32に入る。そのため、小当りラッシュ状態では、図41に示されるように、第2特図抽選による大当りに限らず、第1特図抽選による大当りが発生する。第1特図抽選による大当りが図柄3の大当りまたは図柄4の大当りであれば、大当り遊技後の遊技状態が高確状態に維持され、小当りラッシュ状態が継続する。しかし、第1特図抽選により図柄1の大当りまたは図柄2の大当りが引き当てられると、大当り遊技後の遊技状態が低確状態となり、小当りラッシュ状態が終了する。
また、高確状態において、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が1000回に達するまでに、第1特図抽選および第2特図抽選で大当りが引き当てられなかった場合、小当りラッシュ状態が終了し、低確状態になる。
以上のように、パチンコ機1Cでは、高確状態において遊技者が多数の賞球を獲得可能な遊技性を発揮することができる。
<遊技盤の他の構成>
図42は、他の構成に係る遊技盤241の正面図である。図42において、図2または図38に示される各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号が付された部分の構成についての説明を省略する。
パチンコ機1Cでは、図38に示される遊技盤231に代えて、図42に示される遊技盤241が採用されてもよい。
遊技盤241の遊技領域14には、センタユニット21、2個の第1始動口31,32、球振分装置301、第2始動口41、ゲート51、第1大入賞口61、第2大入賞口71および3個の一般入賞口81,82,83が配設されている。
センタユニット21は、遊技領域14の中央部に配置されている。
第1始動口31は、ステージ24の左右方向の中央部の下側に配置されている。
第1始動口32は、センタユニット21の右側に配置されている。
球振分装置301は、第1始動口32の上側に配置されている。
第2始動口41は、第1始動口31の下側に配置されている。すなわち、第1始動口31および第2始動口41は、ステージ24の左右方向の中央部の下側に、上下に並べて配置されている。第2始動口41は、普通電動役物33を入口に備えている。普通電動役物33は、左右一対の可動羽根33a,33bからなる。普通電動役物33の非作動時には、可動羽根33a,33bの先端が互いに接近し、第2始動口41の入口が小さくなる。一方、普通電動役物33の作動時には、可動羽根33a,33bの先端が互いに離間し、第2始動口41の入口が大きく開放される。図42には、普通電動役物33の作動時の状態が示されている。
ゲート51は、センタユニット21の右側かつ球振分装置301よりも上側の位置に配置されている。
第1大入賞口61は、センタユニット21の右側かつ第1始動口32よりも下側の位置に配置されている。
第2大入賞口71は、第1大入賞口61の下側に配置されている。
一般入賞口81,82,83は、第1始動口31の左側に配置されている。
遊技盤241では、左打ちにより、遊技球が第1始動口31および一般入賞口81,82,83に入る可能性があり、右打ちにより、遊技球が第1始動口32、第2始動口41、第1大入賞口61および第2大入賞口71に入る可能性があるゲージ構成を採用している。
<第5実施形態>
図43は、第5実施形態に係るパチンコ機1Dの遊技盤251の正面図である。図43において、図2または図38に示される各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号が付された部分の構成についての説明を省略する。
遊技盤251の遊技領域14には、センタユニット21、2個の第1始動口31,32、球振分装置301、第2始動口41、ゲート51、第1大入賞口61、第2大入賞口71および3個の一般入賞口81,82,83が配設されている。
センタユニット21は、遊技領域14の中央部に配置されている。
第1始動口31は、ステージ24の左右方向の中央部の下側に配置されている。
第1始動口32は、センタユニット21の右側に配置されている。普通電動役物33を入口に備えている。普通電動役物33は、左右一対の可動羽根33a,33bからなる。普通電動役物33の非作動時には、可動羽根33a,33bの先端が互いに接近し、第1始動口32の入口が小さくなる。一方、普通電動役物33の作動時には、可動羽根33a,33bの先端が互いに離間し、第1始動口32の入口が大きく開放される。図43には、普通電動役物33の作動時の状態が示されている。
球振分装置301は、第1始動口32の上側に配置されている。
第2始動口41は、第1始動口31の右側に配置されている。
ゲート51は、センタユニット21の右側かつ球振分装置301よりも上側の位置に配置されている。
第1大入賞口61は、センタユニット21の右側かつ第1始動口32よりも下側の位置に配置されている。
第2大入賞口71は、第1大入賞口61の下側に配置されている。
一般入賞口81,82,83は、第1始動口31の左側に配置されている。
遊技盤251では、左打ちにより、遊技球が第1始動口31および一般入賞口81,82,83に入る可能性があり、右打ちにより、遊技球が第1始動口32、第2始動口41、第1大入賞口61および第2大入賞口71に入る可能性があるゲージ構成を採用している。
パチンコ機1Dにおける遊技では、遊技状態が低確状態であるときには、左打ちが好ましく、遊技状態が高確状態であるときには、右打ちが好ましい。また、大当り遊技では、右打ちが好ましい。
なお、パチンコ機1Dは、図3に示される電気的構成を有する。
<第5実施形態に係るパチンコ機の大当り遊技仕様>
図44は、パチンコ機1Dの大当り遊技仕様について説明するための図である。図45は、パチンコ機1Dにおける遊技の流れの一例を示す図である。
パチンコ機1Dでは、第1実施形態に係るパチンコ機1と同様な各処理が実行される。以下では、パチンコ機1Dの仕様およびパチンコ機1Dで実行される処理について、パチンコ機1と内容の異なる部分を取り上げて説明する。
パチンコ機1Dでは、遊技状態に高確・時短状態が存在しない。
パチンコ機1Dで使用される低確状態用の第1特図抽選テーブルでは、504個の大当り判定値が定められている。したがって、低確状態において、第1特図抽選で大当りが引き当てられる確率(大当り確率)は、約1/130.032である。高確状態用の第1特図抽選テーブルでは、3276個の大当り判定値が定められている。したがって、高確状態において、第1特図抽選で大当りが引き当てられる確率(大当り確率)は、約1/20.0049である。
また、低確状態用の第1特図抽選テーブルでは、504個の大当り判定値が定められている。したがって、低確状態において、第1特図抽選で大当りが引き当てられる確率(大当り確率)は、約1/130.032である。高確状態用の第2特図抽選テーブルでは、3276個の大当り判定値および62258個の小当り判定値が定められている。したがって、高確状態において、第2特図抽選で大当りが引き当てられる確率(大当り確率)は、約1/20.0049である。
パチンコ機1Dにおける大当り遊技は、第1大入賞口61が開放されてから所定の最大開放時間が経過するまでの期間または第1大入賞口61に入った遊技球のカウント数(入賞数)が4に達するまでの期間を1ラウンドとして、また、第2大入賞口71が開放されてから最大開放時間が経過するまでの期間または第2大入賞口71に入った遊技球のカウント数が4に達するまでの期間を1ラウンドとして、大当り種別に応じて設定されるラウンド数に達するまで継続する。
パチンコ機1Dでは、第1特図処理で実行される第1特図抽選の大当りとして、4種類の大当りが用意されている。具体的には、第1特図抽選の大当りの種別として、第1特図表示装置91に表示される大当り図柄が「図柄1」である大当り(図柄1の大当り)と、第1特図表示装置91に表示される大当り図柄が「図柄2」である大当り(図柄2の大当り)と、第1特図表示装置91に表示される大当り図柄が「図柄3」である大当り(図柄3の大当り)と、第1特図表示装置91に表示される大当り図柄が「図柄4」である大当り(図柄4の大当り)とが用意されている。
第1特図抽選では、大当りであるか外れであるかの判定と併せて、その結果が大当りである場合に、その大当たりの種別が決定される。すなわち、第1特図抽選テーブルで定められている大当り判定値は、図柄1の大当りに係る大当り判定値と、図柄2の大当りに係る大当り判定値と、図柄3の大当りに係る大当り判定値と、図柄4の大当りに係る大当り判定値とに分けられる。そして、第1特図抽選において、第1特図抽選に用いられる特図抽選乱数(第1特図保留記憶領域から作業用の記憶領域に退避された特図抽選乱数)が図柄1の大当りに係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄1の大当りに決定される。また、特図抽選乱数が図柄2に係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄2の大当りに決定され、特図抽選乱数が図柄3に係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄3の大当りに決定され、特図抽選乱数が図柄4に係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄4の大当りに決定される。図柄1の大当りに係る大当り判定値は、第1特図抽選テーブルで定められている大当り判定値の総個数の20%を占め、図柄2の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の65%を占め、図柄3の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の15%を占め、図柄4の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の5%を占めている。これにより、図柄1の大当り、図柄2の大当り、図柄3の大当りおよび図柄4の大当りの振分け確率は、それぞれ20%、60%、15%および5%である。
大当り種別が図柄1の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄1」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が2ラウンドに設定される。そして、第1ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第2ラウンドでは、第2大入賞口71がショート開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、60個(=15個×4カウント×1ラウンド+15個×0カウント×1ラウンド)となる。
第2ラウンドでは、第2大入賞口71の開閉と同期して、特定領域75が開閉される。したがって、図柄1の大当りに対する大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で低確状態となる。また、大当り種別が図柄1の大当りに決定された時点での遊技状態が非時短状態であった場合には、時短回数が20回に設定される。そのため、この場合、大当り遊技の終了後は、遊技状態が低確・時短状態となり、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が20回に達するまでの期間、低確・時短状態が継続する。一方、大当り種別が図柄1の大当りに決定された時点での遊技状態が、低確・時短状態であった場合には、時短回数が100回に設定される。そのため、この場合、大当り遊技の終了後の遊技状態は、低確・時短状態となり、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が100回に達するまでの期間、低確・時短状態が継続する。
大当り種別が図柄2の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄2」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が4ラウンドに設定される。そして、第1ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第2ラウンドでは、第2大入賞口71がショート開放され、第3および第4ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、180個(=15個×4カウント×3ラウンド+15個×0カウント×1ラウンド)となる。
第2ラウンドでは、第2大入賞口71の開閉と同期して、特定領域75が開閉される。したがって、図柄1の大当りに対する大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で低確状態となる。また、大当り種別が図柄2の大当りに決定された時点での遊技状態が非時短状態であった場合には、時短回数が20回に設定される。そのため、この場合、大当り遊技の終了後は、遊技状態が低確・時短状態となり、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が20回に達するまでの期間、低確・時短状態が継続する。一方、大当り種別が図柄2の大当りに決定された時点での遊技状態が、低確・時短状態であった場合には、時短回数が100回に設定される。そのため、この場合、大当り遊技の終了後の遊技状態は、低確・時短状態となり、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が100回に達するまでの期間、低確・時短状態が継続する。
大当り種別が図柄3の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄3」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が4ラウンドに設定される。そして、第1ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第2ラウンドでは、第2大入賞口71がロング開放され、第3および第4ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、240個(=15個×4カウント×4ラウンド)となる。
第2ラウンドでは、特定領域75が確変開閉パターンで開閉される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で高確状態となる。確変回数は、1000回に設定される。また、大当り種別が図柄3の大当りに決定された場合、その決定時の遊技状態にかかわらず、時短回数が0回に設定される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態が高確・非時短状態となる。
大当り種別が図柄4の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄4」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が12ラウンドに設定される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、720個(=15個×4カウント×12ラウンド)となる。そして、第1ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第2ラウンドでは、第2大入賞口71がロング開放され、第3〜第12ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放される。
第2ラウンドでは、特定領域75が確変開閉パターンで開閉される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態がほぼ100%の確率で高確状態となる。また、大当り種別が図柄4の大当りに決定された場合、その決定時の遊技状態にかかわらず、時短回数が0回に設定される。そのため、大当り遊技の終了後には、遊技状態が高確・非時短状態となる。
たとえば、図45に示されるように、低確状態で図柄3の大当りが引き当てられると、その図柄3の大当りに対する大当り遊技の終了後は、遊技状態が高確状態となる。なお、図柄3の大当りが引き当てられた場合、第1特図表示装置91に「図柄3」が表示されるとともに、遊技者に大当り種別が判りやすいように、たとえば、図柄「777」が演出表示装置22に表示される。
高確・非時短状態は、第2特図抽選での小当りが頻出する小当りラッシュ(RUSH)状態である。
すなわち、高確・非時短状態では、第2特図表示装置92における第2変動時間がショート変動時間に設定されるので、右打ちが行われて、第2始動口41に遊技球が高い頻度で入れば、第2特図抽選が高い頻度で実行される。そして、高確状態における第2特図抽選では、高確状態用の第2特図抽選テーブルが使用され、その高確状態用の第2特図抽選テーブルでは、62258個の小当り判定値が定められているので、第2特図抽選では、その抽選結果が62258/65536の高確率で小当りとなる。
また、高確状態における第2特図抽選での大当り確率は、約1/20.0049である。したがって、高確・非時短状態では、計算上、1〜19回目の第2特図抽選で小当りが引き当てられ、20回目の第2特図抽選で大当りが引き当てられるとした場合、次回の大当り遊技の開始までの獲得球数の平均は、570個(=30個×19回)となる。
第2特図抽選の大当りには、図44に示されるように、4種類の大当りが用意されている。具体的には、第2特図抽選の大当りの種別として、第2特図表示装置92に表示される大当り図柄が「図柄5」である大当り(図柄5の大当り)と、第2特図表示装置92に表示される大当り図柄が「図柄6」である大当り(図柄6の大当り)と、第2特図表示装置92に表示される大当り図柄が「図柄7」である大当り(図柄7の大当り)と、第2特図表示装置92に表示される大当り図柄が「図柄8」である大当り(図柄8の大当り)とが用意されている。
第2特図抽選では、大当りであるか外れであるかの判定と併せて、その結果が大当りである場合に、その大当たりの種別が決定される。すなわち、第2特図抽選テーブルで定められている大当り判定値は、図柄5の大当りに係る大当り判定値と、図柄6の大当りに係る大当り判定値と、図柄7の大当りに係る大当り判定値と、図柄8の大当りに係る大当り判定値とに分けられる。そして、第2特図抽選において、第2特図抽選に用いられる特図抽選乱数(第2特図保留記憶領域から作業用の記憶領域に退避された特図抽選乱数)が図柄5の大当りに係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄5の大当りに決定される。また、特図抽選乱数が図柄6の大当りに係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄6の大当りに決定され、特図抽選乱数が図柄7の大当りに係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄7の大当りに決定され特図抽選乱数が図柄8の大当りに係る大当り判定値のいずれかと一致した場合には、大当り種別が図柄8の大当りに決定される。図柄5の大当りに係る大当り判定値は、第2特図抽選テーブルで定められている大当り判定値の総個数の20%を占め、図柄6の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の60%を占め、図柄7の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の15%を占め、図柄8の大当りに係る大当り判定値は、その総個数の5%を占めている。これにより、図柄5の大当り、図柄6の大当り、図柄7の大当りおよび図柄8の大当りの振分け確率は、それぞれ20%、60%、15%および5%である。
大当り種別が図柄5の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄5」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が2ラウンドに設定される。そして、第1ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第2ラウンドでは、第2大入賞口71がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、120個(=15個×4カウント×2ラウンド)となる。
第2ラウンドでは、特定領域75が確変開閉パターンで開閉される。また、大当り種別にかかわらず、時短回数が0回に設定される。そのため、ほぼ100%の確率で、大当り遊技の終了後の遊技状態は、大当り遊技の開始前と同じ高確・非時短状態に維持される。
大当り種別が図柄6の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄6」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が4ラウンドに設定される。そして、第1ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第2ラウンドでは、第2大入賞口71がロング開放され、第3および第4ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、240個(=15個×4カウント×4ラウンド)となる。
第2ラウンドでは、特定領域75が確変開閉パターンで開閉される。また、大当り種別にかかわらず、時短回数が0回に設定される。そのため、ほぼ100%の確率で、大当り遊技の終了後の遊技状態は、大当り遊技の開始前と同じ高確・非時短状態に維持される。
大当り種別が図柄7の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄7」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が4ラウンドに設定される。そして、第1ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第2ラウンドでは、第2大入賞口71がロング開放され、第3および第4ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、240個(=15個×4カウント×4ラウンド)となる。
第2ラウンドでは、特定領域75が確変開閉パターンで開閉される。また、大当り種別にかかわらず、時短回数が0回に設定される。そのため、ほぼ100%の確率で、大当り遊技の終了後の遊技状態は、大当り遊技の開始前と同じ高確・非時短状態に維持される。
大当り種別が図柄8の大当りに決定され、第1特図表示装置91に「図柄8」が表示される場合、大当り遊技のラウンド数が12ラウンドに設定される。そして、第1ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放され、第2ラウンドでは、第2大入賞口71がロング開放され、第3〜第12ラウンドでは、第1大入賞口61がロング開放される。そのため、大当り遊技での獲得球数は、720個(=15個×4カウント×12ラウンド)となる。
第2ラウンドでは、特定領域75が確変開閉パターンで開閉される。また、大当り種別にかかわらず、時短回数が0回に設定される。そのため、大当り遊技の終了後の遊技状態は、ほぼ100%の確率で、大当り遊技の開始前と同じ高確・非時短状態に維持される。
このように、第2特図抽選で大当りが引き当てられた場合、その大当り種別にかかわらず、大当り遊技の終了後は、遊技状態が高確・非時短状態となる。したがって、第2特図抽選の確変割合は、100%であり、第2特図抽選の大当りが引き当て続けられている間は、小当りラッシュ状態(高確・非時短状態)が継続する。
また、右打ちされた遊技球の一部が第2始動口41に入る一方、球振分装置301が設けられているので、右打ちされた遊技球の3.125%が第1始動口32に入る。そのため、小当りラッシュ状態では、図45に示されるように、第2特図抽選による大当りに限らず、第1特図抽選による大当りが発生する。第1特図抽選による大当りが図柄3の大当りまたは図柄4の大当りであれば、大当り遊技後の遊技状態が高確状態に維持され、小当りラッシュ状態が継続する。しかし、第1特図抽選により図柄1の大当りまたは図柄2の大当りが引き当てられると、大当り遊技後の遊技状態が低確状態となり、小当りラッシュ状態が終了する。
また、高確・非時短状態において、第1特図抽選および第2特図抽選の実行回数の合計が1000回に達するまでに、第1特図抽選および第2特図抽選で大当りが引き当てられなかった場合、小当りラッシュ状態が終了し、低確・非時短状態になる。
以上のように、パチンコ機1Dにおいても、パチンコ機1などと同様に、高確・非時短状態において遊技者が多数の賞球を獲得可能な遊技性を発揮することができる。
<機械的構成による第2特図保留>
図46は、第2特図保留を機械的に実現するための構成を図解的に示す図である。
前述の実施形態では、第2始動口41に遊技球が入り、第2始動入賞が発生すると、特図抽選乱数が4個を上限に主制御部101のRAM113の第2特図保留記憶領域に記憶されるとした。この電気的な第2特図保留に代えて、図46に示される第2始動入賞待機装置401が採用されることにより、第2特図保留が機械的に実現されてもよい。
第2始動入賞待機装置401は、第2始動口41の上側で上下に延び、最大4個の遊技球を内部に収容可能な筒状体402と、筒状体402と第2始動口41との間に配置され、盤面に直交する方向に延びる軸線を中心に回転可能に設けられた回転体403とを備えている。
回転体403は、その回転軸線を中心とする扁平な円柱状に形成されている。回転体403には、1または複数の球受入部404がその周面から中心側に凹む凹部として形成されている。球受入部404には、1個の遊技球を受け入れて、その遊技球を保持することができる。回転体403は、回転に伴い、球受入部404が筒状体402の下端開口に対向し、また、球受入部404が第2始動口41に対向するように配置されている。
回転体403の周面が筒状体402の下端開口に対向している状態で、筒状体402の上端開口から筒状体402内に遊技球が入ると、その遊技球は、回転体403の周面に当接して、筒状体402の下端部に保持される。その状態で、遊技球が筒状体402内に新たに入ると、その新たに入った遊技球は、筒状体402内の遊技球に当接し、筒状体402内に保持される。このようにして、筒状体402には、最大4個の遊技球が保持される(図46(a))。
回転体403の回転に伴い、球受入部404が筒状体402の下端開口に対向すると、筒状体402内の最下位置の遊技球が球受入部404に受け入れられる(図46(b))。
球受入部404に受け入れられた後、回転体403が回転すると、筒状体402内の最下位置の遊技球が回転体403の周面に当接する(図46(c))。
その後、回転体403がさらに回転し、遊技球を保持している球受入部404が第2始動口41に対向すると、球受入部404から遊技球が落下し(図46(d))、その遊技球が第2始動口41に入り、第2始動入賞が発生する。
回転体403の回転速度は、主制御部101のCPU111(図3参照)により、第2始動入賞の発生の周期がショート変動時間と小当り遊技に要する時間とを加算した時間よりも長くなるように制御される。これにより、第2特図表示装置92における第2特図変動の継続時間、つまり第2変動時間がロング変動時間に設定されている遊技状態において、筒状体402に複数個の遊技球を保持させることができ、第2変動時間がショート変動時間に設定される遊技状態に移行した際に、第2始動入賞をテンポよく発生させることができる。
図47は、第2特図保留を機械的に実現するための他の構成を図解的に示す図である。
図47に示される第2始動入賞待機装置411が採用されても、機械的な第2特図保留を実現することができる。
第2始動入賞待機装置411は、第2始動口41の上側で上下に延び、最大4個の遊技球を内部に収容可能な筒状体412と、筒状体412の下端に設けられ、筒状体412内に進出/退避可能に設けられた第1シャッタ413と、第1シャッタ413に対して上方に遊技球の直径よりも少し大きな間隔を空けて配置され、筒状体412内に進出/退避可能に設けられた第2シャッタ414とを備えている。筒状体412の下端開口は、第2始動口41の直上に位置している。
第2シャッタ414が筒状体412内に進出した状態で、筒状体412の上端開口から筒状体412内に遊技球が入ると、その遊技球は、第2シャッタ414に当接して、筒状体402内に保持される。その状態で、遊技球が筒状体402内に新たに入ると、その新たに入った遊技球は、筒状体402内の遊技球に当接し、筒状体402内に保持される。このようにして、筒状体402には、最大4個の遊技球が保持される(図47(a))。
第1シャッタ413および第2シャッタ414は、主制御部101のCPU111の制御により、それぞれ一定の周期で進出/退避を繰り返す。
具体的には、第1シャッタ413が筒状体412内から退避し、第2シャッタ414が筒状体412内に進出した状態から、第1シャッタ413が筒状体412内に進出する(図47(b))。
第1シャッタ413の進出から一定時間が経過すると、第2シャッタ414が筒状体412内から退避する。これにより、第2シャッタ414上に支持されていた遊技球が落下し、その遊技球が第1シャッタ413に当接して支持される(図47(c))。
第2シャッタ414の退避から一定時間が経過すると、第2シャッタ414が筒状体412内に進出する。これにより、第1シャッタ413と第2シャッタ414との間には、1個の遊技球が収容され、その遊技球の上方の遊技球が第2シャッタ414に支持される(図47(d))。
第2シャッタ414の進出から一定時間が経過すると、第1シャッタ413が筒状体412内から退避する。これにより、第1シャッタ413に支持されていた遊技球が落下し(図47(e))、その遊技球が第2始動口41に入り、第2始動入賞が発生する。
第1シャッタ413および第2シャッタ414がそれぞれ進出/退避する周期は、第2始動入賞の発生の周期がショート変動時間と小当り遊技に要する時間とを加算した時間よりも長くなるように設定される。これにより、第2特図表示装置92における第2特図変動の継続時間、つまり第2変動時間がロング変動時間に設定されている遊技状態において、筒状体402に複数個の遊技球を保持させることができ、第2変動時間がショート変動時間に設定される遊技状態に移行した際に、第2始動入賞をテンポよく発生させることができる。
第2変動時間がロング変動時間に設定されている遊技状態では、最大4個の第2特図保留のすべてが消化されるまでにかなりの時間を要するため、遊技者がその消化を待ちきれずに遊技を終了して、パチンコ機1,1A〜1Dから離れることがあり得る。一方、電気的な第2特図保留では、第2始動入賞が発生した時点において、特図抽選乱数が取得され、内部的には、その特図抽選乱数が大当り判定値と一致するか否かが判明している。この内部構成を把握している遊技者が第2特図保留の全消化を待ちきれずにパチンコ機1,1A〜1Dから離れ、他人がそのパチンコ機1,1A〜1Dで遊技を開始した後、第2特図保留の消化中に大当りが報知された場合、遊技者は、大当りを逃したことによる悔しい思いをする。
第2始動入賞待機装置401または第2始動入賞待機装置411が採用された場合、第2始動入賞待機装置401,411に遊技球が保持されていても、その時点で内部的にも大当りが確定していないので、遊技者がパチンコ機1,1A〜1Dから離れ、他人がそのパチンコ機1,1A〜1Dで遊技を開始した後に、たとえ第2始動入賞待機装置401,411に保持されている遊技球が第2始動口41に入り、その第2始動入賞に対する第2特図抽選で大当りが発生しても、大当りを逃したことにならないので、遊技者がさほど悔しく思わない。よって、第2始動入賞待機装置401または第2始動入賞待機装置411を採用することにより、第2変動時間がロング変動時間に設定される遊技状態における興趣が損なわれることを抑制できる。
また、第2変動時間がロング変動時間に設定されている遊技状態で、第2始動入賞待機装置401,411に複数の遊技球が保持されても、それらの遊技球の全てが始動口へ落下(入賞)するのに要する時間Aとロング変動時間との長短の関係(A<<B)から、第2特図変動中に全ての第2始動入賞が発生することとなり、第2始動入賞が第2特図抽選の対象にならない可能性が高い。また、仮にタイミング良く第2特図変動中以外に第2始動入賞が発生したとしても、第2特図抽選の対象は、その第2始動入賞に限られる。
よって、遊技者が席を離れた後で大当りが起こるという事象そのものの発生頻度を大幅に抑制する事が可能となる。
また、第2変動時間がロング変動時間に設定される遊技状態では、遊技者が休憩のためにパチンコ機1,1A〜1Dから離れている間に、第2特図保留が消化されて、大当り遊技が開始されるおそれがある。これを防止するため、第2特図表示装置92に大当り図柄が停止された後、遊技球が第1大入賞口61および第2大入賞口71以外の特定の入賞口に入賞し、または特定のゲート(第1大入賞口61内に設けられているゲート(第1大入賞口センサ125)および第2大入賞口71内に設けられているゲート(第2大入賞口センサ126)を除く。)若しくは第1大入賞口61および第2大入賞口71以外の特定の入賞口内の特定の領域を通過したときに、大当り遊技が開始される構成が採用されてもよい。
たとえば、前記特定のゲートに相当する役連ゲートを遊技盤面に搭載する事で、遊技者が席から離れている間に勝手に大当り遊技が開始され利益を損失するという事態を回避する事が可能になる。
なお、当該役連ゲートは、普通図柄を作動させるゲートとは別に搭載してもよいし、普通図柄を作動させるゲートと共用してもよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は、前述の実施形態に限定されない。本発明は、他の形態で実施することもでき、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。