JP2021023584A - 遊技機 - Google Patents

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祐一郎 関谷
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Abstract

【課題】遊技状態の変化に関し趣向性の高い遊技機を提供する。【解決手段】第1大当りにおける第1ボーナスの特別遊技が行われた場合は、特別遊技の終了後に第1特定遊技が開始され、その後第1特定遊技の実行中に特別遊技が行われることなく、電サポが20〜60回の条件を満たした場合に、第2特定遊技が開始され得るように構成され、特図1の遊技に係る第1乱数値と、特図2の遊技に係る第2乱数値では、特別遊技の終了後において第1特定遊技が行われることとなる特別遊技の実行確率を、特図1に係る第1乱数値に関しては第1大当りで第1ボーナスとなり得る40%、第2乱数値に関しては第4大当りで第1ボーナスとなり得る100%とした。【選択図】図27

Description

本発明は、遊技媒体として遊技球を用いるぱちんこ遊技機等の遊技機に関するものである。
一般に、ぱちんこ遊技機等の遊技機には、遊技領域中の始動口に遊技球が入球したことに基づいて所定確率の大当り抽選がなされ、当該大当り抽選に当選した場合には大当り遊技状態に移行し、遊技者が多量の賞球を獲得できるようにしたタイプのものがある。更に、この種のぱちんこ遊技機においては、特定の場合に遊技状態を確率変動や時短等とする機能を備え、これらの遊技状態(特定遊技状態)を有効に活用して遊技の趣向性(興趣性)を高めることが行われている。
特開2017−093531号公報
ところで、上述のような近年の遊技機において、各種の特定遊技状態への移行条件や、特定遊技状態の内容、及び、特定遊技状態にまつわる演出をどのようなものとするかは、遊技の趣向性を向上するうえで重要な事項となっている。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遊技状態の変化に関し趣向性の高い遊技機を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、遊技球を所定の発射強度で発射した場合に入球可能な領域に配置された第1始動口(第1−2始動入賞口など)と、
前記所定の発射強度で発射した場合に入球可能な位置に配置された第2始動口(第2始動入賞口など)と、
前記所定の発射強度で発射した場合に入球可能な位置に配置された大入賞口と、
前記第1始動口または前記第2始動口のいずれか一方の入賞口に配置され、入球容易性を変化させる普通電動役物と、を有し、
前記第1始動口に遊技球が入球した場合に取得される第1乱数値(第1抽選に係る当否抽選値や図柄抽選など)と、
前記第2始動口に遊技球が入球した場合に取得される第2乱数値(第2抽選に係る当否抽選値や図柄抽選など)と、があり、
第1乱数値が取得され、所定の変動開始条件(先に行われている図柄変動が終了していることなど)を満たした場合に前記第1乱数値に基づいて前記大入賞口を開放させる特別遊技を実行させるか否かの結果を示す変動表示を行う第1特別図柄表示装置(主制御表示装置の特図1に係る表示に用いられるLED表示灯など)と、
第2乱数値が取得され、所定の変動開始条件(先に行われている図柄変動が終了していることなど)を満たした場合に前記第2乱数値に基づいて前記大入賞口を開放させる特別遊技を実行させるか否かの結果を示す変動表示を行う第2特別図柄表示装置(主制御表示装置の特図2に係る表示に用いられるLED表示灯など)と、を更に有し、
前記特別遊技は、特別遊技後に行われる特定遊技の種類(時短、電サポ、特図高確率など)によつて、複数の種類の特別遊技(特別遊技後に特図1に係る時短無しや時短有りとなる特別遊技、或いは、特図2に係る時短無しや時短有りとなる特別遊技など)が存在しており、
前記特定遊技は、前記第1乱数値または前記第2乱数値に基づいて前記特別遊技が行われることとなる確率が変化する高確率遊技状態(特図高確率の状態など)と、前記普通電動役物が入球容易な状態となる頻度が高まる入球容易状態(普図高確率の状態など)との組み合わせによつて構成され、
前記特定遊技には、前記高確率遊技状態と前記入球容易状態との双方が行われている第1特定遊技と、前記高確率遊技状態が行われる一方で前記入球容易状態が行われていない状態である第2特定遊技とを少なくとも有しており、
所定の種類の特別遊技(第1大当りにおける第1ボーナスの特別遊技など)が行われた場合は、前記所定の種類の特別遊技の終了後に第1特定遊技が開始され、その後第1特定遊技の実行中に前記特別遊技が行われることなく、前記第1特定遊技の所定の終了条件(電サポ20〜60回など)を満たした場合に、前記第2特定遊技が開始され得るように構成され、
前記第1乱数値と、前記第2乱数値では、特別遊技の終了後において前記第1特定遊技が行われることとなる特別遊技の実行確率が異なり(第1乱数値に関しては第1大当りで第1ボーナスとなり得る40%、第2乱数値に関しては第4大当りで第1ボーナスとなり得る100%など)、
前記第1特定遊技の所定の終了条件は、前記所定の種類の特別遊技を実行する契機となった第1乱数値または第2乱数値に対応して複数種類の条件(電サポ20〜60回など)の内より1の終了条件が定められることを特徴とする遊技機である。
本発明によれば、遊技状態の変化に関し趣向性の高い遊技機を提供できる。
本発明の一実施例のぱちんこ遊技機の正面図である。 ぱちんこ遊技機の背面図である。 ぱちんこ遊技機の機能を示すブロック図である。 ぱちんこ遊技機の主要な基板構成を示すブロック図である。 (a)はメイン基板を収容した状態の基板ケースを示す正面図、(b)は(a)中のA−A線に沿った部分を概略的に示す部分断面図である。 メイン基板、サブメイン基板、及び、サブサブ基板の基本的な機能手段を示すブロック図である。 主制御表示装置のメイン図柄表示基板を示す説明図である。 (a)は演出表示装置における演出図柄の変動中の表示例を示す説明図、(b)は同じく演出図柄の停止中の表示例を示す説明図である。 (a)は当否判定テーブルを示す図表、(b)ははずれ用の変動パターンテーブルを示す図表である。 (a)は第1抽選用の大当り図柄判定テーブルを示す図表、(b)は第2抽選用の大当り図柄判定テーブルを示す図表である。 ははずれ時に用いられる変動パターンテーブルを示す図表、(b)は4R大当り時に用いられる変動パターンテーブルを示す図表である。 は設定値ごとの当り値と出玉率を示す図表である。 (a)は先読み判定テーブルを示す図表、(b)は先読みコード対応表を示す図表である。 メイン基板における電源投入時処理を示すフローチャートである。 初期設定処理を示すフローチャートである。 設定値変更処理を示すフローチャートである。 メイン基板における遊技進行割込み処理を示すフローチャートである。 メイン基板における抽選判定処理を示すフローチャートである。 メイン基板における電源断処理を示すフローチャートである。 (a)は操作ボタンや十字キー及びこれらの周辺を前方上方から見た状態を示す斜視図、(b)は右側ユニットの構成を概略的に示す説明図である。 (a)は操作ボタンを突出させる前のレバー装置を示す斜視図、(b)はレバーを起立させて操作ボタンを突出させたレバー装置を示す斜視図、(c)はレバーを傾倒させたレバー装置を示す斜視図である。 サブメイン基板におけるサブメイン初期設定処理を示すフローチャートである。 サブメイン基板におけるメイン処理を示すフローチャートである。 サブメイン基板におけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 (a)は大当り開始デモ画面の一例を示す説明図、(b)はラウンド中画面の一例を示す説明図、(c)は当り中特定演出画面の一例を示す説明図である。 (a)は図25(c)とは異なる当り中特定演出画面の一例を示す説明図、(b)はラウンド間演出画面の一例を示す説明図、(c)は(a)とは異なる当り中特定演出画面の一例を示す説明図である。 標準(主体)となる遊技の流れ(ゲームフロー)を概略的に示す説明図である。 特別図柄の種類と確変作動領域通過時における特定遊技の内容との関係を示す図表である。 特別図柄の種類と確変作動領域未通過時における特定遊技の内容との関係を示す図表である。 (a)は保留数表示を行わない変動中の演出例を示す説明図、(b)は疑似入賞カウンタの演出例や疑似ラウンド表示の演出例を示す説明図である。 (a)は第1チャレンジ演出の一例を示す説明図、(b)は第2チャレンジ演出の一例を示す説明図である。 第1チャレンジ移行演出〜第3チャレンジ移行演出とその前後の遷移状態を示す説明図である。 (a)は探索中演出の一例を示す説明図、(b)は(a)に続く探索中演出の一例を示す説明図、(c)は距離告知演出の一例を示す説明図である。 (a)〜(e)は特殊ボタン演出に係る第2演出ルートの演出例を順に示す説明図である。 (a)、(b)は特殊な文字表示演出に係る文字反転演出の一例を順に示す説明図である。 (a)は文字要素振動演出の一例を示す説明図、(b)は文字エフェクト演出に係る画像データの合成を示す説明図である。
以下、本発明に係るぱちんこ遊技機の実施例について説明する。なお、ここでは先ず、本実施例のぱちんこ遊技機の基本構成について説明し、その後に、本実施例のぱちんこ遊技機における遊技手順、演出、及び、制御態様などについて説明する。
<ぱちんこ遊技機の基本構成>
図1は、本実施例に係るぱちんこ遊技機10の前面構成を示している。ぱちんこ遊技機10においては、後述する遊技機枠11に遊技盤50が装着されている。これらのうち、遊技盤50は、ぱちんこ遊技機10の機種に応じて付属機器や意匠等といった構成要素を異ならせているものである。更に、遊技盤50は、遊技機枠11との電気的な接続関係や、構造的な接続関係を解除することにより、遊技機枠11から分離できるようになっている。
また、複数機種の遊技盤50について、遊技機枠11との構造的及び電気的な接続関係を共通化することにより、異機種間で遊技機枠11を共用する所謂機種変更が可能となっている。なお、以下では先ず、遊技機枠11について説明し、その後に遊技盤50の盤面構成について説明する。
上述の遊技機枠11は、外枠12、前枠(「内枠」や「本体枠」などともいう)13、及び、下部前板(「幕板」などともいう)14を有している。更に、前枠13には、ガラス扉15、及び、皿ユニット16が装着されている。これらのうち外枠12は、ぱちんこ遊技機10を、遊技場(遊技店舗)内の島設備における所定位置に固定するために用いられる矩形の枠体であり、図1中に示すように、ガラス扉15や皿ユニット16を有する前枠13と、上述の下部前板14とにより、前面側が閉じられる開口部分を有している。
また、外枠12を島設備に設置するための工法として、釘打ちが行われるのが一般的である。そして、外枠12の、少なくとも、島設備への固定のための部位の材質として、木材が用いられている。なお、木材に代えて、例えば釘打ちが可能なプラスチック材を採用することが可能である。また、外枠12を島設備に設置するための工法として、釘打ち以外の工法を採用することも可能である。
前枠13は、外枠12の開口部分に整合する外形を備えた構造であり、図1中の左側に示すヒンジ機構15A、15Bを介して、外枠12に装着されている。そして、前枠13は、外枠12に対する閉鎖状態から、図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、前方へ揺動することで開放状態となる。更に、前枠13は、開放状態から後方へ揺動し、外枠12内に入り込んで係止することにより、再び閉鎖状態となる。そして、前枠13は、閉鎖時に、外枠12の上短部から、上述の下部前板14までの間の部位を塞ぐようになっている。
前枠13の外枠12への係止と、外枠12からの解放は、錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、図1中に示すように、前枠13の自由端側の下方の部位には、錠装置のシリンダ部17が配置されており、このシリンダ部17は、前枠13の下部を覆った前述の皿ユニット16を通して、鍵穴をぱちんこ遊技機10の前方へ向けている。そして、遊技場店員が、鍵をシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば反時計回りに回すと、前枠13の自由端側が錠装置から解放され、前枠13が開放状態となる。
このような前枠13に対して、前述の下部前板14は、前枠13のような開閉のための構成は備えておらず、外枠12に、動くことないよう固定されている。そして、下部前板14は、外枠12の前面の下端部を常に塞いでいる。
前枠13の前部に配置されたガラス扉15と、皿ユニット16とは、ヒンジ機構(図示略)を介して、前枠13に装着されている。更に、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、いずれも、図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、各々独立に揺動可能である。そして、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、例えば遊技場店員が、前方に水平に揺動させることで開放状態となり、開放状態から後方へ水平に揺動させ、前枠13に係止させることにより閉鎖状態となる。
ガラス扉15の前枠13への係止と、前枠13からの解放は、前述の錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、遊技場店員が、鍵を前述のシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば前枠13の開放時とは逆の時計回りに回すと、ガラス扉15の自由端側が錠装置から解放され、ガラス扉15が開放状態となる。そして、開放状態にあるガラス扉15を、前枠13に重なるように押し戻し、ガラス扉15が前枠13と平行になるように押し込むことで、錠装置が作動して、ガラス扉15が再び前枠13に係止する。
また、ガラス扉15を開放することで、皿ユニット16の係止機構(図示略)が現れて操作可能となり、この係止機構の操作部(図示略)を遊技場店員が、例えば下方向に押し込み操作することで、皿ユニット16が開放状態となる。更に、開放状態にある皿ユニット16を、前枠13に重なるように押し戻し、皿ユニット16が前枠13と平行になるように押し込むことで、係止機構が作動して、皿ユニット16が再び前枠13に係止する。
更に、ガラス扉15は、例えば平行な2枚の透明板を脱着可能に保持しており、閉鎖状態にある場合に、これらの透明板を通して、ぱちんこ遊技機10の前方から遊技盤50を視認できるようにしている。透明板としては、ガラス板のほか、透明な樹脂板なども利用することができる。また、ガラス扉15を開放することで、遊技盤保持機構(図示略)により前枠13に保持された遊技盤50の前面が露出するようになっている。更に、図示は省略するが、前枠13は、遊技媒体である遊技球を誘導や回収するための遊技球通路等を有している。
皿ユニット16は、その前面に、上球皿18、下球皿19、及び、発射ハンドル20等を有している。これらのうち、上球皿18には、遊技球の貯留、発射ハンドル20を介して操作される発射装置43(図2及び図4参照)への遊技球の供給、下球皿19への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。また、下球皿19には、遊技球の貯留、上球皿18から送られてきた遊技球の受入れ、ぱちんこ遊技機10の外部に置かれた玉箱(所謂ドル箱)への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。なお、玉箱が、島設備に一体的に備えられている場合もある。
また、本実施例においては、ガラス扉15の上隅部や、下部前板14などといった部位に、各種のスピーカ21が設けられており、これらのスピーカ21を通して、遊技状態や演出パターンなどに応じたBGMや各種効果音などが出力されるようになっている。
更に、上球皿18の、遊技者に向かう部分には、遊技者により操作が可能な操作ボタン22が設けられている。この操作ボタン22は、上球皿18の上部の外壁面に設けられており、上球皿18の左右方向の中央近傍に位置している。更に、操作ボタン22は、内部に操作ボタン用発光体(図示略)を備えており、実行される演出パターンに応じて光出力を行うようになっている。
なお、操作ボタン22を、例えばモータ等の駆動源を用いて、所定の場合に上方に突出するようにしてもよい。本実施例における操作ボタン22は、詳細は図示しないが昇降モータの駆動により操作ボタン22の先端が上方へ突出する態様に変位し、傾倒による入力を実施可能な操作レバー入力部を形成することが可能であり、操作レバーの駆動系に振動を発生するための半月状の偏心カムを有している。
また、図20(a)に示すように、操作ボタン22のほかに十字キー96が備えられており、この十字キー96を用いて遊技者による各種の環境設定が可能となっている。そして、環境設定の内容としては、スピーカ21の音量調節(音量調整)、演出表示の輝度調節(輝度調整)や光量調節(光量調整)、或いは、演出モードの変更などを例示できる。更に、環境設定の内容として、遊技者が操作ボタン22を操作しなくても操作したのと同様な演出が進行するようにしておく演出用自動ボタン操作(単に「自動ボタン操作」と称する場合もある)の設定なども例示できる。また、遊技機枠11の、例えば前枠13等に、遊技に係る演出や、上述の環境設定に係る表示を行うことが可能な表示器を設けることが可能である。
更に、十字キー以外にも、例えば、レバー状の操作手段や、各種方式のタッチパネル等を用いることが可能である。また、図20(a)中に符号97で示すのは玉貸ボタンであり、符号98で示すのは返却ボタンである。更に、図20(a)中に符号99で示すのは上球皿18用の球抜ボタンである。
<ぱちんこ遊技機の背面構成>
次に、ぱちんこ遊技機10の背面側における基本的な構成を説明する。図2に示すように前枠13の背面には、遊技球を誘導又は回収するための遊技球通路等を備え、賞球路形成機構となるセット基盤(「裏セット盤」などともいう)31が取着されており、このセット基盤31の下方に、遊技機全体に電源を供給するための電源ユニット32、遊技機枠側の制御を行う払出制御(「賞球制御」などともいう)基板103が、それぞれ専用の透明ケースに収められた状態で取り付けられている。また、遊技盤50の背面側においては、遊技全体を統括制御するメイン基板(主制御基板)102や、メイン基板102からの制御コマンドに基づいて演出制御を実行するサブ基板104が、それぞれ専用の透明ケースに収められ、セット基盤31の開口に対応する位置関係で設けられている。更に、セット基盤31には、発射装置43や、発射装置43を制御する発射制御基板105も備えている。
セット基盤31においては、上述の開口の上部に賞球タンク33が設けられている。この賞球タンク33は、島設備から供給されて賞球となる遊技球を貯留する。更に、賞球タンク33の下方には、賞球通路34、払出ユニット35、賞球排出通路36が設けられている。そして、これらの賞球通路34、払出ユニット35、賞球排出通路36は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、遊技盤50の上方から右側部に沿って配置されている。
上述の賞球通路34は、賞球タンク33に貯留された遊技球を下流側へ整流案内するものである。また、上述の払出ユニット35は、賞球通路34と連絡し賞球タンク33内に貯留された球を1球単位で下方に排出可能である。更に、賞球排出通路36は、払出ユニット35から流下された遊技球を賞球として球皿(上球皿18又は下球皿19)に案内する。
前述の電源ユニット32は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の左下の部位に設けられている。そして、電源ユニット32は、遊技機外部から供給される交流電源を、遊技機中において使用する各種の電圧に変換して、払出制御基板103、メイン基板102、サブ基板104等へ供給する。また、電源ユニット32を作動させるための電源スイッチ40は、図中右下の部位に隠れ線(破線)で示すように、他の機器の背後に配置されている。この電源スイッチ40は、落下した遊技球が直撃してもオフにならないように、電源スイッチ40の中央より下が押されて下側に傾倒したときにオンとなるよう設置されている。
前述の払出制御基板103は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の右下の部位に配置されている。そして、払出制御基板103は、メイン基板102からの払出に係る指令や外部からの貸出要求に応じて払出ユニット35を制御する払出制御機能を有している。また、前述の発射制御基板105は、発射ハンドル20(図1参照)の操作量に応じた強度で遊技球(打球)を遊技領域に発射するよう、発射装置43を制御する発射制御機能を備えている。
前述のメイン基板102は、遊技盤50の背面側における中央下部に配置されており、主に、各種の抽選機能や設定変更機能、払出制御基板103及びサブ基板104に対する制御機能などのように、ぱちんこ遊技機10における中心的な処理機能を備えている。前述のサブ基板104は、遊技盤50の背面側における中央上部に配置されており、主に、後述する各種の演出を制御するための機能を備えている。
サブ基板104については、演出制御の主体的な機能を担う主サブ基板(本実施例ではサブメイン基板301)と、画像作成などの特定の演出機能に特化した副サブ基板(本実施例ではサブサブ基板302)とに分かれているが、「サブ基板」の用語はこれらを包含したものである。また、セット基盤31の背面側における右下部には、メイン基板102や払出制御基板103等からの信号をぱちんこ遊技機10の外部の機器へ中継する外部中継端子基板(「枠中継端子板」などともいう)46が設けられている。
前述のメイン基板102における設定変更の機能は、理論上の当り易さ(遊技者の有利度合い)を規定する設定値を変更できる機能である。本実施例では、設定値として、整数値である「1」〜「6」の6種類が設けられており、これらの設定値毎に、理論上の大当りや小当りに係る確率値、及び、出玉率が異なるようになっている。このような設定値の変更や、設定値毎の大当り確率等については後述する。
<遊技盤の盤面構成>
次に、前述の遊技盤50や、遊技盤50の盤面に配置された部品(盤面部品)について説明する。本実施例においては、遊技盤50は、透明な樹脂材質(例えば透明アクリル樹脂など)や木材(ベニヤ板)からなる複数の部品により構成されている。また、遊技盤50は、板状に形成されており、遊技球を遊技盤50の裏側に導く遊技球通路や、所定の空間などを有している。そして、遊技盤50は、各種の盤面部品が装着された板面を前方に向けた状態で、遊技機枠11の前枠13に装着されており、閉鎖状態にあるガラス扉15等により、その前方を覆われるようになっている。更に、遊技盤50の前面側においては、湾曲した帯状に成形された内レールや外レールを組み合せて遊技領域52が区画形成されている。
図1中に示すように、遊技領域52には、第1−1始動入賞口62A、右側ユニット92、複数の一般入賞口72、及び、遊技領域52の最下部に配置され図1中では操作ボタン22の背後に隠れているアウト口(58)等が備えられている。更に、遊技領域52には、演出のための表示を行うことが可能な液晶表示装置からなる演出表示装置60や、この演出表示装置60の周辺を装飾するセンター飾り64等が備えられている。
上述の右側ユニット92には、図1や図20(b)に示すように、作動口68、第1−2始動入賞口62B、大入賞口90、及び、第2始動入賞口63等が備えられている。そして、右側ユニット92においては、遊技状態に応じた開閉制御が行われるが、これらの機器の構成や動作については後述する。
また、遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や、風車などの機構が備えられている。なお、風車を設けないようにすることも可能である。更に、遊技盤50の、遊技領域52の左下の外部には、主制御表示装置53が設けられている。なお、この主制御表示装置53の具体的な構成や機能については後述する。また、遊技盤50の上述のような盤面構成は、例えば、ぱちんこ遊技機10に採用されたゲーム性等に応じて種々に異なり得るものである。
<盤面部品の機能>
続いて、上述した個々の盤面部品に係る具体的な機能や構成について説明する。先ず、前述の第1−1始動入賞口62Aは、第1遊技に係る始動入賞口であり、遊技球の入口を常時開き、且つ、遊技球の入口の大きさを変化させないタイプのものである。更に、第1−1始動入賞口62Aは、第1−1始動入賞口62Aへの遊技球の入球を検出する第1−1始動入賞検出装置74A(センサ)を有しており、このセンサの出力信号は、前述のメイン基板102に入力されている。
前述の一般入賞口72は、図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73(センサ)を備えている。一般入賞検出装置73の出力信号はメイン基板102に入力されている。
そして、一般入賞検出装置73を複数の一般入賞口72で共用する場合には、複数の一般入賞口72入球した遊技球を、一般入賞検出装置73が配置された箇所に集合させて、検出することが可能である。また、複数の一般入賞口72について、位置関係毎に、または賞球個数毎にグループ化(一般入賞検出装置73の共用)することも可能である。
前述の右側ユニット92は、大部分が、透明な合成樹脂製の部品を組み合わせて形成されており、その内部を遊技者が視認できるようになっている。右側ユニット92の上部には、作動口68が配置されている。作動口68は、図3中に示すように、通過検出装置69を備えており、この通過検出装置69は、作動口68における遊技球の通過を検出するセンサを有している。そして、通過検出装置69におけるセンサの出力信号は、メイン基板102に入力されており、通過検出装置69は、入球の有無に応じて、センサの出力信号を変化させる。
右側ユニット92に備えられた第1−2始動入賞口62Bは、前述の第1−1始動入賞口62Aと同様に第1遊技に係る始動入賞口である。第1−1始動入賞口62Aは、上方の作動口68との間に、遊技球を減速させるために湾曲、傾斜した部分を有する第1樋部93Aを介在させている。そして、作動口68を通った遊技球が、第1−2始動入賞口62Bが配置された部位に導かれる。
第1−2始動入賞口62Bは、遊技球の経路上において横長の長方形状に、且つ、上向きに開口しており、この開口を開閉するための開閉扉91(図1に破線にて示す)を備えている。つまり、第1−2始動入賞口62Bは、開閉式のものであり、遊技球の入口(開口)の大きさを変化させるタイプのものである。そして、第1−2始動入賞口62Bは、普通電動役物として機能するようになっている。
開閉扉91は、遊技盤50の前後方向(遊技者に近付く向きと離れる向き)にスライドが可能である。そして、第1−2始動入賞口62Bは、開閉扉91が前方(遊技者の側)へスライドした状態では開口を閉じ、開閉扉91が後方(遊技者と反対の側)へスライドした状態では、開口を閉じる。そして、開閉扉91が開放状態になると、遊技球の第1−2始動入賞口62Bへの入球が可能となる。
更に、第1−2始動入賞口62Bは、図3中に示すように、第1−2始動入賞検出装置75B(センサ)と、上述の開閉扉をスライドさせるための始動口ソレノイド76とを備えている。第1−2始動入賞検出装置75Bの出力信号は、メイン基板102に入力されている。
また、第1−2始動入賞口62Bを開放する態様として、複数種類を設けることが可能である。そして、これらの開放態様には、比較的短時間(例えば0.2秒程度)の態様(「ショート開放」や「短開放」などと称する)や、比較的長時間(例えば5秒程度)の態様(「ロング開放」や「長開放」などと称する)などを考えることができる。また、ショート開放とロング開放の間の開放時間に設定されたミドル開放の態様を設けることも可能であるし、複数回の開放を行う開放態様を有していてもよい。
前述の大入賞口90は、上方の第1−2始動入賞口62Bとの間に、傾斜した部分を有する第2樋部93Bを介在させている。大入賞口90は、横長の長方形状に、且つ、前向きに開口しており、この開口を開閉するための開閉扉91(図1に破線にて示す)を備えている。そして、大入賞口90は、開閉扉91に係る動作パターン(開閉パターン)を複数種類備え、所定の当りが発生した場合に、所定の態様で開放動作を行うことが可能である。
また、本実施例において大入賞口90は、遊技球を特定入球口に入球(ここでは「V入賞」や「V入球」などと称する)させる機能を有するタイプのものである。そして、図示は省略するが、大入賞口90の内側には、特定入球口であるV入賞口(「V領域」、「特定領域」、「V入球口」などとも称する)や、このV入賞口を開閉する遮蔽部材が備えられている。大入賞口90におけるV入賞の機能を利用したゲーム性については後述する。
大入賞口90は、図3中に示すように、遊技球の入球数を検出するための大入賞カウント検出装置78Aや、V入賞を検出するためのV入賞検出装置78B、上述の開閉扉91を開閉駆動する大入賞口(開放)ソレノイド80A、上述の遮蔽部材を所定のラウンド(Vラウンド)にて開閉駆動するV入賞口(開放)ソレノイド80Bを備えている。これらのうち、大入賞カウント検出装置78AやV入賞検出装置78Bは、大入賞口90への遊技球の入球を検出するセンサを有しており、その出力信号はメイン基板102に入力されている。
前述の第2始動入賞口63は、第2遊技に係る始動入賞口である。この第2始動入賞口63は、前述した大入賞口90の後段(下流側)に配置されており、正面から見て(遊技者の側から見て)大入賞口90の左側に配置されている。第2始動入賞口63は、遊技球の入口を常時開き、且つ、遊技球の入口の大きさを変化させないタイプのものである。更に、第2始動入賞口63は、図3中に示すように、第2始動入賞検出装置75(センサ)を備えている。第2始動入賞検出装置75の出力信号は、メイン基板102に入力されている。
なお、ゲーム性によっては、第2始動入賞口63を、普通電動役物(所謂「電動チューリップ」或いは「電チュー」)に係る始動口とし、後述する普通図柄が当りの態様で停止表示された場合に、所謂羽部材等の可動部材を開放動作させるものであってもよい。また、第1−2始動入賞口62Bや、大入賞口90、及び、第2始動入賞口63への遊技球の案内は、第1樋部93Aや第2樋部93Bのような樋構造のものに限らず、例えば遊技釘により行ってもよい。また、遊技釘と樋の両方を適宜配置して遊技球の案内を行ってもよい。
前述のアウト口58は、図3中に示すように、アウト球検出装置(アウト口センサ)82を備えている。このアウト口センサ82は、遊技領域52で入賞球(セーフ球)とならずアウト口58に入った遊技球(アウト球)の検出を行うようになっている。そして、アウト口センサ82の検出結果は、アウト球の計数や、後述する性能表示部(後述する図5の入球状態表示器808)での表示(ベース表示)に利用されるようになっている。
前述のセンター飾り64は、演出の機能等を有しており、センター飾り64の内部には、多数のチップ型LEDが実装されたLED基板が設けられている。そして、センター飾り64のLEDを駆動することで、LEDの光がセンター飾り64を透過し、センター飾り64が光装飾(光演出)を行うようになっている。更に、センター飾り64における光装飾は、遊技中のみでなく、遊技開始を待つ待機中や、遊技者が光量調整(光量設定)などを行うための遊技準備中などにも行われる。
また、センター飾り64の背面(内側)には、複数の可動演出部材が設けられており、これらの可動演出部材が、演出用のギミックを構成している。これらの可動演出部材は、通常は図1に示すようにセンター飾り64の内側に隠れている。しかし、所定の演出が行われる場合には、図示は省略するが、これらの可動演出部材が演出表示装置60の前に出現する。
また、本実施例においては、可動演出部材においても光装飾(光演出)が行われるようになっている。更に、可動演出部材における光装飾は、遊技中のみでなく、遊技開始を待つ待機中や、遊技者が光量調整などを行うための遊技準備中などにも行われる。
更に、センター飾り64の、正面から見て右側(右外側)の部位には遊技球通路部65が形成されており、センター飾り64は、上述のような演出機能のほかに、遊技球の流路の機能を有している。
また、センター飾り64には、導光板88が備えられている。この導光板88としては、図示は省略するが、例えば、板面を前後に向けて平行に並べられた2枚の透明板を備えたものを採用することが可能である。更に、導光板88は、センター飾り64に装着されており、演出表示装置60の前方において、センター飾り64の外側と内側との間を遮蔽している。そして、導光板88は、センター飾り64において、演出表示装置60の保護カバーとしても機能している。
この導光板88は、例えば、以下のように構成することが可能である。すなわち、センター飾り64の内部において、透明板の、例えば左右の端面のうちの一方の端面に向い合うように、光源となる複数のLEDを、それぞれ帯状に並べて配置する。そして、通常時には、演出表示装置60の画面に他の像を重ねることなく、演出表示装置60の表示内容を、遊技者が視認できるように透明板の外側に透過させている。
しかし、導光板88を構成する各透明板の内部には、通常の環境の下では視認できない程度の細かな凹凸が形成されている。そして、所定の演出の実行時に、例えば、いずれか一方の透明板の端面に面した上述の光源が駆動され、当該透明板の端面から、光源の光が、透明板の内部に向けて照射される。更に、光を照射された透明板の凹凸により光が拡散し、拡散光により、所定のイラストなどが、遊技者に認識可能なように発色して浮かび上がる。
また、導光板88の2枚の透明板のうち、他方の透明板には、上述のイラスト等とは異なる像を形成するための凹凸が刻まれている。そして、所定の演出時に、端面に面した光源を駆動することにより、上述のものとは異なるイラストなどが、遊技者に認識可能なように浮かび上がる。
ここで、透明板の左右のうちの一方の端面だけではなく、上下のうちの一方の端面にも光源を向い合せ、この光源の光により、他のイラスト等を映し出すことも可能である。このようにすることで、1枚の透明板につき2種類の画像を表示することが可能となる。また、透明板の数は、1枚であっても、3枚以上であってもよい。また、導光板88に代えて、或いは併せて、透過液晶表示体を用いることも可能である。
前述の主制御表示装置53は、図7に示すように、LED表示灯を多数配置した図柄表示基板(メイン図柄表示基板)256を備えるものである。図柄表示基板256には、前述の普通図柄を表示する普通図柄表示部59、第1遊技に対応する第1特別図柄(後述する)を表示する第1特別図柄表示部70、第2遊技に対応する第2特別図柄(後述する)を表示する第2特別図柄表示部71、及び、その他の各種表示部が遊技機正面から遊技者に視認可能に形成されている。なお、上述の普通図柄表示部59は普通図柄表示装置を構成している。また、第1特別図柄表示部70は第1特別図柄表示装置を構成しており、第2特別図柄表示部71は第2特別図柄表示装置を構成している。
なお、以下では、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「第1特図」や「特図1」、「特1」、第2特別図柄を「第2特図」や「特図2」、「特2」、などと称する場合がある。更に、第1特別図柄については「特別図柄1」や「図柄1」などと称し、第2特別図柄については「特別図柄2」や「図柄2」などと称する場合がある。
また、上述の主制御表示装置53は、遊技盤50に備えられたものを意味しているが、後述するようにメイン基板102に設けられた設定表示部(後述する図5(a)の設定表示器807)や性能表示部(後述する図5(a)の入球状態表示器808)などを含めて、主制御表示装置とすることも可能である。そして、その場合は、メイン基板102に設けられた設定表示部や性能表示部を、例えば「メイン基板側主制御表示装置」などと称することも可能である。
<基本的な遊技手順>
続いて、本実施例のぱちんこ遊技機10における遊技手順について説明する。先ず、前述の上球皿18に遊技球が供給された状況で、遊技者が、前述の発射ハンドル20を操作して回動させると、その回動角度に応じた強度で、上球皿18に貯留された遊技球が1球ずつ所定間隔で発射される。そして、遊技球は、前述の内レールと外レールにより案内され、遊技領域52の上部に達し、内レールと外レールとの間から遊技領域52へ放出される。
通常の遊技においては、遊技者は、遊技球が遊技領域52の左側で流下するように発射を行い、遊技領域52の下方中央部に位置する第1−1始動入賞口62Aを狙う。このような遊技領域52の左側を主に使用する発射の態様は、所謂左打ちと呼ばれる。また、遊技球の発射は、遊技者が発射ハンドル20を操作している間、前述の発射装置43により、所定の時間間隔(例えば1分間に100発を超えない程度の間隔)で繰り返される。そして、遊技領域52に連続して放出された遊技球は、複数の遊技釘や風車などに干渉しながら、その速度や入射角度(又は反射角度)等の要因に応じた方向へ落下する。
遊技球が、前述の一般入賞口72や第1−1始動入賞口62Aなどの各種の入賞口へ落入すると、入球が検出され、遊技球の払出制御が行われる。そして、入球した入賞口の種類に応じて、所定数の遊技球が、前述の払出ユニット35を介し、賞球として上球皿18に払出される。また、上球皿18が多くの遊技球により満たされ、払出された後続の遊技球が上球皿18に進入できない場合には、これらの遊技球は、溢れ球として下球皿19に導かれる。
また、各種の入賞口に落入した遊技球はセーフ球となり、遊技盤50の表面側から裏面側に案内される。また、セーフ球とならなかった遊技球は、遊技領域52の下端部に達してアウト口(58)に落入し、遊技盤50の裏面側に案内される。そして、遊技盤50の裏面側に達した遊技球は、所定の案内樋やセット基盤31内の遊技球通路を通って下方に導かれ、ぱちんこ遊技機10から、前述の島設備の側へ向けて排出される。
前述の作動口68は、上述のセーフ球を発生させる入賞口と異なり、遊技球が通過するゲートとなっている。なお、以下では作動口68を含めて「入賞口」とし、本実施例における「落入」、「入球」、「入賞」の用語は、特に説明がない場合には、ゲートに係る「通過」の意味を含むものとする。
大当りに当選した状況ではない遊技状況において、遊技球が、作動口68に入球して検出された場合、後述するような所定の変動開始条件(普図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、普通図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される普通図柄は、作動口68への入球に基づき実行される乱数抽選(普図抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。
遊技球が、始動口(ここでは第1−1始動入賞口62A、第1−2始動入賞口62B、又は、第2始動入賞口63)に入球した場合、後述するような所定の変動開始条件(特図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、特別図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される特別図柄は、始動口への入球に基づき実行される乱数抽選(大当り抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。
ここで、特図変動開始条件は、同一の特別図柄に関して先に行われている図柄変動が終了していない場合には、その種類の変動開始条件が成立していないこととなり、当該図柄の先の変動が終了すると保留されている乱数値に基づく変動の変動開始条件が成立し、保留記憶されていた乱数値に係る抽選結果(保留抽選結果)に基づき、新たな図柄変動が開始されることとなる(いわゆる並列機)。そして、保留数の上限は1の特別図柄について4個であり、保留記憶は4個(第1特別図柄、第2特別図柄の合計で8個)を超えて行われることがないようになっている。
前述の演出表示装置60においては、特別図柄に係る演出表示が行われる。この演出表示は、特別図柄が変動表示中であるか、停止表示中であるか、といった違いや、特別図柄の停止表示態様が大当りのものであるか、はずれのものであるか、といった違いに関係して、予め定められた各種の態様の演出を行うものである。
特別遊技が実行される大当り遊技においては、演出表示装置60の画像や音声などによって推奨される遊技球の発射位置、発射タイミングに関する報知(例えば、右打ちを促す右打ち演出)が実行される。そして、遊技者が、発射ハンドル20の回動量を時計回りに増やして発射力を強め、遊技球を遊技領域52の右側の領域に向けて発射すると、センター飾り64の上方を通った遊技球が、センター飾り64の右外側の遊技球通路部65に進入して流下する。更に、遊技球は、複数の遊技釘(図示略)や他の構造物に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。
センター飾り64から放出された多数の遊技球のうちの一部(全てであってもよい)は、右側ユニット92の上部に到達する。この右側ユニット92における遊技の詳細については後述する。
大当り遊技においては、大入賞口90が開放される単位遊技が複数回繰り返される。単位遊技の回数(ラウンド数)としては、ゲーム性に応じて種々のものを採用可能である。例えば、本実施例では、いずれの大当りについても、ラウンド数は4Rとしている。
しかし、これに限らず、特別遊技として、単位遊技が最大回数に亘り繰り返されるものと、単位遊技が最大回数よりも少ない回数に亘り繰り返されるものとを設けることが可能である。この場合、最大回数としては、10回(10R(ラウンド))などを例示でき、最大回数よりも少ない回数としては、5回(5R)などを例示できる。なお、大入賞口90を作動させる遊技として他にも小当り遊技を設けることが可能である。
各単位遊技においては、大入賞口90において、所定数(例えば10個)の遊技球が検出された場合、又は、合計の開放時間が所定時間(例えば約30秒)に達した場合に、終了条件が成立して、大入賞口が閉鎖される。単位遊技の終了条件として、合計の開放時間とするのは、1回の単位遊技中で複数回の大入賞口の開放を分割して行う場合であっても上限値を定めていることを示している。大入賞口の開放を単位遊技内で複数行うことにより、技術介入性を高めたり、1回の開放で行うことにより容易に出玉を獲得できるなど大当り中の遊技性に幅を持たせるため、大入賞口の開放態様は予め設定されているパターンの中から選択可能としている。
大当り遊技において、一部の単位遊技において、V入賞の機能を利用することが可能である。例えば、1R目である大当り遊技開始ラウンドにおいて、V入賞口を開放し、このV入賞口を通過した遊技球が検出されれば、V入賞口を閉じる。そして、V入賞の発生により、大当り遊技後の特定遊技の期間において、確変状態(後述する)等での遊技が行われるようにする。また、大当りの種類によって、容易にV入賞するような大入賞口90の開放制御や、V入賞が困難な大入賞口90の制御を行うことが可能である。偶然性を演出しながらも、予め定められた割合で、確変大当り(後述する)を発生させ得るようになる。
更に、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、上述のように、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数(ここでは2つ)混在するゲーム性が採用されている。つまり、本実施例においては、上述の複数の遊技を、第1−1始動入賞口62Aや第2−1始動入賞口62Bが使用される第1遊技と、第2始動入賞口63が使用される第2遊技とに分けることができる。
そして、本実施例では、第1遊技と第2遊技とは、それぞれ後述する第1特別図柄を変動表示させる遊技と第2特別図柄を変動表示させる遊技であり、それらの間に優先順位を設けず、第1遊技と第2遊技すなわち第1特別図柄と第2特別図柄の変動表示が並列に実行されるようになっている。このため、第1遊技と第2遊技とが(第1特別図柄と第2特別図柄の変動表示が)同時に実行される状況も生じ得る。
なお、これに限るものではなく、例えば、第1遊技と第2遊技の間に優先順位を設けてもよい。例えば、第2遊技が第1遊技よりも優先され、同時に遊技の開始条件を満たした状況においては、第2遊技を優先して実行させ、第1遊技を保留しておくことにより、第1遊技と第2遊技とが同時に実行されないようにする、といったことも可能である。
また、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、前述の大当り抽選の結果に応じて、特別遊技の終了後に、特定遊技が実行される場合がある。この特定遊技は、前述の特別遊技とは別な態様で、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態となるものである。本実施例においては、特定遊技として、確率変動遊技(以下「確変」と称する)、変動時間短縮遊技(以下「時短」と称する)、及び、入球容易化遊技(「電サポ」、「電チューサポート」と称する場合もある)が設けられている。特定遊技として、確変、時短、入球容易化遊技の何れか1のみ実行するものもあれば、複数の特定遊技を同時に行うものもあり、それらの組み合わせによって異なる遊技性を創出するものである。
特定遊技が実行される場合には、前述の右打ち演出(「右打ち案内演出」などともいう)が実行されている。そして、遊技者が、右打ちした場合には、前述のように右側ユニット92を用いた遊技が行われるが、右側ユニット92での遊技の詳細については後述する。
なお、本実施例においては、特定遊技は右打ちが遊技者に推奨される遊技状態として採用されているが、特定遊技は右打ちを必要とする遊技状態に限るものではなく、前述した通常遊技よりも有利であれば、特定遊技の種類によっては左打ちすべき遊技状態を含む仕様であってもよいし、盤面構成が略左右対称に構成され始動口や大入賞口等への入球比率に大きな影響がない場合においては、通常遊技、特定遊技いずれにおいても左打ちおよび右打ちを遊技者が自由に選択できるものであってもよい。
<右側ユニットにおける遊技手順の詳細>
次に、右側ユニット92を使用する右打ち時の遊技手順について説明する。右打ちされて右側ユニット92に到達した遊技球は、作動口68を通過した際に検出される。前述した普通図柄に係る変動開始条件(普図変動条件)が成立している場合には、普通図柄が主制御表示装置53(図7参照)で変動開始する。そして、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、普通図柄が停止する。
更に、第1−2始動入賞口62Bを開放させる普通図柄が選択されていれば、第1−2始動入賞口62Bが所定時間の開放を行う。第1−2始動入賞口62Bの開放時間は、選択された普通図柄の種類および遊技状態に対応付けられている。
作動口68を通過した遊技球は、第1樋部93Aを介して第1−2始動入賞口62Bに案内される。第1−2始動入賞口62Bが開放状態にあれば、第1−2始動入賞口62Bへの入球が可能である。また、第1−2始動入賞口62Bが閉鎖状態にあれば、遊技球は、第1−2始動入賞口62Bが設けられた領域を通過し、第2樋部93Bを介して大入賞口90に案内される。そして、大入賞口90が開放状態にあれば、大入賞口90への入球が可能となり、大入賞口90が閉鎖状態にあれば、遊技球は、大入賞口90が設けられた領域を通過し、第2始動入賞口63に案内される。
第2始動入賞口63は、前述のように遊技球の入口を常時開き、且つ、遊技球の入口の大きさを変化させないタイプのものである。このため、第2始動入賞口63は、第2始動入賞口63が設けられている領域に達した遊技球を、常時受入れることが可能である。第2始動入賞口63へ入球した遊技球は、第2始動入賞検出装置75により検出されて遊技盤50の裏側に導かれる。
第2始動入賞口63へ入球しなかった遊技球は、右側ユニット92から排出され、遊技領域52中で流下する。第2始動入賞口63に対しては、右側ユニット92に進入した遊技球の殆どが近辺に導かれるようにすることが可能である。このようにすることで、第2始動入賞口63への入球頻度を高めることができる。
ここで、右側ユニット92に、前述のアウト口58とは別のアウト口(図示略)を設け、このアウト口(右側ユニット内アウト口)から遊技球を排出するようにしてもよい。その場合には、右側ユニット内アウト口から排出された遊技球も、計数されるようにすることが可能である。そして、右側ユニット内アウト口から排出された遊技球の計数を、アウト口58のアウト球検出装置(アウト口センサ)82を兼用して行うようにしてもよい。
<大当りの種類の例>
次に、上述の第1遊技及び第2遊技における大当りの種類について説明する。先ず、大当りとして、前述の単位遊技を4回繰り返す大当り(以下、適宜「4R大当り」とも称する)が設けられている。ゲーム性によっては、例えば、単位遊技を10回繰り返す大当り(以下、適宜「10R大当り」とも称する)や、単位遊技を7回繰り返す大当り(以下、適宜「7R大当り」とも称する)等を設けることが可能であるが、ここでは4Rの通常大当りや、4Rの確変大当りにより大当り遊技が行われるようになっている。なお、大当りの種類は、特図1や特図2の種類によって決まるようになっているが、詳細については後述する。
上述の単位遊技は、特別遊技において、大入賞口90における大入賞口の開放に伴って開始され、所定時間(例えば約30秒)が経過した場合や、大入賞口に所定個数(例えば10個以上)の遊技球が落入した場合に終了し、大入賞口を閉鎖する。このような単位遊技を繰り返す特別遊技は、遊技者に遊技球を獲得させることを目的とする所謂出球(出玉と記載する場合もある)あり当りに伴う遊技を基本としている。
しかし、これに限定されず、例えば、大当りの種類として、10R大当りや7R大当りのように複数種類のラウンド数の大当り設けた場合に、10R大当りであっても、大入賞口の開放期間が短く、実質的に5R大当りと同じ程度の出球しか獲得できないといったもの(10R確変(実5R))を設けたり、5R大当りであっても、出球の獲得がほとんどできない(例えば各Rにおいて最小限度程度(例えば1球)しか大入賞口90に入球しない)といったものを設けたりすることが可能である。
また、前述の確変や時短等といった特定遊技状態は、予め定められた特定の大当りについて大当り遊技が終了する際に発生するようになっている。このような特定遊技状態の発生態様として、例えば、確変、時短、及び、入球容易化遊技といった特典機能のうち、少なくとも1部を付与しない大当りを設けることが可能である。より具体的には、確変のみが伴う大当りや、時短のみが伴う大当りを設けることが考えられる。更に、確変の継続期間の相違や、時短の継続期間の相違によって、大当りの種類を異ならせることも可能である。また、時短中に電チューサポートを併せて実行する場合は、「時短の継続期間」は、「電チューサポートの継続期間」と言い換えることができる。更に、時短と電チューサポートのうち、電チューサポートのみを実行する、反対に時短と電チューサポートのうち、時短のみを実行するといったことも考えられる。
しかし、大当りと、確変や時短等との組合せについては上述した例に限定されず、本実施例のようにV入賞を確率変動機能の作動の条件としたり、V入賞の有無により電チューサポートの継続期間を異ならせたりすることなど、種々の組合せを採用することが可能である。例えば、確変が全ての大当りについて発生するようにしてもよい。
<大当り以外の当り>
また、本実施例では、大当り以外の当りの種類として、小当りが設けられている。第1遊技(又は第2遊技)において、この小当りが発生した場合には、単位遊技(大入賞口90の開放)を、例えば1回行う、といったゲーム性を採用することが可能である。更に、大入賞口90の開放時間を、1回につき1.2秒程度などとすることが可能である。
<主制御表示装置>
<<主制御表示装置の構成>>
次に、前述の主制御表示装置53(遊技盤側主制御表示装置)について、図7に基づき説明する。遊技盤側の主制御表示装置53は、図7に示すように、図柄表示基板256上に多数(ここでは36個)のLED表示灯を2行(上段及び下段)に分けて配置することにより構成されている。本実施例において、上段及び下段におけるLED表示灯の個数は18個となっており、各段のLED表示灯は水平方向に等間隔で配置されている。また、上下の位置関係にあるLED表示灯の間隔も、18個すべてについて一定となっている。
主制御表示装置53において、正面から見て上段における右端の10個のLED表示灯は、特図1に係る情報表示に用いられ、下段における右端の10個のLED表示灯は、特図2に係る情報表示に用いられるようになっている。そして、上段及び下段において、右端の2個のLED表示灯は保留記憶数を示す第1特別図柄記憶表示部83、第2特別図柄記憶表示部84を構成している。第1特別図柄記憶表示部83の左に並んだ8個のLED表示灯は、前述した第1特別図柄表示部70を構成しており、第2特別図柄記憶表示部84の左に並んだ8個のLED表示灯は、前述した第2特別図柄表示部71を構成している。
第1特別図柄表示部70は、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯の動作態様によって、第1遊技に係る第1特別図柄の変動表示及び停止表示が可能となっている。この第1特別図柄表示部70による第1特別図柄は、第1−1始動入賞口62Aや第1−2始動入賞口62Bへの遊技球の入球を契機として行われる第1抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに大当りが発生し特別遊技が実行される。なお、第1特別図柄表示部70は、第1特別図柄の停止表示の際には、各LED表示灯の点灯と消灯との組み合せによって、すべて消灯する場合を除く最大で255(=2^8−1)種類の識別情報を表示可能である。具体的には、8個のLED表示灯の点灯及び消灯の組合せを停止表示させるのだが、大当りの場合もはずれの場合も(小当りを搭載している場合には小当りの場合も)全消灯ではなく少なくとも1個のLED表示灯が点灯するよう構成しているため、最大で255(=2^8−1)種類の識別情報を表示可能となる。
前述の第2特別図柄表示部71についても同様に、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯の動作態様によって、第2特別図柄の停止表示の際には、最大で255(=2^8−1)種類の識別情報を表示可能である。具体的には、8個のLED表示灯の点灯及び消灯の組合せを停止表示させるのだが、大当りの場合もはずれの場合も(小当りを搭載している場合には小当りの場合も)全消灯ではなく少なくとも1個のLED表示灯が点灯するよう構成しているため、最大で255(=2^8−1)種類の識別情報を表示可能となる。
更に、上段において、第1特別図柄表示部70の左に並んだ4個のLED表示灯は普通図柄(普図)に係る情報表示に用いられるようになっている。そして、上述の第1特別図柄表示部70の左に並んだ2個のLED表示灯は、普通図柄の保留記憶数を表示するための普通図柄記憶表示部85を構成しており、その左側に並んだ2個のLED表示灯は、普通図柄表示部59を構成している。
普通図柄表示部59は、2つのLED表示灯の動作態様により、普通図柄の変動表示及び停止表示を行うようになっている。そして、普通図柄表示部59は、停止表示の際には、最大で3(=2^2−1)種類の識別情報を表示可能である。具体的には、2個のLED表示灯の点灯及び消灯の組合せを停止表示させるのだが、当りの場合もはずれの場合も全消灯ではなく少なくとも1個のLED表示灯が点灯するよう構成しているため、最大で3(=2^2−1)種類の識別情報を表示可能である。但し、変形例として、普通図柄表示部59は、第1特別図柄表示部70及び第2特別図柄表示部71とは異なり、はずれの場合は全消灯としてもよく、その場合は最大で4(=2^2)種類の識別情報を表示可能である。
また、上段において普通図柄表示部59の左側に並んだ2個と、その下に位置する下段左端の2個の4個のLED表示灯により、ラウンド数表示部86が構成されている。更に下段における、ラウンド数表示部86と第2特別図柄表示部71との間の4個のLED表示灯は、左から順に第1状態表示部(状態表示灯1)87a、第2状態表示部(状態表示灯2)87b、第3状態表示部(状態表示灯3)87c、第4状態表示部(状態表示灯4)87dとなっている。
上述の第1状態表示部87aは、特図に係る確率変動機能作動時に点灯するようになっており、第2状態表示部87bは、普図に係る確率変動機能作動時に点灯するようになっている。また、第2状態表示部87bは、所謂電サポ(電チューサポート)状態時である開放延長時にも点灯するようになっている。更に、第3状態表示部87cは、打ち分け(右打ち)状態指示灯として用いられている。また、第4状態表示部87dは、エラー表示灯として用いられている。
ここで、上述の第3状態表示部87c(打ち分け状態指示灯)は、電サポ状態中のほか、大当り中などにも点灯するようになっている。なお、大当り中は、連荘中であったとしても、電サポ状態とするためのフラグ(電サポフラグ)等はオフとなっている。また、第3状態表示部87cは、これら以外の状態(通常時)の普通電動役物に係るロング開放時などにも点灯させることが可能である。
このような構成の主制御表示装置53(遊技盤側主制御表示装置)は、図3中に示すように、前述のメイン基板102に電気的に接続されている。そして、主制御表示装置53における各種の表示部は、メイン基板102によって制御される。なお、図3中では、主制御表示装置53における各種の表示部のうち、普通図柄表示部59、第1特別図柄表示部70、第2特別図柄表示部71のみを示している。
<<主制御表示装置の機能>>
前述の作動口68を遊技球が通過すると、普通図柄表示部59が点滅し、普通図柄の変動表示が実行される。そして、普通図柄の変動表示が開始されてから所定の変動時間(普図変動時間)が経過すると、普通図柄が停止表示される。そして、普通図柄が、はずれの態様(はずれ態様)で表示された場合には、所定の停止時間(普図停止固定時間)の経過の後、後続の作動口への入球があれば、普通図柄に係る次の変動表示が開始される。また、普通図柄が、所定の当りの態様(当り態様)で停止表示された場合には、はずれの場合と同様に次回の変動表示へ移行する一方で、先に停止表示された普通図柄の当り態様に応じて、第1−2始動入賞口62Bが所定時間の開放動作を行う。
この普図抽選に係る保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動表示がまだ実行されていない普図抽選の回数を示している。すなわち、普通図柄記憶表示部85において先に行われている図柄変動が終了していない場合には変動開始条件が成立していないこととなり、当該図柄変動が終了すると変動開始条件が成立し、保留記憶されていた抽選結果(保留抽選結果)に基づき、新たな図柄変動が開始されることとなる。そして、保留数の上限は4個であり、保留記憶は4個を超えて行われることがないようになっている。
普通図柄記憶表示部85による、4種類の数値の表示は、例えば、保留数が0の場合(保留がない)場合は両方を消灯し、保留数が1の場合は何れか一方を点灯して他方を消灯するといった態様で行うことが可能である。また、保留数が2の場合は両方を点灯し、保留数が3の場合は何れか一方を点灯して他方を点滅させ、保留数が4の場合は両方を点滅させる、といった態様で保留数の表示を行うことが可能である。
前述の第1特別図柄記憶表示部83による第1特別図柄の保留数の表示については、2個のLED表示灯を1組として、4種類の情報を表示することにより行われる。前述の第2特別図柄記憶表示部84による第2特別図柄の保留数の表示についても、2個のLED表示灯を1組として、4種類の情報を表示することにより行われる。
なお、前述の右打ちを行うべき遊技状況となった場合には、主制御表示装置53(図7参照)の第3状態表示部86cを用いた所定態様での表示が行われる。本実施例では、第3状態表示部86cは、左打ちすべき遊技状況である左打ち時には消灯し、右打ちすべき遊技状況である右打ち時には点灯するよう設定されている。
<演出表示装置の構成と基本的な表示内容>
続いて、前述の演出表示装置60の構成と、演出表示装置60の基本的な表示例について説明する。本実施例では、演出表示装置60として、大型(例えば15インチ程度)な液晶ディスプレイが用いられている。この演出表示装置60の表示領域194には、前述の主制御表示装置53で表示される第1特別図柄又は第2特別図柄についての演出表示や、ストーリー表示などといったその他の演出表示が行われる。なお、演出表示装置60においては多様な画像の表示が行われるが、ここでは、第1特別図柄又は第2特別図柄に直接的に関係する基本的な演出表示について説明する。
前述のように、主制御表示装置53において第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置60において、図8(a)、(b)に示すように、演出図柄(「装飾図柄」などともいう)190の変動表示を伴う変動演出が実行される。本実施例においては、演出図柄190は、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cにより構成されている。なお、以下では、左中右の演出図柄190a〜190cについて、状況に応じ、「演出図柄190」や「演出図柄190a〜190c」と記載する場合がある。
更に、本実施例において演出図柄190は、数字の「1」から「9」の記号の意味を有する9種類の要素図柄(記号要素演出図柄)を有している。そして、他の演出図柄である中演出図柄190b及び右演出図柄190cも、左演出図柄190aと同じく、数字の「1」から「9」を意味する9種類の要素図柄を有している。なお、上述の要素図柄の詳細については後述する。
主制御表示装置53における第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示に伴い、演出表示装置60において、上述の演出図柄190が変動表示される(図8(a)参照)。演出図柄の変動表示は、本実施例においては、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、個々に縦方向に移動(縦スクロール)させ、上述の要素図柄を順次表示領域194中に登場させることにより実行される。なお、演出図柄190a〜190cのスクロール方向としては、縦方向のほか、横方向や回転、或いは、旋回などといった種々の態様を採用することが可能である。
また、演出図柄190は、変動表示の途中段階として、所謂「リーチ」の組合せを構成する場合がある。この「リーチ」においては、演出図柄190のうち、2つの演出図柄(ここでは左演出図柄190aと右演出図柄190c)が、例えば「7」と「7」などの同じ数字の図柄、同じ意味、或いは、所定の関係を持った図柄で組合せを構成する。更に、この「リーチ」においては、リーチ(テンパイ)の組合せを構成した演出図柄190a、190c以外の、残りの1図柄(ここでは中演出図柄190b)が、他の演出図柄との組合せを構成できない変動中となっている。
なお、演出図柄190の表示態様としては、多種類の「リーチ」や、その他の種々のものを採用できるが、各種の表示態様の詳細については後述する。また、演出表示装置60においては、演出図柄190による演出以外にも種々の演出が行われるが、それらの詳細については後述する。
また、本実施例では、演出表示装置60は液晶ディスプレイを用いたものとなっているが、これに限らず、例えば、適用に支障がない限り、機械式のドラム体やLED表示体といった他の種類の表示体を用いたものであってもよい。更に、演出表示装置60は、1つの表示体のみを備えたものに限らず、例えば付加的な表示体が追加されて複数の表示体の組合せにより構成されるものであってもよい。
更に、このような付加的な表示体を可動演出部材として備え、付加的な表示体によるギミックを構成することも可能である。そして、通常は、付加的な表示体を、演出表示装置60の表示領域194の視認の障害とならないように、表示領域194の外側に避けて配置しておき、所定の演出パターンが実行される場合に、付加的な表示体が、表示領域194の前方に現れるようにすることが考えられる。
<設定変更機能に係る構成>
次に、前述した設定変更に係る構成や、設定変更の方法について説明する。図5(a)は、メイン基板102が透明な基板ケース801に収容された状態を一部拡大して示しており、図5(b)は、図5(a)中のA−A断面を拡大して概略的に示している。図5(a)において、基板ケース801は、無色透明なプラスチック材料により分割構造(例えば2分割の構造)の箱状に形成されている。
基板ケース801の分割構造としては、例えば、メイン基板102を保持する基板保持体にカバー体を組み合わせ、分離の際に痕跡を残すかしめ構造を介して基板保持体とカバー体とを結合するものを採用することができる。基板ケース801においては、サブメイン基板301等のような他の機器との接続に用いられるコネクタ802(一部のみ符号を付して示す)、可能な限り隙間を生じない程度の大きさで形成された開口から露出している。
メイン基板102は、透明な基板ケース801を通して視認可能となっているが、図5(a)では、CPU(メインCPU)501、試験端子搭載領域806、前述の設定表示器807、同じく前述の入球状態表示器808を破線で示し、その他の機器については図示を省略している。これらのうち試験端子搭載領域806は、製品試験段階で出玉試験等を実施する際にのみ試験端子が実装される領域であり、量産段階のメイン基板102においては、試験端子の実装は行われていない。
上述の設定表示器807は、設定変更時や設定確認時に限り、選択された設定値を表示するものである。そして、設定表示器807は、役物連続作動装置の作動確率(特別電動役物を連続的に作動させる装置の作動確率であり、いわゆる大当り確率)を異ならせるための設定値に関して、現在の設定値を表示可能である。更に、設定表示器807には1桁分の7セグ表示器が用いられている。ここで、本実施例では、図示は省略するが、設定表示器807における7セグ表示器の右下隅部にドット表示部が設けられている。
設定表示器807の近傍には、設定キーシリンダ(「設定キースイッチ」などともいう)809や設定変更ボタン(「設定変更スイッチ」などともいう)810が配置されており、設定キーシリンダ809や設定変更ボタン810等により設定変更用操作部811が構成されている。この設定変更用操作部811は、図5(b)に示すように、基板ケース801の設定変更用開閉蓋(以下「開閉蓋」と称する)812を開放することで、図5(a)に示すように露出するようになっている。
開閉蓋812は、例えば、基板ケース801に樹脂ヒンジを介して一体に成形され、突出したツマミ部813を手指により引っ張って、弾性力に抗しながら、矢印Bで示すように開放させるようなものを例示できる。また、開閉蓋812を閉じる場合には、図5(b)の状態から倒伏させ(図示略)、自由端側を基板ケース801に係止させる。
前述の入球状態表示器808は、ぱちんこ遊技機10の性能表示部として用いられており、遊技状態別のベース(発射数あたりの賞球数の値)を表示可能となっている。本実施例では、図5(a)の右下の部位に拡大して実線で示すように、入球状態表示器808には4桁分の7セグ表示器が用いられている。また、入球状態表示器808の各桁の7セグ表示器の右下隅にドット表示部(符号省略)が設けられている。
本実施例においては上述のようにCPU501、試験端子搭載領域806、入球状態表示器808、設定変更用操作部811、並びに、設定表示器807が、平面視(遊技機の背面視)においてラップしないよう(重ならないよう)に配置されている。また、表示の誤認を抑止できるように、入球状態表示器808と設定表示器807とが所定距離以上(例えば30mm以上)の間隔を介して配置されている。
なお、本実施例においては図5(b)における左側が遊技機枠11を開放する際の自由端となっており、設定変更用操作部811並びに設定表示器807を自由端側近傍に配置することにより、設定値の変更作業等を容易にできるように配慮する一方で、入球状態表示器808については、遊技機枠11を開放する際の回転軸(固定端)側に配置することで、遊技機枠を開放した際に、表示情報を意図せず遊技者に視認されることを抑止するように配慮している。無論、設定値の変更等に際して不正防止を優先する場合には、設定変更用操作部811並びに設定表示器807を、メイン基板102の正面視右側(遊技機枠11の回転軸側)に形成すればよい。
ここで、本実施例においては、上述した点を考慮し、安易に設定変更用操作部811にアクセスできないように、設定変更用操作部811に対応する部分に開閉蓋812を設け、設定値の変更作業や設定情報の確認作業等の場合を除き、設定変更用操作部811が露出しないように構成されている。以下では、設定変更用操作部811並びに設定表示器807に関して図5(b)も参照しつつ説明する。
まず、設定変更用操作部811に対応する位置関係にある基板ケース801の上面部分は、設定キーシリンダ809の設定キー差込口(符号省略)に設定キー(鍵)が挿入可能となるように、また、設定変更ボタン810の操作が可能となるように所定の大きさの開口部816が形成されている。但し、当該開口部816からメイン基板102の上面に向かって側壁等の区画壁か形成されることにより、開口部816を介してメイン基板102の他の電子部品(例えばCPU501)にアクセスできないようになっている。また、この開口部816に対応して設定キー差込口(符号省略)が形成された設定キーシリンダ809と、プッシュ式の設定変更ボタン810とが、ぱちんこ遊技機10の背面から見て上下に配設され、更に、開口部816の大きさに対応した開閉蓋812が開口部816を常に閉鎖する方向に付勢された状態で、開閉可能に基板ケース801に設けられている。
次に、設定変更等の操作方法と設定変更・設定表示の作用の概要について簡単に説明する。設定値の確認を行う際には、まず、電源スイッチ40(図2参照)を操作して電源をオフにし、その後、開閉蓋812を付勢力に抗して所定角度開放し、設定キーシリンダ809の設定キー差込口に設定キー(鍵)を挿入してキーを右方向に回転させる。そして、初期化スイッチ544を押すことなく再度電源スイッチ40(図2参照)を操作して電源をオンにする。この操作により、7セグメントLEDで形成された設定表示器807に、現在の設定値(例えば設定値の範囲が「1」〜「6」であれば該当する数値)が表示され、設定表示モードであることを示すために一部のセグメント(ここではドット部分)が点灯駆動される。なお、本実施例においては、遊技機が起動している際(例えば、始動入賞口の入賞検出等、遊技の進行に係る入力に基づく制御が実行可能な状態)には、設定値の変更処理はできないように構成されている。
一方、設定値の変更を行う際には、まず、電源スイッチ40(図2参照)を操作して電源をオフにし、その後、開閉蓋812を付勢力に抗して所定角度開放し、設定キーシリンダ809の設定キー差込口に設定キー(鍵)を挿入してキーを右方向に回転させる。そして、初期化スイッチ544を押しながら再度電源スイッチ40(図2参照)を操作して電源をオンにする。この操作により、7セグメントLEDで形成された設定表示器807に、現在の設定値が点滅表示され、設定変更モードであることを示すために一部のセグメント(ここではドット部分)が消灯(消灯表示)される。
この状態で、設定変更ボタン810を押圧操作するごとに、現在の設定値に+1ずつされた新たな設定値が一時記憶され、記憶された設定値が設定表示器807に表示される。遊技場における管理者は、任意の(目的の)設定値となるように設定変更ボタン810を操作する。なお、本実施例では、電源投入時の設定値が「1」であれば、設定変更ボタン810を1回押圧操作する毎に「1」「2」・・・「5」「6」「1」のように変更される。
そして、設定変更ボタンの操作により、任意の設定値に変更(設定表示器807に任意の設定値が表示)した状態で設定キーシリンダ809に挿入されているキーを左方向に回転させると、設定変更処理が完了し、所定時間(例えば1000ms)に亘り、設定表示器807に、現在の設定値が点灯表示されるとともに一部のセグメント(ここではドット部分)が点灯表示された後、設定値及びドットの双方が消灯される。
<ぱちんこ遊技機の電気的構成>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10における電気的構成について説明するが、ここでは電気的構成のうちの主要なものを抽出して説明する。先ず、ぱちんこ遊技機10には、図4に示すように、電源基板251、払出制御基板103、メイン基板102、及びサブメイン基板301等が備えられている。これらのうち電源基板251には、上述の払出制御基板103、遊技球等貸出装置接続端子板106、発射制御基板107等が接続されている。また、払出制御基板103には、枠中継端子板108を介してメイン基板102が接続されている。また、メイン基板102には、前述の主制御表示装置53を構成するメイン図柄表示基板(「図柄表示基板」ともいう)256や、サブメイン基板301が接続されており、サブメイン基板301には、前述のサブサブ基板302が接続されている。
上述の各種構成のうちの電源基板251は、前述の電源ユニット32(図2参照)に備えられているものである。この電源基板251には、枠演出接続基板300や、遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)が接続され、これらのうちの遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)には、球貨操作に用いられる球貨操作基板等が接続される。
前述の発射制御基板105には、発射ハンドル20(図1、図20(a)参照)に備えられたタッチスイッチ310が接続されている。このタッチスイッチ310には、図示は省略するが、発射タッチレバーや、アース用の錠金具が接続されている。タッチスイッチ(「タッチセンサ」ともいう)310は、遊技者や遊技場店員等が発射ハンドル20に手指を触れた場合に、この接触を検出して出力信号の態様を変化させる。
更に、発射制御基板105には、発射強度ボリューム311、発射停止スイッチ312、前述の発射装置43が接続されている。これらのうちの発射強度ボリューム1311は、発射ハンドル20の回転操作量に応じ遊技球の発射強度を変化させるために用いられる。発射停止スイッチ312は、発射ハンドル20を把持した手指の一部(親指など)での操作を検出して発射を停止させるために用いられる。
メイン基板102には、電源基板251からの電力が、払出制御基板103や枠中継端子板を経由して供給されるようになっている。更に、メイン基板102には、図示を省略した遊技盤接続基板や遊技盤中継端子板を介して、図3に示すように、主制御表示装置53、通過検出装置69、第1−1始動入賞検出装置74A、第1−2始動入賞検出装置74B、始動口ソレノイド76、第2始動入賞検出装置75、一般入賞検出装置73、大入賞検出装置78、大入賞口(開放)ソレノイド80、及び、磁気センサや電波センサ(図示略)等が接続されている。ここで、本実施例では、第1始動入賞検出装置74、及び、第2始動入賞検出装置75のメイン基板102への接続に関しては、遊技盤接続基板や遊技盤中継端子板を介さずに直接行われている。
サブメイン基板301には、電源基板251からの電力が、枠演出接続基板300、枠接続基板303を経由して供給されるようになっている。更に、サブメイン基板301には、上述の枠接続基板303、枠演出接続基板300のほか、ガラス枠演出接続中継基板305、ガラス枠演出接続基板306を介して、遊技機枠11における演出用の各機器が接続されている。
ぱちんこ遊技機10における演出用の各機器としては、枠電飾L2基板317、枠電飾R2基板318、(左)スピーカ21(L)、(右)スピーカ21(R)などがある。また、本実施例では、十字キー(十字ボタン)基板、演出ボタン基板、昇降モータ、演出ボタン(操作ボタン)モータ、ボタン位置センサ、なども備えられているが、図4では図が煩雑にならないよう、これらの図示も省略している。
また、サブメイン基板301には、遊技盤用の機器、画像表示用の機器、音声制御用の機器なども接続されている。これらのうち遊技盤用の機器としては、盤面電飾接続基板331がある。この盤面電飾接続基板331は、前述の枠接続基板303、演出インターフェース基板304を介してサブメイン基板301に接続されている。そして、盤面電飾接続基板331には、センター飾り64の電飾用に用いられるセンター電飾基板332が接続されている。また、盤面電飾接続基板331には、図示は省略するが、演出センサ基板、その他の電飾基板、演出用モータなども接続されている。ここで、演出インターフェース基板304には、図示は省略するが、各種の電飾基板や演出モータが接続されている。
サブメイン基板301に接続された前述の画像表示用の機器としては、サブサブ基板(画像制御基板)302があり、サブサブ基板302には、画像表示接続A基板336を介して液晶ユニット(液晶モジュールともいう)42が接続されている。ここで、本実施例では、図示は省略するが、画像表示接続B基板を介して演出インターフェース基板304に接続された他の液晶ユニットも備えられている。また、サブメイン基板301に接続された前述の音声制御用の機器としては、音声制御基板(音声基板)339や、音声ロム(ROM)基板340がある。
続いて、メイン基板102や払出制御基板103等の構成について説明する。図4に示すように、メイン基板102には、CPU(メインCPU)501、ROM(メインROM)502、RWM503が搭載されている。これらのうち、CPU501としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。なお、本実施例で説明する「ROM」や「RWM」は、CPUデバイスに内蔵されたもの、及び、CPUデバイスに対して外付けされたものの両方を含む包括的な概念のものである。
更に、図示は省略するが、メイン基板102に搭載されたCPUデバイス内には、CPU501のほかに、制御用クロック生成回路、乱数用クロック生成回路、16ビット乱数用の乱数回路、8ビットの乱数用の乱数回路等が備えられている。これらのうち16ビット乱数用の乱数回路、及び、8ビットの乱数用の乱数回路は、内蔵乱数であるハードウェア乱数を発生させるためのものである。
また、メイン基板102には、メイン基板102の外部の機器との間でデータの入出力を行う入出力ポート505が搭載されている。更に、メイン基板102には、図示は省略するが、割込回路やタイマ回路などの各種回路部が形成されている。
上述のROM502は、CPU501が遊技に係る処理を行うための遊技プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM503は、CPU501による遊技プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
続いて、払出制御基板103には、CPU(払出CPU)511、ROM(払出ROM)512、RWM513が搭載されている。これらのうち、CPU511としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。また、ROM512は、CPU511が払出しに係る処理を行うための払出用プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM513は、CPU501による払出プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
前述のサブメイン基板301は、CPU(サブメインCPU)521と、ROM(サブメインROM)522と、ワークRWM523と、入力ポート527と、出力ポート528、バスライン(図示略)などを備えている。そして、入力ポート527の入力側にはメイン基板102の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、CPU521、ROM522、ワークRWM523、及び、出力ポート528などが接続されている。
サブメイン基板301のCPU521は、メイン基板102から送信される図柄表示用の演出制御コマンド(指令)に基づいて演出表示装置60の表示を制御する。ROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRWM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
なお、前述のメイン基板102とサブメイン基板301の間におけるデータの送受信は、メイン基板102からサブメイン基板301への一方向通信(片方向通信)の態様で行われる。そして、メイン基板102とサブメイン基板301との間で、通信の一方向性が確保されているため、サブメイン基板301からメイン基板102へは、データの送信を行うことができない。したがって、メイン基板102が保有する情報は、メイン基板102がサブメイン基板301へ送信しない限り、サブメイン基板301で参照することはできない。なお、このような一方向での通信を可能とするために、例えば、メイン基板102に通信規制手段(バッファ回路など)を搭載し、サブメイン基板301へのデータ出力を、この通信規制手段を介して行うことが可能である。
前述のサブサブ基板302は、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533、キャラクタROM535、画像コントローラ(VDP)536、入力ポート538、出力ポート539、及び、バスライン(図示略)などを備えている。更に、画像コントローラ(VDP)536は、ビデオメモリ540を備えている。そして、入力ポート538の入力側にはサブメイン基板301の出力側が接続され、入力ポート538の出力側には、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533等の各機器が接続されている。
上述のビデオメモリ540は、演出表示装置60に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオメモリ540における画像データの内容を書き替えることにより、演出表示装置60の表示内容(フレーム画像)が変更される。キャラクタROM535は、演出表示装置60に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ536は、CPU531、ビデオメモリ540、出力ポート539のそれぞれの動作タイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオメモリ540に記憶される表示データを、キャラクタROM535から所定のタイミングで読み出し、更に予め優先順位を定めたレイヤの順に図柄を重ねて演出表示装置60に表示させる。
<電源供給とデータバックアップ>
前述の電源基板251は、ぱちんこ遊技機10の各部に電源を供給するための電源部541と、初期化スイッチ544を有する初期化スイッチ回路部543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、メイン基板102や払出制御基板103等に対して、各々に必要な動作電圧を供給する。より具体的には、電源部541は、外部より供給される所定の電圧を取り込み、各種スイッチ、モータ、ロジック回路等を駆動するための所定量の電圧を、メイン基板102や払出制御基板103、及び、その他の所定の機器に対して供給する。
初期化スイッチ回路部543は、電源投入時に、例えば遊技店舗の管理者によって初期化スイッチ544が押下された場合に、メイン基板102及び払出制御基板103へ、バックアップデータをクリアするための初期化信号を出力する回路を備えている。メイン基板102及び払出制御基板103においては、後述するように、電源基板への電源供給が断たれている状況においても、記憶したデータを保持(バックアップ)することが可能となっている。そして、ぱちんこ遊技機10の電源投入時に、メイン基板102及び払出制御基板103に上述の初期化信号が入力されると、メイン基板102や払出制御基板103でバックアップされていたデータ(バックアップデータ)がクリアされる。ここで、本実施形態においては、前述したとおり、電源投入時の初期化スイッチ544の入力状況と設定キーの入力状況に応じて設定変更状態に遷移するようになっているため、メイン基板は、初期化スイッチ回路部543からの信号と設定キーに係る入力信号とに応じて初期化の有無、初期化の範囲等を決定可能に構成されている。
なお、初期化スイッチ544を、メイン基板102用のものと、払出制御基板103用のものとに分け、バックアップされていたデータのクリアを、メイン基板102と払出制御基板103とで別々に行うようにしてもよい。また、例えば、電源立ち上げの際に、初期化スイッチ544を操作すると、メイン基板102用のバックアップデータと、払出制御基板103の一部のバックアップデータとがクリアされ、払出制御基板103に付加された払出用の初期化スイッチ(図示略)を更に操作すると、払出制御基板103の残りのバックアップデータがクリアされる、といった構成も採用することが可能である。
上述のように、メイン基板102におけるRWM503は、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後においても、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。つまり、RWM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリア(図示略)の他に、バックアップエリア503aが設けられている。このバックアップエリア503aは、停電(瞬間的な電圧降下による停電である所謂瞬停を含む)などの発生により電源が遮断された場合(電断が生じた場合)において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。そして、通常の電源立ち上げや、停電の解消に伴い、メイン基板102等の状態が、バックアップエリア503aの情報に基づいて、電源遮断前の状態に戻される。ここで、電源の遮断に関して、以下では「電断」のほかに「電源断」と称する場合があるが、いずれも同様の意味を有している。
バックアップエリア503aへの書き込みは、電源断処理(後述する)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時の電源投入時処理(後述する)において実行される。バックアップエリア503aとしては、CPU501に対して外付けされ、バックアップ電源の接続がされたRWM(外部RWM)を利用することが可能である。
また、払出制御基板103におけるRWM513についても、メイン基板102のRWM503と同様に、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後において、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。つまり、払出制御基板103のRWM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリア(図示略)の他に、バックアップエリア513aが設けられている。このバックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合(電断が生じた場合)において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。そして、通常の電源立ち上げや、停電の解消に伴い、払出制御基板103の状態が、バックアップエリア513aの情報に基づいて、電源遮断前の状態に戻される。
バックアップエリア513aへの書き込みは、払出制御基板103における電源断処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時の、払出制御基板103における電源投入時処理(制御開始処理)において実行される。バックアップエリア513aとしては、メイン基板102の場合と同様に、CPU511に対して外付けされ、バックアップ電源の接続がされたRWM(外部RWM)を利用することが可能である。
前述のメイン基板102には、上述のような停電等による電源遮断を監視する停電監視回路部506が設けられている。この停電監視回路部506は、停電等の発生による電源遮断時に、メイン基板102のCPU501や、払出制御基板103のCPU511に、停電信号(電断信号)を出力する。より具体的には、停電監視回路部506は、電源基板251の電源部541から出力される最大電圧である直流安定(例えば30ボルト)の電圧を監視し、この電圧が所定電圧未満になった場合に、停電(電源遮断)の発生を検知して、上述の電断信号を出力する。このような電断信号の入力に基づき、メイン基板102のCPU501、及び、払出制御基板103のCPU511は、所定の電源断処理を実行する。
なお、メイン基板102等における電気的特性は、直流安定電圧が、電断信号の出力が行われる所定電圧未満になった後においても、電源断処理などの所定の処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力が正常値に維持されるよう構成されている。
また、本実施例においては図4中に示すように、電源基板の出力が、払出制御基板103を介して、メイン基板102に供給されるようになっている。しかし、これに限らず、例えば、電源基板の出力が、メイン基板102を介して払出制御基板103に供給されるようにしたり、メイン基板102と払出制御基板103とに別系統で個別に供給されるようにしてもよい。
また、前述の停電監視回路部506は、メイン基板102以外の部位に配置することも可能である。例えば、電源基板251上に停電監視回路部506を形成して、電源基板251上において停電監視回路部506から各基板へ電断信号を入力してもよい。また、メイン基板102から払出制御基板103への電断信号の入力を省略することも可能である。更に、電源基板251の機能を、メイン基板102が発揮できるようにしてもよい。この場合、電源部541をメイン基板102上に形成することなどが考えられる。
更に、停電監視回路部506を払出制御基板103に設け、払出制御基板103とメイン基板102の各々で、電断信号の出力と、電断信号に基づく電源断処理を行うようにしてもよい。また、メイン基板102と払出制御基板103のうち、払出制御基板103のみに停電監視回路部506を設け、電断信号を、払出制御基板103からメイン基板102へ送信するようにしてもよい。
ここで、前述のメインCPU501や払出CPU511などには、NMI(ノンマスカブル割込み)端子が備えられている。また、前述の電源断処理の実行の契機としては、メインCPUのNMI端子に電圧低下を示す電源断信号が入力されたことに基づきノンマスカブル割込み(NMI)を発生させるハードウェア的なものと、タイマ設定に基づく周期的な割込処理で、電圧低下が検知された際に立てた電源断フラグを確認して行うソフトウェア的なものなどがある。
本実施例においては、NMIによるハードウェア的な契機に基づき電源断処理が行われるようになっている。そして、NMI端子への信号入力は、例えば、停電監視回路部506からの電断信号をNMI端子に入力することにより行うことが可能である。ここで、NMI端子への信号入力は、停電監視回路部506から電断信号が出力された場合のほか、NMI端子に繋がる信号線へのノイズの混入などによっても生じ得るものである。なお、電源断処理への移行は、ソフトウェア的な手法に基づき行うことも可能である。また、NMI端子に入力される電源断信号に基づき、電源断フラグを設定し、電源断処理の実行契機とすることも可能である。なお、ここではメイン基板102と払出制御基板103でデータバックアップを行っているが、これに限らず、例えばサブメイン基板301で記憶エリアのデータバックアップが行われるようにし、サブメイン基板301において、メイン基板102又は払出制御基板103と同様にデータバックアップを行うようにすることも可能である。
次に、メイン基板102における基本的な機能について説明する。本実施例のメイン基板102は、前述した各構成(図4参照)の働きにより、例えば、入球判定、抽選、コマンド送信などの各種の機能を果たす。
図6中には、メイン基板102、サブメイン基板301、及び、サブサブ基板302の各々における代表的な機能的手段を示している。これらのうち、メイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段111、第2抽選手段112、普図抽選手段113、保留制御手段114、メイン表示制御手段115、特別遊技制御手段116、特定遊技制御手段117、開閉制御手段118、事前情報通知手段119、メインコマンド送信手段120等を備えている。そして、メイン基板102は、これらの機能的手段により、以下に順に説明するように、特別図柄に関する抽選、普通図柄に関する抽選、保留制御、主制御表示、特別遊技、特定遊技、開閉制御、事前情報通知等を実行する。
上述の入球判定手段110は、各入賞口(作動口、各種始動入賞口、大入賞口、一般入賞口、アウト口など)への遊技球の入球を各入賞口に設けられたセンサ類から出力される信号をもとに判定する。
<<特別図柄に係る当否抽選機能>>
前述の第1抽選手段111は、第1−1始動入賞口62Aや第1−2始動入賞口62Bへの入球に基づき第1抽選を実行する。第1抽選手段111は、第1抽選値取得手段121、第1当否判定手段122、第1図柄決定手段123、第1パターン決定手段124の機能を有している。第1抽選の結果は、前述の主制御表示装置53(図7参照)の第1特別図柄表示部70において、停止表示された第1特別図柄により表される。
同様に、前述の第2抽選手段112は、第2始動入賞口63への入球に基づき第2の抽選を実行する。第2抽選手段112は、第2抽選値取得手段125、第2当否判定手段126、第2図柄決定手段127、第2パターン決定手段128の機能を有している。第2の抽選の結果は、前述の主制御表示装置53の第2特別図柄表示部71において、停止表示された第2特別図柄により表される。
前述の第1抽選手段111に備えられた第1抽選値取得手段121は、第1−1始動入賞口62Aや第1−2始動入賞口62Bへの入球を契機に、第1抽選に係る大当り乱数の値を、第1当否抽選値として取得する。また、前述の第2抽選手段112に備えられた第2抽選値取得手段125は、第2始動入賞口63への入球を契機に、第2抽選に係る大当り乱数の値を、第2当否抽選値として取得する。
なお、本実施例では、第1当否抽選値として取得される大当り乱数、及び、第2当否抽選値として取得される大当り乱数は、ハードウェア乱数(ハード乱数)とソフトウェア乱数(ソフト乱数)とを用いた演算(加算)により生成されている。ハードウェア乱数としては、例えば16ビット用の乱数回路で生成される内蔵乱数を利用し、ソフトウェア乱数としては、ソフトウェアにおける乱数生成プログラムにより割込毎に更新される値を利用する。なお、ハードウェア乱数とソフトウェア乱数のうちのいずれか一方を使用するものであってもよい。
第1抽選手段111における第1当否判定手段122は、第1当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第1当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。同様に、第2抽選手段112における第2当否判定手段126は、上述の第2当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第2当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。第1当否判定手段122及び第2当否判定手段126による当否判定では、第1当否抽選値や第2当否抽選値と、大当り抽選の抽選結果との対応を定めた当否判定テーブル(例えば図9(a))が用いられる。ここで、図9(a)中に示す、通常時確変時大当りとは、常に大当りとなる乱数値範囲を示すものであり、確変時大当りとは、確変時のみ大当りとなる乱数値範囲であることを示している。
第1抽選手段111における第1図柄決定手段123や第2抽選手段112における第2図柄決定手段127は、第1特別図柄または第2特別図柄に係る大当り抽選でいずれかの大当りに当選した場合における、特別図柄の種類を、大当り図柄判定テーブル(図10参照)に基づき決定する。第1抽選用の大当り図柄判定テーブルは、図柄決定に係る乱数値(図柄乱数)である図柄抽選値と、特別図柄の種類との関係を規定している。なお、本実施例においては、前述したように「特定入球口」への入賞(V入賞)を確率変動(確変)の作動条件としていることから、図中の「確変」は大当り遊技中に有効なV入賞が容易となる種類の大当りであることを示しており、「通常」は大当り遊技中に有効なV入賞が困難となる種類の大当りであることを示している。またV入賞が「容易」であるとは、大当り遊技中に大入賞口へ向けて発射を継続した場合に、高確率(本実施例ではイレギュラーな場合を除いてほぼ100%)でV入賞する設計を想定したものである。
ここで、図柄抽選値は、特別図柄に係る「特別図柄当り図柄乱数」や「図柄乱数」などとも称する場合がある。また、本実施例では、当たりの種類に小当りが含まれており、第1図柄決定手段123および第2図柄決定手段127は、特別図柄に係る大当り抽選で小当りに当選した場合における、特別図柄の種類を、小当り図柄判定テーブル(不図示)に基づき決定する。
図柄抽選値は、前述の当否抽選値と同様に、始動入賞口への入球を契機に取得されるものである。また、特別図柄の種類は、当りの種類に対応付けられており、取得された図柄抽選値に紐付いて、大当りの種類や小当りの有無が定まるようになっている。
第1抽選手段111における第1パターン決定手段124や第2抽選手段112における第2パターン決定手段128は、それぞれに対応する特別図柄表示部における特別図柄の変動パターンを、特図変動パターンテーブルに基づき決定する。特図変動パターンテーブルは、多数の特図変動パターンと、特別図柄の変動パターン決定に係る乱数値(変動パターン乱数)であるパターン抽選値との関係を規定している。
パターン抽選値は、前述の当否抽選値と同様に、始動入賞口への入球を契機に取得されるものである。更に、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る変動パターンは、例えば、大当り時、はずれ時、リーチの有無、時短の有無、保留数、大当り後の変動回数などといった各種の遊技状況に応じて相違した複数の特図変動パターンテーブルが設けられている。
特別図柄に係る変動パターン(特図変動パターン)は、特別図柄の変動表示における、変動開始から停止までの時間(変動時間)を定めている。そして、特図変動パターンは、その種類によって、例えば1秒以下から数十秒度のように、長短様々な変動時間を規定している。すなわち、各特図変動パターンには、変動表示の終了条件として変動時間が定められており、前述の第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71(図7参照)においては、特別図柄の変動表示が開始されて、規定された変動時間が経過すると、特別図柄が停止表示される。
時短時に選択対象となる特図変動パターンの多くについては、非時短時に選択対象となる特図変動パターンよりも、相対的に変動時間が短く設定されているものであって、言い換えると、時短時に選択される変動時間の1変動当りの平均値が、非時短時に選択される変動時間の1変動当りの平均値よりも短いものであるといえる。また、時短(時短遊技)については、特別図柄の変動効率が高い遊技状態(1変動に係る時間が短い状態)であるといえる。しかし、非時短時で、且つ、保留数が4個の場合に選択対象となり得る特図変動パターンには、時短時の特定の特図変動パターンに比べて、変動時間の短いものが含まれている。
また、本実施例においては、確変時等の所定の状況で選択される変動パターンは、極短い変動時間(例えば0.6秒程度)のものが大半を占めるようになっている。そして、このような状況においては、極短い時間の変動パターンに基づき、特別図柄の変動表示や、これに伴う演出が実行されるようになっている。
<<特別図柄に係る当否乱数と設定値との関係>>
続いて、特別図柄に係る当否乱数と設定値との関係について説明する。なお、ここでは図9と図12を用いて説明を行うが、図9の当否乱数と、図12の当否乱数の数値は厳密には一致していない。これは、図9はぱちんこ遊技機10の当否乱数を可能な限り具体的に示したものであるが、図12は、設定値により遊技者の有利度合を変更できるようにした場合における一般的な構成の事例を示したものであるからである。このため、図9の例と図12の例とでは、図12の例が特図1に小当りを含んでいたり、図12の大当り確率(通常時及び確変時)の数値がぱちんこ遊技機10のもの(図9のもの)と対応していなかったりといった相違がある。しかし、設定値が変わると大当り確率が異なるという点を表す意味では十分と考え、一般的な例を示した図12を用いて当否乱数と設定値との説明を行っている。
図9(a)は、本実施例における設定値「1」〜「6」のうち、設定値「1」についての当否乱数を示している。図9(a)に示す設定値「1」の当否乱数テーブルに関しては、第1抽選及び第2抽選のいずれについても、乱数値範囲「0〜65535」のうち、通常(確率)時の大当り値は「0〜297」となっている。第1抽選については、乱数値範囲「960〜64875」は、はずれ値となっており、第2抽選値については、乱数値範囲「960〜64875」は、小当り値となっている。
また、高確率時(確変時)には、第1抽選及び第2抽選のいずれについても、前述の通常時の大当り値である「0〜297」と確変時の大当り値である「298〜959」が大当り値となり、通常時には、第1抽選及び第2抽選のいずれについても、「298〜959」がはずれ値となる。また、第1抽選について、乱数値範囲「64876〜65535」は、はずれ値となっており、第2抽選については、乱数値範囲「64876〜65535」は、小当り値となっている。なお、第2の抽選として、必ずはずれ値となる乱数値を限られた少ない置数(例えば置数範囲「65」(この場合は確率値が約1/1000となる)等)で設定してもよく、更に、必ずはずれ値となる確率(置数範囲)を設定毎に異ならせてもよい。
図12は、設定値ごとの当り値を一覧表にまとめて示すものである。これらのうち設定値「1」については、図9(a)とは異なるが、「0〜205」が通常時の大当り値となっている。このため、乱数値の個数は206となり、通常時の大当り確率は1/318(≒206/65536)となっている。これに対し、設定値「2」については、通常時の大当り値は「0〜206」としている。このため、乱数値の個数は207となり、通常時の大当り確率は1/317(≒207/65536)となっている。
更に、設定値「3」については、通常時の大当り値は「0〜207」となっている。そして、乱数値の個数は208となり、通常時の大当り確率は1/315(≒208/65536)となっている。設定値「4」については、通常時の大当り値は「0〜208」となっている。そして、乱数値の個数は209となり、通常時の大当り確率は1/314(≒209/65536)となっている。
また、設定値「5」については、通常時の大当り値は「0〜209」、となっている。そして、乱数値の個数は210となり、通常時の大当り確率は1/312(≒208/65536)となっている。設定値「6」については、通常時の大当り値は「0〜210」となっている。そして、乱数値の個数は211となり、通常時の大当り確率は1/311(≒211/65536)としている。このように、設定値の数値が大きくなるほど大当り確率が高くなるよう、大当り値の範囲が決められている。
高確率時に関しては、設定値「1」に大当り値は「0〜615」であり、大当り確率は1/106である。設定値「2」〜「6」については、大当り値は順に、「0〜618」、「0〜621」、「0〜624」、「0〜627」、「0〜630」となっており、概ねの大当り確率は順に、「1/106」、「1/105」、「1/105」、「1/104」、「1/104」となっている。
ここで、概ねの大当り確率が「1/105」や「1/104」のように同じ値を含んでいるように説明したのは、小数点の数字をまるめて大当り確率を表記したためである。本実施形態では、設定値の数値が大きくなるほど大当り確率が高くなるよう、大当り値の範囲が決められている。また、低確率時と高確率時との確率の倍率は、全ての設定値で「3倍」となっており共通である。
小当りについては、通常時及び高確率時のいずれも、設定値に関わらず、乱数値範囲が「64876〜65535」となっている。このため、小当りの発生確率は、確率状態や設定値に関わらず、いずれも1/99となっている。更に、図12の例では、出玉率の設計値は、設定値「1」〜「6」についてそれぞれ、97%、98%、99%、100%、101%、102%となっている。
なお、図9(a)や図12の例では、数値範囲の最小値である「0」を大当り値としているが、これに限らず、「0」を大当り値から除外してもよい。このようにすることで、例えば電源のリセットなどによって更新される当否乱数値を意図的に最小値にするような不正が行われた場合に備えた不正防止を図ることができる。更に、「0」を小当りに割り当てないことや、最大値(ここでは「65535」)を大当りや小当りに割り当てないようにすることが可能である。
なお、本実施例では、図9(a)や図12に示す当否乱数を用いて行われる当否抽選結果について事前判定(所謂先読み)が行われるが、当否抽選結果の事前判定については、図13(a)、(b)に基づき後述する。
<<普通図柄に係る各種抽選機能>>
続いて、前述の普図抽選手段113について説明する。この普図抽選手段113は、普図抽選値取得手段129、普図当否判定手段130、普図図柄決定手段131、普図パターン決定手段132を有している。そして、普図抽選手段113は、前述の入球判定手段110により、作動口68における遊技球の通過が検出されると、この検出結果に基づき、普通図柄に係る抽選(普図抽選)を実行する。
この普図抽選においては、普図抽選値取得手段129により、普通図柄に係る乱数(普図図柄乱数)である普図抽選値が取得され、普図図柄決定手段131により、普図判定テーブルが参照される。この普図判定テーブルには、普図抽選値と、普通図柄の種類との対応関係が定められている。そして、普図当否判定手段130により、普図抽選値に紐付けられた普通図柄が、当りに該当するものであるか否かが判定され、当りに該当する場合には、当たりの種類が判定される。
また、作動口68への入球を契機に普図パターン抽選値が取得され、取得した普図パターン抽選値を用いて普図パターン決定手段132により、普通図柄に係る変動パターン(普図変動パターン)が決定される。各普図変動パターンは、普図変動パターンに係る乱数(普図変動パターン乱数)である普図パターン抽選値と対応付けられており、取得された普図パターン抽選値に紐付いて、遊技の状況に応じた普図変動パターンが定まるようになっている。
更に、本実施例では、普通図柄に係る乱数である普図抽選値、及び、普図パターン抽選値は、ソフトウェア乱数のみを用いて作成されている。
<<特別図柄の保留に関する機能>>
続いて、前述の保留制御手段114について説明する。保留制御手段114は、第1保留手段133、第2保留手段134、普図保留手段135を有している。これらのうち第1保留手段133は、新たに第1−1始動入賞口62Aや第1−2始動入賞口62Bへの入球があった場合に、第1特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第1当否抽選値、第1図柄抽選値など)に係る情報(第1特図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。本実施例では、第1特別図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、第1特別図柄に係る保留が可能となっている。
上述の入球があった際に実行されていた第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が終了し、更に、上述の入球よりも前に発生した第1特別図柄又は第2特別図柄に係る保留が存在しない場合には、第1特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第1特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。
前述の第2保留手段134についても、新たに第2始動入賞口63への入球があった場合に、第2特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第2当否抽選値、第2図柄抽選値など)に係る情報を、一時的に保留記憶する。
上述の入球があった際に実行されていた第2特別図柄の変動表示が終了した場合には、第2特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第2特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。なお、本実施例では、第2特別図柄に係る保留の上限値は、第1特別図柄と同様に4個に設定されている。
上述の第1特別図柄、および第2特別図柄は、特別遊技を開始する図柄が停止して特別遊技に制御された場合は、特別遊技が終了した後に変動開始条件を判定する。
<<普通図柄の保留に関する機能>>
続いて、前述の普図保留手段135について説明する。普図保留手段135は、作動口68(図1参照)における入球があった場合に、普通図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された乱数(普図抽選値など)に係る情報(普図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。そして、変動開始条件が成立するまで、上述の入球に係る普通図柄の変動表示を許可しない。なお、本実施例では、普通図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、普通図柄に係る保留が可能となっている。
上述の入球があった際に実行されていた普通図柄の変動表示が終了し、普通電動役物が作動していない場合に、普通図柄に係る変動開始条件が成立し、普通図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。
<<主制御表示に関する機能>>
続いて、前述のメイン表示制御手段115について説明する。メイン表示制御手段115は、第1特図制御手段136、第2特図制御手段137、普図制御手段138、保留表示制御手段139、及び、その他表示制御手段140を有している。これらのうち第1特図制御手段136は、第1抽選手段111により決定された第1特別図柄の変動パターンに従い、第1特別図柄表示部70(図7参照)で、第1特別図柄の変動表示(例えば、所定の一部のLED表示灯を100msec毎に点滅させる点滅表示)を行う。そして、第1特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第1特別図柄表示部70において、決定された図柄で停止表示する。
更に、第2特図制御手段137は、前述の第2特別図柄に係る変動開始条件が成立していれば、第2抽選手段112により決定された変動パターンに従い、第2特別図柄表示部71(図7参照)で、第2特別図柄の変動表示を行う。そして、第2特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第2特別図柄表示部71において、決定された図柄で停止表示される。
また、普図制御手段138は、前述の普通図柄に係る変動開始条件が成立していれば、普図抽選手段113により決定された普通図柄の変動パターンに従い、普通図柄表示部59(図7参照)で、普通図柄の変動表示を行う。更に、そして、普通図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、普通図柄表示部59において、決定された図柄で停止表示される。
更に、保留表示制御手段139は、前述の第1特別図柄、第2特別図柄、及び、普通図柄に係る保留数の表示を行う。そして、これらの保留数の表示は、図7に示す主制御表示装置53の、第1特別図柄記憶表示部83、第2特別図柄記憶表示部84、及び、普通図柄記憶表示部85にて行われる。また、前述のその他表示制御手段140は、上述した第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄、及び、各種保留表示以外の、主制御表示装置53における表示を制御する。
<<特別遊技に関する機能>>
続いて、前述の特別遊技制御手段116について説明する。特別遊技制御手段116は、大当りに当選した場合に、特別図柄が所定の大当り態様で停止されると、特別遊技作動条件が成立したと判定し、前述のように大当りの種類に応じた所定の態様(予め定められた単位遊技の回数や単位遊技中の大入賞口の開放パターン)で開放させる特別遊技を実行する。
<<特定遊技に関する機能>>
続いて、前述の特定遊技制御手段117について説明する。特定遊技制御手段117は、前述の確変や時短等に係る制御を行う。特定遊技制御手段117は、大当りの種類や大当り中の遊技結果に応じて、その特別遊技の終了後の遊技状態を、確変状態や時短状態等へ移行させる。本実施例では、確変状態は、大当り中にV入賞すれば、特定遊技状態として設定され得るものである。確変状態となった場合には、確変状態が次回の大当りまで継続する。確変状態の間は、第1抽選手段111や第2抽選手段112による大当りの当選確率が、非確変時である通常時よりも高い値のまま維持される。なお、本実施例においては、確変状態にて10000回の特別図柄の変動が行われると確変状態が終了するものである(図28参照)が、遊技者が遊技をする場合において、10000回の遊技結果を得るまでに大当りとならないことがほぼ無いに等しいことから「次回の大当りまで継続」するものと称している。
また、時短状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示回数の合計が、特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数(例えば20回、40回、100回、10000回など)に達するまで継続される。詳細は後述するが、特別遊技(大当り遊技)中の遊技結果(V入賞の有無)によっても設定される時短状態の終了タイミングが異なり得る。更に、時短中は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示時間が、通常状態よりも概ね短くなるよう、第1パターン決定手段124や第2パターン決定手段128が、時短用の変動パターンを選択する。
更に、前述のように、特定遊技として時短が実行されるときに合わせて入球容易化遊技(電チューサポート)が実行され、普通電動役物の作動が容易になり、第1−2始動入賞口62Bの入り口に配置された開閉扉91が開放しやすくなる。開閉扉91の開閉制御は、後述する開閉制御手段118により制御される。なお、時短状態と入球容易化遊技の終了タイミングは同期しない場合があってもよく、例えば、時短状態は確変状態と同じタイミングまで継続し、入球容易化状態は特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数(例えば20回、40回、100回、10000回など)に達するまで継続されるように構成することもできる。
<<開閉制御に関する機能>>
続いて、前述の開閉制御手段118について説明する。開閉制御手段118は、第1−2始動入賞口62Bの普通電動役物(開閉扉91)や、大入賞口90の開閉動作を制御する。開閉制御手段118は、普通図柄が特定の態様で停止されると、始動口ソレノイド76に開放指示を送り、第1−2始動入賞口62Bの普通電動役物を開放させる。更に、開閉制御手段118は、特別遊技において、大入賞口(開放)ソレノイド80に開放指示を送るための制御を行い、大入賞口90を開放させる。
<<事前情報通知に関する機能>>
続いて、前述の事前情報通知手段119について説明する。事前情報通知手段119は、第1−1始動入賞口62A、第1−2始動入賞口62B、又は、第2始動入賞口63に入球があった際、その入球に対応する図柄変動表示が保留されるか否かにかかわらず、取得された各種の乱数値に係る情報を、事前通知情報として、サブ基板(ここではサブメイン基板301)へ送信するための処理を行う。
上述の事前通知情報としては、取得した前述の各当否抽選値(第1当否抽選値又は第2当否抽選値)、各図柄抽選値(第1図柄抽選値又は第2図柄抽選値)、各パターン抽選値(第1パターン抽選値又は第2パターン抽選値)が、どのような当否範囲、図柄範囲、パターン範囲に属するものであるのか、といった情報を例示できる。
なお、このような事前通知情報の送信により、サブ基板104の側において、各種の先読み演出が可能となる。そして、先読み演出としては、保留予告や連続予告などを例示できるが、これらの詳細については後述する。
<<コマンド送信に関する機能>>
続いて、前述のメインコマンド送信手段120について説明する。メインコマンド送信手段120は、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンド(メインコマンド)の送信を行う。メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンド送信は、始動入賞時、特別図柄の変動開始時、特別図柄の変動停止時、大当り発生時などの種々のタイミングで、種々の情報を含んで行われる。
<サブ基板の基本機能>
次に、前述のサブ基板104における基本的な機能について説明する。本実施例においてサブ基板104は、サブメイン基板301及びサブサブ基板302により構成されており、メイン基板102からのコマンド受信、演出パターン決定、演出表示制御、演出実行などの各種の機能を果たす。
図6中に示すように、サブメイン基板301は、メインコマンド受信手段141、演出パターン決定手段142、サブメインコマンド送信手段143等を有している。更に、サブメイン基板301は、スピーカ出力等の制御を行うための音制御手段144や、遊技効果ランプ出力等の制御を行う光制御手段145などの機能的手段が備えられている。
演出パターン決定手段142により決定される演出パターンは、演出表示装置60に表示される表示演出や、必要に応じ表示演出と併せて行われる音演出及び光演出を指定する情報を含んでおり、演出図柄190の変動表示中に大当りの期待度の高さを示唆する演出を実行する。ここで、本実施例における「期待度」は、「信頼度」と言い換えることが可能なものである。以下「期待度」については、同種の予告演出のパターンのうち出現したときの変動で大当りとなる期待感を高める演出段階(通常パターン、チャンスアップパターン、確定パターン)について述べるものや、1の演出を発生させる当り変動パターン(当り変動における変動パターン)情報およびはずれ変動パターン情報(はずれ変動における変動パターン)について確認したときに、1の演出に対応する変動パターン中に当り変動パターンが含まれる確率について述べるものの記載それぞれについて使用する場合があり、総じて「期待度が高い演出」とは、当該演出が発生した場合に大当りすることが多い演出のことをいう。
演出パターン決定手段142により演出パターンが決定されると、決定された演出パターンを示す演出パターン情報が、サブメインコマンド送信手段143を介し、サブメインコマンドとして、サブサブ基板302へ送信される。また、サブメイン基板301からサブサブ基板302へ送信されるコマンドには、サブサブ基板のROMから音データやランプデータ等を読み出すために、音情報なども含まれる。
サブサブ基板302には、図6中に示すように、サブメインコマンド受信手段146や演出実行制御手段147などが備えられている。そして、サブサブ基板302においては、演出実行制御手段147により、サブメイン基板301からのサブメインコマンドに基づき、必要な画像データを液晶ユニット42(図4参照)に順次出力し、アニメーション画像を構成して、演出表示装置60において演出用の動画(演出用動画)を表示する。
<特定遊技に係る具体的態様例>
次に、前述した特定遊技の具体的態様について説明する。前述のように特定遊技として、特別図柄の確率変動機能(確変)、特別図柄の変動時間短縮機能(時短)、及び、入球容易化遊技(普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物の開放延長機能の複合、或いは、普通電動役物の開放延長機能の単独)が設けられている。そして、これらの各種特定遊技のうちの少なくともいずれか1つが、大当り抽選の結果(特別図柄の停止表示図柄)や、大当り中の遊技結果に応じて実行される。
<<確率変動遊技>>
上述の確変は、大当り後の特別図柄に係る遊技の確率状態を、通常の確率状態と比べて大当りの発生確率が高くなるように変更するものである。STを採用するぱちんこ遊技機において確変状態の継続期間(確変期間)は、特別図柄の変動回数に基づき決定されている。
特別図柄の変動回数は、特別図柄の変動表示から停止表示までが1回として定まるものである。そして、STにおいて確変期間は、種々に設定が可能であるが、例えば、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(例えば100回)に設定される。このように次回の大当りが発生する前に確変期間が終了し得るようにした機能はSTや回数切り確変などと称することが可能である。また、確変期間を、例えば10000回などのように長大な期間とし、現実的にはST期間中にほぼ必ず大当りが発生するようにすることも可能である。
<<変動時間短縮遊技>>
上述の時短は、前述の主制御表示装置53における特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の変動時間を、通常遊技の場合と比べて、概ね短縮するものである。ここで、「概ね短縮する」とは、全ての場合に通常遊技よりも短縮するとは限らず、一部には、特別図柄の変動時間が通常遊技と同等な場合や、通常遊技よりも長い場合を含み得る、という意味である。そして、この時短によれば、特別図柄の変動時間が短くなることから、連続して始動入賞口(第1−1始動入賞口62A、第1−2始動入賞口62B、及び、第2始動入賞口63)への入賞が発生しても、特別図柄の変動表示及び停止表示を短い間隔で円滑に進めることができ、大当り抽選の機会を多く確保することが可能となる。
更に、時短状態の継続期間(時短期間)は、確変状態と同様に、特別図柄の変動回数に基づき決定されている。そして、本実施例において時短状態は、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(例えば100回)に達するまで継続される。
なお、上述した例では、確変期間と時短期間を同じ期間に設定しているが、確変期間と時短期間を互いに異なる期間としてもよい。例えば、確変期間を104回とし、時短期間を100回とすることなどが可能である。また、時短期間は、一定であることに限定されない。例えば、時短期間を、発生した大当りの種類に応じて、0回、20回、40回、60回、80回、100回などのいずれかとすることなどが可能である。更に、時短期間を、例えば10000回などのように長大な期間とし、現実的には時短中に必ず大当りが発生するようにすることも可能である。
なお、「時短状態」とは、時短状態でない場合と異なる変動パターン抽選の抽選結果の傾向(異なる変動パターン抽選テーブル)を使用する状態となるフラグが成立している状態のことを指すことが一般的であるが、時短状態と非時短状態とで決定される変動表示時間の傾向が逆転する、すなわち非時短状態(通常時用の変動パターン抽選テーブルに基づく抽選を行う状態)の方が時短状態(時短時用の変動パターン抽選テーブルに基づく抽選を行う状態)よりも、変動表示時間が短い変動パターン抽選の結果となる場合もある。さらに、時短状態である場合に、確変状態であるか否か等の他の遊技状態との関係により変動パターン抽選に使用するテーブルが切り替えられるように構成される場合もある。
また、所謂転落抽選の機能を備えることが可能である。この転落抽選としては、以下のようなものを例示できる。例えば、確変や時短が、上述の最大変動回数(ここでは100回)よりも少ない所定の回数(例えば50回)に達した後には、最大変動回数に達するまで毎回の特別図柄の変動毎に、確変や時短を終了させるか否かの抽選(特定遊技終了抽選)が実行される。そして、この特定遊技終了抽選に当選した場合には、確変及び時短を終了させ、次回の変動からの遊技状態が、確変や時短が伴わない通常状態に戻る。
更に、確変と時短の両方を実行することに限らず、特定遊技において、いずれか一方のみを実行することも可能である。例えば、当選した大当りの種類によっては、時短のみが付与され、確変は付与されないようにすることや、時短が付与されず、確変のみが付与されるようにすることなどが可能である。
<<入球容易化遊技>>
続いて、前述の入球容易化遊技について説明する。この入球容易化遊技は、普通電動役物に係る機能を遊技者に有利に設定し、第1−2始動入賞口62Bの開放態様が通常よりも遊技球を受け入れ易くなり得るようにする遊技状態である。入球容易化遊技が実行された場合には、普通図柄に係る時短、普通図柄に係る確率変動、普通電動役物に係る開放延長などの制御態様や、これらの制御態様の組合せにより、第1−2始動入賞口62Bへの入球容易性が高められ、入球容易状態が形成される。この「入球容易化遊技」や前述の「ベース」、「電サポ」等に関係して、以下では「高ベース」、「高ベース状態」、「低ベース」、「低ベース状態」、「非電サポ」等の用語が用いられている。以下において、「低ベース状態」は「非電サポ状態」に対応しており、「高ベース状態」は「電サポ状態」に対応している。
普通図柄における上述の各種の制御態様のうち、普通図柄に係る時短は、普通図柄の変動時間が通常状態よりも短縮される制御態様であり、普通図柄に係る確率変動は、普通図柄の当選確率を通常状態よりも向上させる制御態様(普通図柄に係る確変)である。更に、普通電動役物に係る開放延長は、第1−2始動入賞口62Bの開放時間を、通常時(非特定遊技時)の開放(ショート開放)よりも長く開放(ロング開放)を行う制御態様である。
上述のように、特定遊技中の入球容易化遊技は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物の開放延長等の機能を用いて第1−2始動入賞口62Bへの入球容易性を高める。しかし、これに限定されず、これら3つの機能のうち、1つ又は2つの機能を用いて第1−2始動入賞口62Bへの入球容易性を高める構成としてもよい。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間との切り替えを、遊技状態に応じて行う構成としてもよい。また、入球容易化遊技でない場合において、開放抽選の当選確率を0とし、普通電動役物の開放が一切行われない態様を採用することもできる。
このような入球容易化遊技の継続期間は、特別図柄に係る時短期間に基づいて決定することが可能である。例えば、特別図柄に係る時短中は入球容易化遊技を継続し、特別図柄に係る時短が終了すると入球容易化遊技が終了する、といった制御態様の採用が可能である。そして、このようにした場合は、特別図柄の時短が終了した以降に図柄変動が開始される普通図柄の変動パターン(普図変動パターン)は、通常時(非特定遊技時)のために設けられた変動パターンの中から決定されるようにすることが可能である。
また、入球容易化遊技の期間を、時短期間とは異なる期間とすることも可能である。更に、入球容易化遊技の期間を、例えば10000回などのように長大な期間とし、現実的には入球容易化遊技期間中にほぼ必ず大当りが発生するようにすることも可能である。
<ぱちんこ遊技機における主な演出>
<<演出図柄の基本的表示態様>>
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンドに基づき、サブメイン基板301及びサブサブ基板302によって実行される各種の演出について、主要なものを説明する。そして、ここでは先ず、前述の演出図柄190(図8(a)、(b)参照)の基本的な表示態様について説明する。なお、演出図柄190については、その種類、機能、用途、他の演出表示との連携などの事項に関して、極めて多様な表示態様や制御態様が定められている。しかし、ここでは説明が煩雑になるのを避けるため基本的な事項について説明し、演出図柄190に係るより詳細な事項については適宜後述する。
演出図柄190は、主制御表示装置53において特別図柄が変動表示されることに伴って、演出表示装置60上において変動表示される(図8(a)参照)。更に、演出図柄190は、主制御表示装置53において特別図柄が停止表示されることに伴って、演出表示装置60上において停止表示(図8(b)参照)される。
演出図柄190の停止に伴い表示される停止図柄は、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cの3つの図柄の組合せにより構成される。そして、メイン基板102における大当り抽選の結果が大当りとなった場合には、例えば「777」や「555」のように、3つの図柄が揃ったぞろ目の組合せが、大当りを表す停止図柄として表示される。また、大当り抽選の結果がはずれであった場合には、例えば「767」、「928」、「331」などのように、1部又は全ての演出図柄が他の演出図柄と異なる組合せで、演出図柄190が停止表示される。
ここで、本実施例における「停止図柄」や「図柄の停止」は、3つの演出図柄190が「確定停止」していることを意味している。すなわち、3つの演出図柄190a〜190cが、演出表示装置60の表示領域194において、例えば「767」や「928」などの組合せを保った状態で表示されていたとしても、それだけでは「確定停止」したことには該当しない。そして、このように演出図柄190が、組合せを保ちつつ「確定停止」に至っていない状態を、「仮停止」の状態と称することが可能である。
このような「仮停止」の表示態様としては、例えば、演出図柄190が小刻みに振動している(揺れている)状態を例示できる。そして、演出図柄190が組合せを維持したまま小刻みに揺れているような仮停止の態様を、「揺れ変動」の態様などと称することが可能である。この「仮停止」における演出図柄190の揺れの態様としては、縦又は横の直線移動や水平方向の回転移動などを例示でき、移動範囲としては数ミリ程度を例示できる。
また、上述の「確定停止」の表示態様としては、仮停止の状態を経て、全ての演出図柄190a〜190cが組合せを保ったまま停止した状態を例示できる。更に、この「確定停止」の際に、確定停止されたことを示す演出を行うことが可能である。そして、確定表示されたことを示す演出としては、確定停止の状態を所定時間(例えば1秒程度)維持することや、確定停止された各演出図柄190a〜190cを、特殊効果が付加された状態で表示すること(図柄エフェクト)やセンター飾り64に設けられたLED(ランプ)を点灯させる等を例示できる。
このように仮停止(仮停止表示)の演出を行うことで、1回の変動中に複数回の変動を実行しているようにみせることができる。また、仮停止の演出により、遊技者に対し、確定停止するか否か(換言すると、確定停止せずに再変動するか、確定停止して当りとなるか、確定停止してはずれとなるか等)の期待を煽ることが可能となる。
ここで、図柄エフェクトとしては、各演出図柄190a〜190cを瞬間的(例えば0.5秒程度)に限り光らせる、各演出図柄190a〜190cの周りに輝点を1回或いは複数回周回させる、演出図柄190a〜190cを拡大又は縮小する、演出図柄190a〜190cを数ミリ程度移動させて元の位置に戻す、などといった種々の態様を採用することが可能である。
また、前述の「リーチ」の表示態様において、リーチの組合せを保った演出図柄が、前述の「仮停止」の態様で表示される場合がある。そして、この「仮停止」によるリーチ表示の後に、変動表示されていた図柄(ここでは中演出図柄190b)が、はずれの組合せ(はずれリーチの組合せ)を構成して「仮停止」し、組合せを保ったまま「確定停止」が行われて変動表示が終了する、といった演出を例示することができる。また、3つの演出図柄190a〜190cが、はずれリーチの組合せによる「仮停止」を行っている状態から、所定のカットイン画像の表示(カットイン演出)を経て、中演出図柄190bが変動を再開して、リーチ演出が高信頼度のもの(大当りに係る信頼度が相対的に高いもの)に発展する、といった演出(後半リーチ)も例示できる。
なお、演出図柄190のスクロール表示の態様としては、上述の縦スクロールに限定されるものではなく、種々の表示態様を採用することが可能である。そして、他の表示態様としては、例えば、横方向(右から左など)への横スクロール態様や、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、個々に、鉛直軸まわりに回転(自転)させて、変動表示を行う回転態様を例示できる。また、例えば、左演出図柄190aから右演出図柄190cが、表示領域194中で、後方から前方、即ち画面の奥から手前に向って、直線軌道或いは曲線(旋回)軌道に沿って、拡大されながら順次繰り出される、といった表示態様も例示できる。更に、後方から前方へ向う演出図柄が、上方から下方手前へ降りてくる、といったスクロール表示の態様を採用することも可能である。
また、スクロールの態様は、前述したような各種の態様のいずれか1つを採用することに限らず、例えば、所定の演出が実行される場合に、所定のスクロール態様から他のスクロール態様に切り替えることなども可能である。また、複数の演出モードについて、演出モード毎に、スクロール態様を異ならせることなども可能である。
更に、大当りを確定的に報知するスクロール態様として、全回転演出が行われる場合がある。この全回転演出では、演出図柄190a〜190c等の装飾図柄が、揃ったまま、低速でスクロール変動する。
また、リーチの発生時に、音出力として、リーチボイスの出力が可能となっている。このリーチボイスは、リーチが成立した際又はリーチが成立して所定時間(例えば1秒)経過後に発生するサウンドによって、当り期待度等を示唆する予告である。このリーチボイスの実行により、リーチとなった際に、画像表示や役物可動等と複合して当り期待度等を示唆することができる。
また、図8(a)、(b)においては、演出図柄190の組合せが、表示領域194の上下方向の中段でのみ停止表示される表示態様が例示されており、有効ラインは、横方向の1ラインのみとなっている。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、有効ラインの数を2ラインや5ラインとすることなども可能である。
更に、演出図柄190は、図8(b)に例示するように、数字などの所定の記号を意味する部分(前述の記号要素演出図柄である要素図柄)と、所定の記号以外を表す絵柄からなる部分(非記号要素演出図柄である要素図柄)との組合せにより構成することが可能である。そして、所定の記号以外を表す絵柄からなる部分としては、各種のデザイン画や人物画、及び、これらの組合せ等を例示でき、更に、記号に組合される各種のデザイン画や人物画を、動画とすることも可能である。図8(b)の例では、所定の記号以外を表す絵柄としてハートの絵柄が採用されている。
更に、図8(a)、(b)に示す例では、前述した縮小演出図柄表示領域361が画面中に重畳されている。この縮小演出図柄表示領域361は、各演出図柄190a〜190cに対応する演出用の図柄(「ミニ演出図柄」や「ミニ図柄」などとも称する)を、各演出図柄190a〜190cよりも小さいサイズで示すことができるものである。縮小演出図柄表示領域361にミニ図柄を表示することで、各演出図柄190a〜190cが変動中であるか否かの状況や、各演出図柄190a〜190cの停止時の状況(仮停止時の状況を含んでいてもよい)を、各演出図柄190a〜190cとは別に目立たないよう示すことができる。
また、縮小演出図柄表示領域361の表示を行うことで、演出図柄190a〜190cに係る演出パターンとして透明度が上がり遊技者に視認できなくなるようなものを設けて演出を多様化したとしても、演出図柄190a〜190cの状況を遊技者に示すことが可能である。例えば、画面全体を覆うような背景予告演出(背景に特定のキャラクタが大きく表示される大当り期待度が高い演出)などを行う場合、この背景予告演出を演出図柄190a〜190cよりも優先して表示したい、つまり遊技者に見てもらいため、演出図柄190a〜190cの透明度を上げることで、背景予告演出の視認性を大きく下げることはなく、それでいて縮小演出図柄表示領域361の表示があるからこそ、変動状況や停止状況などを把握することができる。ここで、縮小演出図柄表示領域361にミニ図柄は、演出図柄190a〜190cに合わせた3桁の表示に限らず、例えば2桁や1桁等であってもよく、記号や漢数字等で表現されてもよい。また、縮小演出図柄表示領域361において、特図1および特図2の2つのミニ図柄が同時に表示されるものでもよいし、遊技状態の主体である特別図柄に対応するミニ図柄のみ表示される構成であってもよい。
更に、このような縮小演出図柄表示領域361に加えて、各演出図柄190a〜190cが変動中であるか否かや、特図1及び特図2のうちのどちらの表示を行っているかを、例えば小型な1桁の数字の違いによって示す図柄の表示を、目立たないように行うことも可能である。このような図柄は、「保障図柄」や「保障図柄」等と称することが可能なものである。この保障図柄の表示位置は、可動演出部材が単数又は複数で演出表示装置60の前に出現した際でも隠れないような位置とすることが可能である。更に、保障図柄の表示は、いずれの可動演出部材が登場しても隠れない位置を設けてその位置に行うことや、登場する可動演出部材に合わせて変更することなどが可能である。
<<演出パターンの例示>>
続いて、前述の演出パターンについて説明する。演出パターンは、メイン基板102で決定される変動パターンに関連付けられた状態で多数設けられている。更に、演出パターンには、演出図柄190を含む演出の態様が規定されている。より具体的には、演出パターンには、選択された演出図柄190に対する変動開始から変動停止までの変動過程や、演出図柄190と組合せて表示される背景及びストーリー展開などといった演出過程が定義されている。そして、演出パターンには、前述の「リーチあり」や「リーチなし」に対応したものがある。
これらのうち、「リーチあり」の演出パターンが実行される場合は、あと1つの演出図柄(ここでは中演出図柄190b)が揃えば大当りとなるリーチ演出が、演出表示装置60において行われる。そして、特別図柄に係る当否抽選の結果が大当りである場合には、大当りの種類に応じた「777」や「333」などのぞろ目の表示が、確定停止した演出図柄190によって行われる。また、特別図柄に係る当否抽選の結果がはずれである場合には、例えば「767」や「515」などのはずれを示す組合せが、確定停止した演出図柄190によって行われる。
更に、「リーチなし」の演出パターンが実行される場合は、例えば「928」や「331」などのように、左演出図柄190aと右演出図柄190cがリーチの組合せとならないリーチなしの組合せが、確定停止した演出図柄190によって行われる。
これらの演出パターンには、長短様々な変動時間をもつものがあり、特に、「リーチあり」の変動パターンには、変動時間が数分に及ぶようなものも含まれている。なお、本実施例では、前述した特別図柄に係る変動パターン(図11(a)〜(c)参照)における、「リーチなし(3秒〜10秒程度)」、「ノーマルリーチ(10秒〜20秒程度)」、「スーパーリーチ(大当り信頼度の高いリーチ)(30秒〜2分程度)」に対応した、リーチなしの演出パターン、ノーマルリーチの演出パターン、スーパーリーチの演出パターンが設けられている。そして、これらの演出パターンには、例えば、1つの変動パターンに対して複数の演出パターンが関連付けられており、演出パターン数は、前述の変動パターンよりも多岐に亘っている。更に、「スーパーリーチ」は、「SP(スペシャル)リーチ」と言い換えることが可能なものである。
<<特別図柄に係る保留演出表示>>
次に、演出表示装置60において行われる特別図柄に係る保留表示(保留演出表示)について説明する。演出表示装置60の表示領域194の下部には、図8(a)、(b)中に示すように、第1遊技における当否抽選値の保留数を示す第1保留数表示部196と、第2遊技における当否抽選値の保留数を示す第2保留数表示部197とが表示される。なお、以下では、第1保留数表示部196と第2保留数表示部197の機能の区別を明確にするため、両方を画面中に出現させた状態を例示しているが、そのときの遊技状態で標準となる特別図柄に係る保留数表示部のみを画面中に出現させることが可能である。また、ここでは説明や図示を簡略化するため、個々の保留表示を真円によって表しているが、保留表示を、その他の形状や色彩の組み合わせ、キャラクタ画像、アニメーション等により行ってもよい。
本実施例においては、第1遊技に係る保留が発生すると、上述の第1保留数表示部196に所定の保留表示が行われる。更に、保留数が増えると、保留表示が追加される。そして、保留数が上限に達すると、図8(a)に示すように、第1保留数表示部196において、4つの保留表示が行われる。
また、第1保留数表示部196における保留表示は、第1表示位置から第4表示位置にて行うことが可能である。つまり、第1保留数表示部196には、第1表示位置から第4表示位置が含まれており、第1保留数表示部196の、遊技者から見て右端の部位が、第1表示位置となっている。そして、左端へ向かって順に、第2表示位置、第3表示位置、第4表示位置が設けられている。更に、以下では、第1表示位置から第4表示位置で行われる保留表示を、それぞれ「保1」、「保2」、「保3」、「保4」と称する。
例えば、演出表示装置60において、第1遊技に係る演出図柄190が行われている最中で、且つ、第1保留数表示部196に1つの保留表示も行われていない状況において、保留が発生すると、右端の第1表示位置(上述の「保1」の位置)に保留表示が行われる。そして、この際には未だ他の保留表示が行われておらず、「保2」〜「保4」は発生していないものとする。このように「保1」が発生している状況で、更に保留が発生すると、発生した保留に係る表示は、「保1」の左隣の「保2」の位置で行われる。そして、「保1」及び「保2」が表示され、「保3」や「保4」が表示されていない状況で、更に保留が発生すると、発生した保留数に応じて、「保3」や「保4」の表示が行われる。
そして、「保1」が発生した際に実行されていた変動表示が終了し、第1遊技に係る他の変動開始条件も成立していれば、上述の「保1」に係る保留記憶情報が消化される段階となり、「保1」の保留表示が、第1保留数表示部196の右側へ移動する。第1保留数表示部196の右側の部位には、当該変動情報表示部195が設けられている。この当該変動情報表示部195は、そのときに実行されている変動表示に係る情報(当該変動情報)を表示する領域である。つまり、「保1」の保留表示は、対応する保留記憶情報に係る変動表示が実行される際には、当該変動情報表示部195に移動して、当該変動情報表示198に変化する。
ここで、「保1」の保留表示を当該変動情報表示部195に移動させる際に、アイテムに係るサイズ、色彩、形態などといった表示要素の変更を行うようにしてもよい。図8(a)、(b)の例では、「保1」の保留表示を当該変動情報表示198に変化させる際に、サイズの拡大を行っている。また、図8(a)、(b)では、第1保留数表示部196において、「保1」〜「保3」の3つの保留表示が行われている状態が例示されている。
ここで、保留が発生した場合に新たな保留表示を表す動画像の表示は、保留に係る「生起表示」や「保留生起アニメーション」などと称することが可能である。また、保留が消化される場合に、第1保留数表示部196(或いは第2保留数表示部197)において、保留表示を移動させる際の動画像の表示は、「シフト表示」や「シフトアニメーション」などと称することが可能である。また、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198の表示は、「保留消化伝達画像」、「変動対応画像」などとも称することが可能である。また、保留の数を数字で表す保留数表示領域367と区別するため、第1保留数表示部196及び第2保留数表示部197を、第1保留画像表示部196及び第2保留画像表示部197などとも称することも可能である。
上述のように「保1」にあった保留表示が当該変動情報表示部195に移動すると、後続の保留表示の待機順位が繰り上り、「保2」は「保1」の位置にシフトする。更に、「保3」や「保4」が存在した場合には、「保3」は「保2」の位置にシフトし、「保4」は「保3」の位置にシフトする。そして、このような状況で更に保留が発生した場合には、新たに「保4」が発生し、保留数が上限に達することとなる。また、新たな保留が発生しなければ、この次の変動表示の開始に伴い、保留表示のシフトが行われ、各保留の待機順位が繰り上がることとなる。
なお、「保1」〜「保4」における保留表示から、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198に変化した状態を含めて、広義に、保留演出と捉えることが可能であるが、これに限らず、「保1」〜「保4」における保留表示までを保留表示とし、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198に変化した状態は保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。
また、演出図柄190に係る変動表示が行われておらず、保留数が0の状況で、第1−1始動入賞口62Aや、第1−2始動入賞口62Bに入球があると、「保1」の表示は行われず(或いは一瞬表示され)、当該変動情報表示部195に、直接的に(或いはシフトアニメーションを経て)、当該変動情報表示198が行われるようになっている。そして、このような場合に限って、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198を保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。
続いて、前述の第2保留数表示部197について説明するが、第1保留数表示部196と同様な点については、説明を省略する。本実施例では、第2保留数表示部197は、図中に示すように、上述の当該変動情報表示部195を挟んで、第1保留数表示部196の反対側(遊技者から見て右側)に、第1保留の画像と異なる色彩にて、「保1」〜「保4」の関係が対称となるよう配置されている。
また、保留表示については、種々の遊技状態に応じた態様で行うことが可能である。例えば、大当り抽選の確率が通常確率の場合と高確率の場合などで、異なる演出モードに制御される場合に互いの保留表示の態様を異ならせることなどを例示できる。
更に、第1保留数表示部196、第2保留数表示部197、及び、当該変動情報表示部195の位置関係は、上述のものに限定されず、種々に変更が可能である。例えば、第1遊技及び第2遊技に係る始動入賞の発生順に特別図柄や演出図柄190の変動表示を行うタイプ(入賞順消化)のぱちんこ遊技機には、当該変動情報表示部195の左側に8つの保留表示を並べることができるようにしてもよい。また、本実施例のぱちんこ遊技機10では、保留表示や当該変動情報表示198が前述の操作ボタン22に係る操作や演出と関連付けて行われる場合もあるようにすることが可能である。更に、本実施例のような並列タイプのぱちんこ遊技機10において、遊技状態に応じ、例えば第1保留数表示部196(又は第2保留数表示部197)のみを表示し、第2特別図柄の保留が発生しても保留表示を行わない(又は第1特別図柄の保留が発生しても保留表示を行わない)ようにすることも可能である。
<<特別図柄に係る保留先読み演出>>
次に、特別図柄に係る予告演出(先読み演出)の1つである、保留先読み演出について説明する。この保留先読み演出は、前述の保留記憶情報(第1特図保留記憶情報又は第2保留記憶情報)に基づき、実行される演出である。更に、保留先読み演出は、前述の事前情報通知の機能を用いて、そのときに演出図柄190等を用いて行われている演出よりも後に消化が行われる保留に対して、リーチや大当りが発生することの期待を示唆する演出として実行される。
例えば、前述の第1保留数表示部196における「保3」の位置で発生した保留表示について、保留変化がされていない基本の表示態様である表示(例えば青色)とは異なり、緑色の保留表示を行うことで、通常の青色の態様である場合に比べて、リーチが発生すること等の期待度が高いことが示される。そして、青や緑の彩色の他に、黄色、赤色、金色、所定柄、虹色などの表示態様を設け、緑色よりも、黄色、赤色、金色、所定柄、虹色の順で大当りの期待度が高いことを示す、といった演出が行われている。
ここで、上述の「所定柄」の表示態様としては、キリン等の動物模様や、所定のキャラクタ画像を含む表示態様などを例示できる。また、保留表示の彩色や柄のみでなく、真円形状以外のアイテムや人物画像等を採用することも可能である。更に、上述の各種の表示態様に点滅や発光を行っている態様を組み合せて先読み演出を行うことも可能である。また、保留先読み演出を含む先読み演出に当選した保留を、例えば「トリガ保留」などと称することが可能である。
以上説明したような保留に係る先読み演出は、第2遊技においても行われる場合がある。そして、第2遊技に関しては、基本色(オレンジ)のほかに、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様を備えることが可能である。また、第2遊技に係る保留表示としても、真円形状以外のアイテムや人物画像等を採用することも可能である。
更に、上述したような第1遊技及び第2遊技において保留表示を用いる先読み演出は、「保留変化」などと称することが可能である。そして、このような「保留変化」には、保留発生の当初から上述のように基本の表示態様と異なる表示態様を示すものや、保留発生の後の所定のタイミングで表示態様の変化を示すものなどがある。
これらのうち、保留発生の後のタイミングで表示態様の変化を示すものとしては、例えば、保留が発生して保留表示が開始され、保留の消化が進み、保留表示が、例えば「保2」、「保1」と進む間に、保留表示が変化するようなものを例示できる。そして、例えば、保留発生時には「保3」の位置に青色(第2遊技の場合はオレンジ色)で保留表示が行われ、「保1」の位置に移動した際に、緑色等の他の色に変化する、といったことが行われる。
更に、例えば「保3」の位置から「保2」の位置、或いは、「保2」の位置から「保1」の位置に移動した後、演出がある程度進行してから保留変化を行う、といったこともある。更に、保留表示の位置を移動した後の演出において、保留変化の期待を煽る態様での演出(保留変化示唆演出)を行ってから、保留変化する場合や保留変化しない場合がある、といった態様で保留変化に係る演出が行われることもある。
また、保留変化示唆演出として、保留表示の画像オブジェクトが、相対的に期待度が低い態様から徐々に期待度の高い態様に変化したり、変化の途中で元の態様に戻りって保留変化に至らなかったり、といった態様の演出が行われることもある。
また、第1遊技及び第2遊技の何れについても、当該変動情報表示198となった場合に、保留表示が基本色から、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様や、或いは、真円形状以外のアイテムや人物画像等の表示態様に変化して、大当りの期待度を表す場合もある。
更に、上述のような保留変化に係る制御態様としては、以下のようなものを例示できる。例えば、保留発生時に、保留変化の演出パターン(保留変化パターン)を決定するための抽選(保留変化パターン抽選)を行う。この保留変化パターン抽選には、保留変化パターンテーブルが用いられ、この保留変化パターンテーブルには、保留変化の有無や、保留変化を実行する場合(保留変化ありの場合)には、どのようなタイミングでどのような表示態様を実行するか、といった演出パターンの決定に係る事項が規定されている。また、保留変化パターンとしては、第1遊技のためのものと、第2遊技のためのものとが定められている。
また、保留変化に当選した保留が、「保1」から「保4」の中に複数存在する場合に、いずれか一方の保留先読み演出をキャンセルする、といったことが可能である。より具体的には、例えば、「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、緑色に変化する保留変化パターンに当選し、先に発生しているいずれかの保留が、虹色に変化する保留変化パターンに当選していれば、上述の「保4」に係る保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。
更に、例えば、上述の例と同様に「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、虹色まで変化する保留変化パターンに当選し、先に発生している全ての保留が、虹色までは変化せず、緑色などまでしか保留変化しないものであれば、先に発生している保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。
<<特別図柄に係る連続予告>>
次に、他の先読み演出のパターンとして、特別図柄に係る連続予告(連続演出)について説明する。この連続予告は、真正のものと擬似のものとがあり、これらのうちの真正の連続予告は、特別図柄に係る複数回の変動表示に亘り、連続性のある予告演出を行うものを意味している。また、擬似の連続予告は、特別図柄に係る1回の変動表示について、複数回の特別図柄の変動があったような断続的な予告演出(擬似連続予告)を行うものを意味している。
上述の「連続予告」としては、例えば、演出上のストーリーにおいて主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、最終到達目的としている部屋を目指して、順次異なる部屋に移動するようなものなどを例示できる。また、その他の態様の「連続予告」としては、主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、異なる敵と対戦等(バトル)して勝利し、最終目的となる敵を目指すようなものも例示できる。
更に、前述した真正の連続予告(以下では単に「連続予告」と称する場合がある)は、メイン基板102からサブメイン基板301に送信される事前通知情報に基づいて行うことが可能である。より具体的には、例えば、「保3」の保留が発生した場合に受信した事前通知情報に基づいて、サブメイン基板301が、その次以降の特別図柄に係る変動表示に対応した演出パターンとして、3回の変動表示に亘る連続予告を含んだ内容のものを選択する、といったことが可能である。
そして、1回分の保留が消化され、上述の「保3」の保留が「保2」の位置にシフトされた際には、選択された連続予告に係る演出パターンのうち、最初の1回目の予告に係る演出パターンが実行される。更に、保留が順次消化され、保留表示が、「保2」から「保1」に移動した際には、3回のうちの2回目の予告が実行され、「保1」から当該変動情報表示部195に移動した際には、最後となる3回目の予告が実行される。
なお、サブメイン基板301において、上述の「保3」の保留が発生した時点で実行されている変動表示に係る変動パターンや、それ以前に発生している「保2」又は「保1」に係る保留記憶情報を確認することも可能である。すなわち、上述の「保3」の保留が発生した際に、既に記憶されている各種の情報の中に、大当り信頼度の高い所定のリーチ演出が実行されることを表す情報や、大当りが発生することを表す情報が存在すれば、「保3」の保留が発生した際に選択した連続予告に係る演出パターンをキャンセルする、といったことが可能である。その他、「保3」に対する保留の期待度に応じて、次変動から即座に連続予告を行うものではなく、1変動待って「保1」の変動及び先読み態様となるトリガ保留の消化時の2変動に跨る連続予告とするケースも考えられる。
また、前述した擬似の連続予告(以下では「擬似連続予告」と称する場合がある)としては、特別図柄の1回の変動表示に係る演出パターンにおいて、リーチ表示が、複数回断続的に行われるようなものや、登場人物が複数回の行為を繰り返すようなもの、演出図柄190の仮停止と再変動を繰り返すものなどを例示できる。
更に、擬似連続予告の際に、擬似連示唆図柄の表示を行うことが可能である。この擬似連示唆図柄は、擬似連続予告(所謂「擬似連」)が発生するか否かの期待を煽る際に表示される特殊な装飾図柄のうちの1つである。擬似連示唆図柄としては、例えば、「NEXT」や「継続」の文字表示を伴う擬似連図柄を半透明化した演出などを例示できる。上述の擬似連図柄は、再変動図柄とも称することが可能なものであり、擬似連が発生することを、擬似連示唆図柄よりも確定的に示す特殊な装飾図柄のうちの1つである。
また、擬似連示唆図柄や擬似連図柄については、スクロール表示されるものや、一定の領域に表示されるものを例示できる。また、ここでいう「一定の領域」としては、例えば、演出表示装置60における表示画面の略中央領域や、第1保留数表示部196(又は第2保留数表示部197)の近傍などを例示できる。更に、擬似連示唆図柄や擬似連図柄を、スクロール表示を経て一定の領域に表示されるようにすることも可能である。
なお、以上説明したような連続予告の内容は、あくまでも例示であり、連続予告の内容としては、説明したもの以外にも種々のものを採用することが可能である。
<<普通図柄に係る演出図柄>>
次に、前述の普通図柄に係る演出について説明する。本実施例では、普通図柄に係る演出表示は行われていない。しかし、普通図柄に係る演出を、演出表示装置60における演出の一部として行うことが可能である。そして、このように普通図柄の演出表示を行う場合には、演出図柄としては、例えば、はずれと、当たりの種類とを識別できる程度の表示を行うことが考えられる。
また、前述のように、演出表示装置60を、複数の表示体の組合せにより構成した場合には、相対的に大型な表示体と、これに比べて小型な表示体(複数でもよい)を備えることが可能である。そして、大型な表示体を、例えば「メイン表示体」や「メイン液晶」などと称し、小型な表示体を、例えば「サブ表示体」や「サブ液晶」などと称することが可能である。更に、上述のような相対的に小型な表示体を備えた場合には、普通図柄に係る演出図柄(199)を、例えば、小型な表示体に表示するようにしてもよい。また、前述のセンター飾り64の所定の部位に、例えば、2つを1組としたLED表示灯を設け、これを普通図柄に係る演出表示装置としてもよい。
また、普通図柄に係る演出図柄を用いた演出を行う場合は、普通図柄に係る保留演出表示を、演出表示装置60における演出の一部として行うことが可能である。また、前述のように、演出表示装置60を、大型な表示体及び小型な表示体のような複数の表示体により構成した場合には、普通図柄に係る演出保留表示を、例えば、小型な表示体に表示するようにしてもよい。また、前述のセンター飾り64の所定の部位に、例えば、2つを1組としたLED表示灯を設け、これにより「1」から「4」の普通図柄に係る保留数の演出表示を行ってもよい。
なお、サブ表示体(サブ液晶)については、普通図柄の表示のみでなく、例えば前述した縮小演出図柄表示領域361や保留数表示領域367、更には後述するラウンド数表示領域368やカウント数表示領域369などの表示に利用することも可能である。
<<限定頻度パターンに係る演出>>
次に、限定頻度パターンに係る演出(以下では「限定頻度パターン演出」と称する)について説明する。限定頻度パターン演出は、前述の演出パターンの一部として備えられているものである。更に、限定頻度パターン演出は、メイン基板のパターン決定手段にて特定の期間に決定される変動パターンに対応して、所定の遊技状態において出現し易くなるように設定された演出である。この限定頻度パターン演出の内容は、特定の傾向を示す演出内容となっており、限定頻度パターン演出の内容として、例えば、時短遊技中の特定の変動において、あらかじめ定められた変動パターンをメイン基板で決定し、演出として高信頼度のリーチを必ず発生させるようなものを例示できる。
また、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、遊技開始時、所定の演出パターンが実行された直後(例えば、小当り、出玉無大当りの直後)、所定の演出モード中(確変、時短遊技モード中)、特別遊技の終了直後、特定遊技状態中、及び、特定遊技状態の最終変動などを例示することができる。また、これらに加えて、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、第1遊技(又は第2遊技)に係る保留数が所定数(例えば4個)に達している場合や、保留が存在しない場合なども例示できる。更に、限定頻度パターン演出が実行される状況においては、その時の状況に応じて予め設けられている限定頻度テーブルを用い、この限定頻度テーブルに定められた限定頻度パターンから、実行すべき演出パターンが選択されるようになっている。
<<操作ボタンを用いた演出>>
次に、前述の操作ボタン22(図1参照)を利用する演出(以下「ボタン演出」と称する)について説明する。なお、本実施例のぱちんこ遊技機10については、操作ボタン22に係る演出態様や、操作ボタン22と前述した音量調節等に係る環境設定との関係などについて、多様な制御が行われている。しかし、ここでは説明が煩雑になるのを避けるため、基本的な事項について説明する。
操作ボタン22は、ボタン演出が実行された場合に、遊技者によって押下操作され、遊技者に対し、自分が遊技の演出や当否抽選に参加しているような感覚を与える機能を発揮するものである。ボタン演出としては、例えば演出図柄190(図8(a)、(b)参照)の変動表示過程で、演出表示装置60の表示領域194に、操作ボタン22の図柄(ボタン画像などともいう)とともに、「ボタンを押せ」、「連打せよ」、「長押しせよ」等といった文字や、或いは、残り時間や連打量などを示す各種のインジケータの動画などの、操作を促すガイド表示を行うことを例示できる。
また、ボタン画像等の表示を行うにあたり、ボタン画像の表示の期待を煽るような予備的な演出を行うことも可能である。この予備的な演出としては、例えば、ボタン画像が半透明から徐々に濃くなってボタン画像の表示に至る演出や、半透明のままで終わって消去されボタン画像の表示に至らない演出などを挙げることができる。また、インジケータには複数種類のものがあり、その機能によって、例えば「残り時間用インジケータ」や「操作量用インジケータ」などと称して区別することが可能である。
更に、ボタン演出としては、遊技者が、前述のガイド表示に従って操作ボタン22を操作すると、登場人物がコメントを発するような演出や、味方キャラクタが敵キャラクタに対する攻撃を行うような演出を例示できる。また、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材(符号省略)が作動して、リーチとなることを報知するようなものも例示できる。更に、リーチ演出中にボタン演出が行われることもあり、その場合には、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材が作動して大当りへの期待を煽るものなども例示できる。
また、上述の操作ボタン22に関して、通常時は操作ボタン22の操作が無効となっているが、ボタン演出中は操作ボタン22の操作が有効なボタン操作有効期間となっている。ボタン操作有効期間は、予め設定された一定時間となっている。また、ボタン操作有効期間は、ボタン演出の種類に応じて複数種類設けてもよい。
なお、操作ボタン22に振動モータやソレノイド(図示略)を組み合わせて、操作ボタン22を振動させる振動演出や、例えばモータ等の駆動源を用いて操作ボタン22の動作範囲を拡大して、操作ボタン22を突没させるといった演出態様を採用することも可能である。更に、操作ボタン22を突没させる場合は、突出量を比較的大きく(例えば5〜10cm程度)設定することも可能である。
また、操作ボタン22としては、外形寸法が小型(例えば数センチ程度)のものに限らず、十数センチ程度の半球体の形態のものなどを採用してもよい。更に、操作ボタン22のような操作入力機器(操作入力手段)としては、その他にも種々の形態のものを採用可能であり、例えば、演出内容に関連した、自動車の操作ハンドル、航空機の操作レバー、登場人物の模型(フィギュア)にタッチセンサを付加したものなども採用が可能である。また、操作入力手段としては、操作ボタン22(或いはより小型な操作ボタンなど)と、操作レバー等の形態を有するものを併設し、演出内容などの状況に応じて使い分ける、といったことも可能である。
本実施例では、操作ボタン22として、突没機構や振動機構を備え、上球皿18に対する突没動作や、上球皿18での振動動作が可能なものが採用されている。操作ボタン22は、図21(a)に示すようなレバー装置(レバー装置ユニット)184の上部に備えられている。このレバー装置184は、ベース体185に駆動源となるモータ(ここではステッピングモータ)186、可動機構部187、レバー体188を取り付けて構成されている。更に、レバー体188の上部には、操作ボタンの周囲を装飾する装飾部189が設けられている。
レバー装置184は、図1中に示すように、遊技機枠11の皿ユニット16に内蔵されており、上述の装飾部89や操作ボタン22が、上球皿18から露出している。更に、図1や図21(a)に示すように、レバー装置184は、通常状態時には、装飾部189が上球皿18の外表面とほぼ連続する面を構成するよう、レバー体188を収容している。
しかし、所定の演出が実行される場合には、図21(b)に示すように、レバー体188が突出し、装飾部189と操作ボタン22が、所定の角度と突出量で上昇する。この場合、図示は省略するが、装飾部189と操作ボタン22は、上球皿18の外表面に対して飛び出した状態となる。ここで、レバー体188と装飾部189とを併せて「レバー」と称することが可能である。また、これらに操作ボタン22を含めて「レバー」と称することも可能である。以下では、レバー体188、装飾部189、操作ボタン22を併せて「レバー」と称し、符号Lを付す。
上述のレバーLは、図21(b)に示すように突出した状態で、図21(c)に示すような前方への傾倒動作が可能である。そして、例えば、所定のリーチ演出中にレバーLが、収納状態から突出状態に変化し、演出表示装置60にレバーLが倒れる様子を示した動画や「レバーを引け」の文字表示などが表示され、遊技者がレバーLを手前に倒すと、他の可動演出部材等が動作し、カットイン演出が行われ、より大当り期待度の高いSPリーチに発展したり、SPリーチが継続したり、当否抽選の結果が大当りであることが報知されたりする、といった一連の演出を行えるようになっている。
ここで、リーチの発展の際に、発展図柄を表示することが可能である。発展図柄とは、リーチ演出が発生することを示す特殊な装飾図柄のうちの1つである。発展図柄を表示することで、リーチ演出が発生することを確定的に報知することが可能である。
更に、図20(a)に要部を拡大して示すように、前述のように操作ボタン22の近傍に十字キー96が設けられており、操作ボタン22は、環境設定などを行う状況で決定キー等として用いられる場合がある。そして、本実施例では、演出表示装置60で演出図柄190等の変動表示が行われている状況や、変動表示が行われていない状況で、操作ボタン22と十字キー96を用いた演出操作が行われる場合がある。このように、十字キー96も、遊技者などによる操作が可能な操作入力手段の一種として機能するものとなっている。
続いて、前述した「ボタンを押せ」、「連打せよ」、「長押しせよ」などのガイド表示は、操作ボタン22の操作態様(ボタン操作態様)を区別して指定するものとなっている。例えば「ボタンを押せ」の文字表示などは、1回の操作(単発操作)が検出されれば、要求した操作(要求操作)が行われたものとしてその後の制御処理を進める際のガイド表示として例示される。このような単発操作を要求し単発操作が行われることで何かしらの演出を発生させるものは、例えば「単発操作演出」、「単発押し演出」、「単発演出」、「単発ボタン演出」などと称することが可能なものである。
また、例えば「連打せよ」の文字表示などは、複数回の操作(連打操作)を要求操作とする際のガイド表示として例示される。このような連打操作を要求し連打操作が行われることで何かしらの演出を発生させるものは、例えば「連打操作演出」、「連打演出」、「連打ボタン演出」、「連打可能演出」などと称することが可能なものである。また、ボタン押下が断続的に行われる連打操作のことを「連打」、「連打押し」、「断続操作」などと称することも可能である。
この連打操作に係る連打演出には、上述のように連打を促す演出(連打前演出)に加え、その後に連打が行われている際の演出(連打中演出)も含めて考えることがきる。この連打中演出としては、例えば、操作ボタン22の押下操作が相対的に短い間隔で繰り返される度に、操作に反応した画像の変化が生じるものなどを例示できる。
また、連打演出として、インジケータ(ここでは操作量用インジケータ)を表示し、押下操作が繰り返されるにつれてインジケータの示す量が増える、といったものなども例示できる。このようなインジケータの表示は、連打前に開始することや、連打が開始されてから開始することなどが可能である。
また、例えば「長押しせよ」の文字表示などは、所定時間以上の継続操作(長押し操作)を要求操作とする際のガイド表示として例示される。このような継続操作を要求し継続操作が行われることで何かしらの演出を発生させるものは、例えば「長押し操作演出」、「長押し演出」、「長押しボタン演出」などと称することが可能なものである。
操作ボタン22等を用いる演出は、前述のように、ボタン操作を促すボタン画像等のガイド表示を伴って行われる態様(表ボタン演出)が基本となっている。しかし、本実施例のぱちんこ遊技機10では、操作ボタン22等を用いる演出をより多様化するよう、ガイド表示を行わなかったり、ガイド表示を制限したりする演出が行われ得るようになっている。これらのような演出は、例えば「裏ボタン演出」や「隠しボタン演出」などと称することが可能なものとなっている。
また、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、操作ボタン22に係る前述の連打動作の容易化を可能とした自動連打機能(オート連打機能)が搭載されている。このオート連打機能は、連打が要求される演出の状況で、1回のボタン操作しか行われなかったり、通常よりも相当程度長い間隔での繰り返し操作が行われたりしたような場合でも、そのときの状況におけるボタン操作を、連打を行ったものとして扱う機能となっている。
より具体的には、連打演出が実行された状況で所定時間(例えば0.5秒を超える程度)の押下操作が継続するボタン操作が検出されれば、オート連打の条件が満たされ、連打が行われたものとして制御が進められるようになっている。オート連打の条件を満たすようなボタン操作は、「オート連打操作」などと称することが可能である。
また、オート連打機能は、通常の連打機能(通常連打機能)と併設されているものであるので、実際に操作ボタン22を連打して連打演出や連打機能を楽しみたいという遊技者は、オート連打機能を使用せず、前述したような通常の連打操作(通常連打操作)を行うことが可能である。
<<大当り発生時の演出>>
次に、大当りが発生した場合の演出について説明する。大当りが発生した場合の演出には、特別遊技開始時の演出(大当り開始デモ)、特別遊技中の演出(ラウンド演出)、最終ラウンド終了時の演出(当り終了デモ)、特別遊技の終了時の演出(大当り終了デモ)などがある。ここで、上述の大当り開始デモの演出は、大当り遊技(特別遊技)の実行開始から初回のラウンド(単位遊技)の実行開始までのアタッカー(大入賞口)の閉鎖が維持されている期間の演出であり、上述の大当り終了デモの演出は、最終回のラウンド(単位遊技)の実行終了から大当り遊技(特別遊技)の実行終了までのアタッカー(大入賞口)の閉鎖が維持されている期間の演出であるということができる。
前述の演出図柄190が確定停止されると、ファンファーレなどの音に伴い、大当りが開始される旨の表示を行う。この大当りが開始される旨の表示としては、図25(a)に示す大当り開始デモ画面の表示を例示することができる。更に、特別遊技中の打ち方指示として右打ち案内演出(右打ち指示表示)を実行し、遊技者に対し、発射ハンドル20の回動量を増やして右打ちを行うよう案内する内容のものを例示できる。また、右打ちを行うよう案内する内容の表示としては、図25(a)の右打ち案内表示領域383に、「ハンドルを右に回してね」のメッセージ表示等を行うことが可能である。
ここで、初当り(低ベースでの大当り)と連荘(高ベースでの大当り)とで、大当り開始時の演出内容が異なっていても良い。具体的には、初当りの際には「大当りスタート!」などの表示を行い、連荘の当りの際には「大当り連続!」などの表示を行うようにとしても良い。また、右打ちの案内については、初当りでは「ハンドルを右に回してね」のメッセージ表示を行うが、連荘ではそのようなメッセージ表示を行わないかそれとは異なる表示(単に「右打ち」の大きな文字が短時間表示されるなど)を行うなどのようにしても良い。このように、初当り時の大当り開始デモ演出よりも連荘時の大当り開始デモ演出の方が短くなるようにして良く、その場合は当然ながら、大当り開始デモ時間については、初当り時よりも連荘時のほうが短くなる。同様に、大当り終了デモ演出(大当り開始デモ時間)の時間値も、初当り時よりも連荘時のほうが短くなるようにしても良い。
前述の特別遊技中の演出としては、遊技者が大当りを獲得しなければ見ることができない内容の動画を例示できる。また、この際には所定の楽曲が、前述のスピーカ21(図1参照)から出力される。更に、特別遊技中の動画としては、例えば、ぱちんこ遊技機10の演出に採用された劇画における所定の登場人物が、ライバルとなる敵と戦う様子を描いたものや、僥倖を享受する様子を描いたものなどを例示できる。ここで、(図25(b))には特別遊技中の動画として、二人の女性が共に敵と戦う動画の一場面が例示されている。
なお、特別遊技中のラウンドの切換わりを、例えば、画面中の例えば下部における「1R」、「2R」、・・・や、「1ラウンド」、「2ラウンド」、・・・といった表示により報知することが可能である。更に、特別遊技中の演出の一部として、例えば、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数を表示することも可能である。
図25(b)の表示例においては、画面下部では、特図1及び特図2の保留数を区別して示す保留数表示領域367が表示されている。また、同じく図25(b)の表示例においては、縮小演出図柄表示領域361、ラウンド数表示領域368やカウント数表示領域369が表示されている。また、同じく図25(b)の表示例においては、画面の右上部分に、「確変1回目」や「獲得数:195個」のような表示により、複数回の大当り遊技に係る連荘回数や、連荘中の獲得賞球数の表示が行われている。
ここで、ラウンド中の遊技による(大入賞口(90)への入球による)賞球のみを獲得賞球数の表示対象とするのではなく、大入賞口(90)と同一の発射位置(発射方向)に配置されている一般入賞口(符号省略)への入球に基づく賞球も、獲得賞球数の表示対象としても良い。また、単位遊技の終了条件である所定数の遊技球以上の入球が生じた場合、すなわち超過分の入賞である所謂オーバー入賞(大入賞口に対する1のラウンドにおける規定カウント数を超過した入球)が発生した場合は、該発生を示唆又は報知する演出(例としては、「やったね!」といった音出力や、演出表示における「ナイス!」などの表示)を行っても良い。
また、特別遊技中の演出として、例えば図25(c)、図26(a)〜(c)に示すような特定の演出(当り中の特定の演出)を行うことが可能である。図25(c)、図26(a)〜(c)には、当り中特定演出画面A〜Dが例示されている。これらの当り中特定演出画面A〜Dは、ストーリー展開に変化を与える契機として表示したり、大当り遊技中にラウンド数の報知や確変への昇格演出が行われる場合に、演出の分岐点として挿入したり、といった用途で用いることが可能である。
前述のようにV入賞の機能を設けている場合には、例えば大当り遊技の最初のラウンド(開始ラウンド)の開始時に、V入賞させること促すための演出(「右打ちしてVを狙え!」の文字表示など)を行うことが可能である。そして、V入賞があると、大当り遊技後に確変となる旨の報知を行う。このような確変となる旨の報知のための演出を、上述の昇格演出と称することも可能である。
また、例えば10Rと5Rなどの大当りを設けた場合には、昇格演出としては、低ラウンド当り(5R当りなど)から高ラウンド当り(10R当りなど)に変更されるか否かの期待を煽る演出(ラウンド昇格演出)も例示できる。
続いて、前述の特別遊技後の演出としては、特別遊技中の演出内容の結果に係るもの例示できる。より具体的には、登場人物同士の闘いの結果に応じて勝者が感情を表す内容などを例示できる。このような特別遊技後の演出は、エンディング演出やリザルト演出などと称することも可能である。また、このエンディング演出(リザルト演出)などを、大当り遊技における最終ラウンドの終了に合わせて実行することが可能である。
更に、特別遊技後の演出としては、大当りの連続回数を追加して表示するものや、そのときの特別遊技により遊技者が獲得した賞球数を表示するものなどを例示できる。また、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数を追加して表示することも可能である。また、大当りの連続に関しては、大当りの発生回数が所定回数(例えば20回)に達した場合に、それ以前には選択されることがない演出パターンを実行する、といったことも可能である。
また、図示は省略するが、特別遊技の終了の際には、大当り終了デモ時の画面(大当り終了デモ画面)が表示される。この大当り終了デモ画面の一例としては、大当り遊技の終了を示す「おしまい」の文字等の表示を行うものを挙げることができる。更に、この大当り終了デモ画面中で、そのときの大当り遊技中や連荘中における獲得賞球数の表示などを前述のエンディング演出(リザルト演出)として行うことも可能である。
また、前述のようなV入賞の機能を備えていないタイプのぱちんこ遊技機であって、大当り遊技の遊技結果(V入賞有無)に応じて確変状態となるか否かが変化する場合には、特別遊技終了後に確変となるか否かの報知を、特別遊技中、或いは、特別遊技終了の際まで報知しないようにすることも可能である。
例えば、合計で10ラウンドの特別遊技が行われる場合に、8ラウンド目の終了の際まではV入賞したことに応じて確変状態に移行する条件が成立しているか否かを遊技者に知らせる演出を行わず、8ラウンド目の終了後に、確変状態に移行するための条件が成立している場合には、その旨の演出(当り中特定演出)を1又は複数のラウンドに亘って行う、といった演出や制御態様を採用することが可能である。
同様に、確変を伴わない大当りを含むぱちんこ遊技機において、特別遊技開始前、特別遊技中、或いは、特別遊技終了の際などの所定のタイミングで、遊技球が所定の領域(前述のV入賞口の領域)で検出された場合には確変となる、といった演出や制御態様を採用することも可能である。
更に、小当りが発生した場合に、小当りの発生を報知する演出を行うことが可能である。また、特定の遊技状態においては小当りの発生に係る演出を実行するが、その他の遊技状態(例えば、小当りとなる特別図柄が遊技の主体となっていない遊技状態)においては小当りの発生を報知する演出を行わないように構成することもできる。
<<複数の演出部材の重畳による演出>>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10において実施することが可能な各種の具体的な演出について例を挙げて説明する。先ず、演出表示装置60の表示と、前述した導光板88の表示、及び、可動演出部材の重畳による演出を行うことが可能である。この種の演出は、演出表示装置60の前方に可動演出部材を位置させ、演出表示装置60の表示内容と、可動演出部材の光装飾や動きなどとを組み合わせることによる複合的な演出となる。
一例を挙げれば、いずれかの可動演出部材が演出表示装置60の表示領域194の前に飛び出した状態において、可動演出部材の外側には演出表示装置60の表示領域194の少なくとも一部が見えており、例えば、演出表示装置60に炎が燃え盛る様子の映像を表示した場合には、炎の前方で可動演出部材が光装飾や動作を行う組合せの演出が実行されるようにする。更に、導光板88において、例えば、炎の模様が点滅するような演出や、或いは、波紋状の模様を点滅させるような演出を行うことにより、導光板88と演出表示装置60の遠近の差による視覚効果を発揮することができる。
更に、この状態において、導光板88と演出表示装置60との間で可動演出部材による演出を実行することにより、可動演出部材の様子や、演出表示装置60の映像を、導光板88の表示を部分的に障害としながら遊技者に視認させることができる。更に、可動演出部材の前後の模様状の表示の変化の合成により、複雑な状況表示を可動演出部材に重畳でき、可動演出部材の置かれた環境を複雑な態様で表現することが可能となる。
そして、これらのことにより、導光板88、可動演出部材、演出表示装置60といった限られた構成によって、より複雑な演出を行うことができ、演出を多様化することが可能となる。なお、導光板88を、例えば透過液晶表示体などに変更した場合であっても、透過液晶表示体の一部を、背後の可動演出部材や、演出表示装置60の表示内容の一部を視認できる程度の透過状態とすることで、導光板88の場合と同様に重畳による演出を行うことが可能である。
また、導光板88や透過液晶表示体など(ここでは導光板88等と称する)の利用の態様として、導光板88等を強調する態様と、演出表示装置60との組合せによる態様とを採用することが可能である。上述の「導光板88等を強調する態様」は、導光板88等の表示面の大部分を利用して所定の像を浮かび上がらせる発色表示を行い、背後にある演出表示装置60の表示内容に遊技者の意識が可能な限り向かないようにする表示態様である。
これに対し、上述の「演出表示装置60との組合せによる態様」は、導光板88等における発色表示が行われる部分の面積の割合を所定の程度に抑え、背後にある演出表示装置60の表示内容に遊技者の意識が向かうようにし、導光板88等の表示と、演出表示装置60の表示とを組み合わせた演出を遊技者に対して示す表示態様である。そして、所定の場合には、「導光板88等を強調する態様」での演出を実行し、他の所定の場合には、「演出表示装置60との組合せによる態様」での演出を実行する、といったことが可能である。
<<保留変化を示唆する演出>>
続いて、前述の保留表示を用いた演出として、種々のものを更に例示することができる。例えば、保留変化が行われることを示唆する保留変化示唆演出が例示され、図8(a)、(b)中に示す当該変動情報表示部195の当該変動情報表示198を一旦消去し、当該変動情報表示部195に、例えば、「色変化?」のように保留色が変化して期待度が高まることを示唆するような文字の情報(文字の状態遷移示唆情報)を表示する。そして、このような状態遷移示唆情報の表示の後、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198が、例えば赤色や虹色などといった高期待度を意味するものに変化する場合があるようにする。
また、上述の「色変化?」のような表示を、ルーレットの目の1つや、回転ドラム(リール)の1つの図柄として表示することも可能である。例えば、「変化なし」、「色変化?」、「赤」、「虹」のような情報表示をルーレットの目や、回転ドラムの図柄として採用し、当該変動情報表示部195において、ルーレットや回転ドラムのオブジェクトの表示を行う。そして、当該変動情報表示部195において、「変化なし」、「色変化?」、「赤」、「虹」の表示が順次変化し、停止した情報に対応した態様で、その後の当該変動情報表示198が行われるようにすることが考えられる。なお、当該変動情報表示198を消去せずに、ルーレットや回転ドラムのオブジェクトの表示を行うことも可能である。
また、保留表示を用いた演出の他の態様として、図8(a)、(b)中の第1保留数表示部196や第2保留数表示部197において保留変化が行われる場合に、保留変化したことや、保留変化が直後に発生することを、例えば、「保留変化」、「赤保留」、「虹保留」などといった保留変化情報を表示することで、積極的に報知することが考えられる。ここで、このような保留変化情報の表示を、演出表示装置60における表示領域194の中央で行ってもよく、或いは、第1保留数表示部196や第2保留数表示部197において、保留変化する保留表示の近傍で行ってもよい。
なお、上述のように、保留変化が行われることを示唆する保留変化示唆演出を1又は複数種類設けておき、保留変化示唆演出の実行有無、種類により保留変化がなされる割合や保留変化がなされたときの変化度合い(例えば保留色が青から赤に変化する割合が種類Aと種類Bとで異なる等)が異なるようにすることも好適である。また、複数の保留表示があり、複数の保留表示に対して保留変化が行われ得る場合には、保留変化示唆演出の開始時点では、いずれの保留の変化が行われるかがわからない状態とすることもでき、このように構成すれば、先に変化した保留が更に変化するのか、変化していない保留が変化するのかという視点での興趣向上を図ることができる。
また、保留変化示唆演出を実行する場合、保留変化のタイミングは、図柄変動中の様々なタイミングとすることができる。例えば、保留変化示唆演出を、保留変化示唆専用の領域や画像オブジェクトを用いたものとした場合には、装飾図柄(演出図柄)の確定停止の期間と重ならない任意のタイミングで複数の開始・終了タイミングを設定することができる。
一方、保留変化示唆演出を保留変化示唆専用のものとせず、装飾図柄の変動演出と連動して行う場合には、例えば、装飾図柄の表示領域を用いて保留変化を示唆する擬似的な装飾図柄(例えば「保留変化図柄」)を表示する保留変化示唆演出を実行することができる。そして、この場合には、1又は複数列の図柄が仮停止時するタイミングや停止図柄を予告するタイミングを設定することができる。
なお、ここで説明した各種の保留変化タイミングに加え、保留表示の開始時やシフト時に保留色を変化させることもできる。また、本実施例のぱちんこ遊技機10では、保留変化がボタン演出と関連付けて行われる場合もある。
<メイン基板からサブメイン基板へ送信される各種コマンド>
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される各種コマンドについて主要なコマンドについて説明する。先ず、コマンドの送信タイミングとしては、初期画面表示中、客待ちデモ(待機デモ)中、特別図柄の図柄変動開始時、特別図柄の図柄確定時、特別図柄の図柄確定中、大当り開始デモ時、大当り中大入賞口開放時、大当り中大入賞口閉鎖時、当り終了デモ時、大当り終了デモ終了時などがある。このうち初期画面表示中は、ぱちんこ遊技機10の電源投入後、客待ちデモが開始されて定常状態に入るまでの期間である。また、始動入賞時、電断復帰時、及び、エラー検出時は、何れの場合であってもコマンド送信が行われる。更に、RWMクリア時にもコマンド送信が実行される。
これらのうち、RWMクリア時のコマンドとしては、演出表示器初期化、演出LED初期化、各種エラーのコマンドがある。演出表示器初期化コマンドは、演出表示装置60に所定の演出図柄を表示するためのものである。演出LED初期化コマンドは、通信が正常である場合に遊技効果ランプの一部を点灯させるものである。各種エラーコマンドは、エラーの状態に合わせた演出表示等を行うためのものである。
客待ちデモのコマンドとしては、客待ちデモコマンドがある。この客待ちデモコマンドは、演出表示装置60や遊技効果ランプを客待ちデモ用に設定し、音声を消去するためのものである。
特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとしては、図柄1記憶数、図柄2記憶数、通信検査1、通信検査2、演出回数A〜Z、演出選択状態0〜2、変動付加情報、図柄1演出パターン、図柄2演出パターン、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出のコマンドがある。図柄1記憶数コマンドは、第1特別図柄の保留記憶数を示すものであり、図柄2記憶数コマンドは、第2特別図柄の保留記憶数を示すものである。通信検査1コマンド及び通信検査2コマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。演出回数A〜Zの各種コマンドは、前述の限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0〜2の各種コマンドは、限定頻度テーブルにしたがった演出の種類を示すものである。変動付加情報コマンドは、演出パターン中に例えば大当り期待度の示唆等を行う要素(演出構成要素)を付加するための情報を示すものである。図柄1演出パターンコマンドは、第1特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2演出パターンコマンドは、第2特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものである。図柄1キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
特別図柄の図柄確定時のコマンドとしては、図柄1演出パターン停止、図柄2演出パターン停止のコマンドがある。図柄1演出パターン停止コマンド、及び、図柄2演出パターン停止コマンドは、それぞれ、第1特別図柄や第2特別図柄に基づく演出図柄190を停止させるためのものである。
特別図柄の図柄確定中のコマンドとしては、変動時間短縮回数0(低確率時)、変動時間短縮回数A〜Z(低確率時)、変動時間短縮回数0(高確率時)、確率変動中(所定変動回数まで)のコマンドがある。これらは、その時の遊技状態に関するコマンドを送信するためのものであり、演出モード表示や時短回数表示などに使用される。
大当り開始デモ時のコマンドとしては、図柄1大当り開始デモ、図柄2大当り開始デモ、発射位置指定のコマンドがある。図柄1大当り開始デモコマンド、及び、図柄2大当り開始デモコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄に基づいた開始デモを表示させるためのものである。発射位置指定コマンドは、所謂左打ちや右打ちにより、遊技者に、遊技球の打ち分けを行わせる場合に発射位置を報知するためのものである。
大当り中大入賞口開放時のコマンドとしては、図柄1大当り中デモ1〜16、図柄2大当り中デモ1〜16のコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄及びラウンド数に基づいた演出を表示させるためのものである。
大当り中大入賞口閉鎖時のコマンドとしては、大入賞口閉鎖演出コマンドがある。これは、大入賞口閉鎖演出を表示させるためのものである。
大当り終了デモ時のコマンドとしては、図柄1当り終了デモ、図柄2当り終了デモのコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の当り図柄に基づいた当り終了デモ演出を表示させるためのものである。
始動入賞時のコマンドとしては、当り予告(当り予告演出)、図柄予告(当り図柄予告演出)、変動予告(パターン予告演出)、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドは、事前情報通知手段157による前述の先読み演出に係るコマンド(先読みコマンド)である。そして、当り予告コマンドは、当否乱数の乱数値範囲を送信するためものであり、抽選確率に応じた当否の情報などを含んでいる。図柄予告コマンドは、図柄乱数の乱数値範囲を送信するためのものであり、当りの種類に係る情報などを含んでいる。更に、変動予告コマンドは、変動パターンの乱数範囲を送信するためのものであり、変動パターンのグループの種別(リーチなし、ノーマルリーチ、又は、スーパーリーチなど)の指定に利用可能である。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。そして、本実施例では、当否抽選の結果、先読み演出の有無や期間などの情報は、当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドによって、サブメイン基板301に伝えられるようになっている。
電断復帰時のコマンドとしては、通信検査1、通信検査2、電断復帰用遊技状態A〜E、演出回数A〜Z、演出選択状態0〜2、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出、電断復帰当り状態、電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態、発射位置指定、エラーa〜d、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。
通信検査1、通信検査2のコマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。電断復帰用遊技状態A〜Eのコマンドは、電断時の遊技状態に応じて異なるコマンドを送信するためのものである。演出回数A〜Zのコマンドは、前述の限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0〜2のコマンドは、限定頻度テーブルにしたがった演出の種類を示すものである。図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
電断復帰当り状態コマンドは、当り中か否かに応じて異なるコマンドを送信するためのものである。電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の、待機中・変動中・当たり中などの状態に応じたコマンドを送信するためのものである。発射位置指定コマンドは、前述のように、状況に応じた適切な発射位置を指定するためのものである。エラーa〜dは、エラーの有無及び種類を送信するためのものである。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。
<メイン基板の主要な制御処理>
次に、上述の構成のぱちんこ遊技機10のメイン基板102における主要な制御処理について、図14〜図19等に基づいて説明する。なお、説明に先立ち、以下で用いる「特別電動役物」、「条件装置」、「役物連続作動装置」の用語について説明する。これらは何れもぱちんこ遊技機10の制御処理における概念上の機器を表しており、これらのうち「特別電動役物」は、大入賞口90の開口を作動(開放)させることとなるものである。また、「条件装置」は、特別図柄として特定の図柄組合せが停止表示された場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」は、特別電動役物を連続して複数回作動させることができるものである。
また、ここで説明するぱちんこ遊技機10の主要な制御処理は、図14に示す電源投入時処理(メイン基板における「制御開始処理」などともいう)、図15に示す初期設定処理、図16に示す設定変更処理、図17に示す遊技進行割込み処理、図18に示す(当否)抽選判定処理、及び、図19に示す電源断処理であり、これらはメイン基板102において実行される。
<電源投入時処理>
図14に概略的に示す電源投入時処理は、ぱちんこ遊技機10の電源投入によりCPU501の製造コードを利用したセキュリティチェックが行われた後に開始される制御処理である。この電源投入時処理においては、図中に示すように初期設定処理(S101)が実行される。初期設定処理(S101)では、設定値に関する処理などが実行されるが、初期設定処理(S101)の内容については後述する。
初期設定処理(S101)の後、RWMクリアボタン(RWMクリアスイッチ(544))が操作されたか否かの判定(S102)が実行される。このS102において、RWMクリアボタンの操作が行われていた場合には(S102:YES)、RWMクリアの処理(S103)が実行され、RWMクリア情報がサブ側(サブメイン基板301の側)へ送信される(S4)。更に、電源投入が正常に行われたことを表す情報(電源投入正常の情報)をRWMに保存し(S105)、タイマ割込みの許可を行う(S106)。このタイマ割込みの許可(S106)により、所定周期(ここでは4ms)での遊技進行割込み処理(タイマ割込み処理)が可能となる。更に、各種の乱数が、ループ処理(循環処理)が繰り返される毎に更新される(S107)。
ここで、乱数更新の処理(S107)で更新される乱数としては、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数なの各種の初期値乱数を挙げることができる。また、各種の乱数の更新にあたっては、共通の制御モジュールとして、2バイトソフト乱数更新処理を用いることが可能である。また、乱数更新の処理(S107)で更新される乱数は、前述したソフトウェア乱数であり、乱数の種類によっては、乱数更新の処理(S107)で更新されるソフトウェア乱数と、前述のハードウェア乱数との演算により乱数値を生成することも可能である。
上記S102で、RWMクリアボタンが操作されていなかった場合には(S102:NO)、電源断正常の情報がRWMに保存されているか否かの判定が行われる(S111)。そして、電源断正常の情報がRWMに保存されていた場合には(S111:YES)、RWMチェックが行われ(S112)、RWM内のデータ(所定範囲のデータ)が正常か否かの判定が行われる(S113)。このS113で、RWM内のデータが正常でなかった場合には(S113:YES)、RWMクリアの処理(S103)へ移行する。
上記S111で、電源断正常の情報がRWMに保存されていた場合(S111:NO)、及び、上記S113でRWM内のデータが正常であった場合には(S113:NO)、RWMから電源断時の各種の情報コマンドのデータを取得する(S116)。更に、取得した各種情報コマンドのデータをサブメイン基板301の側へ送信し(S117)、ソレノイドの復帰設定を行って(S118)、前述のS105(電源投入正常の情報をRWMに保存する処理)へ移行する。
<初期設定処理>
次に、前述の初期設定処理(図14のS101)について、図15に基づき説明する。この初期設定処理では、各ポート・レジスタの設定処理が実行され(S121)、設定キーの挿入操作があったか否かの判定が行われる(S122)。設定キーの挿入があった場合には(S22:YES)、設定値変更処理(S126)が行われるが、この設定値変更処理(S126)については後述する。
上記S122で、設定キーの挿入がなかった場合には(S122:NO)、設定値情報の読み込み(リード)が行われ(S123)、設定値が異常か否かの判定が行われる(S124)。設定値が異常でなかった場合には(S124:NO)、初期設定処理を終えるが、設定値が異常であった場合には(S124:YES)、設定値異常の報知を行う(S128)。そして、設定値異常情報をサブメイン基板301の側へ送信し(S129)、その後はループ状態となる。
<設定値変更処理>
次に、前述の設定値変更処理(図15のS126)について、図16に基づき説明する。この設定値変更処理では、設定値保存領域のRWMをチェックし(S131)、設定値情報が異常であるか否かの判定を行う(S132)。設定値情報に異常がなければ(S132:NO)、RWMクリアスイッチの入力があったか否かの判定を行い(S133)、RWMクリアスイッチの入力があった場合には(S133:YES)、設定値情報に応じた設定値を表示する(S134)。
上記S132で設定値情報に異常があれば(S132:YES)、設定値の強制設定を行い、設定値情報にデフォルト値(ここでは「1」)をセットする(S141)。そして、設定値強制設定情報をサブメイン基板301に送信してから(S142)、設定値の表示を行う(S133)。
上記S134の後、設定値の変更操作があったか否かの判定を行い(S135)、変更操作があれば(S135:YES)、そのときの設定値情報を+1する(S136)。更に、設定値情報が設定上限値(ここでは「6」)に達したか否かを判定し(S137)、上限値に達していれば(S137:YES)、そのときの設定値情報を「1」にセットする(S138)。そして、設定変更が完了したか否か(設定キーが抜き取られたか否か)を判定し(S139)、完了していれば(S139:YES)、設定値の表示を止め(S140で表示を消去し)、設定値変更処理を終了する。
上記S135で、変更設定がなかった場合には(S135:NO)、設定値情報の加算の処理(S136)から設定下限値(ここでは「1」)のセットの処理(S138)を行わずに、設定変更が完了したか否かのを判定処理(S139)に移行する。また、上記S137で、設定値情報が上限値に達していない場合は(S137:NO)、上記S137の設定下限値のセット処理(S138)を行わずに、設定変更が完了したか否かのを判定処理(S139)に移行する。更に、上記S139で設定変更が完了していなければ(S139:NO)、上記S134の設定値表示の処理に戻る。
上記S133において、RWMクリアスイッチの入力がなかった場合には(S133:NO)、上記S134と同様に、設定値情報に応じた設定値を表示する(S146)。更に、上記S139と同様に、設定変更が完了したか否か(設定キーが抜き取られたか否か)を判定し(S147)、完了していれば(S147:YES)、上記S139へ移行し、設定値の表示を止め(S140で表示を消去し)、設定値変更処理を終了する。上記S147で設定変更が完了していなければ(S147:NO)、上記S136の設定値表示の処理に戻る。
つまり、上記S133において、RWMクリアスイッチの入力があった場合には(S133:YES)、設定値の表示が行われ(S134)、設定値の変更のための処理(上記S135〜S138等)が可能となる。しかし、上記S133において、RWMクリアスイッチの入力がなかった場合には(S133:NO)、設定値の表示(S146)が行われるものの、上記S135〜S138のような設定値の変更のための処理は可能とならない状態で、設定値表示が行われる(この状態を設定表示モードと称する場合もある)。
<遊技進行割込み処理>
次に、所定周期のタイマ割込み毎に繰り返される遊技進行割込み処理(図17)について説明する。この遊技進行割込み処理(「タイマ割込み処理」などともいう)は、前述の説明では省略したが、電源投入時処理(図14)において設定された周期情報に基づき所定周期(ここでは4ms周期)で繰返される。図17に示すように、遊技進行割込み処理においては、割込み動作条件の設定(S41、S42)、割込み処理時間監視手段の再帰(S43)、遊技機の管理(S45〜S70)、割込みの許可(S71)を順に行い、遊技進行割込みが発生する前の処理に復帰させる。
具体的には、割込み動作条件の設定の処理(S41、S42)においては、割込みフラグをクリアするため、割込み動作条件設定値が、遊技進行割込み制御レジスタに格納され(S41)、割込み動作条件設定値が、所定の入力端子に対応した制御レジスタにセットされる(S42)。この後、第2再帰情報がセットされ(S43)、更に第2再帰情報が割込み処理時間監視手段レジスタにセットされる(S44)。第2再帰情報は、後述するように、先にセットされた第1再帰情報とともに、割込み処理時間監視手段の監視用計時を再帰させてリスタートさせるための条件となるものである。
遊技機の管理(S45〜S70)においては、遊技機の管理を行うため、以下の処理を順に実行する。先ず、特定の信号の入力を監視するため、入力処理(S45)を実行する。ここで監視の対象となっているのは、遊技盤面に取り付けられている各種スイッチ、受け皿満タンスイッチ、開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、ガラス未検出信号、及び断線短絡電源異常検知信号である。
続いて、各種乱数更新処理(S46)を実行し、普通図柄変動パターン乱数、及び変動パターン乱数を更新する。更に、初期値更新型乱数更新処理(S47)を実行し、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。次に、初期値乱数更新処理(S48)を実行し、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。また、2バイトタイマの更新を行うため、タイマ減算処理(S49)を実行し、第2始動入賞口63の有効期間を設定するため、第2始動口の有効期間設定処理(S50)を実行する。
更に、入賞監視処理(S51)が実行され、賞球を払出す回数の記憶、盤用外部情報の出力要求の作成、及びサブ基板104に送信するコマンドの送信要求が行われる。続いて、払出制御基板103を制御するため、賞球制御処理(S52)を実行する。
次に、遊技球が普通図柄作動ゲート(作動口68)を通過したとき、普通図柄に係る乱数を記憶するため、普通図柄作動ゲート監視処理(S53)を実行し、普通図柄表示装置又は普通図柄電動役物に係る処理を行うため、普通図柄制御処理(S54)を実行する。更に、普通図柄の変動開始の監視を行うため、普通図柄変動開始監視処理(S55)を実行する。また、遊技球の第1−1始動入賞口62A、第1−2始動入賞口、及び、第2始動入賞口63の入賞の監視を行うため、始動口監視制御処理(S56)を実行し、第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71に係る処理を行うため、特別図柄制御処理(S57)を実行する。続いて、特別電動役物に係る処理を行うため、特別電動役物制御処理(S58)を実行し、大入賞口の有効期間に係る処理を行うため、大入賞口有効期間設定処理(S59)を実行し、第1特別図柄、及び、第2特別図柄の変動開始の監視を行うため、特別図柄変動開始監視制御処理(S60)を実行する。
次に、磁気の監視、断線・短絡・電源の監視、電波の監視、ガラス枠セット・遊技盤の枠の開閉状態の監視、及びペアガラスの監視を行うため、異常検知処理(S61)を実行し、入球通過時間異常の検出を行うため、入球通過時間異常検出処理(S62)を実行する。更に、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄表示装置の作動保留球数、及び特別図柄表示装置の作動保留球数の表示要求を行うため、遊技状態表示処理(S63)を実行し、発射ハンドル20のタッチ状態(操作量の状態を含む)の監視を行うため、ハンドル状態信号検査処理(S64)を実行する。また、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄表示装置(70、71)の作動保留球数の表示、普通図柄表示装置の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、及びエラーの表示を行うため、LED出力処理(S65)を実行する。
続いて、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、発射制御信号出力処理(S66)を実行し、試験装置に出力する信号を作成し出力するため、試験信号出力処理(S67)を実行する。更に、普通電動役物ソレノイド、及び、大入賞口(開放)ソレノイドの出力データの出力を行うため、ソレノイド出力処理(S68)を実行し、演出制御コマンドを送信するため、演出制御コマンド送信処理(S69)を実行し、外部端子(外部中継端子基板46(図2参照)の各種外部出力端子)に信号を出力するため、外部情報出力処理(S70)を実行する。
この後、割込み許可(S71)が実行され、制御処理がリターン(RET)に抜ける。そして、次回の遊技割込みが実行されるまでの残余時間を利用して、電源投入時処理(図14)の前述の循環処理(S107の乱数更新処理を含めて繰り返される循環処理)が実行される。
<<ハンドル状態信号検査処理>>
前述のハンドル状態信号検査処理(S64)においては、発射ハンドル20のタッチ状態の監視を行うため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及び、ハンドル状態演出のコマンド送信要求を行う。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を行う。なお、ハンドル状態監視タイマの減算において、ハンドルタイマ減算中と判断した場合、ハンドル状態に関する以降の処理は行わない。
<抽選判定処理>
次に、前述の抽選判定の処理(「抽選判定処理」ともいう)について説明する。この抽選判定処理は、確率データを用いて当選か否かを判定(大当り抽選判定を行う処理)する処理である。また、抽選判定処理は、前述の遊技進行割込み処理(図17)における、例えば特別図柄変動開始監視制御処理(S60)で行うようにすることが可能である。
図18は、当否に係る抽選判定処理の一例を示すフローチャートである。この抽選判定処理においては、まず、ステップS1022に進むと、メインCPU501は、当選番号データとして所定のレジスタ(例えばCレジスタ)に1をセットして、次のステップS1024に進む。ステップS1024に進むと、メインCPU501は、繰返し回数データとして2をセットして、次のステップS1025に進む。当選番号データは、「1」が大当りを示し、「2」が小当りを示すものとなっている。
ステップS1025に進むと、メインCPU501は、抽選テーブルから確率データを取得する。具体的には、メインCPU501は、遊技状態(確率変動状態か、通常確率状態か)、及び設定値に応じた確率データのアドレスを指定し、指定したアドレスに対応する確率データを抽選テーブルから取得して、レジスタに記憶する。そして、次のステップS1026に進む。
ステップS1026に進むと、メインCPU501は、当否判定を行う。ここで、メインCPU501は、まず、始動口に入賞した際に取得した当否判定用のために乱数値を、抽選時用の比較レジスタ(例えばDEレジスタ)に記憶し、次に、ステップS1025で取得した確率データに記憶された値を比較レジスタの値から減算し、新たな比較レジスタの値とする。このようにして、比較レジスタの値を更新する。
次のステップS1027では、メインCPU501は、当選したか否かを判断する。ここで、比較レジスタ(例えばDEレジスタ)の値から確率データを減算することにより、DEレジスタの値が「0」より小さくなると(桁下がりが発生すると)、フラグレジスタのキャリーフラグに「1」がセットされる。すなわち、キャリーフラグが立つ。また、「キャリーが発生する」とは、キャリーフラグに「1」がセットされることを意味する。そして、ステップS1027では、メインCPU501は、キャリーフラグに「1」がセットされているか否かを判断することにより、当選したか否かを判断する。
ここで、キャリーフラグに「1」がセットされていないときは、メインCPU501は、当選しなかった(No)と判断し、次のステップS1028に進む。これに対し、キャリーフラグに「1」がセットされているときは、メインCPU501は、当選した(Yes)と判断し、ステップS1028〜S1033をスキップして、本フローチャートによる処理を終了する。ここで、ステップS1027で「Yes」のときにセットされている当選番号データが抽選判定で決定された当選番号(例えば、当選番号1であれば大当り、当選番号2であれば小当り)を示すこととなる。
次のステップS1028では、メインCPU501は、当選番号データを更新する。具体的には、メインCPU501は、当選番号データ(例えば、Cレジスタ)の値に「1」を加算して、新たな当選番号データ(例えば、Cレジスタ)の値とする。すなわち、当選番号データ(例えば、Cレジスタ)の値を更新する。そして、次のステップS1029に進む。
ステップS1029に進むと、メインCPU501は、繰返し回数データを更新する。具体的には、メインCPU501は、繰返し回数データ(例えば、Bレジスタ)の値から「1」を減算して、新たな繰返し回数データ(例えば、Bレジスタ)の値とする。すなわち、繰返し回数データ(例えば、Bレジスタ)の値を更新する。そして、次のステップS1030に進む。
ステップS1030に進むと、メインCPU501は、繰返し回数が終了したか否かを判断する。具体的には、メインCPU501は、繰返し回数データ(例えば、Bレジスタ)の値が「0」か否かを判断する。ここで、繰返し回数データ(例えば、Bレジスタ)の値が「0」であるときは、繰返し回数が終了したことを示し、繰返し回数データ(例えば、Bレジスタ)が「0」でない(「0」より大きい)ときは、繰返し回数が終了していないことを示す。そして、ステップS1030では、メインCPU501は、繰返し回数データ(例えば、Bレジスタ)の値が「0」かを判断することにより、繰返し回数が終了したか否かを判断する。
ここで、Bレジスタの値が「0」であるときは、メインCPU501は、繰返し回数が終了した(Yes)と判断し、次のステップS1033に進む。これに対し、Bレジスタの値が「0」でないときは、メインCPU501は、繰返し回数が終了していない(No)と判断し、ステップS1025に戻る。
また、ステップS1030で「No」のときは、前回と同一の確率データを用いて、再度、ステップS1026の当否判定が行われることとなる。次のステップS1033では、メインCPU501は、当選番号データ(例えば、Cレジスタ)の値に非当選データである「00(H)」をセットして、本フローチャートによる処理を終了する。
以上のように構成することにより、ステップS1028で記載したように、当選番号データを更新する処理が抽選判定処理内にあるため、当選番号データを抽選テーブルに記憶しておく必要がない。また、繰返し回数及び同一の確率データを用いて当選番号を決定することにより、同一の確率データを抽選テーブルに繰り返し定めなくても済むので、抽選テーブルによるROMの使用量を削減することができる。
なお、本例においては、小当りと大当りに対応する当選番号を1ずつ設け、当り時には別途取得する図柄乱数によって大当りや小当りの種別を決定したが、本処理によってこれらの種別を決定することも可能である。その場合には、ステップS1024の繰返し回数データの値を種別の数に応じて変更し、当選番号毎の確率データ(当選番号毎に対応する範囲値)を設定すれば同一の判定ルーチンで対応することも可能である。
<電源断処理>
次に、電源断が生じた場合に実行される電源断処理について説明する。図19に示すように、電源断処理においては、全使用レジスタのデータをRWMに退避し(S81)、電源断前の割込み許可/禁止の状態を保存する(S82)。更に、RWMに電源投入正常の情報が保存されているか否かが判定され(S83)、保存されていない場合には(S83:NO)、電源断異常の情報をRWMに保存し(S84)、RWMアクセス禁止の処理(S88)へ移る。一方、保存されている場合には(S83:YES)、スタックポインタの値をスタックポインタバッファに保存し(S85)、電源断正常の情報をRWMに保存し(S86)、RWMのチェックサムを算出し、チェックサムデータを保存する(S87)。そして、RWMをアクセス禁止とし(S88)、制御処理をループさせながらCPU501のリセットを待つ。
また、この電源断処理においては、前述した第1再帰情報及び第2再帰情報の双方の設定が済んでいなかったとしても、CPU501が強制再帰手段として機能し、第1再帰情報及び第2再帰情報の設定が行われ、割込み処理時間監視手段の監視用計時が強制的に初期化され、計時が再帰させられる。更に、この強制的な第1再帰情報及び第2再帰情報の設定は、本実施例では、電断処理開始直後であって、全使用レジスタの退避の処理(S81)よりも前のタイミングで行われている。そして、電力供給が再開された場合には、監視用計時が再帰した状態で、制御処理が開始される。つまり、電源断発生時に監視用計時を強制的に再帰させておくことにより、電力供給を再開した直後の制御処理において、監視用計時が再帰しないまま、制御処理が進行することを防止できるようになっている。
<メイン基板に係るその他の制御処理態様>
<<コマンド送信タイミングに係る制御態様>>
本実施例では、メイン基板102からサブメイン基板301に出力される演出制御コマンドは、送信の前に、コマンド要求により、コマンドバッファに一旦格納される。コマンドバッファは、複数のバッファをリングバッファとして機能させたものであり、コマンド送信のための制御処理(ここでは演出制御コマンド送信処理(S69))において、コマンドバッファに蓄積された順に、1回の遊技進行割込み処理で1コマンド(MODE、EVENTの1対のデータ)ずつ、コマンドバッファから取出されて送信される。なお、優先順位が高く設定されたコマンドから先に送信するような手法も採用可能である。また、各種の制御処理において、送信が必要となったコマンドが発生した場合に、随時コマンド送信を行うことも可能である。このような手法を採用した場合には、1回の遊技進行割込み処理中に、例えば演出制御コマンド送信処理(S69)のような一つの制御処理モジュール内で集約的に演出コマンドの送信が行われるのではなく、コマンド送信の必要が生じる都度、各制御処理モジュール内で、逐次的にコマンド送信が行われることになる。このため、コマンド送信が次回以降の遊技進行割込み処理に持ち越されるといった事態が生じ難い。そして、例えば始動入賞時のコマンドや、特別図柄の変動開始時のコマンド送信に遅れを生じることがなく、迅速なコマンド処理が可能となる。
<<保留記憶の更新に係る制御態様>>
本実施例では、前述のように、第1遊技と第2遊技との間に優先順位を設けない構成が採用されており、更に一方の遊技が実行中に他方の遊技を実行可能とする並列遊技を採用しており、それぞれの遊技について、始動入賞が発生した順に保留記憶が消化される。そして、消化に応じた保留記憶情報の更新、複数の遊技の合計保留数の更新、及び、入賞順序の記憶を行うことにより、全体として、保留記憶された情報の更新を行う。しかし、これに限定されず、例えば、第1遊技を優先する構成や、第2遊技を優先する構成を採用することも可能である。
また、本実施例では、保留記憶が更新されたことをサブメイン基板301に伝えるため、前述のように図柄記憶数コマンド(図柄1記憶数コマンドや図柄2記憶数コマンド)の要求が行われるが、1つのコマンドに図柄1記憶数コマンド、及び、図柄2記憶数コマンドの双方を含めることにより、必要なプログラムやメモリの容量を削減できる。
<<変動パターンの抽選に係る制御態様>>
続いて、変動パターンの抽選に係る各種態様について説明する。ここで説明する変動パターンの決定の態様は、一のぱちんこ遊技機10において、いずれかが選択されて適用されてもよく、或いは、適宜併用されていてもよい。そして、複数の態様を併用する場合には、例えば、当否結果等の要素に基づき、態様の使い分けを行うことが可能である。
本実施例では、変動パターンの決定には、前述のように、当否結果、保留球数、特別図柄(図柄群の場合もある)、及び、変動パターン選択状態(特別図柄のステイタス情報)が決定要素として用いられているが、これらの決定要素の組合せに対応した変動パターンテーブルが選択される。そして、変動パターンテーブルの決定に伴い、変動パターン乱数を使用して変動パターンと紐付けされ対になっている変動時間が決定される。更に、本実施例では、変動パターンの決定に関し、当否抽選の結果が大当りの場合と、はずれの場合とで、変動パターンテーブルを異ならせることが行われている。すなわち、大当りの場合には、保留球数などの特別図柄のステイタス情報、特別図柄(群)、当否乱数を基に、これらに紐付けされた中から変動パターンテーブルが選択される。一方、はずれの場合には、遊技状態、特別図柄、保留球数、当否乱数を基に、これらに紐付けされた中から変動パターンテーブルが選択される。このうち、大当りの場合で、演出上の再抽選の時間が付与される変動パターンについては、演出状態(特定の演出の有無など)と、特別図柄群とに基づき、再抽選の時間の付与の有無が決定され、決定された結果が、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される。
また、変動パターン及び変動時間の決定に際して、決定された変動パターン番号に応じた変動付加情報を決定し、変動付加情報により、後続的な変動時間の決定を行うことが可能である。例えば、選択された変動パターンが、限定頻度パターン演出に対応したものである場合に、それに応じた変動時間の延長分を事後的に決定するといったことが考えられる。
また、前述のように特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとして変動付加情報のコマンドを設定することにより、サブメイン基板301にて、遊技状態や当り図柄といった要素に関係づけて先に決定した変動時間に、後発的に付加時間を加算する演出が行うことができる。そして、この様な態様で、総合的な演出図柄の変動時間を決定する場合には、以下のように、予め設けられる変動パターンの数を少なく抑えつつ、多様な変動パターンを作成することが可能である。すなわち、前述の擬似連続予告(所謂「擬似連」)を行う場合について考えれば、擬似連の変動パターンを単に個別に設定した場合には、演出の種類数と同じ数の変動パターンを予め設けておく必要がある。そして、このように全て個別にメイン基板102にて決定する変動パターンに対してサブメイン基板301での演出図柄等の演出パターンを用意した場合には、メイン基板102における変動パターンの合計数が大となって、例えば256個を超えるほどの数に達することも考えられる。このため、多数の変動パターンに対して識別可能な符号を与えるためには、従来よりも符号を表すためのビット数やバイト数を増やす必要が生じてしまう。
しかし、変動付加情報(変動付加パターン)を用いることにより、相対的に少ない数の基本の変動パターンに対し、例えば乱数抽選した変動付加情報を繋げて、事後的に変動パターンを形成することが可能である。そして、このことにより、変動パターンの組合せにより新たな変動パターンを形成できるので、予め設けておく変動パターンの数を過大とすることなく、多様な変動パターンを作成できる。なお、変動付加情報に係る乱数値も、先読み演出用のコマンドとして、始動入賞発生時に、メイン基板102からサブメイン基板301に送信することが可能である。また、限定頻度パターン演出が実行される場合に変動付加情報の付加が行われ易くなるよう、変動付加パターンの出現確率を設定しておくことなども可能である。なお、変動付加情報を用いる例を更に挙げれば、演出図柄190の組合せとして最初から確変図柄である「777」が表示された場合には変動付加情報の設定は行わず、演出図柄190の組合せとして、一旦非確変図柄である「666」が表示された場合には、「777」に昇格させるか否かの結果が表示されるまでの演出(例えば、揺れ変動の演出や、変動態様の展開を表す演出など)を、変動付加情報を設定して行う、といったことがある。
また、本実施例では、変動パターンは、保留球数を要素として決定されており、保留球数が幾つであるかに応じて、参照される変動パターンテーブルが異なる。変動パターンテーブルは、保留球数0〜4に対応して設けられている。保留0〜3の4つだけではなく、保留4に対応する変動パターンテーブルが設けられているのは、以下の理由による。例えば、保留球数が4つの状況から新たな変動表示が開始され、保留球数が3となった場合を考える。その時点で実行されている遊技進行割込み処理中の、未だ制御処理が、後の遊技進行割込み処理中の処理である変動パターンの決定に至らない段階において、保留球数が3となっている状態から新たな始動入賞が発生すると、変動パターンの決定時には、保留球数が加算されて4となっている。したがって、このような状況も変動パターンの決定の要素とし得るよう、保留球数0〜4に対応して変動パターンテーブルが設けられているのである。
ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、変動パターンテーブルは、保留球数0〜3に対応して設けるようにしてもよい。この場合、制御処理上、保留球数3の状態から変動パターンの決定までの間の始動入賞が加算されない構成とすることが可能である。なお、いずれの態様についても、4個以外の最大保留数(例えば8)が設定されたタイプのぱちんこ遊技機にも適用が可能である。
また、変動パターン乱数の取得タイミングとしては、変動パターン抽選時とすることが可能である。すなわち、変動パターン乱数は、特別電動役物等の役物作動に係る乱数ではないので、適正な遊技を行うための要素としては、当否乱数などに比べて、例えば公正な遊技を目指すうえでの制約を設ける必要性が低くなる。したがって、始動入賞時には敢えて変動パターン乱数の取得はせず、例えば、別途設けられたタイミングとして変動パターン抽選時に、変動パターン乱数を取得し、記憶することが考えられる。このようにすることにより、始動入賞時に記憶すべき情報の数を減らすことができ、プログラムやメモリの容量削減が可能となる。
<<図柄の指定に係る制御態様>>
図柄の抽選にあたり、図柄乱数を示す符号の上位バイトの値に基づき使用する図柄判定テーブルを決定し、その後、図柄乱数の下位バイトの値に基づき、決定した図柄判定テーブルから図柄を決定することなども可能である。例えば、図柄乱数の数値範囲が「0〜999」に設定した場合、これらの数値の2値符号コードを利用することができる。そして、このようにすることにより、メモリやプログラムの容量を削減できる。また、当り図柄(図柄群であってもよい)に対してラウンド数や時短回数等の遊技状態の振分けを行い、当り図柄に応じて、その後のラウンド数や時短回数、大入賞口の開放時間や開放パターン等が決定されるようにしてもよい。このようにすることにより、遊技状態の固有のデータの記憶や制御処理を行う必要がなく、メモリやプログラムの容量を削減できる。更に、メイン基板102からサブメイン基板301へ当り図柄等を伝えるコマンド(例えば、本実施例では、図柄1演出パターン、図柄2演出パターンの各コマンド)に、遊技状態を伝える情報(遊技状態指定情報)を付加することも可能である。このコマンドは、作成されてから直ぐにサブメイン基板301へ送信されるものではなく、作成されて一時記憶され、所定のタイミングを待ってからサブメイン基板301へ送信されるものである。
<<特別図柄と演出図柄の変動時間の関係>>
前述のように、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)と、これに対応した演出図柄190とは、互いに同期して変動開始及び変動停止するよう制御されるものであるが、状況によっては、演出図柄190の変動時間が、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動時間に対してある程度短くなり得るものである。
すなわち、特別図柄の変動や変動パターンの決定がされ、特別図柄の変動が開始される際に、メイン基板102からサブメイン基板301に対し演出図柄の変動開始コマンド(変動開始時のコマンド)が送信されるが、所定のコマンド(例えば変動開始時のコマンドの最初のコマンド)の送信及び受信に要する時間や、コマンドバッファ(本実施例ではリングバッファタイプが用いられている)にセットされ待機しているコマンド(先入れのコマンド)が全て送出されるまでの時間などの影響を受け、その分、演出図柄の変動開始が特別図柄の変動開始よりも遅延することが考えられる。更に、特別図柄の変動停止時には、変動停止コマンド(特別図柄の図柄確定時のコマンド)がサブメイン基板301に送信されるが、所定のコマンド(例えば図柄確定時変動開始時のコマンドの最初のコマンド)の送信及び受信に要する時間や、コマンドバッファの混み具合(送信待機中のコマンドの数の程度)により、演出図柄の変動停止が遅延することも考えられる。
このように、演出図柄の変動時間は、変動開始時に送信されたコマンドに基づき特別図柄の変動時間に対してある程度設定(調整)するようにし、揺れ変動を行うことによって、特別図柄が次の変動を開始した後に最後の図柄が停止表示されるといった事態を避けるようにしている。コマンドの数による処理の遅延によって揺れ変動中の表示は次変動に跨る恐れがあるが、変動終了時は変動開始時に比べてサブメイン基板301に対して送信されるコマンドが少ないことから、遅延量が抑えられ、特別図柄の表示固定時間(特別図柄に係る図柄固定時間)中に演出図柄をほぼ確実に固定できるようになっている。
<<当否抽選結果の事前判定>>
先ず、本実施例においては、前述したように(図9(a)、図12)、第1抽選及び第2抽選における当否乱数値範囲は「0〜65535」であり、この当否乱数値範囲「0〜65535」が、図13(a)に示すように、複数の乱数値範囲(ここではA〜N)に区分けされている。
そして、図13(a)に示すように、当否乱数値範囲は「0〜65535」のうち、「0〜205」は先読みコードAの分類に属しており、「206」は先読みコードBの分類に属している。更に、当否乱数値「207」〜「210」は、それぞれ先読みコードC〜Fの分類に属している。また、当否乱数値「211〜615」は、先読みコードGの分類に属しており、当否乱数値「616〜618」は、先読みコードHの分類に属している。
続いて、当否乱数値「619〜621」、「622〜624」、「625〜627」、「628〜630」は、それぞれ先読みコードH〜Lの分類に属している。また、当否乱数値「64874〜65534」は、先読みコードMの分類に属している。更に、本実施例では、当否乱数値「631〜64873」と「65534」は、先読みコードMの分類に属している。
図13(b)は、各先読みコードの内容を示している。図中に示すように、先読みコードAは設定値に関わらず、全設定で当り(大当り)となることを意味している。続いて、先読みコードBは、設定値が「2」以上である場合に、通常時であっても確変時であっても当りとなることを意味している。つまり、先読みコードBは、設定値「2」以上であれば通常確率時でも高確率時でも当りを示すこととなるが、設定値が「1」の場合ははずれを示すものとなる。更に、先読みコードC〜Fは、設定値が「3」以上〜「6」であれば、確率状態に関わらず、通常時及び高確率時の両方で当りとなることを意味している。
続いて、先読みコードGは、確変中であれば、どの設定値の場合であっても当りとなることを意味している。つまり、先読みコードGは、高確率時であれば当りを示すが、通常確率時にははずれを示すものとなる。更に、先読みコードHは、確変中であれば、設定値「2」以上で当りとたることを意味している。また、先読みコードI〜Lは、確変中であれば、設定値「3」以上〜「6」で当りとなることを意味している。また、先読みコードMは、小当りとなることを意味しており、先読みコードNは、設定値や確率状態に関わらず、外れ(はずれ)となることを意味している。
このように分類グループ化された先読みコードを用いて、例えばメイン基板102で、取得した乱数値が属する先読みコードを判定し、判定した先読みコードに対応する情報(コマンド)を前述の事前通知情報としてサブメイン基板301へ送信することが可能である。そして、サブメイン基板301の側では、保留の消化を待つことなく、先読み演出として当り予告演出を、当否判定結果に関連して行うことが可能となっている。
また、前述した先読みコードB〜Fおよび先読みコードH〜Lは、設定値N(以上)の時に送信されることになるコマンド(コード)であるので、サブメイン基板301において演出決定する際に、設定値を示唆する演出として実行される演出内容として、設定値N(以上)を示唆する演出を実行可能(実際の設定値がNまたはN以上の時)である一方、反対に設定値N未満を示唆する演出を実行可能にもなる(実際の設定値がN−1未満の時)。
また、本実施例においては、特別図柄の種類の事前判定や、特別図柄に係る変動パターンの種類の事前判定にも、上述した当否抽選の結果の場合と同様に、乱数値範囲に基づく判定が行われるようになっている。そして、特別図柄の種類や、特別図柄に係る変動パターンの種類は、当否抽選の結果の種類に比べて多数設けられており、先読みコード数(グループ数)も、当否抽選の場合に比べて多くなっている。しかし、乱数値範囲に基づく事前判定の手法としては、乱数値範囲や、グループ化される抽選結果の種類は異なるものの、前述したような当否判定に係る事前判定と同様に行うことが可能である。したがって、ここでは、図柄予告演出やパターン予告演出についての、乱数値範囲に基づく事前判定についての詳細な説明は省略する。
このような乱数値範囲に基づく事前判定を行うことにより、情報のまるめが可能となり、少ない情報量で、事前判定に係るコマンドを作成することが可能となっている。つまり、乱数値の個数が256個を超える場合には、乱数値を表記するために必要なバイト数が1バイトを超えてしまう。このため、事前判定のために、乱数値の情報をそのまま(生情報として)サブメイン基板301に送信したとすると、どの乱数を送信したかを識別するための情報をMODEで送信し、乱数をEVENTに格納して送信するために2バイト構成のコマンド(MODE、EVENT)を、乱数値を通知するために2回に分けて送信しなければならない場合が生じる。
しかし、本実施例のように、取得した乱数値が属する範囲を示す情報に変換してサブメイン基板301に送信することにより、送信する情報量を乱数値の個数よりも減らすことができ、乱数値の個数が256個(1バイト)を超える場合であっても、1バイトの情報量で、取得した乱数値の属性をコマンド化することが可能となる。なお、メイン基板102の側において、後述するように先読み情報を送信したくない状況が生じる場合に備え、その旨(例えば不定であることや、未判定であること)を示すコードを設けておき、当該コードを示すコマンドをサブメイン基板301の側へ送信することも可能である。
また、上記では事前判定結果として、抽選結果が推定できる情報を送信する実施例を示したが、メイン基板102では取得した乱数値に対し何ら判定することなく、保留として格納する乱数値をサブメイン基板301へ送信し、サブメイン基板301において先読み演出を行うか否かの事前判定を行う仕様であってもよいし(事前判定に係る変形例1)、上記のように事前判定用のテーブルを設けず、変動開始時に抽選に用いる抽選テーブル自体(当否抽選テーブル、変動パターンテーブルなど)か、それと同等のテーブルを用いて抽選処理した結果をサブメイン基板301に対して事前判定結果として通知するものであってもよい(事前判定に係る変形例2)。
<サブ基板の主要な制御処理>
次に、前述のサブ基板104の主要な制御処理について説明する。ここでは、主要な制御処理として、例外処理である各種の割込み処理、及び、これらに関係する処理について、図22〜24に基づき説明する。
<<割込み要因と優先レベル>>
先ず、本実施例においては、サブ基板104を構成するサブメイン基板301において、CPU521が最優先する割込み要因(要因発生元)として、CPU521に設けられたリセット端子への所定信号(リセット信号)の入力、及び、各種の異常の発生がある。これらのうち、リセット信号の入力があるのは電源立ち上げ時、外部リセットが行われる場合、ウォッチドッグタイマのタイムアウトがあった場合などであり、リセット信号の入力に伴い後述するサブメイン初期設定処理(図22参照)が実行される。
一方、各種異常の発生時の割込みは、ウォッチドッグタイマの機能(ウォッチドッグ機能)が有効に設定されているか否かに応じて実行されるものである。すなわち、ウォッチドッグ機能が有効であれば、対象となるような所定の異常が発生した場合に、処理時間がウォッチドッグタイマの設定時間を超えるように、CPU521の処理が例えば所定の無限ループに移行する。そして、ウォッチドッグ機能におけるタイムアウトにより暴走検知がされると、後述するサブメイン初期設定処理(図22参照)が実行される。そして、上述の各種異常と、リセット信号の入力とが同時に発生した場合には、リセット信号の入力によるリセット(サブメイン初期設定処理)が優先される。
サブメイン基板301におけるその他の割込み発生要因として、メイン基板102からのコマンド(メインコマンド)の受信がある。メイン基板102からのコマンドの受信中であることは、メイン基板102からのストローブ信号(タイミング信号となる演出データストローブ信号)の立ち上がりを検出することにより判定される。このメインコマンド受信割込みが発生すると、メインコマンド受信処理(図示略)が実行される。そして、メインコマンド受信割込みの優先レベルは、上述の最優先の次に高いレベル7に設定されている。
また、前述のウォッチドッグ機能が有効に設定されている場合に、前述の各種異常の発生時のように、故意にタイムアウトさせるような処理を経ずに、CPU521についての暴走検知がされると割込み(暴走検知割込み)が発生し、後述するサブメイン初期設定処理(図22参照)が実行される。このような通常のウォッチドッグタイマによる割込みの優先レベルは、上述のレベル7よりも4段階低いレベル3である。なお、本実施例では、このレベル3と上述のレベル7との間となるレベル4〜6の割込みは、実行されないようになっている。
また、他の割込み発生要因として、サブサブ基板302との送受信がある。このサブサブ基板302との送受信に係る割込み(サブサブコマンド受信割込み)は、サブサブ基板302からの受信コマンド(サブサブコマンド)が入力された場合に発生する。サブサブ基板302からの受信コマンドは、サブサブ基板302が、サブメイン基板301からコマンド(サブメインコマンド)を受信した場合に、正常にコマンド受信した旨をサブメイン基板301伝えるものである。そして、サブサブ基板302との送受信に係る割込みが発生すると、コマンド送受信管理処理が実行される。なお、サブメイン基板301からサブサブ基板302へのコマンド送信は、後述するように、サブサブ基板302からの監視用トグル信号が正常に送られてきた場合に行われるものである。このサブサブ基板302との送受信に係る割込みの優先順位は、レベル2となっている。
また、他の割込み発生要因として、サブサブ基板302との通信がある。サブサブ基板302との通信に係る割込み(サブサブ通信割込み)は、後述するように所定周期(本実施例では500μs)毎に発生する。そして、サブサブ基板302との通信に係る割込みが発生すると、サブサブ基板との通信処理が実行される。このサブサブ基板302との通信に係る割込みの優先順位は、上述のサブサブ基板302との送受信に係る割込みと同じレベル2である。
更に、他の割込み発生要因としては、RTCクロック(リアルタイムクロック)との通信、タイマ割込み(サブメインタイマ割込み)の発生、各種ランプ類の割込み要求、などがあり、これらの優先順位は最も低いレベル1に設定されている。これらのうち、RTCクロックとの通信に係る割込みの際には、RTCクロックとの通信処理が実行される。また、上述のタイマ割込みは、ソレノイド出力処理、モータ出力処理、遊技用タイマ管理処理等、遊技演出全般で利用するためのものである。タイマ割込みの起動は、初期化時の設定(初期設定)で直ちに行われ、タイマ割込みは所定の周期(本実施例では約1ms)毎に繰り返される。そして、タイマ割込みが発生した場合には、後述するタイマ割込み処理(図24参照)が実行される。
<<サブメイン初期設定処理>>
ぱちんこ遊技機10の電源投入がされた場合のように、サブメイン基板301の電源がオンされると、図22に示すサブメイン初期設定処理が実行される。このサブメイン初期設定処理においては、先ず、所定のアドレスがスタックポインタとしてセットされ(S201)、続いて各種の初期設定が完了するまですべての割込みが禁止される(S202)。更に、ハードウェア初期設定処理(S203)において、ハードウェアに関する基本的な設定(レジスタ設定やポート初期化など)が行われ、RWM初期化処理(S204)において、所定の条件に応じてRWM初期化が行われる。そして、このRWM初期化においては、初期値付き変数には初期値が準備され、初期値なし変数については0クリアがされる。また、RWM初期化処理(S204)においては、RWMへのROMデータ(制御プログラム等)の展開なども行われる。
更に、S205において、メインコマンドの受信以外の割込み禁止がされ、続いて、各種エラー情報の設定を行う電断復帰エラー検出処理(S206)が実行される。この電断復帰エラー検出処理(S206)においては、ゲーム性等の事情に応じた処理が行われる。つまり、サブメイン基板301においては、振動エラーや電波エラー等を含めた各種のエラーに対処する機能が備えられている。しかし、これらの各種エラーに対処する機能は予め選択されており、有効とされているエラーに対してのみ、エラー検出の機能が発揮されるようになっている。例えば、所謂1種と2種のゲーム性を組合せた1種2種タイプや、ぱちんこ遊技機10のようにV入賞させるタイプ(所謂球確スペックや、小当りVスペックなど)などのように、遊技球が特定の領域を通過することで所定の当りが発生するか否かが決まるような機種では、振動エラーの検出機能が有効とされる。なお、本実施例のぱちんこ遊技機10とは異なり、当否抽選が乱数抽選のみにより行われるタイプの機種では、振動エラー検出機能を有していても、その機能は予め選択的に無効とされており、振動エラー等についての特別な対処は行われないようにすることが可能である。
続いて、全ランプ消灯処理(S207)において、全ランプ消灯を行うために消灯リクエストが行われ、ウォッチドッグタイマ動作開始処理(S208)において、ウォッチドッグタイマをウォッチドッグタイマとして使用する設定に基づき、ウォッチドッグタイマが起動される。なお、図22においては、S201からS208までの処理にメイン処理(S209)を繋げて記載しているが、S201からS208までの処理がサブメイン初期設定処理となっており、メイン処理(S209)は、このサブメイン初期設定処理(S201〜S208)の後に続いて行われるものとなっている。更に、メイン処理(S209)において、遊技の主たる処理の管理などが行われるが、このメイン処理(S209)の詳細については後述する。
メイン処理(S209)の後には、スリープ処理(S210)が配置されている。通常であれば、メイン処理(S209)からサブメイン初期設定処理を行うリセット動作に復帰することはないため、このスリープ処理(S210)は実行されないが、図中に破線の矢印で示すように、何らかの原因によってこのスリープ処理(S210)が実行されることになった場合には、小消費電力モードへの移行が行われる。
<<サブメイン基板におけるメイン処理>>
前述のメイン処理(S209)においては、図23に示すように、RWM配置アドレス取得処理(S221)が実行され、このRWM配置アドレス取得処理(S221)においては、RWMに展開されたプログラム領域をチェックできるように、展開されたプログラム領域の先頭アドレスの取得が行われる。
次に、以降の処理での割込みを可能とするため、すべての割り込みが許可される(S222)。更に、デバイス初期化処理(S223)において、モータ、ソレノイド、ランプ類等の各種デバイスの初期化動作が行われる。続くウォッチドッグクリア処理(S224)において、ウォッチドッグタイマを使用する設定が行われていれば、ウォッチドッグタイマがクリアされる。更に、図柄更新処理(S225)において、演出図柄190a〜190cに係るはずれ図柄がカウンタにより決定される。
ここで用いられるカウンタとしては、「111」から「999」の3桁のカウンタを例示でき、例えば、取得されたカウンタ値が「757」であった場合には、停止表示される演出図柄190a〜190が「757」となるようにすることが可能である。取得されたカウンタ値が「111」のようなぞろ目の組合せであった場合には、例えば「121」のように所定の桁の数値をオフセットして、はずれの組合せとすることが可能である。
この図柄更新処理(S225)は、採用されたはずれ図柄の決定方式によっては実行されない場合がある。例えば、はずれ図柄を抽選で決定する場合は実行されず、具体的なものとしては、全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シート(抽選テーブル)のデータを持ち、該抽選シートを使用してはずれ図柄を決定するような制御態様を例示できる。
続くエラー演出管理処理(S226)においては、エラー状態の監視が行われ、監視結果に応じて各種エラー報知が実行される。
次に、予告抽選管理処理(S228)においては、予告演出を決定するための抽選が実行されるが、この予告演出の抽選は、メイン処理(S209)における後述のループ処理の効率(メインループ処理効率)を上げるため、数回に分けて行われる。すなわち、1回の変動中に複数回の予告演出が実行されるような場合、複数回の予告演出に関する抽選の工程は、1回のメインループで全て行われるのではなく、複数回のメインループに分けた複数回の抽選を経て実行される。また、抽選のタイミングは、変動中における予告演出出現タイミングに関係付けられている。例えば、変動開始直後のように相対的に早いタイミングで出現する予告演出については、抽選時期の優先順位が高く設定されており、優先順位に従ったタイミングで抽選を行うことにより、極力早く画像制御側であるサブサブ基板302にコマンド送信できるようになっている。なお、予告抽選管理処理(S228)において行われる各種の処理については後述する。
次に、デバイス管理処理(S229)においては、リアルタイムクロック(RTC)、ランプ、スピーカ類等のデバイス動作要求があった場合に、該当するデバイスを動作させるための処理が実行される。
更に、コマンド解析処理(S230)においては、メイン基板102から受信したコマンド(メインコマンド)に応じるための処理を開始する必要や、前述のコマンドバッファにコマンドデータが存在する場合に、コマンドの解析を行う。そして、コマンドの解析が行われた場合(S231:YES)には、処理がウォッチドッグクリア処理(S224)に戻り、メインループが実行される。メイン基板102からのコマンド受信の直後はコマンドバッファにコマンドデータがあるため、メインループを実行し、ウォッチドッグクリア処理(S224)以降の処理に戻る。しかし、メインループが繰返されて、後述する次回のタイマ割込みが実行されるまでの間に、コマンドバッファが空になると、コマンド解析を行う必要がなくなり、コマンド解析を行わないことになる。このような場合には、メインループに進まず(S231:NO)、生じた時間を利用して、コマンド解析に比べれば優先順位が低い乱数更新処理(S232)が実行される。この乱数更新処理(S232)は、ソフト乱数更新処理である。また、このコマンド解析処理(S230)においては、サブメイン基板301における変動パターン(サブ変動パターン)の決定を行う。また、全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シート(抽選テーブル)のデータを持ち、該抽選シートを使用してはずれ図柄を決定するような制御態様を採用した場合は、コマンド解析処理(S230)で演出図柄の決定を行う。
これらのコマンド解析に係る処理(S230、S231)については、言い換えれば、或るコマンドについて、コマンド受信直後には、以降に配置された処理(ここでは乱数更新処理(S232))に進まずにメインループ処理(S224〜S232)内のそれ以外の処理(S224〜S231)を繰り返し、コマンドバッファにコマンドがなくなれば、以降に配置された処理へ進み、この結果、或るメインコマンドについて、コマンド解析処理(S230)の開始直後には、コマンド解析が実行されるので、後に配置されたプログラムモジュールへは進まず、コマンド解析処理(S230)においてコマンド解析が行われなくなると、後に配置されたプログラムモジュールへ進むものであるということができる。なお、コマンド解析したか否かの判定処理(S231)の後に、例えばチェックサムの算出などの処理を行う場合には、この処理についても乱数更新処理(S232)と同様に、コマンド受信直後は実行されない処理であるということがいえる。
乱数更新処理(S232)においては、演出に係る抽選用乱数(ソフトウェア乱数)の更新が行われ、この乱数更新処理(S232)が実行される度にサブメイン基板301に係るソフトウェア乱数は新たな値に更新される。そして、乱数更新処理(S232)で逐次更新される値は、前述の予告抽選管理処理(S228)などにおいて、各種の演出態様の抽選のための乱数として用いられる。更に、乱数更新処理(S232)で生成される値は、前述のメイン基板102における所定の乱数の生成と同様に、各種の演出態様の抽選のためのハードウェア乱数との演算を経て、抽選用の乱数として用いられることもある。
<<サブメインタイマ割込み処理>>
次に、タイマ割り込み処理について、図24に基づき説明する。タイマ割込み処理は、所定周期である1ms毎に発生する。このタイマ割り込み処理は、優先度が一番低いレベル1の割込み処理であるため、図中に示すように、先ず、優先レベル2以上の割り込みが許可される(S261)。更に、ポート入力処理(S262)が実行され、ポートデータの入力処理や出力処理が行われる。このポート入力処理(S262)においては、各種センサ(磁気センサ、振動センサ、可動演出部材の位置センサ、プッシュボタンの入力検出センサ等)に接続されたポートを確認する処理(入力処理)、及び、各種デバイス(モータ、ソレノイド、ランプ等)に接続されたポートからの情報出力(出力処理)が行われている。
また、ポート入力処理(S262)では、これらのポート以外にも、電断時に電断を示す旨の信号(電断信号)が入力される電源電圧監視用のポートに係る処理も行われている。そして、この電断信号が入力されると、CPU521の処理は、全ての割込み処理を禁止し、記憶された情報のバックアップを行うための転送処理へ移行する。なお、このサブメイン基板301のバックアップ機能については後述する。
続いて、デバイス制御データ出力処理(S263)が実行され、各種モータ、ソレノイド、ランプ類等を駆動するためのデバイス制御データ出力が行われる。例えば、図23に示すメイン処理のデバイス管理処理(S229)において、所定のモータに対し100ms間の励磁の後、100ms間の消磁を行うという駆動制御パターンが決定されていた場合には、このデバイス制御データ出力処理(S263)において、100msの時間のカウント処理が行われる。
更に、演出用タイマ更新処理(S264)が実行され、各種演出における所定のタイミングを計るためのタイマ値の更新処理(S265)が行われる。そして、ボタン制御タイマ更新が実行され、プッシュボタン(操作ボタン22)の操作が有効となる期間の管理のための有効時間管理タイマが更新される。
更に、プッシュボタン監視制御処理(S266)が実行される。このプッシュボタン監視制御処理(S266)は、演出用サブボタン(プッシュボタン)である前述の操作ボタン22に係る制御のためのものであり、操作ボタン22の入力状態(操作状態)に応じた処理を実行する。
次に、タスク制御カウンタの更新(S267)が実行され、所定の複数のタスクに用いられる制御用カウンタ(マルチタスク用カウンタ)が更新される。この制御用カウンタは、16回を1単位として、タイマ割込み周期である1ms毎に1回のカウント値の更新を行うものである。そして、タスク制御用カウンタは、本実施例では、0〜15までの値を1ms毎に順にカウントするとともに、この0〜15の値のカウントをループさせている。
また、所定のタスクの一つとして、遊技効果ランプに係るものを例示できる。遊技効果ランプの駆動態様には、演出表示装置60における画像と同期して行われるものも多く、動画の1フレーム(1単位の画像フレーム)の表示の切換えは約16ms又は約32ms(約33msである場合もある)といった周期で行われることが多い(本実施例では16ms周期)。このため、遊技効果ランプに係る制御用カウンタの生成周期が、動画表示における制御単位時間(16msや32ms)と整数倍や整数分の1といった関係を形成するよう、制御用カウンタの設計が行われている。この結果、画像とタイミングを合わせたランプ演出の設計が容易となる。
また、制御用カウンタに関しては、例えば遊技効果ランプに係る或る処理が16ms間隔で行われるとすると、制御用カウンタの値が3等の一つの所定の値にとなるタイミングで当該処理が行われる。また、後述する画像CPU暴走監視処理のように8ms間隔で行われる処理については、制御用カウンタが1となる場合及び9となる場合のように、差が8である2箇所のタイミングで処理が行われる。
また、制御用カウンタが生成する周期を、例えばタイマ割込み(サブメインタイマ割込み)の1周期(1ms)のように比較的短い周期に合せた場合、エラー報知等の制御のように、30秒間程度の比較的長い時間をカウントする制御を行うと、30秒を計数するのに確保すべきデータ長が長くなり、必要なメモリ数も大となる。このため、制御用カウンタの周期を、タイマ割込みの1周期(1ms)よりも長く設定するとともに、重畳される他の演出(画像演出)に係る制御周期と整数倍或いは整数分の1の関係となるよう、制御用カウンタが一周する周期を所定周期(ここでは16ms)に設定している。なお、このタスク制御カウンタの更新の処理(S267)で更新される制御用カウンタの他の用途としては、サブサブ基板302に対する暴走監視(後述する)がある。
次に、画像CPU暴走監視処理(S268)が実行され、サブサブ基板302の画像CPUに対する暴走監視処理が行われる。ここで、本実施例においては、サブサブ基板302のCPUは、図4中の画像コントローラ526に一体化されている。前述のように、サブサブ基板302からは、動画制御の1つのフレーム表示毎にオンとオフを繰り返す所定の信号(監視用トグル信号)が出力されている。このサブサブ基板302からのトグル信号が、所定期間(例えば50〜100フレーム程度に相当する1600ms)連続して変化しない場合に、画像CPUの暴走のような異常が発生していると判断され、サブメイン基板301からサブサブ基板302に対してリセット信号(外部リセット信号)が送信される。サブサブ基板302では、このリセット信号の受信後、サブサブ基板302の状態初期化のためのリセット処理(サブメイン初期設定処理)が実行される。
この画像CPU暴走監視処理(S268)に続いて、エラー管理タイマ処理(S269)が実行される。このエラー管理タイマ処理(S269)においては、エラー管理タイマの減算が行われ、タイムアウト時には所定の処理を実行する。タイムアウト時の処理としては、前述のエラー報知を終了させる処理などを挙げることができる。なお、このエラー管理タイマは、16回のタイマ割込みにつき1回のカウントを行うものであり、エラー管理タイマを用いたエラー管理に係る処理も、前述の制御用カウンタを用いる所定のタスクのうちの一つである。このエラー管理タイマ処理が終わるとサブメインのメイン処理(図23参照)の、タイマ割込み前の元の処理へ戻る。ここで、前述のS261において割込み許可の対象に制限をかけているため、図示は省略するが、全ての割込みを許可してから、サブメインのメイン処理へ戻るようになっている。
<<サブサブ基板との通信処理>>
次に、前述のサブサブ基板302との通信処理について説明する。サブメイン基板301からサブサブ基板302へのコマンド送信(サブメインコマンドの送信)は、サブサブ基板302との通信に係る割込み(サブ通信割込み)を一定間隔(ここでは500μs)毎に発生させ、割込みの度にサブサブ基板302との通信処理を実行することにより行われている。このサブサブ基板302との通信処理においては、順に、バッファチェックが行われて送信すべきデータの存在が確認され、データがあればこのデータが読み込まれる。そして、読み込まれたデータが送信バッファにセットされ、コマンド送信に係る設定が更新されて、サブサブとの通信処理が終了する。
<<コマンド送受信管理処理>>
また、サブメイン基板301がサブサブ基板302へコマンド送信した際には、サブサブ基板302側から、正常にコマンド(サブメインコマンド)を受信できた旨を示す前述の受信コマンド(サブサブコマンド)がサブメイン基板301側に送信される。このコマンド送受信管理処理においては、コマンドの読み込みが行われ、コマンド解析が実行された後、コマンドの保存が行われる。サブサブコマンドの受信にあたっては、サブサブ基板302においてコマンド受信割込み処理が実行されるが、このコマンド受信割込み処理は、前述のサブ通信割込み内で、コマンド受信割込み処理を実行するためのフラグを設定することにより実行される。つまり、サブサブ基板302からのサブサブコマンドの入力は、サブメイン基板301からのサブメインコマンドの送信後に発生するものであるため、コマンド受信割込み処理は、サブ通信割込みに係る処理に対し付帯的に行われるものとなっている。
<<サブサブ基板における制御処理>>
サブサブ基板302においては、サブメイン基板301と同様に、電源立ち上げ後に開始されるサブサブ初期設定処理、このサブサブ初期設定処理後に実行されるメイン処理、メイン処理に対し所定周期で発生するサブサブタイマ割込みに伴って実行されるタイマ割込み処理、サブメインコマンドの受信に伴って発生する割込み処理であるサブメインコマンド受信処理、などが実行される。これらのうち、サブメインコマンド受信処理においては、サブメイン基板301からのサブメインコマンドを受信すると、正常にサブメインコマンドを受信できた旨を示す前述の受信コマンド(サブサブコマンド)を送信する処理が実行される。
<特定遊技状態に係る特殊なゲーム性について>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10におけるゲーム性(遊技仕様を含む)や演出態様についての特徴的な事項を、ゲームの流れ(ゲームフロー)を用いて説明する。なお、ここでは基本の遊技に係るゲームフローについて主に説明し、基本の遊技に基づき更に詳細に検討できる事項について、その後に説明する。
本実施例のぱちんこ遊技機10は、特徴点として大当り遊技後の第1特定遊技(特図高確率、普図高確率)における電サポ回数(普図高確率状態の継続期間)が、大当り図柄の種類に応じて異なるものとなっている。また、第1特定遊技に移行した場合の特図高確率(確変中)の遊技において、所定の変動回数(例えば、20回、30回、40回、50回、60回のいずれか)に達するまで大当りが発生しなければ(はずれが継続すれば)、遊技者にとって有利な遊技状態である第2特定遊技(「小当りラッシュ」と称する状態であり、特図高確率かつ普図低確率の状態)に移行する。
このようなぱちんこ遊技機10のスペック(仕様)は、例えば、「電サポ回数変動型V確小当りラッシュ」などと称することが可能である。なお、小当りラッシュに移行する条件として、前述したように第1特定遊技において電サポ回数が0回となる状況もあるが、その他の状況についても後に説明する。
図27は、本実施例のぱちんこ遊技機10における主要なゲーム性を、ゲームフロー(ゲームフローチャート)によって示している。なお、図27に示すゲームフローは、設計者の意図に沿った遊技を行った正常な遊技が行われた場合の遊技フローであり、イレギュラーな遊技が行われた場合は、必ずしも図27に示す遊技フローとならないこと説明しておく。ここで述べるイレギュラーな遊技の例としては、「V入賞が容易となる大当りにて意図的にV入賞させない」、「特図1(特図2)が主体となる遊技において、遊技の主体でない特図2(特図1)の変動のみ、あるいは特図2(特図1)の変動が多くなるように遊技する」といった遊技手法が例として挙げられる。
先ず、図中の左端に示すように、大当り(初当り)が発生する前の通常遊技状態においては、複数の演出ステージのうち、いずれかの演出ステージが実行される。本実施例では、通常遊技状態における複数の演出ステージとして、第1演出ステージ(第1ステージ)〜第4演出ステージ(第4ステージ)の4つの演出ステージが設けられている。
また、本実施例では、第1ステージがデフォルトの演出ステージとなっている。そして、電源投入直後の最初の遊技開始時には、遊技者による演出ステージの変更(選択)のための操作が行われなければ、第1ステージでの演出が開始され、演出ステージの変更のための操作があれば、操作に応じた演出ステージでの演出が実行される。その後にも、演出ステージを変更する操作があれば、選択された演出ステージでの演出が実行される。
ここで、このような演出のステージは、演出のモードなどと称することも可能である。更に、これらのステージやモードの変更(選択)は、例えば「ステージ選択」、「ステージ変更」、「ステージチェンジ」、「ステチェン」、「モード選択」、「モード変更」、「モードチェンジ」などと称することが可能である。
更に、通常遊技状態においては、特図に係る変動の主体が特図1の遊技となっており、左打ちの発射強度により、第1−1始動入賞口62A(図1)を狙った遊技が進められる。ここで、「特図に係る変動の主体」については種々の説明が可能であるが、例えば、ゲーム性において標準(前提)となっている遊技のことを意味している。つまり、変動の主体となっている遊技(特図1の遊技又は特図2の遊技のいずれか)が行われることを前提として、ゲーム進行が決定されており、遊技者は、変動の主体となっている側の遊技(特図1の遊技又は特図2の遊技のいずれか)を行うことで、ゲーム性の設計に従った適正な(標準的な)遊技を行うことができる。
ここで、上述した「特図に係る変動の主体」となる遊技は、例えば「主体の遊技」、「主たる遊技」、「標準の遊技」、「正常な遊技」、「正規の遊技」、或いは、「レギュラーな遊技」などと称することが可能なものである。これに対して、例えば、通常遊技状態における特図2の遊技のように、「特図に係る変動の主体」とならない遊技は、例えば「非主体の遊技」、「主とならない遊技」、「非標準の遊技」、「非正常な遊技」、「非正規の遊技」、或いは、「イレギュラーな遊技」などと称することが可能なものである。
また、遊技球の発射に関しても、通常遊技状態時は、相対的に弱い発射強度で行われる左打ちにより第1−1始動入賞口62Aを狙った遊技が主体となるため、通常遊技状態時には、左打ちが「主体の遊技」となる。発射に関する「主体の遊技」についても、特図変動と同様に、「主たる遊技」、「標準の遊技」、「正常な遊技」、「正規の遊技」、或いは、「レギュラーな遊技」などと称することが可能である。
そして、左打ちの遊技が主体となる状況に反して行われた右打ちについては、例えば「非主体の遊技」、「主とならない遊技」、「非標準の遊技」、「非正常な遊技」、「非正規の遊技」、或いは、「イレギュラーな遊技」などと称することが可能である。
以下では、特図変動や発射に関して、主体の遊技が行われた場合の状況についての説明を主に行い、主体の遊技が行われなかった場合の状況については、適宜補足説明する。
通常遊技状態において主体となる特図1の遊技について、大当り確率は、設定値によって異なるが、例えば設定値が「1」の場合(設定値1の場合)では、約1/220となっている。以下では、設定1の場合を例として説明する。
通常遊技状態にて発生し得る特図1の大当りは、「第1大当り」と称することが可能である。この第1大当りは、遊技者にとって有利な度合い(有利度合い)が相対的に高い第1ボーナス(ここでは確変ボーナス、図10に示す4R確変大当り)、或いは、有利度合いが相対的に低い第2ボーナス(ここでは非確変ボーナス、図10に示す4R通常大当り)のうちのいずれかとなる。大当りが第1ボーナスとなるか、第2ボーナスとなるかは、第1図柄抽選により決定された図柄の種類によって決まるようになっている。図柄の種類と当りの種類の具体的な対応関係については後述する。
本実施例では、第1ボーナスの発生割合が40%となり、第2ボーナスの発生割合が60%となるように、特図1に係る大当り図柄の選択割合が決められている。また、このときの大当りにおいて遊技者が獲得を期待できる出玉数は、4Rによる約400発(個)となっている。
更に、第1ボーナス(確変ボーナス)に当選した場合には、大入賞口90でV入賞が発生し易いよう、大入賞口90ないしV入賞口の遮蔽部材(図示略)が開放制御される。このため、第1ボーナスに当選した場合には、右打ちの遊技が通常通り行われ、遊技球が大入賞口90内に進入すれば、略確実にV入賞が発生し、大当り遊技後に確変の遊技状態となる。このような大当りを、以下では例えば「V容易大当り」などと称する場合がある。また、V入賞に係る遊技球の振り分けを「V確振分」などと称する場合がある。
また、このV容易大当りとなる特図(特図1及び特図2)を、「V容易図柄」などと称する場合がある。この「V容易図柄」は、確変の決定に関わるものであり、「確変図柄」などと称することが可能なものである。しかし、本実施例は、前述したようにV入賞を確変状態の発生条件としているため、「V容易図柄」は、確変になるか否かを直接的に(即座に)決定するものではなく、確変になり易い状態にすることを決定する図柄に過ぎない。このような点で「V容易図柄」は、確変の有無を即座に決定する一般的な「確変図柄」とは異なっている。
なお、上述の「右打ちの遊技が通常通り行われ、」の説明に関して、通常通りではない遊技(非主体の遊技、或いは非通常の遊技など)として例示できるものとしては、例えば、遊技者が左打を継続した状況や、遊技者が意図的に発射を停止して所謂止め打ちを行っている状況、或いは、遊技領域52で遊技球の詰まり(滞留)が発生して遊技球が流下しなくなった状況などを挙げることができる。
また、前述の第2ボーナス(非確変ボーナス)に当選した場合には、大入賞口90でV入賞が発生しないよう、V入賞口の遮蔽部材(図示略)は閉じたままとされる。この第2ボーナスに当選した場合には、大入賞口90はV入賞が容易になるようには制御されず、略確実にV入賞が発生しないようになっている。このような大当りを、以下では例えば「V非容易大当り」や「V困難大当り」などと称する場合がある。
また、このV非容易大当りとなる特別図柄(特図)を、「V非容易図柄」や「V困難図柄」などと称する場合がある。この「V非容易図柄」等は、「V容易図柄」の場合と同様に確変の決定に関わるものであり、「非確変図柄」などと称することが可能なものである。しかし、「V非容易図柄」は、確変になるか否かを直接的に(即座に)決定するものではなく、確変になり難い状態にすることを決定する図柄に過ぎない。このため、「V非容易図柄」等は、確変の有無を即座に決定する一般的な「非確変図柄」とは異なっている。
ここで、「V非容易図柄」に基づく大当りでは、V領域の遮蔽部材(図示略)を閉じたままとせず開放するが、入球が発生し難いよう、極短時間(0.3秒など)のみ開放する制御態様を採用することも可能である。なお、このようなV領域や大入賞口90の制御態様の詳細については後述する。
第1大当りとして発生し得る上述の2種類のボーナス(第1ボーナス及び第2ボーナス)のうち、V入賞が容易な第1ボーナスは、大当り遊技後に第1特定遊技に移行する。この第1特定遊技は、特図の大当り確率が高確率(特図高確率)の状態で、且つ、電サポあり(普図高確率)かつ特別図柄の時短の状態となる特定遊技である。
更に、第1ボーナスに当選し、第1特定遊技へ移行した場合は、所定条件が満たされると、小当りラッシュの状態となる第2特定遊技に移行する。そして、第1特定遊技を経て第2特定遊技へ移行する場合や、第1特定遊技を経ずに第2特定遊技へ移行する場合があるが、これらの第1特定遊技や第2特定遊技の詳細については後述する。
一方、V入賞が容易ではない(V入賞が困難な)第2ボーナスは、標準的には、大当り遊技後に第3特定遊技に移行するものである。この第3特定遊技は、特図の大当り確率が低確率(特図低確率)の状態で、且つ、電サポあり(普図高確率)かつ特別図柄の時短の状態となる特定遊技である。そして、特別遊技の時短となる特定遊技は、特図高確率時の時短や、特図低確率時の時短などがあるが、第3特定遊技について、他の特定遊技状態と区別するため、以下では「通常時短」などと称する場合がある。
前述の第1特定遊技中や第2特定遊技中、及び、第3特定遊技(通常時短)中は、右打ちが、発射に係る主体の遊技となる。そして、右打ちの遊技が主体となった状況では、演出表示装置60にて、遊技者に対して右打ちを促す右打ち演出が行われる。この右打ち演出としては、種々のものを採用することが可能である。
また、第1大当りに係る第1ボーナス後の第1特定遊技中や、第2ボーナス後の第3特定遊技(通常時短)中には、図1や図20(b)に概略的に示す右側ユニット92において、普図の当選に伴い第1−2始動入賞口62Bが、相対的に長い時間の開放である長開放を行うよう制御される。そして、第1特定遊技中や第3特定遊技(通常時短)中は、前述のように普図高確率の状況であることから、第1−2始動入賞口62Bが開放し易くなっている。このため、第1特定遊技中や第3特定遊技(通常時短)中には、これら以外の遊技状態に比べて、第1−2始動入賞口62Bが開放している時間の割合が多くなる。
更に、第1特定遊技中や第3特定遊技(通常時短)中においては、上述のように第1−2始動入賞口62Bが開放している時間の割合が多いことから、右側ユニット92内に進入した遊技球の多くを、第1−2始動入賞口62Bに入球させることが可能である。そして、第1特定遊技中や第3特定遊技(通常時短)中は、第2始動入賞口63に入球する遊技球は全く発生しないか、或いは、発生しても第1−2始動入賞口62Bへの入球数に比べ極めて少なくなる。
第1特定遊技、及び、第3特定遊技(通常時短)のうち、第3特定遊技(通常時短)については、通常時短の終了条件は、特図の変動回数が100回に達するまでとなっている。通常時短中に、第2始動入賞口63への入球が全くない場合には、通常時短は、特図1の変動回数が100回に達すると終了する。また、第2始動入賞口63への入球がある場合には、特図1及び特図2の合計で、或いは、第2始動入賞口63の単独で、変動回数が100回に達すると、通常時短が終了する。
通常時短中に大当りが発生しなかった場合には、遊技状態は通常時短を抜け(時短抜けし)、通常遊技状態に戻る。しかし、通常時短中に大当り(第2大当り)が発生した場合(引き戻しがあった場合)には、図中の下方に示すように、第2ボーナス、又は、第3ボーナスに移行する。通常時短中に引き戻し(大当り)が発生する割合は、例えば、図27中に示すように37%程度とすることが可能である。
この第2大当りにおける第2ボーナスは、前述した第1大当りにおける第2ボーナスと同じものとすることが可能である。そして、第2大当りにおける第2ボーナスに係る大当り遊技の終了後には、再び通常時短状態となる。
これに対し、第3ボーナスは、大当りの制御は第1大当りにおける第1ボーナスと同じであるが、大当り後の特定遊技の設定に係る制御は異なり、V入賞容易図柄である図柄であれば、遊技状態が、第1特定遊技を経ずに、第2特定遊技へ直接的に移行するものとなっている。このため、第2大当りにおいて第3ボーナスに当選した場合には、第1特定遊技のゲーム性を介さずに第2特定遊技が可能となるが、第1特定遊技や第2特定遊技の詳細については後述する。
本実施例では、第3ボーナスに関して、第2ボーナスの発生割合が60%となり、第3ボーナスの発生割合が40%となるように、特図1に係る大当り図柄の選択割合が決められている。また、このときの大当りにおいて遊技者が獲得を期待できる出玉数は、4Rによる約400発(個)となっている。
続いて、前述の第1特定遊技について説明する。この第1特定遊技は、右打ちによる特図1の遊技を主体の遊技とし、特図高確率の確率状態で行われる。本実施例では、第1特定遊技中における大当りの当選確率は、約1/66となっている。また、詳細は後述するが、第1特定遊技に係る電サポ回数は、0回、20回、30回、40回、50回、60回の6種類となっている。そして、第1特定遊技に係る電サポ回数は、前述の第1大当りの際の図柄の種類、および後述する第3大当り、第4大当りの図柄の種類により決まる。
図27には不図示であるが、第1大当りまたは第3大当りの第1ボーナス、および第4大当りにおいて、V入賞時に付与される電サポ回数が0回となる大当りに当選した場合、第1特定遊技を経ずに、前述の第2特定遊技の状態に移行する。また、電サポ回数が20回〜60回の大当りに当選した場合、第1特定遊技に移行した後には、決められた電サポ回数(20〜60回)を最大の継続回数として遊技が行われる。そして、決められた電サポ回数(20〜60回)の間に、はずれが継続して大当りが発生しなければ、第1特定遊技が終了し、前述の第2特定遊技に移行する。
各種の電サポ回数については、平均回数が所定数となるように、大当り図柄の選択割合と電サポ回数(0〜60回)との関係が定められている。本実施例では、平均回数は45となっている。このため、第1特定遊技については理論上、平均として、変動回数(遊技数)が45回に達するまではずれ続けると(ハマリ続けると)、自動的に第2特定遊技に移行するものであるということができる。ここで、上述の0〜60回の電サポ回数を、例えば「移行回数」などと称し、平均回数(ここでは45回)を、例えば「平均移行回数」などと称することが可能である。
また、この第1特定遊技においては、変動回数が上述の移行回数(ここでは20〜60回)に達する前に大当り(第3大当り)となる場合がある。この第3大当りは、仕様上、第1大当りと同じものとし、40%の割合で第1ボーナスになり、60%の割合で第2ボーナスになるようにすることが可能である。また、第3大当りにおいて遊技者が獲得を期待できる出玉数は、4Rによる約400発(個)とすることが可能である。
図27に示すように、第1特定遊技において、第3大当りに係る第1ボーナスが発生した場合には、大当り遊技後に、再び第1特定遊技の遊技状態に戻る。また、第2ボーナスが発生した場合には、大当り遊技後に、第4特定遊技(通常時短)へ移行する。この第4特定遊技(通常時短)は、前述した第3特定遊技(通常時短)と同様に、特図低確率、且つ、普図高確率の遊技状態で行われる遊技である。この第4特定遊技についても、以下では「通常時短」などと称する場合がある。
第4特定遊技(通常時短)についても、第3特定遊技の通常時短と同様に、特図1の単独、特図1及び特図2の合計、又は、第2始動入賞口63の単独で、変動回数が100回に達すると、通常時短が終了する。そして、遊技状態は通常時短を抜け(時短抜けし)、通常遊技状態に戻る。また、図示は省略するが、第4特定遊技(通常時短)中に発生する大当りは、前述の第2大当りとなる。時短中に引き戻しが発生する割合は、第3特定遊技の場合と同様に、例えば、37%程度とすることが可能である。なお、第1大当り後に移行する第3特定遊技と、第3大当り後に移行する第4特定遊技とで、同一の大当り図柄であっても付与される電サポ回数を異ならせるように構成することも可能である。
第1特定遊技にて、移行回数(ここでは20〜60回)内に大当りが発生する場合には、リーチ時の演出として、所定のキャラクタが対戦等(バトル)を行う内容の演出であるバトルリーチ演出(図27ではバトルリーチと記載されている)が実行される。このときのバトルリーチ演出として、例えば、第1バトルリーチ演出〜第3演出バトルリーチ演出の3種類を設け、いずれかのバトルリーチ演出を選択して実行することが可能である。そして、いずれのバトルリーチ演出においても、バトルに勝利した場合には第3大当りの第1ボーナスとなり、敗北した場合には第2ボーナスとなるよう、大当り図柄や変動パターン(及び演出パターン)の関係が定められている。
また、本実施例では、これらのバトルリーチ演出から、小当りラッシュとなる第2特定遊技に移行する場合があるようになっている。ここで、バトルリーチ演出から第2特定遊技に移行する場合の演出は、後述する限定頻度(特殊な変動パターンテーブル)に基づく特別図柄の変動中に実行される演出の一つである。バトルリーチ演出から第2特定遊技に移行する場合の演出は、例えば、所定のキャラクタがバトルに参戦する場合があるようにし、参戦を果たした場合に第2特定遊技へ移行する、といったものを例示できる。なお、第2特定遊技の移行を報知する演出として、バトルリーチを用いる(バトルリーチの演出が決定される)頻度を高く設定しているが、他の演出を用いて第2特定遊技への移行を報知することも可能である。
続いて、第2特定遊技について説明する。第2特定遊技は、第1特定遊技からの確変が継続するとともに、小当りが高頻度で発生し得る小当りラッシュとなる遊技である。そして、第2特定遊技は、特図2の遊技を、図柄変動に係る主体の遊技とし、特図高確率、且つ、普図低確率の遊技状態で行われる。本実施例では、第2特定遊技における特図の大当り確率は、約1/66となっている。
第2特定遊技では、普図低確率であることから、第1−2始動入賞口62Bが開放し難く、右打ちされた多くの遊技球は、第1−2始動入賞口62Bが設けられた領域を通り過ぎて第2始動入賞口63に到達する。第2始動入賞口63を用いる特図2の遊技において、大当り図柄は、大当りと小当りに割り当てられている。そして、小当りが発生した場合には、大入賞口90が所定の態様で開放される。小当り時における大入賞口90の開放態様としては、前述したように、1回の小当りにつき1回の開放を1.2秒程度行う、といったものを例示できる。
第2特定遊技においては、特図2の遊技が主体であり、特図2(第2の抽選)については高確率で小当りに当選するようになっている(図9参照)。そして、小当りに伴う大入賞口90の開放時には、大入賞口90への入球を見込むことができるようになっている。
また、第2特定遊技において発生し得る大当りは、第4大当りとなっている。そして、第2特定遊技の開始から、第4大当りの大当り遊技が終了するまでの期間を、例えば「複合ボーナス」などと称することが可能である。この複合ボーナスに含まれる第4大当りの大当り遊技において、遊技者が獲得を期待できる出玉数は、約400発(個)となっている。そして、複合ボーナスにおいては、小当りラッシュの継続期間に応じて獲得できる出玉量は変化するが、総じて小当りラッシュと第4大当りを合わせて、約1500発(個)の出玉が期待できるようになっている。
特図2に係る大当り図柄は、いずれも大当り遊技後に確変状態に移行するものとなっている。すなわち、特図2に係る大当り図柄はすべて「V容易図柄」である。そして、第4大当りの大当り遊技時にも、入賞が容易な確変振分け制御(V入賞させるための制御)が行われ、理論上は100%の割合で確変状態である第1特定遊技(電サポ0回の大当り図柄の場合は第2特定遊技)に移行する。更に、第1特定遊技に移行した後には、前述のように遊技数が移行回数(20〜60回)に達するまではずれが継続すれば(ハマれば)、再び第2特定遊技が行われる。
このため、第1特定遊技において、移行回数(20〜60回)まではずれを継続させることにより、遊技者は、第2特定遊技状態で小当りラッシュによる出玉と、第4大当りに係る大当り遊技における出玉とを獲得可能である。更に、第2特定遊技へ移行すると、特図1の大当り(第3大当り)となる可能性が第1特定遊技よりも大きく低下するため、遊技者は、連荘に係る最初の第1特定遊技から、その後の第2特定遊技、第1特定遊技の順で、確変遊技(特図高確率の遊技)をループさせることができる。
また、2回目以降の第1特定遊技においても、大当りとならないまま変動回数が移行回数(20〜60回)まで到達すれば、特図2が遊技の主体となる第2特定遊技へ移行し、その後の大当りが「V容易図柄」のみを大当り図柄とする特図2に係る大当りである可能性が高いことから、確変遊技のループを継続させることができる。更に、第4大当りにおいて、移行回数が0回の大当りに当選した場合には、第4大当りの大当り遊技後に、第1特定遊技を経ずに複合ボーナスの第2特定遊技(小当りラッシュ)に戻ることとなる。
ここで、第1特定遊技時に特図1の大当りが発生した場合(20〜60回の移行回数に到達するよりも前に第3大当りが発生した場合)、図27において図示していない大当り後に小当りラッシュ移行となる一部の希少な大当り図柄(特図1_4R時短無図柄)を除き、第2特定遊技(小当りラッシュ)には移行しないようになっている。しかし、図27では記載を省略しているが、通常時短中に特図1の大当り(第4特定遊技中の第2大当りに係る第3ボーナスであり特図1の「V容易図柄」である大当り)が発生した場合は、前述のように第2特定遊技に移行する場合があるようになっている。
このようなゲーム性に関しては、以下のようにも説明することができる。例えば、上述のゲーム性は、第1特定遊技から第2特定遊技に移行する条件が、平均移行回数で45回となっている。更に、第1特定遊技は、確変状態で行われる。このため、ぱちんこ遊技機10は、遊技者がスペック(仕様)の情報を得ることにより、第1特定遊技が45回のST機と同等であるという認識を遊技者に与え得るものとなっている。
更に、第1特定遊技における大当り確率が約1/66であるため、高確率時における大当り確率の分母の数値(ここでは66)が、平均移行回数の数値(ここでは45)よりも大きくなっている。そして、これらの数値は、遊技者がこれらの数値の関係に着目して当たり易さについて検討した場合に、移行回数の遊技期間内に大当りに当選する印象を与え難いものとなっている。
そして、このような検討を行った遊技者の考えを推測すれば、『大当り確率が1/66では、45回のSTで連チャンするわけがない。もし連荘したとしても2連チャンすれば良い方だろう。』といった消極的な諦めの気持ちに至り易いと考えることができる。
しかし、本実施例のパチンコ遊技機10は、第1特定遊技の後には小当りラッシュ(第2特定遊技)を含む複合ボーナスに移行することから、平均移行回数である45回の数値は、むしろ45回以内に大当りしなければ獲得出玉を増やせる、といった考えを導き得るものである。このため、遊技者の消極的な気持ち(大抵当りを引くことができないという考え)を導くような数値関係を利用して、却って遊技者の、小当りラッシュに移行する可能性が高いという積極的な考えを導き得るようになる。
そして、ぱちんこ遊技機10は、複合ボーナスへの移行回数(ここでは平均移行回数)と、確変時の大当り確率との関係を利用して、遊技者の、第1特定遊技におけるはずれと、複合ボーナスにおける小当りラッシュとに対する積極的な(好意的な)考えを引き出し得るものであるということができる。
さらに、ぱちんこ遊技機10は、第2特定遊技へ移行すると、遊技の主体が特図1(第1の抽選)からV容易図柄のみで構成される特図2(第2の抽選)へ移行することにより、確変状態の継続が略保証された状態となるため、第1特定遊技から第2特定遊技へ移行することにより、特定遊技の中でも不利な第4特定遊技、さらにはその後の通常遊技への移行の不安が取り除かれる状態へ移行することで、小当りラッシュの状態への移行に加えてさらなる利益を享受できるという印象を与えることができる。
次に、特別図柄(特図1及び特図2)の種類と特定遊技の内容との関係について、図表(図28及び図29)に基づいて説明する。先ず、図28及び図29の図表の構成について説明するが、両図表において、左側部分や上部分に示された各種の項目名は、1つを除き共通している。このため、両図表中の共通する項目名については、主に図28を用いて説明を行い、図29の項目名については、図28と異なるものについて説明を行う。
図28においては、左端から順に、「特図番号」、「図柄名称」、「図柄群名称」の項目名が挙げられており、これらは図29においても共通である。更に、図28においては、「確変作動領域通過時時短回数」(V入賞時)の項目名が挙げられているが、これに対して図29においては「確変作動領域未通過時時短回数」(非V入賞時)の項目名が挙げられている。
これらのうち、両図表に共通する「特図番号」は、全ての特別図柄(特図1及び特図2)について個々に付された番号を意味している。ここで説明する例では、特別図柄が32種類設けられており、これらの特別図柄に対して特図番号0〜31が割り当てられている。続いて、「図柄名称」は、個々の特図に付された固有の名称であり、ここで説明する例では、上述した特図番号0〜31の図柄に対して、順に図柄1〜32の名称が付されている。
続いて、「図柄群名称」は、複数の大当り図柄により構成される図柄群毎の名称を意味している。「図柄群」は、同一の特別遊技に係る制御を行う図柄のグループを指す。ここで説明する例では、図柄群名称として「はずれ」、そして大当り図柄である「特図1_4R時短無図柄」、「特図1_4R時短有図柄1」〜「特図1_4R時短有図柄6」、「特図2_4R時短有図柄1」〜「特図2_4R時短有図柄6」、さらに小当り図柄である「特図2_特電作動図柄1」〜「特図2_特電作動図柄2」の計16種類が設けられている。
これらのうち「はずれ」には、上述の図柄1(特図番号0)が紐付けられており、「特図1_4R時短無図柄」には、図柄2〜3(特図番号1〜2)が紐付けられている。更に、「特図1_4R時短有図柄1」〜「特図1_4R時短有図柄5」には、図柄4〜13(特図番号3〜12)が順に2個ずつ紐付けられている。また、「特図1_4R時短有図柄6」には、図柄14〜16(特図番号13〜15)の3つの図柄が紐付けられている。
更に、「特図2_4R時短有図柄1」〜「特図2_4R時短有図柄6」には、図柄17〜28(特図番号16〜27)が順に2個ずつ紐付けられている。また、「特図2_特電作動図柄1」には、図柄29〜31(特図番号28〜30)の3つの図柄が紐付けられており、「特図2_特電作動図柄2」には、図柄32(特図番号31)が紐付けられている。
ここで、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、大当り図柄である「特図1_4R時短無図柄」、「特図1_4R時短有図柄1」〜「特図1_4R時短有図柄6」、「特図2_4R時短有図柄1」〜「特図2_4R時短有図柄6」の内、図柄群「特図1_4R時短有図柄6」を構成する図柄14〜図柄16が、「V困難図柄」であり、大当り遊技において正常な遊技を行った場合にV入賞しない図柄群となっている。なお、その他の大当り図柄は、すべて「V容易図柄」である。
そのため、図28に示す時短回数は、図柄群「特図1_4R時短有図柄6」を除く「V容易図柄」に基づく大当りで正常な遊技を行った場合(V入賞発生時)に付与する時短回数を示すものであり、図29に示す時短回数は、図柄群「特図1_4R時短有図柄6」に基づく大当りで正常な遊技を行った場合(V入賞非発生時)に付与する時短回数を示すものである。その他に示す時短回数は正常な遊技を行わなかった場合、すなわちイレギュラーな遊技が大当り中に行われた場合に付与される時短回数を示すものであり、図27のゲームフローに示された第1大当り〜第4大当りとは異なる大当りである。
図28、29に示すように、図柄1は、特図1及び特図2に共通な「はずれ」図柄となっている。また、図柄2〜3は、特図1に係る時短無しの図柄となっており、図柄4〜16は、同じく特図1に係る時短有りの図柄となっている。更に、図柄17〜28は、特図2に係る時短有りの図柄となっており、図柄29〜32は、同じく特図2に係る特電作動図柄(小当り図柄)となっている。なお、V入賞の有無により確変の有無および付与される時短回数(電サポ回数)が決まるため、図柄群名称の「時短無」および「時短有」は仮称である。図柄群名称について、確変に係る名称は記載していないが、大当りはV入賞があれば確変となるため、時短の有無や付与される時短(電サポ)の回数についての区別はあるが、確変の有無についての区別がないようになっている。
図28における「確変作動領域通過時」の「時短回数」は、V入賞時の時短回数を意味しており、図29における「確変作動領域未通過時」の「時短回数」は、非V入賞時の時短回数を意味している。
図28及び図29において、「確変作動領域通過時」の「時短回数」や、「確変作動領域未通過時」の「時短回数」は、「特図1」と「特図1と特図2の合計(特2単独含む)」の欄に分かれている。更に、各々の「特図1」と「特図1と特図2の合計(特2単独含む)」の欄には、それぞれ「特図低確率・普図低確率」、「特図高確率・普図低確率」、「特図低確率・普図高確率」、「特図高確率・普図高確率」の欄が設けられており、大当りとなる図柄が停止表示された際の遊技状態によって、大当り遊技後に設定される時短回数(電サポ回数)が異なり得ることを示している。
図28(図29も同様)において、上述の「特図1」は、特図1単独での時短回数を意味している。また、上述の「特図1と特図2の合計(特2単独含む)」は、特図1と特図2の合計での時短回数、及び、特図2単独での時短回数を意味している。
本実施例では、特図1と特図2の間に、主体と非主体の関係は定められているものの、遊技の優先順位は設けられていない。このため、特図1が主体となっている時短期間中で、且つ、特図1の変動中であっても、特図2の始動入賞があれば、特図2の変動(特図2変動)も行われる。また、特図2が主体となっている時短期間中で、且つ、特図2の変動中であっても、特図1の始動入賞があれば、特図1の変動(特図1変動)も行われる。このため、特図1単独での時短回数(電サポ終了条件)のみでなく、「特図1と特図2の合計(特2単独含む)」での時短回数(電サポ終了条件)についても定められている。すなわち本実施例のぱちんこ遊技機10は、時短(電サポ)の終了条件として2つの終了条件のいずれかを満たしているかを確認し、いずれか1の条件が満たされた場合に遊技状態を移行させる(電サポ状態を終了させる)処理を行うものであり、1つの条件として、特定遊技状態における特図1の変動回数をカウントした計数値が「特図1単独での時短回数」に到達したか否かであり、もう一つの条件が、特定遊技状態における特図1および特図2の変動回数をカウントした計数の合計値が「特図1と特図2の合計(特図2単独含む)での時短回数」に到達したか否かである。
更に、上述の「特図低確率・普図低確率」は、特別図柄に係る大当り確率が低確率であり、且つ、普通図柄に係る当り確率も低確率であることを意味している。このような遊技状態は、特図の確変も電サポも行われない通常遊技状態や大当り遊技中である。このため、「特図低確率・普図低確率」の遊技状態は、前述の通常遊技状態や大当り遊技中に該当する。
また、「特図高確率・普図低確率」は、特別図柄に係る大当り確率が高確率であり、且つ、普通図柄に係る当り確率は低確率であることを意味している。このような遊技状態は、前述した第2特定遊技状態(小当りラッシュとなる遊技状態)に該当する。
更に、「特図低確率・普図高確率」は、特別図柄に係る大当り確率が低確率であり、且つ、普通図柄に係る当り確率は高確率であることを意味している。このような遊技状態は、前述した時短状態(第3特定遊技状態)に該当する。
また、「特図高確率・普図高確率」は、特別図柄に係る大当り確率が高確率であり、且つ、普通図柄に係る当り確率も高確率であることを示している。このような遊技状態は、前述した第1特定遊技状態に該当する。
前述したように、図28(及び図29)に示す図柄1(特図番号0)が、特図1及び特図2に共通したはずれ図柄となっており、特図1(又は特図2)に関して、この図柄1が抽選された場合には、抽選結果がはずれとなる。更に、図柄2〜3(特図番号1〜2)は、特図1に係る時短無しの大当り図柄(特図1_4R時短無図柄1)に割り当てられており、図柄4〜16(特図番号3〜15)は、特図1に係る時短有りの大当り図柄(特図1_4R時短有図柄1〜6)に割り当てられている。このように、特図1については、時短無しの図柄と、時短有りの図柄が設けられている。
また、図柄17〜28(特図番号16〜27)は、特図2に係る大当り図柄(特図2_4R時短有図柄1〜6)に割り当てられている。更に、図柄29〜32(特図番号28〜31)は、特図2に係る小当り図柄(特電作動図柄)に割り当てられている。このように、特図2については、時短無しの図柄は設けられておらず、時短有りの大当り図柄と、小当り図柄が設けられている。
ここで、図柄29〜31(特図番号28〜30)の「特図2_特電作動図柄1」は、小当り遊技の開始デモに要する時間が相対的に短い小当りとなっており、図柄32(特図番号31)の「特図2_特電作動図柄2」は、小当り遊技の開始デモに要する時間が相対的に長い小当りとなっている。
前述のゲームフロー(図27)に示した時短(通常時短)の遊技状態(第3特定遊技状態、第4特定遊技状態)は、図28(及び図29)に示す「V困難図柄」である図柄14〜16(特図番号13〜15)の「特図1_4R時短有図柄6」に基づく大当り後に移行する特定遊技状態に対応している。そして、通常遊技状態あるいは第1特定遊技または第3特定遊技における特図1(又は特図2)の大当り図柄として、図28(及び図29)に示す図柄14〜16(特図番号13〜15)のいずれかが抽選された場合に、第1大当りの第2ボーナスや第2大当りの第2ボーナス、あるいは第3大当りの第2ボーナスとなる大当り遊技後に、通常時短の遊技状態(第3特定遊技状態や第4特定遊技状態)へ移行する。
前述したように、通常時短中の特定遊技状態(第3特定遊技状態又は第4特定遊技状態)は、V入賞がない大当り(V入賞非容易な大当り)に当選した場合に、大当り遊技後に移行する特定遊技状態である。このため、通常時短中の特定遊技状態(第3特定遊技状態又は第4特定遊技状態)については、「確変作動領域未通過時時短回数」に係る図29の図表が、遊技状態に対応した図表となる。
例えば、通常遊技状態での主体の遊技(特図1の遊技)において大当りが発生し、大当り図柄がV困難図柄である「特図1_4R時短有図柄6」であった場合、大当り遊技後の時短に係る終了条件は、正常な遊技にて大当り中にV入賞が無い場合においては、図29の「特図1_4R時短有図柄6」の行と、「特図1」の「特図低確率・普図低確率」の列との交差する位置に記載された「特図確変:0回・普図確変:100回」、または「特図1と特図2の合計(特図2単独含む)」の「特図低確率・普図低確率」の列との交差する位置に記載された「特図確変:0回・普図確変:100回」の2つとなる。そして、特図の時短についての終了条件が、特図1または特図2、または特図1と特図2の合計の変動回数にて100回(図29中の普図確変の回数と同一)の特図変動となり、普図の確変についての終了条件も100回の特図変動となる。
ここで、図29中の太枠Qは、太枠Q内の終了条件が、設計の通りV入賞が困難な大当りである、大当り図柄「特図1_4R時短有図柄6」(図10では「通常」大当りとして示す)に基づく大当り遊技にて、V入賞しなかった場合に設定されるものであり、設計の通りに確変作動領域未通過時において主体となる特定遊技についてのものであることを表している。そして、図29に示す、太枠Q以外の領域は、「特図1_4R時短有図柄6」以外の大当り図柄において、正常な遊技が実行されずV入賞しなかった場合に付与される特図確変回数、普図確変回数(電サポ回数)を示しており、図29に示される特定遊技の状態は、「通常時短」に移行制御されるものである。
通常時短時(確変作動領域未通過時)については、「特図1_4R時短無図柄」に係る終了条件は、「特図1」及び「特図1と特図2の合計(特2単独含む)」のいずれの「特図低確率・普図低確率」、「特図高確率・普図低確率」、「特図低確率・普図高確率」、「特図高確率・普図高確率」に関しても、「特図確変:0回・普図確変:100回」となっている。
更に、「特図1_4R時短有図柄1」〜「特図1_4R時短有図柄5」、及び、「特図2_4R時短有図柄1」〜「特図2_4R時短有図柄6」に係る終了条件は、「特図1」及び「特図1と特図2の合計(特2単独含む)」のいずれに関しても、「特図確変:0回・普図確変:100回」となっている。
また、これに対し、図28に示すV入賞時(確変作動領域通過時)については、「特図1_4R時短無図柄」に係る終了条件は、「特図1」及び「特図1と特図2の合計(特2単独含む)」のいずれの「特図低確率・普図低確率」、「特図高確率・普図低確率」、「特図低確率・普図高確率」、「特図高確率・普図高確率」に関しても、「特図確変:10000回・普図確変:0回」となっている。
更に、「特図1_4R時短有図柄1」〜「特図1_4R時短有図柄5」の終了条件は、「特図1」の「特図低確率・普図低確率」では、それぞれ「特図確変:10000回・普図確変:20回」、「特図確変:10000回・普図確変:30回」「特図確変:10000回・普図確変:40回」、「特図確変:10000回・普図確変:50回」、「特図確変:10000回・普図確変:60回」となっている。
また、同じく「特図1_4R時短有図柄1」〜「特図1_4R時短有図柄5」の終了条件に関して、「特図1」の「特図高確率・普図低確率」では、いずれも「特図確変:10000回・普図確変:0回」となっている。図27のゲームフローには表れていないが、本設定値は、第2特定遊技において、第2特定遊技に以降直後の特図1の残り保留や、第2特定遊技中に発生した特図1保留にてV入賞容易図柄で大当りした場合においては、第1特定遊技を経由せずとも第2特定遊技に復帰させるように制御することを意味している。
更に、同じく「特図1_4R時短有図柄1」〜「特図1_4R時短有図柄5」の終了条件に関して、「特図1」の「特図低確率・普図高確率」及び「特図高確率・普図高確率」では、それぞれ「特図確変:10000回・普図確変:20回」、「特図確変:10000回・普図確変:30回」「特図確変:10000回・普図確変:40回」、「特図確変:10000回・普図確変:50回」、「特図確変:10000回・普図確変:60回」となっている。
更に、「特図1と特図2の合計(特2単独含む)」に係る終了条件は、「特図1_4R時短有図柄1」〜「特図1_4R時短有図柄5」に関しては、「特図低確率・普図低確率」では、いずれも「特図確変:10000回・普図確変:100回」となっている。
また、同じく「特図1_4R時短有図柄1」〜「特図1_4R時短有図柄5」の終了条件に関して、「特図1と特図2の合計(特2単独含む)」の「特図高確率・普図低確率」では、いずれも「特図確変:10000回・普図確変:0回」となっている。
更に、同じく「特図1_4R時短有図柄1」〜「特図1_4R時短有図柄5」の終了条件に関して、「特図1と特図2の合計(特2単独含む)」の「特図低確率・普図高確率」及び「特図高確率・普図高確率」では、いずれも「特図確変:10000回・普図確変:100回」となっている。
また、「特図1_4R時短有図柄6」は、前述のようにV入賞時(確変作動領域通過時)には主体とならないが、この「特図1_4R時短有図柄6」の終了条件は、「特図1」及び「特図1と特図2の合計(特2単独含む)」のいずれの「特図低確率・普図低確率」、「特図高確率・普図低確率」、「特図低確率・普図高確率」、「特図高確率・普図高確率」に関しても、「特図確変:10000回・普図確変:10000回」となっている。すなわち、本実施例のぱちんこ遊技機10においてはV困難図柄で大当りした場合において、正常な遊技が実施されず、意図しないV入賞が発生しても、第2特定遊技に移行するまで10000回の当否抽選結果がはずれとなる遊技を行わなければならず、実質的に正常な遊技を経由しないで第1特定遊技へ移行した場合には第2特定遊技に移行することが不可能に設定されていることを意味している。
また、「特図2_4R時短有図柄1」〜「特図2_4R時短有図柄6」の終了条件については、「特図1」の「特図低確率・普図低確率」では、それぞれ「特図確変:10000回・普図確変:10000回」となっている。
更に、同じく「特図2_4R時短有図柄1」〜「特図2_4R時短有図柄6」の終了条件に関して、「特図1」の「特図高確率・普図低確率」、「特図低確率・普図高確率」、「特図高確率・普図高確率」では、それぞれ「特図確変:10000回・普図確変:20回」、「特図確変:10000回・普図確変:30回」、「特図確変:10000回・普図確変:40回」、「特図確変:10000回・普図確変:50回」、「特図確変:10000回・普図確変:60回」となっている。
更に、同じく「特図2_4R時短有図柄1」〜「特図2_4R時短有図柄6」の終了条件に関して、「特図1と特図2の合計(特2単独含む)」の「特図低確率・普図低確率」では、それぞれ「特図確変:10000回・普図確変:10000回」となっている。
また、同じく「特図2_4R時短有図柄1」〜「特図2_4R時短有図柄6」の終了条件に関して、「特図1と特図2の合計(特2単独含む)」の「特図高確率・普図低確率」、「特図低確率・普図高確率」、「特図高確率・普図高確率」では、それぞれ「特図確変:10000回・普図確変:100回」となっている。
ここで、図28中の細枠Pは、大当り遊技中においてV入賞しないことを想定した大当り(図10における「通常」大当り)であり、細枠P内の終了条件が、本来の設計において主体とならない遊技についてのものであることを表している。
以上説明した「特図低確率・普図低確率」、「特図高確率・普図低確率」、「特図低確率・普図高確率」、「特図高確率・普図高確率」のうち、通常遊技状態に対応するのは「特図低確率・普図低確率」である。そして、「普図高確率」(図28、図29中の下段に示す「普図確変」に相当)の回数が0回以外である大当りに当選した場合には、当選時の遊技状態および大当り中のV入賞の有無に応じ、大当り遊技後の特定遊技において予め定められた回数の電サポ(普図確変、普図高確率の遊技状態)が付与される。
例えば、図28に示すように、通常遊技状態時(特図低確率・普図低確率時)に、「特図1_4R時短有図柄1」の大当りに当選し、大当り遊技中にV入賞が発生した場合には、大当り遊技後に移行する第1特定遊技において、「特図低確率・普図低確率」と交差する欄の「普図確変」に示すように、20回の電サポが付与される。
同様の条件で、「特図1_4R時短有図柄2」〜「特図1_4R時短有図柄5」のいずれかに当選し、大当り遊技中にV入賞が発生した場合には、それぞれ30回、40回、50回、又は、60回のうちの対応する回数の電サポが付与される。そして、これらの20〜60回の電サポ回数が、大当り後に移行する第1特定遊技から前述した第2特定遊技に移行する条件である移行回数となる。なお、これらの当りには、図28に示すとおり、「特図1と特図2の合計(特2単独含む)」の電サポ終了条件として普図確変100回が設定されているが、特図2の変動表示は正常な遊技中の一部状況を除いてほとんど発生しないため、特図1の変動回数による電サポ終了条件が、第2特定遊技への基本的な移行条件として設計されている。
ここで、これまでに説明したような各種の特定遊技のうち、小当ラッシュとなる第2特定遊技と、その後の第4大当りについては、複合ボーナスの期間として連続性のある一連の演出状態(演出内容)の演出を行うことが可能である。
つまり、小当ラッシュから第4大当りに至る遊技状態においては、可能な限り小当ラッシュから第4大当りへの遊技状態の移行を目立たなくするような、連続性のある演出を行うことが考えられる。そして、この小当りラッシュから第4大当りまでの期間中の演出については、遊技者に対し、小当りラッシュ時から、既に第4大当りが発生し、実際の大当り遊技(第4大当りの大当り遊技)よりも長い期間に亘り継続している印象を与え得る態様で行うことが考えられる。
このようにすることで、第2特定遊技(小当りラッシュ)が大当りであり、第2特定遊技(小当りラッシュ)に移行した段階で大当り(第4大当り)が発生したような印象を遊技者に与え得る。更に、第2特定遊技の前の第1特定遊技において大当りが発生し、実際の大当り(第4大当り)の大当り遊技よりも長期間に亘って大当り遊技が実行されているような認識を、遊技者に対し与えることが可能となる。そして、このような演出と遊技状態との組み合わせにより、遊技者の僥倖感を増し得ることとなる。
また、このような第2特定遊技(小当りラッシュ)の開始から第4大当りの大当り遊技の終了までの遊技状態を、第2特定遊技を含むよう拡張された大当りとして捉えて、これまでも説明したように「複合ボーナス」などと称することが可能である。或いは、「複合大当り」などと称することも可能である。更に、第4大当りの大当り遊技を含むよう拡張された特定遊技と捉えて、例えば「複合特定遊技」などと称することも可能である。
また、第2特定遊技(小当りラッシュ)の際における大入賞口90の開放態様と、第4大当りの大当り遊技における大入賞口90の開放態様とを、遊技者からの見た目において同一なものとすることが可能である。このようにすることで、第2特定遊技と第4大当りの連続性を確保し、大入賞口90によっても確保でき、遊技者に対し、実際の大当り(第4大当り)の大当り遊技よりも長期間に亘って大当り遊技が実行されているような認識を与えることが可能となる。
また、大入賞口90の開放態様は、第2特定遊技(小当りラッシュ)と、第4大当りの大当り遊技とで、全く同じ態様とすることに限らず、概ね同じといえるような態様や、一部が共通するといえる態様とすることなどが考えられる。例えば、1回の開放時間を全く同じとするが、開放と開放との間の閉鎖時間が互いに数秒(1秒など)程度異なるようにしたり、開放時間が互いに数秒(1秒など)程度異なるようにしたりすることを例示できる。
更に、大入賞口90の開放中の態様を「開放態様」と称し、開放と開放の間の閉鎖中の態様を「閉鎖態様」と称し、開放と閉鎖の組合せの態様を「開閉態様」等と称して区別することが可能である。
更に、これまでに説明した第1特定遊技や第2特定遊技に係るゲーム性については、以下のようにも説明することができる。例えば、共に右打ちが行われる確変中(第1特定遊技中)と小当りラッシュ中(第2特定遊技中)とで、変動の主体となる特図が、特図1から特図2へ変化するゲーム性であるということができる。
また、特図2の大当り時における振分け(V入賞の有無)は、V入賞を容易にする制御により、理論上は100%確変へ移行する態様で行われるため、第2特定遊技の小当りラッシュに移行すると、その後は特図2が主体の遊技となるため確変が保証されるといえる。
なお、特図2が主体となっている遊技状態で、第1−1始動入賞口62Aや第1−2始動入賞口62Bへの入球があったり、特図1に関する保留が残っており、特図1に係る大当りが発生した場合、この大当りは主体の遊技による大当りではない。このような主体の遊技ではない遊技(非主体の遊技)における当りは、「事故当り」などと称することが可能である。同様に、特図1が主体の遊技となっている遊技状態で、第2始動入賞口63への入球があった場合の大当り(及び小当り)も、「事故当り」であるといえる。
これらのような事故当りについては、以下のように対応することが可能である。例えば、特図2が主体となる小当りラッシュ中(特図高確率・普図低確率中)における特図1の確変当り(V容易当り)については、大当り図柄に対応付けられた時短の回数(時短終了条件となる移行回数)を0としておくようにする。このようにすることで、事故当りの影響を最小限に抑えた遊技が可能となる。
例えば、小当りラッシュ中は、大入賞口90に入球しなかった遊技球が第2始動入賞口63へ向かい、第2始動入賞口63への入球頻度が、相当程度高くなっていると考えられる。このため、小当りラッシュ中には、保留が発生し易いといえる。そして、小当りラッシュ中に特図1の大当り(例えば事故当りによる第1大当り)が発生することとなる変動が開始した場合には、第2特定遊技中の特図1に係る変動パターンテーブルにより、特図1の大当り変動の変動時間を長く設定するように構成し、直ぐには第1特定遊技に移行せず、複数回の特図2に係る変動および小当り遊技が実行され得るように構成される。
しかし、例えば、特図1の確変当りについては、前述のように時短の回数(時短終了条件)を0としておく、といった策を施すことで、保留の消化後に続けて小当りラッシュ(第2特定遊技)に戻すことができる。そして、V領域での遊技球の通過(V通過)があった大当り遊技の後、第1特定遊技を1回も行わず(第1特定遊技を経ずに)、第2特定遊技(小当りラッシュ)に直接的に移行させる(戻す)ことができる。
このような対策は、上述の第2特定遊技中(小当りラッシュ中)に限らず、例えば特図1が主体となる通常時短中(第3特定遊技中や第4特定遊技中)における特図2の大当り図柄と、特定遊技の終了条件との関係についても同様に適用することが可能である。例えば、通常時短中(第3特定遊技中や第4特定遊技中)における特図2の大当り図柄については、移行回数が0回の確変大当りとなるようにしておく。このようにすることで、事故当りに関しては、第1特定遊技を経ずに第2特定遊技に移行する、といったゲーム性を提供することができる。
また、確変中(第1特定遊技中)の電サポ終了条件は、標準的には特図1の変動回数が、大当り図柄によって定められた(大当り図柄に対応付けられた)N回(ここでは0回〜60回)の変動回数(平均45回となるようにしている)に到達することである。しかし、これらの変動回数の他に、100回の変動を特定遊技の終了条件も設けられている。そして、変動回数100回の終了条件については、特図2単独、及び、特図1と特図2の合計で計数することが可能である。
ここで、特図2単独、及び、特図1と特図2の合計で計数される「100回」という回数は、主体でない遊技が実行されることを前提としており、通常は到達し得ない回数であるということができる。つまり、主体となっていない特図に係る始動入賞が発生する状況としては、例えば、第1−2始動入賞口62Bによる電サポ期間中に、遊技球が、第1−2始動入賞口62Bに入球せず、第1−2始動入賞口62Bが設けられている領域を通過して、第2始動入賞口63に偶々入球した場合を挙げることができる。
また、特図2の遊技が主体となっている状況で、例えば、第1−2始動入賞口62Bが極めて短時間(0.3秒など)の開放を行い、この短時間の開放中に偶々入球があった場合も例示することができる。更に、例えば、遊技者が、発射強度の調節を適切に行っていなかったり、遊技状態の変化に即座に対応できなかったりした場合にも、主体となっていない特図での始動入賞が発生することが考えられる。
そして、これらのような状況は稀な状況であり、例えば、100回の時短期間中に100回発生することなどは考え難い。したがって、特定遊技状態の終了条件を、100回の変動とすることで、非標準的な(イレギュラーな)始動入賞のみによって特定遊技が終了してしまうことを防止することができる。
また、ぱちんこ遊技機10においては、複合ボーナスの第2特定遊技中に発生した大当り(第4大当り)により、大当り遊技後に第1特定遊技へ戻った際には、確変中(第1特定遊技中)の電サポ終了条件は、標準的には特図1の変動回数であるため、先の第2特定遊技中に発生した保留による変動は、移行回数の中にはカウント(計数)されないこととなる。つまり、複合ボーナス後(特図2大当り後)に行われる第1特定遊技では、当初に、小当りラッシュ時に発生した特図2に係る残りの保留(残り保留)が消化されると考えられる。
しかし、この残り保留による変動は、その次の小当りラッシュに到達するまでの変動回数にはカウントされないこととなるが、仮にこの残り保留で当っても、特図2に係る大当り遊技はV容易図柄に基づく大当りのみで構成されるため、通常は第1特定遊技の遊技状態に再突入する。このため、残り保留によって遊技者が不利益を被る(或いは利益を逃す)といったことがない。
また、ぱちんこ遊技機10は、当選した大当り図柄の種類によって、第2特定遊技(小当りラッシュ)に移行するための第1特定遊技(確変)の期間が変動し得るものである。そして、遊技の主体が大当り図柄がV容易図柄のみである特図2となるまでの期間が、当選した大当り図柄の種類によって異なるものであるということができる。したがって、ぱちんこ遊技機10は、大当り図柄に対応付けられた変動回数によって、確変継続率(第1特定遊技から第2特定遊技にかけて連続する確変の期待度)が変動するものであるといえる。
ここで、当選した大当りがV入賞容易(V容易)な大当りであっても、大当り遊技中に偶々V入賞しなかったような場合には、低確率高ベース(低確率/普図高確率)な特定遊技状態(ここでは電サポ付き100回の通常時短状態)に移行し、標準通りV入賞した場合に移行するような遊技者に有利な遊技状態へは移行しないようにすることが可能である。
なお、上述のようなゲーム性に係る変形例として、以下のようなことを考えることができる。先ず、ここでの第1変形例として、例えば、大当り図柄に基づいて電サポ回数(移行回数)を変動させる電サポ回数変動型(移行回数変動型)に限らず、例えば、いずれの大当り図柄(V容易図柄)の場合でも、電サポ回数(普図確変回数)として45回のみが定められた固定型(電サポ回数固定型、移行回数固定型)としてもよい。このようにすることで、遊技者が、連荘を獲得できたとしても、例えば移行回数が60回の大当りにばかり当選して、多くの時間を第1特定遊技に割いている、といったことを防止できる。
更に、第1変形例に関し、上述のものに限定されず、例えば、移行回数固定型であっても、大半(例えば90%程度)が45回となり、残りの一部(例えば10%程度)の大当りのみが、電サポ0回や10回などのプレミアム的な希少性のある大当りとなるようにしてもよい。
このような固定型(全て、或いは、大半が固定回数であるタイプ)とした場合には、遊技者にとっては目標が明確になるといえる。つまり、変動型とした場合には、移行回数が相対的に多い大当りにばかり当選すると、なかなか第2特定遊技(小当りラッシュ)に移行することができず、遊技者が第2特定遊技(小当りラッシュ)の趣向性(興趣性)を享受し難くなる。しかし、固定型とすることで、さほど偏りなく第2特定遊技(小当りラッシュ)に移行でき、遊技者が安定して、第2特定遊技(小当りラッシュ)の趣向性を享受することができる。ただし、固定型とすることで、ゲーム性や演出が単調となることや、第1特定遊技により得られる出玉数が安定する(荒れ難くなる)ということもいえる。
続いて、ここでの第2変形例として、特図1に限り100%の割合でV容易大当りとなり、特図2の大当りでは、V非容易大当りとなり得るように構成することで、大当り遊技後の第1特定遊技では、終了条件が成立する(第2特定遊技への移行回数に到達する)所定回数前(例えば10回程度前)には、確変ループ保証状態(第2特定遊技に必ず移行する状態)とするようなゲーム性なども考えることができる。更に、このゲーム性においては、電サポ切れ後(移行回数到達後)に第2特定遊技(小当りラッシュ)となると、通常落ちする大当り(非確変大当りであるV困難大当り)に当選する可能性があるようにすることが考えられる。
<基本の遊技に基づき更に詳細に検討できる事項>
以上、ぱちんこ遊技機10のゲーム性や演出につき、一部の変形例を含めて説明したが、個々の遊技状態についてより詳細に検討することもできる。そして、詳細な検討の結果として、ぱちんこ遊技機10は以下のようなものとすることができる。そして、一連の遊技状態のまとまりや、個々の遊技状態に関しては、以下に説明するような構成を採用できると考えられる。
<<特定遊技状態の終了に係る判定時期について>>
先ず、通常遊技状態を起点として開始される一連の遊技について検討すると、遊技状態の遷移(移行)の制御は、確変や電サポ等の特定遊技の終了条件が成立したか否かを判定(終了条件に係る成否を判定)して行われるが、このような終了条件が成立したか否かの判断は、変動開始時に行われるものとする。
つまり、例えば電サポが20回付与される特定遊技(第1特定遊技)を例に挙げれば、メイン基板102のCPU501や、サブメイン基板301のCPU521によって特定遊技の期間が終了したか否かの判定が行われるのは、最終変動である20回目の変動の開始の際である。そして、20回目の変動中には、制御上、特定遊技(ここでは第1特定遊技)の期間は終了している。
このようにすることで、特図1の遊技及び特図2の遊技に優先順位を設けず、並列に進行させ得るようにしたぱちんこ遊技機10において、例えば特定遊技の終了となる判定がなされた特図1(又は特図2)の変動中に、特図2(又は特図1)の変動が開始されても、既に特定遊技を終了させていることから特図2(又は特図1)の遊技を特定遊技中と同一の遊技条件(大当り確率、時短、電サポなど)で行ってしまう、といったことを防止できる。なお、このような制御態様を、例えば、「変動開始時における遊技状態遷移制御」などと称することが可能である。
<<V領域の開放制御について>>
続いて、V入賞口(V領域、特定領域)の開閉制御について説明する。このV入賞口(V領域、特定領域)の開放制御は、遊技球の検出と図柄制御とを組み合せた方式(組み合わせ制御方式)で行うことが可能である。例えば、大当り遊技における最初のラウンド(1R目)において、大入賞口90が開放される際に、V領域を塞いでいた遮蔽部材(図示略)が極わずかな時間(例えば0.3秒など)の開放を行って直ぐに閉じる。この短時間の開放は、大当り図柄の種類が、V容易図柄であっても、V非容易図柄であっても、同様に行うことが可能である。なお、V領域を塞ぐ遮蔽部材の極わずかな開放では、偶然を除きV入賞の発生は発生しないものとして設計されている。
ここで、大当り図柄の種類がV容易図柄であった場合には、その後に最初の1個目の遊技球が大入賞口90に入球し、前述の大入賞カウント検出装置78Aにより検出(カウント検知)されると、V領域の遮蔽部材が再び開放するようにする。このときのV領域の開放は、相対的に長時間継続される。そして、このときの開放は、当該ラウンド(開始ラウンドである1R目)が終了するまで行うことや、当該ラウンド(1R目)における大入賞口90の開放が終了した後(直後)まで行うことなどが可能である。
なお、V領域の開放継続の開始は、大当り遊技の開始ラウンドにおける最初の1個目の入球が検出された際に限らず、例えば、開始ラウンドにおける2個目や3個目のカウント検知が行われた際などとすることが可能である。
また、最初のラウンドである第1ラウンド中の大入賞口90の開放態様としては、例えば、ラウンドの開始から終了まで大入賞口90の開放状態を継続させる態様(1ラウンドに1開放のみ行う態様)や、大入賞口90が1ラウンド中に複数回にわたり断続的に開放する態様などを例示することができる。そして、このときの大入賞口90における断続的な開放態様としては、例えば、小当りの場合と同様に1.2秒程度の開放を、所定のインターバル時間(例えば1秒など)を介して繰り返すものも考えることができる。
また、図柄制御に係る具体的な態様としては、例えば、メイン基板102において、大当り図柄がV容易図柄であることを判定した場合に、V領域の遮蔽部材に係る長時間開放の許可フラグ(ロング開放許可フラグ)をセットし、短時間開放の後、所定カウント目(例えば1カウント目)の入球検出後に、許可フラグが成立していることを条件としてV領域がロング開放となるように遮蔽部材を制御する、といったことが考えられる。
一方、大当り図柄がV非容易図柄(V困難図柄)であることを判定した場合には、短時間開放の後、所定カウント目(例えば1カウント目)の入球が検出されても許可フラグが成立していないため、ロング開放のための制御を行わない、といったことを考えることができる。ここで、このV非容易図柄には、図28や図29を用いて説明した図柄14〜16(特図番号13〜15)の「特図1_4R時短有図柄6」が該当する。
以上説明したような遊技球の検出と図柄制御とを組み合せた方式(組み合わせ制御方式)を採用することにより、V非容易図柄に当選した場合に、V領域への入球の可能性をゼロとせずに僅かながらも確保しつつ、V入球の発生を防止することができる。また、V容易図柄に当選した場合と、V非容易図柄に当選した場合とで、開始ラウンドの開始当初の制御処理を共通化することが可能となる。
<<通常遊技状態(特図低確率・普図低確率状態)時について>>
続いて、通常遊技状態時について検討する。先ず、通常遊技状態において、遊技者が右打ちを行うと、特図2始動口(第2始動入賞口63)への入球が可能である。このため、特図2に係る変動パターンを、いずれも極めて長時間の変動である超ロング変動(例えば3分など)の変動パターンとしている。このようにすることで、主体でない遊技に係る特図の変動があっても、1回の変動に要する時間を長くすることができ、所定時間あたりの変動回数を少なく抑えることができる。なお、特図2に係る変動パターンの一部の種類を、超ロング変動(例えば3分など)よりも幾分短い変動時間(例えば1分程度)のロング変動の変動パターンとしてもよいし、ロング変動、超ロング変動を組み合わせて実行され得るように構成してもよい。
このようにすることで、主体でない遊技に係る進行の効率を低下させることができ、主体でない遊技によって出玉が増えてしまうのを防止できる。ここで、左打ちが遊技の主体となっている状況で、右打ちしていることが検出された場合に、警告(右打ち警告)を行うことが可能である。そして、右打ち警告を行うことで、遊技者が恥ずかしさを抱き得るようにして主体でない右打ちを止めることも考えられる。しかし、このような恥ずかしさを気に留めず、右打ちを行い続ける者が居ないとは限らないため、併用或いは単独で採用できるよう、右打ち警告以外の対策を施しておくことは有効である。
なお、右打ち警告を行うにあたっては、例えば、センター飾り64の(正面から見て)右肩部分に遊技球検出装置(センサ)を配置したり、右側ユニット92に備えられたいずれかの遊技球検出装置(センサ)を用いて、主体とならない遊技における右打ちを検出することが可能である。
また、右打ち警告の具体例としては、十分な音量の警告音として「右打ちしています」、「右打ちを止めてください」、「ハンドルを戻してください」等といった音声出力を行うことや、演出表示装置60の画面の右上隅部又は左上隅部等に左向きの矢印と「左打ち」の文字を表示すること、及びこれらを適宜組み合わせて行うことなどが考えられる。
また、通常遊技状態時における事故当り(特図2による大当り)については、V入賞容易(V容易)な大当りとなることから、図28を用いて前述したように、特図高確率(ST)の終了条件を10000回、普図高確率(電サポ)の終了条件を10000回などとすることが可能である。このように、通常であれば到達が容易ではない(不可能な)遊技回数(変動回数)を終了条件とすることで、実質的に、次回当りまでの確変や電サポ状態が継続し、小当りラッシュ(第2特定遊技)に突入しないゲーム性を提供することができる。そして、遊技者に対しては、主体でない遊技を行った場合は、いつまで経っても小当りラッシュにならない、といったゲーム性を提供することができる。
また、通常遊技状態時のように特図1が主体となる期間中は、特図1(図2も同様)について、前述の第1保留数表示部196(及び第2保留数表示部197)のような演出の明示を目的としたような保留表示は行わないようにすることが考えられる(図30(a)参照)。ただし、演出表示装置60の画面におけるいずれかの隅部等において、保留数表示領域367の表示を行い、補償(保障や保証などともいう)の意味での保留表示(補償保留表示などともいう)を行うことが考えられる。更に、このことは、後述する通常時短中や第1特定遊技中にも適用が可能である。また、通常遊技中、通常時短中、及び、第1特定遊技中のうち少なく1つの遊技状態に適用することも可能である。
<<通常時短遊技状態(特図低確率・普図高確率状態)時について>>
続いて、通常時短の遊技状態時(第3特定遊技状態時、第4特定遊技状態時)について説明する。通常時短の遊技状態は、前述のように、通常遊技状態時や第1特定遊技状態時に、特図1のV入賞非容易大当り(電サポ100回の大当り)に当選した場合に、大当り遊技後に移行可能となる。そして、通常時短の遊技状態時には、特図1の遊技が主体の遊技となる。更に、電サポ中であり、第1−2始動入賞口62Bが開放することから、特図2の始動口(第2始動入賞口63)への入球は、ほぼない(全くないわけではない)ようになっている。
前述したように、第1特定遊技時には、特図1に係るはずれが前述の移行回数(平均45回)まで継続すれば第2特定遊技に移行するが、特図1の大当りが発生した場合には、その大当りは第3大当りとなり、大当り遊技後も第2特定遊技(小当りラッシュ)に移行しないようになっている。
これに対し、通常時短中(第3特定遊技状態中や第4特定遊技状態中)に特図1の大当りが発生した場合は、第2特定遊技(小当りラッシュ)に移行する場合がある。つまり、通常時短中と第1特定遊技中とで、例えば同じ図柄で大当たりとなっても、通常時短中の大当り(第2大当り)でV入球すれば、電サポ0回の大当りとなり、大当り遊技後に小当りラッシュ(第2特定遊技)に直接移行する。
このため、通常時短中における特図1の大当り(引き戻し)は、第1特定遊技中における特図1の大当りよりも、遊技者にとっての恩恵が大きいということができる。また、このような大当りした場合の恩恵という意味においては、通常時短のときの方が、確変中(第1特定遊技中)よりも有利であるということができる。
更に、通常時短状態時における特図2の変動については、変動パターン(特図2低確率/高ベース用の変動パターン)をロング変動(例えば1分程度)のものとすることが可能である。このようにすることで、主体でない遊技に係る特図の変動があっても、回数を少なく抑えることができる。そして、特図1での遊技を行って貰いたい通常時短時には、特図2での遊技の趣向性を抑制し、特図1での遊技の趣向性を高めて、遊技者を特図1での遊技に誘導することができる。
ここで、互いに通常時短である第3特定遊技と第4特定遊技の終了条件を異ならせることも可能である。例えば、第3特定遊技の終了条件を100回のままとし、第4特定遊技の終了条件を、第3特定遊技(通常時短)よりも少ない50回などとすることも可能である。そして、この場合にも、前述のように、第3特定遊技と第4特定遊技とで同様な変動パターンに紐付けられた演出を行うことが可能である。
<<第1特定遊技(特図高確率・普図高確率)時について>>
続いて、第1特定遊技時について説明する。第1特定遊技の遊技状態は、前述のように、特図1や特図2のV容易大当り(電サポ有)に係る大当り遊技後に移行する。そして、第1特定遊技の遊技状態時には、特図1の遊技が図柄変動に係る主体の遊技となる。更に、電サポ中であり、第1−2始動入賞口62Bが開放することから、特図2の始動口(第2始動入賞口63)への入球は、ほぼ無いようになっている。
特図1の変動が、前述のように、大当り図柄によって決定される所定の移行回数(N=0〜60回など)に到達することで、他の特定遊技状態である第2特定遊技(小当りラッシュ)に移行する。ここで、第1特定遊技中に特図2の変動があっても、当該第1特定遊技の標準的な終了条件(電サポ終了条件)である特図1変動回数に基づく電サポ終了条件の計数情報には加算されない(影響しない)ようにする(図28の「特図1と特図2の合計(特2単独含む)」の欄参照)。
また、前述のように、特図に関して、高確率中の大当り確率は約1/66となっており、電サポ終了条件(特1)は、大当り図柄によって変動するが平均で45回(平均移行回数が45回)となっている。そして、高確率時の大当り確率に係る分母の数値(ここでは66)よりも、平均移行回数の数値(ここでは45)のほうが小さくなっている。このため、前述したように、遊技者に対し、小当りラッシュに移行する可能性が高いという積極的な考えを導き得る。
更に、第1特定遊技の遊技状態に関しては、前述したように、第1特定遊技状態中の主体の遊技に係る大当り(特図1の大当り)は、バトル方式の大当りとなっており、バトル演出を経て大当り遊技に移行する。バトル演出において、バトルの結果が勝利であれば、大当り遊技後に第1特定遊技に移行し、第1特定遊技が大当り遊技(第3大当りに係る大当り遊技)を挟んで継続することとなる。バトルの結果が敗北であれば、大当り遊技を経て、第4特定遊技である通常時短に移行する。
また、第1特定遊技中の大当り(第3大当り)が電サポ0回(電サポ無し)の大当りであれば、大当り遊技後に第1特定遊技に移行せず(第1特定遊技を飛ばして)、第2特定遊技に移行する。そして、このような移行の形態を可能とする大当りを、プレミアム的で希少性の高い大当りとして、ゲーム性を構築できるようになっている。
更に、第3大当りの種類が電サポ有りの大当りであり、大当り遊技後に第1特定遊技へ移行する場合も、或いは、上述のように電サポ無しの第3大当りにより第2特定遊技へ直接移行する場合も、同じ演出用の動画(演出用動画)を利用することが可能である。ここでいう「同じ演出」としては、画像上同じ背景で進行する演出や、同じキャラクタが登場してストーリーを展開させる演出などのように、遊技者に同じであるという印象を与え得るような演出を例示することができる。
また、これに限らず、第3大当り後に第1特定遊技へ移行する場合と、第2特定遊技へ直接移行する場合とで、異なる演出を採用することも可能である。ここでいう「異なる演出」としては、画像上異なる背景で進行する演出や、異なるキャラクタが登場してストーリーを展開させる演出などのように、遊技者に異なるという印象を与え得るような演出を例示することができる。また、「同じ演出」で演出が行われる場合と、「異なる演出」で演出が行われる場合とが、いずれもあるようにすることも可能である。
また、前述したように、はずれ変動において発展したバトル演出において所定のキャラクタが参戦したような場合には、第2特定遊技へ移行し、小当りラッシュとなる。ここで、バトル演出が、移行回数に達した際のはずれの変動演出として実行される場合に、所定のキャラクタが参戦する等の演出を行って、次回の変動から第2特定遊技に移行する、といったようにすることが可能である。また、これに限らず、移行回数に達する前(例えば移行回数の1回前)の変動おいてバトル演出に発展し、所定のキャラクタが参戦した場合に、移行回数目の変動の開始時点から第2特定遊技の演出状態に移行する、といったことも可能である。本実施例のぱちんこ遊技機10においては、変動開始時に遊技状態(確変、電サポ)の終了判定を行う方式を採用しているため、電サポ終了条件(特1)が充足される1変動前の変動において、バトル演出に発展するように構成し、電サポ終了条件(特1)が充足した直後より第2特定遊技(小当りラッシュ、複合ボーナス)の演出状態に移行するように制御するよう構成されている。
ここで、特定の変動回数(或いは特定範囲の変動回数)において、予め定められた演出(例えば前述のバトル演出)を行うためには、第2特定遊技へ移行する条件である電サポ終了条件(特1)が充足する時期において、特図1に係る変動に対して前述した限定頻度テーブルを用いて限定頻度パターン演出を行うことが好ましい。そして、第1特定遊技に係る限定頻度テーブルや限定頻度パターン演出については、以下のようにすることが可能である。
例えば、大当り図柄に応じて、特図1と、特図2とで、限定頻度テーブルや限定頻度パターン演出が個別に設定されており、特図1と特図2の変動回数を独立して計数することにより、それぞれの限定頻度テーブルや限定頻度パターン演出を遷移するように制御する。そして、この場合に、特図1の変動が繰り返されても、特図2用の限定頻度テーブルの切り替えのための変動回数には加算されず、特図2用の限定頻度テーブルは切り替わらないようにする。逆の場合も同様であり、特図2の変動が繰り返されても、特図1用の限定頻度テーブルは切り替わらないようにする。
このようにすることで、特図1の遊技と特図2の遊技との間に優先順位を設けず、特図1の遊技と特図2の遊技が並列に実行されるタイプのぱちんこ遊技機10において、特図1と特図2とで特定遊技の終了条件(変動回数)が異なっていても、遊技者に対し違和感のない適正な制御を行うことが可能となる。
また、具体的な制御態様としては、以下のようなものを例示できる。例えば、特図1の限定頻度パターン演出や、特図2の限定頻度パターン演出に関して、変動回数のカウンタによる計数を、特図1と特図2とで別に単独で行う。このようにすることで、特図1と、特図2とで、限定頻度テーブルや限定頻度パターン演出を個別に遷移させることができる。
また、例えば、第1特定遊技中の限定頻度パターン演出について、第2特定遊技への移行条件である移行回数(ここではN回とする)の前の2回(N−2回及びN−1回)の特図1に係る変動について所定の限定頻度テーブルを用い、最終変動(N回目の変動)では、他の限定頻度テーブルに切り替える。このような制御の流れは、特図1に関して、残り2回目(N−2回目)、残り1回目(N−1回目)、残り0回目(N回目)といったように、限定頻度テーブルや限定頻度パターン演出が遷移するものであるということができる。
そして、電サポが終了する1変動前(N−1回目)の変動にて、所定の限定頻度テーブルを用いて、第2特定遊技に移行する旨を示す演出を(「小当りラッシュ突入演出」、「小当りラッシュ確定演出」、「祝福演出」などともいう)を実行する。つまり、最終変動(N回目の変動)の前の1回前の変動で、N回目の変動の後に移行する遊技状態(ここでは第2特定遊技状態)を遊技者が認識し得るようにする。第2特定遊技に移行する旨を示す演出の一例としては、前述したようにバトル演出において所定のキャラクタが表示されることなどが挙げられる。
このように第1特定遊技の終了となる1変動前の特図1変動において第2特定遊技への移行を報知することで、前述したように、特定遊技の終了条件の判定を変動開始の際に行うようにしたぱちんこ遊技機10において、遊技状態の移行に伴う演出の切り替えを、適正に行うことが可能となる。そして、第1特定遊技の最終変動中(N回目の変動中)に、ぱちんこ遊技機10の遊技状態としては、既に第2特定遊技(小当りラッシュ)となっており、主体の遊技(ここでは特図2の遊技)が行われたとしても、特図1の遊技に係る演出が終わるまでは遊技状態が移行することを示す演出を実行できない、といった事態が生じるのを防止できる。
なお、例えば、特図1に係る最終変動(N回目の変動)が大当りに当選した変動(大当り変動)となる場合もあり得る。このような場合を想定し、特図1の大当り変動をある程度長い変動時間のもの(長尺なロング変動の変動パターンなど)とすることが考えられる。例えば、第1特定遊技の最終変動において特図1の大当り変動が行われた場合には、第1特定遊技中(最終変動を除く)の変動と同様にバトル演出を実行し得る十分に長い変動時間などが決定されるように構成しておく(なお、演出としては、小当りラッシュの演出を表示し、バトル演出等の表示は行わない)。このようにすることで、当該変動期間中に、制御上は既に移行している第2特定遊技の遊技条件(特図高確率・普図低確率)にて、できる限り多くの主体の遊技(ここでは特図2の遊技)を行わせることができる。そして、第1特定遊技に係る特図1の最終変動の変動期間中に、第2特定遊技で主体となる特図2を数多く実行させて、小当りによりできる限り多くの出玉を、遊技者に獲得させることが可能となる。
また、第1特定遊技中における特図1の遊技に関して、残り2回目(N−2回目)、残り1回目(N−1回目)、残り0回目(N回目)と遊技が進行した際、限定頻度テーブルは、残り0回目(N回目)の変動中に(或いは変動開始の際に)、第1特定遊技用の限定頻度テーブル(特図高確率・普図高確率中限定頻度テーブルなど)から、第2特定遊技用の限定頻度テーブル(特図高確率・普図低確率中限定頻度テーブルなど)に切り替わるものとなる。
更に、これまでに説明したように、第1特定遊技に係るN−1回目の変動で「小当りラッシュ突入演出」を行ったとしても、第1特定遊技の最終変動(N回目の変動)中は、制御上は、既に小当りラッシュ(第2特定遊技)の期間となっており、その間遊技者は小当りラッシュの期間を体験することができる。このため、「小当りラッシュ突入演出」が、遊技者が体験できる遊技の内容と、過度に大きくかけ離れているということはなく、適正な範囲の遊技制御及び演出制御であるといえる。
なお、N−1回目の変動で「小当りラッシュ突入演出」を行うことにより、遊技状態の移行に伴う演出の切り替えを適正化できるが、これに限定されず、例えば、特定遊技に係る最終変動(N回目の変動)中に、第2特定遊技に移行する旨を示す演出を行ってもよい。
この場合は、第1特定遊技の最終変動(N回目の変動)の開始時には電サポ終了となるため、N回目の変動中に祝福演出(小当りラッシュ突入演出)を実行することにより、祝福演出中に並行して、特図2の遊技による小当りラッシュが開始されている状況となる。
ここで、第2特定遊技に移行する旨を示す演出(祝福演出、小当りラッシュ突入演出など)においては、第2特定遊技を複合ボーナスとして演出の設計をしているため、演出図柄190として、3桁のぞろ目の表示(例えば「7」図柄揃いなど)を行うことが考えられる。ただし、第1特定遊技に係る特図1の遊技が最終変動(N回目の変動)に進行する場合、N−1回目の変動は、大当り変動ではなくはずれの変動(はずれ変動)であるから、特図1の大当りを示す演出図柄190の表示態様とは異ならせることが望ましい。
このため、第2特定遊技に移行する旨を示す演出(祝福演出、小当りラッシュ突入演出など)における演出図柄190を、大当りの報知のためのものとは異なる特殊図柄とすることが考えられる。そして、この特殊図柄としては、例えば数字の「7」の形態の図柄ではあるが、大当りの報知のための演出図柄とはフォントが異なるものとしたり、装飾部分が異なるものとしたりすることが考えられる。
更に、この特殊図柄によって、第2特定遊技に移行する旨を報知する場合には、実際にははずれ変動が実行されているため、例えば、前述の縮小演出図柄表示領域361における表示(ミニ図柄の表示)を、はずれの態様で行うことが考えられる。また、ミニ図柄として、特殊図柄に対応した特殊な態様の図柄を備えることも可能である。
また、特殊図柄は、例えば3桁揃い(同じ図柄によるぞろ目)のようなものに限らず、一般に大当りの図柄や組み合わせとして認識されないような態様のものであってもよい(例えば、特殊図柄としては、変動表示に用いる演出図柄190と類似するものではなく、「〇〇ボーナス」等の文字列が装飾的にデザインされた絵柄で構成してもよい)。特に、ぱちんこ遊技機10においては、前述のように、第1特定遊技にて大当り(第3大当り)となる場合には、バトル演出を経由するようにしているので、第2特定遊技に移行するかどうかを、特殊図柄以外の演出要素によって遊技者に示すことができる。このため、特殊図柄を、一般に大当りの図柄や組み合わせとして認識されないような態様のものとしても、遊技者への遊技状態の報知が曖昧になるということはない。
更に、例えば、一般には「7」図柄などの演出図柄190による大当りの演出表示は欠かせないものとなっているが、第2特定遊技に移行する旨を示す演出(祝福演出、小当りラッシュ突入演出など)においては、このように通常は欠くことができないものとされているような大当りの演出表示を、意図的に行わないようにすることも可能である。
また、第1特定遊技中に主体とならない特図2の変動については、変動パターンを極短い変動(超短縮変動)とし、その変動時間を、例えば0.6秒程度とすることが可能である。つまり、第1特定遊技中の特図2に係る変動パターンを、ロング変動(例えば1分以上のもの)とした場合、第2特定遊技(小当りラッシュ)突入となる状況で、未だ第1特定遊技中の特図2に係る変動が継続し、当該変動が終了するまで第2特定遊技(小当りラッシュ)が開始されない、といった状況が生じる。
しかし、上述のように、第1特定遊技中における特図2の変動については、変動パターンを極短い変動(超短縮変動)とすることで、特図2の保留が発生しても、保留をすぐに消化して、第2特定遊技に移行することが可能となる。また、第2特定遊技にて第4大当りとなり、複合ボーナスが終了した際に移行する第1特定遊技において、特図1の変動が開始する前、ないし特図1変動が数回行われるまでの間に、特図2保留を消化可能となるので、第1特定遊技中の中盤ないし後半において、急に特図2に係る事故当りが発生して、電サポ終了条件(特1)の計数情報がリセットされてしまうことを防止することができる。
<<第2特定遊技(特図高確率/普図低確率)時及び第4大当り時(複合ボーナス時)について>>
続いて、第2特定遊技時から第4大当りの大当り遊技に亘る遊技状態(複合ボーナスの遊技状態)について説明する。複合ボーナスにおける先の遊技である第2特定遊技(小当りラッシュ)は、前述したように第1特定遊技にて、大当りとならないまま変動回数が移行回数(20〜60回)に到達した場合に移行する遊技状態である。
また、これ以外にも第2特定遊技は、特図1又は特図2に係る大当りのうち、V入賞有りで、且つ、電サポ0回の大当りが発生した場合にも後にも移行するようになっている。そして、これらの第2特定遊技へ移行するための条件は、例えば「移行条件」などと称することが可能なものである。
第2特定遊技は、特図2が変動の主体となる遊技状態であり、第2特定遊技時には小当りが極めて高い割合(大当りを除いて約1/1)で当選するようになっている。なお、ここでは、説明が煩雑にならないよう、大当り、又は、小当りのみに当選し、且つ、はずれに当選しない状況を前提として説明を行う。しかし、これに限らず、はずれとなる場合があってもよい。また、適宜小当り頻度(小当りの発生頻度)を落とし(下げ)、小当りの当選割合を、例えば80%以下などとなるようにすることも可能である。
ここで、上述のように小当りの確率(置数)を高く(50%〜100%などに)定めることで、大当りの確率とはずれの確率の合計は、小当りの確率に比べて等しいか小さくなる。更に、前述のように設定変更の機能を備えることにより、或る設定値(例えばNとする)に関して、「設定値N以上の場合の当り確率」=(又は≒)「設定値N未満の場合のはずれ確率」の関係を成立させることができる。
そして、当否乱数値範囲(0〜65535)のうち、はずれの乱数個数の割合が、例えば特図1に係る当否抽選と比べて小となり、はずれが発生し難くなる。このため、例えば、異なる設定値の間で、はずれの発生頻度に関する傾向の違いが、顕在化し易く、遊技者にとって容易に知覚し得るようになると考えられる。
したがって、例えば、遊技者が、同じぱちんこ遊技機10を、設定値の変更の前後で使用した場合に、はずれの発生傾向や、はずれに係る演出の出現傾向(先読み演出を含む)の違いなどに基づいて、設定の違いを推測(設定推測)する、といった新規な遊技性を提供できるようになる。そして、この結果、ぱちんこ遊技機10の更なる趣向性の向上が可能となる。
ただし、設定値が相対的に低設定の方が、大当りとなる乱数値が少なく、はずれ変動が出現し易いため、はずれの場合に、出現頻度が限定的である特別な演出を積極的に行うと、設定値が低いことが遊技者に知覚され易くなるとも考えられる。したがって、はずれの演出は、敢えて特別なものが選択され難い(或いは選択されない)ようにし、演出上、はずれを強調しないようにすることも考えられる。演出としてしない方がベターということもあり得る。
また、複合ボーナスにおいては、第2特定遊技中における特図2の変動、小当り、特図2の大当り(第4大当り)が発生し得るようになっているが、特図2の変動時間、小当りに伴う小当り遊技、及び、第4大当りに係る大当り遊技の関係を、以下のように定めておくことが可能である。
例えば、特図2の1回の変動時間(変動期間)、及び、1回の小当り遊技に係る所要時間(所要期間)の合計が、第4大当りの大当り遊技における大入賞口90の開閉時間(開閉期間)の合計と、ほぼ同一の時間となるよう、これらの各時間の関係を定めておくことが可能である。
上述の「1回の小当り遊技に係る所要時間(所要期間)」は、小当り遊技における大入賞口90の1回の開放時間とすることが可能である。また、「第4大当りの大当り遊技における大入賞口90の開閉時間(開閉期間)」は、第4大当りの1回のラウンド遊技における大入賞口90の複数回の開閉パターンのうち、1回の開放時間と閉鎖時間の合計(1サイクルの開閉に要する時間)とすることが可能である。
このようにすることで、複合ボーナスにおいて、第2特定遊技中から第4大当りの大当り遊技中に亘り、ほぼ一定のリズム(ほぼ一定の周期)で、大入賞口90を開放させることができる。そして、第2特定遊技と、第4大当りの大当り遊技との間で、時間的な共通事項を形成することができ、遊技者に連続性をより強固に印象付け得るものとなる。
更に、前述したような連続性のある内容の演出と併せて行うことにより、複合ボーナスにおける連続性を、より一層遊技者に印象付け得るようになる。そして、このようにすることで、小当りラッシュと大当りを、内容上連続性を持った一連のボーナス遊技の演出と併せて実行することが容易となる。
また、小当りラッシュ中に大当りとなる場合(第2特定遊技から第4大当りの大当り遊技となる場合)に、制御上は遊技状態を区別して判定するが、演出や大入賞口90の動作上、見た目はほぼ変化しないよう、遊技制御を進めることが可能となる。
ここで、小当りラッシュ中に大当りとなる場合における演出上の違いを、例えば、連続性のある一連の演出において、大当り中(ここでは大当り遊技の開始ラウンド)には、前述したようなV入賞させることを促す演出表示(右打ち演出)が追加される程度とすることが可能である。
このようなV入賞させることを促す演出表示を行うことにより、複合ボーナスにおける遊技状態の移行(第2特定遊技から第4大当りへの移行)に遊技者が気付かず、例えばトイレ休憩などのために一時的に離席する、といったことを防止できる。更に、遊技者の離席を防止することで、ぱちんこ遊技機10の実際の稼働時間を向上させ得るようになる。また、V入賞させることを促す演出表示を行うことにより、大当りのVラウンド(ここでは開始ラウンド)中に、遊技球の発射が行われなくなること(所謂止め打ち)を防ぐことが可能となる。
なお、複合ボーナスにおける遊技状態の移行(第2特定遊技から第4大当りへの移行)を遊技者に気付かせるという観点からは、第2特定遊技状態で表示されていた画像オブジェクトを、第4大当りの発生に伴い消去(或いは透明化)して、演出表示装置60における表示画像に変化を与える、といったことも考えられる。ただし、所定の画像オブジェクトを消去するよりも、新たに登場させるほうが、遊技者の注意を引き易いと考えられる。
上述したような「V入賞させることを促す演出表示」については、例えば、演出表示装置60の画面の右上隅部などにおいて小さいサイズで目立たないよう行うことが可能である。また、これに限らず、表示サイズを相対的に大型化したり、表示位置を画面の中央にとするなどの策により、目立つように行ってもよい。
また、前述したように制御上は、遊技状態の移行が変動開始時に行われる。このため、第2特定遊技における最後の変動(大当り変動)の変動開始時には、一時的に特図低確率、普図低確率の状態となるが、第2特定遊技における特図2の大当り変動時間と大当り開始デモ時間を、第2特定遊技における小当り遊技の間隔と同程度としておくことによって、違和感を少なく遊技状態を大当りの状態へ移行することができる。
また、遊技状態が、第4大当りに係る大当り終了デモの段階に移行すると、第2特定遊技と第4大当りとを合わせた複合ボーナスの終了演出を行い、この終了演出において、その後の第1特定遊技中の演出モード(演出ステージ)を遊技者に選択してもらうための演出が行われるようにすることが可能である。このような演出は、「モード選択演出」や「ステージ選択演出」などと称することが可能なものである。
更に、第2特定遊技中において変動の主体とならない特図1の変動パターンについては、ロング変動(例えば1分以上など)のものとし、特図2については、変動パターンを特図1よりも十分に短い変動時間(例えば数秒程度)のものとすることが可能である。このようにすることで、特図1の変動中に、特図1に並行して、特図2の変動を相対的に多数行うことができる。そして、特図1の変動があった場合でも、遊技者が、小当りラッシュを長く楽しめるようになる。なお、特に支障がない場合には、第2特定遊技中における特図1の変動パターンを超ロング変動(例えば3分など)のものとしてもよい。
また、特図1については、小当りが設けられておらず、V非容易図柄の大当り(ここでは「特図1_4R時短有図柄6」による大当り)が設けられている。更に、ぱちんこ遊技機10の基本の実施例においては、特図1の大当り時における大入賞口90の開放時間(開放期間)は、例えば28秒間大入賞口90が連続開放する態様であり、小当りラッシュ時(第2特定遊技時)における小当りないし第4大当りの大入賞口90の開放時間(開放期間)は、例えば1.2秒程度を繰り返すものであり、特図1の大当り時と小当りラッシュ時(複合ボーナス)とでは、大入賞口90の開放パターン(開閉パターンであってもよい)が大きく異なる。
つまり、上述のような観点からは、特図1による遊技と、第2特定遊技(小当りラッシュ、複合ボーナス)とでは、遊技の内容や性質が互いに大きく異なるということができる。このため、第2特定遊技中に特図1の大当りとなった場合には、特図1の大当りであることが、遊技者によく分かるように演出を行うことが考えられる。例えば、センター飾り64に、可動演出部材の1つとして、演出表示装置60における画面の少なくとも一部を隠すことが可能なシャッタを設ける。
そして、第2特定遊技中に特図1の大当り変動が開始してしまった場合には、特図1に係る大当り変動の終了直前に、第3大当りの実行に関する特有の演出(例えば第2大当りの期待度が90%以上の演出)として、上述のシャッターが閉まるようにする。そして、その後に、第3大当りの第1ボーナス(V容易なボーナス)に当選していれば、V入賞後に第1特定遊技を経ずに第2特定遊技へ移行する旨の演出が実行され、第2ボーナス(V入賞非容易なボーナス)に当選していれば、第4特定遊技(通常時短遊技)へ移行する旨の演出が実行されるようにする。
<<複合ボーナス中の特殊表示について>>
続いて、複合ボーナス中(第2特定遊技及び第4大当り中)の遊技状態について説明する。第2特定遊技及び第4大当り中は、複合ボーナス状態として擬似的な大当り演出および実際の大当り演出を一連の演出として実行するものであり、例えば、疑似入賞カウンタの演出や、疑似ラウンド表示の演出等を行うことが可能である。これらのうちの「擬似入賞カウンタの演出」は、大当り遊技ではない第2特定遊技中(小当りラッシュ中)でも、大当り遊技中であるように遊技者に見せかけるための演出である。そして、「擬似入賞カウンタの演出」においては、大入賞口90への入球に応じて、10カウント(1ラウンドの規定数)表示を実行するものとする。
また、「疑似ラウンド表示の演出」は、上述の擬似入賞カウンタが10カウントに到達すると+1(インクリメント)されるようにする。このとき、「擬似入賞カウンタの演出」はリセットされ、仮想の1ラウンドの1個目の入賞カウントがあったように演出を行う。
図30(b)は、「擬似入賞カウンタの演出」や「疑似ラウンド表示の演出」の一例について、要部のみを示している。図25(a)の例では、演出表示装置60の画面中に、擬似入賞カウンタ表示領域371や、疑似ラウンド表示領域372がいずれも表示されている。これらの擬似入賞カウンタ表示領域371や、疑似ラウンド表示領域372は、大当り遊技中ではない第2特定遊技中(小当りラッシュ中)にも表示が行われるものとなっている。
小当りラッシュ中においては、小当り遊技による大入賞口90の開放時に入球があると、擬似入賞カウンタ表示領域371において、1個の入球につき、所定の態様(ここでは真円状とする)のカウント表示オブジェクト373が1個ずつ追加されて増える。そして、カウント表示オブジェクト373の数が所定数(ここでは10個)に達すると、疑似ラウンド表示領域372に表示されたラウンド数(ここでは「2R」)がインクリメントされ(「3R」になり)、擬似入賞カウンタ表示領域371のカウント表示オブジェクト373が全て消去される。
更に、後続の小当りにより大入賞口90が開いて入球がある度に、カウント表示オブジェクト373の個数が0個から順に1個ずつ増える。また、上述のように、カウント表示オブジェクト373が、所定数(ここでは10個)に達する毎に、疑似ラウンド表示領域372に表示されたラウンド数がインクリメントされる。
ここで、図30(b)の例では、その時点における累計的な獲得出球数の表示が、擬似獲得出球数表示として、「TOTAL:○○○個」(ここでは225個)のような態様で行われている。また、図30(b)の例では、演出図柄190については視認できない(表示しない)ようになっており、より一層、大当り遊技中の演出に近付けることが行われている。
また、このような擬似の大当り演出が行われている間も、縮小演出図柄表示領域361において保障図柄の変動表示は行われるようにすることが可能である。なお、保障図柄については、第4大当りの際には停止表示されるか非表示になる態様、或いは、通常表示される保障図柄と完全同一ではないが類似する態様で、擬似的に、変動中であるかのように見せる演出を行うことが可能である。
ここで、変形例としてラウンド数に上限(例えば16Rなど)を設け、ラウンド数が上限値に達すると、擬似ラウンド数がそれ以上は増えないようにすることが可能である。また、これに限らず、ラウンド数が上限値に達すると、ラウンド数が0に戻り、カウント表示オブジェクト373の数が所定数(ここでは10個)に達すると、再びラウンド数が上限値まで増え得るようにすることも可能である。
また、擬似入賞カウンタ表示領域371と疑似ラウンド表示領域372のうちのいずれか一方のみを表示したり、これらが演出の内容に応じて一時的に消したり(或いは出現させたり)することも可能である。
なお、「擬似入賞カウンタの演出」において、擬似入賞カウンタが、10カウントに満たない状況下(例えば3個の状況下など)において特図2が大当り(第4大当り)となっても、「擬似入賞カウンタの演出」をクリアせずに引き継ぎ、大当り遊技中も「擬似入賞カウンタの演出」を、10カウントの途中から継続することが可能である。
また、擬似的な大当りの期間(第2特定遊技の小当りラッシュ中である期間)を含む複合ボーナス中は、特図2(特図1も同様)について、前述の第2保留数表示部197(及び第1保留数表示部196)のような演出の明示を目的としたような保留表示は行わないようにすることが考えられる(図30(a)参照)。ただし、演出表示装置60の画面におけるいずれかの隅部等において、保留数表示領域367の表示を行い、補償(保障や保証などともいう)の意味での保留表示(補償保留表示などともいう)を行うことが考えられる。
更に、大当りのVラウンド時(ここでは開始ラウンド時)には、前述したように、V入賞させることを促す演出表示(右打ち演出)が行われるようにすることが考えられる。この「V入賞させることを促す演出表示」は、必ずしも目立つものである必要はない。しかし、大当りのVラウンド中に遊技球の発射が行われなくなること(所謂止め打ち)を防ぐため、Vラウンド中の少なくともいずれかのタイミング(例えば開始当初のタイミング)において、発射を促す注意喚起のための表示(注意喚起表示)を行うことが望ましい。
ここでいう所謂止め打ちは、遊技者が席に着いたまま行われるもののほか、遊技者が席を離れることにより行われるものの、両方を含んでいる。また、このような注意喚起表示を行うという考え方は、演出の見え方の連続性(遊技者にできるだけ継ぎ目を感じさせないよう演出を行うこと)よりも、止め打ち防止を重視(優先)したものであるということができる。しかし、止め打ち防止の優先度を下げ、演出の見え方の優先度を上げて、注意喚起表示を行わないようにすることも考えられる。
また、前述した「擬似入賞カウンタの演出」や「疑似ラウンド表示の演出」に関係して、以下のような変形例を考えることも可能である。例えば、これらの演出については、大入賞口90が開放しているにもかかわらず、10球目の入球により「擬似入賞カウンタの演出」がリセットされ、「疑似ラウンド表示の演出」における表示数の更新が行われる場合があり得る。そして、このように大入賞口90の動作と、演出内容との不整合があると、一般的なぱちんこ遊技機における大当り時の制御とは異なるため、遊技者が違和感を抱くことも考えられる。
このようなことを考慮し、同一の開放中(一回の開放中)には、演出が10カウント目に到達してもカウンタの演出をリセットせず、11球目の入球を擬似的なオーバー入賞(10を超える分の入賞)として扱うことも考えられる。ここで、「オーバー入賞」については、例えば大当り時において1ラウンドの規定数を超過した分の入賞などと説明することができる。
そして、擬似的なオーバー入賞の扱いとしては、擬似的なオーバー入賞が発生した場合に、その発生を示唆又は報知する演出(例としては、「やったね」といった音出力や、演出表示における「ナイス!」の文字表示など)を行うことを例示できる(擬似オーバー入賞演出)。また、このようなオーバー入賞演出は、サブメイン基板301の側で、メイン基板102からの大入賞口閉鎖コマンド(前述した大当り中大入賞口閉鎖時のコマンドなど)を受信するまで継続させ、大入賞口閉鎖コマンドを受信すると終了させることや、あるいは、大当りないし小当りの実行に伴う大入賞口90の開放開始からの経過時間に基づいて、擬似的なオーバー入賞とすべきか否かを判定することが考えられる。
更に、ぱちんこ遊技機10においては、第2特定遊技中(小当りラッシュ中)には、演出上複合ボーナスが実行されているものの、特図2に係る始動口(第2始動入賞口63)に入球させて特図2を変動させ、小当りを発生させなければ、大入賞口90は開放しない。このため、例えば遊技者が、第2始動入賞口63や大入賞口90への最適な入球タイミングをできるだけ正確に把握しながら遊技球を発射したい、などと考えたとしても、適正な発射のタイミングを掴むことができない場合があると考えられる。
このようなことを考慮し、第2始動入賞口63と大入賞口90とに対して、LED(ランプ類、図示略)の内蔵し、第2始動入賞口63に備えられているランプ類と、大入賞口90に備えられているランプ類とを、特図変動中や、小当り中などに交互に点灯(交互点灯)させる等の制御を行う。このようにすることで、液晶(演出表示装置60)以外の機器によって、狙うべき位置を遊技者に告知することが可能となる。そして、遊技者に正確な発射の目安とし得るものを提供できる。
併せて、複合ボーナスには、複合ボーナス中である旨の報知を行いたいという要望もあり、このような要望に従い、複合ボーナス中である旨の報知を、第2始動入賞口63や大入賞口90以外の機器を利用して行うことも考えられる。
<<スペック関連のその他の事項について>>
続いて、ぱちんこ遊技機10のスペック(仕様)に関連するその他の事項について検討した結果を説明する。本実施例のぱちんこ遊技機10では、特図1の変動中に特図2の小当りが発生すると、主制御基板(102)側では、特図1の変動が一時中断した制御状態となるようにする。このようにした場合、例えば、特図1が主体の遊技状態においては、特図2の変動表示および小当りに関して積極的に遊技者に報知を行わないようにしており、小当り遊技中も特図1の変動表示がなされているかのような演出表示を継続するため、メイン基板102で制御される特図1の停止タイミングと、サブ基板(サブメイン基板301及びサブサブ基板302)により制御される演出上の特図1に対応する演出図柄190(や保証図柄361)の停止タイミングとがずれる事象が発生し得る。
このような事項を考慮し、前述したような装飾図柄(演出図柄190)の揺れ変動を利用し、揺れ変動の期間を調整して(そのときには延長期間を設けて長くして)対応することが可能である。そして、この延長期間を含めることにより、サブ基板(サブメイン基板301及びサブサブ基板302)側で、停止タイミングを調整することが可能である。ここで、サブ基板側で調整の期間(延長期間による調整期間)の終了の判断を、前述した特別図柄の図柄確定時のコマンドを受信した後に、当該コマンドに基づいて行うことが考えられる。
なお、特図1の変動に対する演出として、例えばSPリーチ時に、上述のような揺れ変動を長くしてしまうと、遊技者に、そのまま停止せずにスクロール変動が再開される演出(復活演出などの大当り確定演出や、その他のリーチ演出への発展などの高期待度演出)に移行することを過度に期待させてしまう恐れがある。このため、例えば、特定の変動演出の場合に限り、特図2の小当りが特図1の変動中に行われた場合であっても、揺れ変動の代わりに(代替として)、ステージチェンジの演出(ステージチェンジ演出)や、イラストのような1枚絵(静止画)の表示(挿入表示)を行うようにしてもよい。また、一瞬(例えば1秒程度)に限って、画面全体を暗くすることや、闇の背景中に稲妻の画像オブジェクトを表示することなども例示できる。
更に、第1特定遊技(特図高確率/普図高確率)中における特図2の変動パターンは、前述したように極短い変動時間(例えば0.6秒程度)のものが大半を占め、高速消化を行うように構成されている。このため、第2特定遊技にて第4大当りが行われ第1特定遊技に移行した場合には、特図2の残り保留により、特図1の1変動中に複数回の小当り(特図2)が発生する場合が考えられる。そして、前述のように揺れ変動等により演出期間の調整を行う場合には、複数回の小当りの発生により、その分揺れ変動の期間を長くする必要がある。
このような状況を考慮し、例えば、第1特定遊技(特図1が主体で特図高確率/普図高確率)において、発生している特図2に係る保留数の情報や現在特図2の変動が実行中であるか否かの情報、言い換えると特図1の変動を行う場合において変動中に特図2の変動に基づく小当り遊技の実行回数も使用して延長期間を決定してもよい。そして、決定された延長期間と特図1の変動時間との合計時間に応じて、複数種類の演出の中から適切な演出を選択して、選択された演出を実行するようにしてもよい。
このような制御は、特図2の保留数と延長期間との関係を予め定めてテーブル化しておき、当該テーブル(延長期間決定テーブル)を使用して行うことが考えられる。また、このような制御が必要となり易い状況としては、第1特定遊技に移行した直後(突入直後)の1〜2変動の期間を例示することができる。
また、演出の延長期間が付加される場合のより具体的な状況としては、特図2の保留が2個存在する状況を挙げることができる。また、特図2の変動中であるとともに特図2の保留数が1個であって、且つ、特図1の変動時間がある程度長い(4秒以上などの)状況なども例示できる。そして、1回の小当りの大入賞口開放に要する時間を1.2秒程度とする。更に、例えば0.04秒程度の閉鎖時間を組合わせて、これらの合計(1.2秒+0.04秒)を1回の小当り遊技の時間とする。
このような条件の下、特図2の保留がある場合には、第1特定遊技において第3大当りとなり得る場合に実行される(終了契機となる)前述のバトル演出への発展の期待を煽るための煽り演出を、所謂ガセ演出として挿入して、延長時間を確保する。このようにすることで、特図2の2個の保留がいずれも小当りであったとしても、2.4秒(1.2秒×2回)程度の延長期間に対する演出の実行時間を確保することができる。なお、上述のように、特図2の保留があることを判定し、判定結果に基づき、保留があった場合にガセ演出の挿入を行うようにすることが可能である。
更に、前述した特図に係る図柄固定時間に関して、小当り以外(特図のはずれ及び大当り)では、特図1及び特図2のいずれについても、図柄固定時間を、例えば0.5秒程度とする。これに対し、小当りに関しては、図柄固定時間(小当りの場合の特図2に係る図柄固定時間)を、例えば0.02秒程度とすることが考えられる。
このように、小当りの場合の図柄固定時間を、その他の場合の図柄固定時間由も十分(数分の一から数十分の一程度)に小さな値とすることにより、前述のように演出上揺れ変動により各種の時間調整を行う場合に、演出上、揺れ変動に要する時間を短縮することが可能となる。
また、小当りの場合の図柄固定時間を、その他の場合の図柄固定時間と異ならせることにより、小当りラッシュ(第2特定遊技)の時間の柔軟な調整が可能となる。つまり、小当りの場合の図柄固定時間を、その他の場合の図柄固定時間よりも短くすることで、小当りラッシュ中の小当りの発生間隔となる時間を可能な限り短くすることができる。
<<第1特定遊技における演出モードの選択について>>
次に、第1特定遊技における演出モード(演出ステージ)の選択について説明する。先ず、前述したように、第1特定遊技に移行可能な大当りとして、第1大当り、第3大当り、第4大当りが設けられている。そして、これらの大当りについて、大当り遊技の終盤(例えば終了デモ中)などに、第1特定遊技中の演出モードを、複数種類の中から選択できるようにすることが考えられる。
更に、ここで選択可能な演出モードとして、例えば、第1チャレンジ演出モード、及び、第2チャレンジ演出モードのように複数種類(ここでは2種類)を設けることが考えられる。これらのチャレンジ演出モードは、第1特定遊技において、第1特定遊技が何変動で終了するかを告知する機能(告知機能)を有するものとすることが考えられる。
更に、このような告知機能は、第1チャレンジ演出モードと第2チャレンジ演出モードとで、異なる演出態様で行われるものとする。第1チャレンジ演出モードに係る演出は、全体として第1チャレンジ演出であるということができ、第2チャレンジ演出モードに係る演出は、全体として第2チャレンジ演出であるということができる。
図31(a)は、第1チャレンジ演出モードが選択された場合における、第1特定遊技中の演出例を示している。この第1特定遊技中の第1チャレンジ演出においては、演出表示装置60の画面中に、移行示唆メータ411の表示領域が設けられている。移行示唆メータ411は、複数のメータ構成要素により構成される。
ここで、図31(a)(及び図31(b)、図34、図35、図36(a))では、図8(a)、(b)と同様に、第1保留数表示部196と第2保留数表示部197の両方を画面中に出現させた状態を例示しているが、そのときの遊技状態で標準となる特別図柄(ここでは特図1)に係る保留数表示部のみを画面中に出現させることが可能である。
図31(a)に示す例において、移行示唆メータ411は、中央に配置されたベース部411gの上に、第1メータ部411a〜第6メータ部411fである6つの画像オブジェクトが、放射状に配置されている。ここでは、図示が煩雑にならないよう、ベース部411gや、第1メータ部411a〜第6メータ部411fをいずれも真円状の画像オブジェクトとしているが、これに限らず、種々の形態のものとすることが可能である。
また、ベース部411gを相対的に大きな画像オブジェクトとし、第1メータ部411a〜第6メータ部411fをベース部411gよりも小さな画像オブジェクトとしているが、このような大小関係についても、必要に応じて適宜変更が可能である。更に、第1メータ部411a〜第6メータ部411fを、同じ形態で同じサイズの画像オブジェクトとしているが、第1メータ部411a〜第6メータ部411fの関係についても、必要に応じて適宜変更が可能である。
第1メータ部411a〜第6メータ部411fは、画面上に表示された数の多寡によって、第2特定遊技へ移行するまでの残りゲーム数を、概略的に表すようになっている。例えば、先の大当りに係る移行回数(電サポ回数)が60回であれば、第1特定遊技に移行した最初の段階では、初期値として、例えば6つ全てのメータ部(411a〜411f)を表示することが考えられる。また、大当りに係る移行回数(電サポ回数)が50回であれば、第1特定遊技に移行した最初の段階では、初期値として、例えば1つ少ない5つのメータ部(411a〜411f)を表示することが考えられる。
同様に、大当り図柄により決められた当初の移行回数が40回であれば4つ、当初の移行回数が30回であれば3つ、当初の移行回数が20回であれば2つ、などといったように、移行回数に係る初期値の多寡に応じて、表示されるメータ部(411a〜411f)の数を変化させることが考えられる。
なお、移行回数とメータ部の数との関係は、上述の例に限らず、例えば、当初の移行回数が多いほど、最初に表示されるメータ部(411a〜411f)の数が少なくなるような関係とすることも可能である。ここで、これらの関係については、移行回数とメータ部の数との多寡の関係が同じ増減関係にある例や、反する増減関係にある例などと称することが可能である。
更に、上述のような関係に限らず、例えば、移行回数の初期値とメータ部の数との多寡の関係が、同じ増減関係、或いは、逆の増減関係になく、不動の順番で対応付けられたものとすることが可能である。例えば、20〜60回の5段階の移行回数(初期値)に対し、メータ部(411a〜411f)の数が、3個、5個、2個、4個、6個などのように対応付けられた関係を例示することができる。このようにすることで、移行回数の初期値とメータ部の数との多寡の関係を、遊技者にとって知覚し難いものとすることができる。
続いて、第1特定遊技に移行した後のメータ部(411a〜411f)については、変動回数が0、1、2、・・・と増えるのに伴い、メータ部(411a〜411f)の数が変化するようすることが可能である。例えば、第1特定遊技に突入した当初の段階では、移行回数の初期値が60回であることを6つのメータ部(411a〜411f)により表していた状態から、遊技が繰り返され、移行回数への到達まで残り50回となった段階では、1つのメータ部を消去して、表示されているメータ部の数を5つとする。更に、残りの移行回数(残り回数)が、40回、30回、・・・と変化する毎に、表示されているメータ部の数を4個、3個、・・・と段階的(間欠的)に減少させることが可能である。
また、これに限らず、例えば、第1特定遊技に突入した当初の段階では、移行回数の初期値が60回であることを1個(又は0個)のメータ部により表していた状態から、残り回数が50回となった段階では、表示されているメータ部の数が2個(又は1個)、3個(又は2個)、・・・と段階的(間欠的)に増えるようにすることも可能である。
また、第1チャレンジ演出モードに演出上の所定の登場人物を対応付け、当該登場人物の名称を第1チャレンジ演出モードの演出モード名に含め、第1チャレンジ演出中に、当該登場人物を登場させることが考えられる。更に、メータ部(411a〜411f)の最大数は6個に限らず、7個以上であってもよい。
またメータ部の表示態様は、個数が増減する態様以外にも、表示態様が変化した数によって表現することも可能である。例えば、6つのメータ部(411a〜411f)は常時表示されており、第1特定遊技の残りゲーム数の変化に応じて表示態様を変化させる(例えばランプが点灯するイメージで一部のメータ部を点灯表示させる)ように構成してもよい。
また、メータ部の変化は、残りゲーム数が表示態様を変化させるゲーム数に到達したことに基づいて段階的(間欠的)に変化させるものに限らず、第1特定遊技に発生した予告演出の態様(予告演出の抽選結果)により、不定のタイミングで変化させるように構成してもよい。なお、発生した予告演出の態様に基づいてメータ部の表示を変化させる場合には、実際の第1特定遊技の残りゲーム数とメータ部の表示に基づく第2特定遊技への期待感に乖離が生じないよう、予告演出がメータ部を変化させる態様となりやすい状況や、変化させない態様を必ず選択する状況など、適宜演出の抽選に際して調整可能に設計しておくことが好ましい。
以上説明したような第1チャレンジ演出モードは、変動回数が移行回数に到達するまでの情報(複合ボーナスに突入するまでの情報)をメータ部の表示態様により示すタイプのチャレンジ演出モードであるということができる。また、第1チャレンジ演出モードは、変動回数が移行回数に到達するまでの情報(複合ボーナスに突入するまでの情報)を、具体的な数値を用いずに示すタイプのチャレンジ演出モードであるということができる。
これに対して、前述の第2チャレンジ演出モード(図31(b))は、複合ボーナスに突入するまでの情報を、連続的に、且つ、具体的な数値によって示すタイプのものとすることが可能である。この第2チャレンジ演出モードにおいては、第1特定遊技中に、例えば図31(b)に例示するように、移動体である列車412の画像が、演出表示装置60の画面中に、走行中であることを表現した態様で表示されるようにすることができる。
更に、第2チャレンジ演出モードでは、演出表示装置60に残り回数表示盤413の画像が表示され、この残り回数表示盤413上に、列車の目的地までの残りの数値が表示されている。この残りの数値は、第2特定遊技(複合ボーナス)までの変動に係る残り回数を表している。ここで、残り回数表示盤413の数値の傍らに「km」などの距離の単位を表示し、残り回数が残りの距離であるかのような表示を行うことも可能である。
この第2チャレンジ演出モードにおいては、列車412が目的地に到達すると、残り回数表示盤413の数値が0になるようにすることが可能である。残り回数表示盤413の数値は、特図1に係る変動が繰り返される毎に1ずつ連続的に減少する。或いは、特図1に係る変動回数が所定数(5回など)に達する毎に、残り回数表示盤413の数値を所定数ずつ(5回ずつなど)減らすようにしてもよい。そして、残り回数表示盤413の数値が0になると、複合ボーナスに移行して第2特定遊技が開始される。
また、従来の所謂潜伏確変の演出や、残り時短数が当初から正確には告知されず徐々に積み上げられていく演出などのように、残り回数表示盤413に表示される数値を、必ずしも正確なものとはしない演出(非正確演出)なども例示できる。さらに、非正確演出を行う場合には、残り回数表示盤413の表示として、見かけ上の数値が表示されるように構成されているため、第2チャレンジ演出モードの演出として、目的地までの距離が、通常のペース(或いはそれまでのペース)よりも速いペースで短縮され、移行回数が一気に減る演出(例えば「加速演出」などと称することができる)などを行うことも例示できる。
なお、前述のような加速演出と非正確演出との使い分けを行うことも可能である。例えば、そのときの第2チャレンジ演出で告知している移行回数が正確なもの(或いは許容範囲内にあるもの)であるか否かをCPU521において判定し、正確(或いは許容範囲内)であれば、上述の加速演出を行うか否かの決定を実行しない、或いは、実行が決定されてもキャンセルする、といった制御態様を考えることができる。
また、そのときの第2チャレンジ演出で告知している移行回数が正確(或いは許容範囲内)でなければ、加速演出を行うか否かを決定し、行うことが決定された場合に加速演出を実行する、といったことが考えられる。
以上説明したような各種のチャレンジ演出は、第1特定遊技の期間に係る報知を行うものである。第1特定遊技の期間に係る報知は、第2特定遊技(複合ボーナス)突入への近さを示しており、言い方を変えれば、複合ボーナス突入の期待を煽るものであるということができる。そして、複合ボーナスは、特図高確率の遊技状態で第2特定遊技(小当りラッシュ)が進行するものであり、V容易図柄の大当りのみを有する特図2の変動が主体となる状態で遊技が進行することとなるため、結果として各種のチャレンジ演出は、間接的に、確変への移行の期待を示唆し、煽るものであるということができる。更に、各種のチャレンジ演出は、期待度報知(信頼度報知)の機会を、可能な限り増やすものである。
また、各種のチャレンジ演出にて表示されている、メータ部411や残り回数表示盤413に係る演出は、前述の第2特定遊技に移行する旨を示す演出(「祝福演出」)としても利用可能であり、前述したバトル演出以外にも、メータ部411の表示態様の変化や残り回数表示盤413の数値が0となる演出を祝福演出として扱うこともできる。
続いて、各種のチャレンジ演出に係る前段階の演出として、チャレンジ導入演出を行うことが可能である。このチャレンジ導入演出は、例えば、大当り遊技の終盤(終了デモ演出中など)の期間において行うことが可能である。また、チャレンジ導入演出は、チャレンジ演出を選択する前段階の選択前演出、チャレンジ演出を選択するチャレンジ選択演出、及び、選択されたチャレンジ演出に対する内容上の連続性をもったチャレンジ移行演出などを含むものとすることができる。
このようなチャレンジ導入演出としては、図32に示すようなものを例示できる。ここで、図32には、チャレンジ導入演出の流れを概略的に示している。また、図32では、図面が煩雑にならないよう、演出の種類を文字により簡略化して表記している。
図32中の左側に示すように、大当りの終了デモ演出において、前述の選択前演出として、獲得出玉数などの表示を伴う「リザルト演出」を実行する。更に、「リザルト演出」に続けて、前述のチャレンジ選択演出として、各チャレンジ演出に対応付けられたキャラクタの選択を行う「キャラ選択演出」を行う。
そして、どのキャラクタに決まったのか未だ遊技者には分からない段階の演出として、「チャレンジ移行導入演出」を実行し、その後に、選択されたキャラクタに応じた態様で、前述のチャレンジ移行演出として、図中における中央の上段、中段、下段に分けて示すように、第1チャレンジ移行演出〜第3チャレンジ移行演出のいずれかが実行される。
前述の「キャラ選択演出」は、遊技者の操作を伴わず、自動でキャラクタ選択を行うことも可能である。この「キャラ選択演出」としては、ルーレットを模し、表示された各キャラクタの画像領域を順に明るく反転表示し、どのキャラクタが決定されたかを遊技者に告知しないまま、前述の「チャレンジ移行導入演出」へ移行する、といったものを考えることができる。
しかし、これに限らず、例えばボタン演出として「キャラ選択演出」を実行し、遊技者にキャラクタ選択を行わせるようにしてもよい。この場合は、ルーレットを模した演出の最中にボタン演出を行い、遊技者が操作入力を行なうと、或いは、ボタン操作がないままボタン操作の有効期間(操作有効期間)が経過すると、予め決められているキャラクタの画像領域で反転表示が止まり、キャラクタが選択される、といったものを考えることができる。
続いて、前述の第1チャレンジ移行演出〜第3チャレンジ移行演出について説明する。先ず、第1チャレンジ移行演出〜第3チャレンジ移行演出に対応するキャラクタのうち、第1チャレンジ移行演出に対応したキャラクタが選択されると、第1チャレンジ移行演出に対応した所定の登場人物が登場する(キャラクタ1登場)。図32では、中央部の上段に第1チャレンジ移行演出の枠を示し、枠内の左から右へ向かって、第1チャレンジ移行演出の概略的な流れを示している。
キャラクタが登場した後には、第1チャレンジ移行演出の枠内で下方に分岐して示すように、操作ボタン22の操作を促すボタン演出を実行することが考えられる。このときのボタン演出としては、一般的な種々のものを採用可能である。
例えば、操作ボタン22の、前述した単発操作を促す単発演出や、連打操作を促す連打演出を行う。図中では、遊技者に連打操作を促す「連打演出」が例示されている。そして、遊技者に操作入力の機会を与え、ボタン操作(操作入力)があるか、ボタン操作(操作入力)がないまま所定時間(操作有効期間)が経過すると、「第1チャレンジ演出」の枠内の右端に示すように、移行示唆メータ411が表示される演出(移行示唆メータ演出)へ移行する場合がある、といった演出を考えることができる。このときの移行示唆メータ411の表示は、第1特定遊技における電サポ回数(移行回数)の示唆表示である移行示唆メータ411の初期値、すなわち最初に表示されるメータ部(411a〜411f)の数を告知するものとすることが可能である。
更に、前述の「キャラクタ1登場」のようにキャラクタが登場した後に、ボタン演出を経由せず、図中に上方へ分岐して示すように、例えば「一撃チャレンジ」の文字表示等を行ってから、移行示唆メータ411が表示される演出へ移行する場合がある、といった演出も考えることができる。
そして、これらの演出の後、図32の右上部に示すように、第1特定遊技に移行する。更に、第1特定遊技の終了条件が成立すると、図中の右下部に示すように、複合ボーナスへ移行する。
また、前述のボタン演出(下段)、又は、ボタン演出を経由しない演出(上段)の後の移行示唆メータ411の表示を、移行回数が0回であることを意味する態様で行い、第1特定遊技を経由せずに、複合ボーナスへ移行する場合があるようにすることも可能である。この場合には、移行示唆メータ411の演出において、演出開始当初から、移行回数が「0」になったことを示す態様で移行示唆メータ411が表示されるようにすることが可能である。
そして、この場合には、図32の右部において破線の矢印で示すように、複合ボーナスの演出に移行し、第2特定遊技(小当りラッシュ)の遊技状態となる。ここで、ボタン演出を行っても、ボタン操作後や、操作有効期間経過後に、移行回数が上述のように「0」にはならない場合を設けることも可能である。
続いて、前述の第2チャレンジ移行演出においては、図32の中段に示すように、第2チャレンジに対応するキャラクタの登場(キャラクタ2登場)の後、探索中演出や距離告知演出を行うことが可能である。これらのうち探索中演出では、図33(a)に示すように、地図状の表示を伴う演出が行われる。図33(a)の例では、地図上に線路416や複数の経由地417a〜417hが表示されている。また、線路416上には、図30(b)に示した列車412を意味する列車マーク412aが表示されている。更に、地図の画像中には、列車を探しながら移動するスコープマーク418が表示されている。
このような探索中演出においては、図33(b)に示すように、スコープマーク418が移動して列車マーク412aに重なると、図33(c)に示すように、列車が直近の目的地に到達するまでの距離(残り距離)の表示として、例えば「発見、距離40!」のような文字表示が行われる。
この文字表示における「40」の数値は、第1特定遊技における電サポ終了条件(複合ボーナスへの移行回数)が、40回であることを意味している。この移行回数の表示は、複合ボーナスへの期待値を示しているものであるということが可能である。そして、数値が小さいほど、複合ボーナスの遊技状態の到来が近いことを示唆していることになる。更に、探索中演出は、移行回数が告知される前の導入段階で行われており、このような意味において「移行回数告知前演出」などと称することも可能なものである。
ここで、図33(c)に示すような残り距離の表示を、移行回数が0回であることを意味する態様で行い、第1特定遊技を経由せずに、複合ボーナスへ移行する場合があるようにすることも可能である。そして、この場合にも、図32の右部に破線の矢印で示すように、複合ボーナスに移行し、第2特定遊技(小当りラッシュ)の遊技状態となるようにする。
続いて、前述の第3チャレンジ移行演出について説明する。第3チャレンジ移行演出は、電サポ回数が0回の大当りとなった場合に行われるものとすることが可能である。そして、第3チャレンジ移行演出においては、図32の中央の下段に示すように、対応したキャラクタの登場に続けて、レバー装置184(図21(a))における装飾部189の部分の画像と、「レバーを引け」の文字表示等(レバー操作促進演出)を行う。この際、レバー装置184においては、レバー体188が突出状態(図21(b))となっており、サブメイン基板301では、レバーの操作を検出できるようになっている。
そして、レバー装置184が操作されるか、レバー装置184に係る所定の操作有効期間が経過すると、登場人物の演出が進展し、その後、第1特定遊技を経由せずに、複合ボーナスへ移行する。そして、この場合にも、続けて複合ボーナスに突入した旨の演出が実行され、第2特定遊技(小当りラッシュ)の遊技状態となるようにする。
第3チャレンジ移行演出は、電サポ回数が0回の大当りの際に実行可能な演出としているが、他の大当りが実行された場合には、前述した「キャラ選択演出」の選択肢として、第3移行演出の選択肢が表示されないように制御してもよい。また、電サポ0回の大当りが実行された場合であって、「キャラ選択演出」にて第1チャレンジ演出モード(第1チャレンジ移行演出)または第2チャレンジ演出モード(第2チャレンジ移行演出)を選択した場合であっても、強制的に第3移行演出へ移行させる演出パターンが実行されるように構成してもよい。
ここで、変形例として、電サポ0回以外の大当りにおいて第3チャレンジ移行演出を実行可能とし、第3チャレンジ移行演出が行われても、第1特定遊技を経由する場合があるようにすることも可能であるが、第3チャレンジ移行演出が行われた場合は、第1チャレンジ移行演出や第2チャレンジ移行演出が行われた場合よりも、相当程度多くの割合(95%以上など)で、第1特定遊技を経由せずに複合ボーナスへ移行するようにすることが考えられる。
以上説明したような各種のチャレンジ移行演出は、大当り遊技から第1特定遊技への遷移期(及び第1特定遊技中)において実行される演出であるから、大当り遊技以降の遊技に要する時間を増大させる得るものであるということができる。そして、各種のチャレンジ移行演出中は、複合ボーナスに移行する前の時期であって、小当りラッシュの期間ではないため、遊技者の持ち球が増えない(或いは増え難い)期間となる。
また、各種チャレンジ移行演出の後、第1特定遊技を経て複合ボーナスに至り、複合ボーナスにおいて特図2による第4大当りが発生した場合には、必ず第1特定遊技または第2特定遊技へ移行する。そして、第1特定遊技や第2特定遊技は、特図高確率の遊技状態である。このため、各種チャレンジ移行演出は、確変大当り(V容易図柄大当り)が確定的となる遊技状態への移行期待度を示唆するものといえるため、大当り遊技の終了デモにおいて確変の継続を示唆する機能を持った演出であるということができる。
別な言い方をすれば、第1チャレンジ移行演出〜第3チャレンジ移行演出は、選択演出後(キャラ選択演出後)に、特定遊技継続の期待度を示唆することが可能なものであるということができる。そして、第1チャレンジ移行演出〜第3チャレンジ移行演出は、第2特定遊技中に新たな特別遊技(第4大当りなど)を獲得した場合に、この新たな特別遊技後の遊技状態として前記特定遊技に制御される可能性(特定遊技継続の期待度)を示唆することが可能なものであるということができる。
なお、各種のチャレンジ移行演出は、大当り遊技の終了デモに限らず、ラウンド中の演出として行ってもよい。この場合は、「リザルト演出」の前に、各種チャレンジ移行演出の選択を行い、その段階からチャレンジ移行演出を開始することが可能である。
更に、第2チャレンジ移行演出における前述の探索中演出(図33(a)、(b))のような演出を、例えば、第1特定遊技の突入後に行うことなども考えられる。この場合は、例えば、第1特定遊技に突入した際の1変動目で、探索中演出のような演出を、限定頻度テーブルを使用した限定頻度パターン演出として行うことが考えられる。或いは、同様に限定頻度パターン演出として、例えば、第1特定遊技に突入した際の1変動目で、前述した「キャラ選択演出」をチャレンジ移行演出モード選択演出として実行し、選択されたチャレンジ移行演出を2変動目(序盤の複数変動目)から実行する、といったことも考えられる。これらの場合も、探索中演出の後に移行回数の告知を行うことが可能である。
なお、第1チャレンジ移行演出や第2チャレンジ移行演出にて、第1特定遊技を経ずに複合ボーナスへ直接移行する旨の報知や示唆を行うことも可能である。
<<第1特定遊技中の演出について>>
続いて、第1特定遊技中の演出についての検討結果を説明する。先ず、第1特定遊技中に大当り(第3大当り)が発生した場合、前述したように、複合ボーナスに移行しない。そして、この場合には遊技者が、複合ボーナスから第4大当りを経て第1特定遊技へ至り複合ボーナスに戻るループの恩恵を受けることができなくなる。このような意味では、第1特定遊技は、大当りしないほうが好ましい遊技状態であるということができる。
更に、このようにいえる具体的な要因としては、先ず第1要因として、複合ボーナスの小当りラッシュ(第2特定遊技)に突入することによって、遊技者には、より多くの出玉を獲得できる期待がある点を挙げることができる。そして、このような小当りラッシュ(第2特定遊技)の機会を逸することにより、遊技者の獲得出玉が少なくなる。
続いて、第2要因として、第1特定遊技においては特図1が変動の主体となるが、第1特定遊技中に発生し得る大当り(第3大当り)の多く(例えば60%)が通常時短の大当り(第2ボーナス)であり、この通常時短の大当り(第2ボーナス)は、V入賞が困難な非確変大当りとなっている点を挙げることができる。
更に、第3要因として、第1特定遊技、第2特定遊技、第4大当り後の第1特定遊技(又は第1特定遊技を経由しない第2特定遊技)の順で遊技が継続する限り、確変状態が保証される点を挙げることができる。
したがって、第1特定遊技中の演出は、従来の各種の遊技機とは異なり、大当りとなり得ることを示す態様よりも、はずれとなることを示す態様である場合に、遊技者に有利な結果を報知(又は告知や示唆)するように構成することができる。つまり、第1特定遊技中の演出は、抽選結果がはずれとなる場合に、遊技者の期待(複合ボーナスに移行する期待)を煽る内容となるよう構成することが可能なものである。更に、別な言い方をすれば、第1特定遊技中の演出は、はずれを報知(又は告知や示唆)することにより徐々に複合ボーナスに近づき、遊技者に有利な状況となる旨の報知を行うものである。
また、第1特定遊技中の演出は、遊技者によってはずれの告知が期待されているものであり、はずれの内容が好意的に受け入れられるものであるといえる。そして、基本的な演出態様としては、第1特定遊技中に予告が目立つよう賑やかに実行されることによって、はずれとなる旨が遊技者に伝えられる、といったものを例示できる。
ただし、第1特定遊技中には、第3大当りとなるバトル演出への発展を煽る予告演出(以下では「第3大当り煽り演出」と称する)なども実行されるが、このような演出は、通常の演出と同様に、大当りとなる期待度が高いことを遊技者に分かり易く伝えるものである。
そして、前述した第1チャレンジ演出(図30(a))を例に挙げれば、基本的には、はずれが繰り返されることによって、移行示唆メータ411の表示態様が、複合ボーナスが近付き遊技者に有利な状況が到来しつつある旨を表すよう変化するものとなる。
更に、前述した第2チャレンジ演出(図30(b))を例に挙げれば、基本的には、はずれが繰り返されることによって、残り回数表示盤413に表示される数値が減少していき、複合ボーナスが近付き遊技者に有利な状況が到来しつつある旨を表すよう変化するものとなる。
<<第1特定遊技と先読み演出との関係について>>
次に、第1特定遊技と先読み演出との関係について説明する。前述のように、第1特定遊技中は、第3大当り係る煽り演出(ここではバトル演出)以外の予告演出等は、はずれの期待を煽る態様で実行されることが、趣向性向上のためには効果的となる。このため、先読み演出についても、第3大当り煽り演出として実行される場合を除いては、特図に係る抽選結果がはずれである場合に、遊技者の期待を煽る態様で実行することが望ましい。
ここで、第1特定遊技中に第3大当りの発生を示唆する先読み演出は、遊技者に対して危機的状況を示唆するものとなる。また、第1特定遊技中の先読み演出(第3大当りの発生を示唆する先読み演出を除く)は、基本的には保留(主体となる特図1の保留)内にはずれの情報を持ったものしか含まれていない状況を報知や示唆するものとして使用されることとなる。
また、ぱちんこ遊技機10においては、前述のように、遊技状態の終了条件が成立したか否かの判断が、変動開始時に行われる。そして、変動開始時には、その後の遊技状態への移行が行われるが、例えば、第1特定遊技(電サポ)にて、変動時間が長く、多様な演出をする場合、演出の実行中に第1−2始動入賞口62Bに設けられた普通電動役物の作動態様の変化によって、実行中の変動が大当りであるか否かが遊技者に把握可能となるため、変動中の予告演出を主に大当りであるか否かを報知するよりも、短い変動時間で実行可能であり、大当り変動となる手前から実行される先読み演出を用いて大当りであるか否かを煽る演出を行った方が、遊技状態が変化するか否かが不明な状況において複数回の変動にかかる時間を使って長く遊技状態の変化に関する演出を煽ることができ、効果的な演出が実行できる場合がある。
続いて、先読み演出のより具体的な例について説明する。先ず、先読み演出として、例えば、「安全保留」、「蝶滞在先読み(及び後読み)」、「透過カウントダウン」などといったものを考えることができる。
これらのうち「安全保留」については、例えば、保留表示(特図1の保留表示)の表示領域(第1保留数表示部196)にバリヤが張られ、保留内で大当りとならないことを示唆や告知する演出を例示できる。ここで、「バリヤ」としては、例えば、第1保留数表示部196にマスクとなるような画像オブジェクト(半透明のものでもよい)を重畳し、第1保留数表示部196を見えないよう(見え難いよう)にして、大当り(第3大当りの発生)の情報が記憶されていないことを示すものとすることができる。
更に、「安全保留」については、例えば、SPリーチ、バトル演出の発展煽りなどを実行している状況下(変動中)においても、保留が生起する際に先読み演出の抽選に当選すれば、保留表示の表示態様を「安全保留」に変化させることが可能である。そして、「安全保留」については、先読み抽選に当選した保留が発生したときに既に行われている変動(当該変動)を含み、全ての保留内に大当りの情報がないこと(全てがはずれである全ハズレであること)が報知される演出であるということができる。このため、「安全保留」の実行の可否を判定する際には、実行を決定する際の条件として、「保留内に大当りが含まれないこと」の他、「現在実行中の変動(特図1の当該変動)が大当りでないこと」が含まれる。
続いて、前述の「蝶滞在先読み(及び後読み)」について説明する。この「蝶滞在先読み(及び後読み)」は、演出表示装置60の画面上に、所定の画像オブジェクト(例えば昆虫の蝶々)が継続的に表示されて滞在している期間は、演出上の登場人物が、バトルの対戦相手と遭遇しないこと(バトル演出に発展して大当りとなることがないこと)が報知(或いは示唆)される先読み予告とすることができる。
この「蝶滞在先読み(及び後読み)」の先読み演出が開始されることで、先読み演出の開始時点における保留内に大当りがないことが報知される。更に、先読み演出の開始後においては、後続の保留(特図1の保留)が生起するたびに、サブメイン基板301の側でメイン基板102から当否の情報を受け取り、演出の継続の可否を判定する(継続抽選を行う)。そして、大当りとなる保留が生起した場合や、継続抽選に当選しなかった場合には、例えば、その継続抽選に当選しなかった保留(生起した保留)が消化される直前のタイミングで、「蝶滞在先読み(及び後読み)」が終了するようにフラグ(終了フラグ)を立てる。
ここで、「蝶滞在先読み(及び後読み)」を終了するタイミングが、消化される保留の変動開始時であった場合、変動開始時点で、その時の変動(当該変動)の抽選結果が大当りであることが遊技者に知覚され得ることとなる。このため、「蝶滞在先読み(及び後読み)」を終了するタイミングを、例えば、大当りとなる変動の前の変動中や、大当りとなる変動の後半以降(終盤など)とすることが考えられる。
また、「蝶滞在先読み(及び後読み)」は、基本的には、実行されている間は大当りがないという意味を持った演出であり、第1特定遊技中以外の遊技状態で行うことが可能な無敵ゾーンの演出に関係する(無敵ゾーンの演出と逆の機能をもった)演出であるといえる。ここで、「無敵ゾーン」の演出は、従来から行われているものであり、今大当りすれば確変、今リーチ(テンパイ)したら大当り確定、といったように、遊技者にとって好ましい遊技状態がほぼ確定していることを定められた期間中に報知する演出である。
しかし、前述のように第1特定遊技は、大当りとならないことが遊技者にとって好ましい期間であるから、無敵ゾーンの演出と比べると、実行可否の判定に際して大当りや確変が参照されるのではなく、はずれの抽選結果(大当りでないことの抽選結果)が参照されることが異なっているといえる。
続いて、「透過カウントダウン」について説明する。この「透過カウントダウン」は、前述した第2チャレンジ演出モードにおいて、複合ボーナス突入までの遊技数(残り回数表示盤413の数値)が、残り4回(特図1に係る保留数の上限)以下になると保留数のカウントダウン演出を実行する先読み演出とすることができる。そして、残り電サポ回数(特図1に係る終了条件)が4以下である状況下において、特図1保留がすべてはずれのものである場合に、カウントダウンの数字をレインボー表示(虹色の態様)に切り替えるものなどを例示できる。
なお、ここでは残り4個の保留に係るカウントダウンについて説明しているが、カウントダウン演出としては、5以上の数値からのカウントダウンも可能である。ただし、先読み演出としてのカウントダウンは、4以下の数値にて行われることとなる。そして、5以上の数値からのカウントダウンは、先読み演出ではないカウントダウン演出として行うことが可能である。
また、これら以外にも、例えば、残り電サポ回数(特図1での特定遊技の終了条件)が4以下である状況下において、特図1の保留の情報がすべてはずれである場合に、電サポ回数に係るカウントダウンの数字をレインボー表示(虹色の態様)に切り替える演出なども考えられる。
なお、先読みに係るカウントダウン演出や、電サポ回数に係るカウントダウン演出は、残り1回となった際には、前述した祝福演出(小当りラッシュ突入演出)の機能を果たすものとなる。このため、これらのカウントダウン演出は、複合ボーナスへの突入する1変動前における特図の大当り抽選の結果がはずれである場合に、複合ボーナスへの突入を確定的に報知する演出として機能する。
<<特殊な態様のボタン演出>>
次に、ぱちんこ遊技機10に適用が可能な特殊なボタン演出について説明する。ここでは、以下のような態様のボタン演出(特殊ボタン演出)を考えることができる。例えば、遊技者に対して操作ボタン22の長押し(継続操作)を促す演出や、ボタン操作の停止(操作終了)を促す演出を行い、長押しや操作終了の態様が所定の条件を満たせば演出の内容をステップアップさせる。
この特殊ボタン演出は、複数の演出ルートのうちのいずれかへ、演出の分岐が行われる。
例えば、一つの演出ルート(第1演出ルート)としては、ボタン画像がインジケータ(残り時間用インジケータ)の画像と共に表示され、インジケータが示す残り時間の間に行われたボタン操作を有効な操作入力として演出を進行させるものを例示できる。
一つの演出ルート(第1演出ルート)では、遊技者が残り時間内(有効期間内)に操作ボタン22を押下すると(或いは、ボタン操作がないままこのときの有効期間が経過すると)、例えば一人の敵を倒す等のように、ボタン操作があった場合に対応させた態様の演出が実行される。なお、ボタン操作を行っても敵が倒れない場合があってもよい。そして、そのままボタン演出が終了するようにすることも可能である。
更に、上述の演出ルート(第1演出ルート)における演出が継続する場合は、再度ボタン演出が実行され、遊技者のボタン操作があると、後続の敵を倒す、といったものを例示できる。更に、ボタン演出が繰り返され、ボタン演出が繰り返される度に後続の敵を順に倒し、3人目の敵を倒すとその後の演出に発展する、といった演出を例示することができる。
他の演出ルート(第2演出ルート)としては、例えば、上述の最初のボタン演出において敵が倒されると分岐して進行するものを考えることができる。つまり、第2演出ルートは、第1演出ルートの序盤において分岐して進行し得るものとすることができる。
この第2演出ルートにおいては、先ず、所定の登場人物を登場させて、演出ルートが分岐したことを報知する。その後、図34(a)に示すように、ボタン画像401の表示が行われ、遊技者に対して操作ボタン22の押下が促されるとともに、画面の下部中央に列車412(図31(b))に対応付けられた画像である、列車412の先頭部分の画像(412b)が表示される。また、列車が前方に(画面の奥に)向かって進んでいるように遊技者に知覚させ得るよう、空気の流れなどを示す画像が表示される。
この際には、制御上、ボタン操作有効期間(長押し有効期間)が開始される。そして、遊技者が操作ボタン22を押下して操作入力が検出されると、映像中の背景色が、例えば青から緑などに変化する。更に、映像中において、例えば気流や波紋などの変化により、列車402が加速し高速で前方に進んでいる態様の動画表示が行われる。更に、図34(b)に示すように、「離すな!」の文字表示(テロップの表示)が追加され、遊技者に押下したままボタン操作を継続すること(長押しすること)が促される。
このような長押し有効期間中に遊技者が操作ボタン22を押下し続けると、長押し操作が継続していることが検出される。そして、映像上、画面の奥に発展先パネル414の画像が極めて小さく現れ、長押しが継続されるのに伴って、徐々に列車412bに近づいて見えるように、徐々に大きく表示される。
長押しが継続している間には、画像の背景色が段階的に変化する。つまり、長押しの継続時間が長くなるほど、背景色の切り替わりが進む。背景色の変化の態様としては、緑、赤、金、虹色の順などのように、演出の発展や大当りの期待度(実行可能性)が上昇(ステップアップやチャンスアップ)していることを遊技者が知覚し得るような態様とすることが可能である。
ここで、背景色の変化は、段階的なものに限らず、例えば、徐々に連続的に変化するグラデーションの態様で行われるものであってもよい。また、長押しが継続している間は、列車402の振動が徐々に大きくなるような態様で演出表示を行うことが可能である。なお、グラデーション等の態様で連続的に期待度を示唆するための背景色が変化する場合でも、およその表示色を段階的なレベルとして有しており、レベルが変化するタイミングを背景色の表示とは異なる、例えばランプエフェクトや、効果音、操作ボタン22の振動などによって期待度の段階が上がった旨を知覚できる態様で、背景色変化と組み合わせて報知するように構成することもできる。
更に、発展先パネル414が列車412bにある程度近づいた段階で、前述の「離すな!」の文字が、例えば消去やフェードアウト等の態様で消え去り、代わって、図34(c)に示すように「離せ!」の文字表示が行われる。この際、操作ボタン22の長押し有効期間が終了し、ボタン操作に係る解除の有効期間(開放有効期間)が開始される。この開放有効期間は、遊技者が操作ボタン22から手指を離して操作ボタン22を開放する操作が検出される期間となっている。
上述の開放有効期間中は、遊技者が操作ボタン22の押下を止めるまで(操作ボタン22を開放するまで)、「離せ!」の文字表示が継続し、画面中に停滞する。そして、開放有効期間中に操作ボタン22が開放されると、演出が次の段階に進行する。
この「次の段階」の演出として、発展先パネル414が列車412bに接近して衝突し(図34(d)、(e))、列車412bによって破壊されれば、遊技者にとって期待度が高い演出に進行する、といったものを例示できる。ここでいう「遊技者にとって期待度が高い演出」としては、発展先パネル414の破壊の後に新たな発展先パネル414が登場し、新たな発展先パネル414が再び列車412bと衝突するもの(発展パネル破壊演出)を例示できる。なお、図34(e)に示すのは、発展先パネル414が列車412bに衝突してひび割れた内容の演出である。
更に、発展先パネル414を所定数(例えば最大で5枚程度)用意しておき、各発展先パネル414に、例えば「バトル1/5リーチ」(期待度20%のリーチ)、「バトル2/5リーチ」(期待度40%のリーチ)、・・・「バトル5/5リーチ」(大当り確定のリーチ)のような文字を表記しておくことが考えられる。これらの発展先パネル414は、「バトル1/5リーチ」〜「バトル5/5リーチ」の順で、遊技者にとって望ましい演出への発展の期待度が高まる(ステップアップする)ようになっている。
そして、これらの発展先パネル414が、列車412bによって「バトル1/5リーチ」〜「バトル4/5リーチ」まで全て破壊されれば、相対的に最も高期待度のレベルが高い演出(「バトル5/5リーチ」)に進行する。また、「バトル1/5リーチ」〜「バトル4/5リーチ」までのいずれかで破壊に失敗すれば、それぞれの発展先パネル414に相応の期待度に留まった演出に進行する、といった演出態様を考えることができる。
ここで、図34(d)に示すのは、「バトル1/5リーチ」の発展先パネル414が列車412bに近付いた状態の演出である。また、「バトル1/5リーチ」から始まる演出態様に限定されず、例えば、「バトル2/5リーチ」〜「バトル5/5リーチ」のいずれかで発展先パネル414の演出が始まる演出態様を考えることもできる。
更に、このように特殊なボタン演出については、制御態様に関して以下のようなことを考えることができる。例えば、遊技者による操作ボタン22の操作状態を、操作ボタン信号に表れるようにする。操作ボタン信号としては、操作ボタン22の押下開始に伴い立ち上がりエッジが表れ、押下中は一定の信号レベルを維持し、押下終了(開放)に伴い立ち下がりエッジが表れるものを考えることができる。
また、例えば、長押し有効期間中には長押し有効期間フラグを設定し(例えば「1」とし)、開放有効期間中には開放有効期間フラグを設定する。また、操作ボタン信号の立ち上がりエッジが検出された場合には、ボタン操作オンフラグを設定し、操作ボタン信号の立ち下がりエッジが検出された場合には、ボタン操作オフフラグを設定することが可能である。
そして、例えば、開放有効期間中にボタン操作を解除しないと(ボタン操作オフフラグが「1」に設定されないと)、前述の「離せ!」の演出から発展パネル破壊演出に移行しないまま停滞するようにすることが可能である。このような演出制御は、長押し有効期間中から開放有効期間の終了まで操作ボタン22が押し続けられた場合も、同様とすることができる。
そして、開放有効期間中にボタン操作を解除しない場合、その後の発展先パネル破壊演出も実行せず、発展先パネル破壊演出の演出時間として割り当てられている時間が経過した後、強制的に(突然に)、その先の発展の有無に応じて演出を進行させることが可能である。このような演出制御の態様は、例えば「時間切れによる結果表示演出」などと称することが可能である。
更に、長押し有効期間中に操作ボタン22が操作されて押下が継続し、「離せ!」の演出に移行する前(開放有効期間に移行する前)において、操作ボタン22を非操作とし(開放し)た場合について考えることができる。そして、この場合には、「離すな!」の演出を一旦消去し、背景色のステップアップを開放時の態様で停止し、その後の発展先パネル破壊演出も実行しないようにすることが可能である。
更に、このときの長押し有効期間中に操作ボタン22を再度操作した場合について考えることができる。このような状況においては、操作ボタン22が非操作の状況となった際に、長押し有効期間中の「離すな!」の演出を一旦消去するが、開放有効期間に移行する前であれば操作ボタン22の再度の操作を検出すると、「離すな!」の演出を復活させる。
そして、操作ボタン22の操作が継続すれば、開放有効期間に移行するまで(前長押し有効期間中)は、「離すな!」の演出を続けるようにする。更に、この際には、長押し有効期間中における背景色のステップアップも、操作ボタン22が非操作の状況となった際に中断し、操作ボタン22の再度の操作を検出すると、中断したときの背景色から継続するようにすることが考えられる。
なお、これに限らず、例えば、操作ボタン22の再度の操作を検出すると、ボタン操作の中断がなかった場合(背景色のステップアップを続けた場合)と同じ背景色で、背景色の表示を再開することも可能である。更に、ボタン操作の中断により「離すな!」の文字表示を消去する一方で、背景色のステップアップは継続して表示し続ける、といったことも可能である。
また、長押し有効期間と開放有効期間の背景画像を共通とし、「離すな!」や「離せ!」のボタン操作指示画像の相違のみ(ボタン画像が異なる場合はボタン画像も)が、長押し有効期間と開放有効期間における演出表示上の差分となるようにすることも可能である。
更に、長押し有効期間から開放有効期間へ移行する際に、ボタン操作がされていない場合は、「離せ」の演出が表示されず、開放有効区間の時間切れにより、開放有効区間後の演出が進行する(「時間切れによる結果表示演出」を行う)ようにしてもよい。
そして、この場合は、開放有効期間に移行してから操作ボタン22の押下操作や開放操作があっても、制御上、開放操作が有効とならない(内部的な長押し開放の有効期間を発生させない)ように構成することが可能である。また、これに限らず、開放有効期間は発生させるが、開放操作に伴う演出表示(発展先パネル414を用いた演出など)を実行しないようにすることも可能である。
<<特殊な文字表示演出について>>
次に、ぱちんこ遊技機10に適用が可能である特殊な文字表示演出について説明する。ぱちんこ遊技機10には、遊技者が通常の視点で文字列を見れば、当該文字列から演出内容の示唆を知覚することは困難であるが、視点を変更すれば演出内容の示唆を知覚することが容易になる文字表示演出(文字反転演出)を採用することが可能である。
更に、ここでの文字列は、当該文字列を異なる向きから見ると、文字列の意味が変化するものとすることができる。例えば、文字列は、表示開始された当初は「はずれ」の意味を示しているが、回転することにより「あたり」の意味を示すものとすることができる。
図35(a)には、左上から右下へ斜めに「はずれ」と読むことのできる平仮名の毛筆体の文字列421が示されている。演出において表示開始された際は、この文字列421は、上述のように「はずれ」と読める向きで表示されているが、所定のタイミングでほぼ180°回転し、天地を逆にする。すると、図35(b)に示すように、この文字列421は「あたり」と読めるようになり、遊技者に示す意味を転換する。
このような文字列421を用いた演出としては、例えば、リーチになるか否かの状態を示す演出中に「はずれ」と読める向きで、演出表示装置60の画面中に表示することが考えられる。そして、一旦はリーチにならなかった態様で演出が行われるが、その後文字列421が「あたり」と読める向きに回転し、リーチ(復活リーチ)の演出が行われる。
また、このような文字列(421)を、画面中に複数表示して演出を行うことも考えられる。例えば、ルーレットを用いた演出(ルーレット演出)のように、遊技者に有利な表示を、有利でない表示と共に実行し、有利な表示の数と有利でない表示の数とで、遊技者に有利な度合いが或る程度認識できるような演出を考える。
このような演出を行う場合には、ルーレット演出の開始時には「はずれ」と読める向きの文字列を、「あたり」と読める向きの文字列よりも多く表示する。そして、演出の進行に伴い、「はずれ」と読める文字列を回転させて「あたり」と読めるように、「あたり」と読める文字列の数を、「はずれ」と読める文字列の数よりも多くして、チャンスアップ(ステップアップ)の演出を行うことが考えられる。また、このような演出を行う場合に、全ての文字列が「あたり」と読める向きになるように演出を進行させることも可能である。
なお、上述の演出例では、文字列421を上下方向に回転させて向きを変更しているが、これに限定されず、例えば、画面の奥行き方向に文字列を回転させて(三次元(3D)的に回転させて)、所定角度(例えば180°)回転させると、他の意味を表す文字列となって見えるものも考えることができる。
また、この他の特殊な文字表示演出としては、図示は省略するが、例えば、3D空間中で分離している破片状の画像構成要素を利用したようなものも例示できる。より具体的には、ある視点においては、3D空間中に、分離した多数の画像構成要素(画像構成要素群)が静止して描かれている。各構成要素の形態は、例えば何れも板状であり、その形状は種々の形態の三角形などである。そして、この時点では、遊技者が画像構成要素群を具体的な事物として知覚することは困難である。
その後、3D映像におけるポリゴン画像に対して見る角度を変化させる場合のように、視点を変化させて画像構成要素の群(画像構成要素群)が表示(集合体表示)される。そして、視点が或る特定の位置に移動したときに、画像構成要素群が結合し、完成した所定の事物の3D映像として、容易に遊技者が知覚し得るようになる。このときの「所定の事物」としては、「あたり」として読める文字列や、「はずれ」として読める文字列などを例示できる。更に、「所定の事物」を、果物、野菜、動植物、或いは、演出上のアイテムや登場人物などとすることも考えられる。
そして、画像構成要素群が、例えば「あたり」の文字列として読める態様で表示された場合には演出のステップアップが行われ、「はずれ」の文字列として読める態様で表示された場合には演出のステップアップが行われないような演出態様を考えることができる。なお、このような画像構成要素群を用いた演出は、例えば「画像構成要素群利用演出」などと称することも可能である。
また、「画像構成要素群利用演出」の他の例としては、画像構成要素群を、水中に垂れた墨汁のように、周辺を滲ませた黒く不定形な複数の点として描く。そして、視点を変えるとともに、画像構成要素群を徐々に結合し合うように描き、最終的には「あたり」や「晴天」等のような積極的な意味の文字列に変化させる。そして、「あたり」のような文字列に変化した場合は、演出のステップアップが行われ、「はずれ」、「曇天」、或いは「雨天」のような消極的な意味の文字列に変化した場合には、演出のステップアップが行われないような演出態様を考えることができる。
なお、「画像構成要素群利用演出」を行う場合は、文字列等を完成させる場合に、完成画像を2D画像に変更し、遊技者が、何が表示されたのかを視認し易くすることも考えられる。また、完成後の画像に白色や黒色の輪郭を付加して、遊技者が完成画像を認識し易くすることも考えられる。
また、例えば、画像構成要素群が表示された状況で、遊技者による操作レバーや十字キーの操作を有効とし、遊技者が自らの操作入力によって視点を変化させることができるようにしてもよい。
<<文字表示演出による表現の多様化について>>
次に、ぱちんこ遊技機10において文字表示演出(テキスト演出)を行う場合に、文字の識別能力(表現力)を多様化することが可能な技術について説明する。通常、ぱちんこ遊技機10などの遊技機においては、文字表示によって遊技状態を報知したり、演出の発展や大当りの期待度を報知したりすることが行われている。
更に、遊技機においては、単に文字や文字列(以下では「文字等」と称する)が本来持つ意味を使用するのに留まらず、例えば、文字等の彩色を、青、赤、金、或いは、虹色などとしたり、フォントやサイズを変更するなど文字等の装飾態様の違いによって、各種の期待度を報知することが行われている。しかし、従来のように、文字等の彩色や柄のみにより装飾態様を区別したのでは、適用できる装飾態様が限られ、文字等の識別能力を増すことが困難である。
このため、色や柄以外の要素を組み込んで文字表示演出を行うことを考える。文字表示演出を多様化するために、文字画像の構成要素(線素)を個々に制御し、文字画像の態様に変化を与えること(振動強調表示パターンとしての文字要素振動演出)が考えられる。
例えば、図36(a)に示すように、平仮名の「だ」に係る文字データを使用して、一文字による演出表示を行う状況を例とすると、この「だ」の文字画像422を、横線と縦線の組み合わせからなる十文字状の構成要素(部分データ)422a、2つの横線である構成要素(部分データ)422b、422c、及び、濁点部分の構成要素(部分データ)422d、422eの5つに分け、これらを個々のレイヤに分けて描画する。或いは、5つの要素を、例えば3つのレイヤに適宜の組合せで分けて描画する。
このような構成要素の分け方は、筆書きした場合に繋がる線毎に領域を分け、領域単位で個別な構成要素のデータを保有し、管理するものであるともいえる。また、1文字を構成する要素を複数の構成要素に分け、構成要素毎に表示データを分けたものであるともいえる。
そして、図36(a)中に双方向の矢印で往復していることを示すように、レイヤ(各構成要素)毎に、異なる振動態様で振動させる。各構成要素422a〜422eの振動は、少なくとも2つの構成要素が互いに異なる方向に変位するように行う。各構成要素422a〜422eの振幅は、互いに同じ(或いは同程度)としてもよいが、異ならせてもよい。
このようにすることで、各構成要素422a〜422eの振幅(両側振幅で画像上数ミリ程度など)の範囲で、文字全体が動いているように見せる表示(振動協調表示)を行うことが可能となる。このような演出は、文字の大きさが変化したり、文字が動いたりしているように見せるものあるということもできる。そして、この演出により、色彩や柄以外の態様で、文字表示に変化を与えることができる。この結果、文字表示の機能を増やすことができ、文字の識別機能を多様化することが可能となる。
このような個別の振動を伴う文字表示(文字の強調表示)は、例えば、赤色、金色、或いは、虹色の文字をカットインさせる演出のような、相対的に高期待度(演出発展の期待度が100%、或は、大当り期待度が90%以上などの所謂確定系)の演出で行うことが考えられる。また、このように文字を部分毎に個別に振動させる演出態様は、文字に特殊効果(文字エフェクト)を付加した演出の1つであるということもできる。
続いて、文字表示演出による表現の多様化に関しては、次のようなものも例示することができる。例えば、文字の一部又は全ての構成要素に関して、黒線或いは白線などからなる輪郭内に、炎が燃え盛る様子や、虹の7色柄を動的なエフェクトとして表示する。この場合、例えば文字のレイヤにおいて、文字画像の輪郭部分を除く領域の透明度を例えば100%などに上げて透過表示できるようにし、文字のレイヤの後方に炎の動画や虹の7色柄のレイヤを重ねる。
つまり、動画像のデータを、文字の輪郭によりマスクし、文字の構成要素に係る輪郭の内側のみに、動画像が表示されるようにする。このようにすることで、文字の画像データと、エフェクトの画像データとの組み合わせによって文字エフェクトを実行することができる。
このため、エフェクトの無い基本の文字画像データと、エフェクトが付加された文字画像データ、及び、エフェクトが付加された文字画像データを動画とするための多数の画像データを用意しておく必要がない。この結果、画像データの量を少なく抑えながら文字エフェクトを行うことが可能である。
図36(b)には、平仮名で「あたり」と読める毛筆体の文字列421に、虹の柄のエフェクトを付加する場合の画像データ423の合成を、「+」の符号と右向きの矢印を用いて概略的に示している。文字列421の画像データは、透明度の調整が施されて半透明化されており、背景の虹エフェクトのレイヤ画像をマスクし、合成後の文字列424における虹エフェクトについては、文字列の輪郭の内側の領域のみで虹のエフェクト用の画像データ423を遊技者に視認可能とすることによって、構成されている。
このような文字エフェクトについても、相対的に高期待度の演出中で使用することが考えられる。なお、一般に、ぱちんこ遊技機において、同じ文字列を、配色を変えて使用することがある(例えば、赤文字及び白文字のテロップなど)。このような色違いの文字列の使用に代えて、のエフェクト無しの文字列と、エフェクト有りの文字列とを切り替えて使用することも可能である。このようにすることで、文字データを、赤色及び白色でそれぞれを記憶しておく必要がなくなり、文字に係るデータ量を削減することが可能である。
<実施例のぱちんこ遊技機に係る主な発明の効果>
1.以上説明したようなぱちんこ遊技機10は、特別遊技は、特別遊技後に行われる特定遊技の種類(通常時短、電サポ、特図高確率など)によつて、複数の種類の特別遊技(特別遊技後に特図1に係る時短無しや時短有りとなる特別遊技、或いは、特図2に係る時短無しや時短有りとなる特別遊技など)が存在しており、
前記特定遊技は、第1乱数値または第2乱数値に基づいて前記特別遊技が行われることとなる確率が変化する高確率遊技状態(特図高確率の状態など)と、普通電動役物が入球容易な状態となる頻度が高まる入球容易状態(普図高確率の状態など)との組み合わせによって構成され、
前記特定遊技には、前記高確率遊技状態と前記入球容易状態との双方が行われている第1特定遊技と、前記高確率遊技状態が行われる一方で前記入球容易状態が行われていない状態である第2特定遊技とを少なくとも有しており、
所定の種類の特別遊技(第1大当りにおける第1ボーナスの特別遊技など)が行われた場合は、前記所定の種類の特別遊技の終了後に第1特定遊技が開始され、その後第1特定遊技の実行中に前記特別遊技が行われることなく、前記第1特定遊技の所定の終了条件(電サポ20〜60回など)を満たした場合に、前記第2特定遊技が開始され得るように構成され、
前記第1乱数値と、前記第2乱数値では、特別遊技の終了後において前記第1特定遊技が行われることとなる特別遊技の実行確率が異なる(第1乱数値に関しては第1大当りで第1ボーナスとなり得る40%、第2乱数値に関しては第4大当りで第1ボーナスとなり得る100%など)ものとなっている。
このため、ぱちんこ遊技機10によれば、大当り遊技後に、第2特定遊技状態への移行の前段階に第1特定遊技を介在させることが可能となる。更に、第2特定遊技は、第1特定遊技において大当りに当選しなければ移行可能な特定遊技状態とすることができる。したがって、新規な態様で遊技状態を移行させることができ、遊技状態の変化に関し趣向性の高いぱちんこ遊技機を提供することができる。
また、第1特定遊技状態をどのような内容や性質のものとするかによって、第2特定遊技に至るまでの遊技の流れ(フロー)を変化させることができる。このため、第2特定遊技に至るまでの遊技の流れを多様化でき、このことによっても、遊技状態の変化に関し趣向性の高いぱちんこ遊技機を提供することができる。
また、遊技球を所定の発射強度で発射した場合に入球可能な領域に配置された第1始動口(第1−2始動入賞口など)と、
前記所定の発射強度で発射した場合に入球可能な位置に配置された第2始動口(第2始動入賞口など)と、を備えていることから、発射強度を変えずに第1始動口と第2始動口に入球させ得る遊技を行うことができる。
そして、発射強度を変えずに、特図1と特図2で、第1特定遊技状態への実行確率(移行確率)を異ならせることができる。この結果、発射強度を変えずに第1特定遊技状態への移行頻度を異ならせることができるという、新規なゲーム性を提供することが可能となる。
なお、ぱちんこ遊技機10においては、大当り遊技中におけるV入賞の有無により、大当り遊技後の特定遊技の内容が異なるゲーム性(所謂球確スペック)が採用されている。このため、上述の第1特定遊技に係る「実行確率」、「移行確率」、或いは、「移行頻度」は、厳密に数値化(定量化)した定義が難しいものである。
つまり、大入賞口90に関し、標準から外れたイレギュラーな状況として、V入賞すべき場合にV入賞しないということも想定できるが、「実行確率」、「移行確率」、或いは、「移行頻度」は、標準的な遊技の進行によってV入賞した状況を前提とする用語として用いられているものである。
2.続いて、ぱちんこ遊技機10は、第1特定遊技の所定の終了条件は、所定の種類の特別遊技を実行する契機となった第1乱数値または第2乱数値に対応して複数種類の条件(電サポ20〜60回など)の内より1の終了条件が定められたものとなっている。つまり、第2特定遊技に移行するための条件(電サポ終了条件)が、大当り図柄によって複数存在している。
このため、第2特定遊技(小当りラッシュ)に突入するための契機である第1特定遊技の終了条件が複数種類設けられることとなる。そして、第2特定遊技が行われるタイミングを多様化でき、このことによって新規なゲーム性を提供し、趣向性を向上することができる。
3.続いて、ぱちんこ遊技機10は、第1特定遊技と第2特定遊技では、普通電動役物が入球容易となる頻度の差(第1−2始動入賞口の開放の有無など)によって、第1始動口および第2始動口のそれぞれに対して遊技球が入球する比率が変化するものとなっている。そして、電サポの有無により、第1−2始動入賞口62B、又は、第2始動入賞口63の入球比率が変化する。
このため、第1特定遊技の時と第2特定遊技の時とで、遊技の主体となる特別図柄を変化させることができる。そして、第1特定遊技に移行することとなる特別遊技を獲得する確率(傾向)を、第1特定遊技と第2特定遊技とで変化させることができ、このことによっても趣向性を向上することが可能となる。
更に、特図1の遊技と特図2の遊技が並列に実行可能であることから、第1特定遊技の終了となる変動が大当りであっても、移行回数に達して第2特定遊技への移行条件が充足されていれば、特図1の大当り変動中にも小当りラッシュ(第2特定遊技)を実行する、といった遊技が可能である。
4.続いて、ぱちんこ遊技機10は、第1特定遊技と第2特定遊技では、普通電動役物が入球容易となる頻度の差(第1−2始動入賞口の開放の有無など)によって、第1−2始動入賞口62Bおよび第2始動入賞口63のそれぞれに対して遊技球が入球する比率が変化し、
第2特定遊技中は、前記第2始動入賞口63への入球比率が前記第1−2始動入賞口への入球比率よりも高くなり、第2乱数値に基づいて行われることとなる特別遊技の終了後は、必ず第1特定遊技または第2特定遊技に移行する(移行回数が0でない場合は第1特定遊技に移行し、0の場合は第2特定遊技に移行することなど)ものとなっている。
このため、第1特定遊技の終了条件を満たして第2特定遊技に突入することで、確変遊技への移行がほぼ100%保証される、といったゲーム性を提供することができる。そして、小当りラッシュへ移行することにより遊技者にとって出玉を獲得し易くなることに加えて、次回の大当り(第4大当り)での確変が保証される、といった趣向性に優れたゲーム性を提供できるようになる。
ここで、例えば、特図2の変動が高速(短時間)で、特図1の変動が超ロング変動であるが、第2特定遊技中の入球比率について、非電サポ(非入球容易状態)における普通図柄(開放抽選)の当選確率を高く設定する遊技機においては、第1−2始動入賞口62B及び第2始動入賞口63の構造や作動態様によっては、第2始動入賞口63よりも第1−2始動入賞口62Bの方が高い、といったゲーム性を採用することも可能である。
そして、このような場合を考慮した場合には、ぱちんこ遊技機10は、第2特定遊技中は、第1−2始動入賞口62Bへの入球比率が第2始動入賞口63への入球比率よりも高くなり、第2乱数値に基づいて行われることとなる特別遊技の終了後は、必ず第1特定遊技または第2特定遊技に移行する(移行回数が0でない場合は第1特定遊技に移行し、0の場合は第2特定遊技に移行することなど)ものとなる。
そして、「入球比率」の用語に代えて「変動効率」の用語を用い、例えば、第2特定遊技中の第1−2始動入賞口62B及び第2始動入賞口63に係る変動効率を異ならせ、第2乱数値に基づいて行われることとなる特別遊技の終了後は、必ず第1特定遊技または第2特定遊技に移行する(移行回数が0でない場合は第1特定遊技に移行し、0の場合は第2特定遊技に移行することなど)ものとすることが可能である。
なお、前述したように、特図1のV入賞容易(V容易)な大当りに伴う大当り遊技時に、V入賞せずイレギュラーな状況となり、特図低確率の特定遊技(電サポ100回の通常時短遊技)が行われる場合もある。このようなイレギュラーな状況の発生原因としては、前述したように、離席や止め打ち等により発射が継続されない状況(発射非継続の状況)や、通常通り発射を継続していても偶々V入賞しない状況などを例示できる。
そして、前述のような確変を100%保証するゲーム性も、標準通りにV入賞が発生することを前提としたものとなっている。
また、確変への移行にV入賞を必要とする所謂球確スペックのぱちんこ遊技機10に限らず、大当りの種類によって確変への移行が確定するタイプのぱちんこ遊技機にも、特に支障が無い限り、前述した各発明を適用することが可能である。
また、前述したように、第1特定遊技(特図高確率で普図高確率)の終了条件として、主制御表示装置53において、特図1の所定回数の変動表示(特図1単独)が行われることを採用してもよい。そして、特図1(又は特図2)を主体とする状況に関して、特図2単独(又は特図1単独)による各種終了条件や、特図1と特図2の合計による各種終了条件は、標準的でない(イレギュラーな)遊技に備えたものである。しかし、これまでに各発明に関して例示した終了条件は、標準的な(レギュラーな)遊技のみが行われた場合を想定しても有効性を失わないものである。
また、前述したように、第1特定遊技中に特別遊技が実行される状況とならない場合において、主制御表示装置53における特図1の変動表示であって第1特定遊技が終了することとなる変動表示の1回前(N−1回目)の変動表示において、特殊な変動表示(第1特定遊技の終盤における限定頻度パターン演出による変動表示)を行い、小当りラッシュへの突入を報知する「祝福演出」を行うことが可能である。
更に、前述したように、小当りラッシュ突入時の「祝福演出」のような演出は、小当りラッシュと特図2の第4大当りを複合ボーナスとして演出表示するために、演出用図柄が揃ったかのような、見た目上で大当りが開始したかのような演出表示を行うよう構成しているが、複合ボーナスを開始する旨を報知する演出としては、大当りの報知のためのものとは異なる特殊図柄を用いる演出とすることができる。そして、小当りラッシュ突入の報知を行う特図1の変動ははずれの変動(ハズレ変動)であるが、遊技者が大当りを意味する「7」であると知覚し得るような演出図柄190を用いることが可能である。また、この場合には、例えば、前述の縮小演出図柄表示領域361における表示(ミニ図柄の表示)を、はずれの態様で行うことが考えられる。
更に、前述したように、複合ボーナスにおいて、第2特定遊技中から第4大当りの大当り遊技中に亘り、ほぼ一定のリズム(ほぼ一定の周期)で、大入賞口90を開放させることが可能である。この場合は、特図2の大当りと、小当りとで、大入賞口90の開放パターンを同一又は同程度とし、大入賞口90の開放動作の見え方に連続性をもたせることが可能である。
また、前述したように、変動開始時における遊技状態遷移制御により、特定遊技状態に係る終了条件の成否(成立したか否か)の判定を変動開始時に行うが、このような判定を、大当り変動については、図柄停止時にも行うようにすることが可能である。
5.続いて、ぱちんこ遊技機10は、特定遊技として、小当りの単位時間当たりの当選頻度が上昇する小当りラッシュ(特図高確率で普図低確率(低ベース)の遊技状態)を有しており、前記特定遊技(小当りラッシュ)の開始時期から、前記特定遊技中に発生した特別遊技の終了までの期間において、一連の演出状態(複合ボーナスの演出状態)に制御されるものとなっている。
つまり、小当りラッシュから、その後の大当り(第4大当り)にかけて一連の演出が行われるようになっている。このため、小当りラッシュから始まり、小当りラッシュでは終わらず、大当りの期間まで継続する新規な演出期間を形成することができる。そして、ぱちんこ遊技機10は、小当りラッシュの開始を基点として遊技者の気分を高揚させ得るものとなっている。
6.続いて、ぱちんこ遊技機10は、特定遊技には複数の演出モード(第1チャレンジ演出モード、第2チャレンジ演出モードなど)が設けられ、
特別遊技中の終盤の演出(終了デモ演出など)において、特定遊技中の演出モードを選択する演出モード選択演出(キャラ選択演出など)を実行可能であり、
前記選択演出後において前記特定遊技中に新たな特別遊技(第4大当りなど)を獲得した場合に、前記新たな特別遊技後の遊技状態として前記特定遊技に制御される可能性に係る特定遊技継続期待度示唆演出(第1チャレンジ移行演出〜第3チャレンジ移行演出など)を、前記演出モード選択演出にて選択した演出モードに応じて実行可能であるものとなっている。
このため、選択演出(キャラ選択演出など)で決定した演出に従って、特定遊技中の大当り(第4大当りなど)に応じて新たに特定遊技(第1特定遊技又は第2特定遊技)が実行される期待度(確変継続期待度)が示唆される演出を提供することができる。そして、単なる演出モードの選択に係る演出に留まらず、特定遊技状態の移行を含めた演出モードの選択を行えるようにすることが可能である。
なお、このような演出モードの選択は、突入する演出モードの選択を行うものであるということもできる。また、このような発明は、大当りの終了デモ演出において、演出モードの選択の後に、特定遊技の継続率に関する報知を行うものであるということができる。更に、演出モードの選択の他に、新規に設けられた確変継続率報知演出によって、遊技者の特定遊技への期待感を向上させる演出を行うものであるということができる。
また、このような発明は、第2特定遊技(特図2を主体とする遊技)の場合、特図2に係る大当り図柄が全てV容易図柄で構成されているため、事故当りが無い限り100%確変(V容易)であるため、第2特定遊技への移行可能性を報知することにより、間接的に確変継続期待度を報知するものであるということができる。ここで、第1特定遊技に比べて第2特定遊技の確変継続率が変化して(異なって)いればよく、「100%」であることは必須ではない。例えば、特図2(第2特定遊技)に係る確変継続率の方が、第1特定遊技より低くなっていてもよい。
7.続いて、ぱちんこ遊技機10は、特定遊技には複数の演出モード(第1チャレンジ演出モード、第2チャレンジ演出モードなど)が設けられ、
特別遊技中の終盤の演出(終了デモ演出など)において、特定遊技(第1特定遊技など)中の演出モードを選択する演出モード選択演出(キャラ選択演出など)を実行可能であり、
前記演出モード選択演出後において前記特定遊技中に所定の条件(電サポ回数が移行回数に達したことなど)を満たした場合に移行する他の特定遊技(第2特定遊技など)を有しており、前記選択演出後に前記所定の条件に関する報知を行うものとなっている。
このため、演出モード選択演出後において、特定遊技状態から特定遊技状態へ移行する場合の演出を趣向性に優れたものとすることが可能になる。そして、演出モードの選択の他に、新規に設けられた第2特定遊技への移行条件の報知演出によって、遊技者の特定遊技への期待感を向上させる演出を行うことが可能である。
なお、ここでの演出モードとして、変動回数が移行回数に到達するまでの情報(複合ボーナスに突入するまでの情報)を、具体的な数値を用いずに示すタイプのチャレンジ演出モード(第1チャレンジ演出モード)や、複合ボーナスに突入するまでの情報を、連続的に、且つ、具体的な数値によって示すタイプのチャレンジ演出モード(第2チャレンジ演出モード)を設けることが可能である。
8.続いて、ぱちんこ遊技機10は、主制御基板と、
前記主制御基板からの制御指令に基づき演出に係る制御を実行する演出制御基板と、を備え、
前記主制御基板は、
始動口に遊技球が入球した場合に乱数値を取得し、
前記始動口への入球に基づき事前判定情報(先読みに係る事前通知情報など)を前記演出制御基板に送信可能であり、
所定の変動開始条件(先に行われている図柄変動が終了していることなど)の成立時に、変動内容に係る制御指令(特別図柄の図柄変動開始時のコマンドなど)を前記演出制御基板に送信可能であり、
前記演出制御基板は、
前記変動内容に係る制御指令を基に、前記主制御基板による前記特別図柄表示装置の変動表示に合わせて実行される演出の内容を決定可能であり、
前記事前判定情報を基に、先読み演出の実行可否および実行内容を決定可能であり、
前記先読み演出を、いまだ変動開始条件を満たしていない保留に対する前記事前判定情報が全てはずれに係る情報である場合に実行可能となっている。
このため、前述した「安全保留」、「蝶滞在先読み(及び後読み)」、及び、「透過カウントダウン」などといった、保留に係る情報が全てはずれものものである場合に適した先読み演出を実行することが可能となる。そして、第1特定遊技などのように、はずれの方が遊技者にとって好ましい状況において、保留内に当りが存在しないことを報知する演出を行うことにより、趣向性を高めることが可能となる。
9.続いて、ぱちんこ遊技機10は、遊技者による演出のための操作入力を行うことが可能な演出操作手段(操作ボタンを備えたレバー装置ユニットなど)と、
前記演出操作手段への操作入力に基づき演出制御を行うことが可能な演出制御基板と、を備え、
前記演出制御手段は、前記演出操作手段への継続操作(長押しなど)や、前記継続操作を終了するための開放操作を行うこと基づいて進行する継続操作演出を実行可能であって、
前記継続操作演出における前記演出操作手段の操作有効期間として、前記演出操作手段に対する前記継続操作を遊技者に促すための第1有効期間(長押し有効期間など)と、前記開放操作を遊技者に促すための第2有効期間(開放有効期間など)とが設けられており、
前記第1有効期間において、前記演出操作手段が継続操作されることに基づいて、特別遊技の実行可能性に関する演出表示である期待度示唆情報(背景色など)をより高期待度のものに変更可能とし、
前記第2有効期間において、前記演出操作手段に対する継続操作が終了したことに基づいて、前記継続操作演出の演出結果表示(発展先パネル414を用いた演出など)を開始するものとなっている。
このため、演出操作手段の継続操作と開放操作とにより、遊技状態の変化に係る趣向性を向上することが可能となる。そして、ボタン演出における遊技者の操作状況に応じた適正な演出表現を行う新規なボタン演出の提供が可能となる。
ここで、このような発明は、開放有効期間の後には、結果の表示の前に、ステップアップ表示期間(発展先パネルを用いた演出が行われる期間など)があり、長押し有効期間のステップアップ演出(背景色の変化など)と含めて2種類のステップアップ表示がされる演出を行うものであるともいえる。また、ステップアップ表示期間(発展先パネルを用いた演出が行われる期間など)を介在させることにより、長押し有効期間に開放操作を行っても即座には結果表示しないものであるということもできる。
なお、前述したように、第1有効期間(長押し有効期間)において演出操作手段の継続操作が終了した場合(操作ボタン22を非操作とし(開放し)た場合)においては、前記継続操作演出の演出結果表示(発展先パネル414を用いた演出など)を開始しない、といったことも可能である。
また、前述したように、第2有効期間(開放有効期間など)の開始タイミング(長押し有効期間から開放有効期間へ移行したタイミングなど)において、演出操作手段に対する操作が行われていない状況下では、遊技者に対して継続操作の終了を促す旨の表示(「離せ!」の表示など)を行わないようにすることが可能である。
また、前述したように、第2有効期間の開始時(長押し有効期間から開放有効期間へ移行したタイミングなど)に、演出操作手段に対する操作が行われておらず、第2有効期間内に演出操作手段の継続操作を開始した場合(開放有効期間に移行してから操作ボタン22の押下操作があった場合など)には、継続操作を終了したことに基づく前記特殊操作演出の演出結果表示(発展先パネルを用いた演出など)を開始しないことも可能である。
10.続いて、ぱちんこ遊技機10は、遊技者が認識可能な文字データを表示して、特別遊技の実行期待度に関連する報知を行うテキスト演出であって、
前記テキスト演出の実行に際して、特別遊技の実行期待度が相対的に高い場合において選択可能な実行パターンとして、振動強調表示パターンを有し、
前記テキスト演出の振動強調表示パターンは、前記文字データについて、遊技者が1文字と認識するデータを複数の部分データ毎に振動協調表示可能であり、
前記テキスト演出の振動強調表示パターンは、前記部分データ毎で振動パターンを設定して前記テキスト演出の文字列全体を強調表示するものとなっている。
このため、文字全体が動いているように見せる表示(振動協調表示)を行うことが可能となる。更に、色彩や柄以外の態様で、文字表示に変化を与えることができる。この結果、文字表示の機能を増やすことができ、文字の識別機能を多様化することが可能となる。
なお、前述したように、このような演出は、特別遊技の実行期待度等が相対的に高い演出パターンとして、テキスト表示を赤系統、金色系統、虹色の少なくとも1のパターンにて実行するパターンとすることができる。
更に、これ以外にも、文字データの構成要素の画像データ(部分データ)、1つの文字として遊技者が認識し得る文字データ、或は、複数の文字からなる文字列のデータを、輪郭(輪郭領域)の内部(内側)が透過領域として構成することが可能である。そして、テキストデータの構成要素に係る輪郭(例えば黒線や白線)とは異なる赤系統、金色系統、虹色の動画像データ(或いは静止画像データ)を、文字データによりマスクし、前記透過領域から視認可能とする。このようにすることで、テキストの表示色や表示柄を、動画像データ(或いは静止画像データ)により構成することができる。
更に、これら各種の文字による演出は、カットインや台詞による予告(セリフ予告)等の所謂テキスト系の演出に適用が可能なものである。
<その他の実施形態>
なお、本発明は上述した各種の実施態様に限定されるものではなく、種々に変形が可能なものである。
例えば、前述のぱちんこ遊技機10においては、大当りの種類を全て4Rの大当りとしている。このように全て4Rとすることによって、大当りにおける獲得出玉数を少なくすることができ、小当りラッシュで想定される相対的に多量な獲得出玉との、バランスを調整し易くなる。
しかし、これに限らず、例えば、4Rの大当りと10Rの大当りのように、ラウンド数の異なる複数種類の大当りを設けてもよい。そして、例えば、10Rの大当りに当選した場合に、1〜4R目は小当りと同程度の短い開放時間(1.2秒程度など)で大入賞口90を開放する。更に、遊技者が大当り終了デモのように知覚し得る態様での演出(リザルト演出など)を行った後に、昇格したような態様の演出(昇格演出)を実行する。そして、5R〜10R目では、10カウント又は30秒の開放で閉鎖するよう大入賞口90を開放制御する、といったことが可能である。
また、大当りの種類を4Rのみとした場合であっても、大当りの種類によって、大入賞口90の開放時間や開放パターンが異なるようにすることも可能である。例えば、特図1の大当り(第1大当り〜第3大当り)に関しては、いずれも、4回の全てのラウンドが、29秒程度の連続した開放(長開放)を行うようにする。
これに対し、特図2の大当り(第4大当り)に関しては、いずれも、1.2秒の1回の開放と、1.5秒ずつの11回の閉鎖(小当りラッシュ中の小当り変動開始から小当り遊技の大入賞口90開放までの時間と近似する閉鎖時間)を組合わせて行うものとする。つまり、特図2の大当たりについては、各ラウンドで、13.2秒(=1.2秒×11回)の開放が行われるものとする。
また、特図2のみに設けられている小当りについては、1.2秒程度の開放を1回(1R)のみ行うようにする。そして、小当りについては、1.2程度の開放と、0.04秒程度の閉鎖との組み合わせを、1回の小当り遊技とする。
なお、大当りについて、最大のラウンド数を4Rとし、大当りの種類によっては、4R未満のラウンド数(3Rなど)で大当り遊技が終了する用意することも可能である。例えば、特図1の大当りをいずれも4Rとし、特図2の大当りをいずれも3Rとする、といったことが可能である。
また、ぱちんこ遊技機10では、第1大当り〜第4大当りのいずれの大当りについても、期待できる獲得出玉数を400個としているが、大当りごとに獲得出玉数が異なるようにしてもよい。例えば、第1大当り〜第3大当りの獲得出玉数を400個とし、第4大当りの獲得出玉を320個などとすることが可能である。
特に、前述のように、特図1に基づく大当りと特図2に基づく大当りとで、大入賞口90の開放時間や開放パターンを異ならせ、特図2に基づく大当りの各ラウンドでは、特図1に基づく大当りの場合の各ラウンドの開放時間(29秒など)と比べ、開放時間を短くしたり(13.2など)、閉鎖時間(1.5秒×11回など)を付加したりする場合には、容易に獲得出玉数を異なるものとすることができる。
更に、ぱちんこ遊技機10では、大入賞口90を1つのみ(単数)としているが、これに限らず、大入賞口90を複数個とし、大入賞口90を複数箇所に設けることも可能である。例えば、特図1に基づく大当りと、特図2に基づく大当りまたは小当りとで、作動する特別電動役物(大入賞口)を異ならせことが可能である。そして、特図1の大当りについては、一方の大入賞口(例えば大入賞口1)を使用し、特図2の大当り及び小当りについては、他方の大入賞口(例えば大入賞口2)を使用することが可能である。
更に、大入賞口1に関しては、例えば、1個の入球に対する賞球数を11個とし、単位遊技(1R)の開放終了条件となるカウント数を10個とすることができる。更に、大入賞口2に関しては、例えば、1個の入球に対する賞球数を15個とし、単位遊技(1R)の開放終了条件となるカウント数を8個とすることが可能である。
また、ぱちんこ遊技機10では、開閉機構を備えない第1−1始動入賞口62Aや第2始動入賞口63、及び、開閉機構を備えた電動式の第1−2始動入賞口62Bを用いているが、これに限定されるものではなく、各始動入賞口として種々のタイプのものを採用可能である。また、始動入賞口の組み合わせとしても、種々の組み合わせが可能である。
更に、開閉機構を備えた始動入賞口としては、電動式のものに限らず、非電動式のもの(所謂「第2種非電動式役物」)を用いることも可能である。ここで、第2種非電動役物は、例えば、電動役物以外の役物のうち、大入賞口90以外の入賞口の入口を開き、又は拡大するもので、遊技球が当該入賞口以外の特定の入賞口に入賞し、又は特定のゲートを通過した場合に作動するものである。
そして、例えば、第1−2始動入賞口62Bや第2始動入賞口63に普通電動役物でなく、第2種非電動役物を備え、それぞれの第2種非電動役物の開放頻度が異なるようにする。更に、右打ちにより遊技球が、遊技領域52の右側上部の領域に設けられた作動口を通過するようにし、別途設けられた普通電動役物に係る一般入賞口内に設けられた振り分け機構(図示略)により、遊技状態に応じて遊技球を第1−2始動入賞口62B又は第2始動入賞口63のいずれかの第2種非電動役物を作動させるための流路へ振り分ける。そして、第1特定遊技状態から第2特定遊技状態への移行に伴い、普通電動役物に係る一般入賞口内の振り分け機構の動作態様を異ならせるように構成し、第1−2始動入賞口62Bや第2始動入賞口63に設けられた第2種非電動役物の開放比率を切り替えることで、遊技の主体として使用する始動口を第1−2始動入賞口62Bから第2始動入賞口63へ切り替える。
また、普通電動役物については、どの遊技状態においても開放作動の可能性があるものとしているが、これに限定されず、例えば、電サポが行われない状態(非電サポ中)には、普通図柄の当選確率を0(ゼロ)とし、非電サポ中は普図当りが発生せず、普通電動役物が開かない、といったように制御することも考えられる。
なお、大入賞口90についても、種々のタイプものを採用可能である。例えば、大入賞口90として、上向きに開口したものなどを採用することが可能である。また、大入賞口90として、V領域のような開口(大入賞口内開口)を複数備え、遊技の状況に応じて、遊技球を各開口へ振り分けるものなども採用が可能である。
また、大入賞口90は、遊技球が入賞不能又は入賞困難な通常状態と遊技球が入賞し易い開放状態とに可変させる態様としているが、これに限定されるものではない。例えば、大入賞口90内に設けられた棒状部材が遊技者側に突き出した状態である進出状態と、遊技者側に対して引っ込んだ状態である退避状態と、を採り得るタイプ(いわゆる、ベロ型アタッカー)としてもよい。このようなタイプの大入賞口は、大入賞口への入球数(カウント数)を所定数(例えば、10個)とすることを担保したい場合において好適である。
更に、大入賞口90として、例えば、その内部にV領域を有するもの限らず、遊技領域52にV領域と分離して設けられたものとすることが可能である。この場合は、例えば、遊技球の検出領域を有する入球装置(ここでは「V入球装置」と称する)を、遊技領域52(図1参照)における大入賞口90の下方の部位などに追加して設ける。更に、特別遊技終了の際など所定のタイミングで、V入球装置を、遊技球を受入れ可能な状態とし、この状態においてV入球装置で遊技球が検出された場合に、その後の確率状態が、所定期間に亘り確変状態となるように制御する。そして、V入球装置に遊技球が進入しなかった場合や、V入球装置内で遊技球が所定の領域に進入しなかった場合には、その後の確率状態が確変状態とならないように制御する、といったことが考えられる。
また、ぱちんこ遊技機10においては、遊技者の有利度合いに係る設定値を、「1」〜「6」の間で変更できるようになっている。しかし、ぱちんこ遊技機10では、設定値が高まり、大当り確率が向上するほど、第1特定遊技中に大当りが発生する確率が上がると考えられる。更に、第2特定遊技において、第4大当りの発生確率も高まり、小当りラッシュの期間が短くなり易いと考えられる。つまり、設定変更の機能を備えることで、第1特定遊技を経て第2特定遊技や第1特定遊技に戻るゲームの趣向性を十分に発揮できなくなるとも考えられることから、設定変更の機能を設けないようにすることも可能である。
更に、遊技機としては、これまでに説明したようなぱちんこ遊技機に限らない。例えば、本発明は、遊技者が獲得した遊技媒体としての遊技球を、前述のように、遊技者に対し直接的に払出して遊技者が賞球に触れることができるようにしているぱちんこ遊技機に限られず、例えば、遊技機内部で遊技球を循環させて使用する封入循環式のぱちんこ遊技機(管理遊技機)にも適用が可能である。更に、封入循環式のぱちんこ遊技機としては、遊技媒体の出入りを電磁的に記録することが可能なものを例示できる。
また、本発明は、所定数の図柄が配列された複数のリールを備え、遊技者の操作に基づきリールの回転開始と回転停止の制御を行い、当選した入賞役に応じて遊技メダル等の遊技媒体の払出し(貯留装置への貯留を含む)を行うスロットマシン(回胴式遊技機)にも適用が可能なものである。スロットマシンに本発明を適用する場合には、ハンドル操作検出に代えて、賭け設定の際に遊技者に操作され得るベットボタンの操作の検出や、同じく賭け設定の際に遊技者によって行われ得る遊技メダルの投入の検出に基づき、遊技機の状態に応じた演出出力を適用することが可能である。更に、本発明は、例えばカジノ施設に設置されるカジノマシンなどにも適用が可能である。
10 ぱちんこ遊技機、20 発射ハンドル、50 遊技盤、52 遊技領域、
53 主制御表示装置、62A 第1−1始動入賞口、62B 第1−2始動入賞口、
63 第2始動入賞口、70 第1特別図柄表示部、71 第2特別図柄表示部、
90 大入賞口、102 メイン基板、104 サブ基板、113 第1当否判定手段、
117 第2当否判定手段、120 特別遊技制御手段、301 サブメイン基板、
302 サブサブ基板、501 メイン基板のCPU、521 サブメイン基板のCPU、
401 ボタン画像。

Claims (1)

  1. 遊技球を所定の発射強度で発射した場合に入球可能な領域に配置された第1始動口と、
    前記所定の発射強度で発射した場合に入球可能な位置に配置された第2始動口と、
    前記所定の発射強度で発射した場合に入球可能な位置に配置された大入賞口と、
    前記第1始動口または前記第2始動口のいずれか一方の入賞口に配置され、入球容易性を変化させる普通電動役物と、を有し、
    前記第1始動口に遊技球が入球した場合に取得される第1乱数値と、
    前記第2始動口に遊技球が入球した場合に取得される第2乱数値と、があり、
    第1乱数値が取得され、所定の変動開始条件を満たした場合に前記第1乱数値に基づいて前記大入賞口を開放させる特別遊技を実行させるか否かの結果を示す変動表示を行う第1特別図柄表示装置と、
    第2乱数値が取得され、所定の変動開始条件を満たした場合に前記第2乱数値に基づいて前記大入賞口を開放させる特別遊技を実行させるか否かの結果を示す変動表示を行う第2特別図柄表示装置と、を更に有し、
    前記特別遊技は、特別遊技後に行われる特定遊技の種類によつて、複数の種類の特別遊技が存在しており、
    前記特定遊技は、前記第1乱数値または前記第2乱数値に基づいて前記特別遊技が行われることとなる確率が変化する高確率遊技状態と、前記普通電動役物が入球容易な状態となる頻度が高まる入球容易状態との組み合わせによつて構成され、
    前記特定遊技には、前記高確率遊技状態と前記入球容易状態との双方が行われている第1特定遊技と、前記高確率遊技状態が行われる一方で前記入球容易状態が行われていない状態である第2特定遊技とを少なくとも有しており、
    所定の種類の特別遊技が行われた場合は、前記所定の種類の特別遊技の終了後に第1特定遊技が開始され、その後第1特定遊技の実行中に前記特別遊技が行われることなく、前記第1特定遊技の所定の終了条件を満たした場合に、前記第2特定遊技が開始され得るように構成され、
    前記第1乱数値と、前記第2乱数値では、特別遊技の終了後において前記第1特定遊技が行われることとなる特別遊技の実行確率が異なり、
    前記第1特定遊技の所定の終了条件は、前記所定の種類の特別遊技を実行する契機となった第1乱数値または第2乱数値に対応して複数種類の条件の内より1の終了条件が定められることを特徴とする遊技機。
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