JP2016192343A - 光源装置 - Google Patents
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従来、このようなVUV光源としては、波長185nmに輝線を有する低圧水銀ランプが使用されてきた。しかしながら、最近では、より短波長の光、具体的には波長180nm以下のVUVが有効であるといわれることから、波長172nmの真空紫外光を放射するエキシマランプを光源とした開発も行われている。ところで、これらのランプから放射される光は発散光であるために、マスクを用いた微細な選択的表面改質(パターニング)には不向きであるとされ、解像可能なパターンサイズに限界があるといわれている。具体的に述べると、ラインパターンでは100μm程度が限界といわれている。
特許文献1記載の技術は、従来の発光長が長いランプ(エキシマランプ、低圧水銀ランプ)に替えて、発光長がより短いショートアークフラッシュランプを光源として採用するものである。このフラッシュランプから放射されたVUV光を、ミラーを用いて平行光(ないしは略平行光)として露光光源を構成するものである。
そして、特開2014−170921号公報(特許文献2)には、このような光源装置のショートアークフラシュランプとして両端封止型のランプを用いたものが開示されている。
図4(A)において、ランプハウス90内に、VUV光源であるショートアークフラッシュランプ91と、このフラッシュランプ91から放射される光を一方向に平行光として出射させる放物面(回転放物面)を有する反射ミラー92とが収容されていて、ランプハウス90の下方にはVUVを透過する光透過窓93が設けられている。このランプハウス90内は、VUVの透過性を維持するために不活性ガスが充填されている。
また、この従来技術においては、フラッシュランプ91は片端封止型のランプが示されていて、キセノンガスなどが封入された発光管91aの内部には、一対の電極91b,91bが対向配置されるとともに、この電極間には一対の始動補助電極91c,91cが配置されている。
このフラッシュランプ91は、その電極91b,91bの対向軸が前記反射ミラー92の光軸に沿うように配置されている。
その両端封止型のショートアークフラシュランプの概略構造が図5に示されていて、発光管101の両端には第1封止管102と第2封止管103が連設されていて、該第2封止管103には封止用ガラス管104が挿入されていて、両者は溶着されている。
前記発光管101内には一対の主電極105,106が配置されるとともに、この主電極間には一対の始動補助電極107,108が配置されている。
そして、前記第1封止管102には第1の主電極105の芯線105aが支持・封止されてその外方に導出されており、一方、第2の主電極106は、その芯線106aが前記封止用ガラス管104に支持・封止されてその外方に導出されている。
ところでこのような光源装置によって平行光を得ようとすると、反射ミラーの中心部にはフラッシュランプが存在することから、光源装置から放射された光は、図4(B)に示すように、中心部において照度が低くなり、反射ミラーの反射面の形状に沿って、中心部を取り巻く環状部の照度が高くなる、いわゆるドーナッツ状の照度分布を形成することになる。
このように、ワークの照射面において露光領域の中心部分とその周囲の環状部とで照度分布のばらつきが大きいと、一様な露光ができずに露光ムラが生じてしまうという問題がある。
また、前記光透過窓は、前記遮光板において、前記始動補助電極の対向方向を避けた位置に形成されていることを特徴とする。
また、前記フラッシュランプは複数本並列配置され、前記反射ミラーには、前記複数本のフラッシュランプの各々に対応した複数の放物面が連設して形成され、前記光透過窓が矩形形状であり、前記反射ミラーの複数の放物面からの反射光を透過するように同一方向に並列配置されていることを特徴とする。
また、前記光透過窓は、前記遮光板において、始動補助電極の対向方向を避けた位置に形成されていることにより、フラッシュランプからの出射光が始動補助電極の陰になることもなく、光透過窓からの出射光に照度ムラが生じることがない。
前記フラッシュランプが複数本並列配置され、前記反射ミラーには、前記複数本のフラッシュランプの各々に対応した複数の放物面が連設して形成され、前記光透過窓が矩形形状であり、前記反射ミラーの複数の放物面からの反射光を透過するように同一方向に並列配置されているので、照射領域が広く、照度均一性の高い平行光を得ることができる。
ランプハウス1内に、VUV光源であるショートアークフラッシュランプ2と、このフラッシュランプ2から放射される光を一方向(下方)に平行光として反射する回転放物面を有する反射ミラー3とが設けられている。
この実施例ではフラッシュランプ2は両端封止型のランプが示されていて、フラッシュランプ2の発光空間内には、一対の主電極21,22が設けられ、この主電極21,22間に一対の始動補助電極23,24が対向配置されている。
ランプハウス1の下方には遮光板4が設けられていて、この遮光板4の一部には、図1(B)(D)に示すように、光透過窓5が形成されている。
この光透過窓5は、遮光板4において、フラッシュランプ2の直下を避けた位置、即ち、フラッシュランプ2の直下を外した環状領域の一部に設けられていて、単に開口として形成するか、該開口に紫外線透過性を有する板状の部材を嵌めこむかして形成する。紫外線透過性を有する部材としては、石英ガラス(好ましくは合成石英ガラス)、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウムなどが好適である。
図2にその関係が示されていて、図2(B)に示すように、光透過窓5を始動補助電極23,24の対向方向に沿うように位置させると、アークAからの光が始動補助電極23,24の影響を受けて陰Sになり、照度の低下をもたらす。これに対して、図2(A)に示すように、光透過窓5を始動補助電極23,24の対向方向を避けた位置に設けることで、アークAからの光が始動補助電極23,24の影Sの影響を受けることがなくなる。
そして、遮光板4には、ランプ2,2の直下を避けた位置にそれぞれのランプ2,2に対応して光透過窓5,5が形成されている。この光透過窓5は矩形形状をなし、これらの光透過窓5,5はランプ2,2の配列方向に沿うように並列配置されて、全体として一つの光透過窓5を形成している。
これにより、広い光透過窓5が形成されて、広い領域の露光領域が得られる。
この場合も、光透過窓5は、ランプ2の始動補助電極23,24の対向方向Lを回避した位置、例えば、直交する方向位置に設けられる。また、給電線28,28も光透過窓5,5とは別の方向に引き出されている。
とりわけ、光源装置がVUVを放射する場合、反射ミラーと被処理物との間にレンズ等の光学素子を用いると、かかる光学素子によって光の吸収や減衰が生じて光の利用効率が低下することになるが、本発明に係る光源装置によれば光学素子を介在させずに直接取り出す構成とされているので、高い効率で均一なVUVを放射することが可能になる。
2 ショートアークフラッシュランプ
21,22 主電極
23,24 始動補助電極
26,26 (始動補助電極の)外部リード
27 (主電極の)外部リード
28 給電線
3 反射ミラー
31 反射面
4 遮光板
A アーク
S 始動補助電極の陰
Claims (4)
- ハウジング内に、発光管の内部に一対の主電極と、該一対の主電極間に配置された一対の始動補助電極を有するショートアークフラシュランプと、該フラシュランプからの光を平行光として下方に反射する反射ミラーとを有するとともに、前記ハウジングの下方には光透過窓が設けられてなる光源装置において、
前記光透過窓は、前記ハウジングの下方に設けられた遮光板の一部に設けられているとともに、該光透過窓は、前記フラッシュランプの直下を避けた位置に形成されていることを特徴とする光源装置。 - 前記光透過窓は、前記遮光板において、前記始動補助電極の対向方向を避けた位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
- 前記フラッシュランプが両端封止型のランプであって、
前記光透過窓は、前記遮光板において、前記主電極から前記反射ミラーの下方側に導出された外部リードへの給電線の配線方向を避けた位置に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光源装置。 - 前記フラッシュランプは複数本並列配置され、
前記反射ミラーには、前記複数本のフラッシュランプの各々に対応した複数の反射面が連設して形成され、
前記光透過窓が矩形形状であり、前記反射ミラーの複数の反射面からの反射光を透過するように同一方向に並列配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光源装置。
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