JP2006236756A - ショートアーク型放電灯 - Google Patents

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宏 桑畑
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Abstract

【課題】ショートアーク型放電灯において、ランプの立ち上がり特性と放射照度特性と寿命特性とを良好に満足しつつ、口金内部の構造部材を強固に固着して、電力供給導体の酸化と口金の抜けを防止する。
【解決手段】ショートアーク型放電灯における口金内部構造に、ランプ点灯に伴う熱の影響により口金が脱落することと口金内部における部材が分断されることと電力供給導体の酸化とを防ぐ機能を有する補強構造を設ける。口金入り口からランプステム先端までのランプステム挿入寸法を15mm以上とする。ランプステムの端部における封止形状を、ランプ長軸に向かって垂直にくぼみまたは突起を有する形状とする。第2のシール用ガラス部材8とリード線11の間に、筒状ガラス部材18を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、ショートアーク型放電灯に関し、特に、プロジェクタ用光源や、半導体製造装置の露光用光源や、液晶表示器製造装置の露光用光源として用いられるショートアーク型放電灯に関する。
プロジェクタ光源や、半導体製造プロセスなどにおける露光工程用光源として使用されているショートアーク型放電灯は、高照度化が要求されている。この種のショートアーク型放電灯(以下、単にランプと称する)は、一般に投入電力が1kW以上となり、点灯時の温度がかなり高いことが知られている。高照度化を行うための一方法として、水銀や希ガスなどをより多く封入し、紫外域のランプ発光効率を向上させる方法がある。この場合、ランプ点灯により、電極や発光管の温度は、非常に高くなる。これらの高温部が、ランプの各部に熱負荷を与え、最悪の場合、破損あるいは不点灯となることが知られている。以下に、ショートアークランプにおいて発生する熱の影響を考慮した従来技術の例を説明する。
プロジェクタの光源装置では、ケーシング内に配置されたキセノンランプが極めて高温になり、外部リード棒も高温となる。外部リード棒が高温となると、段継ぎガラス部も高温となり、熱歪により、段継ぎガラスに亀裂が発生することがある。また、口金内の外部リード棒は大気に触れているので、高温で酸化が急速に進む。この酸化が外部リード棒の封止管内の部分に伝播すると、封止部にある段継ぎガラス部を構成する石英ガラスを押し広げる力が働き、ついには亀裂が発生する。
これらの問題に対し、従来は、口金の周面に、対向する一対の通風用開口を設置し、口金の外面に冷却ファンを設置して対応していた。しかし、口金内のリード線の一部分しか冷却されず、問題が十分に解決されなかった。その問題を解決するため、特許文献1において、「ショートアーク型放電ランプおよび光源装置」が提案された。このランプでは、石英ガラス製の発光容器内に、一対の電極が対向配置されている。電極と電気的に接続された外部リード棒が、発光管容器の両端に連設された封止管から伸びだしている。封止管に取り付けられた有底筒状の口金に、外部リード棒がリード線を介して電気的に接続されている。
このような放電ランプにおいて、口金の周面に通風用の第1開口を形成するとともに、少なくとも一方の口金内の尾端面にも、通風用の第2開口を形成する。これにより、冷却風の口金内への流入を容易にして、口金内の外部リード棒を冷却する。このようにして、外部リード棒を効率的に冷却でき、外部リード棒が高温で酸化することを抑制して、ランプの寿命を長くすることができる。このようなランプを利用した光源装置においては、ランプの交換頻度の少ない信頼性の高い光源装置とすることができる。さらに、外部リード棒の温度が低くなることより、従来よりもランプの全長を短くすることができ、光源装置の小型化が可能となる。
また、従来知られているプロジェクタ用のショートアークランプは、輝度を向上させるためにランプに大電流を流し、ガス圧力の高い仕様としている。このような過酷な条件においても、破裂耐性のあるランプ構造が求められている。そのため、電極を支持するリード棒を、発光管に続く封止管から直接外部に突出させる構造をとり、封止管とリード棒間の封止に段継ぎガラスを用いた封止構造が余儀なくされている。そして、投影装置内においては、発光管を取り囲むようにして、反射面が回転楕円面状の反射鏡と、反射面が回転球面状の反射鏡が設置され、反射集光された光は、光出射窓を透過してフィルムや液晶等に照射される。
しかし、電極間で発生するアークは、一定の広がりを持つものである。反射鏡の焦点から外れた位置に存在するアークから放射された光が、電極や反射鏡を経て、封止管やリード棒や段継ぎガラスに照射される。特に、光を吸収するリード棒が光照射されることによって、リード棒が高温となる。すると、リード棒の熱が伝導され、段継ぎガラスの温度が上がり、段継ぎガラスに歪が生じ、ついには亀裂が発生して、封止構造が破壊されるという問題があった。また、大気にさらされた部分のリード棒の高温化により酸化が発生し、リード棒の膨張も起こる。これにより、その上に接している段継ぎガラスに亀裂が入り、封止構造が破壊されるという問題があった。
これらの問題を解決するため、特許文献2において、「ショートアーク型放電ランプ」が提案された。このランプでは、放電ランプ発光管に続く封止管と、発光管内に配置される電極を支持するリード線とが、封止管内で段継ぎガラスによって封着されている。封止管の外表面に、熱吸収膜(高輻射率部材)を設ける。熱吸収膜の表面に、光反射膜を設けることにより、封止管の外部から、封止管内に存在するリード棒に光が照射されることを防止する。封止管内部からランプ外の方向に抜ける光を、高輻射率部材で吸収する。さらに、リード棒から輻射される熱を、高輻射率部材で吸収する。その熱を、光反射部材を介して放熱させる。これにより、リード棒の温度上昇を防止することができる。したがって、リード棒に封着されている段継ぎガラスの温度上昇を防止でき、段継ぎガラスに亀裂が発生せず、封止構造の破壊が起こらない。
また、放電灯が外れないようにした工夫もある。特許文献3に開示された「放電灯装置」は、放電灯がホルダキャップから抜けないようにした放電灯装置である。直管状の放電灯の端部を受容するホルダキャップと放電灯の間隙に、接着剤が充填されている。ホルダキャップは、前方に開口が形成されており、放電灯の管軸に沿った筒状部がある。ホルダキャップの筒状部の内面に、その周囲の接着剤と係合する凸状または凹状の係止部が形成されている。ホルダキャップと接着剤との位置関係が、係止部により規定される。
このように、外気に接しているリード棒が高温で酸化することを防止する構造や、リード棒に封着されている段継ぎガラスのクラックによる封止構造の破壊を防止する構造が、従来検討されている。
特開2001-216938号公報 特開2004-22452号公報 特開2001-283628号公報
しかしながら、上記従来のランプでは、以下のような問題がある。ランプを長時間点灯すると、特に、ランプの温度が高温となる大型のランプにおいては、電力を供給するリード線とランプステムを共に固定する口金が抜けてしまうことがある。最悪の場合、口金の抜けの反動により、ランプのリード線と連結されている電力供給線とシール用ガラス部材とシールガラスとが分断され、放電空間と外気の気密度が保たれなくなる。また、電力供給線が酸化によって溶断されることによって、ランプとしての機能が全く果たせなくなる。
ランプ点灯前の状態においては、口金部分に対して口金が抜ける方向に外部からの力がかかっていない状態であることから、ランプ点灯中に口金が抜ける理由は、ランプの熱源から伝達される熱の影響が主要因と考えられる。口金が熱によって抜ける現象は、次のように説明できる。すなわち、ランプステムとリード線を固定する口金の内部に使用されている接着剤に微量に含まれている水分が、熱源からの熱により蒸発する。その蒸気圧により、口金が固着されているランプステムを、口金から引き離す方向に力が発生する。また、接着剤の熱膨張率とランプステム部の熱膨張率の違いにより、接着剤がランプステム部から乖離することも原因の1つである。
金属部材の酸化や、各部材(電力供給線、シール用ガラス部材、シールガラス、金属箔)の分断は、口金の抜け現象から二次的に起こっていると考えられる。したがって、ランプの熱源の影響は、リード棒自体や段継ぎガラスなどの熱源に近接した部材のみに及ぶものではないことを、これらの事情は示唆している。また、従来の技術においては、口金が受ける熱の影響を考慮したものはなく、熱の悪影響を十分に解決したものではないといえる。
本発明の目的は、上記従来の問題を解決して、ショートアーク型放電灯において、動作が良好で長寿命であるという特性を維持しながら、ランプステムとリード線と口金部が高温となっても、口金が抜けないようにし、口金内部の各部材(シールガラス、金属箔、電力供給線シール用ガラス部材)が分断されないようにし、金属部材が酸化しないようにすることである。
上記の課題を解決するために、本発明では、ショートアーク型放電灯において、口金に対して挿入するランプステムの挿入寸法を、口金におけるランプステム挿入口先端からランプステムの端までの長さとして、15mm以上とした。また、ランプステムと口金端面との間に、電力供給導体の少なくとも一部を覆う筒状ガラス部材を設けた。また、シールガラスの封止形状を、ランプ長軸に対して垂直の向きのくぼみと突起のうちの少なくとも1つを有する形状とした。
このように構成したことにより、ショートアーク放電灯において、立ち上がり特性や照度特性や寿命特性を良好に満足しながら、長時間破損することなく安全に点灯できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1〜図7を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施例1は、ランプステム端部と電力供給導体を接着剤で固定する口金に挿入するランプステム部分の寸法を15mm以上としたショートアークランプ型放電灯である。
最初に、図1と図2を参照しながら、本発明の実施例1におけるショートアーク型放電灯の構造を説明する。図1は、ショートアーク型放電灯の概略図である。図1において、発光管1は、ショートアーク型放電灯のガラスバルブである。放電空間2は、水銀が封入された放電用の密閉空間である。発光管1内に、タングステンなどの高融点金属からなる1対の陰極3と陽極4が配置されている。陰極3と陽極4それぞれは、電極支持棒5aと電極支持棒5bによって支えられている。シールガラス6a、6b(以下、シールガラス6と総称することがある)は、発光管1から延長され、この発光管1を気密に封じるガラスである。
第1のシール用ガラス部材7a、7b(以下、第1のシール用ガラス部材7あるいは単にシール用ガラス部材7と総称することがある)は、電極支持棒5a、5bとシールガラス6a、6bとの間を封じて、電極支持棒5a、5bを保持するガラスである。第2のシール用ガラス部材8a、8b(以下、第2のシール用ガラス部材8あるいは単にシール用ガラス部材8と総称することがある)は、電極支持棒5a、5bを支え、ランプステムを構成する主要な部位である。金属箔9a、9b(以下、金属箔9と総称することがある)は、第2のシール用ガラス部材8a、8bとシールガラス6a、6bとの間に配置され、電極支持棒5a、5bと電力供給線を電気的に接続する導体である。
口金10a、10bは、リード線11a、11b(以下、リード線11と総称することがある)と電力供給線と電極支持棒5a、5bを、金属箔9a、9bを介して電気的に接続するとともに、ショートアーク型放電灯を保持するための導体である。リード線11a、11bは、ショートアーク型放電灯に電流を流すための導体である。シールガラス6a、6bおよび第2のシール用ガラス部材8a、8bと第1のシール用ガラス部材7a、7bとで、発光管1が封止されている。これにより、放電空間2と外気とが完全に隔離された状態で、外部からランプに通電することができる。
実施例1においては、特に必要な場合を除き、第1のシール用ガラス部材7a、7bを、単にシール用ガラス部材として説明する。また、図1において、陽極4側の金属箔9aは、その断面形状のみを示してある。放電空間2には、希ガスと、水銀などの紫外線発光元素が封入されている。紫外線発光元素は、可視光から紫外線までの領域にかけて高い強度の発光スペクトルを有する元素である。それぞれの極性のリード線11a、11bに直流電流を印加すると、陽極4と陰極3との間にアーク放電が発生する。放電空間2の中で発生した紫外線が、光透過性の発光管1の発光管球面部を透過して放射される。
図2は、本発明の実施例1におけるショートアーク型放電灯のランプステムとリード線とを固定する口金の断面構造を示す概略図である。図2において、ランプステム12は、ランプの電極引出部である。電力供給線13は、リード線11とランプステム12の金属箔(図示しないが図1の9aまたは9bに相当)とをロウ付け14を介して電気的に接続する導線である。リード線11は、口金に挿通された電力供給用の導線である。接着剤16は、口金とランプステムを接着する部材である。口金10は、電気的接続手段であるとともに、ランプを機械的に保持するための部材である。
なお、ランプステム12は、図1における第2のシール用ガラス部材8a(または8b)と金属箔9a(または9b)とシールガラス6a(または6b)の一体構造を総称しているものである。図2では、ランプステム12の断面の詳細は省略してある。また、ランプステム12は、口金10に寸法Aほど挿入され、接着剤16により、口金10と電力供給線13とランプステム12が固定される。このとき、寸法Aは、ランプステムの端から口金におけるランプステム挿入口先端までと規定したものであり、以下、ランプステムの口金への挿入寸法と称する。
ランプステム12から出された電力供給線13は、ロウ付け14によりリード線11と接続され、口金10のリード線取り出し口からリード線11が送り出されている。なお、リード線11と電力供給線13は共に、電極への電力供給用の導体であるため、本発明においては、両者を含めて電力供給導体ということがある。ランプがランプ点灯装置に搭載される際には、ランプ長軸方向の口金10の端面で固定され、ランプ長軸が水平面に対して垂直となる状態で点灯される。
次に、本発明の実施例1におけるショートアーク型放電灯の最適構造の決定方法を説明する。口金10に対するランプステム12端部の挿入寸法と、口金10の抜け抗力との定量的な関係を、実験により求めた。口金10に対するランプステム12の挿入寸法を、ランプステム12の端から口金10におけるランプステム挿入口の先端までと規定する。実験では、この挿入寸法を5〜25mmと変えた12kWクラスの大型ショートアークランプを用意し、1000時間点灯した後の口金10の抜け抗力と、口金10に対するランプステム12の挿入寸法との関係を測定した。さらに、口金10を固定するために使用した接着剤16の乾燥温度を50〜200℃と変えたときの影響も測定した。
実験結果を図3に示す。ランプステム12の口金10への挿入寸法を変化させた際の口金10の抜け抗力(N)の変化を示してある。口金10の抜け抗力は、口金10を固定するための接着剤16の乾燥温度よりも、むしろランプステム12の口金10への挿入寸法の違いによって大きく変動している。口金10の抜け抗力は、ランプステム12の口金10への挿入寸法に強く依存している。このことは、口金抜けの原因と考えられる水蒸気圧を発生させる水分量は、接着剤の乾燥時間の違いによって、大きく変動しないことを示唆している。
口金10へのランプステム12の挿入寸法が大きいと、口金10の抜け抗力が大きくなる。これは、接着剤16とランプステム部との接着面積が大きくなり、口金10が抜ける方向に対する抵抗がいっそう増すからである。
問題なく1000時間以上点灯させた末期ランプ製品においては、口金10の抜け抗力の測定試験により、口金10の抜け抗力が800〜1000Nの範囲であることはすでに確認済みである。すなわち、口金10の最低抜け抗力は、800Nである。口金10の抜け抗力が800Nである点に対応するランプステム挿入寸法は、接着剤16の乾燥温度が50℃の場合が15mm、150℃の場合が12.7mm、200℃の場合が7.5mmである。ランプステム挿入寸法が7.5mm〜15mmである範囲においては、接着剤16の乾燥温度によっては、口金10の最低抜け抗力が保証されない分布となっている。
ランプステム12の口金10への挿入寸法が15mm以上である範囲では、接着剤16の乾燥温度が最も低い50℃においても、口金10の最低抜け抗力に達している。このことから、挿入寸法を長くすることには、口金10の抜け防止以外に、接着剤16の乾燥工程において、加熱するためのコストが低減できる、という効果もある。この範囲のランプは、長時間の点灯においても、安定したランプ特性を示すことが確認できた。これらの効果は、小型ランプから大型ランプまでの全般において得られる。
上記のように、本発明の実施例1では、口金に挿入するランプステムの寸法を15mm以上とすることにより、口金が抜けにくくなり、長時間の点灯においても安定したランプ特性が得られる。
本発明の実施例2は、ランプステムと口金との間に、電力供給導体を覆う筒状ガラス部材を設けたショートアーク型放電灯である。
本発明の実施例2におけるショートアーク型放電灯の基本的なランプ構造と口金内部構造は、図1と図2に示したものと同様である。図4は、本発明の実施例2におけるショートアーク型放電灯のランプステムと電力供給線13とリード線11とを固定する口金のランプ端部における断面構造を示す図である。実施例2においては、ランプステム12におけるリード線側の第2のシール用ガラス部材8の端側に、筒状ガラス部材18が配置されている。即ち、筒状ガラス部材18は、シールガラス6の端面の内側に位置し、第2のシール用ガラス部材8の端面側に固着されているものである。そして、口金10は、ランプステム12とリード線11の一部と電力供給線13(リード線11の一部と電力供給線13をまとめて電力供給導体という)とを覆い、これらの部材を接着剤16により固定している。
この構造のランプと、筒状ガラス部材18を設けていない構造のランプを用意し、口金10の抜け抗力の試験を行った。試験対象としたランプは、1000時間以上点灯済みの12kWの大型ショートアークランプである。口金に挿入するランプステムの挿入寸法は、本発明サンプルランプも従来型サンプルランプも同一とした。なお、口金にランプステムを挿入する寸法を、ランプステムの端から口金におけるランプステム挿入口先端までと規定した。本発明サンプルランプにおいては、従来構造のランプステム端面側に、筒状ガラス部材18が加えられている。
実験結果を図5に示す。第2のシール用ガラス部材8に対して、筒状ガラス部材18を設けたランプにおいては、口金の抜け抗力が1258Nとなった。筒状ガラス部材18を設けていない従来構造のランプよりも大きい値となった。この効果は、リード線11と第2のシール用ガラス部材8との間に、電力供給線13を支える筒状ガラス部材18を設けたことによって、接着剤とランプステムの端部の寸法が伸び、接着剤16との接着面積が増えたことによるものである。
しかし、着目すべき主な効果はそれだけではない。口金の抜き試験後に、口金内部断面を観察した。口金の内部断面を見るために、口金を切断した。従来の口金内部構造のランプでは、シールガラス6と電力供給線13と第2のシール用ガラス部材8が、それぞれ分断されていた。電力供給線13は、ほぼ全域にわたって酸化していた。しかし、本発明の口金内部構造のランプでは、口金10を切断した際に、シールガラス6と電力供給線13と第2のシール用ガラス部材8と筒状ガラス部材18が、固着されていることが観察された。筒状ガラス部材18に覆われた部分の電力供給線13は、ほとんど酸化していなかった。これは、最も温度が高くなるランプステム12に隣接する電力供給線13に筒状ガラス部材18を設けたので、筒状ガラス部材18が電力供給線13の熱を吸収し、酸化に至る温度に達しなかったためと考えられる。
また、電力供給線13の大部分が、接着剤16と直接接していない構造となることで、接着剤に含まれる水分と化学反応しなったためとも考えられる。このことより、実施例2の口金内部構造であれば、ランプステムとリード線の固着状態を良好に保つことができ、金属部材の酸化防止と口金の抜け防止もできることが明らかになった。この構造のランプは、長時間の点灯においても、安定したランプ特性を示すことが確認できた。これらの効果は、小型ランプから大型ランプまでの全般において得られる。
上記のように、本発明の実施例2では、シール用ガラス部材とリード線との間に筒状ガラス部材を設けた構成としたので、電力供給線とシール用ガラス部材とシールガラスを良好に固着でき、金属部材の酸化と口金の抜けを防止でき、長時間の点灯においても安定したランプ特性が得られる。
本発明の実施例3は、ランプステムと口金との結合部分のシールガラスの封止形状を、ランプ長軸の垂直方向に向かってくぼみまたは突起を有する形状としたショートアーク型放電灯である。
本発明の実施例3におけるショートアーク型放電灯の基本的なランプ構造と口金内部構造は、図1と図2に示したものと同様である。図6に、本発明の実施例3におけるショートアーク型放電等のステム部の封止形状を示す。図6(a)は、第1のシール用ガラス部材7と第2のシール用ガラス部材8と金属箔9が、シールガラス6によって封止された状態を示す図である。第2のシール用ガラス部材8の末端付近におけるシールガラス6の形状は、ランプ長軸に対して垂直に、且つシールガラス6の全周にくぼみXをつけ、さらにその延長部は、くぼみXから広がるような突部Yを有する形状である。
図6(b)は、最終的なランプ完成品における口金内部のランプ端部における断面構造を示す図である。シールガラス6のくぼみXおよび突部Yの形状を残した位置で、シールガラスを切断する。シールガラス6と電力供給線13と銀ロウ14と口金10(裏側)とに直接接するように、接着剤16を充填する。銀ロウ14は、リード線11と電力供給線13を接続して、電力供給導体を形成している部分である。これらを接着剤16で互いに固着させることで、ランプステムとリード線11を固定する。
実施例3のランプと、ステム端部におけるシールガラスの形状に何も手を加えない従来型ランプを対象として、口金の抜け抗力を測定した。試験用のランプは、12kWの大型ショートアークランプである。従来型ランプと実施例3のランプとについて、1000時間点灯した後の口金抜け抗力を比較した。図7に実験結果を示す。従来の口金内部構造であると、抜け抗力が953Nであるのに対し、実施例3のランプでは1305Nとなった。明らかに、実施例3のランプでは、口金が抜けにくくなっている。口金の抜け抗力が高くなった理由は、接着剤に直接接するステム部端部の形状を、ランプ長軸に向かって垂直にくぼみXを入れる構造としたためである。接着剤16との接着面積を増やすことができ、さらに、口金が抜ける方向に対して全く逆のひっかかり抵抗が生じる構造となったためである。
ランプステム部に口金を組み付けるためにシールガラスを切断する際、従来の構造では、第2のシール用ガラス部材8の端部とシールガラス6との封止部の付け根でクラックが生じることが多かった。最悪の場合、第2のシール用ガラス部材8とシールガラス6に挟まれている電力供給線13が固着されずに、外れてしまうことがあった。しかし、実施例3の構造では、シールガラスを切除する作業を行っても全くクラックが生じないし、第2のシール用ガラス部材8と金属箔9と電力供給線13とシールガラス6の強固な固着が確保される。
この構造のランプでは、長時間の点灯においても、安定したランプ特性を示すことが確認できた。これらの効果は、小型ランプから大型ランプまでの全般において得られる。なお、ランプステムの端部におけるシールガラスの形状を、くぼみに代えて突起としてもよい。あるいは、くぼみと突起を組み合わせた形状としてもよい。いずれの形状でも、同一の効果が得られる。
上記のように、本発明の実施例3では、ショートアーク型放電灯のランプステムと口金との結合部分のシールガラスの封止形状を、ランプ長軸の垂直方向に向かってくぼみまたは突起を有する形状としたので、口金抜けが防止でき、シールガラスにクラックが発生せず、長時間の点灯においても安定したランプ特性が得られる。
本発明のショートアーク型放電灯は、プロジェクタ用光源や、半導体集積回路や液晶表示装置の製造における露光工程用光源として最適である。
本発明の実施例1におけるショートアーク型放電灯の概念図である。 本発明の実施例1におけるショートアーク型放電灯のランプステムとリード線とを固定する口金の断面構造概略図である。 本発明の実施例1におけるランプステムの口金への接着寸法と口金の抜け抗力との関係を示すグラフである。 本発明の実施例2におけるショートアーク型放電灯のランプステムとリード線とを固定する口金の断面構造概略図である。 本発明の実施例2における口金の抜け抗力を従来例と比較した表である。 本発明の実施例3における口金内部のランプステムの端部の封止形状の概略図である。 本発明の実施例3における口金の抜け抗力を従来例と比較した表である。
符号の説明
1 発光管
2 放電空間
3 陰極
4 陽極
5 電極支持棒
6 シールガラス
7 第1のシール用ガラス部材
8 第2のシール用ガラス部材
9 金属箔
10 口金
11 リード線
12 ランプステム
13 電力供給線
14 ロウ付け
16 接着剤
18 筒状ガラス部材

Claims (4)

  1. ガラスの発光管と、前記発光管内の放電空間に設けられた陽極と陰極の両電極と、前記電極を支える電極支持棒と、前記電極支持棒を支えるシール用ガラス部材と、前記シール用ガラス部材を封着する前記発光管端部のシールガラスと、電力供給導体から前記電極へ通電するために前記電極支持棒に電気的に接続された金属箔と、前記シールガラスおよび前記シール用ガラス部材とで構成され前記金属箔が前記シールガラスと前記シール用ガラス部材との間に挟まれて封止されているランプステムと、前記ランプステムの端部と前記電力供給導体とを接着剤により固定する口金とを具備するショートアークランプ型放電灯において、前記口金内に、ランプ点灯に伴う熱の影響により前記口金が脱落することを防ぐ機能を有する補強構造を設けたことを特徴するショートアークランプ型放電灯。
  2. 前記補強構造は、前記口金に対して挿入する前記ランプステムの挿入寸法を、前記口金におけるランプステム挿入口先端から前記ランプステムの端までの長さとして、15mm以上とした構造であることを特徴とする請求項1に記載のショートアーク型放電灯。
  3. 前記補強構造は、前記ランプステムと口金端面との間に、前記電力供給導体の少なくとも一部を覆う筒状ガラス部材を設けた構造であることを特徴とする請求項1に記載のショートアーク型放電灯。
  4. 前記補強構造は、前記シールガラスの封止形状を、ランプ長軸に対して垂直の向きのくぼみと突起のうちの少なくとも1つを有する形状とした構造であることを特徴とする請求項1に記載のショートアーク型放電灯。
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