JP5186823B2 - 高圧放電ランプ及び高圧放電ランプを用いた光照射装置 - Google Patents
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図10は、特許文献1に記載される従来の光照射装置91のための説明図であり、高圧放電ランプ92の長手方向に沿った断面図である。
光照射装置91は、後述する高圧放電ランプ92を備えており、その長手方向に沿った外方に筒状のジャケット93を配置したものである。
内方に高圧放電ランプ92を配置されたジャケット93の両端には、冷却水Lの供給路・排出路となる流路形成部材941,942が設けられる。
高圧放電ランプ92の両端には円環状の支持部材95が設けられ、支持部材95は流路形成部材941,942の内部に支持される。これにより、高圧放電ランプ92はジャケット93の中心軸に延在するように配置され、高圧放電ランプ92の外周面とジャケット93の内周面との間に流路96が形成される。
流路形成部材941,942には、冷却水Lが漏れ出ることを防止するOリング971,972が設けられる。
高圧放電ランプ92の放電管921は例えば石英ガラスにより形成される。放電管921の発光部922の内部924には、水銀などの発光金属と希ガスが封入され、一対の棒状の電極925が発光部922の中心軸に延在するように配置される。放電管921の発光部922の管軸方向の両端には、封止部923が設けられる。封止部923には電極925と外部リード926とを電気的に接続する例えばモリブデンからなる箔927が埋設される。放電管921の封止部923には、これを囲繞するベース928が設けられる。ベース928の端部からは、外部リード926が突出する。
ランプ92点灯時、図10に示すように、高圧放電ランプ92とジャケット93との間に形成された流路96に冷却水Lが流される。これにより、高温となった放電管921は冷却水Lにより冷却される。
従来の高圧放電ランプ92における箔927と電極925との接合近傍には、図11(c)に示すように、隙間929が形成される。この隙間929は電極925の長手方向に沿って伸び、発光部922の内部924に連なっている。ランプ92点灯時、発光部922の内部924はランプ92点灯前より高圧となる。このとき、高圧となった発光部922の内部924に連なる隙間929にも圧力がかかる。箔927もしくは封止部923に引張応力が残ったまま、隙間929に圧力がかかることにより、封止部923と箔927との界面が剥離し、いわゆる「箔浮き」という現象が生じた。「箔浮き」が生じると、封止部923が破損する問題があった。
高圧放電ランプ2とジャケット3との間に形成された流路31に冷却水Lを供給・排出するため、ジャケット3の両端部近傍には、ジャケット3の長手方向に対して垂直方向に伸びる管状の流路形成部材41,42が設けられる。
流路形成部材41,42は、高圧放電ランプ2からの照射光を遮光しないようにするために、ジャケット3の長手方向において、少なくとも高圧放電ランプ2の後述する電極231,232の先端部から放電管21の端部までの部分216の径方向に設けられる。
Oリング416,426は紫外線を照射されると劣化することがある。このため、Oリング416,426は、紫外線が照射されないように、後述する放電管21における電極231,232間の径方向にある部分215以外に設けられる。また、流路形成部材41,42の流路415,425からの冷却水Lの供給・排出を妨げないために、Oリング416,426は、ジャケット3の内周面において、流路形成部材41,42からジャケット3の管軸方向の端部までの間32に設けられる。すなわち、一方の流路形成部材41からジャケット3の管軸方向の一方の流路形成部材41側の端部までの間に一方のOリング416が設けられ、他方の流路形成部材42からジャケット3の管軸方向の他方の流路形成部材42側の端部までの間に他方のOリング426が設けられる。これにより、流路形成部材41,42の有する流路415,425は、高圧放電ランプ2とジャケット3との間に形成された流路31に連続される。
ランプ2点灯時における高圧放電ランプ2の定格電圧が2000V、定格電流が1.5Aであり、ランプ2電力が3000Wである。
ランプ2点灯時、図1に示す一対の流路形成部材41,42には図示しないポンプが接続されており、図示しないポンプによって一方の流路形成部材41の内部の流路415に冷却水Lが供給される。冷却水Lは、一方のOリング416によってジャケット3の管軸方向の一方のOリング416側の端部から漏水することなく、一方の流路形成部材41の内部の流路415と連続した高圧放電ランプ2の外面とジャケット3の内面との間の流路31に供給される。ジャケット3の流路31を流れた冷却水Lは、他方のOリング426によってジャケット3の管軸方向の他方のOリング426側の端部から漏水することなく、ジャケット3の流路31に連続した他方の流路形成部材42の内部の流路425へ排出される。
なお、発光部211の内表面における管壁負荷が100W/cm2以上のような発光部211への負荷が高い高圧放電ランプ2であっても、放電管21において電極231,232間の径方向にある部分215を冷却水Lにより好適に冷却することができるので、放電管21の発光部211の過熱による破損を防止することができる。
ランプ2点灯後は、封止部212,213における少なくとも箔241,242の径方向にある部分218は高温になるため、ランプ2点灯前に比べて封止部212,213と箔241,242とは膨張した状態で密着状態を保つことになる。
これにより、ランプ2点灯時の箔241,242もしくは封止部212,213にかかっている引張応力は、ランプ2点灯前にかかっている引張応力より小さくなる。このため、発光部211の内部214が高圧となって封止部212,213と箔241,242との界面に圧力がかかったとしても、封止部212,213と箔241,242とが剥離することを防止することができる。
上記特徴により、ランプ2点灯時、封止部212,213において箔241,242の径方向にある部分218から筒状部222への伝熱作用を弱めることができる。これにより、封止部212,213と箔241,242とは高温となり、箔241,242もしくは封止部212,213にかかる引張応力をランプ2点灯前よりも小さくすることができる。従って、本実施例に係る高圧放電ランプ2は、発光部211の内部214が高圧となって封止部212,213と箔241,242との界面に圧力がかかったとしても、封止部212,213と箔241,242との剥離による破損を防止することができる。
上記特徴により、高圧放電ランプ2の封止部212,213の過冷却を防止することができる。これにより、光照射装置1が具備する高圧放電ランプ2における封止部212,213と箔241,242との剥離による破損を防止することができる。また、高圧放電ランプ2の発光部211の外周面を冷却水Lで充分に冷却することができるので、発光部211の過熱による破損を防止することができる。
ランプ2点灯時、図1に示す一対の流路形成部材41,42には図示しないポンプが接続されており、図示しないポンプによって一方の流路形成部材41の内部の流路415に冷却水Lが供給される。冷却水Lは、一方のOリング416によってジャケット3の管軸方向の一方のOリング416側の端部から漏水することなく、一方の流路形成部材41の内部の流路415と連続した高圧放電ランプ2の外面とジャケット3の内面との間の流路31に供給される。ジャケット3の流路31を流れた冷却水Lは、他方のOリング426によってジャケット3の管軸方向の他方のOリング426側の端部から漏水することなく、ジャケット3の流路31に連続した他方の流路形成部材42の内部の流路425へ排出される。
なお、発光部211の内表面における管壁負荷が100W/cm2以上のような発光部211への負荷が高い高圧放電ランプ2であっても、放電管21において電極231,232間の径方向にある部分215を冷却水Lにより好適に冷却することができるので、放電管21の発光部211の過熱による破損を防止することができる。
ランプ2点灯後は、封止部212,213における少なくとも箔241,242の径方向にある部分218は高温になるため、ランプ2点灯前に比べて封止部212,213と箔241,242とは膨張した状態で密着状態を保つことになる。
これにより、ランプ2点灯時の箔241,242もしくは封止部212,213にかかっている引張応力は、ランプ2点灯前にかかっている引張応力より小さくなる。このため、発光部211の内部214が高圧となって封止部212,213と箔241,242との界面に圧力がかかったとしても、封止部212,213と箔241,242とが剥離することを防止することができる。
このため、本実施例に係る高圧放電ランプ2においては、放電管21における発光部211の内部に位置する電極231,232部分の径方向にある部分217と筒状部222との間に、周方向に伸びる空隙26が形成される。この空隙26が形成されることにより、放電管21における発光部211の内部に位置する電極231,232部分から筒状部222への伝熱作用を弱められるので、冷却水Lによる過冷却を防止することができ、水銀の未蒸発による照度低下を防止することができる。
上記特徴により、ランプ2点灯時、封止部212,213において箔241,242の径方向にある部分218から筒状部222への伝熱作用を弱めることができる。これにより、封止部212,213と箔241,242とは高温となり、箔241,242もしくは封止部212,213にかかる引張応力をランプ2点灯前よりも小さくすることができる。従って、本実施例に係る高圧放電ランプ2は、発光部211の内部214が高圧となって封止部212,213と箔241,242との界面に圧力がかかったとしても、封止部212,213と箔241,242との剥離による破損を防止することができる。
上記特徴により、高圧放電ランプ2の封止部212,213の過冷却を防止することができる。これにより、光照射装置1が具備する高圧放電ランプ2における封止部212,213と箔241,242との剥離による破損を防止することができる。また、高圧放電ランプ2の発光部211の外周面を冷却水Lで充分に冷却することができるので、発光部211の過熱による破損を防止することができる。
高圧放電ランプ2とジャケット3との間に形成された流路31に冷却水Lを供給・排出するため、高圧放電ランプ2とジャケット3の両端には、内部に冷却水Lの流路415,425を有したL字状の流路形成部材41,42が配置される。
流路形成部材41,42は、高圧放電ランプ2からの照射光を遮光しないようにするために、ジャケット3の長手方向において、少なくとも高圧放電ランプ2の後述する電極231,232の先端部から放電管21の端部までの部分216の径方向に設けられる。
Oリング413,414,423,424は紫外線を照射されると劣化することがある。このため、Oリング413,414,423,424は、紫外線が照射されないように、後述する放電管21における電極231,232間の径方向にある部分215以外に設けられる。
ランプ2点灯時、図1に示す一対の流路形成部材41,42には図示しないポンプが接続されており、図示しないポンプによって一方の流路形成部材41の内部の流路415に冷却水Lが供給される。冷却水Lは、一方のOリング416によってジャケット3の管軸方向の一方のOリング416側の端部から漏水することなく、一方の流路形成部材41の内部の流路415と連続した高圧放電ランプ2の外面とジャケット3の内面との間の流路31に供給される。ジャケット3の流路31を流れた冷却水Lは、他方のOリング426によってジャケット3の管軸方向の他方のOリング426側の端部から漏水することなく、ジャケット3の流路31に連続した他方の流路形成部材42の内部の流路425へ排出される。
なお、発光部211の内表面における管壁負荷が100W/cm2以上のような発光部211への負荷が高い高圧放電ランプ2であっても、放電管21において電極231,232間の径方向にある部分215を冷却水Lにより好適に冷却することができるので、放電管21の発光部211の過熱による破損を防止することができる。
ランプ2点灯後は、封止部212,213における少なくとも箔241,242の径方向にある部分218は高温になるため、ランプ2点灯前に比べて封止部212,213と箔241,242とは膨張した状態で密着状態を保つことになる。
これにより、ランプ2点灯時の箔241,242もしくは封止部212,213にかかっている引張応力は、ランプ2点灯前にかかっている引張応力より小さくなる。このため、発光部211の内部214が高圧となって封止部212,213と箔241,242との界面に圧力がかかったとしても、封止部212,213と箔241,242とが剥離することを防止することができる。
また、空隙26に封入された大気は、例えば石英ガラスで形成された筒状部に比べて熱伝導性が低い。このため、封止部212,213において少なくとも箔241,242の径方向にある部分218から筒状部222への伝熱作用を好適に弱められる。
このため、本実施例に係る高圧放電ランプ2においては、放電管21における発光部211の内部に位置する電極231,232部分の径方向にある部分217と筒状部222との間に、周方向に伸びる空隙26が形成される。この空隙26が形成されることにより、放電管21における発光部211の内部に位置する電極231,232部分から筒状部222への伝熱作用を弱められるので、冷却水Lによる過冷却を防止することができ、水銀の未蒸発による照度低下を防止することができる。
上記特徴により、ランプ2点灯時、封止部212,213において箔241,242の径方向にある部分218から筒状部222への伝熱作用を弱めることができる。これにより、封止部212,213と箔241,242とは高温となり、箔241,242もしくは封止部212,213にかかる引張応力をランプ2点灯前よりも小さくすることができる。従って、本実施例に係る高圧放電ランプ2は、発光部211の内部214が高圧となって封止部212,213と箔241,242との界面に圧力がかかったとしても、封止部212,213と箔241,242との剥離による破損を防止することができる。
上記特徴により、高圧放電ランプ2の封止部212,213の過冷却を防止することができる。これにより、光照射装置1が具備する高圧放電ランプ2における封止部212,213と箔241,242との剥離による破損を防止することができる。また、高圧放電ランプ2の発光部211の外周面を冷却水Lで充分に冷却することができるので、発光部211の過熱による破損を防止することができる。
また、図7に示した高圧放電ランプ2は、図1及び図2の光照射装置1に用いることもできる。
電極231,232,箔241,242,外部リード251,252及び保持部材27からなる接続体28は、図8(b)に示すように、電極231,232の箔241,242の上から突出する先端部を、その径方向につば部221が位置するように、放電管21の両端に配置される。配置された接続体28は、外部リード251,252に接続された保持部材27が放電管21の内周面を押圧することにより、放電管21の内周面に固定される。これにより、接続体28は、電極231,232の先端部がつば部221の中心に配置され、電極231,232が放電管21の中心軸に延在するように固定される。
これらにより、本発明に係る高圧放電ランプ2は製造される。
上記特徴により、封止部と箔との剥離による破損を防止した高圧放電ランプを製造することができる。
2 高圧放電ランプ
21 放電管
211 発光部
212 一方の封止部
213 他方の封止部
214 発光部の内部
215 電極間の径方向にある部分
216 過冷却防止部分
217 発光部の内部に位置する電極の径方向にある部分
218 箔の径方向にある部分
219 外部リードの径方向にある部分
221 つば部
222 筒状部
223 凹部
224 つば部
225 凹部
231 一方の電極
232 他方の電極
241 一方の箔
242 他方の箔
251 一方の外部リード
252 他方の外部リード
26 空隙
27 保持部材
28 接続体
281 箔の上に載置された電極の部分
282 箔の上に載置された外部リードの部分
283 箔の上から突出する外部リードの部分
3 ジャケット
31 流路
32 流路形成部材からジャケットの管軸方向の端部までの間
41 一方の流路形成部材
411 大径の口締め部
412 小径の口締め部
413 一方のOリング
414 一方のOリング
415 流路
416 一方のOリング
42 他方の流路形成部材
421 大径の口締め部
422 小径の口締め部
423 他方のOリング
424 他方のOリング
425 流路
426 他方のOリング
51 反射面
52 反射鏡
6 マスクステージ
7 ワークステージ
R1 放電管の発光部の外径寸法
R2 筒状部の内径寸法
L 冷却水
M マスク
W ワーク
Claims (4)
- 内部に一対の電極が対向配置されると共に少なくとも水銀が封入される発光部と該発光部の両端から伸びると共に箔を埋設する封止部とを有し、石英ガラスからなる放電管と、
該封止部の両端から突出する外部リードと、
からなる高圧放電ランプにおいて、
石英ガラスからなるつば部が前記放電管における前記発光部の内部に位置する電極部分の径方向にある部分に設けられ、
石英ガラスからなる筒状部が前記封止部を囲繞するように設けられると共に前記つば部に接続され、
前記放電管の外周面において、前記封止部の外周面と前記筒状部の内周面とからなる空隙が設けられ、当該空隙が前記つば部からその近傍の前記封止部の端部までに沿って伸びるように形成され、
前記つば部及び前記筒状部は前記放電管に一体的に形成される
ことを特徴とする高圧放電ランプ。 - 前記放電管における前記発光部の内部に位置する電極部分の径方向にある部分は、電極の先端部の径方向の位置である
ことを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ。 - 請求項1〜2のいずれかに記載の高圧放電ランプを具備し、
ランプ点灯時において前記高圧放電ランプの外周面に沿って冷却水が流れる流路を形成するジャケットが前記高圧放電ランプの外方に配置された
ことを特徴とする光照射装置。 - Oリングを前記筒状部の外面と前記ジャケットとの間に設けた
ことを特徴とする請求項3に記載の光照射装置。
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