JP2005203102A - 閃光放電ランプおよび閃光放電ランプを備えた閃光放射装置 - Google Patents

閃光放電ランプおよび閃光放電ランプを備えた閃光放射装置 Download PDF

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幸裕 森本
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正博 中原
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Abstract

【課題】 ランプ点灯駆動時における、閃光放電ランプから発せられる衝撃波のレベルを低減することができ、従って、当該衝撃波に起因する炸裂音および振動の発生を確実に防止または抑制することができる閃光放電ランプおよび閃光放射装置を提供すること。
【解決手段】 本発明の閃光放電ランプは、200nm以下の波長範囲に光透過域を有する材料よりなる発光管を備え、この発光管の外表面に、酸化イットリウムを主成分とする、波長が200nm以下の光に対して吸収特性を有する光線吸収層が設けられた構成とされている。閃光放射装置は、上記閃光放電ランプを備えてなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、200nm以下の波長範囲に光透過域を有する材料よりなる発光管を有する閃光放電ランプおよびこの閃光放電ランプを搭載した閃光放射装置に関し、具体的には、例えばシリコンウエハなどの基板を光照射により急速に加熱処理するための閃光放射装置の光源(加熱源)として用いられる閃光放電ランプおよび閃光放射装置に関する。
現在、例えば半導体製造工程においては、例えばシリコンウエハなどの基板の表面に酸化膜を形成するための成膜工程や、シリコンウエハの表層部分におけるシリコン結晶に対してホウ素や砒素などの不純物イオンを注入した状態において、例えば1000℃以上の加熱処理を施すことで、当該不純物を拡散させる拡散工程などを行うに際して、基板を光照射によって加熱処理することが行われている。
このような熱処理をシリコンウエハに行うために用いられる光照射装置としては、例えば、加熱源であるハロゲンランプから放射される光をシリコンウエハに対して照射することによって当該シリコンウエハを急速に加熱し、その後、急速に冷却することができるRTP(Rapid Thermal Process)装置が知られている。
近年、半導体集積回路の高集積化あるいは微細化の要請が一層強くなってきており、このような要請に対して、例えばシリコンウエハに対する拡散処理においては、シリコンウエハの表面からの深さが20nm以下の浅い領域(表層領域)において不純物を拡散させることが必要とされている。
しかしながら、ハロゲンランプを加熱源として備えた光照射装置においては、シリコンウエハの表面からの深さが25〜30nmの領域に対して熱処理を行うことが限界であり、表面からの深さが20nm以下の浅い領域において、不純物の拡散処理を行うことができない、という問題がある。
一方、シリコンウエハの表面から極めて浅い領域に不純物を拡散させる方法として、例えばキセノン(Xe)ガスと塩素(Cl)ガスとの混合ガスを発光物質とするXe−Clレーザを備え、このXe−Clレーザによる数ミリメートルのスポット径を有するレーザ光をスキャン(走査)しながら照射するレーザ照射装置を用いる方法が知られている。
しかしながら、このようなレーザ照射装置は、非常に高価なものであり、シリコンウエハの表面を小さなスポット径のレーザビームによりスキャンしながら熱処理することが必要とされるため、極めて処理効率が低く、高いスループット(生産性)を得ることが困難である、という問題がある。
以上のような問題に対して、例えば多数本の閃光放電ランプが互いに平行に並んだ状態で筺体内に配置されてなる閃光放射装置を用い、当該多数本の閃光放電ランプを一斉に点灯駆動させることにより、シリコンウエハに対して極めて短時間の熱処理を施す方法が提案されている(特許文献1参照)。このような方法によれば、多数本の閃光放電ランプを加熱源として用いていることにより、シリコンウエハの表面からの深さが20nm以下の浅い領域においても不純物の拡散処理を行うことができると共に、大面積のシリコンウエハに対して熱処理を行うことができる。さらに、閃光放電ランプによる熱処理は、シリコンウエハに対する光の照射時間が極めて短いため、シリコンウエハの温度上昇を表面層のみに留めることができ、これにより、シリコンウエハの変形や破損を防止することができる、という利点がある。
しかしながら、このような多数本の閃光放電ランプが加熱源として設けられてなる閃光放射装置においては、近年におけるウエハの大面積化の要請に対応するために、多数本の閃光放電ランプを一斉に点灯させているため、閃光放電ランプにおける発光管の周囲に非常に大きな衝撃波が発生して大きな炸裂音とともに振動が発生する、という問題がある。具体的には、例えば、各々、発光管の長さが360mm、発光管内に対向配置された陰極および陽極の電極間距離(発光長)が280mmの閃光放電ランプ21本を、5kJの入力エネルギーとなる点灯条件で一斉に点灯駆動させた場合には、閃光放射装置の周囲で発生する衝撃波のレベルは約90dBにも達することが知られている(例えば特許文献1参照)。
また、シリコンウエハの製造現場において、上記のような閃光放射装置がシリコンウエハに対する適宜の熱処理を行うために設置されている場合には、当該閃光放射装置が音源または振動源となって種々の問題が生じる。すなわち、例えば、回路パターンの露光工程などにおいては、サブミクロンオーダーの線幅の露光処理が必要とされるが、発光装置における閃光放電ランプの点灯駆動に伴ってシリコンウエハそれ自体やシリコンウエハの加工装置に振動が伝達され、その結果、加工精度が低下することがある、という問題が生ずる。
さらに、閃光放電ランプの点灯駆動時における炸裂音が非常に大きいため、作業者の身体に対しても種々の悪影響を与えるおそれがある。
特開2003−66197号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、ランプ点灯駆動時における、閃光放電ランプから発せられる衝撃波のレベルを低減することができ、従って、当該衝撃波に起因する炸裂音の発生および振動の発生を確実に防止または抑制することができる閃光放電ランプおよび当該閃光放電ランプを備えた閃光放射装置を提供することを目的とする。
本発明の閃光放電ランプは、200nm以下の波長範囲に光透過域を有する材料よりなる発光管を備え、この発光管の外表面に、酸化イットリウムを主成分とする、波長が200nm以下の光に対して吸収特性を有する光線吸収層が設けられていることを特徴とする。
本発明の閃光放電ランプにおいては、発光長が10cm以上であり、単位発光長あたりの入力エネルギーが10J/cm以上である点灯条件で点灯駆動される構成とすることができる。
本発明の閃光放射装置は、上記の閃光放電ランプを備えてなることを特徴とする。
本発明の閃光放射装置においては、複数本の閃光放電ランプを備えてなり、当該複数本の閃光放電ランプが一斉に点灯駆動される構成とされていることが好ましい。
本発明の閃光放電ランプによれば、特定の波長範囲に光透過域を有する材料よりなる発光管を有し、この発光管の外表面に、特定の波長光に対して吸収特性を有する、酸化イットリウムを主成分とする光線吸収層が形成されていることにより、当該閃光放電ランプの点灯駆動時において、閃光放電ランプから発せられる衝撃波のレベルを小さく低減することができ、従って、当該衝撃波に起因する炸裂音の発生および振動の発生を確実に防止または抑制することができる。
本発明の閃光放射装置によれば、上記閃光放電ランプが搭載されているので、閃光放電ランプの点灯駆動に伴って衝撃波が発生することが確実に防止または抑制され、これにより、例えば半導体製造工程においてシリコンウエハに対して所定の熱処理を行う場合において、従来の構成の閃光放電ランプであれば当該ランプの点灯駆動に伴って発生する衝撃波に起因して加工精度を低下させる、という問題が生ずることが確実に防止され、当該閃光放射装置による所期の処理を確実に行うことができると共に、作業者が閃光放電ランプの点灯駆動に伴う衝撃波に起因する炸裂音による悪影響を受けることを確実に防止することができる。
以下、本発明について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の閃光放電ランプの一例における構成の概略を示す説明用断面図である。
この閃光放電ランプ10は、両端が封止された直管状の発光管11を備えており、この発光管11内には、陰極12および陽極13が対向配置されており、当該陰極12または陽極13を先端に有する、例えばタングステンよりなる電極芯棒14、15が、発光管11内をその管軸方向に沿って伸び、後端が発光管11の両端におけるシール部を介して外方に突出するよう配置されている。陰極12および陽極13は、例えば先端に向かうに従って小径となる先端部を有する円柱状のものである。
陰極12および陽極13の電極間距離は、例えば10cm以上、好ましくは15〜60cmとされている。
また、発光管11内には、例えばアルゴン、キセノン、クリプトン及びこれらの混合ガスが発光物質として封入されている。
発光管11は、200nm以下の波長範囲に光透過域を有する材料、具体的には、例えばシリカ(SiO2 )またはアルミナ(Al2 3 )を主成分とする材料などにより構成されている。ここにいう「主成分」とは、発光管11を構成する材料全体の重量に対するシリカまたはアルミナの重量の割合が97%以上であることをいう。
この閃光放電ランプ10における発光管11の外表面の全面には、波長が200nm以下の光(真空紫外線)に対して吸収特性を有する光線吸収層20が形成されている。ここに、光線吸収層20が発光管11の内表面に設けられた場合には、発光管11内で発生するアークにより光線吸収層20が損傷してしまうことがあり、波長が200nm以下の光に対する所期の吸収特性を得ることができない。
光線吸収層20は、酸化イットリウム(Y2 3 )を主成分とする材料により構成されている。ここにいう「主成分」とは、光線吸収層20全体の重量に対する酸化イットリウムの重量の割合が80%以上であることをいう。
光線吸収層20の厚みは、例えば0.1〜3.0μmであることが好ましく、特に、好ましくは0.3μmである。これにより、閃光放電ランプ10から放射される波長が200nm以下の光に対して、所期の光線吸収特性が確実に得られ、しかも、所期の特性を有する光線吸収層20を極めて容易に形成することができる。
光線吸収層20は、例えばディップコーティング法によって形成することができる。
具体的には、3〜10重量%、望ましくは5重量%の酸化イットリウムを含有するゾル液(光線吸収層形成材料)をシリンダー内に用意し、チューブ状(直管状)の発光管構成材料を、両端を気密に塞いだ状態で、その一端からゾル液に例えば1cm/分の速さで浸漬し、その後、同じ速度で発光管構成材料をゾル液から引き上げ、当該発光管構成材料をその管軸が鉛直方向に伸びるよう保持した状態で、例えば3〜10時間の間大気中で放置することにより水や有機溶媒等を除去し、その後、大気雰囲気下において、例えば500〜1000℃、より好ましくは600〜800℃で加熱し、発光管構成材料の外表面における光線吸収層形成材料を焼結することにより、得られる。ここに、光線吸収層形成材料であるゾル液には特別なバインダー等は含有されておらず、粘度の調整は特に行っていないものである。
光線吸収層20は、上記の形成方法に限定されるものではなく、例えばスパッタリング法などによって形成することができる。
上記構成の閃光放電ランプ10によれば、波長が200nm以下の光に対して吸収特性を有する、酸化イットリウムを主成分とする光線吸収層20が形成されていることにより、閃光放電ランプ10の点灯駆動時において炸裂音および振動が発生することを確実に防止または抑制することができる。この理由は、以下のように考えられる。
すなわち、閃光放電ランプより放射される光(例えば160〜200nmの波長範囲に放射強度のピークを有する)、特に、波長が200nm以下の光(真空紫外線)が、閃光放電ランプの近傍に存在する酸素、または閃光放射装置を構成した場合における当該閃光放射装置内に存在する酸素と反応してオゾンを生成する。空間における占有体積は、オゾンの方が酸素に比較して小さいため、オゾンが生成されると空気振動が生じ、この空気振動が閃光放電ランプの点灯駆動時における大きな炸裂音および振動の発生要因の一つとなっていることに着目した。
然るに、本発明に係る閃光放電ランプ10によれば、発光管11の外表面に光線吸収層20が形成されていることにより、オゾンの生成に寄与する波長が200nm以下の光が当該光線吸収層20によって吸収され、後述する実験例にも示されているように、当該波長光が実質的に外部へ放射されることがほとんどない(図5参照。)。具体的には、全放射光エネルギーに対する200nm以下の光エネルギーの割合が例えば3%以下となる状態とすることができる。その結果、閃光放電ランプ10の点灯駆動時におけるオゾンの生成が確実に防止または抑制され、その結果、オゾンの生成に伴う衝撃波の発生が防止または衝撃波のレベルの程度が小さく抑制されるものと考えられる。
従って、光線吸収層20を具備していない従来の閃光放電ランプであればランプ点灯駆動時に非常に大きな衝撃波が生ずる、という問題が生ずることが確実に防止され、当該衝撃波に起因する炸裂音および振動の発生が確実に防止または抑制される。
そして、従来の構成のものであれば、波長が200nm以下の光の放射量が多くなることに伴ってオゾンの生成量が多くなり、当該オゾンの生成に起因して、点灯駆動時に生ずる衝撃波(炸裂音および振動)のレベルの程度が使用に供されないものとなる条件、具体的には、発光長Lの大きさが10cm以上であり、かつ、単位発光長あたりの入力エネルギーが10J/cm以上である条件で点灯駆動される構成とすることができ、このような閃光放電ランプ10によれば、閃光放射装置の光源(加熱源)として用いられた場合に、被光放射物について所期の処理を高い効率で確実に行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、本発明において、光線吸収層20が発光管11の外表面の全面に設けられていることは必須の要件ではなく、例えば図2に示されているように、光線吸収層20が、少なくとも発光管11の外周面における発光部(陽極13の先端部と陰極14の先端部との間の空間)に相当する部分を含む部分に設けられてさえいれば、光線吸収層20が設けられた部分以外の部分から発光管11を透過して外部に放射される光の放射量は極めて少ないので、図1に示すものと同様、実際上十分な効果が得られる。
本発明の閃光放電ランプ10は、例えばシリコンウエハなどの基板を光照射により急速に加熱処理するための閃光放射装置の光源として用いられる。以下に、本発明の閃光放射装置について説明する。
図3は、本発明の閃光放射装置の一例における構成の概略を示す説明用断面図である。 この閃光放射装置30は、発光管の外表面に光線吸収層が設けられてなる1本の閃光放電ランプ10と、この閃光放電ランプ10と同方向に伸び、当該閃光放電ランプ10を覆うよう配置された、一方に光放射口31Aを有する反射鏡31とを備えている。図3において、32は、閃光放電ランプ10を反射鏡31に固定するための固定部材である。
閃光放電ランプ10における光線吸収層は、波長が200nm以下の光に対して吸収特性を有する、酸化イットリウムを主成分とする材料により構成されている。
この例における反射鏡31は、例えばアルミニウムよりなり、閃光放電ランプ10のランプ中心軸(発光管の管軸)に直交する断面において、内表面が例えば楕円面または放物面に沿った形態を有するものとされている。
反射鏡31の内表面には、例えばアルミニウムよりなる反射膜が例えば蒸着法により形成されており、これにより、閃光放電ランプ10からの光は、反射鏡31により反射されて光放射口31Aから放射される。
而して、上記構成の閃光放射装置30によれば、閃光放電ランプ10が波長が200nm以下の光に対して吸収特性を有する、酸化イットリウムを主成分とする光線吸収層が形成されてなるものであることにより、閃光放電ランプ10の点灯駆動時に衝撃波が発生することが防止または衝撃波のレベルの程度が小さく抑制されるので、当該衝撃波に起因する炸裂音および振動が発生することが確実に防止または抑制され、閃光放射装置それ自体が音源または振動源となることがなく、従って、例えば半導体製造工程において、シリコンウエハに対して光照射により所定の熱処理を行うに際しての閃光放射装置として適用された場合であっても、閃光放射装置30の駆動(閃光放電ランプ10の点灯駆動)に伴う振動を原因としてシリコンウエハの加工精度を低下させることがなく、所期の熱処理を確実に行うことができると共に、閃光放射装置30の駆動(閃光放電ランプ10の点灯駆動)に伴う炸裂音によって作業者に対して悪影響を与えることを確実に防止することができる。
以上においては、本発明の閃光放射装置について、1本の閃光放電ランプ10を光源(加熱源)として備えてなるものを例に挙げて説明したが、上述したように、本発明の閃光放電ランプ10は、その点灯駆動時における衝撃波のレベルの程度が小さく抑制されたものとすることができるので、多数本の閃光放電ランプ10が配設されてなり、当該多数本の閃光放電ランプ10が一斉に点灯駆動される閃光放射装置の光源として用いられる場合に、極めて有用である。
図4は、本発明の閃光放射装置の他の例における構成の概略を示す説明用断面図である。
この閃光放射装置40は、例えばアルミニウムまたはステンレス鋼よりなる、全体が直方体の箱状の筺体41を備え、この筺体41の一面(図4において下面)には、閃光放電ランプ10からの光を放射するための開口部41Aが形成されている。
筺体41の開口部41Aには、例えば石英ガラスよりなる光透過窓42が当該開口部41Aを塞ぐよう嵌合されて設けられている。
筺体41の内部空間には、多数本の閃光放電ランプ10が互いに離間して並んだ位置において、各々平行に伸びるよう配設されており、閃光放電ランプ10の各々は、波長が200nm以下の光に対して吸収特性を有する酸化イットリウムを主成分とする材料よりなる光線吸収層が発光管の外表面に設けられてなるものである。
各々の閃光放電ランプ10は等間隔毎に配置されており、隣り合う閃光放電ランプ10のランプ中心軸(発光管の管軸)間の離間距離の大きさdは、被光放射物に対して実質的に均一に光を放射することができるという理由から、例えば10〜20mmとなる状態とされていることが好ましい。
閃光放電ランプ10の本数は特に制限されるものではなく、目的に応じて適宜に設定することができる。
また、筺体41の内部空間には、閃光放電ランプ10の後方、すなわち筺体41における開口部41Aと反対側の位置に、各々の閃光放電ランプ10からの光を反射して光透過窓42を介して外部に放射するための、例えばアルミニウムよりなる反射鏡43が閃光放電ランプ10と同方向に伸びるよう配置されている。
上記の閃光放射装置40においては、閃光放電ランプ10が、適宜の点灯駆動手段によって、各々同一の点灯条件で一斉に点灯駆動されて、各々の閃光放電ランプ10からの光が直接または反射鏡43によって反射されて光透過窓42を介して外部に放射される。
而して、上記構成の閃光放射装置40によれば、閃光放電ランプ10が波長が200nm以下の光に対して吸収特性を有する光線吸収層が形成されてなるものであることにより、閃光放電ランプ10の点灯駆動時に衝撃波が発生することが防止または衝撃波のレベルの程度が小さく抑制されるので、当該衝撃波に起因する炸裂音および振動が発生することが確実に防止または抑制され、閃光放射装置40それ自体が音源または振動源となることがなく、従って、例えば半導体製造工程において、シリコンウエハに対して光照射により所定の熱処理を行うに際しての閃光放射装置として適用された場合であっても、閃光放射装置40の駆動(閃光放電ランプ10の点灯駆動)に伴う振動を原因としてシリコンウエハの加工精度を低下させることがなく、所期の熱処理を確実に行うことができると共に、閃光放射装置40の駆動(閃光放電ランプ10の点灯駆動)に伴う炸裂音によって作業者に対して悪影響を与えることを確実に防止することができる。
以下に、本発明の効果を確認するために行った実験例を示す。
〔閃光放電ランプの作製〕
図1に示す構成に従って本発明に係る閃光放電ランプ(10)を作製した。この閃光放電ランプ(10)の具体的な構成は、以下に示すとおりである。
発光管(11)は、アルミナ(酸化アルミニウム)(全体の重量に対するアルミナの重量の割合が99%)よりなり、外径が14mm、内径が10mm、全長が200mmの直管状のものである。
陰極(12)は、酸化バリウムをドープしたタングステンの焼結体よりなり、最大外径が9mm、全長が10mmのものである。
陽極(13)は、タングステンよりなり、最大外径が9mm、全長が10mmのものである。
電極芯棒(14,15)は、いずれも、タングステンよりなる直径が3mm、全長が20mmのロッド状のものである。
陰極(12)および陽極(13)の電極間距離で示される発光長Lの大きさを160mmとした。
発光管(11)内には、キセノンガスを53kPa封入した。
光線吸収層(20)は、光線吸収層全体の重量に対する酸化イットリウムの重量の割合が96%であるものよりなり、厚みが0.3μmである。
光線吸収層は、5重量%の酸化イットリウムを含有するゾル液をシリンダー内に用意し、発光管構成材料を、両端を気密に塞いだ状態で、その一端からゾル液に1cm/分の速さで浸漬し、その後、同じ速度で発光管構成材料をゾル液から引き上げ、発光管構成材料をその管軸が鉛直方向に伸びるよう保持した状態で、例えば5時間の間大気中で放置することにより水や有機溶媒等を除去し、その後、大気雰囲気下において、700℃で加熱して発光管構成材料の外表面における光線吸収層形成材料を焼結することにより、形成した。
この閃光放電ランプをランプ電圧が2700V、単位発光長あたりの入力エネルギーが75J/cmとなる点灯条件で点灯駆動させ、当該閃光放電ランプから放射される光の放射強度分布を調べた。結果を図5に示す。
光線吸収層を具備していないこと以外は上記閃光放電ランプと同様の構成を有する比較用の閃光放電ランプを作製した。
<実験A>
図3に示す構成に従って、本発明に係る閃光放電ランプ1本を備えた本発明に係る閃光放射装置(30)、および比較用の閃光放電ランプ1本を備えた比較用の閃光放射装置をそれぞれ作製した。
反射鏡(31)は、アルミニウムよりなり、その内表面にアルミニウムよりなる反射膜が蒸着法により形成されてなるものである。
本発明に係る閃光放射装置および比較用の閃光放射装置をそれぞれ閑静な環境の実験室内に配置し、各々の閃光放射装置における閃光放電ランプを、ランプ電圧が2700V、単位発光長あたりの入力エネルギーが75J/cmの点灯条件で点灯駆動させた際に、当該閃光放射装置から発せられる炸裂音の測定を行った。結果を下記表1に示す。
炸裂音の測定は、コンデンサーマイクロフォンを用いて、閃光放射装置の設置位置から光放射口の開口方向に対して側方に1m離れた場所で行い、各々の閃光放射装置について3回ずつ測定した。表1中の数値は、コンデンサーマイクロフォンによって得られた出力値の各々の平均値を音圧値(dB)で示したものである。
<実験B>
図4に示す構成に従って、本発明に係る閃光放電ランプ5本を備えた本発明に係る閃光放射装置(40)、および比較用の閃光放電ランプ5本を備えた比較用の閃光放射装置を作製した。
各々の閃光放射装置において、隣り合う閃光放電ランプのランプ中心軸間の離間距離(d)を15mmとした。
これらの閃光放射装置について、上記実験Aと同様にして、閃光放電ランプの点灯駆動時に発せられる炸裂音の測定を行った。結果を下記表1に示す。

Figure 2005203102
以上のように、本発明に係る閃光放射装置においては、閃光放電ランプの点灯駆動時における炸裂音のレベルの程度が従来における閃光放電ランプを備えた閃光放射装置(比較用の閃光放射装置)と比較して小さく抑制されること、具体的には、本発明に係る閃光放電ランプを備えた閃光放射装置によれば、その点灯駆動時における炸裂音が従来における閃光放電ランプを備えた閃光放射装置の炸裂音の約70%程度の大きさまで抑制されることが確認された。この結果より、閃光放電ランプから放射される200nm以下の波長の光を除去(カット)することにより、閃光放射装置内もしくはその近傍にてオゾンが生成されることが防止されて、当該オゾンの生成に伴う衝撃波の発生が抑制されたものと考えられる。
本発明の閃光放電ランプの一例における構成の概略を示す説明用断面図である。 本発明の閃光放電ランプの他の例における構成の概略を示す説明用断面図である。 本発明の閃光放射装置の一例における構成の概略を示す説明用断面図である。 本発明の閃光放射装置の他の例における構成の概略を示す説明用断面図である。 実験例において作製した本発明に係る閃光放電ランプについての放射強度分布を示すグラフである。
符号の説明
10 閃光放電ランプ
11 発光管
12 陰極
13 陽極
14、15 電極芯棒
20 光線吸収層
30 閃光放射装置
31 反射鏡
31A 光放射口
32 固定部材
40 閃光放射装置
41 筺体
41A 開口部
42 光透過窓
43 反射鏡

Claims (4)

  1. 200nm以下の波長範囲に光透過域を有する材料よりなる発光管を備え、この発光管の外表面に、酸化イットリウムを主成分とする、波長が200nm以下の光に対して吸収特性を有する光線吸収層が設けられていることを特徴とする閃光放電ランプ。
  2. 発光長が10cm以上であり、単位発光長あたりの入力エネルギーが10J/cm以上である点灯条件で点灯駆動されることを特徴とする請求項1に記載の閃光放電ランプ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の閃光放電ランプを備えてなることを特徴とする閃光放射装置。
  4. 複数本の閃光放電ランプを備えてなり、当該複数本の閃光放電ランプが一斉に点灯駆動されることを特徴とする請求項3に記載の閃光放射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012119205A (ja) * 2010-12-02 2012-06-21 Panasonic Corp 閃光放電管及びストロボ装置
JP2013127921A (ja) * 2011-12-19 2013-06-27 Ushio Inc 一端封止型ショートアーク型フラッシュランプ

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