JP2006179583A - 閃光放射装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の閃光放射装置は、200nm以下の波長範囲に光透過領域を有する材料よりなる光透過窓を備えた筐体内に、当該材料よりなる発光管を備えた閃光放電ランプを配置してなり、前記光透過窓の少なくとも一方の面に、酸化イットリウムを主成分とする、波長が200nm以下の光に対して吸収特性を有する光線吸収層が設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
しかしながら、ハロゲンランプを加熱源として備えた光照射装置においては、シリコンウエハの表面からの深さが25〜30nmの領域に対して熱処理を行うことが限界であり、表面からの深さが20nm以下の浅い領域において、不純物の拡散処理を行うことができない、という問題がある。
しかしながら、このようなレーザ照射装置は、非常に高価なものであり、シリコンウエハの表面を小さなスポット径のレーザビームによりスキャンしながら熱処理することが必要とされるため、極めて処理効率が低く、高いスループット(生産性)を得ることが困難である、という問題がある。
さらに、閃光放電ランプの点灯駆動時における炸裂音が非常に大きいため、作業者の身体に対しても種々の悪影響を与えるおそれがある。
光線吸収層1は、酸化イットリウム(Y2O3)を主成分とする材料により構成されている。ここにいう「主成分」とは、光線吸収層1全体の重量に対する酸化イットリウムの重量の割合が80%以上であることをいう。
光線吸収層1は、上記の形成方法に限定されるものではなく、例えばスパッタリング法などによって一方の面(例えば、図1において閃光放電ランプ20が配置された側と反対側の面)のみに形成することもでき、他方の面(図1において閃光放電ランプ20が配置された側の面)のみに形成することもできる。
閃光放電ランプ20は、両端が封止された直管状の発光管21を備えており、この発光管21内には、陰極22および陽極23が対向配置されており、当該陰極22または陽極23を先端に有する、例えばタングステンよりなる電極芯棒24、25が、発光管21内をその管軸方向に沿って伸び、後端が発光管21の両端におけるシール部を介して外方に突出するよう配置されている。陰極22および陽極23は、例えば先端に向かうに従って小径となる先端部を有する円柱状のものである。
陰極22および陽極23の電極間距離は、例えば10cm以上、好ましくは15〜60cmとされている。
また、発光管21内には、例えばアルゴン、キセノン、クリプトン及びこれらの混合ガスが発光物質として封入されている。
すなわち、閃光放電ランプ20より放射され光透過窓13を透過した光(例えば160〜200nmの波長範囲に放射強度のピークを有する)、特に、波長が200nm以下の光(真空紫外線)が、筐体11の外部に存在する酸素と反応してオゾンを生成する。空間における占有体積は、オゾンの方が酸素に比較して小さいため、オゾンが生成されると空気振動が生じ、この空気振動が閃光放電ランプの点灯駆動時における大きな炸裂音および振動の発生要因の一つとなっていることに着目した。
従って、光透過窓13が光線吸収層1を具備していない従来の閃光放射装置であればランプ点灯駆動時に非常に大きな衝撃波が生ずる、という問題が生ずることが確実に防止され、当該衝撃波に起因する炸裂音および振動の発生が確実に防止または抑制される。
閃光放射装置30は、全体が直方体の箱状の筐体11を備え、この筐体11の側面(図3において左右の面)には、ガスの吸排のための吸入口15、排出口16が設けられ、一面(図3において下面)に形成された開口部12には、光透過窓13が嵌合されている。筐体11の外側には、例えばガスボンベなどのガス供給手段17が配設され、筐体11内にガスを導入するためのガス供給手段17に接続された導入パイプ18が、吸入口15に接続されている。
さらには、図1、3に示す閃光放射装置10、30において、筐体11内に、発光管21の外表面にY2O3を主成分とする光線吸収層1を光透過窓13に形成する場合と同じ方法により設けた閃光放電ランプ20を使用することもできる。
図1に示す構成を参考にして、下記の仕様により後述の表1の実施例1〜5に係る閃光放射装置を製作した。実施例1に係る閃光放射装置は、発光管21の外表面および光透過窓13の全表面の両方に光線吸収層1を設けた構成である。実施例2〜4に係る閃光放射装置は、光透過窓13の全表面にのみ光線吸収層1を設け、発光管21には光線吸収層1を設けていない構成である。実施例5に係る閃光放射装置は、発光管21、光透過窓13の何れにも光線吸収層を設けず、酸素濃度のみを規定した構成である。
各々の閃光放射装置は、3本の閃光放電ランプを備えることとし、隣り合う閃光放電ランプのランプ中心軸間の離間距離(d)を15mmとし、閃光放電ランプは図2に示す構成に従って製作したもので仕様は共通とする。
〔閃光放射装置の仕様〕
筐体11は、アルミニウムよりなり、縦300mm、横100mm、高さ100mmの全体が直方体の箱状のものである。
光透過窓13は、合成石英ガラスよりなり、縦200mm、横50mm、高さ3mmの板状のものである。
光線吸収層1は、光線吸収層全体の重量に対する酸化イットリウムの重量の割合が96%であるものよりなり、厚みが0.3μmである。
発光管21は、アルミナ(酸化アルミニウム)(全体の重量に対するアルミナの重量の割合が99%)よりなり、外径が14mm、内径が10mm、全長が200mmの直管状のものである。
陰極22は、酸化バリウムをドープしたタングステンの焼結体よりなり、最大外径が9mm、全長が10mmのものである。
陽極23は、タングステンよりなり、最大外径が9mm、全長が10mmのものである。
電極芯棒24,25は、いずれも、タングステンよりなる直径が3mm、全長が15mmのロッド状ものである。
陰極22および陽極23の電極間距離で示される発光長Lの大きさを160mmとした。
発光管21内には、キセノンガスを53kPa封入した。
これらの閃光放射装置について、本発明に係る閃光放射装置および比較用の閃光放射装置をそれぞれ閑静な環境の実験室内に配置し、各々の閃光放射装置における閃光放電ランプを、ランプ電圧が2700V、単位発光長あたりの入力エネルギーが75J/cmの点灯条件で点灯駆動させた際に、当該閃光放射装置から発せられる炸裂音の測定を行った。炸裂音の測定は、コンデンサーマイクロフォンを用いて、閃光放射装置の設置位置から光放射口の開口方向に対して側方に1m離れた場所で行い、各々の閃光放射装置について3回ずつ測定した。結果を下記表1に示す。
この結果より、閃光放射装置内のみでなく閃光放射装置外でもオゾンが生成されることが防止されて、当該オゾンの生成に伴う衝撃波の発生が抑制されたものと考えられる。
10 閃光放射装置
11 筐体
12 開口部
13 光透過窓
14 反射鏡
15 吸入口
16 排出口
17 ガス供給手段
18 導入パイプ
19 筐体の内部空間
20 閃光放電ランプ
21 発光管
22 陰極
23 陽極
24、25 電極芯棒
Claims (5)
- 200nm以下の波長範囲に光透過領域を有する材料よりなる光透過窓を備えた筐体内に、当該材料よりなる発光管を備えた閃光放電ランプを配置した閃光放射装置において、
前記光透過窓の少なくとも一方の面に、酸化イットリウムを主成分とする、波長が200nm以下の光に対して吸収特性を有する光線吸収層が設けられていることを特徴とする閃光放射装置。 - 前記閃光放電ランプは、発光長が10cm以上であり、単位発光長あたりの入力エネルギーが10J/cm以上である点灯条件で点灯駆動されることを特徴とする請求項1に記載の閃光放射装置。
- 前記筐体内の前記閃光放電ランプを収納した空間における酸素濃度が18%以下であることを特徴とする請求項1に記載の閃光放射装置。
- 200nm以下の波長範囲に光透過領域を有する材料よりなる光透過窓を有する筐体内に、当該材料よりなる発光管を備えた閃光放電ランプを配置した閃光放射装置において、
前記筐体内の前記閃光放電ランプを収納した空間における酸素濃度が18%以下であることを特徴とする閃光放射装置。 - 前記発光管の外表面に、酸化イットリウムを主成分とする、波長が200nm以下の光に対して吸収特性を有する光線吸収層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の閃光放射装置。
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