JP2006179583A - 閃光放射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ランプ点灯駆動時における、閃光放電ランプから発せられる衝撃波のレベルを低減することができ、従って、当該衝撃波に起因する炸裂音の発生および振動の発生を確実に防止または抑制することができる閃光放電ランプおよび当該閃光放電ランプを備えた閃光放射装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の閃光放射装置は、200nm以下の波長範囲に光透過領域を有する材料よりなる光透過窓を備えた筐体内に、当該材料よりなる発光管を備えた閃光放電ランプを配置してなり、前記光透過窓の少なくとも一方の面に、酸化イットリウムを主成分とする、波長が200nm以下の光に対して吸収特性を有する光線吸収層が設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、閃光放電ランプを搭載した閃光放射装置に関し、具体的には、例えばシリコンウエハなどの基板を光照射により急速に加熱処理するための閃光放射装置に関する。
現在、例えば半導体製造工程においては、例えばシリコンウエハなどの基板の表面に酸化膜を形成するための成膜工程や、シリコンウエハの表層部分におけるシリコン結晶に対してホウ素や砒素などの不純物イオンを注入した状態において、例えば1000℃以上の熱処理を施すことで、当該不純物を拡散させる拡散工程などを行うに際して、基板を光照射によって加熱処理することが行われている。
このような熱処理をシリコンウエハに行うために用いられる光照射装置としては、例えば、加熱源であるハロゲンランプから放射される光をシリコンウエハに対して照射することによって当該シリコンウエハを急速に加熱し、その後、急速に冷却することができるRTP(Rapid Thermal Process)装置が知られている。
近年、半導体集積回路の高集積化あるいは微細化の要請が一層強くなってきており、このような要請に対して、例えばシリコンウエハに対する拡散処理においては、シリコンウエハの表面からの深さが20nm以下の浅い領域(表層領域)において不純物を拡散させることが必要とされている。
しかしながら、ハロゲンランプを加熱源として備えた光照射装置においては、シリコンウエハの表面からの深さが25〜30nmの領域に対して熱処理を行うことが限界であり、表面からの深さが20nm以下の浅い領域において、不純物の拡散処理を行うことができない、という問題がある。
一方、シリコンウエハの表面から極めて浅い領域に不純物を拡散させる方法として、例えばキセノン(Xe)ガスと塩素(Cl)ガスとの混合ガスを発光物質とするXe−Clレーザを備え、このXe−Clレーザによる数ミリメートルのスポット径を有するレーザ光をスキャン(走査)しながら照射するレーザ照射装置を用いる方法が知られている。
しかしながら、このようなレーザ照射装置は、非常に高価なものであり、シリコンウエハの表面を小さなスポット径のレーザビームによりスキャンしながら熱処理することが必要とされるため、極めて処理効率が低く、高いスループット(生産性)を得ることが困難である、という問題がある。
以上のような問題に対して、例えば多数本の閃光放電ランプが互いに平行に並んだ状態で筺体内に配置されてなる閃光放射装置を用い、当該多数本の閃光放電ランプを一斉に点灯駆動させることにより、シリコンウエハに対して極めて短時間の熱処理を施す方法が提案されている(特許文献1参照)。このような方法によれば、多数本の閃光放電ランプを加熱源として用いていることにより、シリコンウエハの表面からの深さが20nm以下の浅い領域においても不純物の拡散処理を行うことができると共に、大面積のシリコンウエハに対して熱処理を行うことができる。さらに、閃光放電ランプによる熱処理は、シリコンウエハに対する光の照射時間が極めて短いため、シリコンウエハの温度上昇を表面層のみに留めることができ、これにより、シリコンウエハの変形や破損を防止することができる、という利点がある。
しかしながら、このような多数本の閃光放電ランプが加熱源として設けられてなる閃光放射装置においては、近年におけるウエハの大面積化の要請に対応するために、多数本の閃光放電ランプを一斉に点灯させているため、閃光放射装置の周囲にて非常に大きな衝撃波が発生して大きな炸裂音とともに振動が発生する、という問題があった。具体的には、例えば、各々、発光管の長さが360mm、発光管内に対向配置された陰極および陽極の電極間距離(発光長)が280mmの閃光放電ランプ21本を、1本当たり5kJの入力エネルギーとなる点灯条件で一斉に点灯駆動させた場合には、閃光放射装置の周囲で発生する衝撃波のレベルは約90dBにも達することが知られている(例えば特許文献1参照)。
また、シリコンウエハの製造現場において、上記のような閃光放射装置がシリコンウエハに対する適宜の熱処理を行うために設置されている場合には、当該閃光放射装置が音源または振動源となって種々の問題が生じる。すなわち、例えば、回路パターンの露光工程などにおいては、サブミクロンオーダーの線幅の露光処理が必要とされるが、閃光放射装置における閃光放電ランプの点灯駆動に伴ってシリコンウエハそれ自体やシリコンウエハの加工装置に振動が伝達される、その結果、加工精度が低下することがある、という問題が生ずる。
さらに、閃光放電ランプの点灯駆動時における炸裂音が非常に大きいため、作業者の身体に対しても種々の悪影響を与えるおそれがある。
特開2003−66197号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、ランプ点灯駆動時における、閃光放電ランプを搭載した閃光放射装置から発せられる衝撃波のレベルを低減することができ、従って、当該衝撃波に起因する炸裂音の発生および振動の発生を確実に防止または抑制することができる閃光放射装置を提供することを目的とする。
本発明の閃光放射装置は、200nm以下の波長範囲に光透過領域を有する材料よりなる光透過窓を備えた筐体内に、当該材料よりなる発光管を備えた閃光放電ランプを配置してなり、前記光透過窓の少なくとも一方の面に、酸化イットリウムを主成分とする、波長が200nm以下の光に対して吸収特性を有する光線吸収層が設けられていることを特徴とする。
本発明の閃光放射装置においては、発光長が10cm以上であり、単位発光長あたりの入力エネルギーが10J/cm以上である点灯条件で点灯駆動される構成とすることができる。
本発明の閃光放射装置は、200nm以下の波長範囲に光透過領域を有する材料よりなる光透過窓を有する筐体内に、当該材料よりなる発光管を備えた閃光放電ランプを配置してなり、前記光透過窓の少なくとも一方の面に、酸化イットリウムを主成分とする、波長が200nm以下の光に対して吸収特性を有する光線吸収層が設けられ、かつ、前記筐体内の前記閃光放電ランプを収納した空間における酸素濃度が18%以下であることを特徴とする。
本発明の閃光放射装置は、200nm以下の波長範囲に光透過領域を有する材料よりなる光透過窓を有する筐体内に、当該材料よりなる発光管を備えた閃光放電ランプを配置してなり、前記筐体内の前記閃光放電ランプを収納した空間における酸素濃度が18%以下であることを特徴とする。
本発明の閃光放射装置は、前記発光管の外表面に、酸化イットリウムを主成分とする、波長が200nm以下の光に対して吸収特性を有する光線吸収層が設けられていることを特徴とする。
本発明の閃光放射装置によれば、特定の波長範囲に光透過域を有する材料よりなる光透過窓を備え、この光透過窓の少なくとも一方の面に、特定の波長光に対して吸収特性を有する、酸化イットリウムを主成分とする光線吸収層が形成されていることにより、当該閃光放電ランプの点灯駆動時において、閃光放電ランプを搭載した閃光放射装置から発せられる衝撃波のレベルを小さく低減することができ、従って、当該衝撃波に起因する炸裂音の発生および振動の発生を確実に防止または抑制することができる。
さらに、本発明の閃光放射装置によれば、前記光透過窓を備えた筐体内の閃光放電ランプを収納した空間における酸素濃度を所定の濃度以下とすることにより、閃光放電ランプの点灯駆動時において、閃光放射装置から発せられる衝撃波のレベルを一層小さく低減することができる。
以上より、例えば半導体製造工程においてシリコンウエハに対して所定の熱処理を行う場合において、従来の構成の閃光放射装置であれば当該閃光放射装置内のランプの点灯駆動に伴って発生する衝撃波に起因して加工精度を低下させる、という問題が生ずることが確実に防止され、当該閃光放射装置による所期の処理を確実に行うことができると共に、作業者が閃光放射装置から発生する衝撃波に起因する炸裂音による悪影響を受けることを確実に防止することができる。
以下、図1、2を参照して本発明の閃光放射装置の一実施例について説明する。図1は本発明の閃光放射装置を説明するための断面図であり、図2は本発明の閃光放射装置に配置された閃光放電ランプを説明するための断面図である。
閃光放射装置10は、例えばアルミニウムまたはステンレス鋼よりなる、全体が直方体の箱状の筐体11を備え、この筐体11の一面(図1において下面)には、閃光放電ランプ20からの光を放射するための開口部12が形成されている。この開口部12には、光透過窓13が当該開口部12を塞ぐように嵌合されて設けられている。
光透過窓13は、200nm以下の波長範囲に光透過領域を有する材料、具体的には、例えばシリカ(SiO)またはアルミナ(Al)を主成分とする材料などにより構成されている。代表的には、合成石英ガラス、溶融石英ガラス、サファイアなどである。また、ここにいう「主成分」とは、光透過窓13を構成する材料全体の重量に対するシリカまたはアルミナの重量の割合が97%以上であることをいう。
光透過窓13には、その全周面を覆うように、波長が200nm以下の光(真空紫外線)に対して吸収特性を有する光線吸収層1が形成されている。
光線吸収層1は、酸化イットリウム(Y)を主成分とする材料により構成されている。ここにいう「主成分」とは、光線吸収層1全体の重量に対する酸化イットリウムの重量の割合が80%以上であることをいう。
光線吸収層1の厚みは、例えば0.1〜3.0μmであることが好ましく、特に、好ましくは0.3μmである。これにより、閃光放電ランプから放射される波長が200nm以下の光に対して、所期の光線吸収特性が確実に得られ、しかも、所期の特性を有する光線吸収層を極めて容易に形成することができる。
光線吸収層1は、例えばディップコーティング法によって形成することができる。具体的には、3〜10重量%、望ましくは5重量%の酸化イットリウムを含有するゾル液(光線吸収層形成材料)を容器内に用意し、板状の光透過窓構成材料を、その一端からゾル液に例えば1cm/分の速さで浸漬し、その後、同じ速度で光透過窓構成材料をゾル液から引き上げ、例えば3〜10時間の間大気中で放置することにより水や有機溶媒等を除去し、その後、大気雰囲気下において、例えば500〜1000℃、より好ましくは600〜800℃で加熱し、光透過窓構成材料の表面における光線吸収層形成材料を焼結することにより、得られる。ここに、光線吸収層形成材料であるゾル液には特別なバインダー等は含有されておらず、粘度の調整は特に行っていないものである。
光線吸収層1は、上記の形成方法に限定されるものではなく、例えばスパッタリング法などによって一方の面(例えば、図1において閃光放電ランプ20が配置された側と反対側の面)のみに形成することもでき、他方の面(図1において閃光放電ランプ20が配置された側の面)のみに形成することもできる。
筐体11の内部空間19には、多数本の閃光放電ランプ20が、互いに離間して並んだ位置において、各々平行に伸びるよう配設されている。各々の閃光放電ランプ20は等間隔毎に配置されており、隣り合う閃光放電ランプ20のランプ中心軸(発光管の管軸)間の離間距離の大きさdは、被光照射物に対して実質的に均一に光を放射することができるという理由から、例えば14〜18mmとなる状態とされていることが好ましい。閃光放電ランプ20の数は特に制限されるものではなく、目的に応じて適宜に設定することができる。
また、筐体11の内部空間19には、閃光放電ランプ20の後方、すなわち筐体11における開口部12と反対側の位置に、各々の閃光放電ランプ20からの光を反射して光透過窓13を介して外部に放射するための、例えばアルミニウムよりなる反射鏡14が閃光放電ランプ20と同方向に伸びるように配置されている。
閃光放射装置10においては、閃光放電ランプ20が、適宜の点灯駆動手段によって、各々同一の点灯条件で一斉に点灯駆動されて、各々の閃光放電ランプ20からの光が直接または反射鏡14によって反射されて光透過窓13を介して外部に放射される。
ここで、図2を用いて閃光放電ランプ20について説明する。
閃光放電ランプ20は、両端が封止された直管状の発光管21を備えており、この発光管21内には、陰極22および陽極23が対向配置されており、当該陰極22または陽極23を先端に有する、例えばタングステンよりなる電極芯棒24、25が、発光管21内をその管軸方向に沿って伸び、後端が発光管21の両端におけるシール部を介して外方に突出するよう配置されている。陰極22および陽極23は、例えば先端に向かうに従って小径となる先端部を有する円柱状のものである。
発光管21は、光透過窓13と同様に200nm以下の波長範囲に光透過領域を有する材料、具体的には、例えばシリカ(SiO)またはアルミナ(Al)を主成分とする材料などにより構成されている。
陰極22および陽極23の電極間距離は、例えば10cm以上、好ましくは15〜60cmとされている。
また、発光管21内には、例えばアルゴン、キセノン、クリプトン及びこれらの混合ガスが発光物質として封入されている。
上記構成の閃光放射装置10によれば、波長が200nm以下の光に対して吸収特性を有する、酸化イットリウムを主成分とする光線吸収層1が光透過窓13に形成されていることにより、閃光放電ランプ20の点灯駆動時において炸裂音および振動が発生することを確実に防止または抑制することができる。この理由は、以下のように考えられる。
すなわち、閃光放電ランプ20より放射され光透過窓13を透過した光(例えば160〜200nmの波長範囲に放射強度のピークを有する)、特に、波長が200nm以下の光(真空紫外線)が、筐体11の外部に存在する酸素と反応してオゾンを生成する。空間における占有体積は、オゾンの方が酸素に比較して小さいため、オゾンが生成されると空気振動が生じ、この空気振動が閃光放電ランプの点灯駆動時における大きな炸裂音および振動の発生要因の一つとなっていることに着目した。
然るに、本発明に係る閃光放射装置10によれば、光透過窓13の表面に光線吸収層1が形成されていることにより、オゾンの生成に寄与する波長が200nm以下の光が当該光線吸収層1によって吸収され、後述する実験例にも示されているように、当該波長光が実質的に筐体11外部へ放射されることがほとんどない(図4参照。)。具体的には、全放射光エネルギーに対する200nm以下の光エネルギーの割合が例えば3%以下となる状態とすることができる。その結果、閃光放電ランプ20の点灯駆動時におけるオゾンの生成が確実に防止または抑制され、その結果、オゾンの生成に伴う衝撃波の発生が防止または衝撃波のレベルの程度が小さく抑制されるものと考えられる。
従って、光透過窓13が光線吸収層1を具備していない従来の閃光放射装置であればランプ点灯駆動時に非常に大きな衝撃波が生ずる、という問題が生ずることが確実に防止され、当該衝撃波に起因する炸裂音および振動の発生が確実に防止または抑制される。
そして、従来の構成のものであれば、波長が200nm以下の光の放射量が多くなることに伴ってオゾンの生成量が多くなり、当該オゾンの生成に起因して、点灯駆動時に生ずる衝撃波(炸裂音および振動)のレベルの程度が使用に供されないものとなる条件、具体的には、発光長Lの大きさが10cm以上であり、かつ、単位発光長あたりの入力エネルギーが10J/cm以上である点灯条件で点灯駆動される構成とすることができる。本発明に係る閃光放電ランプ20の具体的な点灯条件について説明すると、単位発光長あたりの入力エネルギーが10〜150J/cmで、特に好ましくは18〜50J/cmであり、ランプ電圧が0.5kV〜6kVで、特に好ましくは1kV〜5kVであり、パルス幅(時間的電流波形の半値幅)が40〜300μsで、特に好ましくは50〜200μsであり、点灯周期(点灯時間と消灯時間の和)が5〜60sで、特に好ましくは10〜30sである。かかる閃光放電ランプを搭載した閃光放射装置10によれば、被光放射物について所期の処理を高い効率で確実に行うことができる。
さらに、本発明者は、波長が200nm以下の光が、筐体11の外部のみでなく筐体11内の前記閃光放電ランプ20を収納した空間に存在する酸素と反応してオゾンを生成することにも着目した。すなわち、筐体11内の前記閃光放電ランプ20を収納した空間に存在する酸素の量を減らすことにより、オゾンの生成量を低減することができ、これにより、オゾンの生成に伴う衝撃波の発生が防止または衝撃波のレベルの程度が小さく抑制される。以下、図3を用いて具体的に説明する。
図3は、本発明の閃光放射装置の他の実施例について説明する。図1と同一符号は同一部分を示す。
閃光放射装置30は、全体が直方体の箱状の筐体11を備え、この筐体11の側面(図3において左右の面)には、ガスの吸排のための吸入口15、排出口16が設けられ、一面(図3において下面)に形成された開口部12には、光透過窓13が嵌合されている。筐体11の外側には、例えばガスボンベなどのガス供給手段17が配設され、筐体11内にガスを導入するためのガス供給手段17に接続された導入パイプ18が、吸入口15に接続されている。
筐体11の内部空間19(閃光放電ランプ20が収納された空間)には、排出口16を閉じた状態でガス供給手段17によって、例えば窒素やアルゴンなどの不活性ガスを1〜20l(リットル)/分の割合で導入する。これにより、筐体11内部の酸素濃度は、好ましくは18%以下、特に好ましくは1%以下となるように調整される。ここにいう「酸素濃度」とは、筐体11の内部空間19における酸素分圧(筐体11の内部空間を占める全気体の圧力に対する酸素の圧力)のことをいい、通常の大気中では約20.8%である。尚、図示していないが、必要に応じて排気口16に、例えばロータリーポンプなどの排気手段を設けることにより、あらかじめ筐体11の内部空間19を排気して真空状態とした後に、不活性ガスを導入することもできる。
上記構成の閃光放射装置30によれば、筐体11の内部空間19における酸素濃度を18%以下となるように調整することにより、内部空間19でのオゾンの生成が抑制され、その結果、オゾンの生成に伴う衝撃波の発生が防止または衝撃波のレベルの程度が小さく抑制される。従って、内部空間19における酸素濃度を低減していない従来の閃光放射装置であればランプ点灯駆動時に非常に大きな衝撃波が生ずる、という問題が生ずることが確実に防止され、当該衝撃波に起因する炸裂音および振動の発生が確実に防止または抑制される。
尚、本発明の閃光放射装置は、上記実施例に限定されるものではなく、適宜の変更を加えることができる。例えば、図1に示す閃光放射装置10において、筐体11の内部空間における酸素濃度を18%以下に調整することもできる。また、図3に示す閃光放射装置30において、Yを主成分とする光線吸収層1を設けた光透過窓13を使用することもできる。
さらには、図1、3に示す閃光放射装置10、30において、筐体11内に、発光管21の外表面にYを主成分とする光線吸収層1を光透過窓13に形成する場合と同じ方法により設けた閃光放電ランプ20を使用することもできる。
以下に本発明の効果を確認するために行った実験例を示す。
〔閃光放射装置の製作〕
図1に示す構成を参考にして、下記の仕様により後述の表1の実施例1〜5に係る閃光放射装置を製作した。実施例1に係る閃光放射装置は、発光管21の外表面および光透過窓13の全表面の両方に光線吸収層1を設けた構成である。実施例2〜4に係る閃光放射装置は、光透過窓13の全表面にのみ光線吸収層1を設け、発光管21には光線吸収層1を設けていない構成である。実施例5に係る閃光放射装置は、発光管21、光透過窓13の何れにも光線吸収層を設けず、酸素濃度のみを規定した構成である。
各々の閃光放射装置は、3本の閃光放電ランプを備えることとし、隣り合う閃光放電ランプのランプ中心軸間の離間距離(d)を15mmとし、閃光放電ランプは図2に示す構成に従って製作したもので仕様は共通とする。
〔閃光放射装置の仕様〕
筐体11は、アルミニウムよりなり、縦300mm、横100mm、高さ100mmの全体が直方体の箱状のものである。
光透過窓13は、合成石英ガラスよりなり、縦200mm、横50mm、高さ3mmの板状のものである。
光線吸収層1は、光線吸収層全体の重量に対する酸化イットリウムの重量の割合が96%であるものよりなり、厚みが0.3μmである。
発光管21は、アルミナ(酸化アルミニウム)(全体の重量に対するアルミナの重量の割合が99%)よりなり、外径が14mm、内径が10mm、全長が200mmの直管状のものである。
陰極22は、酸化バリウムをドープしたタングステンの焼結体よりなり、最大外径が9mm、全長が10mmのものである。
陽極23は、タングステンよりなり、最大外径が9mm、全長が10mmのものである。
電極芯棒24,25は、いずれも、タングステンよりなる直径が3mm、全長が15mmのロッド状ものである。
陰極22および陽極23の電極間距離で示される発光長Lの大きさを160mmとした。
発光管21内には、キセノンガスを53kPa封入した。
光線吸収層を具備していないこと以外は図1に示す閃光放射装置10と同様の構成を有する比較例に係る閃光放射装置を製作した。
〔実験方法〕
これらの閃光放射装置について、本発明に係る閃光放射装置および比較用の閃光放射装置をそれぞれ閑静な環境の実験室内に配置し、各々の閃光放射装置における閃光放電ランプを、ランプ電圧が2700V、単位発光長あたりの入力エネルギーが75J/cmの点灯条件で点灯駆動させた際に、当該閃光放射装置から発せられる炸裂音の測定を行った。炸裂音の測定は、コンデンサーマイクロフォンを用いて、閃光放射装置の設置位置から光放射口の開口方向に対して側方に1m離れた場所で行い、各々の閃光放射装置について3回ずつ測定した。結果を下記表1に示す。
表1中の「○」は、光線吸収層が設けられていることを示し、「×」は、光線吸収層が設けられていないことを示す。また、表1中の「炸裂音」の数値は、コンデンサーマイクロフォンによって得られた出力値の各々の平均値を音圧値(dB)で示したものである。さらに、「酸素濃度」の数値「20.8」は、大気中、すなわち、筐体11の内部空間19に不活性ガスを導入していないことを示す。
Figure 2006179583
表1の実施例4に係る閃光放射装置の閃光放電ランプを、ランプ電圧が2700V、単位発光長あたりの入力エネルギーが75J/cmとなる点灯条件で点灯駆動させ、当該閃光放射装置から放射される光の放射強度分布を調べた。結果を図4に示す。
以上のように、本発明に係る閃光放射装置においては、閃光放射装置内の閃光放電ランプの点灯駆動時における炸裂音のレベルの程度が、従来の閃光放射装置(比較例に係る閃光放射装置)と比較して小さく抑制されることが分かる。具体的には、本発明の閃光放射装置によれば、その点灯駆動時における炸裂音を、従来における閃光放射装置の炸裂音の90%程度以下の大きさに抑制することができることが確認された。また、図4に示すように、光透過窓のみに光線吸収層を設けた構成の本発明に係る閃光放射装置によっても、波長が200nm以下の光をカットしていることが分かる。
この結果より、閃光放射装置内のみでなく閃光放射装置外でもオゾンが生成されることが防止されて、当該オゾンの生成に伴う衝撃波の発生が抑制されたものと考えられる。
本発明の閃光放射装置の一実施例を説明するための断面図である。 本発明に係る閃光放電ランプを説明するための断面図である。 本発明の閃光放射装置の他の実施例を説明するための断面図である。 本発明に係る閃光放射装置の放射強度分布を示すグラフである。
符号の説明
1 光線吸収層
10 閃光放射装置
11 筐体
12 開口部
13 光透過窓
14 反射鏡
15 吸入口
16 排出口
17 ガス供給手段
18 導入パイプ
19 筐体の内部空間
20 閃光放電ランプ
21 発光管
22 陰極
23 陽極
24、25 電極芯棒



Claims (5)

  1. 200nm以下の波長範囲に光透過領域を有する材料よりなる光透過窓を備えた筐体内に、当該材料よりなる発光管を備えた閃光放電ランプを配置した閃光放射装置において、
    前記光透過窓の少なくとも一方の面に、酸化イットリウムを主成分とする、波長が200nm以下の光に対して吸収特性を有する光線吸収層が設けられていることを特徴とする閃光放射装置。
  2. 前記閃光放電ランプは、発光長が10cm以上であり、単位発光長あたりの入力エネルギーが10J/cm以上である点灯条件で点灯駆動されることを特徴とする請求項1に記載の閃光放射装置。
  3. 前記筐体内の前記閃光放電ランプを収納した空間における酸素濃度が18%以下であることを特徴とする請求項1に記載の閃光放射装置。
  4. 200nm以下の波長範囲に光透過領域を有する材料よりなる光透過窓を有する筐体内に、当該材料よりなる発光管を備えた閃光放電ランプを配置した閃光放射装置において、
    前記筐体内の前記閃光放電ランプを収納した空間における酸素濃度が18%以下であることを特徴とする閃光放射装置。
  5. 前記発光管の外表面に、酸化イットリウムを主成分とする、波長が200nm以下の光に対して吸収特性を有する光線吸収層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の閃光放射装置。





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