JP2016191525A - 電気炉および電気炉の操業方法 - Google Patents

電気炉および電気炉の操業方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 電気炉の損傷を抑制しつつ被溶融物の溶融を促進することができる電気炉および電気炉の操業方法を提供する。
【解決手段】 電気炉は、溶融スラグに対して電気抵抗加熱することによって前記溶融スラグ上の被溶融物を溶融する電気炉であって、前記溶融スラグにバブリングを行うためのランスと、前記ランスを前記溶融スラグに対して自動で挿入および引き上げを行う駆動装置と、を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電気炉および電気炉の操業方法に関する。
一般廃棄物、産業廃棄物等の各種廃棄物は、焼却処理されることが多い。その際に生じる無機化合物を主成分とする焼却残渣(焼却灰)は、埋め立て処分されることがある。しかしながら、近年では、埋め立て処分場の確保が困難であるという問題や、環境汚染の問題が懸念されている。これらの問題に対応して、廃棄物を電気炉で溶融固化する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。この技術で生ずる溶融固化物(スラグ)は、従来の焼却処理で生ずる焼却灰と比較して無害化かつ減容化されており、資材としてリサイクルもされている。
電気炉を用いた溶融固化とは、被溶融物(焼却灰)中に挿入した電極から当該被溶融物へ電力を供給し、その際に被溶融物の電気抵抗により発生するジュール熱で被溶融物を溶融させ、溶融スラグと溶融金属とを分離して炉外へ取り出し、固化する方法である。
特開昭55−67396号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、被溶融物、特に、焼却飛灰のような軽いものは、溶融スラグの上に浮いた状態となり、被溶融物の溶融が進まないことがある。そこで、供給電力量を多くし、溶融スラグの対流を強化することで、被溶融物がスラグに巻き込まれ、溶融が進むことが考えられる。しかしながら、この場合、溶融スラグが高温になるため、電気炉の内壁が損傷するおそれがある。
本発明は上記の課題に鑑み、電気炉の損傷を抑制しつつ被溶融物の溶融を促進することができる電気炉および電気炉の操業方法を提供することを目的とする。
本発明に係る電気炉は、溶融スラグに対して電気抵抗加熱することによって前記溶融スラグ上の被溶融物を溶融する電気炉であって、前記溶融スラグにバブリングを行うためのランスと、前記ランスを前記溶融スラグに対して自動で挿入および引き上げを行う駆動装置と、を備えることを特徴とする。
前記駆動装置は、前記ランスを前記溶融スラグに対して挿入した際に、鉛直方向において、前記ランスの先端が前記被溶融物の周縁または、当該周縁よりも前記電気炉の内壁側に位置するように、前記ランスを駆動してもよい。前記駆動装置は、前記溶融スラグへの通電中に前記ランスを前記溶融スラグに対して挿入してもよい。前記溶融スラグから前記駆動装置を介した漏電を防止する絶縁部材を備えてもよい。前記絶縁部材は、前記電気炉の炉蓋、前記駆動装置における前記ランスの受けローラ、および前記ランスの後端に設けられていてもよい。
前記絶縁部材は、前記駆動装置における前記ランスの受けローラの台座、前記ランスを把持するランスホルダ、および前記ランスに気体を供給するホースに設けられていてもよい。前記駆動装置を支持する支持部材を備え、前記絶縁部材は、前記支持部材に備わり前記駆動装置を支持する支持部と、前記駆動装置のモータスプロケット取り付け部に設けられていてもよい。前記駆動装置の電圧を検知する検知部と、前記検知部が検知する電圧がしきい値を超えた場合に前記溶融スラグへの通電を遮断する遮断部と、を備えていてもよい。
前記駆動装置は、単位時間当たりの前記被溶融物の前記電気炉への投入量に応じて、前記ランスを抜き差しする時間サイクルを決定してもよい。2分以下の時間で100kg〜150kgの前記被溶融物を前記溶融スラグの表面に対して供給する供給装置を備え、前記駆動装置は、前記ランスの挿入、バブリング、および引き上げの1サイクルを50秒〜70秒で行ってもよい。前記駆動装置は、前記ランスの先端が前記溶融スラグ表面から10cm〜20cmの深さになるまで前記ランスを前記溶融スラグに挿入してもよい。前記被溶融物は、焼却灰を30mass%〜50mass%含有してもよい。
本発明に係る電気炉の操業方法は、溶融スラグに対して電気抵抗加熱することによって前記溶融スラグ上の被溶融物を溶融する電気炉において、駆動装置を用いて、前記溶融スラグにバブリングを行うためのランスを前記溶融スラグに対して自動で挿入および引き上げを行うことを特徴とする。前記ランスを複数本用い、前記バブリングによって前記被溶融物を前記溶融スラグ表面において上下反転させてもよい。
本発明に係る電気炉および電気炉の操業方法によれば、電気炉の損傷を抑制しつつ被溶融物の溶融を促進することができる。
(a)は溶融処理前の電気炉の断面図であり、(b)は溶融処理後の電気炉の断面図であり、(c)は電気炉の上面図である。 (a)は電気炉の装置構成を示すブロック図であり、(b)〜(d)はランスの抜き差しを説明する図である。 (a)および(b)はランスの挿入箇所を説明する図である。 絶縁箇所を説明する図である。 絶縁箇所を説明する図である。 絶縁箇所を説明する図である。 溶融スラグからの漏電を防止するための構成図である。
まず、被溶融物の溶融固化の概略について説明する。対象とする被溶融物は、少なくとも金属の化合物を成分に含む。一例として、被溶融物は、銅滓(銅製錬で生じた銅化合物など)、金銀滓、産業廃棄物等である。産業廃棄物は、自動車廃棄物残渣(ASR)、廃家電スクラップ、廃プラスチック、スラッジ系、ガラス屑等、またはそれらを焼却した焼却灰である。一般廃棄物にも適用は可能であるが、焼却残渣からの有価金属の回収を念頭に置いている。そのため、焼却灰や燃え殻といった焼却残渣は電気炉で溶融処理され、有価金属成分を回収するのに適した成分として排出される。
図1(a)は、溶融処理前の電気炉100の断面図である。図1(b)は、溶融処理後の電気炉100の断面図である。図1(c)は、電気炉100の上面図である。電気炉100は、発熱方式として電気抵抗加熱を利用する抵抗炉である。
電気炉100は、炉体10を備える。炉体10は、密閉型で、例えば有底の円筒状の容器の形態を有している。図1(c)に示すように、炉体10には、図示しない上蓋を通して3本の電極20a〜20cが設けられている。また、図示しないが、被溶融物を投入する供給装置が設けられている。電極20a〜20cは、炉体10内の溶融スラグ31に挿入される。溶融スラグ31上には、被溶融物30が供給される。
溶融処理の際には、電極20a〜20cから溶融スラグ31に電力を供給することによって、溶融スラグ31が自身の抵抗に起因して発熱し(電気抵抗加熱)、当該発熱によって被溶融物30が溶融する。電力供給量は、最適な溶融処理を許容する電極−被溶融物間の電気抵抗値を維持するように制御する。溶融処理は、被溶融物30の融点を下げるための添加剤(石灰石、生石灰など)の存在下で行うこともできる。また、溶融処理は、還元剤(例えば石炭、コークス、カーボン、グラファイトなど)の存在下(還元雰囲気)で行うこともできる。還元雰囲気においては、電極20a〜20cとして、例えばカーボンなどを用いることができる。
図1(b)に示すように、被溶融物30は、溶融によって、溶融スラグ31と溶融金属32とに分離する。比重差に起因して、溶融スラグ31は、溶融金属32上に浮く。溶融処理において、電極20a〜20cの下端は、溶融スラグ31の層で保持される。炉体10の下部の側壁には、炉体10から溶融金属32を取り出すための取り出し口11が設けられている。溶融金属32は、取り出し口11から取り出され、固化される。炉体10において取り出し口11よりも上側の側壁には、炉体10から溶融スラグ31を取り出すための取り出し口12が設けられている。溶融スラグ31は、取り出し口12から取り出され、固化される。
このような溶融処理においては、被溶融物30の溶融が進まないことがある。特に、被溶融物30が軽い場合には、溶融スラグ31の対流のみでは巻き込まれず、溶融スラグ31の上に浮いた状態となるためである。この場合、例えば、スラグの対流を強化することで、被溶融物30を溶融スラグ31に巻き込ませることが考えられる。そのためには、電極20a〜20cからの供給電力量を多くすることになる。しかしながら、この場合、溶湯温度が上昇し、炉体10の内壁温度が上昇することで、炉体10の内壁のレンガなどが損傷するおそれがある。そこで、以下の実施形態では、電気炉の損傷を抑制しつつ被溶融物の溶融を促進することができる、電気炉および電気炉の操業方法について説明する。
(実施形態)
図2(a)は、電気炉100の装置構成を示すブロック図である。図2(a)に示すように、電気炉100は、制御部50、駆動装置60および供給装置70を備える。駆動装置60は、動力を備え、制御部50の指示に従って、後述するランスを溶融スラグ31に対して自動で挿入および引き上げを行う装置である。供給装置70は、制御部50の指示に従って、被溶融物30を溶融スラグ31の表面に対して供給する装置である。
図2(b)に示すように、駆動装置60は、ランス40を溶融スラグ31に対して挿入する。ランス40を介して気体を溶融スラグ31に吹き込むことで、溶融スラグ31に対してバブリングを行うことができる。これにより、溶融スラグ31が攪拌され、溶融スラグ31と接触している被溶融物30が溶融スラグ31中に巻き込まれ、溶融を促進させることができる。すなわち、電極20a〜20cからの供給電力量を多くしなくても、被溶融物30の溶融を促進することができる。また、バブリングによって溶融スラグ31の温度上昇を抑制することができる。それにより、炉体10の内壁の温度上昇を抑制することができる。その結果、炉体10の内壁の損傷を抑制することができる。ランス40は、溶融スラグに対して溶解しない材料によって構成されていることが好ましい。例えば、ランス40は、ステンレスなどによって構成されている。また、ランス40の内径は、20mm〜40mm程度であることが好ましい。
バブリングの際に溶融スラグ31に吹き込む気体として、空気、窒素、酸素などを用いることができる。この中で、空気、酸素などを用いることが好ましい。被溶融物30にカーボン分が含まれている場合に当該カーボン分を酸化させることができるからである。特に、空気を用いることが好ましい。過度の酸化による溶湯の過度の温度上昇が抑制されるからである。
バブリングの際に吹き込む気体の吹き込み量は、例えば1m/min程度である。バブリングの間隔・時間(ランス40の挿入、バブリング、引き上げのサイクル)は、被溶融物30の投入量と頻度(単位時間当たりの被溶融物30の投入量)に応じて決定すればよい。即ち、被溶融物30の投入量が多く、投入頻度が少ない場合には、投入量が多い分、バブリング時間は長くなり、投入頻度が少ない分、間隔も長くなる。一方、被溶融物30の投入量が少なく、投入頻度が多い場合には、バブリング時間は短くてもよいが、投入頻度が多い分、バブリングの間隔は短い。例えば、供給装置70が2分以下の時間で100kg〜150kgの被溶融物30を溶融スラグ31の表面に対して供給する場合に、駆動装置60は、ランス40の挿入、バブリング、および引き上げの1サイクルを50秒〜70秒で行うことが好ましい。1サイクル当りのバブリングにおける吹込み時間は5秒〜15秒程度であることが好ましい。
駆動装置60は、ランス40の先端が溶融スラグ31の表面から10cm〜20cmの深さになるまでランス40を溶融スラグ31に挿入することが好ましい。ランスを深く挿入すると、炉底の温度が下がり、炉底のつまりを発生させる可能性があるからである。ランスが角度もって挿入している都合上、深く挿入するとランス口が炉の中央部となり、投入材料との反応が激しくなりすぎる懸念もあるからである。
被溶融物30は、銅滓(銅製錬で生じた銅化合物など)、金銀滓、産業廃棄物、又はそれらを焼却した焼却灰がメインであるが、例えば、焼却灰、銅滓、スラグの混合物であることが望ましい。特に、有価金属の回収の観点から、焼却灰が被溶融物30において30mass%〜50mass%含有されていることが望ましい。また、スラグを被溶融物30に含有させてもよく、必要に応じて、スラグのみでもよい。例えば、含有させない場合には焼却灰:銅滓=5:5の割合で、或いは、スラグを含有させる場合には焼却灰:銅滓:スラグ=5:3:2の割合で被溶融物30を投入し、溶融させることが可能である。スラグは本発明での電気炉から発生するスラグでもよく、他の焼却灰から発生するスラグでもよい。
被溶融物30の組成を変更することによって、被溶融物30の融点を低下させてもよい。被溶融物30の溶融を促進することができるからである。例えば、被溶融物30のAl(アルミニウム)の重量%を15%〜18%とすることで、溶湯温度の制御が容易となり、溶湯の流動性も確保できる。そのため、攪拌効果が高くなる。また、塊状よりも粉状の被溶融物30を用いることで、被溶融物30と溶融スラグ31との接触面積が増え、被溶融物30の溶融を促進することができる。
バブリングが終了すると、図2(c)に示すように、駆動装置60は、ランス40を溶融スラグ31から引き上げる。バブリング以外の期間においてランス40を溶融スラグ31から引き上げることで、ランス40の損傷を抑制することができる。
本実施形態においては、駆動装置60を用いて自動でランス40の挿入および引き上げを行うことから、電極20a〜20cから溶融スラグ31へ通電している期間にランス40を溶融スラグ31に挿入することができる。例えば、人力でランス40の抜き差しを行う場合には、感電防止の観点から、溶融スラグ31への通電期間を回避する必要がある。したがって、溶融スラグ31への通電を停止したうえでランス40の抜き差しを行う必要がある。この場合、被溶融物30の溶融の効率低下につながる。また、バブリングを行うための自由度が低くなる。しかしながら、本実施形態では、ランス40の抜き差しの工程が通電期間に制限されない。これにより、溶融スラグ31への連続通電が可能になるなど、自由度の高いバブリングを実現することができる。
また、人力でランス40の抜き差しを行う場合には、炉体10からの熱風吹き出し、漏煙などの作業負荷が大きくなる。これに対して、駆動装置60を用いてランス40の挿入および引き上げを行うことから、漏煙防止、作業環境改善、安全性向上などを図ることができる。
なお、バブリングによって溶融スラグ31の温度上昇が抑制されると、炉体10の内壁の損傷を抑制できる一方で、炉体10の内壁近傍の被溶融物30が溶融しないおそれがある。そこで、図2(d)に示すように、供給装置70は、被溶融物30を新たに炉体10内に供給する際に、被溶融物30が炉体10の内壁に接触しないようにする。このようにすることで、バブリングによって溶融スラグ31の温度が低くなっても、被溶融物30の溶融を促進することができる。
図3(a)に示すように、ランス40は複数本設けられていることが好ましい。ランス40を複数本設けることによって、バブリングの効率が向上するからである。また、ランス40を複数本設けることによって、被溶融物30を溶融スラグ31上で上下反転させることができる。被溶融物30を溶融スラグ31上で上下反転させることによって、被溶融物30の溶融効率を向上させることができる。例えば、図3(b)に示すように、駆動装置60は、鉛直方向において、ランス40の先端が被溶融物30の周縁または、当該周縁よりも炉体10の内壁側に位置するように、ランス40を溶融スラグ31に挿入することが好ましい。また、複数のランス40の先端が被溶融物30の中心を通る線よりも片側に位置するように、ランス40を溶融スラグ31に挿入することが好ましい。これにより、被溶融物30を溶融スラグ31上で上下反転させることが容易になるからである。
続いて、溶融スラグ31から駆動装置60を介した漏電を防止する絶縁部材について説明する。まず、駆動装置60周辺の各部の説明を行う。図4に示すように、まず、炉体10の頂部には、炉蓋13が設けられている。ランス40は、炉蓋13を介して溶融スラグ31に挿入される。次に、駆動装置60は、支持部材41によって支持されている。支持部材41は、例えば枝分かれした棒状部材である。
ランス40の後端には、ランス40と気体をランス40に供給するためのホース42とを接続させるための接続部材43が設けられている。接続部材43には、ランス40を把持するランスホルダ44が設けられている。また、接続部材43は、可動ローラ45を介して駆動装置60によって支持されている。駆動装置60は、動力によってこの可動ローラ45を回転させることでランス40を炉体10に対して前後させる。それにより、ランス40が溶融スラグ31に対して抜き差しされる。また、駆動装置60の炉体10側の先端には、台座46を介して受けローラ47が設けられている。ランス40は、受けローラ47を介して駆動装置60に支持されている。
図4に示すように、炉体10を接地させた状態で、絶縁部材は、炉蓋13、受けローラ47、およびランス40の後端部48(ランス40と接続部材43との間)に設けられていてもよい。また、図5に示すように、炉体10を接地させた状態で、絶縁部材は、炉蓋13、ランスホルダ44、ホース42、および台座46に設けられていてもよい。また、図6に示すように、炉体10を接地させた状態で、絶縁部材は、支持部材41が駆動装置60を支持する支持部と、駆動装置60のモータスプロケット取り付け部49に設けられていてもよい。また、図4〜図6の絶縁部材を組み合わせて用いてもよい。また、駆動装置60およびランス40の全体を樹脂などの絶縁部材によって覆ってもよい。
図7は、溶融スラグ31からの漏電を防止するための構成図である。図7に示すように、電気炉100は、駆動装置60の電圧(例えば駆動装置60の外周の電圧)を検知する検知部の一例として電圧計81を備えていてもよい。また、電気炉100は、電圧計81が計測する電圧がしきい値を超えた場合に溶融スラグ31への通電をトランス遮断する遮断部82を備えていてもよい。また、電気炉100は、電圧計81が計測する電圧がしきい値を超えた場合に、警告を表示するアラーム83を備えていてもよい。
(実施例)
上記実施形態に従って、溶融処理を行った。被溶融物30として、焼却灰および滓類を用いた。焼却灰の組成は、「Cu:10mass%、Al:15mass%」である。滓類(銅滓・金銀滓)の組成は、「Cu:30〜40mass%、Al:2mass%」であり、焼却灰の比率は50mass%である。電極20a〜20cからの供給電力は、平均1700kWとした。バブリングは、電極20a〜20cへの通電中において、2分間隔(被溶融物100〜150kgごと)で、ランス40の挿入、バブリング、引き上げの1サイクルを1分とし、各サイクルにおけるバブリングの期間を7〜15秒とした。吹き込んだガスは、空気であり、吹き込み量は、1000L/minとした。その結果、溶融スラグ31の平均温度は、1435℃であった。また、炉体10の内壁の平均温度は、210℃であった。
(比較例)
比較例では、バブリングを行わなかった以外は、実施例と同じ条件で被溶融物30の溶融処理を行った。被溶融物30の溶融を進めるため、供給電力量を多くし、溶融スラグの対流を強化した結果、被溶融物30は溶融したが、溶融スラグ31の平均温度は1520℃と高温になり、炉体10の内壁の平均温度も260℃と高温になった。
(分析)
実施例では、比較例と比較して、溶融スラグ31の平均温度および炉体10の内壁の平均温度が低下した。これは、バブリングによって溶融スラグ31の温度上昇が抑制されたからであると考えられる。溶融処理後に得られたスラグの組成は表1のようになった。また、被溶融物30の溶融処理量、溶融処理後の炉体10の内壁のレンガの損傷については、表2のようになった。表2に示すように、比較例と比較して実施例では被溶融物30の溶融処理量が大幅に多くなった。また、比較例と比較して実施例ではレンガの損傷量が大幅に低下した。
Figure 2016191525
Figure 2016191525
(参考例)
なお、参考例として、人力でランス40を抜き差してバブリングを行った。感電防止の観点から、溶融スラグ31への通電期間40分に対して通電を3分間停止してバブリングを行うサイクルを1日に30回行った。この場合、実施例と比較して、1日に通電を90分停止することになり、2.8t×1.5h=約4tの処理量が低下することになった。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 炉体
11,12 取り出し口
20a〜20c 電極
30 被溶融物
31 溶融スラグ
32 溶融金属
40 ランス
41 支持部材
42 ホース
43 接続部材
44 ランスホルダ
45 可動ローラ
46 台座
47 受けローラ
48 後端部
49 モータスプロケット取り付け部
50 制御部
60 駆動装置
70 供給装置
81 電圧計
82 遮断部
100 電気炉

Claims (14)

  1. 溶融スラグに対して電気抵抗加熱することによって前記溶融スラグ上の被溶融物を溶融する電気炉であって、
    前記溶融スラグにバブリングを行うためのランスと、
    前記ランスを前記溶融スラグに対して自動で挿入および引き上げを行う駆動装置と、を備えることを特徴とする電気炉。
  2. 前記駆動装置は、前記ランスを前記溶融スラグに対して挿入した際に、鉛直方向において、前記ランスの先端が前記被溶融物の周縁または、当該周縁よりも前記電気炉の内壁側に位置するように、前記ランスを駆動することを特徴とする請求項1記載の電気炉。
  3. 前記駆動装置は、前記溶融スラグへの通電中に前記ランスを前記溶融スラグに対して挿入することを特徴とする請求項1または2記載の電気炉。
  4. 前記溶融スラグから前記駆動装置を介した漏電を防止する絶縁部材を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気炉。
  5. 前記絶縁部材は、前記電気炉の炉蓋、前記駆動装置における前記ランスの受けローラ、および前記ランスの後端に設けられていることを特徴とする請求項4記載の電気炉。
  6. 前記絶縁部材は、前記駆動装置における前記ランスの受けローラの台座、前記ランスを把持するランスホルダ、および前記ランスに気体を供給するホースに設けられていることを特徴とする請求項4または5記載の電気炉。
  7. 前記駆動装置を支持する支持部材を備え、
    前記絶縁部材は、前記支持部材に備わり前記駆動装置を支持する支持部と、前記駆動装置のモータスプロケット取り付け部に設けられていることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の電気炉。
  8. 前記駆動装置の電圧を検知する検知部と、
    前記検知部が検知する電圧がしきい値を超えた場合に前記溶融スラグへの通電を遮断する遮断部と、を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の電気炉。
  9. 前記駆動装置は、単位時間当たりの前記被溶融物の前記電気炉への投入量に応じて、前記ランスを抜き差しする時間サイクルを決定することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の電気炉。
  10. 2分以下の時間で100kg〜150kgの前記被溶融物を前記溶融スラグの表面に対して供給する供給装置を備え、
    前記駆動装置は、前記ランスの挿入、バブリング、および引き上げの1サイクルを50秒〜70秒で行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の電気炉。
  11. 前記駆動装置は、前記ランスの先端が前記溶融スラグ表面から10cm〜20cmの深さになるまで前記ランスを前記溶融スラグに挿入することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の電気炉。
  12. 前記被溶融物は、焼却灰を30mass%〜50mass%含有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の電気炉。
  13. 溶融スラグに対して電気抵抗加熱することによって前記溶融スラグ上の被溶融物を溶融する電気炉において、
    駆動装置を用いて、前記溶融スラグにバブリングを行うためのランスを前記溶融スラグに対して自動で挿入および引き上げを行うことを特徴とする電気炉の操業方法。
  14. 前記ランスを複数本用い、前記バブリングによって前記被溶融物を前記溶融スラグ表面において上下反転させることを特徴とする請求項13記載の電気炉の操業方法。

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