JP2016190767A - カーボンナノチューブ集合体およびその製造方法 - Google Patents

カーボンナノチューブ集合体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、高導電率と、高熱伝導率を有するCNT集合体を提供する。また、合成したカーボンナノチューブ構造体やそれを加工したカーボンナノチューブシートなどのバルク体のカーボンナノチューブに対してカーボンナノチューブ構造、特に層数や直径、分散性などを変化させずに、欠陥を修復することで(結晶性を向上させることで)導電率、熱伝導率等の様々な特性を向上させるカーボンナノチューブの製造方法を提供する。
【解決手段】
カーボンナノチューブ集合体であって、カーボンナノチューブ集合体は、導電率が60S/cm以上150S/cm以下であり、熱伝導率が10W m-1-1以上25W m-1-1以下であり、G/D比が8以上25以下であり、カーボンナノチューブ集合体を分散させた分散液に対するカーボンナノチューブの濃度が1.50mg/l以上4.00mg/l以下となるカーボンナノチューブ集合体。
【選択図】図1

Description

本発明はカーボンナノチューブ(CNT)集合体およびその製造方法に関する。詳細には、カーボンナノチューブ構造体およびそれを加工したカーボンナノチューブ加工試料、例えばカーボンナノチューブシートに対する後工程処理に関する。
無欠陥構造のカーボンナノチューブは、優れた電気、熱、力学特性、例えばシリコンの10倍の電子移動度、銅の1000倍以上の高電流密度耐性、銅の10倍の高熱伝導特性、鋼鉄の20倍の強度を有すると考えられているため、様々な分野、特に半導体、燃料電池、光学機器、構造材料での応用・実用化が期待されている。
しかしながら、カーボンナノチューブの合成過程では、カーボンナノチューブを構成するグラファイト構造中に欠陥が形成される(図1(a)に、欠陥のあるカーボンナノチューブの模式図を示す)。この欠陥の影響で、上記に示した優れた電気、熱、力学特性を十分に発揮できず、これらがカーボンナノチューブの応用・実用化の妨げになっている。このため、カーボンナノチューブ合成後に、欠陥の修復(グラファイト構造の結晶性の向上)を目的とした後工程処理技術が必要となる。
カーボンナノチューブ構造中の欠陥を修復する(グラファイト構造の結晶性を向上させる)公知の後工程処理技術としては、高温加熱処理(非特許文献1)と高電流通電処理(非特許文献2、3)がある。高温加熱処理では、単層カーボンナノチューブをアルゴンガスまたは真空中、1000℃以上で加熱することで合成中に形成される金属触媒や炭素不純物を除去し、さらに欠陥を修復する。しかし、この高温加熱処理は、加熱処理を行うことでカーボンナノチューブの構造が変化、例えば直径や層数が増加する。特に単層カーボンナノチューブを処理した場合は、直径や層数が増加するため、単層カーボンナノチューブ特有の特性、例えば金属型/半導体型カーボンナノチューブの半導体性や溶媒中における分散性が低下する。
高電流通電処理では、高分解能透過型電子顕微鏡中で1本の単層カーボンナノチューブに高電流通電することでカーボンナノチューブ中の欠陥が移動または集合することが知られている(たとえば、非特許文献2参照)。また、同様に1本の単層カーボンナノチューブに高分解能透過型電子顕微鏡中で電子線を照射することで欠陥が修復することも知られている(たとえば、非特許文献3参照)。もっとも、これらの処理はカーボンナノチューブ1本を対象とした処理であり、カーボンナノチューブ集合体やシートなどバルク体への処理は報告させていないのが現状である。
カーボン(Carbon)41(2003)1273−1280 ナノレター(Nano Letter)8(2008)1127−1130 フィジカルレビューB(Physical Review B)81(2010)201401
本発明は、高導電率と、高熱伝導率を有するCNT集合体を提供することを目的とする。また、合成したカーボンナノチューブ構造体やそれを加工したカーボンナノチューブシートなどのバルク体のカーボンナノチューブに対してカーボンナノチューブ構造、特に層数や直径、分散性などを変化させずに、欠陥を修復することで(結晶性を向上させることで)導電率、熱伝導率等の様々な特性を向上させるカーボンナノチューブの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態によると、カーボンナノチューブ集合体であって、導電率が60S/cm以上150S/cm以下であり、熱伝導率が10W m-1-1以上25W m-1-1以下であり、G/D比が8以上25以下であり、カーボンナノチューブ集合体を分散させた分散液に対するカーボンナノチューブの濃度が1.50mg/l以上4.00mg/l以下となるカーボンナノチューブ集合体が提供される。なお、本明細書において、カーボンナノチューブ集合体とは、カーボンナノチューブシートと、カーボンナノチューブ構造体と、を含む。また、カーボンナノチューブ構造体とは、面方向と略垂直な方向に配向したカーボンナノチューブ集合体を意味し、カーボンナノチューブシートとは面方向の一方に配向したカーボンナノチューブ集合体を意味する。
本発明の一実施形態によると、カーボンナノチューブ集合体を上部電極と下部電極とを備えたチャンバー内で下部電極上に載置し、カーボンナノチューブ集合体に2段階の加熱処理し、加熱処理されたカーボンナノチューブ集合体に通電処理するカーボンナノチューブ集合体の製造方法が提供される。
2段階の加熱処理は、上部電極を接触させずに第1の処理温度まで昇温させる第1昇温工程と、上部電極を接触させて第2の処理温度まで昇温させる第2昇温工程とを含み、第2の処理温度は、200℃以上1000℃以下であり、第1の処理温度は、第2の処理温度よりも10℃以上50℃以下低い温度であってもよい。
上部電極と下部電極間の接触抵抗が、第2昇温工程以前に1Ω以下であってもよい。
通電処理は、0.5A/min以上240A/min以下の速度で、1000A/
cm2以下の所定の電流値まで上昇させて行ってもよい。
下部電極上に設置するサンプルホルダが、絶縁体スペーサを含んでもよい。
通電処理は、カーボンナノチューブ集合体の配向方向と同一方向に通電して行われてもよい。
本発明の一実施形態によると、前記方法で製造されたカーボンナノチューブ集合体であって、導電率が60S/cm以上150S/cm以下であり、熱伝導率が10W m-1-1以上25W m-1-1以下であり、G/D比が8以上25以下であり、カーボンナノチューブ集合体を分散させた分散液に対するカーボンナノチューブの濃度が1.50mg/l以上4.00mg/l以下となるカーボンナノチューブ集合体が提供される。
本発明の一実施形態によると、前記第2の処理温度は、600℃以上1000℃以下であってもよい。
本発明の一実施形態によると、前記所定の電流値は、100A/cm2以上750A/cm2であってもよい。
本発明の一実施形態によると、前記絶縁体スペーサは、前記第1昇温工程時には前記カーボンナノチューブ集合体と前記上部電極又はピストン電極とを離隔し、前記通電処理時には、前記カーボンナノチューブ集合体の熱膨張によって、前記カーボンナノチューブ集合体と前記上部電極又は前記ピストン電極とが接触させるよう配置してもよい。
本発明の一実施形態によれば、高導電率と、高熱伝導率を有するCNT集合体を提供することができる。また、合成したカーボンナノチューブ構造体やそれを加工したカーボンナノチューブシートなどのバルク体のカーボンナノチューブに対してカーボンナノチューブ構造、特に層数や直径、分散性などを変化させずに、欠陥を修復することで(結晶性を向上させることで)導電率、熱伝導率等の様々な特性を向上させるカーボンナノチューブの製造方法を提供することができる。
図1は、本発明に係るカーボンナノチューブの構造式の概念図であり、(a)が欠陥を有するカーボンナノチューブ101の構造式であり、(b)は(欠陥の修復した)カーボンナノチューブ102の構造式である。 図2は本発明の一実施形態における加熱通電処理に用いる処理装置の模式図である。 図3(a)は、図2のチャンバー内においてカーボンナノチューブ構造体を加熱通電処理するサンプルホルダの模式図であり、図3(b)は、図2のチャンバー内においてカーボンナノチューブシートを加熱通電処理するサンプルホルダの模式図である。 図4は、本発明の一実施形態における2段階の加熱処理における昇温工程を示した模式図である。 図5は、第2の処理温度が変化した場合の本発明に係るカーボンナノチューブシートの特性変化を示したグラフである。 図6は、実施例及び比較例のカーボンナノチューブ構造体に関するラマン分光測定で得たG/D比を示した図である。 図7は、実施例及び比較例のカーボンナノチューブ構造体に関する高分解能型透過型電子顕微鏡観察を用いて観測した層数分布の結果を示した図である。 図8は、実施例及び比較例のカーボンナノチューブ構造体に関する高分解能型透過型電子顕微鏡観察を用いて観測した直径分布の結果を示した図である。 図9は、実施例及び比較例のカーボンナノチューブ構造体に関する分散保持力評価時の分散液の外観写真である。 図10は、実施例及び比較例のカーボンナノチューブ構造体に関する分散保持力を示した図である。 図11は、実施例及び比較例のカーボンナノチューブシートに関するラマン分光測定で得たG/D比を示した図である。
以下、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。なお、本実施の形態及び後述する実施例で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(カーボンナノチューブ集合体の実施形態)
図1は、本発明に係るカーボンナノチューブの構造式の概念図であり、(a)が欠陥を有するカーボンナノチューブ101の構造式であり、(b)が欠陥が修復されたカーボンナノチューブ102の構造式である。本実施形態に係る製造方法は、図1(b)に模式的に示すように、欠陥の修復されたカーボンナノチューブを提供する。本実施形態によると、導電率が60S/cm以上150S/cm以下であり、熱伝導率が10W m-1-1以上25W m-1-1以下であり、G/D比が8以上25以下であり、分散液に対してCNT濃度が1.50mg/l以上4.00mg/l以下となるCNT集合体(たとえば、CNT構造体、CNTシート等)が提供される。
本発明の一実施形態に係るCNT集合体は、グラファイトの結晶性が高いことから、導電率が60S/cm以上150S/cmであり、導電性に優れる。さらに好ましくは60S/cm以上120S/cm以下である。例えば、従来の単層CNT集合体の導電率は15S/cm以上25S/cm以下程度であり、本発明のCNT集合体は、これらに比べ、著しく導電率が高いということができる。
本実施形態に係るCNT集合体は、グラファイトの結晶性が高いため、熱伝導率が10W m-1-1以上25W m-1-1以下であり、熱伝導性に優れる。さらに好ましくは12W m-1-1以上20W m-1-1以下である。例えば、従来の単層CNT集合体の熱伝導率は2W m-1-1以上4W m-1-1以下程度であり、本発明のCNT集合体は、これらに比べ、著しく熱伝導率が向上している。
カーボンナノチューブ集合体のラマンスペクトルには、1350cm-1付近にD−bandと呼ばれる振動モードが観測される。このモードは、グラファイトに欠陥が存在することから、対称性が乱れ、ラマン活性となって観測されるものである。このためD−bandと、グラファイトのラマン活性モードと同種の振動モードであるG−bandのピーク強度比(本明細書においてはG/D比と呼ぶ)を用いて、欠陥量を評価することができる。そして、上述のことからすると、G/D比が高いということは、欠陥量が少なく結晶性が高いものであると評価することが可能である。
本実施形態に係るCNT集合体は、G/D比が8以上25以下、好ましくは12以上20以下と、G/D比が非常に高い値をとり、欠陥量が極めて少ないものといえる。例えば、従来の単層CNT集合体のG/D比は6以下であり、本発明のCNT集合体は、これらに比べ、著しく結晶性が向上している。
ここで、分散液に対するCNT濃度に関して、カーボンナノチューブの分散保持力は、以下で定義した。すなわち、分散処理後に静置した分散液の上澄み液に含まれるカーボンナノチューブ濃度について、モル吸光係数を2.06×104 cmg-1と決定した上で、モル吸光係数、測定した吸光度と光路長(1cm)から上澄み液に含まれるカーボンナノチューブ濃度を算出して評価した値をいう。
(カーボンナノチューブ製造方法の実施形態1)
図2は、本実施形態における加熱通電処理に用いる処理装置の模式図である。
(処理装置)
図2に示した処理装置においては、チャンバー1は、排気部2、ガス導入部3、加熱部4、サンプルホルダ5、通電用電源6、上部電極7、および、下部電極8を有している。ガス導入部3には各種ガスボンベ(H2およびAr、N2、He等の不活性ガス)からガス流量調整用のマスフローコントローラーを経由してチャンバー1に接続してもよい。排気部2にはチャンバー内減圧用および排気用の真空ポンプを接続してもよい。チャンバー1内の加熱部4は、たとえば、電気炉に接続した加熱コイル、好ましくは高周波誘導加熱装置等を備えてもよい。
上部電極7および下部電極8は、高温において直流電源と接続した電極を処理試料11に通電できる構造であればよく、たとえばチャンバーの上下から(チャンバーに対して)垂直になるように配置する。
上部電極7および下部電極8に用いることのできる材料としては、たとえば、カーボン、白金、ステンレス、インコネル等が挙げられ、好ましくは、コンタミネーションや加熱中の電極の変形を防ぐために、カーボンを用いるが、これに限定されるものではない。上部電極7を正極、下部電極8を負極としてもよいし、その逆でもよい。
また、カーボンナノチューブ構造体を処理する場合において、カーボンナノチューブ構造体が、加熱や通電処理中にカーボン電極の熱膨張などの影響で潰れず、垂直配向性が保持できるように、電極間に上部電極(ピストン電極)と下部電極のスペースを維持することを目的とする絶縁体スペーサ14(原料としては、たとえば、アルミナ、ジルコニア、窒化珪素、炭化珪素、サファイア等)を配置してもよい(図3(a))。
たとえば、絶縁体スペーサの高さは、カーボンナノチューブ構造体を加熱処理する以前には、カーボンナノチューブ構造体の高さよりも高く、通電時には、カーボンナノチューブ構造体の熱膨張によって、カーボンナノチューブ構造体と上部電極7又はピストン電極9とが接触する高さである。絶縁体スペーサの高さをこのように設定することにより、加熱処理する以前には、カーボンナノチューブ構造体と上部電極7又はピストン電極9とが接触せず、熱膨張したカーボンナノチューブ構造体が上部電極7又はピストン電極9により押しつぶされるのを抑制し、通電時には、カーボンナノチューブ構造体の熱膨張によって、カーボンナノチューブ構造体と上部電極7又はピストン電極9とが十分に接触することにより、CNT構造体と電極との接触不良による、CNT構造体と電極との間での放電を抑制することができる。
アライメント調節のために、たとえばアルミナ、ジルコニア、窒化珪素、炭化珪素、サファイア、カーボン等を素材とするアライメント調整用ガイド12を導入してもよい。
また、処理装置はピストン電極9と、アライメント調整用ガイド12と、を備えてもよく、上部電極7、下部電極8、ピストン電極9を、処理試料11上に、アライメント調整用ガイド12に沿って配置してもよい(図3(a))。
ピストン電極9は、上部電極7だけでは平滑さが確保できないという問題を解決するために設置されるものであり、設置によって加熱時にサンプルを固定することができるほか、通電時の接触が改善される。ピストン電極9は、アライメント調整用ガイド12に沿って、処理試料11の上に載置するものである。電極が平滑になることで、処理試料に対して均等に通電処理を行うことができ、本発明の加熱通電処理をさらに効果的に行うことができる。
上部電極7とピストン電極9とを設けた場合には、上部電極7は、ピストン電極9へ通電するための電流パスとしての役割となる(図3(a))。なお、図3(a)では、上部電極7とピストン電極9とは離しているが、これは少なくとも通電時を図示したものではない。もっとも、第1昇温工程においてまで、図3(a)のように上部電極7とピストン電極9とを離隔しておく必要があることまでは意味しない。第1昇温工程においては、上部電極7とピストン電極9とを離隔しておいてもよいし、上部電極7とピストン電極9とを接続させておいてもよい。
ピストン電極9の材料としては、カーボン、白金、ステンレス、インコネル等が挙げられ、このましくは、コンタミネーションや加熱中の電極の変形を防ぐために、上部電極7と同一の素材を用いる。形状は、カーボンナノチューブの面全体に接触させることができるものであるならば特に限定がないが、たとえば円筒状である。通電時においては、上部電極7と接触するため上部電極の一部として、一体的に構成することも可能である。
また、ピストン電極9と、アライメント調整用ガイド12とを設けた場合、絶縁体10を設置することで、ピストン電極9と、アライメント調整用ガイド12との間で通電しないようにすることができる。
加熱処理及び通電処理は、ガス雰囲気下(たとえば、Ar、N2、H2、He)でも真空下でもよい。なお、本実施形態において、真空雰囲気とアルゴン雰囲気との処理雰囲気の違いによる、処理結果の有意な差はない。
本実施形態では、通電処理後、CNT構造体を冷却してもよい。冷却方法に限定はないが、たとえば、サンプルホルダ5をガス雰囲気化によって炉冷する、冷却水を循環させる水冷機構をサンプルホルダ5周辺に設ける等の方法が挙げられる。
本実施形態では、前記下部電極8上に設置するサンプルホルダ5が、セラミック絶縁体を含んでもよい。
(カーボンナノチューブ構造体の製造方法)
本発明に係るCNT集合体の製造方法により加熱通電処理するCNTは、多層CNTと単層CNTとを問わず行うことができる。また、本発明に係るCNT集合体の製造方法により加熱通電処理するCNTは、例えば、国際公開第2006/011655号(単層CNT)、国際公開第2012/060454号(多層CNT)、特表2004−526660号公報(多層CNT)に開示された方法により製造することができるが、これらに限定されるものではない。
本実施形態では、処理試料11を上部電極7と下部電極8とを備えたチャンバー1内で下部電極上8に載置し、上部電極7を接触させずに第1の処理温度まで昇温させ(第1昇温工程)、上部電極7を接触させて第2の処理温度まで昇温させる(第2昇温工程)。
ここで、第2の処理温度は、200℃以上1000℃以下であり、さらに好ましくは、600度以上1000度以下である。第1の温度は、第2の処理温度よりも10℃以上50℃以下低い温度である。さらに好ましくは、処理温度における処理試料11と電極との接触が良好となる15℃以上40℃以下である。
第1の処理温度と第2の処理温度が存在するのは、第1の温度に達したのちに上部電極7を接触させることで、処理試料11と、上部電極7とを正しく接触させるためである。すなわち、本発明を実施するに際して、加熱による電極(上部電極7、下部電極8、ピストン電極9)やCNT構造体の熱膨張により、CNT構造体と電極との接触が低下し、電極―処理試料11間で放電が起きるため、正しくカーボンナノチューブに通電できないという問題が生じた。そこで、かかる問題を解決すべく、本発明の一実施形態に係るCNT構造体の製造方法は、2段階の加熱処理過程となっている。
本実施形態では、上部電極7と下部電極間8との接触抵抗が、第2昇温工程以前に1Ω以下である。さらに好ましくは、前記第2昇温工程以前に0.5Ω以下の接触抵抗である。
1Ω以下の接触抵抗は、処理試料11と上部電極7及び下部電極8間との良好な接触を示すものといえる。正しくカーボンナノチューブに通電させるためには、接触抵抗が、1Ω以下と、良好な接触状態であることが重要である。
本実施形態では、通電処理は、0.5A/min以上240A/min以下の速度
で、1000A/cm2以下の所定の電流値まで上昇させてから通電させてもよい。所定の電流値は、好ましくは100A/cm2以上750A/cm2である。ここで、A/cm2とは、通電時の電力値と処理サンプルの面積(1cm2)から単面積当たりの電流値(電流密度)として定義する。なお、このような単位を用いて比較を行うのは、従来技術では、CNT1本に対する通電であったために、面積を考慮する必要がなかったが、本発明はCNT集合体に対して通電処理を行うことから、面積当たりの値によって評価をする必要があるためである。
本実施形態において、CNT集合体の通電処理時間は、5秒以上180秒以下であり、好ましくは15秒以上90秒以下である。通電処理時間が60秒より短いと、十分な欠陥修復効果を得られない。また、通電処理時間が180秒より長いとカーボンナノチューブが通電によってカーボンナノチューブがダメージを受けるため好ましくない。
本実施形態では、通電処理後、CNT構造体を冷却してもよい。冷却方法に限定はないが、たとえば、サンプルホルダ5をガス雰囲気化によって炉冷する、冷却水を循環させる水冷機構をサンプルホルダ周辺に設ける等の方法が挙げられる。
本実施形態では、通電処理と、加熱処理とを組み合わせることによって、高結晶性、高導電率、高熱伝導率、層数の少ないCNT構造体を製造することが可能である。また、加熱処理温度及び通電処理電流値を低減させることができるため、高品質な試料を提供することが可能である。これにより、半導体、燃料電池、光学機器、構造材料での応用・実用化を可能とすることができる。
(カーボンナノチューブシートの製造方法)
本発明の他の実施形態として、CNT構造体をシート状にしたカーボンナノチューブシートの製造方法について説明する。公知の方法で作成したカーボンナノチューブ構造体を、プレス(たとえば、ローラープレス等)して面方向の一方向に配向性のあるカーボンナノチューブシート(以下、CNTシートとも称す)を作成する。
本実施形態では、図2に示したように、CNTシートを上部電極7と下部電極8とを備えたチャンバー1内で下部電極8上に載置し、上部電極7を接触させずに第1の処理温度まで昇温させ(第1昇温工程)、上部電極7を接触させて第2の処理温度まで昇温させる(第2昇温工程)。一方、本実施形態において、上部電極方向(下部電極に対して垂直方向)にほとんど熱膨張せず、また、上部電極7を接触させることによるCNTシートの顕著な変形が生じない場合は、上部電極7をCNTシートに接触させた状態で第2昇温工程の温度まで昇温させることもできる。
また、カーボンナノチューブシートを加熱通電処理する場合には、図3(b)に示すような、絶縁体10をアライメント調整用ガイド12の内側に配置してもよい。これによって、ピストン電極9と絶縁体10の両者を処理装置に設ける場合、絶縁体10とピストン電極9とは、接触しない位置に置くことが望ましい。
また、カーボンナノチューブシートを加熱通電処理する場合には、図3(a)に示したような絶縁体スペーサ14は用いなくてもよい。
ここで、第2の処理温度は、200℃以上1000℃以下であり、さらに好ましくは、600度以上1000度以下である。第1の温度は、第2の処理温度よりも10℃以上50℃以下低い温度である。さらに好ましくは処理温度におけるサンプルと電極との接触が良好となる15℃以上40℃以下である。
第1の処理温度と第2の処理温度が存在するのは、第1の温度に達したのちに上部電極7を接触させることで、正しく電極を接触させるためである。すなわち、カーボンナノチューブシートであっても、熱膨張によって、わずかな構造変化があり得るのであり、そうすると、処理試料11と、上部電極7若しくは下部電極8との接触が低下するおそれがある。そこで、CNT構造体の製造方法と同様に、2段階の加熱処理過程となっている。
本実施形態では、上部電極と下部電極間との接触抵抗が、第2昇温工程以前に1Ω以下である。さらに好ましくは、前記第2昇温工程以前に0.5Ω以下の接触抵抗である。
1Ω以下の接触抵抗は、CNTシートと、上部電極7及び下部電極8間との良好な接触を示すものといえる。正しくカーボンナノチューブシートに通電させるためには、接触抵抗が、1Ω以下と、良好な接触状態であることが重要である。
本実施形態では、通電処理は、0.5A/min以上240A/min以下の速度
で、1000A/cm2以下の所定の電流値まで上昇させてから通電させてもよい。所定の電流値は、好ましくは100A/cm2以上750A/cm2である。
本実施形態では、通電時間は、5秒以上180秒以下であり、好ましくは15秒以上90秒以下である。通電処理時間が60秒より短いと、十分な欠陥修復効果を得られない。また、通電処理時間が180秒より長いとカーボンナノチューブシートが通電によってダメージを受ける(シート中のカーボンナノチューブがダメージを受ける)ため、好ましくない。
本実施形態では、通電処理後、CNTシートを冷却してもよい。冷却方法に限定はないが、たとえば、サンプルホルダ5をガス雰囲気化によって炉冷する、冷却水を循環させる水冷機構をサンプルホルダ5周辺に設ける等の方法が挙げられる。
本実施形態では、通電処理と、加熱処理とを組み合わせることによって、高結晶性、高導電率、高熱伝導率、層数の少ないCNTシートを製造することが可能である。また、加熱処理温度及び通電処理電流値を低減させることができるため、高品質な試料を提供することが可能である。これにより、半導体、燃料電池、光学機器、構造材料での応用・実用化を可能とすることができる。
上述した本発明に係るCNT集合体および、CNT集合体の製造方法に基づく実施例及び比較例を示す。以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、下記の実施例は例示のために示すものであって、本発明はこれらの実施例には限定されない。
(温度条件探索)
まず、下記加熱通電処理において、第2の処理温度を300℃、600℃、750℃、800℃、850℃、900℃、1000℃、1200℃、として、8通りの実施例を作成し、最適温度条件を探索した。
(処理するカーボンナノチューブ構造体の合成)
シリコン基板にアルミナ薄膜(厚さ40nm)とFe薄膜(厚さ1.8nm)を真空スパッタリング装置(芝浦メカトロニクス製、CFS-4EP-LL)を用いて順次蒸着し、触媒層を形成した。次に、触媒層を形成したシリコン基板を80mmφの石英管内に導入し、ヘリウム/水素(混合比10:90)の混合ガス中で775℃まで15分で上昇させた後、785℃まで温度を上昇させながらヘリウム/成長賦活剤(水分)(混合比10:3)を管内に5分間流通させ、その後ヘリウム/成長賦活剤(水分)/エチレン(混合比92:35:8)を10分間流通させることで、カーボンナノチューブ構造体を得た。カーボンナノチューブ構造体をローラープレスして一方向に配向性のあるカーボンナノチューブシートを調製し、これを10mm角にカットしたサンプルを処理サンプルとした。
(処理雰囲気(1) ガス雰囲気)
サンプルホルダ設置後にチャンバー内を密閉し、加熱開始前に処理するガス(H2、Ar、N2ガス、流量:1000sccm)で約5分間置換することでチャンバー1内を処理するガス雰囲気とした。
(処理雰囲気(2) 真空雰囲気)
真空雰囲気における処理では、処理雰囲気(1)と同様にチャンバー内を密閉後、真空ポンプで10分間以上真空引きし、チャンバー1内を5.0×10-2Pa以下の真空雰囲気とした。
(加熱処理)
加熱による上部及び下部カーボン電極やカーボンナノチューブの熱膨張により、処理試料と電極の接触が低下し、サンプルホルダ5と同様に電極−処理試料11間で放電が起きるため、正しくカーボンナノチューブに通電できない。この問題点を解決するために、本実施例では、加熱プロセスではチャンバー内の温度を段階的(2段階)に上昇させた。本発明における加熱プロセスを図4に示す。上部電極を電極ホルダーの上部電極から5mm以上離して(接触させることなく)それぞれのサンプルの第2の処理温度から約30℃低い温度まで55℃/minの昇温速度で加熱した。
チャンバー内の温度が安定するまで温度を約5分保持し、上部電極を下降してサンプルホルダ5の上部電極8と接触させた。接触後にデジタルマルチメーターで電極−サンプル間の接触程度を確認するために、(接触)抵抗が1Ω以下であることを確認した。
接触抵抗が1Ωであることを確認した後に、5℃/minの昇温速度で前記所定の処理温度まで加熱した。これにより、カーボン電極および処理試料の熱膨張により試料―電極間の接触が改善して通電処理時に放電が起きない。実際の処理時には、通電処理前に接触具合を確認するため、温度が安定する処理温度到達5分後に、上記と同様にマルチメーターを用いて(接触)抵抗が1Ω以下であることを確認した。
(通電処理)
図4に示す同様の加熱プロセスにより所定の処理温度後5分後(接触抵抗測定後)に、直流電源の電流値を約240A/minの速度で180Aまで上昇させた。所定の電流値到達後に、カーボンナノチューブ構造体またはシートに300秒間通電した。通電時の電力値と処理サンプルの面積(1cm2)から単面積当たりの電流値(電流密度)を算出した。
(冷却プロセス)
所定時間通電処理した後に高周波誘導加熱装置を停止すると同時に上部電極を上昇させて電極とサンプルホルダ上部電極7を離してArガス雰囲気もしくは真空雰囲気で100℃以下まで炉冷した。
(導電率の評価方法(1) カーボンナノチューブシート)
処理後のカーボンナノチューブシートは、抵抗率計(株式会社三菱化学アナリテック製、LORESTA-EPMCP-T360)を用いて4端子法で1サンプルあたり異なる場所を5回以上測定し、その平均値をサンプルの表面抵抗率とした。導電率は、測定した平均表面抵抗率とサンプルの厚さから算出した。
(熱伝導率の評価方法(1) カーボンナノチューブシート)
処理前後のカーボンナノチューブシートは、そのままの形態で、熱物性測定装置サーモウェーブアナライザ(株式会社ベテル製、TA3)を用いた距離変化法で測定した。熱伝導率は、既知の比熱容量(定圧モル比熱)と評価サンプルの厚さや面積から求めたサンプルの密度を用いて算出した。
図5に、180A/cm2カーボンナノチューブシートの上記実施例において、処理温度を変化させたときの、電気特性(伝導率)の変化と、熱特性(熱伝導性)の変化とを表したグラフを示す。なお、向上率(倍)は、処理前のカーボンナノチューブシートを1倍として規定した。
カーボンナノチューブシートの上記実施例において、処理温度を変化させたとき、0℃から1200℃までの間において、電気特性(伝導率)と、熱特性(熱伝導性)が向上していることが分かる。また、さらに好ましくは、600℃から1000℃において著しい特性向上が見られる。また、さらには、図5のグラフから、750℃付近に最適温度があると予想されたため、以下の実施例では、第2の処理温度を750℃として統一し実施例を作成した。
(実施例1)
(処理するカーボンナノチューブ構造体の合成)
シリコン基板にアルミナ薄膜(厚さ40nm)とFe薄膜(厚さ1.8nm)を真空スパッタリング装置(芝浦メカトロニクス製、CFS-4EP-LL)を用いて順次蒸着し、触媒層を形成した。次に、触媒層を形成したシリコン基板を80mmφの石英管内に導入し、ヘリウム/水素(混合比10:90)の混合ガス中で775℃まで15分で上昇させた後、785℃まで温度を上昇させながらヘリウム/成長賦活剤(水分)(混合比10:3)を管内に5分間流通させ、その後ヘリウム/成長賦活剤(水分)/エチレン(混合比92:35:8)を10分間流通させることで、カーボンナノチューブ構造体を得た。これを10mm角にカットした。この処理前のカーボンナノチューブ構造体を以下、比較例1と呼ぶ。
(処理装置)
図2のように処理装置を構成した。ガス導入部に3は各種ガスボンベ(H2、Ar、N2ガス)からガス流量調整用のマスフローコントローラーを経由してチャンバー1に接続した。排気部2にはチャンバー内減圧用および排気用の真空ポンプを接続した。チャンバー内の加熱部4には高周波誘導加熱装置(島田理化工業株式会社製 SBT-100)に接続した加熱コイルを設置した。また、通電用電源7として、直流電源(菊水電子工業株式会社製、PAT60-133T、2台直列接続)と接続したカーボン電極5をチャンバー上下から、チャンバーに対して垂直になるように配置した。本装置では上部電極7を正極、下部電極8を負極とした。
(サンプルホルダA カーボンナノチューブ構造体処理用サンプルホルダ)
上部電極7と処理試料11間に空隙がある状態で高電流(高電圧)をカーボンナノチューブに印加すると上部電極7と処理試料11間で放電し、カーボンナノチューブにダメージを与えるなど正しくカーボンナノチューブに通電できない。この問題点を解決し、カーボンナノチューブと電極の接触を向上させるために、処理時においては、図3に示すような上部電極7、下部電極8と絶縁体10(アルミナもしくはジルコニア)とを含むサンプルホルダ5を使用した。上部電極7と、下部電極8とは、カーボンを用いた(以下、それぞれ上部カーボン電極、下部カーボン電極、とも称す)。サンプルホルダ5における下部電極8は通電用電源6(電極直流電源を用いた)に直接接続している。カーボンナノチューブ構造体は、下部電極ステージ上に配置し、処理試料11上に上部電極7、下部電極8、ピストン電極9を、アルミナとカーボンとを含むガイド12に沿って配置した(なお、以下では、ピストン電極9と上部電極7とをあわせて上部電極7とも称する)。
図3にサンプルホルダ5の模式図を示す。また、実際にカーボンナノチューブ構造体を処理する場合は、カーボンナノチューブ構造体が、加熱や通電処理中にカーボン電極の熱膨張などの影響で潰れず、垂直配向性が保持できるようにするため、電極間に絶縁体10(アルミナもしくはジルコニア)プレート(厚さ:0.6mm)をスペーサとして配置した。
(処理雰囲気(1) ガス雰囲気)
一実施例において、サンプルホルダ5設置後にチャンバー1内を密閉し、加熱開始前に処理するガス(H2、Ar、N2ガス、流量:1000sccm)で約5分間置換することでチャンバー1内を処理するガス雰囲気とした。なお、ガスの流量について、sccmとは、standard(標準状態)cc/minを意味するものであり、1atm、0℃の数値で規格化した値である。
(処理雰囲気(2) 真空雰囲気)
一実施例において、真空雰囲気における処理では、処理雰囲気(2)と同様にチャンバー1内を密閉後、真空ポンプで10分間以上真空引きし、チャンバー1内を5.0×10-2Pa以下の真空雰囲気とした。
(加熱プロセス)
加熱による上部及び下部カーボン電極やカーボンナノチューブの熱膨張により、処理試料と電極の接触が低下し、サンプルホルダ5と同様に電極−処理試料11間で放電が起きるため、正しくカーボンナノチューブに通電できない。この問題点を解決するために、本実施例では、加熱プロセスではチャンバー内の温度を段階的(2段階)に上昇させた。本発明における加熱プロセスを図4に示す。上部電極を電極ホルダーの上部電極から5mm以上離して(接触させることなく)第2の処理温度から約30℃低い温度720℃まで55℃/minの昇温速度で加熱した。チャンバー内の温度が安定するまで温度を約5分保持し、上部電極を下降してサンプルホルダ5の上部電極8と接触させた。接触後にデジタルマルチメーターで電極−サンプル間の接触程度を確認するために、(接触)抵抗が1Ω以下であることを確認した。
接触抵抗が1Ωであることを確認した後に、5℃/minの昇温速度で実際の処理温度750℃まで加熱した。これにより、カーボン電極および処理試料の熱膨張により試料―電極間の接触が改善して通電処理時に放電が起きない。実際の処理時には、通電処理前に接触具合を確認するため、温度が安定する処理温度到達5分後に、上記と同様にマルチメーターを用いて(接触)抵抗が1Ω以下であることを確認した。
(通電処理)
図4に示す加熱プロセスにより所定の処理温度後5分後(接触抵抗測定後)に、直流電源の電流値を約240A/minの速度で0〜240Aまで上昇させた。所定の電流値到達後を通電時間(10秒〜300秒)としてカーボンナノチューブ構造体またはシートに通電した。通電時の電力値と処理サンプルの面積(1cm2)から単面積当たりの電流値(電流密度)を算出した。
(冷却プロセス)
所定時間通電処理した後に高周波誘導加熱装置を停止すると同時に上部電極を上昇させて電極とサンプルホルダ上部電極7を離してArガス雰囲気もしくは真空雰囲気で100℃以下まで炉冷した。
以下、アルゴン雰囲気中で処理温度750℃、通電時の電流密度240A/cm2、処理時間300秒の処理を行ったカーボンナノチューブ構造体を実施例1と呼ぶ。上記した通り、加熱通電処理を行っていないカーボンナノチューブ構造体を比較例1とした。公知の高温加熱処理(2000℃、2時間、Arガス雰囲気中)したカーボンナノチューブ構造体を比較例2とした。
(導電性の評価方法(2) カーボンナノチューブ構造体)
カーボンナノチューブ構造体は、測定の際の形状依存性の可能性を排除するため、ローラープレスして一方向に配向性のあるカーボンナノチューブシート(カーボンナノチューブ構造体シート)として導電性を評価した。処理前後のカーボンナノチューブ構造体シートの表面抵抗を、抵抗率計(株式会社三菱化学アナリテック製、LORESTA-EPMCP-T360)を用いて4端子法で1サンプルあたり異なる場所を5回以上測定し、その平均値をサンプルの表面抵抗率とした。導電率は、測定した平均表面抵抗率とサンプルの厚さから算出した。
表1に、本実施例および比較例1である未処理サンプルおよび加熱処理を行った比較例2について、上記評価方法(2)による評価の結果を示す。処理前後のカーボンナノチューブ構造体の導電率の評価結果から、アルゴン雰囲気中で処理温度750℃、通電時の電流密度240A/cm2、処理時間300秒の処理で導電率が処理前(比較例1)が25.0S/cmであったのに比べて、実施例は110S/cmとなり、4.4倍に向上した。これは、従来の高温加熱処理(2000℃、2時間、Arガス雰囲気中)したカーボンナノチューブ構造体(比較例2)の66.6S/cmという結果に比べても高い向上を示したということができる。
(熱伝導率の評価方法(2) カーボンナノチューブ構造体)
カーボンナノチューブ構造体の熱拡散率の測定では、導電性の評価(2)と同様にローラープレスして一方向に配向性のあるカーボンナノチューブシート(カーボンナノチューブ構造体シート)を評価サンプルとした。処理前後のカーボンナノチューブ構造体シートの熱拡散率は、熱物性測定装置サーモウェーブアナライザ(株式会社ベテル製、TA3)を用いた距離変化法で測定した。熱伝導率は、既知の比熱容量(定圧モル比熱)と評価サンプルの厚さや面積から求めたサンプルの密度を用いて算出した。
カーボンナノチューブ構造体の実施例および比較例の熱伝導率の評価結果を表2に示した。アルゴン雰囲気中で処理温度750℃、通電時の電流密度240A/cm2、処理時間300秒の処理をしたカーボンナノチューブ構造体(実施例1)の導電率が、処理前(比較例1)に比べて5.2倍(3.1から16.1W m-1-1)向上した。従来の高温加熱処理(2000℃、2時間、Arガス雰囲気中)したカーボンナノチューブ構造体(比較例2)の10.2W m-1-1に比べて本処理は高い向上を示した。
(ラマン分光分析による結晶性の評価)
処理前後のカーボンナノチューブ構造体とカーボンナノチューブシートは、その形状のまま顕微レーザーラマン(サーモエレクトロン社製、顕微レーザーラマンNicolet AlmegaXR)用いて532nmのレーザー波長でラマン測定を行った。処理によるカーボンナノチューブの結晶性は、測定したラマンスペクトルにおけるGバンドとDバンドの比(G/D比)で評価した。
図6には、カーボンナノチューブ構造体に関する実施例1及び比較例1、比較例2のラマン分光測定で得たG/D比を示した。処理前(比較例1)(G/D比=4.5)と比較すると、アルゴン雰囲気中で処理温度750℃、通電時の電流密度240A/cm2、処理時間300秒で処理した実施例1は、G/D比が12.1〜20.1(処理前比約2.5〜6.0倍)向上した。この結果は、処理したカーボンナノチューブの不純物含有量が低い(約3%)ことを考えると、本処理によりカーボンナノチューブの結晶性が向上(欠陥が減少)することを示唆している。
(直径と層数の評価方法)
実施例及び比較例のカーボンナノチューブ構造体に関する直径分布図を図7に、と層数分布図を図8に示す。処理前後のカーボンナノチューブの直径と層数(分布)は、高分解能透過型電子顕微鏡で測定した。約0.5mgのカーボンナノチューブ構造体を約5mlのエタノール中に分散させ、超音波洗浄器で超音波分散(200W)をカーボンナノチューブが良好に分散するまで(約30分)行った。分散液は透過型電子顕微鏡用のグリッドに滴下し、一昼夜以上真空乾燥したものを透過型電子顕微鏡観察用サンプルとした。観察用サンプルを透過型電子顕微鏡(TOPCOM製 EM-002B)に設置し、加速電圧120kVで5万倍から30万倍の倍
率で観察した。処理前後それぞれで50本以上のカーボンナノチューブを15万倍以上で観察し、観察像から処理前後のカーボンナノチューブの直径と層数(分布)を求めた。
以上の結果から、従来技術である加熱処理では層数及び直径が増加しているのに対して、本発明に係る加熱通電処理によれば層数及び直径には変化がないことがわかった。
(カーボンナノチューブの分散保持力の評価方法)
図9に、実施例及び比較例のカーボンナノチューブ構造体に関する分散保持力評価時の分散液の外観写真を示す。カーボンナノチューブの分散保持力は、分散処理後に静置した分散液の上澄み液に含まれるカーボンナノチューブ濃度で評価した。処理前後の1mgのカーボンナノチューブ構造体を30mlのメチルイソブチルケトン(MIBK)に分散し、ジェットミル(株式会社常光製 JN-5)用いて60MPaで分散後、さらに超音波洗浄器で超音波分散(200W)を30分行った。分散液は3時間静置し、上澄み液の500nmの波長における透過率を紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所製、UV-3600)で測定した。上澄み液に含まれるカーボンナノチューブ濃度は、ランベルト・ベールの法則から算出した。この式におけるモル吸光係数は、あらかじめ既知の濃度のカーボンナノチューブ分散液を用いて作成した濃度と吸光度の関係を示す検量線から求めたモル吸光係数は2.06×104 cmg-1と決定し、モル吸光係数、測定した吸光度と光路長(1cm)から上澄み液に含まれるカーボンナノチューブ濃度を算出した。
図10は、実施例および比較例のカーボンナノチューブ構造体に関する分散保持力を示したグラフである。カーボンナノチューブシートをアルゴン雰囲気中で処理温度800℃、通電時の電流密度150A/cm、処理時間60秒の条件で処理したサンプルの分散液(の上澄み液における)カーボンナノチューブ濃度は2.02〜3.85mg/lであり、これは処理前サンプルのカーボンナノチューブ濃度である1.72mg/lと比較して1.2〜2.5倍程度向上することを認めた。この結果は、本処理により分散保持力(分散性)が向上することを表している。
(実施例2)
実施例2として、CNTシートを作成し、本発明に係る加熱通電処理を行った。カーボンナノチューブ構造体をローラープレスして一方向に配向性のあるカーボンナノチューブシートを調製し、これを10mm角にカットしたサンプルを処理サンプルとした。以下、このサンプルは比較例3とした。
(処理装置)
実施例1と処理装置は同一である。もっとも、カーボンナノチューブシート処理用サンプルホルダ(サンプルホルダーB)は、処理中においてカーボン電極の熱膨張などの影響でサンプルの厚さは変化しない、すなわち、潰れないために、スペーサとしての絶縁体10を配置せずに処理を行った。
(処理雰囲気(1) ガス雰囲気)
サンプルホルダ設置後にチャンバー内を密閉し、加熱開始前に処理するガス(H2、Ar、N2ガス、流量:1000sccm)で約5分間置換することでチャンバー1内を処理するガス雰囲気とした。
(処理雰囲気(2) 真空雰囲気)
真空雰囲気における処理では、処理雰囲気(2)と同様にチャンバー内を密閉後、真空ポンプで10分間以上真空引きし、チャンバー1内を5.0×10-2Pa以下の真空雰囲気とした。
(加熱プロセス)
加熱プロセスは、実施例1と同一である。アルゴン雰囲気中で処理温度750℃、通電時の電流密度240A/cm2、処理時間300秒の処理を行ったカーボンナノチューブ構造体を実施例1と呼ぶ。アルゴン雰囲気中で処理温度750℃、通電時の電流密度150A/cm2、処理時間300秒の処理を行ったカーボンナノチューブシートを実施例2とする。
アルゴン雰囲気中で処理温度750℃、通電時の電流密度150A/cm2、処理時間300秒の処理を行ったカーボンナノチューブシートを実施例2とする。上記した通り、加熱通電処理を行っていないカーボンナノチューブシートを比較例3とした。公知の高温加熱処理(2000℃、2時間、Arガス雰囲気中)したカーボンナノチューブシートを比較例4とした。
(導電率の評価方法(1) カーボンナノチューブシート)
また、処理前後のカーボンナノチューブシートは、導電性の評価(1)と同じ方法で平均表面抵抗率を測定し、導電率を算出した。
カーボンナノチューブシートの実施例および比較例の導電率の評価結果を表3に示す。アルゴン雰囲気中で処理温度800℃、通電時の電流密度150A/cm2、処理時間60秒の処理をしたカーボンナノチューブシート(実施例2)は78.1S/cmとなり、処理前(比較例3)の25.2に比べて導電率が3.1倍に向上することが認められた。なお、真空雰囲気とアルゴンガス雰囲気における導電率向上に違いは認められなかった。本処理における導電性の向上は、従来の高温加熱処理(2000℃、2時間、Arガス雰囲気中)したカーボンナノチューブシート(比較例4)(58.4S/cm)に比べて高い向上を示した。
また、実施例1と実施例2とを比較すると、実施例1の方が、実施例2に比べて、高い導電性の向上を示している。実施例1は、カーボンナノチューブ構造体に対して配向方向に通電を行い、ローラープレスをしたのに対し、実施例2は、ローラープレスをすることで面方向に配向させ、配向方向とは略垂直の方向に通電処理をしたことに由来すると考えられる。このことからすると、配向方向に通電を行うことで、導電性がさらに向上することが分かる。
(熱伝導率の評価方法(1) カーボンナノチューブシート)
処理前後のカーボンナノチューブシートは、熱伝導性の評価(1)と同じ方法で熱拡散率を測定し、熱伝導率を算出した。
カーボンナノチューブシートの実施例および比較例の熱伝導率の評価結果を表4に示す。アルゴン雰囲気中で処理温度800℃、通電時の電流密度150A/cm2、処理時間60秒の処理をした実施例2の導電率が、処理前(比較例3)に比べて3.5から12.8 W m-1-1と3.7倍向上することを認めた。尚、真空雰囲気もアルゴン雰囲気と同程度の導電率向上(3.5倍)を示し、真空雰囲気とアルゴン雰囲気との処理雰囲気の違いによる差はなかった。また、本処理における導電性の向上は、従来の高温加熱処理(2000℃、2時間、Arガス雰囲気中)したカーボンナノチューブシート(比較例4)の10.5W m-1-1に比べて高い向上を示した。
(直径と層数の評価)
実施例及び比較例のカーボンナノチューブシートに関する直径分布と、層数分布とは、カーボンナノチューブ構造体と同一の方法で評価した。結果として、図8に示すカーボンナノチューブ構造体と同様の結果となった。
図11には、カーボンナノチューブシートに関する実施例2および比較例3、比較例4のラマン分光測定で得たG/D比を示した。アルゴン雰囲気中で処理温度800℃、通電時の電流密度150A/cm2、処理時間60秒の処理をした実施例2のG/D比は11.4〜19.2となり、比較例3のG/D比と比較して約2.5〜5.5倍向上した。このことから、カーボンナノチューブ構造体と同様に処理によるカーボンナノチューブの結晶性向上が示唆された。G/D比についても導電率や熱伝導率と同様にその向上に真空雰囲気とアルゴン雰囲気との処理雰囲気の違いによる差異は認められなかった。
(カーボンナノチューブの分散保持力の評価)
カーボンナノチューブシートの分散保持力は、カーボンナノチューブ構造体と同じ方法で、分散保持力を評価した。結果として、図10に示したカーボンナノチューブ構造体の結果と同様の結果となった。
以上の通り、本発明によれば、高導電率で、高熱伝導率な、CNT集合体を提供することができることが分かった。また、合成したカーボンナノチューブ構造体(集合体)やそれを加工したカーボンナノチューブシートなどのバルク体のカーボンナノチューブに対してカーボンナノチューブ構造、特に層数や直径、分散性などを変化させずに、欠陥を修復することで(結晶性を向上させることで)導電率、熱伝導率等の様々な特性を向上させる処理ができることが分かった。
1 チャンバー
2 排気部
3 ガス導入部
4 加熱部
5 サンプルホルダ
6 通電用電源
7 上部電極
8 下部電極
9 ピストン電極
10 絶縁体
11 カーボンナノチューブ構造体(処理試料)
12 アライメント調整用カーボンガイド
13 欠陥
14 絶縁体スペーサ
101 欠陥を有するカーボンナノチューブ
102 (欠陥の修復した)カーボンナノチューブ

Claims (8)

  1. カーボンナノチューブ集合体であって、前記カーボンナノチューブ集合体は、導電率が60S/cm以上150S/cm以下であり、熱伝導率が10W m-1-1以上25W m-1-1以下であり、G/D比が8以上25以下であり、
    前記カーボンナノチューブ集合体を分散させた分散液に対するカーボンナノチューブの濃度が1.50mg/l以上4.00mg/l以下となるカーボンナノチューブ集合体。
  2. カーボンナノチューブ集合体を上部電極と下部電極とを備えたチャンバー内で下部電極上に載置し、
    前記カーボンナノチューブ集合体に2段階の加熱処理し、
    前記加熱処理されたカーボンナノチューブ集合体に通電処理する
    カーボンナノチューブ集合体の製造方法。
  3. 前記2段階の加熱処理は、前記上部電極を接触させずに第1の処理温度まで昇温させる第1昇温工程と、前記上部電極を接触させて第2の処理温度まで昇温させる第2昇温工程とを含み、
    前記第2の処理温度は、200℃以上1000℃以下であり、
    前記第1の処理温度は、前記第2の処理温度よりも10℃以上50℃以下低い温度であることを特徴とする請求項2に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
  4. 前記上部電極と前記下部電極間の接触抵抗が、前記第2昇温工程以前に1Ω以下である、ことを特徴とする請求項2又は3に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
  5. 前記通電処理は、0.5A/min以上240A/min以下の速度で、1000
    A/cm2以下の所定の電流値まで上昇させて行うことを特徴とする請求項2に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
  6. 前記下部電極上に設置するサンプルホルダが、絶縁体スペーサを含むことを特徴とする請求項2に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
  7. 前記通電処理が、前記カーボンナノチューブ集合体の配向方向と同一方向に通電して行われることを特徴とする請求項2に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
  8. 請求項2から7の何れか一に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法により製造されたカーボンナノチューブ集合体であって、
    前記カーボンナノチューブ集合体は、導電率が60S/cm以上150S/cm以下であり、熱伝導率が10W m-1-1以上25W m-1-1以下であり、G/D比が8以上25以下であり、前記カーボンナノチューブ集合体を分散させた分散液に対するカーボンナノチューブの濃度が1.50mg/l以上4.00mg/l以下となるカーボンナノチューブ集合体。
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