JP2016188521A - 棚板の壁取付構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】棚板の下方への倒れを抑制することができる棚板の壁取付構造を提供する。
【解決手段】建物には間仕切壁11が設けられており、その間仕切壁11は石膏ボード14を備えている。石膏ボード14は、石膏からなる芯材の壁面をボード用原紙14bで被覆してなる。石膏ボード14には、ボード用原紙14bの表面側に突出するように棚板21が取付金具22を介して取り付けられている。取付金具22は、石膏ボード14に固定される壁固定部25と、棚板21に固定される棚板固定部26とを備える。壁固定部25は、ボード用原紙14bの表面に対向する固定板部27を有し、その固定板部27aがボード用原紙14bの表面に密着された状態で固定されている。ボード用原紙14bにおいて少なくとも固定板部27の下端部と重なる所定の範囲は、接着剤が塗布されることで硬化された硬化領域50となっている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、棚板の壁取付構造に関する。
従来より、建物の壁面に対して棚板が取り付けられる壁付けの棚板構造が知られている(例えば特許文献1参照)。このような壁付けの棚板は、例えば壁材としての石膏ボードの壁面に取付金具を介して取り付けられる。
この種の取付金具としては、L字型のアングルがよく用いられる。また、棚板の内部に収容された状態で設けられるいわゆる見えないタイプの取付金具が用いられる場合もある。見えないタイプの取付金具は、棚板に石膏ボード側の端面にて開口する孔部を形成し、その孔部に収容(挿入)された状態で設けられるようになっている。この取付金具を用いれば、取付金具が棚板により覆い隠されるため、棚板周辺の外観が損なわれるのを抑制することができる。
また、このタイプの取付金具は、石膏ボードの壁面に固定される壁固定板部と、棚板内部に挿入され当該棚板に固定される棚板固定部とを有している。
特許第5393258号公報
ところで、石膏ボードは、石膏からなる芯材(壁板)の壁面にボード用原紙が被覆されることで構成されている。したがって、石膏ボードの壁面に取付金具の壁固定板部が固定される場合、壁固定板部がボード用原紙の表面に密着された状態で固定されることになる。
ここで、石膏ボードにおいて芯材は石膏よりなるのに対してボード用原紙は柔らかい紙材よりなる。そのため、棚板上に載せられた物品の荷重により取付金具の壁固定板部に下方への回転力が生じると、その回転力により壁固定板部の下端部がボード用原紙又はボード用原紙から石膏に及ぶようにめり込んで壁固定板部が傾くことが想定される。そうすると、それに伴って取付金具ひいては棚板が下方へ傾く(倒れる)おそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、棚板の下方への倒れを抑制することができる棚板の壁取付構造を提供することを主たる目的とするものである。
上記課題を解決すべく、第1の発明の棚板の壁取付構造は、壁板の壁面を紙又は樹脂からなるシート状の被覆材で被覆してなる壁材を備え、その壁材に前記被覆材の表面側に突出するようにして棚板が取付部材を介して取り付けられる棚板の壁取付構造であって、前記取付部材は、前記壁材に対して固定される壁固定部と、前記棚板に対して固定される棚板固定部とを備え、前記壁固定部は、前記被覆材の表面に対向する対向面部を有し、その対向面部を前記表面に密着させた状態で前記壁材に固定されており、前記被覆材において少なくとも前記対向面部の下端部と重なる所定の範囲が、接着剤又は硬化剤が塗布されることで硬化された硬化領域となっていることを特徴とする。
本発明によれば、取付部材の壁固定部がその対向面部を壁板を被覆する被覆材の表面に密着させた状態で壁材に固定されている。ここで、被覆材は、比較的柔らかい材料である紙又は樹脂により形成されているため、棚板に作用する物品からの下向き荷重により壁固定部に下方への回転力が生じた場合に、壁固定部の対向面部の下端部が被覆材にめり込んで取付部材ひいては棚板が下方へ傾く(倒れる)おそれがある。そこで本発明では、これに対する対策として、被覆材において少なくとも対向面部の下端部が重なる所定の範囲に接着剤又は硬化剤を塗布することで硬化領域を形成している。この場合、対向面部の下端部が被覆材(硬化領域)にめり込むのを抑制することができるため、かかるめり込みに伴う取付部材の下方への倒れ、ひいては棚板の下方への倒れを抑制することができる。
第2の発明の棚板の壁取付構造は、第1の発明において、前記壁材は、石膏からなる前記壁板の壁面を前記被覆材としてのボード用原紙で被覆してなる石膏ボードであり、前記棚板は、前記石膏ボードに前記ボード用原紙の表面側に突出するようにして取り付けられており、前記硬化領域は前記ボード用原紙に設けられていることを特徴とする。
ところで、建物に設けられる壁材としては、耐火性能に優れた石膏ボードがよく用いられる。石膏ボードは、石膏からなる芯材(壁板)をボード用原紙(被覆材)で被覆することにより構成されている。そのため、石膏ボードに棚板が取付部材を介して取り付けられる構成では、取付部材の壁固定部がその対向面部を石膏よりも柔らかいボード用原紙の表面に密着させた状態で石膏ボードに固定される。そこで本発明では、このような構成に第1の発明を適用し、上記ボード用原紙に硬化領域を形成している。この場合、壁固定部の対向面部の下端部がボード用原紙にめり込むのを抑制することができるため、かかるめり込みに伴う棚板の倒れを抑制することができる。
第3の発明の棚板の壁取付構造は、第1又は第2の発明において、前記棚板には、前記壁材側の端面にて開口された孔部が形成されており、前記取付部材は、前記孔部に挿入された状態で設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、棚板に形成された孔部に取付部材が挿入された状態で設けられているため、取付部材を棚板により覆い隠すことができる。この場合、棚板周辺の外観が損なわれるのを抑制しながら、棚板を壁材に取り付けることができる。ここで、かかる取付部材では、壁固定部の上下寸法を棚板の厚み分しか確保することができないため、壁固定部を安定した状態で壁材に固定することが困難になると考えられる。そのため、棚板に作用する下向き荷重により壁固定部に下方への回転力が生じる場合に、対向面部の下端が被覆材にめり込む上述の事態が生じ易いと考えられる。その点本発明では、かかる構成に第1の発明(硬化領域に関する構成)を適用しているため、このような構成であっても対向面部のめり込みを抑制することができ、ひいてはかかるめり込みに伴う棚板の倒れを抑制することができる。
第4の発明の棚板の壁取付構造は、第3の発明において、前記硬化領域は、前記被覆材において前記対向面部により覆われた領域全体を含んで形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、硬化領域が被覆材において対向面部により覆われた領域全体を含むように形成されているため、対向面部の全体が被覆材にめり込むのを抑制することができる。これにより、かかるめり込みに伴う棚板の倒れをより一層抑制することができる。
第5の発明の棚板の壁取付構造は、第3又は第4の発明において、前記硬化領域は、前記棚板からはみ出ないように形成されていることを特徴とする。
ところで、被覆材において硬化領域とそれ以外の領域(非硬化領域)との境界では、その表面に段差が生じる場合が考えられる。その場合、被覆材の表面に仕上げ材(壁紙等)が貼り付けられると、上記の段差部分で仕上げ材にも段差が発生し外観が損なわれるおそれがある。また、被覆材の表面が仕上げ面とされる構成では、上記の境界が目立って外観が損なわれるおそれがある。そこで本発明では、これらの点に鑑みて、硬化領域を棚板からはみ出ないように形成している。この場合、被覆材における硬化領域とそれ以外の領域との境界を棚板により覆い隠すことができるため、当該境界により外観が損なわれるのを回避することができる。
第6の発明の棚板の壁取付構造は、第3乃至第5のいずれかの発明において、前記壁材の裏面側には、下地板が設けられており、前記下地板には、前記壁固定部及び前記壁材を貫通して固定具が打ち込まれており、その固定具により前記壁固定部が前記壁材に対して固定されており、前記壁固定部は、前記対向面部から前記壁材の裏面側へ当該壁材を貫通して延びるシャフトを備え、前記下地板には、前記シャフトを差し込むための差込孔部が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、壁固定部に設けられたシャフトが壁材の裏面側へ当該壁材を貫通して延びており、そのシャフトが壁材の裏面側に設けられた下地板の差込孔部に差し込まれている。この場合、棚板に作用する下向き荷重により壁固定部(詳しくは壁固定部において壁材の表面側に設けられた部分)に下方への回転力が生じても、壁固定部のシャフトが上方へ傾く(回転する)ことが差込孔部により規制されているため、結果として壁固定部の下方への回転を抑制することができる。これにより、取付部材ひいては棚板の倒れをより一層抑制することが可能となる。
第7の発明の棚板の壁取付構造は、第6の発明において、前記シャフトにおいて前記差込孔部に差し込まれた差込部分には、その外周面に前記下地板との摩擦抵抗を高める高摩擦構造が形成されていることを特徴とする。
ところで、上記第6の発明の構成では、棚板に作用する下向き荷重により壁固定部に下方の回転力が生じた場合、シャフトが上方へ傾くのを規制することはできるが、シャフトには上記の回転力により差込孔部から引き抜かれる側へ向けた引き抜き力も作用することが想定される。この場合、この引き抜き力によりシャフト(さらには壁固定部)が上記引き抜き側に変位し壁固定部が下方に向け回転し易くなるおそれがある。
そこで本発明では、この点に鑑みて、シャフトにおいて差込孔部に差し込まれる差込部分の外周面に高摩擦構造を形成している。この場合、差込部分と下地板との摩擦抵抗が高められているため、シャフトに作用する上記の引き抜き力に対して抵抗力を付与することが可能となる。これにより、シャフトの上記引き抜き側への変位を抑制することができ、ひいてはかかる変位に伴う壁固定部の回転を抑制することができる。よって、この場合、取付部材ひいては棚板の倒れをさらに抑制することが可能となる。
第8の発明の棚板の壁取付構造は、第6又は第7の発明において、前記壁固定部は、前記棚板の幅方向において前記シャフトを挟んだ両側に配置された一対の前記固定具により前記壁材に固定されており、前記各固定具はいずれも前記シャフトと異なる高さ位置に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、壁固定部が棚板の幅方向においてシャフトを挟んだ両側に配置された一対の固定具(ビスや釘、ボルト等)により壁材に固定されており、それら各固定具がいずれもシャフトとは異なる高さ位置に配置されている。この場合、各固定具とシャフトとが水平方向に一直線に並ばないようにすることができるため、これら各固定具及びシャフトが水平方向に一直線に並んで配置される場合と異なり、当該直線を回転中心とした壁固定部の下方への回転が生じるのを抑制できる。これにより、棚板の倒れをより一層抑制することができる。
第9の発明の棚板の壁取付構造は、第6乃至第8のいずれかの発明において、前記下地板は、その上下方向の長さが前記棚板の奥行き寸法よりも長くなっていることを特徴とする。
ところで、棚板に作用する下向き荷重により壁固定部が下方へ向けて回転しようとすると、その壁固定部が固定された壁材が壁固定部の回転に追従して変形するおそれがある。この際、壁材は、例えば壁固定部が固定された固定部位周辺が上下に波打つ波板状に変形することが考えられる。そこで本発明では、このような点に鑑みて、壁材の裏面側に設けられる下地板の上下長さを棚板の奥行き寸法よりも長くしている。この場合、壁材において壁固定部が固定された固定部位周辺をその裏面側から十分な上下寸法をもって下地板で覆うことが可能となるため、壁材の上記変形を好適に抑えることが可能となり、ひいては上記変形に基づく棚板の倒れを抑制することが可能となる。
(a)は間仕切壁周辺の構成を示す縦断面図であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。 棚板が石膏ボードに取付金具を介して取り付けられた状態を示す縦断面図。 取付金具が石膏ボードに固定された状態を示す斜視図。 取付金具を分解した状態で示す分解斜視図。 取付金具が石膏ボードに固定された状態を示す横断面図。 他の実施形態における固定板部の石膏ボードに対する固定状態を示す正面図。
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、図1において(a)は間仕切壁周辺の構成を示す縦断面図であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。
図1(a)及び(b)に示すように、建物には、間仕切壁11が設けられており、その間仕切壁11により第1居室K1と第2居室K2とが仕切られている。間仕切壁11は、横並びに設けられた複数の壁パネル12により構成されている。壁パネル12は、下地フレーム13と、下地フレーム13を挟んだ両側に設けられた一対の石膏ボード14,15とを備えている。
下地フレーム13は、木製角材よりなる複数のフレーム材13a,13bが矩形枠状に連結されることにより構成されている。具体的には、下地フレーム13は、上下方向に延びる一対の縦フレーム材13aと、それら各縦フレーム材13aの間に架け渡された上下複数(図1(b)では6つ)の横フレーム材13bとを有している。複数の横フレーム材13bのうち、フレーム上端に配された横フレーム材13bは天井面17にビス等で固定され、フレーム下端に配された横フレーム材13bは床面18にビス等で固定されている。
各石膏ボード14,15のうち、石膏ボード14が下地フレーム13の第1居室K1側に設けられ、石膏ボード15が下地フレーム13の第2居室K2側に設けられている。これら各石膏ボード14,15はいずれも下地フレーム13と同じ大きさ(縦横寸法)を有して形成されており、下地フレーム13に対してビス等で固定されている。
石膏ボード14は、石膏からなる板状の芯材14aにボード用原紙14b,14cが被覆されることにより形成されている(図2や図5参照)。ボード用原紙14b,14cは、芯材14aの両側の板面(壁面)をそれぞれ被覆しており、芯材14aの表面(第1居室K1側の面)を被覆するボード用原紙が14b、芯材14aの裏面を被覆するボード用原紙が14cとなっている。
なお、石膏ボード14が壁材に相当し、芯材14aが壁板に相当し、ボード用原紙14bが被覆材に相当する。また、石膏ボード15も、石膏ボード14と同様、芯材にボード用原紙が被覆されることにより構成されている。
石膏ボード14には、第1居室K1側に突出するようにして棚板21が取り付けられている。棚板21は、いわゆる壁付けの棚板であり、木質系の材料により所定の厚みを有する矩形板状に形成されている。棚板21は、石膏ボード14への取付状態において水平向きとされており、その上面が物品を載置するための載置面となっている。
なお、図示の例では、石膏ボード14に棚板21が1つ(1段)しか取り付けられていないが、石膏ボード14に棚板21を上下に複数取り付けて多段としてもよい。
棚板21は、石膏ボード14に取付部材としての取付金具22を介して取り付けられている。取付金具22は、棚板21の幅方向に所定の間隔で複数(具体的には2つ)設けられており、それら複数の取付金具22を介して棚板21が石膏ボード14に取り付けられている。以下、かかる取付金具22を用いた棚板21の石膏ボード14への取付構造について説明する。図2は、棚板21が石膏ボード14に取付金具22を介して取り付けられた状態を示す縦断面図である。
図2に示すように、取付金具22は、石膏ボード14に第1居室K1側から固定されている。取付金具22において石膏ボード14から第1居室K1側に突出した突出部分22aは棚板21の内部に収容されている。すなわち、棚板21には、石膏ボード14側の端面21aにおいて開口する孔部23が形成されており、その孔部23に上記の突出部分22aが差し込まれている(挿入されている)。これにより、突出部分22aひいては取付金具22が棚板21に対して固定されている。なお、孔部23に差し込まれた突出部分22aを棚板21に対して接着剤を用いて接着固定してもよい。
上記の取付金具22を用いれば、取付金具22を棚板21により覆い隠すことができるため、棚板21周辺の外観が損なわれるのを抑制しながら、棚板21を石膏ボード14に取り付けることができる。ちなみに、本実施形態では、取付金具22として市販品(汎用品)を用いている。
続いて、取付金具22の構成について図3〜図5を用いながら詳しく説明する。図3は、取付金具22が石膏ボード14に固定された状態を示す斜視図である。図4は、取付金具22を分解した状態で示す分解斜視図である。図5は、取付金具22が石膏ボード14に固定された状態を示す横断面図である。なお、図4では便宜上、棚板21の端面21aの外縁を仮想線で示している。
図3〜図5に示すように、取付金具22は、石膏ボード14に対して固定される壁固定部25と、棚板21に対して固定される棚板固定部26とを備える。壁固定部25は、石膏ボード14の表面(第1居室K1側の面)に固定された固定板部27と、その固定板部27から石膏ボード14を貫通して石膏ボード14の裏面側に延びるシャフト28とを有する。
固定板部27は、長尺状をなす矩形平板状の鋼板よりなる。固定板部27は、その幅(短手方向の長さ)が棚板21の厚みよりも小さくされている。固定板部27は、その長手方向を棚板21の幅方向(換言すると間仕切壁11の壁幅方向)に向けて石膏ボード14(詳しくはボード用原紙14b)の表面に固定されている。具体的には、固定板部27は
その板面27aをボード用原紙14bの表面に密着させた状態で石膏ボード14に固定されている。また、固定板部27は、かかる固定状態において棚板21の厚み方向の中央部に位置している。なお、固定板部27の板面27aが対向面部に相当する。
固定板部27は、複数(具体的には2つ)のビス29を用いて石膏ボード14に固定されている。この場合、石膏ボード14の裏面側には矩形平板状の下地板31が設けられており、その下地板31に対してビス29が固定板部27及び石膏ボード14を貫通した状態で打ち付けられている。これにより、固定板部27が下地板31との間に石膏ボード14を挟み込んだ状態で当該石膏ボード14に固定されている。なお、ビス29が固定具に相当する。
固定板部27の固定に関してより詳しく説明すると、固定板部27には長手方向の両端部にそれぞれ厚み方向に貫通する一対の孔部32が形成されている。また、石膏ボード14には、それら各孔部32に対応する位置にそれぞれ厚み方向に貫通する孔部33が形成されている。そして、上記のビス29は、これら固定板部27及び石膏ボード14の各孔部32,33を通じて第1居室K1側から下地板31に打ち付けられている。また、ビス29の頭部29aと固定板部27との間には平座金34(平ワッシャ)が介在されている。この平座金34は、いわゆるワイドタイプのものであり、その外径が固定板部27の幅の半分よりも大きくなっている。この平座金34によりビス29による固定板部27の固定強度が高められている。
シャフト28は金属製の丸棒材よりなり、その一端部が固定板部27の中央部に固定されている。詳しくは、固定板部27の中央部には厚み方向に貫通する孔部36が形成されており、その孔部36にシャフト28の一端部が挿入された状態で当該一端部が固定板部27に溶接固定されている。
シャフト28は、石膏ボード14に形成された孔部37(貫通孔部)と、下地板31に形成された孔部38(貫通孔部)とにそれぞれ挿通されている。孔部37は、その孔径がシャフト28の外径よりも大きくなっており、孔部38は、その孔径がシャフト28の外径と同じかそれよりも若干大きくなっている。したがって、シャフト28は、下地板31の孔部38に差し込まれる(挿通される)ことで下地板31に対して取り付けられている。なお、孔部38が差込孔部に相当する。
また、シャフト28は、固定板部27においてビス29挿通用の各孔部32の中央部に位置している。この場合、シャフト28と各孔部32とはいずれも固定板部27において同じ高さ位置(詳しくは固定板部27の幅方向の中央部)に位置しており、それら3者28,32が固定板部27の長手方向(水平方向)に一直線に並んで配置されている。
棚板固定部26は、壁固定部25の固定板部27に連結された連結部41と、その連結部41から固定板部27とは反対側に向けて延びるシャフト42とを有する。連結部41は、金属製であり、固定板部27の第1居室K1側の板面に固定されている。連結部41は、直方体状の本体部41aと、その本体部41aの固定板部27側の端部にて左右に突出する一対のフランジ部41bとを有する。
本体部41aは、その上下寸法が固定板部27の幅と略同じであり、その横寸法(左右寸法)が固定板部27の長さの半分又はそれよりも小さくなっている。本体部41aは、固定板部27の長手方向の中央部に位置している。一対の各フランジ部41bはそれぞれ、固定板部27にボルト44により固定されている。詳しくは、各フランジ部41bにはそれぞれ孔部45が形成されており、固定板部27にはそれら孔部45に対応する位置にそれぞれねじ孔部46が形成されている。そして、ボルト44は、フランジ部41bの孔部45を介して固定板部27のねじ孔部46にねじ込まれている。なお、石膏ボード14には、ボルト44との干渉を回避するために逃がし孔48が形成されている。
シャフト42は、金属製の丸棒材よりなり、その一端部が連結部41の本体部41aに溶接固定されている。シャフト42は、壁固定部25のシャフト28と同一軸線上に並ぶように配置されている。
ところで、上述したように、取付金具22の壁固定部25は、その固定板部27(詳しくは板面27a)を石膏ボード14のボード用原紙14b、すなわち石膏ボード14において芯材14a(石膏)よりも柔らかいボード用原紙14bに密着させた状態で石膏ボード14に固定されている。このような構成では、棚板21に作用する物品からの下向き荷重により固定板部27に下方への回転力が発生すると、固定板部27(板面27a)の下端部がボード用原紙14bにめり込んで固定板部27が下方へ傾くおそれがある。そうすると、それに伴って取付金具22ひいては棚板21が下方へ傾く(倒れる)おそれがある。そこで、本実施形態では、それに対する対策として、石膏ボード14側に特徴的な構成を設けている。以下、その特徴的な構成について説明する。
図3及び図4に示すように、石膏ボード14のボード用原紙14bにおける所定の領域は、接着剤が塗布されることにより硬化された硬化領域50となっている。図3及び図4では、その硬化領域50をドットハッチを付して示している。硬化領域50は、横方向(石膏ボード14の幅方向)に長い矩形の領域となっており、ボード用原紙14bにおいて固定板部27(板面27a)により覆われた領域全体を含むように形成されている。したがって、硬化領域50は、ボード用原紙14bにおいて固定板部27の下端部が重なる下端重なり領域においてその全域(固定板部27の長さ方向全域)に亘って設けられている。
硬化領域50は、その上下幅Hが固定板部27の幅よりも大きくなっており、その一部が固定板部27の上側及び下側にはみ出している。また、硬化領域50は、その上下幅Hが棚板21の厚みtよりも小さくなっており、その全域が棚板21の厚みtの範囲内にある。したがって、硬化領域50は、棚板21が取り付けられた状態で棚板21から上下にはみ出ないようになっている。
硬化領域50は、その横方向(左右方向)の長さが固定板部27の(長手方向の)長さよりも長くなっており、その一部が固定板部27から左右にはみ出している。また、硬化領域50は、その横方向の長さが棚板21の幅方向の端部からはみ出さない長さとされている。したがって、硬化領域50は、棚板21が取り付けられた状態で棚板21から上下左右のいずれにもはみ出ないようになっている。
硬化領域50は、ウレタン系接着剤をボード用原紙14bの表面に薄く塗布し、その後その接着剤を乾燥させて硬化させることにより形成されている。硬化領域50は、ボード用原紙14bにおける硬化領域50以外の領域(非硬化領域51という)と比べて硬くなっており、それにより硬化領域50では(厚み方向の)圧縮力に対する抵抗力が非硬化領域51よりも高められている。
上述したように、ボード用原紙14bにおいて固定板部27(板面27a)の下端部が重なる重なり領域に硬化領域50が設けられているため、棚板21に作用する下向き荷重により固定板部27に下方への回転力が生じても、その回転力により固定板部27(板面27a)の下端部がボード用原紙14b(硬化領域50)にめり込むのを抑制することができる。これにより、かかるめり込みに伴う取付金具22の下方への倒れを抑制することができ、ひいては棚板21の下方への倒れを抑制することができる。
なお、図示は省略するが、ボード用原紙14bに硬化領域50が形成された後、石膏ボード14(ボード用原紙14b)の表面には仕上げ材としての壁紙(クロス)が貼り付けられる。これにより、硬化領域50は壁紙により覆い隠された状態となる。なお、壁紙は、その端縁を棚板21に突き当てた状態で貼り付けられる。
また、本実施形態では、上述した硬化領域50以外にも、棚板21の倒れを抑制する倒れ抑制手段を備えている。かかる抑制手段としては、下地板31に関するものと、壁固定部25のシャフト28に関するものとがある。まず、下地板31に関する倒れ抑制手段について説明する。
図1に示すように、下地板31は、上下に長い矩形板状の構造用合板よりなる。下地板31は、石膏ボード14の裏面側で下地フレーム13における上下に隣り合う横フレーム材13bの間に跨がって設けられている。そして、下地板31は、その上端部及び下端部がそれぞれそれら横フレーム材13bに対してビス等で固定されている。下地板31は、その上下方向の長さLが棚板21の奥行き寸法Wよりも長くなっており、例えばその長さが480mmとなっている。
石膏ボード14を挟んで下地板31とは反対側には、上述したように、取付金具22の壁固定部25(詳しくは固定板部27)が設けられている。固定板部27は、下地板31の上下方向の中央高さにおいて石膏ボード14に対して固定されている。この固定板部27の固定状態において、固定板部27(壁固定部25)から下地板31の上端部及び下端部までの上下方向の距離は取付金具22の突出部分22aの石膏ボード14からの突出長さKと同じか又はそれよりも長くなっている。
上記の構成によれば、石膏ボード14において固定板部27が固定される固定部位周辺をその裏面側から下地板31により十分な上下寸法をもって覆うことが可能となる。棚板21に作用する下向き荷重により固定板部27が下方へ回転しようとする場合には、その固定板部27の回転に追従して石膏ボード14が変形するおそれがある。例えば、石膏ボード14において固定板部27が固定された固定部位周辺が上下に波打つように変形するおそれがある。その点、上述のように十分な上下寸法をもって石膏ボード14を裏面側から覆うようにすることで、かかる石膏ボード14の変形を好適に抑えることが可能となる。その結果、かかる変形に基づく取付金具22の倒れひいては棚板21の倒れを抑制することが可能となる。
続いて、シャフト28に関する倒れ抑制手段について説明する。
図4に示すように、シャフト28において下地板31の孔部38に差し込まれる差込部分28a(図5も参照)には、その外周面に下地板31との摩擦抵抗を高める高摩擦部53が形成されている。図4では、その高摩擦部53が形成された範囲をドットハッチを付して示している。高摩擦部53は、シャフト28の外周面(表面)にサンダー等を用いて表面粗さを粗くする表面加工が施されることで形成されている。高摩擦部53は、差込部分28aの外周面において軸線方向全域に亘って形成されている。
高摩擦部53は、差込部分28aの外周面において周方向の一部にのみ、具体的には当該外周面における上側部分にのみ形成されている。この場合、高摩擦部53は、差込部分28aの外周面においてその上端部を含む所定範囲に形成されており、その所定範囲は例えば差込部分28aの外周面の上側半分なっている。このように差込部分28aの外周面に高摩擦部53が形成されていることで、差込部分28aでは下地板31との摩擦抵抗が高められている。なお、この場合、高摩擦部53が高摩擦構造に相当する。
ちなみに、高摩擦部53は、必ずしも差込部分28aの外周面において上側半分に形成される必要はなく、上端部にのみ形成されていてもよい。また、高摩擦部53が、差込部分28aの外周面全域に形成されていてもよい。また、高摩擦部53は、差込部分28aの外周面において軸線方向の一部にのみ形成されていてもよい。
上記の構成によれば、シャフト28の差込部分28aの外周面に高摩擦部53が形成されていることで、差込部分28aと下地板31との摩擦抵抗が高められているため、棚板21に作用する下向き荷重により固定板部27に下方への回転力が生じて、シャフト28に孔部38から引き抜かれる側の引き抜き力が作用した場合にその引き抜き力に対して抵抗力を付与することができる。これにより、シャフト28が引き抜き側に変位するのを抑制することができ、その結果かかる変位に伴って固定板部27が下方へ回転してしまうのを抑制することができる。よって、この場合、取付金具22ひいては棚板21の倒れをさらに抑制することが可能となる。
また、棚板21に作用する下向き荷重により固定板部27に下方への回転力が生じる場合には、シャフト28が上方へ傾こうとするのでシャフト28の外周面の上側部分が下地板31の孔部38の内周面に当接することが想定される。そこで、上記の構成では、この点に着目して、高摩擦部53を差込部分28aの外周面の上側部分に形成している。この場合、高摩擦部53による差込部分28aと下地板31との摩擦抵抗を高める機能を好適に発揮させることが可能となるため、シャフト28の引き抜き側への変位に伴う棚板21の倒れを好適に抑制することが可能となる。
さらに、シャフト28の外周面において上側部分にのみ高摩擦部53を形成するようにしたことで、高摩擦部53を形成する際の表面加工を比較的容易とすることが可能となる。
ちなみに、高摩擦部53は、必ずしも差込部分28aの外周面の表面粗さを粗くすることで形成する必要はなく、例えば差込部分28aの外周面に凹部と凸部とが軸線方向に並ぶ凹凸構造を形成し、その凹凸構造を高摩擦部としてもよい。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
石膏ボード14のボード用原紙14bにおいて壁固定部25の固定板部27(板面27a)により覆われた領域全体を含むようにして硬化領域50を形成した。この場合、固定板部27の全体がボード用原紙14bにめり込むのを抑制することができるため、かかるめり込みに伴う取付金具22の倒れひいては棚板21の倒れをより一層抑制することができる。
硬化領域50を棚板21からはみ出ないように形成したため、硬化領域50と非硬化領域51との境界を棚板21により覆い隠すことができる。この場合、上記の境界で段差が生じても当該段差を跨いで壁紙が貼り付けられることがないため、壁紙に上記の段差に追従した段差が生じるのを回避することができる。これにより、間仕切壁11の外観が損なわれるのを回避しながら、棚板21の倒れを抑制することができる。
また、石膏ボード14のボード用原紙14bに硬化領域50を設けることで、すなわち石膏ボード14側の構成を工夫することで棚板21の倒れを抑制するようにした。この場合、取付金具22側の構成については特段工夫する必要がないため、市販の取付金具22を用いながら、比較的簡単に棚板21の倒れを抑制することができる。
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施形態では、硬化領域50を、石膏ボード14のボード用原紙14bにおいて固定板部27(板面27a)により覆われた領域全体を含むように形成したが、これを変更して、硬化領域50をボード用原紙14bにおいて固定板部27の下端部が重なる下端重なり領域にのみ形成するようにしてもよい。少なくとも下端重なり領域に硬化領域50が形成されていれば、固定板部27の下端部のめり込みを抑制することができるため、かかるめり込みに伴う棚板21の下方への倒れを抑制することができる。
また、硬化領域50を棚板21から一部はみ出すように形成してもよい。この場合、硬化領域50と非硬化領域51との境界が棚板21外部に露出することになるが、かかる境界に段差が生じていなければ壁紙を石膏ボード14に貼り付けた後、壁紙に上記の段差に追従して段差が生じることがないため、その場合にも間仕切壁11の外観を損うことなく棚板21の倒れを抑制することができる。
(2)上記実施形態では、石膏ボード14のボード用原紙14bにウレタン系接着剤を塗布することで硬化領域50を形成したが、ウレタン系接着剤以外の接着剤を塗布することで硬化領域50を形成してもよい。また、ボード用原紙14bに、接着剤に代えて、硬化剤を塗布することで硬化領域50を形成してもよい。
(3)本発明における棚板21の壁取付構造は必ずしも上記実施形態の取付金具22に対してのみ適用されるわけではなく、その他の構成からなる取付金具22にも適用することができる。例えば、上記実施形態の取付金具22は、石膏ボード14に固定される壁固定部25と、棚板21に固定される棚板固定部26とがボルト44により固定されて一体化されていたが、壁固定部25と棚板固定部26とが溶接等により一体形成された取付金具に本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態の取付金具22では、壁固定部25がシャフト28を有していたが、壁固定部25がシャフト28を有しない取付金具、すなわち壁固定部が固定板部27のみからなる取付金具に本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態の取付金具22は棚板21の孔部23に挿入されて設けられるいわゆる見えないタイプの取付金具であったが、棚板21外部に露出して設けられるいわゆる露出型の取付金具に本発明を適用してもよい。この種の取付金具としては、例えば棚板21の下面に固定される棚板固定板部と、石膏ボード14(ボード用原紙14b)の表面に固定される壁固定板部とを有するL字型の取付金具(アングル)が考えられる。この場合、壁固定板部がその板面(対向面部に相当)をボード用原紙14bの表面に密着させた状態で石膏ボード14に固定されることになる。したがって、かかる構成においても、ボード用原紙14bに硬化領域50を設けることで壁固定板部(板面)の下端がボード用原紙14bにめり込むのを抑制することができ、ひいてはかかるめり込みに伴う棚板21の倒れを抑制することができる。
(4)例えば、図6に示すように、壁固定部25の固定板部27を石膏ボード14に固定する一対のビス29をそれぞれシャフト28とは異なる高さ位置に設けるようにしてもよい。図6では、固定板部27に形成されたビス29挿通用の各孔部56が上下に長い長孔状とされている。これらの孔部56はいずれもシャフト28の外径よりも長い上下長さを有しており、上下方向にシャフト28を跨いで延びている。そして、これら各孔部56のうち一方の孔部56aではビス29aが孔部56aの下部に配置され、他方の孔部56bではビス29bが孔部56bの上部に配置されている。この場合、各ビス29a,29bはいずれもシャフト28とは異なる高さ位置に配置されており、詳しくはビス29aがシャフト28よりも低い位置に、ビス29bがシャフト28よりも高い位置に配置されている。したがって、各ビス29a,29bとシャフト28とは水平方向に一直線に並ばないように配置されている。
ここで、各ビス29a,29bとシャフト28とが水平方向に一直線に並んで配置される場合には、当該直線を回転中心とした固定板部27の下方への回転が生じるおそれがあるが、上述のように各ビス29a,29bとシャフト28とが水平方向に一直線に並ばない構成では、上記直線を回転中心とした取付金具22の下方への回転が生じるのを抑制することができる。これにより、棚板21の倒れをより一層抑制することができる。
なお、各ビス29a,29bとシャフト28とが水平方向に一直線に並ばないのであれば、各孔部56a,56bは必ずしも長孔により形成する必要はなく、例えば丸孔により形成してもよい。
(5)上記実施形態では、棚板21の倒れを抑制する倒れ抑制手段として、ボード用原紙14bに設けた硬化領域50以外に、下地板31に関する倒れ抑制手段(詳しくは下地板31の上下長さLを棚板21の奥行き寸法Wよりも長くした構成)と、シャフト28に関する倒れ抑制手段(詳しくは差込部分28aの外周面に高摩擦部53を形成した構成)とをそれぞれ設けたが、下地板31に関する倒れ抑制手段及びシャフト28に関する倒れ抑制手段のうちいずれか一方又は両方を設けないようにしてもよい。その場合でも、硬化領域50が設けられていることで棚板21の倒れを抑制することができる。
(6)上記実施形態では、石膏ボード14(詳しくはボード用原紙14b)の表面に壁紙(クロス)を貼り付ける前に石膏ボード14に棚板21を取り付けたが、場合によっては石膏ボード14の表面に壁紙を貼り付けた後に石膏ボード14に棚板21を取り付けることも考えられる。この場合、取付金具22の壁固定部25を石膏ボード14に固定するにあたって、固定板部27(板面27a)を壁紙の表面に密着させた状態で固定することになるが、壁紙は塩化ビニル等の樹脂や紙といった比較的柔らかい材料で形成されているため、この場合にも固定板部27のめり込みの問題が生じるおそれがある。
そこで、かかる構成において、壁紙に接着剤又は硬化剤を塗布することで硬化領域50を形成することが考えられる。そうすれば、壁紙への固定板部27のめり込みを抑制することができ、その結果かかるめり込みに伴う棚板21の倒れを抑制することができる。なお、この場合、石膏ボード14が壁板に相当し、壁紙が被覆材に相当する。また、石膏ボード14と壁紙とにより壁材が構成される。
また、壁板として石膏ボード14に代えて合板を用い、その合板の壁面に壁紙を貼り付ける場合にも、石膏ボード14を壁板とした上記の場合と同様に、棚板21を取り付けるにあたって硬化領域50による棚板21の倒れ抑制構造を適用することができる。
(本明細書から抽出可能な他の発明について)
以下に、本明細書の開示範囲内において課題を解決するための手段欄に記載した発明以外に抽出可能な発明について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
(1)壁板の壁面を紙又は樹脂からなるシート状の被覆材で被覆してなる壁材を備え、
その壁材に前記被覆材の表面側に突出するようにして棚板が取付部材を介して取り付けられる棚板の壁取付構造であって、
前記取付部材は、前記壁材に対して固定される壁固定部と、前記棚板に対して固定される棚板固定部とを備え、
前記壁固定部は、前記被覆材の表面に対向する対向面部を有し、その対向面部を前記表面に密着させた状態で前記壁材に固定されており、
前記壁材の裏面側には、下地板が設けられており、
前記下地板には、前記壁固定部及び前記壁材を貫通して固定具が打ち込まれており、
その固定具により前記壁固定部が前記壁材に対して固定されており、
前記壁固定部は、前記対向面部から前記壁材の裏面側へ当該壁材を貫通して延びるシャフトを備え、
前記下地板には、前記シャフトを差し込むための差込孔部が形成されており、
前記シャフトにおいて前記差込孔部に差し込まれた差込部分には、その外周面に前記下地板との摩擦抵抗を高める高摩擦構造が形成されていることを特徴とする棚板の壁取付構造。
上記構成によれば、シャフトにおいて差込孔部に差し込まれる差込部分の外周面に高摩擦構造が形成されているため、差込部分と下地板との摩擦抵抗が高めることができる。この場合、シャフトに作用する引き抜き力に対して抵抗力を付与することができるため、シャフトの引き抜き側への変位を抑制することができ、ひいてはかかる変位に伴う壁固定部の下方への回転を抑制することができる。これにより、取付部材ひいては棚板の倒れを抑制することができる。
(2)壁板の壁面を紙又は樹脂からなるシート状の被覆材で被覆してなる壁材を備え、
その壁材に前記被覆材の表面側に突出するようにして棚板が取付部材を介して取り付けられる棚板の壁取付構造であって、
前記取付部材は、前記壁材に対して固定される壁固定部と、前記棚板に対して固定される棚板固定部とを備え、
前記壁固定部は、前記被覆材の表面に対向する対向面部を有し、その対向面部を前記表面に密着させた状態で前記壁材に固定されており、
前記壁材の裏面側には、下地板が設けられており、
前記下地板には、前記壁固定部及び前記壁材を貫通して一対の固定具が打ち込まれており、それら固定具により前記壁固定部が前記壁材に固定されており、
前記壁固定部は、前記対向面部から前記壁材の裏面側へ当該壁材及び前記下地板を貫通して延びるシャフトを備え、
前記各固定具は、前記棚板の幅方向において前記シャフトを挟んだ両側にそれぞれ配置されているとともに、前記シャフトとは異なる高さ位置に配置されていることを特徴とする棚板の壁取付構造。
上記構成によれば、壁固定部が棚板の幅方向においてシャフトを挟んだ両側に配置された一対の固定具(ビスや釘、ボルト等)により壁材に固定されており、それら各固定具がいずれもシャフトとは異なる高さ位置に配置されている。この場合、各固定具とシャフトとが水平方向に一直線に並ばないようにすることができるため、これら各固定具及びシャフトが水平方向に一直線に並んで配置される場合と異なり、当該直線を回転中心とした壁固定部の下方への回転が生じるのを抑制できる。これにより、棚板の倒れを抑制することが可能となる。
(3)壁板の壁面を紙又は樹脂からなるシート状の被覆材で被覆してなる壁材を備え、
その壁材に前記被覆材の表面側に突出するようにして棚板が取付部材を介して取り付けられる棚板の壁取付構造であって、
前記取付部材は、前記壁材に対して固定される壁固定部と、前記棚板に対して固定される棚板固定部とを備え、
前記壁固定部は、前記被覆材の表面に対向する対向面部を有し、その対向面部を前記表面に密着させた状態で前記壁材に固定されており、
前記壁材の裏面側には、下地板が設けられており、
前記下地板には、前記壁固定部及び前記壁材を貫通して固定具が打ち込まれており、
その固定具により前記壁固定部が前記壁材に対して固定されており、
前記下地板は、その上下方向の長さが前記棚板の奥行き寸法よりも長くなっていることを特徴とする棚板の壁取付構造。
ところで、棚板に作用する下向き荷重により壁固定部が下方へ向けて回転しようとすると、その壁固定部が固定された壁材が壁固定部の回転に追従して変形するおそれがある。この際、壁材は、例えば壁固定部が固定された固定部位周辺が上下に波打つ波板状に変形することが考えられる。そこで、上記の構成では、このような点に鑑みて、壁材の裏面側に設けられる下地板の上下長さを棚板の奥行き寸法よりも長くしている。この場合、壁材において壁固定部が固定された固定部位周辺をその裏面側から十分な上下寸法をもって下地板で覆うことが可能となるため、壁材の上記変形を好適に抑えることが可能となり、ひいては上記変形に基づく棚板の倒れを抑制することが可能となる。
14…壁材としての石膏ボード、14a…壁板としての芯材、14b…被覆材としてのボード用原紙、21…棚板、22…取付部材としての取付金具、23…孔部、25…壁固定部、26…棚板固定部、27a…対向面部としての板面、28…シャフト、29…固定具としのビス、31…下地板、38…差込孔部としての孔部、50…硬化領域、53…高摩擦構造としての高摩擦部。

Claims (9)

  1. 壁板の壁面を紙又は樹脂からなるシート状の被覆材で被覆してなる壁材を備え、
    その壁材に前記被覆材の表面側に突出するようにして棚板が取付部材を介して取り付けられる棚板の壁取付構造であって、
    前記取付部材は、前記壁材に対して固定される壁固定部と、前記棚板に対して固定される棚板固定部とを備え、
    前記壁固定部は、前記被覆材の表面に対向する対向面部を有し、その対向面部を前記表面に密着させた状態で前記壁材に固定されており、
    前記被覆材において少なくとも前記対向面部の下端部と重なる所定の範囲が、接着剤又は硬化剤が塗布されることで硬化された硬化領域となっていることを特徴とする棚板の壁取付構造。
  2. 前記壁材は、石膏からなる前記壁板の壁面を前記被覆材としてのボード用原紙で被覆してなる石膏ボードであり、
    前記棚板は、前記石膏ボードに前記ボード用原紙の表面側に突出するようにして取り付けられており、
    前記硬化領域は前記ボード用原紙に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の棚板の壁取付構造。
  3. 前記棚板には、前記壁材側の端面にて開口された孔部が形成されており、
    前記取付部材は、前記孔部に挿入された状態で設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の棚板の壁取付構造。
  4. 前記硬化領域は、前記被覆材において前記対向面部により覆われた領域全体を含んで形成されていることを特徴とする請求項3に記載の棚板の壁取付構造。
  5. 前記硬化領域は、前記棚板からはみ出ないように形成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の棚板の壁取付構造。
  6. 前記壁材の裏面側には、下地板が設けられており、
    前記下地板には、前記壁固定部及び前記壁材を貫通して固定具が打ち込まれており、
    その固定具により前記壁固定部が前記壁材に対して固定されており、
    前記壁固定部は、前記対向面部から前記壁材の裏面側へ当該壁材を貫通して延びるシャフトを備え、
    前記下地板には、前記シャフトを差し込むための差込孔部が形成されていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の棚板の壁取付構造。
  7. 前記シャフトにおいて前記差込孔部に差し込まれた差込部分には、その外周面に前記下地板との摩擦抵抗を高める高摩擦構造が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の棚板の壁取付構造。
  8. 前記壁固定部は、前記棚板の幅方向において前記シャフトを挟んだ両側に配置された一対の前記固定具により前記壁材に固定されており、
    前記各固定具はいずれも前記シャフトと異なる高さ位置に配置されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の棚板の壁取付構造。
  9. 前記下地板は、その上下方向の長さが前記棚板の奥行き寸法よりも長くなっていることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の棚板の壁取付構造。
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