JP2016188416A - ゴムとの接着性に優れた極細めっき鋼線およびそれを用いたゴム複合体ならびにその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)線径が0.1〜0.4mmであり、表面に、平均厚さが50〜500nmであるめっき層を有し、該めっき層が、質量%で、SiO2(2酸化シリコン:シリカ)を0.3〜10%含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなることを特徴とするゴムとの接着性に優れためっき鋼線。
(2)Cuめっき中のSiO2(2酸化シリコン:シリカ)の平均粒子径が円換算で10nm〜80nmであることを特徴とする(1)記載のゴムとの接着性に優れためっき鋼線。
(3)ゴム組成物に(1)または(2)記載のめっき鋼線が埋設されたゴム複合体。
(4)ゴム組成物には有機酸コバルト塩を含まないことを特徴とする(3)記載のゴム複合体。
(5)Cu中にSiO2(2酸化シリコン:シリカ)粒子が分散しためっき層を有するCuめっき鋼線を、伸線加工するに際し、引抜プーリーと鋼線の間でスリップせず、鋼線に作用する逆張力を鋼線破断荷重の5〜30%付与しつつ湿式伸線を行うことを特徴とする、Cuめっき極細鋼線の製造方法。
めっき鋼線の線径は、しなやかさを得るために、0.4mm以下とする。これは、線径が0.4mmより太くなり、しなやかさが低下すると、タイヤのゴム補強材に使用した場合に、自動車の乗り心地が低下するためである。また、線径が太くなると、伸線加工による加工強化代が小さくなり、十分な補強効果が得られない。したがって、極細めっき鋼線の線径は0.4mm以下が好ましい。一方、線径を細くすると、製造工程が長くなり、最終製品の生産性も低下するために製造に時間とコストがかかる。さらに、めっき鋼線の比表面積が増加し、ゴム中Sとめっき中Cuの反応が進行し、シリカ分散による反応制御性が低下し、十分な接着性を確保できなくなるため、極細めっき鋼線の線径の下限を0.1mm以上とすることが好ましい。より好ましくは0.17〜0.34mmである。
シリカはCuめっき母相に分散しており、加硫処理時にゴム中SとCuが反応して形成する硫化物層の過剰な反応を抑制する効果を有する。この結果、Cuを主体とするめっき層でもゴムとの高い接着強度が得られるものである。Cuは展伸性に富み、湿式伸線時には、伸線加工性を向上させるが、シリカを含むことで、ダイスとめっき層間での潤滑性が改善される。シリカの含有量が少ないとCuがゴム中Sと過剰に反応し、十分な接着強度が得られない。このため、めっき層中のシリカの分散比率は、0.3%以上にすることが好ましい。一方、シリカが過剰にめっき層中に分散するとCuとSとの反応が進まず十分な厚さの接着層が形成されず、接着強度が著しく低下する。そのため、シリカの分散比率を10%以下にすることが好ましい。ゴムとの初期接着と接着劣化をより改善するにはシリカの分散比率を0.7〜5%にすることがより好ましい。
シリカの粒子径はCuの拡散パスの制御に影響を及ぼすとともに伸線時のダイスとの潤滑性にも影響する。シリカ粒子が微細な場合はCuの拡散の抑制効果が得られず、伸線時にダイスとの接触部での潤滑性改善効果も得にくくなることからシリカ粒子径は10nm以上が好ましい。一方、粗大なシリカ粒子ではCuめっき母相中に均一に分散させるのが困難になり、Cuの拡散制御が不均一になる。また、ダイスとシリカ粒子の接触も不均一となり、安定した潤滑性改善効果が得られないことからシリカ粒子径は80nm以下が好ましい。より好ましくは30〜60nmである。
シリカが分散したCuめっき厚さが薄すぎると、めっきを施す前の鋼線の表面の凹凸に起因して、めっき鋼線の表面に、局所的に鉄が露出した部分(Fe露出部)が生じることがある。このFe露出部では、ゴムとは接着しないのみではなく、伸線時にダイスとの直接接触による焼き付きが発生し、伸線材の著しい延性の低下、傷の発生、ダイスの割損によるトラブルとなる。したがって、シリカが分散したCuめっきの平均厚さは50nm以上にすることが好ましい。一方、めっきが厚い場合は、接着反応に関与するCu量が増加し、時間の経過とともに、接着層が成長し、接着反応層の密度が低下し、Cu硫化物の組成がCuSに近くなり、接着強度が低下することがある。したがって、めっき鋼線とゴムとの接着強度の経年劣化を抑制するためには、シリカが分散したCuめっき層の平均厚さを500nm以下にすることが好ましい。より好ましくは、シリカが分散したCuめっき層の平均厚さは150〜350nmである。
めっき厚t=W/(A×ρ) (1)
ただし、t:平均めっき厚さ、W:単位長さのめっき質量、A:単位長さのめっき層の表面積、ρ:めっき層の平均比重である。めっき層の平均比重ρは、下記式によって算出することができる。
ρ=ρCu×WCu+ρSiO2×WSiO2
ただし、ρCu:Cuの比重、ρSiO2:SiO2の比重である。また、WCu:めっき中Cuの質量比、WSiO2:めっき中SiO2の質量比である。
試験No.17はシリカを含まないCu単相めっき鋼線で、初期接着性、劣化後の接着性とも悪化した例である。試験No.18はCuめっき中のシリカ質量比が少なく、Cu単相めっきと同様に初期接着性、劣化後の接着性が悪化した例である。試験No.19はCuめっき中のシリカ質量比が多く、Cuとゴム中Sの反応が阻害され、接着層が形成されず、初期接着性が低下した例である。
試験No.22は線径が太く、強度が3200MPa未満であって、ゴム複合体としての補強効果が小さくなった例である。試験No.23は線径が細く、強加工により、伸線加工性が低下するとともに、比表面積が増加し、ゴム中Sとの反応性が高くなり、シリカによる反応制御性が低下し、十分な接着強度が得られなかった例である。
2:Cuめっき母相
3:地鉄(被めっき鋼線)
4:シリカ分散Cuめっき層
Claims (5)
- 線径が0.1〜0.4mmであり、表面に、平均厚さが50〜500nmであるめっき層を有し、該めっき層が、質量%で、
SiO2(2酸化シリコン:シリカ):0.3〜10%、
を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなることを特徴とするゴムとの接着性に優れた極細めっき鋼線。 - Cuめっき中のSiO2(2酸化シリコン:シリカ)の平均粒子径が円換算で10nm〜80nmであることを特徴とする請求項1記載のゴムとの接着性に優れた極細めっき鋼線。
- ゴム組成物に請求項1又は2記載の極細めっき鋼線が埋設されたゴム複合体。
- ゴム組成物には有機酸コバルト塩を含まないことを特徴とする請求項3記載のゴム複合体。
- Cu中にSiO2(2酸化シリコン:シリカ)粒子が分散しためっき層を有するCuめっき鋼線を、伸線加工するに際し、引抜プーリーと鋼線の間でスリップせず、鋼線に作用する逆張力を鋼線破断荷重の5〜30%付与しつつ湿式伸線を行うことを特徴とする、極細めっき鋼線の製造方法。
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JPH07227692A (ja) * | 1994-02-18 | 1995-08-29 | Sumitomo Metal Ind Ltd | ガスシールドアーク溶接用ワイヤとその製造方法 |
JP2011219836A (ja) * | 2010-04-13 | 2011-11-04 | Nippon Steel Corp | ゴムとの接着性に優れた極細めっき鋼線 |
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