JP6379999B2 - ゴムとの接着性に優れためっき鋼線およびそれを用いたゴム複合体ならびにその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)線径が0.1〜0.4mmであり、表面に、平均厚さが50〜500nmであるめっき層を有し、該めっき層が、質量%で、カーボンブラック(以下CBと記載):0.1〜5%を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなることを特徴とする極細めっき鋼線。
(2)Cuめっきに分散したCBの一次粒子の平均径が10nm〜100nmであることを特徴とする(1)の極細めっき鋼線。
(3)ゴム組成物に(1)又は(2)記載の極細めっき鋼線が埋設されたゴム複合体。
(4)ゴム組成物には有機酸コバルト塩を含まないことを特徴とした(3)記載のゴム複合体。
(5)CB粒子が分散したCuめっき鋼線を湿式伸線を行う場合、鋼線とプーリー間の滑りがなく、逆張力を鋼線の破断荷重の5〜30%付与しつつ湿式伸線を行うことを特徴とする、CB分散Cuめっき極細鋼線の製造方法。
めっき鋼線の線径は、しなやかさを得るために、0.4mm以下とする。これは、線径が0.4mmより太くなり、しなやかさが低下すると、タイヤのゴム補強材に使用した場合に、自動車の乗り心地が低下するためである。また、線径が太くなると、伸線加工による加工強化代が小さくなり、十分な補強効果が得られない。したがって、極細めっき鋼線の線径は0.4mm以下が好ましい。一方、線径を細くすると、製造工程が長くなり、最終製品の生産性も低下するために製造に時間とコストがかかる。さらに、めっき線の比表面積が増加し、ゴム中Sとめっき中Cuの反応が進行し、CB分散による反応制御性が低下し、十分な接着性を確保できなくなるため、極細めっき鋼線の線径の下限を0.1mm以上とすることが好ましい。極細鋼線の線径は、より好ましくは0.17〜0.34mmである。
CBはCu母相に分散しており、Cuとゴムに含まれるS加硫処理時に形成する硫化物相の過剰形成を抑制する効果を有する。また、めっき層の表層に露出したCBは加硫処理時に、ゴムとの接着面で緻密な反応層を形成し、直接接着作用を発揮する。この結果、Cuを主体とするめっき層でもゴムとの高い接着強度が得られるものである。Cuは展伸性に富み、湿式伸線時の潤滑性を改善し、伸線加工性を向上させる効果があるが、CBを含むことで、CBの固体潤滑性能によりさらに潤滑性が改善される。Cuめっきに分散したCBによるこれらの効果を得るためにはCuめっき中のCB分散量を、0.1%以上にすることが好ましい。一方、CBが多く分散するとCuとSとの反応が阻害され、めっき表面に露出したCBとゴムの反応層のみの接着効果しかなくなり十分な接着強度が得られないため、Cuめっき中のCB分散量は5%以下にすることが好ましい。伸線加工性と、ゴムとの初期接着と接着劣化性をより改善するにはCBの配合量を0.7〜3%にすることがより好ましい。
CBは図2に模式的に示すように単一粒子が凝集したストラクチャーを形成する。しかし、伸線加工時にめっき層に作用する大きな面圧によりストラクチャー構造は変形と分断により、一次粒子が並んだ分散状況になる。従って、めっき中のCuの拡散パスに影響を及ぼすCBの粒径は単一の一次粒子となる。この一次粒子径が小さい場合はCuの拡散抑制効果が得られないとともに、ダイスとCB表面の接触面積が低下し、伸線時にダイスと鋼線間の摩擦低減効果も小さくなるため、CB粒子サイズは10nm以上が好ましい。一方、CBの粒径が大きい場合は伸線によりCuめっき母相中のCB粒子が粗な状態で分散するために、Cuの拡散制御が不均一となり、接着反応層の形成が局部的に変化し、接着強度ばらつきが大きくなるとともに安定した潤滑性改善効果が得られないためCBの平均粒径は100nm以下が好ましい。より好ましくは20〜80nmである。
CBが分散したCuめっきが薄すぎると、めっきを施す前の鋼線の表面の凹凸に起因して、めっき鋼線の表面に、局所的に地鉄が露出した部分(Fe露出部)が生じることがある。このFe露出部では、ゴムと接着しないのみではなく、伸線時にダイスとの直接接触による焼き付きが発生し、伸線材の著しい延性の低下、傷の発生、ダイスの割損等のトラブルとなる。したがって、CBが分散したCuめっきの平均厚さを50nm以上にすることが好ましい。一方、めっきが厚すぎると、使用時に接着層に供給されるCu量が増加し、時間の経過とともに、接着層が成長し、Cu硫化物の組成がCuSに近くなり、接着強度が低下することがある。したがって、極細めっき鋼線とゴムとの接着強度の経年劣化を抑制するには、CBが分散したCuめっきの平均厚さを500nm以下にすることが好ましい。さらに好ましくはCBが分散したCuめっきの平均厚さは150〜350nmである。
めっき厚t=W/(A×ρ) (1)
ただし、t:平均めっき厚さ、W:単位長さのめっき質量、A:単位長さのめっき層の表面積、ρ:めっき層の平均比重である。めっき層の平均比重ρは、下記式によって算出することができる。
ρ=ρCu×WCu+ρCB×WCB (2)
ただし、ρCu:Cuの比重、ρCB:CBの比重、WCu:めっき中Cuの質量比、WCB:めっき中CBの質量比である。
2:Cuめっき層
3:地鉄(被めっき線)
Claims (5)
- 線径が0.1〜0.4mmであり、表面に、平均厚さが50〜500nmであるめっき層を有し、該めっき層が、質量%で、
カーボンブラック(以下CBと記載):0.1〜5%、
を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなることを特徴とする極細めっき鋼線。 - Cuめっきに分散したCBの一次粒子の平均径が10nm〜100nmであることを特徴とする請求項1記載の極細めっき鋼線。
- ゴム組成物に請求項1又は2記載のめっき鋼線が埋設されたゴム複合体。
- ゴム組成物には有機酸コバルト塩を含まないことを特徴とした請求項3記載のゴム複合体。
- カーボンブラック(以下CBと記載)粒子が分散したCuめっき鋼線を伸線加工するに際し、引抜プーリーと鋼線の間でスリップせず、鋼線に作用する逆張力を鋼線破断荷重の5〜30%付与しつつ湿式伸線を行うことを特徴とする、極細めっき鋼線の製造方法。
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