JP2004066316A - ゴム補強用スチールワイヤの製造方法 - Google Patents

ゴム補強用スチールワイヤの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ブラスめっきが施されたスチールワイヤを多段湿式伸線機にて伸線加工を施す際に生成する潤滑被膜を確保し生産性を阻害しないようにし、かつスチールコードを被覆するゴムとの接着速度を低下させることのないゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法を提供する。
【解決手段】ブラスめっきが施されたスチールワイヤ2に多段湿式伸線を施して直径0.40mm以下のゴム補強用スチールワイヤを製造するにあたり、多段湿式伸線の少なくとも最終段において、内壁に平均径0.5〜3μmのポアが内壁総面積対比5〜15%の割合で分散しているダイス1を用いて伸線加工を行う。最終段の使用パスにおけるスチールワイヤ2とダイス1との接触長さを1.0d〜2.7d(dはワイヤの最終線径)とする。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤや工業用ベルトなどのゴム物品の補強に供されるゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法に関し、詳しくは、ブラスめっきが施されたスチールワイヤを多段湿式伸線機にて伸線加工を施す際に生成する潤滑被膜を確保して生産性を阻害しないようにし、かつスチールコードを被覆するゴムとの接着速度を低下させることのないゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ラジアルタイヤのベルトやカーカス用ボディープライ、および各種工業用ベルト部材などのゴム物品においては、ブラスめっきを施したスチールワイヤまたはこれを複数本撚り合わせてなるスチールコードをゴムで被覆してなるものを用いることにより、補強効果を得ることが行われている。従ってこの場合、補強効果を十全に得るためにはスチールコードとゴムとの間の接着性を十分に確保することが必要であり、かかる観点からブラスめっきにおける銅と亜鉛との割合やめっき厚さを適正化すること等が検討され、これまでに一定の知見が確立されている。
【0003】
また、特開昭63−33135号公報では、ブラスめっきが施されたスチールワイヤにおいて、ブラスめっき中にリンを4mg/m以上含有させることにより湿熱による接着性の劣化を低減させることが提案されている。
【0004】
さらに、国際出願WO097/23311号公報には、ブラスめっきが施された線材を、リン酸塩を含む潤滑剤中に浸漬したダイス群を通過させて連続湿式することで得られたスチールワイヤをスプールに巻取り、次いで、前記スプールを撚線機の巻き出し部に装着し、撚線機の巻き出し部と撚線部との間に配設した減面率5%以上の1又は2以上のダイスにより伸線して縮径し、スチールワイヤのブラスめっきの表面に形成された被膜中のリン化合物をリンとして0.2〜0.9mg/mの範囲内、酸化亜鉛を20.0〜70.0mg/mの範囲内とし、これにより、ゴムとの初期接着性が改善されて加流時間の短縮化を実現できることが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本出願人は、ブラスめっきが施されたスチールコードとゴムとの間の接着反応を支配するコード表面因子をこれまで以上に機器分析的手法を駆使してコントロールし、詳細に表面を造り込んで、接着性との対応を検討した結果、ブラスめっきのバルク組成が同じである場合には、ブラスめっき表面からワイヤ半径方向内側に5nmの深さまでの表層領域における、酸化物として含まれるリンの量を1.5原子%以下に抑制することが極めて効果的であるとの知見を得、先に特許出願を行った。
【0006】
かかる表層領域におけるリンの量の抑制方法としては、伸線加工のパススケジュール、ダイスのエントランスやアプローチの形状および角度、ダイスの材質、並びに潤滑剤組成などの調整が有効であることが確認されている。
【0007】
しかしながら、ワイヤ表層領域におけるリンの量の上記抑制方法では、ダイスと被伸線ワイヤとの間に本来必要な潤滑性が損なわれ、ワイヤの断線、頻繁なダイスの交換などが発生するおそれがあり、スチールワイヤの生産性を低下させてしまうという問題があった。
【0008】
即ち、ブラスめっきを施したスチールワイヤを0.1〜0.4mmの線径に仕上げる湿式伸線工程では、通常、リンを主成分とした潤滑剤が使用され、伸線時のワイヤ表面に、酸化物として含まれるリンを主体とした潤滑被膜が繰り返し生成し、加工治具であるダイスとの摩擦低減およびメタルタッチ抑制により伸線加工をスムーズにする潤滑効果を奏するが、生成した潤滑被膜が一定量以上付着、反応した状態でないとダイス内部での発熱や圧力によって該潤滑被膜が破壊され、潤滑効果が低減する。これにより、伸線時の発熱上昇からワイヤの脆化等による生産時の断線やダイスへの負荷が上昇し、結果として、摩耗が早くなり、生産性を低下させる要因となる。このようなことから、従来はワイヤ表面に潤滑被膜が過剰に生成するようにしたため、これに伴いゴムとの接着性の低下を招き、一方、被覆ゴムとの接着性を維持向上させるためには、潤滑剤コントロール等を行い、潤滑被膜の生成を抑え、伸線状態を犠牲にする対応が必要であった。
【0009】
そこで本発明の目的は、ブラスめっきが施されたスチールワイヤを多段湿式伸線機にて伸線加工を施す際に生成する潤滑被膜を確保し生産性を阻害しないようにし、かつスチールコードを被覆するゴムとの接着速度を低下させることのないゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の構成とすることにより上記目的を達成し得ることを見出し、下記の(1)〜(6)の本発明を完成するに至った。
【0011】
(1)ブラスめっきが施されたスチールワイヤに多段湿式伸線を施して直径0.40mm以下のゴム補強用スチールワイヤを製造するにあたり、該多段湿式伸線の少なくとも最終段において、内壁に平均径0.5〜3μmのポアが内壁総面積対比5〜15%の割合で分散しているダイスを用いて伸線加工を行い、前記最終段の使用パスにおける前記スチールワイヤと前記ダイスとの接触長さを1.0d〜2.7d(dはワイヤの最終線径)とすることを特徴とするゴム補強用スチールワイヤの製造方法である。
【0012】
(2)前記(1)の製造方法において、前記ブラスめっきの表面からワイヤ半径方向内側に5nmの深さまでの表層領域における、酸化物として含まれるリンの量を前記ダイスを用いることにより1.5原子%以下に抑制する製造方法である。
【0013】
(3)前記(1)または(2)の製造方法において、前記ダイスにおけるアプローチ角度θが6〜13°である製造方法である。
【0014】
(4)前記(1)〜(3)のいずれかの製造方法において、前記ダイスのベアリング長さBLが出線径dの30〜50%である製造方法である。
【0015】
(5)前記(1)〜(4)のいずれかの製造方法において、前記ダイスを最終段から遡って複数パス使用し、これら複数パスの減面率を夫々17%以下とする製造方法である。
【0016】
(6)前記(1)〜(5)のいずれかの製造方法において、内壁にポアを有する前記ダイスに、材質が超硬合金または焼結ダイヤモンドのニブを用いる製造方法である。
【0017】
上記(1)〜(6)の本発明においては、ブラスめっきが施されたスチールワイヤを多段湿式伸線機にて伸線加工を施す際に生成する潤滑被膜が確保され生産性が阻害されることがない。また同時に、スチールコードを被覆するゴムとの接着速度の低下を招くこともない。特に、上記(2)の本発明においては、ゴムとの良好な接着性を得ることができる。また、特に、上記(3)〜(6)の発明において、夫々、ダイスのアプローチ角度、ダイスのベアリング長さ、所定パスの減面率、およびダイスのニブを好適なものとすることにより、より良好に上記目的を達成することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
図1に、本発明において多段湿式伸線の少なくとも最終段において使用する一実施の形態に係るダイス1の断面図を示す。図示するように、入線径dの、ブラスめっきが施されたスチールワイヤ2は、ダイス1により伸線され出線径dのスチールワイヤとなる。
【0019】
かかるダイス1の内壁には平均径0.5〜3μm、好ましくは1〜2.5μmのポアが内壁総面積対比5〜15%、好ましくは7〜13%の割合で分散している。ダイス1の内壁のポアの平均径が0.5μm未満であるかまたはその分散が内壁総面積対比5%未満の場合、伸線時に生成した潤滑被膜の酸化物として含まれるリンの量を1.5原子%以下に抑制することが困難となり、ゴムとの接着速度を低下させる要因となる。一方、ポアの平均径が3μmを超えるかまたはその分散が内壁総面積対比15%を超えると、ワイヤ表面のブラスめっきまで切削してしまうおそれがあるため、好ましくない。
【0020】
また、本発明においては、多段湿式伸線の最終段の使用パスにおけるスチールワイヤとダイスとの接触長さを1.0d〜2.7d、好ましくは1.2d〜2.5d(dはワイヤの最終線径)とする。図1に示すダイス1が多段湿式伸線の最終段のパスに使用される場合、図1に示すスチールワイヤ2の出線径dがワイヤの最終径dに相当することになる。この接触長は、図1中、アプローチ部入線箇所Pからベアリング部出線箇所Qまでの長さCLである。この接触長さCLが1.0dより短いと潤滑被膜に対する切削が少なすぎ、所望のワイヤ表面を得ることができない。即ち、ブラスめっきの表面からワイヤ半径方向内側に5nmの深さまでの表層領域における、酸化物として含まれるリンの量を1.5原子%以下に抑制することが困難となる。一方、2.7dよりも長いと、1パスでの切削が多すぎ、ブラスめっきまで削り落としてしまい、潤滑機能が不足して最終付近での発熱上昇からワイヤ脆化を引き起こし、断線の原因となりかねない。
【0021】
本発明においては、ダイス1におけるアプローチ角度θは、好ましくは6〜13°である。この角度θが6°未満かまたは13°を超える場合、引抜き抵抗が高くなりすぎ、発熱上昇からワイヤ脆化を引き起こし、断線の原因となりかねない。
【0022】
また、ダイス1のベアリング長さBLは、好ましくは出線径dの30〜50%である。この値が、30%未満であるとダイス摩耗が早くなり生産性を阻害してしまう要因となる。一方、50%を超えると1パスでの切削が多すぎ、ブラスめっきまで削り落としてしまい、断線の原因となりかねない。
【0023】
さらに、ダイス1を最終段から遡って複数パス使用する場合、これら複数パスの減面率は夫々17%以下とすることが好ましい。この減面率が17%を超えるとダイス摩耗が早くなり生産性阻害の要因となる。但し、減面率が3%未満の場合には表面潤滑被膜を切削する機能が十分に果たされなくなり、好ましくない。
【0024】
本発明に係るダイスは、その材質が超硬合金、例えば、WC−Co合金または焼結ダイヤモンドのニブ(図示せず)を用いることにより、スチールワイヤの生産性を損なうことなく、良好に所望のワイヤ表面を得ることができ、好ましい。
【0025】
尚、本発明のスチールワイヤの製造方法における多段湿式伸線以外の工程、例えば最初の乾式伸線、パテンティング処理、ブラスめっき処理等は常法に従い行うことができる。
【0026】
本発明の方法によれば、潤滑被膜を確保して生産性を阻害せずに、周面ブラスめっき層の表面からワイヤ半径方向内方に深さ5nmまでのワイヤ表層領域における酸化物として含まれるリンの含有量を、良好に1.5原子%以下に抑制することができ、ゴム接着性を安定して得ることが可能になる。
【0027】
ブラスめっき層の平均厚みは、好適には、0.13〜0.30μmである。ブラスめっき層の平均厚みが0.13μm未満では、鉄地が露出する部分が増加して初期接着性が阻害され、一方、0.30μmを超えると、ゴム物品使用中の熱によって過剰に接着反応が進行して、脆弱な接着しか得られなくなる。
【0028】
また、本発明においては、ブラスめっき層全体における銅および亜鉛の総量に対する銅の比率が60〜70重量%であり、かつ、ワイヤ表層領域における銅および亜鉛の総量に対する銅の比率が15〜45原子%であることが好ましい。ブラスめっき層全体における銅および亜鉛の総量に対する銅の比率が60重量%未満になると、伸線性が悪化して断線により生産性が阻害され、量産することが難しくなる。一方、70重量%を超えると、耐熱接着性の耐水分接着性が低下して、タイヤが曝される環境に対して十分な耐久性を維持できなくなる。また、ワイヤ表層領域における銅および亜鉛の総量に対する銅の比率が15原子%未満であると、ワイヤ表層領域におけるリンの量を上記した1.5原子%以下に制限した場合であっても、ゴムとの接着反応に乏しくなる結果、より優れたゴム接着性の確保が困難となる。一方、45原子%を超えると、耐熱接着性や耐水分接着性が低下するという不利を招く。
【0029】
本発明においては、最終湿式伸線工程で伸線した後におけるスチールワイヤの線径は、好ましくは0.15〜0.40mmであり、かかる線径のときに良好にリンの切削効果が得られる。尚、直径が0.40mmを超えると、使用したゴム物品が曲げ変形下で繰り返し歪みを受けたときに表面歪が大きくなり、座屈を引き起こし易くなる。
【0030】
伸線加工に供する鋼線材としては、炭素含有率が0.60〜0.95重量%の高炭素鋼線材を用いることが好ましく、鋼線材表層部の脱炭を抑制しつつ、初析セメンタイト、初析フェライトあるいはベイナイト等の混在量が少ない均一なパーライト組成を形成するように熱処理することが好ましい。
【0031】
本発明により製造されたスチールワイヤは、単線で用いてもよく、また、撚線機により常法に従い撚り合わせすることにより、所望の撚り構造のゴム物品補強用スチールコードとして用いてもよい。かかるスチールワイヤを複数本を撚り合わせたスチールコードとして用いる場合、ゴム物品、中でもタイヤのカーカスやベルトの補強材として好適である。
【0032】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
約0.80重量%の炭素を含有する直径約5.5mmの高炭素鋼線材に、直径が約1.72mmになるまで乾式伸線を施した後、パテンティング処理、ブラスめっき処理を施した線材を、夫々、下記の表2および表3に示すダイス条件およびワイヤ伸線処理条件に従い多段湿式伸線機にて直径0.30mmまで、複数ダイスを使用して下記の表1に示すパススケジュールにて伸線加工を行った。
【0033】
【表1】
Figure 2004066316
【0034】
各ワイヤの表層領域における酸化物として含まれるリンの量をX線光電子分光法に従い計測を行った。X線光電子分光法に従い計測される光電子の脱出深さ領域において、全元素の原子数と酸化物中の燐の原子数を検出し、全元素の原子数を100としたときの酸化物中の燐原子数を指数で表示したものを、当該領域における酸化物に含まれるリンの原子%とした。
【0035】
また、ワイヤを夫々撚り合わせ1×3×0.30mmのスチールコードとし、JIS G3510(1992)の参考に規定されたゴム接着試験方法に準拠して下記の初期ゴム接着性試験を行った。この接着試験で使用したゴムの配合は、天然ゴム100重量部に対し、カーボンブラック(HFC)50重量部、亜鉛華5重量部、ナフテン酸コバルト(10%含量)2重量部、加硫促進剤(DZ)0.5重量部および硫黄5重量部とした。
【0036】
初期接着性試験は、ゴム被覆コードを160℃で夫々5分、9分、13分、18分間加圧加硫した後室温で剥離試験を行って評価した。評価したゴム付着率は、ゴムからコードを剥離をした後のスチールコードの表面を観察してコード表面が完全にゴムに覆われている場合を100%とし、ゴムが完全に覆われていない場合を0%として評価した。得られた結果を下記の表2および表3に示す。
【0037】
【表2】
Figure 2004066316
1)アルキルリン酸エステル等の極圧剤や脂肪酸塩の油性剤等を主成分とし、界面活性剤や水分を添加した水溶性の潤滑剤
2)めっき表面からワイヤ半径方向内側へ5nmの深さまでの領域
【0038】
【表3】
Figure 2004066316
1)アルキルリン酸エステル等の極圧剤や脂肪酸塩の油性剤等を主成分とし、界面活性剤や水分を添加した水溶性の潤滑剤
2)めっき表面からワイヤ半径方向内側へ5nmの深さまでの領域
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、多段湿式伸線の1パス目から最終段数パス手前まで十分な潤滑被膜を生成させた状態で伸線を行うことが可能となり、ダイス寿命の向上や断線減少等、生産性が向上し、かつ最終段から遡って数パスのダイスにより表面潤滑被膜をコントロールすることによって、被覆ゴムとの接着性向上が実現可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用するダイスの説明図である。
【符号の説明】
1 ダイス
2 スチールワイヤ

Claims (6)

  1. ブラスめっきが施されたスチールワイヤに多段湿式伸線を施して直径0.40mm以下のゴム補強用スチールワイヤを製造するにあたり、該多段湿式伸線の少なくとも最終段において、内壁に平均径0.5〜3μmのポアが内壁総面積対比5〜15%の割合で分散しているダイスを用いて伸線加工を行い、前記最終段の使用パスにおける前記スチールワイヤと前記ダイスとの接触長さを1.0d〜2.7d(dはワイヤの最終線径)とすることを特徴とするゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法。
  2. 前記ブラスめっきの表面からワイヤ半径方向内側に5nmの深さまでの表層領域における、酸化物として含まれるリンの量を前記ダイスを用いることにより1.5原子%以下に抑制する請求項1記載の製造方法。
  3. 前記ダイスにおけるアプローチ角度θが6〜13°である請求項1または2記載の製造方法。
  4. 前記ダイスのベアリング長さBLが出線径dの30〜50%である請求項1〜3のうちいずれか一項記載の製造方法。
  5. 前記ダイスを最終段から遡って複数パス使用し、これら複数パスの減面率を夫々17%以下とする請求項1〜4のうちいずれか一項記載の製造方法。
  6. 内壁にポアを有する前記ダイスに、材質が超硬合金または焼結ダイヤモンドのニブを用いる請求項1〜5のうちいずれか一項記載の製造方法。
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