JP2016187792A - ガス浄化方法及び装置、並びに有価物生成方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、上記事情に鑑み、合成ガス等の浄化すべき対象ガスからアセチレン及び酸素を除去するにあたって、銅アセチリド等の金属アセチリドが生成されるのを防止することを目的とする。
アセチレン除去部によって前記対象ガス中のアセチレンを除去するアセチレン除去工程と、
酸素除去金属触媒によって前記対象ガス中の酸素を除去する酸素除去工程と、
を含み、前記アセチレン除去工程の後、前記酸素除去工程を行うことを特徴とする。
また、本発明装置は、酸素及びアセチレンを不純物成分として含む対象ガスを浄化する装置であって、
酸素除去金属触媒によって前記対象ガス中の酸素を除去する酸素除去部と、
前記対象ガス中のアセチレンを除去するアセチレン除去部と、
を備え、前記アセチレン除去部が、前記対象ガスの供給路に沿って前記酸素除去部の上流側に配置されていることを特徴とする。
前記酸素除去金属触媒の金属成分としては、銅(Cu)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)等が挙げられ、特に銅が好ましい。
本発明によれば、対象ガスからセチレンを除去したうえで、その対象ガスを酸素除去金属触媒に接触させて酸素除去する。これによって、銅アセチリド等の金属アセチリドが生成されるのを防止することができる。
前記ガス浄化装置において、前記対象ガスから水分を除去する水除去部が、前記供給路の少なくとも前記酸素除去部の上流側に配置されていることが好ましい。
これによって、対象ガスの水分含有量を微小とし、好ましくは対象ガスが殆ど水分を含まないようにしたうえで、対象ガスを酸素除去金属触媒に接触させることができる。この結果、たとえ金属アセチリドが生成されたとしても、該金属アセチリドが爆発性を持たないようにすることができる。
前記ガス浄化装置において、前記アセチレン除去部が、水素化金属触媒を含むことが好ましい。
これによって、対象ガス中のアセチレンを水素化してエチレン等に変換することができる。
前記水素化金属触媒の金属成分としては、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、等の貴金属が挙げられ、特にパラジウムが好ましい。
前記ガス浄化装置において、前記供給路に沿って前記アセチレン除去部の上流側に、前記対象ガスから硫黄含有物質を除去する脱硫部が設けられていることが好ましい。
これによって、前記水素化金属触媒が硫黄含有物質により被毒されるのを防止でき、水素化金属触媒の触媒機能を保持することができる。
本発明に係る有価物生成装置は、前記ガス浄化装置と、液状の培地中でガス資化性微生物を培養する培養槽とを備え、前記ガス浄化装置からの対象ガスを前記培養槽に供給して、前記ガス資化性微生物の発酵によって有価物を生成することを特徴とする。
前記ガス資化性微生物が対象ガスを摂取して有価物を発酵する。酸素やアセチレン等の不純物質を除去したうえで、対象ガスを液状培地に供給することで、ガス資化性微生物を安定的に培養することができる。
図1に示すように、有価物生成システム1は、合成ガス生成部2(対象ガス生成部)と、有価物生成装置3とを備えている。合成ガス生成部2において合成ガスg(対象ガス)が生成される。有価物生成装置3において合成ガスgから有価物が生成される。生成目的の有価物は、例えばエタノール(C2H5OH)である。
なお、水除去部11が、熱交換器ないしは凝縮器にて構成されていてもよい。
脱硫部12の下流側にアセチレン除去部13が設けられている。アセチレン除去部13は、水素化金属触媒13aを含む。水素化金属触媒13aの金属成分としては、パラジウム(Pd)が用いられている。
酸素除去部14は、酸素除去金属触媒14aを含む。酸素除去金属触媒14aの金属成分は、銅(Cu)にて構成されている。以下、酸素除去金属触媒14aを適宜「銅触媒14a」と称す。
図示は省略するが、培養槽6の後段には、蒸留塔を含む精製部が設けられている。
<合成ガス生成工程>
合成ガス生成部2において廃棄物を燃焼することによって合成ガスgを生成する。
<合成ガス供給工程>
この合成ガスgを供給路4によってガス浄化装置5を経て培養槽6へ送る。
ガス浄化装置5においては、合成ガスg中の不純物質を除去することで、合成ガスgを浄化する。
<水除去工程>
詳しくは、水除去部11において合成ガスgを冷却して、合成ガスg中の水分を凝縮させる。これよって、合成ガスgから水分を除去できる。水除去部11をPSA方式とすることによって、合成ガスgから水分を十分に除去でき、合成ガスgを十分にドライな状態にすることができる。水除去工程後の合成ガスg(ひいては銅触媒14aに供給される合成ガスg)の水分含有量は、好ましくは4.8g/m3〜5.7g/m3程度である。
次に、合成ガスgを脱硫部12に導入して、脱硫剤12aと接触させる。
これによって、脱硫剤12aの酸化鉄によって合成ガスg中の硫化水素(H2S)を下式(1)〜(2)のようにして除去できる。
Fe2O3+2H2S+H2→2FeS+3H2O (1)
4FeS+7O2→2Fe2O3+4SO2 (2)
次に、合成ガスgをアセチレン除去部13に導入して、水素化金属触媒13aと接触させる。
これによって、水素化金属触媒13aのPdによって合成ガスg中のアセチレンを下式(3)のように水素化して除去できる。好ましくは、合成ガスgからアセチレンをほぼ完全に除去する。
C2H2+H2→C2H4 (3)
アセチレン除去工程に先立って、脱硫工程によって合成ガスg中の硫化水素(硫黄含有物質)を除去しておくことによって、水素化金属触媒13aが硫黄成分により被毒を受け失活するのを回避できる。したがって、水素化金属触媒13aの触媒機能を長期にわたって維持することができる。
次に、合成ガスgを酸素除去部14に導入して、銅触媒14aと接触させる。
これによって、銅触媒14aによって合成ガスg中の酸素(O2)を下式(4)〜(5)のようにして除去できる。
2Cu+O2→2CuO (4)
CuO+H2→Cu+H2O (5)
また、酸素除去工程に先立って、水除去工程によって合成ガスg中の水分を十分に取り除くことによって、万が一、銅アセチリドが生成されたとしても、該銅アセチリドが爆発性を持つのを避けることができる。
これによって、有価物生成システム1の安全性を確保することができる。
また、フィルタによって、合成ガスg中のススやタール等の固形又は液状の不純物質を除去してもよい。
このようにして、合成ガスgをクリーンな状態にすることができる。
その後、合成ガスgを培養槽6の液状培地に導入する。これによって、培地中のガス資化性微生物が、合成ガスgのCO及びH2等を摂取して、エタノール等を発酵生成する。つまり、合成ガスgからエタノール(有価物)の生成反応を起こす。
予め合成ガスg中の、酸素、アセチレン、硫化水素等の不純物質を除去しておくことで、ガス資化性微生物を安定的に培養できる。
上記培養液の一部を蒸留塔(図示せず)へ導入して蒸留する。これによって、エタノールを抽出することができる。
例えば、水除去部11は、少なくとも酸素除去部14よりも上流側に配置されていればよい。水除去部11を、脱硫部12とアセチレン除去部13との間や、アセチレン除去部13と酸素除去部14の間に配置してもよい。
水素化金属触媒13aは、Pdに限られず、Pt、Au、Ag等の、Pd以外の貴金属等であってもよい。
アセチレン除去部13が、水や様々な吸着剤によってアセチレンを吸着するものであってもよい。
酸素除去金属触媒14aは、銅に限られず、白金・ニッケル等の銅以外の金属であってもよい。本発明は、酸素除去金属触媒14aが、アセチレンと反応して金属アセチリドを生成し得るものに好適である。
生成目的の有価物は、エタノールに限られず、酢酸やメタノール等であってもよい。
有価物生成装置3が、有価物生成反応部として、培養槽6に代えて、合成ガスgを金属触媒に接触させることでエタノール等の有価物を生成する反応槽を有していてもよい。
対象ガスの用途は、有価物生成に限られない。ガス浄化装置5を、対象ガスを排気する際の前処理装置として用いてもよい。
対象ガスは、製鉄所の副生ガス(転炉、高炉ガス等)であってもよい。
対象ガス生成部2は、廃棄物処理施設に限られず、製鉄所や石炭発電所等であってもよい。
1 有価物生成システム
2 合成ガス生成部(対象ガス生成部)
3 有価物生成装置
4 供給路
5 ガス浄化装置
6 培養槽
11 水除去部
12 脱硫部
12a 脱硫剤
13 アセチレン除去部
13a 水素化金属触媒
14 酸素除去部
14a 酸素除去金属触媒(銅触媒)
Claims (10)
- 酸素及びアセチレンを不純物成分として含む対象ガスを浄化する方法であって、
アセチレン除去部によって前記対象ガス中のアセチレンを除去するアセチレン除去工程と
酸素除去金属触媒によって前記対象ガス中の酸素を除去する酸素除去工程と、
を含み、前記アセチレン除去工程の後、前記酸素除去工程を行うことを特徴とするガス浄化方法。 - 前記対象ガスから水分を除去する水除去工程を、少なくとも前記酸素除去工程より前に行うことを特徴する請求項1に記載のガス浄化方法。
- 前記アセチレン除去工程では、前記対象ガスを水素化金属触媒と接触させることを特徴とする請求項1又は2に記載のガス浄化方法。
- 前記アセチレン除去工程の前に、前記対象ガスから硫黄含有物質を除去する脱硫工程を行うことを特徴とする請求項3に記載のガス浄化方法。
- 請求項1〜4の何れか1項に記載のガス浄化方法にて浄化された対象ガスを、ガス資化性微生物を培養する液状の培地に供給し、前記ガス資化性微生物の発酵によって有価物を生成することを特徴とする有価物生成方法。
- 酸素及びアセチレンを不純物成分として含む対象ガスを浄化する装置であって、
酸素除去金属触媒によって前記対象ガス中の酸素を除去する酸素除去部と、
前記対象ガス中のアセチレンを除去するアセチレン除去部と、
を備え、前記アセチレン除去部が、前記対象ガスの供給路に沿って前記酸素除去部の上流側に配置されていることを特徴とするガス浄化装置。 - 前記対象ガスから水分を除去する水除去部が、前記供給路の少なくとも前記酸素除去部の上流側に配置されていることを特徴する請求項6に記載のガス浄化装置。
- 前記アセチレン除去部が、水素化金属触媒を含むことを特徴とする請求項6又は7に記載のガス浄化装置。
- 前記供給路に沿って前記アセチレン除去部の上流側に、前記対象ガスから硫黄含有物質を除去する脱硫部が設けられていることを特徴とする請求項8に記載のガス浄化装置。
- 請求項6〜9の何れか1項に記載のガス浄化装置と、液状の培地中でガス資化性微生物を培養する培養槽とを備え、前記ガス浄化装置からの対象ガスを前記培養槽に供給して、前記ガス資化性微生物の発酵によって有価物を生成することを特徴とする有価物生成装置。
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