JP2016184552A - 銅配線の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電膜のエッチング性に優れると共に、形成される銅配線の基材に対する密着性にも優れる銅配線の製造方法を提供する。【解決手段】酸化銅ナノ粒子と、多価アルコールと、溶媒とを少なくとも含有し、表面張力が23〜50mN/mである導電膜形成用組成物を、ガラス転移温度が130〜190℃を示す、シクロオレフィンコポリマー基材およびシクロオレフィンポリマー基材のいずれか一方の基材上に付与して塗膜を形成する塗膜形成工程と、酸素濃度3000体積ppm以下の雰囲気下、基材のガラス転移温度±30℃の温度範囲内で塗膜を焼結して導電膜を形成する導電膜形成工程と、エッチング液を用いて導電膜をパターン状にエッチング処理して、銅配線を形成する配線パターン形成工程と、を少なくとも備える、銅配線の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、銅配線の製造方法に関する。
基材上に金属膜を形成する方法として、金属酸化物粒子の分散体を印刷法等により基材に付与し、加熱処理または光照射処理して焼結させることによって、金属膜や回路基板における配線等の電気的導通部位を形成する技術が知られている。
上記方法は、従来の高熱・真空プロセス(スパッタ)やめっき処理による配線作製法に比べて、簡便・省エネ・省資源であることから次世代エレクトロニクス開発において大きな期待を集めている。
一方、従来から、基板上に付与された金属膜を所望の配線パターンに形成する方法として、主に「サブトラクティブ法」が使用されている。このサブトラクティブ法とは、基板表面に形成された金属膜上に、活性光線の照射により感光する感光層を設け、この感光層を像様露光し、その後現像してレジスト像を形成し、次いで、金属膜をエッチングして金属パターンを形成し、最後にレジスト像を剥離する方法である。
例えば、特許文献1には、「基材上に、金属又は金属酸化物微粒子を含む塗布液を印刷して印刷層を形成し、印刷層を焼成処理して金属微粒子焼結膜を形成してなるプリント配線板であって、金属微粒子焼結膜がパターン状であり、かつ基材と金属微粒子焼結膜の界面の平均粗さが30nm以下であることを特徴とするプリント配線板。」が開示されている(請求項1)。特許文献1には、金属微粒子焼結膜をパターン状に形成する方法として、金属微粒子焼結膜を上述のサブトラクティブ法でエッチングする方法を記載している。
特開2010−219075号公報
本発明者は、特許文献1に記載されたプリント配線板(銅配線)について検討を行ったところ、基板上に形成された金属微粒子焼結膜(導電膜)がエッチング処理の際に剥離する場合があることが明らかになった。すなわち、基材と金属微粒子焼結膜との密着性が不十分となる場合があることが明らかとなった。さらに、本発明者は基材や焼結温度等の種々の条件についても検討を行ったところ、基材や焼結温度によっては、金属微粒子焼結膜がエッチング処理によっても除去しきれず基材内部に残渣として残存してしまう(すなわち、エッチング性に劣る)場合があること等が知見された。
本発明は、上記実情に鑑みて、導電膜のエッチング性に優れると共に、形成される銅配線の基材に対する密着性にも優れる銅配線の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、特定の組成の酸化銅ナノ粒子分散物を用い、さらに、特定の基材を用い、且つ、酸化銅ナノ粒子の焼結処理を上記基材のガラス転移温度(Tg)に合わせた温度領域にて行うことで、上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
(1) 酸化銅ナノ粒子と、多価アルコールと、溶媒とを少なくとも含有し、表面張力が23〜50mN/mである導電膜形成用組成物を、ガラス転移温度が130〜190℃を示す、シクロオレフィンコポリマー基材およびシクロオレフィンポリマー基材のいずれか一方の基材上に付与して塗膜を形成する塗膜形成工程と、
酸素濃度3000体積ppm以下の雰囲気下、上記基材のガラス転移温度±30℃の温度範囲内で上記塗膜を焼結して導電膜を形成する導電膜形成工程と、
エッチング液を用いて上記導電膜をパターン状にエッチング処理して、銅配線を形成する配線パターン形成工程と、
を少なくとも備える、銅配線の製造方法。
(2) 上記導電膜形成工程において、上記基材のガラス転移温度±20℃の温度範囲内で上記塗膜を焼結する、(1)に記載の銅配線の製造方法。
(3) 上記多価アルコールが3価以上のアルコール化合物を少なくとも含有する、(1)または(2)に記載の銅配線の製造方法。
(4) 上記導電膜形成用組成物中、上記酸化銅ナノ粒子100質量部に対する上記多価アルコールの質量が100〜300質量部である、(1)〜(3)のいずれかに記載の銅配線の製造方法。
(5) 上記多価アルコールの分子量が100以上200以下である、(1)〜(4)のいずれかに記載の銅配線の製造方法。
(6) 上記導電膜形成工程における焼結時間が15秒〜60分である、(1)〜(5)のいずれかに記載の銅配線の製造方法。
(7) 上記酸化銅ナノ粒子の平均1次粒子径が1〜30nmである、(1)〜(6)のいずれかに記載の銅配線の製造方法。
(8) 上記エッチング液が、硫酸および過酸化水素の少なくともいずれか一種を含む、(1)〜(7)のいずれかに記載の銅配線の製造方法。
本発明によれば、導電膜のエッチング性に優れると共に、形成される銅配線の基材に対する密着性にも優れる銅配線の製造方法を提供することができる。
図1は、実施例において配線パターン形成工程で用いるフォトマスクの平面図である。
以下に、本発明の銅配線の製造方法について詳細に説明する。
なお、本明細書において、「〜」で記載される数値範囲は上限値および下限値を含むものとする。例えば、「10〜20」という数値範囲は「10」および「20」を含む。
本発明の銅配線の製造方法(以後、単に「本発明の製造方法」とも称する)は、
酸化銅ナノ粒子と、多価アルコールと、溶媒とを少なくとも含有し、表面張力が23〜50mN/mである導電膜形成用組成物を、ガラス転移温度(Tg)が130〜190℃を示す、シクロオレフィンコポリマー基材およびシクロオレフィンポリマー基材のいずれか一方の基材上に付与して塗膜を形成する塗膜形成工程と、
酸素濃度3000体積ppm以下の雰囲気下、基材のTg±30℃の温度範囲内で塗膜を焼結して導電膜を形成する導電膜形成工程と、
エッチング液を用いて導電膜をパターン状にエッチング処理して、銅配線を形成する配線パターン形成工程と、を少なくとも備える。
本発明の製造方法はこのような構成をとるため、導電膜のエッチング性および銅配線の基材に対する密着性を両立するものと考える。その理由は明らかではないが、およそ以下の通りと推測される。
本発明で用いるシクロオレフィンコポリマー(COC)またはシクロオレフィンポリマー(COP)は、他のポリマー基材と比較すると、熱的挙動に優れ、Tgに近い温度において軟化しやすい特徴を有する。したがって、塗膜の焼結温度をシクロオレフィンコポリマー(COC)基材およびシクロオレフィンポリマー(COP)基材のTg±30℃の温度範囲内とすることで、酸化銅ナノ粒子が軟化した基材表面に浸透しながら焼結するため、基材と金属焼結膜との接合が強固なものとなり、形成される銅配線の密着性に優れる。一方で、シクロオレフィンコポリマー(COC)およびシクロオレフィンポリマー(COP)は、エッチングによる配線パターン形成(配線パターン形成工程)の際に、他のポリマー基材と比較して、除去されやすい特徴があることが知見された。これは、シクロオレフィンコポリマー(COC)およびシクロオレフィンポリマー(COP)の表面エネルギーが低いためと推測され、したがって、上述のような導電膜形成工程により基材と金属焼結膜とを強固に接合させても、エッチング性に優れるものと考えられる。
また、仮に、上述した焼結温度が高すぎる場合、酸化銅ナノ粒子が基材内に深く浸透してしまい、エッチングしにくくなる。そこで、上述のように、温度範囲を調整している。
以下ではまず塗膜形成工程で使用される導電膜形成用組成物について説明してから、各工程について説明する。
〔導電膜形成用組成物〕
<酸化銅ナノ粒子>
本発明の導電膜形成用組成物は、酸化銅ナノ粒子を含む。酸化銅ナノ粒子は、後述する焼結処理によって酸化銅が金属銅に還元され、導電膜中の金属導体を構成する。
酸化銅は、酸化銅(I)、酸化銅(II)またはこれらの混合物が好ましく、安価に入手可能であること、空気中でより安定であることから酸化銅(II)がより好ましい。
本発明における「酸化銅」とは、酸化されていない銅を実質的に含まない化合物であり、具体的には、X線回折による結晶解析において、酸化銅由来のピークが検出され、かつ金属銅由来のピークが検出されない化合物のことを指す。銅を実質的に含まないとは、銅の含有量が酸化銅ナノ粒子に対して1質量%以下であることをいう。
酸化銅ナノ粒子の平均1次粒子径は、1〜30nmが好ましく、1〜20nmがより好ましく、1〜12.5nmが特に好ましく、1〜5nmが最も好ましい。平均1次粒子径が小さいほど酸化銅の還元がされやすく、銅配線の基材に対する密着性がより優れる。
なお、酸化銅ナノ粒子の平均1次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により少なくとも400個以上の酸化銅ナノ粒子の円相当径を測定し、それらを算術平均して求める。円相当径とは、観察される酸化銅ナノ粒子の2次元画像の面積と同じ面積に相当する円の直径を意味する。
導電膜形成用組成物中における酸化銅ナノ粒子の含有量は特に制限されないが、導電膜形成用組成物の全質量に対して、5〜30質量%が好ましく、8〜25質量%がより好ましい。
<多価アルコール>
導電膜形成用組成物は、多価アルコールを含む。多価アルコールは、上記酸化銅ナノ粒子の還元剤として機能する。
多価アルコールとは、アルコール性ヒドロキシ基を2個以上有する化合物であれば特に限定されない。
多価アルコールの沸点は特に制限されないが、250℃以上であれば特に限定されない。なお、沸点は、1気圧下における測定値である。
多価アルコールの分子量は特に制限されないが、加熱時の酸化銅の還元性、焼結後の膜中残存抑制の観点から、100〜200であることがより好ましく、120〜150がさらに好ましい。
多価アルコールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,3−ノナンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール、2,7−ジメチル−3,6−オクタンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1−ヒドロキシメチル−2−(2−ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1−ヒドロキシ−2−(3−ヒドロキシプロピル)シクロヘキサン、1−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1−ヒドロキシメチル−2−(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン、1−ヒドロキシメチル−2−(3−ヒドロキシプロピル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン、1,2−ベンジルジメチロール、1,3−ベンジルジメチロール、1,2−シクロヘキサンジオール,1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の2価のアルコール;グリセリン(プロパン−1,2,3−トリオール)、ブタン−1,2,4−トリオール、ヘキサン−1,2,6−トリオール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、トリメチロールプロパン(2−(ヒドロキシメチル)−2−エチルプロパン−1,3−ジオール)等の3価のアルコール;シクロオクタン−1,3,5,7−テトラオール、ペンタエリスリトール(2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール)等の4価のアルコールなどが挙げられる。
多価アルコールは、1種類を単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
導電膜形成用組成物には、多価アルコールとして3価以上のアルコール化合物(好ましくは3価以上のアルキルアルコール)を少なくとも含有させることが好ましい。3価以上のアルコール化合物は、酸化銅を還元して生成する酸化分解物の沸点が比較的高く、膜中に残存することで、更なる還元反応を生じ、還元力の高い還元剤として機能し、導電性の高い導電膜が形成できると推定される。3価以上のアルコール化合物としては、上述の効果に優れるという観点から、トリメチロールプロパンが好ましい。
導電膜形成用組成物における多価アルコールの含有量は特に制限されないが、導電膜形成用組成物全質量に対して、5〜60質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。
また、導電膜形成用組成物において、酸化銅ナノ粒子100質量部に対する多価アルコールの含有質量は、50〜400質量部である場合が多く、酸化銅の還元性および、焼結後の膜中残存抑制の観点から、100〜300質量部であることが好ましく、160〜280質量部であることがより好ましい。
<溶媒>
導電膜形成用組成物は、溶媒を含む。なお、本明細書において、多価アルコールは溶媒には含まれない。
溶媒としては、沸点が250℃未満のものが好ましい。
溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、トリグライム、テトラグライム等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸ブチル、安息香酸ベンジル、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、カプロラクトン等のエステル系溶媒、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、テトラリン、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン(N−メチル−2−ピロリドン)、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等のアミドまたは環状アミド系溶媒類、ジメチルスルホン等のスルホン系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、アセトン等のケトン系溶媒、水等が例示できる。また、これらの溶媒を任意の割合で混合して用いても良い。これらの中でも、水、ケトン系溶媒、およびアミド系溶媒が好ましく、酸化銅ナノ粒子の分散性が良好であることから、水とアセトンとの混合溶媒が好ましい。
導電膜形成用組成物における溶媒の含有量は特に制限されないが、導電膜形成用組成物全質量に対して、20〜80質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましい。
<その他任意成分>
導電膜形成用組成物は、上記成分以外の他の成分を含んでいてもよく、例えば、金属触媒、水溶性高分子、界面活性剤、揺変剤のような添加剤が挙げられる。本発明においては、銅配線の耐擦り性をより向上させるという観点から、金属触媒を含むことが望ましい。
金属触媒としては、周期律表の8族〜11族からなる群から選択される少なくとも1種の金属元素(金属)を含むことが好ましい。導電膜の導電性がより優れるという観点から、金属元素としては、金、銀、銅、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム、およびニッケルからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素が好ましく、銀、白金、パラジウム、およびニッケルからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素であることがより好ましく、パラジウムまたは白金であることが特に好ましく、パラジウムであることが最も好ましい。金属触媒の形態は特に制限されず、金属塩、錯体、粒子などのいずれであってもよい。
金属触媒の好適な態様としては、例えば、パラジウム塩、パラジウム錯体が挙げられる。なかでもパラジウム塩が好ましい態様として挙げられる。
パラジウム塩の種類は特に制限されず、その具体例としては、パラジウムの塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩などが挙げられる。なかでも、カルボン酸塩であることが好ましい。
カルボン酸塩を形成するカルボン酸の炭素数は特に制限されないが、1〜10であることが好ましく、1〜5であることがより好ましい。カルボン酸塩を形成するカルボン酸はハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)を有してもよい。
金属触媒は、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウムおよびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムからなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましく、酢酸パラジウムであることがより好ましい。
導電膜形成用組成物における金属触媒の含有量は特に制限されないが、導電膜形成用組成物全質量に対して、0.01〜3.0質量%が好ましく、0.1〜1.5質量%がより好ましい。
<導電膜形成用組成物の調製方法>
導電膜形成用組成物の調製方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、酸化銅ナノ粒子と、多価アルコールと、溶媒と、その他任意成分とを、超音波法(例えば、超音波ホモジナイザーによる処理)、ミキサー法、3本ロール法、ボールミル法などの公知の手段により成分を分散させることによって、組成物を得ることができる。
導電膜形成用組成物の表面張力は、基材への濡れ性をより良好とする観点から、23〜50mN/mであり、25〜45mN/mであることがより好ましく、25〜40mN/mであることがさらに好ましい。
なお、上記表面張力は、23℃での表面張力であり、プレート法により測定する。
〔銅配線の製造方法〕
次に、本発明の製造方法における各工程について詳述する。
[塗膜形成工程]
本工程は、ガラス転移温度(Tg)が130〜190℃のシクロオレフィンコポリマー基材またはシクロオレフィンポリマー基材上に、上記導電膜形成用組成物を付与して塗膜を形成する工程である。本工程により還元処理が施される前の前駆体膜が得られる。
以下では、まず、本工程で使用される基材について詳述し、その後、本工程の手順について詳述する。
なお、使用される導電膜形成用組成物については、上述のとおりである。
(基材)
本工程で使用される基材は、ガラス転移温度(Tg)が130〜190℃のシクロオレフィンコポリマー(COC)またはシクロオレフィンポリマー(COP)の樹脂基材であれば特に制限されない。
シクロオレフィンポリマー基材とはシクロオレフィンポリマーからなる基材であり、シクロオレフィンポリマーとは、ノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマー等の環状オレフィン(シクロオレフィン)モノマー由来の構成単位を有する熱可塑性樹脂である。環状オレフィンとしては、多環式の環状オレフィンと単環式の環状オレフィンとが存在している。かかる多環式の環状オレフィンモノマーとしては、ノルボルネン、メチルノルボルネン、ジメチルノルボルネン、エチルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ブチルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジメチルジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、メチルテトラシクロドデセン、ジメチルシクロテトラドデセン、トリシクロペンタジエン、テトラシクロペンタジエンなどが挙げられる。また、単環式の環状オレフィンモノマーとしては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、シクロオクタトリエン、シクロドデカトリエンなどが挙げられる。
また、シクロオレフィンコポリマー基材とはシクロオレフィンコポリマーからなる基材であり、シクロオレフィンコポリマーとは、エチレンなどの非環状オレフィンモノマーとノルボルネンなどの環状オレフィンモノマーを付加共重合させたポリマーのことを意味する。非環状オレフィンモノマーとしては、例えば、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン化合物が挙げられる。ここで炭素数3〜20のα−オレフィン化合物としては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンのような炭素原子数3〜20の直鎖状α−オレフィンや、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテンのような炭素原子数4〜20の分岐状α−オレフィンなどが挙げられる。
環状オレフィンモノマーは、上述の通りである。
なお、シクロオレフィンポリマーとしては、日本ゼオン社製ZEONOR、JSR社製ARTON等が挙げられる。また、シクロオレフィンコポリマーとしては、ポリプラスチックス社製TOPAS、三井化学社製アペル等が挙げられる。
シクロオレフィンコポリマー(COC)基材およびシクロオレフィンポリマー(COP)基材のTgは130〜190℃であり、140〜190℃であることが好ましく、150〜190℃であることがさらに好ましい。
ガラス転移温度(Tg)の測定方法としては、走査型示差熱量計(DSC)を用いて、測定パンに樹脂(基材の一部)をいれ、これを窒素気流中で、10℃/分で30℃から300℃まで昇温した後(1st-run)、30℃まで−10℃/分で冷却し、再度10℃/分で30℃から300℃まで昇温する(2nd-run)。2nd-runでベースラインが低温側から偏奇し始める温度をガラス転移温度(Tg)として、求めることができる。
(工程の手順)
導電膜形成用組成物を基材上に付与する方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、凸版印刷法、平版印刷法、凹版印刷法、孔版印刷法、スクリーン印刷法、バーコート法、ディップコーティング法、スプレー塗布法、スピンコーティング法、インクジェット法などの塗布法が挙げられる。
塗膜の形状は特に制限されず、基材全面を覆う面状であっても、パターン状であってもよい。
本工程においては、必要に応じて、導電膜形成用組成物を基材へ付与した後に乾燥処理を行い、溶媒を除去してもよい。残存する溶媒を除去することにより、後述する導電膜形成工程において、溶媒の気化膨張に起因する微小なクラックや空隙の発生を抑制することができ、銅配線の導電性および銅配線と基材との密着性の点で好ましい。
乾燥処理の方法としては温風乾燥機などを用いることができ、温度としては、40℃〜200℃で加熱処理を行うことが好ましく、50℃以上150℃未満で加熱処理を行うことがより好ましく、50℃〜120℃で加熱処理を行うことがさらに好ましい。
乾燥時間は特に限定されないが、基材と銅配線との密着性がより良好になることから、1〜60分であることが好ましい。
本工程で形成される塗膜の膜厚は特に制限されないが、1〜500μmが好ましく、3〜70μmがより好ましく、5〜50μmがさらに好ましい。
[導電膜形成工程]
本工程は、上記にて作製した塗膜(乾燥工程を行った場合には乾燥した塗膜)に対して酸素濃度3000体積ppm以下の雰囲気下、上記基材のTg±30℃の温度範囲内で焼結を行い、金属銅を含有する導電膜を形成する工程である。
本工程における焼結は、加熱処理により行うことができる。加熱処理を行うことにより、酸化銅ナノ粒子が還元され、さらに融着して金属銅が得られる。より具体的には、酸化銅ナノ粒子が還元されて金属銅粒子が形成され、生成した金属銅粒子が互いに融着してグレインを形成し、さらにグレイン同士が接着・融着して金属銅を含有する導電膜が形成される。また、この時、焼結温度を基材のTg±30℃の温度範囲内としているため、基材の塗膜側界面も軟化し、酸化銅ナノ粒子が軟化した基材表面に浸透しながら焼結するため、基材と金属焼結膜との接合が強固なものとなり、密着性に優れる。
焼結温度(加熱温度)は、基材であるシクロオレフィンコポリマー(COC)またはシクロオレフィンポリマー(COP)のTg±30℃の温度範囲内であり、Tg±20℃の温度範囲内であることが好ましく、Tgの近傍温度であることがさらに好ましい。言い換えると、焼結温度をTA(℃)とした場合、焼結処理の温度は(Tg−30)≦TA≦(Tg+30)℃の範囲にあり、(Tg−20)≦TA≦(Tg+20)℃の範囲であることが好ましい。
焼結温度がTg+30℃を超えると、シクロオレフィンコポリマー(COC)またはシクロオレフィンポリマー(COP)が軟化し過ぎることにより酸化銅ナノ粒子が基材内部に入り込み、エッチング性に劣る。一方、Tg−30℃未満の温度であると、酸化銅の還元が進行しにくく、さらに所望の密着性が得られにくい。
なお、焼結温度としては、上記関係を満たしていればよいが、銅配線の耐擦り性がより優れる点で、135℃以上が好ましく、150℃以上がより好ましい。
加熱処理においては、加熱手段は特に制限されず、ホットプレート、イナートオーブン等公知の加熱手段を用いることができる。
本発明では、比較的低温の加熱処理により導電膜の形成が可能であり、従って、プロセスコストが安いという利点を有する。
本工程において、加熱処理による焼結は、酸素濃度3000体積ppm以下の雰囲気(例えば、不活性雰囲気下または還元性雰囲気下)で行われ、酸素濃度800体積ppm以下であることが好ましく、酸素濃度400体積ppm以下であることが好ましい。下限は特に制限されないが、0体積ppmが挙げられる。加熱処理を、酸素濃度3000体積ppm以下で行うことで、より緻密な導電膜が得られる。尚、不活性雰囲気とは、例えば、アルゴン、ヘリウム、ネオン、窒素等の不活性ガスで満たされた雰囲気であり、また、還元性雰囲気とは、水素、一酸化炭素等の還元性ガスが存在する雰囲気を指す。
本工程においては、十分な焼結性を確保し、基材の変形を抑制する観点から、焼結時間(すなわち焼結温度の保持時間)を15秒〜60分とすることが好ましく、5分〜30分とすることが好ましい。
[配線パターン形成工程]
本工程は、エッチング液を用いて導電膜をパターン状にエッチング処理して銅配線(配線パターン)を形成する工程である。
本工程において、エッチングの方法は特に制限されず、公知のサブトラクティブ法などを採用できる。なお、サブトラクティブ法とは上述した方法であり、導電膜をパターニングする際に、エッチング液を使用する。
本工程におけるエッチング液は、公知のエッチング液を使用することができ、例えば、エッチング速度、有機残膜抑制の観点から、硫酸および過酸化水素水を少なくとも含むことが好ましい。
[銅配線(配線パターン)]
上記工程により、基材上に銅配線(パターン状の銅配線)が形成される。
銅配線の膜厚は特に制限されず、例えば、0.01〜500μmが好ましく、0.1〜100μmがより好ましく、1〜50μmがさらに好ましい。
なお、本発明において膜厚は、銅配線の任意の点における厚みを3箇所以上測定し、その値を算術平均して得られる値(平均値)である。
上記で得られた銅配線を有する基材(銅配線付き基材)は、種々の用途に使用することができる。例えば、プリント配線基板、TFT(thin film transistor)、FPC(Flexible printed circuits)、RFID(radio frequency identifier)などが挙げられる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし本発明はこれらに限定されない。
(酸化銅ナノ粒子の合成)
硝酸銅(和光純薬工業株式会社製)の所定量を精製水に溶かし、0.1mol/lの硝酸銅水溶液をあらかじめ調整した。エチレングリコール100mlをガラス製200mlフラスコにとり、オイルバスで90℃に加熱した。ここに、上記硝酸銅水溶液と0.2mol/lの水酸化ナトリウム水溶液をそれぞれ20mlずつ10秒以内に添加し、10分間過熱して、酸化第二銅粒子を得た。その後、遠心分離(20000G,30分)により粒子を回収した後、水中に再分散させる作業を3回繰り返し、複製する硝酸ナトリウム塩等の不純物を除くことで、粒子濃度が20質量%の酸化銅分散物を得た。さらに、分散物と同重量のジルコニアビーズを添加し、あわとり錬太郎で3分間攪拌分散することで、酸化銅分散物を得た。XRD(X‐ray diffraction)分析により、35.5°、および38°付近にそれぞれ(002)、(111)面に由来する強い回折ピークを観測し、得られた粒子が酸化第二銅であることを確認した。また、走査型電子顕微鏡(TEM)観察の結果、得られた酸化第二銅粒子の粒径は平均1次粒子径5nmであり、平均アスペクトは1.5、1次粒子径25nm以上の粒子の割合は2%であった。
また、硝酸銅および水酸化ナトリウムの濃度(比率一定)、および、溶媒であるエチレングリコール/水の比率を調整することにより、平均1次粒子径の異なる酸化第二銅微粒子を製造した。具体的には、平均1次粒子径10nm、15nm、28nmの酸化第二銅微粒子をそれぞれ作製した。なお、上記平均1次粒子径の酸化第二銅微粒子のアスペクト比は、それぞれ1.5程度であった。
上記において、平均1次粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により400個の酸化第二銅粒子の円相当径を測定し、それらを算術平均して求めたものである。
<実施例1>
(導電膜形成用組成物1の調製)
得られた酸化銅分散物(粒子濃度が20質量%)と、トリメチロールプロパン、水、アセトン、および、触媒として酢酸パラジウムとを表1に記載される添加量となるように混合し、自転公転ミキサー(THINKY社製、あわとり練太郎ARE−310)で5分間処理することで導電膜形成用組成物1を得た。導電膜形成用組成物1の表面張力(23℃)は35.5mN/mであった。
(導電膜の形成)
ガラス転移温度(Tg)が165℃のシクロオレフィンポリマー(COP)基材(厚み100μm、アートンF4520、JSR社製)上に、導電膜形成用組成物1をバー塗付によって塗布(膜厚:20μm)し、その後、ホットプレート上で50℃にて2分乾燥させることで塗膜を得た。その後、酸素濃度を200体積ppm以下に環境制御したホットプレート上で160℃にて30分焼成を行うことで導電膜を得た。導電膜の膜厚は、1.8μmであった。
(配線パターン形成工程)
得られた導電膜に対して下記(I)〜(IV)の処理を行い、銅配線(配線パターン)を形成した。
(I)導電膜上にUVR−E21B(アサヒ化研社製)をスピンコートによって塗布して、レジスト層(感光層)を作製した。
(II)図1に示すフォトマスク(L/S=0.2mm/0.2mm)を作製し、レジスト層に対してUV(紫外線)照射を施した。
(III)クリーンエッチ E105A(菱江化学社製)を用いて、レジスト未硬化部を除去して、パターン状のレジスト層を作製した。
(IV)クリーンエッチ CPE−700(菱江化学社製)を用いて、レジスト層が配置されていない導電膜のエッチングを行い、銅配線(配線パターン)を作製した。
(V)クリーンエッチ R100(菱江化学社製)を用いて、レジスト層の剥離を行った。
なお、クリーンエッチ CPE−700(菱江化学社製)には、硫酸および、過酸化水素が含まれていた。
[評価]
(密着性)
配線パターンにニチバン株式会社製セロハンテープ(幅24mm)を密着させてから剥がした。セロハンテープを剥がした後の外観を目視で観察して、配線パターンの基材に対する密着性を評価した。評価基準は以下のとおりである。なお、実用上、A〜Cであることが好ましい。
「A」:テープに配線パターンの付着が見られず、配線パターンと基材との界面での剥離も見られない。
「B」:テープに配線パターンの付着がやや見られるが、配線パターンと基材との界面での剥離は見られない。
「C」:テープに配線パターンの付着がはっきり見られ、配線パターンと基材との界面で剥離面積が5%未満の範囲で見られる。
「D」:テープに配線パターンの付着がはっきり見られ、配線パターンと基材との界面で剥離面積が5%以上50%未満の範囲で見られる。
「E」:テープに配線パターンの付着がはっきり見られ、配線パターンと基材との界面で剥離面積が50%以上の範囲で見られる。
(エッチング性)
得られた導電膜(配線パターン形成工程前のベタサンプル)を、硫酸1mol/L、過酸化水素5mol/Lの1:1混合液に浸漬させ、浸漬部分の光透過率が、基材ブランク(基材のみで測定した光透過率)に対して95%以上となるまでの時間を見積もることでエッチング性を評価した。評価基準は以下のとおりである。
「A」:10秒未満
「B」:10秒以上30秒未満
「C」:30秒以上60秒未満
「D」:60秒以上180秒未満
「E」:180秒以上
(耐擦り性)
配線パターンに対し、エタノールを浸漬させた綿棒で10往復こすった後、配線の形状を光学顕微鏡で観察し、耐擦り性を評価した。評価基準は以下のとおりである。
「A」:剥がれ、形状変化が全く見られない。
「B」:5%未満の面積の剥がれが見られる。
「C」:5%以上20%未満の面積の剥がれが見られる。
「D」:20%以上50%未満の面積の剥がれが見られる。
「E」:50%以上の面積の剥がれが見られる。
<実施例2〜28、比較例1〜7>
使用した成分の種類および使用量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電膜を製造して、各種評価を実施した。結果を表1にまとめて示す。
表1中、「添加量(質量%)」は導電膜形成用組成物全質量に対する各成分の質量%を表す。
また、表中で使用したTgが異なるシクロオレフィンコポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)は、重量平均分子量、モノマー種および組成等を変えることによりそれぞれ作製した。
また、表中の「BYK349」はシリコン系界面活性剤(ビックケミージャパン社製)である。
また、表中の「酸化銅ナノ粒子に対する多価アルコール量」欄は、酸化銅ナノ粒子100質量部に対する多価アルコールの量を示す。
Figure 2016184552

表1に示すように、本発明の製造方法を使用した場合は、導電膜のエッチング性に優れると共に、形成される銅配線の基材に対する密着性にも優れることが確認された。
実施例1、5〜10の比較より、焼結温度を基材のTg±20℃の温度範囲内、さらに好ましくはTgの近傍温度で塗膜を焼結して導電膜を形成した場合、より効果が優れることが確認された。
また、実施例1〜12の比較より、焼結温度が高いほど(135℃以上が好ましく、150℃以上がより好ましい)、耐擦り性において、より効果に優れることが確認された。
また、実施例1、13〜15の比較より、密着性、エッチング性、耐擦り性のいずれにおいても、粒子径が小さいほど(1〜20nmが好ましく、1〜12.5nmがより好ましく、1〜5nmがさらに好ましい)、より効果に優れることが確認された。
また、実施例16、18、21の比較より、多価アルコールとして3価のアルコールを含むことが好ましく、トリメチロールプロパンを含むことがより好ましいことが確認された。
また、実施例1と17との比較より、導電膜形成用組成物に添加剤として酢酸パラジウムを配合することにより、耐擦り性の評価において、より効果に優れることが確認された。
また、実施例1、18〜20の比較より、導電膜形成用組成物の表面張力が25〜45mN/m(さらに好ましくは25〜40mN/m)において、エッチング性がより優れることが確認された。
また、実施例22に示されるように、シリコン成分を添加することで表面張力を制御した場合には、基材密着性が低下する傾向が確認された。これは、形成される被膜中にシリコン成分が残存することにより基材密着性が低下するためと推測される。
また、実施例1、23〜28の比較より、酸化銅ナノ粒子100質量部に対する多価アルコールの質量を100〜300質量部(より好ましくは160〜280質量部)とすることにより、基材密着性と耐擦性がより優れることが確認された。
基材をPET(ポリエチレンテレフタラート)とした比較例3は、基材樹脂自体のTgが低いため、塗膜をPETのTg近傍温度で焼結しても得られる導電膜の膜強度が不十分であり、密着性とエッチング性の両立はできなかった。
基材をPEN(ポリエチレンナフタレート)とした比較例6は、塗膜をPENのTg近傍温度で焼結したものの、密着性には優れたが、エッチング性が悪かった。

Claims (8)

  1. 酸化銅ナノ粒子と、多価アルコールと、溶媒とを少なくとも含有し、表面張力が23〜50mN/mである導電膜形成用組成物を、ガラス転移温度が130〜190℃を示す、シクロオレフィンコポリマー基材およびシクロオレフィンポリマー基材のいずれか一方の基材上に付与して塗膜を形成する塗膜形成工程と、
    酸素濃度3000体積ppm以下の雰囲気下、前記基材のガラス転移温度±30℃の温度範囲内で前記塗膜を焼結して導電膜を形成する導電膜形成工程と、
    エッチング液を用いて前記導電膜をパターン状にエッチング処理して、銅配線を形成する配線パターン形成工程と、
    を少なくとも備える、銅配線の製造方法。
  2. 前記導電膜形成工程において、前記基材のガラス転移温度±20℃の温度範囲内で前記塗膜を焼結する、請求項1に記載の銅配線の製造方法。
  3. 前記多価アルコールが3価以上のアルコール化合物を少なくとも含有する、請求項1または2に記載の銅配線の製造方法。
  4. 前記導電膜形成用組成物中、前記酸化銅ナノ粒子100質量部に対する前記多価アルコールの質量が100〜300質量部である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の銅配線の製造方法。
  5. 前記多価アルコールの分子量が100以上200以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の銅配線の製造方法。
  6. 前記導電膜形成工程における焼結時間が15秒〜60分である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の銅配線の製造方法。
  7. 前記酸化銅ナノ粒子の平均1次粒子径が1〜30nmである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の銅配線の製造方法。
  8. 前記エッチング液が、硫酸および過酸化水素の少なくともいずれか一種を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の銅配線の製造方法。
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