JP2016182575A - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好なNOx吸蔵還元型排ガス浄化用触媒の提供。【解決手段】アルミナと、セリウム及びプラセオジムを組み合わせた複合希土類酸化物と、の混合物を含む触媒担体上に、Pt、Rh、Pdから選択された少なくとも1種の白金族金属と、Li、Na、K、Csから選択されたアルカリ金属及び/又はMg、Ca,Sr,Baから選択されたアルカリ土類金属の少なくとも1種であるNOx吸蔵材と、を担持するNOx吸蔵還元型排ガス浄化用触媒。【選択図】図10

Description

本発明は、排ガス浄化用触媒に関し、特に酸素過剰のリーン雰囲気下でNOxを吸蔵し、ストイキ〜還元成分過剰のリッチ雰囲気下で吸蔵されたNOxが放出されて還元される、NOx吸蔵還元型の排ガス浄化用触媒に関する。
近年、リーンバーンエンジンからの排ガスを浄化する触媒として、NOx吸蔵還元型触媒が用いられている。このNOx吸蔵還元型触媒では、空燃比を燃料リーン側からパルス状に燃料ストイキ〜リッチ側となるように制御することにより、リーン側においてNOxがNOx吸蔵材に吸蔵されたNOxは、ストイキ〜リッチ側で放出され、貴金属の触媒作用によりHCやCOなどの還元性成分と反応して浄化される。このように、リーン側においてもNOxの排出が抑制されるので、全体として高いNOx浄化能が発現することが知られている。
このような中、非特許文献1は、NOx吸蔵還元(NOx Storage Reduction:NSR)型触媒を記載する。
非特許文献2は、Pt/CeO触媒ではCe−O−Pt結合が生成し、Ptの粒成長抑制に効果を示すことを記載する。しかし、CeO自体の耐熱性は低く、より改善が望まれていた。
特許文献1は、赤外線吸収スペクトルにおいて、約1380cm−1を有するセリウムとアルミニウムとを含む複合酸化物であって、一酸化炭素の転化能を向上した触媒などを記載する(引用文献3、請求項1、2頁、左下欄、目的など)。
特許文献2は、セリウムとアルミニウムとの複合酸化物であってかつ結晶化しない温度で熱処理された非晶質組成物からなり、900℃以上に加熱しても結晶化が起こらず、高い酸素貯蔵能を維持する高温耐熱触媒担体などを記載する(特許文献、請求項1、段落[0025]など)。
特許文献3は、セリアとアルミナとをnmスケールで分散した複合酸化物を含む担体上に貴金属を担持したCOシフト反応用触媒であって、高温雰囲気に曝された場合に、アルミナがセリア粒子間の障壁となり、セリアの粒成長を抑制し、Ptの接触面積の確保によって、Ptの粒成長を抑制することなどを記載する(特許文献1、請求項1、段落[0019]、[0024]など)。
特開昭62−187111号公報 特開平8−19738号公報 特開2003−275588号公報
N.Miyoshi, S.Matsumoto, K.Katoh, T.Tanaka, J.Harada, N.Takahara, SAE Tech.Paper, 950809(1995) Y.Nagai et al.J.caral.2006, 242, pp103
しかし、上記のNOx吸蔵還元型触媒においては、白金族金属、および希土類金属酸化物などの安定性をさらに高め、NOxの還元効率をさらに向上させることが望まれている。
本発明者らは、鋭意努力した結果、アルミナと、セリアと、NOx吸蔵材と、白金族金属とを含むNOx吸蔵還元型触媒において、セリウム(Ce)イオンの一部をプラセオジム(Pr)イオンによって置換することにより、驚いたことに、この触媒の安定性、還元効率などを向上させることができ、優れたNOx選択還元能を有する触媒を提供できることを見いだし、本発明に至ったものである。
本発明の態様は、以下のようである。
(1) アルミナと、セリウムとプラセオジムとを組み合わせた複合希土類酸化物と、の混合物を含む触媒担体上に、
Pt、Rh、Pdからなる群から選択された少なくとも1種の白金族金属と、
Li、Na、K、Csからなる群から選択されたアルカリ金属および/またはMg、Ca,Sr,Baからなる群から選択されたアルカリ土類金属の少なくとも1種であるNOx吸蔵材と、
を担持した、NOx吸蔵還元型排ガス浄化用触媒。
本発明の態様により、PtとCeとの相互作用により担持された白金族金属の粒成長を抑制して熱耐久処理後の活性を高めると共に、Ceイオンの一部をPrイオンによって置換することによってCe4+の還元性を高めて、NOx種の酸化に伴う吸蔵還元特性を向上させた、良好な排ガス浄化用触媒を提供することが可能となる。
図1は、Pt/Al−CePr1−xの構造の模式図を説明する図である。 図2は、従来技術および本発明の態様における熱耐久処理前、熱耐久処理後での構造の模式図を説明する図である。 図3は、(e)比較例1(Pt/Al+Ba)の熱耐久処理前、(f)比較例2(Pt/Al−CeO+Ba)の熱耐久処理前、(b)実施例2(Pt/Al−Ce0.7Pr0.3+Ba)の熱耐久処理前、(e)’比較例1の熱耐久処理後、(f)’比較例2の熱耐久処理後、(b)’実施例2の熱耐久処理後のそれぞれの各試料のXRDパターンを示す図である。 図4は、(e)比較例1(Pt/Al+Ba、熱耐久処理前)のHAADF像と各成分元素のEDSマッピング像を示す図である。 図5は、(f)比較例3(Pt/Al+CeO+Ba、熱耐久処理前)のHAADF像と各成分元素のEDSマッピング像を示す図である。 図6は、(b)実施例2(Pt/Al+Ce0.7Pr0.3+Ba、熱耐久処理前)のHAADF像と各成分元素のEDSマッピング像を示す図である。 図7は、(b)実施例2(Pt/Al+Ce0.7Pr0.3+Ba、熱耐久処理前)のHAADF像(1)および各成分元素のEDSエリア分析結果(2)を示す図である。 図8は、(b)実施例2(Pt,Ba担持前)および(f)比較例2(Pt,Ba担持前)の複合酸化物のラマンスペクトル、およびCeOの単位格子の模式図を示す図である。 図9は、(a)実施例1〜(d)実施例4および(e)比較例1〜(g)比較例3の熱耐久処理前の吸蔵NOx還元量を示す図である。 図10は、(a)’実施例1〜(d)’実施例4および(e)’比較例1〜(g)’比較例3の熱耐久処理後の吸蔵NOx還元量を示す図である。
本明細書中において、粒径とは粒子の直径をいい、粒子が球でない場合には、粒子の最大直径をいう。
そして細孔径とは、細孔の直径をいい、細孔の断面積が円でない場合には、同面積の円の直径をいう。
本発明に係る触媒担体は、アルミナ(Al)と、複合希土類酸化物との混合物を含む。
この複合希土類酸化物は、セリア(CeO)中のセリウムイオンの一部をプロセオジムイオンによって置換したセリアである。
なお、上記の「混合物」とは、アルミナと複合希土類酸化物との少なくとも一部が、一次粒径の大きさにおいて混合していることをいう。
アルミナは、表面積が低下し細孔径が消失してしまう傾向があるα−Alではなく、γ−Alであることが好ましい。
この複合希土類酸化物は、式:Ce1−xによって表すことができ、xは、約0.05以上、約0.1以上、約0.2以上、約0.3以上、約0.4以上、約0.45以上、および約0.95以下、約0.9以下、約0.8以下、約0.7以下、約0.5以下、約0.6以下であることができる。
この中でもx=約0.7〜約0.9であると好ましい。
触媒担体におけるこの複合希土類酸化物のアルミニウムに対する原子比は、充分なセリアの効果を得るために、(Ce+Pr)/Alで、約0.05以上、約0.9以下であることができる。
この複合希土類酸化物の粒径は、触媒のNOx吸蔵還元特性に支障を生じなければ、特に制限なく、約0.1nm以上、約20nm以下であることができる。
この触媒担体は、cm−1で、触媒のNOx吸蔵還元特性に支障を生じなければ、特に制限なく、約0.20cm−1〜約0.40cm−1の細孔容量を有することができ、約4.0nm〜約5.5nmの平均細孔径を有することができる。
この触媒担体は、アルミナと複合希土類酸化物との混合物とを含んでいれば、さらに必要に応じて、シリカ(SiO)、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)、ゼオライトの少なくとも1種から選択される酸化物をさらに含むこともできる。
本発明の触媒は、触媒担体上に、NOx吸蔵材を担持している。
このNOx吸蔵材は、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、セシウム(Cs)などのアルカリ金属、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)などのアルカリ土類金属の少なくとも1種であることができる。
触媒のNOx吸蔵還元特性に支障を生じなければ、特に制限なく、NOx吸蔵材の量は、触媒全体を基準として、約1wt%〜約50wt%であることができる。
そして本発明の触媒は、さらに触媒担体上に、触媒全体を基準として約0.1wt%〜約5wt%の約0.1nm〜約50nmの粒径の白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)またはそれらの混合物等の白金族金属を担持している。
本発明の触媒担体は、その成分比・特性などに問題を生じなければ、特に制限なく、例えば、所定量の、セリウムとアルミニウムとプラセオジムの酸化物とを混合し、焼成、粉砕を繰り返す粉末混合法、それぞれの成分の金属塩の混合水溶液をアンモニア水、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸アンモニウム水溶液等のアルカリ水溶液で中和、沈殿する不均一共沈法、アルカリ水溶液の代わりに尿素水溶液を用いる均一共沈法、アルカリ水溶液中にそれぞれの成分の金属塩の混合水溶液を加える逆共沈法、それぞれの成分のアルコキシド化合物の混合溶液を加水分解するゾルゲル法などの公知の方法により得ることができる。
そして本発明の触媒は、含浸法などの公知の方法を用いて触媒担体上に、NOx吸蔵材および白金族金属を担持させることにより得ることができる。
従来、アルミナ上に、硝酸バリウムなどのNOx吸蔵材と、白金とを担持した触媒が知られていた(図2(1))が、これらは、高温に曝される、すなわち熱耐久処理されると、例えば比較例1の1.4nm→13.5nm(表4(e)、(e)’、図3(e)、(e)’など)に示されるように、白金がシンタリングしてしまっていた(図2(2))。
セリアをアルミナに添加すると(図2(3))、熱耐久処理後であっても、アルミナがセリア粒子間の障壁となってセリアの粒成長を抑制すると考えられるメカニズムにより、白金の粒成長をある程度抑制できた。
一方、本発明の態様では、アルミナとの混合物中においてCeイオンの一部をPrイオンによって置換したセリアを含む複合希土類酸化物(図2(5)、(7)、図7(2))を用いている。なんらかの理論に拘束されることを望まないが、驚いたことに、この複合化により、吸蔵還元活性が向上する(図9)ものである。
そしてなんらかの理論に拘束されることを望まないが、このように安定したCe−Prの複合希土類酸化物が生成されることにより、セリア内に酸素空孔を生成してCe4+の還元性(すなわち、酸素の移動性)を高めて、NOからNO2−へのNOx種の酸化を促進でき、さらにNO2−を反応させてBa(NOなどのNOx吸蔵材の硝酸塩を生成することにより、NOx種の吸蔵を促進できる(図1、図2(7))と考えられる。
こうしたことから、本発明の態様では、Pt−O−Ce結合の生成に加えて、上記混合物中の複合化により、セリアに酸素空孔を生成して、Ce4+の還元性(すなわち、酸素の移動性)を高めて、NOからNO2−へのNOx種の酸化を促進でき、さらにNO2−を反応させてBa(NOなどのNOx吸蔵材の硝酸塩を生成することにより、NOx種の吸蔵を促進でき、優れたNOx吸蔵還元型排ガス浄化用触媒を提供できたと考えられる。
その結果、注目すべきことに、本発明の態様では、従来の触媒と比較すると、熱耐久処理前において、格段に高い吸蔵NOx還元量(図9(a)〜(d))を示すことができるだけでなく、熱耐久処理後においても、格段に高い吸蔵NOx還元量(図10(a)’〜(d)’、特に図10(a)’〜(b)’)ことができるという非常に優れた効果を奏することができたと考えられる。
本発明が実施形態により、制約されることを意図しないが、より理解の助けとするために、以下に、例示的に実施例、比較例などを記載する。
実施例1
(a)Pt/Al−Ce0.9Pr0.1+Baの合成
500mlビーカーに硝酸アルミニウム9水和物(Al(NO・9HO)123.1g(328.2mmol)、硝酸セリウム6水和物(Ce(NO・6HO)7.70g(17.7mmol)、硝酸プラセオジム6水和物(Pr(NO・6HO)0.86g(1.97mmol)を入れて蒸留水400mlに溶解させた。2Lビーカーに蒸留水900mLと28%アンモニア水100mLを加えて室温で攪拌した後、上記の金属塩溶液を加え、20時間攪拌を継続した。これを遠心分離缶に移し、3000rpmで遠心分離して沈殿物を得た。得られた沈殿物を120℃で12時間乾燥させた後、乳鉢で粉砕し、500℃で2時間空気中において焼成した。
200mLビーカーに蒸留水70mLを入れ、ジニトロジアミン白金溶液(Pt濃度8.6wt%)を1.16g加えて溶解させた。上記で得たAl−Ce0.9Pr0.1 10.0gを加えて加熱し、蒸発乾固させた。120℃で一晩乾燥させた後、固体を粉砕した後るつぼに移し、500℃で2時間焼成し、Pt担持粉末を得た。別の200mLビーカーに蒸留水70mLを入れ、酢酸バリウム 2.0gを加えて完全に溶解させた。上記で得たPt/Al−Ce0.9Pr0.1 10.0gを加え、加熱し、蒸発乾固させた。120℃で一晩乾燥させ、固体を粉砕した後るつぼに移し、500℃で2時間焼成し、Pt/Al−Ce0.9Pr0.1+Ba触媒を得た。この粉末を2t/cmで圧粉成型し、粉砕、分級することによりψ1.0〜1.7mmのペレットを作製した。
実施例2〜実施例4および比較例1〜比較例3
下記の表に示した量とした以外は、実施例1と同様にして、(b)Pt/Al−Ce0.7Pr0.3+Ba(実施例2)、(c)Pt/Al−Ce0.5Pr0.5+Ba(実施例3)、(d)Pt/Al−Ce0.2Pr0.8+Baの合成(実施例4)、(e)Pt/Al+Ba(比較例1)、(f)Pt/Al−CeO+Ba(比較例2)、(g)Pt/Al−PrO+Ba(比較例3)をそれぞれ合成した。実施例1も含めて下の表に示す。
(熱耐久処理)
上記で得た触媒ペレットをるつぼに入れ、電気炉中において、750℃で33時間焼成した。
なお本明細書中において、この(熱耐久処理)を行っていない試料を熱耐久処理前、この(熱耐久処理)を行った試料を熱耐久処理後と区別して使用する。
(比表面積の測定)
250℃で3時間、測定試料に真空前処理を行った後に、日本ベル(株)製BELSORP−max−12−N−VPを用いて、窒素吸着脱離法により77Kの温度で測定して、比表面積をBET曲線の直線部から算出した。
(粉末X線回折分析(XRD))
リガク(株)製RINT2000を用いて、CuKα(λ=1.5418nm)をX線源とし、10〜90deg.をステップ幅0.02deg.、管電圧50kV、管電流300mAの条件下で測定した。回折ピーク位置をJCPDSデータファイルの既知データと比較した。
(走査型電子顕微鏡観察(STEM−EDX分析))
試料溶液をエタノールで希釈し、Cuグリッドに滴下後乾燥させたものをJEOL(株)製JEM−1000(加速電圧:200kV)を用いて測定した。
(CO吸着分析)
試料約100mgを石英チューブに詰め、400℃で酸素を15分流通させた後に、400℃でHを15分間流通させ、400℃でHeに切り替え、−50℃に冷却した後、10体積%/90体積%のCO/Heガスを逐次導入し、触媒に吸着したCO量を、(株)大倉理研製R6015を用いて、TCDで分析した。
(ラマン散乱による触媒分析)
(株)東京インスツルメンツ製のNanofinder30顕微レーザーラマン分光装置を用いて、488nmの励起レーザーを使用し、約1mmのスポット径の範囲を分解能1cm−1で分析した。
(触媒の吸蔵還元活性評価)
NO吸蔵還元活性として、流通型反応器にペレット触媒3gを配置し、FT−IR分析計、磁気圧式分析計(それぞれベスト測器SESAM−HL,Bex)で昇降温時の各ガスの転化挙動を分析した。500℃で10分間還元前処理を行った後に表2に示す組成を有する評価ガスのリーンガスとリッチガスをそれぞれ60秒、6秒間5サイクル逐次導入し、リーン期間中のNOx吸蔵量並びにリッチ期間に還元されたNOx量の2〜5サイクルの平均値を比較した。評価は200〜500℃の温度域を50℃毎に行った。
表2中のppmおよび%は、体積基準である。
表3にPtとBaとを担持する前の試料を用いて窒素吸着法から求められたバルクの構造特性を示した。比表面積(SBET)はいずれも200m−1以上の値を示した。
各試料(熱耐久処理前、熱耐久処理後)のXRDパターンを図3に示す。図3(e)の回折はアルミナに帰属される。一方、Ceを含む全ての試料(図3)から約28.5°、約33.1°、約47.5°、約56.3°にある立方晶系蛍石構造に帰属される回折が検出された。
実施例2(Al−Ce0.7Pr0.3+Ba)の熱耐久処理前の試料(図3(b))および熱耐久処理後の試料(図3(b)’)のXRD回折ピークは、比較例2(Pt/Al−CeO+Baの熱耐久処理前の試料(図3(f))および熱耐久処理後の試料(図3(f)’)に比べて若干低角側にピークトップがあり、Pr/(Pr+Ce)比が0.3であるにも関わらず、対称なピーク形状であることから、CeO中のCeの一部をPrが置換した酸化物を形成していることが示唆された。
さらに図3に示すように、比較例1の熱耐久処理後の試料(Pt/Al+Ba、図3(e)’)から39°のPt(111)に帰属される回折が検出された。
比較例3(Pt/Al−PrO+Ba)の試料からも同様の回折ピークが検出された。
シェラー式を用いてこれらの結晶子サイズを算出した結果、いずれも20nmであった。
一方、Ceを含む実施例2の試料および比較例2の試料ではPtの回折は検出されず、Ptの粒成長が抑制されていることが確認された。
表4にCO吸着、XRDから算出した各触媒中のPtの平均粒径を示す。
熱耐久処理前の触媒の平均Pt粒径はいずれも1.5nm程度であり、酸化物の組成に関係なくほぼ同等の値を示した(表4中(e),(f),(g))。
一方、熱耐久処理後の触媒では、比較例1(Pt/Al+Ba)の試料で平均Pt粒径が13.5nmを示した(表4(e)’)。Ceを含む試料ではCeイオンの一部をPrイオンによって置換しなくてもCeによって熱耐久処理後のPtの粒成長は抑制されていた(表4(f)’、比較例2)が、Ceイオンの一部をPrイオンによって置換した場合にも同様に抑制され、Ptが小さな値を有することが示された(表4(b)’、実施例2)。
比較例2(Pt/Al−CeO+Ba)、実施例2(Pt/Al−Ce0.7Pr0.3+Ba)中のCe−(Pr)Oの結晶子サイズを表5に示す。
(STEMによる構造解析結果)
各試料(熱耐久処理前の触媒)のSTEM観察像とEDSマッピング像とを図4〜図6に示す。いずれの試料中においても2nm程度のPtが酸化物上に担持されている様子が確認され(図4(5)、図5(6)、図6(7))、CO吸着、XRD分析結果と一致する結果を得た。
Baでは酸化物上に均一に存在する成分と、数十nm程度の粗大な成分の2種類が存在した(図4(4)、図5(4)、図6(4))。比較例2(Pt/Al−CeO+Ba、熱耐久処理前)中のCeOは5nm程度の粒子状で存在し、Al中に分散された状態であった(図5(3)、(5))。
実施例2(Pt/Al−Ce0.7Pr0.3+Ba、熱耐久処理前)中のCe(図6(5))は、比較例2(Pt/Al−CeO+Ba、熱耐久処理前)中のCeO(図5(5))と同様に数nm程度の粒子状でAl(図6(3))中に分散された状態であった。
また、CeとPrの存在位置がほぼ一致した(図6(5)、(6))ことから、CeOのCeをPrが置換した複合ナノ酸化物の生成が示唆された。
図7中に同じ試料を用いてSTEM−EDXによる点分析を行った結果を示す。Ceが存在するエリアにはPrも存在することが確認され(図7(2)中8以外)、両元素が原子レベルで複合化した酸化物がAlに分散していることが示唆された。
(ラマン散乱による分析)
CeO系酸化物のキャラクタリゼーションにはラマン分光が汎用されており、460cm−1付近にCeO蛍石構造(図8、模式図)中のCe−O結合における3重縮退したF2g振動モードに基づくラマンシフトが検出されることが知られている。このラマンシフトの波数はCe−Oの結合エネルギーに関係することから、粉末レベルでの混合ではCeO格子内のCe−O結合に影響が及ぼされないため、スペクトルの変化は生じない(Ming Guo, Jiqing Lu, Yanni Wu, Yuejuan Wang, and Mengfei Luo.Langmuir 2011, 27, 3872.)。
この分析には、CeO、PtとBaを担持する前のAl−Ce0.7Pr0.3(実施例2(図8(b)))、同Al−CeO(比較例2(図8(f)))を用いた。図8に結果を示すように、460cm−1付近のFe2g振動モードはPrが複合化されることによりブロードニングすると共に低波数側にシフトし、CeO中にPrが置換されたことを支持する結果となった。ピークのレッドシフトはCe−O結合の緩和を、ブロードニングは複数種のCe−Oの存在を示しており、酸化物中の格子酸素が不安定化されていることがわかる。また、600cm−1に酸素空孔の存在を示すラマンシフトが検出され、Al−CeO(比較例2、図8(f))に比べてAl−Ce0.7Pr0.3(実施例2、図8(b))の強度の方が大きいことが確認された。この変化はまたPrがCeO中のCeを置換したことによる効果と考察された。
(熱耐久処理前触媒のNOx吸蔵還元活性)
熱耐久処理前触媒の実施例1〜4(Pt/Al−CePr1−x+Ba,x=0.9〜0.2)、比較例1〜3(Pt/Al+Ba,Pt/Al−CeO+Ba,Pt/Al−PrO)の活性評価結果を図9に示す。比較例1(Pt/Al+Ba(図9(e))に比べて、CeまたはPr及び両者を複合化させた実施例1〜4(Pt/Al−CePr1−x+Ba(図9(a)〜(d)))、比較例2(Pt/Al−CeO+Ba(図9(f)))、比較例3(Pt/Al−PrO(図9(g)))の活性が高く、CePr1−xの表面酸素が浄化反応に作用していることが示唆された。
CeとPrを複合化することにより更に活性が向上し、最も高い活性を示したのはCe/Pr=9/1の比率(実施例1(図9(a)))であった。
(熱耐久処理後の活性)
図10中に熱耐久処理後の実施例1〜4(Pt/Al−CePr1−x+Ba,x=0.9〜0.2(図10(a)’〜(d)’))、比較例1〜3(Pt/Al+Ba,Pt/Al−CeO+Ba,Pt/Al−PrO(図10(e)’〜(g)’))の活性評価結果を示す。Ceを含まない比較例1(Pt/Al+Ba(図10(e)’))、比較例3(Pt/Al−PrO+Ba(図10(g)’))の活性は同様に著しく低下し、これらと比較してCeを含む触媒の熱耐久処理後の活性が高いことが確認された。
この結果からPt−O−Ceの結合生成によるPtの粒成長抑制が寄与していることが示唆された(Y.Nagai et al.J.Catal.2006, 242, pp103)。
Prを含まない比較例2(Pt/Al−CeO+Ba(図10(f)’))よりも高い活性を示したのはCe/Pr=9/1,7/3の比率の触媒(実施例1,2(図10(a)’、(b)’))であり、前記CeによるPtの粒成長抑制と、CeとPrの複合化による効果が両立した結果と考察された。
上記のように本発明に係る排ガス浄化用触媒によれば、Ptのシンタリング、Ceの結晶子径の成長などの反応を抑えた安定であり、かつよりNOx吸蔵効率の高いNOxの吸蔵還元能を有する触媒の提供を可能にできる。こうしたことから、本発明に係る還元触媒は、排ガス浄化触媒に限られず、広い分野において様々な用途に利用することができる。

Claims (1)

  1. アルミナと、セリウムとプラセオジムとを組み合わせた複合希土類酸化物と、の混合物を含む触媒担体上に、
    Pt、Rh、Pdからなる群から選択された少なくとも1種の白金族金属と、
    Li、Na、K、Csからなる群から選択されたアルカリ金属および/またはMg、Ca,Sr,Baからなる群から選択されたアルカリ土類金属の少なくとも1種であるNOx吸蔵材と、
    を担持した、NOx吸蔵還元型排ガス浄化用触媒。
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