JP2016182104A - エキスの抽出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】畜肉系のエキスの抽出において、加熱抽出する前に、原料肉に何らかの処理を施し、その後に加熱処理することで、より風味および/又は抽出量において優れたエキスの抽出方法の提供。
【解決手段】生の原料肉に加圧処理を室温(1℃〜30℃)下、30MPa以上の条件下で施した後に、当該加圧処理後の原料肉及び処理液に、水を加えての加熱抽出を120℃未満の温度範囲で実施する、エキスの抽出方法、及び該抽出方法により得られるエキス。
【選択図】なし

Description

本発明は、原料肉からエキスの抽出のための処理方法に関する発明である。
原料肉、特に畜肉系の原料よりアミノ酸含量が高く、風味に優れたエキス分を抽出することは、従来より食品のエキス抽出分野において常に求められていたことである。
ここで、通常、抽出後のアミノ酸含量を高めるためには、抽出対象とする畜肉類を加熱処理する手法を採用するのが一般的である。しかし、加熱温度が高いとピラジン等の特有の成分が生じるために、逆に風味が劣化する場合もあった。
その他、アミノ酸含量を高める方法としては、タンパクを分解する酵素を添加する方法等が挙げられる。しかし、酵素という余分の資材を必要とするという難点があった。
その他、先行技術として例えば、以下のエキスの製法に関する特許文献が開示されている。
特開平2-42955上記の特許文献1は、鶏ガラを常圧熱水加熱しチキンエキスを得た後、さらに抽出残渣に水を加えて加圧熱水加熱する方法が開示されているが、二段階の抽出をした上、両成分を混合するため、手順が煩雑である。
このように種々の方法が開示されているが、完成された方法が存在するということはなく、これらの方法以外に、他の方法も求められていたところである。
通常、畜肉系のエキスの抽出においては、肉、骨等の畜肉系の原料を水中に浸漬した状態で、常圧で加熱するか、加圧加熱してエキスを肉、骨からのエキス分を抽出する方法が採用されることが多い。
このような熱水抽出の場合、原料となる肉、骨等に水を加えてそのまま加熱抽出を行うことが多かった。
そこで、本発明者らは、加熱抽出する前に、原料肉に何らかの処理を施し、その後に加熱処理することで、より風味および/又は抽出量において優れたエキスの抽出方法を開発することを課題とした。
本発明者らの鋭意研究の結果、驚くべきことに、加熱抽出前の原料肉に加圧処理を施し、その後に水を加えて加熱抽出を施すことで、加圧処理せずに直ちに加熱抽出する場合よりも、風味および/又はアミノ酸含量等のエキス量において優れたエキスを抽出できることを見出して本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本願第一の発明は、
“生の原料肉に加圧処理を施した後に、当該加圧処理後の原料肉及び処理液に水を加えて加熱抽出する、エキスの抽出方法。 “、である。
次に、上記の加圧処理は、室温下で行うことができる。
すなわち、本願第二の発明は、
“前記加圧処理が室温(1℃〜30℃)下で行われる請求項1に記載のエキス抽出方法。”、である。
次に、前記の加圧処理は、30 MPa以上で実施することが好ましい。
すなわち、本願第三の発明は、
“前記加圧処理が30 MPa以上の条件下で実施される請求項1又は2に記載のエキス抽出方法。”、である。
次に、上記加圧処理後の加熱工程においては、120℃未満の温度範囲で加熱することが好ましい。
すなわち、本願第四の発明は、
“前記加圧処理後の加熱抽出を120℃未満の温度範囲で実施する請求項1〜3のいずれかに記載のエキス抽出方法。”、である。
さらに、本出願には、請求項1〜4のいずれかに記載の抽出方法で得られるエキス自体も意図している。
すなわち、本願第五の発明は、
“請求項1〜4のいずれかに記載の抽出方法により得られるエキス。”、である。
本発明のエキス抽出方法を採用することで、アミノ酸含量に優れた風味豊かな原料肉のエキスを抽出することができる。
以下に本発明を実施する形態について説明する。但し、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
本願の第一の発明は、
“生の原料肉に加圧処理を施した後に、当該加圧処理後の原料肉及び処理液に水を加えて加熱抽出する、エキスの抽出方法“、である。
─原料肉─
本発明にいう原料肉とは、畜肉系及び魚肉系の種々の肉、骨等が利用できる。但し、好ましくは畜肉系の原料肉である。特に、骨付き肉等に利用すると好適である。具体的には、鶏、牛、豚、馬、羊等の種々挙げられる。また、骨類として鶏ガラ、豚ガラ、牛ガラ等が挙げられる。
特に、鶏ガラにおいては、胴ガラ、もも骨、もみじ等の種類があるが、ここで、胴ガラとは、鶏の胴体部分から肉(むね肉、もも肉、ささみ等)や内臓を除いた、骨を主要とする部分をいう。完全に肉を除去するのは困難であり、通常、肉が残存している場合が多い。また、もも骨とは、鶏のもも部分より、もも肉を取り除いた骨を主要とする部分をいう。さらに、もみじとは鶏の足の部分をいう。
これらの各部分は、鶏からスープを抽出する際に用いられる部分である。本発明においては、いずれの部位も用いることができるが、特に胴ガラを利用することが好ましい。
原料肉は、家畜等を処理した後の肉、骨等を鋸等で分割した骨付き肉、精製肉等を利用することが可能である。本発明においてはこれらの原料肉を生のまま利用する。
尚、本発明にいう生の原料肉にいう“生”とは“意図的に加熱することなく”の意味であり、外気温の変化等において原料肉の品温の変動が生じる場合があることは勿論である。
─加圧処理─
本発明における加圧処理とは、通常概ね30 MPa〜200 MPa程度が挙げられる。また、好適には、50 MPa〜150 MPa程度である。さらに好ましくは、70 MPa〜130 MPa程度である。特に、原料肉が生の状態で加圧処理を行うため、菌数の増加を制御するために高圧であることが好ましい。
加圧の方法としては特に限定されるものでなく、原料肉を実際に加圧できる方法であれば種々の方法が選択できる。
本発明の加圧処理工程における処理時間は、圧力の程度とも関連するため、特に限定されないが、概ね4時間〜72時間程度で行うことができる。また、好ましくは12時間〜24時間程度が好適である。
尚、本発明においては加圧処理時に、原料肉そのものだけでなく、原料肉に水を加えて加圧処理に供してもよいことは勿論である。
─加圧処理の際の処理温度─
尚、本発明では、室温(1℃〜30℃)程度の中で原料肉(及び水)を加圧処理に晒すが、その加圧処理によって原料肉由来の菌数の増加を抑制し、自己消化の酵素(プロテアーゼ、アミラーゼ等の各種酵素)のみを、15℃〜30℃程度の好適条件で作用させることができる。また、これによって、遊離のアミノ酸を増強することができるものと考えられる。本発明においては、このように生の原料肉を室温(1℃〜30℃)程度の環境下で静置することになるため、本来原料肉が有している種々の酵素を好適に利用することができる。
尚、原料肉から液状のドリップが抽出されることとなるが、当該液状部分を本発明にいう“処理液”とする。また、加圧時に原料肉そのものだけでなく、原料肉に水を加えて加圧処理する場合においては、当該加えた水を含めて本発明にいう“処理液”というものとする。
─当該加圧処理後の原料肉及び処理液の加熱抽出─
本発明では、上述の加圧処理によって得られる“原料肉及び処理液”に対して、通常のエキス抽出処理の場合と同様に、水を加えて加熱抽出を施す。当該加熱抽出の際の加熱温度は、常圧下では80℃〜100℃、加圧下では100℃〜130℃程度の広い範囲で行うことができる。また、加熱する時間は、特に限定されないが、概ね30分〜5時間程度であればよく、1時間〜3時間程度が好適である。
原料肉に対して添加する水の量は、原料肉の重量1に対して、水は2〜3程度の重量比で添加すればよい。また、原料肉を収容した装置(仕込釜等の各種装置)において原料肉が浸かる程度の水を注入すれば十分である。
さらに、本加熱抽出時には、原料肉とともに野菜類を追加しても勿論可能である。例えば、ニンニク、たまねぎ、ニンジン、セロリ、しょうが、ねぎ等の種々の野菜類が挙げられる。これらの野菜類を追加することで原料肉の臭みを低下させるともに、スープの風味をより優れたものとすることができる。
─本発明の抽出工程を経て加熱抽出されエキスの利用方法─
本発明の抽出方法によって得られたエキスは、種々の食品に利用することができる。すなわち、当該エキスをオイル除去等の操作を経てろ過してから濃縮して利用することができる。例えば、濃縮したエキスを食塩、グルタミン酸ナトリウム等の塩類と混合したり、味噌や醤油等と混合して即席麺のスープ等を調製することができる。
さらに、当該エキスをさらに濃縮することで粉末化することもできる。また、適宜、糖等のバインダーと混合して粉末状とすることも勿論可能である。
以下、本発明の実施例を記載する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<試験例1> 加圧処理の効果の確認(胴ガラ)
[実施例1]
原料となる鶏ガラのうち、胴ガラを用いて加圧処理してから水を加えて加熱し、エキスの抽出試験を行った。当該胴ガラ部:200 gをアルミパウチに脱気充填したものを、2 L容量の高圧処理装置(まるごとエキス、東洋高圧社製、2 Lタイプ)に収容し、100 MPaの高圧状態として、水温が25℃の状態で24時間保持した。
当該高圧保持後の高圧処理装置の上部を開放した後、加圧処理後の原料を取り出して600 gの水を加え、加圧加熱装置(高圧蒸気滅菌器、アルプ社製)で115℃で150分間の加圧・加熱処理を実施した。その後に当該加熱後の溶液全部をろ過して、油分を取り除き、当該処理後の溶液部分を得た。当該溶液部分について遊離のアミノ酸含量を測定するとともに、官能試験を行った。官能試験は、熟練のスープ技術者4名で行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において高圧処理を施さずに、原料に水を加えて加圧加熱装置(高圧蒸気滅菌器、アルプ社製)に収容後、直ちに115℃で150分間の加圧・加熱処理をした点を除いて実施例1と同様に処理した。尚、本比較例1に関連して、高圧処理を施さずに常圧で24時間放置したものは、明らかな風味の劣化が生じていた。
─官能評価の結果─
実施例1で得られた加熱後の溶液(加圧処理あり)は、比較例1(加圧処理無し)に比べて、うま味、コク、臭いの点の総合評価で優れていた。
Figure 2016182104

加圧処理によって、生の畜肉系の原料を常温で保存することによる風味の劣化を抑制しつつ、官能評価(うま味、コク、臭い)の点で優れたエキスを抽出することができた。また、実施例1は比較例1に対して、アミノ酸含量が増加していることが判明した。
<試験例2> 鶏ガラの各部位ごとの効果の差の確認(胴ガラ、もも骨、もみじ)
鶏ガラのうち、胴ガラ、もも骨、もみじの各部位による加圧処理の効果の差を確認した。尚、本試験は試験例1とは別に実施した。
[実施例3−1]
原料となる鶏ガラのうち、胴ガラを用いて加圧処理してから水を加えて加熱し、エキスの抽出試験を行った。当該胴ガラ部:200 gをアルミパウチに脱気充填したものを、2 L容量の高圧処理装置(まるごとエキス、東洋高圧社製、2 Lタイプ)に収容し、100 MPaの高圧状態として、水温が25℃の状態で24時間保持した。
当該高圧保持後の高圧処理装置の上部を開放した後、加圧処理後の原料を取り出して600 gの水を加え、加圧加熱装置(高圧蒸気滅菌器、アルプ社製)で115℃で150分間の加圧・加熱処理を実施した。その後に当該加熱後の溶液全部をろ過して、油分を取り除き、当該処理後の溶液部分を得た。
当該加熱後の溶液についてBrix(ブリックス)値を測定した。尚、Brix(ブリックス)値とは、溶液中の固形成分濃度を示し、原料成分が効率的に抽出できているかを判断できる指標値として用いることができる。そのため、当該値が大きい方がエキス分の抽出量が多いと判断できる。当該Brix(ブリックス)値の結果を表2に示す。
当該溶液部分についてBrix(ブリックス)値を測定するとともに、官能試験を行った。官能試験は、熟練のスープ技術者4名で行った。また、官能試験はうま味、コク、臭いの点を評価対象とする試験を実施した。そして、当該評価は前記の各項目の総合評価として判断し、最良のものから順に、+ 4(最良)、+ 3、+ 2、+ 1、±0、- 1、- 2、- 3(普通)の8段階で評価を実施した。結果を表4に示す。
[実施例3−2]
加圧処理後の加圧・加熱を120℃で実施した点を除いて実施例3−1と同様に行った。
[実施例3−3]
加圧処理後の加圧・加熱を125℃で実施した点を除いて実施例3−1と同様に行った。
[実施例3−4]
加圧処理後の加圧・加熱を117℃で実施した点及びBrix(ブリックス)値の測定を実施しなかった点を除いて実施例3−1と同様に行った。
[比較例3−1]
加圧処理を実施しなかった点を除いて実施例3−1と同様に行った。
[比較例3−2]
加圧処理を実施しなかった点、及び加圧処理後の加圧・加熱を120℃で実施した点を除いて実施例3−1と同様に行った。
[比較例3−3]
加圧処理を実施しなかった点、及び加圧処理後の加圧・加熱を125℃で実施した点を除いて実施例3−1と同様に行った。
[比較例3−4]
加圧処理を実施しなかった点、加圧処理後の加圧・加熱を117℃で実施した点、及びBrix(ブリックス)値の測定を実施しなかった点を除いて実施例3−1と同様に行った。
[実施例4−1]
原料となる鶏ガラのうち、もも骨を用いて抽出試験を行った。当該もも骨:200 gをアルミパウチに脱気充填したものを、2 L容量の高圧処理装置(まるごとエキス、東洋高圧社製、2 Lタイプ)に収容し、100 MPaの高圧状態として、水温が25℃の状態で24時間保持した。
当該高圧保持後の高圧処理装置の上部を開放した後、加圧処理後の原料を取り出して600 gの水を加え、加圧加熱装置(高圧蒸気滅菌器、アルプ社製)で115℃で150分間の加圧・加熱処理を実施した。
その後に当該加熱後の溶液全部をろ過して、油分を取り除き、当該処理後の溶液部分を得た。
当該加熱後の溶液についてBrix(ブリックス)値を測定した。尚、Brix(ブリックス)値とは、溶液中の固形成分濃度を示し、原料成分が効率的に抽出できているかを判断できる指標値として用いることができる。そのため、当該値が大きい方がエキス分の抽出量が多いと判断できる。当該Brix(ブリックス)値の結果を表2に示す。
当該溶液部分についてBrix(ブリックス)値を測定するとともに、官能試験を行った。官能試験は、熟練のスープ技術者4名で行った。また、官能試験はうま味、コク、臭いの点を評価対象とする試験を実施した。そして、当該評価は前記の各項目の総合評価として判断し、最良のものから順に、+ 4(最良)、+ 3、+ 2、+ 1、±0、- 1、- 2、- 3(普通)の8段階で評価を実施した。結果を表4に示す。
[実施例4−2]
加圧処理後の加圧・加熱を120℃で実施した点を除いて実施例4−1と同様に行った。
[実施例4−3]
加圧処理後の加圧・加熱を125℃で実施した点を除いて実施例4−1と同様に行った。
[比較例4−1]
加圧処理を実施しなかった点を除いて実施例4−1と同様に行った。
[比較例4−2]
加圧処理を実施しなかった点、及び加圧処理後の加圧・加熱を120℃で実施した点を除いて実施例4−1と同様に行った。
[比較例4−3]
加圧処理を実施しなかった点、及び加圧処理後の加圧・加熱を125℃で実施した点を除いて実施例4−1と同様に行った。
[実施例5−1]
原料となる鶏ガラのうち、もみじを用いて抽出試験を行った。当該もみじ:200 gをアルミパウチに脱気充填したものを、2 L容量の高圧処理装置(まるごとエキス、東洋高圧社製、2 Lタイプ)に収容し、100 MPaの高圧状態として、水温が25℃の状態で24時間保持した。
当該高圧保持後に高圧処理装置の上部を開放した後、加圧処理後の原料を取り出して600 gの水を加え、加圧加熱装置(高圧蒸気滅菌器、アルプ社製)で115℃で150分間の加圧・加熱処理を実施した。その後に当該加熱後の溶液全部をろ過して、油分を取り除き、当該処理後の溶液部分を得た。
当該加熱後の溶液についてBrix(ブリックス)値を測定した。Brix(ブリックス)値とは、溶液中の固形成分濃度を示し、原料成分が効率的に抽出できているかを判断できる指標値として用いることができる。そのため、当該値が大きい方がエキスの抽出量が多いと判断できる。当該Brix(ブリックス)値の結果を表2に示す。
当該溶液部分についてBrix(ブリックス)値を測定するとともに、官能試験を行った。官能試験は、熟練のスープ技術者4名で行った。また、官能試験はうま味、コク、臭いの点を評価対象とする試験を実施した。そして、当該評価は前記の各項目の総合評価として判断し、最良のものから順に、+ 4(最良)、+ 3、+ 2、+ 1、±0、- 1、- 2、- 3(悪)の8段階で評価を実施した。結果を表2に示す。
[実施例5−2]
加圧処理後の加圧・加熱を120℃で実施した点を除いて実施例5−1と同様に行った。
[実施例5−3]
加圧処理後の加圧・加熱を125℃で実施した点を除いて実施例5−1と同様に行った。
[比較例5−1]
加圧処理を実施しなかった点を除いて実施例5−1と同様に行った。
[比較例5−2]
加圧処理を実施しなかった点、及び加圧処理後の加圧・加熱を120℃で実施した点を除いて実施例5−1と同様に行った。
[比較例5−3]
加圧処理を実施しなかった点、及び加圧処理後の加圧・加熱を125℃で実施した点を除いて実施例5−1と同様に行った。
Figure 2016182104

いずれの温度においても加圧処理を行った方が、Brix(ブリックス)値の増加が見られた。表2において加圧処理を実施した場合と、加圧処理を実施しなかった場合でのBrix(ブリックス)値の比率を計算した。結果を表3に示す。
Figure 2016182104

いずれの場合においても高圧処理を実施した方が、Brix(ブリックス)値の増加がみられたが、胴ガラについては115℃の加圧・加熱処理が、もも骨及びもみじについては125℃の加圧・加熱処理において無処理に対して効率的にエキスが抽出できていることが判明した。次に官能評価の結果を表4に示す。
Figure 2016182104

胴ガラの場合、115℃及び117℃の加熱温度では高圧処理した方が官能評価の点で、優れたエキスを抽出できることが判明した。その一方、120℃の加熱温度においては加圧処理した場合の方が微妙に評価が低くなった。また、125℃の加熱温度においても120℃の場合と同様に加圧処理した場合の方が微妙に評価が低くなった。
<試験例3>胴ガラについて高圧処理の処理時間を変えた場合
鶏ガラのうち、特に胴ガラについて高圧処理の時間を変えた場合のBrix(ブリックス)値の変化を調べると共に、官能試験を実施した。結果を表5に示す。
[実施例3−5]
加圧処理の処理時間を4時間とした点を除いて実施例3−1と同様に行った。
[実施例3−6]
加圧処理の処理時間を8時間とした点を除いて実施例3−1と同様に行った。
[実施例3−7]
加圧処理の処理時間を12時間とした点を除いて実施例3−1と同様に行った。
[実施例3−8]
加圧処理の処理時間を16時間とした点を除いて実施例3−1と同様に行った。
[実施例3−9]
加圧処理の処理時間を20時間とした点を除いて実施例3−1と同様に行った。
[実施例3−10]
加圧処理の処理時間を48時間とした点を除いて実施例3−1と同様に行った。
Figure 2016182104

胴ガラについて、高圧処理の処理時間について、4時間より長時間行うことでBrix(ブリックス)値の増加の効果を得ることができた。但し、官能評価については、高圧処理の処理時間を48時間とすると低下することが判明した。
これらより高圧処理の時間としては、4時間より多く、48時間未満が良好であることが判明した。

Claims (5)

  1. 生の原料肉に加圧処理を施した後に、当該加圧処理後の原料肉及び処理液に水を加えて加熱抽出する、エキスの抽出方法。
  2. 前記加圧処理が室温(1℃〜30℃)下で行われる請求項1に記載のエキス抽出方法。
  3. 前記加圧処理が30 MPa以上の条件下で実施される請求項1又は2に記載のエキス抽出方法。
  4. 前記加圧処理後の加熱抽出を120℃未満の温度範囲で実施する請求項1〜3のいずれかに記載のエキス抽出方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の抽出方法により得られるエキス。
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