JP2016181553A - 半導体発光素子 - Google Patents

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光恭 熊谷
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Abstract

【課題】キャリアオーバーフローが抑制され、発光層へのキャリア注入効率が高く、高い発光効率並びに温度特性の良好な半導体発光素子を提供する。
【解決手段】半導体発光素子は、n型半導体層上の超格子構造層13と、その上の第1の制御層15Bと第2の制御層15Wとからなる電子注入制御層15と、その上の障壁層17B及び量子井戸層17Wの繰り返しからなる発光層17とを有する。電子注入制御層15Bの第2の制御層15Wは発光層17の量子井戸層17Wと同一の組成及び同一の層厚又は発光層17の量子井戸層17Wよりもバンドギャップの小なる組成を有する。電子注入制御層15の第1の制御層15Bは、超格子構造層13の第2の半導体層13Bに接した第1制御井戸層15B1と、第2の制御層15Wに接した第2制御井戸層15B2とを有する。第1の制御層15Bは、第1制御井戸層15B1及び第2制御井戸層15B2の間にある。
【選択図】図6

Description

本発明は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)、レーザイオード(LD:Laser Diode)等の半導体発光素子に関し、特に、多重量子井戸(MQW:Multiple Quantum Well)構造の発光層を有する半導体発光素子に関する。
半導体発光素子における発光効率等の発光特性を向上するために、発光層に多重量子井戸構造を採用することが知られている。
例えば、特許文献1には、多重量子井戸構造の発光層からn型第1層に向けて順に積層された第1積層体と第2積層体とを有する半導体素子が開示されている。第1積層体はInAlGaN/InGaNの積層構造からなり、第2積層体は第1積層体と異なる組成からなる積層構造を有している。
特開2013−65632号公報
LED等の半導体発光素子は、動作温度が上昇した場合、一般的に発光出力が低下する。このような発光出力の低下は、キャリアオーバーフローによる電子・ホール再結合効率の低下、結晶内の欠陥によるキャリア捕獲確率の上昇、キャリア注入効率の減少等による。
特許文献1に記載された半導体素子において、第1積層体は第2積層体と発光層の間に障壁層として存在しており、発光層の井戸層との境界がInGaNの障壁層になっている。このため、キャリアはn型半導体層側の井戸層に入る前にp側半導体層側に進んでしまい、結果として過剰なキャリアがp側に集中する。よって、発光層p側に位置するp型閉じ込めバリア層からのキャリアオーバーフローを引き起こしてしまう。
本発明は、高温動作時においてもキャリアオーバーフローが抑制され、発光効率及び発光出力の低下の少ない半導体発光素子を提供することを目的とする。
本発明の半導体発光素子は、n型半導体層と、
前記n型半導体層上に形成され、第1の半導体層及び前記第1の半導体層よりもバンドギャップの大なる組成の第2の半導体層が繰り返し形成された超格子構造層と、
前記超格子構造層の前記第2の半導体層上に形成された第1の制御層と前記第1の制御層上に形成された第2の制御層とからなる電子注入制御層と、
前記第2の制御層上に形成された、障壁層及び量子井戸層が繰り返し形成された発光層と、を有し、
前記第2の制御層は、前記発光層の前記量子井戸層と同一の組成及び同一の層厚を有するか、又は前記発光層の前記量子井戸層よりもバンドギャップの小なる組成を有し、
前記第1の制御層は、前記超格子構造層の前記第2の半導体層に接し且つ前記超格子構造層の前記第1の半導体層よりもバンドギャップが小さく且つ前記第2の制御層よりもバンドギャップの大なる組成を有する第1制御井戸層と、前記第2の制御層に接し且つ前記超格子構造層の前記第1の半導体層よりもバンドギャップが小さく且つ前記第2の制御層よりもバンドギャップの大なる組成を有する第2制御井戸層と、を有し、
前記第1の制御層は、前記第1制御井戸層及び前記第2制御井戸層の間に、前記第1制御井戸層及び前記第2制御井戸層よりもバンドギャップの大なる組成を有する少なくとも1つの制御障壁層を有することを特徴とする。
本発明の実施形態である半導体発光素子(以下、単に、発光素子又は素子ともいう)の半導体構造層の構成を模式的に示す断面図である。 図1の半導体構造層の構成の一部を模式的に示す断面図である。 図2の半導体構造層の構成の一部のバンド構造を模式的に示すバンドダイアグラムである。 LED素子サンプルの第1の制御層のIn組成y1に対する光出力の温度特性をプロットしたグラフである。 本発明による実施例1の発光素子における半導体構造層の構成の一部を模式的に示す断面図である。 図5の半導体構造層の構成の一部のバンド構造を模式的に示すバンドダイアグラムである。 本発明による実施例1〜3及び比較例の発光素子における半導体構造層の電子注入制御層の部分を模式的に示すバンドダイアグラムである。 本発明による実施例1〜3及び比較例の発光素子における半導体構造層の電子注入制御層の第1の制御層の制御井戸層のIn組成(y1)を変化させた場合の光出力をプロットしたグラフである。 本発明による実施例1〜3及び比較例の作成した素子における第1の制御層の積層数に対応する光出力をプロットしたグラフである。
本発明の多重量子井戸構造の発光層を有する半導体発光素子について以下に説明する。以下の説明及び添付図面において、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符を付して説明する。
一般的に、LED等の半導体発光素子は動作温度が上昇した場合、発光出力が低下する。すなわち、温度が上昇すると、電子が再結合せずに発光層を通り過ぎる量が増えてくる(電子オーバーフロー現象)。温度が上昇してもキャリアを効率よく発光層に導ければ、オーバーフロー現象を低減させることができ、結果的に温度特性を向上させることができる。
本発明者は、このような考えに基づき実験を行い、温度特性と発光効率を同時に向上させることが可能な構造、すなわち、超格子構造層と発光層の間に電子注入制御層を設ける構造を見出した。
図1は、半導体構造層がGaN(窒化ガリウム)系半導体からなる半導体構造層10の構成を模式的に示す断面図である。図1に示すように、半導体構造層10は、n型半導体層11、超格子構造層13、電子注入制御層15、多重量子井戸構造を有する発光層(以下、単に、発光層という。)17、電子ブロック層18、p型半導体層19がこの順で順次、成長用基板(図示していない)上に積層された構成を有している。また、半導体構造層10を有する半導体発光素子は、n型半導体層11及びp型半導体層19に電圧を印加するn電極及びp電極(図示していない)をそれぞれの側に有している。
n型半導体層11は、例えば、Si等のn型ドーパントがドープされたGaN層からなる。電子ブロック層18は、例えばAlGaN層からなる。電子ブロック層18は、p型ドーパントを含んでいてもよい。p型半導体層19(p−クラッド層)は、例えば、Mg等のp型ドーパントがドープされたGaN層からなる。なお、p型半導体層19とp電極の間にコンタクト層を設けてもよい。
図2は、半導体構造層10の超格子構造層13、電子注入制御層15、発光層17、電子ブロック層18の積層構造を示す断面図である。
図3は図2の半導体構造層10のバンド構造を模式的に示すバンドダイアグラムであり、CBは伝導帯、VBは価電子帯を示している。
図2及び図3を参照して、超格子構造層13と発光層17の間に電子注入制御層15を設けた構造について説明する。
[超格子構造層]
図2に示すように、超格子構造層13は、複数の第1の半導体層13W(井戸層)及び複数の第2の半導体層13B(障壁層)がそれぞれ交互に積層されている。図3に示すように、第2の半導体層13Bは、第1の半導体層13Wのバンドギャップ(Esw)よりバンドギャップ(Esb)の大なる組成を有している。超格子構造層13は第2の半導体層13B(GaN障壁層)で終端している。
超格子構造層13はn−GaN層11と発光層17の格子不整合を緩和する役割を果たし、同時にn−GaN層11から流入する電子を減速し、結晶面内方向の電流拡散を促進させる役割も担う。
[電子注入制御層]
超格子構造層13の最終層である第2の半導体層13B上には、電子注入制御層15が形成されている。電子注入制御層15は、第2の半導体層13Bに接する第1の制御層15Bと、該第1の制御層15B上に形成されている第2の制御層15Wとから構成されている。
第1の制御層15Bは、超格子構造層13の第2の半導体層13Bよりバンドギャップの小なる組成(バンドギャップ:Ecb)を有し、また、層厚Lcbを有している。そして第1の制御層15B上には、第2の制御層15W(層厚Lcw)が形成されている。
電子注入制御層15は、超格子構造層13から注入された電子の発光層17への注入効率を制御する。すなわち、電子注入制御層15は、超格子構造層13から注入された電子を減速して、電子のオーバーフローを抑制し、発光層17の各井戸層17Wへの注入効率を向上させる機能を有する。
[発光層]
電子注入制御層15の第2の制御層15W上には、障壁層17B及び量子井戸層(以下、単に、井戸層ともいう)17Wが繰り返し形成された量子井戸構造の発光層17が形成されている。発光層17の各障壁層17Bは同一組成(バンドギャップ:Eab)及び同一層厚(Lb)を有し、井戸層17Wの各々は同一組成(バンドギャップ:Eaw)及び同一層厚(Lz)を有している。そして、上記した電子注入制御層15の第2の制御層15Wの組成(バンドギャップ:Ecw)は発光層17の井戸層17Wと同一組成(すなわち、Ecw=Eaw)であり、井戸層17Wと同一層厚(層厚Lcw=Lz)を有している。
[電子注入制御層を有する素子の性能試験]
以下に、電子注入制御層を有するLEDについて行った性能試験について説明する。GaN(窒化ガリウム)系半導体からなる半導体構造層10を用いてLEDを製作し、その発光特性について評価を行った。
結晶成長用基板として、表面がC面の2インチ円形のサファイア単結晶基板を用い、MOCVD法(有機金属気相堆積法:Metalorganic Chemical Vapor Deposition)を用い、当該基板上にLED構造層である半導体構造層10を成長した。
まず、低温GaN緩衝層を30nm厚で成長し、その上に半導体構造層10を成長した。半導体構造層10として、n−GaN層11、超格子構造層13(第1の半導体層13W、第2の半導体層13B)、電子注入制御層15(第1の制御層15B、第2の制御層15W)、発光層17(障壁層17B、量子井戸層17W)、p−GaN層19をこの順で順次積層した。
下記表1に、製作したLEDの半導体構造層10の材料と膜厚を示す。
Figure 2016181553
超格子構造層13として、第1の半導体層のInxGa1-xN層13Wと第2の半導体層13Bの2層を4周期分繰り返して形成した。
超格子構造層13の最終層のGaN層13B上に、電子注入制御層15の第1の制御層15B層(Iny1Ga1-y1N)と第2の制御層15W(Iny2Ga1-y2N)を順に形成した。両層のIn組成は0<y1<y2<1の関係であった。
電子注入制御層15の第2の制御層15W(Iny2Ga1-y2N)上に、発光層17を形成した。発光層17として、障壁層17B(Inz1Ga1-z1N)及び井戸層17W(Inz2Ga1-z2N)のペアを9周期分繰り返して形成した。これら層のIn組成は0≦z1<z2<1の関係であった。なお、井戸層17W(Inz2Ga1-z2N)のIn組成を発光波長が450nmとなるように調整した。
また、n型半導体層11にはn型ドーパントとしてSiを、p型半導体層19にはp型ドーパントとしてMgをそれぞれドープした。
最後に、n型半導体層11及びp型半導体層19に電圧を印加するn電極及びp電極(図示しない)をn型半導体層11及びp型半導体層19に形成してLED素子を作製した。
性能試験のために、電子注入制御層15の第1の制御層15B(Iny1Ga1-y1N)のIn組成(y1)や層厚を変化させた複数のLED素子サンプルを作製した。第1の制御層(Iny1Ga1-y1N層)15Bの層厚Lcbを5.4nm及び6.7nmとし、第1の制御層(Iny1Ga1-y1N層)15BのIn組成(y1)を0〜8%(y1=0〜0.08)の範囲で変化させた素子サンプルについて、特性を評価した。なお、電子注入制御層15の第2の制御層15W(Iny2Ga1-y2N)の組成は発光層17の井戸層17W(Inz2Ga1-z2N)と同一組成(すなわち、y2=z2)とした。
また、第2の制御層15Wが、発光層17の井戸層17Wよりバンドギャップの小なる組成(すなわち、y2≧z2)を有し、且つ、井戸層17Wの層厚より層厚が小さい第2の制御層15WのLED素子も作製した。このLED素子も、電子注入制御層15から井戸層17Wへの電子注入の効果は殆ど変化しなかった。
LED素子サンプルについて、LED素子の動作温度を25℃から70℃に変化させ、一定電流を流した時の輝度(光出力)を比較することによって温度特性評価を行った。
図4は、LED素子サンプルの第1の制御層(Iny1Ga1-y1N層)15Bの層厚Lcbが5.4nm及び6.7nmの場合について、第1の制御層のIn組成y1に対する光出力の温度特性をプロットしたグラフである。なお、光出力は規格化した任意単位(a.u.)として示している。全体的な傾向として、動作温度を25℃から70℃に上昇させると、LED素子の光出力が低下している。よって、温度上昇によって、キャリア(電子)のオーバーフロー現象が顕著になっていると考えられる。
図4から分かるように、第1の制御層(Iny1Ga1-y1N層)15BのIn組成が0(y1=0)の場合、すなわち超格子構造層13の最終層であるGaN障壁層と同一組成の場合、In組成y1>0の場合に比べて光出力は低くなっていることが分かる。これは、キャリアオーバーフローによって電子注入制御層15に近い側の発光層17の井戸層17Wへの電子注入が低く、発光への寄与が小さいことが要因と考えられる。
一方、第1の制御層(Iny1Ga1-y1N層)15BのIn組成(y1)を増加させていくと、徐々に光出力は増加し、第1の制御層(Iny1Ga1-y1N層)15Bの層厚Lcbが5.4nmの場合ではIn組成が3.5%(y1=0.035)のときに光出力が最大となり、層厚Lcbが6.7nmの場合ではIn組成が6.4%(y1=0.064)のときに光出力が最大となっている。これは、第1の制御層15BのIn組成が0すなわち、(y1=0)の場合、すなわち超格子構造層13の最終層であるGaN障壁層と同一組成の場合に比べて15%の光出力の向上に相当する。また、光出力が最大となるIn組成y1の最適値以上では光出力は徐々に減少する。In組成が最適ゾーン(すなわち、光出力が増加するy1の領域)以上においては、電子注入制御層15に近い側にある井戸層17Wが電子過多の状態になり、その分、電子注入制御層15から遠い側にある井戸層17Wへの電子注入が減少するからであると考えられる。
なお、In組成z1は2%以下にしてある。つまり第1の制御層15BのIn組成y1は発光層17の障壁層17BのIn組成z1より大きいこと(y1>z1)、すなわち第1の制御層15Bのバンドギャップが発光層17の障壁層17Bのバンドギャップより小さいことが好ましいことが分かる。
図4から分かるように、第1の制御層(Iny1Ga1-y1N層)15Bの層厚LcbによってIn組成y1の最適ゾーンが異なっている。
具体的には、第1の制御層15Bが6nm以下の場合、好ましいIn組成は1〜6%程度で、更に好ましくは、2〜5%程度であった。第1の制御層15Bの層厚Lcbが6〜12nm程度の場合、好ましいIn組成は4〜12%程度で、更に好ましくは、5〜8%程度であった。これらから、第1の制御層のIn組成は2〜10%の範囲内であり、層厚は10nm以下であることが好ましいことが分かる。
以上より、素子の電子注入制御層15の第1の制御層15BのIn組成を制御することによって、素子の発光出力の向上と温度特性の向上を同時に実現できることが明らかになった。
本発明者は、以上のような性能試験を行い、超格子構造層と発光層の間に電子注入制御層を設けることにより温度特性と発光効率を同時に向上できる素子構造を見出した。かかる素子構造においては、図3に示すように電子注入制御層の第1の制御層15Bのバンドギャップを、超格子構造層13の最終の障壁層13Bのバンドギャップより小さくすることと、第2の制御層15Wが発光層の量子井戸層17Wと同一の組成及び同一の層厚を有するか、或いは、量子井戸層17Wよりバンドギャップの小なる組成を有することにより、キャリアを誘導する効果が現れ、発光層17の全体へキャリア注入効率を高めることを知見した。
本発明者は、さらに実験を行ったところ、電子注入制御層において新たな課題と知見を得た。つまり、キャリア誘導効果を高めるには電子注入制御層の第1の制御層15Bのバンドギャップを小さくする(例えばIn組成を上げる)必要があるが、単純にIn組成を上げることは結晶性の低下を引き起こすおそれがある。また、第1の制御層15BのIn組成を上げるほど、格子歪が大きくなり、その上に成長する発光層17の結晶性も低下し、一概に発光効率の向上効果が低減してしまうことも知見した。
以上の新たな課題及び知見から考えられることは、発光効率向上のためにはキャリア誘導層としての機能を有する電子注入制御層の第1の制御層15Bの結晶性劣化を抑え、且つ、発光層への歪の影響を小さくした上でバンドギャップをより小さくし、電子注入制御層のキャリア誘導層としての機能を高めることである。
本発明者は、以上の観点から、電子注入制御層の改良を試み、その結晶性劣化を抑えて発光効率を向上させる構造として電子注入制御層の第1の制御層15Bに制御障壁層を備えた発光素子構造を見出した。
図5〜図7を参照して、電子注入制御層の第1の制御層15Bに制御障壁層を備えた発光素子の実施例について説明する。なお、本実施例において、上記図1、図2及び図3の発光素子と実質的に同一又は等価な構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略して、異なる構成要素について主に説明する。
図5は、本発明による実施例1の発光素子における半導体構造層10の構成(図1)の一部を模式的に示す断面図である。図6は図5の半導体構造層10の構成の一部のバンド構造を模式的に示すバンドダイアグラムである。図7は、本発明による実施例1〜3及び比較例の発光素子における半導体構造層の電子注入制御層の部分を模式的に示すバンドダイアグラムである。
図5及び図6に示すように、実施例1の発光素子において、電子注入制御層15の第1の制御層15Bは、組成の異なる複数の層(量子井戸構造層)を有している。ここでバンドギャップの小なる組成の層を制御井戸層と称し、バンドギャップの大なる組成の層を制御障壁層と称する。
具体的に、第1制御井戸層15B1は、超格子構造層の最終の第2の半導体層13B(障壁層)に接している。第2制御井戸層15B2は、第2の制御層15Wに接している。制御障壁層15BRは、第1制御井戸層15B1と第2制御井戸層15B2との間に挟まれている。第1の制御層15Bは、全て等しい厚さの第1制御井戸層15B1、制御障壁層15BR及び第2制御井戸層15B2で構成されている。
図6に示すように、第1制御井戸層15B1は、超格子構造層の第1の半導体層13Wよりバンドギャップが小さく且つ第2の制御層15Wよりバンドギャップの大なる組成(バンドギャップ:Ecb(Esw>Ecb>Ecw))、例えばInGaN系素子であればIn組成)を有している。
第2制御井戸層15B2は、超格子構造層の第1の半導体層13Wよりバンドギャップが小さく且つ第2の制御層15Wよりバンドギャップの大なる組成(バンドギャップ:Ecb(Esw>Ecb>Ecw))、例えばInGaN系素子であればIn組成)を有している。なお、第1制御井戸層15B1及び第2制御井戸層15B2は、互いに組成(バンドギャップ)が同一でもよく、或いは異なっていてもよい。
制御障壁層15BRは、第1制御井戸層15B1及び第2制御井戸層15B2よりバンドギャップの大なる組成(バンドギャップ:Ecl(>Ecb)、例えばInGaN系素子であればIn組成)を有している。制御障壁層15BRは、キャリア誘導効果を考えれば、超格子構造層13の第1の半導体層13W(井戸層)よりバンドギャップの大なる組成(バンドギャップ:Ecl(>Esw)を有することが好ましく、より好ましくは超格子構造層13全体のバンドギャップの平均値より大なるバンドギャップの組成を有することが好適である。さらに、制御障壁層15BRは、キャリア誘導効果を考えれば、超格子構造層13の第2の半導体層13B(障壁層)のバンドギャップ以下のバンドギャップ(バンドギャップ:Ecl(≦Esb))を有することが好ましい。さらにまた、制御障壁層15BRは、キャリア誘導効果を考えれば、発光層17の障壁層17Bのバンドギャップ以下のバンドギャップ(バンドギャップ:Ecl(≦Eab1,Eab2))を有することが好ましい。
障壁層としての制御障壁層15BRは、図6に示す超格子構造層13の最終の障壁層13Bからのキャリア(電子)が第1制御井戸層15B1及び第2制御井戸層15B2と順次誘導される際に、キャリアの一部を第1制御井戸層15B1及び第2制御井戸層15B2で留めて、過剰なキャリアが一度に第2の制御層15Wに誘導されることを抑える機能を有する。
図5及び図6に示すように、発光層17の障壁層17Bは、第1障壁層17B1(InwGa1-wN)と第2障壁層17B2(GaN)との2層構造で構成されている。第2障壁層17B2は第1障壁層17B1よりバンドギャップの大なるIn組成を有している。第1障壁層17B1がn側に形成されている2層構造障壁層(InwGa1-wN/GaN)とすることで、障壁層の結晶性を保持したままIn組成を上げることが可能となる。これにより、発光層17の障壁層が有するキャリア誘導効果を更に向上させることができる。よって、発光層の障壁層の2層構造は、電子注入制御層の第1の制御層(制御障壁層15BR)の効果と相まって発光層17全体の歪を抑えることができ、素子の発光効率を高める。
[第1の制御層15Bの多層化]
電子注入制御層15の第1の制御層15Bは、第1の制御層15Bの第1及び第2制御井戸層15B1,15B2の間において、制御障壁層15BRと対をなす第3制御井戸層15B3を設けて更なる多層構造とすることができる。
図7(a),(b)は、超格子構造層の第2の半導体層13B(最終の障壁層)、電子注入制御層15及び発光層の障壁層17Bのバンドダイアグラムを模式的に示している。ただし、見やすさのために伝導帯CBのみを示している。
例えば、第1の制御層15Bは、図7(a)に示すように、第1制御井戸層15B1、制御障壁層15BR、第3制御井戸層15B3及び第2制御井戸層15B2を全て等しい厚さにして合計5層で構成できる。さらに、図7(b)に示すように、第1制御井戸層15B1、制御障壁層15BR、第3制御井戸層15B3、制御障壁層15BR、第3制御井戸層15B3及び第2制御井戸層15B2を全て等しい厚さにして合計7層で構成できる。第3制御井戸層15B3は、第1及び第2制御井戸層15B1,15B2と同様に、超格子構造層の第1の半導体層13Wよりバンドギャップが小さく且つ第2の制御層15Wよりバンドギャップの大なる組成(例えばInGaN系素子であればIn組成)を有している。
かかる積層構造において制御障壁層15BRと第1、第2及び3制御井戸層15B1,15B2,15B3の1層あたりの膜厚を薄くすることによって、第1の制御層15Bのバンドギャップが平均して小さくなり、より効果的にキャリアを発光層17に誘導することが可能となる。また、第1の制御層15Bの多層化に伴い、電子注入制御層に接触する発光層17の歪緩和の効果が得られる。かかるキャリア誘導機能と歪緩和との複合効果により、素子の発光効率が向上する。
電子注入制御層15のキャリア誘導層としての機能に関して、上記の歪緩和の効果としての側面を考慮すると、InGaN系素子である場合、第1制御井戸層15B1及び第2制御井戸層15B2のIn組成はn型半導体層11からp型半導体層19に向かい、In組成が大きくなるほうが良い。つまり、超格子構造層13の第1の半導体層13W(InxGa1-xN)と第1及び第2制御井戸層15B1,15B2(Iny1Ga1-y1N)と第2の制御層15W(Iny2Ga1-y22)のIn組成の関係は、x<y1<y2であることが好ましい。この関係を満たすように構成することにより、発光層17に向かい徐々に格子不整合差が小さくなっていき、歪による悪影響が抑えられる。また、第2の制御層15WのIn組成より、第1制御井戸層15B1及び第2制御井戸層15B2のIn組成を低くすることで、所望する発光波長がずれることも回避される。
[制御障壁層を備えた電子注入制御層を有する素子の性能試験]
次に、実施例1〜3の具体例について説明する。上記[電子注入制御層を有する素子の性能試験]と同様に、MOCVD法を用いてGaN系半導体構造層を成長して、LED素子のサンプルを複数個製作して、その発光特性について評価を行った。
下記表2に、製作した実施例1のLEDの半導体構造層の材料と膜厚を示す。
Figure 2016181553
実施例1のLEDの半導体構造層は、上記[電子注入制御層を有する素子の性能試験]のLEDのものと、電子注入制御層の第1の制御層15B及び発光層の障壁層17B以外、同一に構成した。
実施例1の発光層17については、障壁層17B(InwGa1-wN/GaN)及び井戸層17W(Inz2Ga1-z2N)のペアを9周期分繰り返して形成した。これら層のIn組成は0≦w<z2<1の関係であった。各障壁層17Bについては、第1障壁層17B1をn側に形成した。第1障壁層17B1のIn組成は0≦w<0.05の関係であった。
さらに、電子注入制御層15の第1の制御層15Bにおける制御障壁層(15BR)及び制御井戸層(15B1、15B2、15B3)の積層数と各層の厚みを変化させた以外、他の結晶層構成を実施例1と同一にしたLEDの実施例2及び実施例3並びに比較例を作製した。
下記表3に、製作した実施例2及び実施例3並びに比較例の第1の制御層15Bの積層数と各層の膜厚の関係を示す。
Figure 2016181553
[評価結果]
作製した実施例1〜3と比較例のLED素子の光出力の評価を行った。具体的には、LED素子に一定電流を流した時の輝度(光出力)を比較することによって特性評価を行った。
いずれのLED素子においても、第1の制御層15Bの合計層厚Lcbを6nmとし、単層並びに第1制御井戸層15B1、第2制御井戸層15B2及び第3制御井戸層15B3(Iny1Ga1-y1N層)のIn組成(y1)を全て等しくして該In組成(y1)が10〜30%となるような範囲で変化させた。
図8は、実施例1〜3と比較例のLED素子の場合の光出力をプロットしたグラフである。図8から明らかなように、作成した素子の全体的な傾向として、比較例の第1の制御層の積層数が単層(緩和層無し)である素子の場合、In組成が10%程度までの範囲では光出力の増加効果が確認できるが、その範囲を超えると光出力が飽和する傾向が分かる。
一方、実施例1〜3の第1の制御層の積層数が3、5、7(緩和層の数1、2、3)である素子の場合、In組成が10%程度を超える範囲でも光出力の増加の効果が確認できる。また、第1の制御層15Bにおける制御障壁層(障壁層)及び制御井戸層(15BR、15B1、15B2、15B3)の積層数が増加するにつれてIn組成も増加する傾向が確認できる。
図9は、実施例1〜3及び比較例の作成した素子における第1の制御層の積層数に対応する光出力をプロットしたグラフである。図9を参照すると、第1の制御層15Bの合計層厚を一定(6nm)とする場合、第1の制御層の積層数が3、5、7(緩和層1、2、3)である実施例1〜3の素子が高い発光効率を維持することが確認できる。
以上説明したように、超格子構造層の障壁層上に形成された電子注入制御層の第1の制御層内に少なくとも1つの制御障壁層を包含する積層構造とすることによって、高温動作時においてもキャリアオーバーフローが抑制され、発光効率及び発光出力の低下の少ない半導体発光素子が得られることが明らかになった。
なお、上記ではLEDを例に説明したが、他の半導体発光素子にも適用が可能である。すなわち、多重量子井戸構造からなる発光層を有するように構成された発光素子にも適用が可能である。また、半導体構造層10がGaN(窒化ガリウム)系半導体からなる場合について説明したが、結晶系はこれに限定されない。また、上記した実施例における、数値や材料、例えば、半導体層の組成や層厚、発光層の量子井戸層数、発光波長、導電体及び金属層の材料、層厚等は例示に過ぎず、適宜改変することができる。また、上記した実施例を適宜、改変及び組合せてもよい。
10 半導体構造層
11 n型半導体層
13 超格子構造層
13W 第1の半導体層(井戸層)
13B 第2の半導体層(障壁層)
15 電子注入制御層
15B 第1の制御層
15B1 第1制御井戸層
15BR 制御障壁層
15B2 第2制御井戸層
15W 第2の制御層
17 発光層
17B 障壁層
17W 井戸層
19 p型半導体層

Claims (6)

  1. n型半導体層と、
    前記n型半導体層上に形成され、第1の半導体層及び前記第1の半導体層よりもバンドギャップの大なる組成の第2の半導体層が繰り返し形成された超格子構造層と、
    前記超格子構造層の前記第2の半導体層上に形成された第1の制御層と前記第1の制御層上に形成された第2の制御層とからなる電子注入制御層と、
    前記第2の制御層上に形成された、障壁層及び量子井戸層が繰り返し形成された発光層と、を有し、
    前記第2の制御層は、前記発光層の前記量子井戸層と同一の組成及び同一の層厚を有するか、又は前記発光層の前記量子井戸層よりもバンドギャップの小なる組成を有し、
    前記第1の制御層は、前記超格子構造層の前記第2の半導体層に接し且つ前記超格子構造層の前記第1の半導体層よりもバンドギャップが小さく且つ前記第2の制御層よりもバンドギャップの大なる組成を有する第1制御井戸層と、前記第2の制御層に接し且つ前記超格子構造層の前記第1の半導体層よりもバンドギャップが小さく且つ前記第2の制御層よりもバンドギャップの大なる組成を有する第2制御井戸層と、を有し、
    前記第1の制御層は、前記第1制御井戸層及び前記第2制御井戸層の間に、前記第1制御井戸層及び前記第2制御井戸層よりもバンドギャップの大なる組成を有する少なくとも1つの制御障壁層を有する、半導体発光素子。
  2. 前記n型半導体層と前記超格子構造層と前記電子注入制御層と前記発光層とはGaN系半導体からなる請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 前記第1の制御層の前記制御障壁層は、前記超格子構造層の前記第1の半導体層よりもバンドギャップが大きく且つ前記超格子構造層の前記第2の半導体層のバンドギャップ以下のバンドギャップを有するInGaN系半導体からなる請求項2に記載の半導体発光素子。
  4. 前記第1の制御層の前記制御障壁層は、前記発光層の前記障壁層のバンドギャップ以下のバンドギャップを有するInGaN系半導体からなる請求項3に記載の半導体発光素子。
  5. 前記第1の制御層は前記第1制御井戸層と前記第2制御井戸層との間に設けられた前記制御障壁層に接する第3制御井戸層を有し、前記第3制御井戸層は前記第1の半導体層よりもバンドギャップが小さく且つ前記第2の制御層よりもバンドギャップの大なるInGaN系半導体からなる請求項2ないし4のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  6. 前記発光層の前記障壁層は、第1障壁層と第2障壁層とを積層した2層構造を有し、前記第2障壁層は前記第1障壁層よりもバンドギャップの大なるInGaN系半導体からなる請求項2ないし5のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
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