JP2016180052A - 潤滑油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】各種機械装置の開放系チェーン部での150℃〜250℃程度の高温環境下においても固化(酸化重合)及びスラッジ化が起こり難く、熱安定性に優れ、蒸発損失を有効に低減させることができる食品機械用の潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】本発明に係る潤滑油組成物は、ポリオールエステルの基油と、芳香族アミン系酸化防止剤と、フェノール系酸化防止剤と、チオフェノール系酸化防止剤と、リン系極圧剤とを含むことを特徴としている。この潤滑油組成物は、さらに、リン系摩耗防止剤を含んでいてもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、潤滑油組成物に関し、より詳しくは、食品機械分野において耐摩耗性を維持しつつ熱安定性に優れ、例えば150℃〜250℃程度の高温での使用に好適な食品機械用の潤滑油組成物に関する。
ポリオールエステルを基油とする潤滑油は、固化時間(流動性を失う時間)が比較的長く、蒸発損失も低いので、熱安定性に優れている。このため、この種の潤滑油は、連続式スチーマー、焼成オーブン、ヒートセッターテンター、各種乾燥機の開放系チェーンで200℃前後の高温で使用される潤滑油として各種商品化されている。
例えば、特許文献1には、ポリオールエステル系合成油を基油とし、脂肪酸及び/又はアリールアルキル基を有するジフェニルアミン誘導体を含有する潤滑油組成物が記載されている。
しかしながら、食品機械分野の潤滑剤に関しては、ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の中の現場管理(HACCP)の認証を受ける際に、食品製造工場で使用する食材以外の化学物質を認証登録する機関のH1認証を受けた、食品に偶発的に混入する危険性が全く否定できない箇所に使用することができる潤滑剤であることが求められている。なお、米国標準規格協会(ANSI)の公式認定団体、National Sanitation Foundation International(国際衛生科学財団、略称:NSFインターナショナル)が2001年より米国農務省USDAの業務を引き継ぎ、認証を行っている。
さらに、NSFインターナショナルでH1認証を受ける上で、その潤滑剤の組成物は、HX1グレードといわれるH1に使用できる原料・成分を使用したものでなければならない。HX1グレードの中には、配合上限が定められた原料もあり、上述したような高温の環境下では蒸発損失による油切れを防ぐための添加剤処方には限界があった。
蒸発損失による油切れは、チェーンの摩耗進行による装置寿命にも影響が現れる。そのため、油切れ防止対策として給油量を増加させることが考えられるが、使用コストが問題となる。このような問題に対して、種々の酸化防止剤が検討され、報告されてもいるが、HX1グレードの配合上限を超える配合量が必須とされ、HX1グレードに認証された酸化防止剤も限定される状況にある。
特開2005−314650号公報
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、各種機械装置の開放系チェーン部での150℃〜250℃程度の高温環境下においても固化(酸化重合)及びスラッジ化が起こり難く、熱安定性に優れ、蒸発損失を有効に低減させることができる食品機械用の潤滑油組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、ポリオールエステルを基油として、芳香族アミン系酸化防止剤と、フェノール系酸化防止剤と、チオフェノール系酸化防止剤と、リン系極圧剤とを組み合わせて含有させることによって、得られる潤滑油組成物の高温環境下における蒸発損失を有効に低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の発明は、ポリオールエステルの基油と、芳香族アミン系酸化防止剤と、フェノール系酸化防止剤と、チオフェノール系酸化防止剤と、リン系極圧剤とを含む潤滑油組成物である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記ポリオールエステルの基油は、酸成分がイソノナン酸を主成分とする炭素数5〜12のカルボン酸の混合物であり、アルコール成分がジペンタエリスリトールを含むネオペンチルポリオールである潤滑油組成物である。
(3)本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記芳香族アミン系酸化防止剤は、オクチル化ジフェニルアミンであり、0.01質量%以上0.5質量%未満の割合で含有される潤滑油組成物である。
(4)本発明の第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記フェノール系酸化防止剤は、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−di−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]であり、0.01質量%以上0.5質量%未満の割合で含有される潤滑油組成物である。
(5)本発明の第5の発明は、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記チオフェノール系酸化防止剤は、チオジエチレンビス[3−(3,5−di−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]であり、0.01質量%以上0.5質量%未満の割合で含有される潤滑油組成物である。
(6)本発明の第6の発明は、第1乃至第5のいずれかの発明において、前記リン系極圧剤は、アミンC11−14側鎖アルキル,モノヘキシル及びジヘキシルフォスフェート混合物であり、0.01質量%以上0.5質量%未満の割合で含有される潤滑油組成物である。
(7)本発明の第7の発明は、第1乃至第6のいずれかの発明において、さらに、リン系摩耗防止剤を含む潤滑油組成物である。
(8)本発明の第8の発明は、第7の発明において、前記リン系摩耗防止剤は、トリフェニルホスホロチオエートであり、0.01質量%以上0.5質量%未満の割合で含有される潤滑油組成物である。
本発明によれば、蒸発損失を有効に低減することができ、また高温環境下においても固化及びスラッジ化し難く、熱安定性に優れた潤滑油組成物を提供することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
なお、本明細書において、「X〜Y」(X、Yは任意の数値)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」であることを意味する。
≪1.潤滑油組成物≫
本実施の形態に係る潤滑油組成物は、基油としてポリオールエステルを含む組成物である。ポリオールエステルを基油としていることにより、この潤滑油組成物では固化(酸化重合)時間が比較的長くなり、またスラッジ化を抑え、熱安定性に優れて高温環境下でも好適に用いることができる。
そして特に、本実施の形態に係る潤滑油組成物では、そのポリオールエステルからなる基油に、芳香族アミン系酸化防止剤と、フェノール系酸化防止剤と、チオフェノール系酸化防止剤と、リン系極圧剤とが含まれていることを特徴としている。この潤滑油組成物によれば、高温環境下でも固化(酸化重合)やスラッジ化が生じにくくなり熱安定性に優れるとともに、蒸発損失を効果的に低減させることができる。したがって、例えば、150℃〜250℃程度の高温で使用される食品機械用の潤滑油として好適に用いることができ、蒸発損失に基づく油切れを抑制して装置寿命を有効に延長させることができる。
以下、潤滑油組成物を構成する各成分について、より具体的に説明する。
(基油)
本実施の形態に係る潤滑油組成物は、その基油(ベースオイル)としてポリオールエステルを含有する。このポリオールエステルは、固化やスラッジが生じ難く、高温安定性に優れており、引火点が高い等の特性を有する。また、蒸発損失も少ない特徴を有する。
ポリオールエステルとしては、従来から基油として用いられてきたものを用いることができ、その中でも、特にアルコール成分が多価アルコールのものであることが好ましい。具体的には、例えばアルコール成分がジペンタエリスリトール(水酸基数6)を含むネオペンチルポリオールであることが好ましい。
また、ポリオールエステルの酸成分としては、特に限定されないが、炭素数5〜12のカルボン酸の混合物が好ましく、炭素数7〜10のカルボン酸の混合物がより好ましい。例えば、炭素数9のイソノナン酸(3,5,5−トリメチルヘキサン酸)を主成分とし、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸から選ばれる少なくとも1種の酸を含む混合物であることが好ましい。このイソノナン酸は、耐熱性に優れており、酸成分の主成分として好適に用いることができる。なお、酸成分としては、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
ここで、基油に求められる粘度グレードとしては、好ましくはISOグレードのVG220又はVG320であり、この粘度グレードを満たすという観点からすると、アルコール成分がネオペンチルポリオールであり、酸成分が炭素数5〜12の直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和脂肪酸であるポリオールエステルが好ましい。このようなアルコール成分、酸成分の組み合わせであるポリオールエステルであることが、粘度−温度特性、蒸発損失、加水分解安定性、引火点等の点においても好ましい。なお、イソステアリン酸やオレイン酸等の長鎖脂肪酸を組み合わせることもできる。
なお、上述したようなポリオールエステルは、市販されており、引火点が高いものも存在する。ただし、加熱後にスラッジが若干発生し、ワニス状となってチェーン清掃の煩雑さを生じさせる傾向にある点に留意することが好ましい。
ポリオールエステルの含有量としては、特に限定されるものではなく、一般的に使用される含有量範囲とすることができ、また他の構成成分の含有量に応じて適宜決定することができる。例えば、潤滑油組成物の全量基準で70質量%〜99質量%程度の範囲とすることができる。基油としてのポリオールエステルの含有量が少なすぎると、相対的に他の成分の含有量が多くなって、粘性の上昇や引火点の低下につながる可能性がある。一方で、ポリオールエステルの含有量が多すぎると、蒸発損失が多くなる可能性がある。
(芳香族アミン系酸化防止剤)
本実施の形態に係る潤滑油組成物は、酸化防止剤として、芳香族アミン系酸化防止剤を含有する。具体的に、芳香族アミン系酸化防止剤としては、オクチル化ジフェニルアミンが挙げられ、そのオクチル化ジフェニルアミンとしては、p,p’−ジオクチルジフェニルアミンを用いることが潤滑油組成物の耐蒸発性をより向上させることができるという点で特に好ましい。なお、その他、芳香族アミン系酸化防止剤として、オクチル、ブチル混合化ジフェニルアミンを使用することもできる。
芳香族アミン系酸化防止剤の含有量としては、0.01質量%以上0.5質量%未満の量であることが好ましい。含有量が0.01質量%未満であると、潤滑油組成物の耐蒸発性を向上させる効果が十分に得られず、一方で、0.5質量%を超えると、NSF H1認証の点で、食品機械用途の潤滑油として好適に用いることができない可能性がある。
(フェノール系酸化防止剤)
本実施の形態に係る潤滑油組成物は、酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤を含有する。具体的に、フェノール系酸化防止剤としては、種々のものを用いることができるが、その中でも、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−di−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を用いることが、蒸発特性に優れ、潤滑油組成物の耐蒸発性を向上させることができるという点で特に好ましい。
また、フェノール系酸化防止剤として、2,6−ジ−tert-ブチルフェノール、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3’,5’−di−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]等を使用することもできる。
フェノール系酸化防止剤の含有量としては、0.01質量%以上0.5質量%未満の量であることが好ましい。含有量が0.01質量%未満であると、潤滑油組成物の耐蒸発性を向上させる効果が十分に得られず、一方で、0.5質量%を超えると、NSF H1認証の点で、食品機械用途の潤滑油として好適に用いることができない可能性がある。
(チオフェノール系酸化防止剤)
本実施の形態に係る潤滑油組成物は、酸化防止剤として、チオフェノール系酸化防止剤を含有する。具体的に、チオフェノール系酸化防止剤としては、種々のものを用いることができるが、その中でも、チオジエチレンビス[3−(3,5−di−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を用いることが、蒸発特性に優れ、潤滑油組成物の耐蒸発性を向上させることができるという点で特に好ましい。
チオフェノール系酸化防止剤の含有量としては、0.01質量%以上0.5質量%未満の量であることが好ましい。含有量が0.01質量%未満であると、潤滑油組成物の耐蒸発性を向上させる効果が十分に得られず、一方で、0.5質量%を超えると、NSF H1認証の点で、食品機械用途の潤滑油として好適に用いることができない可能性がある。
(リン系極圧剤)
本実施の形態に係る潤滑油組成物は、リン系極圧剤を含有する。具体的に、リン系極圧剤としては、種々のものを用いることができるが、その中でも、アミンC11−14側鎖アルキル,モノヘキシル及びジヘキシルフォスフェート混合物を用いることが、極圧性を有効に向上させるとともに、蒸発特性に優れるという点において特に好ましい。
リン系極圧剤の含有量としては、0.01質量%以上0.5質量%未満の量であることが好ましい。含有量が0.01質量%未満であると、極圧性の向上効果が十分に得られず、また耐蒸発性の向上効果も得られない可能性があり、一方で、0.5質量%を超えると、NSF H1認証の点で、食品機械用途の潤滑油として好適に用いることができない。
なお、本実施の形態に係る潤滑油組成物を構成する上述した必須成分は、市販されている化合物を使用することができる。
(リン系摩耗防止剤)
また、本実施の形態に係る潤滑油組成物においては、必須成分ではないが、リン系摩耗防止剤を含有させることができる。このようにリン系摩耗防止剤をさらに含有させることによって、潤滑油組成物を付与した機械装置の耐摩耗性を向上させることができる。
具体的に、リン系摩耗防止剤としては、種々のものを用いることができるが、その中でも、トリフェニルホスホロチオエートを用いることが、耐蒸発性及び低スラッジ特性を効果的に維持して、優れた耐摩耗性を発現することができるため特に好ましい。
リン系摩耗防止剤の含有量としては、0.01質量%以上0.5質量%未満の量であることが好ましい。含有量が0.01質量%未満であると、耐摩耗性の向上効果が十分に得られず、一方で、0.5質量%を超えると、NSF H1認証の点で、食品機械用途の潤滑油として好適に用いることができない可能性がある。
(その他の添加剤)
なお、本実施の形態に係る潤滑油組成物は、上述した成分のほかに、その目的に応じて、各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、腐食防止剤、防錆剤、油性剤等を添加することができる。なお、これら各種の添加剤の含有量についても、それぞれ要求される性能に応じて任意に定めることができるが、上述した構成成分の性能を損なわない範囲とする。
以上のように、本実施の形態に係る潤滑油組成物は、ポリオールエステルを基油として、芳香族アミン系酸化防止剤と、フェノール系酸化防止剤と、チオフェノール系酸化防止剤と、リン系極圧剤とを含有してなるものである。
本実施の形態に係る潤滑油組成物では、基油とするポリオールエステルに添加する各成分の種類と、それぞれの成分の相互の関係(組み合わせ)が重要となる。このような各成分からなる潤滑油組成物によれば、極めて高温(例えば150℃〜250℃程度)の環境下においても。固化やスラッジ化が生じ難くなり、熱安定性に優れた潤滑油組成物となる。そして、この潤滑油組成物によれば、従来の潤滑油組成物と比べて、蒸発損失を有効に低減させることができる。このことにより、蒸発損失による油切れを抑制して、装置の寿命を効果的に延長させることができる。
また、この潤滑油組成物を構成する各種の成分は、NSF H1の認証を受けたものであるため、食品機械用の潤滑油組成物として好適に用いることができる。例えば、連続式スチーマー、焼成オーブン、ヒートセッターテンター、各種乾燥機等の高温の開放系チェーンのチェーン部の潤滑に好適に用いることができる。
≪2.潤滑油組成物の作製方法≫
本実施の形態に係る潤滑油組成物は、通常の潤滑油組成物の作製方法と同様にして作製することができる。
具体的には、例えば、基油のポリオールエステル中に、上述した各成分を所定量添加配合させ、さらに必要に応じてその他の添加剤を加えて撹拌混合する。撹拌に際しては、公知の撹拌機等を用いることができ、基油中に各成分を撹拌混合してプレ分散させた後に、コロイドミルを用いて再分散する。このように、特に複雑な工程や作製条件の管理等を必要とせず、比較的安価な装置を用いて潤滑油組成物を作製することができる。
以下、本発明の実施例を示してさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
≪実施例1、2、比較例1〜6≫
下記表1に示す組成となるように、実施例1、2、及び、比較例1〜6の潤滑油組成物を作製した。具体的には、各成分を下記表1に示す配合量(質量%)となるように秤量し、それらを基油のポリオールエステルに添加して加熱しながら撹拌機で混合して、各試料を作製した。
ここで、ポリオールエステル(基油)としては、Lexolube FG−220HX1(イノレックス社製)を用いた。これは、ジペンタエリスリトールとイソノナン酸(3,5,5−トリメチルヘキサン酸)のエステルである。
また、酸化防止剤Aとしては、ADDITIN RC7001(ラインケミー社製、オクチル化ジフェニルアミン)を用いた。
また、酸化防止剤Bとしては、IRGANOX L109(BASF社製、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−di−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート])を用いた。
また、酸化防止剤Cとしては、IRGANOX L115(BASF社製、チオジエチレンビス[3−(3,5−di−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート])を用いた。
また、リン系極圧剤としては、IRGALUBE349(BASF社製、アミンC11−14側鎖アルキル,モノヘキシル及びジヘキシルフォスフェート混合物)を用いた。
また、リン系摩耗防止剤としては、IRGALUBE TPPT(BASF社製、トリフェニルホスホロチオエート)を用いた。
≪潤滑油の評価≫
本実施例では、実施例1、2、及び、比較例1〜6にて作製した潤滑油組成物についての評価として、TG(熱重量測定)により、試料を約1.6mg採取して、空気雰囲気下で230℃まで10℃/minで連続昇温し、230℃で24時間保持することにより、各試料油において加熱減量が生じる時間(蒸発開始時間)を求めた。
≪結果≫
下記表1に、実施例1、2、及び、比較例1〜6にて作製した潤滑油組成物についての評価結果を示す。また、従来例1〜3として、従来用いられていた市販品A〜Cの潤滑油組成物についても同様の評価を行った。
Figure 2016180052
表1に示す結果から、ポリオールエステルを基油として、芳香族アミン系酸化防止剤と、フェノール系酸化防止剤と、チオフェノール系酸化防止剤と、リン系極圧剤とを含有させた実施例1及び2の潤滑油組成物では、蒸発開始時間が600minを超え、蒸発損失を有効に低減できることが分かった。この結果は、ポリオールエステルを基油としながらも、芳香族アミン系酸化防止剤と、フェノール系酸化防止剤と、チオフェノール系酸化防止剤と、リン系極圧剤とを組み合わせていない比較例1〜6や、従来例1〜3の潤滑油(市販品A〜C)の蒸発開始時間と比較しても明確に分かる。

Claims (8)

  1. ポリオールエステルの基油と、芳香族アミン系酸化防止剤と、フェノール系酸化防止剤と、チオフェノール系酸化防止剤と、リン系極圧剤とを含む潤滑油組成物。
  2. 前記ポリオールエステルの基油は、
    酸成分がイソノナン酸を主成分とする炭素数5〜12のカルボン酸の混合物であり、
    アルコール成分がジペンタエリスリトールを含むネオペンチルポリオールである
    請求項1に記載の潤滑油組成物。
  3. 前記芳香族アミン系酸化防止剤は、オクチル化ジフェニルアミンであり、0.01質量%以上0.5質量%未満の割合で含有される
    請求項1又は2に記載の潤滑油組成物。
  4. 前記フェノール系酸化防止剤は、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−di−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]であり、0.01質量%以上0.5質量%未満の割合で含有される
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
  5. 前記チオフェノール系酸化防止剤は、チオジエチレンビス[3−(3,5−di−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]であり、0.01質量%以上0.5質量%未満の割合で含有される
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
  6. 前記リン系極圧剤は、アミンC11−14側鎖アルキル,モノヘキシル及びジヘキシルフォスフェート混合物であり、0.01質量%以上0.5質量%未満の割合で含有される
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
  7. さらに、リン系摩耗防止剤を含む
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
  8. 前記リン系摩耗防止剤は、トリフェニルホスホロチオエートであり、0.01質量%以上0.5質量%未満の割合で含有される
    請求項7に記載の潤滑油組成物。
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