JP2016179894A - コンベヤシステムの制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フレキシブルコンテナが、搬送速度が相違するコンベヤ間を、乗り継ぐ際に受けるダメージを低減化する。【解決手段】フレキシブルコンテナを、上流側と下流側で搬送速度の差があるコンベヤ間で乗り継がせて搬送する場合において、搬送速度の差のある上流側コンベヤと下流側コンベヤの間に、調整コンベヤを配する。本発明では、前述の調整コンベヤの速度を調整することによって、上流側コンベヤから調整コンベヤにフレキシブルコンテナが乗り継ぐ際に、上流側コンベヤと調整コンベヤの速度を一致させるとともに、調整コンベヤから下流側コンベヤにフレキシブルコンテナが乗り継ぐ際に、調整コンベヤと下流側コンベヤの速度を一致させる。本発明は前述の構成により、コンベヤ間の搬送速度の違いによって、フレキシブルコンテナが搬送中に受けるダメージを低減化することができる。【選択図】 図1

Description

本発明は、複数台のコンベヤを搬送方向に一列に連ねてなるコンベヤシステムの制御方法に関わり、特に、被搬送物としてフレキシブルコンテナを搬送するに好適なコンベヤシステムの制御方法に関する。
一対のプーリ間に架け渡されて回転する輪状のベルトに、被搬送物(単に搬送物と称することもある)を積載して搬送するベルトコンベヤは、古くから当業者に周知であり、従来から様々な被搬送物がベルトコンベヤによって効率的に搬送されている。
また、複数の駆動ローラを並べて、駆動ローラによる搬送路(ローラウェイ)を形成し、ローラウェイ上に積載された被搬送物を、駆動ローラを回転させることによって搬送するローラ搬送タイプのコンベヤシステムも古くから周知である。
なお、コンベヤは、一台のみ単独で使用されるケースも多いが、搬送距離が長い場合や搬送経路が屈曲している場合等、一台のコンベヤで対応できないケースも数多く存在する。そのような場合には、複数台のコンベヤが、被搬送物の搬送方向に、上流側から下流側に連なるように一列に並べられて1組のコンベヤシステムとして構成され使用される。
例えば、特許文献1に開示される従来技術は、2台のベルトコンベヤをベルト搬送方向に上流側から下流側に連なるように一列に並べて使用することを前提とした技術であって、ベルトコンベヤ間に補助ローラを配することを特徴とした発明である。
特許文献1に開示される従来技術は、ベルトコンベヤ間に補助ローラを配することによって、ベルトコンベヤ間の乗継ぎ部において、搬送物の落ち込みや噛み込みを防止する技術であると解される。
特開2000−177836号公報
ここで、搬送方向に上流側から下流側に連なるように一列に並べられた複数台のコンベヤにより構成されるコンベヤシステムは、通常、それぞれ一列に並べられたコンベヤ間同士で、その搬送速度が同一になるように設定される。
しかしながら、一方で、一列に並べられたコンベヤ間同士の速度が同一に設定されないケースも数多く存在する。例えば、搬送時間の短縮のために搬送速度の大きなコンベヤをコンベヤシステムの一部に組み込んで配するケース、被搬送物の荷落ちを防止するためカーブ部分のコンベヤ速度を他のベルトコンベヤ速度より小さくするケース、傾斜部分のコンベヤ速度を他のコンベヤ速度と相違させるケース、或いは、上流側から下流側に向かって一列に並べられたコンベヤにおいて下流側に配したコンベヤに途中から新たな被搬送物を追加して積載するケース等、様々なケースがある。
搬送速度が異なるコンベヤ同士を一列に連ねたコンベヤシステム(図5においてはベルトコンベヤシステム)の1例を図5に示して、従来技術による被搬送物Hの搬送状況を簡単に説明する。図5に示したコンベヤシステムは、第1搬送コンベヤ101により被搬送物Hを搬送速度V101で搬送した後(E101の領域)、第1搬送コンベヤ101から第2搬送コンベヤ102に被搬送物を乗り継がせる(E102の領域)。
そして、前述のE102の領域で、被搬送物Hが第2搬送コンベヤ102に乗り継いだ後、第2搬送コンベヤ102により搬送速度V102で被搬送物を搬送する(E103の領域)。
しかし、従来技術は、前述のように第1搬送コンベヤ101と第2搬送コンベヤ102の搬送速度が相違するケース等の場合において、コンベヤ間の乗り継ぎ部(E102の領域)で、被搬送物Hがダメージを受けやすいという問題点があった。
例えば、フレキシブルコンテナ(Flexible Container)と呼ばれる袋状の包材が一般的に知られている。フレキシブルコンテナは、フレキシブルコンテナバック、コンテナバック、或いはフレコン(登録商標:株式会社ナシヨナルマリンプラスチツク)と呼ばれることがあり、繊維で織られたシート等により構成されていることが多い。フレキシブルコンテナは、ばら物等の荷を中に充填して搬送するに適した包材であり、優れた汎用性と機能性を有することから、幅広い分野で数多く使用されている。
しかし、一方で、フレキシブルコンテナは、万一、搬送中に損傷すると袋の中に充填しているばら物等の荷が、外に漏れ出す可能性があるというデメリットがあった。
そのため、フレキシブルコンテナを使用してばら物等の荷を搬送する際には、搬送中に袋の引っ掻きや擦れ等が生じないように注意し、フレキシブルコンテナが損傷しないように注意する必要があった。
コンベヤシステムで搬送する被搬送物Hをフレキシブルコンテナとした場合に、第2搬送コンベヤ102の搬送速度V102が、第1搬送コンベヤ101の搬送速度V101より大きかった場合(V102>V101)を想定する。
その場合には、E102の領域において、被搬送物Hの底面が、搬送速度V102と搬送速度V101の速度差によって、擦られる、或いは、引き伸ばされてしまうことによって、ダメージを受ける可能性がある。
また、例えば、第2搬送コンベヤ102の搬送速度V102が、第1搬送コンベヤの搬送速度V101より小さかった場合(V102<V101)を想定する。
その場合には、E102の領域において、被搬送物Hの底面が、搬送速度V102と搬送速度V101の速度差によって、擦られる、或いは、押し挟まれてしまうことにより、ダメージを受ける可能性がある。
特に、フレキシブルコンテナを繰り返して使用するケースにあっては、コンベヤ間の速度差(V102≠V101)による影響を繰り返し受ける。フレキシブルコンテナの底面等は、繰り返し集中的に擦られることにより、ダメージが徐々に大きくなって、損傷(破れ等)につながる可能性があった。
仮に、第1搬送コンベヤ101と第2搬送コンベヤ102がローラコンベヤであった場合は、E102の領域における第1搬送コンベヤ101と第2搬送コンベヤ102の駆動ローラの回転速度を個別に調整すること等により、搬送速度差の改善が図れる可能性はあるものの、構造が複雑になる上、制御が極めて難しい。
本発明は、以上、説明した問題点に鑑みてなされたものであり、フレキシブルコンテナを搬送する際に、隣接して連なるコンベヤ間に速度差のあるコンベヤシステムを使用する場合において、コンベヤ間の搬送速度の差により、フレキシブルコンテナが損傷する可能性を低減させることのできるコンベヤシステムの制御方法を提供する。
上記課題を解決するため、本発明によるコンベヤシステムの制御方法は、
(1)複数台のコンベヤを上流側から下流側に一列に連ねてなるコンベヤシステムにより、フレキシブルコンテナを上流側のコンベヤから下流側のコンベヤに搬送するコンベヤシステムの速度制御方法であって、前記複数台のコンベヤの中で、上流側と下流側で隣接し速度の差があるコンベヤ間の少なくとも1箇所に調整コンベヤを配して、調整コンベヤの上流側に隣接する上流側コンベヤから、調整コンベヤにフレキシブルコンテナが乗り継ぐ際に、該上流側コンベヤと調整コンベヤの速度を一致させる方向に、調整コンベヤの速度を制御し、調整コンベヤから、調整コンベヤの下流側に隣接する下流側コンベヤにフレキシブルコンテナが乗り継ぐ際に、調整コンベヤと該下流側コンベヤの速度を一致させる方向に、調整コンベヤの速度を制御する。
(2)(1)に記載のコンベヤシステムの制御方法において、前記調整コンベヤの速度を制御することにより、前記上流側コンベヤから調整コンベヤにフレキシブルコンテナが乗り継ぐ際に、該上流側コンベヤと調整コンベヤの速度を同一にし、前記調整コンベヤから下流側コンベヤにフレキシブルコンテナが乗り継ぐ際に、調整コンベヤと該下流側コンベヤの速度を同一にする。
(3)(1)又は(2)に記載のコンベヤシステムの制御方法において、前記調整コンベヤの搬送路の両側面にベルト式の転倒防止ガードを配して、転倒防止ガードのベルトを調整コンベヤによるフレキシブルコンテナの搬送速度と同じ速度で回転させる。
本発明は前述の構成により、フレキシブルコンテナを搬送する場合に、調整コンベヤを使用することによって、コンベヤ間の搬送速度の差により、フレキシブルコンテナが損傷する危険性を低減させることができる。
また、本発明によれば、調整コンベヤの搬送路の両側面に転倒防止ガードを配することによって、調整コンベヤで搬送中におけるフレキシブルコンテナの転倒を防止し、フレキシブルコンテナが損傷する可能性を低減することができる。
本発明に係わるコンベヤシステムの構成を側面方向から説明する概念図である。 本発明に係わるコンベヤシステムの構成を上面方向から説明する概念図である。 本発明に係わるコンベヤシステムの制御フローを説明する説明図である。 本発明に係るコンベヤシステムに使用する調整コンベヤの他の実施形態を説明する説明図である。 従来技術に係わるコンベヤシステムの制御フローを説明する説明図である。
以下、図面等に基づいて本発明に係る実施形態の好ましい1例を詳細に説明する。
図1乃至図4は本発明の実施形態に係わり、図1及び図2はコンベヤシステムの構成を説明する概念図であり、図1はコンベヤシステムを側面方向側から観察した図であり、図2は上面方向側から観察した図である。図3はコンベヤシステムの制御フローを説明するための説明図である。また、図4は本発明による調整コンベヤの他の実施形態を説明する図であり、(1)は上面方向側から観察した図であり、(2)は側面方向側から観察した図である。
以下、本実施形態による好ましい1例として、コンベヤシステム10の構成を、図1を用いて説明する。
図1に示した搬送コンベヤシステム10(コンベヤシステム10と称することもある)は、第1の搬送コンベヤ1(第1搬送コンベヤ1と称する)、及び、第2の搬送コンベヤ2(第2搬送コンベヤ2と称する)を備えている。
コンベヤシステム10においては、ベルトによる被搬送物Hの搬送方向で、第1搬送コンベヤ1が上流側となり、第2搬送コンベヤ2が下流側となる。
なお、本実施形態においては、第1搬送コンベヤ1による被搬送物Hの搬送速度V1と、第2搬送コンベヤ2による被搬送物Hの搬送速度V2が相違しているため、第1搬送コンベヤ1と第2搬送コンベヤ2の間に、後述の調整コンベヤ3を配した。
したがって、本実施形態において、第1搬送コンベヤ1のベルト上に積載された被搬送物Hは、調整コンベヤ3を介して、下流側にある第2搬送コンベヤ側に向かって搬送されるように構成されている。
ここで、本実施形態に使用した第1搬送コンベヤ1、第2搬送コンベヤ2、及び、調整コンベヤ3は、ベルト搬送式のベルトコンベヤである。
また、調整コンベヤ3は、図示しない制御装置により、ベルトの回転速度を制御することによって、搬送速度V3の変更が可能な可変速度式のコンベヤである。
図1乃至図3に示した実施形態では、第1搬送コンベヤ1、第2搬送コンベヤ2、及び、調整コンベヤ3としてベルト搬送タイプのベルトコンベヤを使用する構成としたが、本発明に使用できるコンベヤの形態は、これに限らず、駆動ローラ搬送タイプのローラコンベヤであっても良い。
なお、他の実施形態として、駆動ローラ搬送タイプの調整コンベヤ30を、好ましい例の1つとして後述する。
次に、コンベヤシステム10に配した通過センサS1乃至S5の配置を図2に示す。
本実施形態においては、第1搬送コンベヤ1の下流側近傍、並びに下流側端に通過センサS1及び通過センサS2を配するとともに、調整コンベヤ3の上流側端、及び下流側端に、それぞれ通過センサS3及びS4を配した。また、第2搬送コンベヤ2の上流側端に通過センサS5を配した。
通過センサS1乃至S5は赤外線或いはレーザ等を発射して、その反射を捉えることにより、センサの前を通過する被搬送物Hを検知する。
通過センサS1乃至通過センサS5は、それぞれが対応するベルト位置に被搬送物Hがあることを検出し、図示しない制御装置に信号を発信する。
以下、図3を使用して、本実施形態によるコンベヤシステム10の制御方法、並びに、運転状態を説明する。
図示しない供給装置により第1搬送コンベヤ1上に積載された被搬送物H(本実施形態においてはフレキシブルコンテナ)は、第1搬送コンベヤ1の運転にともなって搬送され、下流側にある調整コンベヤ3側方向側に向かって移動する。この際に、被搬送物Hは、第1搬送コンベヤ1上のE1の領域を搬送速度V1で移動する。この状態を図3(1)に示す。
なお、コンベヤシステム10の運転中は、通過センサS1乃至通過センサS5が作動しており、コンベヤシステム10の搬送路中にある被搬送物Hの位置をリアルタイムで検出する。
ここで、図示しない制御装置は、被搬送物Hが、通過センサS1の検出位置に到達した時点で、被搬送物HがE2の領域に達したと判断する。
図示しない制御装置は、被搬送物HがE2の領域に達したと判断すると、調整コンベヤ3の搬送速度V3を調整して、第1搬送コンベヤ1の搬送速度V1と一致する方向に速度制御する。
図示しない制御装置は、被搬送物Hが通過センサS2で検出される前までに、調整コンベヤ3の搬送速度V3が搬送速度V1と同一の搬送速度になるように制御する。
そして、第1搬送コンベヤ1と調整コンベヤ3の搬送速度が一致して同一速度となった状態(V1=V3)で、第1搬送コンベヤ1から調整コンベヤ3に被搬送物Hを乗り継がせる。この状態を図3(2)に示す。
図示しない制御装置は、被搬送物Hが通過センサS2及び通過センサS3に順次検出された後、順次検出されなくなって、被搬送物Hが通過センサS3の検出位置を離脱したと判断した時点において、被搬送物Hが調整コンベヤ3に乗り継ぎ完了したと判断する。
図示しない制御装置は、被搬送物Hの調整コンベヤ3への乗り継ぎが完了し、被搬送物HがE3の領域に達したと判断すると、調整コンベヤ3の搬送速度V3を変更して、第2搬送コンベヤ2の搬送速度V2と一致する方向に制御する。そして、被搬送物Hが通過センサS4で検出される前までに、調整コンベヤ3の搬送速度V3が搬送速度V2と同一の搬送速度になるように制御する。
図示しない制御装置は、調整コンベヤ3と第2搬送コンベヤ2の搬送速度が一致して同一速度となった状態(V3=V2)で、調整コンベヤ3から第2搬送コンベヤ2へ被搬送物Hを乗り継がせる。この状態を図3(3)に示す。
そして、被搬送物Hが通過センサS5を通過して検出されなくなった後、被搬送物Hが第2搬送コンベヤ2に乗り継ぎ完了してE4の領域に入ったと判断し、第2搬送コンベヤ2上において被搬送物Hを搬送速度V2で搬送する。この状態を図3(4)に示す。
本実施形態においては、第1搬送コンベヤ1から搬送されてくる被搬送物Hに対して前述の工程を順次繰り返す。
なお、本実施形態においては、第1搬送コンベヤ1、調整コンベヤ3、及び第2搬送コンベヤ2に、それぞれ通過センサS1及びS2、通過センサS3及びS3、通過センサS5を配することにより、被搬送物Hの位置を検出し、調整コンベヤ3の搬送速度V3を制御した。しかし、本発明に適用できる被搬送物Hの検出方法がこれに限らないことは勿論であって、例えば、第1搬送コンベヤ1上に被搬送物Hを積載した時間、並びに搬送速度V1等から調整コンベヤ3に乗り継ぐタイミング等を演算装置で算出して、調整コンベヤ3の搬送速度V3を制御しても良い。
本実施形態によれば、コンベヤ間に速度差のあるコンベヤシステム10によってフレキシブルコンテナを搬送する場合においても、コンベヤ間の搬送速度の差を、調整コンベヤ3で調整して、フレキシブルコンテナが損傷する可能性を低減させることができる。
なお、本実施形態においては、特に好ましい形態として、第1搬送コンベヤ1から調整コンベヤ3、調整コンベヤ3から第2搬送コンベヤ2、を乗り継ぐ際において、それぞれ調整コンベヤ3の搬送速度V3を一致させて同一にすることによって、フレキシブルコンテナの底面のダメージを最小限にした。
しかしながら、第1搬送コンベヤ1から調整コンベヤ3、調整コンベヤ3から第2搬送コンベヤ2、に乗り継ぐ際において、それぞれ調整コンベヤ3の搬送速度V3を一致させる方向に調整して速度差を低減すれば、フレキシブルコンテナの底面のダメージを低減させることができるという効果が少なからず期待できる。
したがって、フレキシブルコンテナの底面のダメージが許容できる程度まで速度差を無くなるよう、調整コンベヤ3の速度を制御する方法であっても良い。
本実施形態のように、第1搬送コンベヤ1と第2搬送コンベヤ2がベルトコンベヤであった場合は、乗り継ぎ領域の搬送速度だけを個別に調整して搬送速度の差を解消することができないため、本発明の効果が特に高い。
なお、従来技術の欄で前述したように、第1搬送コンベヤ1又第2搬送コンベヤ2が、ローラコンベヤであった場合においても、乗り継ぎ領域の搬送速度だけを個別に調整して搬送速度の差を解消しようとすれば、駆動ローラの駆動系構造が複雑になる上、制御が極めて難しい。本実施形態であれば、調整コンベヤ3の速度を調整するだけで良いので、構造がシンプルで制御も比較的容易である。
以下、本発明に使用できる調整コンベヤの他の実施形態を図4に示す。
図4に示した調整コンベヤ30は、回転ベルト式の転倒ガードを備えたローラ搬送タイプの調整コンベヤ30である。
図4(1)に調整コンベヤ30を上面から観察した図を示し、図4(2)に側面から観察した図を示す。
図4(1)に示すように、調整コンベヤ30は、搬送方向に対して交差する方向に並んだ複数本の駆動ローラ35によって、ローラによる被搬送物Hの搬送路(ローラウェイ)を形成する。駆動ローラ35は、ローラ駆動装置36により駆動されて自ら回転することにより、駆動ローラ35により形成されたローラによる搬送路上に積載された被搬送物Hを搬送する。なお、図4に示す実施形態においては、図面向かって左側から右側へ被搬送物Hを搬送するように駆動ローラ35が回転する。
ここで、調整コンベヤ30は、被搬送物Hが搬送中に、駆動ローラ35よる搬送路で転倒しないようにするための、転倒防止ガード32を備えている。
図4に示すように、転倒防止ガード32は、搬送路の前後に配したプーリ間に架け渡された輪状のベルトであり、搬送路上において、ベルト幅方向が垂直に立てられた形で、壁のように配された構成となっている。
そして、転倒防止ガード32は、駆動ローラ35で形成された搬送路の両側面に沿って2組が配されており、被搬送物Hが搬送中において、2組の転倒防止ガード32の間を通り抜けるように構成されている。
転倒防止ガード32は、前述の構成により、被搬送物Hが搬送路上で傾いた際に接触して、それ以上傾かないようにガードし、搬送路上で被搬送物Hが転倒しないようガードする。したがって、2組の転倒防止ガード32同士の間の間隔は、被搬送物Hの寸法に若干余裕を持たせた程度の隙間とすることが好ましい。
ここで、図4の実施形態における転倒防止ガード32に備えられたベルトは、回転式であり、ベルト駆動装置33により駆動されて、被搬送物Hの搬送方向と同じ方向に、自立して回転するように構成されている(図4の実施形態において、転倒防止ガード32のベルトは、搬送路中心側に向いたベルト面が図面向かって左側から右側に向かって回転するように構成されている)。そして、図4の実施形態では、駆動ローラ35による被搬送物Hの搬送速度と同じ速度で、転倒防止ガード32のベルトが回転するように、ベルト駆動装置33を制御した。
転倒防止ガード30は、前述の構成によって、被搬送物Hが搬送中に傾いたとしても、転倒することを防止する。そして、例え、被搬送物Hと転倒防止ガード30のベルトが接触したとしても、両者の間に速度差がないため、引っ掻いたり、又、強く擦ったりすることがない。したがって、被搬送物Hがダメージを受ける可能性が低減される。
特に、被搬送物Hがフレキシブルコンテナの場合には、比較的重心位置が高く、転倒しやすい。また、フレキシブルコンテナの大きさによっては重量も重く、充填の状況によっては、フレキシブルコンテナ内でばら物等の荷が動く可能性もある。
そのため、調整コンベヤ30上でフレキシブルコンテナの加減速を急激に行うと転倒の可能性が高いので、図4の実施形態による発明の効果が高いと期待される。
なお、図4に示す実施形態においては、特に好ましい構成として、転倒防止ガード32を回転ベルト式とし、さらに、ベルト駆動装置33によりベルトが自力回転する構成とした。しかし、転倒防止ガード32のベルトをベルト駆動装置33により駆動しなくても、被搬送物Hが接触した際に、被搬送部Hに従動してベルトが自由に回転する方式とすれば、摩擦よるダメージの低減は少なからず期待できる。
本願発明に係わるコンベヤシステムの速度制御方法は、コンベヤ同士の速度が同一でない複数台のコンベヤが一列に並べられたコンベヤシステムにおいて、フレキシブルコンテナを搬送する際に特に有用な技術である。
1 第1搬送コンベヤ
2 第2搬送コンベヤ
3 調整コンベヤ
10 コンベヤシステム
30 調整コンベヤ
32 転倒防止ガード
33 ベルト駆動装置
35 駆動ローラ
36 ローラ駆動装置
S1 通過センサ
S2 通過センサ
S3 通過センサ
S4 通過センサ
S5 通過センサ
H 被搬送物(フレキシブルコンテナ)

Claims (3)

  1. 複数台のコンベヤを上流側から下流側に一列に連ねてなるコンベヤシステムにより、フレキシブルコンテナを上流側のコンベヤから下流側のコンベヤに搬送するコンベヤシステムの速度制御方法であって、
    前記複数台のコンベヤの中で、上流側と下流側で隣接し速度の差があるコンベヤ間の少なくとも1箇所に調整コンベヤを配して、
    調整コンベヤの上流側に隣接する上流側コンベヤから、調整コンベヤにフレキシブルコンテナが乗り継ぐ際に、該上流側コンベヤと調整コンベヤの速度を一致させる方向に、調整コンベヤの速度を制御し、
    調整コンベヤから、調整コンベヤの下流側に隣接する下流側コンベヤにフレキシブルコンテナが乗り継ぐ際に、調整コンベヤと該下流側コンベヤの速度を一致させる方向に、調整コンベヤの速度を制御する、コンベヤシステムの制御方法。
  2. 前記調整コンベヤの速度を制御することにより、
    前記上流側コンベヤから調整コンベヤにフレキシブルコンテナが乗り継ぐ際に、該上流側コンベヤと調整コンベヤの速度を同一にし、
    前記調整コンベヤから下流側コンベヤにフレキシブルコンテナが乗り継ぐ際に、調整コンベヤと該下流側コンベヤの速度を同一にする請求項1に記載のコンベヤシステムの制御方法。
  3. 前記調整コンベヤの搬送路の両側面にベルト式の転倒防止ガードを配して、転倒防止ガードのベルトを調整コンベヤによるフレキシブルコンテナの搬送速度と同じ速度で回転させる請求項1又は請求項2記載のコンベヤシステムの制御方法。
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